以下、ドラム式の洗濯機に適用した一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る洗濯機としてのドラム式洗濯機の外観を示している。ここで、ドラム式洗濯機の外箱を構成する本体1は、ほぼ矩形箱状をなし、本体1の前面部には、ほぼ中央部に位置して、衣類が出し入れされる円形状の出入口2が設けられていると共に、その出入口2を開閉するため扉3が開閉可能に取付けられている。
本体1の上面部の前部右部には、電源スイッチ4や操作パネル5が設けられている。詳しく図示はしないが、この操作パネル5には、スタートキーやユーザが洗濯運転コースの設定等を行うための各種操作キーが設けられている。このとき、ユーザは、洗濯運転を実行させるにあたって、後述する自動投入装置17により自動で洗濯処理剤即ち洗剤及び柔軟剤を投入するか、或いは、手動供給機構19を用いて手動で1回分の洗剤や柔軟剤を投入するかを、操作パネル5上で選択操作できる。この操作パネル5には、表示部6が設けられている。図示はしないが、この表示部6には、実行されるべき洗濯運転の洗濯コースや洗濯運転時間等の必要な表示が行われる。
図示はしないが、本体1内には、前面が開口したほぼ円筒状をなし前記出入口2に連通し洗濯水が溜められる水槽が、弾性支持機構を介して弾性的に支持されて設けられている。前記水槽内には、衣類が収容される収容槽としてのドラムが設けられる。このドラムは、前記水槽よりもやや径小な円筒状をなし、その背面側中心部が、ドラムモータ7(図7にのみ図示)等からなる駆動機構に接続されて回転駆動される。また、本体1内には、水槽の左上部に位置して該水槽内への給水を行うための給水機構8が設けられている。この給水機構8については後述する。水槽の底部には排水口が設けられており、その排水口に、排水弁9(図7にのみ図示)を介して排水管が接続されている。
尚、これも図示はしないが、前記本体1内には、前記水槽ひいてはドラム内に、乾燥用の温風を循環供給するための乾燥機構が設けられる。この乾燥機構は、水槽の外部において風路を形成する乾燥風循環ダクトを備えると共に、その途中部に、循環風の除湿及び加熱を行って乾燥風を生成する乾燥ユニット10(図7にのみ図示)を備えている。乾燥ユニット10は、例えばケース内にヒートポンプ及び送風装置を組込んで構成されている。更に、本体1内には、水槽内の水位を検出する水位センサ、ドラム内の温度を検出する温度センサ、ドラムモータ7の回転位置を検出する回転センサ等の各種センサ11(図7にのみ図示)も設けられている。
ここで、前記給水機構8、自動投入装置17、手動投入機構19について述べる。図2〜図4等にも示すように、給水機構8は、本体1内の左側上部の後部に設けられた給水弁ユニット12、本体1内の左側上部の前部に設けられた注水ケース13、給水弁ユニット12から注水ケース13につながる自動用給水経路14及び手動用給水経路15、注水ケース13から水槽内に給水を行うための給水ホース16等を備えている。
そして、本体1内の左側上部には、前記給水機構8と共に、洗濯処理剤としての液体洗剤及び柔軟仕上剤を、注水ケース13を通して水槽内に自動で投入するための自動投入装置17が設けられている。更に、ユーザが予め1回分の洗濯処理剤としての洗剤(液体、粉末)及び柔軟仕上剤を、手動用収容部としての収容ケース18に投入しておくと、それら洗剤や柔軟仕上剤を給水と共に水槽内に供給する手動投入機構19が組込まれている。
前記給水弁ユニット12は、図2及び図3に示すように、フレーム12aに、電磁的に開閉動作する複数個の給水弁を備えている。本実施形態では、フレーム12aの上段に位置して、自動用給水弁21と手動洗剤用給水弁22とが左右に設けられている(図3参照)と共に、下段に位置して、手動柔軟剤用給水弁20(図2参照)が設けられている。また、図1にも示すように、給水弁ユニット12の上部には、接続口23が本体1の上面に露出するように設けられ、この接続口23に、給水源としての水道の蛇口が接続される。詳しく図示はしないが、接続口23は、下方で3つに分岐して各給水弁20〜22の入口部に夫々接続されている。
また、前記自動用給水弁21の出口部が、自動用給水経路14の入口部に接続されている。手動洗剤用給水弁22の出口部が、手動用給水経路15のうちの洗剤用流路の入口部に接続され、手動柔軟剤用給水弁20の出口部が、手動用給水経路15のうちの柔軟剤用流路の入口部に接続されている。これら自動用給水経路14及び手動用給水経路15については後述する。尚、図3に示すように、給水弁ユニット12の右側には、風呂の残り湯等を汲み上げるための風呂水ポンプ24が組込まれている。
前記注水ケース13は、図2、図3に示すように、プラスチックから上面が開口した矩形箱状に構成され、本体1内の上部前面側の左端部に配置されている。注水ケース13の上面開口部には、手動用給水経路15を構成する流路形成部材25が配置されている。尚、図3には示されていないが、流路形成部材25の上面は蓋部材で覆われる。図4にも示すように、前記注水ケース13の底部は、後方に向けて緩やかに下降傾斜しており、その後端部下部には、前記給水ホース16の先端部が接続され、給水ホース16の後端部が、図示しない水槽の給水口に接続されている。この注水ケース13の前面には、前記収容ケース18が出し入れされる開口部が設けられ、その開口部が、本体1内の前面左上部の開口部に臨んでいる。
前記収容ケース18は、図3に示すように、プラスチックから構成され、共に上面が開放し前後にやや長い薄型容器状をなす手動用洗剤収容部18aと、手動用柔軟剤収容部18bとを、左右に並んで一体的に有している。手動用洗剤収容部18aには、例えば1回分の洗剤、即ち液体洗剤又は粉末洗剤が収容され、手動用柔軟剤収容部18bには、ソフターと称される1回分の柔軟仕上剤が必要に応じて収容される。尚、図4に示すように、手動用洗剤収容部18aは後端部が開放されて洗剤の排出部とされている。また、詳しく図示はしないが、手動用柔軟剤収容部18bは、いわゆるサイフォン式の排出部を有している。
前記収容ケース18は、注水ケース13内に前面側から出し入れ可能に設けられたいわゆる引出式とされている。このとき、収容ケース18の前端部には、手掛け部26aを有する前扉26が連結されている。収容ケース18は、前扉26が本体1内の前面左上部の開口部を閉塞する収納位置(図1等参照)と、その収納位置から前方に引き出された引出し位置(図3参照)との間で出し入れ可能とされている。図4にも示すように、前記収容ケース18は、その収納位置では、注水ケース13内の上部に配置されるようになっている。
前記手動用給水経路15は、図3に示すように、前記給水弁ユニット12の前部から一旦右側に延び、後述する自動投入装置17のタンク部分の右側部を迂回するように前方に延び、その後左側に折れ曲がって注水ケース13の上部に至るように設けられている。上記したように、この手動用給水経路15は、プラスチック製の流路形成部材25の上面がリブによって仕切られることにより、洗剤用流路27と柔軟剤用流路28との2つの流路を有して構成される。
そのうち洗剤用流路27は、入口部27aが前記手動洗剤用給水弁22の出口部に接続され、注水ケース13の上部の左側部位即ち収容ケース18の手動用洗剤収容部18aの上方まで延び、左右部において前後に並んで設けられた複数の小径の散水孔27bを有している。また、柔軟剤用流路28は、入口部28aが手動柔軟剤用給水弁20の出口部に接続され、注水ケース13の上部の右側部位即ち収容ケース18の手動用柔軟剤収容部18bの上方まで延び、前後に並んでやや大きい3個の注水穴28bを有している。
以上の構成により、手動供給機構19が構成される。この手動供給機構19にあっては、手動洗剤用給水弁22が開放されると、接続口23から供給された水道水が手動用給水経路15の洗剤用流路27を通り、散水孔27bから収容ケース18の手動用洗剤収容部18aにシャワー状に注水される。手動用洗剤収容部18aに供給された水は、収容されている洗剤を溶かしながら、注水ケース13底部に流れ、給水ホース16を通って水槽内に供給される。
また、この手動供給機構19にあっては、手動柔軟剤用給水弁20が開放されると、接続口23から供給された水道水が手動用給水経路15の柔軟剤用流路28を通り、注水穴28bから収容ケース18の手動用柔軟剤収容部18bに注水される。手動用柔軟剤収容部18bに供給された水は、収容されている柔軟剤を溶かしながら、注水ケース13から給水ホース16を通って水槽内に供給される。
さて、前記自動投入装置17について述べる。自動投入装置17は、図2、図3等に示すように、前記注水ケース13の後側に設けられたタンクケース29と、その後部に設けられたポンプ30とを備えている。タンクケース29は、上面が開放し前後にやや長い箱状をなし、図1に示すように、タンクケース29内には、共に前後方向に細長い矩形箱状をなす洗剤タンク31と柔軟仕上剤タンク32とが、左右に並んで上方への取出し可能に設けられている。
この場合、洗剤タンク31内には、複数回分の洗濯に使用可能な液体洗剤が収容され、柔軟仕上剤タンク32内には、複数回分の洗濯に使用可能な柔軟仕上剤が収容される。図1に示すように、本体1の上面には、タンクケース29の上面に対応した出し入れ口33が設けられると共に、その出し入れ口33を開閉する蓋34が設けられている。ユーザは、蓋34を開放させて、洗剤タンク31、柔軟仕上剤タンク32を上方に取出すことにより、洗剤、柔軟仕上剤の補充作業を行うことができる。
前記ポンプ30は、左右2つの吸込口30a、30b(図6参照)を前向きに有すると共に、左右2つの吐出口30c、30d(図5参照)を下向きに有しており、モータを駆動源として構成されている。このポンプ30は、モータの回転方向(通電方向)の切替により、液体を吸い込む吸込口30a、30b及び吐出する吐出口30c、30dを切替える構成とされている。図5に示すように、このポンプ30の2個の吐出口30c、30dは、後述する自動用給水経路14の途中の吐出部の上部に配置されている。
このとき、ポンプ30の一方即ち左側の吸込口30aが洗剤タンク31側に接続され、モータの一方向の回転により洗剤タンク31内の洗剤を汲み上げて一方即ち左側の吐出口30cから吐出するように構成されている。ポンプ30の他方即ち右側の吸込口30bが柔軟仕上剤タンク32側に接続され、モータの他方向の回転により柔軟仕上剤タンク32内の柔軟仕上剤を汲み上げ、他方即ち右側の吐出口30dから吐出するように構成されている。ポンプ30の駆動時間によって、洗剤や柔軟仕上剤の吐出量、即ち自動用給水経路14の途中の吐出部への供給量が制御される。
これにて、自動投入装置17は、ポンプ30の駆動により、洗剤タンク31内に収容されていた洗剤を、所要量だけ吐出部に供給することができ、また、柔軟仕上剤タンク32内に収容されていた柔軟仕上剤を、所要量だけ吐出部に供給することができる。後述するように、ポンプ30の駆動によって吐出部に洗剤或いは柔軟仕上剤が供給されている状態で、前記自動用給水弁21がオンされて自動用給水経路14に給水がなされると、その水は吐出部において洗剤或いは柔軟仕上剤と混合されそれらを溶かしながら流れ、注水ケース13等を通って水槽内に供給される。
そして、前記自動用給水経路14は、次のように構成される。即ち、図2等に示すように、この自動用給水経路14は、第1の継手部材35と、第2の継手部材36と、それらを接続する連結ホース37とを備えている。そのうち第1の継手部材35は、前記給水弁ユニット12と前記タンクケース29との間の下部に位置して設けられ、図6にも示すように、左右にやや横長で上下に薄型の矩形箱状をなすケース部35aと、入口管35bと、出口管部35cとを有して構成されている。
このとき、図5に示すように、ケース部35aの上面に前記ポンプ30の吐出口30c、30dが接続され、洗濯処理剤が落下するケース部35a内が吐出部とされており、この部分が、洗濯処理剤と水とが混合される混合空間38とされている。図6に示すように、前記入口管35bは、ケース部35aの上面右側の後端部から上方に延びて構成され、その上端部である自動用給水経路14の入口端部が、前記自動用給水弁21の出口部に接続されている。また、前記出口管部35cは、ケース部35aの前面左端部から前方に突出するように設けられている。
これにて、ポンプ30による洗濯処理剤の吐出部であるケース部35aの混合空間38が、前記入口管35bの上端の入口端部よりも低い位置に配置されている。また、本実施形態では、入口管35bよりも出口管部35cの方が、流路径が大きく構成されている。尚、詳しく図示はしていないが、ケース部35aの内底部は、左側前部の出口管部35c部分に向けて緩やかに下降傾斜しており、混合空間38内の液体は全て出口管部35cから排出されるようになっている。
前記第2の継手部材36は、上面から見てL字状に構成され、一端が前記注水ケース13の周壁部である左側壁部の下部に設けられた接続孔13a(図4参照)に接続され、自動用給水経路14の出口端部を構成する。図4に示すように、接続孔13aは、前記収容ケース18よりも下方に位置している。第2の継手部材36の他端側は、注水ケース13の側壁に沿って後方向きに配置され、図2に示すように、前記第1の継手部材35の出口管部35cと、第2の継手部材36の他端側との間が前記連結ホース37で接続されている。尚、前記接続孔13aは、前記出口管部35cよりもやや低い位置に設けられ、連結ホース37は前方に向けて緩やかに下降傾斜している。
これにより、自動用給水経路14においては、前記自動用給水弁21が開放されると、接続口23から供給された水道水が、第1の継手部材35の入口管35bから、ケース部35a即ち混合空間38内に流入し、吐出部に洗剤或いは柔軟仕上剤が供給されている場合にはそれらと混合される。混合された洗濯水は、出口管部35cから排出され、連結ホース37を通り、第2の継手部材36を通して接続孔13aから注水ケース13内の下部に流入する。そして、収容ケース18の下方を後方へ流れ、給水ホース16を通って水槽内に供給される。
更に、図7に示すように、本体1内には、例えばマイクロコンピュータを主体に構成され、給水機構8を含む洗濯機全体の制御を行う制御装置41が設けられている。制御装置41は、操作パネル5においてユーザにより設定される運転コース等に応じて、各種センサ11からの入力信号や予め記憶された制御プログラムに基づいて、前記給水弁ユニット12の各給水弁21、21、22、自動投入装置17のポンプ30、ドラムモータ7、排水弁9、乾燥ユニット10等を制御する。これにて、洗い行程、すすぎ行程、脱水行程からなる洗濯運転や、乾燥運転を自動で実行する。これら洗濯運転や乾燥運転の各行程の詳細については、周知であるのでここでは説明を省略する。
本実施形態では、ユーザは、洗濯運転を実行させるにあたって、自動投入装置17により自動で洗剤及び柔軟仕上剤を投入するか、或いは、手動投入機構19の収容ケース18を用いて手動で1回分の洗剤や柔軟仕上剤を投入するかを、操作パネル5上で選択操作できるようになっている。ユーザは、手動での投入を選択した場合には、洗濯運転開始時に、予め、収容ケース18の手動用洗剤収容部18aに必要量の粉末洗剤又は液体洗剤を収容しておく。また柔軟仕上剤を用いる場合には、上記洗剤と併せて、手動用柔軟剤収容部18bに所要量の柔軟仕上剤を投入しておく。
制御装置41は、洗剤及び柔軟仕上剤の自動投入が選択されている場合には、洗い行程の給水開始前に、自動投入装置17により所要量の洗剤を吐出部に供給し、その後、自動用給水弁21をオンして給水を実行する。また、最終のためすすぎ行程の前に、自動投入装置17により所要量の柔軟仕上剤を供給部に供給しておき、その後、自動用給水弁21開放して給水を行う。尚、給水は、ドラム内の布量検知の結果に基づいて、水槽内の水位が布量に応じたものとなるように行われる。
これに対し、洗剤及び柔軟仕上剤の手動での投入が選択されている場合には、制御装置41は、自動投入装置17を動作させることなく、手動洗剤用給水弁22により洗い行程の給水を実行する。そして、最終のためすすぎ行程の給水時には、手動柔軟剤用給水弁20を開放させて給水を行う。このとき、本実施形態では、次の作用説明で詳しく述べるように、洗い行程の給水開始時に、まず自動用給水弁21を開放し、その後、例えば2秒経過後に手動洗剤用給水弁22を開放するような制御を行う。更に、手動洗剤用給水弁22の開放から所定時間例えば18秒経過後に、自動用給水弁21を閉塞し、手動洗剤用給水弁22のみでの給水を行う。
次に、上記構成の洗濯機の作用・効果について、図8も参照して述べる。上記自動投入装置17を使用する準備として、ユーザは、洗剤タンク31内に洗剤を収容させておくと共に、柔軟仕上剤タンク32に柔軟仕上剤を収容させておく。洗濯機において洗濯運転を実行させるにあたっては、ユーザは、電源スイッチ4を操作して電源をオンし、ドラム内に衣類を収容する。これと共に、操作パネル5により運転コースを選択する。
このとき、洗剤及び柔軟仕上剤の手動投入を選択した場合には、ユーザは、引出し式の収容ケース18を引出して、手動用洗剤収容部18aに必要量の洗剤を収容させ、手動用柔軟剤収容部18bに所要量の柔軟仕上剤を投入し、前扉26を閉塞した後、洗濯運転をスタートさせる。これに対し、洗剤及び柔軟仕上剤の自動投入を選択した場合には、そのまま洗濯運転をスタートさせることができる。
制御装置41は、洗濯運転がスタートされると、洗濯機の各機構を制御し、周知の洗い、すすぎ、脱水の各行程からなる洗濯運転を自動で実行する。このとき、洗い行程では、まず、水槽内への所定水位までの給水が行われるのであるが、洗剤の自動投入が選択されている場合には、給水開始前に、自動投入装置17のポンプ30を制御することにより、自動用給水経路14の途中の吐出部即ち混合空間38に所要量の洗剤が供給される。給水動作においては、自動用給水弁21が開放される。
自動用給水弁21が開放されると、給水源からの水が自動用給水経路14に供給される。このとき、第1の継手部材35の入口管35bから、ケース部35aの混合空間38内に流入し、吐出部に供給されている洗剤と混合される。混合された洗濯水は、出口管部35cから連結ホース37を通り、第2の継手部材36を通して接続孔13aから注水ケース13内の下部に流入する。そして、収容ケース18の下方を後方へ流れ、給水ホース16を通って水槽内に供給される。これにて、洗剤を水に溶かした洗濯水が、水槽に自動で給水され、洗い行程が実行される。
一方、洗剤の手動投入が選択されていた場合には、制御装置41は、洗い行程の給水時においては、図8に示すように、手動洗剤用給水弁22と自動用給水弁21との双方を用いて給水を行う。即ち、給水が開始されると(時刻0秒)、まず自動用給水弁21がオンされ、2秒が経過すると(時刻2秒)、自動用給水弁21はオンのまま、手動洗剤用給水弁22がオンされるようになる。その後、時刻20秒までは、自動用給水弁21と手動洗剤用給水弁22との双方がオンのままとなり、時刻20秒となると、自動用給水弁21がオフされ、手動洗剤用給水弁22はオンのままとなる。
これにて、自動用給水弁21がオンされることによって、まず、給水源からの水のみが、自動用給水経路14を通って接続孔13aから注水ケース13内の下部に流入するようになる。引続き、手動洗剤用給水弁22がオンされることにより、給水源からの水が手動用給水経路15の洗剤用流路27を通り、散水孔27bから収容ケース18の手動用洗剤収容部18aにシャワー状に注水される。その水は、手動用洗剤収容部18a内に収容されている粉末洗剤を溶かしながら、洗濯水となって注水ケース13内の底部に流れ、自動用給水経路14からの水と共に給水ホース16を通って水槽内に供給される。
このとき、収容ケース18の下方である注水ケース13内の底部は、自動用給水経路14を通ってきた水が流れており、いわば水流によるバリアが設けられている。従って、収容ケース18の手動用洗剤収容部18aの後部から流下した粉末洗剤は、注水ケース13内底部の前側に行くことはなく、以て、注水ケース13内壁や収容ケース18の外底面に付着して残ることなく流すことができる。この後、図8に示すように、時刻42秒で、手動洗剤用給水弁22が一旦オフされ、時刻47秒から、最初と同様の制御が行われる。この後の時刻49秒以降は、自動用給水弁21及び手動洗剤用給水弁22のオン状態で給水が行われ、図示はしないが、水槽内の所定水位までの給水が行われると、自動用給水弁21及び手動洗剤用給水弁22がオフされ、洗い行程が実行される。
この後、行程が進み、最後のためすすぎ行程の給水の前になると、洗剤の自動投入が選択されている場合には、自動投入装置17のポンプ30が駆動され、今度は混合空間38に対し所要量の柔軟仕上剤が供給される。この後、自動用給水弁21が開放され、自動用給水経路14を流れる水が、混合空間38部分で柔軟仕上剤を溶かしながら流れ、柔軟仕上剤を含んだ洗濯水が、注水ケース13を通って水槽内に給水され、最後のためすすぎ行程が実行される。
これに対し、手動投入が選択されている場合には、最後のためすすぎ行程の給水が、手動柔軟剤用給水弁20を開放させることにより行われる。手動柔軟剤用給水弁20の開放により、水が手動用給水経路15の柔軟剤用流路28を通り、注水穴28bから収容ケース18の手動用柔軟剤収容部18bに注水される。手動用柔軟剤収容部18bに供給された水は、収容されている柔軟剤を溶かしながら、注水ケース13から給水ホース16を通って水槽内に供給される。所定水位の給水が完了すると、最後のためすすぎ行程が実行される。
ここで、本実施形態では、上記した自動用給水経路14においては、自動用給水弁21の出口部に接続されている入口管35bの上端の入口端部よりも、ポンプ30による洗濯処理剤の吐出部即ち混合空間38の方が低い位置に配置されている。従って、吐出部から入口端部側ひいては自動用給水弁21側に向けての水の流れは起こりにくくなり、自動用給水経路14に洗濯処理剤が残っていたとしても、その洗濯処理剤が自動用給水弁側20に逆流することを防止することができる。この結果、本実施形態によれば、洗濯処理剤の自動投入装置17を備えるものにあって、洗濯処理剤の自動用給水弁21側への逆流を防止することができ、ひいては自動用給水弁21に対する悪影響を未然に防止することができる。
このとき、本実施形態では、自動用給水経路14の途中の吐出部部分に、ポンプ30により汲み出された洗濯処理剤と、自動用給水弁21から流れる水とが混合される混合空間38を設ける構成とした。これにより、自動用給水経路14の途中の混合空間38において、洗濯処理剤と水とが混合されるようになり、洗濯処理剤が水に良く溶けた状態の洗濯液として、注水ケース13ひいては水槽に供給することができる。洗剤の能力を十分に発揮させることができ、自動用給水経路14における洗剤残りも抑えることができる。尚、混合空間38に対する給水によりポンプ30の吐出口30c、30d部分を洗い流すことができるので、洗剤や柔軟仕上剤が吐出口30c、30d部分で固着することを防止する効果も得られる。
また、本実施形態においては、自動用給水経路14の出口端部即ち第2の継手部材36を、注水ケース13の周壁部の下部の接続孔13aに接続し、収容ケース18の下方に水を流すように構成した。これにより、注水ケース13内の下部や収容ケース18の外底部等に、手動投入時における洗濯処理剤特に粉末洗剤が残っていたとしても、自動投入時において、収容ケース18の下方に水が流れるようになり、付着していた洗濯処理剤を注水ケース13から排出することができる。
しかも本実施形態では、制御装置41を、手動供給機構19により洗剤を供給する場合に、給水開始時に、まず自動用給水弁21を開放し、その後、手動用給水弁22を開放するような制御を行うように構成した。これにより、注水ケース13内の下部において自動用給水経路14からの水を流しながら、手動供給機構19による収容ケース18内の洗剤を流すことができるので、洗剤特に粉末洗剤が注水ケース13内の下部に残ることを効果的に防止することができる。
更に、本実施形態では、自動用給水経路14を構成する第1の継手部材35は、入口管35bの流路径よりも出口管部35cの流路径ひいては連結ホース37及び第2の継手部材36の流路径の方が大きく構成されている。これにより、自動用給水経路14の出口側の流路径が比較的大きいので、洗濯処理剤及び水を排出しやすくなる。また、自動用給水経路14の入口側の流路径が比較的小さいので、第1の継手部材35の内部を流れる水の流速を高めることができ、洗濯処理剤の混合を効果的に行うことができ、洗濯処理剤を良好に流し去ることができる。
尚、上記実施形態では、手動供給機構19により洗剤を供給する場合、給水開始時に、自動用給水弁21と手動用給水弁22とを図8で示すように制御する構成としたが、図8の制御は必要に応じて実行すれば良く、手動用給水弁22のみで給水を行うようにしても良い。時刻20秒以降も自動用給水弁21をオンしておくようにしても良い。図8における時間は、あくまでも一例を示したに過ぎず、適宜変更できる。自動用給水経路や、手動用給水経路の具体的な構成としても様々な変更が可能である。
自動投入装置の構成としても、上記した実施形態に限定されるものではなく、次のような変更が可能である。即ち、洗剤の移送に用いるポンプとしてピストンポンプを採用したものであっても良く、また電磁弁の開閉によって洗剤を供給するもの等でも良い。洗剤タンクと柔軟仕上剤タンクとを備える構成としたが、洗濯処理剤としての洗剤のみ或いは柔軟仕上剤のみを自動で供給する構成としても良い。その他、上記実施形態では、乾燥機能付きのドラム式洗濯機に適用するようにしたが、いわゆる縦軸型の洗濯機に適用することもでき、乾燥機能を備えていない洗濯機であっても良い。収容ケースの形状や構造、給水経路の構成等についても、様々な変更が可能である。
以上、本発明の複数の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。