JP2020528438A - Pichia酵母の効率的な生成及び動植物の健康を向上するためのその使用 - Google Patents

Pichia酵母の効率的な生成及び動植物の健康を向上するためのその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、培養微生物及び/又はその成長副生成物を含む微生物ベースの組成物、並びに組成物を生成し、用いる方法及びシステムを提供する。具体的に、本発明は、Pichiaクレードから選択される生物学的に純粋な酵母及び/又は、バイオサーファクタント、酵素や溶剤といったその成長副生成物を含む微生物ベースの組成物を提供する。農業、園芸、家畜飼育及び養殖産業における生産を向上させるために、これらの組成物を用いる方法も提供される。

Description

関連出願を相互参照
本出願は、2017年7月27日出願の米国仮出願第62/537,670号及び2017年9月27日出願の米国仮出願第62/563,992号の優先権を主張するものであり、内容を参照することにより組み込まれる。
農業、園芸、家畜及び養殖産業において、ある共通の問題は、低コストを保ちつつ、生産収率を最大にしようとする生産者の能力の妨げとなるものがあることである。例えば、これらに限られるものではないが、バクテリア、菌その他害虫や病原体が原因の感染や侵入、環境や健康への影響を含む飼料や化学肥料の高いコスト、必須栄養素、特に、リン酸塩を、使用可能な形態へと溶解する難しさ、が挙げられる。
農業及び園芸産業において、生産者は、作物収量を押し上げ、作物を、病原体、害虫や疾病から守るために、合成化学薬品や化学肥料の使用に依存するところが大きい。しかしながら、使い過ぎや不適切な使用をすると、これらの物質は地表水に入り込み、地下水に達し、空中に蒸発する。空気や水質汚染源として、こうした物質の責任ある使用が生態学的及び商業的に不可避である。適切に使用したとしても、特定の化学肥料や殺虫剤への過度の依存やその長期使用は、土壌生態系を悪化させ、ストレス耐性を減じ、病害虫抵抗性を増大し、動植物の成長や活力の妨げとなる。
家畜及び養殖については、給餌コストが重要である。例えば、数多くの魚の給餌、特に、大規模養殖の場合には、養殖操業費の大部分を構成している。魚餌は、消化の良いタンパク質源と、適切な栄養のために必要な、アミノ酸、炭水化物、ビタミン、ミネラル、コレステロールや必須脂肪酸といった様々な成分も共に含むものでなければならない。従来から、飼料源は、例えば、魚粉、シュリンプミックスやイカ粉等、野生又は養殖魚から生産された魚餌が含まれていた。しかしながら、従来の魚や魚油由来の飼料を生産するための養魚コストの増大により、多くの養殖操業で、魚の給餌に穀物ベースの飼料を利用し始めている。トウモロコシ、大豆、全粒穀物やモロコシといった成分が魚餌生産に用いられている。穀物ベースの食餌が魚の健康に与える影響は、まだ知られていないが、長期的には、望ましくない結果を生じる可能性がある。
大規模家畜操業は、動物の最適な成長に必要な炭水化物、ファイバーやタンパク質を提供するために、コーンや大豆といった穀物の給餌に頼っている。こうしたフード製品は、草やその他高セルロース含有植物を消化するのに適した胃をもつ動物にとって最適ではなく、多くの問題を引き起こす可能性がある。例えば、穀物ベースの飼料に頼る家畜操業は、疾病の蔓延を防ぐために、不適切な食事である抗生物質に頼らければならないことが多く、高集約な給餌の密集した生活条件も加わって、動物の免疫系がその犠牲となる。
作物と家畜の両方の給餌や保護のコストに加え、栄養不足、特にリン不足は、こうした産業における継続的な問題であることが多い。リン、特に、リン酸塩は、遺伝子材料やATPの生合成や、すべての生物の成長と活力のための多くのその他の機能にとって必要である。植物におけるリン不足を防いだり、対処するために、栽培者は、リン含有肥料を、一般的に、土壌に付与することが多い。しかしながら、こうした化合物を土壌に付与しても、植物がそのリンを吸収し使用できる保証はない。フィチン酸塩のようなあるリンの形態は、不溶だったり、植物の根に吸収されなかったりする。フィチン酸塩は、リン、エネルギー、カチオン、ミオイノシトール(細胞壁前駆体)を蓄えるが、このような形態のままでは、植物や非反芻動物には利用できない。
植物が生物学的に利用可能なリンが土に少ない場所で放牧されるような家畜については、リン不足は、不妊、乳量低下(ウシの場合)、骨石灰化(魚、哺乳類、家禽の場合)をはじめとする問題につながる。栄養補助(例えば、無機飼料リン酸塩)が、こうした問題に対処する最も一般的な方法であるが、大規模に用いると高価になる。
食品や消費物品を生産する持続可能な方法についてのグローバルなニーズに取り組むために、バクテリア、酵素、菌といった微生物及びその副生成物が、農業や園芸、畜産、林業、土壌や水その他天然源の改質をはじめとする多くの場面で益々有益になっている。例えば、生産者は、生存微生物、それから派生したバイオ生成物、それらの組み合わせのような生物剤を、殺虫剤や生物肥料として取り入れている。こうした生物剤は、他の従来の殺虫剤や肥料に比べ、次のような重要な利点を有している。1)従来の化学薬品に比べて害が少ない、2)より効率的かつ特異的である、3)即時に生分解することが多く、環境汚染が抑えられる。
食料品の大規模生産にかかる経済的なコストや現生産方法の健康や環境に与える悪影響は、世界の増え続けている人口に対する供給の持続可能性や取り組みにとって負荷となり続けている。
このように、改善された、非毒性で環境に優しい作物生産、家畜生産、養魚を低コストで行うことが必要とされ続けている。作物、動物、人間の消費者の健康や活力を損なうことなく、特に、農業、家畜及び養殖における疾病や侵入の蔓延を処置したり、それを防ぎ、作物成長を向上させるため、土壌に栄養を補充し、作物や養魚の給餌のコストを減じる生成物が必要とされている。
本発明は、微生物、その成長副生成物、例えば、バイオサーファクタント、代謝物及び/又は酵素を提供する。本発明はまた、微生物及びその副生成物を用いる方法、それらを生成する方法及びシステムも提供する。利点を挙げると、本発明の微生物ベースの生成物及び方法は、環境に優しく、操作が優しく、コスト効率が高い。
好ましい実施形態において、本発明は、培養微生物及び/又はその成長副生成物を含む微生物ベースの組成物、その組成物の生成方法、並びに、農業、園芸、家畜飼育及び養殖におけるその使用方法を提供する。一般的に、微生物ベースの組成物は、動植物における感染や侵入を防いだり、処置する、土壌を改善する、作物の成長を促進する、家畜や魚の成長や健康を促進するのに用いられる。
より具体的には、微生物ベースの組成物は、これらに限られるものではないが、菌、バクテリア、寄生虫、線虫を含む有害単細胞又は多細胞生物が原因の感染、侵入及び/又は疾病を制御する、農作物の収量や品質を向上する、土壌を改良する、家畜給餌を補う、及び/又は魚や水生動物の給餌を補うことにより、植物、人間、動物を保護するのに用いられる。本組成物を使用する方法も提供される。
特定の実施形態において、本微生物ベースの組成物の微生物は、Pichiaクレード、例えば、P.anomala (Wickerhamomyces anomalus)P.kudriavzevii (Wickerhamomyces kudriavzevii)及び/又はP.guilliermondii (Meyerozyma guilliermondii)及び/又はこれらの組み合わせから選択される生物学的に純粋な酵素である。他のPichiaクレード酵母、それに密接に関連する酵母(例えば、同じ属や系列に属するもの)及び/又はその成長副生成物も含まれると考えられる。
本発明の微生物ベースの組成物は、小規模から大規模の培養プロセスにより得られる。培養プロセスとしては、これらに限られるものではないが、液内培養、固体状発酵(SSF)及びこれらの組み合わせが挙げられる。
組成物中の酵母は、活性又は不活性形態にあってよい。さらに、組成物はまた、酵母、特に、細胞成分や微生物成長副生成物、例えば、バイオサーファクタント、代謝物及び/又は酵素の培養の結果得られる発酵ブロスも含むことができる。利点を挙げると、さらなる安定化、貯蔵や保管なしに、組成物を直接使用すると、微生物の高生存率が保たれ、異物や望ましくない微生物による汚染の可能性を減じ、微生物成長副生成物の活性が維持される。
特定の実施形態において、微生物ベースの組成物は、担体をさらに含む。担体は、酵母や酵母副生成物が、ターゲット植物、土壌、動物、魚等に分配されて、生成物が、生存可能なままである、又は、不活性酵母の場合には、有効であることの必要な成分を保持する、業界で公知の任意の担体であればよい。
特定の実施形態において、組成物は、組成物の効能を向上することのできるアジュバントをさらに含む。例えば、フルボ酸、フミン酸やフミン酸塩は、土壌改質組成物を説明する実施形態において特に有用なアジュバントとして作用し得る。
微生物ベースの組成物は、例えば、液体懸濁液、乳化剤、凍結又はスプレー乾燥粉末、ペレット、顆粒やゲルとして処方することができる。
特定の実施形態において、本発明の組成物には、例えば、全微生物培養の使用により、精製微生物代謝物単体より優れた利点がある。利点としては、次の1つ以上が挙げられる。酵母細胞壁外側表面の一部としての高濃度のマンノタンパク質、酵母細胞壁にあるベータグルカンの存在、培養物中にあるバイオサーファクタントの存在、及び培養物中にある溶剤(例えば、乳酸、酢酸エチル等)やその他代謝物(例えば、ビタミン、ミネラル、炭水化物やタンパク質源)。こうした利点は、活性又は不活性酵母を用いると得られる。
特定の実施形態において、微生物、微生物の代謝物及びその他副生成物は、互いに相乗的に作用する。
一実施形態において、本発明は、本発明の微生物菌株を、成長副生成物の成長と生成に適した条件下で、本発明の微生物菌株を培養し、任意で、副生成物を精製することにより、Pichia酵母の成長副生成物を生成する方法を提供する。ある実施形態において、成長副生成物は精製せず、代わりに、例えば、生成された発酵ブロスを含む粗形態で用いられる。本発明による成長副生成物としては、酵素、酸、溶剤、エタノール、タンパク質、アミノ酸、バイオサーファクタントその他が例示される。特定の実施形態において、酵素フィターゼを生成する方法が提供される。
本発明は、本発明の有効量の微生物ベースの組成物を、選択された産業に関連する特定の用途やターゲット場所に適用することにより、農業、園芸、家畜生産及び養殖から選択される産業において生産を向上する方法をさらに提供する。適用場所は、産業に応じて異なり、例えば、植物及び/又はその環境、或いは動物及び/又はその環境が挙げられる。
本方法の適用には、微生物ベースの組成物を、植物、動物及び/又はそれを取り巻く環境に直接適用することを含む。微生物は、適用時、生きている(又は生存可能)か、不活性化のいずれかである。
生きた微生物の場合は、微生物は、適用場所のその場で成長し、現場で活性化合物又は成長副生成物を生成することができる。従って、高濃度の微生物及び有益な成長副生成物を、処置場所(例えばCAFOや養殖場)で容易に継続して得ることができる。
このため、本方法は、材料を添加して、適用中の微生物成長を向上することができる(例えば、栄養素を添加して、微生物成長を促す)。一実施形態において、栄養源は、例えば、窒素、硝酸塩、リン、マグネシウム及び/又は炭素を含むことができる。
一実施形態において、本方法は、適用の前に、微生物ベースの組成物を培養するステップをさらに含む。微生物ベースの組成物は、適用場所近く、例えば、場所から100マイル未満で培養されるのが好ましい。
特定の実施形態において、農業、園芸、家畜飼育及び/又は養殖操業において、感染、侵入及び/又は疾病を処置したり、防ぐ方法が提供され、本発明の微生物ベースの組成物は、植物、動物及び/又はそれを取り巻く環境に適用される。ある実施形態において、組成物は、感染、侵入及び/又は疾病の原因となる、又は原因となった生物や害虫に直接適用される。
特定の実施形態において、土壌を改質する方法が提供される。本発明の微生物ベースの組成物が土壌に適用される。利点を挙げると、本方法によって、収量が増え、土壌で成長した作物や農作物の品質が向上する。さらに、本方法は、土壌に存在する未使用のリン酸塩を回収し、それを植物により吸収可能な形態へと変換する作用により、リン酸塩の保全を助ける。
特定の実施形態において、本発明は、本微生物ベースの組成物を用いて、家畜や養殖魚に給餌する低コストの材料及び方法を提供する。組成物は、例えば、従来の家畜餌と共に餌入れに組成物を給餌し、家畜に組成物を摂取させることによって、家畜用の高栄養サプリメント食品源として用いることができる。微生物ベースの組成物は、例えば、組成物を養魚池や水槽に入れ、中の魚に組成物を摂取させることにより、魚用の高栄養サプリメント食品源として用いることができる。利点を挙げると、本発明を用いて、家畜や養殖魚の給餌コストを下げ、一方で、例えば、それらの成長と免疫系をサポートすることによって、動物の成長と健康を向上することができる。
特定の実施形態において、本発明は、植物及び/又は動物における栄養不足を処置したり、防ぐ材料及び方法を提供する。本方法は、植物における栄養不足の場合は、本微生物ベースの組成物を植物周囲の土壌に適用することを含む。動物における栄養不足の場合は、本微生物ベースの組成物を動物の餌や飲料水に適用することを含む。一実施形態において、栄養不足は、リン不足である。
利点を挙げると、本発明は、大量の無機化合物を環境に放出することなく、用いることができる。さらに、本組成物及び方法は、生物分解性で毒物学的に安全な成分を用いる。このように、本発明は、農業、園芸、家畜飼育及び/又は養魚において、「グリーンな」処理として、生産を向上するのに用いることができる。
Pichia anomalaのフィターゼ生成活性を求めるのに用いられるリン酸塩濃度を示すグラフである。
本発明は、培養微生物及び/又はその成長副生成物を含む微生物ベースの組成物、並びに組成物を生成及び使用する方法を提供する。微生物ベースの組成物は、例えば、動植物における感染や侵入を防いだり、処置する、土壌を改質し、作物植物の成長を促進する、或いは、家畜や魚の成長と健康を向上するために、農業、園芸、家畜飼育及び養殖に用いることができる。
特定の実施形態において、本微生物ベースの組成物は、Pichiaクレード、例えば、Pichia anomalaWickerhamomyces anomalus)、Pichia kudriavzeviiWickerhamomyces kudriavzevii)、Pichia guilliermondii(Meyerozyma guilliermondii)及び/又はこれらの組み合わせから選択される生物学的に純粋な酵母である。他のPichiaクレード酵母やそれに密接に関連する酵母(例えば、P.occidentalis)及び/又はその成長副生成物を含めることも考えられる。
本発明はまた、農業、園芸、家畜飼育及び養殖から選択される産業における生産を向上する方法も提供する。本方法は、本発明の微生物ベースの組成物を、産業に関連する特定の場所に適用することを含む。例えば、適用場所は、動植物及び/又は動植物を囲む環境とすることができる。
選択された定義
本明細書で用いる、「微生物ベースの組成物」とは、微生物の成長やその他細胞培養の結果生成された成分を含む組成物を意味する。このように、微生物ベースの組成物は、微生物自体及び/又は微生物成長副生成物を含む。微生物は、植物状態、胞子の形態、菌糸形態、微生物散布体のその他の形態、又はこれらの混合物であってよい。微生物は、プランクトン、又はバイオフィルム形態、又は両方の混合物であってよい。成長副生成物は、例えば、代謝物(例えば、バイオサーファクタント)、細胞膜成分、発現タンパク質やその他細胞成分である。微生物は、無傷又は溶解していてもよい。細胞は全くなくても、存在していてもよく、存在している場合は、例えば、組成物1ミリリトル当たり、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×10、1×1010又は1×1011以上の細胞又は散布体である。本明細書で用いる、散布体は、新たな及び/又は成熟した生物が発現する微生物の一部であり、これらに限られるものではないが、細胞、分生子、嚢胞、胞子(例えば、再生胞子、芽胞、外生胞子)、菌糸体、つぼみ及び種を発現することができる。
本発明は、所望の結果を得るために、実際適用されるべき生成物である、「微生物ベースの生成物」をさらに提供する。微生物ベースの生成物は、微生物培養プロセスから収穫された単純な微生物ベースの組成物である。或いは、微生物ベースの生成物は、添加された成分をさらに含む場合もある。追加された成分としては、例えば、安定剤、緩衝剤、担体(例えば、水や塩溶液)、さらなる微生物成長をサポートする添加栄養素、適用される環境において微生物及び/又は組成物の追跡を促す非栄養素成長因子及び/又は栄養素成長剤が挙げられる。微生物ベースの生成物は、微生物ベースの組成物の混合物であってもよい。微生物ベースの生成物はまた、これらに限られるものではないが、ろ過、遠心分離、溶解、乾燥、精製等、何らかの方法で、処理された微生物ベースの組成物の1つ以上の成分を含んでいてもよい。
本明細書で用いる、「収穫」とは、微生物ベースの組成物の一部又は全てを、成長容器から取り出すことを指す。
本明細書で用いる、「単離」又は「精製」分子又は化合物は、自然状態で結合した細胞材料等の他の化合物を実質的に含まない。精製又は単離ポリヌクレオチド(リボ核酸(RNA)やデオキシリボ核酸(DNA))は、自然発生状態で側鎖の遺伝子やシーケンスは含まない。精製又は単離ポリペプチドは、自然発生状態で側鎖のアミノ酸やシーケンスは含まない。
本明細書で用いる「生物学的に純粋な培養物」は、自然状態で結合した材料から単離されたものである。好ましい実施形態において、培養物は、他の全ての生きた細胞から単離されている。さらに好ましい実施形態において、生物学的に純粋な培養物は、自然に存在するのと同じ微生物の培養物と比べて利点のある特徴を有している。利点のある特徴は、例えば、1つ以上の望ましい成長副生成物の生成の向上である。
ある実施形態において、精製化合物は、少なくとも60重量%(乾燥重量)の当該化合物である。好ましくは、製剤は、少なくとも75重量%、より好ましくは、少なくとも90重量%、最も好ましくは、少なくとも99重量%の当該化合物である。例えば、精製化合物は、少なくとも90重量%、91重量%、92重量%、93重量%、94重量%、95重量%、98重量%、99重量%又は100重量%(w/w)の所望の化合物である。純度は、例えば、カラムクロマトグラフィー、薄膜クロマトグラフィー、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)分析等、適切な標準的な方法により測定される。
「代謝物」とは、代謝により生成された物質(すなわち、成長副生成物)又は特定の代謝プロセスに参加する必要のある物質を指す。代謝物は、代謝の出発材料(例えば、グルコース)、中間体(例えば、アセチル−CoA)又は最終生成物(例えば、n−ブタノール)である有機化合物である。代謝物としては、これらに限定されるものではないが、バイオポリマー、酵素、酸、溶剤、アルコール、タンパク質、ビタミン、ミネラル、微量元素、アミノ酸及びバイオサーファクタントが例示される。
「調節する」とは、変更(増減)を意味する。かかる変更は、本明細書に記載した公知の方法により標準的なやり方が検出される。
ここに示す範囲は、範囲に含まれる値の全てについて簡潔にしたものである。例えば、1〜20の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20からなる群からの任意の数字、数字の組み合わせ、又は下位範囲を含むものとして、また、同じく、上述した整数間の途中の小数点の値、例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8及び1.9も含むものと考えられる。例えば、1〜50の例示範囲の入れ子の下位範囲は、一方向に1〜10、1〜20、1〜30及び1〜40、多方向に50〜40、50〜30、50〜20及び50〜10である。
「減じる」とは、少なくとも1%、5%、10%、25%、50%、75%又は100%のマイナスの変更を意味する。
「参照」とは、基準又はコントロール条件を意味する。
本明細書で用いる、「界面活性剤」は、2つの液体間、液体と固体間の表面張力(又は界面張力)を下げる表面活性物質を指す。界面活性剤は、例えば、洗剤、湿潤剤、乳化剤、発泡剤及び/又は分散剤として作用する。微生物により生成された表面活性物質は、「バイオサーファクタント」と呼ばれる。
本明細書で用いる、「農業」は、食品、繊維、バイオ燃料、薬剤、化粧品、サプリメント、軟膏用やその他の用途についての植物及び/又は菌の培養や生育を意味する。本発明によれば、農業にはまた、園芸、造園、ガーデニング、樹木保全、果樹園芸や樹芸も含まれる。さらに、ここで農業に含まれるのは、土壌学(例えば、ペドロジーやエダホロジー)、作物栽培学、土壌や作物生産のケア、モニタリングや管理である。
本明細書で用いる、「家畜」は、食品、繊維、労働といった産物を生産するための農業や産業環境で飼育される飼い慣らされた動物を指す。「家畜生産」には、動物のブリーディング、飼育、調達、畜産、維持及び/又は屠殺が含まれる。家畜は、野原、農場、動物飼養場など放し飼いで生産することができる。家畜という用語に含まれる動物の種類としては、これらに限られるものではないが、アルパカ、牛、乳牛、バイソン、豚、羊、ヤギ、馬、ラバ、ロバ、ラクダ、鶏、七面鳥、鴨、ガン、ホロホロ鳥や鳩が挙げられる。
本明細書で用いる「動物飼養場」又は「AFO」は、動物を、12か月間の合計45日以上、小屋に入れたり囲ったり、給餌や養育し、作物、植生、まぐさ生育、収穫後の残りは、設備のどこからも通常の成長期には残さない場所や設備(養魚設備は含まない)を指す。AFOは、実質的には、その土地や労働に代わって、人工構造や機器(給餌、温度管理、糞尿管理等について)を用いる。「CAFO」又は「濃縮AFO」は、環境保護庁により線引きされた特定の閾値に適合するサイズの比較的小さな囲い込み空間に多数の動物が集まっているAFOである。
本明細書で用いる、「養殖」、「養殖業」、「水生産業」、「水生飼育」や「栽培漁業」は、養魚場の水生動物のブリーディング、飼育及び収穫を意味する。養殖は、集中的(高密度の人工囲い中で魚を飼育する技術に依拠)か広範囲(海洋、天然及び人口湖、湾、川、フィヨルドその他水域)でなされる。養殖には、囲い、池、タンク、水族館、水槽や水路で、市場サイズまで成長した養殖魚や貝からのシーフードの生産が含まれる。さらに、養殖には、海水や海水の囲み部分での海洋生物の培養を伴う、栽培漁業が含まれる。さらに、養殖には、ストック回復や「向上」が含まれ、養殖魚や貝は、自然集団や沿岸生息地を回復させるために野生に戻される。さらにまた、養殖には、水族館取引のための鑑賞魚の生産や、水族館内で飼育される鑑賞魚の畜産が含まれる。養殖できる種としては、淡水又は塩水の魚貝、鑑賞魚、食用魚、スポーツフィッシュ、餌魚、甲殻類、軟体動物、藻、海藻や魚卵が挙げられる。
本明細書で用いる、「養魚場」は、養殖が行われる、又は行うことのできる水の環境である。本開示による養魚場には、全ての種類の水の環境又は水の環境の一部、人工又は天然の、池、灌漑用水路、川、湖、海洋、フィヨルド、タンク、水族館、水槽や水路が含まれる。
本明細書で用いる、「害虫」は、人間や人間が関わること(例えば、農業、園芸、家畜の世話、養殖)にとって、破壊的、有毒な、及び/又は害になる、人間以外の生物である。害虫は、感染、侵入及び/又は疾病を招くものである。害虫は、単細胞又は多細胞生物であり、これらに限られるものではないが、ウイルス、菌、バクテリア、寄生虫及び/又は線虫が挙げられる。
本明細書で用いる、「処置」は、症状や不具合の程度、サイン、兆候を、根絶、減少、改善、覆す、防止することを指し、必要ではないが、症状や不具合の完全な治癒が含まれる。処置により、不具合を治癒、改善又は部分的な改善がなされる。処置にはまた、症状や不具合を防ぐことも含まれ、ここでは、症状や不具合の特別なサインや兆候の開始や進行を遅らせることを意味する。
微生物ベースの組成物
本発明は、有益な微生物を含む微生物ベースの組成物及びその成長副生成物、例えば、バイオサーファクタント、代謝物、酸、溶剤及び/又は酵素を提供する。本発明はまた、農業、園芸、家畜飼育及び養殖における育成を向上するのに、組成物を用いる方法も提供する。さらに、本発明は、微生物ベースの組成物を生成する材料及び方法を提供する。
利点を挙げると、本発明による微生物ベースの組成物は、非毒性(例えば、摂取毒性は、体重の5g/kgを超える)、例えば、人間や動物の皮膚や消化管に刺激を与えることなく、高濃度で適用することができる。このように、本発明は、微生物ベースの組成物の適用が、人間により、人間が消費するために生産された家畜や魚のような生きた生物の存在でなされると、特に有用である。
特定の実施形態において、本発明の微生物は、生物学的に純粋なキラー酵母である。特に、本発明は、Pichia属に属するキラー酵母を利用する。より具体的には、一実施形態において、微生物は、Pichia anomalaWickerhamomyces anomalus)、Pichia guilliermondiiMeyerozyma guilliermondii)、Pichia kudriavzeviiWickerhamomyces kudrizvzevii)及び/又はこれらの組み合わせを含む。
本発明の微生物及び微生物ベースの組成物は、農業、園芸、家畜飼育及び養殖における生産を向上するのに有用な数多くの有益な特性を有する。例えば、一実施形態において、組成物は、バイオサーファクタントを含む。バイオサーファクタントは、組成物に存在する微生物の成長の結果として組成物中に存在する、又は、バイオサーファクタントは、他の微生物により別に生成して、粗形態及び/又は精製形態で組成物に添加することができる。一例を挙げると、粗形態微生物成長副生成物は、生成された発酵ブロスを含むことができる。
バイオサーファクタントは、様々な表面への微生物の接合を抑制し、バイオフィルムの形成を防ぎ、強力な乳化及び解乳化特性を有する。さらに、バイオサーファクタントは、例えば、養魚場や水族館における水の表面及び界面張力を減じることができる。
特定の実施形態において、本組成物のバイオサーファクタントは、グリコリピドバイオサーファクタント、例えば、マンノシルエリスリトールリピド、ソホロリピド、ラムノリピド又はトレハロースリピドである。バイオサーファクタントはまた、リポペプチド、例えば、サーファクチン、イツリン、フェンジシン及びリケニシンとすることもできる。
特定の実施形態において、組成物は、1つ以上のグリコリピド、例えば、Pseudozyma酵母により生成されることの多い、マンノシルエリスリトールリピド(MEL)や、例えば、Starmerella酵母及びPichia酵母により生成されるソホロリピド(SLP)を含む。
MEL及びSLPは、優れた水表面及び界面張力減少特性、高効率の乳化及び解乳化特性、並びに、例えば、抗真菌、抗菌、駆虫特性及び/又は抗ウイルス性により、多岐にわたる生化学及び生理学的影響を示す。
特定の実施形態において、組成物中の1つ以上のバイオサーファクタントの濃度は、0.001〜90重量%(wt%)、好ましくは、0.01〜50wt%、より好ましくは、0.1〜20wt%である。バイオサーファクタントは、さらに、約0.01g/L〜約500g/L、約0.5g/L〜約50.0g/L、約1.0〜約10.0g/L又は約2.0〜約5.0g/Lで存在し得る。
特定の実施形態において、組成物は、さらに微生物酵素を含む。酵素は、微生物の成長の結果として、組成物に存在したり、又は、別に生成され、粗及び/又は精製形態で組成物に添加される。一例を挙げると、粗形態の酵素は、生成された発酵ブロスを含む。
特定の実施形態において、組成物は、酵素フィターゼを含む。利点を挙げると、本明細書に記載した培養方法は、記載した酵母種の特定の組み合わせに加えて、相乗的に作用して、予期せぬ高濃度と予期せぬ効率でフィターゼを生成する。
特定の実施形態において、組成物中のフィターゼ(又はその他の酵素)の濃度は、0.001〜90重量%(wt%)、好ましくは、0.01〜50wt%、より好ましくは、0.1〜20wt%である。フィターゼ(又はその他酵素)は、さらに、約0.01g/L〜約500g/L、約0.5g/L〜約50.0g/L、約1.0〜約10.0g/L又は約2.0〜約5.0g/Lで存在し得る。
ある実施形態において、組成物は、追加の粗形態や精製微生物成長生成物をさらに含み、例えば、酵素、バイオサーファクタント、溶剤、酸、タンパク質、ミネラル及び/又はビタミンである。
粗形態代謝物は、例えば、微生物の培養から得られた発酵ブロス中に代謝物堆積物を含む液体混合物の形態を採り得る。この粗形態溶液は、約25%〜約75%、約30%〜約70%、約35%〜約65%、約40%〜約60%、約45%〜約55%、又は約50%の純粋な代謝物を含む。
特定の実施形態において、本発明の微生物ベースの組成物は、生きた及び/又は不活性培養物を含む発酵ブロス、及び/又は微生物やその他残余の栄養素により生成された微生物代謝物を含む。発酵生成物は、抽出や精製することなく直接用いてよい。所望であれば、抽出や精製は、標準的な抽出及び/又は精製の方法や文献に記載された技術を用いて抽出及び精製を容易に行うことができる。
利点を挙げると、本発明によれば、微生物ベースの組成物は、微生物が成長したブロスを含む。組成物は、例えば、少なくとも、重量基準で、1%、5%、10%、25%、50%、75%又は100%ブロスである。組成物中のバイオマスの量は、重量基準で、例えば、0%〜100%であり、間の全てのパーセンテージが含まれる。
発酵ブロスのバイオマス含量は、例えば、5g/l〜180g/l以上である。一実施形態において、ブロスの固体含量は10g/l〜150g/lである。
微生物の発酵
本発明は、微生物を培養し、微生物代謝物及び/又は成長副生成物を生成する方法を用いる。より具体的には、本発明は、バイオマス(例えば、生存可能細胞材料)、細胞外代謝物(例えば、小分子や排泄タンパク質)、残余の栄養素及び/又は細胞内成分(例えば、酵素やその他タンパク質)の生成のための材料及び方法を提供する。
本発明は、小規模(例えば、実験室環境)から大規模(例えば、工業環境)までの所望の規模で、微生物の培養と微生物代謝物の生成に好適な培養プロセスを用いる。培養プロセスは、これらに限られるものではないが、液内培養/発酵、固定状態発酵(SSF)及びこれらの組み合わせが挙げられる。
本明細書で用いる「発酵」は、制御された条件下での細胞の成長を指す。成長は、好気性又は嫌気性いずれでもよい。
本発明による微生物成長容器は、産業用の発酵槽や培養リアクターとすることができる。一実施形態において、容器は、機能コントロール/センサを有する、又は機能コントロール/センサに接続されていて、培養プロセスにおける重要な因子、例えば、pH、酸素、圧力、温度、撹拌器シャフト出力、湿度、粘度、微生物密度及び/又は代謝物濃度を測定する。
容器はまた、容器内の微生物の成長をモニターする(例えば、細胞数や成長期の測定)こともできる。或いは、デイリーサンプルを容器から取り出して、希釈プレーティング技術のような業界に公知の技術により一覧にする。
好ましい実施形態において、多数の微生物成長容器を含む微生物成長設備では、所望の規模で、対象の新鮮な高密度微生物及び/又は微生物成長副生成物を生成する。微生物成長設備は、適用場所又はその近くに配置される。設備は、バッチ、半連続又は連続培養で、高密度微生物ベースの組成物を生成する。
分配微生物成長設備は、微生物ベースの生成物が用いられる場所(例えば、野原や養魚場)に配置される。例えば、微生物成長設備は、使用場所から300、250、200、150、100、75、50、25、15、10、5、3又は1マイル未満であるか、又は、使用場所に直接配置することができる。
特定の実施形態において、生成は、現場及び/又は分配発酵方法を用いて行っても行わなくてもよい。つまり、本発明によれば、従来の方法も用いることができる。しかしながら、本明細書に記載した現場及び/又は分配微生物成長設備は、生成物の品質が、上流処理遅延、サプライチェーンボトルネック、不適切な保管、タイムリーな配達や有用な生成物の適用の妨げとなるその他不測の事態の影響を受けるという、遠方の工業規模の生産者に頼っている現在の問題に対する解決策を提供する点で有利である。
微生物成長設備は、微生物それ自体、微生物代謝物及び/又は微生物が成長するブロスの他の成分を含む新鮮な微生物ベースの組成物を生成する。所望であれば、組成物は、高密度の植物細胞、不活性細胞、散布体、又は植物細胞、不活性細胞及び/又は散布体の混合物を含む。
利点を挙げると、組成物は、特定の場所での使用に合わせることができる。一実施形態において、微生物成長設備は、微生物ベースの生成物を用いる場所又はその近くに配置される。微生物成長設備は、例えば、太陽、風及び/又は水力発電を利用して、オフグリッドで操業してもよい。
微生物成長設備は、行先の地理との相乗効果を改善するために、微生物ベースの生成物をそれに合わせて調整できることにより、製造汎用性を与える。例えば、本発明のシステムは、自然発生の現場微生物及びその代謝副生成物の力を抑えることができる。現場微生物は、例えば、耐塩性、高温での成長能力及び/又は特定の代謝物を生成する能力に基づいて識別することができる。
微生物ベースの生成物は、従来の生成物の安定化、保存、長期保管や長い輸送プロセスを必要とすることなく、適用現場又はその近くで生成されるため、高密度の生きた(又は不活性)微生物及び/又はその散布体を生成することができ、現場適用で用いる必要とされる微生物ベースの生成物の容積をかなり小さくしたり、必要であれば、高密度の微生物適用を可能とする。これによって、異物や望ましくない微生物による汚染の可能性を減じ、微生物成長副生成物の活性が維持され、細胞を安定化する理由がないため、効率のよいスケールダウンしたバイオリアクター(例えば、小さな発酵タンク、小容積の出発材料、栄養素、pH調節剤、消泡剤等)が可能となる。微生物の現場生成される、高密度で強い培養物は、栄養細胞安定化を行ったり、サプライチェーンにしばらくの間在庫されたものよりも、現地でより有効である。
微生物ベースの生成物の現場生成によってまた、発酵ブロスを生成物に組み込みやすくなる。ブロスは、現場使用に特に向いた、発酵中に生成された薬剤を含む。これによって、さらに生成物の可搬性が促される。
搬送時間が減じたことにより、現場の要求により必要とされる時間と量で、微生物及び/又はその代謝物の新鮮なバッチの生成と分配が可能となる。例えば、発酵の24時間以内の現場生成と分配の結果、純粋な高細胞密度の組成物と実質的に低い運搬コストとなる。より効率的で強力な微生物接種の開発における急速な発展が見込まれることを考慮すると、消費者は、即時に微生物ベースの生成物を分配するという恩恵が受けられる。
一実施形態において、従来の方法や、現場又は分配システムを用いて実施される培養方法は、糖蜜、尿素及びペプトンを含む培養培地を利用する。
一実施形態において、糖蜜の濃度は、2〜6%、好ましくは、4%である。一実施形態において、尿素の濃度は、0.01〜1.0%、好ましくは、0.2%である。一実施形態において、ペプトンの濃度は、1.0〜5%、好ましくは、2.5%である。
一実施形態において、本方法は、培養に窒素源を補充する。窒素源は、例えば、硝酸カリウム、リン酸アンモニウム、アンモニア、尿素及び/又は塩化アンモニウムである。これらの窒素源は、単体または2つ以上の組み合わせで用いてよい。
培養方法は、増殖培養物に酸素を投与することができる。一実施形態は、緩慢な動きの空気を利用して、低酸素含有空気を除去し、酸素化空気を入れるものである。酸素化空気は、液体の機械的撹拌のためのインペラや、酸素を液体に溶解するために、気泡を液体に供給するエアスパージャを含む機構を通して、日々供給される周囲空気であってよい。
本方法はさらに、培養に炭素源を供給することを含む。炭素源は、典型的に、炭水化物、例えば、グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、トレハロース、マンノース、マンニトール及び/又はマルトース、有機酸、例えば、酢酸、フマル酸、クエン酸、プロピオン酸、リンゴ酸、マロン酸及び/又はピルビン酸、アルコール、例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、イソブタノール及び/又はグリセロール、油脂、例えば、大豆油、米ぬか油、オリーブ油、コーン油、ごま油及び/又は亜麻仁油である。これらの炭素源は、単体または2つ以上の組み合わせで用いてよい。
一実施形態において、微生物の成長因子及び微量栄養素が培地に含まれる。必要な全てのビタミンを生成できない微生物を成長させるときはこれは特に好ましい。鉄、亜鉛、銅、マンガン、モリブデン及び/又はコバルトといった微量元素を含む無機栄養素もまた、培地に含めてよい。さらに、ビタミン、必須アミノ酸および微量元素の源を、例えば、小麦粉やミール、例えば、コーンスターチの形態で、又は、エキス、例えば、酵母エキス、ポテトエキス、ビーフエキス、大豆エキス、バナナピールエキス等の形態で、又は精製した形態で含めることができる。アミノ酸、例えば、タンパク質の生合成に有用なもの、例えば、L−アラニンを含めることもできる。
一実施形態において、無機塩を含めてもよい。有用な無機塩は、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、硫酸マンガン、塩化マンガン、硫酸鉄、塩化鉄、硫酸マンガン、塩化マンガン、硫酸亜鉛、塩化鉛、硫酸銅、塩化カルシウム、炭酸カルシウム及び/又は炭酸ナトリウムである。これらの無機塩は、単体または2つ以上の組み合わせで用いてよい。
ある実施形態において、培養方法は、培養プロセスの前及び/又は後に、追加の酸や抗菌剤を、液体培地に添加することをさらに含む。抗菌剤や抗生物質は、培養物を汚染から守るのに用いることができる。例えば、Streptomyces erythromycin、ホップ又はホップ酸及び/又は少量、例えば、50〜100ppmのソホロリピド又はその他バイオサーファクタントを、栄養素培地に、抗菌薬として添加することができる。さらに、培養中にガスが生成されるときは、泡の形成や堆積を防ぐために、消泡剤も添加してよい。
混合物のpHは、対象の微生物に好適なものとする。緩衝剤、pH調節剤、例えば、炭酸塩やリン酸塩を用いて、好ましい値近くにpHを安定化する。pHコントロールを用いて、培養物の汚染を防ぐこともできる。例えば、培養は、酵母成長に好適な低いpH(例えば、3.0〜3.5)で始め、酵母堆積後は高くし(例えば、4.5〜5.0)、発酵の残りについては安定化させることができる。金属イオンが高濃度で存在しているときは、液体培地中のキレート化剤の使用が必要となる。
微生物は、プランクトン形態又はバイオフィルムとして成長し得る。バイオフィルムの場合は、微生物がバイオフィルム状態で成長する基質を容器の中に入れる。このシステムはまた、例えば、バイオフィルム成長性を促し、改善する刺激(例えば、せん断応力)を加えることのできるものであってもよい。
一実施形態において、微生物の培養方法は、約5℃〜約100℃、好ましくは、15℃〜60℃、より好ましくは、25〜50℃で実施される。さらなる実施形態において、培養は、一定の温度で連続して行われる。他の実施形態において、培養は温度を変えて行われる。
一実施形態において、本方法及び培養プロセスで用いる機器は、無菌である。リアクター/容器等の培養機器は、殺菌ユニット、例えば、オートクレーブから離れているが、接続されている。培養機器はまた、接種を開始する前に、現場で殺菌する殺菌ユニットも有していてよい。空気は、業界に公知の方法により殺菌される。例えば、周囲空気は、容器に入れる前に、少なくとも1つのフィルタを通過させる。他の実施形態において、培地は、殺菌し、任意で、熱を全く加えなくてもよい。そうすると、低水分活性と低pHが、バクテリアの成長をコントロールするのに役立つ。
他の実施形態において、培養システムは自己殺菌性である。つまり、培養する生物を、抗菌性の成長副生成物や代謝物の生成により、他の生物による汚染から保護することができる。
一実施形態において、成長と生成に適した条件下で、本発明の微生物菌株を培養することにより、界面活性剤、酵素、代謝物及び/又はその他タンパク質を生成し、任意で、界面活性剤、酵素、代謝物及び/又はその他タンパク質を精製する。Pichia酵母により生成されることが知られている有益な成長副生成物を、本発明により生成及び精製することができる。これらに限られるものではないが、例を挙げると、バイオサーファクタント、酵素、例えば、エキソ−β−1,3−グルカナーゼ、キチナーゼ及びフィターゼ、溶剤、タンパク質、リピド、炭素源、ミネラルやビタミン、例えば、ビタミンB1、B2、B3(PP)、B5、B7(H)、B6及びEがある。
対象微生物により生成された微生物成長副生成物は、微生物に保持され、成長培地へ分泌される。他の実施形態において、微生物成長副生成物を生成する方法は、対象微生物成長副生成物を濃縮し精製するステップをさらに含む。任意で、成長培地は、微生物成長副生成物の活性を安定化する化合物を含有していてよい。
発酵ブロスのバイオマス含量は、例えば、5g/l〜180g/l以上である。一実施形態において、ブロスの固体含量は、10g/l〜150g/lである。
微生物ベースの生成物を成長容器から収穫するとき、微生物成長により得られた微生物及び/又はブロスを、成長容器から取り出し、例えば、管を通して移し、すぐに使用することができる。微生物は、活性又は不活性形態でよい、或いは、活性と不活性微生物の組み合わせを含んでいてもよい。
組成物(微生物、ブロス、又は微生物とブロス)は、例えば、意図する用途、適用の考えられる方法、発酵タンクのサイズや、微生物成長設備から使用地への搬送形式を考慮に入れて、適切なサイズの容器に入れることもできる。このように、微生物ベースの組成物を入れる容器は、例えば、1ガロン〜1,000ガロン以上である。特定の実施形態において、容器は、2ガロン、5ガロン、25ガロン以上である。
収穫生成物を容器に入れ、管に通す(その他使用のために搬送する)際に、さらなる成分を添加することができる。添加剤としては、例えば、緩衝剤、担体、同じ又は異なる設備で生成されたその他微生物ベースの組成物、粘度調節剤、保存料、微生物成長のための栄養素、追跡剤、殺虫剤及び意図する用途に特化されたその他成分がある。
一実施形態において、微生物培養組成物は全て、培養完了時(例えば、所望の細胞密度やブロス中の特定の代謝物の密度が得られたら)に取り出す。このバッチ手順において、第1のバッチの収穫時に全く新しいバッチを開始する。
他の実施形態において、培養生成物の一部のみを任意の時点で取り出す。本実施形態において、生存可能な細胞によるバイオマスは、新たな培養バッチのための接種として容器に残る。取り出される組成物は、細胞を含まないブロスとしたり、細胞を含むことができる。このようにして、準連続システムが形成される。
微生物ベースの生成物の調製
本発明の1つの微生物ベースの生成物は、単に、微生物を含む発酵ブロス及び/又は微生物により生成された微生物代謝物及び/又は残余の栄養素である。発酵生成物は、抽出や精製なしで直接使用される。所望であれば、文献に記載された標準的な抽出及び/又は精製方法や技術を用いて抽出及び精製を容易に行うことができる。
微生物ベースの生成物中の微生物は、活性又は不活性形態にある。微生物ベースの生成物は、活性及び不活性微生物の組み合わせを含む。
微生物ベースの生成物は、さらに、安定化させたり、保存したり、保管することなく用いられる。利点を挙げると、微生物ベースの生成物の直接使用によって、微生物の高い生存率を保ち、異物や望ましくない微生物からの汚染の可能性を減じ、微生物成長の副生成物の活性を維持する。
微生物及び/又は微生物成長の結果得られるブロスは、成長容器から取り出し、例えば、管を通して移し、すぐに使用することができる。他の実施形態において、前述したとおり、組成物(微生物、ブロス又は微生物とブロス)は、適切なサイズの容器に入れることができる。
微生物ベースの組成物を成長容器から取り出す際、収穫生成物を容器に入れ、管に通す(その他使用のために搬送する)際に、さらなる成分を添加することができる。添加剤としては、例えば、緩衝剤、担体、アジュバント、同じ又は異なる設備で生成されたその他微生物ベースの組成物、粘度調節剤、保存料、微生物成長のための栄養素、追跡剤、殺虫剤、その他微生物、非生物学的な界面活性剤、乳化剤、潤滑剤、緩衝剤、溶解度制御剤、pH調節剤、安定剤、紫外線防止剤及び意図する用途に特化されたその他成分がある。
一実施形態において、組成物は、pHを好ましい値近くに安定化するために、有機及びアミノ酸又はその塩を含む緩衝剤をさらに含んでいてもよい。微生物ベースの組成物のpHは、対象の微生物に好適なものとする。
好適な緩衝剤としては、これらに限られるものではないが、クエン酸塩、グルコン酸塩、酒石酸塩、リンゴ酸、酢酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、アスパラギン酸塩、マロン酸塩、グルコヘプトネート、ピルビン酸塩、ガラクタル酸塩、グルカレート、タルトロナート、グルタミン酸塩、グリシン、リシン、グルタミン、メチオニン、システイン、アルギニン及びこれらの混合物が挙げられる。リン酸及び亜リン酸又はその塩も用いることができる。合成緩衝剤は、用いるのに好適であるが、有機及びアミノ酸やその塩のような天然緩衝剤を用いるのが好ましい。
更なる実施形態において、pH調節剤としては、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸又は重炭酸カリウム、塩酸、硝酸、硫酸及びこれらの混合物が挙げられる。
一実施形態において、重炭酸又は炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウムや二リン酸ナトリウムといった塩水溶液のような追加の成分を微生物ベースの組成物に含めることができる。
利点を挙げると、微生物ベースの生成物は、微生物が成長したブロスを含む。生成物は、例えば、少なくとも、重量基準で、1%、5%、10%、25%、50%、75%又は100%ブロスである。組成物中のバイオマスの量は、重量基準で、例えば、0%〜100%であり、間の全てのパーセンテージが含まれる。
特定の実施形態において、本発明の微生物ベースの組成物は、さらに担体を含む。担体は、酵母又は酵母成長副生成物を、生成物が、生存可能なままである、又は、不活性酵母の場合には、有効であることが必要な成分を保持するようにして、ターゲットの植物、土壌、動物、魚等に分配できる、業界で公知の好適な担体であればよい。
特定の実施形態において、特に、農業の場合に、微生物ベースの組成物は、組成物の効能を増大するために、アジュバントをさらに含む。一実施形態において、アジュバントは、フルボ酸、フミン酸やフミン酸塩から選択される。
任意で、組成物は、使用前、保管することができる。保管時間は短い方が好ましい。従って、保管時間は、60日、45日、30日、20日、15日、10日、7日、5日、3日、2日、1日又は12時間未満とする。好ましい実施形態において、生成物中に生存細胞が存在する場合には、生成物は、例えば、20℃、15℃、10℃又は5℃未満といった低温で保管する。一方、バイオサーファクタント組成物は、典型的に、周囲温度で保管することができる。
特定の実施形態において、本発明の微生物ベースの生成物は、全微生物培養物を用いることにより、例えば、精製された微生物代謝物単体よりもいくつかの利点を有する。こうした利点としては、次のうち1つ以上が挙げられる。酵母細胞壁の外側表面の一部における高濃度のマンノタンパク質、酵母細胞壁におけるベータグルカンの存在、培養物におけるバイオサーファクタントの存在、及び培養物における溶剤とその他代謝物(例えば、乳酸、エタノール、酢酸エチル等)の存在。これらの利点は、活性又は不活性酵母を用いるとき現れる。
微生物ベースの組成物は、例えば、液体懸濁液、エマルジョン、凍結又はスプレー乾燥粉末、顆粒、ペレット又はゲルの形態で微生物ベースの生成物として処方することができる。特定の用途について適切なその他の処方も考えられる。
一実施形態において、特に、家畜用途については、微生物ベースの生成物は、ペレット単位で均一な濃度の所望の微生物又は微生物成長生成物、例えば、精製フィターゼを含むフィードペレットとして処方することができる。加圧ミリングをはじめとするフィードペレットを生成する業界に公知の方法を用いて、生成することができる。好ましくは、ペレット化プロセスは、「コールド」ペレット化、又は高熱や蒸気を用いないプロセスである。
特に、水産用途についての一実施形態において、微生物菌株を、不活性微生物ベースの組成物を生成する目的で培養する。組成物は、所望の微生物を培養し、顕微溶液化(又は、タンパク質変性を生じない業界に公知のその他方法)により微生物を分解し、低温殺菌し、濃縮形態で食料品に添加することにより調製される。一実施形態において、不活性化は、低温殺菌温度(酵母細胞を100%不活性化するのに十分な時間にわたって、65℃〜70℃まで)かつ、約10.0までの増加pH値でなされる。これにより、細胞の部分加水分解がなされ、中の栄養成分の中には解放されるものもある。次に、組成物を約7.0〜7.5のpHまで中和し、加水分解の様々な成分を混合する。得られた微生物ベースの生成物は、例えば、魚飼料のため、及び養魚場水の処理のために用いることができる。
本発明の微生物ベースの生成物は、様々な独特な設定に用いることができる。というのは、例えば、1)活性代謝物の入った新鮮な発酵ブロス、2)細胞及び/又は散布体及び発酵ブロスの混合物、3)栄養細胞及び/又は散布体を含む高密度な細胞の入った組成物、4)即時に得られる微生物ベースの生成物、及び5)遠隔地における微生物ベースの生成物を効率的に分配する能力によるものである。
本発明の微生物ベースの生成物は、細胞が代謝物から分離され、栄養素が発酵成長培地に存在する従来の生成物に比べると特に利点がある。
本発明による微生物菌株成長
発明のシステム及び方法により成長した微生物は、例えば、バクテリア、酵母及び/又は菌類である。これらの微生物は、天然又は遺伝子組み換え微生物である。例えば、微生物は、特定の特徴を示すために、特定の遺伝子により変性される。微生物はまた、所望の菌株の変異体であってもよい。本明細書で用いる、「変異体」は、参考微生物の菌株、遺伝子変異体又はサブタイプを意味し、変異体は、参考微生物に比べ、1つ以上の遺伝的変異(例えば、点突然変異、ミスセンス突然変異、ナンセンス突然変異、欠損、複製、フレームシフト突然変異又はリピート伸長)を意味する。変異体を作製する手順は、微生物業界において周知されている。例えば、UV突然変異誘発及びニトロソグアニジンがこの目的で、広く利用されている。
ある好ましい実施形態において、微生物は、「キラー酵母」として知られた酵母である。本明細書で用いる、「キラー 酵母」は、菌株自体が免疫である、毒性タンパク質や糖たんぱく質の分泌により特定される酵母の菌株を意味する。キラー酵母により分泌される外毒素は、他の菌株の酵母、菌又はバクテリアを殺すことができる。例えば、キラー酵母により制御できる微生物としては、Fusarium及びその他糸状菌が挙げられる。かかる酵母としては、これらに限られるものではないが、WickerhamomycesPichiaHansenula、Saccharomyces、HanseniasporaUstilago DebaryomycesCandidaCryptococcusKluyveromycesTorulopsisWilliopsis、Zygosaccharomyces及びその他が挙げられる。
特定の実施形態において、本発明は、Pichia属に属するキラー酵母を用いる。より具体的には、本発明の微生物としては、Pichia anomalaWickerhamomyces anomalus)、Pichia guilliermondiiMeyerozyma guilliermondii)、Pichia kudriavzeviiWickerhamomyces kudriavzevii)及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。これら3つのPichia 微生物、その代謝物及びその他成長副生成物(本明細書においては、「3P」又は「トリプル−P」と呼ぶことがある)は、互いに相乗作用して、本発明で記載した通り、植物や動物の健康を改善するのに用いると望ましい結果が得られる。
これらの酵母は、有益な代謝物を生成する能力をはじめとする、本発明にとって数多くの有益な特徴を持っている。例えば、Pichia anomalaは、エキソ−β−1,3−グルカナーゼを活性とし、幅広い病原菌を殺したり、その成長を抑制することができる。さらに、5〜7日間培養すると、Pichia anomalaは、水の表面/界面張力を減じ、抗菌性及び抗真菌性を示すことのできるバイオサーファクタントを生成する。
Pichia kudriavzeviiは、いくつかの人間と動物の病原体、例えば、Escherichia coliEnterococcus faecalisKlebsiella sp.Staphylococcus aureusPseudomonas aeruginosa及びPseudomonas alcaligenesに対する抗菌活性のある代謝物を生成する。さらに、P.kudriavzeviiにより生成される毒素は、植物の細菌病を生じる多くの他のグラム陽性及びグラム陰性バクテリアを制御することができる。
Pichia guilliermondiiの菌株は、β−1,3−グルカナーゼ及びキチナーゼを含む加水分解酵素を生成する。これらの酵素は、殺線虫(例えば、Meloidogyne incognitaに対する)及び抗菌(例えば、B.cinerealに対する)特性を持つことが知られている。
様々な副生成物に加えて、これらの酵母は、フィチン酸(フィチン酸塩又はmyo−イノシトール六リン酸塩)の加水分解を触媒するフィターゼ、ホスファターゼ酵素を生成することができる。フィチン酸は、加水分解により使用可能な形態の無機リンを放出するリンの不消化の有機形態である。
さらに、Pichia酵母は、数多くのタンパク質(50%までの乾燥細胞バイオマスを含む)、リピド及び炭素源、幅広いミネラルやビタミン(B1、B2、B3(PP)、B5、B7(H)、B6、E)を生成する。
農業、園芸、家畜飼育及び養殖における生産を向上するのに有用な、例えば、大量の酵素、酸、タンパク質、バイオサーファクタント、ミネラル又はビタミンを堆積することのできる、他の微生物菌株をはじめとする、他の微生物菌株もまた、本発明により用いることができる。
農業、園芸、家畜生産及び養殖における生産を向上する方法
特定の実施形態において、本発明は、農業、園芸、家畜生産及び/又は養殖における生産を向上する、環境に優しく、コスト効率の高い材料及び方法を提供する。より具体的には、本発明は、本発明の微生物ベースの生成物を用いて、培養された植物、菌類及び/又は動物の健康と品質を改善する方法を提供する。一実施形態において、本方法により、家畜及び/又は養殖魚に給餌をする。
具体的に、本発明は、農業、園芸、家畜生産及び養殖から選択される産業において、有効量の本発明の微生物ベースの組成物を選択した産業に関連する特定の適用又はターゲット場所に適用することにより、生産を向上する方法を提供する。適用場所は、産業に応じて異なり、例えば、植物及び/又はその環境、動物及び/又はその環境が挙げられる。
本明細書で用いる、組成物や生成物をターゲットや場所に「適用」する、又はターゲットや場所を「処置する」とは、組成物や生成物をターゲットや場所と接触させて、組成物や生成物が、ターゲットや場所に影響を与えるようにすることを指す。影響とは、例えば、微生物成長や、代謝物、酵素、バイオサーファクタント又はその他成長副生成物によるものである。適用や処置には、微生物ベースの組成物を、植物、菌類、動物及び/又はそれを取り巻く環境に直接適用することを含む。
適用にはさらに、組成物や生成物を、植物、植物の一部及び/又は植物を取り巻く環境(例えば、土壌)と直接、或いは、動物、動物の体の一部及び/又は動物を取り巻く環境(例えば、動物の食物源)と直接接触させることを含む。本微生物ベースの生成物は、例えば、液体、乾燥粉末、ダスト、顆粒、微粒剤、ペレット、可湿性粉末、流動性粉末、エマルジョン、マイクロカプセル、オイル、ゲル、ペースト又はエアロゾルとしてスプレーすることができる。
一実施形態において、本発明により、微生物ベースの生成物を、農業及び園芸環境に現場適用することができる。本発明の微生物ベースの生成物は、例えば、灌漑方式により、スプレー、種子処理として、土壌表面、作物、植物や菌類表面、害虫表面に適用してもよい。従来より実施されている機械的な適用や、「ドローン」による空気や地表へのロボットによる適用も推奨される。本発明による処理について選択できる植物の部分は特に限定されないが、果物、花、球根、葉、穀物、根、種、茎が挙げられる。
一実施形態において、本発明によって、家畜生産環境に微生物ベースの生成物を現場適用することができる。微生物ベースの生成物は、例えば、口腔、静脈内、皮下、外用薬やサプリメントとして、又は動物の餌や飲み水に入れて、動物に直接適用してもよい。微生物ベースの生成物はまた、例えば、スプレーやコーティングとして、地表や囲まれた空間といった動物の生育環境に、或いは、害虫の表面に直接適用してもよい。
一実施形態において、本発明は、水生環境において、微生物ベースの生成物を現場適用することができる。微生物ベースの生成物は、例えば、組成物をポンピング、スプレー、注ぐ又は注入により、養魚場の水中に入れる、又は、例えば、組成物を、養魚場の様々な表面、壁又は囲いにコーティングしたり、塗り広げたりすることにより、養魚場に適用してもよい。さらに、組成物を、例えば、植物源の形態で、動物自体に適用してもよい。
微生物は、適用時、生きている(又は生存可能)か、不活性化のいずれかである。生きた微生物の場合は、微生物は、適用場所のその場で成長し、現場で活性化合物又は成長副生成物を生成することができる。従って、高濃度の微生物及び有益な成長副生成物を、処置場所(例えばCAFOや養殖場)で容易に継続して得ることができる。
このため、本方法は、材料を添加して、適用中の微生物成長を向上することができる(例えば、栄養素を添加して、微生物成長を促す)。一実施形態において、栄養源は、例えば、窒素、硝酸塩、リン、マグネシウム及び/又は炭素を含むことができる。
一実施形態において、本方法は、適用の前に、微生物ベースの組成物を培養することをさらに含む。微生物ベースの組成物は、適用場所近く、例えば、場所から100マイル未満で培養されるのが好ましい。
ある実施形態において、本方法は、有害単細胞又は多細胞生物による感染や侵入の防止や処置、土壌の改良、作物の成長の促進、及び/又は家畜や魚の成長と健康の促進を提供する。
一実施形態において、感染、侵入、疾病及び/又はその拡大を処置したり、防止する方法が提供される。特定の実施形態において、有害な感染、侵入及び/又は疾病は、これらに限られるものではないが、菌類、バクテリア、寄生虫、線虫をはじめとする有害単細胞又は多細胞生物が原因であり、これらは、植物、菌類、作物、家畜、その他陸生動物、魚及びその他水生生物に有害である。
一実施形態において、本方法は、Pichia酵母及び/又はその成長副生成物を含む微生物ベースの組成物を、場所に適用することを含む。組成物は、有害菌類を殺し、その成長を競合阻害し、有害グラム陽性及びグラム陰性バクテリアを殺し、その成長を競合阻害し、有害な寄生蠕虫を殺し、有害な線虫を殺す。それぞれが独特の致死能力を持つこれらの酵母は、例えば、有機農業、有機家畜及び有機養殖産業において、有益な相乗的生物防除剤を作製する。
利点を挙げると、本方法は、強い化学薬品や抗生物質を使うことなく、植物、家畜及び養殖魚の免疫及び/又は病原体防御を改善する。
特定の実施形態において、本方法を用いて、農業環境における作物、植物、菌類の感染、侵入、疾病を防止したり、処置することにより、農業生産を向上する。
本発明が有用な、植物に影響する細菌感染としては、これらに限られるものではないが、Pseudomonas syringae pathovarsRalstonia solanacearumAgrobacterium tumefaciens Xanthomonas oryzae pv.oryzaeXanthomonas campestris pathovarsXanthomonas axonopodis pathovarsErwinia amylovoraXylella fastidiosaDickeya(dadantii及びsolani) Pectobacterium carotovorum(及びPectobacterium atrosepticum)Clavibacter michiganensis (michiganensis及びsepedonicus)Pseudomonas savastanoi及びCandidatus Liberibacter asiaticusが例示される。
本発明が有用なウイルス感染の影響を受ける植物としては、これらに限られるものではないが、CarlavirusAbutilonHordeivirusPotyvirusMastrevirusBadnavirusReoviridae FijivirusOryzavirusPhytoreovirusMycoreovirusRymovirusTritimovirusIpomovirusBymovirusCucumovirusLuteovirusBegomovirusRhabdoviridae、Tospovirus、Comovirus、Sobemovirus、Nepovirus、Tobravirus、BenyvirusFurovirusPecluvirus及びPomovirusが例示される。
線虫もまた、本発明を用いて処置することができる。線虫の例を挙げると、Heterodera属のシスト形成線虫(例えば、H.glycines、H.avenae、及びH.shachtii)及びGlobodera(例えば、G.rostochiens及びG.pallida)、Trichodorus属のミハリ線虫、Ditylenchus属のバルブステム線虫、 ジャガイモシスト線虫、Heterodera rostochiensis、Meloidogyne属のネコブ線虫(例えば、M.javanicaM.haplaM.arenaria及びM.incognita)、Pratylenchus属のネグサレ線虫(例えば、P.goodeyiP.penetransP.bractrvurusP.zeaeP.coffeaeP.bractrvurus及びP.thornei)、Tylenchulus属のミカンネ線虫、並びにBelonalaimus属の刺毛線虫がある。
本方法及び組成物が有用なその他の植物作物疾病としては、胴枯れ病、潰瘍、腐敗、しおれ、さび、炭疽病、斑点細菌病、根こぶ、トウモロコシ黒穂病、胆汁、立枯れ、べと病、うどんこ病、疥癬、斑点病、かび、モザイクウイルス、葉の水疱及びカールを引き起こす害虫及び/又は病原体が挙げられる。
他の実施形態において、本方法は、家畜や他の陸生動物の侵入及び/又は疾病を防止し、処置することにより、家畜生産を向上するのに用いられる。
本方法及び組成物が有用な疾病としては、これらに限られるものではないが、カンジダ症、白癬、ウシ呼吸器病症候群、気腫疽(Clostridial)、ウシRSウイルス、ウシウイルス性下痢ウイルス、ヘモウイルスソムナス、ウシ伝染性鼻気管炎、パスツレラヘモリチカ及びパスツレラ・ムルトシダ、狂犬病、鶏痘、インフルエンザ、ニューカッスル病、伝染性コリーザ、野禽コレラ、大腸菌病、ボルデテラ症、アスペルギルス症、マイコプラズマ、東部馬脳炎、ボツリヌス症、出血性腸炎、サルモネラ、潰瘍、壊死性腸炎、 ひな剥離、家禽チフス、コクシジウム、ぜん虫(例えば、回虫、鞭虫、腎虫)、にきび、ブドウ球菌、連鎖球菌、パルボウイルス、レプトスピラ症及びその他が挙げられる。
さらに他の実施形態において、本方法を用いて、養魚場の魚、その他水生海洋生物の感染、侵入及び/又は疾病を防止し処置することにより、養殖生産を向上する。好ましくは、本実施形態による微生物ベースの組成物の酵母を、不活性状態で、養魚場に適用する。
本方法及び組成物が有用な病原体としては、これらに限られるものではないが、ウイルス(例えば、AquabirnavirusBetanodavirusOrthomyxovirusAlphavirusrhabdoviruses及びRanavirus)、バクテリア(例えば、Pseudomonas fluorescensAeromonasEdwardsiellaFlavobacteriumFrancisellaPhotobacteriumPiscirickettsiaPseudomonasTenacibaculumVibrioYersiniaLactococcusRenibacterium及びStreptococcus)、菌類(例えば、SaprolegniaAspergillusPenicilliumExophialaIchthyophonusBranchiomycesDermocystidiumProtothecaOscillatoriaPhoma herbarum及びPaecilomyces)、水生菌類(例えば、Saprolegnia sp.)及び寄生虫(例えば、線虫、サナダ虫、回虫、ヒル、シラミ、後生動物寄生虫、例えば、カイアシ類、単細胞寄生虫、例えば、Ichthyophthirius multifiliis及び蠕虫類、例えば、Eustrongylides)が例示される。
本発明を用いて緩和又は防止できる水生ウイルス病としては、これらに限られるものではないが、伝染性すい臓壊死症、ウイルス性神経壊死症、サケ貧血ウイルス、すい臓病、伝染性造血器壊死症、ウイルス性出血性敗血症及び流行性造血器壊死症ウイルスが挙げられる。
本発明を用いて緩和又は防止できる水生バクテリア病としては、これらに限られるものではないが、鰭腐敗病、松かさ病、運動性エロモナス敗血症、化膿性皮膚炎、クリセオ細菌症、ナマズの腸管敗血症、エドワジエラ又は腐敗病、カラムナリス病、擬カラムナリス病、フラボバクテリア症、ニジマスフライ症候群、菌性鰓病細菌性鰓病、フランシスコ病、ビブリオ症、パスツレラ症、ピシリケッチア症、リケッチア敗血症、シュードモナス敗血症、赤点病、滑走細菌症、ビブリオ症、エルシニア症、レッドマウス病、ラクトコッカス症、ノカルジア症、細菌性腎臓病、ブドウ球菌感染症、連鎖球菌感染症及び出血性敗血症が挙げられる。本発明を用いて緩和又は防止できるその他水生病や侵入病としては、真菌性鰓病、イクチオフォヌス病、水かび秒、ベルベット病、ホールインヘッドや旋回病が挙げられる。
本発明のさらなる実施形態において、本発明の微生物ベースの組成物を土壌に適用することにより、土壌を改質して、農業生産を向上する方法が提供される。1つ以上の培養Pichia酵母と、任意で1つ以上の助剤を含む組成物を土壌に適用することにより、例えば、フィターゼ、アミノ酸、タンパク質、ビタミン及び微量元素等、有益な微生物代謝物の存在のお陰で、本発明により、作物収量を増大したり、成長した農作物と植物生成物の品質を向上することができる。特定の実施形態において、アジュバントは、フルボ酸、フミン酸及び/又はフミン酸塩である。
利点を挙げると、フィターゼが存在すると、植物の栄養不足の処置や防止をすることができる。特に、本発明を用いて、植物周囲に土壌に適用すると、植物のリン不足を処置し、防止することができる。
さらなる実施形態において、本発明を、リン酸塩維持に用いることができる。リン酸塩が不溶形態で土壌に存在するときは、そこに残り、植物根系には使用されない。トリプル−P生成物を土壌に添加すると、リン酸塩は、植物により回復可能な可溶形態に変換される。
本発明はさらに、本微生物ベースの組成物を用いて、家畜に給餌するための低コスト材料及び方法を提供する。一実施形態において、微生物ベースの組成物は、ダイエタリーサプリメントとして動物の餌や飲料水へ処方したり、適用される。
微生物ベースの組成物は、例えば、組成物を、従来の家畜の餌と共に供給したり、家畜に組成物を摂取させることにより、家畜用の高栄養サプリメント食料源として用いることができる。一実施形態において、組成物は、餌成分と混合して、均一で均質なペレットへ処方することができる。フードサプリメントとして、微生物ベースの生成物は、とりわけ、フィターゼや、アミノ酸、タンパク質、ビタミンや微量元素の追加源を提供する点が有益である。
ある実施形態において、微生物ベースの組成物は、さらに、家畜の栄養不足を処置したり、防止するのに用いることができる。特に、本発明は、ダイエタリーサプリメントとして用いて、フィターゼを飼料源に補充することにより、家畜のリン不足を処置したり防止する。
利点を挙げると、本発明を用いると、家畜の給餌のコストを減じることができ、同時に、例えば、免疫系をサポートし、リン、アミノ酸、タンパク質、ビタミンやその他微量元素の追加源を提供することにより、家畜動物の成長と健康を促進することができる。
他の実施形態において、本発明は、本微生物ベースの組成物を用いて魚に給餌するための低コスト材料及び方法を提供する。本微生物ベースの組成物は、組成物を魚の環境に導入し、魚に組成物や餌を摂取させることにより、魚用の高栄養ダイエタリーサプリメントとして用いることができる。組成物はまた、標準的な魚餌に適用したり混合したりして、養殖魚に給餌することもできる。利点を挙げると、本発明は養殖魚のコストを減じるのに用いることができる。
ある実施形態において、本発明は、養殖魚の栄養吸収を改善することによって、養殖生産を向上する方法を提供する。具体的には、魚が摂取すると、本発明の微生物により生成されたバイオサーファクタントは、脂溶性ビタミンをはじめとする栄養素の吸収が魚の消化管内で改善されることにより、養殖魚の健康や品質の全体的な改善に寄与する。
本組成物は、養魚場水等、魚のいる環境に、例えば、溶液、乾燥粉末、ミール、フレークやペレットの形態で、適用することができる。利点を挙げると、本組成物を摂取した魚は、従来の魚粉を給餌された魚に比べて体重が増加しており、体重増加は、主に、体脂肪パーセンテージは低いまま、体のタンパク質のパーセンテージの増加による。
他の実施形態において、本発明は、魚の給餌を補う方法及び魚の給餌のコストを下げる方法を提供する。本発明の微生物ベースの組成物は、不活性酵母細胞を含む単一細胞タンパク質源として魚のいる環境に適用され、大量のタンパク質、炭水化物、リピド、脂肪酸、アミノ酸、ミネラルやビタミンを高濃度で与える。ある実施形態において、微生物ベースの組成物は、魚の栄養不足を処置したり、防止するのに用いることができる。特に、本発明は、飼料源にフィターゼを補うことにより、養殖魚のリン不足を処理し、防止するダイエタリーサプリメントとして用いることができる。
従来の魚及び魚油由来餌のコスト高のせいで、多くの養殖操業で、魚の給餌に穀物ベースの餌を用い始めている。コーン、大豆、モロコシ類等の成分が、魚餌の生産に用いられ始めている。穀物ベースの食餌が魚の健康に与える影響は最終的に知られていないが、経時により、望ましくない可能性がある。
さらに、例えば、シーフード産業の成功は、一部、人間がシーフードを摂取すると、高レベルのオメガ−3脂肪酸といった魅力的な健康上の恩恵があることに因るものである。養殖魚が、肉食や雑食の食餌から、完全な植物ベースの食餌に移行することにより、最終的な魚肉製品の栄養成分が変化し、例えば、魚肉製品の脂肪酸含有量が減じる。こういった変化が、シーフード産業や、人間の栄養に与える影響は幅広い。
このように、既存の魚餌へのサプリメントとして作用することにより、本発明を用いて、従来の魚ベースの魚餌を用いるコストの増大を緩和することができる。本発明は、魚に給餌するコストを下げ、同時に、養殖魚の健康や品質を損なうことなく、従来の魚ベースの餌へ戻すことができる。
実施例
本発明及びその利点の理解を広げるために、例示としての以下の実施例を示す。以下の実施例は、本発明の方法、応用、実施形態及び変形のいくつかを示すものであり、本発明を限定しようとするものではない。数多くの変更及び修正を、本発明に関して行うことができる。
実施例1−PICHIA酵母生成物「トリプル−P」の培養
本発明において用いるPichia酵母の培養コストを減じ、酵母の低コストで効率的な工業規模生産を確立するために、発酵システム及び方法が提供される。
トリプル−Pの生成は、従来とは異なる、成長と代謝物生成を促進するのに有効な好気性条件下での酵母の培養によりなされる。好ましくは、Pichia菌株は、それぞれ個別に培養した後、得られた培養物を、メカニカルミキサーを用いて混合して、トリプル−P生成物を形成する。
利点を挙げると、本発明のシステム及び方法は、いかなる規模の操業でも安価であり、実際、無限の量の酵母ベースの生成物を生成することができる。さらに、例えば、発酵シスに以前からの経験がほとんど、又は全くない生産者や栽培者でもこのシステムを操作することができる。
発酵は、バッチプロセスとして、好ましくは撹拌なしでスケーラブルリアクターで実施される。垂直平行六面体の、ポータブルな分配可能なリアクターを用いる。システムは、2つのチューブシステムを含む混合システムを備えており、それぞれ、タンク下部から培養物を引いて、タンク上部に堆積するポンピング機構を備えている。エアコンプレッサーを用いて、ろ過空気を、システムに加えて、動く培養物の通気をする。
ろ過空気のタンクへの添加は、バブラーを通して操作される散布機構により制御される。散布のためにろ過された空気は、高容積スパージング水中ポンピングシステムを介して生成される。1つのタンクにつき、合計で2つの72インチバブラーがある。
細胞及び代謝物生成用の酵母を成長させるために、リアクターは550〜1,000リットルの作動容積を有しているが、リアクターのサイズ、材料(例えば、金属)及び構成は、変わる(要件に応じて)。
リアクターを従来の方法を用いて殺菌しないため、培養物生成のコストは減じる。Pichia生成のために、キラー酵母は、自己殺菌可能である、すなわち、成長副生成物が、異物微生物による培養物の汚染の可能性を制御する。さらに、空の容器の内面を1%過酸化水素で処置し、漂白剤や高圧温水で濯いで、衛生的にすることができる。
リアクターの接種は、晶結剤中の毒素及び/又はその他成長副生成物の存在を確保し、潜在的な汚染物質の増殖を防ぐために、20〜30リットルの活発に成長する培養物により行うか、又は、濃縮Pichia上澄みを用いて行う。さらに、接種は、発酵サイクルの開始中に、pHレベル2.5〜3.5で開始され、12時間後に4.5〜5.0に増やす。
発酵の温度とpHは重要ではないが、通常、温度は、約25〜37℃未満、好ましくは、約25〜30℃未満であり、pHレベルは、約3.0〜約5.0、好ましくは、約3.5〜約4.5である。発酵中のpHの安定は必要ないが、3.0未満に落ちた場合には、pHを3.5〜4.0まで上げることが推奨される。
必要であれば、発酵中のpHの制御及び維持は、手動で、或いは、塩基を添加する自動pHコントローラを用いる等、業界で通常の自動化技術を用いて行う。pHコントロールに用いられる好ましい塩基としては、これらに限られるものではないが、NaOHとKOHが挙げられる。
NYDB(水1リットル当たり栄養素ブロス10g、酵母エキス8g、デキストロース20g)、PDB(ポテトデキストロースブロス)、ME(モルトエキス)等の複合培地と、様々な炭素源、例えば、グルコース、スクロース、ソルビトール、糖蜜等が補充された化学的に定義された培地の両方を用いて、発酵によりPichiaを生成することができる。
しかしながら、必要であれば、以下に挙げた3つの主成分のみを含むものとして、培地のコストをさらに減じることができる。
Figure 2020528438
典型的な成長時間は48時間〜72時間であり、CFU濃度は、0.6〜1.0十億細胞/mlである。
出来合いの培養物は、多くの用途にとって最終生成物である。しかしながら、必要であれば、酵母細胞は、遠心分離、ろ過又は沈殿により収穫することができる。得られた酵母ペースト(湿潤バイオマス)は、塩、グリセロール、ラクトース、トレハロース、スクロース、アミノ酸を添加することにより保存して、保管中、長期の貯蔵寿命とすることができる。
大半の市販の酵母生成物は、高速遠心分離により生成された、液体培地から酵母細胞が分離される。集めた酵母細胞は、凍結乾燥、流動床乾燥やスプレー乾燥により乾燥することができる。乾燥生成物は、準備ができたら、水で再水和する。これらのステップによって、細胞壁が損傷し、細胞が死んでしまう。
酵母細胞を、使用前、長い間保管しなければならない場合は、好適な容器に入れ4℃で保管する。この方法を用いるときは、酵母細胞は、2日間で容器の下部に沈む。培地上澄みは、サイフォンで液体を吸い上げ、酵母細胞を覆う少量の上澄みを残す。こうした条件下で、6か月の保管後、Pichia細胞の生存率が大幅に減少することはない。
実施例2−PICHIA ANOMALA を用いたフィターゼ生成の計算
Pichia anomalaを、次の成長培地:糖蜜(4%)、尿素(0.2%)、ペプトン(2.5%)で、pHを5.0に調節し、72時間、発酵リアクターにて、成長させた。
フィチン酸を、ゴマ種子から、種を破壊、破砕することにより、取り出した。種部分(5g)を、10mLの水に加え、混合した。培地と細胞に、フィターゼが存在しているか試験した。0.2Mのグリシン緩衝剤を用いて、pHを4に調節し、フィチン酸のpHも4に調節した。
3日後、フィターゼ活性を、6つの異なる基準をつくって測定した。
0)水550マイクロリットル
1)50mMリン酸カリウム10マイクロリットルと水540マイクロリットル
2)50mMリン酸カリウム20マイクロリットルと水530マイクロリットル
3)50mMリン酸カリウム30マイクロリットルと水520マイクロリットル
4)50mMリン酸カリウム40マイクロリットルと水510マイクロリットル
5)50mMリン酸カリウム50マイクロリットルと水500マイクロリットル
15のフィチン酸ブランクを、500μLのフィチン酸、25μlの0.2Mグリシン緩衝剤と25μlの水を用いて調製した。
15のフィターゼサンプルを、25μLのフィチン酸、25μlの0.2Mグリシン緩衝剤と500μlの水を用いて調製した。
15のフィターゼサンプルを、500μLのフィチン酸、25μlの0.2Mグリシン緩衝剤と25μlのフィターゼを用いて調製した。
アセトン−モリブデン酸アンモニウム−HSO(50ml−25ml−25ml)の4ml溶液を、それぞれ6つの基準に添加した。
各サンプルとブランクを、37℃の水浴へ30分間移した。30分後、アセトン−モリブデン酸アンモニウム−HSOの4ml溶液を素早く各サンプルとブランクに添加して、リン酸塩を沈殿させた。次に、遠心分離して、300μlの上澄みを600μlの水で溶解した。
次に、500μlの全てのサンプル、ブランク及び基準をバリオスキャン機器のウェルプレートに充填して、吸光度を400nmで測定した。
基準値を3回測定し、平均を採った。基準0値を、基準1〜5の各値から引いて、リン酸塩の特定の濃度の吸光度に相関させた数を得た。基準のそれぞれの平均吸光度を表1に示す。サンプルとブランクの平均吸光度を表2に示す。
Figure 2020528438
Figure 2020528438
放出されたリン酸塩のミリモルを求めるために、フィターゼサンプルブランクの平均吸光度はフィチン酸ブランクの平均吸光度へ加算され、フィターゼサンプルの平均吸光度から差し引かれた。得られた数は、0.012ODであった。図1に基づくと、放出されたリン酸塩の値は、0.198mMであった。
(1)酵素活性の単位ml=(リン酸塩mM)×(希釈因子)/(時間)×(添加した酵素の量)
最後に、上式(1)により、リアクター中のフィターゼ濃度を計算したところ、792単位/mlであった。
実施例3−トリプル−Pのトマト苗への適用
トマト苗をトリプル−P生成物で処置した。トマト苗の高さが20〜25%高くなった。さらに、生成された実の数とサイズの両方が50%増えた。

Claims (20)

  1. 農業、園芸、家畜生産及び/又は養殖から選択される産業において、生産を向上する方法であって、1つ以上の生物学的に純粋なPichiaクレード酵母及び/又はその成長副生成物と、任意で、担体とを含む有効量の組成物を、前記選択した産業に関連のターゲット場所に適用することを含む、方法。
  2. 前記ターゲット場所は、植物、菌、動物及び/又はそれを取り巻く環境である、
    請求項1に記載の方法。
  3. バクテリア、ウイルス、菌、寄生虫、線虫が原因の感染、侵入、及び/又は疾病を防止及び/又は処置するのに用いる、
    請求項1に記載の方法。
  4. 線虫を制御するのに用いる、
    請求項3に記載の方法。
  5. 前記組成物は、土壌に適用される、
    請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法によって、作物収量が増大する、
    請求項5に記載の方法。
  7. 植物の栄養不足を処置及び/又は防止するのに用いる、
    請求項5に記載の方法。
  8. 前記栄養不足は、リン不足である、
    請求項7に記載の方法。
  9. 前記組成物は、ダイエタリーサプリメントとして、動物の餌及び/又は動物の飲料水と共に処方又はそれに適用される、
    請求項1に記載の方法。
  10. 前記動物の栄養不足を処置及び/又は防止するのに用いる、
    請求項9に記載の方法。
  11. 前記栄養不足は、リン不足である、
    請求項10に記載の方法。
  12. 前記組成物は、魚の環境に、又は養殖魚のダイエタリーサプリメントとして、魚の飼料に適用される、
    請求項1に記載の方法。
  13. 前記養殖魚の栄養不足を処置及び/又は防止するのに用いる、
    請求項12に記載の方法。
  14. 前記栄養不足は、リン不足である、
    請求項13に記載の方法。
  15. 前記酵母は、Pichia anomalaPichia kudriavzeviiPichia guilliermondii又はこれらの組み合わせである、
    請求項1に記載の方法。
  16. 前記酵母は、Pichia anomalaである、
    請求項15に記載の組成物。
  17. フルボ酸、フミン酸及びフミン酸塩から選択されるアジュバントをさらに含む、
    請求項1に記載の組成物。
  18. 微生物成長のための添加栄養素をさらに含む、
    請求項1に記載の組成物。
  19. 前記成長副生成物は、酵素、酸、溶剤、アルコール、タンパク質、ビタミン、ミネラル、微量元素、アミノ酸及び/又はバイオサーファクタントである、
    請求項1に記載の組成物。
  20. 前記微生物成長副生成物は、酵素フィターゼを含む、
    請求項1に記載の組成物。
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