JP2730037B2 - 用紙保持装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はファクシミリ装置等の画像読取り、記録、通
信装置に関し、特に、壁掛け式にも使用できるファクシ
ミリ装置等において、所定の処理が終わった後の原稿あ
るいは記録紙等の用紙が落下しないように保持する装置
に関する。

従来の技術 例えば、原稿を走査して画素に分解し、これを電気信
号に変換して送信し、受信側で原画と相似の記録画を得
るファクシミリ装置においては、机等の上に設置して使
用するタイプの他に、設置スペース等の観点から壁掛け
可能なものがある。

このような壁掛け可能なファクシミリ装置の一例を第
８図により説明することにする。10は装置本体、12はダ
イヤル手段、14はスイッチや液晶ディスプレイ等からな
る操作パネルである。16は縦置きに載置された原稿18の
ガイド、20は原稿18を装置内部に取込む原稿取込口、22
は送信済原稿18の排出口である。24は原稿排出口から排
出された原稿18が床に落下しないように受止めるための
トレイである。

然して、送信したい原稿18をガイド16にその一部を引
掛けて原稿取込口20に先端を揃えて載置し、ダイヤル手
段12により送信先をダイヤルする。送信先と回線がつな
がると原稿18は１枚づつ装置10内部に取込まれ、画像デ
ータが送信され、順次原稿排出口22から排出され自由落
下し、トレイ24に受止められるようになっている。

一方、データを受信した時は、ロール状の記録紙に受
信データに応じた画像を記録した後に、自動用紙カッタ
ーで切断するか、あるいは記録紙排出口近傍に刃が設け
られていてオペレータが必要に応じて手で切断するよう
になっている。

発明が解決しようとする課題 このように、従来は送信済の原稿は排出口から排出さ
れ落下して、トレイに受止められるようになっていた。
しかし、このトレイは装置本体に比べて小さくなく、設
置スペースを多くとるとともに、オペレータあるいは他
の人がトレイに引掛かって怪我をしたり、装置を破損し
てしまうことがあるという問題点があった。

また、自動用紙カッターのついていないものにおいて
は、記録紙排出口から排出された記録紙がトレイに引掛
かって破けたり、皺になったりするという問題や、ある
いは記録紙を切断する際にトレイが障害となって記録紙
が切断しにくい等、操作性の面からも問題があった。

本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、用紙保持装置を設けて用紙を
落下させずに保持し、トレイを不必要として上述した問
題点を解決することである。

課題を解決するための手段 第１図乃至第３図に示す本発明の原理説明図により説
明することにする。

用紙排出口28の近傍の用紙通路に、用紙排出方向と概
略平行に平板30と、この平板30の上方に当接する保持ロ
ーラ32と、平板30の下方に当接する補助ローラ34とを設
ける。

用紙搬送手段29により送られてきた用紙36を保持ロー
ラ32と補助ローラ34との間に導き入れ、補助ローラ34に
より一度下方向に送り（第１図参照）、用紙後端部36a
が保持ローラ32と補助ローラ34の間に到達した後に、補
助ローラ34を逆転させ（第２図参照）、用紙36の後端部
36aが保持ローラ32と平板30との当接部に至ると同時
に、保持ローラ32をわずかに回転せしめ、用紙36の後端
部36aを平板30と保持ローラ32で挾持する（第３図参
照）ように構成する。ここで、特許請求の範囲に記載し
た用紙押え手段は、例えば平板30の上側の一部及び保持
ローラ32のことであり、用紙正逆送り手段は、例えば平
板30の下側の一部及び補助ローラ34のことである。但
し、用紙押え手段及び用紙正逆送り手段は、かかる構成
に限定されるものではなく、用紙押え手段を構成する平
板30の上側の一部と用紙正逆送り手段を構成する平板30
の下側の一部は、上記のように一体のものでなく、互い
に独立したものを採用することができる。また、用紙押
え手段を構成する平板30の上側の一部に代えて保持ロー
ラ32に当接（圧接）する従動ロールを採用することがで
きる。同様に、用紙正逆送り手段を構成する平板30の下
側の一部に代えて補助ローラ34に当接（圧接）する従動
ロールを採用することもできる。

作用 本発明によれば、用紙36は保持ローラ32と補助ローラ
34の間に導かれ、補助ローラ34によりさらに下側に送ら
れて用紙36の後端部36aが保持ローラ32と補助ローラ34
の間に到達した後に補助ローラ34が逆回転し、用紙36は
平板に沿って上方向へ送られて、保持ローラ32と平板30
との当接部に達する。これと同時に保持ローラ32が用紙
36の後端部36aを巻きこむ方向にわずかに回転し、平板3
0と保持ローラ32により用紙36の後端部36aを挾持する。

２枚目以後も同様に処理され、第４図に示すように保
持ローラ32と平板30との間に次ぎ次ぎに用紙が挾持され
る。

これにより、用紙36を従来のようにトレイを設けて受
け止める必要がなくなり、トレイを設けたがために生じ
ていた問題を解決することができるものである。

また、オペレータ等は必要に応じて用紙の先端部（保
持ローラ32と平板30に挾持されていない側の端部）を手
で引張ることにより、用紙を整列した状態で取りだすこ
とができる。

実 施 例 本発明を第５図乃至第７図に示す実施例に基づいてさ
らに詳細に説明することにする。第１図乃至第４図と同
一構成部分には同一の番号を付しその説明を一部省略す
る。

第５図は本発明の一実施例説明図であり、リンク機構
等により保持ローラ32及び補助ローラ34を所定のタイミ
ングで制御・駆動するようにしたものである。

40,40は図示しない駆動手段により回転駆動される一
対の用紙搬送ローラであり、42はその先端部が保持ロー
ラ32と補助ローラ34との間の近傍に位置し、所定の処理
がなされ搬送ローラ40,40により搬送されてきた原稿を
案内するガイドである。

一方の用紙搬送ローラ40にはこれと一体的に回転する
歯車44が、補助ローラ34には歯の一部が切欠れた切欠歯
車46が、保持ローラ32には一方向クラッチ（図示せず）
を介して歯車48がそれぞれ取付けられている。50及び52
は回動自在に設けられた動力伝達用の歯車である。54は
ロータリーソレノイドであり、ロータリーソレノイド54
にはアーム56を介して歯車58が回動自在に取付けられ、
ロータリーソレノイド54が回転したときに歯車44及び歯
車50にそれぞれ噛合するようになっている。歯車50及び
歯車46にはその回転中心軸からずれた位置にそれぞれ長
板部材60及び62の一端が回動自在に取付けられている。
64はその一端にピン66が形成された長板部材であり、ピ
ン66は図示しない筐体に形成されたコの字状の溝68に遊
嵌されている。長板部材60,62,64のそれぞれの他端部は
回動自在に連結されており、長板部材64の中間部はスプ
リング70により下方向に付勢されている。

然して、用紙の保持を行う場合はピン66を溝68のＡ位
置にスライドする。所定の処理がなされ、搬送ローラ4
0,40によりガイド42に沿って送られてきた原稿36の先端
部が保持ローラ32及び補助ローラ34の対向部近傍に達す
ると、図示しないセンサによりそれが検知され、ロータ
リーソレノイド54が反時計方向に回転し、搬送ローラ40
の動力が歯車44及び58を介して歯車50に伝達される。歯
車50の動きは長板部材60,62,64により切欠歯車46に伝達
されるが、このときピン66の位置がＡにあるので、運動
の形態が変化し、切欠歯車46は連続に回転することな
く、所定の角度で反復運動する。これにより補助ローラ
34も反復運動することになり、原稿36を一度下方向へ送
った後に上方向に送ることになる。補助ローラ34の反復
回転角度は溝68のＡ位置を変更する（左右にずらす）こ
とにより調整可能である。

切欠歯車46の反復運動は歯車52を介して歯車48に伝達
されるが、このとき歯車48には一方向クラッチが取付け
られているので、保持ローラ32は矢印Ｃ方向にのみわず
かに回転し、補助ローラ34により平板30に沿って送られ
てきた原稿の端部をわずかに巻きこみ挾持する。保持ロ
ーラ32の回転量及び回転時期は切欠歯車46の歯部の歯数
及び切欠歯車46の歯部の歯車52に対する位置により調整
することができる。

このファクシミリ装置を机上に置いて使用する場合あ
るいは用紙の保持を行わない場合には、ピン66を溝68の
Ｂの位置にスライドすると、歯車50の回転運動は切欠歯
車46にすべて伝わり切欠歯車46は一方向に連続回転する
ので、補助ローラ34は原稿36を常に排出する方向に回転
する。

第６図は他の実施例説明図であり、保持ローラ32及び
補助ローラ34の駆動をパルスモータ等のモータによりそ
れぞれ独立に行うようにしたものである。保持ローラ用
モータ70及び補助ローラ用モータ72は図示しない制御手
段により制御され、同じく図示しない用紙通路上に設け
られた複数のセンサにより検出された用紙の位置信号に
従って回転駆動し、保持ローラ32及び補助ローラ34が所
定のタイミングで駆動される。保持ローラ32及び補助ロ
ーラ34の動きについては第５図の一実施例の場合と同様
なのでその説明は省略する。尚、補助ローラ34には切欠
部34aが形成されている。

このファクシミリ装置を机上に置いて使用する場合あ
るいは用紙の保持を行わない場合には、補助ローラ用モ
ータ72を駆動して補助ローラ34をその切欠部34aが平板3
0に対向するように回転して停止させておくことによ
り、用紙36の通過が自在となる。

第７図は本発明による用紙保持装置を搭載した壁掛け
可能なファクシミリ装置の外観図である。第８図に示し
た従来技術と同一構成部分には同一の番号を付しその説
明を一部省略する。

送信したい原稿36をガイド16にその一部を引掛けて原
稿取込口20に先端を揃えて載置し、ダイヤル手段12によ
り送信先をダイヤルする。送信先と回線がつながると原
稿36は１枚づつ装置10内部に取込まれ、画像データが送
信された後、順次原稿排出口22からその一部が排出され
るが、原稿36の後端部は用紙保持装置により保持されて
いるので、原稿36は落下することなく次ぎつぎに整列し
てぶら下がる。オペレータは必要により原稿36を下側へ
引張ることにより整列した原稿を取去ることができる。

尚、本実施例においては原稿の保持の場合について説
明したが、記録紙の場合について本保持装置を使用でき
ることはいうまでもない。

発明の効果 本発明は以上詳述したように、ファクシミリ装置等を
壁に掛けて使用する場合に、処理後の用紙を受止めるた
めのトレイを必要としないので、装置全体をコンパクト
にすることができ、操作性、安全性を向上することがで
きるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本発明の原理説明図、 第５図は本発明一実施例説明図、 第６図は本発明他の実施例説明図、 第７図は本発明を用いて構成したファクシミリ装置の外
観図、 第８図は従来のファクシミリ装置の外観図である。 30……平板、 32……保持ローラ、 34……補助ローラ、 36……用紙（原稿）。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】処理の終了した用紙を装置の下側に排出す
   るように構成した壁掛け可能な画像読取り、又は記録装
   置において、 用紙排出口の上側に用紙の後端部を保持する用紙押え手
   段を設け、用紙排出口の下側に用紙を下方向又は前記用
   紙押え手段の方向に選択的に送る用紙正逆送り手段を設
   け、前記用紙排出口から排出されている用紙を該用紙正
   逆送り手段により下方向に送り、用紙後端部が該用紙排
   出口から排出された後に、前記用紙正逆送り手段により
   前記用紙押え手段の方向に該用紙を逆送し、用紙の当該
   後端部が前記用紙押え手段に至ると同時に、前記用紙押
   え手段を作動せしめ、用紙の後端部を前記用紙押え手段
   により保持するように構成したことを特徴とする用紙保
   持装置。