JP2021013421A - 粘着除塵クリーナ - Google Patents

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Abstract

【課題】粘着性発泡層の外観に優れる粘着除塵クリーナを提供すること。【解決手段】粘着除塵クリーナは、イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有するアクリル系重合体と、ポリイソシアネート化合物と、熱膨張性微小球とを含有する発泡性粘着剤組成物を発泡および反応した粘着性発泡層を備える。熱膨張性微小球をセル上で精秤し、熱膨張性微小球およびセルを加熱気化装置に導入し、乾燥した窒素ガス気流中で250℃に加熱して気化した水分を滴定セル内の電解液に捕集し電量滴定法によるカールフィッシャー滴定により求められる、熱膨張性微小球における水分率が、1.0質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着除塵クリーナに関する。
従来、粘着性発泡層を有する粘着除塵クリーナが知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。特許文献1の粘着除塵クリーナでは、粘着性発泡層が、イソシアネート基反応性官能基を有するアクリル系重合体、(B)ポリイソシアネート系化合物、(C)熱膨張性微小球を含有する粘着剤により構成されている。
特開2004−113362号公報
近年、粘着除塵クリーナにおける粘着性発泡層に、優れた外観が要求される。
しかし、特許文献1に記載の粘着除塵クリーナでは、上記した要求を十分に満足することができないという不具合がある。
そこで、本願発明者は、外観に優れる粘着性発泡層を備える粘着除塵クリーナを鋭意検討したところ、熱膨張性微小球が凝集して凝集体を形成し、このような熱膨張性微小球の凝集体が粘着性発泡層の外観を不良にしている知見を見出した。そして、本願発明者は、上記した凝集体が形成されることを抑制することをさらに鋭意検討した結果、熱膨張性微小球における水分率が1.0質量%以下であれば、凝集体が形成することを抑制でき、ひいては、粘着性発泡層の外観が優れることを突き止め、本発明に至った。
本発明(1)は、イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有するアクリル系重合体と、ポリイソシアネート化合物と、熱膨張性微小球とを含有する発泡性粘着剤組成物を発泡および反応した粘着性発泡層を備え、前記熱膨張性微小球をセル上で精秤し、前記熱膨張性微小球および前記セルを加熱気化装置にセットし、乾燥した窒素ガス気流中で前記熱膨張性微小球を250℃で3分間加熱し、前記熱膨張性微小球から気化した水分を滴定セル内の電解液に捕集し、前記水分を電量滴定するカールフィッシャー法により求められる、前記熱膨張性微小球における水分率が、1.0質量%以下である、粘着除塵クリーナを含む。
本発明(2)は、基材をさらに備え、前記粘着性発泡層が、前記基材の前記厚み方向一方面に配置される、(1)に記載の粘着除塵クリーナを含む。
本発明(3)は、芯材をさらに備え、前記基材および前記粘着性発泡層が、前記芯材に巻回されている、(2)に記載の粘着除塵クリーナを含む。
本発明の粘着除塵クリーナは、熱膨張性微小球における水分率が、1.0質量%以下である。そのため、発泡性粘着剤組成物における熱膨張性微小球の凝集体の形成を抑制できる。その結果、粘着性発泡層の外観に優れる。
図1は、本発明の粘着除塵クリーナの一実施形態の概略断面図である。 図2A〜図2Dは、図1に示す粘着除塵クリーナの利用例の概略図であり、図2Aが、ハンドローラ方式、図2Bが、直写方式、図2Cが、転写方式、図2Dが、貼り付け方式である。
本発明の粘着除塵クリーナは、粘着性発泡層を備える。
粘着性発泡層は、イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有するアクリル系重合体と、ポリイソシアネート化合物と、熱膨張性微小球とを含有する発泡性粘着剤組成物から調製(構成)される。
イソシアネート基に対して反応可能な官能基としては、例えば、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、エポキシ基などが挙げられ、好ましくは、カルボキシル基が挙げられる。
イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有するアクリル系重合体(以下、単に「アクリル系重合体」と称呼する場合がある。)は、発泡性粘着剤組成物および粘着性発泡層のそれぞれにおけるベースポリマーである。アクリル系重合体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有する単量体とを共重合した共重合体である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アクリル酸アルキルエステルおよび/またはメタクリル酸アルキルエステルを意味する。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部分の炭素数が、例えば、1以上、好ましくは、2以上、例えば、18以下、好ましくは、12以下であって、直鎖状または分岐状の、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ドデシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これら(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独使用または2種以上併用することができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとして、好ましくは、(メタ)アクリル酸ブチルが挙げられる。
イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有する単量体(以下、単に「単量体」と称呼する場合がある。)は、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なビニル単量体が挙げられる。ビニル単量体としては、例えば、カルボキシル基含有ビニル単量体、ヒドロキシル基含有ビニル単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート)、アミノ基含有ビニル単量体(例えば、(メタ)アクリル酸アミノエチル)、エポキシ基含有ビニル単量体(例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。ビニル単量体として、好ましくは、カルボキシル基含有ビニル単量体が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレートなどが挙げられる。カルボキシル基含有ビニル単量体は、例えば、無水マレイン酸などの酸無水物基含有ビニル単量体を含むことができる。これらカルボキシル基含有ビニル単量体は、単独使用または2種以上併用することができる。カルボキシル基含有ビニル単量体として、好ましくは、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
アクリル系重合体を得るには、上記した(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有する単量体とを、公知の重合方法により共重合する。(メタ)アクリル酸アルキルエステル100質量部に対する単量体の質量部数は、例えば、0.005部以上、好ましくは、0.1部以上であり、また、例えば、10部以下、好ましくは、5部以下である。
アクリル系重合体の重量平均分子量は、例えば、50,000以上、好ましくは、200,000以上であり、また、例えば、3000,000以下、好ましくは、2000,000以下である。重量平均分子量は、GPC測定により求められる。
ポリイソシアネート化合物は、発泡性粘着剤組成物における架橋剤である。ポリイソシアネート化合物は、上記した官能基(好ましくは、カルボキシル基)と反応する。ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートなどのジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、3−メチル−1,5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートなどが挙げられる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネートなどの脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエ−テルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートなどが挙げられる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネートなどが含まれる。
なお、ポリイソシアネート化合物としては、上記したジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアヌレート体などの誘導体を含むことができる。
ポリイソシアネート化合物として、好ましくは、誘導体、より好ましくは、トリメチロールプロパンアダクト体が挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は、市販品を用いることができ、例えば、トリメチロールプロパンアダクト体として、コロネートL(東ソー社製)などが用いられる。
熱膨張性微小球は、揮発性物質がシェルに包み込まれたマイクロカプセルである。具体的には、熱膨張性微小球は、加熱により、揮発性物質が気化および膨張して、粘着性発泡層を形成するように構成されている。揮発性物質としては、例えば、イソブタン、プロパン、ペンタンなどの低沸点炭化水素などが挙げられる。シェルの材料としては、例えば、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスルホン、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリロニトリル−メチロールアクリルアミド共重合体など、弾性を有するポリマーが挙げられる。
熱膨張性微小球の発泡開始温度としては、例えば、80℃以上、また、例えば、140℃以下、好ましくは、120℃以下である。熱膨張性微小球の膨張倍率は、例えば、10倍以上、50倍以下である。熱膨張性微小球のサイズは、特に限定されず、具体的には、例えば、5μm以上、50μm以下である。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。熱膨張性微小球は、市販品を用いることができ、例えば、商品名「マツモトマイクロスフェアー」シリーズ(松本油脂製薬)、商品名「051DU」、「053DU」、「551DU」、「551−20DU」、「551−80DU」(以上、エクスパンセル社製)などが用いられる。
そして、熱膨張性微小球における水分率は、1.0質量%以下である。
熱膨張性微小球における水分率は、水分気化−電量滴定法によるカールフィッシャー法で測定される。水分気化−電量滴定法によるカールフィッシャー法では、まず、熱膨張性微小球をセル上で精秤し、かかる熱膨張性微小球およびセルを加熱気化装置にセットする。次いで、乾燥した窒素ガス気流中で熱膨張性微小球を250℃で3分間に加熱する。続いて、熱膨張性微小球から気化した水分を滴定セル内の電解液に捕集し、これを電量滴定する。
熱膨張性微小球における水分率が1.0質量%を越えると、発泡性粘着剤組成物において熱膨張性微小球が互いに凝集して凝集体を形成する。発泡性粘着剤組成物中に凝集体が形成されれば、発泡性粘着剤組成物を発泡したときに、粘着性発泡層に筋状の欠陥が観察されてしまい、粘着性発泡層の外観が顕著に低下する。
熱膨張性微小球における水分率は、好ましくは、0.9質量%以下、より好ましくは、0.7質量%以下である。また、熱膨張性微小球における水分率は、例えば、0.1質量%以上である。熱膨張性微小球における水分率が上記した上限以下であれば、上記した凝集体の生成を有効に抑制でき、外観を向上させることができる。熱膨張性微小球における水分率が上記した下限以上であれば、さらに外観を向上させることができる。
なお、水分率が測定される熱膨張性微小球は、アクリル系重合体およびポリイソシアネート化合物に対して配合される前の熱膨張性微小球である。一方、水分率が測定される熱膨張性微小球は、アクリル系重合体およびポリイソシアネート化合物に対してすでに配合され、発泡性粘着剤組成物中の熱膨張性微小球(後述)であってもよい。
熱膨張性微小球は、単独使用または2種以上併用することができる。2種以上の熱膨張性微小球を併用する場合には、それら混合物の水分率が、上記範囲となる。なお、一方の熱膨張性微小球と、他方の熱膨張性微小球とが、アクリル系重合体およびポリイソシアネート化合物に対して順に配合される場合には、熱膨張性微小球のそれぞれの水分率を測定し、それらを、按分して合計することにより、「熱膨張性微小球球全体における水分率」を求める。
好ましくは、市販品として入手した熱膨張性微小球を乾燥処理して、上記した水分率に調整する。乾燥処理としては、加熱が挙げられる。これらを組み合わせることもできる。
乾燥処理の条件は、熱膨張性微小球が膨張しない条件である。例えば、加熱温度を、発泡開始温度未満に設定する。具体的には、加熱温度が、例えば、75℃以下、さらには、60℃以下、さらには、55℃以下であり、また、例えば、40℃以上、さらには、45℃以上、さらには、50℃以上である。加熱時間は、上記した加熱温度に応じて適宜設定されるが、例えば、24時間以上、好ましくは、48時間以上であり、また、例えば、96時間分以下、好ましくは、72時間以下である。
なお、市販品として入手した直後の熱膨張性微小球の水分率が、上記した範囲内であっても、入手してから使用(配合)するまでに、熱膨張性微小球を保存するときに、熱膨張性微小球が吸湿する場合がある。そのため、上記した熱膨張性微小球は、乾燥処理することが好適である。
そして、アクリル系重合体と、ポリイソシアネート化合物と、熱膨張性微小球とを配合して、それらを含有する発泡性粘着剤組成物を調製する。
アクリル系重合体においてイソシアネート基に対して反応可能な官能基のモル数に対する、ポリイソシアネート化合物のイソシアネート基のモル数の比率は、例えば、0.1以上、好ましくは、0.5以上であり、また、例えば、10以下、好ましくは、5以下である。上記の比となるように、アクリル系重合体と、ポリイソシアネート化合物とを配合する。
アクリル系重合体100質量部に対する熱膨張性微小球の配合部数は、例えば、1質量部以上、好ましくは、1.5質量部以上であり、また、例えば、45質量部以下、好ましくは、40質量部以下である。
なお、発泡性粘着剤組成物には、有機溶媒を配合することができる。有機溶媒は、特に限定されず、例えば、酢酸エチルなどのエステル化合物、例えば、トルエンなどの芳香族化合物などが挙げられる。発泡性粘着剤組成物に有機溶媒を配合することにより、発泡性粘着剤組成物は、アクリル系重合体と、ポリイソシアネート化合物と、熱膨張性微小球と、有機溶媒とを含有するワニスとして調製される。ワニスにおける固形分(アクリル系重合体、ポリイソシアネート化合物および熱膨張性微小球の合計)の割合は、例えば、10質量%以上、好ましくは、20質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
なお、発泡性粘着剤組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、粘着付与剤、充填剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などの添加剤を適宜の割合で添加することができる。
なお、発泡性粘着剤組成物中に存在する熱膨張性微小球は、アクリル系重合体およびポリイソシアネート化合物に対して配合される前の熱膨張性微小球と同様の水分率を有する。具体的には、発泡性粘着剤組成物中の熱膨張性微小球における水分率も、1.0質量%以下である。
なお、この熱膨張性微小球における水分率は、まず、発泡性粘着剤組成物のワニスを濾過し、熱膨張性微小球を採取し、これを有機溶媒で洗浄後、上記した測定に供することにより、求められる。
次に、発泡性粘着剤組成物から粘着性発泡層を調整する方法を説明する。
まず、発泡性粘着剤組成物(ワニス)を基材(後述)の厚み方向一方面に塗布する。
続いて、ワニスに含まれる有機溶媒を除去する。具体的には、発泡性粘着剤組成物を、熱膨張性微小球が膨張しないように、加熱する。これにより、発泡性粘着剤組成物からなる塗膜を基材の形成する。塗膜の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、50μm以下である。
その後、発泡性粘着剤組成物の塗膜を発泡させる。例えば、熱膨張性微小球が膨張できる条件で、塗膜を加熱する。例えば、100℃以上、さらには、120℃以上、例えば、150℃以下の温度で、例えば、1秒以上、好ましくは、5秒以上、塗膜を加熱する。
これにより、発泡性粘着剤組成物は、熱膨張性微小球の膨張に基づいて、発泡する。これにより、粘着性発泡層が形成される。粘着性発泡層の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、1,000μm以下、好ましくは、300μm以下である。
次に、本発明の粘着除塵クリーナの一実施形態を、図1を参照して、具体的に説明する。
粘着除塵クリーナ1は、基材2と、粘着性発泡層3とを厚み方向一方側に向かって順に備える。粘着除塵クリーナ1は、基材2と、その厚み方向一方面に配置される粘着性発泡層3とを備える。
基材2は、長尺なシート形状を有する。基材2としては、例えば、プラスチックフィルム、紙などが挙げられる。基剤2の厚み方向一方面および他方面は、表面処理されていてもよい。基材2の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、100μm以下である。
粘着性発泡層3は、例えば、基材2の厚み方向一方面全面に接触する。粘着性発泡層3は、上記した発泡性粘着剤組成物を発泡および反応してなる。
この粘着除塵クリーナ1は、基材2に粘着性発泡層3を形成し、これらを、粘着性発泡層3が外側となるように、芯材4に巻回することにより、得られる。つまり、粘着除塵クリーナ1は、芯材4と、これに巻回される基材2および粘着性発泡層3とを備える。
芯材4は、例えば、円柱形状または円筒形状を有する。芯材4の材料としては、例えば、プラスチック、紙、金属などが挙げられる。
この粘着除塵クリーナ1を用いて除塵するには、粘着除塵クリーナ1の粘着性発泡層3を、塵埃が付着した除塵対象物に接触させる。これによって、塵埃が粘着性発泡層3に粘着し、除塵対象物が除塵(清浄)される。
除塵対象物は、特に限定されない。除塵対象物として、例えば、電子部品(回路基板を含む)、器物、家具、敷物、畳、壁、製造中のフィルムなどが挙げられる。
次に、粘着除塵クリーナ1の使用例を図2A〜図2Dを参照して説明する。
粘着除塵クリーナ1は、各種方式の粘着除塵クリーナとして利用可能である。具体的には、図2Aで示されるハンドローラ方式、図2Bに示される直写方式、図2Cに示される転写方式、図2Dに示される貼り付け方式などの粘着除塵クリーナに利用される。
図2Aに示すように、ハンドローラ方式の粘着除塵クリーナ1には、支持竿6と、ハンドル7とが設けられる。支持竿6とハンドル7とが、除塵対象物10に対して移動しながら、除塵対象物10の表面を粘着除塵クリーナ1が粘着しながら転がる。
図2Bに示すように、直写方式の粘着除塵クリーナ1には、ニップローラ8が設けられる。粘着除塵クリーナ1と、ニップローラ8との間を、除塵対象物10が通過する。粘着除塵クリーナ1は、除塵対象物10の表面に粘着しながら回転する。
図2Cに示すように、転写方式の粘着除塵クリーナ1では、2つの粘着除塵クリーナ1のそれぞれに転写ローラ9が設けられる。2つの転写ローラ9は、粘着性を有する。2つの転写ローラ9の間に、除塵対象物10が通過すると、転写ローラ9に塵埃が粘着される。続いて、転写ローラ9の塵埃が、粘着除塵クリーナ10に転写される。
図2Dに示すように、貼り付け方式の粘着除塵クリーナ1は、粘着性発泡層3が除塵対象物10に貼り付けられる。粘着除塵クリーナ1における基材2および粘着性発泡層3が、芯材4(図1参照)から離れるように、粘着性発泡層3が除塵対象物10の表面に貼り付けられる。
<作用効果>
そして、この粘着除塵クリーナ1では、熱膨張性微小球における水分率が、1.0質量%以下である。そのため、発泡性粘着剤組成物における熱膨張性微小球の凝集体の形成を抑制できる。その結果、熱膨張性微小球の凝集体に起因する筋状の欠陥の形成が抑制される。従って、粘着性発泡層2の外観に優れる。
<変形例>
変形例において、一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、一実施形態およびその変形例を適宜組み合わせることができる。
この変形例では、図示しないが、粘着性発泡層3は、基材2の厚み方向両方面に配置される。2つの粘着性発泡層3のいずれか一方または両方に、公知の剥離層(図示せず)が配置される。剥離層の表面に、剥離処理されている。
図示しないが、基材2および粘着性発泡層3の間に、帯電防止層などの機能層を介在させることができる。この変形例では、基材2、帯電防止層および粘着性発泡層3が、厚み方向一方側に向かって順に配置される。
実施例1
(熱膨張性微小球の乾燥処理)
熱膨張性微小球(商品名「マツモトマイクロスフェアーF−30D」松本油脂製薬社製、発泡開始温度70〜80℃)を入手した。この熱膨張性微小球を、常圧(101kPa)下で、50℃、48時間、加熱した(乾燥処理)。
(発泡性粘着剤組成物のワニスの調製)
続いて、アクリル系重合体(アクリル酸ブチル−アクリル酸共重合体、組成比:ブチルアクリレート/アクリル酸=100/5(質量比)、重量平均分子量:600,000)100質量部と、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」東ソー社製)3質量部と、乾燥処理直後の熱膨張性微小球20質量部と、トルエンとを配合してワニスを調製した。ワニスにおける固形分濃度は、25質量%であった。
(粘着性発泡層の形成)
続いて、ワニスを基材2(厚み40μmのプラスチックフィルム)に塗布し、続いて、ワニスのトルエンを、70℃、2分間の加熱により、トルエンを除去して、厚み40μmの、発泡性粘着剤組成物の塗膜を形成した。
(基材および粘着性発泡層の芯材への巻回)
その後、塗膜を、130℃で、10秒加熱することにより、粘着性発泡層3を形成した。その後、基材2および粘着性発泡層3を、粘着性発泡層3が外側になるように、芯材4に巻回した。これにより、芯材4と、基材2と、粘着性発泡層3とを備える粘着除塵クリーナ1を得た。
実施例2〜比較例1
表1に記載の通り、乾燥処理を変更した以外は、実施例1と同様に処理した。
比較例2
表1に記載の通り、乾燥処理を実施しなかった以外は、実施例1と同様に処理した。
(熱膨張性微小球における水分率の測定)
各実施例および各比較例の熱膨張性微小球の水分率を、水分気化−電量滴定によるカールフィッシャー法で測定した。
具体的には、まず、ワニスを調製する直前の熱膨張性微小球の質量を、セル上で精秤し、かかる熱膨張性微小球およびセルを加熱気化装置(三菱ケミカルアナリテック社製、VA−200型)にセットした。続いて、乾燥した窒素ガス気流中で熱膨張性微小球を250℃に3分間加熱し、その後、気化した水分を滴定セル内の電解液に捕集した。続いて、電量滴定式水分測定装置(陽極液:アクアミクロンAKX、陰極液:アクアミクロンCXU)を用いる電量滴定して、熱膨張性微小球における水分率を求めた。それらの結果を表1に記載する。
(評価)
(粘着性発泡層の外観)
粘着性発泡層3の外観を目視観察し、下記の基準に従って、評価した。それらの結果を表1に記載する。
×:粘着性発泡層3において熱膨張性微小球の凝集体に起因する筋状の欠陥が観察された。
○:粘着性発泡層3に欠陥がわずかに見られたが、それは極めて短く、そのため、実用上問題なかった。
◎:粘着性発泡層3に筋状の欠陥が一切観察されなかった。
Figure 2021013421
1 粘着除塵クリーナ
2 基材
3 粘着性発泡層
4 芯材

Claims (3)

  1. イソシアネート基に対して反応可能な官能基を有するアクリル系重合体と、ポリイソシアネート化合物と、熱膨張性微小球とを含有する発泡性粘着剤組成物を発泡および反応した粘着性発泡層を備え、
    前記熱膨張性微小球をセル上で精秤し、前記熱膨張性微小球および前記セルを加熱気化装置にセットし、乾燥した窒素ガス気流中で前記熱膨張性微小球を250℃で3分間加熱し、前記熱膨張性微小球から気化した水分を滴定セル内の電解液に捕集し、前記水分を電量滴定するカールフィッシャー法により求められる、前記熱膨張性微小球における水分率が、1.0質量%以下であることを特徴とする、粘着除塵クリーナ。
  2. 基材をさらに備え、
    前記粘着性発泡層が、前記基材の前記厚み方向一方面に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の粘着除塵クリーナ。
  3. 芯材をさらに備え、
    前記基材および前記粘着性発泡層が、前記芯材に巻回されていることを特徴とする、請求項2に記載の粘着除塵クリーナ。
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