JP2021015902A - ペロブスカイト太陽電池用封止剤及びペロブスカイト太陽電池 - Google Patents

ペロブスカイト太陽電池用封止剤及びペロブスカイト太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】保存安定性、塗布性、接着性、及び、バリア性に優れるペロブスカイト太陽電池用封止剤、及び、ペロブスカイト太陽電池を提供する。【解決手段】光電変換層としてAMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する積層体を被覆した後又は該積層体の周囲に封止壁を形成した後、硬化させることにより該積層体を封止するためのペロブスカイト太陽電池用封止剤であって、主鎖に特定の式で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10万以下であるポリマーと、脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーと、光ラジカル重合開始剤と、吸水性フィラーとを含有し、溶剤を含有しない。【選択図】なし

Description

本発明は、保存安定性、塗布性、接着性、及び、バリア性に優れるペロブスカイト太陽電池用封止剤、及び、該ペロブスカイト太陽電池用封止剤を用いてなるペロブスカイト太陽電池に関する。
ペロブスカイト太陽電池とは、互いに対向する一対の電極間に光電変換層としてAMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含む積層体構造を有し、この光電変換層に光が照射されることにより、一方の電極に電子が、他方の電極に正孔が流れることにより起電力が発生する。ペロブスカイト太陽電池はこの起電力の発生効率が非常に高いという利点を有している。
ペロブスカイト太陽電池を構成する光電変換層は、水分や酸素等により特性が劣化しやすいという問題がある。従って、実用的なペロブスカイト太陽電池を得るためには、光電変換層を大気と遮断して長寿命化を図る必要がある。光電変換層を大気と遮断する方法として、例えば、特許文献1には、基板上に配列された光電変換層を有する積層体の上方を封止部材で覆い、その周囲をシール剤(周辺封止剤)により形成された封止壁で囲む方法が開示されている。このような封止壁の形成に用いられる周辺封止剤には、水分や酸素等を遮断する高度なバリア性、基板上にディスペンス等により塗布する際の塗布性、基板と封止部材とを貼り合せた後、光照射又は加熱により硬化させる際の硬化性が要求される。更に、基板と封止部材とを接着固定し、剥がれやクラックによる欠陥を生じることなく封止を維持する接着性及び強靭性が要求される。
特許文献2には、周辺封止剤として用いることのできる硬化性樹脂組成物として、高分子量のポリイソブチレン樹脂と多官能性(メタ)アクリレートモノマーとを含有する組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示されているような従来の封止剤は、塗布時に溶剤希釈が必要であり、溶剤自体や塗布後に溶剤を除去するための乾燥工程における加熱によってペロブスカイト太陽電池にダメージを発生させ易いという問題があった。また、乾燥工程において封止剤の形状が不均一となり易く、光電変換層を有する積層体の周囲を封止する周辺封止剤として用いることが困難であった。
特開2007−59094号公報 特表2011−526629号公報
本発明は、保存安定性、塗布性、接着性、及び、バリア性に優れるペロブスカイト太陽電池用封止剤、及び、該ペロブスカイト太陽電池用封止剤を用いてなるペロブスカイト太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、光電変換層としてAMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する積層体を被覆した後又は該積層体の周囲に封止壁を形成した後、硬化させることにより該積層体を封止するためのペロブスカイト太陽電池用封止剤であって、主鎖に下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10万以下であるポリマーと、脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーと、光ラジカル重合開始剤と、吸水性フィラーとを含有し、溶剤を含有せず、前記主鎖に下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10万以下であるポリマーと前記脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーとの合計100重量部に対して、前記脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーの含有量が30重量部以上90重量部以下であり、かつ、前記吸水性フィラーの含有量が5重量部以上60重量部以下であり、E型粘度計を用いて25℃、2.5rpmの条件で測定される粘度が1Pa・s以上1000Pa・s以下であるペロブスカイト太陽電池用封止剤である。
Figure 2021015902
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、樹脂成分として、(メタ)アクリルモノマー又はエポキシモノマーに低分子量のポリイソブチレン系ポリマーを加え、更に、吸水性フィラーを配合することにより、有機溶剤を用いずに塗布性に優れ、バリア性にも優れる封止剤を作製することを検討した。しかしながら、得られた封止剤は相分離し易く、保存安定性に劣るものであったり、硬化物の耐熱試験を行った際にポリイソブチレン系ポリマーがブリードアウトして接着性が低下したりするという問題があった。そこで本発明者らは鋭意検討した結果、重量平均分子量が特定の範囲であるポリイソブチレン系ポリマーと、脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーと、吸水性フィラーとを特定の含有割合となるように配合し、かつ、粘度が特定の範囲となるようにした。これにより、保存安定性、塗布性、接着性、及び、バリア性の全てに優れるペロブスカイト太陽電池用封止剤を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
なお、本明細書において上記「(メタ)アクリロイル」は、アクリロイル又はメタクリロイルを意味する。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、主鎖に上記式(1)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10万以下であるポリマー(以下、「本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマー」ともいう)を含有する。
本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーは、主鎖に上記式(1)で表される繰り返し単位からなる疎水性で嵩高い骨格を有することにより、非晶性でありながら排除体積が大きく、本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤がバリア性に優れるものとなる。
本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーは、上記式(1)で表される繰り返し単位以外の他の構成単位を有していてもよい。即ち、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーは、上記式(1)で表される繰り返し単位を有していれば、末端に上記他の構成単位として(メタ)アクリロイル基等の反応性官能基を有していてもよいし、上記式(1)で表される繰り返し単位に加えて上記他の構成単位を繰り返し単位として有する共重合体であってもよい。
上記他の構成単位を有する場合、バリア性の観点から、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーは、上記式(1)で表される繰り返し単位を80重量%以上含むことが好ましく、90重量%以上含むことがより好ましい。
本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーの重量平均分子量の下限は5000、上限は10万である。本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーの重量平均分子量がこの範囲であることにより、後述する脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーとの相溶性に優れるものとなって、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が保存安定性に優れるものとなる。また、硬化物からの本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーのブリードアウトが抑制されて接着性にも優れるものとなる。本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーの重量平均分子量の好ましい下限は2万、好ましい上限は8万、より好ましい下限は3万、より好ましい上限は6万である。なお、本明細書において上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定を行い、ポリスチレン換算により求められる値である。GPCによってポリスチレン換算による重量平均分子量を測定する際のカラムとしては、例えば、Shodex LF−804(昭和電工社製)等が挙げられる。また、GPCで用いる溶媒としては、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーのうち市販されているものとしては、例えば、エピオン200A(カネカ社製、重量平均分子量6900)、エピオン400A(カネカ社製、重量平均分子量13000)、エピオン600A(カネカ社製、重量平均分子量19000)、テトラックス3T(JXTGエネルギー社製、重量平均分子量49000)、テトラックス4T(JXTGエネルギー社製、重量平均分子量59000)、テトラックス5T(JXTGエネルギー社製、重量平均分子量69000)、テトラックス6T(JXTGエネルギー社製、重量平均分子量80000)、ハイモール4H(JXTGエネルギー社製、重量平均分子量5000以上10万以下)、ハイモール5H(JXTGエネルギー社製、重量平均分子量5000以上10万以下)、ハイモール5.5H(JXTGエネルギー社製、重量平均分子量5000以上10万以下)、ハイモール6H(JXTGエネルギー社製、重量平均分子量5000以上10万以下)、Oppanol B10(BASF社製、重量平均分子量36000)、Oppanol B11(BASF社製、重量平均分子量46000)、Oppanol B12(BASF社製、重量平均分子量51000)、Oppanol B13(BASF社製、重量平均分子量6万)、Oppanol B14(BASF社製、重量平均分子量65000)、Oppanol B15(BASF社製、重量平均分子量75000)等が挙げられる。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマー以外の他のポリマーを含有してもよい。
上記他のポリマーとしては、例えば、ポリブテン系ポリマー、ポリイソプレン系ポリマー、水添ポリイソプレン系ポリマー、ポリブタジエン系ポリマー、水添ポリブタジエン系ポリマー、重量平均分子量が10万を超えるポリイソブチレン系ポリマー、及び、これらの共重合体や変性体等が挙げられる。なかでも、バリア性の観点からは、重量平均分子量が10万を超えるポリイソブチレン系ポリマーが好ましく、反応性の観点からは、末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエン系ポリマー、及び、末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン系ポリマーが好ましい。
上記重量平均分子量が10万を超えるポリイソブチレン系ポリマーのうち市販されているものとしては、例えば、Oppanol B30SF、Oppanol B50、Oppanol B50SF、Oppanol B80、Oppanol B100、Oppanol B150、Oppanol B200(いずれもBASF社製)等が挙げられる。上記末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリブタジエン系ポリマーのうち市販されているものとしては、例えば、CN307、CN9014NS(いずれもアルケマ社製)、BAC−45(大阪有機化学工業社製)、TE−2000、TEAI−1000(いずれも日本曹達社製)等が挙げられる。上記末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリイソプレン系ポリマーのうち市販されているものとしては、例えば、クラプレン UC−102M(クラレ社製)等が挙げられる。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマー(以下、「本発明にかかる(メタ)アクリルモノマー」ともいう)を含有する。本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーは、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーとの相溶性に優れる。このため、本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーを含有することにより、硬化物からの本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーのブリードアウトが抑制され、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が接着性に優れるものとなり、かつ、保存安定性にも優れるものとなる。なお、本明細書において上記「(メタ)アクリル」は、アクリル又はメタクリルを意味する。
本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの有する脂環式骨格は、バリア性等の観点から、有橋脂環式骨格であることが好ましい。
また、本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーは、バリア性の観点から、(メタ)アクリロイル基としてメタクリル基を有することが好ましい。
本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの分子量の好ましい上限は1000である。本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの分子量が1000以下であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が光硬化性により優れるものとなる。本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの分子量のより好ましい上限は500である。本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの分子量の好ましい下限は特にないが、実質的な下限は150である。
本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとしては、具体的には例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキサノール(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエンジメタノールジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、イソボルニル(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンタジエンジメタノールジ(メタ)アクリレートが好ましく、イソボルニルメタクリレート及び/又はジシクロペンタジエンジメタノールジメタクリレートがより好ましい。これらの(メタ)アクリルモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部のうち、下限が30重量部、上限が90重量部である。本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの含有量が30重量部以上であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が塗布性、硬化性、及び、接着性に優れるものとなる。本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの含有量が90重量部以下であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤がバリア性に優れるものとなる。本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーの含有量の好ましい下限は35重量部、好ましい上限は80重量部、より好ましい下限は40重量部、より好ましい上限は70重量部である。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、接着性をより向上させる等の目的で、本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーに加えて、相溶性を損なわない範囲で他の重合性モノマーを含有してもよい。上記他の重合性モノマーとしては、本発明にかかる(メタ)アクリルモノマー以外の他の(メタ)アクリルモノマーが好ましい。
上記他の(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、2,2,2
−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート、グリシジル(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、光ラジカル重合開始剤を含有する。上記光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、アシルフォスフィンオキサイド系化合物、チタノセン系化合物、オキシムエステル系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル、チオキサントン等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACURE OXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(いずれも東
京化成工業社製)等が挙げられる。
上記光ラジカル重合開始剤の含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光ラジカル重合開始剤の含有量がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が、硬化性、保存安定性、及び、バリア性により優れるものとなる。上記光ラジカル重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.2重量部、より好ましい上限は5重量部、更に好ましい下限は0.5重量部、更に好ましい上限は3重量部である。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、吸水性フィラーを含有する。上記吸水性フィラーを含有することにより、本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、バリア性に優れるものとなる。
上記吸水性フィラーの平均一次粒子径の好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は5μmである。上記吸水性フィラーの平均一次粒子径がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤は、被着体との剥離を抑制しつつバリア性により優れるものとなる。上記吸水性フィラーの平均一次粒子径のより好ましい下限は0.8μm、より好ましい上限は3μmである。
なお、本明細書において上記「平均一次粒子径」は、動的光散乱式粒子径測定装置(大塚電子社製、「ELSZ−1000S」)等により測定することができる。
上記吸水性フィラーの比重の好ましい下限は1.5g/cm、好ましい上限は3.3g/cmである。上記吸水性フィラーの比重がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤は、被着体との剥離を抑制しつつバリア性により優れるものとなる。上記吸水性フィラーの比重のより好ましい下限は2.0g/cm、より好ましい上限は3.0g/cmである。
なお、上記「比重」は、JIS Z8807に準じた方法により測定される値を意味する。
上記吸水性フィラーの平均比表面積の好ましい下限は5m/g、好ましい上限は20m/gである。上記吸水性フィラーの平均比表面積がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤は、被着体との剥離を抑制しつつバリア性により優れるものとなる。上記吸水性フィラーの平均比表面積のより好ましい下限は10m/g、より好ましい上限は18m/gである。
なお、上記「吸水性フィラーの平均比表面積」は、比表面積測定装置(例えば、島津製作所社製、「ASAP−2000」等)で窒素ガスを用いたBET法により測定することができる。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤100g当たりの上記吸水性フィラーの総表面積の好ましい下限は10m、好ましい上限は100mである。上記吸水性フィラーの総表面積がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤は、被着体との剥離を抑制しつつバリア性により優れるものとなる。上記吸水性フィラーの総表面積のより好ましい下限は20m、より好ましい上限は80mである。
なお、上記「吸水性フィラーの総表面積」は、上記吸水性フィラーの含有量と上記吸水性フィラーの平均比表面積とから算出することができる。
上記吸水性フィラーの吸水率の好ましい下限は10重量%である。上記吸水性フィラーの吸水率が10重量%以上であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤がバリア性により優れるものとなる。上記吸水性フィラーの吸水率のより好ましい下限は20重量%である。また、上記吸水性フィラーの吸水率の好ましい上限は特にないが、実質的な上限は50重量%である。
なお、上記「吸水率」は、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で24時間放置する高温高湿試験を行った場合における重量の変化率を意味する。具体的には、高温高湿試験(85℃−85%、24時間)前の重量をW1、高温高湿試験後の重量をW2とした場合、下記式(I)により算出される。
吸水率(重量%)=((W2−W1)/W1)×100 (I)
上記吸水性フィラーを構成する材料としては、例えば、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属の酸化物、酸化マグネシウム、モレキュラーシーブ等が挙げられる。なかでも、吸水性の観点から、アルカリ土類金属の酸化物が好ましく、酸化カルシウムがより好ましい。
上記吸水性フィラーの含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部に対して、下限が5重量部、上限が70重量部である。上記吸水性フィラーの含有量がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤がバリア性と接着性とを両立する効果に優れるものとなる。上記吸水性フィラーの含有量の好ましい下限は10重量部、好ましい上限は60重量部、より好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は50重量部である。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、バリア性や塗布性を更に向上させること等を目的として、上記吸水性フィラー以外の他のフィラーを含有してもよい。上記他のフィラーとしては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ等の無機フィラーや、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機フィラー等が挙げられる。なかでも、タルク及び/又はシリカを含有することが好ましく、タルク及び/又はフュームドシリカを含有することがより好ましい。
上記他のフィラーとしてタルクを用いる場合、バリア性及び塗布性の観点から、該タルクの平均一次粒子径の好ましい下限は5μm、好ましい上限は50μm、より好ましい上限は12μmである。上記他のフィラーとしてシリカを用いる場合、塗布性の観点から、該シリカの平均一次粒子径の好ましい下限は7nm、好ましい上限は10μm、より好ましい下限は10nm、より好ましい上限は1μmである。
上記タルクのうち市販されているものとしては、例えば、MICRO ACE P−4、MICRO ACE P−6、MICRO ACE P−8(いずれも日本タルク社製)等が挙げられる。上記シリカのうち市販されているものとしては、例えば、アエロジル200、アエロジル300、アエロジル380(いずれも日本アエロジル社製)等が挙げられる。
上記他のフィラーの含有量は、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤の粘度等に応じて適宜調整すればよい。上記他のフィラーとしてタルクを用いる場合、上記タルクの含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。上記タルクの含有量がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が接着性及びバリア性を両立する効果により優れるものとなる。上記タルクの含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は40重量部である。上記他のフィラーとしてシリカを用いる場合、上記シリカの含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が30重量部である。上記シリカの含有量がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が塗布性及びバリア性を両立する効果により優れるものとなる。上記シリカの含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は20重量部である。
上記吸水性フィラーと上記他のフィラーとの合計の含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部に対して、100重量部以下であることが好ましい。上記吸水性フィラーと上記他のフィラーとの合計の含有量がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が接着性及びバリア性を両立する効果により優れるものとなる。上記吸水性フィラーと上記他のフィラーとの合計の含有量のより好ましい上限は80重量部である。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、粘着付与剤を含有することが好ましい。
上記粘着付与剤としては、例えば、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、クマロン樹脂、インデン樹脂、石油樹脂等が挙げられる。
上記変性テルペン樹脂としては、例えば、水素添加テルペン樹脂、テルペンフェノール共重合樹脂、芳香族変性テルペン樹脂等が挙げられる。
上記石油樹脂としては、例えば、脂環族系石油樹脂、非環式脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂等が挙げられる。
なかでも、他の成分との相溶性や、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤の接着性、バリア性等の観点から、上記粘着付与剤としては、石油樹脂が好ましく、脂環族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族芳香族共重合系石油樹脂がより好ましく、脂環族系石油樹脂が特に好ましい。
上記脂環族系石油樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、Quintone1325、Quintone1345(いずれも日本ゼオン社製)、アルコンP−100、アルコンP−125、アルコンP−140(いずれも荒川化学社製)、Escorez5300シリーズ、5600シリーズ(いずれもエクソンモービル社製)等が挙げられる。上記芳香族系石油樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ENDEX155(イーストマン社製)等が挙げられる。上記脂肪族芳香族共重合系石油樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、QuintoneD100(日本ゼオン社製)等が挙げられる。
上記粘着付与剤の含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が1重量部、好ましい上限が15重量部である。上記粘着付与剤の含有量がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が優れた硬化性及びバリア性を維持しつつ、接着性により優れるものとなる。上記粘着付与剤の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は10重量部である。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、増感剤を含有してもよい。上記増感剤は、上記光ラジカル重合開始剤の重合開始効率をより向上させて、本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤の硬化反応をより促進させる役割を有する。
上記増感剤としては、例えば、9,10−ジブトキシアントラセン等のアントラセン系化合物や、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物や、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記増感剤の含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は3重量部である。上記増感剤の含有量が0.05重量部以上であることにより、増感効果がより発揮される。上記増感剤の含有量が3重量部以下であることにより、吸収が大きくなり過ぎずに深部まで光を伝えることができる。上記増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1重量部である。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、シランカップリング剤を含有してもよい。上記シランカップリング剤は、本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤と基板等との接着性を向上させる役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、本発明にかかるポリオレフィン系ポリマーと相溶可能な公知のシランカップリング剤を用いることができ、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−エチル−((トリエトキシシリルプロポキシ)メチル)オキセタン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記シランカップリング剤の含有量は、本発明にかかるポリイソブチレン系ポリマーと本発明にかかる(メタ)アクリルモノマーとの合計100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が5重量部である。上記シランカップリング剤の含有量がこの範囲であることにより、得られるペロブスカイト太陽電池用封止剤が優れたバリア性を維持しつつ、の接着性により優れるものとなる。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、溶剤を含有しないことが好ましい。本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、該溶剤を含有しなくても塗布性に優れるため、ペロブスカイト太陽電池の製造に用いた場合に、乾燥工程を必要とせず、アウトガスの発生等による素子や装置へのダメージを抑制することができる。
また、本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、本発明の目的を阻害しない範囲で、必要に応じて、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤等の公知の各種添加剤を含有してもよい。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリーミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、ポリイソブチレン系ポリマー、(メタ)アクリルモノマー、光ラジカル重合開始剤、吸水性フィラー、及び必要に応じて添加する添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、E型粘度計を用いて25℃、2.5rpmの条件で測定される粘度の下限が1Pa・s、上限が1000Pa・sである。上記粘度がこの範囲であることにより、本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤が塗布性及び形状保持性に優れるものとなる。上記粘度の好ましい下限は10Pa・s、好ましい上限は800Pa・s、より好ましい下限は50Pa・s、より好ましい上限は500Pa・sである。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、光電変換層としてAMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する積層体を被覆した後又は該積層体の周囲に封止壁を形成した後、硬化させることにより該積層体を封止するためのものである。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤により形成される封止部の形状としては、光電変換層を有する積層体を外気から保護しうる形状であれば特に限定されず、該積層体を完全に被覆する形状であってもよいし、該積層体の周囲に封止壁を形成してもよい。なかでも、本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤は、該封止壁を形成するためのペロブスカイト太陽電池用周辺封止剤として好適に用いることができる。
本発明のペロブスカイト太陽電池用封止剤を用いてなるペロブスカイト太陽電池もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、保存安定性、塗布性、接着性、及び、バリア性に優れるペロブスカイト太陽電池用封止剤、及び、該ペロブスカイト太陽電池用封止剤を用いてなるペロブスカイト太陽電池を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1〜13、比較例1〜11)
表1、2に記載された配合比に従い、各材料を、撹拌混合機(シンキー社製、「AR−250」)を用い、撹拌速度2000rpmで撹拌混合した後、更に3本ロール(ノリタケ社製、「NR−42A」)を用いて混練することにより、実施例1〜13、比較例1〜11のペロブスカイト太陽電池用封止剤を作製した。
得られた各ペロブスカイト太陽電池用封止剤について、E型粘度計(東機産業社製、「VISCOMETER TV−22」)を用いて、25℃、2.5rpmの条件において測定した粘度を表1、2に示した。
<評価>
実施例及び比較例で得られた各ペロブスカイト太陽電池用封止剤について、以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
(保存安定性(相分離))
実施例及び比較例で得られた各ペロブスカイト太陽電池用封止剤を、ドクターブレードを用いてガラス板上に100μmの厚さに塗布した。25℃で10分間放置した後、光学顕微鏡(倍率20倍)で塗膜を観察し、相分離が見られなかった場合を「○」、相分離が見られた場合を「△」、光学顕微鏡を使用せずに目視で相分離が観察された場合を「×」として保存安定性を評価した。
(接着性)
実施例及び比較例で得られた各ペロブスカイト太陽電池用封止剤10gに対して、直径10μmのスペーサー粒子(積水化学工業社製、「ミクロパールSP−210」)0.03g加え、撹拌混合機(シンキー社製、「AR−250」)を用いて均一に分散させた。
ガラス基板A(長さ50mm、幅25mm、厚さ0.7mmのガラス表面をアセトンで洗浄後乾燥したもの)上に該スペーサー粒子を分散させたペロブスカイト太陽電池用封止剤を塗布した。次いで、ガラス基板B(長さ5mm、幅5mm、厚さ0.7mmのガラスをアセトンに浸漬洗浄し、乾燥したもの)を貼り付け、加圧して厚みを均一にした。その後、UV−LED照射装置にて波長365nmの紫外線を3000mJ/cm照射してペロブスカイト太陽電池用封止剤を硬化させることにより、ガラス基板Aとガラス基板Bとを接着した。ガラス基板Aとガラス基板Bとの剪断接着力をダイシェアテスター(デイジ社製、「ボンドテスター4000」)にて23℃、200μm/秒の剪断速度条件で測定した。剪断接着力が200N以上であった場合を「○」、200N未満100N以上であった場合を「△」、100N未満であった場合を「×」として接着性を評価した。
(バリア性)
実施例及び比較例で得られた各ペロブスカイト太陽電池用封止剤について、以下のCa−TESTを行った。まず、30mm×30mmのガラス基板に2mm×2mmの開口部を複数有するマスクを被せ、Caを真空蒸着機により蒸着させた。蒸着の条件は、真空蒸着装置の蒸着器内を2×10−3Paまで減圧してCaを5.0Å/sの蒸着速度で2000Å成膜するものとした。Caを蒸着したガラス基板を露点(−60℃以上)に管理されたグローボックス内に移動させ、表面に実施例及び比較例で得られた各ペロブスカイト太陽電池用封止剤を塗布したガラス基板を貼り合わせた。この時、ガラス基板端面から2mm、4mm、6mmの位置に蒸着したCaが存在するように貼り合わせた。次いで、365nmの紫外線を3000mJ/cm照射することによりペロブスカイト太陽電池用封止剤を硬化させ、Ca−TEST基板を作製した。得られたCa−TEST基板を、85℃、85%RHの高温高湿条件に暴露し、時間毎の水分の浸入距離をCaの消失から観測した結果、水分の浸入距離が6mmに達するまでの時間が1000時間以上であった場合を「○」、500時間以上1000時間未満であった場合を「△」、500時間未満であった場合を「×」としてバリア性を評価した。なお、比較例11で得られたペロブスカイト太陽電池用封止剤は、Ca−TEST中にガラス基板が剥離したため、バリア性を評価することができなかった。
Figure 2021015902
Figure 2021015902
本発明によれば、保存安定性、塗布性、接着性、及び、バリア性に優れるペロブスカイト太陽電池用封止剤、及び、該ペロブスカイト太陽電池用封止剤を用いてなるペロブスカイト太陽電池を提供することができる。

Claims (9)

  1. 光電変換層としてAMX(但し、Aは有機塩基化合物及び/又はアルカリ金属、Mは鉛又はスズ原子、Xはハロゲン原子である。)で表される有機無機ペロブスカイト化合物を含有する積層体を被覆した後又は該積層体の周囲に封止壁を形成した後、硬化させることにより該積層体を封止するためのペロブスカイト太陽電池用封止剤であって、
    主鎖に下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10万以下であるポリマーと、脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーと、光ラジカル重合開始剤と、吸水性フィラーとを含有し、溶剤を含有せず、
    前記主鎖に下記式(1)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10万以下であるポリマーと前記脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーとの合計100重量部に対して、前記脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーの含有量が30重量部以上90重量部以下であり、かつ、前記吸水性フィラーの含有量が5重量部以上60重量部以下であり、
    E型粘度計を用いて25℃、2.5rpmの条件で測定される粘度が1Pa・s以上1000Pa・s以下である
    ことを特徴とするペロブスカイト太陽電池用封止剤。
    Figure 2021015902
  2. 脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーは、イソボルニル(メタ)アクリレート及び/又はジシクロペンタジエンジメタノールジ(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項1記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
  3. 脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーは、イソボルニルメタクリレート及び/又はジシクロペンタジエンジメタノールジメタクリレートであることを特徴とする請求項2記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
  4. 吸水性フィラーは、平均一次粒子径が0.5μm以上5μm以下であり、比重が1.5g/cm以上3.3g/cm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
  5. 吸水性フィラーは、酸化カルシウムであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
  6. 吸水性フィラー以外の他のフィラーを含有することを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
  7. 他のフィラーとして、タルク及び/又はシリカを含有することを特徴とする請求項6記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
  8. 主鎖に式(1)で表される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が5000以上10万以下であるポリマーと脂環式骨格と(メタ)アクリロイル基とを有するモノマーとの合計100重量部に対して、粘着付与剤を1重量部以上15重量部以下含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤。
  9. 請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載のペロブスカイト太陽電池用封止剤を用いてなることを特徴とするペロブスカイト太陽電池。
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