JPH0997428A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0997428A
JPH0997428A JP7254284A JP25428495A JPH0997428A JP H0997428 A JPH0997428 A JP H0997428A JP 7254284 A JP7254284 A JP 7254284A JP 25428495 A JP25428495 A JP 25428495A JP H0997428 A JPH0997428 A JP H0997428A
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chamber
sputtering
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magnetic recording
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JP7254284A
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Yuzo Yamamoto
裕三 山本
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CSS耐久性に優れ、且つエラー品質にも優
れた磁気記録媒体の製造方法の提供。 【解決手段】 非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護
層及び潤滑剤層が順次積層されてなる本発明の磁気記録
媒体の製造方法は、上記非磁性基板の洗浄工程、並びに
上記磁性層、保護層及び潤滑剤層それぞれの形成工程を
順次連続的に連続チャンバー内で行うことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体の製
造方法に関するものであり、更に詳しくは連続一貫工程
により総合的収率に優れた製品を得ることのできる磁気
記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年の
磁気記録媒体の高記録密度化に伴い、磁気ディスク等に
おいては磁気ディスクの回転の高速化や磁気ヘッドの浮
上量の低下が図られている。その結果、磁気ディスクに
要求される耐磨耗性や耐久性は、そのレベルが年々高度
なものとなってきている。
【0003】上記要求に対して、例えば、特開平4−1
86524号公報においては、磁性層、保護層及び潤滑
剤層(表面重合法による)を、仕切バルブによって接続
された連続チャンバー内で連続的に形成することが記載
されている。これらの層の形成は周囲と遮断された状態
で連続に行われるので、これらの層が周囲と接触する場
合はない。しかし、基板の洗浄工程は、これらの層の形
成工程とは別に不連続に行われるので、洗浄された基板
を上記連続チャンバーに搬送する際に、水や有機物等の
不純物が製造ライン中に混入することがある。その結
果、製品の歩留まりが低下したり、製造された磁気ディ
スクのCSS耐久性やエラー品質等が十分でない場合が
ある。
【0004】また、磁気ディスクの製造における保護層
の形成後に、該保護層をバーニッシュ工程に付してから
潤滑剤層を形成することも一般に行われているが、該バ
ーニッシュ工程としては一般にテープバーニッシュが用
いられているので、該バーニッシュ工程の際には磁気デ
ィスクと周囲との接触が避けられず、上記と同様の問題
が起きる。
【0005】従って、本発明の目的はCSS耐久性に優
れ、且つエラー品質にも優れた磁気記録媒体の製造方法
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく本
発明者らは鋭意検討した結果、基板の洗浄工程から潤滑
剤層の形成工程までを連続チャンバー内で一貫して行う
ことにより、周囲から不純物が混入することなく磁気記
録媒体を製造し得ることを知見した。
【0006】本発明は上記知見に基づきなされたもので
あり、非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護層及び潤
滑剤層が順次積層されてなる磁気記録媒体の製造方法に
おいて、上記非磁性基板の洗浄工程、並びに上記磁性
層、保護層及び潤滑剤層それぞれの形成工程を順次連続
的に連続チャンバー内で行うことを特徴とする磁気記録
媒体の製造方法を提供することにより上記目的を達成し
たものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体の製
造方法の第1実施形態を図1及び図2を参照して説明す
る。ここで図1は、本発明の磁気記録媒体の製造方法の
第1実施形態において好ましく用いられる連続チャンバ
ー示す概略平面図であり、図2は図1に示す連続チャン
バーによって製造された磁気記録媒体の構成を示す概略
図である。
【0008】図2に示す磁気記録媒体100は、カーボ
ン基板102にTi層104が設けられ、その上にAl
−10wt%Siからなるテクスチャ層106が設けら
れている。該テクスチャ層106上には、アモルファス
カーボン層108、Tiからなる第1下地層110及び
Crからなる第2下地層112が順次設けられている。
更に、該第2下地層112上にCoCrPtBからなる
磁性層114、カーボンからなる保護層116及び潤滑
剤層118が順次設けられている。
【0009】上記磁気記録媒体100の製造方法を、図
1に示す磁気記録媒体製造用連続チャンバー10に基づ
いて説明すると、まず、所定の表面粗さに研磨されたカ
ーボン基板(非磁性基板)は、所定の枚数毎にホルダー
(図示せず)によって保持・立設され洗浄室12へ搬送
される。該洗浄室12はバルブ50a及び50bによっ
て仕切られており、内部が気密になるようになされてい
る。また、該洗浄室12の内部には、一対の活性エネル
ギー線照射源12a,12aが設けられている。
【0010】バルブ50a及び50bが閉じられた状態
の上記洗浄室12において上記カーボン基板は、活性エ
ネルギー線照射によりその表面が洗浄される。該活性エ
ネルギー線照射によるカーボン基板の洗浄について詳述
すると、該活性エネルギー線としては、例えば紫外線、
電子線、放射線及びX線等を挙げることができる。その
照射方法としては、上記紫外線を照射する場合には、例
えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ又はエキシマレ
ーザ等を用いて、1〜10分間上記カーボン基板に照射
することにより行うことができる。また、上記電子線を
照射する場合には、例えば、Wフィラメント等を用い
て、1秒〜10分間上記カーボン基板に照射することに
より行うことができる。また、上記放射線を照射する場
合には、例えば、AlKα又はMgKα等の軟X線等を
用いて、1秒〜10分間上記カーボン基板に照射するこ
とにより行うことができる。更に、上記X線を照射する
場合には、例えば、CuKα又はZrLα等の硬X線等
を用いて、1秒〜10分間上記カーボン基板に照射する
ことにより行うことができる。
【0011】上記活性エネルギー線のうち、紫外線を用
いることが好ましく、更には、紫外線の中でも170〜
260nmの紫外線が特に好ましい。従って、例えば波
長254又は185nmの紫外線の照射が行える低圧水
銀ランプを用いて上記洗浄を行うことが好ましい。
【0012】上記カーボン基板の洗浄完了後、バルブ5
0aを閉じた状態でバルブ50bを開くと共に、該カー
ボン基板を加熱室14へ搬送する。該加熱室14は、次
工程であるスパッタリングのために上記カーボン基板を
予熱するものである。該加熱室14は、バルブ50b及
び50cによって仕切られており、内部が気密になるよ
うになされている。また、該加熱室14の内部には、カ
ーボン基板をその両面から加熱し得る一対のヒータ14
a,14aが設けられている。
【0013】上記カーボン基板の上記加熱室14への搬
送完了後、バルブ50bは閉じられる。そして、バルブ
50b及び50cが閉じられた状態の上記加熱室14に
おいて上記カーボン基板は、ヒータ14a,14aによ
ってスパッタリングに適した所定温度に加熱される。こ
の場合、真空度は1×10-5Torr程度に維持され、
後述する第1スパッタ室16に搬送するときには該第1
スパッタ室と同じ真空度に合わせる。また、上記加熱室
14には、その内部を真空にするためのクライオポンプ
(図示せず)が接続されていると共にアルゴンガス源
(図示せず)が接続されている。なお、上記加熱室14
は、上記第1スパッタ室16に搬送される前の予備排気
室の役割も果たす。
【0014】上記カーボン基板の予熱完了後、バルブ5
0bを閉じた状態でバルブ50cを開くと共に、該カー
ボン基板を第1スパッタ室16へ搬送する。該第1スパ
ッタ室16は、バルブ50c及び50dによって仕切ら
れており、内部が気密になるようになされている。ま
た、該第1スパッタ室16の内部には、上記カーボン基
板の搬送方向に沿って、該カーボン基板をその両面から
スパッタリングするための一対のターゲットが3組設け
られている。即ち、上記カーボン基板の搬送方向上流か
ら順に、板状のTiターゲット16a,16a、Al−
10wt%Siターゲット16b,16b、及びカーボ
ンターゲット16c,16cがそれぞれ一対ずつ立設さ
れている。また、それぞれのターゲット間には相対向す
る一対のヒータ16d,16dが2組設けられており、
スパッタリング中の基板温度を維持している。更に、上
記第1スパッタ室16には、その内部を真空状態にする
ためのクライオポンプ(図示せず)が接続されていると
共に、スパッタリング用のアルゴンガス源(図示せず)
が接続されている。
【0015】上記カーボン基板の上記第1スパッタ室1
6への搬送完了後、バルブ50cは閉じられる。この場
合、該第1スパッタ室16内は予めある程度の減圧状態
にあるが、更にスパッタリングに適した所定の真空状態
にまで減圧される。次いで、スパッタリングに適した所
定圧のアルゴンガスが上記アルゴンガス源から供給され
る。これと共に、上記カーボン基板は上記Tiターゲッ
ト16a,16aの位置まで移動し、該ターゲットによ
るスパッタリングが開始される。このスパッタリングに
より、図2に示すTi層104が上記カーボン基板上に
所定の厚さで形成される。
【0016】上記Tiターゲット16a,16aによる
スパッタリングの完了後、Ti層が形成された上記カー
ボン基板は、上記Al−10wt%Siターゲット16
b,16bの位置まで移動し、該ターゲットによるスパ
ッタリングが開始される。このスパッタリングにより、
図2に示すテクスチャ層106が上記Ti層104上に
所定の厚さで形成される。
【0017】上記Al−10wt%Siターゲット16
b,16bによるスパッタリングの完了後、テクスチャ
層までが形成された上記カーボン基板は、上記カーボン
ターゲット16c,16cの位置まで移動し、該ターゲ
ットによるスパッタリングが開始される。このスパッタ
リングにより、図2に示すアモルファスカーボン層10
8が上記Al−10wt%Si層106上に所定の厚さ
で形成される。
【0018】上記カーボン基板上にアモルファスカーボ
ン層までが形成された後、バルブ50cを閉じた状態で
バルブ50dを開くと共に、該カーボン基板を第1隔離
室18へ搬送する。該第1隔離室18は、上記第1スパ
ッタ室16及び後述する第2スパッタ室20におけるそ
れぞれの真空状態を隔離すると共に、該第2スパッタ室
20におけるスパッタリングのために上記カーボン基板
を予熱するものである。該第1隔離室18は、バルブ5
0d及び50eによって仕切られており、内部が気密に
なるようになされている。また、該第1隔離室18の内
部には、カーボン基板をその両面から加熱し得る一対の
ヒータ18a,18aが設けられている。更に、該第1
隔離室18はクライオポンプ(図示せず)に接続されて
おり、その内部が予めある程度減圧された状態にある。
従って、上記第1スパッタ室16から上記第1隔離室1
8へ上記カーボン基板を搬送する際に、該第1スパッタ
室16の真空状態が破られることはない。
【0019】上記カーボン基板の上記第1隔離室18へ
の搬送完了後、バルブ50dは閉じられる。そして、バ
ルブ50d及び50eが閉じられた状態の上記第1隔離
室18において、アモルファスカーボン層までが形成さ
れた上記カーボン基板は、ヒータ18a,18aによっ
て上記第2スパッタ室20におけるスパッタリングに適
した所定温度に加熱される。該所定温度は、上記加熱室
14における温度と同じでもよく又は異なっていてもよ
い。
【0020】上記第1隔離室18における上記カーボン
基板の予熱完了後、バルブ50dを閉じた状態でバルブ
50eを開くと共に、該カーボン基板を第2スパッタ室
20へ搬送する。該第2スパッタ室20は、バルブ50
e及び50fによって仕切られており、内部が気密にな
るようになされている。また、該第2スパッタ室20の
内部には、上記カーボン基板の搬送方向に沿って、該カ
ーボン基板をその両面からスパッタリングするための一
対のターゲットが3組設けられている。即ち、上記カー
ボン基板の搬送方向上流から順に、板状のTiターゲッ
ト20a,20a、Crターゲット20b,20b、及
びCoCrPtBターゲット20c,20cがそれぞれ
一対ずつ立設されている。また、それぞれのターゲット
間には相対向する一対のヒータ20d,20dが2組設
けられており、スパッタリング中の基板温度を維持して
いる。更に、上記第2スパッタ室20には、その内部を
真空状態にするためのクライオポンプ(図示せず)が接
続されていると共に、スパッタリング用のアルゴンガス
源(図示せず)が接続されている。
【0021】上記カーボン基板の上記第2スパッタ室2
0への搬送完了後、バルブ50eは閉じられる。この場
合、該第2スパッタ室20内は予めある程度の減圧状態
にあり、しかも上述の通り上記第1隔離室18もある程
度の減圧状態にあるので、上記カーボン基板の上記第2
スパッタ室20への搬送時に、該第2スパッタ室20の
真空状態が完全に破られることはない。上記第2スパッ
タ室20は、スパッタリングに適した所定の真空状態に
まで更に減圧される。次いで、スパッタリングに適した
所定圧のアルゴンガスが上記アルゴンガス源から供給さ
れる。この状態で、上記カーボン基板は上記Tiターゲ
ット20a,20aの位置まで移動し、該ターゲットに
よるスパッタリングが開始される。このスパッタリング
により、図2に示すTiからなる第1下地層110が上
記アモルファスカーボン層108上に所定の厚さで形成
される。
【0022】上記Tiターゲット20a,20aによる
スパッタリングの完了後、第1下地層までが形成された
上記カーボン基板は、上記Crターゲット20b,20
bの位置まで移動し、該ターゲットによるスパッタリン
グが開始される。このスパッタリングにより、図2に示
すCrからなる第2下地層112が上記第1下地層11
0上に所定の厚さで形成される。
【0023】上記Crターゲット20b,20bによる
スパッタリングの完了後、第2下地層までが形成された
上記カーボン基板は、上記CoCrPtBターゲット2
0c,20cの位置まで移動し、該ターゲットによるス
パッタリングが開始される。このスパッタリングによ
り、図2に示す磁性層114が上記第2下地層112上
に所定の厚さで形成される。
【0024】上記カーボン基板上に磁性層までが形成さ
れた後、バルブ50eを閉じた状態でバルブ50fを開
くと共に、該カーボン基板を第2隔離室22へ搬送す
る。該第2隔離室22の役割は、上記第1隔離室18の
それと同様である。該第2隔離室22は、バルブ50f
及び50gによって仕切られており、内部が気密になる
ようになされている。また、該第2隔離室22の内部に
は、カーボン基板をその両面から加熱し得る一対のヒー
タ22a,22aが設けられている。更に、該第2隔離
室22はクライオポンプ(図示せず)に接続されてお
り、その内部が予めある程度減圧された状態にある。従
って、上記第2スパッタ室18から上記第2隔離室22
へ上記カーボン基板を搬送する際に、該第2スパッタ室
18の真空状態が破られることはない。
【0025】上記第2隔離室22における上記カーボン
基板の予熱完了後、バルブ50fを閉じた状態でバルブ
50gを開くと共に、該カーボン基板を第3スパッタ室
24へ搬送する。該第3スパッタ室24は、バルブ50
g及び50hによって仕切られており、内部が気密にな
るようになされている。また、該第3スパッタ室24の
内部には、該カーボン基板をその両面からスパッタリン
グするための板状の一対のカーボンターゲット24a,
24aが立設されている。また、該ターゲットに隣接し
て一対のヒータ24d,24dが設けられており、スパ
ッタリング中の基板温度を維持している。更に、上記第
3スパッタ室24には、その内部を真空状態にするため
のクライオポンプ(図示せず)が接続されていると共
に、スパッタリング用のアルゴンガス源(図示せず)が
接続されている。
【0026】上記カーボン基板の上記第3スパッタ室2
4への搬送完了後、バルブ50gは閉じられる。この場
合、該第3スパッタ室24内は予めある程度の減圧状態
にあり、しかも上述の通り上記第2隔離室22もある程
度の減圧状態にあるので、上記カーボン基板の上記第3
スパッタ室24への搬送時に、該第3スパッタ室24の
真空状態が完全に破られることはない。上記第3スパッ
タ室24は、スパッタリングに適した所定の真空状態に
まで更に減圧される。次いで、スパッタリングに適した
所定圧のアルゴンガスが上記アルゴンガス源から供給さ
れる。これと共に、上記カーボン基板はカーボンターゲ
ット24a,24aの位置まで移動し、該ターゲットに
よるスパッタリングが開始される。このスパッタリング
により、図2に示すカーボンからなる保護層116が上
記磁性層114上に所定の厚さで形成される。
【0027】ここまでの工程において、上記カーボン基
板上に保護層までが形成される。次いで、バルブ50g
を閉じた状態でバルブ50hを開くと共に、該カーボン
基板を酸化バーニッシュ室26へ搬送する。該酸化バー
ニッシュ室26においては、上記保護層の形成の際に該
保護層表面に不可避的に形成されるいわゆる異常突起が
除去される。この操作により、最終的に得られる磁気記
録媒体のグライド高さを低く保つことができる。
【0028】上記酸化バーニッシュ室26について更に
説明すると、該酸化バーニッシュ室26においては、例
えば空気、オゾン、二酸化炭素又は水蒸気等の酸化性雰
囲気下で、保護層までが形成された上記カーボン基板を
加熱することにより、該保護層の酸化バーニッシュが行
われる。加熱方法としては、例えばニクロム線ヒータ等
の電熱線加熱及び赤外線ランプによる加熱等が挙げられ
るが、これらに制限されるものではない。加熱温度にも
特に制限はないが、一般に300〜1000℃であるこ
とが好ましく、400〜600℃であることが更に好ま
しい。また、加熱時間にも特に制限はないが、一般に
0.1〜60分であることが好ましく、生産性を考慮す
ると0.5〜5分であることが更に好ましい。かかる諸
条件を操作することにより、上記保護層表面に存在する
異常突起の低下量を精密に制御することができる。な
お、本発明にいう上記酸化バーニッシュとは、厳密な酸
化現象のみを意味するものではなく、加熱により上記異
常突起が分解、気化又は蒸発するような現象をも包含す
る概念である。従って、例えば、真空中で上記基板を加
熱するようなバーニッシュも本発明にいう酸化バーニッ
シュに含まれる。
【0029】上記保護層の酸化バーニッシュ完了後、バ
ルブ50hを閉じた状態でバルブ50iを開くと共に、
カーボン基板をCVD室28に搬送する。該CVD室2
8においては、酸化バーニッシュされた保護層上に、図
2に示すように潤滑剤層118が所定厚さで形成され
る。
【0030】上記CVD室28について更に説明する
と、該CVD室28はバルブ50i及び50jによって
仕切られており、内部が気密になるようになされてい
る。また、該CVD室28は、クライオポンプ(図示せ
ず)に接続されており、その内部が予めある程度減圧さ
れた状態にある。更に該CVD室28には、後述する気
相重合のための原料ガス源が接続されている。更に、該
CVD室の両側壁には、後述する気相重合のためのレー
ザ光透過用窓が設けられている。
【0031】上記CDV室28における潤滑剤層の形成
について説明すると、該潤滑剤層は、真空条件下で気相
重合を行い、原料ガスであるフッ化炭素系化合物と酸素
とを重合させて潤滑剤層を形成する第1の重合工程と、
湿度(例えば、40〜90%)の空気を導入することで
系内に水蒸気を導入した後、真空条件下で気相重合を行
い、フッ化炭素系化合物と酸素とを重合させて潤滑剤層
を形成する第2の重合工程とを順次行うことによって好
ましく形成される。ここで、上記第1の重合工程は、主
として上記固定層を形成する工程であり、上記第2の重
合工程は、主として上記フリー層を形成する工程であ
る。即ち、上記第1の重合工程においても上記フリー層
が形成されることがあり、上記第2の重合工程において
も上記固定層が形成されることがある。なお、上記固定
層とは、上記保護層に化学的又は物理的に強固に固着さ
れている層を意味し、例えば商品名「フロン113」等
のフッ素系溶媒を用いて洗浄しても洗い流されない層の
ことをいう。一方、上記フリー層とは、上記フッ素系溶
媒を用いて洗浄した場合に洗い流されてしまう層のこと
をいう。
【0032】上記潤滑剤層の形成に用いられる気相重合
とは、上記フッ化炭素系化合物と酸素とを気相にガス状
態で保持した系で重合を行い、重合反応を気相のみで生
ぜしめる重合方法を意味し、例えば、プラズマ重合やC
VD等を採用することができる。本実施形態において
は、装置・設備が簡単なもので済む点から光CVDが好
ましく採用される。上記光CVDにより重合を行う場合
には、上記レーザー光透過用窓を介してレーザ光を被析
出物表面(即ち、上記保護層の表面)には直接照射せ
ず、上記フッ化炭素系化合物と上記酸素との混合ガス中
にのみ照射して行う。上記光CVDの際に用いることが
できる光源としては、例えば紫外線及び赤外線が挙げら
れ、特に紫外線を用いることが好ましく、就中、例えば
波長193nmのエキシマレーザ光等を用いることが好
ましい。
【0033】上記気相重合を行うに際しては、上記CV
D室28内を減圧して真空(例えば、1×10-5〜1T
orr)にした後、上記フッ化炭素系化合物及び酸素を
導入して真空条件とする。次に、エキシマレーザ光等を
カーボン基板には当たらないように該CVD室28内に
照射する。なお、上記真空条件とは、真空状態の上記C
VD室28内に上記フッ化炭素系化合物と酸素とを導入
した状態を意味し、この状態における該CVD室28内
の圧力は、5〜200Torrとすることが好ましい。
【0034】上記フッ化炭素系化合物としては、炭素−
炭素二重結合を有するものが好ましい。また、上記フッ
化炭素系化合物と酸素との使用割合は、上記フッ化炭素
系化合物/酸素(モル比)が、好ましくは1/0.5〜
1/100であり、更に好ましくは1/1〜1/10で
あり、最も好ましくは1/2〜1/8である。
【0035】上記フッ化炭素系化合物と酸素との気相重
合により得られた重合体は、主として−(CF2 O)−
の構造単位を有する重合体であり、その分子量は、好ま
しくは1500〜30000である。また、かかる重合
体からなる上記潤滑剤層における上記固定層の厚さ(重
さ)と上記フリー層の厚さ(重さ)との比は、フリー層
の厚さ(重さ)/固定層の厚さ(重さ)が好ましくは1
/10〜10/1、更に好ましくは2/5〜5/1であ
る。更に、上記固定層の厚さは、5〜30Åであること
が好ましく、上記フリー層の厚さは、2〜80Åである
ことが好ましい。そして、上記固定層及び上記フリー層
からなる上記潤滑剤層の厚さは、好ましくは2〜200
Å、より好ましくは10〜100Å、更に好ましくは2
0〜80Å、最も好ましくは20〜50Åである。
【0036】以上の諸工程により、図2に示す構成を有
する磁気記録媒体が得られる。そして、このようにして
得られた磁気記録媒体は、更に、バルブ50j及び50
kにより仕切られた搬送室30に搬送され、引き続き、
バルブ50k及び50lにより仕切られた取出室32か
ら取り出される。このようにして、上記非磁性基板の洗
浄並びに上記磁性層、保護層及び潤滑剤層の形成が、連
続チャンバー内で連続的に行われる。この間、該連続チ
ャンバー内が周囲と接触することは無く、その結果、周
囲からの不純物の混入が避けられる。
【0037】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の
第2実施形態を図3及び図4を参照して説明する。ここ
で図3は、本発明の磁気記録媒体の製造方法の第2実施
形態において好ましく用いられる連続チャンバー示す概
略平面図であり、図4は図3に示す連続チャンバーによ
って製造された磁気記録媒体の構成を示す概略図であ
る。なお、図3及び図4において、図1及び図2と同じ
点については特に詳述しないが、図1及び図2に関して
詳述した説明が適宜適用される。また、図3及び図4に
おいて、図1及び図2と同じ部材については同じ符号を
付した。
【0038】図4に示す磁気記録媒体100は、図2に
示す磁気記録媒体に類似のものであり、異なる点は、図
4に示す磁気記録媒体100では、図2に示す磁気記録
媒体におけるTi層104及びアモルファスカーボン層
108が用いられておらず、且つテクスチャ層106が
磁性層114と保護層116との間に設けられている点
である。
【0039】かかる磁気記録媒体100の製造方法を、
図3に示す磁気記録媒体製造用連続チャンバー10に基
づいて説明する。図3に示す連続チャンバー10は、図
1に示す連続チャンバーと類似のものであり、異なる点
は、第1スパッタ室16、第2スパッタ室22及び第3
スパッタ室24におけるターゲットの配置である。これ
らそれぞれのスパッタ室の説明を含め、図4に示す磁気
記録媒体の製造方法を説明する。
【0040】図4に示す磁気記録媒体の製造において、
図3に示す洗浄室12及び加熱室14の構成及びその操
作は、上記第1実施形態の場合と同様である。
【0041】第1スパッタ室16には、上記カーボン基
板をその両面からスパッタリングするための板状の一対
のTiターゲット16a,16aが立設されている。ま
た、該ターゲットに隣接して一対のヒータ16d,16
dが設けられており、スパッタリング中の基板温度を維
持している。上記第1スパッタ室16におけるこれ以外
の構成は、上記第1実施形態の場合と同様である。
【0042】上記第1スパッタ室16におけるスパッタ
リングは、上記第1実施形態の場合と同様である。そし
て、このスパッタリングにより、図4に示すTiからな
る第1下地層110が上記カーボン基板上に所定の厚さ
で形成される。
【0043】上記カーボン基板上に第1下地層が形成さ
れた後、バルブ50cを閉じた状態でバルブ50dを開
くと共に、該カーボン基板を第1隔離室18へ搬送す
る。該第1隔離室18の構成及び操作は、上記第1実施
形態の場合と同様である。
【0044】上記第1隔離室18に続く第2スパッタ室
20には、上記カーボン基板をその両面からスパッタリ
ングするための一対のターゲットが2組設けられてい
る。即ち、上記カーボン基板の搬送方向上流から順に、
板状のCrターゲット20b,20b、及びCoCrP
tBターゲット20c,20cがそれぞれ一対ずつ立設
されている。また、それぞれのターゲット間には相対向
する一対のヒータ20d,20dが設けられており、ス
パッタリング中の基板温度を維持している。上記第2ス
パッタ室20におけるこれ以外の構成は、上記第1実施
形態の場合と同様である。
【0045】上記第2スパッタ室22におけるスパッタ
リングは、上記第1実施形態の場合と同様である。そし
て、このスパッタリングにより、図4に示すように、上
記第1下地層110上に、Crからなる第2下地層11
2及び磁性層114がそれぞれ所定の厚さで形成され
る。
【0046】上記カーボン基板上に磁性層までが形成さ
れた後、バルブ50eを閉じた状態でバルブ50fを開
くと共に、該カーボン基板を第2隔離室22へ搬送す
る。該第2隔離室22の構成及び操作は、上記第1実施
形態の場合と同様である。
【0047】上記第2隔離室22に続く第3スパッタ室
24へ搬送には、上記カーボン基板をその両面からスパ
ッタリングするための一対のターゲットが2組設けられ
ている。即ち、上記カーボン基板の搬送方向上流から順
に、板状のAl−10wt%Siターゲット24b,2
4b、及びカーボンターゲット24c,24cがそれぞ
れ一対ずつ立設されている。また、それぞれのターゲッ
ト間には相対向する一対のヒータ24d,24dが設け
られており、スパッタリング中の基板温度を維持してい
る。
【0048】上記第3スパッタ室24におけるスパッタ
リングは、上記第1実施形態の場合と同様である。そし
て、このスパッタリングにより、図4に示すように、上
記磁性層114上に、テクスチャ層106及び保護層1
16がそれぞれ所定の厚さで形成される。
【0049】以上の操作により、保護層までが形成され
た上記カーボン基板は、次いで酸化バーニッシュ室26
において酸化バーニッシュ工程に付され、引き続きCV
D室28において潤滑剤層の形成工程に付される。これ
らの工程における操作は上記第1実施形態と同様であ
る。
【0050】このようにして、上記非磁性基板の洗浄並
びに上記磁性層、保護層及び潤滑剤層の形成が、連続チ
ャンバー内で連続的に行われる。この間、該連続チャン
バー内が周囲と接触することは無く、その結果、周囲か
らの不純物の混入が避けられる。
【0051】次に、本発明の磁気記録媒体の製造方法の
第3実施形態を図5を参照して説明する。ここで図5
は、本発明の磁気記録媒体の製造方法の第3実施形態に
おいて好ましく用いられる連続チャンバー示す概略平面
図である。なお、図5において、図1と同じ点について
は特に詳述しないが、図1に関して詳述した説明が適宜
適用される。また、図5において、図1と同じ部材につ
いては同じ符号を付した。
【0052】図5に示す連続チャンバーは、図1に示す
連続チャンバー及び図3に示す連続チャンバーにおける
スパッタ室を結合したものである。即ち、図5に示す連
続チャンバーにおける洗浄室12、加熱室14、第1隔
離室18、第2隔離室22、酸化バーニッシュ室26、
CVD室28、搬送室30及び取出室32は、図1及び
図3に示す連続チャンバーと同様であり、異なる点は、
第1スパッタ室16、第2スパッタ室20、第3スパッ
タ室24におけるターゲットの配置である。そして、図
5に示す連続チャンバーにおける上記各スパッタ室のタ
ーゲットを適宜選択することにより、図2及び図4に示
す磁気記録媒体を一つの連続チャンバーにより製造する
ことができる。
【0053】上記各スパッタ室におけるターゲットの配
置について説明すると、第1チャンバー室16において
は、カーボン基板の搬送方向上流から順に、板状のTi
ターゲット16a,16a、Al−10wt%Siター
ゲット16b,16b、及びカーボンターゲット16
c,16cがそれぞれ一対ずつ立設されている。また、
第2チャンバー室20においては、カーボン基板の搬送
方向上流から順に、板状のTiターゲット20a,20
a、Crターゲット20b,20b、及びCoCrPt
Bターゲット20c,20cがそれぞれ一対ずつ立設さ
れている。また、第3チャンバー室24においては、カ
ーボン基板の搬送方向上流から順に、板以上のカーボン
ターゲット24a,24a、Al−10wt%Siター
ゲット24b,24b、及びカーボンターゲット24
c,24cがそれぞれ一対ずつ立設されている。
【0054】そして、図5に示す連続チャンバーを用い
て図2に示す磁気記録媒体を製造する場合には、上記第
1チャンバー室16におけるターゲットとして、上記T
iターゲット16a,16a、上記Al−10wt%S
iターゲット16b,16b、及び上記カーボンターゲ
ット16c,16cを選択し、上記第2チャンバー室2
0におけるターゲットとして、上記Tiターゲット20
a,20a、上記Crターゲット20b,20b、及び
上記CoCrPtBターゲット20c,20cを選択
し、そして上記第3チャンバー室24におけるターゲッ
トとして、上記カーボンターゲット24a,24aを選
択し、スパッタリングを行う。
【0055】一方、図5に示す連続チャンバーを用いて
図4に示す磁気記録媒体を製造する場合には、上記第1
チャンバー室におけるターゲットとして、上記Tiター
ゲット16a,16aを選択し、上記第2チャンバー室
20におけるターゲットとして、上記Crターゲット2
0b,20b、及び上記CoCrPtBターゲット20
c,20cを選択し、そして上記第3チャンバー室24
におけるターゲットとして、上記Al−10wt%Si
ターゲット24b,24b、及び上記カーボンターゲッ
ト24c,24cを選択し、スパッタリングを行う。
【0056】以上、本発明の磁気記録媒体の製造方法を
その好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は
上記実施形態に制限されるものではなく、種々の変更形
態が可能である。例えば、上記非磁性基板の洗浄工程、
並びに上記磁性層、保護層及び潤滑剤層それぞれの形成
工程は、上記実施形態に制限されるものではなく、周囲
と接触すること無く連続チャンバー内で連続的に行い得
る工程でれば如何なる工程をも用いることができる。
【0057】
【実施例】次に、実施例により、本発明の磁気記録媒体
の製造方法を更に詳細に説明する。
【0058】〔実施例1〜3及び比較例1〜2〕図3に
示す連続チャンバーを用い、表1に示す製造条件にて磁
気ディスクを製造した。但し、比較例1〜2において
は、酸化バーニッシュ室26及びCVD室28は用いな
かった。なお、用いたカーボン基板は、密度1.5g/
cm3 のガラス状カーボン製のディスク(サイズ1.8
インチ、厚さ25ミル)を研磨し、中心線平均粗さRa
を0.8nmにしたものである。実施例及び比較例とも
に、カーボン基板が第1スパッタ室16に搬送される前
に、洗浄室12において下記の方法により該カーボン基
板を洗浄した。また、表1における酸化バーニッシュ、
テープバーニッシュ、気相重合CVD、及び表面重合C
VDは、下記の方法により行った。
【0059】<カーボン基板の洗浄>低圧水銀ランプを
用い、オゾンガス20%存在下でカーボン基板の両面に
紫外線を5分間照射した。 <酸化バーニッシュ>赤外線ランプを用い、弱真空下、
加熱温度550℃、酸化時間3分間で行った。 <テ
ープバーニッシュ>回転するカーボン基板(保護層まで
が形成されている)に、ゴムロールで研磨テープを押し
つけることにより行なった。その条件は以下の通りであ
る。 研磨テープ:WA#10000 相対速度:100m/秒 時間:1秒 ロール硬度:25ショア硬度 ロール押し付け圧:0.8kgf <気相重合CVD>CVD室26内を5×10-2Tor
rに排気した後、分圧が10Torrのヘキサフルオロ
プロペンと分圧が60Torrの酸素とを導入し、Ar
Fエキシマレーザ(波長193nm)からのレーザ光
(パワー150mJ、繰り返し速度2Hz)を12.5
分間かけて1500パルス照射し、第1の重合工程を1
度行った後、水蒸気を導入し、更にCVD室26を5×
10-2Torrに排気した後、分圧が10Torrのヘ
キサフルオロプロペンと分圧が60Torrの酸素とを
導入し、上記レーザを12.5分間かけて1500パル
ス照射し、第2の重合工程を1度行った。 <表面重合CVD>CVD室26を真空排気した後、ヘ
キサフルオロプロペンと酸素との混合ガス(1:1)を
100Torr導入し、上記基板を−20℃に冷却して
から、該基板に向けてArFエキシマレーザ(波長19
3nm)からのレーザ光(パワー150mJ、繰り返し
速度2Hz)1500パルスを照射し、その後、チャン
バを真空に引きながら、上記基板を室温にもどし、副生
成物である低分子量のフッ化炭素化合物を上記基板から
除去した。
【0060】このようにして得られた磁気ディスクにつ
いて、下記の方法にて外観特性、GHT特性、エラー特
性、CSS特性、及び総合収率を測定・評価した。その
結果を表1に示す。
【0061】<外観特性>明るい照明下で目視観察を行
い、スクラッチ傷等をチェックし、実用上問題ない程度
の外観を有するものを合格とし、下記の基準で評価し
た。 S:合格率が80%以上〜100% A:合格率が50%以上〜80%未満 B:合格率が30%以上〜50%未満 C:合格率が30%未満
【0062】<GHT特性>Proquip社製MG1
50Tを用い、50%スライダヘッドを用いて行った。
1.3μインチの浮上高さの通過率により、下記の基準
で評価した。 S:通過率が90%以上 A:通過率が70%以上〜90%未満 B:通過率が50%以上〜70%未満 C:通過率が30%以上〜50%未満 D:通過率が30%未満
【0063】<エラー特性>Proquip社製MG1
50T装置用い、70%スライダヘッドを使用し、記録
密度51KFCIの条件で評価した。スライスレベルは
70%とし、16ビット未満のミッシングエラーの個数
をカウントし、以下のように評価した。 S:評価ディスクの50%以上がエラー個数が0〜5個
である。 A:評価ディスクの50%以上がエラー個数が6〜15
個である。 B:評価ディスクの50%以上がエラー個数が16〜4
5個である。 C:評価ディスクの50%以上がエラー個数が46個以
上である。
【0064】<CSS特性>ヤマハ社製の薄膜ヘッド
(Al2 3 ・TiCスライダ)を用い、ヘッド加重
3.5g、ヘッド浮上量2.8μインチ、回転数450
0rpmで5秒間駆動、5秒間停止のサイクルを繰り返
して行い、静摩擦係数が0.6を超えたときの回数が1
0万回以上のものをS、5〜10万回のものをA、1〜
5万回のものをB、 1万回未満のものをCで表示し
た。
【0065】<総合収率>外観特性、GHT特性、エラ
ー特性(Bまでを合格とする)及びCSS特性(25枚
カセットケースからそれぞれ2枚ずつ計4枚を取り出し
て測定し4枚の中の最低値でもって評価した。A評価を
100%、B評価を60%、C評価を50%、D評価を
10%と計算した。)の4特性の収率を掛け合わせて、
以下のように評価した。 S:70%以上 A:50〜70% B:30〜50% C:30%未満
【0066】
【表1】
【0067】表1に示す結果から明らかなように、本発
明の方法(実施例1〜3)により製造された磁気ディス
クでは、連続チャンバーが周囲と接触することが無いの
で、各特性に優れると共に、総合収率にも優れたものと
なる。これに対して、酸化バーニッシュ工程及び潤滑剤
層の形成工程を不連続で行う比較例1〜2の方法により
製造された磁気ディスクでは、周囲からの不純物等の混
入が原因と考えられる特性の低下が観察されると共に、
総合収率も高いものとはならない。
【0068】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の磁気記録
媒体の製造方法によれば、基板の洗浄工程から潤滑剤層
の形成工程までを連続チャンバー内で一貫して行うこと
により、周囲から不純物が混入することなく磁気記録媒
体を製造することができ、CSS特性やエラー特性に優
れた磁気記録媒体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の製造方法の第1実施形
態において好ましく用いられる連続チャンバー示す概略
平面図である。
【図2】図1に示す連続チャンバーによって製造された
磁気記録媒体の構成を示す概略図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の製造方法の第2実施形
態において好ましく用いられる連続チャンバー示す概略
平面図である。
【図4】図3に示す連続チャンバーによって製造された
磁気記録媒体の構成を示す概略図である。
【図5】本発明の磁気記録媒体の製造方法の第3実施形
態において好ましく用いられる連続チャンバー示す概略
平面図である。
【符号の説明】
10 連続チャンバー 12 洗浄室 14 加熱室 16 第1スパッタ室 18 第1隔離室 20 第2スパッタ室 22 第2隔離室 24 第3スパッタ室 26 酸化バーニッシュ室 28 CVD室 30 搬送室 32 取出室 100 磁気記録媒体 102 非磁性基板 104 Ti層 106 テクスチャ層 108 アモルファスカーボン層 110 第1下地層 112 第2下地層 114 磁性層 116 保護層 118 潤滑剤層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に少なくとも磁性層、保護
    層及び潤滑剤層が順次積層されてなる磁気記録媒体の製
    造方法において、上記非磁性基板の洗浄工程、並びに上
    記磁性層、保護層及び潤滑剤層それぞれの形成工程を順
    次連続的に連続チャンバー内で行うことを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記潤滑剤層の形成が気相重合で行われ
    る、請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 上記潤滑剤層が、上記保護層上に固着さ
    れた固定層と該固定層上に形成されたフリー層とからな
    る、請求項1又は2記載の磁気記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記非磁性基板がカーボン基板である、
    請求項1〜3の何れかに記載の磁気記録媒体の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 上記非磁性基板の洗浄が活性エネルギー
    線照射により行われる、請求項1〜4の何れかに記載の
    磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記保護層の形成後、該保護層を酸化バ
    ーニッシュする工程を更に含む、請求項1〜5の何れか
    に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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