以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
第1実施形態の半導体パッケージ10の構成について、図1〜図4Dを参照しつつ説明する。なお、本実施形態の半導体パッケージ10は、車両に搭載されて用いられると好適である。
図1〜図4Dに示されるように、半導体パッケージ10は、放熱部材20、半導体チップ30、封止部材60等を備える構成とされている。
放熱部材20は、窒化ケイ素(SiN)や窒化アルミニウム(ALN)等で構成される絶縁基板21を有している。そして、放熱部材20は、絶縁基板21の一面21aに一面金属膜22が形成されると共に、他面21bに他面金属膜23が形成された構成とされている。本実施形態では、一面金属膜22および他面金属膜23は、銅で構成され、厚さが10〜100μm程度とされている。また、一面金属膜22および他面金属膜23は、同じ平面形状とされ、絶縁基板21を挟んで対称に配置されている。
半導体チップ30は、図2および図3に示されるように、本実施形態では、2次元電子ガス(すなわち、2DEG)を利用した、高電子移動度トランジスタが形成されて構成されている。なお、図2は、図3中のII−II線に沿った断面に相当している。
具体的には、半導体チップ30は、シリコンや炭化珪素(以下では、単にSiCともいう)等で構成される支持基板31を有し、支持基板31上に、バッファ層32、半導体層33が順に積層されて構成されており、外形が略矩形状とされている。なお、半導体層33は、窒化ガリウム(GaN)層および窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層等のエピタキシャル層が積層されて構成され、内部に2次元電子ガスが生成されている。
半導体層33の表面には、ドレイン電極34およびソース電極35が互いに離れて形成されている。本実施形態では、ドレイン電極34およびソース電極35は、それぞれ櫛歯状に形成されると共に、互いの櫛歯が噛み合うように形成されている。なお、本実施形態では、ドレイン電極34が第1電極に相当し、ソース電極35が第2電極に相当している。
また、半導体層33の表面には、ドレイン電極34とソース電極35とで挟まれた部分に、絶縁膜36が形成されている。そして、絶縁膜36上において、ドレイン電極34およびソース電極35から離れた位置にゲート配線37が形成されている。このゲート配線37は、ソース電極35とドレイン電極34とで挟まれた部分を適宜引き回され、半導体層33の表面における外縁部に配置されたゲート電極38と接続されている。特に限定されるものではないが、ドレイン電極34、ソース電極35、およびゲート電極38は、例えば、銅で構成される。ゲート配線37は、例えば、アルミニウム、プラチナ、銅等の金属、または不純物がドープされたPoly−半導体等で構成される。
そして、半導体層33の表面には、ドレイン電極34、ソース電極35、ゲート電極38を露出させつつ、ゲート配線37を覆うように保護膜39が形成されている。
支持基板31のうちの半導体層33側と反対側の面には、他面電極40が形成されている。そして、他面電極40は、具体的には後述するが、ソース電極35と電気的に接続されている。これにより、他面電極40を介してソース電極35と支持基板31とが電気的に接続され、電流コラプスが抑制される。
このような半導体チップ30は、ゲート配線37に印加されるゲート電圧が制御されることにより、2次元電子ガスを介してドレイン電極34とソース電極35との間を流れる電流のオン、オフが制御される。つまり、本実施形態の半導体チップ30は、横型半導体素子が形成されて構成されている。
以上が本実施形態における半導体チップ30の構成である。このような半導体チップ30は、上記構成とされることにより、ソース電極35等が形成されている一面側、他面電極40が形成されている他面側、一面と他面との間を繋ぐ側面を有する略矩形状とされている。
そして、半導体チップ30は、図1に示されるように、他面電極40が放熱部材20と対向するように、放熱部材20に形成された一面金属膜22上に接合部材50を介して配置されている。接合部材50は、導電性を有する材料で構成されている。本実施形態では、接合部材50は、銀スズ(AgSn)を主成分とする焼結体で構成されている。このため、他面電極40は、接合部材50を介して一面金属膜22と電気的に接続された状態となっている。なお、接合部材50は、銀スズよりも熱伝導率の高い銅粉等が混入されて構成されることにより、さらに熱伝導率が高くなる。
また、本実施形態では、放熱部材20と半導体チップ30との積層方向(以下では、単に積層方向ともいう)において、接合部材50は、半導体チップ30よりも突出するように配置されている。言い換えると、積層方向において、接合部材50は、半導体チップ30が接合部材50内に位置するように配置されている。これにより、例えば、積層方向において、半導体チップ30が接合部材50よりも突出している場合と比較して、半導体チップ30と接合部材50との接合面における端部に応力が集中することを抑制できる。このため、半導体チップ30と接合部材50との接合面にクラックが発生することを抑制できる。
封止部材60は、半導体チップ30における接合部材50と接合される部分と異なる部分を封止しつつ放熱部材20と接合されるように、放熱部材20上に配置されている。つまり、封止部材60は、半導体チップ30における一面側および側面を封止するように、放熱部材20上に配置されている。封止部材60は、半導体チップ30の側面を封止する側面封止部材70と、半導体チップ30の一面側を封止する一面封止部材80とを有しており、それぞれ液晶ポリマ(以下では、単にLCPともいう)で構成されている。なお、LCPは、ガラスエポキシ樹脂よりも、材料強度が高く、かつ柔らかい材料である。つまり、LCPは、ガラスエポキシ樹脂よりもクラックが導入され難い材料である。
側面封止部材70は、本実施形態では、射出成型によって構成された射出成型品であり、略矩形状とされている。そして、側面封止部材70は、半導体チップ30の側面を封止しつつ、放熱部材20と接合されるように、放熱部材20上に配置されている。具体的には、側面封止部材70は、図1および図4Bに示されるように、積層方向に沿って貫通する第1貫通孔71が形成され、当該第1貫通孔71内に半導体チップ30および接合部材50が配置された状態となっている。なお、第1貫通孔71は、一面金属膜22の略中央部を露出させるように形成されている。
また、側面封止部材70には、一面金属膜22の外縁部を露出させるように第2貫通孔72が形成され、一面金属膜22と接続される下方接続ビア73が配置されている。この下方接続ビア73は、銀スズを主成分とする焼結体で構成されており、後述する上方接続ビア97とも接続される。なお、下方接続ビア73は、銀スズよりも熱伝導率の高い銅粉等が混入されて構成されることにより、さらに熱伝導率が高くなる。また、図4Aでは、一面金属膜22と接続される下方接続ビア73を点線で示している。そして、後述する同様の図においても、一面金属膜22と接続される下方接続ビア73を点線で示している。また、本実施形態では、下方接続ビア73は、円柱状に配置されている。
一面封止部材80は、図1および図4Cに示されるように、フィルム状の第1封止部材90と第2封止部材100とが積層されて構成されている。第1封止部材90は、一面90aおよび他面90bを有するLCPフィルムで構成されている。そして、第1封止部材90は、一面90a側に銅箔等で構成される複数のパターン91〜93が形成されていると共に、他面90b側から各パターン91〜93を露出させる貫通孔94、96が形成され、貫通孔94、96に上方接続ビア95、97が配置されている。なお、上方接続ビア95、97は、銀スズを主成分とする焼結体で構成される。そして、上方接続ビア97は、銀スズよりも熱伝導率の高い銅粉等が混入されて構成されることにより、さらに熱伝導率が高くなる。
具体的には、第1封止部材90の一面90aには、半導体チップ30のドレイン電極34と対向する位置に、ドレイン電極34と対応する形状とされたドレイン用パターン91が形成されている。第1封止部材90の一面90aには、半導体チップ30のソース電極35と対向する位置に、ソース電極35と対応する形状とされたソース用パターン92が形成されている。第1封止部材90の一面90aには、半導体チップ30のゲート電極38と対向する位置に、ゲート電極38と対応する形状とされたゲート用パターン93が形成されている。本実施形態では、ドレイン用パターン91が第1パターンに相当し、ソース用パターン92が第2パターンに相当する。
貫通孔94は、ドレイン用パターン91とドレイン電極34との間、ソース用パターン92とソース電極35との間、ゲート用パターン93とゲート電極38との間に形成されている。そして、各貫通孔94には、上方接続ビア95が配置されている。これにより、上方接続ビア95を介し、ソース用パターン92とソース用電極、ドレイン用パターン91とドレイン電極34、ゲート用パターン93とゲート電極38とが電気的に接続される。
本実施形態では、ドレイン用パターン91とドレイン電極34を接続する上方接続ビア95、およびソース用パターン92とソース電極35を接続する上方接続ビア95が複数形成されている。これにより、インダクタンスの低減を図ることができ、スイッチング動作の高速化を図ることができる。
なお、各パターン91〜93は、例えば、銅箔で形成される。この場合、各パターン91〜93は、パターン93の厚み方向への熱膨張が大きくならないように、約18μm以下の厚さとされることが好ましい。
また、貫通孔96は、ソース用パターン92と側面封止部材70の第2貫通孔72とを繋ぐ位置に形成されている。そして、この貫通孔96には、側面封止部材70の下方接続ビア73およびソース用パターン92と電気的に接続される上方接続ビア97が配置されている。これにより、本実施形態では、半導体チップ30のソース電極35は、上方接続ビア95、ソース用パターン92、上方接続ビア97、下方接続ビア73、一面金属膜22を介して他面電極40と電気的に接続される。
なお、図4Bおよび図4Cでは、上方接続ビア95、97を点線で示している。また、後述する同様の図においても、下方接続ビア73を点線で示している。そして、本実施形態では、上方接続ビア95は、円柱状に形成されている。以下では、側面封止部材70に形成された下方接続ビア73と当該下方接続ビア73と接続される上方接続ビア95とを纏め、単に封止部材60に形成された接続ビア61ともいう。つまり、本実施形態では、封止部材60に形成された接続ビア61は、ソース用パターン92と一面金属膜22とを接続するように配置され、円柱状とされている。
第2封止部材100は、図1および図4Dに示されるように、LCPフィルムで構成され、第1封止部材90上に配置されている。そして、第2封止部材100には、各パターン91〜93を露出させるコンタクトホール101が形成されている。これにより、ドレイン用パターン91のうちのコンタクトホール101から露出する部分にてドレイン用パッド91aが構成される。ソース用パターン92のうちのコンタクトホールから露出する部分にてソース用パッド92aが構成される。ゲート用パターン93のうちのコンタクトホール101から露出する部分にてゲート用パッド93aが構成される。なお、特に限定されるものではないが、各パターン91〜93は、例えば、18μm以下とされる。
なお、本実施形態では、コンタクトホール101は、積層方向において、半導体チップ30と異なる位置となる部分に形成されている。つまり、各パッド91a、92a、93aは、積層方向において、半導体チップ30と異なる位置に形成されている。言い換えると、各パッド91a、92a、93aは、積層方向において、半導体チップ30と重ならないように形成されている。これにより、各パッド91a、92a、93aにはんだ等を介してプリント基板等が実装された際、半導体チップ30に印加される応力を低減でき、半導体チップ30が破壊されることを抑制できる。なお、このような構成は、後述する各実施形態において、適宜適用可能である。
また、第2封止部材100は、後述するように、加圧されて第1封止部材90等と一体化される。このため、第2封止部材100は、第1封止部材90に形成されたドレイン用パターン91とソース用パターン92との間にも入り込んだ状態となっている。これにより、第2封止部材100は、ソルダーレジストとしての機能を発揮しつつ、ドレイン用パターン91とソース用パターン92との絶縁沿面距離を長くする機能も発揮することができる。
以上が本実施形態における封止部材60の構成である。そして、封止部材60は、積層方向において、放熱部材20内に位置するように配置されている。すなわち、放熱部材20は、積層方向において、放熱部材20内に封止部材60が位置する大きさとされている。つまり、絶縁基板21(すなわち、放熱部材20)の一面21aにおける外縁部は、封止部材60から露出した状態となっている。これにより、封止部材60と放熱部材20との接合面における端部に応力が集中することを抑制できる。このため、封止部材60と放熱部材20との接合面にクラックが発生することを抑制でき、封止部材60が放熱部材20から剥離することを抑制できる。
さらに、本実施形態では、各部材間は、密着性を高めるために活性基同士が結合される化学結合されており、詳しくは、共有結合(言い換えると、分子接合)されている。本実施形態では、放熱部材20と封止部材60との密着性が高くなるように、放熱部材20は、エタノール洗浄等の表面清浄化が行われた後、紫外線処理または大気圧プラズマ処理が行われる。その後、放熱部材20は、ケイ酸塩を含むアルカリ溶液を塗布することによって活性基が形成されている。
また、半導体チップ30の周辺部や、ドレイン電極34、ソース電極35、ゲート電極38等と封止部材60との密着性が高くなるように、ドレイン電極34等には、エタノール洗浄等の表面清浄化が行われた後、希硫酸エッチング等で酸化物除去が行われる。その後、ドレイン電極34等には、シラノール基およびアミノ基を有する有機化合物の水溶液が塗布されることによって活性基が形成されている。なお、周辺部とは、ドレイン電極34、ソース電極35、ゲート電極38等の周囲や、支持基板31、バッファ層32、半導体層33が積層されて構成される基板の側面等を含むものである。また、ドレイン電極34、ソース電極35、ゲート電極38等は、後述する上方接続ビア95と接続される部分となるため、これらの部分に活性基は形成されていなくてもよい。つまり、半導体チップ30には、ドレイン電極34、ソース電極35、ゲート電極38が形成される部分と異なる部分にのみ活性基が形成されるようにしてもよい。
さらに、側面封止部材70と第1封止部材90、および第1封止部材90と第2封止部材100との密着性が高くなるように、各部材70、90、100には、エタノール洗浄等の表面清浄化が行われた後、紫外線処理または大気圧プラズマ処理が行われる。その後、各部材70、90、100は、シラノール基及びアミノ基を有する有機化合物の水溶液が塗布されることによって活性基が形成されている。
以上が本実施形態における半導体パッケージ10の構成である。次に、上記半導体パッケージ10の製造方法について、図5A〜図5G、図6を参照しつつ説明する。なお、図5A〜図5Gは、隣合う2つの半導体パッケージ10を製造する工程を示す図であり、実際には、図6に示されるように、さらに複数の半導体パッケージ10が同じ工程で製造される。また、下記工程において各部材を用意する際には、適宜活性基を形成するための処理が実行されている。
まず、図5Aおよび図6に示されるように、上記絶縁基板21がダイシングラインDLを介して一体化された多連基板である構成基板210を用意する。そして、構成基板210のうちの絶縁基板21となる部分に一面金属膜22および他面金属膜23を形成する。
また、構成基板210には、他面金属膜23が形成される側の面のうちのダイシングラインDLに位置する部分に、ダイシングラインDLに沿って溝部211を形成する。この場合、溝部211は、構成基板210の厚さをtとすると、0.1t〜0.5t程度の深さとされる。また、ここでは、構成基板210のうちの他面金属膜23が形成される側の面に溝部211を形成する例について説明するが、溝部211は、構成基板210のうちの一面金属膜22が形成される側の面に形成されていてもよいし、他面金属膜23が形成される側の面および一面金属膜22が形成される側の面に形成されていてもよい。
そして、図5Bに示されるように、上記側面封止部材70がダイシングラインDLを介して一体化された側面構成部材700を用意する。次に、側面構成部材700のうちの側面封止部材70となる部分に、第1貫通孔71および第2貫通孔72を形成する。その後、例えば、第2貫通孔72に、圧入等によって下方接続ビア73を構成する焼結体73aを配置する。この場合、第2貫通孔72に印刷法等によって下方接続ビア73を構成する導電性ペーストを配置するようにしてもよい。なお、圧入等によって配置される焼結体73aは、例えば、銀スズを主成分とする焼結体が用いられる。印刷法によって配置される導電性ペーストは、銀スズを主成分とする粉末を有機溶剤に混入したものが用いられる。
同様に、図5Cに示されるように、上記第1封止部材90がダイシングラインDLを介して一体化された第1構成部材900を用意する。そして、第1構成部材900のうちの第1封止部材90となる部分に、ドレイン用パターン91およびソース用パターン92を形成する。また、図5Cとは別断面において、第1構成部材900のうちの第1封止部材90となる部分に、ゲート用パターン93を形成する。そして、第1構成部材900のうちの第1封止部材90となる部分に、レーザ等によって貫通孔94、96を形成し、貫通孔94、96に、圧入等により、上方接続ビア95、97を構成する焼結体95a、97aを配置する。この場合、貫通孔94、96に印刷法等によって上方接続ビア95、97を構成する導電性ペーストを配置するようにしてもよい。なお、圧入等によって配置される焼結体95a、97aは、例えば、銀スズを主成分とする焼結体が用いられる。印刷法によって配置される導電性ペーストは、銀スズを主成分とする粉末を有機溶剤に混入したものが用いられる。
また、図5Dに示されるように、上記第2封止部材100がダイシングラインDLを介して一体化された第2構成部材1000を用意する。そして、第2構成部材1000のうちの第2封止部材100となる部分に、コンタクトホール101を形成する。
続いて、図5Eに示されるように、構成基板210上に、側面構成部材700を配置すると共に第1貫通孔71に接合部材50を構成する焼結体50aを介して半導体チップ30を配置する。この場合、第1貫通孔71に印刷法等によって接合部材50を構成する導電性ペーストを配置するようにしてもよい。そして、側面構成部材700および半導体チップ30上に、第1構成部材900および第2構成部材1000を順に積層する。つまり、構成基板210上に、半導体チップ30を収容するように、側面構成部材700、第1構成部材900、および第2構成部材1000を配置する。なお、本実施形態では、側面構成部材700、第1構成部材900、および第2構成部材1000が封止構成部材に相当する。また、焼結体50aは、例えば、銀スズを主成分とする焼結体が用いられる。印刷法によって配置される導電性ペーストは、銀スズを主成分とする粉末を有機溶剤に混入したものが用いられる。
そして、図5Fに示されるように、加熱しながら積層方向に加圧することにより、構成基板210、側面構成部材700、半導体チップ30、第1構成部材900、第2構成部材1000を一体化する。この際、焼結体50a、73a、95a、97aから接合部材50、下方接続ビア73、上方接続ビア95、97が構成される。同様に、導電性ペーストを配置した場合には、各導電性ペーストから接合部材50、下方接続ビア73、上方接続ビア95、97が構成される。
その後、図5Gに示されるように、ダイシングラインDLに沿ってチップ単位に分割する。この際、本実施形態では、構成基板210に溝部211が形成されているため、ダイシングを容易に行うことができる。そして、絶縁基板21の一面21aにおける外縁部が封止部材60から露出するように、レーザ等により、封止部材60の外縁部を除去する。以上のようにして、上記図1に示す半導体パッケージ10が製造される。
以上説明したように、本実施形態では、封止部材60は、LCPで構成されており、LCPは、ガラスエポキシ樹脂よりも、材料強度が高く、かつ柔らかい材料である。このため、封止部材60にクラックが導入されることを抑制でき、半導体パッケージ10が破壊されることを抑制できる。
また、半導体パッケージ10は、放熱部材20と封止部材60との界面等では活性基同士が接合される化学結合で接合されている。具体的には、放熱部材20と封止部材60との界面等が共有結合で接合されている。このため、放熱部材20と封止部材60との界面等で剥離が発生することを抑制できる。また、半導体チップ30と封止部材60との界面等が化学結合で接合されている。このため、半導体チップ30と封止部材60との界面等で剥離が発生することを抑制できる。さらに、半導体チップ30と封止部材60との界面が化学結合で接合されているため、半導体チップ30と封止部材60との接合性を向上できる。したがって、半導体チップ30と封止部材60とが接合される領域の低減を図ることができる。特に、半導体チップ30として支持基板31をSiCで構成する場合には、支持基板31をシリコンで構成する場合と比較してコストが高くなり易い。このため、半導体チップ30と封止部材60とが接合される領域を低減することで半導体チップ30の大きさの低減を図ることにより、コストの低減を図ることができる。
そして、接合部材50は、積層方向において、半導体チップ30が接合部材50内に位置するように配置されている。このため、例えば、積層方向において、半導体チップ30が接合部材50よりも突出している場合と比較して、半導体チップ30と接合部材50との接合面における端部に応力が集中することを抑制できる。したがって、半導体チップ30と接合部材50との接合面にクラックが発生することを抑制できる。
さらに、放熱部材20は、積層方向において、放熱部材20内に封止部材60が位置する大きさとされている。このため、封止部材60と放熱部材20との接合面における端部に応力が集中することを抑制できる。したがって、封止部材60と放熱部材20との接合面にクラックが発生することを抑制でき、封止部材60が放熱部材20から剥離することを抑制できる。
また、側面封止部材70は、射出成型品で構成されるため、量産化を容易に実現できる。
さらに、ドレイン用パターン91とソース用パターン92との間には、第2封止部材100を構成するLCPが配置されている。このため、第2封止部材100は、ソルダーレジストとしての機能を発揮しつつ、ドレイン用パターン91とソース用パターン92との絶縁沿面距離を長くする機能も発揮することができる。
そして、本実施形態では、半導体チップ30のソース電極35は、他面電極40と電気的に接続されている。このため、電流コラプスの低減を図ることができる。
さらに、放熱部材20は、絶縁基板21に一面金属膜22および他面金属膜23が形成された構成とされている。このため、放熱部材20が反ることを抑制できる。この場合、本実施形態では、一面金属膜22および他面金属膜23は、同じ形状とされ、絶縁基板21を挟んで対称に形成されている。したがって、さらに放熱部材20が反ることを抑制できる。
また、半導体パッケージ10を製造する際には、構成基板210に溝部211を形成している。このため、ダイシングを容易に行うことができる。なお、本実施形態では、構成基板210と側面構成部材700等とを一体化する前に溝部211を形成する例について説明したが、構成基板210と側面構成部材700等とを一体化した後に溝部211を形成するようにしてもよい。つまり、溝部211は、ダイシングラインDLに沿ってチップ単位に分割する前に構成基板210に形成されていればよい。
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、側面封止部材70の構成を変更したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図7に示されるように、側面封止部材70は、複数層のLCPフィルムで構成される板状部材74が積層されて一体化されることで構成される。板状部材74は、LCPフィルム77と、当該LCPフィルム77に形成されたパターン75および、貫通孔76aに配置された接続ビア76を有する構成とされている。つまり、本実施形態では、側面封止部材70を構成する各板状部材74と、第1、第2封止部材90、100とは、それぞれLCPフィルム77にパターン75、91〜93やビア73、95、97が適宜形成された同様の構成とされている。そして、下方接続ビア73は、各板状部材74に形成されたパターン75および接続ビア76が接続されることで構成されている。つまり、接続ビア61は、上方接続ビア97と、下方接続ビア73を構成する、各板状部材74に形成されたパターン75および接続ビア76とで構成される。
また、本実施形態の半導体チップ30は、横型半導体素子が形成されて構成されている。そして、各板状部材74に形成されるパターン75は、電流を通す部分とはならない。したがって、各板状部材74に形成されるパターン75は、第1封止部材90に形成される各パターン91〜93より薄くされていてもよく、例えば、12μm以下とされる。これにより、パターン75を構成する材料の削減を図ることができる。
また、本実施形態では、積層方向において隣合う各板状部材74の接続ビア76は、パターン75を介して電気的に接続される。このため、各板状部材74の接続ビア76は、積層方向において重なり合うように配置されていてもよいし、積層方向において重ならないように配置されていてもよい。
なお、本実施形態においても、隣合う各板状部材74は、活性基同士が接合される化学結合で接合されることが好ましい。この場合、例えば、パターン75およびビア76のみに活性基を形成するようにしてもよい。これによれば、各板状部材74の全体に活性基を形成する場合と比較して、コストの低減を図ることもできる。
なお、このような側面封止部材70は、板状部材74を積層した後に加熱しながら加圧することで製造される。すなわち、本実施形態では、図5Bの工程では、図8Aに示されるように、LCPフィルム77がダイシングラインDLを介して一体化された板状部材構成部材770を用意する。なお、板状部材構成部材770は、側面封止部材70を構成するための層数に対応する数が用意される。この場合、板状部材構成部材770の数は、板状部材構成部材770の全体の厚さが半導体チップ30の厚さよりも厚くなる数とされることが好ましい。これにより、後述する図5F以降の加熱しながら加圧する工程において、成形後の品質の向上を図ることができる。また、上記第1実施形態における第1構成部材900および第2構成部材1000を用意することは、LCPフィルム77がダイシングラインDLを介して一体化された板状部材74を用意するということに関して、板状部材構成部材770を用意することと同様である。
そして、板状部材構成部材770に対し、第1貫通孔71に相当する貫通孔71aおよび貫通孔76aを形成し、貫通孔76aに接続ビア76を構成する構成体76bを配置する。構成体76bは、導電性ペーストや焼結体等が用いられる。
そして、図5Eの工程では、図8Bに示されるように、構成基板210上に、板状部材構成部材770を順に積層すると共に、半導体チップ30、第1構成部材900、第2構成部材1000を順に配置する。なお、図8Bでは、1つの半導体パッケージ10を構成する領域を示しているが、実際には、図5Eに示されるように、複数の半導体パッケージ10を構成する部分がダイシングラインDLで繋がっている。その後、図5F以降の工程を行うことにより、図7に示す半導体パッケージ10が製造される。
このように、側面封止部材70を射出成型品ではなく、複数の板状部材74が積層されて構成されるようにしても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、放熱部材20に一面金属膜22および他面金属膜23を備えないようにしたものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図9に示されるように、放熱部材20には、一面金属膜22および他面金属膜23が備えられていない。そして、半導体チップ30は、接合部材50を介して放熱部材20上に配置されている。なお、本実施形態の接合部材50は、銀粒子を有機溶剤に混入したもの等の導電性を有する材料で構成され、0.1nm〜20μm程度の厚さとされている。つまり、接合部材50は、上記第1実施形態で説明した一面金属膜22に対して十分に薄くされている。
また、接合部材50は、放熱部材20の面方向に沿って延設されており、下方接続ビア73と接続されている。つまり、接合部材50は、下方接続ビア73と接続される位置まで延設されている。そして、ソース用パターン92は、封止部材60に形成された接続ビア61を介して接合部材50と接続されることにより、半導体チップ30の他面電極40と接続されている。
これによれば、放熱部材20に一面金属膜22および他面金属膜23を配置しないため、部品点数の削減を図りつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、接合部材50は、一面金属膜22よりも十分に薄く形成される。このため、絶縁基板21の他面21bに接合部材50を配置しなくても、絶縁基板21は反り難い状態となっている。
また、放熱部材20に他面金属膜23を配置しないことにより、製造工程における上記図5Gのダイシングを行う際、構成基板210を固定し易くなる。したがって、ダイシングの簡略化を図ることもできる。
(第4実施形態)
第4実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、封止部材60に複数の接続ビア61を配置したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図10A〜図10Cに示されるように、接続ビア61が複数形成されている。具体的には、放熱部材20の一面金属膜22は、ドレイン用パターン91と接続されるドレイン用領域22a、ソース用パターン92と接続されるソース用領域22b、ゲート用パターン93と接続されるゲート用領域22cに区画形成されている。そして、半導体チップ30は、ソース用領域22b上に接合部材50を介して配置されている。本実施形態では、ドレイン用領域22aが第1領域に相当し、ソース用領域22bが第2領域に相当する。
側面封止部材70には、ドレイン用領域22aと接続される下方接続ビア73が複数形成されている。側面封止部材70には、ソース用領域22bと接続される下方接続ビア73が複数形成されている。側面封止部材70には、ゲート用領域22cと接続される下方接続ビア73が複数形成されている。
なお、ソース用領域22bと接続される下方接続ビア73は、上記第1実施形態よりも多数形成されている。また、本実施形態では、ドレイン用領域22aと接続される複数の下方接続ビア73およびソース用領域と接続される複数の下方接続ビア73は、半導体チップ30を挟んで反対側に位置するように形成されている。
第1封止部材90には、ドレイン用領域22aと接続される下方接続ビア73と接続されるように、上方接続ビア97が形成されている。第1封止部材90には、ソース用領域22bと接続される下方接続ビア73と接続されるように、上方接続ビア97が形成されている。第1封止部材90には、ゲート用領域22cと接続される下方接続ビア73と接続されるように、上方接続ビア97が形成されている。
つまり、封止部材60には、ドレイン用パターン91とドレイン用領域22aとを接続するように接続ビア61が形成されている。封止部材60には、ソース用パターン92とソース用領域22bとを接続するように接続ビア61が形成されている。封止部材60には、ゲート用パターン93とゲート用領域22cとを接続するように接続ビア61が形成されている。
また、本実施形態では、各接続ビア61は、ソース電極35とソース用パターン92とを接続する上方接続ビア95およびドレイン電極34とドレイン用パターン91とを接続する上方接続ビア95よりも径が小さくされている。言い換えると、各接続ビア61は、積層方向と直交する断面において、ソース電極35とソース用パターン92とを接続する上方接続ビア95およびドレイン電極34とドレイン用パターン91とを接続する上方接続ビア95よりも断面積が小さくされている。
以上説明したように、本実施形態では、一面金属膜22が複数の領域に区画されている。そして、ドレイン用パターン91およびゲート用パターン93は、接続ビア61を介して一面金属膜22に接続されている。このため、封止部材60には、多数の接続ビア61が形成された状態となる。したがって、接続ビア61により、封止部材60が積層方向に膨張することを抑制でき、接続ビア61にクラックが導入されることを抑制しつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、接続ビア61は、ドレイン電極34とドレイン用パターン91とを接続する上方接続ビア95およびソース電極35とソース用パターン92とを接続する上方接続ビア95よりも径が小さくされている。このため、接続ビア61がこれらの上方接続ビア95と同じ径とされている場合と比較すると、製造工程では、各貫通孔72、96に焼結体73a、97aを圧入によって配置し易くなる。したがって、製造工程の簡略化を図ることができる。なお、接続ビア61は、封止部材60の熱膨張を抑制するものであり、電流が流れるものではないため、径を小さくしても、半導体パッケージ10の電気的特性は特に変化しない。
また、特に図示しないが、接続ビア61は、形成される数が多いほど封止部材60の積層方向における熱膨張を抑制できるために好ましい。この場合、封止部材60の熱膨張を均等に抑制するため、接続ビア61は封止部材60の外面に沿って形成されるようにしてもよい。つまり、積層方向において、接続ビア61は、半導体チップ30を囲むように形成されていてもよい。言い換えると、接続ビア61は、半導体チップ30の各側面と対向するようにそれぞれ形成されていてもよい。例えば、図10A〜図10Cでは、紙面左右方向における両端部にも、ドレイン用パターン91とドレイン用領域22aとを接続する接続ビア61(すなわち、下方接続ビア73および上方接続ビア97)を形成するようにしてもよい。つまり、図11に示されるように、接続ビア61は、半導体チップ30を囲むように形成されていてもよい。
(第5実施形態)
第5実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、テスト用パターンを配置したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図12A〜図12Cに示されるように、第1封止部材90の一面90aに、ドレイン用パターン91、ソース用パターン92、ゲート用パターン93と区画形成されたテスト用パターン98が配置されている。なお、テスト用パターン98は、ドレイン用パターン91等と同様に、銅箔等で形成される。
そして、第1封止部材90には、テスト用パターン98と接続される上方接続ビア97が形成されている。また、側面封止部材70には、テスト用パターン98と接続される上方接続ビア97と一面金属膜22とを接続するように、下方接続ビア73が形成されている。つまり、封止部材60には、テスト用パターン98と一面金属膜22とを接続するように、接続ビア61が形成されている。そして、ソース用パターン92とテスト用パターン98とは、共に一面金属膜22と電気的に接続されて同電位とされている。
これによれば、テスト用パターン98とソース用パターン92との間の導通抵抗を測定することにより、半導体チップ30のソース電極35と他面電極40との導通状態を検査しつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)
第6実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、半導体チップ30および放熱部材20の構成を変更したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図13に示されるように、半導体チップ30が、絶縁基板41、支持基板31、バッファ層32、半導体層33が順に積層されて構成されている。なお、絶縁基板41は、窒化ケイ素や窒化アルミニウム等で構成されている。また、本実施形態では、支持基板31が第1基板に相当し、半導体層33が第2基板に相当している。
そして、支持基板31および絶縁基板41は、平面の大きさがバッファ層32および半導体層33よりも大きくされている。つまり、支持基板31および絶縁基板41は、絶縁基板41、支持基板31、バッファ層32、半導体層33の積層方向において、半導体層33およびバッファ層32よりも突出する部分を有する形状とされている。そして、支持基板31のうちの半導体層33およびバッファ層32よりも突出する部分には、電極膜42が形成されている。なお、本実施形態では、半導体チップ30には、他面電極40が配置されていない。
そして、半導体チップ30は、絶縁基板41が接合部材50を介して放熱部材20上に配置されている。本実施形態の接合部材50は、銀粒子、または銀およびスズの金属粒子を有機溶剤に混入したもの等の焼結体で構成されていてもよいが、絶縁基板41と半導体チップ30とを機械的に接続できるものであればよく、高放熱の接着剤等で構成されていてもよい。
そして、封止部材60には、ソース用パターン92と電極膜42とが電気的に接続されるように接続ビア61が形成されている。つまり、本実施形態では、ソース電極35は、上方接続ビア95、ソース用パターン92、接続ビア61、電極膜42を介して支持基板31と電気的に接続されている。このように、ソース電極35と支持基板31とを電気的に接続するようにしても、電流コラプスの低減を図ることができる。
また、本実施形態では、上記のようにソース電極35と支持基板31とが電気的に接続されているため、放熱部材20は、銅等の金属板24で構成されている。このため、例えば、放熱部材20を窒化ケイ素や窒化アルミニウム等で構成した場合と比較して、放熱部材20の放熱性を向上できる。
以上説明したように、本実施形態では、放熱部材20を金属板24で構成しているため、放熱部材20の放熱性を向上しつつ、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)
第7実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、複数の半導体チップ30を一体的に封止部材60で封止したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、2つの半導体チップ30が一体的に封止部材60で封止された、いわゆる2in1パッケージとされている。なお、2つの半導体チップ30は、同じ構成とされている。以下では、一方の半導体チップ30を第1半導体チップ30aとし、他方の半導体チップ30を第2半導体チップ30bとして説明する。なお、図14中では、紙面右側に第1半導体チップ30aが示され、紙面右側に第2半導体チップ30bが示されている。
具体的には、放熱部材20には、2つの一面金属膜22が形成されており、互いに分離されている。そして、各一面金属膜22上に、それぞれ接合部材50を介して第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bが配置されている。
封止部材60は、第1、第2半導体チップ30a、30bを一体的に封止するように配置されている。具体的には、側面封止部材70は、第1、第2半導体チップ30a、30bの側面を封止するように配置されている。また、一面封止部材80は、第1、第2半導体チップ30a、30bの一面側を封止するように配置されている。
第1封止部材90には、第1半導体チップ30aのドレイン電極34と接続されるドレイン用パターン91、第2半導体チップ30bのソース電極35と接続されるソース用パターン92が形成されている。また、第1封止部材90には、第1半導体チップ30aのソース電極35および第2半導体チップ30bのドレイン電極34と電気的に接続される接続パターン99が形成されている。さらに、第1封止部材90には、図14とは別断面において、第1半導体チップ30aのゲート電極38と接続されるゲート用パターン93、および第2半導体チップ30bのゲート電極38と接続されるゲート用パターン93がそれぞれ形成されている。
そして、第1封止部材90には、第1半導体チップ30aのドレイン電極34とドレイン用パターン91とを接続するように上方接続ビア95が形成されている。第1封止部材90には、第2半導体チップ30bのソース電極35とソース用パターン92とを接続するように上方接続ビア95が形成されている。第1封止部材90には、第1半導体チップ30aのソース電極35と接続パターン99とを接続するように上方接続ビア95が形成されていると共に、第2半導体チップ30bのドレイン電極34と接続パターン99とを接続するように上方接続ビア95が形成されている。つまり、第1、第2半導体チップ30a、30bは、第1半導体チップ30aのソース電極35と第2半導体チップ30bのドレイン電極34とが電気的に接続された状態となっている。
また、第1封止部材90には、図14とは別断面において、第1半導体チップ30aのゲート電極38とゲート用パターン93とを接続するように上方接続ビア95が形成されている。第1封止部材90には、第2半導体チップ30bのゲート電極38とゲート用パターン93とを接続するように上方接続ビア95が形成されている。
そして、封止部材60には、接続パターン99と第1半導体チップ30aが配置されている一面金属膜22とを接続するように、接続ビア61が形成されている。封止部材60には、ソース用パターン92と第2半導体チップ30bが配置されている一面金属膜22とを接続するように、接続ビア61が形成されている。これにより、第1、第2半導体チップ30a、30bは、それぞれソース電極35と他面電極40とが電気的に接続される。
第2封止部材100は、ドレイン用パターン91、ソース用パターン92、接続パターン99の一部を露出させるコンタクトホール101が形成されている。そして、ドレイン用パターン91、ソース用パターン92、接続パターン99のうちのコンタクトホール101から露出する部分が、ドレイン用パッド91a、ソース用パッド92a、接続用パッド99aとなる。
また、第2封止部材100は、図14とは別断面において、ゲート用パターン93の一部を露出させるコンタクトホール101が形成されている。そして、上記図4D等で説明したように、ゲート用パターン93のうちのコンタクトホール101から露出する部分がゲート用パッド93aとなる。
このような半導体パッケージ10は、例えば、DC/DCコンバータ回路やインバータ回路において、第1半導体チップ30aが上アームを構成すると共に第2半導体チップ30bが下アームを構成するように用いられる。この場合、ドレイン用パッド91aが高電圧側パッド、ソース用パッド92aが低電圧側パッド、接続用パッド99aが出力パッドとなる。そして、上記半導体パッケージ10は、図15に示されるように、被実装部材としてのプリント基板110および冷却器140等と共に電子装置1を構成するようにして用いられる。
プリント基板110は、一面110aおよび一面110aと反対側の他面110bを有している。そして、プリント基板110は、一面110aに一面配線パターン111が形成されていると共に他面110bに他面配線パターン112が形成され、一面配線パターン111と他面配線パターン112とを電気的に接続するようにスルーホール電極113が形成されている。また、プリント基板110には、一面配線パターン111上に、セラミックコンデンサ等の電子部品114が接続部材としてのはんだ115等を介して配置されている。
そして、半導体パッケージ10は、ドレイン用パッド91a、ソース用パッド92a、接続用パッド99aがプリント基板110の他面配線パターン112と、接続部材としてのはんだ120を介してそれぞれ接続されている。また、半導体パッケージ10は、図15とは別断面において、ゲート用パッド93aがプリント基板110の他面配線パターン112とはんだ120を介して接続されている。なお、はんだ120は、高さを確保することで信頼性を向上できるように、ペースト状で配置されるのではなく、はんだバンプで構成されることが好ましい。
さらに、プリント基板110と半導体パッケージ10との間には、はんだ120の信頼性や、ドレイン用パッド91a、ソース用パッド92a、ゲート用パッド93a、接続用パッド99aの間の絶縁性を確保するため、アンダーフィル材130が配置されている。
そして、半導体パッケージ10における他面金属膜23には、放熱グリース等の接続部材141を介して金属等で構成される冷却器140が配置される。
以上説明したように、複数の半導体チップ30を封止部材60で一体的に封止した半導体パッケージ10としても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態の変形例)
第7実施形態の変形例について説明する。第7実施形態では、2つの半導体チップ30が封止部材60に封止された半導体パッケージ10について説明したが、次のような半導体パッケージ10としてもよい。例えば、半導体パッケージ10は、4つの半導体チップ30が封止部材60に封止された、いわゆる4in1パッケージとされていてもよい。また、半導体パッケージ10は、6つの半導体チップ30が封止部材60に封止された、いわゆる6in1パッケージとされていてもよい。
(第8実施形態)
第8実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、半導体チップ30に縦型半導体素子を形成したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図16に示されるように、半導体チップ30に縦型の半導体素子が形成されて構成されている。例えば、本実施形態の半導体チップ30は、シリコンやSiC等で構成される半導体基板43を有している。そして、半導体チップ30は、詳細な構成については図示しないが、放熱部材20側にドレイン電極34が形成され、放熱部材20と反対側にソース電極35等が形成されている。また、半導体チップ30は、図16とは別断面において、放熱部材20と反対側にゲート配線37やゲート電極38等が形成されている。そして、半導体チップ30は、ドレイン電極34が導電性を有する接合部材50を介して一面金属膜22と接続されている。なお、本実施形態では、ドレイン電極34が第1電極および他面電極に相当する。
第1封止部材90には、ソース用パターン92およびドレイン用パターン91が形成されている。また、第1封止部材90には、図16とは別断面において、ゲート用パターン93が形成されている。
そして、第1封止部材90には、ソース用パターン92とソース電極35とを接続するように、貫通孔94内にベタパターン95bが配置されている。なお、本実施形態では、抵抗を低減できるようにベタパターン95bが配置されているが、ソース用パターン92とソース電極35は、第1実施形態等と同様に、上方接続ビア95で接続されていてもよい。また、図16とは別断面において、ゲート用パターン93とゲート電極38とを接続するように、上方接続ビア95が配置されている。
さらに、封止部材60には、ドレイン用パターン91と一面金属膜22とを電気的に接続するように、接続ビア61が形成されている。これにより、ドレイン用パターン91が接続ビア61および一面金属膜22を介してドレイン電極34と接続される。なお、この接続ビア61は、電流を流す機能を発揮するため、インダクタンスを小さくできるように複数形成されることが好ましい。
以上説明したように、半導体チップ30に縦型半導体素子を形成しても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第9実施形態)
第9実施形態について説明する。本実施形態は、上記第2実施形態に対し、半導体チップ30と放熱部材20との間にも板状部材74を配置したものである。その他に関しては、上記第2実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図17に示されるように、半導体チップ30の他面電極40と放熱部材20との間にも板状部材74が配置されている。本実施形態では、半導体チップ30の他面電極40と放熱部材20との間に配置される板状部材74を下層板状部材740ともいい、下層板状部材740上に配置される板状部材74を中層板状部材840ともいう。そして、下層板状部材740は、LCPフィルム77に下層接続ビア760が適宜形成された構成とされており、一面金属膜22を覆うように配置されている。中層板状部材840は、LCPフィルムに中層パターン850や中層接続ビア860が適宜形成された同様の構成とされており、下層板状部材740上に配置されている。
そして、半導体チップ30の他面電極40と一面金属膜22とは、下層板状部材740に形成された下層接続ビア760を介して接続されている。また、本実施形態では、一面金属膜22が中層板状部材840に形成された中層接続ビア860の下方まで延設されている。そして、中層接続ビア860は、下層接続ビア760を介して一面金属膜22と接続されている。これにより、本実施形態では、半導体チップ30の他面電極40がソース電極35と電気的に接続される。なお、本実施形態では、下層板状部材740が一面金属膜22を覆うことができるように、一面金属膜22の厚さが上記第1実施形態の一面金属膜22よりも薄く形成されている。そして、絶縁基板21の他面21bには、他面金属膜23が備えられていない。但し、絶縁基板21の他面21bに他面金属膜23が備えられる構成としてもよい。
また、本実施形態では、放熱部材20の一面21aにおける外縁部も封止部材60で封止されている。つまり、封止部材60は、積層方向において、外縁端部が放熱部材20の外縁端部と一致するように配置されている。なお、このような半導体パッケージ10は、上記の図5Gの工程において、ダイシングラインDLに沿ってチップ単位に分割した後、封止部材60の外縁部を除去しないようにすればよい。また、上記各実施形態および後述する各実施形態においては、各実施形態の態様に合わせ、放熱部材20の一面21aにおける外縁部が封止部材60で封止されていてもよいし、放熱部材20の一面21aにおける外縁部が封止部材60から露出していてもよい。
以上説明したように、下層板状部材740を配置し、下層板状部材740に形成された下層接続ビア760を介して半導体チップ30の他面電極40がソース電極35と接続されるようにしてもよい。
(第10実施形態)
第10実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、下層接続ビア760の配置場所を規定したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図18に示されるように、下層接続ビア760が半導体チップ30の内縁部分と接続されるように配置されており、下層接続ビア760が半導体チップ30の外縁部分と接続されるようには配置されていない。本実施形態では、下層接続ビア760は、半導体チップ30の厚さである距離Lだけ半導体チップ30の外縁端部から離れた位置に配置されている。
このような半導体パッケージ10では、下層接続ビア760が破壊されることを抑制でき、信頼性の向上を図ることができる。すなわち、半導体チップ30は、外縁部分ほど曲がり易く、大きな応力が発生し易い。このため、下層接続ビア760を半導体チップ30のうちの応力が大きくなる部分と異なる部分に配置することにより、下層接続ビア760が破壊されることを抑制できる。
(第11実施形態)
第11実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、下層板状部材740の構成を変更したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図19および図20に示されるように、下層板状部材740に形成される下層接続ビア760の径が配置される場所によって異なっている。具体的には、下層接続ビア760は、半導体チップ30の内縁部分と接続される部分の径が、半導体チップ30の外縁部分と接続される部分の径より大きくされている。言い換えると、下層接続ビア760は、半導体チップ30の内縁部分と接続される部分の接続面積が、半導体チップ30の外縁部分と接続される部分の接続面積より大きくされている。より詳しくは、下層接続ビア760は、半導体チップ30の内縁部分と接続される部分から外縁部分と接続される部分に向かって径が次第に小さくされている。
このような半導体パッケージ10では、半導体チップ30の内縁部分の方が外縁部分よりも高温になり易い。このため、半導体チップ30のうちの高温となる部分に径の大きな下層接続ビア760を配置することにより、放熱性を向上できる。また、半導体チップ30は、上記第10実施形態でも記載したように、外縁部分ほど曲がり易く、大きな応力が発生し易い。このため、半導体チップ30のうちの応力が大きくなり易い部分に径の小さな下層接続ビア760を配置することにより、下層接続ビア760が破壊されることを抑制できる。つまり、本実施形態の半導体パッケージ10によれば、放熱性を向上しつつ、下層接続ビア760が破壊されることを抑制できる。
(第12実施形態)
第12実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、下層板状部材740の構成を変更したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図21に示されるように、下層板状部材740は、放熱部材20側から第1下層板状部材741と第2下層板状部材742とが順に積層されて構成されている。そして、第1下層板状部材741には、下層接続ビア760としての第1下層接続ビア761が形成されている。第2下層板状部材742には、下層パターン752、および下層接続ビア760としての第2下層接続ビア762が形成されている。
具体的には、第2下層板状部材742には、半導体チップ30の他面電極40と接続されるように複数の第2下層接続ビア762が形成されていると共に、中層板状部材840に形成されている中層接続ビア860と接続されるように第2下層接続ビア762が形成されている。そして、第2下層板状部材742には、各第2下層接続ビア762を互いに接続するように下層パターン752が形成されている。つまり、下層パターン752は、半導体チップ30の下方に位置する部分から中層接続ビア860の下方に位置する部分まで延設されている。
第1下層板状部材741には、第2下層板状部材742に形成された下層パターン752と一面金属膜22とを接続するように複数の第1下層接続ビア761が形成されている。なお、本実施形態の一面金属膜22は、下層パターン752と略同じ大きさとされ、下層パターン752と対向するように形成されている。つまり、一面金属膜22は、下層パターン752と同様に、半導体チップ30の下方に位置する部分から中層接続ビア860の下方に位置する部分まで延設されている。そして、第1下層接続ビア761は、積層方向において、半導体チップ30の外側となる部分でも下層パターン752と接続されている。
また、本実施形態では、図21および図22に示されるように、第1下層板状部材741に形成される第1下層接続ビア761は、第2下層板状部材742に形成される第2下層接続ビア762よりも径が大きくされている。さらに、第1下層板状部材741に形成される第1下層接続ビア761と第2下層板状部材742に形成される第2下層接続ビア762とは、積層方向において、異なる位置となるように形成されている。言い換えると、第1下層板状部材741に形成される第1下層接続ビア761と第2下層板状部材742に形成される第2下層接続ビア762とは、積層方向において、重ならないように配置されている。本実施形態では、第1下層板状部材741に形成される第1下層接続ビア761と第2下層板状部材742に形成される第2下層接続ビア762とは、積層方向から視たとき、互い違いとなる千鳥状となるように形成されている。なお、図22では、理解をし易くするため、第1下層接続ビア761にハッチングを施してある。
以上説明したように、下層板状部材740を第1下層板状部材741および第2下層板状部材742を積層して構成してもよい。そして、このような半導体パッケージ10では、第2下層板状部材742の方が第1下層板状部材741よりも高温になり易い。このため、第2下層板状部材742に形成される第2下層接続ビア762を第1下層板状部材741に形成される第1下層接続ビア761よりも小さくすることにより、第2下層接続ビア762が破壊されることを抑制でき、信頼性の向上を図ることができる。
また、一面金属膜22および第2下層板状部材742に形成される下層パターン752は、積層方向において、半導体チップ30の外側まで延設されている。そして、第1下層板状部材741に形成される第1下層接続ビア761は、積層方向において、半導体チップ30の外側でも第2下層板状部材742に形成される下層パターン752と接続されている。このため、半導体チップ30で発生する熱が第2下層接続ビア762から下層パターン752に伝搬されると、熱は、下層パターン752を平面方向に拡散しつつ、第1下層接続ビア761、一面金属膜22を通じて絶縁基板21へと伝搬される。したがって、積層方向において、第1下層板状部材741に形成される第1下層接続ビア761が半導体チップ30の内側のみで第2下層板状部材742に形成される下層パターン752と接続されている場合と比較して、放熱性を向上できる。この場合、特に図示しないが、第2下層接続ビア762より第1下層接続ビア761の数を多くすることにより、さらに放熱部材20へ放熱し易くできる。
さらに、第1下層接続ビア761と第2下層接続ビア762とは、積層方向において、異なる位置となるように形成されている。このため、第1下層接続ビア761と第2下層接続ビア762とが積層方向において重なっている場合と比較して、第1下層接続ビア761および第2下層接続ビア762に発生し得る応力を低減でき、さらに信頼性の向上を図ることができる。
(第13実施形態)
第13実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、絶縁基板21に粗化部を形成したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図23に示されるように、絶縁基板21には、封止部材60と接合される部分に粗化部25が形成されている。本実施形態では、粗化部25は、絶縁基板21のうちの一面金属膜22が形成されている部分を囲む枠状に形成されている。このような粗化部25は、例えば、絶縁基板21をレーザ処理やブラスト処理等することによって形成される。
これによれば、絶縁基板21に粗化部25が形成されているため、粗化部25が形成されている部分では、下層板状部材740と絶縁基板21との密着力を向上させることができる。このため、下層板状部材740と絶縁基板21とが剥離することを抑制できる。
(第13実施形態の変形例)
第13実施形態の変形例について説明する。上記第13実施形態において、絶縁基板21には、図24に示されるように、粗化部25の代わりに溝部26を形成するようにしてもよい。これによれば、溝部26が形成されている部分では、下層板状部材740を構成するLCPフィルム77と絶縁基板21との密着力を向上させることができるため、上記第12実施形態と同様の効果を得ることができる。また、溝部26を形成することにより、仮に、下層板状部材740と絶縁基板21との界面から剥離が進行する場合には、溝部26によって剥離の進行方向が変化する。このため、剥離の進行を抑制することもできる。
(第14実施形態)
第14実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、絶縁基板21に凹部を形成したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図25に示されるように、絶縁基板21の一面21a側に凹部27が形成されている。凹部27は、底面が半導体チップ30の平面の大きさより大きくされており、深さが半導体チップ30の厚さより浅くされている。
一面金属膜22は、凹部27の底面から凹部27が形成されている部分の周囲にまで延設されている。そして、一面金属膜22は、凹部27が形成されている部分と異なる部分において、下方接続ビア73と接続されている。
半導体チップ30は、他面電極40側が凹部27に収容されるように配置されている。但し、半導体チップ30は、ドレイン電極34やソース電極35側の一部が凹部27から突出するように、凹部27に収容されている。
このような半導体パッケージ10では、半導体チップ30が絶縁基板21に形成された凹部27内に配置されるため、半導体チップ30を封止する封止部材60の樹脂量を低減できる。このため、絶縁基板21よりも高価となり易いLCPの使用量を低減でき、ひいてはコストの削減を図ることができる。
(第15実施形態)
第15実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、中層板状部材840から中層パターン850を除外したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図26に示されるように、中層板状部材840に中層パターン850が形成されていない。そして、各中層板状部材840における中層接続ビア860は、互いにそのまま接続されている。
このような半導体パッケージ10は、例えば、次のように製造される。すなわち、上記第2実施形態で説明した図8Aの板状部材構成部材770を用意する際には、中層板状部材840を構成する板状部材構成部材770に対して貫通孔76aを形成せず、構成体76bも配置しない。そして、中層板状部材840を構成する板状部材構成部材770および下層板状部材740を構成する板状部材構成部材770を積層し、仮プレス等して予め一体化する。次に、レーザ、ドリル、パンチ等により、中層板状部材840を構成する板状部材構成部材770および下層板状部材740を構成する板状部材構成部材770に対して一括して貫通孔76aを形成する。続いて、貫通孔76aに、導電性ペースト等の構成体76bを配置する。これにより、中層板状部材840に中層パターン850を形成しなくても、各中層板状部材840に形成される中層接続ビア860が容易に接続される。
これによれば、中層板状部材840における中層パターン850を削減できるため、部材の削減を図ることができる。
なお、本実施形態は、上記各実施形態や後述する各実施形態に適用可能である。そして、例えば、本実施形態を第12実施形態に対しても適用する場合には、第2下層板状部材742に形成される第2下層接続ビア762と第1下層板状部材741に形成される第1下層接続ビア761との間に配置される下層パターン752を削除するようにしてもよい。この場合、下層パターン752は、半導体チップ30の下方に位置する部分のみを有する構成とできる。つまり、本実施形態では、積層方向において隣合う板状部材74において、適宜パターン75を除去した半導体パッケージ10とできる。
(第16実施形態)
第16実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、半導体チップ30に縦型の半導体素子を形成したものである。つまり、上記第9実施形態に第8実施形態を組み合わせたものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図27に示されるように、半導体チップ30が第8実施形態と同様の縦型の半導体素子が形成されて構成されている。具体的には、半導体チップ30は、放熱部材20側にドレイン電極34が形成され、放熱部材20と反対側にソース電極35が形成されている。また、半導体チップ30は、図27とは別断面において、放熱部材20と反対側にゲート配線37やゲート電極38等が形成されている。
そして、半導体チップ30は、ドレイン電極34が下層接続ビア760を介して一面金属膜22と接続されている。なお、本実施形態では、ドレイン電極34が第1電極および他面電極に相当する。
このように、封止部材60を複数の板状部材74で構成しつつ、半導体チップ30に縦型半導体素子を形成するようにしてもよい。
(第17実施形態)
第17実施形態について説明する。本実施形態は、上記第16実施形態に対し、封止部材60にコンデンサも配置したものである。その他に関しては、上記第16実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図28に示されるように、封止部材60には、一対の電極150a、150bを有するコンデンサ150も配置されている。具体的には、コンデンサ150は、半導体チップ30の近傍であって、半導体チップ30の側方に配置されている。また、コンデンサ150は、一方の電極150aが第1封止部材90側に位置し、他方の電極150bが下層板状部材740側に位置するように配置されている。なお、本実施形態のコンデンサ150は、シリコン等で構成されており、半導体チップ30の厚さとほぼ等しくされている。
第1封止部材90に形成されるソース用パターン92は、コンデンサ150と対向する部分まで延設されている。絶縁基板21に形成される一面金属膜22は、コンデンサ150と対向する部分まで延設されている。
そして、コンデンサ150は、電極150aがソース用パターン92と上方接続ビア95を介して接続されていると共に、半導体チップ30のドレイン電極34と接続される一面金属膜22と下層接続ビア760を介して接続されている。
なお、本実施形態では、ソース用パターン92、上方接続ビア95、一面金属膜22、下層接続ビア760が配線層に相当する。また、このような半導体パッケージ10は、半導体チップ30と同様に、コンデンサ150を板状部材構成部材770内に配置することで製造される。
本実施形態の半導体パッケージ10は、コンデンサ150を封止部材60内に配置しているため、半導体チップ30とコンデンサ150とを近接して配置することができ、半導体チップ30とコンデンサ150とを接続する配線層を短くできる。このため、寄生インダクタンスの低減を図ることができる。
また、本実施形態の半導体パッケージ10は、コンデンサ150を半導体チップ30と同様に封止部材60内に配置することで構成される。このため、コンデンサ150を別の場所に配置して半導体チップ30と接続する場合と比較して、構造の簡素化を図ることができると共に、製造工程の簡略化を図ることができる。
なお、上記では、コンデンサ150が半導体チップ30と同じ厚さである例について説明したが、例えば、コンデンサ150は、半導体チップ30より薄く形成されていてもよい。この場合は、例えば、コンデンサ150の電極150aとソース用パターン92との間に配置される中層板状部材840に適宜中層パターン850や中層接続ビア860を形成することにより、コンデンサ150の電極150aとソース用パターン92とが接続されるようにすればよい。
(第18実施形態)
第18実施形態について説明する。本実施形態は、第9実施形態に対し、半導体パッケージ10の第2封止部材100上に放熱部材を追加したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図29に示されるように、第2封止部材100上にも放熱部材160が配置されている。本実施形態では、放熱部材160は、半導体チップ30と対向しつつ、第2封止部材100のうちのコンタクトホール101が形成される部分と異なる部分に配置されている。
そして、第2封止部材100には、放熱部材160とソース用パターン92とを接続するように、第2封止部材100を貫通する貫通孔102に上方接続ビア103が形成されている。これにより、放熱部材160とソース用パターン92とが熱的に接続される。
これによれば、放熱部材160からも半導体チップ30で発生する熱を放熱できるため、さらに放熱性の向上を図ることができる。
(第19実施形態)
第19実施形態について説明する。本実施形態は、第9実施形態に対し、半導体パッケージ10の放熱部材20側に高放熱部材を追加したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図30に示されるように、放熱部材20を構成する絶縁基板21の他面21bに、絶縁基板21よりも熱伝導率の高い材料で構成された高放熱部材170が配置されている。そして、本実施形態の高放熱部材170は、放熱部材20よりも平面方向の大きさが大きくされている。なお、このような高放熱部材170は、例えば、銅やアルミニウム等の金属材料で構成される。
そして、絶縁基板21と高放熱部材170とは、銀スズを主成分とする焼結体等の接合部材171で接続されている。なお、絶縁基板21と高放熱部材170とは、活性基同士が接合される共有結合で接続されていてもよい。
これによれば、放熱部材20から高放熱部材170を介して放熱できるため、さらに放熱性を向上できる。また、本実施形態では、高放熱部材170は、平面方向の大きさが絶縁基板21よりも大きくされているため、高放熱部材170の平面方向の大きさが絶縁基板21以下の大きさとされている場合と比較して、さらに放熱性を向上できる。そして、本実施形態の半導体パッケージ10は、上記第7実施形態のように冷却器140に実装される際、高放熱部材170が放熱グリース等の接続部材141を介して冷却器140に実装される。このため、高放熱部材170の平面方向の大きさを大きくすることにより、高放熱部材170と接続部材141との接触面積が大きくでき、さらに放熱性を向上できる。
(第19実施形態の変形例)
上記第19実施形態の変形例について説明する。上記第19実施形態において、放熱部材20として、絶縁基板21を用いる代わりに、高放熱部材170をそのまま半導体チップ30の他面電極40側に配置するようにしてもよい。この場合、高放熱部材170は、金属で構成される場合には導電性を有する。このため、放熱部材20を高放熱部材170で構成する場合には、高放熱部材170と一面金属膜22との間にLCPフィルム等を配置するようにすればよい。
また、上記第19実施形態において、上記第1実施形態のように絶縁基板21の他面21bに他面金属膜23を配置すると共に当該他面金属膜23の厚さを厚くすることにより、他面金属膜23を高放熱部材170として機能させるようにしてもよい。
さらに、上記第19実施形態において、高放熱部材170は、平面方向の大きさが絶縁基板21より小さくされていてもよい。
(第20実施形態)
第20実施形態について説明する。本実施形態は、上記第16実施形態に対し、縦型半導体素子が形成された2つの半導体チップ30を備えるものである。その他に関しては、上記第16実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図31に示されるように、上記第7実施形態と同様に、2つの半導体チップ30が一体的に封止部材60で封止された、いわゆる2in1パッケージとされている。なお、2つの半導体チップ30は、それぞれ上記第16実施形態と同様の構成とされている。つまり、各半導体チップ30は、他面側にドレイン電極34が形成され、一面側にソース電極35およびゲート電極38等が形成されて構成されている。以下では、一方の半導体チップ30を第1半導体チップ30aとし、他方の半導体チップ30を第2半導体チップ30bとして説明する。なお、図31では、紙面右側に第1半導体チップ30aが示され、紙面右側に第2半導体チップ30bが示されている。そして、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bは、放熱部材20と反対側にドレイン電極34が位置し、放熱部材20側にソース電極35やゲート電極38等が位置するように配置されている。なお、ゲート電極38は、図31とは別断面に形成されている。
第1封止部材90および第2封止部材100は、上記第7実施形態と同様の構成とされている。すなわち、第1封止部材90には、第1半導体チップ30aのドレイン電極34と接続されるドレイン用パターン91が形成されている。第1封止部材90には、第1半導体チップ30aのソース電極35と第2半導体チップ30bのドレイン電極34とを接続する接続パターン99が形成されている。第1封止部材90には、第2半導体チップ30bのソース電極35と接続されるソース用パターン92が形成されている。
また、第1封止部材90には、ドレイン用パターン91、ソース用パターン92、接続パターン99と接続される上方接続ビア95がそれぞれ形成されている。第1封止部材90には、図31とは別断面において、第1半導体チップ30aのゲート電極38と接続されるゲート用パターン93、およびゲート用パターン93と接続される上方接続ビア95が形成されている。第1封止部材90には、図31とは別断面において、第2半導体チップ30bのゲート電極38と接続されるゲート用パターン93、およびゲート用パターン93と接続される上方接続ビア95が形成されている。
第2封止部材100は、ドレイン用パターン91、ソース用パターン92、接続パターン99の一部を露出させるコンタクトホール101が形成されている。そして、ドレイン用パターン91、ソース用パターン92、接続パターン99のうちのコンタクトホール101から露出する部分が、ドレイン用パッド91a、ソース用パッド92a、接続用パッド99aとなる。また、第2封止部材100は、図31とは別断面において、ゲート用パターン93の一部を露出させるコンタクトホール101が形成されている。そして、ゲート用パターン93のうちのコンタクトホール101から露出する部分がゲート用パッド93aとなる。
一面金属膜22は、第1半導体チップ30aと対向する部分、および第2半導体チップ30bと対向する部分に形成されている。なお、一面金属膜22は、第1半導体チップ30aと対向する部分と、第2半導体チップ30bと対向する部分とが分離して形成されている。また、第1半導体チップ30aと対向する一面金属膜22は、ソース電極35と対向する部分と、ゲート電極38と対向する部分とを有し、これらが分離して形成されている。第2半導体チップ30bと対向する一面金属膜22は、ソース電極35と対向する部分と、ゲート電極38と対向する部分とを有し、これらが分離して形成されている。
そして、第1半導体チップ30aのソース電極35は、下層接続ビア760を介して当該ソース電極35と対向する一面金属膜22と接続されている。第2半導体チップ30bのソース電極35は、下層接続ビア760を介して当該ソース電極35と対向する一面金属膜22と接続されている。また、第1半導体チップ30aのゲート電極38は、図31とは別断面において、下層接続ビア760を介して当該ゲート電極38と対向する一面金属膜22と接続されている。第2半導体チップ30bのゲート電極38は、図31とは別断面において、下層接続ビア760を介して当該ゲート電極38と対向する一面金属膜22と接続されている。
また、第1半導体チップ30aと対向する一面金属膜220は、積層方向において、第1半導体チップ30aの外側まで延設されている。同様に、第2半導体チップ30bと対向する一面金属膜22は、積層方向において、第2半導体チップ30bの外側まで延設されている。
そして、封止部材60には、接続パターン99と第1半導体チップ30aのソース電極35と接続される一面金属膜22とを接続する接続ビア61が形成されている。封止部材60には、ソース用パターン92と第2半導体チップ30bのソース電極35と接続される一面金属膜22とを接続する接続ビア61が形成されている。さらに、封止部材60には、図31とは別断面において、第1半導体チップ30aのゲート電極38と接続される一面金属膜22とゲート用パッド93aとを接続する接続ビア61が形成されている。また、封止部材60には、図31とは別断面において、第2半導体チップ30bのゲート電極38と接続される一面金属膜22とゲート用パッド93aとを接続する接続ビア61が形成されている。
このような半導体パッケージ10は、例えば、DC/DCコンバータ回路やインバータ回路において、第1半導体チップ30aが上アームを構成すると共に第2半導体チップ30bが下アームを構成するように用いられる。この場合、ドレイン用パッド91aが高電圧側パッド、ソース用パッド92aが低電圧側パッド、接続用パッド99aが出力パッドとなる。
以上説明したように、縦型の半導体素子が形成された2つの半導体チップ30を封止部材60で一体的に封止した半導体パッケージ10とすることもできる。また、この半導体パッケージ10では、第1半導体チップ30aと第2半導体チップ30bとを近接して配置できるため、第1半導体チップ30aと第2半導体チップ30bとを接続する配線層を短くできる。したがって、寄生インダクタンスの低減を図ることができる。
なお、本実施形態では、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bは、放熱部材20と反対側にドレイン電極34が位置し、放熱部材20側にソース電極35やゲート電極38等が位置するように配置されている例を説明した。しかしながら、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bは、放熱部材20と反対側にソース電極35やゲート電極38等が位置し、放熱部材20側にドレイン電極34が位置するように配置されていてもよい。そして、このような構成とする場合には、各パッド91a、92a、93a、99aと第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bとの接続関係が上記関係となるように、一面金属膜22、下層接続ビア760、および封止部材60に形成される接続ビア61の接続関係が適宜調整されればよい。
(第21実施形態)
第21実施形態について説明する。本実施形態は、上記第20実施形態に対し、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bの配置の仕方を変更したものである。その他に関しては、上記第20実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10では、図32に示されるように、第1半導体チップ30aは、放熱部材20と反対側にドレイン電極34が位置し、放熱部材20側にソース電極35やゲート電極38等が位置するように配置されている。一方、第2半導体チップ30bは、放熱部材20側にドレイン電極34が位置し、放熱部材20と反対側にソース電極35やゲート電極38等が位置するように配置されている。つまり、第1半導体チップ30aと第2半導体チップ30bとは、反対向きに配置されている。
また、絶縁基板21に形成されている一面金属膜22は、第1半導体チップ30aのソース電極35と対向する部分と、第2半導体チップ30bのドレイン電極34と対向する部分とを有し、これらが繋がって形成されている。そして、第1半導体チップ30aのソース電極35および第2半導体チップ30bのドレイン電極34は、それぞれ下層接続ビア760を介して共通の一面金属膜22と接続されている。
第1半導体チップ30aのドレイン電極34は、第1封止部材90に形成されたドレイン用パターン91と上方接続ビア95を介して接続されている。第2半導体チップ30bのソース電極35は、第1封止部材90に形成されたソース用パターン92と上方接続ビア95を介して接続されている。第2半導体チップ30bのゲート電極38は、図32とは別断面において、第1封止部材90に形成されたゲート用パターン93と上方接続ビア95を介して接続されている。
そして、封止部材60には、接続パターン99と、第1半導体チップ30aのソース電極35および第2半導体チップ30bのドレイン電極34と接続される一面金属膜22とを接続する接続ビア61が形成されている。
以上説明したように、第1半導体チップ30aと第2半導体チップ30bとを反対向きに配置するようにしてもよい。そして、このような半導体パッケージ10では、第1半導体チップ30aのソース電極35と第2半導体チップ30bのドレイン電極34とが一面金属膜22および下層接続ビア760のみを介して接続されるため、構造の簡略化を図ることができる。
(第22実施形態)
第22実施形態について説明する。本実施形態は、第9実施形態に対し、半導体パッケージ10の各パッド91a、92a、93aの配置の仕方を変更したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、積層方向から視たとき、2組の相対する第1〜第4辺10a〜10dを有する平面略矩形状とされている。そして、半導体パッケージ10は、ゲート用パッド93aとしての第1ゲート用パッド931aおよび第2ゲート用パッド932aを有し、第1ゲート用パッド931aおよび第2ゲート用パッド932aが半導体パッケージ10の外縁部分に配置された構成とされている。
具体的には、第1ゲート用パッド931aは、第2辺10bと第3辺10cとが連結される角部近傍に配置され、第2ゲート用パッド932aは、第3辺10cと第4辺10dとが連結される角部近傍に配置されている。つまり、第1ゲート用パッド931aおよび第2ゲート用パッド932aは、外縁部分のうちの相対する部分にそれぞれ配置されている。より詳しくは、ソース用パッド92aが第3辺10cの近傍まで配置されており、第1ゲート用パッド931aおよび第2ゲート用パッド932aは、ソース用パッド92aを挟むように配置されている。そして、半導体チップ30のゲート電極38は、第1ゲート用パッド931aおよび第2ゲート用パッド932aと接続されている。
このような半導体パッケージ10では、半導体パッケージ10の第1ゲート用パッド931aおよび第2ゲート用パッド932aが外縁部分のうちの相対する部分にそれぞれ配置されている。このため、半導体パッケージ10をプリント基板110と接続する際、いずれか一方のゲート用パッド931a、932aをプリント基板110と接続すればよいため、プリント基板110側の配線自由度を向上できる。この場合、例えば、第1ゲート用パッド931aとプリント基板110とを接続する場合には、第1ゲート用パッド931aと、当該第1ゲート用パッド931aに所定電圧を印加する駆動回路とを接続する配線層の長さが短くなるようにすることにより、駆動電圧のばらつきの低減を図ることもできる。さらに、半導体パッケージ10をプリント基板110と接続する際、いずれか一方のゲート用パッド931a、932aをプリント基板110と接続すればよいため、プリント基板110側の配線の引き回しが容易になり、例えば、プリント基板110の配線を多層に引き回さない構成とできる。これにより、余分な磁束の影響が発生することを抑制できる。
(第23実施形態)
第23実施形態について説明する。本実施形態は、第22実施形態に第20実施形態を組み合わせたものであり、半導体パッケージ10の各パッド91a、92a、93a、99aの配置の仕方を変更したものである。その他に関しては、上記第22実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、第22実施形態と同様に第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bを有する構成とされている。そして、半導体パッケージ10は、図34に示されるように、積層方向から視たとき、各パッド911a、931a、991a、932a、921a、912a、932a、992a、934a、922aが外縁に沿って並ぶように配置されている。
具体的には、半導体パッケージ10は、第2辺10bに沿って、第1ドレイン用パッド911a、第1ゲート用パッド931a、第1接続用パッド991a、第2ゲート用パッド932a、第1ソース用パッド921aが順に並べて配置されている。また、第4辺10dに沿って、第2ドレイン用パッド912a、第3ゲート用パッド933a、第2接続用パッド992a、第4ゲート用パッド934a、第2ソース用パッド922aが並べて配置されている。つまり、各パッド911a、931a、991a、932a、921a、912a、933a、992a、934a、922aは、半導体パッケージ10の外縁部分のうちの相対する部分に配置されている。
なお、特に図示しないが、第1半導体チップ30aのドレイン電極34は、第1ドレイン用パッド911aおよび第2ドレイン用パッド912aと接続されている。第2半導体チップ30bのソース電極35は、第1ソース用パッド921aおよび第2ソース用パッド922aと接続されている。第1半導体チップ30aのソース電極35および第2半導体チップ30bのドレイン電極34は、第1接続用パッド991aおよび第2接続用パッド992aと接続されている。第1半導体チップ30aのゲート電極38は、第1ゲート用パッド931aおよび第3ゲート用パッド933aと接続されている。第2半導体チップ30bのゲート電極38は、第2ゲート用パッド932aおよび第3ゲート用パッド933aと接続されている。
以上説明した本実施形態によれば、半導体パッケージ10は、各パッド911a、931a、991a、932a、921a、912a、933a、992a、934a、922aが外縁部分のうちの相対する部分にそれぞれ配置されている。そして、第1半導体チップ30aの各電極34、35、38は、第2辺10bに沿って並べて配置された各パッド911a、931a、991aと電気的に接続されていると共に、第4辺10dに沿って並べて配置された各パッド912a、933a、992aと電気的に接続されている。同様に、第2半導体チップ30bの各電極34、35、38は、第2辺10bに沿って並べて配置された各パッド991a、932a、921aと電気的に接続されていると共に、第4辺10dに沿って並べて配置された各パッド992a、934a、922aと電気的に接続されている。
このため、本実施形態の半導体パッケージ10は、第2辺10bに沿って並べて配置された各パッド911a、931a、991a、932a、921a、または第4辺10dに沿って並べて配置された各パッド912a、933a、992a、934a、922aの一方がプリント基板110と接続されることにより、DC/DCコンバータ回路やインバータ回路を構成することができる。したがって、プリント基板110側の配線自由度を向上でき、第22実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、このような半導体パッケージ10は、例えば、4in1パッケージや、6in1パッケージを構成する際においても適用可能である。
(第24実施形態)
第24実施形態について説明する。本実施形態は、上記第22実施形態に対し、ゲート用パッド93aの配置を変更したものである。その他に関しては、上記第22実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10は、図35に示されるように、積層方向から視たとき、略中央部に半導体チップ30が配置されている。そして、半導体パッケージ10は、半導体チップ30の中心を通って一方向に延びる仮想線Kに対し、ドレイン用パッド91aとソース用パッド92aとが対称に配置されている。図35では、ドレイン用パッド91aは、第4辺10dに沿って配置されており、ソース用パッド92aは、第2辺10bに沿って配置されている。そして、ゲート用パッド93aは、第3辺10c側に配置されていると共に、仮想線Kと交差するように配置されている。つまり、本実施形態の半導体パッケージ10では、ゲート用パッド93aが1つとされている。
以上説明した本実施形態によれば、上記第7実施形態のように、プリント基板110等と共に電子装置1を構成する際、プリント基板110側の配線自由度を向上できる。すなわち、電子装置1を構成する場合には、図35の半導体パッケージ10と共に、図36に示されるような半導体パッケージ10も用意する。図36の半導体パッケージ10は、図35の半導体パッケージ10に対し、ドレイン用パッド91aとソース用パッド92aとの配置を逆にしたものである。つまり、ドレイン用パッド91aが第2辺10bに沿って配置され、ソース用パッド92aが第4辺10dに沿って配置されている。但し、図36の半導体パッケージ10においても、ゲート用パッド93aは1つとされている。
そして、電子装置1を構成する場合には、プリント基板110側の制約に合わせ、図35の半導体パッケージ10または図36の半導体パッケージ10の一方を用いる。このため、プリント基板110側の配線自由度を向上できる。言い換えると、半導体パッケージ10の汎用性の向上を図ることができる。そして、本実施形態では、このように半導体パッケージ10に1つのゲート用パッド93aしか備えていなくても、プリント基板110側の配線自由度を向上できる。したがって、半導体パッケージ10に2つのゲート用パッド93aを配置する場合と比較して、半導体パッケージ10の小型化も図りつつ、プリント基板110側の配線自由度を向上できる。
なお、特に図示しないが、半導体チップ30においても、縦型の半導体素子を形成する場合、ゲート電極38を1つとすることにより、ソース電極35を配置できる部分を大きくできる。このため、このような半導体チップ30では、電流を流すことのできる有効領域を大きくし易くなり、低オン抵抗化を図ることができる。言い換えると、同じオン抵抗の半導体チップ30を構成する場合には、半導体チップ30の小型化を図ることができる。
(第25実施形態)
第25実施形態について説明する。本実施形態は、上記第20実施形態に対し、2つのコンデンサを配置したものである。その他に関しては、上記第20実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図37に示されるように、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bと共に、一対の電極151a、151bを有する第1コンデンサ151および一対の電極152a、152bを有する第2コンデンサ152が封止部材60内に配置されている。なお、図37は、上記第20実施形態で説明した図32とは別断面であり、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bは、図37と別断面に配置されている。また、本実施形態の第1コンデンサ151および第2コンデンサ152は、シリコン等で構成されており、半導体チップ30の厚さとほぼ等しくされている。
第1コンデンサ151および第2コンデンサ152は、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bと同様に、下層板状部材740上に配置されている。具体的には、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152は、一方の電極151b、152bが下層板状部材740側に位置し、他方の電極151a、152aが第1封止部材90側に位置するように、下層板状部材740上に配置されている。
そして、第1コンデンサ151の電極151aは、第1封止部材90に形成されたドレイン用パターン91と上方接続ビア95を介して接続されている。第2コンデンサ152の電極152aは、第1封止部材90に形成されたソース用パターン92と上方接続ビア95を介して接続されている。また、第1コンデンサ151の電極151bおよび第2コンデンサ152の電極152bは、一面金属膜22と下層接続ビア760を介して接続されている。つまり、本実施形態では、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bの直列構造に対し、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152の直列構造が並列に接続された状態となっている。なお、本実施形態では、ドレイン用パターン91、ソース用パターン92、上方接続ビア95、一面金属膜22、下層接続ビア760が配線層に相当する。
これによれば、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bと共に第1コンデンサ151および第2コンデンサ152を配置している。このため、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bと、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152を近接して配置することができ、これらを接続する配線層を短くできる。したがって、寄生インダクタンスの低減を図ることができる。また、後述する第25実施形態に対し、半導体パッケージ10が厚さ方向に大型化することを抑制できる。
なお、上記では、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bの直列構造に対し、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152の直列構造が並列に接続された状態の例を説明した。しかしながら、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152は、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bの直列構造に対し、それぞれが並列となるように接続されていてもよい。
また、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152は、上記第17実施形態と同様に、第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bより薄く形成されていてもよい。
(第26実施形態)
第26実施形態について説明する。本実施形態は、上記第25実施形態に対し、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152の配置の仕方を変更したものである。その他に関しては、上記第25実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図38に示されるように、第1半導体チップ30a上に第1コンデンサ151が配置されており、第2半導体チップ30b上に第2コンデンサ152が配置されている。本実施形態では、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152は、第2封止部材100上に、半導体パッケージ10の平面方向に沿って一対の電極151a、151b、152a、152bが位置するように配置されている。
封止部材60は、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152も封止するように形成されている。本実施形態では、封止部材60は、第2封止部材100上に配置される上層封止部材180を備える構成とされている。なお、上層封止部材180は、中層板状部材840等と同様の構成とされた上層板状部材940が積層されて構成されており、適宜上層パターン950や上層接続ビア960が形成されている。
また、上層封止部材180は、絶縁基板21側と最も反対側に位置する部分に、ドレイン用パターン91、ソース用パターン92、接続パターン99と接続される上層パターン950を露出させるコンタクトホール181が形成されている。そして、上層パターン950は、コンタクトホール181から露出する部分がドレイン用パッド91a、ソース用パッド92a、接続用パッド99aとされている。なお、図38とは別断面では、上層パターン950によってゲート用パッド93aも構成されている。
そして、第1半導体チップ30aは、ドレイン電極34が、上方接続ビア97、ドレイン用パターン91、上層接続ビア960等を介してドレイン用パッド91aと接続されている。第2半導体チップ30bは、ソース電極35が、上方接続ビア97、ソース用パターン92、上層接続ビア960等を介してソース用パッド92aと接続されている。接続パターン99は、上方接続ビア97および上層接続ビア960等を介して接続用パッド99aと接続されている。第1半導体チップ30aのゲート電極38および第2半導体チップ30bのゲート電極38は、図38とは別断面において、上方接続ビア95、ゲート用パターン93、上層接続ビア960等を介してゲート用パッド93aと接続されている。
第1コンデンサ151は、一方の電極151aが上層封止部材180に形成された上層接続ビア960を介してドレイン用パッド91aを構成する上層パターン950と接続されている。第2コンデンサ152は、他方の電極151bが上層封止部材180に形成された上層接続ビア960を介してソース用パッド92aを構成する上層パターン950と接続されている。第1コンデンサ151の他方の電極151bおよび第2コンデンサ152の一方の電極152aは、図38とは別断面において、上層封止部材180に形成された上層パターン950および上層接続ビア960を介して接続されている。
このように、第1コンデンサ151および第2コンデンサ152を第1半導体チップ30aおよび第2半導体チップ30bに対して積層して配置するようにしても、上記第24実施形態と同様の効果を得ることができる。また、このような半導体パッケージ10では、上記第24実施形態に対し、平面方向の大きさが大きくなることを抑制できる。
(第27実施形態)
第27実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、半導体パッケージ10に接続用バンプを配置したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の半導体パッケージ10では、図39に示されるように、ドレイン用パッド91aおよびソース用パッド92a上に、接続用バンプ190が配置されている。なお、図39とは別断面において、ゲート用パッド93a上にも接続用バンプ190が配置されている。接続用バンプ190は、例えば、銀スズを主成分とする焼結体で構成されている。
以上が本実施形態における半導体パッケージ10の構成である。次に、上記半導体パッケージ10の製造方法について、図40A、図40Bを参照しつつ説明する。
まず、図40Aに示されるように、LCPフィルム191と、LCPフィルム191に備えられたテフロン(登録商標)フィルム等で構成される剥離部材192を有するバンプ構成体1900を用意する。次に、バンプ構成体1900に貫通孔193を形成し、貫通孔193に、バンプを構成するバンプ構成部材190aを配置する。貫通孔193は、コンタクトホール101と対応する位置および大きさに形成される。バンプ構成部材190aは、印刷法等によって導電性ペーストが配置されることで構成される。導電性ペーストは、例えば、銀スズを主成分とする粉末を有機溶剤に混入したものが用いられる。この場合、導電性ペーストが貫通孔193から抜け出ないように、必要に応じて仮焼結等をして有機溶剤を蒸発させる。
なお、バンプ構成体1900は、第1構成部材900等と平面方向の大きさが同じとされている。そして、図40A、図40Bでは、1つの半導体パッケージ10の製造方法を図示するが、実際には、上記第1実施形態のように、複数の半導体パッケージ10が一括的に製造される。
続いて、図40Bに示されるように、図5Fの工程に相当する構成まで行ったものに対し、コンタクトホール101上にバンプ構成部材190aが位置するようにバンプ構成体1900を配置する。そして、加熱しながら積層方向に加圧することにより、バンプ構成体1900から接続用バンプ190を構成しつつ、接続用バンプ190と各パッド91a、92a、99aを接続させる。その後、接続用バンプ190を各パッド91a、92a、99a上に残存させつつ、剥離部材192によってバンプ構成体1900を第2構成部材1000上から除去する。これにより、接続用バンプ190が各パッド91a、92a、99aに配置される。
その後は、特に図示しないが、ダイシングラインDLに沿ってチップ単位に分割することにより、図39に示す半導体パッケージ10が製造される。
これによれば、上記第7実施形態のように、半導体パッケージ10をプリント基板110にはんだ120を介して実装する際、半導体パッケージ10とプリント基板110との間隔を確保し易くなり、はんだ120の厚さを確保し易くなる。このため、はんだ120の高さがばらつくことを抑制できる。また、半導体パッケージ10とプリント基板110との間隔を確保し易くなるため、アンダーフィル材130の注入性の向上を図ることもできる。
(第28実施形態)
第28実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、半導体パッケージ10の製造方法を変更したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
まず、上記第1実施形態では、多連基板である構成基板210を用意して半導体パッケージ10を製造している。この場合、例えば、図41に示されるように、構成基板210の内縁部分を構成領域210aとすると共に構成基板210の外縁部分を補助領域210bとし、補助領域210bに位置決め孔部等を形成しながら構成領域210aから半導体パッケージ10を製造する。
なお、図41では、一面金属膜22が配置されている領域が構成領域210aとなる。そして、補助領域210bは、構成領域210aを取り囲むように配置されている。このような構成基板210では、補助領域210bが無駄な領域となり易い。
このため、本実施形態では、図42に示されるように、構成基板210の外縁部分も半導体パッケージ10を構成するための構成領域210aとしている。そして、構成基板210の外縁部分の一部を補助領域210bとする。つまり、構成基板210の外縁部分は、構成領域210aと補助領域210bとが混在した状態となっている。
本実施形態では、構成基板210を平面矩形状とする場合、角部となる部分を補助領域210bとする。なお、図42中では、一面金属膜22が形成されていない領域が補助領域210bとなる。この場合、補助領域210bは、図42に示されるように、構成基板210の中心に対して非対称となるように配置されることが好ましい。これにより、構成基板210の位置関係を把握し易くなり、位置決めを行い易くできる。
これによれば、構成基板210の外縁部の全体に補助領域210bを配置する必要がないため、構成基板210を有効に利用できる。なお、ここでは、上記第1実施形態の製造方法を例に挙げて説明したが、上記第2実施形態や上記第9実施形態の半導体パッケージ10を製造する場合においても同様である。
(第29実施形態)
第29実施形態について説明する。本実施形態は、上記第1実施形態に対し、側面構成部材700、第1構成部材900、第2構成部材1000に溝部を形成したものである。その他に関しては、上記第1実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図43に示されるように、図5Eの工程では、側面構成部材700、第1構成部材900、および第2構成部材1000のうちのダイシングラインDLとなる部分にそれぞれ溝部701、901、1001が形成されたものを積層する。
なお、溝部701、901、1001は、図5B〜図5Dの工程において、側面構成部材700、第1構成部材900、および第2構成部材1000を用意する際にそれぞれ形成される。また、溝部701、901、1001は、例えば、レーザ等によって形成される。そして、本実施形態では、構成基板210に溝部211が形成されていないが、構成基板210に溝部211が形成されていてもよい。その後、図5Fのように加熱しながら加圧することにより、これらを一体化する。
このように、側面構成部材700、第1構成部材900、第2構成部材1000に溝部701、901、1001を形成するようにしても、ダイシングを行い易くできる。また、側面構成部材700、第1構成部材900、第2構成部材1000に溝部701、901、1001を形成することにより、図5Fの工程で一体化した後、各部材700、900、1000を構成するLCPフィルムの熱収縮の影響を溝部701、901、1001によって低減できる。
なお、本実施形態では、側面構成部材700、第1構成部材900、第2構成部材1000を一体化する前に溝部701、901、1001を形成する例について説明した。しかしながら、例えば、側面構成部材700、第1構成部材900、第2構成部材1000を一体化した後、第2構成部材1000に溝部1001を形成するようにしてもよい。
(第30実施形態)
第30実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、板状部材74の製造方法を規定したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、封止部材60を構成する板状部材74を次のように製造する。すなわち、まず、図44Aに示されるように、LCPフィルム構成部材7400を用意する。この際、LCPフィルム構成部材7400は、図45Aに示されるように、内部状態がアモルファス状態となっている。
次に、LCPフィルム構成部材7400に対して加熱処理を行い、図45Bに示されるように、結晶化させる。なお、加熱処理は、LCPフィルム構成部材7400の融点温度未満の温度である300℃程度で数十分〜数時間行われる。この場合、好ましくは、270℃程度から300℃程度まで段階的に温度を上昇させることが好ましい。これにより、LCPフィルム構成部材7400が溶融してしまうことを抑制できる。
また、図44Aとは別工程において、図44Bに示されるように、銅等で構成される金属シート構成部材7500を用意する。その後、図44Cに示されるように、LCPフィルム構成部材7400と金属シート構成部材7500とをラミネート加工して一体化することにより、板状部材構成部材770を形成する。なお、ラミネート加工は、加熱しながら加圧することによって行う。但し、LCPフィルム構成部材7400と金属シート構成部材7500とのラミネート加工における加熱時間は、上記LCPフィルム構成部材7400に加熱処理を行って結晶化させる工程に対して極めて短い時間である。このため、このラミネート加工における加熱のみでは、LCPフィルム構成部材7400は結晶化しない。
その後は、特に図示しないが、必要に応じて適宜切断等を行った後、エッチング等して所望形状のパターン75にすると共に接続ビア76を構成する焼結体や導電性ペーストを配置することにより、板状部材74が構成される。
なお、ここでは、板状部材構成部材770を例に挙げて説明したが、第1構成部材900および第2構成部材1000も同様に形成される。
これによれば、LCPフィルム構成部材7400が結晶化されているため、加熱しながら加圧して各板状部材構成部材770(すなわち、板状部材74)と半導体チップ30等とを一体化する際、パターン75や接続ビア76がずれることを抑制できる。このため、積層方向における隣合う板状部材74の電気的な接続がされないということを抑制できる。
(第31実施形態)
第31実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、半導体パッケージ10をプリント基板110に実装して電子装置1を構成したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態では、図46に示されるように、半導体パッケージ10、プリント基板110、冷却器140、押圧部材300を有する電子装置1が構成されている。
プリント基板110は、厚さ方向に貫通する孔部116が形成されている。また、プリント基板110には、孔部116から露出する複数の端子部117が形成されている。なお、図46では、プリント基板110の構成を簡略化して示しているが、プリント基板110は、図15のプリント基板110と同様に、一面配線パターン111やスルーホール電極113等が適宜形成されている。
そして、半導体パッケージ10は、ドレイン用パッド91a、ソース用パッド92aが端子部117とはんだ120を介して接続されることにより、プリント基板110と接続されている。半導体パッケージ10は、図46とは別断面において、ゲート用パッド93aが端子部117とはんだ120を介して接続されることにより、プリント基板110と接続されている。
また、半導体パッケージ10は、放熱部材20が冷却器140とグリース等の接続部材141を介して接続されている。
押圧部材300は、筐体等で構成されており、一方向に突出した押圧部301を有する構成とされている。押圧部301は、ゴム等の弾性体で構成されており、半導体パッケージ10と接続される端子部117の数と同じ数が備えられている。本実施形態では、端子部117がドレイン用パッド91a、ソース用パッド92a、ゲート用パッド93aと接続されるため、押圧部301は、3つ備えられている。
そして、押圧部材300は、プリント基板110における端子部117のうちの各パッド91a、92a、93aと接続される部分が押圧部301で半導体パッケージ10側に押圧されるように配置されている。
このように、半導体パッケージ10を用いて電子装置1を構成するようにしてもよい。そして、本実施形態の電子装置1では、端子部117のうちの各パッド91a、92a、93aと接続される部分が押圧されているため、半導体パッケージ10と冷却器140との間隔がばらつくことを抑制できると共に、当該間隔を狭くし易くなることで放熱性を向上できる。
(第32実施形態)
第32実施形態について説明する。本実施形態は、上記第30実施形態に対し、電子装置1の構成を変更したものである。その他に関しては、上記第30実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の電子装置1におけるプリント基板110は、図47に示されるように、プリント基板110に孔部116が形成されておらず、第7実施形態と同様の構成とされている。そして、プリント基板110は、ネジ等の締結部材118によって冷却器140に固定されている。なお、図47では、プリント基板110の構成を簡略化して示しているが、プリント基板110は、図15のプリント基板110と同様に、一面配線パターン111やスルーホール電極113等が形成されている。
半導体パッケージ10は、ドレイン用パッド91aおよびソース用パッド92aがプリント基板110の他面配線パターン112と、はんだ120を介してそれぞれ接続されている。また、半導体パッケージ10は、図13とは別断面において、ゲート用パッド93aがプリント基板110の他面配線パターン112とはんだ120を介して接続されている。そして、プリント基板110と半導体パッケージ10との間には、アンダーフィル材130が配置されている。
押圧部材300は、押圧部301がプリント基板110を全体的に冷却器140側へ押圧できる構成とされている。そして、押圧部材300は、プリント基板110を冷却器140側へ押圧することにより、半導体パッケージ10を冷却器140側に押圧する。
このようにプリント基板110を介して半導体パッケージ10が押圧されるようにしても、上記第30実施形態と同様の効果を得ることができる。また、プリント基板110を直接的に押圧することにより、プリント基板110が半導体パッケージ10と反対側に反ることや、プリント基板110の厚みのばらつきを押圧部301で吸収し易くできる。
(第33実施形態)
第33実施形態について説明する。本実施形態は、上記第9実施形態に対し、電子装置1を構成したものである。その他に関しては、上記第9実施形態と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施形態の電子装置1は、図48に示されるように、冷却器140に凹部142が形成されている。そして、半導体パッケージ10は、凹部142の開口端を閉塞するように、Oリング等のシール部材143を介して配置されている。凹部142は、図示しない冷却管等と接続されており、冷却管を通じて冷却媒体が流れるように構成されている。つまり、凹部142は、冷却媒体が流れる冷却通路142aを構成するように形成されている。なお、冷却媒体は、例えば、水や一般的な不凍液等が用いられる。
また、本実施形態では、絶縁基板21の他面21bは、凹凸構造21cが形成されている。なお、図48では、省略しているが、上記第31実施形態等と同様に、半導体パッケージ10は、各パッド91a、92a、93aがプリント基板110と電気的に接続されている。
このような電子装置1では、凹部142に冷却媒体が流れることにより、さらに放熱性の向上を図ることができる。また、本実施形態の電子装置では、絶縁基板21の他面21b側に凹凸構造21cが構成されており、放熱部材20と冷却媒体との接触面積を増加させることができる。したがって、さらに放熱性の向上を図ることができる。
(他の実施形態)
本開示は、実施形態に準拠して記述されたが、本開示は当該実施形態や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
上記各実施形態において、各部材の接合は、化学結合ではなく、機械的な接合で密着性が向上されるようにしてもよい。例えば、上記第1実施形態において、放熱部材20と封止部材60とは、放熱部材20にプラズマ照射等を行って粗化処理を行い、アンカー効果によって密着性が向上されるようにしてもよい。
また、上記第1実施形態等において、他面金属膜23は、一面金属膜22と対称に形成されていなくてもよいし、配置されていなくてもよい。また、接合部材50は、積層方向において、半導体チップ30内に配置されていてもよい。さらに、放熱部材20は、積層方向において、封止部材60内に配置されていてもよい。このような構成としても、封止部材60をLCPで構成することにより、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、上記他の実施形態においても、一面金属膜22および他面金属膜23を有する場合には、これらの構成に適宜変更してもよい。
さらに、上記第1実施形態において、例えば、側面構成部材700の第2貫通孔72に焼結体73aを配置するのではなく、第2貫通孔72にCVD法等で金属膜(すなわち、下方接続ビア73)を配置するようにしてもよい。このような構成は、第1構成部材900についても同様である。また、これらの構成は、他の実施形態においても適宜適用可能である。
そして、上記各実施形態において、半導体チップ30は、スーパージャンクションMOSFETやIGBTが形成されて構成されていてもよい。また、半導体チップ30は、シリコンやSiCで構成される支持基板31ではなく、酸化ガリウム、窒化ガリウム等で構成される支持基板31を用いて構成されていてもよい。
また、上記第1実施形態において、半導体パッケージ10を製造する際、図5Eおよび図5Fの工程では次のようにしてもよい。すなわち、図5Eの工程では、構成基板210上に側面構成部材700を配置すると共に第1貫通孔71に焼結体50aを介して半導体チップ30を配置した後、低温でこれらを仮接合するようにしてもよい。その後、側面構成部材700および半導体チップ30上に、第1構成部材900および第2構成部材1000を順に積層し、図5Fの工程を行って一体化するようにしてもよい。同様に、上記第2実施形態では、側面封止部材70を構成する板状部材構成部材770と半導体チップ30等を仮接合した後、第1構成部材900および第2構成部材1000を積層して一体化するようにしてもよい。そして、これらの製造方法は、上記各実施形態において適宜適用可能である。
さらに、上記各実施形態において、図49に示されるように、第1封止部材90に形成される各パターン91〜93には、それぞれスリット91b〜93bが形成されていてもよい。具体的には、各パターン91〜93には、上方接続ビア95、97と接続される部分と異なる部分が除去されたスリット91b〜93bが形成されている。これによれば、スリット91b〜93bにて応力を解放できるため、各パターン91〜93から上方接続ビア95、97に印加される応力を緩和できる。この場合、例えば、ソース用パターン92と接続される上方接続ビア97のように、積層方向において、上方接続ビア97を略囲むようにスリット92bを形成することにより、より上方接続ビア97に印加される応力を緩和できる。なお、スリット91b〜93bは、各パターン91〜93にそれぞれ形成されておらず、いずれか1つ、または2つのパターンに形成されるようにしてもよい。
また、上記第9実施形態において、下層接続ビア760は、図50に示されるように、円筒状とされていてもよい。なお、このような下層接続ビア760は、下層接続ビア760を有する各実施形態に適用可能である。
さらに、上記第9実施形態において、各パッド91a、92a、93aは、図51に示されるように、積層方向において、接続ビア61と異なる位置に形成されていてもよい。言い換えると、各パッド91a、92a、93aは、積層方向において、接続ビア61と重ならない位置に形成されていてもよい。これによれば、各パッド91a、92a、93aにはんだ120等を介してプリント基板110が実装された際、接続ビア61に印加される応力を低減でき、接続ビア61が破壊されることを抑制できる。この場合、ソース用パッド92aは、積層方向において、図51に示されるように、接続ビア61と半導体チップ30との間に配置されるようにしてもよいし、図52に示されるように、接続ビア61を挟んで半導体チップ30と反対側に配置されるようにしてもよい。
さらに、図53に示されるように、接続ビア61は、積層方向において、各パッド91a、92a、93aと異なる位置に、各パッド91a、92a、93aを中心として周方向に複数配置されるようにしてもよい。この場合、複数の接続ビア61は、周方向に等間隔に配置されることが好ましい。これによれば、各パッド91a、92a、93aにはんだ120等を介してプリント基板110が実装された際、各接続ビア61に分散して応力が印加され易く、大きな応力が半導体チップ30に印加されることを抑制できる。なお、これらの図51〜図53のような構成も、上記各実施形態に適宜適用可能である。
また、上記各実施形態を適宜組み合わせることもできる。例えば、上記第2実施形態を適宜他の実施形態に組み合わせ、側面封止部材70を複数の板状部材74で構成するようにしてもよい。また、上記第3実施形態を適宜他の実施形態に組み合わせ、接合部材50と接続ビア61とを接合すると共に、一面金属膜22および他面金属膜23を備えないようにしてもよい。さらに、上記第4実施形態を適宜他の実施形態に組み合わせ、ドレイン用パターン91とドレイン用領域22aとを接続する接続ビア61を形成する等、接続ビア61を複数備えるようにしてもよい。そして、上記第5実施形態を適宜他の実施形態に組み合わせ、テスト用パターン98を備えるようにしてもよい。さらに、上記第6実施形態を適宜他の実施形態に組み合わせ、半導体チップ30が絶縁基板41を有する構成とすると共に、放熱部材20が金属板24で構成されるようにしてもよい。そして、上記第7実施形態を適宜他の実施形態に組み合わせ、複数の半導体チップ30を一体的に封止部材60で封止するようにしてもよい。そして、上記第8〜上記第32実施形態においても、それぞれ適宜適用可能である。また、上記各実施形態を組み合わせたもの同士をさらに組み合わせてもよい。