JP2007285472A - 減速装置及びそれを備えた電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ハウジングへの装着が容易で噛合部の歯打ち音を抑制するホルダーを備えた減速装置、及びその減速装置を備えた電動パワーステアリング装置を提供する。
【解決手段】 ハウジング11はウォーム12の軸方向端部に開口部11bが形成され、玉軸受15及びホルダー20は開口部11bからハウジング11内部に挿入し、所定位置に設定できる。玉軸受15の内輪には樹脂材料の円環状のブッシュ17が嵌装され、ウォーム12の細径部12bが支承される。ホルダー20にはウォームの軸端12cに嵌合する付勢部材21が配置され、付勢部材21とホルダー20との間に巻回されたコイルスプリング22によりウォームとウォームホイールの噛合部に予圧が付与され、歯打ち音の発生を抑制する。ホルダー20には弾性部材23を介してハウジング11に組み付けられ、ホルダー20は半径方向及び/又は軸方向が弾性的に支持され、装着も容易となる。
【選択図】 図2
【解決手段】 ハウジング11はウォーム12の軸方向端部に開口部11bが形成され、玉軸受15及びホルダー20は開口部11bからハウジング11内部に挿入し、所定位置に設定できる。玉軸受15の内輪には樹脂材料の円環状のブッシュ17が嵌装され、ウォーム12の細径部12bが支承される。ホルダー20にはウォームの軸端12cに嵌合する付勢部材21が配置され、付勢部材21とホルダー20との間に巻回されたコイルスプリング22によりウォームとウォームホイールの噛合部に予圧が付与され、歯打ち音の発生を抑制する。ホルダー20には弾性部材23を介してハウジング11に組み付けられ、ホルダー20は半径方向及び/又は軸方向が弾性的に支持され、装着も容易となる。
【選択図】 図2
Description
この発明は、減速装置に関し、特に車両などのステアリングホイールの操舵力を補助する操舵力補助装置を有する電動パワーステアリング装置の減速装置に関する。
車両用のステアリング装置においては、運転者の操舵負荷を軽減することを目的とした動力舵取装置が知られている。従来、動力舵取装置は、油圧式のパワーステアリング装置が広く使用されていた。しかしながら、近年の自動車の高効率化の傾向にしたがって、油圧式のパワーステアリング装置から、効率のよい電動パワーステアリング装置(EPS)に置き換えられる場合が多くなってきている。
図4は、このようなEPSの基本構成の一例の概略を説明する図で、ステアリングホイール101を備えたステアリングシャフト102は減速装置104の入力軸に結合し、減速装置104の出力軸は自在継手107、中間軸108、自在継手109を経てウォーム軸110に結合している。ウォーム軸110に形成されたウォーム111はラック112に噛合し、ラック112の端部に連結されているタイロッド113を介して操向車輪114の向を操作するように構成されている。
ステアリングシャフト102には、シャフトに発生する操舵トルクを検出するトルクセンサ103が設けられている。制御装置106は、トルクセンサ103で検出されたトルク信号と図示しない車速センサから入力された車速信号とに基づいて操舵機構に供給すべき補助操舵力、即ちモータ105に供給する電流の大きさを決定する電流指令値を演算し、演算された電流指令値によりモータ105を駆動する。
図5は、上記減速装置104の構成の一例を説明する正面図で、一部を断面として示してある。減速装置104はウォーム減速装置である。モータ105の回転軸105aにスプライン結合したウォーム121は、玉軸受122と、後述するホルダー125に保持された玉軸受123とで回転自在にハウジング120に保持されており、ウォーム121の一部に形成されたウォーム歯121aは、ハウジング120に回転自在に保持されたウォームホイール124に形成されているウォームホイール歯124aに噛合している。
図6は、上記したホルダー125及び玉軸受123の部分の構成の詳細を説明する図で、図6(a)はウォーム121の軸方向端面から見た正面図、図6(b)はウォーム121の軸方向に沿った断面図である。
ホルダー125はハウジング120の底面に形成された孔120c(図5参照)の内面に装着される。図6(b)を参照すると明らかなように、ホルダー125には玉軸受123の外輪が嵌装され、玉軸受123の内輪には樹脂材料で構成された円環状のブッシュ126が嵌装され、ブッシュ126を介してウォーム121の軸端部を支承している。
ブッシュ126の軸方向外側(ウォーム121と反対側)には、ウォーム121の軸端121cに嵌合する孔127aを備えた付勢部材127が配置され、ホルダー125の段部125bと付勢部材127の外側面との間にはコイルスプリング128が巻回され、コイルスプリング128の端部は付勢部材127の左右側面に形成された係止部127dに係止されている。
この構成により、付勢部材127の孔127aにウォーム121の軸端121cが嵌合している状態では、コイルスプリング128の弾性変形によりウォーム121のウォーム歯121aはウォームホイール124のウォームホイール歯124a方向に弾性的に付勢され、ウォーム歯121aとウォームホイール歯124aとの噛合部に予圧が付与されるから、噛合部の歯打ち音の発生を抑制することができる(特許文献1参照)。
特開2005−042913号公報
上記した構成のホルダーは、ウォーム減速装置の噛合部の歯打ち音の抑制に有効なものであるが、ハウジングの底面の袋状の孔にホルダーを装着するために作業性が悪いほか、ホルダーに玉軸受の外輪を加締めて固定する等、組立工程が繁雑で、作業工数が多くなるなど、製造コストを高めていた。この発明は、上記した課題を解決した減速装置及びそれを備えた電動パワーステアリング装置を提供することを目的とするものである。
この発明は上記課題を解決するもので、請求項1の発明は、ウォームとウォームホイールを備えた減速装置において、ウォームの端部をハウジングに保持する軸受と、ウォームの端部に嵌装される嵌装部を備えた付勢部材を前記ウォームをウォームホイールの噛合方向に付勢するホルダーと、前記ホルダーの外周に嵌着され、且つ前記ハウジング内径部に嵌装される環状の弾性部材とを備え、前記ホルダーは、前記弾性部材によりハウジング内に径方向及び/又は軸方向に保持されることを特徴とする減速装置である。
そして、前記ホルダーは、ホルダー本体と、ウォームの端部に嵌装される嵌装部を備えた付勢部材と、前記ホルダー本体と付勢部材との間に装着されるばね部材とから構成され、前記ばね部材は、ホルダー本体に対して付勢部材を前記ウォームとウォームホイールとの噛合方向に付勢している。
また、前記ホルダーは、ホルダーの外周に嵌着される弾性部材の弾性変形によりハウジング内に半径方向及び/又は軸方向に弾性的に保持されている。
また、前記ハウジングは、前記ウォームの軸方向端部に、前記ホルダー及び前記軸受の外輪よりも大径の開口部が形成されており、カバーによりハウジング開口部が封止されている。
また、前記弾性部材は、前記カバーによりハウジング開口部が封止されるとき弾性変形して前記ホルダーとハウジング開口部との間、及びホルダーとカバーとの間の全周をシールする。
さらに、前記ホルダーは、その外周面にハウジングに組み付けるときの位相を決める凸部を備えるとよい。
請求項7の発明は、ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに応じてモータを制御し、発生した操舵補助トルクを操舵機構に伝達する電動パワーステアリング装置において、前記モータ出力軸と操舵機構入力軸との間に、前記請求項1乃至6のいずれかに記載の減速装置が配置されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
以上説明したとおり、請求項1の発明に係る減速装置は、ホルダーの外周に環状の弾性部材が嵌着され、ホルダー及び前記軸受をハウジング内に径方向及び軸方向に保持するから、減速装置の噛合部の歯打ち音の抑制に有効なものである。そして、ハウジングはウォームの軸方向端部にホルダー及び軸受の外輪よりも大径の開口部が形成されるから、開口部からホルダーを装着できるので作業性が大幅に改善される。
このほか、カバーによりハウジング開口部を封止するとき、ホルダーの外周に装着されている環状の弾性部材を押圧して変形させ、ホルダーをハウジング内に半径方向及び/又は軸方向に弾性的に保持することができ、振動の抑制や隙間を埋めることができる。さらに弾性部材によりホルダーとハウジングの間、及びホルダーとカバーとの隙間がシールされ、グリース等の外部への漏れを防止する効果も得られる。
また、請求項7の発明に係る電動パワーステアリング装置は、モータ出力軸と操舵機構入力軸との間に前記した請求項1乃至6のいずれかに記載の減速装置が配置されているから、上記した請求項1の発明と同様の効果を奏するものである。
以下、この発明の実施の形態の減速装置、及びその減速装置を備えた電動パワーステアリング装置について説明するが、電動パワーステアリング装置の全体構成は、先に図4を参照して説明した従来技術の電動パワーステアリング装置と類似した構成であるからここでは説明を省略し、電動パワーステアリング装置の減速装置について説明する。
図1は、この発明の実施の形態の減速装置10の構成を説明する正面図で、一部を断面として示してある。減速装置10はウォーム減速装置である。図1において、11はハウジングで、凹部11aに図示しないモータのモータハウジングが嵌着されるように構成されている。
12はウォームで、ハウジング11に玉軸受14と玉軸受15とで回転自在に保持されている。ウォーム12には図示しないモータの回転軸に嵌着する孔12dが形成されており、その内面にはモータの回転軸とスプライン結合するためのスプライン溝12eが形成されている。
ハウジング11にはウォームホイール16が回転自在に保持されており、前記ウォーム12のウォーム歯12aはウォームホイール16のウォームホイール歯16aに噛合している。
図2は、上記減速装置の玉軸受15と後述するホルダー20附近の構成の詳細を説明する図、図3は図2に示すホルダー20の構成の詳細を説明する図で、図3(a)はホルダー20をウォーム12の軸方向端面から見た正面図、図3(b)はウォーム12の軸方向に沿った断面図である。
図2に示されているように、ハウジング11はウォーム12の軸方向の端部に開口部11bが形成されており、上記玉軸受15は開口部11bからハウジング11の内部に挿入し、所定の段部11cに外輪を設定することができる。また、上記玉軸受15の内輪には樹脂材料で構成され弾性変形可能な環状のブッシュ17が嵌装され、ブッシュ17を介してウォーム12の細径部12bが支承される。
さらに、上記玉軸受15の軸方向外側(ウォーム12と反対側)には、略円環状のホルダー20が配置され、ホルダー20の外縁側面は、玉軸受15の外輪側面に接触している。また、ホルダー20の軸方向外側(ウォーム12と反対側)には環状の溝20bが形成されており、溝20bの内部にウォーム12の軸端12cに嵌合する孔21aを備えた付勢部材21が配置され、付勢部材21の外周とホルダー20の外周との間にはばね部材であるコイルスプリング22が巻回され、コイルスプリング22の端部はホルダー20の左右側面に形成された係止部20dに係止されている。
この構成により、付勢部材21の孔21aにウォーム12の軸端12cが嵌合している状態では、コイルスプリング22の弾性変形とブッシュ17の弾性変形とにより、ウォーム12のウォーム歯12aはウォームホイール16のウォームホイール歯16a方向に弾性的に付勢されて変位可能であるから、ウォーム歯12aとウォームホイール歯16aとの噛合部に予圧が付与され、噛合部の歯打ち音の発生を抑制することができる。
さらに、ホルダー20の外周面とハウジング11の開口部11bの内面との間には、環状の弾性部材23が配置され、また弾性部材23の開口部11bに向かう側面は、開口部11bを封止するカバー24でウォーム12の軸方向に押圧されるように構成されている。
以上の構成によれば、ホルダー20及び玉軸受15は、弾性部材23を介してカバー24により軸方向に押圧されるから、前もって玉軸受15をホルダー20に組み付ける必要がなく、玉軸受15を直接ハウジング11に組み付けることができ、組立工数を削減することができる。
また、ホルダー20は、その外周面全体が環状の弾性部材23で支持されるので、ハウジング11とホルダー20との間に隙間があっても弾性部材23の弾性変形により埋められ、ガタを生じることなく組み付けられる。また、弾性部材23はホルダー20を半径方向と軸方向を1個の部材で支持するから、組み付けが容易となる。
さらに、弾性部材23はカバー24とハウジング11との間を全周でシールするシール材としても機能するから、ウォームとウォームホイールとの噛合面に塗布されたグリース等の外部への漏れを効果的に防止することができる。
また、ホルダー20には、図3に符号22sで示したように、垂直方向の位置を示す凸部を設けておくと、ホルダー20とハウジング11との組み付けにおいてハウジングとの位相(角度位置)を容易に決定することができ、組み付けが容易になる。
以上、この発明の減速装置、及びその減速装置を備えた電動パワーステアリング装置について説明したが、この発明の減速装置は電動パワーステアリング装置のほか、一般機械の減速装置にも適用できることは言うまでもない。
ウォームの軸端にホルダーを備えた減速装置、及びその減速装置を備えた電動パワーステアリング装置であって、ホルダーはウォーム減速装置の噛合部の歯打ち音の抑制に効果的で、ハウジングへのホルダーの装着が容易な構成を提供する。
10 減速装置(ウォーム減速装置)
11 ハウジング
11a 凹部
11b 開口部
11c 段部
12 ウォーム
12a ウォーム歯
12b 細径部
12c 軸端
12d 孔
12e スプライン溝
14 玉軸受
15 玉軸受
16 ウォームホイール
16a ウォームホイール歯
17 ブッシュ
20 ホルダー
20b 環状の溝
20d 係止部
21 付勢部材
21a 孔
22 コイルスプリング
22s 凸部
23 弾性部材(環状の弾性部材)
24 カバー
11 ハウジング
11a 凹部
11b 開口部
11c 段部
12 ウォーム
12a ウォーム歯
12b 細径部
12c 軸端
12d 孔
12e スプライン溝
14 玉軸受
15 玉軸受
16 ウォームホイール
16a ウォームホイール歯
17 ブッシュ
20 ホルダー
20b 環状の溝
20d 係止部
21 付勢部材
21a 孔
22 コイルスプリング
22s 凸部
23 弾性部材(環状の弾性部材)
24 カバー
Claims (7)
- ウォームとウォームホイールを備えた減速装置において、
ウォームの端部をハウジングに保持する軸受と、
ウォームの端部に嵌装される嵌装部を備えた付勢部材を前記ウォームをウォームホイールの噛合方向に付勢するホルダーと、
前記ホルダーの外周に嵌着され、且つ前記ハウジング内径部に嵌装される環状の弾性部材とを備え、
前記ホルダーは、前記弾性部材によりハウジング内に径方向及び/又は軸方向に保持されること
を特徴とする減速装置。 - 前記ホルダーは、ホルダー本体と、ウォームの端部に嵌装される嵌装部を備えた付勢部材と、前記ホルダー本体と付勢部材との間に装着されるばね部材とから構成され、前記ばね部材は、ホルダー本体に対して付勢部材を前記ウォームとウォームホイールとの噛合方向に付勢すること
を特徴とする請求項1に記載の減速装置。 - 前記ホルダーは、ホルダーの外周に嵌着される弾性部材の弾性変形によりハウジング内に半径方向及び/又は軸方向に弾性的に保持されること
を特徴とする請求項1に記載の減速装置。 - 前記ハウジングは、前記ウォームの軸方向端部に、前記ホルダー及び前記軸受の外輪よりも大径の開口部が形成されており、カバーによりハウジング開口部が封止されていること
を特徴とする請求項1に記載の減速装置。 - 前記弾性部材は、前記カバーによりハウジング開口部が封止されるとき弾性変形して前記ホルダーとハウジング開口部との間、及びホルダーとカバーとの間の全周をシールすること
を特徴とする請求項3に記載の減速装置。 - 前記ホルダーは、その外周面にハウジングに組み付けるときの位相を決める凸部を備えること
を特徴とする請求項1に記載の減速装置。 - ステアリングシャフトに発生する操舵トルクに応じてモータを制御し、発生した操舵補助トルクを操舵機構に伝達する電動パワーステアリング装置において、前記モータ出力軸と操舵機構入力軸との間に、前記請求項1乃至6のいずれかに記載の減速装置が配置されていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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- 2007-04-19 WO PCT/JP2007/058559 patent/WO2007119876A1/ja active Application Filing
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WO2007119876A1 (ja) | 2007-10-25 |
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