JP2021012393A - 偏光板の検査方法および検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する長尺状の偏光板の外観を好適に検査する方法を提供すること。【解決手段】長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する長尺状の偏光板を、該長尺方向に搬送しながらその外観を検査する方法であって、該偏光板を撮像して画像データを取得する工程と、該画像データを解析して欠陥候補部を抽出する工程と、欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断する工程と、欠陥候補部のサイズに基づいて欠陥を検出する工程と、を含む、検査方法。【選択図】図4

Description

本発明は、非偏光部を有する偏光板の検査方法および検査装置に関する。代表的には、非偏光部を有する偏光子を含む偏光板の検査方法および検査装置に関する。
携帯電話、ノート型パーソナルコンピューター(PC)等の画像表示装置には、カメラ等の内部電子部品が搭載されているものがある。このような画像表示装置のカメラ性能等の向上を目的として、種々の検討がなされている(例えば、特許文献1〜7)。しかし、スマートフォン、タッチパネル式の情報処理装置の急速な普及により、カメラ性能等のさらなる向上が望まれている。また、画像表示装置の形状の多様化および高機能化に対応するために、部分的に偏光性能を有する偏光板が求められている。これらの要望を工業的および商業的に実現するためには許容可能なコストで画像表示装置および/またはその部品を製造することが望まれるところ、そのような技術を確立するためには種々の検討事項が残されている。
特開2011−81315号公報 特開2007−241314号公報 米国特許出願公開第2004/0212555号明細書 韓国公開特許第10−2012−0118205号公報 韓国特許第10−1293210号公報 特開2012−137738号公報 米国特許出願公開第2014/0118826号明細書
本発明者らが、部分的に偏光性能を有する偏光板として、非偏光部を有する偏光子を用いて偏光板を作製し、得られた偏光板を外観検査に供したところ、非偏光部が誤って欠陥として検出されるという問題に直面した。本発明は、当該問題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、非偏光部を有する偏光子を含み、長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する長尺状の偏光板の外観を好適に検査する方法を提供することにある。
本発明によれば、長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する長尺状の偏光板を、該長尺方向に搬送しながらその外観を検査する方法が提供される。該検査方法は、該偏光板を撮像して画像データを取得する工程と、該画像データを解析して欠陥候補部を抽出する工程と、該欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断する工程と、該欠陥候補部のサイズに基づいて欠陥を検出する工程と、を含む。
1つの実施形態においては、上記偏光板が、長尺方向および幅方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する。
1つの実施形態においては、上記画像データの取得が、上記偏光板の連続的な撮像に基づいて行われる。
1つの実施形態においては、上記欠陥候補部の抽出が、上記画像データの輝度情報に基づいて行われる。
1つの実施形態においては、上記欠陥候補部が上記長尺方向に周期性を有するか否かを判断する工程をさらに含み、上記欠陥を検出する工程が、上記欠陥候補部のサイズおよび周期性の有無に基づいて欠陥を検出する工程である。
1つの実施形態においては、上記基準値を超えるサイズを有する欠陥候補部についてのみ、上記長尺方向に周期性を有するか否かを判断する。
1つの実施形態においては、上記欠陥候補部の周期性の有無の判断が、上記欠陥候補部の長尺方向における位置座標に基づいて行われる。
1つの実施形態においては、上記欠陥候補部の周期性の有無の判断が、判断対象の欠陥候補部と、その搬送方向上流側に存在する非偏光部との長尺方向の距離が、所定の距離であるか否かに基づいて行われる。
本発明の別の局面によれば、偏光板の製造方法が提供される。該製造方法は、上記検査方法によって偏光板を検査することを含む。
本発明のさらに別の局面によれば、長尺状の偏光板の外観検査装置が提供される。該外観検査装置は、長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する長尺状の偏光板を撮像して画像データを取得する撮像装置と、該画像データを解析して該偏光板の欠陥を検出する画像解析装置と、を備える。該画像解析装置が、該画像データに基づいて欠陥候補部を抽出する欠陥候補部抽出部と、欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断するサイズ判断部と、欠陥候補部が該長尺方向に周期性を有するか否かを判断する周期性判断部と、欠陥候補部のサイズ、または、欠陥候補部のサイズと周期性の有無とに基づいて欠陥を検出する欠陥検出部と、を有する。
本発明の検査方法によれば、非偏光部を誤って欠陥として検出することを回避し得るので、非偏光部を有する偏光子を含み、長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する長尺状の偏光板の外観を好適に検査することができる。
本発明の検査方法に供され得る偏光板の概略断面図である。 非偏光部の配置パターンの一例を説明する概略平面図である。 非偏光部の配置パターンの別の例を説明する概略平面図である。 非偏光部の配置パターンのさらに別の例を説明する概略平面図である。 本発明の検査方法に用いられ得る検査装置を説明する概略図である。 本発明の1つの実施形態における欠陥検出の具体的手順を説明するフローチャートである。 本発明の別の実施形態における欠陥検出の具体的手順を説明するフローチャートである。 図5で示す実施形態における欠陥検出の具体的手順を説明する概略図である。
[A.検査方法および検査装置]
本発明は、長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する長尺状の偏光板を、該長尺方向に搬送しながらその外観を検査する方法を提供する。本発明の検査方法は、非偏光部を有する偏光板を撮像して画像データを取得する工程と、該画像データを解析して欠陥候補部を抽出する工程と、欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断する工程と、欠陥候補部のサイズに基づいて欠陥を検出する工程と、を含む。欠陥を検出する工程においては、例えば、基準値を超えるサイズを有する欠陥候補部を非偏光部と認識して区別し、基準値以下のサイズを有する欠陥候補部を欠陥として検出することができる。
本発明の検査方法は、欠陥候補部が長尺方向に周期性を有するか否かを判断する工程をさらに含み得る。この場合、上記欠陥を検出する工程において、欠陥候補部のサイズおよび周期性の有無に基づいて欠陥を検出する。より具体的には、基準値以下のサイズを有する欠陥候補部を欠陥として検出するとともに、周期性を有さない欠陥候補部も欠陥として検出する。欠陥候補部をサイズと周期性との2つの側面から評価することにより、検査精度を向上することができる。検査効率の観点からは、基準値を超えるサイズを有する欠陥候補部についてのみ、周期性の有無を判断することが好ましい。この場合、基準値以下のサイズを有する全ての欠陥候補部を欠陥として検出するとともに、基準値を超えるサイズを有する欠陥候補部については、周期性を有さないもののみを欠陥として検出する。
A−1.偏光板
本発明の検査方法に供される偏光板は、長尺状であり、長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する。該非偏光部は、代表的には、偏光子に形成された非偏光部に起因する。なお、本明細書において「長尺状」とは、幅に対して長さが十分に長い細長形状を意味し、例えば、幅に対して長さが10倍以上、好ましくは20倍以上の細長形状を含む。
図1は、本発明の検査方法に供され得る偏光板の概略断面図である。偏光板30は、非偏光部を有する偏光子10と、偏光子10の両側に配置された保護フィルム11、12と、を有する。図示例では、偏光子の両側に保護フィルムが配置されているが、片側にのみ保護フィルムが配置されていてもよい。あるいは、偏光板は偏光子のみから構成されていてもよい(すなわち、偏光板は偏光子であってもよい)。
偏光子10は、代表的には、二色性物質を含む樹脂フィルムで構成される。偏光板30が長尺状であることから、偏光子10もまた長尺状である。偏光子10は、長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する。1つの実施形態において、偏光子10は、長尺方向および幅方向に所定の間隔で配置された非偏光部を有する。非偏光部の配置パターンは、目的に応じて適切に設定され得る。代表的には、上記非偏光部は、偏光子を所定サイズの画像表示装置に取り付けるために所定サイズに裁断(例えば、長尺方向および/または幅方向への切断、打ち抜き)した際に、該画像表示装置のカメラ部に対応する位置に配置され得る。1つの実施形態においては、非偏光部は長尺方向および幅方向のいずれにおいても実質的に等間隔で配置される。なお、「長尺方向および幅方向のいずれにおいても実質的に等間隔」とは、長尺方向の間隔が等間隔であり、かつ、幅方向の間隔が等間隔であることを意味し、長尺方向の間隔と幅方向の間隔とが等しい必要はない。別の実施形態においては、非偏光部は、長尺方向に実質的に等間隔で配置され、かつ、幅方向に異なる間隔で配置されてもよい。幅方向において非偏光部が異なる間隔で配置される場合、隣接する非偏光部の間隔はすべて異なっていてもよく、一部(特定の隣接する非偏光部の間隔)のみが異なっていてもよい。また、偏光子の長尺方向に複数の領域を規定し、それぞれの領域ごとに長尺方向および/または幅方向における非偏光部の間隔を設定してもよい。
図2A〜Cはそれぞれ、偏光子10における非偏光部の配置パターンの一例を説明する概略平面図である。1つの実施形態においては、非偏光部10aは、図2Aに示すように、長尺方向において隣接する非偏光部を結ぶ直線が、長尺方向に対して実質的に平行であり、ならびに、幅方向において隣接する非偏光部を結ぶ直線が、幅方向に対して実質的に平行であるように配置される。
非偏光部の平面視形状は、目的に応じて任意の適切な形状が採用され得る。例えば、非偏光部の平面視形状は、偏光子が用いられる画像表示装置のカメラ性能に悪影響を与えない限りにおいて、任意の適切な形状が採用され得る。図示例の非偏光部は円形であるが、例えば、楕円形、正方形、矩形、ひし形等に形成されていてもよい。
非偏光部の透過率(例えば、23℃における波長550nmの光で測定した透過率)は、好ましくは50%以上であり、より好ましくは60%以上であり、さらに好ましくは75%以上であり、特に好ましくは90%以上である。このような透過率であれば、例えば、非偏光部が画像表示装置のカメラ部に対応するよう偏光子を配置した場合に、カメラの撮影性能に対する悪影響を防止することができる。
非偏光部は、任意の適切な形態であり得る。1つの実施形態においては、非偏光部は、部分的に脱色された脱色部である。脱色部は、例えば、レーザー照射または化学処理により形成される。別の実施形態においては、非偏光部は貫通穴である。貫通穴は、例えば、機械的打ち抜き(例えば、パンチング、トムソン刃打抜き、プロッター、ウォータージェット)または所定部分の除去(例えば、レーザーアブレーションまたは化学的溶解)により形成される。
保護フィルム11、12の形成材料としては、例えば、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。目的や所望の構成に応じて、保護フィルム11、12の一方は省略してもよい。
保護フィルムの厚みは、代表的には10μm〜100μmである。保護フィルムは、代表的には、接着層(具体的には、接着剤層、粘着剤層)を介して偏光子に積層される。接着剤層は、代表的にはPVA系接着剤や活性エネルギー線硬化型接着剤で形成される。粘着剤層は、代表的にはアクリル系粘着剤で形成される。
実用的には、偏光板30は、最外層として粘着剤層13を有する。粘着剤層13は、代表的には画像表示装置側の最外層となる。粘着剤層13には、セパレーター14が剥離可能に仮着され、実際の使用まで粘着剤層を保護するとともに、ロール形成を可能としている。
偏光板30は、目的に応じて任意の適切な光学機能層をさらに有していてもよい。光学機能層の代表例としては、位相差フィルム(光学補償フィルム)、表面処理層が挙げられる。例えば、保護フィルム12と粘着剤層13との間に位相差フィルムが配置され得る(図示せず)。位相差フィルムの光学特性(例えば、屈折率楕円体、面内位相差、厚み方向位相差)は、目的、画像表示装置の特性等に応じて適切に設定され得る。
表面処理層は、保護フィルム11の外側に配置され得る(図示せず)。表面処理層の代表例としては、ハードコート層、反射防止層、アンチグレア層が挙げられる。表面処理層は、例えば、偏光子の加湿耐久性を向上させる目的で透湿度の低い層であることが好ましい。表面処理層を設ける代わりに、保護フィルム11の表面に同様の表面処理を施してもよい。
A−2.検査装置
図3は、本発明の検査方法に用いられ得る検査装置を説明する概略図である。図示した実施形態においては、長尺状の偏光板30が検査装置100に搬送されて外観検査が行われる。検査装置100は、偏光板30を撮像して画像データを取得する撮像装置50と、得られた画像データを解析して該偏光板30の欠陥を検出する画像解析装置80と、を備える。画像解析装置80は、得られた画像データに基づいて欠陥候補部を抽出する欠陥候補部抽出部82と、欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断するサイズ判断部84と、欠陥候補部が長尺方向に周期性を有するか否かを判断する周期性判断部86と、欠陥候補部のサイズ、または、欠陥候補部のサイズと周期性の有無とに基づいて欠陥を検出する欠陥検出部88と、を有する。
A−3.画像データを取得する工程(1)
工程(1)は、撮像装置50を用いて、上記非偏光部を有する偏光板を撮像して画像データを得ることにより行われ得る。撮像装置50は、代表的には、照明部52と撮像部54とを備える。
照明部52は、任意の適切な光源を用いて構成され得る。光源は、白色光源であってもよく、単色光源であってもよい。光源の具体例としては、蛍光灯、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、LED等が挙げられる。
撮像部54は、代表的には、レンズおよびイメージセンサを用いて構成されたカメラである。撮像部は、好ましくは偏光板の全幅が撮像可能となるように1つまたは複数設けられる。また、撮像部は、好ましくは長尺方向に連続した画像を撮像可能とされている。1つの実施形態において、撮像部は、ラインセンサカメラである。
図3に示す実施形態においては、上記偏光板の一方の側に配置された照明部52から偏光板30に対して光を照射し、偏光板30の他方の側に照明部52と対向するように配置された撮像部54によって偏光板30を透過した光を撮像する。透過光を撮像することにより、非偏光部に対応する領域の輝度が他の部分に対応する領域の輝度よりも高い像が得られ得る。
別の実施形態(図示せず)においては、上記偏光板の一方の側に照明部と撮像部を配置し、該照明部から偏光板に対して斜め方向から光を照射し、照明部と同じ側に配置された撮像部によって偏光板に反射された光を撮像する。
さらに別の実施形態(図示せず)においては、上記偏光板の一方の側に照明部と撮像部とを配置し、該撮像部のカメラの光軸と照射光の光軸とが一致するように、偏光板に対して垂直に光を照射し、その反射光を撮像する。
非偏光部の形態(脱色部、貫通孔等)、偏光板の構成等に応じて適切な撮像方法を選択して偏光板を撮像することにより、非偏光部に対応する領域の輝度とその他の部分に対応する領域の輝度との差が大きい(結果として、コントラスト比が大きい)画像が得られ得る。偏光板の撮像は、上記実施形態のいずれか1つに従って行われてもよく、2つ以上の実施形態を組み合わせて行ってもよい。
好ましくは、長尺状の偏光板を長尺方向に搬送しながら撮像を行う。搬送しながら撮像を行うことにより、製造ラインの停止を回避して製造効率を維持し得る。
A−4.欠陥候補部を抽出する工程(2)
撮像装置50によって得られた画像データは、電気信号として画像解析装置80に送信される。送信された画像データは、欠陥候補部抽出部82によって解析され、これにより、欠陥候補部が抽出される。
1つの実施形態においては、画像データの輝度情報に基づいて欠陥候補部を抽出する。具体的には、予め正常な偏光板を撮像して正常と判定される輝度基準を設定し、該基準に基づいて欠陥候補部を抽出する。例えば、正常と判定される輝度の上限を超える高輝度部、正常と判定される輝度の下限を超える低輝度部等を欠陥候補部と判定し得る。異物、気泡、ピンホール等の外観不良の原因となる欠陥部は、通常、偏光板の正常領域と透過率、反射率等が異なることから、上記のような輝度基準により欠陥候補部として抽出される。一方、得られた画像データにおいては、非偏光部に対応する領域も、その他の部分に対応する領域と透過率、反射率等が異なることから欠陥候補部として抽出され得る。
欠陥候補抽出部82は、好ましくは欠陥候補部の位置情報(例えば、長尺方向に連続した画像における長尺方向および幅方向の位置座標(X,Y))を記憶し、周期性判断部86に送信する。
A−5.欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断する工程(3)
欠陥候補部抽出部82によって欠陥候補部が抽出されると、抽出された個々の欠陥候補部について、サイズ判断部84でそのサイズを決定し、さらには、そのサイズが基準値以下であるか否かを判断する。
欠陥候補部のサイズの決定は任意の適切な方法によって行われ得る。例えば、画像データ中における欠陥候補部の画素数、径、面積等に基づいてサイズを決定することができる。欠陥候補部の径は、代表的には、画像データにおいて、欠陥候補部の外周上の任意の2点を結ぶ直線のうち、もっとも長いものの長さを径として決定され得る。面積は、画素数または径に基づいて算出され得る。
上記基準値は、任意の適切な方法によって決定され得る。例えば、上記基準値は、非偏光部のサイズに基づいて決定され得る。例えば、径によってサイズを判断する場合、上記基準値(径の基準値)は、以下のようにして決定することができる。すなわち、設計上の非偏光部の形状および寸法に基づいて非偏光部の径(理論値)を算出するか、あるいは、実際に偏光子に形成された非偏光部の径(実測値)を測定し、得られた非偏光部の径の例えば90%、好ましくは95%を基準値とすることができる。また、例えば、欠陥の平均サイズが非偏光部のサイズに比べて十分に小さい場合(例えば、欠陥の平均径が非偏光部の径の1/8以下である場合)、上記基準値は、非偏光部の径の1/4〜1/2の値とすることができる。具体例として、非偏光部の径が2800μm程度であり、欠陥の平均径が150μm〜300μmである場合、上記基準値を1000μm程度とすることができる。
A−6.欠陥候補部が該長尺方向に周期性を有するか否かを判断する工程(4)
周期性判断部86は、抽出された欠陥候補部の全てを周期性の判断対象としてもよく、サイズ判断部84において基準値を超えるサイズを有することが確認された欠陥候補部のみを判断対象としてもよい。好ましくは、サイズ判断部84において基準値を超えるサイズを有することが確認された欠陥候補部のみを判断対象とする。
1つの実施形態においては、3つ以上の欠陥候補部が任意の方向に伸びる直線上に等間隔に存在するとき、これらの欠陥候補部は周期性を有すると判断することができる。
検査対象の偏光板においては、少なくとも長尺方向に所定の間隔で非偏光部が配置されていることから、長尺方向における非偏光部間の間隔に基づいて周期性を判断することができる。よって、偏光板表面における判断対象の欠陥候補部の位置を決定し、上記所定の間隔で存在するものをスクリーニングすること等により、周期性の有無を効率的に判断することができる。
1つの実施形態においては、欠陥候補部の周期性の有無の判断は、欠陥候補部の位置座標(例えば、長尺方向における位置座標)に基づいて行われる。例えば、欠陥候補部抽出部から送信される欠陥候補部(例えば長尺方向に2つ以上、好ましくは3つ以上隣接する欠陥候補部)の位置座標を、設計上(理論上)の非偏光部の位置座標と照らし合わせ、位置座標が一致した場合には、該欠陥候補部は周期性を有すると判断できる。また、例えば、欠陥候補部抽出部から送信される欠陥候補部の長尺方向の位置座標に基づいて、判断対象の欠陥候補部と、その搬送方向上流側に存在する非偏光部(欠陥ではないとの判断済みの欠陥候補部であり得る)との長尺方向の距離を求め、該距離が、所定の距離であるか否かに基づいて行われる。該距離は、例えば、長尺方向における非偏光部の配置間隔(すなわち、上記長尺方向における所定の間隔)、または、該所定の間隔を整数倍した距離であり得る。
A−7.欠陥を検出する工程(5)
欠陥検出部88は、欠陥候補部のサイズ、または、欠陥候補部のサイズと周期性の有無とに基づいて欠陥を検出する。具体的には、欠陥検出部88は、サイズ判断部84において基準値以下のサイズを有すると判断された欠陥候補部を欠陥として検出する。欠陥検出部88はさらに、周期性判断部86において周期性を有すると判断された欠陥候補部を非偏光部と認識して欠陥候補部と区別し、残りの欠陥候補部を欠陥として検出することができる。換言すれば、欠陥検出部88は、基準値以下のサイズを有すると判断された欠陥候補部および周期性を有さないと判断された欠陥候補部を欠陥として検出し得る。
図4は、本発明の1つの実施形態における欠陥検出の具体的手順を説明するフローチャートである。図4に示す実施形態においては、まず、偏光板の画像データを取得する(上記工程(1))。次いで、画像データに基づいて欠陥候補部を抽出する(上記工程(2))。次いで、欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断し(上記工程(3))、基準値を超えるサイズを有する欠陥候補部を非偏光部と判断する一方で、基準値以下のサイズを有する欠陥候補部を欠陥として検出する(上記工程(5))。
図5は、本発明の別の実施形態における欠陥検出の具体的手順を説明するフローチャートである。図5に示す実施形態においては、まず、偏光板の画像データを取得する(上記工程(1))。次いで、画像データに基づいて欠陥候補部を抽出する(上記工程(2))。次いで、欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断し(上記工程(3))、基準値を超えるサイズを有する欠陥候補部について、周期性の有無を判断する(上記工程(4))。得られた結果に基づいて、基準値以下のサイズを有する欠陥候補部および基準値を超えるサイズを有するが、周期性を有さない欠陥候補部を欠陥として検出する(上記工程(5))。なお、図6(a)中の白円は、当該実施形態による工程(2)において抽出された全ての欠陥候補部を示し、図6(b)中の白円は、基準値を超えるサイズを有し、周期性の有無の判断対象となる欠陥候補部を示し、図6(c)中の黒円は、周期性を有すると判断された欠陥候補部(非偏光部)を示し、白円は、周期性を有さないと判断された欠陥候補部(欠陥)を示し、図6(d)中の白円は、最終的に検出される欠陥を示す。
A−8.マーキング工程(6)
検査装置100は、マーキング装置(図示せず)をさらに備えていてもよい。マーキング装置は、画像処理装置と接続され、画像処理装置(実質的には、欠陥検出部)が欠陥を検出すると、該欠陥の位置情報をマーキング装置に送信する。マーキング装置は、該位置情報に基づいて、欠陥部にマーキングを行う。マーキングされた領域は、裁断後に不良偏光板として容易に排除され得る。マーキングとしては、マーカーペンを用いたマーキングやレーザーマーキングが挙げられる。
[B.偏光板の製造方法]
本発明の非偏光部を有する偏光子を含む長尺状の偏光板の製造方法は、長尺状の偏光子に非偏光部を形成すること、該非偏光部を有する長尺状の偏光子を用いて偏光板を作製すること、および、上記検査方法により偏光板の外観を検査することを含む。
B−1.偏光子
偏光子は、代表的には、二色性物質を含む樹脂フィルムから構成される。二色性物質としては、例えば、ヨウ素、有機染料等が挙げられる。これらは、単独で、または二種以上組み合わせて用いられ得る。好ましくはヨウ素が用いられる。
上記樹脂フィルムを形成する樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられ得る。好ましくは、ポリビニルアルコール系樹脂が用いられる。ポリビニルアルコール系樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。ポリビニルアルコールは、ポリ酢酸ビニルをケン化することにより得られる。エチレン−ビニルアルコール共重合体は、エチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化することにより得られる。
偏光子(非偏光部を除く)は、好ましくは、波長380nm〜780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子(非偏光部を除く)の単体透過率は、好ましくは39%以上、より好ましくは39.5%以上、さらに好ましくは40%以上、特に好ましくは40.5%以上である。なお、単体透過率の理論上の上限は50%であり、実用的な上限は46%である。また、単体透過率は、JIS Z8701の2度視野(C光源)により測定して視感度補正を行なったY値であり、例えば、顕微分光システム(ラムダビジョン製、LVmicro)を用いて測定することができる。偏光子の偏光度(非偏光部を除く)は、好ましくは99.9%以上、より好ましくは99.93%以上、さらに好ましくは99.95%以上である。
偏光子の厚みは、任意の適切な値に設定され得る。厚みは、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下、さらに好ましくは20μm以下、特に好ましくは10μm以下である。一方で、厚みは、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上である。
偏光子の吸収軸は、目的に応じて任意の適切な方向に設定され得る。吸収軸の方向は、例えば、長尺方向であってもよく幅方向であってもよい。長尺方向に吸収軸を有する偏光子は、例えば、製造効率に優れるという利点がある。幅方向に吸収軸を有する偏光子は、例えば、長尺方向に遅相軸を有する位相差フィルムとロールトゥロールで積層できるという利点がある。1つの実施形態においては、吸収軸は長尺方向または幅方向に実質的に平行であり、かつ、偏光子の幅方向両端は長尺方向に平行にスリット加工されている。このような構成によれば、偏光子の端辺を基準に裁断でき、所望の位置に非偏光部を有し、かつ適切な方向に吸収軸を有する複数の偏光子を、容易に製造することができる。なお、偏光子の吸収軸は、後述の延伸処理における延伸方向に対応し得る。
偏光子は、代表的には、上記樹脂フィルムに膨潤処理、延伸処理、上記二色性物質による染色処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等の各種処理を施すことにより得られる。各種処理を施す際、樹脂フィルムは、基材上に形成された樹脂層であってもよい。上記非偏光部の形成は、偏光子の作製工程の途中でも行い得る。
B−2.非偏光部の形成
好ましくは、非偏光部は、脱色部である。このような構成によれば、機械的に(例えば、トムソン刃打抜き、プロッター、ウォータージェット等を用いて機械的に抜き落とす方法により)、貫通穴が形成されている場合に比べて、クラック、デラミ(層間剥離)、糊はみ出し等の品質上の問題が回避される。脱色部は、好ましくは、偏光子(二色性物質を含む樹脂フィルム)の所望の位置に塩基性溶液を接触させることにより形成される。このような方法により形成される非偏光部は、他の部位(非接触部)よりも二色性物質の含有量が低い低濃度部とされ得る。低濃度部は二色性物質自体の含有量が低いので、レーザー光等により二色性物質を分解して脱色部が形成されている場合に比べて、非偏光部の透明性が良好に維持される。
上記低濃度部の二色性物質の含有量は、好ましくは1.0重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下、さらに好ましくは0.2重量%以下である。低濃度部の二色性物質の含有量の下限値は、通常、検出限界値以下である。上記他の部位における二色性物質の含有量と低濃度部における二色性物質の含有量との差は、好ましくは0.5重量%以上、さらに好ましくは1重量%以上である。二色性物質としてヨウ素を用いる場合、ヨウ素含有量は、例えば、蛍光X線分析で測定したX線強度から、予め標準試料を用いて作成した検量線により求められる。
上記塩基性溶液に含まれる塩基性化合物としては、任意の適切な化合物が用いられ得る。塩基性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ金属塩、酢酸ナトリウム等の有機アルカリ金属塩、アンモニア水等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の水酸化物が用いられ、さらに好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムが用いられる。二色性物質を効率良くイオン化することができ、より簡便に脱色部を形成することができる。これらの塩基性化合物は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
塩基性溶液の溶媒としては、水、アルコールが好ましく用いられる。塩基性溶液の濃度は、例えば0.01N〜5Nであり、好ましくは0.05N〜3Nであり、さらに好ましくは0.1N〜2.5Nである。塩基性溶液の液温は、例えば20℃〜50℃である。塩基性溶液の接触時間は、偏光子の厚み、塩基性溶液に含まれる塩基性化合物の種類や濃度に応じて設定され得る。接触時間は、例えば5秒〜30分であり、好ましくは5秒〜5分である。
塩基性溶液の接触方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば、偏光子に対し、塩基性溶液を滴下、塗工、スプレーする方法、偏光子を塩基性溶液に浸漬する方法が挙げられる。塩基性溶液の接触に際し、所望の部位以外に塩基性溶液が接触しないように、任意の適切な保護材で偏光子を保護してもよい。このような保護材としては、例えば、保護フィルム、表面保護フィルムが用いられる。保護フィルムは、偏光子の保護フィルムとしてそのまま利用され得るものである。表面保護フィルムは、偏光子の製造時に一時的に用いられるものである。表面保護フィルムは、任意の適切なタイミングで偏光子から取り除かれるため、代表的には、偏光子に粘着剤層を介して貼り合わされる。保護材の別の具体例としては、フォトレジスト等が挙げられる。また、上記偏光子の作製工程で用いられる基材も保護材として用い得る。
好ましくは、塩基性溶液の接触に際し、偏光子表面は、その少なくとも一部が露出するように表面保護フィルムで被覆されている。図示例のような非偏光部の配置パターンを有する偏光子は、当該配置パターンに対応する位置に、所望の非偏光部サイズに対応する小円形の貫通孔が形成された表面保護フィルムを偏光子の片側に貼り合わせて偏光フィルム積層体を準備し、これに塩基性溶液を接触させることで製造される。その際、偏光子のもう片側(貫通孔が形成された表面保護フィルム(第1の保護フィルム)が配置されていない側)も保護されていることが好ましい。保護フィルムや表面保護フィルムの貼り合わせは、ロールトゥロールにより行われるのが好ましい。本明細書において、「ロールトゥロール」とは、ロール状のフィルムを搬送しながら互いの長尺方向を揃えて積層することをいう。
上記表面保護フィルムの形成材料としては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂等のエステル系樹脂、ノルボルネン系樹脂等のシクロオレフィン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、これらの共重合体樹脂等が挙げられる。好ましくは、エステル系樹脂(特に、ポリエチレンテレフタレート系樹脂)である。弾性率が十分に高く、例えば、搬送および/または貼り合わせ時に張力をかけても貫通孔の変形が生じにくいからである。表面保護フィルムの厚みは、代表的には20μm〜250μmであり、好ましくは30μm〜150μmである。
第1の表面保護フィルムは、所定のパターンで配置された貫通孔を有する。貫通孔の位置は、非偏光部が形成される位置に対応する。貫通孔の形状は、所望の非偏光部の形状に対応する。貫通孔は、例えば、機械的打ち抜き(例えば、パンチング、トムソン刃打抜き、プロッター、ウォータージェット)またはフィルムの所定部分の除去(例えば、レーザーアブレーションまたは化学的溶解)により形成される。
1つの実施形態においては、上記塩基性溶液は、偏光子と接触後、任意の適切な手段により偏光子から除去される。このような実施形態によれば、例えば、偏光子の使用に伴う非偏光部の透過率の低下をより確実に防止することができる。塩基性溶液の除去方法の具体例としては、洗浄、ウエス等による拭き取り除去、吸引除去、自然乾燥、加熱乾燥、送風乾燥、減圧乾燥等が挙げられる。好ましくは、塩基性溶液は洗浄される。洗浄に用いる洗浄液としては、例えば、水(純水)、メタノール、エタノール等のアルコール、および、これらの混合溶媒等が挙げられる。好ましくは、水が用いられる。洗浄回数は特に限定されず、複数回行ってもよい。塩基性溶液を乾燥により除去する場合、その乾燥温度は、例えば20℃〜100℃である。
好ましくは、上記塩基性溶液との接触後、塩基性溶液を接触させた接触部において、樹脂フィルムに含まれるアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を低減させる。アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を低減させることにより、寸法安定性に優れた非偏光部を得ることができる。具体的には、加湿環境下においても、塩基性溶液との接触により形成された非偏光部の形状をそのまま維持することができる。
塩基性溶液を接触させることにより、接触部にアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の水酸化物が残存し得る。また、塩基性溶液を接触させることにより、接触部にアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の金属塩(例えば、ホウ酸塩)が生成し得る。これらは水酸化物イオンを生成し得、生成した水酸化物イオンは、接触部周囲に存在する二色性物質(例えば、ヨウ素錯体)に作用(分解・還元)して、非偏光領域を広げ得る。したがって、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属塩を低減させることにより、経時的に非偏光領域が広がるのを抑制して、所望の非偏光部形状が維持され得ると考えられる。
上記非偏光部は、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の含有量が3.6重量%以下であることが好ましく、より好ましくは2.5重量%以下であり、さらに好ましくは1.0重量%以下であり、特に好ましくは0.5重量%以下である。アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の含有量は、例えば、蛍光X線分析により測定したX線強度から予め標準試料を用いて作成した検量線により求めることができる。
上記低減させる方法としては、好ましくは、塩基性溶液との接触部に酸性溶液を接触させる方法が用いられる。このような方法によれば、酸性溶液にアルカリ金属および/またはアルカリ土類金属を効率的に移行させて、その含有量を低減させることができる。酸性溶液との接触は、上記塩基性溶液の除去後に行ってもよいし、塩基性溶液を除去することなく行ってもよい。
上記酸性溶液に含まれる酸性化合物としては、任意の適切な酸性化合物を用いることができる。酸性化合物としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、フッ化水素等の無機酸、ギ酸、シュウ酸、クエン酸、酢酸、安息香酸等の有機酸等が挙げられる。酸性溶液に含まれる酸性化合物は、これらの中でも、好ましくは無機酸であり、さらに好ましくは塩酸、硫酸、硝酸である。これらの酸性化合物は単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸性溶液の溶媒としては、水、アルコールが好ましく用いられる。酸性溶液の濃度は、例えば0.01N〜5Nであり、好ましくは0.05N〜3Nであり、さらに好ましくは0.1N〜2.5Nである。酸性溶液の液温は、例えば20℃〜50℃である。酸性溶液の接触時間は、例えば5秒〜5分である。なお、酸性溶液の接触方法は、上記塩基性溶液の接触方法と同様の方法が採用され得る。また、酸性溶液は、偏光子から除去され得る。酸性溶液の除去方法は、上記塩基性溶液の除去方法と同様の方法が採用され得る。
代表的には、上記のようにして非偏光部が形成された後(好ましくは、アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属の低減後)、表面保護フィルムは剥離除去され得る。
B−3.偏光板の作製
上記のようにして得られる非偏光部を有する長尺状の偏光子は、代表的には、偏光子/保護フィルムの積層体を構成している。該積層体は、そのまま偏光板として用いることができる一方で、目的等に応じて、該積層体に保護フィルム等の他の構成部材を積層することにより、最終製品としての任意の適切な構成を有する偏光板が得られ得る。また、単一の樹脂フィルムからなる偏光子が得られる場合も同様に、用途等に応じて、その片側または両側に保護フィルム等の他の構成部材を積層することにより、最終製品としての任意の適切な構成を有する偏光板が得られ得る。積層される他の構成部材については、A−1項で記載したとおりである。
上記他の構成部材の積層は、いわゆるロールトゥロールで行われ得る。
B−4.偏光板の外観検査
上記のようにして得られた偏光板をA項に記載の検査方法に供する。A項に記載の検査方法で、非偏光部を有する偏光板の外観を検査することにより、非偏光部を欠陥として誤って検出することなく、目的とする欠陥(異物、気泡、ピンホール等)を検出できるので、検査効率と検査精度とが高次に両立可能となる。その結果、高品質の偏光板が優れた製造効率で得られ得る。
B−5.偏光板の裁断
本発明の偏光板の製造方法は、長尺状の偏光板を所望のサイズに裁断する工程をさらに含み得る。裁断は、切断、打ち抜き等によって行われ得る。長尺状の偏光板は、好ましくは、取り付けられる画像表示装置に対応するサイズを有するとともに、画像表示装置に取り付けられた際にそのカメラ部と対応する位置に非偏光部を有するように裁断される。
裁断される偏光板は、好ましくは、欠陥部にマーキングが施されているので、裁断後に該マーキングに基づいて不良品の偏光板が容易に排除され得る。
本発明の検査方法は、例えば、スマートフォン等の携帯電話、ノート型PC、タブレットPC等のカメラ付き画像表示装置(液晶表示装置、有機ELデバイス)に備えられる偏光板を製造する際に好適に用いられる。
10 偏光子
10a 非偏光部
30 偏光板
50 撮像装置
80 画像解析装置
82 欠陥候補部抽出部
84 サイズ判断部
86 周期性判断部
88 欠陥検出部
100 検査装置

Claims (10)

  1. 長尺状の偏光子に長尺方向に所定の間隔で配置された非偏光部を形成すること、該非偏光部を有する長尺状の偏光子を用いて長尺状の偏光板を作製すること、および、該長尺状の偏光板を長尺方向に搬送しながらその外観を検査することを含む、偏光板の製造方法であって、
    該長尺状の偏光板の外観を検査することが、
    該偏光板を撮像して画像データを取得する工程と、
    該画像データを解析して欠陥候補部を抽出する工程と、
    欠陥候補部が基準値以下のサイズを有するか否かを判断する工程と、
    欠陥候補部のサイズに基づいて欠陥を検出する工程と、
    を含む、偏光板の製造方法。
  2. 前記長尺状の偏光子に、長尺方向および幅方向に所定の間隔で配置された非偏光部を形成する、請求項1に記載の偏光板の製造方法。
  3. 前記画像データの取得が、前記偏光板の連続的な撮像に基づいて行われる、請求項1または2に記載の偏光板の製造方法。
  4. 前記欠陥候補部の抽出が、前記画像データの輝度情報に基づいて行われる、請求項1から3のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  5. 前記欠陥候補部が前記長尺方向に周期性を有するか否かを判断する工程をさらに含み、
    前記欠陥を検出する工程が、前記欠陥候補部のサイズおよび周期性の有無に基づいて欠陥を検出する工程である、請求項1から4のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  6. 前記基準値を超えるサイズを有する欠陥候補部についてのみ、前記長尺方向に周期性を有するか否かを判断する、請求項5に記載の偏光板の製造方法。
  7. 前記欠陥候補部の周期性の有無の判断が、前記欠陥候補部の長尺方向における位置座標に基づいて行われる、請求項5または6に記載の偏光板の製造方法。
  8. 前記欠陥候補部の周期性の有無の判断が、判断対象の欠陥候補部と、その搬送方向上流側に存在する非偏光部との長尺方向の距離が、所定の距離であるか否かに基づいて行われる、請求項5から7のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  9. 外観を検査した後に、前記長尺状の偏光板を所望のサイズに裁断することをさらに含む、請求項1から8のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
  10. 塩基性溶液との接触によって前記長尺状の偏光子に前記非偏光部を形成する、請求項1から9のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
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