JP2021003061A - 細胞培養用足場材料及び細胞培養用容器 - Google Patents

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聡 羽根田
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悠平 新井
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博貴 井口
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Abstract

【課題】細胞接着性に優れ、かつ細胞を長期で生存させることができる細胞培養用足場材料を提供する。【解決手段】合成樹脂を含み、合成樹脂が、疎水性構造単位と、親水性構造単位とを含み、親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含む場合は、疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比が0.1以上2.0以下であり、親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含まない場合は、疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比が0.1以上1.3以下である、細胞培養用足場材料。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞を培養するために用いられる細胞培養用足場材料に関する。また、本発明は、上記細胞培養用足場材料を用いた細胞培養用容器に関する。
学術分野、創薬分野及び再生医療分野等の研究開発において、ヒト、マウス、ラット、ブタ、ウシ及びサル等の動物細胞が用いられている。動物細胞を培養するために用いられる足場材料として、ラミニン及びビトロネクチン等の接着タンパク質、並びにマウス肉腫由来のマトリゲル等の天然高分子材料が用いられている。
また、下記の特許文献1〜3に示すように合成樹脂を用いた足場材料も知られている。
下記の特許文献1には、ポリビニルアセタール化合物からなる成形物又は該ポリビニルアセタール化合物と水溶性多糖類とからなる成形物からなり、該ポリビニルアセタール化合物のアセタール化度が20〜60モル%である細胞培養用担体が開示されている。
また、下記の特許文献2には、未分化細胞を未分化の状態で培養するための足場材料であって、ハイドロゲルからなる足場材料が開示されている。
また、下記の特許文献3には、多能性幹細胞の未分化性を維持するための細胞培養方法であって、ポリロタキサンブロック共重合体で被覆された表面を有する培養器上で該多能性幹細胞を培養する工程を含む方法が開示されている。
特開2006−314285号公報 特開2010−158180号公報 特開2017−23008号公報
足場材料として天然高分子材料を用いることで、播種後の細胞が良好に接着し、細胞を長期で生存させることができる。しかしながら、足場材料として天然高分子材料を用いたとしても、神経細胞を始めとした難接着性の細胞を生体内と同等に、培養することは困難である。また、天然高分子材料は、高価であったり、天然由来物質であるためロット間のばらつきが大きかったり、動物由来の成分による安全上の懸念がある。
一方、特許文献1〜3に記載のような合成樹脂を用いた足場材料は、天然高分子材料を用いた足場材料と比べて、安価であり、ロット間のばらつきが小さく、かつ安全性に優れる。しかしながら、特許文献1〜3に記載のような従来の合成樹脂を用いた足場材料では、合成樹脂と細胞との親和性が低かったり、親水性が高い合成樹脂が用いられているために該合成樹脂が過度に膨潤したりする。このため、従来の合成樹脂を用いた足場材料では、細胞十分に接着しなかったり、細胞が短期間で死んだりしやすい。
本発明の目的は、細胞接着性に優れ、かつ細胞を長期で生存させることができる細胞培養用足場材料を提供することである。また、本発明は、上記細胞培養用足場材料を用いた細胞培養用容器を提供することも目的とする。
本発明に係る細胞培養用足場材料は、合成樹脂を含み、前記合成樹脂が、疎水性構造単位と、親水性構造単位とを含み、前記親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含む場合は、前記疎水性構造単位の含有率に対する、前記親水性構造単位の含有率の比が0.1以上2.0以下であり、前記親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含まない場合は、前記疎水性構造単位の含有率に対する、前記親水性構造単位の含有率の比が0.1以上1.3以下である。
本発明に係る細胞培養用足場材料のある特定の局面では、前記親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含み、前記合成樹脂における前記カチオン性基を有する親水性構造単位の含有率が0.1モル%以上30モル%以下である。
本発明に係る細胞培養用足場材料の他の特定の局面では、前記親水性構造単位がアニオン性基を有する親水性構造単位を含み、前記合成樹脂における前記アニオン性基を有する親水性構造単位の含有率が1モル%以上30モル%以下である。
本発明に係る細胞培養用足場材料のさらに他の特定の局面では、前記親水性構造単位がノニオン性基を有する親水性構造単位を含み、前記合成樹脂における前記ノニオン性基を有する親水性構造単位の含有率が1モル%以上50モル%以下である。
本発明に係る細胞培養用足場材料のさらに他の特定の局面では、前記親水性構造単位は、カチオン性基を有さない親水性構造単位に対する、前記カチオン性基を有する親水性構造単位の比が1以下である。
本発明に係る細胞培養用足場材料のさらに他の特定の局面では、動物由来の原料を実質的に含まない。
本発明に係る細胞培養用足場材料のさらに他の特定の局面では、前記合成樹脂がビニル重合体である。
本発明に係る細胞培養用足場材料のさらに他の特定の局面では、前記合成樹脂がポリビニルアルコール誘導体又はポリ(メタ)アクリル酸エステルである。
本発明に係る細胞培養用足場材料のさらに他の特定の局面では、前記ポリビニルアルコール誘導体がポリビニルアセタールである。
本発明に係る細胞培養用足場材料のさらに他の特定の局面では、形状が粒子、繊維、多孔体、又はフィルムである。
本発明に係る細胞培養用容器は、細胞の培養領域の少なくとも一部に本発明に従って構成される細胞培養用足場材料を備える。
本発明に係る細胞培養用足場材料は、細胞接着性に優れ、かつ細胞を長期で生存させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る細胞培養用容器を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明に係る細胞培養用足場材料は、細胞を培養するために用いられる。本発明に係る細胞培養用足場材料は、合成樹脂を含み、合成樹脂が、疎水性構造単位と、親水性構造単位とを含み、親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含む場合は、疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比が0.1以上2.0以下であり、親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含まない場合は、疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比が0.1以上1.3以下である。
本発明に係る細胞培養用足場材料では、上記の構成が備えられているので、細胞接着性に優れ、かつ細胞を長期で生存させることができる。例えば、本発明に係る細胞培養用足場材料では、神経細胞を始めとした難接着性細胞を生体内と同等レベルで培養することができる。本発明に係る細胞培養用足場材料を用いることにより、細胞は生体内と同等のホルモン産生等の代謝を行うことができるため、例えば、創薬分野におけるスクリーニングの精度の向上に大きく寄与できる。また、本発明に係る細胞培養用足場材料は、従来の天然高分子を用いた細胞足場材料と比べて、安価であり、ロット間のばらつきが小さく、安全性に優れる。
本発明の細胞培養用足場材料は、動物由来の原料を実質的に含まないことが好ましい。その場合、細胞培養用足場材料をより一層安全性に優れたものとすることができる。なお、「動物由来の原料を実質的に含まない」とは、細胞培養用足場材料中における動物由来の原料が、3重量%以下であることをいう。もっとも、本発明の細胞培養用足場材料は、動物由来の原料を全く含まないことがより好ましい。
[合成樹脂]
本発明に係る細胞培養用足場材料は、合成樹脂を含む。本明細書において、「構造単位」とは、合成樹脂を構成するモノマーの繰り返し単位をいう。なお、合成樹脂がグラフト鎖を有する場合は、そのグラフト鎖を構成するモノマーの繰り返し単位を含む。また、親水性構造単位とは、親水性官能基を有する構造単位を意味する。疎水性構造単位とは、上記親水性構造単位とは異なる構造単位であり、疎水性官能基を有する構造単位を意味する。なお、疎水性官能基及び親水性官能基の両方を有する構造単位は、その構造単位を構成するモノマーのオクタノール水分配係数(LogPow)が負であれば親水性構造単位とし、正であれば疎水性構造単位とする。疎水性構造単位の含有率と親水性構造単位の含有率との合計は100モル%である。
親水性官能基は、カチオン性基、アニオン性基、又はノニオン性基に分類される。カチオン性基は純水中にて電離し正電荷を持つ官能基である。カチオン性基としては、アミノ基、イミノ基、アミド基や、複素環化合物を含有する置換基が挙げられる。複素環式化合物としては、特に限定されないが、ピロール、ピペリジン、ピリジン、ヘキサメチレンイミン、アザトロピリデン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、ピラジン、モルホリン、チアジン、トリアゾール、テトラゾール、インドール、イソインドール、ベンゾイミダゾール、プリン、ベンゾトリアゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、シンノリン、プテリジン、カルバゾール、ポルフィリン、クロリン、コリン、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル等が挙げられる。また、アニオン性基は純水中にて電離し負電荷を持つ官能基である。アニオン性基としては、カルボキシル基、スルホ基、リン酸基等が挙げられる。さらに、ノニオン性基は、純水中にてイオン性を示さない親水性官能基である。ノニオン性基としては、水酸基、エーテル結合、エステル結合等が挙げられる。
疎水性官能基としては、アルキル基、フェニル基、アセチル基、環状脂肪族化合物を含む官能基、環状芳香族化合物を含む官能基等が挙げられる。
上記合成樹脂における疎水性構造単位の含有率及び親水性官能基の含有率とは、該細胞培養用足場材料に含まれる合成樹脂全体の疎水性構造単位と親水性構造単位との合計を100モル%としたときの、疎水性構造単位の含有率及び親水性構造単位の含有率を意味する。したがって、細胞培養用足場材料が1種類の合成樹脂のみを含む場合には、該細胞培養用足場材料における疎水性構造単位の含有率及び親水性構造単位の含有率は、該合成樹脂の疎水性構造単位の含有率及び親水性構造単位の含有率を意味する。また、細胞培養用足場材料が2種以上の合成樹脂等を含む場合には、これらの合成樹脂全体が有する疎水性構造単位と親水性構造単位との含有率の合計を100モル%としたときの、疎水性構造単位の含有率及び親水性構造単位の含有率を意味する。
上記合成樹脂は、親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含む場合は、疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)が0.1以上2.0以下であり、親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含まない場合は、疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)が0.1以上1.3以下である。
上記比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)が上記下限未満であると、細胞が細胞培養用足場材料に過度に吸着し、細胞が短期間で死ぬことがある。上記比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)が上記上限を超えると、細胞が細胞培養用足場材料に接着しないことがある。
本発明に係る細胞培養用足場材料では、疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)は、合成樹脂がカチオン性基を有する場合は、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.4以上であり、また、好ましくは1.3以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下である。上記比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明に係る細胞培養用足場材料では、疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)は、合成樹脂がカチオン性基を有さない場合は、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.5以上であり、また、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.8以下である。上記比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明に係る細胞培養用足場材料では、上記疎水性構造単位の含有率は、好ましくは40モル%以上、より好ましくは60モル%以上、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下である。上記疎水性構造単位の含有率が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
本発明に係る細胞培養用足場材料では、上記親水性構造単位の含有率は、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、好ましくは60モル%以下、より好ましくは40モル%以下である。上記親水性構造単位の含有率が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
なお、上記疎水性構造単位の含有率、上記親水性構造単位の含有率は、溶媒として例えば重水素化ジメチルスルホキシドを用いて、H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により測定することができる。
上記親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含む場合、上記合成樹脂におけるカチオン性基を有する親水性構造単位の含有率は、好ましくは0.1モル%以上、より好ましくは1モル%以上、さらに好ましくは3モル%以上であり、また、好ましくは30モル%以下、より好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。上記カチオン性基を有する親水性構造単位の含有率が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。なお、上記カチオン性基を有する親水性構造単位には、カチオン性基と、アニオン性基及び/又はノニオン性基とを含む親水性構造単位を含むものとする。
上記親水性構造単位がアニオン性基を有する親水性構造単位を含む場合、上記合成樹脂におけるアニオン性基を有する親水性構造単位の含有率は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは3モル%以上であり、また、好ましくは30モル%以下、より好ましくは15モル%以下、さらに好ましくは10モル%以下である。上記アニオン性基を有する親水性構造単位の含有率が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。なお、上記アニオン性基を有する親水性構造単位には、アニオン性基と、カチオン性基及び/又はノニオン性基とを含む親水性構造単位を含むものとする。
上記親水性構造単位がノニオン性基を有する親水性構造単位を含む場合、上記合成樹脂におけるノニオン性基を有する親水性構造単位の含有率は、好ましくは1モル%以上、より好ましくは15モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上であり、また、好ましくは50モル%以下、より好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは30モル%以下である。上記ノニオン性基を有する親水性構造単位の含有率が上記下限以上及び上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。なお、上記ノニオン性基を有する親水性構造単位は、ノニオン性基と、カチオン性基及び/又はアニオン性基とを含む親水性構造単位を含むものとする。
上記親水性構造単位では、カチオン性基を有さない親水性構造単位に対する、カチオン性基を有する親水性構造単位の比(カチオン性基を有する親水性構造単位の含有率/カチオン性基を有さない親水性構造単位の含有率)が、好ましくは1以下であり、より好ましくは0.8以下、さらに好ましくは0.5以下である。上記比(カチオン性基を有する親水性構造単位の含有率/アニオン性基を有する親水性構造単位の含有率)が上記上限以下であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。なお、上記比(カチオン性基を有する親水性構造単位の含有率/アニオン性基を有する親水性構造単位の含有率)の下限は特に限定されず、0以上であればよい。
なお、上記カチオン性基を有する親水性構造単位の含有率、上記アニオン性基を有する親水性構造単位の含有率、上記ノニオン性基を有する親水性構造単位の含有率は、溶媒として例えば重水素化ジメチルスルホキシドを用いて、H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により測定することができる。
本発明に係る細胞培養用足場材料は、親水性構造単位と疎水性構造単位とを両方有する合成樹脂を含んでもよく、親水性構造単位又は疎水性構造単位のみを有する合成樹脂と、他の合成樹脂とを混合し、合成樹脂全体として疎水性構造単位の含有率に対する、親水性構造単位の含有率の比を上記範囲内に調整してもよい。
疎水性構造単位のみを有する合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、シクロオレフィンポリマー、ポリテトラフルオロエチレン等が挙げられる。親水性構造単位のみを有する合成樹脂としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、多糖等が挙げられる。親水性構造単位及び疎水性構造単位を有する合成樹脂としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアセタール等が挙げられる。
なお、細胞をより安定的に接着させる観点から、上記細胞培養用足場材料は、親水性構造単位及び疎水性構造単位を有する合成樹脂を含むことが好ましい。
また、上記合成樹脂は、ビニル重合体を含むことが好ましい。ビニル重合体とは、ビニル基又はビニリデン基を有する化合物の重合体である。上記合成樹脂がビニル重合体を含む場合、水中における細胞培養用足場材料の膨潤をより抑制しやすくなる。ビニル重合体としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
さらに、上記合成樹脂は、細胞をより安定的に接着させ、かつ、水中における細胞培養用足場材料の膨潤をより抑制させやすい観点から、親水性構造単位及び疎水性構造単位を有するビニル重合体を含むことが好ましい。親水性構造単位及び疎水性構造単位を有するビニル重合体としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコール誘導体等が挙げられる。
(ポリ(メタ)アクリル酸エステル)
上記ポリ(メタ)アクリル酸エステルは、(メタ)アクリル酸類を主成分とするモノマーの重合体である。なお、本明細書において「主成分」とは50モル%以上含まれる成分をいう。
本明細書における「(メタ)アクリル酸類」とは、(メタ)アクリル酸エステル及び(メタ)アクリル酸からなる群より選択される少なくとも1種をいう。またポリ(メタ)アクリル酸エステルは、そのモノマーである(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸を重合することによって得られる重合体であるが、(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリル酸以外のモノマーを共重合したものも含む。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては特に限定されないが、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル、(メタ)アクリルアミド類、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール類、(メタ)アクリル酸ホスホリルコリン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソテトラデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、特に制限はないが、炭素原子数1〜3のアルコキシ基、テトラヒドロフルフリル基等の種々の置換基で置換されていてもよい。例としては、メトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等が挙げられる。上記(メタ)アクリル酸環状アルキルエステルとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アリールエステルとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、(3−(メタ)アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド、4−(メタ)アクリロイルモルホリン、3−(メタ)アクリロイル−2−オキサゾリジノン、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、6−(メタ)アクリルアミドヘキサン酸等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール類としては、例えば、メトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシ−ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングルコール(メタ)アクリレート、エトキシ−トリエチレングルコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシ−トリエチレングルコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸ホスホリルコリンとしては、例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル以外のモノマーとしては、特に限定はなく、(メタ)アクリル酸、エチレン、ビニルエステル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸類は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本明細書において、上記(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸を総称するものであり、上記(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートを総称するものとする。
上記合成樹脂がポリ(メタ)アクリル酸エステルを含む場合、ポリ(メタ)アクリル酸エステルにおける疎水性構造単位の含有率及び親水性構造単位の含有率は、ポリ(メタ)アクリル酸エステルを構成するモノマーにおける疎水性モノマーの含有率と親水性モノマーの含有率にそれぞれ対応する。
上記疎水性モノマーとしては、疎水性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。疎水性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸アリールエステル等が挙げられる。
上記親水性モノマーとしては、カチオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステル、アニオン性基を有する(メタ)アクリル酸類、ノニオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。カチオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリルアミド、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。アニオン性基を有する(メタ)アクリル酸類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート等が挙げられる。ノニオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシ−ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシ−トリエチレングルコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記合成樹脂がポリ(メタ)アクリル酸エステルを含む場合、該ポリ(メタ)アクリル酸エステルは、カチオン性基を有する構造単位を含むことが好ましい。この場合、本発明の効果をより一層効果的に発揮することができる。
(ポリビニルアルコール誘導体)
上記ポリビニルアルコール誘導体は、ポリビニルアルコールから誘導される化合物である。上記ポリビニルアルコール誘導体は、ポリビニルアセタールであることが好ましい。ポリビニルアセタールは、アルデヒドによるポリビニルアルコールのアセタール化により得られる合成樹脂である。上記ポリビニルアルコール誘導体及び上記ポリビニルアセタールは、それぞれ1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
ポリビニルアルコールのアセタール化に用いられる上記アルデヒドとしては、特に限定されない。上記アルデヒドは、例えば、炭素数が1〜10のアルデヒドが挙げられる。上記アルデヒドは、鎖状脂肪族基、環状脂肪族基又は芳香族基を有していてもよい。上記アルデヒドは、鎖状アルデヒドであってもよく、環状アルデヒドであってもよい。
上記アルデヒドは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、又はペンタナールであることが好ましく、ブチルアルデヒドであることがより好ましい。したがって、上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルブチラールであることが好ましい。
上記ポリビニルアセタールは、ビニル化合物が共重合されていてもよい。上記ポリビニルアセタールは、ビニル化合物との共重合体であってもよい。ビニル化合物を共重合させることにより、上記ポリビニルアセタールを疎水性官能基及び/又は親水性官能基で変性させることができる。上記共重合体は、ポリビニルアセタールとビニル化合物とのブロック共重合体であってもよく、ポリビニルアセタールにビニル化合物がグラフトしたグラフト共重合体であってもよい。上記共重合体は、グラフト共重合体であることが好ましい。
上記ビニル化合物としては、疎水性官能基を有するビニル化合物、親水性官能基を有するビニル化合物が挙げられる。疎水性官能基を有するビニル化合物としては、例えば、上述した疎水性官能基を有する(メタ)アクリル酸エステル、エチレン、スチレン、安息香酸ビニルエステル等が挙げられる。上記ポリビニルアセタールに疎水性官能基を有するビニル化合物を共重合させることにより、上記ポリビニルアセタールを疎水性官能基で変性させることができる。
親水性官能基を有するビニル化合物は、カチオン性基を有するビニル化合物、アニオン性基を有するビニル化合物、又はノニオン性基を有するビニル化合物に分類される。カチオン性基を有するビニル化合物としては、例えば、上述したカチオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステル、アリルアミン、ビニルピロリドン、ビニルアミン等が挙げられる。アニオン性基を有するビニル化合物としては、例えば、上述したアニオン性基を有する(メタ)アクリル酸類、無水マレイン酸、マレイミド、イタコン酸等が挙げられる。ノニオン性基を有するビニル化合物としては、例えば、上述したノニオン性基を有する(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。上記ポリビニルアセタールに親水性官能基を有するビニル化合物を共重合させることにより、上記ポリビニルアセタールを親水性官能基で変性させることができる。
上記ポリビニルアセタールは、疎水性官能基により変性されていてもよく、親水性官能基により変性されていてもよく、疎水性官能基及び親水性官能基により変性されていてもよい。例えば、上記ポリビニルアセタールは、疎水性官能基を有するビニル化合物との共重合により変性されていてもよく、親水性官能基を有するビニル化合物との共重合により変性されていてもよく、疎水性官能基を有するビニル化合物との共重合及び親水性官能基を有するビニル化合物との共重合により変性されていてもよい。なお、親水性官能基は、上述のようにカチオン性基、アニオン性基、又はノニオン性基に分類される。
上記ポリビニルアセタールは、親水性構造単位中にカチオン性基を有していなくてもよく、親水性構造単位中にカチオン性基を有していてもよい。細胞の接着性をより一層高める観点からは、上記ポリビニルアセタールは、親水性構造単位中にカチオン性基を有することがより好ましい。例えば、上記ポリビニルアセタールは、カチオン性基により変性されていることが好ましい。上記ポリビニルアセタールは、カチオン性基を有するビニル化合物との共重合体であることが好ましい。
上記合成樹脂がポリビニルアセタールを含む場合、ポリビニルアセタールにおける疎水性構造単位の含有率は、ポリビニルアセタールのアセタール化度(ブチラール化度)、アセチル化度、水酸基量、及び変性度の合計に対する、アセタール化度(ブチラール化度)、アセチル化度、及び疎水性官能基による変性度の合計の割合(モル%)である。また、ポリビニルアセタールにおける親水性構造単位の含有率は、ポリビニルアセタールのアセタール化度(ブチラール化度)、アセチル化度、水酸基量、及び変性度の合計に対する、水酸基量、及び親水性官能基による変性度の合計の割合(モル%)である。
上記ポリビニルアセタールは、上記アセタール化度、上記アセチル化度、上記水酸基量、又は変性度を調整することにより、上記疎水性構造単位の含有率と上記親水性構造単位との含有率の比を調整することができる。
例えば、上記ポリビニルアセタールにおける疎水性構造単位の含有率は、上記アセタール化度を上げること、又は疎水性官能基による変性度を上げること等により、高めることができる。また、上記ポリビニルアセタールにおける親水性構造単位の含有率は、上記アセチル化度を上げること、上記水酸基量を上げること、又は親水性官能基による変性度を上げること等により、高めることができる。
なお、上記ポリビニルアセタールのアセタール度、アセチル化度、水酸基量、及び変性度は、溶媒として例えば重水素化ジメチルスルホキシドを用いて、H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により測定することができる。
[細胞培養用足場材料]
本発明に係る細胞培養用足場材料は、上記合成樹脂を含む。本発明の効果を効果的に発揮させる観点及び生産性を高める観点からは、上記細胞培養用足場材料100重量%中、上記合成樹脂の含有量は、好ましくは90重量%以上、より好ましくは95重量%以上、更に好ましくは97.5重量%以上、特に好ましくは99重量%以上、最も好ましくは100重量%(全量)である。したがって、上記細胞培養用足場材料は、上記合成樹脂であることが最も好ましい。上記合成樹脂の含有量が上記下限以上であると、本発明の効果をより一層効果的に発揮させることができる。
上記細胞培養用足場材料は、上記合成樹脂以外の成分を含んでいてもよい。上記合成樹脂以外の成分としては、多糖類、セルロース、合成ペプチド等が挙げられる。
本発明の効果を効果的に発揮させる観点から、上記合成樹脂以外の成分の含有量は少ないほどよい。上記細胞培養用足場材料100重量%中、該成分の含有量は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは2.5重量%以下、特に好ましくは1重量%以下、最も好ましくは0重量%(未含有)である。したがって、細胞培養用足場材料は、合成樹脂以外の成分を含まないことが最も好ましい。
本発明に係る細胞培養用足場材料は、動物由来の原料を含まないことが好ましい。動物由来の原料を含まないことにより、安全性が高く、かつ、製造時に品質のばらつきが少ない細胞培養用足場材料を提供することができる。
(細胞培養用足場材料を用いた細胞培養)
本発明に係る細胞培養用足場材料は、細胞を培養するために用いられる。本発明に係る細胞培養用足場材料は、細胞を培養する際の該細胞の足場として用いられる。
上記細胞としては、ヒト、マウス、ラット、ブタ、ウシ及びサル等の動物細胞が挙げられる。また、上記細胞としては、体細胞、幹細胞、前駆細胞及び分化細胞等が挙げられる。上記体細胞は、癌細胞であってもよい。
上記体細胞としては、神経細胞、心筋細胞、網膜細胞及び肝細胞等が挙げられる。
上記幹細胞としては、多能性幹細胞、組織幹細胞及び組織前駆細胞等が挙げられる。上記多能性幹細胞としては、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)、Muse細胞、胚性がん細胞、胚性生殖幹細胞、及びmGS細胞等が挙げられる。上記組織幹細胞及び上記組織前駆細胞は、自己複製能を有し、外胚葉系組織、内胚葉系組織、中胚葉系組織及び生殖系組織のいずれかに属し、それが属している臓器の構成細胞種への限られた分化能を示す細胞をいう。組織幹細胞および組織前駆細胞としては、例えば、神経幹細胞、神経堤幹細胞、網膜幹細胞、角膜幹細胞、ケラチノサイト表皮幹細胞、メラノサイト幹細胞、乳腺幹細胞、肝幹細胞、腸幹細胞、気道幹細胞、造血幹細胞、間葉系幹細胞、心臓幹細胞、血管内皮前駆細胞、血管周皮細胞、骨格筋幹細胞、脂肪幹細胞、腎前駆細胞及び精子幹細胞等が挙げられる。
上記細胞は、体細胞、幹細胞、前駆細胞又は分化細胞であることが好ましい。上記体細胞は、癌細胞、神経細胞、心筋細胞、網膜細胞、肝細胞、又は幹細胞であることが好ましい。
上記幹細胞は、多能性幹細胞であることが好ましい。
上記細胞の中でも、細胞と細胞培養用足場材料とが好適に接着しない場合に、生体内の機能発現と著しく異なる、及び/又は、培養が困難である細胞として、難接着性細胞がある。生体内の機能発現と著しく異なる細胞としては、神経細胞、グリア細胞、ミクログリア細胞が特に挙げられる。培養が困難である細胞として、人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)が特に挙げられる。
本発明に係る細胞培養用足場材料は、細胞接着性に優れ、かつ細胞を長期で生存させることができることから、上記難接着性細胞を培養するために用いられることが好ましい。
(細胞培養用足場材料の形状)
本発明は、上記細胞培養用足場材料を含む、粒子、繊維、多孔体、又はフィルムであってもよい。すなわち、上記細胞培養用足場材料の形状は特に限定されず、粒子であっても、繊維であっても、多孔体であっても、フィルムであってもよい。なお、上記粒子、繊維、多孔体、又はフィルムは、上記細胞培養用足場材料以外の構成要素を含んでいてもよい。
上記細胞培養用足場材料を含むフィルムは、細胞を平面培養(二次元培養)するために用いられることが好ましい。また、上記細胞培養用足場材料を含む、粒子、繊維、又は多孔体は、細胞を三次元培養するために用いられることが好ましい。
(細胞培養用容器)
本発明は、細胞の培養領域の少なくとも一部に上記細胞培養用足場材料を備える、細胞培養用容器にも関する。図1は、本発明の一実施形態に係る細胞培養用容器を模式的に示す断面図である。
細胞培養用容器1は、容器本体2と、細胞培養用足場材料3とを備える。容器本体2の表面2a上に細胞培養用足場材料3が配置されている。容器本体2の底面上に細胞培養用足場材料3が配置されている。細胞培養用容器1に液体培地を添加し、また、細胞を細胞培養用足場材料3の表面に播種することで、細胞を平面培養することができる。
なお、容器本体は、第1の容器本体の底面上にカバーガラス等の第2の容器本体を備えていてもよい。第1の容器本体と第2の容器本体とは分離可能であってもよい。この場合、第2の容器本体の表面上に、該細胞培養用足場材料が配置されていてもよい。
上記容器本体として、従来公知の容器本体(容器)を用いることができる。上記容器本体の形状および大きさは特に限定されない。
上記容器本体としては、1個又は複数個のウェル(穴)を備える細胞培養用プレート、及び細胞培養用フラスコ等が挙げられる。上記プレートのウェル数は特に限定されない。該ウェル数としては、特に限定されないが、例えば、2、4、6、12、24、48、96、384等が挙げられる。上記ウェルの形状としては、特に限定されないが、真円、楕円、三角形、正方形、長方形、五角形等が挙げられる。上記ウェル底面の形状としては、特に限定されないが、平底、丸底、凹凸等が挙げられる。
上記容器本体の材質は特に限定されないが、樹脂、金属及び無機材料が挙げられる。上記樹脂としては、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリイソプレン、シクロオレフィンポリマー、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、(メタ)アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン等が挙げられる。上記金属としては、ステンレス、銅、鉄、ニッケル、アルミ、チタン、金、銀、白金等が挙げられる。上記無機材料としては、酸化ケイ素(ガラス)、酸化アルミ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、窒化ケイ素等が挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
(実施例1)
合成樹脂X1:合成例X1
攪拌装置を備えた反応機に、イオン交換水2700mL、平均重合度250、鹸化度99モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、攪拌しながら加熱溶解し、溶液を得た。次に、この溶液に触媒として35重量%塩酸を、塩酸濃度が0.2重量%となるように添加し、温度を15℃に調整した後、攪拌しながらn−ブチルアルデヒド(n−BA)22gを添加した。その後、n−ブチルアルデヒド(n−BA)148gを添加したところ、白色粒子状のポリビニルブチラールが析出した。析出してから15分後に、35重量%塩酸を、塩酸濃度が1.8重量%になるように添加し、50℃に加熱し、50℃で2時間熟成させた。次いで、溶液を冷却し、中和した後、ポリビニルブチラールを水洗し、乾燥させることにより、ポリビニルブチラールを得た。
得られたポリビニルブチラール100重量部、および、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部を500重量部のテトラヒドロフランに溶解させて樹脂溶液を得た。得られた樹脂溶液にIrgacure184(BASF社製)0.05重量部を溶解させ、PETフィルム上に塗布した。塗布物を25℃にてアイグラフィックス社製、UVコンベア装置「ECS301G1」を用い、365nmの波長の光を積算光量2000mJ/cmで照射することで複合樹脂溶液を得た。得られた複合樹脂溶液を80℃、3時間真空乾燥させることで、カチオン性基としてジメチルアミノ基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X1を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X1)は、重量平均分子量5万、水酸基量27モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度68モル%、カチオン性基の含有率4モル%であった。
合成樹脂X2:合成例X2
メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルの添加量を5重量部に代えて15重量部としたこと以外は、合成例X1と同様にして、カチオン性基としてジメチルアミノ基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X2を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X2)は、重量平均分子量5万、水酸基量23モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度63モル%、カチオン性基の含有率13モル%であった。
合成樹脂X3:合成例X3
n−ブチルアルデヒド(n−BA)の添加量を148gに代えて143gとし、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルの添加量を5重量部に代えて22重量部としたこと以外は、合成例X1と同様にして、カチオン性基としてジメチルアミノ基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X3を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X3)は、重量平均分子量5万、水酸基量22モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度59モル%、カチオン性基の含有率18モル%であった。
合成樹脂X4:合成例X4
メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部に代えてエトキシ−ジエチレングリコールメタクリレート5重量部を用いたこと以外は、合成例X1と同様にして、ノニオン性基としてポリエチレングリコール基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X4を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X4)は、重量平均分子量5万、水酸基量27モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度68モル%、ノニオン性基の含有率31モル%であった。
合成樹脂X5:合成例X5
メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部に代えてエトキシ−ジエチレングリコールメタクリレート15重量部を用いたこと以外は、合成例X1と同様にして、ノニオン性基としてポリエチレングリコール基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X5を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X5)は、重量平均分子量5万、水酸基量22モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度63モル%、ノニオン性基の含有率36モル%であった。
合成樹脂X6:合成例X6
n−ブチルアルデヒド(n−BA)148gに代えてn−ブチルアルデヒド(n−BA)138g、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部に代えてエトキシ−ジエチレングリコールメタクリレート40重量部を用いたこと以外は、合成例X1と同様にして、ノニオン性基としてポリエチレングリコール基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X6を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X6)は、重量平均分子量5万、水酸基量15モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度55モル%、ノニオン性基の含有率44モル%であった。
合成樹脂X7:合成例X7
メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部に代えてメタクリル酸5重量部を用いたこと以外は、合成例X1と同様にして、アニオン性基としてカルボキシル基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X7を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X7)は、重量平均分子量5万、水酸基量27モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度68モル%、アニオン性基の含有率4モル%であった。
合成樹脂X8:合成例X8
メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部に代えてメタクリル酸15重量部を用いたこと以外は、合成例X1と同様にして、アニオン性基としてカルボキシル基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X8を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X8)は、重量平均分子量5万、水酸基量23モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度63モル%、アニオン性基の含有率13モル%であった。
合成樹脂X9:合成例X9
n−ブチルアルデヒド(n−BA)の添加量を148gに代えて143gとし、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部に代えてメタクリル酸22重量部を用いたこと以外は、合成例X1と同様にして、アニオン性基としてカルボキシル基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂X9を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂X9)は、重量平均分子量5万、水酸基量22モル%、アセチル基量1モル%、アセタール化度59モル%、アニオン性基の含有率18モル%であった。
合成樹脂X10:合成例X10
ブチルメタクリレート67重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート28重量部、及びメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部をテトラヒドロフラン300重量部に溶解させてアクリルモノマー溶液を得た。得られたアクリルモノマー溶液にIrgacure184(BASF社製)2重量部を溶解させ、PETフィルム上に塗布した。塗布物を25℃にてアイグラフィックス社製、UVコンベア装置「ECS301G1」を用い、365nmの波長の光を積算光量2000mJ/cmで照射することでポリ(メタ)アクリル酸エステル溶液を得た。得られたポリ(メタ)アクリル酸エステル溶液を80℃、3時間真空乾燥させることで合成樹脂X10を得た。
得られたポリ(メタ)アクリル酸エステル(合成樹脂X10)は、重量平均分子量5万、水酸基量28モル%、カチオン性基の含有率5モル%であった。
合成樹脂X11:合成例X11
ブチルメタクリレート43重量部、ヒドロキシエチルメタクリレート24重量部、及びメタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル33重量部を用いたこと以外は、合成例X10と同様にして、ポリ(メタ)アクリル酸エステルである合成樹脂X11を得た。得られたポリ(メタ)アクリル酸エステル(合成樹脂X11)は、重量平均分子量4万、水酸基量24モル%、カチオン性基の含有率33モル%であった。
合成樹脂Y1:合成例Y1
攪拌装置を備えた反応機に、イオン交換水2700mL、平均重合度250、鹸化度99モル%のポリビニルアルコールを300g投入し、攪拌しながら加熱溶解し、溶液を得た。次に、この溶液に触媒として35重量%塩酸を、塩酸濃度が0.2重量%となるように添加し、温度を15℃に調整した後、攪拌しながらn−ブチルアルデヒド(n−BA)22gを添加した。その後、n−ブチルアルデヒド(n−BA)89gを添加したところ、白色粒子状のポリビニルブチラールが析出した。析出してから15分後に、35重量%塩酸を、塩酸濃度が1.8重量%になるように添加し、50℃に加熱し、50℃で2時間熟成させた。次いで、溶液を冷却し、中和した後、ポリビニルブチラールを水洗し、乾燥させることにより、ポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂Y1を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂Y1)は、重量平均分子量4万、水酸基量57モル%、アセチル基量3モル%、アセタール化度40モル%であった。
合成樹脂Y2:合成例Y2
ブチルメタクリレート40重量部及びヒドロキシエチルメタクリレート60重量部を用いたこと以外は、合成例X10と同様にして、ポリ(メタ)アクリル酸エステルである合成樹脂Y2を得た。
得られたポリ(メタ)アクリル酸エステル(合成樹脂Y2)は、重量平均分子量4万、水酸基量60モル%、ノニオン性基の含有率60モル%であった。
合成樹脂Y3:合成例Y3
メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチルの添加量を5重量部に代えて130重量部としたこと以外は、合成例X1と同様にして、カチオン性基としてジメチルアミノ基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂Y3を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂Y3)は、重量平均分子量5万、水酸基量10モル%、アセタール化度33モル%、カチオン性基の含有率57モル%であった。
合成樹脂Y4:合成例Y4
メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部に代えてエトキシ−ジエチレングリコールメタクリレート130重量部を用いたこと以外は、合成例X1と同様にして、ノニオン性基としてポリエチレングリコール基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂Y4を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂Y4)は、重量平均分子量5万、水酸基量10モル%、アセタール化度33モル%、ノニオン性基の含有率67モル%であった。
合成樹脂Y5:合成例Y5
メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル5重量部に代えてメタクリル酸130重量部を用いたこと以外は、合成例X1と同様にして、アニオン性基としてカルボキシル基を有するポリビニルアセタール樹脂である合成樹脂Y5を得た。得られたポリビニルアセタール樹脂(合成樹脂Y5)は、重量平均分子量5万、水酸基量10モル%、アセタール化度33モル%、アニオン性基の含有率57モル%であった。
その他:
ポリスチレン(富士フイルム和光純薬社製、「ポリスチレンM125,000〜250,000」)
ポリビニルアルコール(重量平均分子量5万、水酸基量98モル%、アセチル基量2モル%)
ポリエチレンイミン(富士フイルム和光純薬社製、重量平均分子量25万)
(実施例1〜11及び比較例1〜8)
細胞培養用容器の作製:
表1に示す合成樹脂1重量部をブタノール19重量部に溶解させた。得られた溶液150μLを、エアダスターで除塵したφ22mmのカバーガラス(松浪社製「22丸No.1」)の表面上に吐出し、スピンコーターを用いて2000rpm、20秒回転させた後、60℃で24時間真空乾燥して、表面が平滑な樹脂膜(細胞培養用足場材料)を得た。得られた樹脂膜とカバーガラスとの積層体を、φ22mmのポリスチレンディッシュに配置することにより細胞培養用容器を得た。
(評価)
(1)比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)
H−NMR(核磁気共鳴スペクトル)により測定して求めた各構造単位の含有率から、比(親水性構造単位の含有率/疎水性構造単位の含有率)を算出した。なお、アセタール化度、アセチル基量は、疎水性構造単位である。水酸基量、カチオン性基を有する構造単位、アニオン性基を有する構造単位、ノニオン性基を有する構造単位は、親水性構造単位である。
(2)細胞培養試験
細胞の播種及び培養:
1)神経幹細胞SH−SY5Y前培養
細胞を維持培地(DMEM(HG)(Nacalai tesque社製)+10%FBS(Fetal Bovine Serum、Sigma−Aldrich社製)+4M L−Glutamine(Gibco社製)+1mM Sodium Pyruvate(Gibco社製)+1% P/S(Penicillin−Streptomycin Mixed Solution、Gibco社製))で、T−75フラスコに起眠し、COインキュベーター内(5% CO,37℃,湿潤)で培養した。培地交換は一日おきに行い、80%コンフルエントに到達した時点で細胞を回収し、継代した。細胞の継代方法は以下の通りである。細胞をDPBS(−/−)(Nacalai tesque社製)で洗浄後、0.05% Trypsin−EDTA(Gibco社製)で剥離した。維持培地で中和後、15mLチューブに回収し、遠心(室温、1,000rpm、5分)を行った。上清を除き、沈渣に維持培地を加え懸濁し、細胞計数盤を用いて細胞数のカウントを行った。維持培地を用いて、目的の細胞濃度に調製し、続く神経細胞分化誘導で用いる培養器に播種した。
2)神経細胞分化誘導
維持培地で播種した翌日、分化培地1(DMEM(HG)+5%FBS+4mM L−Glutamine+1% P/S+10μM RA(all−Ttrans−Retinoic Acid、Fujifilm−Wako社製))に培地を全量交換した。3日後、12−well plateに継代した。細胞の継代方法は以下の通りである。細胞をDPBS(−/−)で洗浄後、ACCUTASE(STEMCELL Technologies社製)で剥離した。分化培地1で剥離液を希釈後、15mLチューブに回収し、遠心(室温、1,000rpm、5分)を行った。上清を除き、沈渣に分化培地1を加え懸濁し、細胞計数盤を用いて細胞数のカウントを行った。分化培地1を用いて、2×10 cells/mL/wellの細胞濃度に調製し、続く細胞培養試験で用いる上記細胞培養容器に播種した。播種翌日からは分化培地2(Neurobasal(Gibco社製)+1% N2+2mM L−Glutamine+1% P/S+50ng/mL BDNF)に培地交換し、その後は2日おきに分化培地2で培地交換を行った。
3)細胞数測定(WST−8)
Day7において、WST−8法で生細胞数測定を行った。測定方法は以下の通りである。Cell Count Reagent SFを10%添加した各培地に交換し、COインキュベーター内(5%CO,37℃,湿潤)でインキュベートし、60分間での吸光度(450nm)変化量をプレートリーダー(Varioskan Flash、Thermo Fisher Scientific社製)で測定した。
<細胞培養評価判定基準>
細胞数測定 (WST−8)での吸光度を下記の通り評価した。
○○○:0.320以上
○○:0.280以上、0.320未満
○:0.260以上、0.280未満
△:0.230以上、0.260未満
×:0.230未満
詳細及び結果を下記の表1及び表2に示す。
Figure 2021003061
Figure 2021003061
本発明によれば、細胞接着性に優れ、かつ細胞を長期で生存させることができる細胞培養用足場材料を提供することができる。
1…細胞培養用容器
2…容器本体
2a…表面
3…細胞培養用足場材料

Claims (11)

  1. 合成樹脂を含み、
    前記合成樹脂が、疎水性構造単位と、親水性構造単位とを含み、
    前記親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含む場合は、前記疎水性構造単位の含有率に対する、前記親水性構造単位の含有率の比が0.1以上2.0以下であり、
    前記親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含まない場合は、前記疎水性構造単位の含有率に対する、前記親水性構造単位の含有率の比が0.1以上1.3以下である、細胞培養用足場材料。
  2. 前記親水性構造単位がカチオン性基を有する親水性構造単位を含み、
    前記合成樹脂における前記カチオン性基を有する親水性構造単位の含有率が0.1モル%以上30モル%以下である、請求項1に記載の細胞培養用足場材料。
  3. 前記親水性構造単位がアニオン性基を有する親水性構造単位を含み、
    前記合成樹脂における前記アニオン性基を有する親水性構造単位の含有率が1モル%以上30モル%以下である、請求項1又は2に記載の細胞培養用足場材料。
  4. 前記親水性構造単位がノニオン性基を有する親水性構造単位を含み、
    前記合成樹脂における前記ノニオン性基を有する親水性構造単位の含有率が1モル%以上50モル%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材料。
  5. 前記親水性構造単位は、カチオン性基を有さない親水性構造単位に対する、前記カチオン性基を有する親水性構造単位の比が1以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材料。
  6. 動物由来の原料を実質的に含まない、請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材料。
  7. 前記合成樹脂がビニル重合体である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞培養用足場材料。
  8. 前記合成樹脂がポリビニルアルコール誘導体又はポリ(メタ)アクリル酸エステルである、請求項7に記載の細胞培養用足場材料。
  9. 前記ポリビニルアルコール誘導体がポリビニルアセタールである、請求項8に記載の細胞培養用足場材料。
  10. 形状が粒子、繊維、多孔体、又はフィルムである、請求項1〜9のいずれか記載の細胞培養用足場材料。
  11. 細胞の培養領域の少なくとも一部に請求項1〜10のいずれかに記載の細胞培養用足場材料を備える、細胞培養用容器。
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