JP2021017616A - 炭素薄膜の形成方法、および、炭素薄膜の形成装置 - Google Patents

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英範 福本
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和志 布施
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建昌 李
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Abstract

【課題】炭素薄膜の抵抗率を下げることを可能とした炭素薄膜の形成方法、および、炭素薄膜の形成装置を提供する。【解決手段】炭素を主成分とするターゲット13の被スパッタ面13Sをスパッタして、成膜対象Sに炭素薄膜を形成することを含む。被スパッタ面13Sと、成膜対象Sが載置されるステージ12の載置面12Sとの間の距離がTS距離DTSであり、TS距離DTSが120mm以上300mm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、炭素薄膜の形成方法、および、炭素薄膜の形成装置に関する。
不揮発性メモリの一例である相変化型メモリは、一対の電極と、一対の電極に挟まれた相変化記憶層とを備えている。一対の電極は、例えば炭素薄膜から形成されている。炭素薄膜の形成方法として、スパッタ法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
国際公開第2015/122159号
ところで、相変化型メモリが備える電極には、相変化型メモリの発熱量を抑えるために、相変化型メモリの動作時に流れる電流を小さくすることが求められている。相変化型メモリの動作時に流れる電流は、相変化型メモリが備える電極の抵抗率を下げて動作電圧を下げることによって低くすることが可能であることから、電極を形成する炭素薄膜の抵抗率を下げることが求められている。なお、こうした課題は、炭素薄膜が相変化型メモリが備える電極として用いられる場合に限らず、他のデバイスが備える電極として用いられる場合にも共通する。
本発明は、炭素薄膜の抵抗率を下げることを可能とした炭素薄膜の形成方法、および、炭素薄膜の形成装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための炭素薄膜の形成方法は、炭素を主成分とするターゲットの被スパッタ面をスパッタして、成膜対象に炭素薄膜を形成することを含む。前記被スパッタ面と、前記成膜対象が載置されるステージの載置面との間の距離がTS距離であり、前記TS距離が120mm以上300mm以下である。
上記課題を解決するための炭素薄膜の形成装置は、炭素を主成分とし、被スパッタ面を含むターゲットと、成膜対象が載置される載置面を含むステージと、を備える。前記被スパッタ面と前記載置面との間の距離がTS距離であり、前記TS距離が120mm以上300mm以下である。
上記各構成によれば、TS距離が120mm以上300mm以下の範囲に含まれるいずれかの距離に設定されることによって、成膜対象に形成される炭素薄膜の抵抗率を下げることが可能である。
上記炭素薄膜の形成方法において、前記炭素薄膜を形成することは、前記ステージの前記載置面における温度が100℃以上200℃以下であることを含んでもよい。この構成によれば、載置面の温度、ひいては載置面に載置される成膜対象の温度が100℃以上200℃以下の範囲に含まれるいずれかの温度に設定されることによって、成膜対象に形成された炭素薄膜の抵抗率を下げ、かつ、表面粗さの上昇を抑えることが可能である。
上記炭素薄膜の形成方法において、前記炭素薄膜を形成することは、前記ターゲットの前記被スパッタ面が露出した成膜空間に配置された前記ステージの前記載置面に前記成膜対象を載置することと、窒素ガスを含むスパッタガスを前記成膜空間に供給することと、を含んでもよい。
上記構成によれば、成膜空間内にプラズマを生成するためのスパッタガスとして窒素ガスを含むスパッタガスを供給することによって、成膜対象に形成される炭素薄膜の抵抗率を下げることが可能である。
上記炭素薄膜の形成方法において、前記炭素薄膜を形成することは、前記スパッタガスの全流量に対する前記窒素ガスの流量の百分率が2%以上8%以下であることを含んでもよい。
上記構成によれば、窒素ガスの流量における百分率が、2%以上8%以下の範囲に含まれるいずれかの値に設定されることによって、成膜対象に形成される炭素薄膜の抵抗率を顕著に下げることが可能である。
上記炭素薄膜の形成方法において、前記炭素薄膜を形成することは、前記スパッタガスの全流量に対する前記窒素ガスの流量の百分率が12%以上23%以下であることを含んでもよい。
上記構成によれば、窒素ガスの流量における百分率が、12%以上23%以下の範囲に含まれるいずれかの値に設定されることによって、成膜対象に形成される炭素薄膜の表面粗さを顕著に小さくすることが可能である。
一実施形態における炭素薄膜の形成装置であるスパッタ装置の構成を模式的に示す装置構成図。 (a)TS距離、ステージの温度、および、炭素薄膜の抵抗率の関係を示すグラフ、(b)TS距離と抵抗率との関係を示すグラフ。 (a)TS距離、ステージの温度、および、二乗平均平方根粗さRqの関係を示すグラフ、(b)TS距離と二乗平均平方根粗さRqとの関係を示すグラフ。 TS距離、窒素ガスの割合、および、炭素薄膜の抵抗率の関係を示すグラフ。 TS距離、窒素ガスの割合、および、二乗平均平方根粗さRqの関係を示すグラフ。
図1から図5を参照して、炭素薄膜の形成方法、および、炭素薄膜の形成装置の一実施形態を説明する。以下では、炭素薄膜の形成装置の一例であるスパッタ装置の構成、および、炭素薄膜の形成方法を順に説明する。
[スパッタ装置の構成]
図1を参照して、スパッタ装置の構成を説明する。
図1が示すように、スパッタ装置10は、成膜空間11Sを区画する真空槽11を備えている。真空槽11は、接地電位に接続されている。スパッタ装置10は、ステージ12とターゲット13とを備えている。ステージ12は、成膜対象Sが載置される載置面12Sを含んでいる。ステージ12は、成膜空間11Sに配置されている。ターゲット13は、炭素を主成分とし、被スパッタ面13Sを含んでいる。被スパッタ面13Sと載置面12Sとの間の距離がTS距離DTSである。TS距離DTSは、120mm以上300mm以下である。
ターゲット13は、99質量%以上の炭素を含んでいる。ターゲット13の被スパッタ面13Sは、真空槽11が区画する成膜空間11Sに露出している。ターゲット13は、バッキングプレート14を介して真空槽11に固定されている。バッキングプレート14に対してターゲット13とは反対側には、磁気回路15が位置している。磁気回路15は、ターゲット13の被スパッタ面13Sに漏洩磁場を形成する。
バッキングプレート14には、ブロッキングコンデンサCを介して電源PSが接続されている。本実施形態において、電源PSは、バッキングプレート14を介してターゲット13にパルス状の直流電圧を印加する。電源PSは、高周波電圧をターゲット13に印加してもよいし、直流電圧をターゲット13に印加してもよい。
真空槽11には、真空槽11内の気体を排気する排気部16が接続されている。排気部16は、成膜空間11Sの圧力を所定の圧力まで減圧する。排気部16は、ポンプとバルブとを含んでいる。真空槽11には、成膜空間11S内にスパッタガスを供給するスパッタガス供給部17が接続されている。本実施形態では、スパッタガス供給部17は、窒素(N)ガスを含むスパッタガスを成膜空間11S内に供給する。スパッタガス供給部17は、希ガスとNガスとを成膜空間11Sに供給することができる。希ガスは、例えばアルゴン(Ar)ガスであってよい。
ステージ12内には、加熱部12Hが配置されている。加熱部12Hは、ステージ12を加熱することによって、載置面12S、ひいては、載置面12Sに載置された成膜対象Sを所定の温度に加熱する。
ステージ12の周りには、防着板18が配置されている。防着板18は、ステージ12の周りを取り囲むことによって、防着板18によって覆われた領域にスパッタ粒子が付着することを抑える。ステージ12には、TS距離DTSを調整する調整部19が接続されている。調整部19は、鉛直方向において、載置面12Sの位置を第1位置から第2位置に変えることによって、TS距離DTSを第1距離から第2距離に変える。
ステージ12は、抵抗Rを介して接地電位に接続されている。抵抗Rは、ステージ12、ひいては成膜対象Sに印加される直流印加電圧Vdcを減らす機能を有する。抵抗Rは、成膜対象Sに引き込まれるイオンの投入電圧が、イオンが成膜対象Sをスパッタしない大きさにまで小さくなるように、直流印加電圧Vdcを減らすように構成されることが好ましい。抵抗Rの抵抗値は、例えば10MΩ以上であってよい。
スパッタ装置10では、ステージ12の載置面12Sに成膜対象Sが配置された後に、排気部16によって真空槽11内の気体が排気される。これにより、成膜空間11Sの圧力が、所定の圧力まで減圧される。次いで、スパッタガス供給部17が、所定の流量でスパッタガスを供給する。続いて、電源PSがパルス状の直流電圧をターゲット13に印加することによって、被スパッタ面13Sの近傍にプラズマが生成される。プラズマ中の正イオンが被スパッタ面13Sに衝突することによって、ターゲット13から炭素を主成分とするスパッタ粒子が放出される。放出されたスパッタ粒子が成膜対象Sに到達することによって、成膜対象Sに炭素薄膜が形成される。
[炭素薄膜の形成方法]
図2から図5を参照して、炭素薄膜の形成方法を説明する。図2は、スパッタガスとしてArガスを用いた場合に得られる炭素薄膜の抵抗率ρを示し、図3は、スパッタガスとしてArガスを用いた場合に得られる炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqを示している。これに対して、図4は、スパッタガスとしてArガスとNガスとの混合ガスを用いた場合に得られる炭素薄膜の抵抗率ρを示し、図5は、当該混合ガスを用いた場合に得られる炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqを示している。
炭素薄膜の形成方法は、炭素を主成分とするターゲット13の被スパッタ面13Sをスパッタして、成膜対象Sに炭素薄膜を形成することを含む。被スパッタ面13Sと、載置面12Sとの間の距離がTS距離DTSであり、TS距離DTSが120mm以上300mm以下である。炭素薄膜の形成方法では、TS距離DTSが120mm以上300mm以下の範囲に含まれるいずれかの距離に設定されることによって、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の抵抗率を下げることが可能である。以下、図面を参照して、炭素薄膜の形成方法をより詳しく説明する。
図2(a)は、TS距離DTS(mm)と載置面12Sの温度(℃)との変更による炭素薄膜の抵抗率ρ(mΩ・cm)の変化を示している。図2(a)では、図示の便宜上、抵抗率ρの大きさにおける違いが、グラフに付されたドットの濃度における違いによって表現されている。図2(a)では、グラフに付されたドットの濃度が高いほど、炭素薄膜の抵抗率ρが高いことを示している。
図2(a)が示すように、載置面12Sの各温度において、TS距離DTSが大きいほど、炭素薄膜の抵抗率ρは低くなる。なお、載置面12Sに載置された成膜対象Sの温度は、載置面12Sの温度にほぼ等しくなるため、載置面12Sの温度を成膜対象Sの温度と見なすことが可能である。また、各TS距離DTSにおいて、載置面12Sの温度が高いほど、炭素薄膜の抵抗率ρは低くなる。TS距離DTSが120mm以上であれば、載置面12Sの温度が室温であっても、炭素薄膜の抵抗率ρを3000mΩ・cmよりも小さい値とすることが可能である(図2(b)を参照)。なお、室温とは、載置面12Sが加熱部12Hによって加熱されていない状態における載置面12Sの温度である。図2(a)が示す例では、室温は20℃である。
図2(b)は、TS距離DTSと、炭素薄膜の抵抗率ρとの関係を示している。図2(b)において、「□」は、載置面12Sの温度が室温である場合の抵抗率ρであり、「○」は、載置面12Sの温度が75℃である場合の抵抗率ρであり、「△」は、載置面12Sの温度が162.5℃である場合の抵抗率ρである。
図2(b)が示すように、載置面12Sの温度が室温である場合、および、載置面12Sの温度が75℃である場合には、TS距離DTSが大きくなるほど、炭素薄膜の抵抗率ρが低くなる。特に、TS距離DTSが60mmから120mmまで変化する際に、炭素薄膜の抵抗率ρは大きく低下する。そのため、TS距離DTSは、120mm以上に設定されることが好ましい。
なお、載置面12Sの温度が162.5℃である場合には、TS距離DTSが大きくなるほど、炭素薄膜の抵抗率ρは大きくなる。しかしながら、TS距離DTSが60mmから130mmまでにわたって抵抗率ρはほぼ一定であり、また、TS距離DTSが300mmであっても、抵抗率ρは、40mΩ・cmよりも小さい値に抑えられる。このように、炭素薄膜の抵抗率ρを下げるために、TS距離DTSは、120mm以上300mm以下に設定されることが好ましい。
図3(a)は、TS距離DTS(mm)と載置面12Sの温度(℃)との変更による炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRq(nm)の変化を示している。図3(a)では、図示の便宜上、二乗平均平方根粗さRqの大きさにおける違いが、グラフに付されたドットの濃度における違いによって表現されている。図3(a)では、グラフに付されたドットの濃度が高いほど、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqが高いことを示している。
なお、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqは、炭素薄膜の表面粗さにおける指標の一例であり、JIS B 0601‐2001に準拠した方法によって測定することが可能である。
図3(a)が示すように、各TS距離DTSにおいて、載置面12Sの温度が低いほど、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqは小さくなる。また、載置面12Sの各温度において、TS距離DTSが100mm以上250mm以下である場合に、TS距離DTSが当該範囲に含まれない場合に比べて、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqが小さくなる。
ここで、先に参照した図2(a)によれば、TS距離DTSが120mm以上300mm以下である場合に、載置面12Sの温度が100℃以上であることによって、炭素薄膜の抵抗率ρを150mΩ・cm以下とすることが可能である。また、図3(a)を参照すれば、TS距離DTSが120mm以上300mm以下であれば、載置面12Sの温度が100℃以上であっても、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqが、0.63nm以上1.0nm以下の範囲にほぼ含まれる。
このように、炭素薄膜を形成することは、ステージ12の載置面12Sにおける温度が100℃以上200℃以下であることを含むことが可能である。そして、載置面12Sの温度、ひいては載置面12Sに載置される成膜対象Sの温度が100℃以上200℃以下の範囲に含まれるいずれかの温度に設定されることによって、成膜対象Sに形成された炭素薄膜の抵抗率を下げ、かつ、表面粗さの上昇を抑えることが可能である。
図3(b)は、TS距離DTSと、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqとの関係を示している。図3(b)において、「□」は、載置面12Sの温度が室温である場合の二乗平均平方根粗さRqであり、「○」は、載置面12Sの温度が75℃である場合の二乗平均平方根粗さRqであり、「△」は、載置面12Sの温度が162.5℃である場合の二乗平均平方根粗さRqである。
図3(b)が示すように、載置面12Sの温度に関わらず、TS距離DTSが60mm以上130mm以下である範囲では、TS距離DTSが大きくなるほど、二乗平均平方根粗さRqが小さくなる傾向が認められる。一方で、載置面12Sの温度が室温である場合、および、載置面12Sの温度が75℃である場合には、TS距離DTSが130mmから300mmに向けて、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqが大きくなる。これに対して、載置面12Sの温度が162.5℃である場合には、TS距離DTSが130mmから300mmに向けて、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqが小さくなる。このように、載置面12Sの温度が162、5℃程度の温度である場合には、TS距離DTSが130mm以上300mm以下であることによって、炭素薄膜の抵抗率ρを低く維持しつつ、かつ、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqが大きくなることが抑えられる。
図4は、TS距離DTS(mm)とNガスの割合(%)との変更による炭素薄膜の抵抗率ρ(mΩ・cm)の変化を示している。なお、Nガスの割合とは、スパッタガスの全流量(Fa)に対するNガスの流量(Fn)の百分率(Fn/Fa×100)である。図4では、図示の便宜上、抵抗率ρの大きさにおける違いが、グラフに付されたドットの濃度における違いによって表現されている。図4では、グラフに付されたドットの濃度が高いほど、炭素薄膜の抵抗率ρが高いことを示している。なお、図4は、載置面12Sの温度が162.5℃に設定された場合に得られた炭素薄膜の抵抗率ρを示している。
図4が示すように、スパッタガスがNガスを含む場合には、TS距離DTSに関わらず、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の抵抗率ρがより下がる。そこで、炭素薄膜の形成方法において、炭素薄膜を形成することは、ターゲット13の被スパッタ面13Sが露出した成膜空間11Sに配置されたステージ12の載置面12Sに成膜対象Sを載置することと、Nガスを含むスパッタガスを成膜空間11Sに供給することとを含むことができる。このように、成膜空間11S内にプラズマを生成するためのスパッタガスとしてNガスを含むスパッタガスを供給することによって、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の抵抗率ρをより下げることが可能である。
また、スパッタガスにおけるNガスの割合が、2%以上8%以下である場合に、スパッタガスがNガスを含まない場合に比べて、炭素薄膜の抵抗率ρが顕著に低下する。そこで、炭素薄膜の形成方法において、炭素薄膜を形成することは、スパッタガスの全流量に対するNガスの流量の百分率が2%以上8%以下であることを含むことができる。このように、Nガスの流量における百分率が、2%以上8%以下の範囲に含まれるいずれかの値に設定されることによって、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の抵抗率ρを顕著に下げることが可能である。
図5は、TS距離DTS(mm)とNガスの割合(%)との変更による炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRq(nm)の変化を示している。図5では、図示の便宜上、二乗平均平方根粗さRqの大きさにおける違いが、グラフに付されたドットの濃度における違いによって表現されている。図5では、グラフに付されたドットの濃度が高いほど、炭素薄膜における二乗平均平方根粗さRqが高いことを示している。なお、図5は、載置面12Sの温度が162.5℃に設定された場合に得られた炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqを示している。
図5が示すように、スパッタガスがNガスを含む場合には、TS距離DTSに関わらず、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqが小さくなる。しかも、スパッタガスにおけるNガスの割合が、12%以上23%以下である場合に、スパッタガスがNガスを含まない場合に比べて、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqが顕著に小さくなる。そこで、炭素薄膜の形成方法において、炭素薄膜を形成することは、スパッタガスの全流量に対するNガスの流量の百分率が12%以上23%以下であることを含むことができる。このように、Nガスの流量における百分率が、12%以上23%以下の範囲に含まれるいずれかの値に設定されることによって、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の表面粗さを顕著に小さくすることが可能である。
上述したように、Nガスの割合が2%以上8%以下である場合には、炭素薄膜の抵抗率ρを顕著に低下させることが可能である。この場合にも、スパッタガスがNガスを含まない場合に比べて、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqをより小さくすることが可能でもある。そのため、Nガスの割合が2%以上8%以下であることによって、炭素薄膜の抵抗率ρをより低下させることと、炭素薄膜の二乗平均平方根粗さRqをより小さくすることとを両立することが可能である。
なお、炭素薄膜を形成する際の成膜条件は、以下のように設定することが可能である。
・成膜空間11Sの圧力 0.1Pa以上1Pa以下
・希ガスの流量 20sccm以上60sccm以下
・Nガスの流量 1sccm以上10sccm以下
・供給電力量 0.6W/cm以上3.3W/cm以下
以上説明したように、炭素薄膜の形成方法、および、炭素薄膜の形成装置の一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)TS距離DTSが120mm以上300mm以下の範囲に含まれるいずれかの距離に設定されることによって、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の抵抗率を下げることが可能である。
(2)載置面12Sの温度、ひいては載置面12Sに載置される成膜対象Sの温度が100℃以上200℃以下の範囲に含まれるいずれかの温度に設定されることによって、成膜対象Sに形成された炭素薄膜の抵抗率を下げ、かつ、表面粗さの上昇を抑えることが可能である。
(3)成膜空間11S内にプラズマを生成するためのスパッタガスとしてNガスを含むスパッタガスを供給することによって、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の抵抗率ρをより下げることが可能である。
(4)Nガスの流量における百分率が、2%以上8%以下の範囲に含まれるいずれかの値に設定されることによって、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の抵抗率ρを顕著に下げることが可能である。
(5)Nガスの流量における百分率が、12%以上23%以下の範囲に含まれるいずれかの値に設定されることによって、成膜対象Sに形成される炭素薄膜の表面粗さを顕著に小さくすることが可能である。
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[スパッタ装置]
・スパッタ装置10は、調整部19を備えていなくてもよい。すなわち、スパッタ装置10において、TS距離DTSが、120mm以上300mm以下に含まれるいずれかの距離に固定された場合であっても、上述した(1)に準じた効果を得ることは可能である。
10…スパッタ装置、11…真空槽、11S…成膜空間、12…ステージ、12H…加熱部、12S…載置面、13…ターゲット、13S…被スパッタ面、14…バッキングプレート、15…磁気回路、16…排気部、17…スパッタガス供給部、18…防着板、19…調整部、C…ブロッキングコンデンサ、PS…電源、R…抵抗、S…成膜対象。

Claims (6)

  1. 炭素を主成分とするターゲットの被スパッタ面をスパッタして、成膜対象に炭素薄膜を形成することを含み、
    前記被スパッタ面と、前記成膜対象が載置されるステージの載置面との間の距離がTS距離であり、前記TS距離が120mm以上300mm以下である
    炭素薄膜の形成方法。
  2. 前記炭素薄膜を形成することは、前記ステージの前記載置面における温度が100℃以上200℃以下であることを含む
    請求項1に記載の炭素薄膜の形成方法。
  3. 前記炭素薄膜を形成することは、前記ターゲットの前記被スパッタ面が露出した成膜空間に配置された前記ステージの前記載置面に前記成膜対象を載置することと、窒素ガスを含むスパッタガスを前記成膜空間に供給することと、を含む
    請求項1または2に記載の炭素薄膜の形成方法。
  4. 前記炭素薄膜を形成することは、前記スパッタガスの全流量に対する前記窒素ガスの流量の百分率が2%以上8%以下であることを含む
    請求項3に記載の炭素薄膜の形成方法。
  5. 前記炭素薄膜を形成することは、前記スパッタガスの全流量に対する前記窒素ガスの流量の百分率が12%以上23%以下であることを含む
    請求項3に記載の炭素薄膜の形成方法。
  6. 炭素を主成分とし、被スパッタ面を含むターゲットと、
    成膜対象が載置される載置面を含むステージと、を備え、
    前記被スパッタ面と前記載置面との間の距離がTS距離であり、前記TS距離が120mm以上300mm以下である
    炭素薄膜の形成装置。
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