JP2002324310A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
磁気記録媒体の製造方法Info
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Abstract
て、潤滑剤が保護層に結合するのを阻害する不純物を除
くことにより、結合潤滑層を厚くする方法であって、蒸
着速度を制御することができる量産にも適した磁気記録
媒体の製造方法、並びに製造装置を提供することであ
る。 【解決手段】 基板上に各種の下地層、磁気記録層、保
護層および潤滑層が積層された磁気記録媒体を製造する
方法において、前記保護層および前記潤滑層を、それぞ
れ保護層を形成する真空槽および潤滑層を形成する真空
槽で連続して形成し、前記保護層を形成する真空槽と前
記潤滑層を形成する真空槽とが相互に遮断されており、
前記保護層および前記潤滑層を孤立した状態で形成する
ことを特徴とする方法。
Description
置を構成するハードディスク磁気記録媒体の製造方法に
関し、特に磁気記録媒体を保護する保護層と潤滑層の製
造方法に関する。
主要な外部記録装置であり、マルチメディアの進行とと
もに急速に高記録密度化・高転送速度化・小型化が進ん
でいる。これに伴って、ハードディスク装置主要部品で
ある磁気記録媒体に対しても、記録密度の向上とともに
トライボロジー的な機械強度の維持が要求される。
品であり、基板上に下地層、磁気記録層、保護層が積層
され、さらに潤滑剤が塗布されている。通常、基板は、
Al合金基板が用いられ、NiPメッキ層を設けること
により基板表面が保護されている。対衝撃性を向上させ
るために、ガラス基板も用いることができる。情報を記
録する磁気記録層はCo系の強磁性体からなり、その磁
気的な特性を向上させるためにCr下地層が挿入されて
いる。また、磁気記録層を保護するために、潤滑性に優
れ、摩耗し難いダイヤモンドライクカーボン(DLC)
といわれる硬いカーボン保護層がコートされる。通常、
カーボン保護層はCr下地層や磁気記録層と同様にスパ
ッタ法で蒸着される。また、保護層の上に塗布される潤
滑剤には、パーフルオロポリエーテル(PFPE)が主
に用いられる。これを溶媒で希釈し、ディップ法やスピ
ンコート法により形成される。この潤滑層の厚さは1n
mから数nmと非常に薄くなってきている。
る。一方は保護層と結合した層(結合潤滑層)であり、
他方は結合していない層(自由潤滑層)である。自由潤
滑層が厚いとヘッドへ付着してヘッド浮上量に影響を与
えたり、ディスク媒体とヘッドが吸着してディスクが回
転しなくなったりする。また、ディスク媒体は高速で回
転するため、自由潤滑層が遠心力で外周側へ移動し、摩
耗しやすくなる。このため、自由潤滑層を薄く、従っ
て、結合潤滑層を厚くすることが望まれている。
されている磁気記録媒体の製造方法では、保護層が形成
された基体を大気に曝すことなく真空圧力雰囲気下で潤
滑層を形成することによって、保護層形成後に大気中に
存在する水分やハイドロカーボン等が不可避的に吸着す
ることによる潤滑剤の保護層への付着強度が著しく低下
されるのを防いでいる。
記録密度の向上とともに、トライポロジー的な機械強度
の維持および量産への最適化が重要となる。しかしなが
ら、特開平7−272268号公報に示されている磁気
記録媒体の製造方法においては、この点が十分ではなか
った。
面に塗布される潤滑層において、潤滑剤が保護層に結合
するのを阻害する不純物を除くことにより、結合潤滑層
を厚くする方法であって、蒸着速度を制御することがで
きる量産にも適した磁気記録媒体の製造方法、並びに製
造装置を提供することである。
め、本発明に係る磁気記録媒体の製造方法は、Al、ガ
ラス、プラスティックなどの基板上に各種の下地層、磁
気記録層、保護層および潤滑層が積層された磁気記録媒
体を製造する方法において、前記保護層および前記潤滑
層を、真空中で孤立した状態で連続して形成し、かつ、
前記保護層を形成する真空槽と前記潤滑層を形成する真
空槽とを相互に遮断することによって前記保護層および
前記潤滑層を孤立した状態で形成する方法である。
タ法またはプラズマCVD法を用いることができ、前記
潤滑層の形成では、蒸着法を用いて潤滑剤を塗布するこ
とができる。
およびガス成分などの不純物が除去されたものであるこ
とが好ましい。また、前記潤滑剤を加熱し、蒸着のため
に蒸発させるときの温度は、150℃以上であることが
好ましい。前記潤滑剤の過剰の蒸発を避けるために、潤
滑剤を加熱するための蒸着室中の容器の全面をふさぎ、
前記潤滑剤を、前記容器の一部に開けた小さな穴から蒸
発させることによって、前記潤滑層の厚さを、前記穴の
面積および蒸着時間により制御することができる。
2nm以下であることが好ましい。
室(DLC成膜室)および潤滑層を形成する蒸着室(潤
滑層蒸着室)を備えており、前記潤滑層蒸着室が、バル
ブによって成膜室から遮断されている磁気記録媒体の製
造装置である。
置は、前記DLC成膜室と前記潤滑層蒸着室が、搬送室
で繋がっており、前記潤滑層を形成する蒸着室がバルブ
によって搬送室から遮断されている磁気記録媒体の製造
装置である。
装置は、前記潤滑剤を加熱するための蒸着室中の容器を
覆うための、小さな穴を有するフタを備えており、前記
潤滑剤を前記穴から蒸発させ、前記潤滑層の厚さを前記
穴の面積および蒸着時間によって制御できることが好ま
しい。
録する部品であり、基板上に下地層、磁気記録層、保護
層が積層され、さらに潤滑剤が塗布されている。通常、
基板は、Al合金基板が用いられ、NiPメッキ層を設
けることにより基板表面保護されている。対衝撃性を向
上させるために、ガラス基板も用いることができる。情
報を記録する磁気記録層はCo系の強磁性体からなり、
その磁気的な特性を向上させるためにCr下地層が挿入
されている。また、磁気記録層を保護するために、潤滑
性に優れ、摩耗し難いダイヤモンドライクカーボン(D
LC)といわれる硬いカーボン保護層がコートされる。
通常、カーボン保護層はCr下地層や磁気記録層と同様
にスパッタ法で蒸着される。
は、パーフルオロポリエーテル(PFPE)が主に用い
られる。通常は、これを溶媒で希釈し、ディップ法やス
ピンコート法により形成されが、これらの方法を用いた
場合は、結合潤滑層の厚さは十分とはいえない。例とし
て、ディップ法により塗布した潤滑層の厚さの例を図1
に示した。ここで用いたカーボン保護層と潤滑剤は通常
用いられているものであり、この潤滑剤をフルオロカー
ボン溶媒で希釈した溶液を用いてディップ法を行った。
潤滑層を厚くするほど結合潤滑層も厚くなるが、おおよ
そ0.3nmで飽和する傾向が見られ、十分な厚さの潤
滑層は得られなかった。また、潤滑層が極薄いときにお
いてもすべてが結合潤滑層となることはなかった。
を用いた場合、潤滑層の形成前にカーボン保護層が一度
大気に曝される。その際に、大気中に含まれている各種
成分が保護層表面に吸着し、保護層の表面活性が低下す
ることによってカーボン保護層と結合する潤滑剤分子の
量が少なくなったものと推測される。大気暴露にともな
うカーボン保護層表面が変化することが、確認されてい
る。図2に示すように、カーボン保護層に対する水の接
触角は大気暴露時間の対数に比例して大きくなった。
ボン保護層が一度大気に曝されるのを防ぐことにより、
形成される結合潤滑層を厚くすることを特徴としてい
る。
上に各種の下地層、磁気記録層、保護層および潤滑層が
積層された磁気記録媒体の製造において、前記保護層の
表面を大気に曝すのを防ぐため、前記保護層および前記
潤滑層を真空中で連続して形成し、かつ、前記保護層を
形成する真空槽と前記潤滑層を形成する真空槽とを相互
に遮断することによって前記保護層および前記潤滑層を
孤立した状態で形成することを特徴とする方法である。
保護層と潤滑剤を真空一貫プロセスで形成することによ
って、保護層の表面が大気中の成分に汚染されなくな
る。つまり、保護層上にある潤滑剤分子の結合サイトに
大気中成分が吸着することがないので、保護層と結合す
る潤滑剤の成分を増やすことができる。
れ、NiPメッキ層を設けることにより基板表面保護さ
れている。対衝撃性を向上させるために、ガラス基板も
用いることができる。
は、スパッタ法またはプラズマCVD法を用いることが
できる。
手法では、液体である潤滑剤の分子が壊れるため使えな
い。これに対し、蒸着法は、潤滑剤の分解温度を超えな
い範囲で使用すれば、真空中で潤滑層を形成することが
可能である。
潤滑層の形成には、蒸着法を用いることが好ましい。
が微量に含まれ、真空蒸着の過程でこれらの成分を放出
する。従来の磁気記録媒体の製造方法では、これらの成
分が保護層表面に吸着し、その結果潤滑剤が蒸着するの
を阻害する可能性があった。
るため、本発明に係る方法では、事前に、潤滑剤を遮断
された真空槽中で加熱することで、不純物であるこれら
の成分を取り除き、かつ、前記不純物が保護層表面に吸
着することを防ぐことを特徴としている。
造装置である。本製造装置は、保護層を形成する成膜室
および潤滑層を形成する蒸着室を備えており、2つ室は
搬送室で繋がっている。但し、搬送室は必ずしも設ける
必要はなく、DLC成膜室と潤滑層蒸着室を直接接合し
てもよい。成膜室中で保護層を成膜された基板は、搬送
室を通って蒸着室へ運ばれるが、成膜室、蒸着室および
搬送室はいずれも真空に維持されているため、基板が大
気に曝されることはない。また、成膜室および蒸着室は
バルブによって外部と遮断することができるため、搬送
室を備えている場合は、蒸着室を搬送室とバルブによっ
て遮断することができ、搬送室を備えていない場合は、
蒸着室を成膜室とバルブによって遮断することができ
る。
容器は、前記容器を覆うためのフタを備えており、この
フタには前記潤滑剤を蒸発させるための小さな穴が開け
られている。本発明の磁気記録媒体製造装置では、前記
穴の面積および蒸着時間を調製することによって、潤滑
層の蒸着速度を制御することができる。
法の一例を示す。図3は本実験に用いた成膜装置の模式
図である。装置は、保護層を形成する真空槽(DLC成
膜室)1、潤滑層を形成する真空槽(潤滑層蒸着室)
2、搬送室3の真空槽から構成される。DLC成膜室1
においては、DCマグネトロンスパッタ法によりカーボ
ン保護層を形成する。潤滑層蒸着室2においては、潤滑
剤を加熱するための容器(ルツボ8)内に入れた潤滑剤
7の原液をヒータ9で加熱することにより蒸発させ、潤
滑層を形成する。このカーボン保護層を着けた基板4は
搬送室3を通して、真空状態で潤滑層蒸着室2まで移動
することができる。このため、カーボン保護層表面を大
気に曝すことなく、潤滑層を装着できる。また、潤滑層
蒸着室2と搬送室3の間は、バルブ14によって遮断で
きる。これにより、保護層まで成膜された基板を潤滑層
蒸着室2へ搬送する前に、潤滑剤の不純物を潤滑層蒸着
室2中で遮断された状態で除去することができる。
65mmの磁気ディスクであり、Al基板上にNiP
膜、Cr膜、CoCrTaPt磁性膜を積層したものを
使用した。この基板上にDLC成膜室1において15n
mの窒素添加アモルファス−カーボン膜(a−C:N
膜)を成膜した。ターゲットはサイズ直径(φ)100
mm、厚さ5mm、純度4Nのカーボンを用いた。導入
ガスはArと窒素であり、流量はそれぞれ4.7scc
m(標準状態(0℃、atm)におけるcc/分)、
0.3sccmとした。圧力を7×10−1Paとし、
200Wでスパッタを行った。基板温度は室温とした。
XPS分析より、a−C:N膜の窒素濃度は13原子%
であった。
たれた搬送室3を通して潤滑層蒸着室2に移動し、潤滑
剤を蒸着した。潤滑剤はAusimont社のFOMB
LIN Z−dolを用い、基板温度は室温とした。ル
ツボの温度(蒸着温度)を240℃とし、3×10−4
Pa程度の圧力中で蒸着を行った。基板上の潤滑層の厚
さを0〜100nmの範囲で変えたサンプルを作製し
た。
て、潤滑層の厚さに対する結合潤滑層の厚さを調べた。
潤滑層の厚さの測定はフーリエ変換赤外分光法(FT−
IR法)を用い、約1270cm−1のCF基による吸
収から求めた。また、サンプルをフルオロカーボン溶媒
中で超音波洗浄をすることで、自由潤滑層を除去し、残
りを結合潤滑層とした。
を図4に示した。厚さの薄い0.5nm以下では、10
0%近くが結合潤滑層となった。潤滑層が厚くなるとと
もに結合潤滑層も厚くなるが、5nm以上では飽和する
傾向を示した。
潤滑層の厚さと比べると、結合潤滑層が明らかに厚いこ
とがわかった。図中の曲線は、 (式1) BL=Lo×{1−exp(−L/Lo)} を表している。式1中、Lは潤滑層厚、BLは結合潤滑
層厚、Loは飽和結合潤滑層厚で1.45nmとした。
この式は、蒸着された潤滑剤分子がカーボン保護層表面
に結合したものは結合潤滑層となり、結合していないも
のは自由潤滑層になるとして導出したものである。実験
結果とよく一致していることがわかる。
潤滑剤が凝集し、約4μmφの凝集粒子が現われた。厚
くなると密度が増加する傾向を示した。このような凝集
があると、磁気ヘッドに付着することは明白であり、ヘ
ッドと媒体の張り付きやヘッドの浮上量変動などの原因
となる。従って、潤滑層の厚さは2nm以下であること
が望ましい。
1でカーボン保護層を形成した後その表面を大気に曝
し、その後、潤滑層蒸着室2で潤滑層を蒸着した。カー
ボン保護層の表面を大気に曝した以外は実施例1と同じ
条件でサンプルを作製した。このときの大気暴露時間を
2h、24h、192hとした。
を図5に示した。カーボン保護層の表面を大気に曝すこ
とによって結合潤滑層が薄くなることがわかる。また、
大気暴露時間が長いほどその傾向が強かった。
いデータおよび式(1)の曲線も示した。また、式
(1)を定数倍(付着率倍)した曲線も図中に示した。
実験データに合うように付着率を決めると、付着率が大
気暴露時間に相関して小さくなることがよくわかる。そ
の減少量は時間の対数に比例し、図2に示した水の接触
角変化と対応していた。この結果から、大気中に曝され
たカーボン保護層の表面に大気中の成分が吸着し、潤滑
剤を結合するのを阻害することが示された。
剤の原液を加熱したときの蒸着室内の圧力は、図9に示
すように変化した。ルツボ温度が100℃付近で多量の
ガスが潤滑剤から放出されることがわかった。4重極質
量分析計による測定の結果、放出されたガスの主な成分
は水であった。
た後、この放出される不純物を含んでいるガス(不純物
含有ガス)雰囲気に曝し、潤滑剤を蒸着した。成膜条件
は実施例1と同じ条件を用いた。
いときの潤滑層および結合潤滑層の厚さを、表1に示し
た。潤滑層厚に対する結合潤滑層の厚さは、不純物含有
ガスに曝したときの方が小さくなる傾向が見られた。
成分を十分蒸発させ除去したのちに、カーボン保護層を
成膜した基板を潤滑層蒸着室に導入することが重要であ
ることがわかった。
いてルツボ8を加熱し、潤滑剤7の不純物含有ガスの脱
ガスを行い、その後、基板4を潤滑層蒸着室2に移動す
る操作を数十回行った。この操作の後、搬送室3の内部
に潤滑剤7が回り込んでいるのが観察された。この回り
込みを最小限にするには、本発明に係る装置のように、
基板4の移動時を除き、潤滑層蒸着室2と搬送室3との
間がバルブ14によって遮断できる方が、磁気記録媒体
の製造に適していることは明らかである。
剤を蒸発させるときのルツボ温度(蒸着温度)を240
℃としたが、ルツボ温度の最適化のために、ルツボ温度
を100℃から240℃と変えたときの蒸着速度を調べ
た。
7を蒸発させるためのルツボ8を、小さな穴を開けたフ
タ10で覆った。蒸着速度を制御するために、フタ10
には径が異なる穴を開けた。穴の径(開口径)は0.3
mmφ、1mmφ、および8mmφとした。
温度との関係として図7に示した。蒸着速度はおおよそ
穴の面積に比例することがわかった。図7に示されるよ
うに、蒸着速度はルツボ温度とともに指数的に増加して
おり、ルツボ温度によって蒸着速度を変えることは難し
いことがわかる。ここで、ルツボ温度100℃において
は蒸着速度が遅すぎて潤滑層が形成されず、潤滑層の厚
さを測定できなかった。潤滑剤の蒸着にはルツボ温度が
150℃以上必要であることがわかった。一方、ルツボ
温度を240℃とし、穴の径を0.3mmφにした場合
は、約0.15nm/secの蒸着速度となり、量産を
考えた場合に比較的適当な値であった。以上の結果か
ら、適当な蒸着速度を得るにはこの穴の径を調製するこ
とが有効であることがわかった。
数平均分子量をゲル浸透クロマトグラフGPCで測定
し、潤滑剤の原液に対する比を表2に示した。蒸着膜の
分子量は原液より小さく、残液の分子量は原液より大き
かった。高温にするほど、原液の分子量に近くなる傾向
を示した。このことから、蒸着膜の分子量を原液に近く
するには、ルツボ温度が高いほどよく、少なくとも20
0℃以上、好ましくは240℃以上あることが望まれ
る。
が、前述のように温度が高いと蒸着速度の調製が困難で
ある。従って、蒸着速度を調製するためには、ルツボに
小さな穴を開けたフタをつけ、穴の面積および蒸着時間
によって調製することが必要である。
法において、カーボン保護層を形成する方法をスパッタ
法からCVD法に変えた方法に用いた製造装置を示す図
である。この方法で形成した水素と窒素添加アモルファ
スカーボン(a−C:H:N)膜に対しても同様の効果
が得られた。その成膜条件は、基板温度は室温、導入ガ
スはエチレンと窒素であり、流量はそれぞれ10scc
m、5sccmとした。圧力を7×10−1Paとし、
13.56MHZの高周波出力を200Wとして成膜し
た。その他の条件は実施例1に用いた条件と同様であっ
た。
simont社のFOMBLIN Z−テトラオールや
AMなどのパーフルオロポリエーテル(PFPE)を用
いた以外は、実施例1で用いた同じ条件で実施例1と同
様の実験を行った。その結果、実施例1と同様に、結合
潤滑層の厚さはディップ法よりも厚くなった。
後大気中に暴露することなく潤滑剤を塗布することによ
って、保護層と結合している潤滑層を厚くできることが
わかった。カーボン保護層を大気に曝すことにより、そ
の表面にある結合サイトが大気中の成分と結合し、潤滑
剤が結合できなくなるものと推測される。
C:N膜やa−C:H:N膜について示したが、アモル
ファス−カーボン(a−C)や水素添加アモルファス−
カーボン(a−C:H)膜およびこれらにSi、Bなど
を添加した膜についても同様であることは明白である。
成膜方法もスパッタ法とプラズマCVD法を示したが、
イオンビーム蒸着、イオンプレーティング、アーク放電
蒸着などでも同様である。
たが、霧状にした潤滑剤を噴霧する方法や直接潤滑液に
浸すなどの方法でも真空中など大気の影響がない環境で
行えば、同様の効果が得られることは明白である。
層の厚さとの関係を示す図である。
関係を示す図である。
厚さとの関係を示す図である。
た潤滑層の厚さと結合潤滑層の厚さとの関係を示す図で
ある。
の概略図である。
である。
蒸着室の圧力との関係を示す図である。
Claims (10)
- 【請求項1】 基板上に各種の下地層、磁気記録層、保
護層および潤滑層が積層された磁気記録媒体の製造方法
において、前記保護層および前記潤滑層を、それぞれ保
護層を形成する真空槽および潤滑層を形成する真空槽で
連続して形成し、 前記保護層を形成する真空槽と前記潤滑層を形成する真
空槽とが相互に遮断されており、 前記保護層および前記潤滑層を孤立した状態で形成する
ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項2】 前記保護層が、スパッタ法またはプラズ
マCVD法で形成されることを特徴とする請求項1に記
載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項3】 前記潤滑層が、蒸着法で潤滑剤を塗布す
ることによって形成されることを特徴とする請求項1に
記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項4】 前記潤滑剤が、含有されている微量の不
純物が除去されたものであることを特徴とする請求項3
に記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項5】 前記潤滑剤を加熱し、蒸発させるときの
温度が、150℃以上であることを特徴とする請求項3
または4に記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項6】 前記潤滑剤の過剰の蒸発を避けるため
に、潤滑剤を加熱するための蒸着室中の容器の全面をふ
さぎ、前記潤滑剤を、前記容器の一部に開けた小さな穴
から蒸発させ、前記潤滑層の厚さを、前記穴の面積およ
び蒸着時間によって制御することを特徴とする請求項
3、4または5に記載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項7】 製造される潤滑層の厚さが、2nm以下
であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記
載の磁気記録媒体の製造方法。 - 【請求項8】 保護層を形成する成膜室および潤滑層を
形成する蒸着室を備えており、前記潤滑層を形成する蒸
着室がバルブによって成膜室から遮断されていることを
特徴とする磁気記録媒体の製造装置。 - 【請求項9】 保護層を形成する成膜室と潤滑層を形成
する蒸着室が、搬送室で繋がっており、前記潤滑層を形
成する蒸着室がバルブによって搬送室から遮断されてい
ることを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。 - 【請求項10】 潤滑剤を加熱するための蒸着室中の容
器が前記容器を覆うための小さな穴を有するフタを備え
ており、前記潤滑剤を前記穴から蒸発させ、前記潤滑層
の厚さを前記穴の面積および蒸着時間によって制御する
ことを特徴とする請求項8または9に記載の磁気記録媒
体の製造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001128391A JP2002324310A (ja) | 2001-04-25 | 2001-04-25 | 磁気記録媒体の製造方法 |
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