JP2021016978A - 自動壁紙糊付機用コントローラ及び自動壁紙糊付機 - Google Patents

自動壁紙糊付機用コントローラ及び自動壁紙糊付機 Download PDF

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真 二口
関根 啓次
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Toshiki Shinkawa
俊樹 新川
泰之 村田
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泰之 村田
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【課題】 作業者がヒューマンエラーを起こす機会を無くすことにより、引き続いて糊付作業を円滑に行うことができる壁紙糊付機用コントローラ及び自動壁紙糊付機を得る。【解決手段】 自動壁紙糊付機のコントローラであって、コントローラは、入力された長さ数値に応じてモータの駆動及び停止の制御する糊付制御手段と、糊付制御手段によるモータの駆動で長さの糊付が終了した時点で、長さ数値を有線又は無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発する印刷指令手段とを備えているもの。【選択図】 図6

Description

本発明は、例えば自動壁紙糊付機を制御可能なアプリケーションを実施する多機能携帯端末を搭載する自動壁紙糊付機用コントローラ及び自動壁紙糊付機に関するものである。
壁紙糊付機は、建築物の内装施工におけるシート状の壁装材(以下、クロスとも記す)を貼着する際に、壁紙の裏面に連続的に糊又は糊を主成分とする接着剤を塗布する装置であり、現在の内装施工においては、一般的な機械である。一般的な壁紙糊付機としては、互いに接続された上部構体と下部構体のそれぞれに配設した複数のローラによって壁紙を上部構体と下部構体との間に後面から前面に引き入れ、各種ローラにより壁紙を所定の経路に沿って移動させながら、下部構体内の糊桶内の糊を壁紙の裏面に連続的に塗布する。
このような壁紙糊付機には手動式と自動式とがある。自動壁紙糊付機は、所定のローラの軸を電動モータ等のモータで回転させることによって、他のローラもギアを介して連動回転するものである。この自動壁紙糊付機では、コントローラにモータの制御手段を備え、作業者によって入力された糊付長さに到達した際に、モータの駆動を止めることができるため、主流となっている。コントローラにはリセットボタンを押して初期化するまで、糊付された累積糊付長さが記録される。
近年、スマートフォンとも呼ばれる高機能携帯端末は、ソフトウェア開発キットが公開されているため、スマートフォン上で駆動するソフトウエア(アプリケーション)を自由に開発することができ、有料・無料のアプリケーションが配信可能となっているためか、スマートフォンの普及率は急激に上がっている。この高機能携帯端末を用いて内装施工現場でデータを入力した上でそのデータに基づいて自動壁紙糊付機の駆動をコントロールする自動壁紙糊付機用コントローラが提案されている(特許文献1参照)。
一方、前述の壁紙糊付機で糊付された壁紙については、連続的な糊付け作業では、貼付壁面に応じた長さの、必要枚数分の糊付済み壁紙がまとまって得られる。従って、全ての貼付が終わるまで、例えば数十分、数時間の間、糊付済み壁紙を接着剤が乾燥させず、更に、糊付現場での細かな塵等が糊付面に付着しないように袋に収容して養生しておくことが必要となっている。
特に、個々の壁紙の積層体については、作業現場のどの位置の内装壁に貼着するものかの目印として、壁紙の端材等を所望の大きさに切って作製したメモ書きを折り畳んだ壁紙の間に挟み込んでおくことが常に行われているために、この目印を確認し易い糊付済み壁紙の乾燥防止養生袋が提案されている(特許文献2参照)。
特開2016−10972号公報 実用新案登録第3205118号公報
糊付済み壁紙に配される目印のメモ書きについては、自動壁紙糊付機を操作する作業者が壁紙の端材等を適当に切って糊付された長さを示す数値等を記入して壁紙の間に挟み込む作業を行う。多くの場合、自動壁紙糊付機を設定操作する人員については、糊付作業中は機械が自動的に行うため、多くの場合には他の内装作業を行う。
このため、一定時間過ぎた際に、自動壁紙糊付機に戻って、糊付済みを確認し、糊付された壁紙の長さについては、糊付作業終了後、コントローラで糊付の終了した履歴を確認して糊付長さの数値を記載して、糊付済み壁紙毎を切り離して、これに挟むこととなる。この場合、引き続いて糊付を行う場合には、新たな数値を入力するか、予め記録させておいた糊付予定の次工程を選択する。
これら一連の作業において、糊付された壁紙の長さをメモ書きする作業については、記憶しているからメモ書きしなくても大丈夫と考える作業者が少なからず存在していた。その結果、糊付された壁紙を間違った箇所に糊付し、結果的に貼り替える状況となって二度手間となったり、最悪には一旦貼り付けた壁紙を剥いで廃棄する等のヒューマンエラーを生じることがあった。
このヒューマンエラーは、熟練者や一定の手順の作業(ルーチンワーク)でも起こりうるエラーであり、比較的経験を詰んだ作業について、スムーズな作業を行うために、業務に支障をきたさない範囲で基本的な確認・操作を省略していたことによる思い込みによって多くが引き起こされると言われている。
本発明は、作業者が糊付された壁紙の長さを記憶する必要がなく、更に、長さを作業者が書くことをなくすことにより、作業者がヒューマンエラーを起こす機会を無くすことにより、引き続いて糊付作業を円滑に行うことができる自動壁紙糊付機用コントローラ及び自動壁紙糊付機を得ることを目的とする。
請求項1に記載された発明に係る自動壁紙糊付機用コントローラは、シート状壁装材の移動経路を構成する複数のローラのうち上部側に配されるローラを保持する上部構体と、下部側に配される糊付けローラを始めとする複数のローラを保持する下部構体とを備えた糊付機本体の後端面から、シート状壁装材を引き入れ前記移動経路に沿って前面側に移動させることにより、下部構体内に配設した糊桶内の糊液を壁装材の裏面に連続的に塗布する糊付けローラを駆動するモータを備えた自動壁紙糊付機用コントローラにおいて、
前記コントローラは、
入力された長さ数値に応じて前記モータの駆動及び停止の制御する糊付制御手段と、
前記糊付制御手段によるモータの駆動で前記長さの糊付が終了した時点で、前記長さ数値を有線又は無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発する印刷指令手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る自動壁紙糊付機用コントローラは、請求項1に記載の印刷指令手段が、無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発するものであることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明に係る自動壁紙糊付機用コントローラは、請求項1又は2に記載のコントローラは、高機能携帯端末と有線接続又は無線接続する端末接続手段を更に備え、
前記印刷指令手段が、前記高機能携帯端末経由で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発するものであることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明に係る自動壁紙糊付機用コントローラは、請求項1〜3の何れか1項に記載のプリンターが、ロール紙に印刷するものであることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明に係る自動壁紙糊付機は、請求項1〜4の何れかの自動壁紙糊付機用コントローラを搭載したことを特徴とするものである。
本発明は、糊付された壁紙の長さを作業者が書くことなく、引き続いて糊付作業を円滑に行うことができるという効果がある。
本発明のコントローラを装着した自動壁紙糊付機の一実施例の側面図である。 図1の自動壁紙糊付機の側部構成を説明する説明図である。 本発明のコントローラの一実施例の構成を示す正面図であり、a図は糊付機本体とコントローラとの接続を示す正面図、b図はコントローラの正面図、c図はコントローラの平面図、d図はコントローラの操作面図である。 本発明のコントローラの一実施例のシステム構成を示す説明図であり、糊付駆動アプリケーション実行時の状態を示す。 図4の高機能携帯端末について糊付入力データを記録するデータ入力アプリケーション実行時のシステムの構成を示す説明図である。 図4の高機能携帯端末について印刷指令アプリケーション実行時のシステムの構成を示す説明図である。 図6で示したプリンターで印刷されたメモ書きを糊付済み壁紙に貼着した状態を示す説明図である。
本発明においては、シート状壁装材の移動経路を構成する複数のローラのうち上部側に配されるローラを保持する上部構体と、下部側に配される糊付けローラを始めとする複数のローラを保持する下部構体とを備えた糊付機本体の後端面から、シート状壁装材を引き入れ移動経路に沿って前面側に移動させることにより、下部構体内に配設した糊桶内の糊液を壁装材の裏面に連続的に塗布する糊付けローラを駆動するモータを備えた自動壁紙糊付機のコントローラは、入力された長さ数値に応じてモータの駆動及び停止の制御する糊付制御手段と、糊付制御手段によるモータの駆動で長さの糊付が終了した時点で、長さ数値を有線又は無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発する印刷指令手段とを備える。これにより、糊付された壁紙の長さを作業者が書くことなく、引き続いて糊付作業を円滑に行うことができる。
即ち、具体的には、コントローラの駆動制御手段で、入力された長さ数値に応じてモータの動作を駆動及び停止の制御し、糊付が終了した時点で、入力された長さ数値を印刷指令手段で、有線又は無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発するものであるため、作業者が引き続いて糊付作業を行う時点で、糊付済みの壁紙の長さを記憶する必要が無く、また、ペンを持ってメモ紙に記入する必要が無く、ヒューマンエラーを起こす機会を増やすことが無く、糊付作業済みの壁紙を切り離し、印刷されたメモ紙を挟んで養生させ、次の長さの数値を入力し、引き続く糊付作業を行うことができる。
本発明の印刷指令手段としては、糊付制御手段によって糊付が終了した時点で、長さ数値を有線又は無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発するものであればよい。より具体的には、本自動壁紙糊付機のコントローラには、糊付制御手段として、入力された長さ数値に応じてモータの動作を駆動及び停止の制御する。即ち、糊付される長さを検尺ローラ等で件寂しつつ、入力した長さ数値に達した際に、モータの駆動を停止する。この糊付制御手段のモータの駆動を停止する指令をきっかけとして、印刷指令手段が長さ数値を有線又は無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発する動作を行うようにすれば良い。
本発明で用いるプリンターとしては、コントローラに有線又は無線で接続され、糊付制御手段に入力された長さ数値を印刷できるものであればよい。現在では、小型のプリンターやプリンターがロール紙に印刷するプリンター等が市販されており、USB(Universal Serial Bus)等の有線で接続されるもの、ブルートゥース(登録商標)やワイファイ(Wi-Fi)といった無線で接続されるものも市販されている。このため、コントローラ自体にこれらUSB(Universal Serial Bus)や有線での通信モジュールや、ブルートゥース(登録商標)やワイファイ(Wi-Fi)の無線での通信モジュールを搭載して印刷指令手段の指令を発するようにしてもよい。
また、自動壁紙糊付機のコントローラに、高機能携帯端末と有線接続又は無線接続する端末接続手段を更に備えたものでは、高機能携帯端末自体に既にUSB(Universal Serial Bus)や有線での通信モジュールや、ブルートゥース(登録商標)やワイファイ(Wi-Fi)の無線での通信モジュールが既に搭載されているものがある。このため、印刷指令手段が高機能携帯端末経由で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発するものとすることにより、高機能携帯端末を用いて内装施工現場でデータを入力した上でそのデータに基づいて自動壁紙糊付機の駆動をコントロールしつつプリンター印刷を行うことができる。
尚、既に自動壁紙糊付機のコントローラに、高機能携帯端末と有線接続又は無線接続する端末接続手段を用いている場合には、高機能携帯端末の糊付機コントローラのアプリに糊付制御手段によって糊付が終了した際に、長さ数値を有線又は無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発する印刷指令手段の機能をアップデートとして新たに追加することにより、市販の有線又は無線接続するプリンターを購入する。これにより、本発明の機能を達成することも可能となる。
1.全体構成
図1は本発明の自動壁紙糊付機の側面図である。図2は図1の自動壁紙糊付機の側部構成を説明する説明図である。図1に示す通り、自動壁紙糊付機用コントローラ8は、自動壁紙糊付機の糊付機本体1に装着される。この自動壁紙糊付機は、糊付機本体1と、この糊付機本体1を載置する台座部2と、糊付機本体1を所定高さで支持するために台座部2の左右両端下部にそれぞれ前後に二本一対で配される前脚31と後脚32とで構成される脚部3とからなる。
一対の後脚32には、クロス受けブラケット33が回動自在に配されており、クロス受けブラケット33の先端部には、原反ロールRの中心に通されたクロス芯棒34が軸支されている。原反ロールRから繰り出されるクロスCは、後脚32に設けられたテンションバー受け35に横架された第1テンションバー(図示せず)に当接して糊付機本体の引き込み口での引き込み荷重が与えられる。
糊付機本体1は、図2に示す通り、内部の糊桶6を主とする下部構体4とその上に開閉可能に載置される上部構体5とによって構成される。各ローラの回転に伴って糊付機本体1の後面側から前方へ搬送されてくるクロス裏面に回転しながら当接して連続的に糊を塗布する糊付けローラ41は、下部構体4の左右両側壁面の軸支板に、できるだけ糊桶6内に沈む下方位置の配置となるように軸支されている。また、糊桶6内の糊を回転によって掻き上げて糊付けローラ41に転写塗布する糊上げローラ61は、糊桶6の両側側面に、中心より後面側寄りの位置で軸支されている。
糊付けローラ41は、糊付機本体1の一側壁部に着脱自在に取付けられたコントローラ8に備わった電動モータの回転軸85に連結されている。糊付機本体1の軸支板に軸支された糊付けローラ41の回転軸は、下部構体4に配置される下ピンチローラ42、ドクターローラ43、均しローラ44及び上部構体5に配置されるドライブローラ53の各々の回転軸とギアを介して連動される。
糊付けローラ41の回転に伴って、ギアを介して回転運動が伝達された他のローラも回転し、上下部構体間に挟み込まれているクロスCを後方から前方へ搬送し、その途中で糊付けローラ41上を搬送される際に糊桶6から引き上げられた糊がクロスC裏面に転写塗布される。尚、検尺ローラとして用いられる上ピンチローラ51と押さえローラ52とは、ギアを介して糊付けローラ41とは接続されず遊輪軸であり、後方から前方へ搬送されていくクロスCに当接して表面摩擦によって追従回転する。
糊付機本体1の後面側には、スリッター7を備えている。スリッター7は、糊付機本体1の下部構体4の下部フレーム(図示せず)の上部の後壁面に開口されたスリッター装着開口部内にスリッター7の前方部分を挿入させて着脱自在に装着される。スリッター7は後背面の中央部にガイド面部72が配され、そのガイド面部72の両端部には、高速回転する1枚の回転刃とこれを駆動するモータとを内部に備えたカッターボックスセット71がスリッター7の両端方向に各々摺動可能に配される。
スリッター7のガイド面部72上を搬送されるクロスCをガイド面部72に押し付けるテンションバー76を支持するテンションバー支持具75をスリッターの側壁に備える。このテンションバー支持具75は、一端部にテンションバー76が取付けられ、他端部にテンションバーの押し付け位置と解除位置との間で支持具75を揺動可能に支持する支点77を備える。
2.制御系(コントローラ)の構成
2-1.糊付駆動時
図3は本発明のコントローラの一実施例の構成を示す正面図であり、a図は糊付機本体とコントローラとの接続を示す正面図、b図はコントローラの正面図、c図はコントローラの平面図、d図はコントローラの操作面図である。図4は本発明のコントローラの一実施例のシステム構成を示す説明図であり、糊付駆動アプリケーション実行時の状態を示す。
前述の通り、糊付機本体1の一側壁部に着脱自在に取付けられたコントローラ8の操作面には、図3のd図に示す通り、一点鎖線で示されたスマートフォンとも呼ばれる高機能携帯端末9の表示画面90を表出した状態でこの端末9を載置させる端末載置手段としての端末収納部81が備わっている。本実施例では、高機能携帯端末9はOSとしてAndroid(登録商標)を搭載した端末を用いた。
詳しくは、図3に示す通り、端末収納部81は、コントローラ8の操作面側上面に形成された開口部81aと、操作面開口部81bとで構成される。この端末収納部81の底面部には高機能携帯端末9のマイクロUSBのメスコネクタ端子に連結するオスコネクタ端子82が設けられている。d図の通り、高機能携帯端末9をコントローラ8の端末収納部81の開口部81aからマイクロUSBのメスコネクタ端子を下にして挿入する。底面部のオスコネクタ端子82とメスコネクタ端子(図示せず)とが連結させる高さ位置で保持され、高機能携帯端末9の表示画面90がコントローラ8の操作面の略中央に位置するように保持される。
尚、本実施例では端末接続手段として、高機能携帯端末9と自動糊付機コントローラとの接続をUSB端子による有線接続としたが、ブルートゥース(登録商標)やワイファイ(Wi-Fi)といった無線接続も可能であるが、無線回線を介した場合には若干のタイムロスが生じるため、即応性の点で有線接続が有利である。
また、高機能携帯端末9を収納しない場合の操作については、端末収納部81の操作面開口部81bを介して表出される壁面81cには操作面の一部として、数字を表示する7セグメントディスプレイ83が4つ並設され、その下方に4つのセグメントディスプレイ83間の移動を指示する左右ボタン84a、84bと、個々のセグメントディスプレイ83における数字の大小への移行を指示する上下ボタン84c、84dとを備える。また、端末収納部81の側方には、操作面の一部の補助操作面81dとして寸動ボタン86、リセットボタン87、スタートボタン88の入力ボタンも備わっている。
これにより、端末収納部81で高機能携帯端末9をコントローラ8に装着しなくても、寸動ボタン86でクロスを装着し、リセットボタン87で入力データをリセットした上で、左右ボタン84a、84bと上下ボタン84c、84dとで糊付長さの数値を入力し、スタートボタン88で駆動させることにより自動糊付機を駆動させ、所望の長さで駆動を停止することができる。
図4に示す通り、自動糊付機のコントローラ8の内部には、モータ100の動作を制御する糊付制御手段としての、モータ制御マイコン101を搭載し、このマイコン101の一部に糊付制御手段を制御する指令情報を記憶した指令記憶手段102を備える。特に、その駆動制御としては、予め指令記憶手段102に記録された種々のクロスの動作条件に基づいて予め作成された起動条件、終了条件等の動作条件に基づいて制御される。
このモータ制御マイコン101は、一つの例として、糊付機本体1に設置された検尺ローラとして用いられる上ピンチローラ51の回転数を検出する回転数センサ110や糊桶6に設置された糊液センサ112からの情報を得た上で、コントローラ8の操作面の操作ボタン84a、84b、84c、84d、86、87、88の操作により、指令記憶手段102に予め記憶させた指令情報に則ってモータ100を駆動する。
他の例としては、通信モジュール103を介して高機能携帯端末9と自動糊付機のコントローラ8とを接続して、高機能携帯端末9によってモータ100が制御され、糊付機本体1が駆動される。詳しくは、図4に示す通り、通信モジュール103を介してコントローラ8のモータ100からの過電圧エラー信号、低電圧エラー信号、過負荷エラー信号、温度エラー信号と、回転数センサ110からのカウントパルスと、糊液センサ112からの糊切れ情報との全ての情報からエラーが無い状態で、駆動可能なモータ状態情報(運転又は停止)を検証する。
その上で、高機能携帯端末9からのスローアップ有り/無し情報からモータスローアップ/スローダウン開始信号を加味したモータSTART/STOP信号を通信モジュール103を介してモータ制御マイコン101に発信し、モータ速度情報を通信モジュール103を介して高機能携帯端末9に戻すことにより、壁紙糊付機本体1が駆動される。駆動に際しては、指令記憶手段102に予め記憶させた指令情報に則ってモータ100が制御される。
この場合、通信モジュール103を介しての高機能携帯端末9による駆動の際には、高機能携帯端末9は糊付駆動アプリケーション91を実行している。即ち、予め糊付入力データを記録した内寸記録手段92のデータに基づいて糊付機本体1の駆動が制御される。また、糊付制御手段91aによって、着信遮断手段91bを動作させて電話回線又はインターネット回線からの着信信号を受信手段91cで遮断し、発信信号を発信手段91dで遮断する。これにより、糊付アプリケーションを駆動している間に電話等の着信が無く糊付動作を中断することがない利点を備える。
高機能携帯端末9には、コントローラ8内部の指令記憶手段102への指令情報としての糊付枚数と糊付長さとの糊付入力データを記録するデータ入力アプリケーションとしての内寸記録手段92と、この糊付入力データに基づいて指令記憶手段102にモータ制御マイコン101を駆動する指示を与える糊付アプリケーションとしての糊付制御手段91aを備える。以上の通り、高機能携帯端末9を用いて内装施工現場でデータを入力した上でそのデータに基づいて自動壁紙糊付機本体1の駆動をコントロールすることができる。
2-2.データ入力時
図5は図4の高機能携帯端末について糊付入力データを記録するデータ入力アプリケーション実行時のシステムの構成を示す説明図である。図に示す通り、高機能携帯端末9は糊付入力データを記録するデータ入力アプリケーション93を実行している。このアプリケーション93は、内装施工を行う室内についての壁面の高さ及び幅を入力し、用いるクロスの幅及び重ね合わせする幅を入力・選択することにより、糊付するクロスの長さと本数とを計算するアプリケーションである。
データ入力アプリケーション93を起動し、入力手段93aによって、必要なデータを入力する。入力は高機能携帯端末9を手に持った状態で内装施工を行う室内で壁面の高さ及び幅を計測しつつ行うため、糊付機本体には連結されない状態で行う。入力された種々のデータ(壁面の高さ及び幅)は、演算手段93bで計算され、内寸記録手段92に記録さる。この内寸記録手段92は、図4に示す通り、糊付駆動アプリケーション91の実行時に用いられる。
尚、糊付駆動アプリケーション91、データ入力アプリケーション93及び他のアプリケーションとは、アプリケーション駆動時にフラットディスプレイパネルの表示画面を切換える表示画面切換え手段によってアプリケーションを切換える。尚、表示画面切換え手段としては、既存のボタンに割り当ててもよく、高機能携帯端末9のメニューモードにおける起動アイコンをタッチすることで行うこともできる。
2-3.コントローラの制御
本実施例のコントローラ8の制御については、先ず、Android(登録商標)をOSとした高機能携帯端末9に搭載されたシリアルポートを使用してコントローラ8との通信を行う。具体的には、コントローラからコマンドが送信されることはなく、高機能携帯端末9で駆動されるアプリケーションからシリアルポート経由でコントローラ8にコマンドを送信し、コントローラ8から結果を受信することでコントローラ8の制御を行う。尚、本実施例ではシリアルポートを介してコントローラ8との通信を行ったが、USBシリアルコンバータ機能で信号を変換することにより、USB端子を介して通信を行ってもよい。
本実施例でのアプリケーションから送信されるコマンドとは、コントローラ8と高機能携帯端末9との間でシリアルポートを介して通信されるバイト配列(byte配列)を指す。高機能携帯端末9のアプリケーションには機器通信において独立したタイマー処理を行う。具体的には、10ミリ秒間隔でコントローラ8にコマンドを送受信している。
送受信されるコマンドには、コントローラ8を制御する制御コマンドと、状態を取得する状態取得コマンドとの2種類ある。制御コマンドとは、コントローラ8内部に搭載されたモータ100のスタート・ストップ、速度変更、ブザーの鳴動等の機器の操作を行うことができ、アプリ画面の操作やコントローラー機器側のスイッチ操作を起点としてキュー(queue) に送信要求を格納する。
また、状態取得コマンドとは、機器との接続状態、モータ100の回転量、エラー情報、機器側スイッチのON/OFF情報を取得するコマンドであり、タイマー処理により定期的に送信される。制御コマンドをキューに格納する際は、既に同じコマンドがキューに格納されていないかチェックを行い、存在する場合はコマンドは格納されない。こうすることで、ボタン連打等による、無駄な制御コマンドの送信が防がれる利点を有する。
また、タイマー処理には、送受信回数が奇数か偶数かを判定する処理を行い。例えば、奇数回目は必ず状態取得コマンドを送信し、偶数回目はキューに制御コマンドが存在する場合は制御コマンドを、それ以外の場合は状態取得コマンドを送信する。こうすることで、最低20ミリ秒間隔で機器の状態を監視し、アプリへの状態通知の遅延を防ぐことができるという利点を有する。
コマンドと送受信制御方法について、送受信のエラー制御については、シリアルポート介したコマンドの送受信はノイズ等の影響により、コマンドが正しく受け取れない事を想定する必要がある。送受信されるコマンドは、コマンドそのもののバイトとバイトを反転したチェック用のバイトがセットになっている。このため、このコマンドバイトとチェックバイトとを付き合わせることで、受け取ったコマンドのエラーを検知することが可能となっている。
コマンドにエラーがある場合には、アプリは3回まで送受信をリトライするように設定されている。リトライが3回を超える場合はコマンド要求の全てを破棄し、コントローラ機器との接続からやり直すように設定されている。また、高機能携帯端末9とコントローラ8との接続検知については、本端末に追加されたシリアルポートコネクタは電源供給も兼ねており、高機能携帯端末9に搭載されたアプリでは電源供給および電源断を監視する事で、本端末とコントローラ機器との接続検知を行っている。
また、アプリが起動されていない場合、アプリ側が電源供給を検知する事が出来ないため、高機能携帯端末9のOS側で接続を検知し、アプリの起動を行うように設定しても良い。コントローラーアプリの新規性については、高機能携帯端末9にコントローラ機器の制御を実現することで、ユーザーインターフェースや機器制御の機能拡張が容易になっている。
2-4.印刷指令
図6は図4の高機能携帯端末について印刷指令アプリケーション実行時のシステムの構成を示す説明図である。前述の通り、図4に示された高機能携帯端末9は内寸記録手段92の糊付入力データに基づいて、糊付制御手段91aを介して、指令記憶手段102にモータ制御マイコン101を駆動する指示を与えることにより糊付作業を行っている。この糊付作業が終了し、モータ制御マイコン101によってモータ100の停止が糊付制御手段91aを介して行われた際に、図6に示す通り、高機能携帯端末9では、印刷指令アプリケーション95が起動する。
印刷指令手段95aでは、糊付が終了した長さ数値を内寸記録手段92から抽出し、発信手段91dからレシートプリンター120へ印刷指令信号が発信され、この指令によって糊付が終了した壁紙の長さ数値が印刷されたメモ書き121が作成される。本実施例では、高機能携帯端末9のブルートゥース(登録商標)を介してペアリングした市販のレシートプリンター120に印刷指令信号を発信するように構成した。尚、他の無線回線でも有線回線で接続したプリンターに印刷指令信号を発するものでもよい。
図7は図6で示したプリンターで印刷されたメモ書きを糊付済み壁紙に貼着した状態を示す説明図である。図に示す通り、数値長さが印刷されたメモ書き121は、折り畳まれた糊付された壁紙Cの間に挟み込まれる。これら糊付された壁紙Cは複数の積層体として、図示しない養生袋等内に入れられて、該当する内装作業の場所に搬送される。
8 …コントローラ、
81 …端末収納部(端末載置手段)、
81a…開口部、
81b…操作面開口部、
81c…壁面、
81d…補助操作面、
82 …オスコネクタ端子、
83 …7セグメントディスプレイ、
85 …電動モータの回転軸、
86 …寸動ボタン、
87 …リセットボタン、
88 …スタートボタン、
9 …高機能携帯端末、
90 …表示画面、
91 …糊付駆動アプリケーション、
91a…糊付制御手段、
91b…着信遮断手段、
91c…受信手段、
91d…発信手段、
92 …内寸記録手段、
93 …データ入力アプリケーション、
93a…入力手段、
93b…演算手段、
95 …印刷指令アプリケーション、
95a…印刷指令手段、
100 …モータ、
101 …モータ制御マイコン(糊付制御手段)、
102 …指令記憶手段、
103 …通信モジュール、
110 …回転数センサ、
112 …糊液センサ、
120 …レシートプリンター、
121 …メモ書き、

Claims (5)

  1. シート状壁装材の移動経路を構成する複数のローラのうち上部側に配されるローラを保持する上部構体と、下部側に配される糊付けローラを始めとする複数のローラを保持する下部構体とを備えた糊付機本体の後端面から、シート状壁装材を引き入れ前記移動経路に沿って前面側に移動させることにより、下部構体内に配設した糊桶内の糊液を壁装材の裏面に連続的に塗布する糊付けローラを駆動するモータを備えた自動壁紙糊付機用コントローラにおいて、
    前記コントローラは、
    入力された長さ数値に応じて前記モータの駆動及び停止の制御する糊付制御手段と、
    前記糊付制御手段によるモータの駆動で前記長さの糊付が終了した時点で、前記長さ数値を有線又は無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発する印刷指令手段とを備えたことを特徴とする自動壁紙糊付機用コントローラ。
  2. 前記印刷指令手段が、無線で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発するものであることを特徴とする請求項1に記載の自動壁紙糊付機用コントローラ。
  3. 前記コントローラは、高機能携帯端末と有線接続又は無線接続する端末接続手段を更に備え、
    前記印刷指令手段が、前記高機能携帯端末経由で接続されたプリンターに印刷を指令する信号を発するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動壁紙糊付機用コントローラ。
  4. 前記プリンターが、ロール紙に印刷するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の自動壁紙糊付機用コントローラ。
  5. 請求項1〜4の何れかの自動壁紙糊付機用コントローラを搭載したことを特徴とする自動壁紙糊付機。
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