JP2020115495A - 半導体装置、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置、及び半導体装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】信頼性の向上を図ることができる半導体装置、及び半導体装置の製造方法を得る。【解決手段】半導体モジュール3は、モジュール本体6と、モジュール本体6から突出する端子突出部31とを有している。モジュール本体6には、ヒートシンク2の実装面23に対向するモジュール底面61が形成されている。接着層4は、モジュール底面61と実装面23との間に介在している。保護部材5は、接着層4の外側でモジュール底面61と実装面23との間に介在しているとともに、端子突出部31と実装面23との間に介在している。また、保護部材は、モジュール底面61、実装面23及び接着層4に接着されている。【選択図】図1

Description

この発明は、ヒートシンクに接着層を介して半導体モジュールを接着した半導体装置、及び半導体装置の製造方法に関する。
従来、複数の半導体チップが固定された銅製の導体をアルミニウム製のヒートシンクに絶縁樹脂シートを介して接着したインバータ装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
特許3641232号公報
特許文献1に示されている従来のインバータ装置では、インバータ装置の温度が変化したときに、導体とヒートシンクとの線膨張率の差に起因して絶縁樹脂シートに熱応力が作用する。従って、従来のインバータ装置では、絶縁樹脂シートの少なくとも一部が熱応力によって導体又はヒートシンクから剥がれるおそれがある。絶縁樹脂シートの少なくとも一部が導体又はヒートシンクから剥がれた場合、導体とヒートシンクとの間で電気絶縁性能の低下及び熱伝導性能の低下が生じてしまい、インバータ装置の信頼性が低下してしまう。
また、半導体チップの端子とヒートシンクとの間に導電性異物が挟まると、端子とヒートシンクとの間の電気絶縁性能が低下してしまい、インバータ装置の信頼性がさらに低下してしまう。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、信頼性の向上を図ることができる半導体装置、及び半導体装置の製造方法を得ることを目的とする。
この発明による半導体装置は、実装面が形成されたヒートシンク、実装面に対向するモジュール底面が形成されたモジュール本体と、モジュール本体から突出する端子突出部とを有し、実装面に設けられた半導体モジュール、モジュール底面と実装面との間に介在しており、モジュール本体を実装面に接着している接着層、及び接着層の外側でモジュール底面と実装面との間に介在しているとともに、端子突出部と実装面との間にも介在している保護部材を備え、保護部材は、モジュール底面、実装面及び接着層に接着されている。
この発明による半導体装置、及び半導体装置の製造方法によれば、半導体装置の信頼性の向上を図ることができる。
この発明による実施の形態1の半導体装置を示す断面図である。 図1の半導体装置を示す上面図である。 図1の半導体モジュールを示す断面図である。 図1のヒートシンクを示す断面図である。 図4のヒートシンクの実装面に保護部材が設けられた状態を示す断面図である。 図5の保護部材の内側で実装面に接着層を配置した状態を示す断面図である。 図6の保護部材の内側にモジュール本体を配置するときの状態を示す断面図である。 図7の半導体モジュールを加圧している状態を示す断面図である。 この発明の実施の形態2による半導体装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態3による半導体装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態4による半導体装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態5による半導体装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態6による半導体装置を示す断面図である。 図13の接合部を示す拡大図である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明による実施の形態1の半導体装置を示す断面図である。また、図2は、図1の半導体装置を示す上面図である。さらに、図3は、図1の半導体モジュールを示す断面図である。図において、半導体装置1は、ヒートシンク2と、ヒートシンク2に設けられた半導体モジュール3と、半導体モジュール3をヒートシンク2に接着している接着層4と、半導体モジュール3及び接着層4を囲む保護部材5とを有している。この例では、インバータ装置などの電力変換装置に用いられる電力用半導体装置が半導体装置1とされている。また、この例では、電力用半導体装置に含まれるパワーモジュールが半導体モジュール3とされている。
半導体モジュール3は、図2に示すように、モジュール本体6と、モジュール本体6に複数の端子として設けられた第1の端子7、第2の端子8及び第3の端子9とを有している。
モジュール本体6には、モジュール底面61と、モジュール天面62と、モジュール側面63とが形成されている。モジュール天面62は、モジュール本体6を挟んでモジュール底面61と対向している。モジュール側面63は、モジュール底面61とモジュール天面62との間でモジュール本体6を囲む外周面である。この例では、モジュール底面61に直交する方向に沿ってモジュール本体6を見たとき、図2に示すように、モジュール本体6の形状が矩形状になっている。
モジュール本体6は、発熱部品である電力用の半導体素子11と、半導体素子11が設けられた板状の放熱部材12と、半導体素子11及び放熱部材12を覆うモールド部材13とを有している。
放熱部材12は、導電性及び熱伝導性を持つ材料で構成されている。放熱部材12を構成する材料としては、銅、アルミニウムなどの金属材料が用いられている。
放熱部材12には、放熱面121と、接合面122とが形成されている。接合面122は、放熱部材12を挟んで放熱面121と対向している。放熱面121は、モールド部材13から露出している。モジュール底面61は、放熱面121と、放熱面121の周囲に形成されたモールド部材13の面とによって構成されている。モジュール天面62及びモジュール側面63は、モールド部材13に形成されている。モールド部材13は、電気絶縁性を持つ樹脂で構成されている。
半導体素子11は、はんだなどの導電性接合部材14を介して接合面122に接合されている。第1の端子7は、はんだなどの導電性接合部材15を介して半導体素子11に接合されている。第2の端子8は、はんだなどの導電性接合部材16を介して接合面122に接合されている。第3の端子9は、はんだなどの図示しない導電性接合部材を介して接合面122に接合されている。これにより、放熱部材12には、半導体素子11の動作中に電位が発生する。半導体素子11としては、炭化ケイ素(SiC)を材料として構成されたワイドギャップ半導体素子、シリコン(Si)を用いた素子などが用いられている。
第1の端子7、第2の端子8及び第3の端子9のそれぞれは、モジュール本体6から突出する端子突出部31を有している。第1の端子7、第2の端子8及び第3の端子9のそれぞれの端子突出部31は、モジュール側面63から突出している。この例では、第1の端子7及び第2の端子8がモジュール本体6に電力を供給するための端子であり、第3の端子9がモジュール本体6から外部へ電力を供給するための端子である。
ヒートシンク2は、天板21と、天板21から突出する複数のフィン22とを有している。天板21には、実装面23が形成されている。複数のフィン22は、天板21の実装面23とは反対側の部分から突出している。また、複数のフィン22は、互いに間隔をあけて配置されている。
ヒートシンク2は、導電性及び熱伝導性を持つ材料で構成されている。ヒートシンク2を構成する材料としては、アルミニウム、銅などの金属材料が用いられている。この例では、導電性溶液が各フィン22に接触しながら冷却媒体として流れる水冷式のヒートシンクがヒートシンク2として用いられている。また、この例では、ヒートシンク2を流れる導電性溶液を通じて例えばラジエータなどの周辺部品とヒートシンク2とが電気的に接続される。
ここで、実装面23に電位が発生してヒートシンク2に電流が流れた場合には、ヒートシンク2から周辺部品にも電流が流れる。これにより、半導体モジュール3がアースと短絡する故障が発生するおそれがある。従って、ヒートシンク2は、半導体モジュール3から電気的に絶縁する必要がある。
モジュール本体6は、モジュール底面61を実装面23に対向させた状態で配置されている。接着層4は、実装面23とモジュール底面61との間に介在している。モジュール底面61に対する接着層4の範囲は、放熱面121をすべて含む範囲である。また、モジュール底面61の外周部分は、接着層4の範囲の外側で接着層4から露出している。
接着層4は、熱伝導性及び電気絶縁性を持つ材料で構成されている。接着層4を構成する材料としては、熱伝導性フィラーと熱硬化型樹脂とを複合化した材料が用いられる。熱伝導性フィラーとしては、窒化ホウ素、窒化ケイ素、アルミナなどが用いられる。熱硬化型樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂などが用いられる。
熱伝導性フィラーと熱硬化型樹脂とを複合化する方法としては、以下の方法が用いられる。即ち、予め粒子状に形成された熱伝導性フィラーと、熱硬化型樹脂とを混ぜ合わせて混合ペーストを作製する。この後、銅箔、PET(Polyethyleneterehthalate)製シートなどの基材に混合ペーストを塗布する。この後、混合ペーストをプレスなどによって平坦化することにより、混合ペースト内のボイドが縮小化される。この後、基材から剥がした混合ペーストが接着用シートとして接着層4に用いられる。
接着層4は、半導体装置1における必要な耐電圧に応じて、複数の接着層用シートを貼り合わせて構成してもよい。このようにすれば、接着層4内のボイドが接着層4を厚さ方向へ貫通する確率を低下させることができる。従って、接着層用シートの製造工程に起因してピンホールが接着層用シートに発生した場合でも、接着層4を貫通するボイドの発生を抑制することができる。
また、熱伝導性フィラーと熱硬化型樹脂とを複合化する別の方法として、以下の方法が用いられる。即ち、予め粒子状に形成された熱伝導性フィラー同士を焼結させることにより、熱伝導性フィラー同士の接触面積を増加させる。この後、熱伝導性フィラー間の隙間に熱硬化型樹脂を充填することにより、接着層用シートを作製する。
この方法を用いた場合、熱伝導性フィラー同士の接触状態を向上させることができるので、熱硬化型樹脂の充填比率を調整して接着層用シートの熱伝導性能の向上を図ることができる。
第1の端子7、第2の端子8及び第3の端子9のそれぞれの端子突出部31は、モジュール側面63から突出しているアーム部311と、ヒートシンク2から離れる方向へアーム部311の先端部から延びる立ち上がり部312とを有している。各アーム部311は、実装面23から離れた位置に配置されている。この例では、各アーム部311が実装面23と平行に配置されている。各アーム部311の裏面は、実装面23に対向している。
保護部材5は、実装面23上で接着層4及びモジュール本体6を全周にわたって囲んでいる。また、保護部材5は、接着層4の外側で実装面23とモジュール底面61との間に介在しているとともに、各アーム部311と実装面23との間にも介在している。この例では、接着層4の外側に配置された保護部材5が、実装面23とモジュール底面61との間、及び各アーム部311と実装面23との間に、隙間なく充填されている。
保護部材5では、接着層4の外側で実装面23とモジュール底面61との間に介在する部分が挟み込み部51とされ、各アーム部311と実装面23との間に介在する部分が保護本体部52とされている。挟み込み部51の厚さは、保護本体部52の厚さよりも小さくなっている。また、保護部材5は、実装面23、接着層4、モジュール本体6及び端子突出部31に接着されている。具体的には、実装面23と、接着層4の外周面と、モジュール底面61と、モジュール側面63と、各アーム部311の裏面とに保護部材5が接着されている。
ここで、ヒートシンク2を構成する材料は、熱伝導性、重量、コスト、加工の容易性、耐腐食性などの観点から、アルミニウムとされることが好ましい。一方、放熱部材12を構成する材料は、導電性、熱伝導性などの観点から、銅とされることが好ましい。従って、ヒートシンク2を構成する材料と、放熱部材12を構成する材料とが互いに異なる場合がある。
放熱部材12を構成する材料が銅である場合、モールド部材13の材料の線膨張率を銅の線膨張率に合わせることで、モジュール本体6内の導電性接合部材14,15,16の信頼性が確保される。従って、モジュール本体6の線膨張率は、放熱部材12を構成する銅の線膨張率とほぼ等価になる。なお、銅の線膨張率は、16×10−6/℃である。
ヒートシンク2を構成する材料がアルミニウムである場合、アルミニウムの線膨張率が23×10−6/℃であるため、実装面23とモジュール底面61との間に介在している接着層4が銅及びアルミニウムの線膨張率の差を吸収する必要がある。
接着層4には、半導体装置1の温度変化によって熱応力が生じる。例えば−40℃と125℃との間での温度変化に応じた熱応力が接着層4に生じる。また、接着層4に生じる熱応力の大きさは、接着層4の端部、即ち接着層4の外周部で最も大きくなる。接着層4に生じる熱応力は、実装面23及びモジュール底面61と平行なせん断方向に作用する。微視的には、せん断方向と平行な切欠きが接着層4の端部に存在している。従って、接着層4の端部を起点として接着層4がモジュール底面61及び実装面23から剥離しやすい。
接着層4の端部には、保護部材5が接着されている。保護部材5は、モジュール底面61及び実装面23のそれぞれにも接着されている。これにより、接着層4に保護部材5を繋げることができ、接着層4の端部が接着層4の剥離の起点にならないようにすることができる。また、保護部材5によって接着層4の熱応力に逆らう方向への力を接着層4に作用させることができる。これにより、接着層4の端部における熱応力が保護部材5によって緩和される。この例では、保護部材5の線膨張率が接着層4の線膨張率よりも大きくなっている。また、この例では、保護部材5が接着層4よりも柔らかくなっている。
保護部材5は、電気絶縁性を持つ材料で構成されている。保護部材5を構成する材料としては、シリコーンゴム、シリコーン接着剤、エポキシ接着剤などが用いられる。保護部材5をエポキシ接着剤で構成する場合、エポキシ接着剤の弾性率が1GPa以下の低い弾性率とされる。また、保護部材5を構成する材料として、シリコーンゲルを用いることもできる。保護部材5を構成する材料としてシリコーンゲルを用いた場合、各アーム部311の高さ位置よりも高い寸法を持つ壁を実装面23に設けることにより保護部材5の外部への流出を防止することができる。
次に、半導体装置1の製造方法について説明する。図4〜図8は、図1の半導体装置1を製造するときの手順を説明するための図である。
(保護部材工程)
図4は、図1のヒートシンク2を示す断面図である。また、図5は、図4のヒートシンク2の実装面23に保護部材5が設けられた状態を示す断面図である。半導体装置1を製造するときには、図4及び図5に示すように、ヒートシンク2の実装面23に環状の保護部材5を取り付ける保護部材工程を行う。保護部材5は、環状の保護本体部52の下部から挟み込み部51が内側へ突出した状態で実装面23に取り付けられる。このとき、保護部材5の内側では、実装面23が露出している。
(部品配置工程)
保護部材工程の後、予め作製しておいた半導体モジュール3を実装面23に接着層4を介して配置する部品配置工程を行う。部品配置工程では、モジュール底面61と実装面23との間に接着層4を介在させた状態で接着層4及びモジュール本体6を保護部材5の内側に配置する。また、部品配置工程には、保護部材5の内側で実装面23に接着層4を配置する接着層工程と、予め作製しておいた半導体モジュール3のモジュール本体6を保護部材5の内側に配置する半導体モジュール工程とが含まれている。
(接着層工程)
図6は、図5の保護部材5の内側で実装面23に接着層4を配置した状態を示す断面図である。部品配置工程では、接着層工程を行った後、半導体モジュール工程を行う。接着層工程では、予め作製しておいた接着層用シートを接着層4に用いる。このとき、接着層4の外周面が保護部材5の挟み込み部51の内周面に接触するように接着層4を配置する。接着層4として用いられる接着層用シートの厚さは、挟み込み部51の厚さよりも僅かに小さくされている。
(半導体モジュール工程)
図7は、図6の保護部材5の内側にモジュール本体6を配置するときの状態を示す断面図である。接着層工程の後に行う半導体モジュール工程では、モジュール本体6のモジュール底面61を接着層4に向けてモジュール本体6を配置する。また、半導体モジュール工程では、第1の端子7、第2の端子8及び第3の端子9のそれぞれのアーム部311を保護部材5の保護本体部52に載せる。
(加熱加圧工程)
図8は、図7の半導体モジュール3を加圧している状態を示す断面図である。部品配置工程の後、接着層4を加熱しながら半導体モジュール3を接着層4に加圧する加熱加圧工程を行う。この例では、ヒータプレス装置によって接着層4を加熱しながら半導体モジュール3を接着層4に加圧する。これにより、接着層4が完全に硬化する。接着層4には、常温から硬化温度に昇温して半硬化状態から本硬化状態に変化させる過程で一旦軟化する特性がある。接着層4に対する加圧は、接着層4が軟化するタイミングで行う。
半導体モジュール3が接着層4に加圧されると、モジュール底面61が接着層4及び挟み込み部51に密着するとともに、モジュール側面63が保護本体部52の内周面に密着する。また、各端子突出部31のそれぞれのアーム部311が保護本体部52の上面に密着する。これにより、モジュール底面61が接着層4及び挟み込み部51に接着される。また、モジュール側面63及び各アーム部311が保護本体部52に接着される。このとき、接着層4及び保護部材5は、実装面23にも接着される。
半導体モジュール3が接着層4に加圧されたときには、接着層4が外側へ押し出されようとする。しかし、接着層4の周囲に挟み込み部51が存在することから、接着層4が外側へ押し出されることが挟み込み部51によって防止される。このとき、接着層4として用いられる接着層用シートの厚さが挟み込み部51の厚さよりも僅かに小さいことから、接着層4の全体が潰れて外側へ押し出されようとしても、挟み込み部51が破壊されることはない。本硬化後の接着層4の厚さと目標の厚さとの誤差を小さくするためには、接着層4の本硬化状態での圧縮変化率が加圧力に対してできる限り小さくなるように、接着層4の半硬化状態において予め加圧により圧縮しておく必要がある。
接着層4の電気絶縁性能、即ち接着層4の耐電圧特性は、接着層4内のボイドのサイズが小さくなるほど向上する。加熱加圧工程では、接着層4が加圧されることにより、接着層4内のボイドが潰れてボイドのサイズが小さくなる。これにより、接着層4の電気絶縁性能が飛躍的に高まる。このようにして、半導体装置1が製造される。
このような半導体装置1では、保護部材5が、接着層4の外側でモジュール底面61と実装面23との間に介在しているとともに、各端子突出部31と実装面23との間にも介在している。また、保護部材5の一部は、モジュール底面61、実装面23及び接着層4に接着されている。このため、半導体装置1の温度変化によって接着層4に生じる熱応力を保護部材5によって緩和することができる。これにより、接着層4がモジュール底面61及び実装面23のそれぞれから剥がれにくくすることができる。従って、モジュール本体6とヒートシンク2との間での電気絶縁性能の低下及び放熱性能の低下を抑制することができ、半導体装置1の信頼性の向上を図ることができる。
また、保護部材5が各端子突出部31と実装面23との間に介在していることから、各端子突出部31とヒートシンク2とが導電性異物によって短絡することを防止することができる。これにより、半導体装置1の信頼性の向上をさらに図ることができる。
即ち、半導体装置1を製造するときに発生する導電性異物が端子突出部31と実装面23との間に挟まってしまうと、端子突出部31とヒートシンク2との間の絶縁沿面距離及び絶縁空間距離が不足する。これにより、絶縁耐圧検査で半導体装置1の不良が発生してしまう。特に、複数の半導体モジュール3がヒートシンク2の実装面23に並べて配置されている半導体装置1では、互いに隣接する半導体モジュール3同士の隙間が小さいことから、端子突出部31と実装面23との間の状態を目視確認することが困難になってしまう。このような場合、端子突出部31と実装面23との間に挟まった導電性異物を検出できずに半導体装置1の不良が発生してしまう場合がある。しかし、保護部材5が各端子突出部31と実装面23との間に介在していることから、端子突出部31と実装面23との間への導電性異物の侵入を保護部材5によって防止することができ、半導体装置1の信頼性の向上をさらに図ることができる。
また、保護部材5の線膨張率は、接着層4の線膨張率よりも大きくなっている。このため、半導体装置1の温度変化によって接着層4に生じる熱応力をさらに確実に緩和することができる。これにより、半導体装置1の信頼性の向上をさらに確実に図ることができる。
また、保護部材5は、接着層4よりも柔らかくなっている。このため、保護部材5が外力を受けたときに保護部材5を緩衝材として機能させることができる。これにより、保護部材5に外力を吸収させることができ、接着層4を損傷しにくくすることができる。
また、このような半導体装置1の製造方法では、保護部材5の内側にモジュール本体6を配置した後に、接着層4を加熱しながら半導体モジュール3を接着層4に加圧する。このため、半導体モジュール3が加圧されるときにモジュール底面61と実装面23との間から接着層4が外側へ押し出されることを保護部材5によって防止することができる。これにより、接着層4に十分な加圧力を与えて接着層4を圧縮することができ、接着層4内のボイドのサイズを小さくすることができる。従って、接着層4の電気絶縁性能及び熱伝導性能のそれぞれの向上を図ることができ、半導体装置1の信頼性の向上をさらに図ることができる。
実施の形態2.
図9は、この発明の実施の形態2による半導体装置を示す断面図である。接着層4の外側に配置された保護部材5は、実装面23に設けられた第1層55と、第1層55に重なった第2層56とを有している。
第1層55の厚さは、第2層56の厚さよりも小さくなっている。第1層55の一部は、実装面23とモジュール底面61との間に介在する挟み込み部となっている。第1層55は、実装面23、接着層4の外周面及びモジュール底面61に接着されている。第1層55の圧縮破壊面圧の大きさは、第2層56の圧縮破壊面圧よりも大きくなっている。即ち、第1層55の硬さは、第2層56の硬さよりも硬くなっている。この例では、保護部材5における第1層55及び第2層56のそれぞれが接着層4よりも柔らかくなっている。また、この例では、保護部材5における第1層55及び第2層56のそれぞれの線膨張率が接着層4の線膨張率よりも大きくなっている。
第1層55は、金属系の材料で構成されている。この例では、第1層55としてメタルガスケットが用いられている。第1層55は、放熱部材12から離して配置されている。
第2層56は、第1層55と各アーム部311との間に介在している。また、第2層56は、第1層55、モジュール側面63及び各アーム部311に接着されている。
第2層56は、電気絶縁性を持つ材料で構成されている。第2層56を構成する材料としては、シリコーンゴム、シリコーン接着剤、エポキシ接着剤などが用いられる。第2層56をエポキシ接着剤で構成する場合、エポキシ接着剤の弾性率が1GPa以下の低い弾性率とされる。他の構成及び製造方法は、実施の形態1と同様である。
このような半導体装置1では、実装面23に設けられた第1層55の一部がモジュール底面61と実装面23との間に介在している。また、第1層55の硬さは、第2層56の硬さよりも硬くなっている。このため、半導体装置1を製造するときの加熱加圧工程において接着層4を加圧するときに、実装面23とモジュール底面61との間から押し出されようとする接着層4の樹脂成分を、第2層56よりも硬い第1層55で受けることができる。これにより、接着層4の樹脂成分が保護部材5の外側へ染み出すことをより確実に防止することができ、接着層4の電気絶縁性能の向上をさらに確実に図ることができる。
例えば、接着層4に対する加圧力が1MPa以下であれば、保護部材5の全体を構成する材料としてシリコーンゴム、PTFE(Poly Tetra Fluoro Ethylene)などを用いることによって、接着層4の樹脂成分が保護部材5の外側へ染み出さないようにすることができる。しかし、シリコーンゴム、PTFEなどの材料に無機充填材を混入したシートを保護部材5として用いたとしても、保護部材5が耐えられる加圧力の大きさの限界は3MPa程度である。従って、接着層4に対する加圧力が5MPa以上になる場合には、メタルガスケットなどの金属系の材料を保護部材5の材料として用いざるを得ない。保護部材5の全体を構成する材料を金属系の材料とすると、第1の端子7、第2の端子8及び第3の端子9のそれぞれと、ヒートシンク2との間の絶縁耐性を確保することができなくなってしまう。
そこで、本実施の形態では、保護部材5を第1層55と第2層56とに分け、第1層55の硬さを第2層56の硬さよりも硬くすることにより、各端子7,8,9とヒートシンク2との間の電気絶縁耐性を確保しながら、接着層4に対する加圧力を高めることができる。
実施の形態3.
図10は、この発明の実施の形態3による半導体装置を示す断面図である。ヒートシンク2の実装面23には、第1の凹部24が形成されている。第1の凹部24の外形及び大きさは、保護部材5の外形及び大きさに合わせた形状になっている。従って、この例では、第1の凹部24の外形が矩形状になっている。
第1の凹部24には、保護部材5が嵌っている。具体的には、保護部材5の外周面の下部が第1の凹部24の内周面に隙間なく嵌っている。これにより、実装面23に対する保護部材5の位置決めが行われている。第1の凹部24の深さが0.05mm以上であれば、第1の凹部24は、実装面23に対する保護部材5の位置決めの機能を発揮することができる。ただし、各アーム部311と実装面23との間での保護部材5の絶縁沿面距離が確保される必要がある。
第1の凹部24の底面は、ヒートシンク2の実装面として機能している。第1の凹部24の底面には、接着層4及び保護部材5が接着されている。他の構成及び製造方法は、実施の形態1と同様である。
このような半導体装置1では、保護部材5が嵌る第1の凹部24がヒートシンク2の実装面23に形成されている。このため、実装面23に対する保護部材5の位置決めを行うことができる。これにより、半導体装置1を設置するときの端子接続作業を容易にかつより確実に行うことができる。
即ち、実装面23に対する保護部材5の位置がすれると、実装面23に対する半導体モジュール3の位置もずれてしまう。実装面23に対する半導体モジュール3の位置がずれると、各立ち上がり部312の位置もずれてしまい、外部接続用端子に立ち上がり部312を接続することができなくなるおそれがある。本実施の形態では、実装面23に対する保護部材5の位置決めを行うことができるので、外部接続用端子に立ち上がり部312を容易にかつより確実に接続することができる。
実施の形態4.
図11は、この発明の実施の形態4による半導体装置を示す断面図である。ヒートシンク2の実装面23に形成された第1の凹部24の底面には、第2の凹部25が形成されている。第2の凹部25の外形及び大きさは、接着層4の外形及び大きさに合わせた外形及び大きさになっている。
第2の凹部25には、接着層4が嵌っている。具体的には、接着層4の外周面の下部が第2の凹部25の内周面に隙間なく嵌っている。これにより、実装面23に対する接着層4の位置決めが行われている。第2の凹部25の深さが接着層4の厚さの1/6以上であれば、第2の凹部25は、実装面23に対する接着層4の位置決めの機能を発揮することができる。従って、例えば、接着層4の厚さが0.300mmである場合、第2の凹部25の深さが0.05mm以上であればよい。
第2の凹部25の深さが深いほど、実装面23に対する接着層4の位置ずれの頻度を下げることができる。ただし、第2の凹部25の底面と接着層4との間、及びモジュール底面61と接着層4との間に、隙間が生じないようにする必要がある。
第1の凹部24及び第2の凹部25のそれぞれの底面は、ヒートシンク2の実装面として機能している。第1の凹部24の底面には、保護部材5が接着されている。第2の凹部25の底面には、接着層4が接着されている。他の構成及び製造方法は、実施の形態3と同様である。
このような半導体装置1では、保護部材5が嵌る第1の凹部24がヒートシンク2の実装面23に形成され、接着層4が嵌る第2の凹部25が第1の凹部24の底面に形成されている。このため、実装面23に対する保護部材5の位置決めと、実装面23に対する接着層4の位置決めとを行うことができる。これにより、半導体装置1の信頼性の向上をさらに確実に図ることができる。
即ち、半導体装置1を製造するときの接着層工程において、保護部材5の内側で接着層4を配置する位置がずれて接着層4が保護部材5上に乗りあがってしまうと、接着層4が保護部材5に乗りあがった状態でモジュール本体6が保護部材5の内側に配置されることになる。従って、加熱加圧工程において半導体モジュール3を接着層4に加圧したときに、保護部材5に乗りあがった側の接着層4の部分に圧力が集中して接着層4が破損してしまうおそれがある。また、半導体モジュール3を接着層4に加圧したときに、保護部材5に乗りあがっていない側の接着層4の部分に必要な圧力がかからず、モジュール底面61及び実装面23に接着層4が密着せずに隙間が生じ、モジュール底面61及び実装面23に接着層4を接着することができなくなるおそれがある。
接着層4が破損すると、モジュール底面61と実装面23との間に接着層4の厚さ方向に亀裂が生じ、接着層4による電気的な絶縁耐圧を確保することができなくなるおそれがある。また、モジュール底面61と接着層4との間、又は実装面23と接着層4との間に隙間が生じてしまうと、放熱部材12からヒートシンク2への放熱経路が遮断されたり、接着層4での部分放電開始電圧が低下したりするおそれがある。従って、接着層4が保護部材5上に乗りあがってしまうと、半導体装置1の信頼性が低下してしまう。
本実施の形態では、接着層4が保護部材5に乗りあがってしまうことをより確実に防止することができる。このため、接着層4が保護部材5に乗りあがることによる不具合をより確実に回避することができ、半導体装置1の信頼性の向上をさらに確実に図ることができる。
なお、上記の例では、モジュール底面61が平面になっている。しかし、モジュール底面61の形状を、第2の凹部25側に盛り上がる凸形状にしてもよい。このようにすれば、第2の凹部25の深さを接着層4の厚さよりも深くすることもできる。実験では、接着層4の厚さに対する第2の凹部25の深さの比率が1.1倍〜1.2倍程度になるまでは、ヒートシンク2の実装面及びモジュール底面61に接着層4が接着不足なく接着されることを確認した。例えば、接着層4の厚さが0.300mmである場合、第2の凹部25の深さが0.330mm〜0.360mm程度の深さになるまでは、ヒートシンク2の実装面及びモジュール底面61に接着層4が接着不足なく接着される。
実施の形態5.
図12は、この発明の実施の形態5による半導体装置を示す断面図である。第1の端子7と実装面23との間では、第1の端子7のアーム部311の端面を通りかつ実装面23に直交する直線、即ち第1の基準線の位置に保護部材5の外面の位置が一致している。第2の端子8と実装面23との間では、第2の端子8のアーム部311の端面を通りかつ実装面23に直交する直線、即ち第2の基準線の位置に保護部材5の外面の位置が一致している。第3の端子9と実装面23との間では、第3の端子9のアーム部311の端面を通りかつ実装面23に直交する直線、即ち第3の基準線の位置に保護部材5の外面の位置が一致している。
第1の端子7と実装面23との間の絶縁沿面距離は、第1の基準線上で最短距離となる。第2の端子8と実装面23との間の絶縁沿面距離は、第2の基準線上で最短距離となる。第3の端子9と実装面23との間の絶縁沿面距離は、第3の基準線上で最短距離となる。
保護部材5の外面には、凸部57が設けられている。凸部57は、各アーム部311と実装面23との間に位置している。また、凸部57は、モジュール本体6からみて第1〜第3の基準線よりも外側へ保護部材5の外面から突出している。これにより、半導体装置1では、各端子7,8,9と実装面23との間の絶縁沿面距離が、凸部57によって第1〜第3の基準線から外れた分だけ最短距離よりも長くなっている。
この例では、凸部57が保護部材5の外周面に保護部材5の周方向に沿って設けられている。また、この例では、保護部材5の周方向に直交する平面での凸部57の断面形状が三角形状になっている。さらに、この例では、保護部材5及び凸部57が同一材料で一体成形されている。他の構成及び製造方法は、実施の形態1と同様である。
このような半導体装置1では、保護部材5の外面に凸部57が設けられている。このため、保護部材5の外側の面を辿って各端子7,8,9から実装面23に達するまでの距離を凸部57の表面の増加分だけ長くすることができる。これにより、各端子7,8,9のそれぞれの位置を実装面23から遠ざけることなく、各端子7,8,9と実装面23との間の絶縁沿面距離を確保することができる。従って、半導体装置1の大型化を回避することができる。
なお、上記の例では、保護部材5の周方向に直交する平面での凸部57の断面形状が三角形状になっている。しかし、凸部57の断面形状は、三角形状に限定されない。例えば、四角形以上の多角形、半円、半楕円などの形状であってもよい。
また、上記の例では、保護部材5及び凸部57が一体成形により形成されている。しかし、保護部材5を形成した後に、保護部材5とは別個に形成された凸部57を保護部材5の外面に接合してもよい。
実施の形態6.
図13は、この発明の実施の形態6による半導体装置を示す断面図である。半導体装置1は、ヒートシンク2に接合されたジャケット部材10をさらに有している。ジャケット部材10は、熱伝導性及び導電性を持つ材料で構成されている。ジャケット部材10を構成する材料としては、アルミニウム、銅などの金属材料が用いられている。この例では、ジャケット部材10がヒートシンク2と同じ材料で構成されている。
ジャケット部材10は、ヒートシンク2に対して実装面23側とは反対側に配置されている。また、ヒートシンク2とジャケット部材10との間には、冷却媒体としての導電性溶液を流す複数の流路101が形成されている。各流路101は、複数のフィン22の間に形成されている。ヒートシンク2は、各流路101に導電性溶液が流れることにより冷却される。
天板21の幅方向両端部とジャケット部材10との間には、導電性溶液が外部へ漏れることを防止する図示しないシール部材が介在している。また、ジャケット部材10は、天板21の幅方向両端部に位置する複数の接合部102によってヒートシンク2に接合されている。各接合部102は、シール部材を避けて設けられている。
図14は、図13の接合部102を示す拡大図である。各接合部102は、天板21及びジャケット部材10にエネルギを局所的に与えることにより、天板21及びジャケット部材10のそれぞれの母材同士を軟化させて形成されている。具体的には、レーザ溶接、電子ビーム溶接、摩擦撹拌接合などによって各接合部102が形成されている。これにより、各接合部102は、ヒートシンク2及びジャケット部材10のそれぞれの材料のみで構成されている。各接合部102では、ヒートシンク2及びジャケット部材10のそれぞれの材料が混合された状態になっている。他の構成及び製造方法は、実施の形態1と同様である。
ここで、ヒートシンク2とジャケット部材10との間の流路101を流れる冷却媒体が外部に漏れださないようにする構成として、ヒートシンク2の天板21の幅方向両端部とジャケット部材10との間にメタルガスケット、Oリンクなどを介在させ、天板21にジャケット部材10をねじによって固定する構成が考えられる。
また、ヒートシンク2とジャケット部材10との間の流路101を流れる冷却媒体が外部に漏れださないようにする別の構成として、例えばアルミニウム系又は銅系で同種の材料を用いて天板21及びジャケット部材10を構成し、天板21の幅方向両端部にシール部材としてのろう材を介してジャケット部材10を接合する構成も考えられる。
しかし、メタルガスケット、Oリンクなどを用いた場合、ねじによる固定に必要なスペースが半導体装置1全体のサイズに大きく影響してしまう場合がある。また、ろう材を用いた場合、例えばアルミニウムでそれぞれ構成されたヒートシンク2及びジャケット部材10同士を接合するためには、600℃前後の温度まで昇温させる必要がある。
部材を600℃の温度に昇温させるためには、部材の耐熱温度が600℃以上である必要がある。一方、半導体モジュール3の耐熱温度は、半導体モジュール3内の半導体素子11、導電性接合部材14,15,16、モールド部材13などの耐熱温度の観点から、250℃程度が限界である。従って、半導体モジュール3をヒートシンク2の実装面23に接着した後にジャケット部材10をヒートシンク2にろう材で接合することは、非現実的である。
このような半導体装置1では、冷却媒体が流れる流路101がヒートシンク2とジャケット部材10との間に形成されている。このため、ヒートシンク2を効果的に冷却することができ、半導体モジュール3の放熱効果をさらに高めることができる。
また、ヒートシンク2の天板21に対するジャケット部材10の接合部102は、天板21及びジャケット部材10のそれぞれの材料のみで構成されている。このため、ヒートシンク2及びジャケット部材10にエネルギを局所的に与えて接合部102を形成することができる。これにより、接合部102を形成するときに発生する熱及び応力を小さくすることができる。従って、半導体モジュール3をヒートシンク2の実装面23に接着した後でも、ジャケット部材10をヒートシンク2に接合することができる。
ヒートシンク2及びジャケット部材10にエネルギを局所的に与えて接合部102を形成する場合、母材を軟化させることから、金属スパッタ、金属ヒューム、金属バリなどの導電性異物が発生しやすくなる。各端子7,8,9と実装面23との間に導電性異物が挟まってしまうと、上述したように、各端子7,8,9とヒートシンク2との間の絶縁耐圧を確保することができなくなる。また、エネルギを局所的に与える条件を調整して導電性異物の発生を抑制することはできるが、導電性異物を発生させないようにすることは非常に困難である。しかし、本実施の形態では、各端子7,8,9と実装面23との間に保護部材5が介在していることから、各端子7,8,9とヒートシンク2との間への導電性異物の侵入を保護部材5によって防止することができ、半導体装置1の信頼性の向上を図ることができる。
なお、各上記実施の形態では、減圧環境下で接着層4を加熱しながら半導体モジュール3を加圧する真空式ヒータプレス装置を加熱加圧工程で用いてもよい。このようにすれば、接着層4内のボイドのサイズをさらに小さくすることができる。また、実装面23と接着層4との間、及びモジュール底面61と接着層4との間のそれぞれに空気層が生じることを抑制することもできる。
また、各上記実施の形態では、接着層4の外側で、ヒートシンク2の実装面23と、接着層4と、モジュール底面61と、モジュール側面63と、各アーム部311の裏面とに保護部材5が接着されている。しかし、モジュール側面63及び各アーム部311の裏面には保護部材5を接触させるだけで接着せず、実装面23、接着層4及びモジュール底面61にのみ保護部材5が接着されていてもよい。
また、各上記実施の形態では、部品配置工程において保護部材5の内側で接着層4を実装面23に配置する接着層工程の後に、保護部材5の内側にモジュール本体6を配置する半導体モジュール工程が行われている。しかし、部品配置工程では、接着層工程と半導体モジュール工程とを同時に行ってもよい。この場合、接着層4をモジュール底面61に取り付けた状態でモジュール本体6を保護部材5の内側に配置する。
また、各上記実施の形態では、保護部材5の線膨張率が接着層4の線膨張率よりも大きくなっている。しかし、保護部材5の線膨張率は、接着層4の線膨張率よりも小さくてもよいし、接着層4の線膨張率と同じであってもよい。
また、各上記実施の形態では、保護部材5が接着層4よりも柔らかくなっている。しかし、保護部材5が接着層4よりも硬くてもよいし、保護部材5及び接着層4のそれぞれの硬さが同じでもよい。
また、実施の形態2では、第1層55及び第2層56を有する保護部材5が実施の形態1の半導体装置1に適用されている。しかし、第1層55及び第2層56を有する保護部材5を実施の形態3〜6の半導体装置1に適用してもよい。
また、実施の形態5では、凸部57が設けられた保護部材5が実施の形態1の半導体装置1に適用されている。しかし、凸部57が設けられた保護部材5を実施の形態2〜4及び6の半導体装置1に適用してもよい。
また、実施の形態6では、ジャケット部材10が接合部102によってヒートシンク2に接合された構成が実施の形態1の半導体装置1に適用されている。しかし、ジャケット部材10が接合部102によってヒートシンク2に接合された構成を実施の形態2〜5の半導体装置1に適用してもよい。
1 半導体装置、2 ヒートシンク、3 半導体モジュール、4 接着層、5 保護部材、6 モジュール本体、7 第1の端子、8 第2の端子、9 第3の端子、10 ジャケット部材、23 実装面、24 第1の凹部、25 第2の凹部、31 端子突出部、55 第1層、56 第2層、57 凸部、61 モジュール底面、101 流路、102 接合部。

Claims (10)

  1. 実装面が形成されたヒートシンク、
    前記実装面に対向するモジュール底面が形成されたモジュール本体と、前記モジュール本体から突出する端子突出部とを有し、前記実装面に設けられた半導体モジュール、
    前記モジュール底面と前記実装面との間に介在しており、前記モジュール本体を前記実装面に接着している接着層、及び
    前記接着層の外側で前記モジュール底面と前記実装面との間に介在しているとともに、前記端子突出部と前記実装面との間にも介在している保護部材
    を備え、
    前記保護部材は、前記モジュール底面、前記実装面及び前記接着層に接着されている半導体装置。
  2. 前記保護部材の線膨張率は、前記接着層の線膨張率よりも大きくなっている請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記保護部材は、前記接着層よりも柔らかくなっている請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記保護部材は、前記実装面に設けられた第1層と、前記第1層に重なった第2層とを有しており、
    前記第1層の一部は、前記モジュール底面と前記実装面との間に介在しており、
    前記第2層は、前記端子突出部と前記第1層との間に介在しており、
    前記第1層の硬さは、前記第2層の硬さよりも硬くなっている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体装置。
  5. 前記実装面には、第1の凹部が形成されており、
    前記第1の凹部には、前記保護部材が嵌っている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記第1の凹部の底面には、第2の凹部が形成されており、
    前記第2の凹部には、前記接着層が嵌っている請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記保護部材の外面には、凸部が設けられている請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の半導体装置。
  8. 前記ヒートシンクに接合されたジャケット部材を備え、
    前記ヒートシンクと前記ジャケット部材との間には、冷却媒体が流れる流路が形成されている請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体装置。
  9. 前記ヒートシンクに対する前記ジャケット部材の接合部は、前記ヒートシンク及び前記ジャケット部材のそれぞれの材料のみで構成されている請求項8に記載の半導体装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の半導体装置を製造する半導体装置の製造方法であって、
    前記実装面に前記保護部材を取り付ける保護部材工程、
    前記保護部材工程の後、前記モジュール底面と前記実装面との間に前記接着層を介在させた状態で前記接着層及び前記モジュール本体を前記保護部材の内側に配置する部品配置工程、及び
    前記部品配置工程の後、前記接着層を加熱しながら前記半導体モジュールを前記接着層に加圧する加熱加圧工程
    を備えている半導体装置の製造方法。
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