JP2021017968A - ウォーム減速機及びその製造方法 - Google Patents

ウォーム減速機及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021017968A
JP2021017968A JP2019135577A JP2019135577A JP2021017968A JP 2021017968 A JP2021017968 A JP 2021017968A JP 2019135577 A JP2019135577 A JP 2019135577A JP 2019135577 A JP2019135577 A JP 2019135577A JP 2021017968 A JP2021017968 A JP 2021017968A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axial direction
retaining member
gear housing
worm
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019135577A
Other languages
English (en)
Inventor
武文 吉川
Takefumi Yoshikawa
武文 吉川
洸 中川
Hikaru Nakagawa
洸 中川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NSK Ltd
Original Assignee
NSK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NSK Ltd filed Critical NSK Ltd
Priority to JP2019135577A priority Critical patent/JP2021017968A/ja
Publication of JP2021017968A publication Critical patent/JP2021017968A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gear Transmission (AREA)
  • Mounting Of Bearings Or Others (AREA)

Abstract

【課題】樹脂製のギヤハウジングに内嵌した転がり軸受が、軸方向に変位することを有効に防止できる、ウォーム減速機を実現する。【解決手段】ギヤハウジング9を、熱可塑性樹脂製とし、第一軸受18を構成する外輪41を、円筒面状の嵌合面43に内嵌する。外輪41の軸方向一方側に配置され、外輪41が軸方向一方側に変位することを防止する第一抜け止め部材22を、ギヤハウジング9と同種の熱可塑性樹脂製とする。そして、第一抜け止め部材22を、ギヤハウジング9に対して溶着し、第一抜け止め部材22のうちで、軸方向他方側を向いた側面を外輪41の軸方向一方側の側面に対して突き当てる。【選択図】図4

Description

本発明は、ウォーム減速機及びその製造方法に関する。
自動車用のステアリング装置では、運転者の操作によりステアリングホイールを回転させると、該ステアリングホイールの回転は、ステアリングシャフトや中間シャフトを介して、ステアリングギヤユニットのピニオンシャフトに伝達される。該ピニオンシャフトの回転は、ステアリングギヤユニットのラック軸の直線運動に変換されて、1対のタイロッドを押し引きする。これにより、1対の操舵輪にステアリングホイールの操作量に応じた舵角が付与される。
特開2004−306898号公報(特許文献1)には、電動モータを補助動力源として、運転者がステアリングホイールを操作するのに要する力を軽減する、電動パワーステアリング装置が開示されている。電動パワーステアリング装置は、電動モータのトルクを増大させるために、減速機として、大きな減速比が得られるウォーム減速機を備える。
ウォーム減速機は、ギヤハウジングと、該ギヤハウジングに回転自在に支持されて、外周面にホイール歯を有するウォームホイールと、ギヤハウジングに回転自在に支持されて、外周面にホイール歯と噛合するウォーム歯を有するウォームとを備える。電動モータのトルクは、ウォームを介してウォームホイールに伝達されることにより増大されてから、ステアリングシャフトやピニオンシャフト又はラック軸などの操舵力伝達部材に補助動力として付与される。これにより、運転者がステアリングホイールを操作するのに要する力が軽減される。
ウォーム減速機を構成するウォームやウォームホイールは、ギヤハウジングの内側に、転がり軸受を利用して回転自在に支持されている。このような転がり軸受には、ウォームやウォームホイールに加わるギヤ反力が作用する。このため、転がり軸受が、ギヤハウジングに対して軸方向に変位することを防止するために、止め輪(スナップリング)を使用することが従来から考えられている。具体的には、ギヤハウジングの内周面に備えられた係止溝に対して、止め輪の外周縁部を係止する。そして、ギヤハウジングの内周面に内嵌した転がり軸受を構成する外輪を、止め輪のうちで係止溝から径方向に突出した部分と、ギヤハウジングの内周面に形成された段差面との間で軸方向に挟持する。これにより、転がり軸受が軸方向に変位することを防止している。
特開2004−306898号公報
近年、自動車の低燃費化に対する要求が高まっており、自動車の構成部品のさらなる軽量化が進められている。このような事情に鑑みて、ウォーム減速機を構成するギヤハウジングを、鉄系合金やアルミニウム合金などの金属ではなく、より密度の低い樹脂から造ることが考えられている。
ところが、ギヤハウジングを樹脂製とした場合には、金属製の止め輪から係止溝に加わる軸方向荷重及び径方向外向荷重(反力)により、該係止溝にクリープ変形が生じる可能性がある。このため、係止溝と止め輪との間にがたつきが発生し、転がり軸受の軸方向の変位を十分に防止できなくなる可能性がある。また、止め輪が、転がり軸受に作用する大きな軸方向荷重を支承した場合に、係止溝が溝幅を拡げるように変形してしまい、止め輪が係止溝から脱落したり、係止溝が破損したりする可能性もある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、樹脂製のギヤハウジングに内嵌した転がり軸受が、軸方向に変位することを有効に防止できる、ウォーム減速機を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかるウォーム減速機は、ギヤハウジングと、転がり軸受と、抜け止め部材と、を備える。
前記ギヤハウジングは、熱可塑性樹脂製で、内周面に円筒面状の嵌合面を有している。
前記転がり軸受は、前記嵌合面に内嵌された外輪を有している。
前記抜け止め部材は、環状に構成されており、前記外輪の軸方向一方側に隣接配置され、前記外輪が軸方向一方側に変位することを防止する。
本発明の一態様にかかるウォーム減速機では、前記抜け止め部材を、前記ギヤハウジングと同種の熱可塑性樹脂製とし、前記ギヤハウジングに対して溶着しており、軸方向他方側を向いた側面を前記外輪の軸方向一方側の側面に突き当てている。
本発明の一態様では、前記抜け止め部材のうち、前記ギヤハウジングの周面に対向する周面、又は/及び、前記ギヤハウジングの軸方向一方側を向いた側面に対向する軸方向他方側を向いた側面を、前記ギヤハウジングに対して溶着することができる。
この場合には、前記抜け止め部材を、周面に軸方向他方側から軸方向一方側に向かうほど外径又は内径が段階的に変化する階段状の第一段差部を有するものとし、前記ギヤハウジングを、前記第一段差部に対向する周面に、軸方向他方側から軸方向一方側に向かうほど内径又は外径が段階的に変化する階段状の第二段差部を有するものとし、前記第一段差部と前記第二段差部とを溶着することができる。
本発明の一態様では、前記抜け止め部材を、前記ギヤハウジングに内嵌することができる。あるいは、前記抜け止め部材を、前記ギヤハウジングに外嵌することもできる。
前記抜け止め部材を、前記ギヤハウジングに外嵌する場合には、前記抜け止め部材を、円筒状の外筒部と、該外筒部の軸方向一方側の端部から径方向内側に向けて延びた円輪部とを有するものとし、前記外筒部の内周面を、前記ギヤハウジングの外周面に溶着するとともに、前記外筒部又は/及び前記円輪部の軸方向他方側を向いた側面を、前記ギヤハウジングの軸方向一方側を向いた側面に溶着することができる。また、この状態で、前記外筒部を、前記転がり軸受と径方向に重なるように配置することができる。
本発明の一態様では、前記ギヤハウジングと前記抜け止め部材との境界部に、溶着時に発生したバリを保持するためのバリ溜り(空間)を備えることもできる。
本発明の一態様では、前記ギヤハウジングを、ウォームを収容するためのウォーム収容部を備えるものとし、前記嵌合面を、前記ウォーム収容部の内周面に備えることができる。
また、本発明の一態様では、前記ギヤハウジングを、ウォームホイールを収容するためのウォームホイール収容部を備えるものとし、前記嵌合面を、前記ウォームホイール収容部の内周面に備えることもできる。
さらに、本発明の一態様では、前記ギヤハウジングを、前記ウォーム収容部と前記ウォームホイール収容部とを、一体に備えるものとすることもできる。
本発明の一態様にかかるウォーム減速機の製造方法は、本発明のウォーム減速機の製造方法であって、熱可塑性樹脂製の前記ギヤハウジングに備えられた前記嵌合面に、前記転がり軸受を構成する前記外輪を内嵌した後、前記抜け止め部材に備えられた軸方向他方側を向いた側面を、前記外輪の軸方向一方側の側面に突き当てた状態で、前記抜け止め部材を前記ギヤハウジングに対して溶着する工程を備える。
本発明の一態様では、前記抜け止め部材を前記ギヤハウジングに対してスピン溶着により溶着することができる。
本発明のウォーム減速機によれば、樹脂製のギヤハウジングに内嵌した転がり軸受が、軸方向に変位することを有効に防止できる。
図1は、実施の形態の第1例にかかるウォーム減速機を備えた、電動パワーステアリング装置の部分切断側面図である。 図2は、図1のA−A断面図である。 図3は、図1のB−B断面図である。 図4は、図2のC部に相当する部分に関して、一部の部材を省略して示す拡大斜視図である。 図5は、図3のD部に相当する部分に関して、一部の部材を省略して示す拡大斜視図である。 図6は、実施の形態の第1例に関して、第一抜け止め部材の溶着作業を説明するために示す、分解斜視図である。 図7は、実施の形態の第1例に関して、第二抜け止め部材の溶着作業を説明するために示す、分解斜視図である。 図8は、実施の形態の第2例を示す、図5に相当する図である。 図9は、実施の形態の第2例を示す、図7に相当する図である。
[実施の形態の第1例]
実施の形態の第1例について、図1〜図7を用いて説明する。
〈電動パワーステアリング装置の全体構造〉
電動パワーステアリング装置は、コラムアシストタイプの電動パワーステアリング装置であり、ステアリングホイール1と、ステアリングシャフト2と、ステアリングコラム3と、1対の自在継手4a、4bと、中間シャフト5と、ステアリングギヤユニット6と、1対のタイロッド7と、電動アシスト装置8とを備えている。
ステアリングホイール1は、ステアリングコラム3の内側に回転自在に支持されたステアリングシャフト2の後端部に固定されている。ステアリングシャフト2の前端部は、ステアリングコラム3の前端部に固定されたギヤハウジング9の内側に挿入されており、トーションバー10を介して、出力シャフト11に連結されている。なお、前後方向とは、電動パワーステアリング装置が組み付けられる、車体の前後方向をいう。
出力シャフト11の回転は、1対の自在継手4a、4b及び中間シャフト5を介して、ステアリングギヤユニット6のピニオンシャフト12に伝達される。そして、ピニオンシャフト12の回転を、図示しないラック軸の直線運動に変換することで、1対のタイロッド7を押し引きし、操舵輪に舵角を付与する。
電動アシスト装置8は、運転者がステアリングホイール1を操作するのに要する力の軽減を図るもので、トルクセンサ13と、図示しないECUと、電動モータ14と、ウォーム減速機15とを備えている。
トルクセンサ13は、出力シャフト11の周囲に配置されており、該出力シャフト11の捩れ方向及び捩れ量を検出する。ECUは、トルクセンサ13により検出された出力シャフト11の捩れ方向及び捩れ量に基づき算出した操舵トルクに関する情報、及び、図示しない車速センサにより測定される車速に関する情報などに基づいて、補助トルクを決定する。電動モータ14は、ギヤハウジング9に固定されており、ECUによって通電方向及び通電量が制御されている。ウォーム減速機15は、電動モータ14の回転力を減速して出力シャフト11に伝達する。この結果、出力シャフト11に補助トルクが付与されるため、運転者によってステアリングホイール1に加えられた力よりも大きな力で、1対のタイロッド7を押し引きすることが可能になる。
〈ウォーム減速機の構造〉
ウォーム減速機15は、図2及び図3に示すように、ギヤハウジング9と、ウォーム16と、ウォームホイール17と、出力シャフト11と、第一軸受18〜第四軸受21と、第一抜け止め部材22と、第二抜け止め部材23とを備えている。
ウォーム16は、ギヤハウジング9の内側に、第一軸受18及び第二軸受19により回転自在に支持されており、外周面に備えられたウォーム歯24を、ウォームホイール17の外周面に備えられたホイール歯25に噛合させている。ウォームホイール17は、ギヤハウジング9の内側に、第三軸受20及び第四軸受21により回転自在に支持された出力シャフト11に固定されている。このため、電動モータ14のトルクは、ウォーム16を介してウォームホイール17に伝達されることにより増大されてから、出力シャフト11に補助動力として付与される。以下、ウォーム減速機15を構成する各部材について、詳しく説明する。
《ギヤハウジング》
ギヤハウジング9は、ステアリングコラム3の前端部に固定されており、前側に配置された前側ハウジング26と、後側に配置された後側ハウジング27とを、複数本(図示の例では2本)のボルト28により前後方向に結合してなる。ギヤハウジング9は、有底円筒状のウォーム収容部29と、中空円環状のウォームホイール収容部30と、片持ち梁状のピボット部31と、円筒状のトルクセンサ収容部32とを有している。
前側ハウジング26は、熱可塑性樹脂製で、ウォーム収容部29と、ウォームホイール収容部30の一部(収容筒部33及び収容前板部34)と、ピボット部31とを有している。後側ハウジング27は、前側ハウジング26の後端開口を塞ぐカバーとして機能するものであり、熱可塑性樹脂製で、ウォームホイール収容部30を構成する収容後板部35と、その内側にトルクセンサ13を収容するためのトルクセンサ収容部32とを有している。なお、本例では、前側ハウジング26だけでなく、後側ハウジング27についても、熱可塑性樹脂製としているが、ギヤハウジング9全体として十分な軽量化が図れる場合には、後側ハウジング27は、鉄系合金やアルミニウム合金などの金属製としても良い。また、後側ハウジング27を、熱可塑性樹脂製とする場合には、前側ハウジング26を構成する熱可塑性樹脂と同じとしても良いし、異ならせても良い。
ウォーム収容部29は、ウォーム16を収容するためのもので、その内部空間は、ウォームホイール収容部30の内部空間に連通している。ウォーム収容部29は、ウォームホイール収容部30の外周縁部の円周方向一部に配置されている。ウォーム収容部29の中心軸は、ウォームホイール収容部30の中心軸に対し捩れの位置にある。
ウォームホイール収容部30は、ウォームホイール17を収容するためのもので、その中心軸は前後方向に配設されている。ウォームホイール収容部30は、ウォームホイール17の周囲に配置される円筒状の収容筒部33と、ウォームホイール17の前方に配置され、かつ、収容筒部33の前端開口を塞ぐ円輪状の収容前板部34と、ウォームホイール17の後方に配置され、かつ、収容筒部33の後端開口を塞ぐ円輪状の収容後板部35とを有している。本例では、収容筒部33及び収容前板部34は、前側ハウジング26に備えられており、収容後板部35は、後側ハウジング27に備えられている。
ピボット部31は、ギヤハウジング9を車体に対し、該車体の幅方向に配置された枢軸を中心とする揺動変位を可能に片持ち支持する。ピボット部31は、収容前板部34の前面の上部から前方に突出するように備えられている。
《ウォーム》
ウォーム16は、軸方向一方側部に第一支持軸部36を、軸方向他方側部に第二支持軸部37をそれぞれ有しており、かつ、第一支持軸部36と第二支持軸部37との間部分の外周面に、ウォーム歯24を有している。このようなウォーム16は、ウォーム収容部29の内側に、第一軸受18及び第二軸受19により、回転自在に支持されている。なお、ウォーム16及び該ウォーム16と互いの中心軸がほぼ一致する部材(部分を含む)に関して、軸方向一方側とは、図2及び図4の右側をいい、軸方向他方側とは、図2及び図4の左側をいう。
ウォーム16は、軸方向一方側の端部である基端部を、電動モータ14のモータ出力軸38に対し、スプライン係合などによりトルク伝達を可能に、かつ、ウォーム16の若干の揺動変位を可能に接続している。ウォーム16の軸方向他方側の端部である先端部の周囲には、付勢部材39が配置されている。付勢部材39は、ウォーム16の軸方向他方側の端部を、第二軸受19を介して、ウォームホイール17に近づく方向に付勢し、ウォーム歯24とホイール歯25との噛合部に存在するバックラッシュを抑える。
《第一軸受》
第一軸受18は、単列深溝型や4点接触型などの玉軸受(転がり軸受)であり、それぞれが円環状の内輪40及び外輪41と、複数個の玉42とを備えている。このうちの内輪40は、ウォーム16の第一支持軸部36に外嵌されている。外輪41は、ウォーム収容部29の内周面のうち、開口寄り部分に備えられた円筒面状の嵌合面43に内嵌されている。また、第一軸受18は、内輪40及び外輪41と玉42との間にラジアル隙間を有しているため、ウォーム16は、第一軸受18の中心を支点として揺動可能である。特に本例では、第一軸受18が、ウォーム収容部29に対して軸方向(軸方向一方側)に変位することを防止するために、止め輪に代えて、第一抜け止め部材22を使用している。
《第一抜け止め部材及びその周辺構造》
第一抜け止め部材22は、全体が円環状に構成されており、ウォーム収容部29の内周面の開口側部分に内嵌され、第一軸受18を構成する外輪41の軸方向一方側に隣接配置されている。第一抜け止め部材22は、前側ハウジング26と同種の熱可塑性樹脂製で、ウォーム収容部29の内周面の開口側部分に溶着(溶融接合)されている。なお、前側ハウジング26と同種の熱可塑性樹脂とは、ベースとなる樹脂材料が同種であれば良く、含有する強化材や添加剤などが相違していても構わない。第一抜け止め部材22(及び前側ハウジング26)に使用可能な熱可塑性樹脂の具体例については、後述する。
第一抜け止め部材22は、略横Z字形の断面形状を有しており、略円筒状の筒体44と、該筒体44の内周面の軸方向他方側の端部から径方向内側に向けて延びた内向鍔部45と、該筒体44の外周面の軸方向一方側の端部から径方向外側に向けて延びた外向鍔部46とを有している。筒体44は、外周面に、軸方向他方側から一方側に向かうほど外径が段階的に大きくなる階段状の外周段差部47を有しており、軸方向一方側の側面の円周方向複数箇所(図示の例では4箇所)に、放射状に延びた係合凹部48を有している。なお、第一抜け止め部材22をウォーム収容部29に対して溶着する以前の状態で、筒体44及び外向鍔部46のそれぞれの軸方向他方側の側面、並びに、外周段差部47には、それぞれ溶着代を設けておく。外周段差部47は、第一段差部に相当する。
第一抜け止め部材22が溶着されるウォーム収容部29の内周面の開口側部分には、軸方向他方側から順に、軸方向一方側を向いた円輪状の奥側突き当て面49と、軸方向他方側から一方側に向かうほど内径が段階的に大きくなる階段状の内周段差部50と、軸方向一方側を向いた円輪状の開口側突き当て面51とを有している。奥側突き当て面49の径方向内側の端部は、外輪41が内嵌される嵌合面43の軸方向一方側の端部と、略直角に連続している。奥側突き当て面49及び開口側突き当て面51はいずれも、ウォーム収容部29の中心軸に直交する仮想平面上に位置している。内周段差部50は、第一抜け止め部材22の外周面に備えられた外周段差部47と、軸方向及び径方向に関して隙間なく当接(凹凸係合)可能な母線形状を有している。さらに本例では、ウォーム収容部29の内周面と第一抜け止め部材22の外面との境界部に、溶着時に発生したバリを保持するためのバリ溜り52を有している。具体的には、奥側突き当て面49の径方向外側部に、軸方向他方側に向けて凹んだバリ溜り52を全周に有している。なお、バリ溜り52は、溶着作業時にバリを発生させない溶着方法(たとえばレーザ溶着など)を採用した場合には、省略することができる。内周段差部50は、第二段差部に相当する。
本例では、筒体44の軸方向他方側の側面を、これに対向する奥側突き当て面49に溶着し、外向鍔部46の軸方向他方側の側面を、これに対向する開口側突き当て面51に溶着し、かつ、外周段差部47を、これに対向する内周段差部50に溶着している。このように第一抜け止め部材22をウォーム収容部29の内周面の開口側部分に溶着した状態で、内向鍔部45の軸方向他方側の側面を、外輪41の軸方向一方側の側面に突き当てるとともに、外輪41の軸方向他方側の側面を、ウォーム収容部29の内周面に備えられた、軸方向一方側を向いた円輪状の段差面53に突き当てている。つまり、外輪41を、段差面53と第一抜け止め部材22を構成する内向鍔部45の軸方向他方側の側面との間で、軸方向両側から挟持している。これにより、第一軸受18が軸方向一方側に変位することを、第一抜け止め部材22により防止し、第一軸受18が軸方向他方側に変位することを、段差面53により防止している。
《第二軸受》
第二軸受19は、単列深溝型の玉軸受であり、それぞれが円環状の内輪及び外輪と、複数個の玉とを備えている。このうちの内輪は、ウォーム16の第二支持軸部37にスリーブを介して外嵌されているのに対し、外輪は、付勢部材39を構成するガイド部材に内嵌されている。該ガイド部材は、ウォーム収容部29の内周面の奥側部分に内嵌保持されている。
《ウォームホイール》
ウォームホイール17は、外周面にウォーム歯24と噛合するホイール歯25を有しており、出力シャフト11の軸方向中間部に外嵌固定されている。ウォームホイール17は、ウォームホイール収容部30の内側に配置されている。なお、ウォームホイール17及び該ウォームホイール17と互いの中心軸がほぼ一致する部材(部分を含む)に関しては、軸方向が前後方向に一致しているため、図3及び図5の右側に相当する軸方向一方側のことを、後方側といい、図3及び図5の左側に相当する軸方向他方側のことを、前方側という。また、本例の電動パワーステアリング装置は、コラムアシストタイプであるため、ウォームホイール17を、出力シャフト11に固定しているが、ピニオンアシストタイプの電動パワーステアリング装置では、ウォームホイールをピニオンシャフトに固定する。
《出力シャフト》
出力シャフト11は、中空状に構成されており、ギヤハウジング9(ウォームホイール収容部30)の内側に、第三軸受20及び第四軸受21により、回転自在に支持されている。出力シャフト11の前端部には、自在継手4aが固定されている。出力シャフト11の内側には、トーションバー10が配置されている。トーションバー10の前端部は、出力シャフト11の前端部に対して連結ピン66により相対回転不能に連結されており、トーションバー10の後端部は、ステアリングシャフト2の前端部に対して相対回転不能に接続されている。
《第三軸受》
第三軸受20は、単列深溝型の玉軸受であり、ウォームホイール17の前方に隣接配置されている。第三軸受20は、それぞれが円環状の内輪54及び外輪55と、複数個の玉56とを備えている。このうちの内輪54は、出力シャフト11の外周面のうちで、ウォームホイール17が固定された部分の前方側に隣接した部分に外嵌されている。外輪55は、前側ハウジング26を構成する収容前板部34の内周縁に備えられた支持筒部57の内周面のうち、軸方向中間部に形成された円筒面状の嵌合面58に内嵌されている。特に本例では、第三軸受20が、前側ハウジング26に対して軸方向(後方側)に変位することを防止するために、止め輪に代えて、第二抜け止め部材23を使用している。
《第二抜け止め部材及びその周辺構造》
第二抜け止め部材23は、全体が円環状に構成されており、支持筒部57の内周面の後方側の端部に内嵌され、第三軸受20を構成する外輪55の後方側に隣接配置されている。第二抜け止め部材23は、前側ハウジング26と同種の熱可塑性樹脂製で、ウォームホイール収容部30を構成する支持筒部57の内周面のうち、後方側の端部に溶着されている。なお、本例では、前側ハウジング26が、ウォーム収容部29とウォームホイール収容部30(収容前板部34)とを一体に備えているため、第二抜け止め部材23と第一抜け止め部材22とを、同種の熱可塑性樹脂製としているが、ウォーム収容部29とウォームホイール収容部30(収容前板部34)とが、それぞれ異なる熱可塑性樹脂から造られたものである場合には、第二抜け止め部材23と第一抜け止め部材22とを、異なる熱可塑性樹脂製とすることができる。また、前側ハウジング26と同種の熱可塑性樹脂とは、第一抜け止め部材22の場合と同様に、ベースとなる樹脂材料が同種であれば良く、含有する強化材や添加剤などが相違していても構わない。第二抜け止め部材23に使用可能な熱可塑性樹脂の具体例についても、後述する。
第二抜け止め部材23は、略台形の断面形状を有している。第二抜け止め部材23は、外周面に、前方側から後方側に向かうほど外径が段階的に大きくなる階段状の外周段差部59を有しており、後方側の側面の円周方向複数箇所(図示の例では4箇所)に、放射状に延びた係合凹部60を有している。なお、第二抜け止め部材23を支持筒部57の内周面に溶着する以前の状態で、外周段差部59には、溶着代を設けておく。
第二抜け止め部材23が溶着される支持筒部57の内周面の後方側の端部には、前方側から後方側に向かうほど内径が段階的に大きくなる階段状の内周段差部61を有している。内周段差部61は、第二抜け止め部材23の外周面に備えられた外周段差部59と、前後方向及び径方向に関して隙間なく当接(凹凸係合)可能な母線形状を有している。さらに本例では、支持筒部57の内周面と第二抜け止め部材23の外面との境界部に、溶着時に発生したバリを保持するためのバリ溜り62を有している。具体的には、支持筒部57の内周面のうち、嵌合面58と内周段差部61との間部分に、径方向外側に向けて凹んだ、バリ溜り62を全周に有している。なお、バリ溜り62は、溶着作業時にバリを発生させない溶着方法を採用した場合には、省略することができる。
本例では、外周段差部47(第二抜け止め部材23の外周面)を、これに対向する内周段差部61に溶着している。このように第二抜け止め部材23を支持筒部57の内周面の後方側の端部に溶着した状態で、第二抜け止め部材23の前方側の側面を、外輪55の後方側の側面に突き当てるとともに、外輪55の前方側の側面を、支持筒部57の内周面に備えられた、後方側を向いた段差面63に突き当てている。つまり、外輪55を、段差面63と第二抜け止め部材23の前方側の側面との間で、前後方向両側から挟持している。これにより、第三軸受20が後方側に変位することを、第二抜け止め部材23により防止し、第三軸受20が前方側に変位することを、段差面63により防止している。
《第四軸受》
第四軸受21は、単列深溝型の玉軸受であり、ウォームホイール17の後方に隣接配置されている。第四軸受21は、それぞれが円環状の内輪及び外輪と、複数個の玉とを備えている。このうちの内輪は、出力シャフト11の外周面のうちで、ウォームホイール17が固定された部分の後方に外嵌されているのに対し、外輪は、後側ハウジング27を構成する収容後板部35に内嵌されている。
《溶着方法》
第一抜け止め部材22をウォーム収容部29の内周面の開口側部分に溶着するための溶着方法、及び、第二抜け止め部材23を支持筒部57の内周面の後方側の端部に溶着するための溶着方法は、特に限定されず、たとえば、レーザー溶着、熱板溶着、超音波溶着、振動溶着、及び、スピン溶着など、従来から知られた各種の溶着方法を採用できる。以下、スピン溶着により、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23を溶着する方法について、具体的に説明する。
第一抜け止め部材22をウォーム収容部29に対してスピン溶着により溶着する場合には、図6に示すように、先ず、第一軸受18を構成する外輪41を、ウォーム収容部29の内周面に備えられた嵌合面43に内嵌する。その後、第一抜け止め部材22に備えられた係合凹部48に、図示しない工具の先端部を係合させて、第一抜け止め部材22を、高速で回転(自転)させながら、ウォーム収容部29の内側に軸方向一方側から他方側に向けて挿入する。そして、筒体44及び外向鍔部46のそれぞれの軸方向他方側の側面を、奥側突き当て面49及び開口側突き当て面51に押し付けるとともに、外周段差部47を内周段差部50に押し付けて、それぞれの接合面に摩擦熱を発生させる。これにより、筒体44及び外向鍔部46のそれぞれの軸方向他方側の側面(の溶着代)を、奥側突き当て面49及び開口側突き当て面51にそれぞれ溶融し溶着するとともに、外周段差部47(の溶着代)を内周段差部50に溶融し溶着する。この際、内向鍔部45の軸方向他方側の側面が、外輪41の軸方向一方側の側面に突き当たるまで、第一抜け止め部材22を軸方向他方側に向けて押圧する。溶着時に発生したバリは、バリ溜り52に保持される。なお、ウォーム収容部29に対する第一抜け止め部材22の接合強度が十分であれば、筒体44の軸方向他方側の側面と、外向鍔部46の軸方向他方側の側面と、外周段差部47とのうち、いずれか1箇所(たとえば外周段差部47)又はいずれか2箇所(たとえば筒体44と外向鍔部46の軸方向他方側の側面)のみを、溶着しても良い。
第二抜け止め部材23をウォームホイール収容部30に対してスピン溶着により溶着する場合には、図7に示すように、先ず、第三軸受20を構成する外輪55を、支持筒部57の内周面に備えられた嵌合面58に内嵌する。その後、第二抜け止め部材23に備えられた係合凹部60に、図示しない工具の先端部を係合させて、第二抜け止め部材23を、高速で回転させながら、支持筒部57の内側に後方側から前方側に向けて挿入する。そして、外周段差部59を内周段差部61に押し付けて、接合面に摩擦熱を発生させる。これにより、外周段差部59(の溶着代)を内周段差部61に溶融し溶着する。この際、第二抜け止め部材23の前方側の側面が、外輪55の後方側の側面に突き当たるまで、第二抜け止め部材23を前方側に向けて押圧する。溶着時に発生したバリは、バリ溜り62に保持される。
なお、図6及び図7には、第一軸受18及び第三軸受20を構成する外輪41、55のみを前側ハウジング26に装着した状態で、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23を溶着する状態を示しているが、実際の場合には、組立状態の第一軸受18及び第三軸受20をそれぞれ装着した状態で、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23を溶着する。また、第二抜け止め部材23の溶着作業と、第一抜け止め部材22の溶着作業とは、その順序は問わず、前後して作業することもできるし、同時に作業することもできる。
《熱可塑性樹脂の具体例》
次に、前側ハウジング26(及び後側ハウジング27)、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23に使用できる熱可塑性樹脂材料の具体例について、説明する。
使用可能な熱可塑性樹脂(ベース樹脂)としては、たとえば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリエステル樹脂(PET、PBT)などを使用することができる。ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)は、吸水による寸法変化が少ない点で、好ましく使用できる。
ベース樹脂に含有する強化材としては、たとえば、ガラス繊維、炭素繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、金属繊維(金属の種類はステンレス、鉄、アルミニウム)などの無機繊維や、アラミド繊維、芳香族ポリイミド繊維、液晶ポリエステル繊維などの有機繊維を含有することができる。これらの強化材の中では、良好な補強性が得られることから、ガラス繊維及び炭素繊維を好ましく使用できる。具体的には、ポリフェニレンサルファイド樹脂をベース樹脂とした場合に、ガラス繊維を10%含有したもの(PPS−GF10%)や、ガラス繊維を40%含有したもの(PPS−GF40%)、炭素繊維を30%含有したもの(PPS−GF30%)などを使用できる。ベース樹脂に含有する強化材の含有量は、10質量%以上50質量%以下に規制することが好ましい。なお、強化材を省略(含有しないように)することもできる。
以上の様な構成を有する本例では、樹脂製のギヤハウジング9(前側ハウジング26)にそれぞれ内嵌された第一軸受18及び第三軸受20が、軸方向に変位することを有効に防止できる。
すなわち、本例では、従来構造のように、係止溝に係止した止め輪ではなく、前側ハウジング26にそれぞれ溶着した第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23により、第一軸受18及び第三軸受20がそれぞれ軸方向に変位するのを防止している。このため、止め輪を使用した場合のような、係止溝のクリープに起因したがたつきが発生することを有効に防止できる。また、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23のそれぞれを、前側ハウジング26に溶着により固定しているため、分子間結合により、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23と、前側ハウジング26との間の接合強度を十分に確保できる。しかも、本例では、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23のそれぞれの外周面に備えられた階段状の外周段差部47、59と、前側ハウジング26(ウォーム収容部29及び支持筒部57)の内周面に備えられた階段状の内周段差部50、61とを溶着しているため、これらの各面を単なる円筒面とした場合に比べて、接合面積を十分に増やすことができる。したがって、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23と、前側ハウジング26との間の接合強度を高めることができる。このため、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23により、第一軸受18及び第三軸受20にそれぞれ作用する大きな軸方向荷重及び径方向外向荷重を支承することが可能になる。この結果、前側ハウジング26として樹脂製のものを使用した場合にも、第一軸受18及び第三軸受20が、軸方向に変位することを有効に防止できる。
しかも、熱可塑性樹脂製の第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23は、止め輪と比べても、製造コストを同程度に抑えられるため、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23を使用することによる製造コストの上昇を抑えられる。また、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23を、前側ハウジング26に溶着することで、第一抜け止め部材22及び第二抜け止め部材23と前側ハウジング26とを一体化できるため、前側ハウジング26の剛性の向上を図ることもできる。したがって、前側ハウジング26として樹脂製のものを使用したことによる、剛性の低下を抑制することができる。
なお、本発明の構造とは異なるが、転がり軸受の軸方向変位を防止するために、樹脂製のギヤハウジングの内側に、係止溝を備えた金属製のスリーブをインサートし、該スリーブに備えられた係止溝に対して、止め輪を係止する構造も考えられる。ただし、このような構造を採用した場合には、ギヤハウジングの製造工程に、金属製のスリーブをインサートする工程を加える必要があるため、サイクルタイムが増加し、製造コストの上昇を招く。また、金属製のスリーブが樹脂製のギヤハウジングに対して軸方向に変位しないようにするために、スリーブの外周面に、抜け止め加工などを施す必要があり、やはり製造コストの上昇を招く。これに対し、本例の構造によれば、コストの上昇を招くことなく、第一軸受18及び第三軸受20の軸方向の変位を十分に防止することができる。
[実施の形態の第2例]
実施の形態の第2例について、図8及び図9を用いて説明する。
本例では、第三軸受20(図3参照)が軸方向に変位することを防止するための第二抜け止め部材23aの構造、及び、その周辺構造を、実施の形態の第1例の構造から変更している。具体的には、第二抜け止め部材23aを、略L字形の断面形状を有するものとし、円筒状の外筒部64と、該外筒部64の後方側の端部から径方向内側に向けて延びた円輪部65とから構成している。そして、このような第二抜け止め部材23aを、前側ハウジング26aを構成する支持筒部57aの後方側の端部に外嵌している。このように外嵌した状態で、外筒部64は、第三軸受20(を構成する外輪55)と径方向に重なるように配置されている。また、外筒部64の前方側の側面を、収容前板部34aのうちで支持筒部57aよりも径方向外側に位置する部分の後方側の側面に溶着するとともに、外筒部64の内周面を、支持筒部57aの外周面に溶着している。さらに、円輪部65の前方側の側面を、支持筒部57aの後方側の側面に溶着している。また、本例の場合には、支持筒部57aの外面と第二抜け止め部材23aの内面との境界部に、溶着時に発生したバリを保持するためのバリ溜り62aを有している。具体的には、外筒部64の前方側の端部に、内周面と前方側の側面とに開口した、バリ溜り62aを全周に有している。なお、本例では、外筒部64の前方側の側面と、外筒部64の内周面と、円輪部65の前方側の側面との合計3箇所を溶着しているが、接合強度を十分に確保できる場合には、このうちの1箇所又は2箇所を溶着しても良い。
本例では、外筒部64の前方側の側面を、これに対向する収容前板部34aの後方側の側面に溶着し、外筒部64の内周面を、これに対向する支持筒部57aの外周面に溶着し、かつ、円輪部65の前方側の側面を、これに対向する支持筒部57aの後方側の側面に溶着している。このように第二抜け止め部材23aを、支持筒部57aの後方側の端部に溶着した状態で、円輪部65の径方向内側部の前方側の側面を、外輪55の後方側の側面に突き当てるとともに、外輪55の前方側の側面を、支持筒部57の内周面に備えられた段差面63に突き当てている。これにより、第三軸受20が後方側に変位することを、第二抜け止め部材23aにより防止し、第三軸受20が前方側に変位することを、段差面63により防止している。
以上のような構成を有する本例では、第二抜け止め部材23aの複数箇所を溶着することができるため、接合強度を確保しやすくなる。また、第二抜け止め部材23aを構成する外筒部64の外周面を、外部から視認することができるため、第二抜け止め部材23aを溶着し忘れることを有効に防止できる。また、外筒部64を第三軸受20と径方向に重なるように配置しているため、支持筒部57aの剛性を高めることができ、第三軸受20の支持剛性を向上させることができる。なお、本例では、外筒部64の内周面及び支持筒部57aの外周面を、それぞれ円筒面状とした場合について説明したが、変形例として、外筒部の内周面に、前方側から後方側に向かうほど内径が段階的に変化する階段状の第一段差部を設け、かつ、支持筒部の外周面に、前方側から後方側に向かうほど外径が段階的に変化する階段状の第二段差部を設けて、これら第一段差部と第二段差部とを溶着することもできる。このような構成を採用すれば、接合強度をさらに高めることができる。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
本発明を実施する場合には、実施の形態の各例の構造を、矛盾が生じない範囲で、適宜組み合わせて実施することができる。
本発明を実施する場合に、抜け止め部材(第一抜け止め部材及び第二抜け止め部材)の形状については、実施の形態の各例の構造に限定されず、転がり軸受(第一軸受及び第三軸受)が軸方向に抜け出ることを防止する機能を発揮できれば、適宜変更することができる。また、抜け止め部材とギヤハウジングとの接合強度を確保するために設けた段差部についても、周面に設ける構造に限定されず、軸方向側面に設けることもできる。
1 ステアリングホイール
2 ステアリングシャフト
3 ステアリングコラム
4a、4b 自在継手
5 中間シャフト
6 ステアリングギヤユニット
7 タイロッド
8 電動アシスト装置
9 ギヤハウジング
10 トーションバー
11 出力シャフト
12 ピニオンシャフト
13 トルクセンサ
14 電動モータ
15 ウォーム減速機
16 ウォーム
17 ウォームホイール
18 第一軸受
19 第二軸受
20 第三軸受
21 第四軸受
22 第一抜け止め部材
23、23a 第二抜け止め部材
24 ウォーム歯
25 ホイール歯
26、26a 前側ハウジング
27 後側ハウジング
28 ボルト
29 ウォーム収容部
30 ウォームホイール収容部
31 ピボット部
32 トルクセンサ収容部
33 収容筒部
34、34a 収容前板部
35 収容後板部
36 第一支持軸部
37 第二支持軸部
38 モータ出力軸
39 付勢部材
40 内輪
41 外輪
42 玉
43 嵌合面
44 筒体
45 内向鍔部
46 外向鍔部
47 外周段差部
48 係合凹部
49 奥側突き当て面
50 内周段差部
51 開口側突き当て面
52 バリ溜り
53 連結ピン
54 内輪
55 外輪
56 玉
57、57a 支持筒部
58 嵌合面
59 外周段差部
60 係合凹部
61 内周段差部
62、62a バリ溜り
63 段差面
64 外筒部
65 円輪部
66 連結ピン

Claims (11)

  1. 内周面に円筒面状の嵌合面を有する、熱可塑性樹脂製のギヤハウジングと、
    前記嵌合面に内嵌された外輪を有する、転がり軸受と、
    前記外輪の軸方向一方側に隣接配置され、前記外輪が軸方向一方側に変位することを防止する、環状の抜け止め部材と、を備え、
    前記抜け止め部材は、前記ギヤハウジングと同種の熱可塑性樹脂製で、前記ギヤハウジングに対して溶着されており、軸方向他方側を向いた側面を前記外輪の軸方向一方側の側面に突き当てている、
    ウォーム減速機。
  2. 前記抜け止め部材は、前記ギヤハウジングの周面に対向する周面、又は/及び、前記ギヤハウジングの軸方向一方側を向いた側面に対向する軸方向他方側を向いた側面を、前記ギヤハウジングに対して溶着している、請求項1に記載したウォーム減速機。
  3. 前記抜け止め部材は、周面に軸方向他方側から軸方向一方側に向かうほど外径又は内径が段階的に変化する階段状の第一段差部を有しており、前記ギヤハウジングは、前記第一段差部に対向する周面に、軸方向他方側から軸方向一方側に向かうほど内径又は外径が段階的に変化する階段状の第二段差部を有しており、前記第一段差部と前記第二段差部とを溶着している、請求項2に記載したウォーム減速機。
  4. 前記抜け止め部材は、前記ギヤハウジングに内嵌されている、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載したウォーム減速機。
  5. 前記抜け止め部材は、前記ギヤハウジングに外嵌されている、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載したウォーム減速機。
  6. 前記抜け止め部材は、円筒状の外筒部と、該外筒部の軸方向一方側の端部から径方向内側に向けて延びた円輪部とを有しており、前記外筒部の内周面を、前記ギヤハウジングの外周面に溶着するとともに、前記外筒部又は/及び前記円輪部の軸方向他方側を向いた側面を、前記ギヤハウジングの軸方向一方側を向いた側面に溶着しており、前記外筒部は、前記転がり軸受と径方向に重なるように配置されている、請求項5に記載したウォーム減速機。
  7. 前記ギヤハウジングと前記抜け止め部材との境界部に、溶着時に発生したバリを保持するためのバリ溜りを有している、請求項1〜6のうちのいずれか1項に記載したウォーム減速機。
  8. 前記ギヤハウジングは、ウォームを収容するためのウォーム収容部を備えており、
    前記嵌合面は、前記ウォーム収容部の内周面に備えられている、
    請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載したウォーム減速機。
  9. 前記ギヤハウジングは、ウォームホイールを収容するためのウォームホイール収容部を備えており、
    前記嵌合面は、前記ウォームホイール収容部の内周面に備えられている、
    請求項1〜7のうちのいずれか1項に記載したウォーム減速機。
  10. 請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載したウォーム減速機の製造方法であって、
    熱可塑性樹脂製の前記ギヤハウジングに備えられた前記嵌合面に、前記転がり軸受を構成する前記外輪を内嵌した後、
    前記抜け止め部材に備えられた軸方向他方側を向いた側面を、前記外輪の軸方向一方側の側面に突き当てた状態で、前記抜け止め部材を前記ギヤハウジングに対して溶着する、
    ウォーム減速機の製造方法。
  11. 前記抜け止め部材を前記ギヤハウジングに対してスピン溶着により溶着する、請求項10に記載したウォーム減速機の製造方法。
JP2019135577A 2019-07-23 2019-07-23 ウォーム減速機及びその製造方法 Pending JP2021017968A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019135577A JP2021017968A (ja) 2019-07-23 2019-07-23 ウォーム減速機及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019135577A JP2021017968A (ja) 2019-07-23 2019-07-23 ウォーム減速機及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021017968A true JP2021017968A (ja) 2021-02-15

Family

ID=74563629

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019135577A Pending JP2021017968A (ja) 2019-07-23 2019-07-23 ウォーム減速機及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021017968A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5614391B2 (ja) 電動アシスト装置
JP5429406B2 (ja) ウォームホイール及び電動式パワーステアリング装置
EP2431634B1 (en) Worm drive
JP5562532B2 (ja) 電動パワーステアリング装置のウォームホイール、電動パワーステアリング装置
JP2003207029A (ja) 減速歯車機構及び電動式パワーステアリング装置
JP4979801B2 (ja) ウォーム減速機及び電動式パワーステアリング装置
JP5263281B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
US10883594B2 (en) Worm reducer
JP2012122526A (ja) 操舵伝達軸と自在継手のヨークの結合構造及び車両用操舵装置
JP2007196751A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2007285472A (ja) 減速装置及びそれを備えた電動パワーステアリング装置
JP5613128B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP5750014B2 (ja) プラネタリギヤ装置
JP2021017968A (ja) ウォーム減速機及びその製造方法
JP2006088726A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP2022068107A (ja) ウォーム減速機およびその製造方法
JP2007203947A (ja) 電動式パワーステアリング装置用ウォーム減速機及びこれを組み込んだ電動式パワーステアリング装置
KR102017079B1 (ko) 웜휠의 제조 방법
JP5899001B2 (ja) 操舵角検出装置
JP2022094988A (ja) 減速装置及びその製造方法
JP2006103395A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2011255818A (ja) 電動パワーステアリング装置
CN207740372U (zh) 机动车电子驻车促动器
JP2012106650A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリングギヤユニット
JP5120159B2 (ja) 衝撃吸収式電動パワーステアリング装置