JP2021017808A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Tetsuro Michitani
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Abstract

【課題】ロック不良の発生を抑制する。【解決手段】バルブタイミング調整装置100、100bは、駆動回転体10、10bと、ベーンロータ20、20bと、駆動回転体に対するベーンロータの相対回転を中間位相においてロックするロック部60、60a、60bとを備え、ロック部は、一方の回転体に形成されたピン収容部61、61a、61bと、他方の回転体に形成された凹部90、90bと、ピン収容部と凹部とに亘って往復動可能に収容され第1ピン71、71a、71bと第2ピン72、72a、72bとを有するロックピン70、70a、70bと、を有し、凹部は、第1ピンの先端部74、74bと嵌合する第1凹部91、91bと第2ピンの先端部75、75bと嵌合する第2凹部92、92bとを含んで構成されており、ロックピンの摺動方向DDに沿った第1ピンの先端部の寸法W2は、摺動方向に沿った第2凹部の寸法W3よりも大きい。【選択図】図8

Description

本開示は、バルブタイミング調整装置に関する。
従来から、内燃機関の吸気バルブや排気バルブのバルブタイミングを調整可能な、油圧式のバルブタイミング調整装置が知られている。バルブタイミング調整装置には、ハウジング等の駆動回転体に対するベーンロータの回転位相を中間位相においてロックするためのロック部が設けられていることがある。特許文献1に記載のバルブタイミング調整装置が備えるロック部では、アウターピンとインナーピンとの二重構造のロックピンが、浅溝と深溝との段付き構造の凹部に順次嵌合することにより、ハウジングに対するベーンロータの相対回転がロックされる。また、油圧を受けてロックピンが凹部から抜け出すことにより、ロックが解除される。
米国特許出願公開第2017/0183985号明細書
駆動回転体に対するベーンロータの回転位相は、ベーンロータに加えられるカムトルクに起因してわずかに変動する。このため、特許文献1に記載のバルブタイミング調整装置では、ロックピンが凹部に嵌合可能な期間が限定され、嵌合不良が発生してロック不良となるおそれがある。このような課題は、アウターピンとインナーピンとの二重構造のロックピンに限らず、2つの部材により構成されるロックピンに共通する課題である。したがって、ロック不良の発生を抑制できる技術が望まれている。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示の一形態によれば、バルブタイミング調整装置(100、100b)が提供される。このバルブタイミング調整装置は、駆動軸(210)から動力が伝達されて駆動される従動軸(220)の回転位相を前記駆動軸に対して調整することにより、前記従動軸によって開閉されるバルブのバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置であって、内部空間が形成され、前記駆動軸と連動して回転する駆動回転体(10、10b)と、前記内部空間に収容されて前記従動軸に連結され、前記内部空間を複数の油圧室(26、27)に区画するベーン(22)を有し、前記油圧室へ供給される作動油の圧力を受けて前記駆動回転体に対して相対回転可能に設けられたベーンロータ(20、20b)と、前記駆動回転体に対する前記ベーンロータの相対回転を最遅角位相と最進角位相との間の中間位相においてロックするロック部(60、60a、60b)と、を備え、前記ロック部は、前記駆動回転体と前記ベーンロータのうちの一方の回転体に形成されたピン収容部(61、61a、61b)と、前記駆動回転体と前記ベーンロータのうちの他方の回転体において、前記ピン収容部と対向可能に形成された凹部(90、90b)と、前記ピン収容部と前記凹部とに亘って往復動可能に収容され、進角方向と遅角方向とのうちの一方の方向への前記相対回転を規制する第1ピン(71、71a、71b)と、前記進角方向と前記遅角方向とのうちの他方の方向への前記相対回転を規制する第2ピン(72、72a、72b)と、を有するロックピン(70、70a、70b)と、前記第1ピンを前記凹部に向かって付勢する第1バネ(81)と、前記第2ピンを前記凹部に向かって付勢する第2バネ(82)と、ロック解除のために前記作動油が供給されるピン油圧室(99、99a、99b)と、を有し、前記凹部は、前記第1ピンの先端部(74、74b)と嵌合する第1凹部(91、91b)と、前記第2ピンの先端部(75、75b)と嵌合する第2凹部(92、92b)と、を含んで構成されており、前記駆動回転体の周方向(BD)に同心な方向である前記ロックピンの摺動方向(DD)に沿った前記第1ピンの先端部の寸法(W2)は、前記摺動方向に沿った前記第2凹部の寸法(W3)よりも大きい。
この形態のバルブタイミング調整装置によれば、駆動回転体の周方向に同心な方向であるロックピンの摺動方向に沿った第1ピンの先端部の寸法が、摺動方向に沿った第2凹部の寸法よりも大きいので、第1ピンが第2凹部に嵌合することを抑制でき、第1ピンによって進角方向と遅角方向とのうちの一方の方向への駆動回転体に対するベーンロータの相対回転が規制されている間に、第2ピンの先端部が第2凹部に嵌合できる。このため、ロックピンと凹部との嵌合不良の発生を抑制でき、ロック不良の発生を抑制できる。
本開示は、種々の形態で実現することも可能である。例えば、バルブタイミング調整装置を備える内燃機関、バルブタイミング調整装置の製造方法等の形態で実現することができる。
バルブタイミング調整装置の概略構成を示す断面図である。 図1のII−II線に沿った断面を示す断面図である。 作動油制御弁の概略構成を示す断面図である。 ロック状態における油圧回路図である。 進角状態における油圧回路図である。 保持状態における油圧回路図である。 遅角状態における油圧回路図である。 ロック部の構成を示す断面図である。 凹部の構成を模式的に示す説明図である。 ロック解除状態のロック部を示す断面図である。 第1ピンと第2ピンとが第1凹部に嵌合した状態を示す断面図である。 遅角方向への相対回転が規制された状態を示す断面図である。 第2ピンが第2凹部に嵌合した状態を示す断面図である。 第2実施形態におけるロック部を示す断面図である。 第3実施形態のバルブタイミング調整装置の概略構成を示す断面図である。 第3実施形態におけるロック部の構成を模式的に示す断面図である。 図16のA矢視図である。 ロックピンの構成を模式的に示す斜視図である。 凹部の構成を模式的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.全体構成:
図1および図2に示すバルブタイミング調整装置100は、図示しない車両が備える内燃機関300において、駆動軸としてのクランク軸210から動力が伝達される従動軸としてのカム軸220により開閉駆動されるバルブのバルブタイミングを調整する。バルブタイミング調整装置100は、カム軸220の回転軸AXに沿った方向(以下、「軸方向AD」とも呼ぶ)において、カム軸220の端部に締結固定されている。バルブタイミング調整装置100の回転軸AXは、カム軸220の回転軸AXと一致している。本実施形態のバルブタイミング調整装置100は、図示しないバルブとしての吸気弁と排気弁とのうち、吸気弁のバルブタイミングを調整する。以下の説明では、軸方向ADにおいてバルブタイミング調整装置100に対してカム軸220が設けられている側および方向を「リア側」とも呼び、軸方向ADにおけるリア側とは反対側および方向を「フロント側」とも呼ぶ。また、回転軸AXと直交する方向を、「径方向」とも呼ぶ。なお、図2では、後述する作動油制御弁40の図示を省略している。
カム軸220の端部には、軸穴部222と、供給穴部226とが形成されている。軸穴部222は、軸方向ADに形成されており、後述する作動油制御弁40の一部が挿入されている。軸穴部222の内周面の一部には、雌ねじ部224が形成されている。供給穴部226は、径方向に形成され、カム軸220の外周面と軸穴部222を連通させている。供給穴部226には、作動油供給源250から作動油が供給される。作動油供給源250は、オイルポンプ251とオイルパン252とを有する。オイルポンプ251は、オイルパン252に貯留されている作動油を汲み上げる。
バルブタイミング調整装置100は、駆動回転体10と、ベーンロータ20と、ブッシング部材30と、作動油制御弁40と、ロック部60とを備える。
駆動回転体10は、スプロケット11と、ハウジング12とを有する。駆動回転体10には、スプロケット11とハウジング12とにより囲まれた内部空間が形成されている。
スプロケット11は、カム軸220の端部に嵌合され、回転可能に支持されている。スプロケット11には、ロック部60の一部として機能する凹部90が形成されている。凹部90についての詳細な説明は、後述する。スプロケット11には、クランク軸210のスプロケット211とともに、環状のタイミングチェーン212が掛け渡されている。スプロケット11は、複数のボルト19によってハウジング12と固定されている。このため、駆動回転体10は、クランク軸210と連動して回転する。
ハウジング12は、有底筒状であって底部に貫通孔13が形成された概略形状を有する。ハウジング12は、リア側に形成された開口端14がスプロケット11のフロント側の面により塞がれている。図2に示すように、ハウジング12は、周方向BDに互いに並んで形成されて径方向内側に向かってそれぞれ突出する3つの隔壁部15を有する。周方向BDにおいて互いに隣り合う各隔壁部15の間には、後述するベーンロータ20の各ベーン22がそれぞれ配置されている。
図1および図2に示すベーンロータ20は、駆動回転体10の内部空間に収容され、カム軸220の端部に連結されている。ベーンロータ20は、作動油制御弁40から供給される作動油の油圧に応じて、駆動回転体10に対して遅角方向または進角方向へ相対回転可能に構成されている。ベーンロータ20は、ロータ21と、3つのベーン22とを有する。
ロータ21は、円筒状の外観形状を有する。ロータ21の中央部には、軸方向ADに貫通する貫通孔23が形成されている。貫通孔23には、作動油制御弁40が配置されている。図2において破線で示すように、ロータ21には、3つの遅角流路24と3つの進角流路25とが、それぞれ径方向に貫通して形成されている。各遅角流路24と各進角流路25とは、軸方向ADにおいて互いに並んで形成されている。各遅角流路24は、後述する作動油制御弁40の遅角ポートP1と遅角室26を連通させている。各進角流路25は、後述する作動油制御弁40の進角ポートP2と進角室27を連通させている。貫通孔23において、各遅角流路24と各進角流路25との間は、後述する作動油制御弁40のアウタースリーブ41によってシールされている。
3つのベーン22は、ロータ21から径方向外側に向かってそれぞれ突出し、周方向BDに互いに並んで形成されている。各ベーン22は、周方向BDにおいて隣り合う各隔壁部15間にそれぞれ配置され、駆動回転体10の内部空間を複数の油圧室に区画する。具体的には、隣り合う隔壁部15間の周方向BDに沿った3つの空間を、それぞれ油圧室としての遅角室26と進角室27とに区画する。遅角室26には、ロータ21に形成されている遅角流路24を介して作動油が供給され、また、作動油が排出される。同様に、進角室27には、ロータ21に形成されている進角流路25を介して作動油が供給され、また、作動油が排出される。ベーンロータ20は、遅角室26および進角室27に供給される作動油の油圧に応じて、駆動回転体10に対して相対回転する。
3つのベーン22のうちの1つは、他の2つのベーン22よりも大きく構成されている。かかる大きなベーン22には、図1に示すように、軸方向ADに沿ってピン収容部61が形成されている。ピン収容部61は、ロック部60の一部を構成している。ピン収容部61についての詳細な説明は、後述する。また、ベーンロータ20には、かかる大きなベーン22とロータ21とに亘って、ロック流路29が形成されている。ロック流路29は、後述するピン油圧室99と連通可能に構成されている。
本実施形態において、駆動回転体10は、鉄により形成されており、ベーンロータ20は、アルミニウムにより形成されている。なお、駆動回転体10とベーンロータ20とは、これらの材料に限らず、他の任意の材料により形成されていてもよい。
ブッシング部材30は、軸方向ADに沿った貫通孔が形成された円環状の外観形状を有する。ブッシング部材30は、軸方向ADにおいて、ベーンロータ20のフロント側の端面と、後述する作動油制御弁40の突出部414とに挟まれて配置されている。本実施形態において、ブッシング部材30は、鉄により形成されており、作動油制御弁40によってベーンロータ20がカム軸220に固定される際におけるベーンロータ20の変形を抑制する。
作動油制御弁40は、スプール弁により構成され、バルブタイミング調整装置100の回転軸AXに配置されている。作動油制御弁40は、フロント側に配置された図示しないソレノイドの駆動力により、図2に示す作動油の遅角室26、進角室27または図1に示すピン油圧室99への供給と、遅角室26、進角室27またはピン油圧室99からの排出とを制御する。また、作動油制御弁40は、ベーンロータ20をカム軸220に締結する固定部材としての機能を有する。
図1に示すように、作動油は、オイルポンプ251によりオイルパン252から汲み上げられ、カム軸220に設けられた供給穴部226を介して作動油制御弁40へと供給される。遅角室26、進角室27またはピン油圧室99から排出される作動油は、作動油制御弁40を介してオイルパン252へと排出される。
作動油制御弁40のうち軸方向ADに沿ってリア側の一部は、カム軸220に設けられた軸穴部222に収容されている。作動油制御弁40のうち軸方向ADの中央部分は、ベーンロータ20の貫通孔23に収容されている。
図3に示すように、作動油制御弁40は、スリーブ49と、スプール43とを備える。スリーブ49は、スプール43を軸方向ADに摺動自在に支持する機能と、ベーンロータ20に作動油を供給し、また、ベーンロータ20から作動油を排出するためのポートを提供する機能とを有する。スリーブ49は、アウタースリーブ41と、インナースリーブ42とを有する。
アウタースリーブ41は、略円筒状の外観形状を有し、作動油制御弁40をカム軸220に固定させる機能と、インナースリーブ42およびスプール43とを収容する機能と、作動油供給油路48を形成する機能とを有する。アウタースリーブ41のリア側の端部の外周面には、雄ねじ部410が形成されている。雄ねじ部410は、図1に示すカム軸220の軸穴部222に形成されている雌ねじ部224と螺合する。これにより、作動油制御弁40は、カム軸220に締結固定される。かかる締結固定により、軸方向ADの軸力が加えられるので、吸気弁を押すことによるカム軸220の偏心力によって作動油制御弁40とカム軸220とがずれることを抑制でき、作動油が漏れることを抑制できる。図3に示すように、アウタースリーブ41のフロント側の端部には、工具係合部413が形成されている。工具係合部413は、六角ソケット等の工具と係合可能な外観形状を有し、作動油制御弁40をカム軸220に締結する際に利用される。
アウタースリーブ41において、工具係合部413に対してリア側に隣接する位置には、突出部414が形成されている。突出部414は、フランジ状に径方向外側に突出している。図1に示すように、作動油制御弁40がカム軸220に締結固定される際に、突出部414は、ブッシング部材30のフロント側端面に押し付けられる。また、突出部414によりブッシング部材30がリア側へと押し付けられることにより、ブッシング部材30を介して作動油制御弁40とベーンロータ20とが互いに固定される。ここで、作動油制御弁40は、カム軸に固定されているので、突出部414によりブッシング部材30がリア側へと押し付けられることにより、カム軸220とベーンロータ20とは、ブッシング部材30および作動油制御弁40を介して互いに固定されることとなる。図3に示すように、アウタースリーブ41には、軸孔415と、作動油供給孔416とが形成されている。軸孔415は、軸方向ADに沿って貫通して形成されており、インナースリーブ42が挿入されている。軸孔415とインナースリーブ42の外周面とにより囲まれる空間は、作動油供給油路48として機能する。作動油供給孔416は、アウタースリーブ41のリア側の端部において厚さ方向に貫通して形成されている。図1に示すように、作動油供給孔416は、軸穴部222から供給される作動油を、作動油供給油路48へと供給する。
図3に示すインナースリーブ42は、略円筒状の外観形状を有し、アウタースリーブ41に形成された軸孔415に収容されている。インナースリーブ42には、軸方向ADに沿った貫通孔421が形成されている。貫通孔421には、スプール43が挿入されている。図3において破線で示すように、インナースリーブ42には、第1供給孔422と、第2供給孔423とが、それぞれ厚さ方向に貫通して軸方向ADに並んで形成されている。第1供給孔422は、第2供給孔423よりも軸方向ADにおいてリア側に形成されており、作動油供給油路48と後述する遅角ポートP1または進角ポートP2とを連通する。第2供給孔423は、作動油供給油路48と後述するロックポートP3とを連通する。第1供給孔422の径方向内側と第2供給孔423の径方向内側とには、それぞれ逆止弁47が配置されている。各逆止弁47は、それぞれ帯状の薄板が環状に巻かれて形成されることにより、径方向に弾性変形し、作動油の逆流を抑制する。
スリーブ49には、遅角ポートP1と、進角ポートP2と、ロックポートP3とが形成されている。これらの3つのポートP1〜P3は、いずれもアウタースリーブ41とインナースリーブ42とを厚さ方向に貫く貫通孔として形成されている。遅角ポートP1は、ベーンロータ20内に形成された図2に示す遅角流路24と連通可能に構成されている。また、図3に示す進角ポートP2は、図2に示すベーンロータ20内に形成された進角流路25と連通可能に構成されている。図3に示すロックポートP3は、図1に示すベーンロータ20内に形成されたロック流路29と連通可能に構成されている。
図3に示すスプール43は、略円筒状の外観形状を有し、インナースリーブ42の貫通孔421において軸方向ADに摺動可能に収容されている。スプール43のリア側にはバネ45が配置されている。バネ45は、圧縮コイルバネにより構成され、フロント側の端部がスプール43に当接し、リア側の端部がスリーブ49に当接している。バネ45は、スプール43をフロント側へと付勢している。スプール43のフロント側の端部には、図示しない押圧ピンが当接可能に配置されており、かかる押圧ピンがソレノイドの駆動力によってリア側に移動すると、スプール43がバネ45の付勢力に打ち勝ってリア側へと移動する。なお、図1および図3では、押圧ピンがスプール43をリア側に押していない状態を示している。
スプール43には、軸方向ADに沿った貫通孔431が形成されている。貫通孔431は、ドレン油路432の一部を構成している。ドレン油路432は、遅角室26と進角室27とピン油圧室99とから排出される作動油の油路として機能する。また、スプール43には、第1ドレン流入部433と、第2ドレン流入部434とが、それぞれ厚さ方向に貫通して軸方向ADに並んで形成されている。第1ドレン流入部433は、第2ドレン流入部434よりも軸方向ADにおいてリア側に形成されており、遅角ポートP1とドレン油路432を連通し、遅角室26から排出される作動油をドレン油路432へと導く。第2ドレン流入部434は、進角ポートP2とドレン油路432を連通して進角室27から排出される作動油をドレン油路432へと導き、また、ロックポートP3とドレン油路432を連通してピン油圧室99から排出される作動油をドレン油路432へと導く。また、スプール43のフロント側の端部には、ドレン油路432と作動油制御弁40の外部を連通させるドレン流出部435が形成されている。ドレン流出部435は、ドレン油路432の作動油を作動油制御弁40の外部へと排出する。図1に示すように、ドレン流出部435から排出された作動油は、オイルパン252へと回収される。
図3に示すように、スプール43の外周面には、複数のシール部Sが軸方向ADに並んで形成されている。複数のシール部Sは、それぞれ全周に亘って径方向外側に突出した形状を有する。複数のシール部Sは、インナースリーブ42の貫通孔421の一部をそれぞれシールし、意図しない作動油の流動を抑制する。
図1に示すロック部60は、駆動回転体10に対するベーンロータ20の相対回転を、最遅角位相と最進角位相との間の中間位相(以下の説明では、「ロック位相」とも呼ぶ)においてロックする。これにより、例えば、内燃機関300の始動時等、油圧が不十分な状態において、ハウジング12の隔壁部15とベーンロータ20のベーン22とが周方向BDに衝突することが抑制される。ロック部60に形成されたピン油圧室99に作動油が供給されるとロックが解除され、ピン油圧室99から作動油が排出されるとロック位相でロックされる。ロック部60の構造の詳細な説明は、後述する。
図4〜図7を参照して、バルブタイミング調整装置100の油圧回路について説明する。図4〜図7では、それぞれ、ロック状態、進角状態、保持状態および遅角状態における油圧回路を模式的に示している。これらの状態は、ソレノイドに通電される電力に応じたスプール43の軸方向ADの位置に対応して実現されている。図4〜図7では、作動油の供給を太い実線の矢印で示し、作動油の排出を太い破線の矢印で示している。
図4に示すロック状態における油圧回路は、図1および図3に示す状態のように、ソレノイドに通電が行われず押圧ピンがスプール43をリア側に押していない状態において実現される。ロック状態では、ロックポートP3が第2ドレン流入部434と連通することにより、ピン油圧室99から作動油が排出される。この状態において、ロックポートP3は、作動油供給油路48と連通していない。また、ロック状態では、進角ポートP2が作動油供給油路48と連通することにより進角室27へと作動油が供給され、遅角ポートP1が作動油供給油路48と連通しないことにより、遅角室26へと作動油が供給されない。ロック状態では、駆動回転体10に対するベーンロータ20の相対回転がロック位相においてロックされる。
図5に示す進角状態における油圧回路は、図4に示すロック状態よりもスプール43がリア側に移動することにより実現される。進角状態では、進角ポートP2が作動油供給油路48と連通することにより進角室27へと作動油が供給され、遅角ポートP1が第1ドレン流入部433と連通することにより、遅角室26から作動油が排出される。進角状態では、ベーンロータ20が駆動回転体10に対して進角方向へ相対回転し、クランク軸210に対するカム軸220の相対回転位相が進角側へと変化する。
図5に示す進角状態と、図6に示す保持状態と、図7に示す遅角状態とでは、いずれもロックポートP3が第2ドレン流入部434と連通していないことにより、ピン油圧室99から作動油が排出されず、ロックが解除されている。なお、図5〜7では、ロックポートP3が作動油供給油路48と連通することによりピン油圧室99へと作動油が供給されているものとして図示しているが、ひとたびピン油圧室99への作動油の供給が実行された後にロックポートP3が作動油供給油路48と連通せずにピン油圧室99が封止されていてもよい。ロック解除状態では、駆動回転体10に対するベーンロータ20の相対回転が許容され、クランク軸210に対するカム軸220の相対回転位相が変更可能となっている。
図6に示す保持状態における油圧回路は、図5に示す進角状態よりもスプール43がリア側に移動することにより実現される。保持状態では、遅角ポートP1が第1ドレン流入部433と連通しないことにより遅角室26から作動油が排出されず、また、進角ポートP2が第2ドレン流入部434と連通しないことにより、進角室27から作動油が排出されない。なお、図6では、遅角ポートP1と進角ポートP2とがそれぞれ封止されて作動油供給油路48と連通しないものとして図示しているが、遅角ポートP1と進角ポートP2との少なくとも一方が作動油供給油路48と連通し、遅角室26と進角室27との少なくとも一方に作動油が供給されてもよい。保持状態では、ベーンロータ20の駆動回転体10に対する相対回転が抑制され、クランク軸210に対するカム軸220の相対回転位相が保持される。
図7に示す遅角状態における油圧回路は、図6に示す保持状態よりもスプール43がリア側に移動することにより実現される。遅角状態では、遅角ポートP1が作動油供給油路48と連通することにより遅角室26へと作動油が供給され、進角ポートP2が第2ドレン流入部434と連通することにより、進角室27から作動油が排出される。遅角状態では、ベーンロータ20が駆動回転体10に対して遅角方向へ相対回転し、クランク軸210に対するカム軸220の相対回転位相が遅角側へと変化する。
A−2.ロック部の構成:
図8に示すように、ロック部60は、ピン収容部61と、ロックピン70と、第1バネ81と、第2バネ82と、凹部90と、ピン油圧室99とを備える。なお、図8は、ロック状態において、図2のVIII−VIII線に沿ってバルブタイミング調整装置100を周方向BDに沿って展開した断面を示している。
ピン収容部61は、上述のように、ベーンロータ20に形成された大きなベーン22のリア側の面において、リア側に開口するように軸方向ADに沿って円柱状に窪んで形成されている。ピン収容部61は、スプロケット11に形成された凹部90と対向可能に形成されている。より具体的には、ピン収容部61は、ロック位相において凹部90と対向する周方向BDの位置に形成されている。ピン収容部61には、円筒状に形成されたスリーブピンガイド62が圧入されている。スリーブピンガイド62は、ロックピン70の往復動をガイドする。なお、スリーブピンガイド62は、省略されていてもよい。ピン収容部61のフロント側の端面である底部には、呼吸路63が連なって形成されている。呼吸路63は、バルブタイミング調整装置100の外部と連通している。
ロックピン70は、略円筒状の外観形状を有し、ピン収容部61と凹部90とに亘って軸方向ADに沿って往復動可能に収容されている。以下の説明では、ロックピン70が往復動する方向を、「往復動方向CD」とも呼ぶ。ロック解除状態では、ロックピン70の全体がピン収容部61に収容され、ロックピン70の先端部が、ベーンロータ20の相対回転に伴ってスプロケット11のフロント側の端面を摺動する。他方、ロック状態では、ロックピン70の先端部が凹部90に嵌合する。以下の説明では、ロック解除状態においてロックピン70の先端部が摺動する方向を、「摺動方向DD」とも呼ぶ。摺動方向DDは、駆動回転体10の周方向BDと同心な方向である。換言すると、摺動方向DDは、バルブタイミング調整装置100を周方向BDに沿って展開した状態における周方向BDに平行な方向である。また、以下の説明では、ロック解除状態においてロックピン70の先端部が摺動するスプロケット11のフロント側の端面を、「摺動面SS」とも呼ぶ。ロックピン70は、第1ピン71と、第1ピン71の内側に配置された第2ピン72とを有する二重構造のピンとして構成されている。
第1ピン71は、略円筒状の外観形状を有する。第1ピン71には、往復動方向CDに沿って貫通する内孔73が形成されている。内孔73には、第2ピン72が収容されている。第1ピン71は、第1バネ81によって、リア側に向かって付勢されている。以下の説明では、第1ピン71のリア側の端部を、「第1先端部74」とも呼ぶ。第1先端部74は、ロック解除状態において摺動面SSを摺動方向DDに沿って摺動し、ロック状態において後述する凹部90の第1凹部91と嵌合する。第1先端部74の寸法についての詳細な説明は、後述する。第1ピン71は、駆動回転体10に対するベーンロータ20の遅角方向への相対回転を規制する機能を有する。
第2ピン72は、有底筒状に形成された略柱状の外観形状を有する。第2ピン72は、第1ピン71の内孔73に収容されている。第2ピン72は、第2バネ82によって、リア側に向かって付勢されている。以下の説明では、第2ピン72のリア側の端部を、「第2先端部75」とも呼ぶ。第2先端部75は、ロック解除状態において摺動面SSを摺動方向DDに沿って摺動し、ロック状態において後述する凹部90の第2凹部92と嵌合する。第2ピン72は、駆動回転体10に対するベーンロータ20の進角方向への相対回転を規制する機能を有する。本実施形態において、第2ピン72は、第1ピン71の往復動とは独立して往復動する。
第1バネ81と第2バネ82とは、それぞれ圧縮コイルバネにより構成されており、第1バネ81の内部に第2バネ82が挿入されて、それぞれロックピン70の軸中心に配置されている。第1バネ81のフロント側の端部は、ピン収容部61の底部に当接し、第1バネ81のリア側の端部は、第1ピン71に形成されたバネ受け部76に当接している。このような構成により、第1バネ81は、第1ピン71を凹部90に向かって付勢している。第2バネ82のフロント側の端部は、ピン収容部61の底部に当接し、第2バネ82のリア側の端部は、第2ピン72に形成されたバネ受け部77に当接している。このような構成により、第2バネ82は、第2ピン72を凹部90に向かって付勢している。本実施形態において、第1バネ81と第2バネ82とは、互いに独立して第1ピン71と第2ピン72とをそれぞれ付勢している。また、本実施形態において、バネ受け部76とバネ受け部77とは、それぞれ第1ピン71と第2ピン72との内部に形成されているが、それぞれ第1ピン71と第2ピン72とのフロント側の端部に形成されていてもよい。
図8および図9に示す凹部90は、スプロケット11のフロント側の面において、フロント側に開口するように軸方向ADに沿って窪んで形成されている。凹部90は、ピン収容部61と対向可能に形成されている。凹部90は、階段状の断面視形状を有し、第1ピン71の第1先端部74と嵌合する第1凹部91と、第2ピン72の第2先端部75と嵌合する第2凹部92とを含んで構成されている。なお、図9では、フロント側から見た凹部90の構成を模式的に示しており、第1ピン71の第1先端部74の外縁部と、第2ピン72の第2先端部75の外縁部とに相当する位置を、それぞれ破線で示している。
図9に示すように、第1凹部91は、周方向BDに沿って伸びた略楕円形の断面視形状を有する。図8に示すように、第1凹部91の摺動方向DDに沿った寸法W1は、第1ピン71の第1先端部74の摺動方向DDに沿った寸法W2よりも大きい。第1凹部91のうち遅角側の端部は、第1規制部93として機能する。第1規制部93に第1ピン71の第1先端部74が当接することにより、駆動回転体10に対するベーンロータ20の遅角方向への相対回転が規制される。図9に示すように、第1凹部91には、凹部供給油路94が連なって形成されている。凹部供給油路94は、図1に示すベーンロータ20に形成されたロック流路29と連通可能に構成されており、作動油制御弁40から供給される作動油を、ロック流路29を介して凹部90へと導く。
図9に示すように、第2凹部92は、略円形の断面視形状を有し、第1凹部91の内部に形成されている。図8に示すように、第2凹部92は、第1凹部91の内部において摺動面SSから遠ざかる位置に形成されている。このような構成により、凹部90のうち、第1凹部91と第2凹部92とが重なって形成されている部分の往復動方向CDに沿った溝深さは、第1凹部91の往復動方向CDに沿った溝深さよりも深い。第2凹部92の摺動方向DDに沿った寸法W3は、第2ピン72の第2先端部75の摺動方向DDに沿った寸法W4よりも大きく、また、第1ピン71の第1先端部74の摺動方向DDに沿った寸法W2よりも小さい。第2凹部92のうち進角側の端部は、第2規制部95として機能する。第2規制部95に第2ピン72の第2先端部75が当接することにより、駆動回転体10に対するベーンロータ20の進角方向への相対回転が規制される。本実施形態において、ロック状態における第2ピン72の第2先端部75と、第2凹部92の第2規制部95との間の周方向BDの嵌合隙間CLは、0.3mm以下の大きさに形成されている。また、嵌合隙間CLは、回転軸AXを中心として0.8°以下の角度で形成されている。なお、嵌合隙間CLは、0.3mmを超える大きさに形成されていてもよく、0.8°を超える角度で形成されていてもよい。
図8に示すピン油圧室99は、ロック解除のためにロックピン70に油圧を供給する機能を有する。ピン油圧室99は、凹部90とピン収容部61の一部とによって構成されている。より具体的には、ピン収容部61のうちリア側の端部は、後述する図10に示すようにピン収容部61にロックピン70の全部が収容されている状態において、ピン油圧室99の一部を構成する。ロック解除状態において、ピン油圧室99には、第1凹部91と連通する凹部供給油路94と、ベーンロータ20のロック流路29と、作動油制御弁40のロックポートP3とを介して、作動油が供給される。なお、ロック解除状態では、ひとたびピン油圧室99への作動油の供給が実行された後にピン油圧室99が封止されてピン油圧室99に作動油が充填された状態であってもよい。また、ロック状態において、ピン油圧室99の作動油は、凹部供給油路94とロック流路29とロックポートP3とを介して作動油制御弁40の第2ドレン流入部434へと導かれて、ドレン流出部435からオイルパン252へと排出される。本実施形態において、ピン油圧室99は、第1ピン71の第1先端部74が第1凹部91と嵌合可能な回転位相において遅角室26および進角室27と連通せず、最遅角位相において遅角室26と連通し、最進角位相において進角室27と連通する。
図10〜図13では、ロック解除状態の一形態である図5に示す進角状態から、図4に示すロック状態となる様子を、図8と同様の断面において模式的に示している。
図10に示すロック解除状態では、作動油制御弁40による油圧制御によってピン油圧室99の圧力が上昇し、第1ピン71と第2ピン72とをフロント側に向かって押す力が、第1バネ81と第2バネ82との付勢力に比べて大きくなる。これにより、第1ピン71の第1先端部74と第2ピン72の第2先端部75とが凹部90から抜け出し、ロックピン70は、往復動方向CDに沿った全長に亘ってピン収容部61に収容される。
図5および図10に示すロック解除状態から、作動油制御弁40によって油圧回路が切り替えられて、ロックポートP3が作動油供給油路48と連通せずに第2ドレン流入部434と連通すると、ロック流路29を介してピン油圧室99から作動油が排出される。
図11に示すように、ピン油圧室99から作動油が排出されると、ピン油圧室99の圧力が低下し、第1ピン71と第2ピン72とをフロント側に向かって押す力が、第1バネ81と第2バネ82との付勢力に比べて小さくなる。これにより、第1ピン71と第2ピン72とは、それぞれ往復動方向CDにおいてリア側に移動する。第1ピン71の第1先端部74は、凹部90の第1凹部91に嵌合し、第2ピン72の第2先端部75は、第1ピン71の第1先端部74を介して第1凹部91に嵌合する。
ここで、カム軸220には、吸気弁の機構に起因して正負の交番トルクが加えられている。かかる交番トルクは、カム軸220の摩擦抵抗に起因して遅角方向へのトルクの方が大きい傾向にある。このようなカム軸220のトルク変動によって、図11に示す状態から図12に示す状態へと、駆動回転体10に対してベーンロータ20が遅角方向に相対回転する。かかる相対回転により、第1ピン71の第1先端部74は、図12に示すように、第1規制部93へと押し当てられる。第1規制部93に当接した第1ピン71は、遅角方向へのカムトルクが加えられている間、第1規制部93へと押し当てられた状態が維持される。上述のように、第2凹部92の摺動方向DDに沿った寸法W3が第1ピン71の第1先端部74の摺動方向DDに沿った寸法W2よりも小さいので、第1ピン71は、第2凹部92に嵌合することができない。駆動回転体10に対するベーンロータ20の遅角方向への相対回転は、第1ピン71の第1先端部74が第1規制部93に当接することにより、規制される。
図13に示すように、第2ピン72は、第1ピン71が第1規制部93へと押し当てられた状態が維持されている間に、第2バネ82の付勢力によってリア側へと移動する。これにより、第2ピン72の第2先端部75は、第2凹部92に嵌合する。駆動回転体10に対するベーンロータ20の進角方向への相対回転は、第2ピン72の第2先端部75が第2規制部95に当接することにより、規制される。このように、第2ピン72の第2先端部75が第1ピン71の第1先端部74を介して第1凹部91に嵌合する状態から、第2凹部92に嵌合する状態へと連続的に変化することにより、ロック位相におけるロックが完了する。
以上説明した本実施形態のバルブタイミング調整装置100によれば、摺動方向DDに沿った第1ピン71の第1先端部74の寸法W2が、摺動方向DDに沿った第2凹部92の寸法W3よりも大きいので、第1ピン71が第2凹部92に嵌合することを抑制でき、第1ピン71によって駆動回転体10に対するベーンロータ20の遅角方向への相対回転が規制されている間に、第2ピン72の第2先端部75が第2凹部92に嵌合できる。このため、ロックピン70と凹部90との嵌合不良の発生を抑制でき、ロック不良の発生を抑制できる。
また、本実施形態のバルブタイミング調整装置100によれば、第2ピン72の第2先端部75が第2凹部92に嵌合可能な期間は、第2ピン72の第2先端部75に加えて第1ピン71の第1先端部74も第2凹部92に嵌合してロックする構成と比較して長い。したがって、かかる構成と比較して、第2凹部92の第2規制部95とロックピン70の先端部との間の周方向BDの嵌合隙間CLを小さくできる。
また、第2凹部92が第1凹部91の内部において摺動面SSから遠ざかる位置に形成されているので、凹部90を1箇所に形成できる。このため、1箇所の凹部90により遅角方向と進角方向との両方向における駆動回転体10に対するベーンロータ20の相対回転を規制してロックでき、凹部90を形成するためにバルブタイミング調整装置100の構造が複雑化することを抑制できる。
また、ロックピン70が二重構造を有し、第1ピン71が筒状に形成され、第2ピン72が柱状に形成されて第1ピン71の内孔73に収容されている。このため、ロックピン70の構造が複雑化することを抑制でき、また、ロックピン70の大型化を抑制できる。
また、少なくとも凹部90を含んでピン油圧室99が形成されているので、凹部90は、ロックピン70を嵌合させる機能と、ロック解除のためにロックピン70に油圧を供給するためのピン油圧室99としての機能とを兼用できる。このため、ロック部60の大型化を抑制でき、また、60の構造が複雑化することを抑制できる。また、少なくとも凹部90を含んでピン油圧室99が形成されているので、1箇所のピン油圧室99から、第1ピン71と第2ピン72とに同時に油圧を加えることができる。
また、ピン油圧室99は、第1ピン71の第1先端部74が第1凹部91と嵌合可能な回転位相において遅角室26および進角室27と連通せず、最遅角位相において遅角室26と連通し、最進角位相において進角室27と連通する。このため、ピン油圧室99が最遅角位相および最進角位相において遅角室26および進角室27とそれぞれ連通しない構成と比較して、ピン収容部61が形成されたベーン22の周方向BDの寸法が大型化することを抑制でき、駆動回転体10に対するベーンロータ20の相対回転位相の変換角を大きくできる。
また、ロックピン70の往復動方向CDが駆動回転体10の軸方向ADに沿っているので、バルブタイミング調整装置100の径方向の寸法が大型化することを抑制できる。また、第2ピン72が第1ピン71の往復動とは独立して往復動するので、ロック部60の構造が複雑化することを抑制できる。
また、ロック状態における第2ピン72の第2先端部75と、第2凹部92の第2規制部95との間の周方向BDの嵌合隙間CLは、回転軸AXを中心として0.8°以下の角度で形成されている。このように、嵌合隙間CLが十分小さく形成されているので、ロック状態においてロックピン70の先端部と凹部90とがカム軸220のトルク変動によって衝突する際の打音を低減できる。
B.第2実施形態:
図14に示す第2実施形態におけるバルブタイミング調整装置が備えるロック部60aは、ピン油圧室99に代えてピン油圧室99aを有する点において、第1実施形態のバルブタイミング調整装置100が備えるロック部60と異なる。これに伴い、ロック部60aは、ピン収容部61とロックピン70とに代えて、ピン収容部61aとロックピン70aとを有し、凹部供給油路94が省略されている。その他の構成は、第1実施形態と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。なお、図14では、図8と同様に、ロック状態におけるバルブタイミング調整装置を周方向BDに沿って展開した断面を示している。
第2実施形態におけるピン油圧室99aは、ピン収容部61aの一部により形成されている。ピン収容部61aは、往復動方向CDに沿って円柱状に窪んで形成されており、ピン収容部61aのうちリア側に位置する小径部64aと、小径部64aのフロント側に連なる大径部65aとを含んでいる。換言すると、ピン収容部61aの底部側の径は、開口側の径よりも大きく形成されている。大径部65aのうちリア側の端部には、ロック流路29が連なって形成されている。このような構成により、大径部65aの一部は、ピン油圧室99aを構成している。なお、第2実施形態における凹部90は、ロックを解除するためのピン油圧室として機能していない。
ロックピン70aは、第1ピン71aと、第2ピン72aとを有する。第1ピン71aは、鍔部78aを有する。鍔部78aは、第1ピン71aのフロント側の端部においてフランジ状に形成されており、ピン油圧室99aにおける作動油の油圧を受ける。第1ピン71aは、ロック解除の際にピン油圧室99aに作動油が供給されると、第1ピン71aの鍔部78aがフロント側に押されることによりフロント側へと移動する。第2ピン72aは、係合部79aを有する。係合部79aは、第2ピン72aのフロント側の端部においてフランジ状に形成されており、ロック解除の際に第1ピン71aの鍔部78aと係合する。係合部79aには、第1バネ81のフロント側の端部が当接している。このため、第2ピン72aは、ロック解除の際にピン油圧室99aに作動油が供給されると、第1ピン71aと一体に動いてフロント側へと移動する。第1バネ81のうちフロント側の一部は、ピン油圧室99aの往復動方向CDに沿った位置と重なっている。なお、第1バネ81の全体が、ピン油圧室99aの往復動方向CDに沿った位置と重なっていてもよい。
以上説明した第2実施形態のバルブタイミング調整装置によれば、第1実施形態のバルブタイミング調整装置100と同様な効果を奏する。加えて、ピン油圧室99aがピン収容部61aの大径部65aにより形成されているので、凹部90aに作動油が供給されない。このため、どの位相においても遅角室26および進角室27とピン油圧室99aが連通しないので、遅角室26および進角室27における油圧制御をピン油圧室99aにおける油圧制御と独立して実現でき、油圧回路の複雑化を抑制できる。また、ロックピン70aに鍔部78aが形成されているので、ロック流路29を介してピン油圧室99aへと作動油が供給されることにより、ロックを解除できる。また、第2ピン72aが係合部79aを有し、ロック解除の際に第1ピン71aと係合して第1ピン71aと一体に動くので、ピン油圧室99aへと作動油が供給されて第1ピン71aの鍔部78aがフロント側に押されることにより、第2ピン72aを凹部90から抜け出させることができる。また、第1バネ81の一部がピン油圧室99aの往復動方向CDに沿った位置と重なっているので、第1バネ81がピン油圧室99aの往復動方向CDに沿った位置と重ならない構成と比較して、ピン収容部61aの往復動方向CDに沿った寸法が大型化することを抑制でき、ロック部60aの大型化を抑制できる。
C.第3実施形態:
図15に示す第3実施形態のバルブタイミング調整装置100bは、ロック部60に代えてロック部60bを有する点において、第1実施形態のバルブタイミング調整装置100と異なる。その他の構成は、第1実施形態と同じであるので、同一の構成には同一の符号を付し、それらの詳細な説明を省略する。なお、図15では、ロック部60bを含むように径方向に沿ってバルブタイミング調整装置100bを切断した断面を示すとともに、作動油制御弁40の図示を省略している。
第3実施形態のロック部60bは、ピン収容部61と凹部90とロックピン70とに代えてピン収容部61bと凹部90bとロックピン70bとを有する。
ピン収容部61bは、駆動回転体10bのハウジング12bに形成された3つの隔壁部15bのうちの特定の1つにおいて、径方向内側に開口するように径方向に沿って略円柱状に窪んで形成されている。ピン収容部61bは、ベーンロータ20bに形成された凹部90bと対向可能に形成されている。凹部90bは、ベーンロータ20bのロータ21bにおいて、径方向外側に開口するように径方向に沿って窪んで形成されている。凹部90bには、ロック流路29bが連なって形成されている。このため、凹部90bは、ピン油圧室99bを構成している。凹部90bの構造についての詳細な説明は、後述する。
図16に示すように、ロックピン70bは、ピン収容部61bと凹部90bとに亘って径方向に沿って往復動可能に収容されている。図17および図18に示すように、ロックピン70bは、軸方向ADにおいて互いに隣り合って配置された第1ピン71bと第2ピン72bとを有する。なお、図16では、図15と同様の断面におけるロック部60bを模式的に示し、図17では、図16のA矢視において、ピン収容部61bの底部の図示を省略して示すとともに第2ピン72bの第2先端部75bを破線で示している。
図18に示すように、第1ピン71bの第1先端部74bは、略矩形の断面視形状を有し、図16に示す凹部90bの第1凹部91bに嵌合する。第1ピン71bは、図17に示す第1バネ81によって径方向内側に向かって付勢されている。
図17および図18に示すように、第2ピン72bの第2先端部75bは、略矩形の断面視形状を有し、図16に示す凹部90bの第2凹部92bに嵌合する。第2ピン72bは、図17に示す第2バネ82によって径方向内側に向かって付勢されている。図18に示すように、第2ピン72bの第2先端部75bの摺動方向DDに沿った寸法W4は、第1ピン71bの第1先端部74bの摺動方向DDに沿った寸法W2よりも小さい。
図16および図19に示すように、凹部90bは、階段状の断面視形状を有し、第1ピン71bの第1先端部74bと嵌合する第1凹部91bと、第2ピン72bの第2先端部75bと嵌合する第2凹部92bとを含んで構成されている。なお、図19では、図16に示すA矢視に見た凹部90bの構成を模式的に示しており、第1ピン71bの第1先端部74bの外縁部と、第2ピン72bの第2先端部75bの外縁部とに相当する位置を、それぞれ破線で示している。
図19に示すように、第1凹部91bは、略矩形の断面視形状を有する。第1凹部91bの摺動方向DDに沿った寸法W1は、第1ピン71bの第1先端部74bの摺動方向DDに沿った寸法W2よりも大きい。このため、第1凹部91bには、第1ピン71bが嵌合する。また、本実施形態の第1凹部91bは、第1ピン71bに加えて第2ピン72bも嵌合可能に構成されている。
第2凹部92bは、略矩形の断面視形状を有し、図16に示すように第1凹部91bの内部において摺動面SSから遠ざかる位置に形成されている。図19に示すように、第2凹部92bの摺動方向DDに沿った寸法W3は、第2ピン72bの第2先端部75bの摺動方向DDに沿った寸法W4よりも大きく、また、第1ピン71bの第1先端部74bの摺動方向DDに沿った寸法W2よりも小さい。このため、第2凹部92bは、第2ピン72bが嵌合可能、かつ、第1ピン71bが嵌合できない構成となっている。
以上説明した第3実施形態のバルブタイミング調整装置100bによれば、第1実施形態のバルブタイミング調整装置100と同様な効果を奏する。加えて、ロックピン70bの往復動方向CDが駆動回転体10bの径方向に沿っているので、バルブタイミング調整装置100bの軸方向ADの寸法が大型化することを抑制できる。また、駆動回転体10bのハウジング12bの隔壁部15bにピン収容部61bが形成されているので、ベーンロータ20bのロータ21bにピン収容部が形成される構成と比較して、ロータ21bの径方向の寸法が大型化することを抑制でき、バルブタイミング調整装置100bの径方向の寸法が大型化することを抑制できる。また、第1凹部91bの内部に第2凹部92bが形成されているので、第1凹部91bと第2凹部92bとが例えば軸方向ADにおいて互いに離れて形成される構成と比較して、凹部90bを1箇所に形成できる。このため、例えば焼結等によりベーンロータ20bを形成する場合に、凹部90bの寸法精度の低下を抑制できる。また、第2ピンの第2先端部75bが第1凹部91bと第2凹部92bとにそれぞれ嵌合するので、凹部90bの構造が複雑化することを抑制できる。
D.他の実施形態:
D−1.他の実施形態1:
上記各実施形態におけるロック部60、60a〜bの構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、第1、2実施形態のロック部60、60aにおいて、駆動回転体10にピン収容部61、61aが形成されてベーンロータ20に凹部90が形成されていてもよい。また、例えば、第3実施形態のロック部60bにおいて、駆動回転体10bに凹部90bが形成されてベーンロータ20bにピン収容部61bが形成されていてもよい。すなわち一般には、ロック部60、60a〜bは、駆動回転体10、10bとベーンロータ20、20bのうちの一方の回転体に形成されたピン収容部61、61a〜bと、駆動回転体10、10bとベーンロータ20、20bのうちの他方の回転体においてピン収容部61、61a〜bと対向可能に形成された凹部90、90bとを有していてもよい。また、例えば、第3実施形態のロック部60bにおいて、第1、2実施形態のロックピン70、70aのように二重構造の第1ピン71、71aと第2ピン72、72aとを有していてもよく、第2実施形態のように、ピン収容部61bにロック流路29が連なって形成されてピン収容部61bがピン油圧室99bとして機能し、第1ピン71bと第2ピン72bとにそれぞれ鍔部が形成されていてもよい。また、例えば、第1、2実施形態のロック部60、60aにおいて、第3実施形態のロックピン70bのように、径方向において互いに隣り合って配置された第1ピン71bと第2ピン72bとを有していてもよい。すなわち一般には、第1ピン71bと第2ピン72bとは、ロックピン70bの往復動方向CDと摺動方向DDとにそれぞれ交差する交差方向において、互いに隣り合って配置されていてもよい。また、例えば、第3実施形態の凹部90bは、第1凹部91bの内部に第2凹部92bが形成されていたが、第2凹部92bと第1凹部91bとが互いに離れて形成されていてもよい。このような構成によっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
D−2.他の実施形態2:
上記第2実施形態において、第2ピン72aに形成された係合部79aは、第1ピン71aに形成された鍔部78aと係合していたが、鍔部78aとは異なる第1ピン71aの任意の部位と係合可能に構成されていてもよい。また、上記第2実施形態において、第1バネ81は、ピン油圧室99aの往復動方向CDに沿った位置と重なって配置されていたが、ピン油圧室99aの往復動方向CDに沿った位置と重なっていなくてもよい。このような構成によっても、上記第2実施形態と同様な効果を奏する。
D−3.他の実施形態3:
上記実施形態におけるバルブタイミング調整装置100、100bの構成は、あくまで一例であり、種々変更可能である。例えば、駆動回転体10、10bに対してベーンロータ20、20bを進角方向に付勢するアシストスプリングをさらに備える態様であってもよい。かかる態様においては、第1ピン71、71a、71bが進角方向への相対回転を規制し、第2ピン72、72a、72bが遅角方向への相対回転を規制してもよい。すなわち一般には、ロックピン70、70a、70bは、進角方向と遅角方向とのうちの一方の方向へのベーンロータ20、20bの相対回転を規制する第1ピン71、71a、71bと、進角方向と遅角方向とのうちの他方の方向への相対回転を規制する第2ピン72、72a、72bとを有していてもよい。また、例えば、作動油制御弁40は、駆動回転体10、10bやベーンロータ20、20bの外部に配置されていてもよく、ソレノイドに限らず電動モータやエアシリンダー等の任意のアクチュエータにより駆動されてもよい。また、例えば、バルブタイミング調整装置100、100bは、カム軸220が開閉駆動する吸気弁のバルブタイミングを調整することに代えて、排気弁のバルブタイミングを調整するように構成されていてもよい。このような構成によっても、上記各実施形態と同様な効果を奏する。
本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した形態中の技術的特徴に対応する各実施形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10、10b…駆動回転体、20、20b…ベーンロータ、22…ベーン、26…遅角室(油圧室)、27…進角室(油圧室)、48…作動油供給油路、60、60a、60b…ロック部、61、61a、61b…ピン収容部、70、70a、70b…ロックピン、71、71a、71b…第1ピン、72、72a、72b…第2ピン、74、74b…第1先端部(第1ピンの先端部)、75、75b…第2先端部(第2ピンの先端部)、81…第1バネ、82…第2バネ、90、90b…凹部、91、91b…第1凹部、92、92b…第2凹部、99、99a、99b…ピン油圧室、100、100b…バルブタイミング調整装置、210…クランク軸(駆動軸)、220…カム軸(従動軸)、BD…周方向、DD…摺動方向、W2、W3…寸法

Claims (12)

  1. 駆動軸(210)から動力が伝達されて駆動される従動軸(220)の回転位相を前記駆動軸に対して調整することにより、前記従動軸によって開閉されるバルブのバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置(100、100b)であって、
    内部空間が形成され、前記駆動軸と連動して回転する駆動回転体(10、10b)と、
    前記内部空間に収容されて前記従動軸に連結され、前記内部空間を複数の油圧室(26、27)に区画するベーン(22)を有し、前記油圧室へ供給される作動油の圧力を受けて前記駆動回転体に対して相対回転可能に設けられたベーンロータ(20、20b)と、
    前記駆動回転体に対する前記ベーンロータの相対回転を最遅角位相と最進角位相との間の中間位相においてロックするロック部(60、60a、60b)と、
    を備え、
    前記ロック部は、
    前記駆動回転体と前記ベーンロータのうちの一方の回転体に形成されたピン収容部(61、61a、61b)と、
    前記駆動回転体と前記ベーンロータのうちの他方の回転体において、前記ピン収容部と対向可能に形成された凹部(90、90b)と、
    前記ピン収容部と前記凹部とに亘って往復動可能に収容され、進角方向と遅角方向とのうちの一方の方向への前記相対回転を規制する第1ピン(71、71a、71b)と、前記進角方向と前記遅角方向とのうちの他方の方向への前記相対回転を規制する第2ピン(72、72a、72b)と、を有するロックピン(70、70a、70b)と、
    前記第1ピンを前記凹部に向かって付勢する第1バネ(81)と、前記第2ピンを前記凹部に向かって付勢する第2バネ(82)と、
    ロック解除のために前記作動油が供給されるピン油圧室(99、99a、99b)と、
    を有し、
    前記凹部は、前記第1ピンの先端部(74、74b)と嵌合する第1凹部(91、91b)と、前記第2ピンの先端部(75、75b)と嵌合する第2凹部(92、92b)と、を含んで構成されており、
    前記駆動回転体の周方向(BD)と同心な方向である前記ロックピンの摺動方向(DD)に沿った前記第1ピンの先端部の寸法(W2)は、前記摺動方向に沿った前記第2凹部の寸法(W3)よりも大きい、
    バルブタイミング調整装置。
  2. 請求項1に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記第2凹部は、前記第1凹部の内部において、前記第1ピンの先端部と前記第2ピンの先端部とが前記凹部に嵌合していない状態で摺動する摺動面(SS)から遠ざかる位置に形成されており、
    前記第2ピンの先端部が前記第1凹部に嵌合する状態から前記第2凹部に嵌合する状態へと連続的に変化することによりロックが完了する、
    バルブタイミング調整装置。
  3. 請求項2に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記第1ピンは、内孔(73)が形成された筒状に形成され、
    前記第2ピンは、柱状に形成されて前記内孔に収容されている、
    バルブタイミング調整装置。
  4. 請求項2に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記第1ピンと前記第2ピンとは、前記ロックピンの往復動方向(CD)と前記摺動方向とにそれぞれ交差する交差方向において、互いに隣り合って配置されている、
    バルブタイミング調整装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記ピン油圧室は、少なくとも前記凹部を含んで形成されている、
    バルブタイミング調整装置。
  6. 請求項5に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記ピン油圧室は、前記第1ピンの先端部が前記第1凹部と嵌合可能な前記回転位相において前記油圧室と連通せず、前記最遅角位相と前記最進角位相とにおいて前記油圧室とそれぞれ連通する、
    バルブタイミング調整装置。
  7. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記ピン油圧室は、前記ピン収容部の一部により形成されており、
    前記ロックピンには、前記ピン油圧室における前記作動油の油圧を受ける鍔部(78a)が形成されている、
    バルブタイミング調整装置。
  8. 請求項7に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記第2ピンは、前記ロック解除の際に前記第1ピンと係合する係合部(79a)を有し、前記ロック解除の際に前記第1ピンと一体に動く、
    バルブタイミング調整装置。
  9. 請求項8に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記第1バネの少なくとも一部における前記ロックピンの往復動方向に沿った位置は、前記ピン油圧室の前記往復動方向に沿った位置と重なっている、
    バルブタイミング調整装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記ロックピンの往復動方向は、前記駆動回転体の軸方向(AD)に沿っている、
    バルブタイミング調整装置。
  11. 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記ロックピンの往復動方向は、前記駆動回転体の径方向に沿っている、
    バルブタイミング調整装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置において、
    前記第2ピンの先端部が前記第2凹部に嵌合した状態における前記第2ピンの先端部と、前記第2凹部において前記他方の方向への前記相対回転を規制する規制部(95)との間の前記周方向の嵌合隙間(CL)は、前記駆動回転体の回転軸(AX)を中心として0.8°以下の角度で形成されている、
    バルブタイミング調整装置。
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