JP2020535257A - 硬化性シーラント組成物、シールキャップ、並びにその作製方法及び使用 - Google Patents

硬化性シーラント組成物、シールキャップ、並びにその作製方法及び使用 Download PDF

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Abstract

硬化性シーラント組成物は、以下の構成成分:a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系とを含む。x及びyのそれぞれは正の実数を表す。和x+yは72〜99の範囲である。構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする。硬化性シーラント組成物を含むシールキャップ、並びに硬化性シーラント組成物を作製する方法及びその使用も開示する。

Description

本開示は概して、チオール−エンシーラント組成物、並びにその製造のための方法、及び使用に関する。
当技術分野において探求されている、シーラント組成物(すなわち、シーラント)についての特性の望ましい組み合わせは、長い適用時間(すなわち、シーラントが適用可能なままである時間、又は「オープンタイム」)と短い硬化時間(所定の強度に達するまでに要する時間)との組み合わせである。しかしながら、長いオープンタイムには、典型的には、製造中の生産性が全体として遅い速度になることが必要となる。
硫黄含有ポリマーは、架橋時の耐燃料性のため、シーラント(例えば、航空宇宙用シーラント)における使用に非常に適していることが知られている。このような架橋は、例えば、フリーラジカル開始剤の存在下で、チオール末端硫黄含有化合物とポリエンとの反応によって実施することができる。フリーラジカル開始剤は、米国特許出願公開第2012/0040103号(Keledjianら)、及び同第2016/0032058号(Yeら)、若しくはPCT公開第2013/090988(A1)号(Batemanら)に記載されているフリーラジカル光開始剤であってもよく、又は国際公開第2016/106352(A1)号(Yeら)に記載されている熱フリーラジカル開始剤(例えば、過酸化物)であってもよい。
光開始剤は、長いオープンタイム、迅速な硬化、及び「要求に応じた硬化」をもたらすことができるが、一般に、未硬化のシーラントが影にある状況(例えば、不透明な基材の間、及び/又は未硬化のシーラントに不透明な充填剤が高度に充填されている場合)にはあまり適していない。一方、熱開始剤は、影領域における硬化性シーラント組成物に硬化をもたらすことができるが、過剰な硬化時間及び不十分な貯蔵安定性による問題が存在することが多い。これは、硬化したシーラントの構造的完全性が非常に重要である航空及び航空宇宙用途において、特に重要である。
チオール−エン硬化性組成物は、典型的には、不十分な表面硬化をもたらし得る酸素抑制に対して、非感受性であることが報告されており、注目に値する。しかしながら、本発明者らは、ポリチオールとポリビニル化合物とを含有する光硬化シーラント組成物において、不十分な表面硬化が頻発する問題であることを見出している。本発明者らは、チオール−エン系シーラント組成物中、有機ボラン−アミン錯体及び過酸化物を含む熱開始剤を、光開始剤と組み合わせることにより、満足なオープンタイム、要求に応じた硬化、及び有効な影硬化をもたらすことによって、この問題を克服した。予想に反して、有機ボラン−アミン錯体についての錯体解離剤は、通常、必須ではない。
したがって、第1の態様では、本開示は、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と、
を含む、硬化性シーラント組成物であって、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、硬化性シーラント組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、パートA組成物とパートB組成物とを含む2剤型硬化性シーラント組成物であって、
パートA組成物が少なくとも1種のポリチオールを含み、
パートB組成物が、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含み、パートA組成物とパートB組成物とが集合的に、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、2剤型硬化性シーラント組成物を提供する。
別の態様では、本開示は、硬化性シーラント組成物を作製する方法であって、
パートA組成物とパートBとを含む2剤型硬化性シーラント組成物を準備することであって、
パートA組成物が少なくとも1種のポリチオールを含み、
パートB組成物が、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含み、パートA組成物とパートB組成物とが集合的に、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、準備することと、
パートA組成物の少なくとも一部をパートB組成物の少なくとも一部と組み合わせて、硬化性シーラント組成物を提供することとを含む、方法を提供する。
更に別の態様では、本開示は、基材をシーリングする方法であって、
i)硬化性シーラント組成物を基材の表面に適用することであって、硬化性シーラント組成物が、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、適用することと、
ii)少なくとも1種の光開始剤の少なくとも一部を、化学電磁放射線に曝露することと、
iii)硬化性シーラント組成物を、その大部分にわたって硬化させることとを含む、方法を提供する。
別の態様では、本開示は、(例えば、締結具をシールするのに好適な)シールキャップであって、
一方の端部が開放されている内部を画定するキャップと、
シールキャップの内部に配置された硬化性シーラント組成物とを含み、硬化性シーラント組成物が、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、シールキャップを提供する。キャップ。
本明細書で用いる場合、
「流動性」という用語は、周囲温度(例えば、21℃)において流動することができることを意味する。
「ビニル」という用語は、−CH=CHを指す。
本開示の特徴及び利点は、詳細な説明及び添付の特許請求の範囲を考慮することにより更に理解されるであろう。
本開示による例示的なシールキャップ100の全体斜視図である。 例示的なシールキャップ100の概略側断面図である。
明細書及び図面中での参照文字の繰り返しの使用は、本開示の同じ又は類似の特徴部又は要素を表すことが意図されている。多くの他の修正形態及び実施形態を当業者は考案することができ、それらは本開示の原理の範囲及び趣旨に含まれることが理解されるべきである。図面は、縮尺どおりに描かれていない場合がある。
本開示による硬化性シーラント組成物は、チオールと、非芳香族炭素−炭素二重結合又は炭素−炭素三重結合などの不飽和官能基との間の、チオール−エン及びチオール−イン反応として知られる化学反応に依存する。
チオール−エン反応は、チオールとアルケンとの間の反応であり、アルキルスルフィドを形成する
Figure 2020535257
[式中、R及びRは、有機基(例えば、アルキル又はアリール)を表す]。
同様に、チオール−イン反応は、チオールとアルキンとの間の反応であり、下に図示するように、アルケニルスルフィド(ビニルスルフィドとしても知られる)を生成する。
Figure 2020535257
両反応は、フリーラジカル開始剤及び/又はUV照射によって促進されることが多い。典型的には、チオール−イン反応では、アルキンへのチオールの第1の付加は遅く、次いで、第2のチオールがビニルスルフィドに迅速に付加する。
本開示による硬化性シーラント組成物は、1剤型硬化性組成物として配合してもよく、又は硬化性シーラント組成物をそれぞれ異なる反応物質を含有する2つのパートに分割することによって、早期硬化を防止した、2剤型組成物(例えば、キット)として配合してもよい。使用時には、2つのパート(パートA及びパートBと称することが多い)を組み合わせて、対応する1剤型組成物を形成し、これは次いで硬化する。
本開示による硬化性シーラント組成物(1剤型及び2剤型)は、下に記載する構成成分a)〜e)を含む。構成成分a)〜e)の総量は、100重量パーセントである。各構成成分a)〜e)の量は、構成成分a)〜e)の総重量で割ったその構成成分の重量比×100として、重量パーセントで表す。
構成成分a)は、少なくとも1種のポリチオールを含む。構成成分b)は、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含む。集合的に、構成成分a)及びb)の総量は、構成成分a)〜e)の総重量を基準として、72〜99重量パーセントの範囲である。
いくつかの好ましい実施形態では、構成成分a)〜e)の総重量を基準として、構成成分a)は、70〜98重量パーセント、好ましくは80〜95重量パーセントの量で存在し、構成成分b)は、2〜20重量パーセント、好ましくは3〜15重量パーセント、より好ましくは3〜10重量パーセントの量で存在する。
いくつかの好ましい実施形態では、構成成分a)〜e)の総重量を基準として、構成成分a)は、2〜20重量パーセント、好ましくは3〜15重量パーセント、より好ましくは3〜10重量パーセントの量で存在し、構成成分b)は、70〜98重量パーセント、好ましくは80〜95重量パーセントの量で存在する。
有用なポリチオールは、少なくとも2つ(例えば、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、又は更には少なくとも6つ)のチオール基を有する有機化合物である。
一般に、得られるシーラント組成物中のポリマー鎖間の化学架橋を達成するために、構成成分a)中のポリチオールのうちの少なくとも1種、及び/又は構成成分b)中の不飽和化合物のうちの少なくとも1種は、少なくとも2の平均等価官能性を有するが、これは必須ではない。例えば、ポリチオールのうちの少なくとも1種は、3つ以上の−SH基を有し、かつ/又は不飽和化合物のうちの少なくとも1種は、3つ以上の末端ビニル基を有する。
−SH基/ビニル基の比として表される構成成分a)及びb)の化学量論は、好ましくは0.8〜1.2、好ましくは0.9〜1.1、より好ましくは0.95〜1.05の範囲であるが、これは必須ではない。
少なくとも2つのチオール基を有する様々なポリチオールが、本開示による方法において有用である。いくつかの実施形態において、ポリチオールは、少なくとも2つのメルカプタン基を有する、アルキレン、アリーレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、又はアルキレンアリールアルキレンであってもよく、アルキレン、アルキルアリーレン、アリールアルキレン、又はアルキレンアリールアルキレンのうちのいずれも、任意に1つ以上のオキサ(すなわち、−O−)、チア(すなわち、−S−)、又はイミノ(すなわち、−NR−[式中、Rはヒドロカルビル基又はHである])基が介在しており、かつ任意にアルコキシ又はヒドロキシルで置換されている。
有用なジチオールの例としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,3−ブタンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジチオール、1,3−ペンタンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,3−ジメルカプト−3−メチルブタン、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジチオール(ethylcyclohexyldithiol、ECHDT)、ジメルカプトジエチルスルフィド、メチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメチル置換ジメルカプトジエチルスルフィド、ジメルカプトジオキサオクタン、1,5−ジメルカプト−3−オキサペンタン、ベンゼン−1,2−ジチオール、ベンゼン−1,3−ジチオール、ベンゼン−1,4−ジチオール、及びトリレン−2,4−ジチオールが挙げられる。2つ超のメルカプタン基を有するポリチオールの例としては、プロパン−1,2,3−トリチオール、1,2−ビス[(2−メルカプトエチル)チオ]−3−メルカプトプロパン、テトラキス(7−メルカプト−2,5−ジチアヘプチル)メタン、及びトリチオシアヌル酸が挙げられる。
チオール含有カルボン酸又はその誘導体によるポリオールのエステル化により形成される、ポリチオールも有用である。チオール含有カルボン酸又はその誘導体によるポリオールのエステル化により形成されるポリチオールの例としては、チオグリコール酸又は3−メルカプトプロピオン酸と数種のポリオールとをエステル化反応させ、それぞれメルカプトアセテート又はメルカプトプロピオネートを形成することから作製したものが挙げられる。
臭気レベルが比較的低いことから好ましいポリチオール化合物の例としては、限定するものではないが、チオグリコール酸、α−メルカプトプロピオン酸、及びβ−メルカプトプロピオン酸と、ジオール(例えば、グリコール)、トリオール、テトラオール、ペンタオール、及びヘキサオールなどのポリヒドロキシ化合物(ポリオール)とのエステルが挙げられる。このようなポリチオールの具体例としては、限定するものではないが、エチレングリコールビス(チオグリコレート)、エチレングリコールビス(β−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(チオグリコレート)、トリメチロールプロパントリス(β−メルカプトプロピオネート)及びそのエトキシ化版、ペンタエリスリトールテトラキス(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(β−メルカプトプロピオネート)、並びにトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリス(β−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。しかしながら、エステルの可能な加水分解についての懸念がある用途では、これらのポリオールは、典型的にはあまり望ましいものではない。
好適なポリチオールとしてはまた、THIOCURE PETMP(ペンタエリスリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート))、TMPMP(トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート))、ETTMP(エトキシル化トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)、例えば、ETTMP 1300及びETTMP 700)、GDMPグリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、TMPMA(トリメチロールプロパントリ(メルカプトアセテート))、TEMPIC(トリス[2−(3−メルカプトプロピオニルオキシ)エチル]イソシアヌレート)、並びにPPGMP(プロピレングリコール3−メルカプトプロピオネート)として、Bruno Bock Chemische Fabrik GmbH & Co.KGから市販されているものが挙げられる。ポリマー性ポリチオールの具体的な例は、ポリプロピレン−エーテルグリコール(例えば、PLURACOL P201、Wyandotte Chemical Corp.)とβ−メルカプトプロピオン酸とからエステル化により調製される、ポリプロピレン−エーテルグリコールビス(β−メルカプトプロピオネート)である。
好適なポリチオールとしてはまた、チオール含有カルボン酸又はその誘導体によるポリオールのエステル化から調製されるもの、HS(又はその等価物)によるエポキシドの開環反応から調製されるもの、炭素−炭素二重結合へのHS(又はその等価物)の付加から調製されるもの、ポリスルフィド、ポリチオエーテル、及びポリジオルガノシロキサンが挙げられる。具体的には、これらとしては、エチレングリコールとトリメチロールプロパン(前者はChemische Fabrik GmbH & Co.KGから、後者はSigma−Aldrichから)の3−メルカプトプロピオネート(β−メルカプトプロピオネートとも称する);POLYMERCAPTAN 805C(メルカプタン化ヒマシ油);Chevron Phillips Chemical Co.LLPからのPOLYMERCAPTAN 407(メルカプトヒドロキシ大豆油)、並びにGabriel Performance Products,Ashtabula,OhioからのCAPCURE、特にCAPCURE 3−800(構造R[O(CO)CHCH(OH)CHSH][式中、Rは1〜12個の炭素原子を有する脂肪族炭化水素基を表し、nは1〜25の整数である]のメルカプト末端基を有するポリオキシアルキレントリオール)、及びCAPCURE 3−800の等価物である、同じくGabriel Performance ProductsからのGPM−800が挙げられる。
本開示を実施するのに有用なオリゴマー又はポリマー性ポリチオエーテルの例は、例えば、米国特許第4,366,307号(Singhら)、同第4,609,762号(Morrisら)、同第5,225,472号(Cameronら)、同第5,912,319号(Zookら)、同第5,959,071号(DeMossら)、同第6,172,179号(Zookら)、及び同第6,509,418号(Zookら)に記載されている。
いくつかの実施形態では、本開示による方法におけるポリチオールは、オリゴマー又はポリマー性である。有用なオリゴマー又はポリマー性ポリチオールの例としては、ポリチオエーテル及びポリスルフィドが挙げられる。ポリチオエーテルは、その主鎖構造中にチオエーテル結合(すなわち−S−)を含む。ポリスルフィドは、その主鎖構造中にジスルフィド結合(すなわち−S−S−)を含む。
ポリチオエーテルは、例えば、ジチオールを、ジエン、ジイン、ジビニルエーテル、ジアリルエーテル、エン−イン、アルキン、又はこれらの組み合わせと、フリ−ラジカル条件下で反応させることによって調製することができる。有用なジチオールとしては、上に列挙したジチオールのうちのいずれかが挙げられる。好適なジビニルエーテルの例としては、ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ポリテトラヒドロフリルジビニルエーテル、及びこれらのうちのいずれかの組み合わせが挙げられる。式CH=CHO(RO)CH=CH[式中、mは0〜10の数であり、RはC〜C分枝鎖アルキレンである]の有用なジビニルエーテル。このような化合物は、ポリヒドロキシ化合物をアセチレンと反応させることによって調製することができる。この種類の化合物の例としては、Rが−CH(CH)−などのアルキル置換メチレン基である化合物(例えば、BASF,Florham Park,New Jerseyから、商品名「PLURIOL」で入手したもの[式中、Rはエチレンであり、mは3.8である])、又はRがアルキル置換エチレン(例えば、−CHCH(CH)−である化合物(Wayne,New JerseyのInternational Specialty Productsから商品名「DPE」で入手したものなど(例えば、DPE−2及びDPE−3)が挙げられる。他の好適なジエン、ジイン、及びジアリルエーテルの例としては、4−ビニル−1−シクロヘキセン、1,5−シクロオクタジエン、1,6−ヘプタジイン、1,7−オクタジイン、及びジアリルフタレートが挙げられる。少量の三官能性化合物(例えば、トリアリル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリオン、2,4,6−トリアリルオキシ−1,3,5−トリアジン)もまた、オリゴマーの調製に有用であり得る。
本開示を実施するのに有用なオリゴマー又はポリマー性ポリチオエーテルの例は、例えば、米国特許第4,366,307号(Singhら)、同第4,609,762号(Morrisら)、同第5,225,472号(Cameronら)、同第5,912,319号(Zookら)、同第5,959,071号(DeMossら)、同第6,172,179号(Zookら)、及び同第6,509,418号(Zookら)に記載されている。いくつかの実施形態では、ポリチオエーテルは、式HSR[S(CHO[RO](CHSRSH[式中、各R及びRは独立して、C2〜6アルキレンであり、アルキレンは、直鎖又は分枝鎖C6〜8シクロアルキレン、C6〜10アルキルシクロアルキレン、−[(CHX](CHであってもよく、式中、少なくとも1つの−CH−は、任意にメチル基で置換されており、Xは、O、S及び−NR−からなる群から選択されたものであり、式中、Rは水素又はメチルを表し、mは0〜10の数であり、nは1〜60の数であり、pは2〜6の整数であり、qは1〜5の整数であり、rは2〜10の整数である]によって表される。2つ超のメルカプタン基を有するポリチオエーテルも、有用であり得る。
ポリチオエーテルはまた、例えば、ジチオールをジエポキシドと反応させることによって調製することができ、これは、任意に第三級アミン触媒(例えば、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(diazabicyclo octane、DABCO))の存在下、室温で撹拌することで行うことができる。有用なジチオールとしては、上記のもののいずれかが挙げられる。有用なエポキシドは、2つのエポキシド基を有するもののいずれかであってもよい。いくつかの実施形態において、ジエポキシドは、ビスフェノールジグリシジルエーテルであり、ビスフェノール(すなわち、−OCCHO−)は、非置換(例えば、ビスフェノールF)であってもよく、又はフェニル環若しくはメチレン基のうちのいずれかが、ハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、メチル、トリフルオロメチル、若しくはヒドロキシメチルで置換されてもよい。ジチオールとジエポキシドとから調製されるポリチオエーテルは、ペンダントヒドロキシル基を有し、式−SRSCHCH(OH)CHOCCHOCHCH(OH)CHSRS−[式中、Rは、上で定義したとおりである]で表される構造的繰り返し単位を有することができ、ビスフェノール(すなわち、−OCCHO−)は、非置換(例えば、ビスフェノールF)であってもよく、又はフェニル環若しくはメチレン基のうちのいずれかが、ハロゲン(例えば、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード)、メチル、トリフルオロメチル、若しくはヒドロキシメチルで置換されてもよい。この種類のメルカプタン末端ポリチオエーテルを、上に列挙したジエン、ジイン、ジビニルエーテル、ジアリルエーテル、及びエン−インのうちのいずれかとフリーラジカル重合条件下で反応させることもできる。
他の有用なポリチオールは、炭素−炭素二重結合への硫化水素(HS)(又はその等価物)の付加によって形成することができる。例えば、HS(又はその等価物)と反応したジペンテン及びトリグリセリドである。具体例としては、ジペンテンジメルカプタン、及びChevron Phillips Chemical Co.LLPからPOLYMERCAPTAN 358(メルカプタン化大豆油)、及びPOLYMERCAPTAN 805C(メルカプタン化ヒマシ油)として入手可能なポリチオールが挙げられる。少なくともいくつかの用途について、大部分が再生可能資源、すなわち、トリグリセリド、大豆油、及びヒマシ油から生成されており、多くのチオールと比較して相対的に臭気が少ないことから、好ましいポリチオールはPOLYMERCAPTAN 358及び805Cである。有用なトリグリセリドは、平均して1分子あたり少なくとも2つの不飽和の部位、すなわち、炭素−炭素二重結合を有しており、十分な部位が変換されることで、平均して1分子あたり少なくとも2つのチオールをもたらす。大豆油の場合、これには炭素−炭素二重結合のうちの約42パーセント以上が変換されることが必要であり、ヒマシ油の場合、これには炭素−炭素二重結合のうちの約66パーセント以上が変換されることが必要である。典型的には、高変換率であると好ましく、POLYMERCAPTAN 358及び805Cは、それぞれ約60パーセント超及び95パーセント超の変換によって得ることができる。この種類の有用なポリチオールとしては、HS(又はその等価物)と、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、及びノボラックエポキシ樹脂のグリシジルエーテルとの反応から誘導されるものも挙げられる。この種類の好ましいポリチオールは、ジャパンエポキシレジン(Japan Epoxy Resins、JER)からEPOMATEとして、ビスフェノールAエポキシ樹脂から誘導されるQX11である。他の好適なポリチオールとしては、JERからEPOMATE QX10及びEPOMATE QX20として入手可能なものが挙げられる。
更に他の有用なポリチオールは、東レ・ファインケミカル株式会社から、THIOKOL LP−2、LP−3、LP−12、LP−31、LP−32、LP−33、LP−977、及びLP−980として入手可能なものなどのチオール基を含有するポリスルフィド、並びにPCT公開第2016130673(A1)号(DeMossら)に記載されているものなどのポリチオエーテルオリゴマー及びポリマーである。
ポリチオールの組み合わせを用いてもよい。好ましい組み合わせには混和性混合物が含まれるが、これは必須ではない。
構成成分b)は、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含む。いくつかの好ましい実施形態では、非芳香族炭素−炭素二重結合は、ビニル基に相当する。
いくつかの実施形態では、不飽和化合物は、一般式
Figure 2020535257
[式中、
Aは、1〜8、12、18、22、又は更には30個の炭素原子を有する、x+y価の有機基(例えば、好ましくはC及びHからなるが、任意に、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、カルボニル、アシルオキシ、カルボアルコキシ、及びこれらの硫黄系誘導体によって置換されており、任意にS、N及びPのうちの1つ以上によって置換されている)を表し、
各R、R、R及びR10は、独立して、H、又は1〜8個の炭素原子(好ましくは1〜4個、より好ましくは1又は2個の炭素原子))を有する有機基(例えば、アルコキシ、アシルオキシ、アルキル、又はアリール)を表し、又はRとRとがともに、5員環若しくは6員環を形成してもよく、
x及びyは独立して、0〜6の範囲の整数であり、ここで1≦x+y≦6であり、ただしy=0である場合、x≧2である]で表される。
好適な不飽和化合物の例としては、例えば、5〜30個の炭素原子(好ましくは5〜18個の炭素原子)を有する不飽和炭化水素化合物が挙げられ、例えば、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、1,10−ウンデカジエン、1,11−ドデカジエン、1,13−テトラデカジエン、1,15−ヘキサデカジエン、1,17−オクタデカジエン、1,19−イコサジエン、1,21−ドコサジエン、ジビニルベンゼン、ジシクロペンタジエン、リモネン、ジアリルベンゼン、トリアリルベンゼンなど;4〜30個の炭素原子(好ましくは4〜18個の)炭素原子を有するポリビニルエーテル、例えば、ジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、及びペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ビスフェノールAジビニルエーテル、ビスフェノールFジビニルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールFジアリルエーテルなど;5〜30個の炭素原子(好ましくは5〜15個の炭素原子)を有するジイン、例えば、1,6−ヘプタジインなど;9〜30個の炭素原子(好ましくは9〜15個の炭素原子)を有するイソシアヌレート、例えば、ジアリルイソシアヌレート及びトリアリルイソシアヌレートなど;9〜30個の炭素原子(好ましくは9〜15個の炭素原子)を有するシアヌレート、例えば、ジアリルシアヌレート及びトリアリルシアヌレートなど;並びに、特定のエテニル及び/又はエチニル置換ポリマー、例えば、ポリテトラヒドロフリルジビニルエーテル、ポリエチレンオキシドジビニルエーテル、ポリエチレンオキシドジアリルエーテル、ポリプロピレンオキシドジビニルエーテル、ポリプロピレンオキシドジアリルエーテルなど、並びにこれらの混合物が挙げられる。エテニル及び/又はエチニル置換ポリマーは、2、3、又は4つ以上のエテニル(例えばビニル)及び/又はエチニル(例えばアセチレニル)ペンダント基及び/又は末端基を有してもよい。エテニル基とエチニル基との両方を有する化合物も用いられ得る。前述のものの組み合わせを用いてもよい。
いくつかの実施形態では、炭素−炭素二重結合及び三重結合は、直鎖状脂肪族化合物中の末端基である。いくつかの実施形態では、炭素−炭素二重結合及び三重結合のうちの1つ以上は、4〜10個の炭素原子を有する炭素環式環構造内に含有される。いくつかの場合、これらの環構造は、複数の縮合環若しくは結合環、又はO、S若しくはNなどのヘテロ原子を含有し得る。2つのチオール基を有するポリチオールを用いる場合、少なくとも1種の不飽和化合物が2つの炭素−炭素二重結合又は三重結合を有し、少なくとも1種の不飽和化合物が少なくとも3つの炭素−炭素二重結合又は三重結合を有する、不飽和化合物の混合物が有用であり得る。
構成成分c)は、構成成分a)〜e)の総重量を基準として、0.01〜8(好ましくは0.01〜8、より好ましくは0.25〜3)重量パーセントの、少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体である。有機ボラン−アミン錯体は、酸又はその均等物など、塩基と反応する化合物で塩基を解離した際に遊離する有機ボランの潜在的形態である。遊離有機ボランは、例えば、硬化性シーラント組成物のフリーラジカル重合を開始させることができる開始剤である。
有機ボラン−アミン錯体の有機ボラン部分を式I(下記)に示す
Figure 2020535257
[式中、R、R、及びRは有機基である(典型的には、30個以下の原子、又は20個以下の原子、又は10個以下の原子を有する)]。式Iの特定の実施形態では、Rは、1〜10個の炭素原子、又は1〜6個の炭素原子、又は1〜5個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子、又は2〜4個の炭素原子、又は3〜4個の炭素原子を有するアルキル基を表す。
式Iの特定の実施形態では、R及びRは独立して(すなわち、同じであっても異なってもよく)、1〜10個の炭素原子(若しくは1〜6個の炭素原子、若しくは1〜5個の炭素原子、若しくは1〜4個の炭素原子、若しくは2〜4個の炭素原子、若しくは3〜4個の炭素原子)を有するアルキル基;3〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基;6〜12個の炭素原子を有するアリール基(例えば、フェニル);又は1〜10個の炭素原子(若しくは1〜6個の炭素原子、若しくは1〜5個の炭素原子、若しくは1〜4個の炭素原子、若しくは2〜4個の炭素原子、若しくは3〜4個の炭素原子)を有するアルキル基、若しくは3〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基で置換された、6〜12個の炭素原子を有するアリール基(例えば、フェニル)を表す。R、R、及びR基のうちの任意の2つは、任意に環の一部であってもよい(例えば、2つの基が組み合わさって環を形成することができる)。
有機ボラン開始剤は、塩基性錯化剤(すなわち、有機ボランと錯化する塩基)で錯化されて、安定な有機ボラン−アミン錯体を形成する。有機ボラン−アミン錯体は式II(下記)によって表され得る
Figure 2020535257
[式中、R、R、及びRは前に定義したとおりであり、Cxは、1つ以上のアミン基及び任意に1つ以上のアルコキシル基を有する化合物から選択される錯化剤を表し、vは正の数である]。vの値は、周囲条件下で有機ボラン−アミン錯体が安定となるように選択される。例えば、有機ボラン−アミン錯体が約20〜22℃において、かつ他の点では周囲条件下でキャップ付き容器に保管される(すなわち、真空下又は不活性雰囲気下ではない、周囲空気環境においてこの容器にキャップが取り付けられる)場合、この錯体は開始剤として少なくとも2週間、有用なまま保たれる。°好ましくは、錯体はこれらの条件下で数カ月間、最長1年間又はそれ以上にわたって容易に保管され得る。特定の実施形態では、vの値は典型的には、少なくとも0.1、又は少なくとも0.3、又は少なくとも0.5、又は少なくとも0.8、又は少なくとも0.9、かつ最大2、又は最大1.5、又は最大1.2である。いくつかの実施形態では、vは、0.1〜2の範囲、又は0.5〜1.5の範囲、又は0.8〜1.2の範囲、又は0.9〜1.1の範囲、又は1である。
式I及びIIにおいて、アルキル基は直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。特定の実施形態では、式I又は式IIにおいてR、R、及びRのうちの2つの基によって形成される環が、ホウ素原子によって架橋されてもよい。
好ましい実施形態では、有機ボラン−アミン錯体はチオール基を含まない。
有機ボラン−アミン錯体の例示的な好ましい有機ボランは、トリメチルボラン、トリエチルボラン、トリ−n−プロピルボラン、トリイソプロピルボラン、トリ−n−ブチルボラン、トリイソブチルボラン、及びトリ−sec−ブチルボランである。
有用な塩基性錯化剤(Cx)としては、例えば、アミン、アミノアルコール、アミノエーテル、並びにこのような官能性の組み合わせ(例えば、アミノ基及びアルコキシ基)を含有する化合物が挙げられる。周囲条件下における有機ボラン−アミン錯体の安定性を確保するのに十分な錯化剤を供給する。錯化剤が不十分であると、自然発火傾向を持つ材料である遊離有機ボランが残り得る。実際には、周囲条件における錯体の安定性を確保するため、錯化剤として機能する化合物は過剰にされることが多く、すなわち、この化合物の一部は組成物中で遊離しており、又は錯化されていない。塩基性錯化剤の過剰量は、周囲条件下における錯体の安定性を確保しつつ、重合性組成物の硬化速度及び硬化組成物の機械的特性などの所望の性能をなおも実現するように選択される。例えば、有機ボランに対して最大100パーセントモル過剰、又は最大50パーセントモル過剰、又は最大30パーセントモル過剰の塩基性錯化剤が存在してもよい。多くの場合に、有機ボランに対して、10〜30%モル過剰の塩基性錯化剤が存在する。
有用な塩基性錯化剤としては、例えば、アミン及びアミノエーテルが挙げられる。アミン化合物は、例えば第一級及び/又は第二級アミノ基を有し得る。
アミン錯化剤(Cx)は、種々のアミンのブレンドを含め、1つ以上の第一級(典型的に好ましい)又は第二級アミン基を有する多種多様な材料によって供給され得る。アミン錯化剤は、単一のアミン基を有する化合物であってもよく、又はポリアミン(すなわち、2つ以上の第一級、第二級、又は第三級アミン基など、複数のアミン基を有する材料)であってもよい。好適なポリアミンは、好ましくは、第一級及び/又は第二級アミン基である、少なくとも1つのアミン基を有する。
有機ボラン−アミン錯体は、例えば、米国特許第5,616,796号(Pociusら)、同第5,621,143号(Pocius)、同第6,252,023号(Moren)、同第6,410,667号(Moren)、及び同第6,486,090号(Moren)に記載されるような、公知の技法を用いて容易に調製され得る。
好適な有機ボラン−アミン錯体は、BASF及びAkzoNobelなどの供給業者から入手可能である。TEB−DAP(トリエチルボラン−1,3−ジアミノプロパン(又は1,3−プロパンジアミン)錯体)、TnBB−MOPA(トリ−n−ブチルボラン−3−メトキシプロピルアミン錯体)、TEB−DETA(トリエチルボラン−ジエチレントリアミン錯体)、TnBB−DAP(トリ−n−ブチルボラン−1,3−ジアミノプロパン錯体)、及びTsBB−DAP(トリ−sec−ブチルボラン−1,3−ジアミノプロパン錯体)はすべて、BASF(Ludwigshafen,Germany)から入手可能である。TEB−HMDA(トリエチルボラン−ヘキサメチレンジアミン(1,6−ヘキサンジアミン又は1,6−ジアミノヘキサンとも)錯体)は、AkzoNobel,Amsterdam,The Netherlandsから入手可能である。
有機ボラン−アミン錯体は、一般に有効量で使用され、この有効量とは、反応(すなわち、重合及び/又は架橋による硬化)を容易に生じさせて、所望の最終用途に十分な高分子量のポリマーを得るのに十分に多い量である。生成する有機ボランの量が少なすぎる場合、反応が不完全となり得る。一方でこの量が多すぎると、反応が急速に進みすぎて有効に混合できず、得られる組成物を使用できないことになり得る。有用な反応速度は、典型的には組成物を基材に適用する方法に、少なくとも一部は依存する。したがって、反応速度がより速い場合には、組成物をハンドアプリケータで適用したり、又は組成物を手動で混合したりするのでなく、産業用の高速自動アプリケータを用いることによって対応することができる。
これらのパラメータのうち、有機ボラン−アミン錯体の有効量は、好ましくは、少なくとも0.003重量パーセントのホウ素、又は少なくとも0.008重量パーセントのホウ素、又は少なくとも0.01重量パーセントのホウ素を供給する量である。有機ボラン−アミン錯体の有効量は、好ましくは最大1.5重量パーセントのホウ素、又は最大0.5重量パーセントのホウ素、又は最大0.3重量パーセントのホウ素を供給する量である。組成物中のホウ素の重量パーセントは、重合性材料の総重量を基準とする。
言い換えれば、有機ボラン−アミン錯体の有効量は、少なくとも0.1重量パーセント、又は少なくとも0.5重量パーセントである。有機ボラン−アミン錯体の有効量は、最大10重量パーセント、又は最大5重量パーセント、又は最大3重量パーセントである。組成物中のホウ素の重量パーセントは、重合性材料の総重量を基準とする。
錯体解離剤は、有機ボラン−アミン錯体を活性化するために含まれ得るが、現在は、一般には必要ではないことが見出されている。例えば、硬化性シーラント組成物は、1重量パーセント未満、0.1重量パーセント未満、若しくは0.01重量パーセント未満の錯体解離剤を含有してもよく、又は更には錯体解離剤を含まなくてもよい。本明細書で使用するとき、「錯体解離剤」という用語は、有機ボランをその錯化剤から遊離させる能力を有し、それによって組成物の重合性材料の反応(重合及び/又は架橋による硬化)を開始させることが可能な化合物を指す。錯体解離剤は、「活性剤」又は「遊離促進物質」とも称される場合があり、これらの用語は、本明細書では同意語的に用いられ得る。
穏和な温度下で塩基又は有機ボラン−アミン錯体と迅速に反応する化合物は、特に有効な錯体解離剤である。このような化合物としては、鉱酸、ルイス酸、カルボン酸、酸無水物、酸塩化物、塩化スルホニル、ホスホン酸、イソシアネート、アルデヒド、1,3−ジカルボニル化合物、アクリレート、及びエポキシを挙げることができる。
特定の実施形態では、錯体解離剤を、シリカ、二酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、及びカーボンブラックなどの固体粒子に付着させてもよい。
好適な錯体解離剤としては、アミン反応性化合物を挙げることができる。アミン反応性化合物は、アミンと反応することによって有機ボランを遊離させ、それによってアミンとの化学的付着から有機ボランを取り外す。アミン反応性化合物を提供するために、異なる物質の組み合わせを含む多種多様な材料が用いられ得る。望ましいアミン反応性化合物は、周囲条件下で簡単に使用及び硬化することができる接着剤などの組成物を提供するために、室温以下でアミンとの反応生成物を容易に形成することができる物質である。
有用なアミン反応性化合物の一般的な分類としては、鉱酸(例えば、塩酸、硫酸、リン酸、及びケイ酸)、ルイス酸(例えば、SnCl又はTiCl)、カルボン酸、酸無水物(すなわち、同じ酸素原子に結合した2つのアシル基を有する有機化合物)、酸塩化物、塩化スルホニル、ホスホン酸、ホスフィン酸、イソシアネート、アルデヒド、1,3−ジカルボニル化合物、アクリレート、及びエポキシが挙げられる。酸、酸無水物、酸塩化物、塩化スルホニル、及びイソシアネートなど、穏和な温度でアミンと迅速に反応する化合物は、特に有効な錯体解離剤である。
加えて、多くの鉱酸などの強酸は、反応前又は反応後に重合性組成物の構成成分を分解し得るとともに、組成物が接触し得る基材も分解し又は腐食させ得る。これらのことから、カルボン酸、酸無水物、アルデヒド、イソシアネート、ホスホン酸、及び1,3−ジカルボニル化合物、例えば、バルビツール酸、ジメドン、及びこれらの誘導体が、典型的にはより万能であり、好ましい錯体解離剤である。
少なくとも1つの無水物基を有する他の有用なアミン反応性化合物は、無水マレイン酸のコポリマー、例えば、無水マレイン酸とスチレンとのコポリマー、無水マレイン酸とエチレン又はα−オレフィンとのコポリマー、及び無水マレイン酸と(メタ)アクリレートとのコポリマーなどである。また、ポリマーに無水マレイン酸がグラフトして、例えば無水コハク酸官能性ポリマーを形成しているポリマー材料も好適である。Gelest,Inc.の無水コハク酸末端ポリジメチルシロキサン、DMS−Z21など、無水物を含有するポリジオルガノシロキサンもまた、有用であり得る。
錯体解離剤として機能するアミン反応性化合物として有用なアルデヒドの例としては、ベンズアルデヒド;o−、m−及びp−ニトロベンズアルデヒド;2,4−ジクロロベンズアルデヒド;p−トリルアルデヒド;並びに3−メトキシ−4−ヒドロキシ−ベンズアルデヒドが挙げられる。アセタール及びジアルデヒドなどのブロックされたアルデヒドも用いられ得る。
他の好適な錯体解離剤としては、例えば米国特許第6,849,569号(Moren)に記載されているような、1,3−ジカルボニル化合物(例えば、β−ケトン)を挙げることができる。例示的な1,3−ジカルボニル化合物の錯体解離剤としては、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、t−ブチルアセトアセテート、2−メタクリロイルオキシエチルアセトアセテート、ジエチレングリコールビス(アセトアセテート)、ポリカプロラクトントリス(アセトアセテート)、ポリプロピレングリコールビス(アセトアセテート)、アセトアセトアニリド、エチレンビス(アセトアセトアミド)、ポリプロピレングリコールビス(アセトアセトアミド)、アセトアセトアミド、及びアセトアセトニトリルが挙げられる。好ましい1,3−ジカルボニル化合物としては、ジメドン、バルビツール酸及びこれらの誘導体(例えば、1,3−ジメチルバルビツール酸、1−フェニル−5−ベンジルバルビツール酸、及び1−エチル−5−シクロヘキシル−バルビツール酸)が挙げられる。
存在する場合、錯体解離剤は、典型的には有効量(すなわち、開始剤を錯化剤から遊離させることによって反応(すなわち、重合及び/又は架橋による硬化)を促進するのに有効であるが、最終的な組成物の所望の特性に実質的に悪影響を及ぼすことのない量)で用いる。当業者が認識するとおり、錯体解離剤が多すぎることは、反応が迅速に進みすぎる原因となり得る。しかしながら、錯体解離剤の使用が少なすぎると、反応速度が遅くなりすぎる場合があり、得られるポリマーは、特定の用途には不十分な分子量のものとなり得る。減速させなければ反応速度が速すぎる場合、錯体解離剤の量の低減が減速に役立ち得る。したがって、これらのパラメータの範囲内で、錯体解離剤は典型的には、錯体解離剤中のアミン反応性基の、錯化剤中のアミノ基に対するモル比が、0.5:1.0〜10.0:1.0の範囲、好ましくは0.5:1.0〜4.0:1.0の範囲、及びより好ましくは1.0:1.0となるような量で供給するが、しかしながらこれは必須ではない。
構成成分d)は、構成成分a)〜e)の総重量を基準として、0.05〜10(好ましくは0.05〜10、より好ましくは0.75〜5)重量パーセントの、少なくとも1種の有機過酸化物を含む。
有用な有機過酸化物の例としては、ヒドロペルオキシド(例えば、クメン、tert−ブチル又はtert−アミルヒドロペルオキシド)、ジアルキルペルオキシド(例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、又はシクロヘキシルペルオキシド)、ペルオキシエステル(例えば、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、tert−ブチルモノペルオキシマレエート、又はジ−tert−ブチルペルオキシフタレート)、ペルオキシカーボネート(例えば、tert−ブチルペルオキシ2−エチルヘキシルカーボネート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、又はジ(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート)、ケトンペルオキシド(例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、及びシクロヘキサノンペルオキシド)、並びにジアシルペルオキシド(例えば、ベンゾイルペルオキシド、又はラウリルペルオキシド)が挙げられる。有機過酸化物は、例えば、有機過酸化物の使用に所望される温度、及びモノマーとの相溶性に基づいて選択され得る。2種以上の有機過酸化物の組み合わせも、有用であり得る。
いくつかの実施形態では、第2の開始剤は、有機ヒドロペルオキシドを、単独で、又は窒素含有塩基との組み合わせのいずれかで含む。有機ヒドロペルオキシドは、一般構造R14OOH[式中、R14は、アルキル基、アリール基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基、アルキルアリーレンアルキレン基、又はこれらの組み合わせである]を有する。有用な有機ヒドロペルオキシドの例としては、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、tert−アミルヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、イソプロピルクミルヒドロペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド(すなわち、1−メチル−1−(4−メチルシクロヘキシル)エチルヒドロペルオキシド)、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド(例えば、3,5−ジイソプロピルヒドロペルオキシド)が挙げられる。いくつかの実施形態では、有機ヒドロペルオキシドとしては、ケトンペルオキシド(例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド、及びシクロヘキサノンペルオキシド)が挙げられる。有機ヒドロペルオキシドは、より安定なペルオキシドの一部となる傾向があり、熱による開始には最高温度域を必要とするが、発明者らは、本開示の組成物中にポリチオールと不飽和化合物が存在すると、有機ヒドロペルオキシドは室温で硬化を開始し得ることを見出した。いくつかの実施形態では、本開示による組成物は、窒素含有塩基を更に含む。いくつかの実施形態では、窒素含有塩基と有機ヒドロペルオキシドとの組み合わせは、レドックス開始剤と考えることができる。窒素含有塩基中の窒素原子は、アルキル基、アリール基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン、アルキルアリーレンアルキレン基、又はこれらの組み合わせと、結合され得る。窒素含有塩基は環式化合物であってもよく、この環式化合物は、1つ以上の環を含んでもよく、芳香族であっても非芳香族(例えば、飽和又は不飽和)であってもよい。環式窒素含有塩基は、5員環又は6員環中の原子のうちの少なくとも1つとして、窒素を含んでもよい。いくつかの実施形態では、窒素含有塩基は、炭素−窒素結合、窒素−水素結合、炭素−炭素結合、及び炭素−水素結合のみを含む。いくつかの実施形態では、窒素含有塩基は、アルコキシ、アリール、アリールアルキレニル、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、シアノ、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、又はヒドロキシアルキレンオキシアルキレニルのうちの少なくとも1つで置換され得る。いくつかの実施形態では、窒素含有塩基は第三級アミンである。有用な第三級アミンの例としては、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、ジメチルアニリン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−o−トルイジン、テトラメチルグアニジン(tetramethylguanidine、TMG)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(diazabicyclo undecene、DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン(diazabicyclo nonene、DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、キヌクリジン、3−キヌクリジノール、ジメチルアミノメチルフェノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、及びN,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−ジエチレントリアミンが挙げられる。有用な窒素含有塩基としては、ジフェニルグアニジン(diphenylguanidine、DPG)などのグアニジンも挙げられる。いくつかの実施形態では、窒素含有塩基は、置換又は非置換の窒素含有環を含む。いくつかの実施形態では、置換又は非置換の窒素含有環は、環中に5個又は6個の原子を有する。置換又は非置換の窒素含有環は、芳香族であっても非芳香族であってもよく、環中に最大4個の窒素原子を有してもよい。環は任意に、他のヘテロ原子(例えば、S及びO)を含んでもよい。置換された芳香環又は非芳香環は、アルキル、アリール、アリールアルキレニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ハロゲン、ニトロ、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、メルカプト、シアノ、アリールオキシ、アリールアルキレンオキシ、ヘテロシクリル、ヒドロキシアルキレンオキシアルキレニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、(ジアルキルアミノ)アルキレンオキシ、及びオキソからなる群から独立して選択される、1つ以上の置換基で置換されてもよい。アルキル置換基は、非置換であってもよく、又は最大4個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、若しくはニトロのうちの少なくとも1つで置換されてもよい。いくつかの実施形態では、アリール又はアリールアルキレニルは、非置換であるか、又は最大4個の炭素原子を有するアルキル、最大4個の炭素原子を有するアルコキシ、ハロ、ヒドロキシ、若しくはニトロのうちの少なくとも1つで置換される。いくつかの実施形態では、窒素含有塩基は、置換又は非置換のピリジン、ピラジン、イミダゾール、ピラゾール、テトラゾール、トリアゾール、オキサゾール、チアゾール、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、テトラジン、又はピロールである。これらのいずれも、ハロゲン(例えば、ヨード、ブロモ、クロロ、フルオロ)、アルキル(例えば、1〜4個、1〜3個、又は1〜2個の炭素原子を有するもの)、アリールアルキレニル(例えば、ベンジル)、又はアリール(フェニル)で置換されてもよい。いくつかの実施形態では、窒素含有塩基は、置換又は非置換のイミダゾール又はピラゾールである。イミダゾール又はピラゾールは、ハロゲン(例えば、ヨード、ブロモ、クロロ、フルオロ)、アルキル(例えば、1〜4個、1〜3個、若しくは1〜2個の炭素原子を有するもの)、アリールアルキレニル(例えば、ベンジル)、又はアリール(フェニル)で置換されてもよい。有用な窒素含有環の例としては、1−ベンジルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、4−ヨードピラゾール、1−メチルベンゾイミダゾール、1−メチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−フェニルイミダゾール、及びピラゾールが挙げられる。
有機ペルオキシド、いくつかの実施形態では有機ヒドロペルオキシドは、硬化を開始するのに好適な任意の量で添加することができる。いくつかの実施形態では、有機過酸化物は、0.05重量パーセント〜約10重量パーセント(いくつかの実施形態では、0.1重量パーセント〜5重量パーセント、又は0.5重量パーセント〜5重量パーセント)の範囲の量で存在する。有機過酸化物及びその量は、混合又は融和後、望ましい第2の期間(すなわち、航空機の表面に隣接する硬化性シーラントの一部が、液体のままである時間の長さ)を、組成物にもたらすように選択され得る。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも10分、少なくとも30分、少なくとも1時間、又は少なくとも2時間のオープンタイムを有する。
構成成分e)は、構成成分a)〜e)の総重量を基準として、0.01〜10重量パーセント(好ましくは0.1〜1.5重量パーセント)の、化学線(好ましくは電磁放射線)に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系からなる。典型的には、化学線は、250〜500nmの範囲の波長を含めた電磁放射線であろうが、他の波長を用いてもよい。好ましい実施形態では、化学線は可視であり、好ましくは400〜470ナノメートルの波長範囲(より好ましくは440〜460ナノメートル)の光を含有する。光開始剤系は、例えば、I型及び/又はII型光開始剤、増感染料、アミン共力剤、並びに任意に電子供与体(例えば、3成分電子移動光開始剤の場合のように)を含み得る。
好適なフリーラジカル光開始剤の例としては、2−ベンジル−2−(ジメチルアミノ)−4’−モルホリノブチロフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、4−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−(4−メチルフェニルチオ)ベンゾフェノン、ベンゾフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−イソプロピルチオキサントン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。これら及び他のものの多くは、商業的な供給源から広く入手可能である。
好ましくは、光開始剤系は、電磁スペクトルの可視領域内の波長に感受性のあるフリーラジカル光開始剤を含む。このような光開始剤の例としては、例えば、アシルホスフィンオキシド誘導体、アシルホスフィネート誘導体、及びアシルホスフィン誘導体(例えば、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(IGM Resins,St.Charles,IllinoisからOMNIRAD 819として入手可能)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン(例えば、IGM ResinsからOMNIRAD 2100として入手可能)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(例えば、IGM ResinsからOMNIRAD 8953Xとして入手可能)、イソプロポキシフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、ジメチルピバロイルホスホネート)、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート(例えば、IGM ResinsからOMNIRAD TPO−Lとして入手可能);及びビス(シクロペンタジエニル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1−ピリル)フェニル]チタン(例えば、IGM ResinsからOMNIRAD 784として入手可能)が挙げられる。
これらの光開始剤は、450nmにおいて低いモル吸光係数を有し得るが、それにもかかわらず、典型的には、指定の量における発光ダイオード(light emitting diode、LED)光源を用いて、十分な硬化をもたらすのに十分な吸収性である。
任意に、硬化性シーラント組成物は、例えば、1,4−ジアゾビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、1,2−ジメチルイミダゾール、3−キヌクリジノール、及び/若しくは有機ボラン−アミン錯体によって供給される過剰なアミンなどのアミン、並びに/又は無機塩基(例えば、水酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、及び炭酸ナトリウム)などの、1つ以上の塩基性化合物を含んでもよい。含む場合、典型的な量は0.1〜8重量パーセント、好ましくは0.2〜2パーセントであるが、これは必須ではない。
いくつかの実施形態では、本開示を実施するのに有用な硬化性シーラント組成物は、少なくとも1種の接着促進剤を含む。接着促進剤は、硬化性シーラント組成物の総重量を基準として、例えば、硬化性シーラントの0.1重量パーセント〜15重量パーセント、好ましくは5重量パーセント未満、より好ましくは2重量パーセント未満、又は更には1重量パーセント未満の量で存在し得る。
接着促進剤の例としては、METHYLONとして入手可能なフェノール樹脂などのフェノール樹脂、低分子量ビスフェノールAジグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂、エポキシ官能性、メルカプト官能性又はアミノ官能性シランなどのオルガノシラン、オルガノチタネート、及びオルガノジルコネートが挙げられる。接着促進剤として有用なメルカプトシランの例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、有用なオルガノシランは、アミノ官能基(例えば、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及び(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン)を有する。いくつかの実施形態では、有用な接着促進剤は、例えば、フリーラジカル重合によって重合可能な基を有する。重合可能な部分の例は、スチレン、ビニル(例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(2−メトキシエトキシ)シラン)、アクリル及びメタクリル部分(例えば、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)などのオレフィン官能性を含有する材料である。接着促進剤として有用ないくつかの官能性シランは、例えば、Momentive Performance Materials,Inc.,Waterford,New Yorkから、SILQUEST A−187、及びSILQUEST A−1100として市販されている。他の有用な接着促進剤が、当該技術分野において公知である。メルカプタン官能性接着促進剤のいくつかの実施形態では、接着促進剤は、それらが硬化性シーラント組成物内でより容易に移動し得るように、メルカプタン滴定によって決定する場合、5000g/mol、4000g/mol、3000g/mol、2000g/mol、又は1000g/mol未満のメルカプタン当量を有する。他の官能性接着促進剤(例えば、アミノシラン又はエポキシシラン)はまた、滴定によって決定する場合、5000g/mol、4000g/mol、3000g/mol、2000g/mol、又は1000g/mol未満の当量を有し得る。多くのチタネート及びジルコネートのカップリング剤が市販されている。
好適な湿潤剤の例としては、シリコーン、変性シリコーン、シリコーンアクリレート、炭化水素溶媒、フッ素含有化合物、コポリアクリレートなどの非シリコーンポリマー又はコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書に開示する硬化性シーラント組成物中の湿潤剤として好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロックコポリマー、ポリオキシエチレン(7)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(18)ラウリルエーテル、及びポリエトキシル化アルキルアルコール、例えば、Air Products and Chemicals Inc.,Allentown,Pennsylvaniaから、SURFYNOL SE−Fとして入手可能なものなどが挙げられる。St.Paul,Minnesotaの3M Companyから、FLUORADの商品名で入手可能なものなどの、フッ素性化学界面活性剤も有用であり得る。いくつかの実施形態では、硬化性シーラント組成物は、硬化性シーラント組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.001重量パーセント、少なくとも約0.01重量パーセント、又は少なくとも約0.02重量パーセントの少なくとも1種の湿潤剤、かつ最大約2重量パーセント、最大約1.5重量パーセント、又は最大約1重量パーセントの少なくとも1種の湿潤剤を含む。
接着促進剤又は湿潤剤は、硬化性シーラント組成物に直接組み込んでもよく、硬化性シーラント組成物の適用前に基材上にコーティングする、別個の異なるプライマー組成物として用いてもよく、又はより一般には、両方の方法の組み合わせであってもよい。接着促進の技法が、一体化ブレンド法若しくはプライマー法であるか、又は両方であるかにかかわらず、用いる接着促進剤又は湿潤剤の総量は、硬化性シーラント組成物の基材への接着を、意図する又は予想される使用のすべての条件下で強化するのに十分であるべきであることを理解されたい。
硬化性シーラント組成物(2剤型組成物を含めて)の構成成分は、溶媒中に任意の好適な濃度(例えば、溶液の総重量を基準として、約5重量パーセント〜約90重量パーセント)で存在し得る。いくつかの実施形態では、各構成成分は、溶液の総重量を基準として、10〜85、又は25〜75重量パーセントの範囲で存在し得る。好適な溶媒の例示的な例としては、脂肪族及び脂環式炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、及びシクロヘキサン)、芳香族溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、及びキシレン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、グリム、ジグリム、及びジイソプロピルエーテル)、エステル(例えば、酢酸エチル及び酢酸ブチル)、アルコール(例えば、エタノール及びイソプロピルアルコール)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトン)、スルホキシド(例えば、ジメチルスルホキシド)、アミド(例えば、N,N−ジメチルホルムアミド及びN,N−ジメチルアセトアミド)、ハロゲン化溶媒(例えば、メチルクロロホルム、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、トリクロロエチレン、及びトリフルオロトルエン)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
本開示の方法を実施するために有用な硬化性シーラント組成物は、充填剤も含有することができる。シリカ(例えば、ヒュームドシリカ)、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、及びカーボンブラックなどの従来の無機充填剤は、低密度充填剤と同様に有用な場合がある。いくつかの実施形態では、本明細書において開示する硬化性シーラントは、シリカ、中空セラミック要素、中空ポリマー性要素、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はカーボンブラックのうちの少なくとも1種を含む。シリカは、例えば、1マイクロメートルを超える、100ナノメートル〜1マイクロメートルの、及び100ナノメートル未満の平均サイズを有する粒子を含めた、任意の所望のサイズのものであってよい。シリカとしては、例えば、ナノシリカ及び非晶質ヒュームドシリカを挙げることができる。好適な低密度充填剤は、約1.0〜約2.2の範囲の比重を有してもよく、ケイ酸カルシウム、ヒュームドシリカ、沈殿シリカ、及びポリエチレンが例示される。例としては、2.1〜2.2の比重及び3〜4ミクロンの粒子サイズを有するケイ酸カルシウム(HUBERSORB HS−600,J.M.Huber Corp.,Edison New Jerseyとして入手可能)、並びに1.7〜1.8の比重及び1未満の粒子サイズを有するヒュームドシリカ(CAB−O−SIL TS−720,Cabot Corp.,Boston,Massachusetts)が挙げられる。他の例としては、2〜2.1の比重を有する沈殿シリカ(HI−SIL TS−7000,PPG Industries,Pittsburgh,Pennsylvaniaとして入手可能)、並びに1〜1.1の比重及び10〜20ミクロンの粒子サイズを有するポリエチレン(SHAMROCK S−395 Shamrock Technologies Incとして入手可能)が挙げられる。
追加の充填剤としては、例えば、有機及び無機中空要素などの中空要素が挙げられる。中空無機要素及び中空有機要素は、様々な有用なサイズのうちの1つを有し得るが、典型的には、10ミリメートル(mm)未満、より典型的には1mm未満の最大寸法を有し得る。微小球の比重は、約0.1〜0.7の範囲であり、ポリアクリレート及びポリオレフィンの微小球、並びに5〜100ミクロンの範囲の粒子サイズ、及び0.25の比重を有するシリカ微小球(ECCOSPHERES,W.R.Grace & Co.)が例示される。他の例としては、例えば、Akzo Nobel,Amsterdam,The Netherlandsから、EXPANCELとして入手可能なエラストマー性粒子、5〜300ミクロンの範囲の粒子サイズ及び0.7の比重を有するアルミナ/シリカ微小球(FILLITE、Pluess−Stauffer Internationalとして入手可能)、約0.45〜約0.7の比重を有するケイ酸アルミニウム微小球(Z−LIGHT)、並びに0.13の比重を有する炭酸カルシウムコーティングポリビニリデンコポリマー微小球(DUALITE 6001AE、Pierce & Stevens Corp.,Buffalo,New York)が挙げられる。市販の材料の更なる例としては、3M Company,Saint Paul,Minnesotaにより、K1、K15、K20、K25、K37、K46、S15、S22、S32、S35、S38、S38HS、S38XHS、S42HS、S42XHS、S60、S60HS、iM30K、iM16K、iM16K−N、iM30K−N、XLD3000、XLD6000、及びG65のグレードの3M GLASS BUBBLESとして販売されているグラスバブル、並びに3M GLASS BUBBLESのHGSシリーズのいずれか;Potters Industries,Carlstadt,New Jerseyから、Q−CEL HOLLOW SPHERES(例えば、グレード30、6014、6019、6028、6036、6042、6048、5019、5023、及び5028)としてのグラスバブル;並びにSilbrico Corp.,Hodgkins,Illinoisから、SIL−CELLとしての中空ガラス粒子(例えば、グレードSIL 35/34、SIL−32、SIL−42、及びSIL−43)が挙げられる。このような充填剤は、単独で又は組み合わせて、硬化性シーラント組成物の総重量を基準として、10重量パーセント〜55重量パーセントの範囲で、いくつかの実施形態では、20重量パーセント〜50重量パーセントの範囲で、シーラント中に存在することができる。硬化性シーラント中の充填剤の存在は、いくつかの場合、硬化性シーラント組成物のオープンタイムを長くするという有利な効果も有する。
本開示の方法を実施するのに有用な硬化性シーラント組成物はまた、硬化促進剤、着色剤(例えば、顔料及び染料)、チキソトロープ剤、並びに溶媒のうちの少なくとも1つも含有することができる。溶媒は、好都合には、硬化性シーラントの構成成分を溶解することができる任意の材料(例えば、N−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、又は下記のもの)であってもよい。好適な顔料及び染料としては、組成物を硬化するのに望ましい波長範囲で吸収しないものを挙げることができる。
長い貯蔵寿命を提供するために、本開示による硬化性シーラント組成物は、例えば、凍結させてもよく、又は2剤型組成物として提供してもよい。
2剤型硬化性シーラント組成物は、パートA組成物とパートB組成物とを含み、これらの両方が良好な貯蔵寿命を有するが、組み合わされたときは低減した貯蔵寿命を有する。パートA及びパートBの組成物同士を組み合わせるとき、能動的(例えば、機械的撹拌機)及び/又は受動的な混合技法(例えば、静的ミキサーノズル)を用いて、これらを十分に混合する作業をするべきである。好ましい2剤型硬化性シーラント組成物では、1剤型硬化性シーラント組成物の内容物を、以下のように別個の容器(例えば、封止したチューブ又はカートリッジ)に分割する。すなわち、パートA組成物が、少なくとも1種のポリチオールを含み、パートB組成物が、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含み、残りの内容物は、いずれかの組成物中に存在し得る。
好ましい2剤型シーラント組成物は、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする。
本開示による硬化性シーラント組成物は、一般に、パートA組成物の少なくとも一部をパートB組成物の少なくとも一部と、当該技術分野において周知の混合技法を用いて、単純に組み合わせることによって作製し、硬化性シーラント組成物を提供することができる。
使用においては、本開示による(好ましくは流動性の)硬化性シーラント組成物を基材の表面に適用し、硬化させる。好ましくは、硬化性シーラント組成物は、適用温度において流動性であるように配合するが、これは必須ではない。
適用したら、硬化性組成物を化学線に曝露する。好適な化学線源の例としては、高圧水銀アークランプ、LEDランプ(例えば、歯科修復に用いるものと同様)、キセノンフラッシュランプ、及び太陽光(例えば、集光太陽光)が挙げられる。曝露時間は数秒〜数分であり得るが、他の時間を用いてもよい。曝露後、硬化性シーラント組成物は経時的に硬化する。有利には、本開示による硬化性シーラント組成物は、典型的には、満足なオープンタイム/貼り合わせ時間を有するが、光への曝露によって誘起し、迅速な硬化の開始を引き起こすことができる。硬化を開始させるために光を用いる場合であっても、他の硬化剤の存在によって、光に曝露されない領域における有効な硬化が確保される。
硬化性シーラント組成物は、典型的には、1つ以上の(例えば、2つの)基材に適用する。例示的な基材材料としては、ガラス、プラスチック、金属(例えば、銅、鋼、チタン、ステンレス鋼、及びアルミニウムであって、これらのいずれも陽極酸化、下塗り、有機コーティング又はクロメートコーティングされていてもよい)、複合体(例えば、炭素繊維複合体及びガラス繊維複合体)、セラミック、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの好ましい実施形態では、基材は、航空機又は海洋船舶の部品を含む。例示的な航空機部品としては、航空機外板の一部、航空機用締結具、航空機用窓、航空機用アクセスパネル、機体突出部、及び航空機用燃料タンクの間の継ぎ目又は接合部が挙げられる。
本開示による方法における硬化性シーラント組成物は、例えば、耐航空燃料シーラントへと硬化させることができる。耐航空燃料シーラントは、多くの目的のために、航空機産業に広く用いられる。民間及び軍用航空機は、典型的には、梁受け縦通材及び円形フレームなどの、複数の構造部材を接続することによって組み立てられる。航空機外板は、金属又は複合体のいずれであっても、様々な締結具及び接着剤を用いて、縦通材の外側に取り付けられる。これらの構造には、多くの場合、継ぎ目に沿った間隙、強固に連結された部品間の接合部、及び航空機の外装外板の重なり部分を含む。本開示による方法は、例えば、航空機外板の、そのような継ぎ目、接合部、及び重なり部分をシールするのに有用であり得る。硬化性シーラント組成物は、例えば、航空機用締結具、窓、アクセスパネル、及び機体突出部に適用され得る。硬化後、本明細書において開示する得られるシーラントは、風雨の侵入を防止することができ、外部表面同士の間の平滑な移行をもたらして所望の空力特性を達成することができる。本開示による方法は、同じく、腐食を防止するために内装アセンブリ上にも実施することができ、航空機の運航に必要な様々な流体及び燃料を収容することができ、並びに航空機の内部(例えば客室)の高い高度での与圧を維持することができる。これらの使用のなかには、一体型燃料タンク及びキャビティのシーリングがある。
シーラントを適用することができる航空機の外装及び内装表面は、チタン、ステンレス鋼、及びアルミニウムなどの金属、並びに/又は複合体を含んでよく、これらのいずれも、陽極酸化、下塗り、有機コーティング、又はクロメートコーティングをされていてもよい。例えば、1種以上のフェノール樹脂、有機官能性シラン、チタネート、又はジルコネートの希薄溶液、及び有機溶媒又は水中に溶解した界面活性剤又は湿潤剤を、外装又は内装表面に適用し乾燥させてもよい。
シーラントは、任意に、シールキャップと組み合わせて、例えばリベット、ボルト、又は他の種類の締結具の上に用いられ得る。シールキャップは、シールキャップの型を用いて作製し、硬化性シーラントを充填し、締結具上に載置してもよい。次いで、硬化性シーラントが硬化され得る。いくつかの実施形態では、シールキャップ及び硬化性シーラントを、同一の材料から製造することができる。シールキャップに関する更なる詳細については、例えば、PCT公開第2014/172305号(Zookら)を参照されたい。
ここで図1及び2を参照すると、シールキャップ100は、一方の端部130が開放された内部120を画定するキャップ110を含む。本開示による硬化性シーラント組成物140は、シールキャップの内部に配置される。
キャップは、任意の好適な材料で作製することができる。例としては、本開示による硬化したシーラント、ゴム、合成エラストマー、熱可塑性ポリマー(例えば、ポリカーボネート、ポリエステル、アクリル)、金属、及びこれらの組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態では、キャップはシーラントを部分的に充填され、他の実施形態では、完全に充填される。いくつかの実施形態では、キャップは、使用する直前に、シーラントを少なくとも部分的に充填される。
いくつかの実施形態では、キャップは、シーラントを少なくとも部分的に充填され、すぐに使用できる形態で保管される。いくつかのこのような実施形態では、シールキャップは、好ましくは低温で保管し、使用前に温めなければならない。いくつかの実施形態では、キャップは、締結具への適用前に、シーラントを少なくとも部分的に充填される。いくつかの実施形態では、キャップは、締結具への適用後、例えば、シリンジによって、又はシーラントポートなどによって、少なくとも部分的にシーラントを充填される。
いくつかの実施形態では、シールキャップは、締結具へのシーラントの適用後、締結具に適用される。いくつかの実施形態では、締結具は基材に貫入する。いくつかの実施形態では、締結具は基材の表面から突出する。いくつかの実施形態では、基材は複合材料を含む。いくつかの実施形態では、基材は、エポキシマトリックスとガラス又は炭素繊維の複合材料とを含む。いくつかの実施形態では、基材から突出している締結具のすべての部分が、硬化したシーラント若しくはシールキャップ、又はそれらの両方によって覆われている。いくつかの実施形態では、基材から突出している締結具のすべての部分が、硬化したシーラントで覆われている。
いくつかの実施形態では、本開示による方法で調製した硬化性シーラント組成物及びその硬化形態は、例えば、耐燃料性及び低いガラス転移温度のため、これらの用途において有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示によって調製した硬化したシーラントは、低いガラス転移温度を有し、いくつかの実施形態では−20℃未満、いくつかの実施形態では−30℃未満、いくつかの実施形態では−40℃未満、及びいくつかの実施形態では−50℃未満である。いくつかの実施形態では、本開示によって調製した硬化したシーラントは、高い耐ジェット燃料性を有し、自動車技術会(Society of Automotive Engineers、SAE)国際規格AS5127/1に準拠して測定した場合、30%未満の体積膨潤及び20%未満の重量増加を特徴とする。
本開示の選択された実施形態
第1の実施形態では、本開示は、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と、
を含む、硬化性シーラント組成物であって、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、硬化性シーラント組成物を提供する。
第2の実施形態では、本開示は、
a)70〜98重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)2〜20重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系とを含む、第1の実施形態に記載の硬化性シーラント組成物を提供する。
第3の実施形態では、本開示は、
a)80〜95重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)3〜15重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.25〜3重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.75〜5重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.1〜1.5重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系とを含む、第1の実施形態に記載の硬化性シーラント組成物を提供する。
第4の実施形態では、本開示は、接着促進剤又は湿潤剤のうちの少なくとも1つを更に含む、第1〜第3の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性シーラント組成物を提供する。
第5の実施形態では、本開示は、少なくとも1種のポリチオールが脂肪族ポリチオールを含む、第1〜第4の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性シーラント組成物を提供する。
第6の実施形態では、本開示は、少なくとも1種の不飽和化合物が、少なくとも2つのビニル基を有する化合物を含む、第1〜第5の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性シーラント組成物を提供する。
第7の実施形態では、本開示は、光開始剤系がアシルホスフィンオキシドを含む、第1〜第6の実施形態のいずれか1つに記載の硬化性シーラント組成物を提供する。
第8の実施形態では、本開示は、パートA組成物とパートB組成物とを含む2剤型硬化性シーラント組成物を提供し、
パートA組成物が少なくとも1種のポリチオールを含み、
パートB組成物が、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含み、パートA組成物とパートB組成物とが集合的に、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする。
第9の実施形態では、本開示は、構成成分が、
a)70〜98重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)2〜20重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系とを含む、第8の実施形態に記載の2剤型硬化性シーラント組成物を提供する。
第10の実施形態では、本開示は、構成成分が、
a)80〜95重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)3〜10重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.25〜3重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.75〜5重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.1〜1.5重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系とを含む、第8の実施形態に記載の2剤型硬化性シーラント組成物を提供する。
第11の実施形態では、本開示は、接着促進剤又は湿潤剤のうちの少なくとも1つを更に含む、第8〜第10の実施形態のいずれか1つに記載の2剤型硬化性シーラント組成物を提供する。
第12の実施形態では、本開示は、少なくとも1種のポリチオールが脂肪族ポリチオールを含む、第8〜第11の実施形態のいずれか1つに記載の2剤型硬化性シーラント組成物を提供する。
第13の実施形態では、本開示は、少なくとも1種の不飽和化合物が、少なくとも2つのビニル基を有する化合物を含む、第8〜第12の実施形態のいずれか1つに記載の2剤型硬化性シーラント組成物を提供する。
第14の実施形態では、本開示は、少なくとも1種の光開始剤がアシルホスフィンオキシドを含む、第8〜第13の実施形態のいずれか1つに記載の2剤型硬化性シーラント組成物を提供する。
第15の実施形態において、本開示は、硬化性シーラント組成物を作製する方法であって、
パートA組成物とパートB組成物とを含む2剤型硬化性シーラント組成物を準備することであって、
パートA組成物が少なくとも1種のポリチオールを含み、
パートB組成物が、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含み、パートA組成物とパートB組成物とが集合的に、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、準備することと、
パートA組成物の少なくとも一部をパートB組成物の少なくとも一部と組み合わせて、硬化性シーラント組成物を提供することとを含む、方法を提供する。
第16の実施形態では、本開示は、基材をシーリングする方法であって、
i)硬化性シーラント組成物を基材の表面に適用することであって、硬化性シーラント組成物が、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、適用することと、
ii)少なくとも1種の光開始剤の少なくとも一部を、化学電磁放射線に曝露することと、
iii)硬化性シーラント組成物を、その大部分にわたって硬化させることとを含む、方法を提供する。
第17の実施形態では、本開示は、接着促進剤又は湿潤剤のうちの少なくとも1つを更に含む、第16の実施形態に記載の基材をシーリングする方法を提供する。
第18の実施形態では、本開示は、接着促進剤がカップリング剤を含む、第15〜第17の実施形態のいずれか1つに記載の基材をシーリングする方法を提供する。
第19の実施形態では、本開示は、基材が航空機部品を含む、第15〜第18の実施形態のいずれか1つに記載の基材をシーリングする方法を提供する。
第20の実施形態では、本開示は、硬化性シーラント組成物を、航空機外板の部分同士の間の継ぎ目又は接合部に適用する、第15〜第19の実施形態のいずれか1つに記載の基材をシーリングする方法を提供する。
第21の実施形態では、本開示は、硬化性シーラント組成物を、航空機用締結具、航空機用窓、航空機用アクセスパネル、機体突出部、又は航空機用燃料タンクのうちの少なくとも1つに適用する、第15〜第20の実施形態のいずれか1つに記載の基材をシーリングする方法を提供する。
第22の実施形態では、本開示は、シールキャップであって、
一方の端部が開放されている内部を画定するキャップと、
シールキャップの内部に配置された硬化性シーラント組成物とを含み、硬化性シーラント組成物が、以下の構成成分:
a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、シールキャップを提供する。
本開示の目的及び利点は以下の非限定的な実施例によって更に例証されるが、これらの実施例に引用される具体的な材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限しないものと解釈されるべきである。
特に記載のない限り、実施例及び本明細書の他の箇所におけるすべての部、百分率、比などは、重量によるものである。表1(下記)に、実施例において用いた材料及び省略形を報告する。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
試験方法
硬化深度の試験を除くすべての試験方法は、SAE International Aerospace Standard AS5127/1,Rev.C、2014年10月、「Aerospace Standard Test Methods for Aerospace Sealants Two−Component Synthetic Rubber Compounds」に基づく。
引張強度及び破断時伸び
新たに混合したシーラントを、3.75インチ×1.6インチ×0.125インチ(9.5cm×4.1cm×0.3cm)のキャビティ寸法を有する開放面ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene、PTFE)成形型に入れた。過剰なシーラントを、平刃のスクレーパでこそげ取った。次いで、成形サンプルを、下に記載する引張及び伸び光硬化条件試験方法に直ちに供し、又は暗所に保持した。いずれの場合においても、サンプルを特定の温度において特定量の時間、暗所に置き、硬化させた。硬化時間後、ASTM D638−14「Standard Test Method for Tensile Properties of Plastics」においてタイプVに指定されている、小型のドッグボーン形状のダイを用いて、3つの引張試験片をシートから切り出した。これらの試験片を、ASTM D638タイプVに準拠して、1分あたり20インチ±1インチ(1分あたり50.8cm±2.5cm)のつかみ具分離速度を用いて、試験片が破断するまで試験した。試験前に各試験片の厚さを記録し、これを用いて引張強度の値を計算した。別途記載がない限り、報告する値は3つの試験片からの値の平均であり、不確実性は3つの値の標準偏差である。いくつかの場合では(個別に記載する)、報告する値は2つの試験片からの値の平均であり、不確実性は2つの値の差の1/2である。
引張及び伸び光硬化条件
光硬化したサンプルについては、上記の項で調製した成形シーラントサンプルを、Clearstone Technologies,Inc(Hopkins,Minnesota)からのCT−2000 UV−Vis LED電源に取り付けたAW−240−455F−7青色LEDアレイ(455nm)の下に置き、100%出力で30秒照射した。光アレイとシーラント表面との間の公称距離は、1インチ(2.54cm)であった。
不粘着時間
5.75インチ×2.75インチ×0.038インチ(14.6cm×7.0cm×1mm)の寸法を有するアルミニウムパネルを、MEK中、3%XIAMETER RSN−0020シリコーン(X0020,Dow Corning,Midland,Michigan)で処理し、室温において1分乾燥させた。次いで、パネルを、新たに混合したシーラントによって、約0.125インチ(3.2mm)の厚さでコーティングした(ジグ及び平刃スクレーパによって)。このパネルを特定の時間、一定の温度及び湿度の部屋(77°F(21℃)、50%相対湿度(RH))の暗所キャビネットにおいて、ラック上に置いた。様々な時点で、1インチ×7インチ×0.005インチ(2.5cm×17.8cm×0.1mm)の低密度ポリエチレンのストリップ(DS−108溶媒で事前に洗浄し、布で拭いて乾燥させた)を、シーラントの表面に密着に接触するように適用した。ポリエチレンフィルムを、0.5oz/in(215Pa)の圧力を表面に適用するように設計された較正済ブロックによって、2分、定位置に保持した。次いで、フィルムのストリップを、シーラント表面に対して直角にゆっくりと均一に剥離した。フィルムが清浄であり、シーラントを含まずに剥がれた場合、試験は「合格」と見なした。
DACカップ内で硬化したサンプルについては、DACカップからサンプルを取り出し、ニトリル手袋を着用して上面をしっかりと押圧することによって、不粘着時間を判定した。ニトリル手袋に材料が付着しない場合、サンプルは不粘着であると判定した。材料がニトリル手袋に付着した場合、材料は粘着性であると判定し、清浄なニトリル手袋を着用して上面をしっかりと押圧することによって再び試験するまで、追加時間の間、サンプルをテーブル上に置いた。材料が手袋に付着しなければ、サンプルは不粘着であると判定した。
硬度測定
瞬間ショアA硬度は、所定の条件下でシーラントを硬化させた後、Rex Gauge Company(Buffalo Grove,Illinois)からのタイプA Model 2000 Durometerを用いて、ASTM D2240に準拠して決定した。測定値は、裏対裏(「上部硬度」測定用)又は表対表(「底部硬度」測定用)で積層した、2つの0.125インチ(3.2mm)の厚さの試験片に関して取得した。光硬化硬度の場合、試験片は、上部と底部とを考慮せずに積層した。ドッグボーン形状の引張試験片の硬度を測定する際に行ったように、厚さが0.125インチ(3.2mm)未満である場合、3片を上部と底部とを考慮せずに積層して、少なくとも0.25インチ(6.4mm)の合計厚さを得た。これらの複数積層の場合、上部及び底部の硬度を区別せず、むしろ単一の硬度値を記録した。
光硬化硬度測定のためのサンプル調製
新たに混合したシーラントを、3.75インチ×1.6インチ×0.125インチ(9.5cm×4.1cm×0.3cm)のキャビティ寸法を有する開放面ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)成形型に入れた。過剰なシーラントを、平刃のスクレーパでこそげ取った。次いで、成形サンプルを、引張及び伸び光硬化条件試験方法に直ちに供した。これに続いて、特定量の時間、成形サンプルを暗所に置いた。測定を行う際、硬化したシーラント片を半分に切断し、上部と底部とを考慮せずに2片を積層し、合計厚さは約0.25インチ(0.6cm)であった。瞬間ショアA硬度は、Rex Gauge CompanyからのType A Model 2000 Durometerを使用して、ASTM D2240に準拠して決定した。
暗所硬化硬度測定のためのサンプル調製
5.75インチ×2.75インチ×0.038インチ(14.6cm×7.0cm×1mm)の寸法を有するアルミニウムパネルを、MEK中、3%XIAMETER RSN−0020シリコーン(X0020,Dow Corning,Midland,MI)で処理し、室温において1分乾燥させた。次いで、パネルを、新たに混合したシーラントによって、約0.125インチ(3.2mm)の厚さでコーティングした(ジグ及び平刃スクレーパによって)。このパネルを特定の時間、一定の温度及び湿度の部屋(77°F(21℃)、50%相対湿度(RH))の暗所キャビネットにおいて、ラック上に置いた。シーラントの硬化シートから2つの正方形のシーラント片を切り出し、裏対裏(「暗所硬化上部硬度」測定用)、又は表対表(「暗所硬化底部硬度」測定用)で積層した。瞬間ショアA硬度は、Rex Gauge Company(Buffalo Grove,IL)からのType A Model 2000 Durometerを使用して、ASTM D2240に準拠して決定した。
適用寿命
少なくとも150グラムの新たに混合したシーラントを用いて、Techcon Systems(Cypress,California)からのTS60C−LD−500カートリッジに充填し(SAE International Aerospace Standard AS5127/1,Rev.Cの図1を参照されたい)、混合を開始した時間を記録した。充填したカートリッジに、0.125インチ(3.2mm)のオリフィスを有する適切なノズル(同様に、SAE International Aerospace Standard AS5127/1,Rev.Cの図1)を取り付けた。カートリッジは、試験全体にわたって一定の温度及び湿度の部屋(77°F(21℃)、50%相対湿度)に保持した。カートリッジを、90psi(620kPa)の圧力における一定の空気供給を有する空気銃に取り付けた。最初に、2〜3インチ(5〜8cm)のシーラントをノズルから押し出して、入り込んだ空気をすべて取り除いた。混合時点以降の様々な時点において、シーラントを、特定の時間だけ(試験に応じて3秒、5秒、10秒、15秒、30秒、又は60秒)、事前に秤量した秤量ボートに押し出した。押し出されたシーラントの重量を記録し、これを用いて、グラム/分(g/分)における押出速度を計算した。15g/分以上の押出速度は、シーラントがまだ適用寿命内にあることを意味する。
DACカップ内で硬化したサンプルについて、木製の合釘でサンプルをプロービングすることによって、適用寿命を判定した。適用寿命の終了は、サンプルが表面上で混合及び/又は平滑化できなくなった時間であると判定した。
硬化深度
深さ0.25インチ(6.4mm)の円筒型シリコーンゴム成形型をスライドガラス上に置き、所定のシーラントサンプルを装填した。各成形試験片に、3M Blue Light Gun(450nm LED源、3M Company,Saint Paul,Minnesota)によって、約1インチ(2.5cm)の距離で15秒照射した。これに続いて、サンプルの底側の未硬化材料をスパチュラでこそげ取って、硬化した円板のみを残した。硬化した円盤の下側に光銃を約10秒、迅速に照射して粘着を除去し、硬化した円盤の厚さをFischer Scientificのキャリパーマイクロメータ(Hampton,New Hampshire)によって測定した。
比較例A〜E
比較例A〜E(CEX−A〜CEX−E)を、表2に列挙した配合に準拠して調製した。DVE/TAC構成成分は、3.353グラム(g)のTACを4.080gのDVEに添加し、均質になるまで撹拌することによって調製した溶液を指す。
比較例A及びBは、AC−X92、DVE/TAC溶液、DMI、及びUPFを、最大10グラムのDACカップ(FlackTek,Inc.)に添加し、1600RPMで60秒、高速混合することによって調製した(SPEEDMIXERモデルDAC 400 FVZ,FlackTek,Inc.)。次いで、TBPIN及びTnBB−MOPAを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例Cについては、磁気撹拌棒を備えたガラス瓶内で、0.048gのDABCOを12.00gのAC−X92に添加し、混合物を24時間撹拌した。得られた混合物のうちの3.012gを、DVE/TAC溶液及びUPFとともに、最大10グラムのDACカップに入れ、次いで1600RPMで60秒、高速混合した。次いで、TBPIN及びTnBB−MOPAを添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例Dについては、0.048gのDABCO及び0.128gのBPBAを、磁気撹拌棒を備えたガラス瓶内の12.000gのAC−X92に添加し、混合物を24時間撹拌した。得られた混合物のうちの3.044gを、DVE/TAC溶液及びUPFとともに、最大10グラムのDACカップに入れ、次いで1600RPMで60秒、高速混合した。次いで、TBPIN及びTnBB−MOPAを添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例Eは、AC−X92、DVE/TAC溶液、及びUPFを最大10グラムのDACカップに添加し、1600RPMで60秒、高速混合することによって調製した。次いで、TBPIN及びTnBB−MOPAを添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例A〜Eについてのオープンタイム及び不粘着時間を、表2に報告する。
表2〜5において、オープンタイムとは、配合物をまだ用手的に広げることができ、これを適用する表面が完全に濡れることが予想されるように、配合物が十分な流動を示すおよその時間量を指す。
表2〜5に列挙する不粘着時間は、DACカップからサンプルを取り出し、ニトリル手袋を着用して、サンプルを指でしっかりと押圧することによって判定した。バルクサンプルを取り出す際にサンプル材料のうちのいくらかが手袋に付着した場合、サンプルはまだ粘着性であると判定し、清浄なニトリル手袋を着用して上面をしっかりと押圧することによって再び試験するまで、追加時間の間、サンプルをテーブル上に置いた。材料が手袋に付着しなければ、サンプルは不粘着であると判定した。
Figure 2020535257
比較例F〜M
比較例F〜M(CEX−F〜CEX−M)を、表3に列挙した配合に準拠して調製した。DVE/TAC構成成分は、3.353gのTACを4.080gのDVEに添加し、均質になるまで撹拌することによって調製した溶液を指す。
比較例F及びHについては、磁気撹拌棒を備えたガラス瓶内で、0.048gのDABCOを12.00gのAC−X92に添加し、混合物を24時間撹拌した。得られた混合物のうちの3.012gを、DVE/TAC溶液及びUPFとともに、最大10グラムのDACカップに入れ、次いで1600RPMで60秒、高速混合した。次いで、TnBB−MOPA及びTBECを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例G、L及びMは、AC−X92、DVE/TAC溶液、Ca(OH)、及びUPFを、最大10グラムのDACカップに添加し(表3に準拠)、1600RPMで60秒、高速混合することによって調製した。次いで、TnBB−MOPA及びTBECを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例Iについては、0.028gのDABCO及び0.072gのBPBAを、磁気撹拌棒を備えたガラス瓶内の12.000gのAC−X92に添加し、混合物を24時間撹拌した。得られた混合物のうちの3.025gを、DVE/TAC溶液及びUPFとともに、最大10グラムのDACカップに入れ、次いで1600RPMで60秒、高速混合した。次いで、TBEC及びTnBB−MOPAを添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例J及びKについては、磁気撹拌棒を備えたガラス瓶内で、0.024gのDABCOを12.00gのAC−X92に添加し、混合物を24時間撹拌した。得られた混合物のうちの3.006gを、DVE/TAC溶液及びUPFとともに、最大10グラムのDACカップに入れ、次いで1600RPMで60秒、高速混合した。次いで、TBEC及びTnBB−MOPAを添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例F〜Mについてのオープンタイム及び不粘着時間を、表3(下記)に報告する。
Figure 2020535257
比較例N〜V
比較例N〜V(CEX−N〜CEX−V)を、表4に列挙した配合に準拠して調製した。DAEBPA/TAC構成成分は、1.70gのTACを8.30gのDAEBPAに添加し、均質になるまで撹拌することによって調製した溶液を指す。
比較例N及びOについては、磁気撹拌棒を備えたガラス瓶内で、0.048gのDABCOを12.00gのAC−X92に添加し、混合物を24時間撹拌した。得られた混合物のうちの3.012gを、DAEBPA/TAC溶液及びUPFとともに、最大10グラムのDACカップに入れ、次いで1600RPMで60秒、高速混合した。次いで、TnBB−MOPA及びTBECを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例Pについては、磁気撹拌棒を備えたガラス瓶内で、0.024gのDABCOを12.00gのAC−X92に添加し、混合物を24時間撹拌した。得られた混合物のうちの3.006gを、DAEBPA/TAC溶液及びUPFとともに、最大10グラムのDACカップに入れ、次いで1600RPMで60秒、高速混合した。次いで、TnBB−MOPA及びTBECを添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例Q及びRは、AC−X92、DAEBPA/TAC溶液、DMI、及びUPFを、表4に準拠して最大10グラムのDACカップに添加し、1600RPMで60秒、高速混合することによって調製した。次いで、TnBB−MOPA及びTBPINを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例S及びTは、AC−X92、DAEBPA/TAC溶液、Ca(OH)2、及びUPFを、表4に準拠して最大10グラムのDACカップに添加し、1600RPMで60秒、高速混合することによって調製した。次いで、TnBB−MOPA及びTBECを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例U及びVは、AC−X92、DAEBPA/TAC溶液、CaO、NaCO、及びUPFを、表4に準拠して最大10グラムのDACカップに添加し、1600RPMで60秒、高速混合することによって調製した。次いで、TnBB−MOPA及びTBECを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例N〜Vについてのオープンタイム及び不粘着時間を、表4(下記)に報告する。
Figure 2020535257
比較例W〜AA
比較例W〜AA(CEX−W〜CEX−AA)を、表5に列挙した配合に準拠して調製した。DAEBPA/TAC構成成分は、1.70gのTACを8.30gのDAEBPAに添加し、均質になるまで撹拌することによって調製した溶液を指す。
比較例W及びYは、AC−X92、DAEBPA/TAC溶液、及びUPFを、表5に準拠して最大10グラムのDACカップに添加し、1600RPMで60秒、高速混合することによって調製した。次いで、TnBB−MOPA及びCHPを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例X、Z及びAAについては、磁気撹拌棒を備えたガラス瓶内で、0.048gのDABCOを12.00gのAC−51に添加し、混合物を24時間撹拌した。得られた混合物のうちの3.012gを、DAEBPA/TAC溶液及びUPFとともに、表5に準拠して最大10グラムのDACカップに入れ、次いで1600RPMで60秒、高速混合した。次いで、TnBB−MOPA及びCHPを適宜添加し、得られた混合物を1600RPMで更に30秒、高速混合した。
比較例W〜AAについてのオープンタイム及び不粘着時間を、表5(下記)に報告する。
Figure 2020535257
シーラントの混合
実施例1及び2では、適切な量のパートBを、適切な量のパートAを含有するDAC高速混合カップ(適切に選択したカップサイズ、FlackTek,Inc.,Landrum,South Carolina)に添加することによって、新たに混合したシーラントを調製した。次いで、シーラントを、1500〜2000回転毎分(RPM)で20秒、高速混合し(SPEEDMIXERモデルDAC 400 FVZ、FlackTek,Inc.)、15〜30秒、手動で混合し、次いで1500〜2000RPMで再び20秒、高速混合した。
実施例1
本明細書において上述のシーラント混合方法に準拠して、132.86gのEX−1パートA(表6に報告)と13.27gのEX−1パートB(表7に報告)とを混合することによって、実施例1(EX−1)を調製した。得られた混合物について、0.130インチ(3.3mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。次いで、混合物についての引張強度、伸び、及び硬度の測定値を、前述の引張強度及び破断時伸び試験方法、並びに硬度測定試験方法に準拠して決定した(結果については表8を参照)。1+1暗所硬化とは、周囲温度において1日の硬化、続いて60℃のオーブン内で1日の硬化を指す。2+4暗所硬化とは、周囲温度において2日の硬化、続いて60℃のオーブン内で4日の硬化を指す。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
EX−1の適用、寿命、硬度構築、及び不粘着時間の測定のため、前述のシーラント混合試験方法に準拠して、132.00gのEX−1パートA(表6に報告)、及び13.19gのEX−1パートB(表7に報告)を一緒に混合した。次いで、前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての適用寿命、硬度構築測定値、及び不粘着時間を決定した。結果を表9及び10(下記)に報告する。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例2
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、150.00gのEX−2パートA(表11に報告)と22.29gのEX−2パートB(表12に報告)とを混合することによって、実施例2(EX−2)を調製した。次いで、混合物についての引張強度、伸び、及び硬度の測定値を、前述の引張強度及び破断時伸び試験方法、並びに硬度測定試験方法に準拠して決定した(結果については表13を参照)。1+3光硬化とは、指定された光処理(引張及び伸び光硬化条件の項から)、続いて周囲温度において1日の硬化、次いで60℃のオーブン内で3日の硬化を指す。次いで、前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての適用寿命、硬度構築測定値、及び不粘着時間を決定した。結果を表14及び15に報告する。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例3
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.42gのEX−3パートA(表16に報告)と7.77gのEX−3パートB(表17に報告)とを混合することによって、実施例3(EX−3)を調製した。得られた混合物について、0.13インチ(3.3mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、90分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表18参照)。
以下の表において、「n/a」は、サンプルの低粘度及び/又は粘着性のため、取得できなかった測定値を指す。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
比較例AB
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.14gのCEX−ABパートA(表19に報告)と7.77gのCEX−ABパートB(表20に報告)とを混合することによって、比較例AB(CEX−AB)を調製した。得られた混合物について、0.13インチ(3.3mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、120分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表21参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例4
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.30gのEX−4パートA(表22に報告)と7.77gのEX−4パートB(表23に報告)とを混合することによって、実施例4(EX−4)を調製した。得られた混合物について、0.14インチ(3.6mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、110分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表24参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
比較例AC
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.02gのCEX−ACパートA(表25に報告)と7.77gのCEX−ACパートB(表26に報告)とを混合することによって、比較例AC(CEX−AC)を調製した。得られた混合物について、0.14インチ(3.6mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、180分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表27参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例5
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.30gのEX−5パートA(表28に報告)と7.77gのEX−5パートB(表29に報告)とを混合することによって、実施例5(EX−5)を調製した。得られた混合物について、0.13インチ(3.3mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、150分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表30参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例6
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.30gのEX−6パートA(表31に報告)と7.83gのEX−6パートB(表32に報告)とを混合することによって、実施例6(EX−6)を調製した。得られた混合物について、0.13インチ(3.3mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、210分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表33参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例7
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.41gのEX−7パートA(表34に報告)と6.13gのEX−7パートB(表35に報告)とを混合することによって、実施例7(EX−7)を調製した。得られた混合物について、0.17インチ(4.3mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、40分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表36参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例8
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.30gのEX−8パートA(表37に報告)と6.13gのEX−8パートB(表38に報告)とを混合することによって、実施例8(EX−8)を調製した。得られた混合物について、0.17インチ(4.3mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、40分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表39参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例9
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.41gのEX−9パートA(表40に報告)と8.44gのEX−9パートB(表41に報告)とを混合することによって、実施例9(EX−9)を調製した。得られた混合物について、0.110インチ(2.79mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、260分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表42参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例10
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.49gのEX−10パートA(表43に報告)と8.44gのEX−10パートB(表44に報告)とを混合することによって、実施例10(EX−10)を調製した。得られた混合物について、0.11インチ(2.8mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、240分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表45参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例11
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.41gのEX−11パートA(表46に報告)と5.02gのEX−11パートB(表47に報告)とを混合することによって、実施例11(EX−11)を調製した。得られた混合物について、0.17インチ(4.3mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、15分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表48参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例12
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.30gのEX−12パートA(表49に報告)と5.02gのEX−12パートB(表50に報告)とを混合することによって、実施例12(EX−12)を調製した。得られた混合物について、0.15インチ(3.8mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、20分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表51参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例13
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.15gのEX−13パートA(表52に報告)と7.77gのEX−13パートB(表53に報告)とを混合することによって、実施例13(EX−13)を調製した。得られた混合物について、0.12インチ(3.0mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、70分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表54参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例14
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.15gのEX−14パートA(表55に報告)と8.44gのEX−14パートB(表56に報告)とを混合することによって、実施例14(EX−14)を調製した。得られた混合物について、0.14インチ(3.6mm)の硬化深度を、前述の硬化深度試験方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、90分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表57参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例15
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、85.00グラムのEX−15パートA(表58に報告)と12.50グラムのEX−15パートB(表59に報告)とを混合することによって、実施例15(EX−15)を調製した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての硬度及び不粘着の測定値を決定し、結果は下の表60のとおりである。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例16
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、127.93グラムのEX−16パートA(表61に報告)と18.87グラムのEX−16パートB(表62に報告)とを混合することによって、実施例16(EX−16)を調製した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての硬度及び不粘着の測定値を決定し、結果は下の表63のとおりである。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例17
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、140.00グラムのEX−17パートA(表64に報告)と23.97グラムのEX−17パートB(表65に報告)とを混合することによって、実施例17(EX−17)を調製した。得られた混合物について、0.110インチ(2.8mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての引張強度、伸び、硬度、及び不粘着の測定値を決定し、結果は下の表66及び表67のとおりである。光及び暗所硬化の両方の引張及び伸びサンプルを、室温で11日、暗所キャビネットに置いた。試験方法の項に記載した混合プロトコルに準拠して、140.00グラムのEX−17パートA(表64に報告)及び23.97グラムのEX−17パートB(表65に報告)を、一緒に混合した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての適用寿命を決定し、結果を表68に報告した。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例18
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、100.00グラムのEX−18パートA(表69に報告)と13.42グラムのEX−18パートB(表70に報告)とを混合することによって、実施例18(EX−18)を調製した。得られた混合物について、0.129インチ(3.28mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての引張強度、伸び、硬度、及び不粘着の測定値を決定し、結果は下の表71及び表72のとおりである。光及び暗所硬化の両方の引張及び伸びサンプルを、室温で14日、暗所キャビネットに置いた。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例19
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、100.00グラムのEX−19パートA(表73に報告)と16.03グラムのEX−19パートB(表74に報告)とを混合することによって、実施例19(EX−19)を調製した。得られた混合物について、0.121インチ(3.07mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての引張強度、伸び、硬度、及び不粘着の測定値を決定し、結果は下の表75及び表76のとおりである。光及び暗所硬化の両方の引張及び伸びサンプルを、室温で14日、暗所キャビネットに置いた。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例20
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、65.00グラムのEX−20パートA(表77に報告)と11.38グラムのEX−20パートB(表78に報告)とを混合することによって、実施例20(EX−20)を調製した。得られた混合物について、0.133インチ(3.38mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての引張強度、伸び、及び硬度の測定値を決定し、結果は下の表79のとおりである。光及び暗所硬化の両方の引張及び伸びサンプルを、室温で14日、暗所キャビネットに置いた。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例21
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、80.00グラムのEX−21パートA(表80に報告)と11.76グラムのEX−21パートB(表81に報告)とを混合することによって、実施例21(EX−21)を調製した。得られた混合物について、0.142インチ(3.61mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての引張強度、伸び、硬度、及び不粘着の測定値を決定し、結果は下の表82及び表83のとおりである。光及び暗所硬化の両方の引張及び伸びサンプルを、室温で14日、暗所キャビネットに置いた。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例22
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、60.59グラムのEX−22パートA(表84に報告)と28.79グラムのEX−22パートB(表85に報告)とを混合することによって、実施例22(EX−22)を調製した。得られた混合物について、0.18インチ(4.6mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、15分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表86参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例23
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、81.25グラムのEX−23パートA(表87に報告)と6.22グラムのEX−23パートB(表88に報告)とを混合することによって、実施例23(EX−23)を調製した。得られた混合物について、0.10インチ(2.5mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、60分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表89参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
実施例24
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、81.25グラムのEX−24パートA(表90に報告)と7.33グラムのEX−24パートB(表91に報告)とを混合することによって、実施例24(EX−24)を調製した。得られた混合物について、0.04インチ(1.0mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。約5.0グラムの材料をDACカップに入れ、試験方法の項に記載した方法によって、200分の適用寿命を測定した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表92参照)。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
比較例AD
前述のシーラント混合試験方法に準拠して、62.72グラムのCEX−ADパートA(表93に報告)と7.42グラムのCEX−ADパートB(表94に報告)とを混合することによって、比較例AD(CEX−AD)を調製した。得られた混合物について、0.110インチ(2.79mm)の硬化深度を、試験方法の項に記載した方法に準拠して測定した。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての硬度及び不粘着の測定値を決定し、結果は下の表95のとおりである。試験方法の項に記載した混合プロトコルに準拠して、140.00グラムのCEX−ADパートA(表93に報告)及び16.57グラムのCEX−ADパートB(表94に報告)を、一緒に混合した。前述の関連試験方法に準拠して、混合物についての硬度測定値、硬度構築、及び不粘着時間を決定した(結果については表95参照)。次いで、試験方法の項のプロトコルに準拠して、混合物についての適用寿命を決定し、結果を表96に報告する。
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
Figure 2020535257
上記特許出願において引用されたすべての文献、特許文献又は特許出願は、一貫した形でそれらの全容が参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参照文献の一部と本出願との間に不一致又は矛盾がある場合、前述の記載における情報が優先するものとする。前述の記載は、特許請求の範囲に記載の開示を当業者が実践することを可能にするためのものであり、本開示の範囲を限定するものと解釈すべきではなく、本開示の範囲は特許請求の範囲及びそのすべての等価物によって定義される。

Claims (22)

  1. 以下の構成成分:
    a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
    b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と、
    を含む、硬化性シーラント組成物であって、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、前記構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、前記構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、硬化性シーラント組成物。
  2. a)70〜98重量パーセントの前記少なくとも1種のポリチオールと、
    b)2〜20重量パーセントの前記少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.01〜8重量パーセントの前記少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.05〜10重量パーセントの前記少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる前記光開始剤系と
    を含む、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。
  3. a)80〜95重量パーセントの前記少なくとも1種のポリチオールと、
    b)3〜10重量パーセントの前記少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.25〜3重量パーセントの前記少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.75〜5重量パーセントの前記少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.1〜1.5重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる前記光開始剤系とを含む、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。
  4. 接着促進剤又は湿潤剤のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。
  5. 前記少なくとも1種のポリチオールが脂肪族ポリチオールを含む、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。
  6. 前記少なくとも1種の不飽和化合物が、少なくとも2つのビニル基を有する化合物を含む、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。
  7. 前記光開始剤系がアシルホスフィンオキシドを含む、請求項1に記載の硬化性シーラント組成物。
  8. パートA組成物とパートB組成物とを含む2剤型硬化性シーラント組成物であって、
    前記パートA組成物が少なくとも1種のポリチオールを含み、
    前記パートB組成物が、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含み、
    前記パートA組成物と前記パートB組成物とが集合的に、以下の構成成分:
    a)x重量パーセントの前記少なくとも1種のポリチオールと、
    b)y重量パーセントの前記少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
    を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、前記構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、前記構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、2剤型硬化性シーラント組成物。
  9. 前記構成成分が、
    a)70〜98重量パーセントの前記少なくとも1種のポリチオールと、
    b)2〜20重量パーセントの前記少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.01〜8重量パーセントの前記少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.05〜10重量パーセントの前記少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる前記光開始剤系と
    を含む、請求項8に記載の2剤型硬化性シーラント組成物。
  10. 前記構成成分が、
    a)80〜95重量パーセントの前記少なくとも1種のポリチオールと、
    b)3〜10重量パーセントの前記少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.25〜3重量パーセントの前記少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.75〜5重量パーセントの前記少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.1〜1.5重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる前記光開始剤系とを含む、請求項8に記載の2剤型硬化性シーラント組成物。
  11. 接着促進剤又は湿潤剤のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項8に記載の2剤型硬化性シーラント組成物。
  12. 前記少なくとも1種のポリチオールが脂肪族ポリチオールを含む、請求項8に記載の2剤型硬化性シーラント組成物。
  13. 前記少なくとも1種の不飽和化合物が、少なくとも2つのビニル基を有する化合物を含む、請求項8に記載の2剤型硬化性シーラント組成物。
  14. 少なくとも1種の光開始剤がアシルホスフィンオキシドを含む、請求項8に記載の2剤型硬化性シーラント組成物。
  15. 硬化性シーラント組成物を作製する方法であって、
    パートA組成物とパートBとを含む2剤型硬化性シーラント組成物を準備することであって、
    前記パートA組成物が少なくとも1種のポリチオールを含み、
    前記パートB組成物が、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物を含み、前記パートA組成物と前記パートB組成物とが集合的に、以下の構成成分:
    a)x重量パーセントの前記少なくとも1種のポリチオールと、
    b)y重量パーセントの少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
    を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、前記構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、前記構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、準備することと、
    前記パートA組成物の少なくとも一部を前記パートB組成物の少なくとも一部と組み合わせて、硬化性シーラント組成物を提供することとを含む、方法。
  16. 基材をシーリングする方法であって、
    i)硬化性シーラント組成物を前記基材の表面に適用することであって、前記硬化性シーラント組成物が、以下の構成成分:
    a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
    b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
    を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、前記構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、前記構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、適用することと、
    ii)前記少なくとも1種の光開始剤の少なくとも一部を、化学電磁放射線に曝露することと、
    iii)前記硬化性シーラント組成物を、その大部分にわたって硬化させることとを含む、方法。
  17. 接着促進剤又は湿潤剤のうちの少なくとも1つを更に含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記接着促進剤がカップリング剤を含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記基材が航空機部品を含む、請求項16に記載の方法。
  20. 前記硬化性シーラント組成物を、航空機外板の部分同士の間の継ぎ目又は接合部に適用する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記硬化性シーラント組成物を、航空機用締結具、航空機用窓、航空機用アクセスパネル、機体突出部、又は航空機用燃料タンクのうちの少なくとも1つに適用する、請求項20に記載の方法。
  22. シールキャップであって、
    一方の端部が開放されている内部を画定するキャップと、
    前記シールキャップの内部に配置された硬化性シーラント組成物とを含み、前記硬化性シーラント組成物が、以下の構成成分:
    a)x重量パーセントの少なくとも1種のポリチオールと、
    b)y重量パーセントの、少なくとも2つの非芳香族炭素−炭素二重結合、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合、又はこれらの組み合わせを有する、少なくとも1種の不飽和化合物と、
    c)0.01〜8重量パーセントの少なくとも1種の有機ボラン−アミン錯体と、
    d)0.05〜10重量パーセントの少なくとも1種の有機過酸化物と、
    e)0.01〜10重量パーセントの、化学線に曝露するとフリーラジカルを発生させることができる光開始剤系と
    を含み、x及びyは正の実数であり、x+yは72〜99の範囲であり、前記構成成分a)〜e)の重量パーセントの範囲は、前記構成成分a)〜e)の総重量を基準とする、シールキャップ。
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