JP2021000597A - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

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【課題】除去対象物質及び酸化マグネシウム粉末の流出の少ない処理水を得ることが可能な水処理装置を提供する。【解決手段】水処理装置1は、除去対象物質を含む被処理水と酸化マグネシウム粉末とを混合し、前記除去対象物質を前記酸化マグネシウム粉末に吸着させる反応槽16と、反応槽16で得られた除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液に有機高分子凝集剤を添加する凝集剤添加装置24と、前記有機高分子凝集剤が添加された、前記除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液を汚泥と処理水とに分離する沈殿装置26と、沈殿装置26で分離した前記汚泥の少なくとも一部を前記反応槽に返送する汚泥配管(28a、28c)と、反応槽16内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、汚泥配管(28a、28c)によって反応槽16に返送される前記汚泥の返送量を制御する制御装置34と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、酸化マグネシウム粉末を用いて、除去対象物質を含有する被処理水を処理する水処理装置及び水処理方法に関する。
各種産業で排出されるホウ素、フッ素、セレン、シリカ、重金属、懸濁物質等の物質を高い濃度で含む排水は、それらの物質を排水基準以下まで処理して放流する必要がある。例えば、石炭を燃焼して発電等を行う発電設備では、排ガスを浄化するための脱硫設備が設置され、例えば、アルカリ剤を溶解させた水により、排ガス中の硫黄分や集塵機で除去されなかった煤塵等を除去している。硫黄分や煤塵等を吸収した水は適宜、脱硫設備から脱硫排水として排出され、排水基準以下にまで処理されて海洋等に放流される。
この脱硫排水には、通常、石炭等に含まれるホウ素、フッ素、シリカ、重金属(鉄、鉛、銅、クロム、カドミウム、水銀、亜鉛、ヒ素、マンガン、ニッケル等)等が含有される。中でもホウ素は、ホウ酸(HBO)等として高い濃度で含有されることがあり、200〜500mg−B/L程度存在することもある。
これらの物質を対象とした水処理では、水酸化マグネシウムを1400℃以下の温度で焼成して得た酸化マグネシウムを、除去対象物質を含む被処理水に添加する処理方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。酸化マグネシウムはホウ酸、フッ素イオン、シリカ等を同時に除去することができ、且つ固液分離性が良いという利点がある。
また、特許文献3には、フッ素イオン10〜50mg/L、ホウ素100mg/L未満といった低濃度の除去対象物質を含む被処理水にポリ塩化アルミニウム塩等の可溶性金属化合物を添加し、その後に酸化マグネシウム等の難溶性金属化合物を添加し、ホウ酸等を不溶化させ固液分離し、分離した固形分を被処理水に返送する方法が提案されている。
ところで、高濃度の除去対象物質を含む被処理水に対し、酸化マグネシウムを用いて処理する場合、酸化マグネシウムに除去対象物質を効果的に吸着させることができる点で、酸化マグネシウムを粉末の状態で直接被処理水に添加することが好ましい。例えば、ホウ酸又はホウ酸イオンをホウ素濃度で100mg/L以上含む被処理水の場合、その被処理水からホウ酸又はホウ酸イオンを目的とする濃度まで除去するには、酸化マグネシウム粉末を1g/L以上で添加することが好ましい。
しかし、酸化マグネシウム粉末の添加量が多いと汚泥発生量が多くなり、酸化マグネシウム粉末のコストも高くなる傾向にあるため、除去対象物質に対する酸化マグネシウム粉末の吸着能力ができるだけ有効に使われる条件で反応させる必要がある。例えば、酸化マグネシウム粉末は除去対象物質を比較的緩やかな速度で吸着するため、反応時間は、少なくとも1時間以上とすることが好ましく、2時間以上とすることがより好ましい。
一方、上記反応時間を確保することができる容量の反応槽を設けるとなると、反応槽を含め大型の装置が必要となることから、これを改善する技術として、反応後、固液分離した酸化マグネシウム粉末を含む汚泥の全部または一部を、反応槽に返送し、被処理水と混合する技術が提案されている(例えば、特許文献3)。これにより、小型の反応槽でも、除去対象物質に酸化マグネシウム粉末が接触する時間が長くなり、酸化マグネシウム粉末の吸着能力が有効に使われる。
特開2001−30872号公報 特許第4336148号公報 特許第5943176号公報
しかし、固液分離した酸化マグネシウム粉末を含む汚泥を反応槽に返送し続けると、固液分離により得られた処理水に酸化マグネシウム粉末が多く流出してしまうという問題がある。特に、除去対象物質が高濃度に含有された被処理水を対象とする場合には、処理水への酸化マグネシウム粉末の流出が顕著となる。一方、固液分離した酸化マグネシウム粉末を含む汚泥を反応槽にほとんど返送しないと、反応槽における酸化マグネシウム粉末の固形物滞留時間が短くなり、除去対象物質が酸化マグネシウム粉末に十分に吸着されず、固液分離により得られた処理水に除去対象物質が多く流出してしまうという問題がある。特に、被処理水に懸濁物質を含む場合、固形物滞留時間は更に短くなり、処理水への除去対象物質の流出が顕著となる。
そこで、本発明の目的は、除去対象物質を含む被処理水に対し酸化マグネシウム粉末を添加する処理において、除去対象物質及び酸化マグネシウム粉末の流出の少ない処理水を得ることが可能な水処理装置及び水処理方法を提供することにある。
本発明の水処理装置は、撹拌機を備え、前記撹拌機により、除去対象物質を含む被処理水と酸化マグネシウム粉末とを混合し、前記除去対象物質を前記酸化マグネシウム粉末に吸着させる反応槽と、前記反応槽で得られた除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液に有機高分子凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、前記有機高分子凝集剤が添加された、前記除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液を汚泥と処理水とに分離する固液分離手段と、前記固液分離手段で分離した前記汚泥の少なくとも一部を前記反応槽に返送する汚泥返送手段と、前記固液分離手段で分離した前記汚泥の少なくとも一部を系外へ排出する汚泥排出手段と、前記反応槽内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、前記汚泥返送手段によって前記反応槽に返送される前記汚泥の返送量を制御する制御部と、を有する。
また、前記水処理装置において、前記酸化マグネシウム粉末は、細孔表面積が80m/gであり、前記反応槽に添加される前記酸化マグネシウム粉末の添加量は、1g/L以上であることが好ましい。
また、前記水処理装置において、前記除去対象物質は、ホウ素イオン、フッ素イオン、溶存シリカのうちの少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
また、本発明の水処理方法は、除去対象物質を含む被処理水と酸化マグネシウム粉末とを混合し、前記除去対象物質を前記酸化マグネシウム粉末に吸着させる反応工程と、前記反応工程で得られた除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液に有機高分子凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、前記有機高分子凝集剤が添加された、前記除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液を汚泥と処理水とに分離する固液分離工程と、前記固液分離工程で分離した前記汚泥の少なくとも一部を前記反応工程に返送する汚泥返送工程と、前記固液分離工程で分離した前記汚泥の少なくとも一部を系外へ排出する汚泥排出工程と、を有し、前記汚泥返送工程では、前記反応工程の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、前記反応工程に返送される前記汚泥の返送量を制御する。
また、前記水処理方法において、前記酸化マグネシウム粉末は、細孔表面積が80m/gであり、前記反応工程に添加される前記酸化マグネシウム粉末の添加量は、1g/L以上であることが好ましい。
また、前記水処理方法において、前記除去対象物質は、ホウ素イオン、フッ素イオン、溶存シリカのうちの少なくともいずれか1つを含むことが好ましい。
本発明によれば、除去対象物質を含む被処理水に対し酸化マグネシウム粉末を添加する処理において、除去対象物質及び酸化マグネシウム粉末の流出の少ない処理水を得ることが可能な水処理装置及び水処理方法を提供することができる。
本実施形態に係る水処理装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の水処理装置において処理される被処理水は、酸化マグネシウム粉末に吸着される除去対象物質を含む水であればよい。除去対象物質としては、例えば、ホウ酸、ホウ酸イオン、フッ化物イオン、溶存シリカ等が挙げられる。本実施形態の水処理装置は、特に、ホウ酸またはホウ酸イオン濃度が高く、ホウ素濃度換算で200mg/L以上含有する水に有効である。
被処理水としては、例えば、石炭火力発電の脱硫排水やめっき排水、ガラス製造排水などが挙げられる。なお、本実施形態で用いられる酸化マグネシウム粉末は、水中の懸濁物質も凝集させることができるため、被処理水には、除去対象物質以外の懸濁物質を含んでもよい。ただし、懸濁物質濃度は特に限定されないが、例えば、1000mg/L以下が好ましい。
また、被処理水の水温としては、特に限定されるものではなく、例えば、20℃程度の常温でも良いが、好ましくは30℃〜50℃である。被処理水の水温が30℃〜50℃の範囲であると、酸化マグネシウム粉末への除去対象物質の吸着速度が高くなり、反応工程時間が短縮できたり、良好な処理水質が得られたりする場合がある。
図1は、本実施形態に係る水処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示す水処理装置1は、被処理水配管10、給粉装置12、撹拌機14を備える反応槽16、移送配管18a、撹拌機20を備える混合槽22、凝集剤添加装置24、移送配管18b、沈殿装置26、汚泥配管28a,28b,28c、バルブ30a,30b、汚泥ポンプ32、制御装置34を備える。
給粉装置12は、酸化マグネシウム粉末を供給する給粉手段として機能する。給粉装置12は、貯槽35、粉体定量器36、粉体供給配管38を含む。給粉装置12は、例えば、反応槽16の上に設置される。粉体供給配管38の一端は粉体定量器36を介して貯槽35に接続され、他端は反応槽16に接続される。図1に示す給粉装置12は一例であって、これに限定されない。
貯槽35には、酸化マグネシウム粉末が貯留されている。酸化マグネシウム粉末は、細孔表面積が80m/g以上であることが好ましく、さらに、粒径が1〜5μmの範囲であることがより好ましい。貯槽35の容量は、例えば、好ましくは酸化マグネシウム粉末必要量の1日分以上、より好ましくは7日分以上を貯留できる容量である。
粉体定量器36は、酸化マグネシウム粉末を定量し、安定的な供給ができるものであればよく、例えば、升に充填された酸化マグネシウム粉末をすり切って容積計量を行い、スクレーパーで、粉体供給配管38まで運ぶ型式等を用いるのが良い。
酸化マグネシウム粉末は、重力で粉体供給配管38を落下し、反応槽16に添加される。粉体供給配管38には、乾燥空気を供給する空気供給装置(例えばブロア等)が接続されることが望ましい。粉体供給配管38を酸化マグネシウム粉末が落下する際に、空気供給装置から粉体供給配管38に乾燥空気を供給することにより、例えば、粉体供給配管38における酸化マグネシウム粉末の落下を補助することや吸湿防止を図ることができる。
酸化マグネシウム粉末の添加量としては、除去対象物質の種類、濃度、水温、要求処理水質等によって適宜設定されるものであるが、例えば、1g/L以上であることが好ましく、1g/L〜6g/Lの範囲がより好ましい。酸化マグネシウム粉末の添加量は、あらかじめ、ビーカテスト等で決定するのが良い。
反応槽16は撹拌機14を備えている。反応槽16には、被処理水配管10から除去対象物質を含む被処理水が供給される。また、反応槽16には、給粉装置12から酸化マグネシウム粉末が供給される。この際、反応槽16には、後述する沈殿装置26から排出された汚泥が供給される。そして、反応槽16では、撹拌機14により、除去対象物質を含む被処理水、酸化マグネシウム粉末等が混合され、除去対象物質(例えば、ホウ酸またはホウ酸イオン等)が、酸化マグネシウム粉末へ吸着される。そして、反応槽16内では、除去対象物質が酸化マグネシウム粉末に吸着した除去対象物質吸着酸化マグネシウム粉末を含む溶液(以下、第1処理液と称する場合がる)が得られる。
反応槽16の容量は、例えば、水滞留時間で0.5〜5時間程度の容量であることが好ましく、1時間〜3時間程度の容量であることがより好ましい。反応槽16の容量が小さいと、ホウ酸またはホウ酸イオン等の除去対象物質が酸化マグネシウム粉末に十分に吸着せず、最終的に得られる処理水に多くの除去対象物質が残留したり、酸化マグネシウム粉末を被処理水に多量に添加することが必要になったりする場合がある。一方、除去対象物質と酸化マグネシウム粉末との吸着反応は、5時間を超えると、それ以上あまり促進されなくなることから、水滞留時間で5時間以下の容量とすることが好ましい。
反応槽16には固形物濃度計40が設置されている。固形物濃度計40は、反応槽16における固形物濃度を迅速に測定できるものがよく、例えば、即時測定が可能な点で、超音波式濃度計等が望ましい。なお、超音波式濃度計の場合、センサー部が反応槽16内の液中に浸漬される。
移送配管18aは、その一端が反応槽16に接続され、他端が混合槽22に接続されており、反応槽16で得られた第1処理液を混合槽22に移送するための移送手段として機能する。なお、図での説明は省略するが、移送手段は、反応槽16に隣接して配置され、反応槽16内の第1処理液が越流するように構成された越流槽を備え、その越流槽に移送配管18aの一端を接続してもよい。このような越流槽を設けることで、越流槽を設けない場合と比較して、反応槽16における水位変動を抑えて、安定した混合が可能となる。
凝集剤添加装置24は、例えば、有機高分子凝集剤が収容されるタンク、吐出ポンプ、配管等から構成され、混合槽22内の第1処理液に有機高分子凝集剤を添加する装置である。有機高分子凝集剤としては、アニオン性でも、カチオン性でも良く、例えば、アクリルアミドとアクリル酸の共重合物、アクリルアミド・ジアルキルアミノエチルアクリレート共重合物等が挙げられる。有機高分子凝集剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせてもよい。有機高分子凝集剤はあらかじめ清澄な水等で0.1g/L〜3g/L程度に溶解された液体として用いられることが望ましい。
混合槽22は撹拌機20を備えている。混合槽22では、撹拌機20により、第1処理液と有機高分子凝集剤とが混合される。有機高分子凝集剤の凝集作用により、第1処理液中の除去対象物質吸着酸化マグネシウム粉末(懸濁物質も含む)が凝集して、フロック化するため、その後の沈殿装置26による固液分離が容易となる。混合槽22の容量としては、例えば、水滞留時間で1〜10分程度で良い。
移送配管18bは、その一端が混合槽22に接続され、他端が沈殿装置26に接続されており、混合槽22内の高分子凝集剤が添加された第1処理液を沈殿装置26に移送するための移送手段として機能する。
沈殿装置26は、高分子凝集剤が添加された第1処理液を汚泥と処理水とに固液分離する固液分離手段として機能する。固液分離により得られる処理水(以下、第2処理水と称する場合がある)には、除去対象物質吸着酸化マグネシウム粉末や未反応の酸化マグネシウム粉末、懸濁物質等が除去された清澄な水であり、汚泥には、除去対象物質吸着酸化マグネシウム粉末、未反応の酸化マグネシウム粉末、懸濁物質等が含まれる。
図1に示す沈殿装置26は、沈殿槽42と、沈殿槽42底部に設けられたスクレーパー44とを有する。スクレーパー44は、モータ46に接続された支持部材48に固定され、モータ46によって支持部材48が回転することにより、スクレーパー44が回転する。スクレーパー44の回転によって、沈殿槽42の底部に堆積した汚泥が、沈殿槽42内の底部中央に掻き寄せられる。
図1に示す水処理装置1では、汚泥配管28a,28bが、固液分離手段で分離した汚泥の少なくとも一部を系外に排出する汚泥排出手段として機能する。また、図1に示す水処理装置1では、汚泥配管28a,28cが、固液分離手段で分離した汚泥の少なくとも一部を反応槽16に返送する汚泥返送手段として機能する。汚泥配管28aには汚泥ポンプ32が設置され、必要に応じて流量計FIが設置される。汚泥配管28aの一端は沈殿槽42に接続され、他端は、汚泥配管28bの一端及び汚泥配管28cの一端に接続されている。汚泥配管28bには、バルブ30aが設けられ、汚泥配管28bの他端は系外に開放されている。また、汚泥配管28cには、バルブ30bが設けられ、汚泥配管28cの他端は反応槽16に接続されている。したがって、沈殿槽42に堆積した汚泥は、汚泥配管28a,28bを通り、系外へ排出されたり、汚泥配管28a,28cを通り、反応槽16に返送されたりする。
制御装置34は、反応槽16に設置された固形物濃度計40、バルブ30a,30bと電気的に接続されている。制御装置34は、固形物濃度計40により計測された固形物濃度が入力される。制御装置34は、バルブ30a,30bの開閉を制御する。特に、制御装置34は、固形物濃度計40から入力された固形物濃度に基づいて、反応槽16内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、汚泥配管28a,28cを通り反応槽16に返送される汚泥の返送量を制御する。汚泥返送量の制御の具体例については、後述するが、制御装置34は、例えば、バルブ30bの開・閉時間を制御することで、反応槽16に返送される汚泥の返送量を制御する。なお、制御装置34は、汚泥ポンプ32と電気的に接続され、汚泥ポンプ32の起動・停止、起動時の出力等を制御することで、反応槽16に返送される汚泥の返送量を制御してもよい。
図1に示す水処理装置1の全体動作の一例を説明する。
被処理水配管10から除去対象物質を含む被処理水が反応槽16に供給される。また、給粉装置12から酸化マグネシウム粉末が反応槽16に供給される。反応槽16内では、撹拌機14により、被処理水と酸化マグネシウム粉末とが混合され、酸化マグネシウム粉末に除去対象物質が吸着される(反応工程)。
反応槽16内の第1処理液(除去対象物質吸着酸化マグネシウム粉末を含む溶液)は移送配管18aを通り、混合槽22に移送される。また、凝集剤添加装置24から有機高分子凝集剤が混合槽22内の第1処理液に添加される(凝集剤添加工程)。混合槽22内では、有機高分子凝集剤と第1処理液とが混合され、除去対象物質吸着酸化マグネシウム粉末等が凝集して、フロック化する。
有機高分子凝集剤が添加された第1処理液は、移送配管18bを通り、沈殿槽42に移送される。沈殿槽42内では、有機高分子凝集剤が添加された第1処理液が汚泥と第2処理水とに分離される(固液分離工程)。第2処理水は、沈殿槽42の上部から処理水排出管50を通り、系外へ排出される。
沈殿槽42内の汚泥の一部は、汚泥ポンプ32を稼働させ、バルブ30a,30bを開くことにより、汚泥配管28a,28bを通り系外へ排出されたり(汚泥排出工程)、汚泥配管28a,28cを通り、反応槽16に返送されたりする(汚泥返送工程)。反応槽16への汚泥返送により、反応槽16内では、給粉装置12から供給された酸化マグネシウム粉末に除去対象物質が吸着するだけでなく、返送された汚泥に含まれる未反応の酸化マグネシウム粉末や除去対象物質吸着酸化マグネシウム粉末にも除去対象物質が吸着される。
ここで、制御装置34は、反応槽16内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、バルブ30bの開閉を制御して、汚泥配管28a,28cを通る汚泥の返送量を制御する。以下に、汚泥返送量の制御例を説明する。
制御装置34には、バルブ30bの基準開時間及び基準閉時間が記憶されている。さらに、制御装置34には、基準開時間に対して段階的に時間を長くした第1開時間及び第2開時間(基準開時間<第1開時間<第2開時間)を記憶させ、段階的に時間を短くした第3開時間及び第4開時間(第4開時間<第3開時間<基準開時間)を記憶させる。また、制御装置34には、基準閉時間に対して段階的に時間を長くした第1閉時間及び第2閉時間(基準閉時間<第1閉時間<第2閉時間)を記憶させ、段階的に時間を短くした第3閉時間及び第4閉時間(第4閉時間<第3閉時間<基準閉時間)を記憶させる。
反応槽16内の固形物濃度が、25g/L〜30g/Lの範囲になるよう調整する場合を例にすると、まず、制御装置34は、基準開時間の間バルブ30bを開放させ、基準開時間に達したら、基準閉時間の間バルブ30bを閉じさせる。これを繰り返している間に、固形物濃度計40により検出された固形物濃度が26g/Lを下回ったら、制御装置34は、第1バルブ30bが閉じている時間を基準閉時間より短い第1閉時間に変更し(或いは第1バルブ30bが開放している時間を基準開時間より長い第1開時間に変更し)、変更した時間に基づいてバルブ30bを開閉させる。これにより、反応槽16に返送する汚泥返送量は増加する。更に固形物濃度計により検出された固形物濃度が25g/Lを下回ったら、第1バルブ30bが閉じている時間を第1閉時間より短い第2閉時間に変更し(或いは第1バルブ30bが開放している時間を第1開時間より長い第2開時間に変更し)、変更した時間に基づいてバルブ30bを開閉させる。これにより、反応槽16に返送する汚泥返送量は更に増加する。逆に、固形物濃度計40により検出された固形物濃度が29g/Lを上回ったら、バルブ30bが閉じている時間を基準閉時間より長い第3閉時間に変更し(或いはバルブ30bが開放している時間を基準開時間より短い第3開時間に変更し)、変更した時間に基づいてバルブ30bを開閉させる。これにより、反応槽16に返送する汚泥返送量が減少する。更に固形物濃度計40により検出された固形物濃度が、30g/Lを上回ったら、バルブ30bが閉じている時間を第3閉時間より長い第4閉時間に変更し(或いはバルブ30bが開放している時間を第3開時間より短い第4開時間に変更し)、変更した時間に基づいてバルブ30bを開閉させる。これにより、反応槽16に返送する汚泥返送量はさらに増加する。
このようにして、制御装置34は、反応槽16への汚泥返送量を増減させて、反応槽16内の固形物濃度を目的とする固形物濃度の範囲に制御する。上記制御例は一例であって、これに限定されるものではなく、反応槽16に返送される汚泥返送量を制御して、反応槽16内の固形物濃度を5g/L〜30g/Lの範囲に制御すればよい。なお、バルブ30a,30bは、例えば、タイマーで自動開閉できる自動バルブ等であり、制御装置34は、設定した開時間及び閉時間をバルブ30a,30bに送信し、バルブ30a、30bは、その時間の間、自動で開閉する。
固液分離した汚泥には、酸化マグネシウム粉末が含まれているため、固液分離した汚泥を反応槽16に返送して、反応槽16内の固形物濃度を高くするほど、酸化マグネシウム粉末を含む固形物の装置内での滞留時間が長くなり、除去対象物質と酸化マグネシウム粉末との接触率が増え、酸化マグネシウム粉末の吸着能力が効率的に使われる。その結果、処理水への除去対象物質の流出が抑えられる。しかし、固液分離した汚泥を反応槽16に返送し続けて、反応槽16内の固形物濃度を高くし過ぎると、酸化マグネシウム粉末等の固形分が増え過ぎて、固液分離により得られる処理水への酸化マグネシウム粉末等の固形分の流出が多くなる。なお、反応槽16内の固形物濃度が高くなり過ぎると、有機高分子凝集剤を添加しても、酸化マグネシウム粉末等を十分にフロック化できず、固液分離により得られる処理水への酸化マグネシウム粉末等の固形分の流出を効果的に抑制できない。そして、除去対象物質や酸化マグネシウム粉末の流出の少ない処理水を得るには、本実施形態のように、反応槽16に返送する汚泥の返送量を制御して、反応槽16内の固形物濃度を5g/L〜30g/Lの範囲とする必要がある。反応槽16内の固形物濃度は、10g/L〜30g/Lの範囲とすることが好ましい。また、酸化マグネシウム粉末の添加量が、1g/L〜6g/Lの場合には、反応槽16内の固形物濃度は、20g/L〜30g/Lの範囲とすることが好ましい。
図2は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図2に示す水処理装置2において、図1に示す水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付している。図2に示す水処理装置2は、撹拌機14aを備える第1反応槽16aと、撹拌機14bを備える第2反応槽16bと、を有する。また、汚泥配管28cは分岐して、第1反応槽16a及び第2反応槽16bそれぞれに接続されている。また、図2に示す水処理装置2では、凝集剤添加装置24から供給される有機高分子凝集剤が、第2反応槽16bと沈殿装置26とを接続する移送配管18bを通る第1処理液(除去対象物質吸着酸化マグネシウム粉末を含む溶液)に添加される。
第1反応槽16aには、被処理水配管10から除去対象物質を含む被処理水が供給され、給粉装置12から酸化マグネシウム粉末が供給される。また、沈殿装置26から排出される汚泥が汚泥配管28a,28cを通って返送される。そして、第1反応槽16aでは、被処理水、酸化マグネシウム粉末(及び汚泥)が撹拌機14aにより混合される。したがって、第1反応槽16aの容量は、被処理水、酸化マグネシウム粉末、および汚泥の受け入れが安定的になされ、撹拌機14aによる混合が可能な容量であることが望ましく、例えば、水滞留時間で3分〜10分程度の容量が好ましい。小さい容量の槽で強度の強い撹拌を行うことで、例えば、酸化マグネシウム粉末、汚泥及び被処理水の均一な混合がなされる。
第2反応槽16bには、第1反応槽16aで得られた混合液が移送配管18aを介して供給され、また、沈殿装置26から排出された汚泥が汚泥配管28a,28cを通って返送される。第2反応槽16bを設けることにより、酸化マグネシウム粉末への除去対象物質の吸着を促進させることができる。第1反応槽16a及び第2反応槽16bの容量は、合計で、水滞留時間で0.5〜5時間程度の容量が好ましい。
第2反応槽16bには、固形物濃度計40が設置されている。したがって、制御装置34は、第2反応槽16b内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、第1反応槽16a及び第2反応槽16bに返送される汚泥の返送量を制御する。図2に示す水処理装置2のように、複数の反応槽を直列に接続する場合には、最後段の反応槽内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように汚泥の返送量を制御すればよい。
複数の反応槽は、直列に設置する場合に限定されず、並列に設置されてもよい。但し、並列に設置された複数の反応槽の全てにおいて、固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように汚泥の返送量を制御する必要がある。
図2に示す沈殿装置26は、スラッジブランケット型の沈殿装置であり、沈殿槽42と、沈殿槽42内に設けられ、沈殿槽42内を処理室51と濃縮室52とに区画する隔壁54と、沈殿槽42内に設けられるディストリビュータ56と、を備える。
沈殿槽42内に設けられる隔壁54は、上部が開口した筒状体であり、筒状の隔壁54の内側が濃縮室52となり、筒状の隔壁54の外側が処理室51となる。筒状の隔壁54により区画された濃縮室52には、汚泥配管28aの一端が接続されている。沈殿槽42内の処理室51には、汚泥を含むスラッジブランケット層58及びその上の第2処理水を含む処理水層60が形成されている。濃縮室52の上端(隔壁54の上端)の位置は、スラッジブランケット層58の上端の位置とほぼ同じである。
沈殿槽42内に設けられるディストリビュータ56は、第2反応槽16b内の第1処理水が移送配管18bを介して供給される入口と、スラッジブランケット層58の底部付近に設けられ、第1処理水が吐出される出口とを有する。また、ディストリビュータ56は、スラッジブランケット層58の上端より低い位置に設けられる撹拌翼62を有する。また、ディストリビュータ56はモータ46に接続された支持部材48に固定され、モータ46によって支持部材48が回転することにより、ディストリビュータ56が回転する。そして、ディストリビュータ56は、回転しながら、第1処理水を吐出することによって、スラッジブランケット層58が形成され、スラッジブランケット層58の上に、清澄な第2処理水を含む処理水層60が形成される。第2処理水の一部は、処理水層60の上端部から、処理水排出管50を経て系外に排出される。スラッジブランケット層58内に含まれる汚泥は、筒状の隔壁54を越流して、沈殿槽42内の濃縮室52に貯留される。濃縮室52内に貯留された汚泥は、汚泥配管28a,28bを通って系外へ排出されたり、汚泥配管28a,28cを通って、第1反応槽16aや第2反応槽16bに返送されたりする。なお、反応槽への汚泥の返送量の制御は、前述の通りである。
スラッジブランケット層58を形成することで、酸化マグネシウム粉末等を含む汚泥がスラッジブランケット層58内で濃縮されるため、沈殿槽42での水滞留時間よりも、酸化マグネシウム粉末と除去対象物質の接触時間(すなわち固形物滞留時間)が長くなるため、除去対象物質の除去効果が高くなる。また、スラッジブランケット層58内で濃縮された汚泥は、隔壁54を越流して濃縮室52に貯留されるため、汚泥の破砕が起きにくく、固液分離性が高くなる。したがって、処理水排出管50から排出される第2処理水は、酸化マグネシウム粉末や除去対象物質の流出の少ないより清澄な処理水となる。
沈殿装置26の固液分離速度としては、沈殿槽42の単位沈殿面積あたり、1時間当たり5m以下であるのが良い。
沈殿装置としては、図1及び図2に示す沈殿装置26に限定されず、例えば、沈殿槽42内にスラッジブランケット層58を形成しない上向流式沈殿装置や横流式沈殿装置でも良い。但し、より清澄な処理水を得る点で、スラッジブランケット型の沈殿装置が好ましい。
また、沈殿装置26は固液分離手段の一例である。したがって、固液分離手段としては、沈殿装置26に限定されるものではなく、第1処理液を汚泥と処理水(第2処理水)とに固液分離することができるものであればよく、例えば、遠心濃縮法が適用される遠心分離機、浮上濃縮法が適用される分離機、スクリーンを用いた分離機等が挙げられる。
図3は、本実施形態に係る水処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図3に示す水処理装置3において、図1に示す水処理装置1と同様の構成については同一の符号を付している。図3に示す水処理装置3は、撹拌機14aを備える第1反応槽16aと、撹拌機14bを備える第2反応槽16bと、を有する。第2反応槽16bには、固形物濃度計40が設置されている。また、汚泥配管28cは、後段の第2反応槽16bに接続されている(前段の第1反応槽16aには接続されていない)。したがって、図3に示す水処理装置3では、制御装置34によって、第2反応槽16b内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、第2反応槽16bに返送される汚泥の返送量が制御される。なお、図での説明は省略するが、汚泥配管28cが、前段の第1反応槽16aに接続され、後段の第2反応槽16bに接続されていなくてもよい。この場合、制御装置34によって、第2反応槽16b内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、第1反応槽16aに返送される汚泥の返送量が制御される。いずれにしろ、複数の反応槽を直列に接続する場合には、反応槽への汚泥の返送量を制御して、最後段の反応槽内の固形物濃度を5g/L〜30g/Lの範囲とすることができれば、どの反応槽に汚泥を返送してもよい。
本実施形態に係る水処理装置によれば、除去対象物質を含む被処理水に対し酸化マグネシウム粉末を添加する処理において、除去対象物質及び酸化マグネシウム粉末の流出の少ない処理水を得ることができる。
また、本実施形態に係る水処理装置によれば、以下の効果を奏する場合がある。
(1)沈殿装置から排出される汚泥を反応槽に返送することで、装置内での酸化マグネシウム滞留時間を長くとることができ、除去対象物質の吸着が進み、処理水中の除去対象物質残留濃度がより低減される。
(2)スラッジブランケット型の沈殿装置を採用することで、固液分離性が向上するため、酸化マグネシウム粉末等の処理水への流出をより抑えることができ、また、高速での固液分離が可能となる。
(3)また、酸化マグネシウム滞留時間を長くとることができることで、反応槽容量を小さくすることが可能となる。また、反応槽内の固形物濃度を30g/L以下に制限することで、処理水質が良好に保たれ、固液分離速度も上げることができるため、沈殿槽容量が小さくなり、結果として設備費を削減することが可能となる。
(4)処理水への酸化マグネシウム粉末を含む固形物の流出が減ることで、水処理装置の後段におけるろ過等の後処理の負荷が小さくなり、後段処理が簡便となる。したがって、後段処理を含めた処理システム全体の運転コストを削減することができる。
(5)また、これらに付随して、沈殿槽への流入固形物濃度が制限され、固液分離において排出される汚泥の濃度が上がり過ぎず、配管が酸化マグネシウム粉末で閉塞され難くなり、装置の運転管理が容易になる。
以下、実施例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
図3に示す水処理装置を用いて、以下に示す処理条件で、水処理を行った。但し、汚泥配管28b,28cに設置されたバルブ30a,30bの開閉は、手動で行った。
<被処理水>
純水にホウ酸をホウ素濃度が500mgB/Lになるよう添加し、水酸化ナトリウム溶液及び塩酸でpHを6.5〜7.0の範囲に調整したものを被処理水として用いた。
<酸化マグネシウム粉末>
水酸化マグネシウム(和光純薬製 試薬1級)を550℃で90分焼成して得た酸化マグネシウム粉末を用いた。得られた酸化マグネシウム粉末は、BET法で測定した細孔表面積が150m/gであった。
<有機高分子凝集剤>
アニオン性アクリルアミド(オルガノ株式会社製)を、純水で100mg/Lの濃度で溶解したものを有機高分子凝集剤として用いた。
<処理装置>
第1反応槽容量:1L
第2反応槽容量:1L
混合槽容量:0.5L
沈殿装置:上向流式(スラッジブランケット層なし)
沈殿槽の形状:直動部円筒、底部ホッパー
沈殿槽容量:2L
酸化マグネシウム粉末の添加:第1反応槽
汚泥の返送:第2反応槽
第2反応槽内の固形物濃度測定方法:JIS K0102(懸濁物質)に記載の方法
<処理条件>
被処理水通水流量:3.6L/h
酸化マグネシウム粉末添加量:4.0g/L
有機高分子凝集剤添加量:3mg/L
汚泥の返送流量:1.1L/h
反応槽水滞留時間:第1反応槽は17分、第2反応槽2は17分、合計33分
系外への汚泥の排出:定常時は15分毎にバルブを手動で開け、所定量排出。所定量とは、15分間に装置に添加する酸化マグネシウム粉末を被処理水900mLに添加し2時間反応させて5分間沈殿させた沈殿物の体積と同等の沈殿物体積となる汚泥量。
<比較例1>
通水開始時において、第2反応槽への汚泥返送を行わず、被処理水を5時間通水した。4.5時間の時点で、第2反応槽内の固形物濃度、沈殿装置から排出された処理水のSS及び残存ホウ素濃度を測定した。また、残存ホウ素濃度の測定値をもとに、被処理水からのホウ素除去率を計算した。処理水のSSの測定は、JIS K0102(懸濁物質)に記載の方法、処理水の残存ホウ素濃度の測定はJIS K0102(ホウ素 メチレンブルー吸光光度法)に記載の方法に基づいて行った。
<実施例1〜4及び比較例2〜3>
その後、被処理水の通水、酸化マグネシウム粉末の添加を行いつつ、第2反応槽への汚泥返送をしばらく行い(系外への汚泥排出は行わない)、第2反応槽内の固形物濃度を増大させた。そして、上記条件で、汚泥の系外排出を開始した。これを5時間継続した。4.5時間の時点で、第2反応槽内の固形物濃度、沈殿装置から排出された処理水のSS及び残存ホウ素濃度を測定し、残存ホウ素濃度の測定値をもとに、被処理水からのホウ素除去率を計算した(実施例1)。さらに、この操作を5回繰り返し、第2反応槽内の固形物濃度を増大させながら、各サイクルにおいて、4.5時間の時点で、第2反応槽内の固形物濃度、沈殿装置から排出された処理水のSS及び残存ホウ素濃度を測定し、残存ホウ素濃度の測定値をもとに、被処理水からのホウ素除去率を計算した(実施例2〜4、比較例2〜3)。
表1に、実施例1〜4及び比較例1〜3の第2反応槽内の固形物濃度、処理水のSS及び被処理水からのホウ素除去率を示す。
Figure 2021000597
実施例1〜4は、沈殿装置から排出された汚泥を第2反応槽に返送して、第2反応槽内の固形物濃度を11〜30g/Lの範囲とした条件であるが、この場合、処理水のSSは48〜83mg/L、被処理水からのホウ素除去率は60〜67%であった。とくに、実施例2〜4のように、第2反応槽内の固形物濃度を23〜30g/Lに保持した条件では、64〜67%の高いホウ素除去率であった。
一方、比較例1は、沈殿装置から排出された汚泥を第2反応槽に返送せず、第2反応槽内の固形物濃度を3.7g/Lとした条件であるが、この場合、処理水SSは39mg/Lと良好だったものの、被処理水からのホウ素除去率は48%と低かった。すなわち、比較例1では、実施例と比べて、ホウ素の流出が多い処理水となった。
また、比較例2〜3は、沈殿装置から排出された汚泥を第2反応槽に返送して、第2反応槽内の固形物濃度を34〜37g/Lの範囲とした条件であるが、この場合、被処理水からのホウ素除去率は60〜63%と比較的高かったものの、処理水SSは151〜197mg/Lと高い値であった。すなわち、比較例2〜3では、実施例と比べて、酸化マグネシウム粉末の流出が多い処理水となった。
1〜3 水処理装置、12 給粉装置、14,14a,14b,20 撹拌機、16 反応槽、16a 第1反応槽、16b 第2反応槽、18a,18b,18c 移送配管、22 混合槽、24 凝集剤添加装置、26 沈殿装置、28a,28b,28c 汚泥配管、30a,30b バルブ、32 汚泥ポンプ、34 制御装置、35 貯槽、36粉体定量器、38 粉体供給配管、40 固形物濃度計、42 沈殿槽、44 スクレーパー、46 モータ、48 支持部材、50 処理水排出管、51 処理室、52 濃縮室、54 隔壁、56 ディストリビュータ、58 スラッジブランケット層、60 処理水層、62 撹拌翼。

Claims (6)

  1. 撹拌機を備え、前記撹拌機により、除去対象物質を含む被処理水と酸化マグネシウム粉末とを混合し、前記除去対象物質を前記酸化マグネシウム粉末に吸着させる反応槽と、
    前記反応槽で得られた除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液に有機高分子凝集剤を添加する凝集剤添加手段と、
    前記有機高分子凝集剤が添加された、前記除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液を汚泥と処理水とに分離する固液分離手段と、
    前記固液分離手段で分離した前記汚泥の少なくとも一部を前記反応槽に返送する汚泥返送手段と、
    前記固液分離手段で分離した前記汚泥の少なくとも一部を系外へ排出する汚泥排出手段と、
    前記反応槽内の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、前記汚泥返送手段によって前記反応槽に返送される前記汚泥の返送量を制御する制御部と、を有することを特徴とする水処理装置。
  2. 前記酸化マグネシウム粉末は、細孔表面積が80m/gであり、
    前記反応槽に添加される前記酸化マグネシウム粉末の添加量は、1g/L以上であることを特徴とする請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記除去対象物質は、ホウ酸、ホウ素イオン、フッ化物イオン、溶存シリカのうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の水処理装置。
  4. 除去対象物質を含む被処理水と酸化マグネシウム粉末とを混合し、前記除去対象物質を前記酸化マグネシウム粉末に吸着させる反応工程と、
    前記反応工程で得られた除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液に有機高分子凝集剤を添加する凝集剤添加工程と、
    前記有機高分子凝集剤が添加された、前記除去対象物質吸着マグネシウム粉末を含む溶液を汚泥と処理水とに分離する固液分離工程と、
    前記固液分離工程で分離した前記汚泥の少なくとも一部を前記反応工程に返送する汚泥返送工程と、
    前記固液分離工程で分離した前記汚泥の少なくとも一部を系外へ排出する汚泥排出工程と、を有し、
    前記汚泥返送工程では、前記反応工程の固形物濃度が5g/L〜30g/Lの範囲となるように、前記反応工程に返送される前記汚泥の返送量を制御することを特徴とする水処理方法。
  5. 前記酸化マグネシウム粉末は、細孔表面積が80m/gであり、
    前記反応工程に添加される前記酸化マグネシウム粉末の添加量は、1g/L以上であることを特徴とする請求項4に記載の水処理方法。
  6. 前記除去対象物質は、ホウ素イオン、フッ素イオン、溶存シリカのうちの少なくともいずれか1つを含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の水処理方法。
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