JP2021005579A - ドライエッチング方法及びデバイスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反応生成物として生成され、真空チャンバ内に存する部品に付着したRuO2を効率よく除去して、常時、同等の雰囲気でRu膜をドライエッチングできるドライエッチング方法を提供する。【解決手段】本発明のドライエッチング方法は、真空チャンバ1内にRu膜を備える基板Swを設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に酸素ガスとハロゲン含有ガスとを含むエッチングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にてRu膜をドライエッチングするエッチング工程と、真空チャンバ内にクリーニングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にて真空チャンバ内に存する部品11をクリーニングするクリーニング工程とを含み、クリーニングガスが、エッチングガスに含まれるハロゲン含有ガスと希ガスとを含み、プラズマ雰囲気中で電離した少なくとも希ガスのイオンが真空チャンバ内に存する部品に引き込まれるようにした。【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ雰囲気中にてRu膜をドライエッチングするドライエッチング方法及びデバイスの製造方法に関し、より詳しくは、常時、所定のエッチングレートでRu膜をドライエッチングすることができるものに関する。
例えば通信デバイス等の電子部品の製造工程において、シリコンウエハなどの基板表面に成膜したRu膜をドライエッチングして所望の電極パターンを形成する工程があり、この工程を実施するドライエッチング方法は例えば特許文献1で知られている。このものでは、真空チャンバ内のステージ(基板電極)上に、基板を設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に酸素ガスとハロゲン含有ガスとを含むエッチングガスを導入する。そして、真空チャンバの上壁に設けた誘電体窓(誘電板)の上方に配置されるアンテナコイルに高周波電力を投入する。すると、誘電体窓を介して真空チャンバ内に高周波電力が導入され、真空チャンバ内にプラズマ雰囲気が生成され、Ru膜がドライエッチングされる(エッチング工程)。Ru膜のドライエッチング時、誘電体窓といった真空チャンバ内に存する部品には、反応生成物が付着する。このため、定期的に、真空チャンバ内にアンモニアガスや他のハロゲン含有ガス等のクリーニングガスを導入してプラズマ雰囲気を生成し、真空チャンバ内の部品をクリーニングしている(クリーニング工程)。
ここで、例えば基板の大面積化に伴ってドライエッチングすべきRu膜の面積が増加するのに従い、クリーニング工程を定期的に実施しても、エッチングレートが次第に低下していくことが判明した。そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ね、次のことを知見するのに至った。即ち、上記のようにしてRu膜をドライエッチングした場合、通常は、反応生成物としてRuOが主に生成され、RuOは蒸気圧の高いものである。このため、真空チャンバ内の部品に付着しても、揮発して真空排気される。一方で、ドライエッチングすべきRu膜の面積が増加すると、反応生成物としてRuOだけでなく、何らかの理由でRuOも生成され、これが真空チャンバ内に付着することを知見するのに至った。
RuOは、蒸気圧の低いものであり、しかも、導電性を有するものである。このため、真空チャンバ内の部品に付着したRuOは、RuOのように揮発して真空排気されない。そして、このような導電性を有するRuOが誘電体窓に付着すると、真空チャンバ内への所定の高周波電力の導入が妨げられ、これに起因して、プラズマ密度が次第に低下してエッチングレートが低下していくと考えられる。
特開2004−247553号公報(請求項5参照)
本発明は、上記知見に基づきなされたものであり、反応生成物として生成され、真空チャンバ内に存する部品に付着したRuOを効率よく除去して、常時、同等の雰囲気でRu膜をドライエッチングできるドライエッチング方法及びデバイスの製造方法を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明のドライエッチング方法は、真空チャンバ内にRu膜を備える基板を設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に酸素ガスとハロゲン含有ガスとを含むエッチングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にてRu膜をドライエッチングするエッチング工程と、真空チャンバ内にクリーニングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にて真空チャンバ内に存する部品をクリーニングするクリーニング工程とを含み、クリーニングガスが、エッチングガスに含まれるハロゲン含有ガスと希ガスとを含み、プラズマ雰囲気中で電離した少なくとも希ガスのイオンが真空チャンバ内に存する部品に引き込まれるようにしたことを特徴とする。このとき、前記部品が真空チャンバ壁に設けた誘電体窓である場合には、前記クリーニング工程にて、誘電体窓に近接配置した電極に高周波電圧を印加すればよい。
本発明によれば、エッチング工程を実施すると、ドライエッチングすべきRu膜の面積によっては、真空チャンバ内に存する部品にRuOの他、RuOといった反応生成物が付着する。このような反応生成物を除去するために、複数枚の基板のRu膜をドライエッチングしていく間で定期的にクリーニング工程を実施する。このとき、ハロゲン含有ガスと希ガスとを含むクリーニングガスを用い、プラズマ雰囲気中で電離した少なくとも希ガスのイオンが真空チャンバ内に存する部品に引き込まれるようにすることで、真空チャンバ内の部品に付着した、本来揮発させて真空排気し難いRuOを効率良く除去することができる。
真空チャンバ内に存する部品が真空チャンバ壁に設けた誘電体窓である場合を例に具体的に説明すると、プラズマ雰囲気中で電離したハロゲンイオンにより、誘電体窓に付着したRuOが還元されてRuとなる。このとき、電極に高周波電圧を印加することで、プラズマ雰囲気中で電離した希ガスのイオンが、誘電体窓に向かって引き込まれ、この希ガスのイオンの上記還元されたRuへの衝撃によりRuが真空チャンバ内に放出されて真空排気される。尚、希ガスからなる(ハロゲン含有ガスを含まない)クリーニングガスや、ハロゲン含有ガスからなる(希ガスを含まない)クリーニングガスを用いた場合、RuOを効果的に除去できず、エッチング工程の実施に伴う、エッチングレートの低下を抑制できないことが確認された。
このように本発明では、反応生成物として生成され、真空チャンバ内に存する部品に付着したRuOをも効率よく除去される。そして、誘電体窓を介して真空チャンバ内に高周波電力を導入して真空チャンバ内にプラズマ雰囲気を生成するような場合には、定期的に実施されるクリーニング工程にて、誘電体窓に付着したRuOが除去されることで、高周波電力の導入が妨げられることが防止されて、常時、同等の雰囲気(例えば、所定のエッチングレートを維持した状態)でRu膜をドライエッチングできる。
本発明においては、前記クリーニングガスが、酸素ガスを更に含み、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比が10:0.1〜1:1の範囲に設定されることが好ましい。この流量比の範囲で酸素ガスを更に含むことで、プラズマ雰囲気中で電離した酸素イオンにより、上記ハロゲンイオンにより還元されたRuが酸化され、RuOとして揮発するため、より一層効率良くRuOを除去することができる。尚、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比が1:1より大きいと、酸素イオンが多くなり過ぎて、ハロゲンイオンによる還元が効率良く起こらず、結果として、効率良くRuOを除去することができなくなる場合がある。
本発明においては、前記クリーニングガスの総流量に対する希ガスの割合が2〜20%に設定されることが好ましい。希ガスの割合が2%未満では、ハロゲン含有ガスが効率良く電離(解離)せず、ハロゲンイオンによる還元が効率良く起こらないため、また、希ガスのイオンが少なく、希ガスのイオンの衝撃によるRuの放出も効率良く起こらないため、効率良くRuOを除去できない場合がある。一方で、希ガスの割合が20%よりも大きいと、希ガスのイオンが多くなり過ぎて、ハロゲンイオンによる還元が効率良く起こらないため、効率良くRuOを除去できない場合がある。
本発明においては、前記ハロゲン含有ガスは、Cl、BCl、HCl、HBr、HI及びSiClから選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明においては、前記ハロゲン含有ガスは、ホウ素原子または水素原子を含むことが好ましい。これによれば、クリーニング時にプラズマ雰囲気中で電離したホウ素イオンまたは水素イオンにより、部品に付着したRuOを効率良く還元してRuとすることができ、上述の如くRuOとして揮発させて真空排気することができるため、より一層効率良くRuOを除去することができ、有利である。
また、上記課題を解決するために、本発明のデバイスの製造方法は、真空チャンバ内にRu膜を備える基板を設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に酸素ガスとハロゲン含有ガスとを含むエッチングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にてRu膜をドライエッチングするエッチング工程と、真空チャンバ内にクリーニングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にて真空チャンバ内に存する部品をクリーニングするクリーニング工程とを含み、クリーニングガスが、エッチングガスに含まれるハロゲン含有ガスと同一のものと希ガスとを含み、プラズマ雰囲気中で電離した少なくとも希ガスのイオンが真空チャンバ内に存する部品に引き込まれるようにし、所定のタイミングで前記クリーニング工程を実施することを特徴とする。本発明において、所定のタイミングとは、エッチング工程とクリーニング工程とを交互に実施する場合だけでなく、複数回エッチング工程を実施する毎にエッチング工程を実施する場合を含むものとする。
本発明の実施形態のドライエッチング方法を実施可能なドライエッチング装置の構成を模式的に説明する断面図。 誘電体窓に近接配置した電極を示す平面図。 本発明の効果を確認する実験結果を示すグラフ。 本発明の効果を確認する実験結果を示すグラフ。 本発明の効果を確認する実験結果を示すグラフ。 本発明の効果を確認する実験結果を示すグラフ。
以下、図面を参照して、Ru膜を備えるシリコンウエハ等のシリコン基板(以下「基板Sw」という)のRu膜をドライエッチングする場合を例に、本発明の実施形態のドライエッチング方法及びデバイスの製造方法について説明する。
図1を参照して、EMは、本実施形態のデバイスの製造方法及びドライエッチング方法に含まれるエッチング工程及びクリーニング工程を実施するICP(誘導結合プラズマ)型のドライエッチング装置であり、ドライエッチング装置EMは、上部開口1aを有する円筒状の真空チャンバ1を備える。以下においては、「上」「下」といった方向を示す用語は、図1のエッチング装置EMの姿勢を基準として説明する。
真空チャンバ1の上部開口1aは石英板で構成される誘電体窓11で塞がれており、この誘電体窓11が真空チャンバ1の上壁を構成する。真空チャンバ1の側壁上部には径方向外方に張り出すフランジ1bが設けられ、フランジ1bの上面に形成された凹溝に嵌め込まれたOリング12によりフランジ1bと誘電体窓11との間がシールされている。真空チャンバ1内の底部には、絶縁体13を介してステージ2が設けられている。ステージ2は、図示省略するが、金属製の基台と、基台上に設けられるチャックプレートとで構成され、基板SwをRu膜を上方に向けた姿勢で位置決めされた状態で静電吸着できるようになっている。ステージ2には、高周波電源E1からの出力が接続されており、ステージ2に高周波電力を投入することで、基板Swにバイアス電位を印加できるようになっている。図示省略するが、ステージ2の基台にはヒータや冷媒を循環させる冷媒流路が設けられ、基板Swを所定温度に制御できるようになっている。
真空チャンバ1の底部には、図示省略の真空ポンプに通じる排気管3が接続され、真空チャンバ1内を真空排気できるようになっている。真空チャンバ1の側壁には、図示省略の流量制御弁(例えばマスフローコントローラ)を介して各ガス源に通じるガス導入管4が接続され、真空チャンバ1内に後述するエッチングガスやクリーニングガスを所定流量で導入できるようになっている。
誘電体窓11の上方には、複数段(本実施形態では2段)のループ状のアンテナコイル5が設けられている。アンテナコイル5には、高周波電源E2からの出力が接続され、プラズマ雰囲気形成用の高周波電力を投入でき、これにより誘電体窓11を介して真空チャンバ1内に高周波電力を導入できるようになっている。
誘電体窓11とアンテナコイル5との間には、誘電体窓11に近接させて電極6が配置されている。図2も参照して、電極6としては、例えば、基部61と、この基部61を起点に点対称となるように基部61から径方向にのびる複数本(本実施形態では6本)の主枝部62と、互いに隣接する主枝部62で区画される空間を複数に分割する、主枝部62に突設された従枝部63とで構成されるものを用いることができる。
電極6には、高周波電源E2からの出力が可変容量コンデンサ7を介して接続されており、真空チャンバ1内にプラズマ雰囲気を形成した状態で、電極6に高周波電圧を印加すると、プラズマ雰囲気で電離したイオンが誘電体窓11に向かって引き込まれるようになっている。可変容量コンデンサ7としては、例えば、10pF〜500pFの範囲で容量が可変なものを用いることができる。尚、可変容量コンデンサ7の代わりに、容量が固定されたコンデンサを用いることができる。
上記ドライエッチング装置EMは、図示省略する公知のマイクロコンピュータやシーケンサ等を備えた制御手段を備え、制御手段により、高周波電源E1,E2の稼働、マスフローコントローラの稼働や真空ポンプの稼働等を統括管理するようになっている。以下、上記ドライエッチング装置EMを用いて、基板Swに形成されたRu膜をエッチングする本実施形態のドライエッチング方法について説明する。
先ず、真空ポンプを作動させて真空チャンバ1内を真空排気した状態で、図外の搬送ロボットを用いて基板Swをステージ2上に設置し、Ru膜側を上方に向けた姿勢で基板Swが静電吸着される。ガス導入管4から真空チャンバ1内に、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとを含むエッチングガスを導入する。ハロゲン含有ガスとしては、Cl、BCl、HCl、HBr、HI及びSiClから選択される少なくとも1種を用いることができ、ハロゲン含有ガスの流量は50〜200sccm、酸素ガスの流量は200〜600sccmに夫々設定される(このときの真空チャンバ1内の圧力は、1〜20Pa)。次いで、高周波電源E2からアンテナコイル5に例えば13.56MHzの高周波電力を500W〜2000W投入することで、真空チャンバ1内にプラズマ雰囲気が形成される。これと併せて、ステージ2に例えば12.56MHzの高周波電力を30W〜300W投入し、基板Swにバイアス電位を印加することで、プラズマ雰囲気で電離したイオンが基板Swに引き込まれてRu膜がドライエッチングされる(エッチング工程)。エッチング工程の終点は、例えばエンドポイント等の公知の方法により検知することができる。エッチング工程の終点が検知されると、エッチングガスの導入と電力投入を停止してエッチングを終了し、処理済みの基板Swを真空チャンバ1から搬出する。その後、上記と同様の方法で、次の基板Swをステージ2上に設置して、Ru膜のドライエッチングが実施される。
このようなエッチング工程を実施すると、ドライエッチングすべきRu膜の面積によっては、真空チャンバ1内に存する誘電体窓11といった部品にRuOの他、RuOといった反応生成物が付着する。誘電体窓11に付着した反応生成物を除去するために、複数枚の基板SwのRu膜をドライエッチングしていく間で所定のタイミングで定期的にクリーニング工程を実施する。ここで、クリーニングを実施するタイミングは、エッチング条件等に応じて適宜設定することができ、エッチング工程とクリーニング工程とを交互に実施してもよいし、複数回エッチング工程を実施する毎にクリーニング工程を実施してもよい。
クリーニング工程では、ハロゲン含有ガスと希ガスとを含むクリーニングガスを真空チャンバ1内に導入し、高周波電源E2からアンテナコイル5に例えば13.56MHzの高周波電力を300W〜3000W投入し、高周波電源E1からステージ2に例えば12.56MHzの高周波電力を5W〜100W投入することにより、真空チャンバ1内にプラズマ雰囲気が形成される。ハロゲン含有ガスとして、エッチングガスに含まれるものと同一のものを用いることで、エッチング工程とクリーニング工程との間での雰囲気の変化(これがデバイスの歩留まり低下を招く場合がある)を抑制できる。尚、クリーニング工程中、ステージ2にはダミー基板を設置することができる。ハロゲン含有ガスの流量は10〜200sccm、希ガスの流量は2〜40sccmの範囲に設定される(このときの真空チャンバ1内の圧力は、1〜20Pa)。
このようにプラズマ雰囲気が形成されると、プラズマ雰囲気中で電離した希ガスのイオンにより、誘電体窓11に付着したRuOが還元されてRuとなる。このとき、誘電体窓11に近接配置した電極6に高周波電圧(例えば、100〜5000V)を印加することで、プラズマ雰囲気中で電離した希ガスのイオンが、誘電体窓11に向かって引き込まれ、この希ガスのイオンの上記ハロゲンイオンにより還元されたRuへの衝撃(スパッタ)により、Ruが真空チャンバ1内に放出されて排気される。
ここで、クリーニングガスの総流量に対する希ガスの割合を2〜20%に設定することが好ましい。希ガスの割合が2%未満では、ハロゲン含有ガスが効率良く電離(解離)せず、ハロゲンイオンによるRuOの還元が効率良く起こらないため、また、希ガスのイオンが少なく、希ガスのイオンの衝撃によるRuの放出も効率良く起こらないため、効率良くRuOを除去できない場合がある。一方で、希ガスの割合が20%よりも大きいと、希ガスのイオンが多くなり過ぎて、ハロゲンイオンによるの還元が効率良く起こらないため、効率良くRuOを除去できない場合がある。
ここで、希ガスからなる(ハロゲン含有ガスを含まない)クリーニングガスや、ハロゲン含有ガスからなる(希ガスを含まない)クリーニングガスを用いた場合、RuOを効果的に除去できず、エッチング工程の実施に伴う、エッチングレートの低下を抑制できないことが後述の実験により確認された。それに対して、本実施形態では、クリーニングガスにハロゲン含有ガスをも含むことで、プラズマ雰囲気中の希ガスの電離が促進され、RuOを効果的に除去できるものと推測される。
このように本実施形態では、ドライエッチングの反応生成物として生成され、誘電体窓11に付着したRuOをも効率良く除去される。そして、誘電体窓11を介して真空チャンバ1内に高周波電力を導入して真空チャンバ1内にプラズマ雰囲気を生成するような場合には、定期的に実施されるクリーニング工程にて誘電体窓11に付着したRuOが除去されることで、真空チャンバ1内への高周波電力の導入が妨げられることが防止されて、常時、同等の雰囲気(例えば、所定のエッチングレートを維持した状態)でRu膜をドライエッチングできる。
また、クリーニングガスが酸素ガスを更に含み、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比が10:0.1〜1:1の範囲に設定されることが好ましい。この流量比の範囲で酸素ガスを更に含むことで、プラズマ雰囲気中で電離した酸素イオンにより、上記ハロゲンイオンにより還元されたRuが酸化され、RuOとして揮発するため、より一層効率良くRuOを除去することができる。尚、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比が1:1より大きいと、酸素イオンが多くなり過ぎて、ハロゲンイオンによる還元が効率良く起こらず、結果として、効率良くRuOを除去することができなくなる場合がある。
また、ハロゲン含有ガスとしてホウ素原子または水素原子を含むものを用いることが好ましい。これによれば、クリーニング時にプラズマ雰囲気中で電離したホウ素イオンまたは水素イオンにより、誘電体窓11に付着したRuOを効率良く還元してRuとすることができ、上述の如くRuOとして揮発させて真空排気することができるため、より一層効率良くRuOを除去するとができ、有利である。
また、ハロゲン含有ガスとして、還元性の高い第1のハロゲン含有ガス(例えばCl等のようなホウ素原子を含まないもの)とホウ素原子を含む第2のハロゲン含有ガス(例えばBCl等)とを含むことが好ましい。これによれば、クリーニング時にホウ素原子が誘電体窓11に付着することを防止でき、誘電体窓11に付着したRuOを還元してRuとする効果を高めることができる。この場合、第1のハロゲン含有ガスの流量を第2のハロゲン含有ガスの流量よりも大きくすることが好ましい。
上記実施形態の効果を確認するために、上記ドライエッチング装置EMを用いて以下の実験を行った。発明実験1では、厚さ130nmのRu膜が形成されたΦ8インチの基板Sw(Ru膜上にレジストパターンを形成し、基板Sw表面の面積に対するレジスト開口部から露出するRu膜の面積の比率(開口率)を90%に設定した)をステージ2上に設置し、真空排気した後、以下のエッチング条件でRu膜のドライエッチングを実施した(エッチング工程)。即ち、エッチングガスとして酸素ガスとClガスとを含有するものを用い、酸素ガス流量を320sccm、Clガス流量を60sccm、圧力を1Pa、アンテナコイル5への投入電力を13.56MHz,800W、ステージ2への投入電力を12.5MHz,60Wに夫々設定した。上記ドライエッチング装置EMに設けられた図示省略する公知の終点検出装置(EPD)を用いてエッチング工程の終点を検知すると、エッチングガス導入及び電力投入を中止してドライエッチングを終了した。本発明実験1では、25枚(1ロット)の基板Swに対するエッチング工程が終了する毎に、以下のクリーニング条件でクリーニング工程を実施した。即ち、クリーニングガスとして酸素ガスとClガスとArガスとを含有するものを用い、酸素ガス流量を10sccm、Clガス流量を50sccm、Arガス流量を20sccm、圧力を10Pa、アンテナコイル5への投入電力を13.56MHz,950W、ステージへ2の投入電力を12.5MHz,20W、クリーニング時間を900secに夫々設定した。各基板Swのエッチング開始から終点検知までの時間からエッチングレートを夫々求め、基板Swの処理枚数とエッチングレートとの関係を求めた結果を図3に示す。これによれば、処理枚数が175枚に達してもエッチングレートは低下せず、一定のエッチングレート(50nm/min前後)を実現できることが確認された。これより、誘電体窓11に付着したRuOが除去されることで、常時、同等の雰囲気でRu膜をドライエッチングできることが判った。
発明実験2では、厚さ130nmのRu膜が形成されたΦ8インチの基板Sw(Ru膜上にレジストパターンを形成せず、基板Sw表面の面積に対する露出するRu膜の面積の比率(開口率)を100%に設定した)をステージ2上に設置し、真空排気した後、以下のエッチング条件でRu膜のドライエッチングを実施した(エッチング工程)。即ち、エッチングガスとして酸素ガスとClガスとを含有するものを用い、酸素ガス流量を400sccm、Clガス流量を80sccm、圧力を1Pa、アンテナコイル5への投入電力を13.56MHz,800W、ステージ2への投入電力を12.5MHz,150Wに夫々設定した。本発明実験2では、1枚の基板Swに対するエッチング工程が終了する毎に、クリーニング工程を実施した(つまり、エッチング工程とクリーニング工程とを交互に実施した)。クリーニング条件は、クリーニングガスとしてClガスとBClガスとArガスとを含有するものを用い、Clガス流量を60sccm、BClガス流量を40sccm、Arガス流量を10sccm、圧力を5Pa、アンテナコイル3への投入電力を13.56MHz,950W、ステージ2への投入電力を12.5MHz,20W、クリーニング時間を30secに夫々設定した。上記発明実験1と同様に、基板Swの処理枚数とエッチングレートとの関係を求めた結果を図4に示す。これによれば、10枚の基板Swに対してエッチングを実施する間、一定のエッチングレート(47nm/min前後)を実現できることが確認された。これより、上記発明実験1よりもドライエッチングすべきRu膜の面積が増加したにも拘わらず、誘電体窓11に付着したRuOが除去されることで、常時、同等の雰囲気でRu膜をドライエッチングできることが判った。
比較実験1では、クリーニングガスにArガスを添加しない点を除き、上記発明実験1と同様に、エッチング工程とクリーニング工程を実施した。上記発明実験1と同様に、基板Swの処理枚数とエッチングレートとの関係を求めた結果を図5に示す。これによれば、処理枚数が30枚に達すると、エッチングレートが急激に低下することが確認された。また、比較実験2では、クリーニングガスにArガスを添加しない点を除き、上記発明実験2と同様に、エッチング工程とクリーニング工程を交互に実施した。上記発明実験2と同様に、基板Swの処理枚数とエッチングレートとの関係を求めた結果を図6に示す。これによれば、処理枚数が2枚目〜7枚目は一定のエッチングレートが実現できるものの、処理枚数が10枚に達すると、エッチングレートが急激に低下することが確認された。更に、図示しないが、比較実験3では、希ガスのみからなるクリーニングガス(酸素ガスとClガスを含まない)を用いる点を除き、上記発明実験1と同様に、エッチング工程とクリーニング工程を実施した。この場合も、上記比較実験1と同様に、処理枚数が30枚に達すると、エッチングレートが急激に低下することが確認された。これらの比較実験1〜3では、誘電体窓11に付着したRuOを除去できないため、RuOの付着量が増加するのに従い、真空チャンバ1内への高周波電力の導入を妨げられ、これに起因して、プラズマ密度が次第に低下し、エッチングレートが低下したと考えられる。比較実験1〜3の終了後、誘電体窓11を夫々確認したところ、特に中央部にRuOが厚く付着していることが確認された。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変形することができる。例えば、上記実施形態では、誘電体窓11に付着したRuOを除去する場合を例に説明したが、真空チャンバ1内に存する部品は誘電体窓11に限定されず、RuOが付着することで同等の雰囲気を阻害するような真空チャンバ1内の部品があれば、当該部品に公知の高周波電源から高周波電圧を印加し、プラズマ雰囲気中で電離した希ガスのイオンを引き込むように構成すればよい。
上記実施形態では、誘電体窓11に希ガスのイオンを引き込むために、電極6に高周波電圧を印加しているが、電極6に公知の直流電源の出力を接続し、電極6に負の電圧を印加するように構成してもよい。
Sw…Ru膜を備える基板、1…真空チャンバ、11…誘電体窓(真空チャンバ内に存する部品)。

Claims (7)

  1. 真空チャンバ内にRu膜を備える基板を設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に酸素ガスとハロゲン含有ガスとを含むエッチングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にてRu膜をドライエッチングするエッチング工程と、
    真空チャンバ内にクリーニングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にて真空チャンバ内に存する部品をクリーニングするクリーニング工程とを含むドライエッチング方法において、
    クリーニングガスが、エッチングガスに含まれるハロゲン含有ガスと同一のものと希ガスとを含み、プラズマ雰囲気中で電離した少なくとも希ガスのイオンが真空チャンバ内に存する部品に引き込まれるようにしたことを特徴とするドライエッチング方法。
  2. 請求項1記載のドライエッチング方法であって、前記部品が、真空チャンバ壁に設けた誘電体窓であるものにおいて、
    前記クリーニング工程にて、誘電体窓に近接配置した電極に高周波電圧を印加することを特徴とするドライエッチング方法。
  3. 前記クリーニングガスが、酸素ガスを更に含み、ハロゲン含有ガスと酸素ガスとの流量比が10:0.1〜1:1の範囲に設定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載のドライエッチング方法。
  4. 前記クリーニングガスの総流量に対する希ガスの割合が2〜20%に設定されることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のドライエッチング方法。
  5. 前記ハロゲン含有ガスは、Cl、BCl、HCl、HBr、HI及びSiClから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のドライエッチング方法。
  6. 前記ハロゲン含有ガスは、ホウ素原子または水素原子を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のドライエッチング方法。
  7. 真空チャンバ内にRu膜を備える基板を設置し、真空雰囲気の真空チャンバ内に酸素ガスとハロゲン含有ガスとを含むエッチングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にてRu膜をドライエッチングするエッチング工程と、
    真空チャンバ内にクリーニングガスを導入し、プラズマ雰囲気中にて真空チャンバ内に存する部品をクリーニングするクリーニング工程とを含むデバイスの製造方法において、
    クリーニングガスが、エッチングガスに含まれるハロゲン含有ガスと同一のものと希ガスとを含み、プラズマ雰囲気中で電離した少なくとも希ガスのイオンが真空チャンバ内に存する部品に引き込まれるようにし、
    所定のタイミングで前記クリーニング工程を実施することを特徴とするデバイスの製造方法。
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