JP2021020877A - 含ホウ素縮合環化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
下記式(1):
[式中、
環A、環B及び環Cは、それぞれ独立に芳香環を表す。
HA、HB及びHCは、水素原子を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−N(R)−で表される基を表す。
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rは環A、環B又は環Cと結合して環を形成していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
で表される部分構造を有する多環芳香族化合物の、前記環A上の水素原子、前記環B上の水素原子及び前記環C上の水素原子からなる群より選択される少なくとも一つの水素原子(但し、HAを除く)をハロゲン化して、ハロゲン化物を得るハロゲン化工程と、
前記ハロゲン化物、又は、前記ハロゲン化物のハロゲン−金属交換反応により得られる有機金属化合物と、BX3で表されるホウ素化合物(Xは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するXは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)と、を反応させて、下記式(2):
[式中、環A、環B、環C、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。]
で表される部分構造を有する含ホウ素縮合環化合物を得る環化工程と、
を含む、含ホウ素縮合環化合物の製造方法。
[2]
前記ハロゲン化工程が、前記環B上の水素原子及び前記環C上の水素原子からなる群より選択される少なくとも一つの水素原子がハロゲン化される工程であり、
前記環化工程が、前記ハロゲン化物と前記ホウ素化合物とを反応させる工程である、[1]に記載の製造方法。
[3]
前記環Bが前記X1と結合するベンゼン環を有し、
前記ハロゲン化工程が、前記ベンゼン環の前記X1に対するパラ位の水素原子がハロゲン化される工程である、[2]に記載の製造方法。
[4]
前記ハロゲン化工程が、前記環A上の水素原子のうち少なくとも一つの水素原子(但し、HAを除く)がハロゲン化される工程であり、
前記環化工程が、前記有機金属化合物と前記ホウ素化合物とを反応させる工程である、[1]に記載の製造方法。
[5]
前記環Aが前記HAと結合するベンゼン環を有し、
前記ハロゲン化工程が、前記ベンゼン環の前記HAに対するメタ位の水素原子がハロゲン化される工程である、[4]に記載の製造方法。
[6]
前記多環芳香族化合物が、下記式(1A)で表される化合物であり、
前記含ホウ素縮合環化合物が、下記式(2A)で表される化合物である、[1]に記載の製造方法。
[式中、
HA、HB、HC、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、隣接する炭素原子に結合する基同士で結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11のうち少なくとも一つは水素原子である。]
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。]
[7]
前記式(1A)におけるR1、R2、R3、R4、R8、R9、R10及びR11のうち少なくとも一つが水素原子であり、
前記ハロゲン化工程が、R1、R2、R3、R4、R8、R9、R10及びR11のうち少なくとも一つの水素原子がハロゲン化される工程であり、
前記環化工程が、前記ハロゲン化物と前記ホウ素化合物とを反応させる工程である、[6]に記載の製造方法。
[8]
前記式(1A)におけるR2が水素原子であり、
前記ハロゲン化物が、下記式(3B)で表される化合物である、[7]に記載の製造方法。
[式中、
R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。
Y1は、ハロゲン原子を表す。]
[9]
前記式(1A)におけるR5、R6及びR7のうち少なくとも一つが水素原子であり、
前記ハロゲン化工程が、R5、R6及びR7のうち少なくとも一つの水素原子がハロゲン化される工程であり、
前記環化工程が、前記有機金属化合物と前記ホウ素化合物とを反応させる工程である、[6]に記載の製造方法。
[10]
前記式(1A)におけるR5が水素原子であり、
前記ハロゲン化物が、下記式(3C)で表される化合物である、[9]に記載の製造方法。
[式中、
R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。
Y2は、ハロゲン原子を表す。]
[11]
下記式(3B)で表される化合物と、BX3で表されるホウ素化合物(Xは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するXは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)と、を反応させて、下記式(2B)で表される含ホウ素縮合環化合物を得る環化工程を含む、含ホウ素縮合環化合物の製造方法。
[式中、
HA、HB及びHCは、水素原子を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−N(R)−で表される基を表す。
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rは、式(3B)中のベンゼン環と結合して環を形成していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、隣接する炭素原子に結合する基同士で結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
Y1は、ハロゲン原子を表す。]
[式中、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。]
[12]
下記式(3C)で表される化合物のハロゲン−金属交換反応により得られる有機金属化合物と、BX3で表されるホウ素化合物(Xは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するXは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)と、を反応させて、下記式(2C)で表される含ホウ素縮合環化合物を得る環化工程を含む、含ホウ素縮合環化合物の製造方法。
[式中、
HA、HB及びHCは、水素原子を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−N(R)−で表される基を表す。
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rは、式(3C)中のベンゼン環と結合して環を形成していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、隣接する炭素原子に結合する基同士で結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
Y2は、ハロゲン原子を表す。]
[式中、R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。]
本明細書で共通して用いられる用語は、特記しない限り、以下の意味である。
Meはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、i−Prはイソプロピル基、t−Buはtert−ブチル基、Phはフェニル基を表す。
アルキル基は、置換基を有していてもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、2−エチルブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、3−プロピルヘプチル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、2−エチルオクチル基、2−ヘキシルデシル基、ドデシル基等が挙げられる。また、アルキル基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。このようなアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、3−フェニルプロピル基、3−(4−メチルフェニル)プロピル基、3−(3,5−ジ−ヘキシルフェニル)プロピル基、6−エチルオキシヘキシル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基が挙げられる。また、シクロアルキル基は、このような基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい(例えば、メチルシクロヘキシル基、エチルシクロヘキシル基等)。
アリール基としては、例えば、単環式の芳香族炭化水素(例えば、ベンゼンが挙げられる。)、又は、多環式の芳香族炭化水素(例えば、ナフタレン及びインデン等の2環式の芳香族炭化水素;アントラセン、フェナントレン、ジヒドロフェナントレン及びフルオレン等の3環式の芳香族炭化水素;ベンゾアントラセン、ベンゾフェナントレン、ベンゾフルオレン、ピレン及びフルオランテン等の4環式の芳香族炭化水素;ジベンゾアントラセン、ジベンゾフェナントレン、ジベンゾフルオレン、ペリレン及びベンゾフルオランテン等の5環式の芳香族炭化水素;スピロビフルオレン等の6環式の芳香族炭化水素;並びに、ベンゾスピロビフルオレン及びアセナフトフルオランテン等の7環式の芳香族炭化水素が挙げられる。)から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基が挙げられる。また、アリール基は、これらの基が複数結合した基を含む。
アリール基は、置換基を有していてもよい。アリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、2−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−フェニルフェニル基等が挙げられる。また、アリール基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
アルコキシ基は、置換基を有していてもよい。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。また、アルコキシ基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
シクロアルコキシ基としては、例えば、シクロヘキシルオキシ基が挙げられる。また、シクロアルコキシ基は、このような基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
アリールオキシ基は、置換基を有していてもよい。アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、1−アントラセニルオキシ基、9−アントラセニルオキシ基、1−ピレニルオキシ基等が挙げられる。また、アリールオキシ基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
アルキルスルフェニル基は、置換基を有していてもよい。アルキルスルフェニル基としては、例えば、メチルスルフェニル基、エチルスルフェニル基、プロピルスルフェニル基、イソプロピルスルフェニル基、ブチルスルフェニル基、イソブチルスルフェニル基、tert−ブチルスルフェニル基、ペンチルスルフェニル基、ヘキシルスルフェニル基、ヘプチルスルフェニル基、オクチルスルフェニル基、2−エチルヘキシルスルフェニル基、ノニルスルフェニル基、デシルスルフェニル基、3,7−ジメチルオクチルスルフェニル基、ラウリルスルフェニル基等が挙げられる。また、アルキルスルフェニル基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
シクロアルキルスルフェニル基は、置換基を有していてもよい。シクロアルキルスルフェニル基としては、例えば、シクロヘキシルスルフェニル基が挙げられる。また、シクロアルキルスルフェニル基は、このような基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
アリールスルフェニル基は、置換基を有していてもよい。アリールスルフェニル基としては、例えば、フェニルスルフェニル基、1−ナフチルスルフェニル基、2−ナフチルスルフェニル基、1−アントラセニルスルフェニル基、9−アントラセニルスルフェニル基、1−ピレニルスルフェニル基等が挙げられる。また、アリールスルフェニル基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
「芳香族複素環式化合物」は、オキサジアゾール、チアジアゾール、チアゾール、オキサゾール、チオフェン、ピロール、ホスホール、フラン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、トリアジン、ピリダジン、キノリン、イソキノリン、カルバゾール、ジベンゾホスホール等の複素環自体が芳香族性を示す化合物、及び、フェノキサジン、フェノチアジン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ベンゾピラン等の複素環自体は芳香族性を示さなくとも複素環に芳香環が縮環されている化合物を意味する。
1価の複素環基としては、例えば、単環式の複素環式化合物(例えば、フラン、チオフェン、オキサジアゾール、ピロール、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ジアザベンゼン及びトリアジンが挙げられる。)、又は、多環式の複素環式化合物(例えば、アザナフタレン、ジアザナフタレン、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ベンゾジアゾール及びベンゾチアジアゾール等の2環式の複素環式化合物;ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、ジベンゾボロール、ジベンゾシロール、ジベンゾホスホール、ジベンゾセレノフェン、カルバゾール、アザカルバゾール、ジアザカルバゾール、フェノキサジン、フェノチアジン、9,10−ジヒドロアクリジン、5,10−ジヒドロフェナジン、フェナザボリン、フェノホスファジン、フェノセレナジン、フェナザシリン、アザアントラセン、ジアザアントラセン、アザフェナントレン及びジアザフェナントレン等の3環式の複素環式化合物;ヘキサアザトリフェニレン、ベンゾカルバゾール、ベンゾナフトフラン及びベンゾナフトチオフェン等の4環式の複素環式化合物;ジベンゾカルバゾール、インドロカルバゾール及びインデノカルバゾール等の5環式の複素環式化合物;カルバゾロカルバゾール、ベンゾインドロカルバゾール及びベンゾインデノカルバゾール等の6環式の複素環式化合物;並びに、ジベンゾインドロカルバゾール等の7環式の複素環式化合物が挙げられる。)から、環を構成する原子に直接結合する水素原子1個を除いた基が挙げられる。また、1価の複素環基は、これらの基が複数結合した基を含む。
1価の複素環基の炭素原子数は、置換基の炭素原子数を含めないで、通常2〜60であり、好ましくは3〜20であり、より好ましくは4〜20である。
1価の複素環基は、置換基を有していてもよい。1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジニル基、ピペリジニル基、キノリニル基、イソキノリニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基等が挙げられる。また、1価の複素環基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
置換アミノ基としては、二置換アミノ基が好ましい。二置換アミノ基としては、例えば、ジアルキルアミノ基、ジシクロアルキルアミノ基及びジアリールアミノ基が挙げられる。
二置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ビス(4−メチルフェニル)アミノ基、ビス(4−tert−ブチルフェニル)アミノ基、ビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ基が挙げられる。また、二置換アミノ基は、これらの基における水素原子の一部又は全部が、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリール基、フッ素原子、塩素原子等で置換された基であってもよい。
本実施形態に係る製造方法は、ハロゲン化工程と環化工程とを含む。ハロゲン化工程は、式(1)で表される部分構造を有する多環芳香族化合物の、環A上の水素原子、環B上の水素原子及び環C上の水素原子からなる群より選択される少なくとも一つの水素原子(但し、HAを除く)をハロゲン化して、ハロゲン化物を得る工程である。また、環化工程は、当該ハロゲン化物、又は、当該ハロゲン化物のハロゲン−金属交換反応により得られる有機金属化合物と、BX3で表されるホウ素化合物(Xは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するXは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)と、を反応させて、下記式(2)で表される部分構造を有する含ホウ素縮合環化合物を得る工程である。各工程において、原料、試薬などは、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
HA、HB及びHCは、水素原子を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−N(R)−で表される基を表す。
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rは環A、環B又は環Cと結合して環を形成していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
式(1)で表される芳香族化合物の分子量は、好ましくは10,000以下であり、より好ましくは3,000以下である。また、式(1)で表される芳香族化合物は分子量分布を有さない低分子化合物であることが好ましい。
式(2)で表される含ホウ素縮合環化合物の分子量は、好ましくは10,000以下であり、より好ましくは3,000以下である。また、式(2)で表される含ホウ素縮合環化合物は分子量分布を有さない低分子化合物であることが好ましい。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。また、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、隣接する炭素原子に結合する基同士で結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11のうち少なくとも一つは水素原子である。
測定試料を約2mg/mLの濃度になるようにクロロホルム又はテトラヒドロフランに溶解させ、LC−MS(Agilent製、商品名:1290 Infinity LC及び6230 TOF LC/MS)に約1μL注入した。LC−MSの移動相には、アセトニトリル及びテトラヒドロフランの比率を変化させながら用い、1.0mL/分の流量で流した。カラムは、SUMIPAX ODS Z−CLUE(住化分析センター製、内径:4.6mm、長さ:250mm、粒径3μm)を用いた。
測定試料をトルエン、テトラヒドロフラン又はクロロホルムのいずれかの溶媒に任意の濃度で溶解させ、DART用TLCプレート(テクノアプリケーションズ社製、商品名:YSK5−100)上に塗布し、TLC−MS(日本電子製、商品名:JMS−T100TD(The AccuTOF TLC))を用いて測定した。測定時のヘリウムガス温度は、200℃〜400℃の範囲で調節した。
5〜10mgの測定試料を約0.5mLの重クロロホルム(CDCl3)、重テトラヒドロフラン、重ジメチルスルホキシド、重アセトン、重N,N−ジメチルホルムアミド、重トルエン、重メタノール、重エタノール、重2−プロパノール又は重塩化メチレンに溶解させ、NMR装置(Agilent製、商品名:INOVA300、又は、JEOL RESONANCE製、商品名:JNM−ECZ400S/L1)を用いて測定した。
以下の方法で化合物(A)を合成した。詳細を以下に示す。
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、1,3−ジブロモ−5−tert−ブチルベンゼン 22.55g、ジフェニルアミン 25.57g、ナトリウム−tert−ブトキシド 17.65g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 0.84g、ジ−tert−ブチルフェニルホスフィン 0.34g、トルエン 680mlを加え50℃で3時間撹拌した。反応液を冷却後、イオン交換水を滴下し、分液した。有機相をイオン交換水で分液洗浄した後、有機相に硫酸マグネシウムと活性炭を加えて1晩静置した。シリカゲルを敷いたフィルターを通して濾過し、得られた溶液を減圧濃縮し粗生成物を得た。酢酸エチル及びアセトニトリルの混合溶媒から再結晶し、29.43gの化合物A−1を得た。
TLC−MS(DART positive):m/z=469.2[M+H]+
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物A−1 20.80g、クロロホルム420mlを加え、−20℃に冷却した。N−ブロモスクシンイミド 7.51gを加え、遮光下で5時間撹拌した。反応液に1質量%亜硫酸ナトリウム水溶液112g滴下し、分液した。有機相をイオン交換水で分液洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相はヘキサン及びトルエンの混合溶媒)、次にトルエン及び2−プロパノールの混合溶媒から再結晶し、12.31gの化合物A−2を得た。
TLC−MS(DART positive):m/z=547[M+H]+
化合物A−2 10mgを、0.75mlの重クロロホルムに溶解させ、NMR用測定試料を作製した。
400MHz溶液NMR装置(装置名:JNM−ECS/L1、日本電子製)を用い、NMR用測定試料を1H−NMR法、HMQC法及びHMBC法により測定した。
1H−NMR法による測定は、観測周波数が399.78MHz、取り込み時間が2.19秒、待ち時間が5秒、積算回数が8回となる条件で行った。
HMQC法による測定は、待ち時間が1.5秒、積算回数が4回、F1展開数が256となる条件で行った。
HMBC法による測定は、待ち時間が1.5秒、積算回数が4回、F1方向展開数が256となる条件で行った。
1H−NMR法による測定結果を以下に示す。HMQC法により測定して得られたNMRスペクトルを図1に示す。HMBC法により測定して得られたNMRスペクトルを図2に示す。
1H−NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm) 1.12(9H、s)、6.59(1H、t)、6.70(1H、t)、6.76(1H、t)、6.92〜6.96(5H、m)、7.02〜7.07(6H、m)、7.17〜7.23(6H、m)、7.26(2H、d)
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物A−2 8.50g、ジイソプロピルエチルアミン 2.01g、三ヨウ化ホウ素(BI3) 12.16g、o−ジクロロベンゼン 170mlを加え、120℃で2時間、170℃で5時間撹拌した。反応液を冷却後、トルエン170ml、ジイソプロピルエチルアミン 12.0g、シリカゲル 17gを加え、30分撹拌した。濾過後、減圧濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相はヘキサン及びトルエンの混合溶媒)、次にトルエン及びアセトニトリルの混合溶媒から再結晶し、2.13gの化合物(A)を得た。
TLC−MS(DART positive):m/z=477[M+H]+
1H−NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm) 6.17(2H、s)、6.76(2H、d)、7.22〜7.27(2H、m)、7.37〜7.44(6H、m)、7.57〜7.62(2H、m)、7.68〜7.73(4H、m)、8,93(2H、dd)
以下の方法で化合物(B)を合成した。詳細を以下に示す。
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、2−ブロモ−5−クロロ−1,3−ジメチルベンゼン 10.0g、4−tert−ブチルアニリン 8.16g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 0.75g、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート 0.42g、ナトリウム tert−ブトキシド 6.57g、トルエン 300mlを加え、35℃で1時間、55℃で1時間撹拌した。反応液を冷却後、シリカゲル13.1gとヘプタン300mlを加えた。シリカゲル26.2gを敷いたフィルターを通して濾過後、ヘプタン及びトルエンの混合溶媒で洗浄した。得られたろ洗液を減圧濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相はヘキサン及びトルエンの混合溶媒)により精製し、13.16gの化合物B−1を得た。
1H−NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm) 1.28(9H、s)、2.18(6H、s)、5.03(1H、s)、6.45(2H、d)、7.10(2H、s)、7.17(2H、d)
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、1,3−ジブロモ−5−tert−ブチルベンゼン 2.80g、化合物B−1 6.07g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0) 0.33g、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボレート 0.18g、ナトリウム tert−ブトキシド 2.30g、トルエン 84mlを加え、55℃で1時間、70℃で2時間撹拌した。反応液を冷却後、セライト6.8gとヘキサン84mlを加えた。シリカゲル13.5gを敷いたフィルターを通して濾過後、ヘキサン及びトルエンの混合溶媒で洗浄した。得られたろ洗液を減圧濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相はヘキサン及びトルエンの混合溶媒)により精製し、6.85gの化合物B−2を得た。
TLC−MS(DART positive):m/z=705.3[M+H]+
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物B−2 0.20g、クロロホルム 10mlを加え、0℃に冷却した。N−ブロモスクシンイミド 51mgを加え、4.5時間撹拌した。反応液を10質量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え30分撹拌後、分液した。有機相を水洗後、減圧濃縮し、粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相はヘキサン及びトルエンの混合溶媒)により精製し、0.16gの化合物B−3を得た。必要量の化合物B−3が得られるまで、上記操作を繰り返した。
TLC−MS(DART positive):m/z=783.2[M+H]+
合成した化合物B−3 10mgを、0.7mlの重クロロホルムに溶解させ、NMR用測定試料を作製した。
600MHz溶液NMR装置(装置名:AV−600、Bruker製)を用い、NMR用測定試料を1H−NMR法、TOCSY法により測定した。
1H−NMR法による測定は、観測周波数が600.13MHz、取り込み時間が2.66秒、待ち時間が1.0秒、積算回数が16回、測定温度が40℃となる条件で行った。
TOCSY法による測定は、待ち時間が1.0秒、積算回数が8回、F1方向展開数が128、測定温度が40℃となる条件で行った。
1H−NMR法による測定結果を以下に示す。TOCSY法により測定して得られたNMRスペクトルを図3に示す。
1H−NMR(CDCl3,400MHz):δ(ppm) 1.26(9H、s)、1.27(9H、s)、1.42(9H、s)、1.84(6H、s)、1.87(6H、s)、6.25(1H、d)、6.51(2H、d)、6.71(2H、d)、6.78(1H、d)、6.94(2H、s)、7.02(2H、s)、7.10(2H、d)、7.14(2H、d)
反応容器内を不活性ガス雰囲気とした後、化合物B−3 1.08gとキシレン32mlを加え、−40℃に冷却しsec−ブチルリチウム 2.5ml(1.0Mシクロヘキサン溶液)を滴下し、2時間撹拌した。BBr3 0.69gを加え1時間撹拌した後、50℃まで昇温し、1.5時間撹拌した。反応液を冷却後、トルエン32ml、ジイソプロピルエチルアミン、10質量%亜硫酸ナトリウム水溶液を加え30分撹拌した。分液後、有機相を水洗し、減圧濃縮し、粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(移動相はヘキサン及びトルエンの混合溶媒)にて精製後、トルエン及びアセトニトリルの混合溶媒から再結晶し0.20gの化合物(B)を得た。
TLC−MS(DART positive):m/z=713.3[M+H]+
以下の方法で、化合物(B)の合成を行った。
Claims (12)
- 下記式(1):
[式中、
環A、環B及び環Cは、それぞれ独立に芳香環を表す。
HA、HB及びHCは、水素原子を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−N(R)−で表される基を表す。
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rは環A、環B又は環Cと結合して環を形成していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。]
で表される部分構造を有する多環芳香族化合物の、前記環A上の水素原子、前記環B上の水素原子及び前記環C上の水素原子からなる群より選択される少なくとも一つの水素原子(但し、HAを除く)をハロゲン化して、ハロゲン化物を得るハロゲン化工程と、
前記ハロゲン化物、又は、前記ハロゲン化物のハロゲン−金属交換反応により得られる有機金属化合物と、BX3で表されるホウ素化合物(Xは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するXは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)と、を反応させて、下記式(2):
[式中、環A、環B、環C、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。]
で表される部分構造を有する含ホウ素縮合環化合物を得る環化工程と、
を含む、含ホウ素縮合環化合物の製造方法。 - 前記ハロゲン化工程が、前記環B上の水素原子及び前記環C上の水素原子からなる群より選択される少なくとも一つの水素原子がハロゲン化される工程であり、
前記環化工程が、前記ハロゲン化物と前記ホウ素化合物とを反応させる工程である、請求項1に記載の製造方法。 - 前記環Bが前記X1と結合するベンゼン環を有し、
前記ハロゲン化工程が、前記ベンゼン環の前記X1に対するパラ位の水素原子がハロゲン化される工程である、請求項2に記載の製造方法。 - 前記ハロゲン化工程が、前記環A上の水素原子のうち少なくとも一つの水素原子(但し、HAを除く)がハロゲン化される工程であり、
前記環化工程が、前記有機金属化合物と前記ホウ素化合物とを反応させる工程である、請求項1に記載の製造方法。 - 前記環Aが前記HAと結合するベンゼン環を有し、
前記ハロゲン化工程が、前記ベンゼン環の前記HAに対するメタ位の水素原子がハロゲン化される工程である、請求項4に記載の製造方法。 - 前記多環芳香族化合物が、下記式(1A)で表される化合物であり、
前記含ホウ素縮合環化合物が、下記式(2A)で表される化合物である、請求項1に記載の製造方法。
[式中、
HA、HB、HC、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、隣接する炭素原子に結合する基同士で結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。但し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11のうち少なくとも一つは水素原子である。]
[式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。] - 前記式(1A)におけるR1、R2、R3、R4、R8、R9、R10及びR11のうち少なくとも一つが水素原子であり、
前記ハロゲン化工程が、R1、R2、R3、R4、R8、R9、R10及びR11のうち少なくとも一つの水素原子がハロゲン化される工程であり、
前記環化工程が、前記ハロゲン化物と前記ホウ素化合物とを反応させる工程である、請求項6に記載の製造方法。 - 前記式(1A)におけるR2が水素原子であり、
前記ハロゲン化物が、下記式(3B)で表される化合物である、請求項7に記載の製造方法。
[式中、
R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。
Y1は、ハロゲン原子を表す。] - 前記式(1A)におけるR5、R6及びR7のうち少なくとも一つが水素原子であり、
前記ハロゲン化工程が、R5、R6及びR7のうち少なくとも一つの水素原子がハロゲン化される工程であり、
前記環化工程が、前記有機金属化合物と前記ホウ素化合物とを反応させる工程である、請求項6に記載の製造方法。 - 前記式(1A)におけるR5が水素原子であり、
前記ハロゲン化物が、下記式(3C)で表される化合物である、請求項9に記載の製造方法。
[式中、
R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。
Y2は、ハロゲン原子を表す。] - 下記式(3B)で表される化合物と、BX3で表されるホウ素化合物(Xは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するXは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)と、を反応させて、下記式(2B)で表される含ホウ素縮合環化合物を得る環化工程を含む、含ホウ素縮合環化合物の製造方法。
[式中、
HA、HB及びHCは、水素原子を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−N(R)−で表される基を表す。
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rは、式(3B)中のベンゼン環と結合して環を形成していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、隣接する炭素原子に結合する基同士で結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
Y1は、ハロゲン原子を表す。]
[式中、R1、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。] - 下記式(3C)で表される化合物のハロゲン−金属交換反応により得られる有機金属化合物と、BX3で表されるホウ素化合物(Xは、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基又はアリールオキシ基を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。複数存在するXは、同一でも異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。)と、を反応させて、下記式(2C)で表される含ホウ素縮合環化合物を得る環化工程を含む、含ホウ素縮合環化合物の製造方法。
[式中、
HA、HB及びHCは、水素原子を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、セレン原子又は−N(R)−で表される基を表す。
Rは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表し、これらの基は置換基を有していてもよく、Rは、式(3C)中のベンゼン環と結合して環を形成していてもよい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルフェニル基、シクロアルキルスルフェニル基、アリールスルフェニル基、1価の複素環基、アミノ基又はハロゲン原子を表し、これらの基は置換基を有していてもよい。R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10及びR11は、隣接する炭素原子に結合する基同士で結合して、それぞれが結合する原子とともに環を形成していてもよい。
Y2は、ハロゲン原子を表す。]
[式中、R1、R2、R3、R4、R6、R7、R8、R9、R10、R11、X1及びX2は、前記と同じ意味を表す。]
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