JP2010273609A - 新規微生物および当該新規微生物を用いた油脂あるいは油脂含有物からの飼料製造法 - Google Patents

新規微生物および当該新規微生物を用いた油脂あるいは油脂含有物からの飼料製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、油脂そのものを栄養価の高い飼料にすること、さらに油脂含有物から油脂を分離することなく、高栄養価飼料化することである。
【解決手段】課題を解決するための手段として、ピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物を用いて油脂あるいは油脂含有物から微生物菌体を生産し、この微生物菌体を飼料あるいは飼料の組成の1つとする方法を提案するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物と当該微生物を用いた油脂あるいは油脂含有物からの飼料および飼料の製造方法に関する。
食生活の欧米化の影響あるいは大量製造が可能であるなどの利点から、油を使って焼く、揚げるなどの調理方法が多用されるようになっている。このため廃食品、食品製造過程で生じる廃棄物などの食品廃棄物において油脂が含まれることが多くなっている。
一方で食品廃棄物を有効利用しようとする試みも多く提案されている。これは廃棄物処理費用の削減や地球環境問題への取り組みなどが背景にあると考えられる。食品廃棄物の有効利用方法としては、堆肥化して農地に還元する方法、微生物を作用させてメタンやエタノールを製造する方法あるいは家畜や魚貝類の飼料にする方法などがある。
動植物や微生物などの生物から得られる油脂は一般的にトリグリセライドと称される物質であり、グリセロールの有する3つの水酸基に3分子の脂肪酸のカルボキシル基が1対1でエステル結合した物質である。食品分野では脂質や脂肪と称されることもある。油脂の分解過程は、最初にグリセロールの水酸基と脂肪酸のカルボキシル基との間のエステル結合が分解される。この最初の分解反応はリパーゼと呼ばれる一群の酵素が触媒する。トリグリセライドは脂肪酸1分子が遊離されてジグリセライドとなり、さらに脂肪酸1分子が遊離されてモノグリセライドを経て1分子のグリセロールと3分子の有機酸になる。
トリグリセライドの分解で生じた脂肪酸はβ酸化系と呼ばれる一連の酵素によって分解される。この分解反応は酸素を必要とする反応であり、酸素の少ない条件では脂肪酸の分解が遅くなる。従って通常、原料表面からの酸素供給が主である堆肥化反応においては、油脂分解が進まない。油脂分解のためには固体である堆肥原料を絶えず充分な攪拌状態に保つことが不可欠であり、これを実現するためには剪断力の大きな攪拌装置が必要であり、さらに攪拌のための動力も大きくなってしまい、現実的ではない。
微生物を作用させてメタンやエタノールを製造する反応は嫌気的な条件であり、酸素を必要とする脂肪酸の分解反応は、ほとんど起こらない。さらに油脂はメタン生成細菌に対して阻害的に働くとされている。またエタノール生成の直接的な基質は単糖であり、油脂はエタノールに変換されない。
油脂を含む廃棄物を家畜や魚貝類の飼料にする方法に関しては、例えば特許文献1や特許文献2がある。特許文献1の第2ページ段落番号〔0003〕には油脂を含む食品廃棄物は、腐敗し易く衛生上の問題があり、これをそのまま飼料として与えると豚などの肉質低下の原因となると記載がある。また一般的には牛などの草食動物に油脂を与えると下痢などの体調不調を引き起こすことが知られている。雑食性の動物であっても、油脂の含量が高い場合には、体調不調の原因となる。このため特許文献1では加温加熱処理を行って油脂を含む食品廃棄物から油脂を分離した後に飼料とする方法が提案されている。また分離した油脂は再度食品用などに利用することも記載されている。
特許文献2では油脂を分解する能力を有する麹菌等の糸状菌を作用させて油脂を分解して飼料化する方法が提案されている。油脂を含有する廃棄物、あるいは油脂を混合させた廃棄物が処理対象であり、油脂は分解されて発酵熱となり、この熱によって廃棄物中の水分を蒸発させることができると記載されている。また特許文献2の〔請求項18〕には用いる糸状菌として、Aspergillus属、Monascus属、Mucor属、Rhizopus属が記載されている。
油脂を含んだ飼料は比重が軽くなるので、魚貝類に与える場合には、水面に浮遊してしまう。このため養殖場の外に流出してしまうので、魚貝類に摂食され難いばかりでなく、環境汚染の原因ともなる。本発明によって油脂をタンパク質や炭水化物に変換することは、魚貝類などの水棲動物用の飼料を提供する有用な方法である。
特開2002-265981号公報 特開2002-336822号公報
「酵母のニューバイオテクノロジー」、秋山裕一監修、バイオインダストリー協会編集、株式会社 医学出版センター、1990年。 「数値で見る生物学」、R.Flindt著、浜本哲郎訳、シュプリンガー・ジャパン株式会社、2007年。
本発明が解決しようとする課題は、油脂そのものを栄養価の高い飼料にすること、さらに油脂含有物から油脂を分離することなく、高栄養価飼料化することである。
課題を解決するための手段として、ピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物を用いて油脂あるいは油脂含有物から微生物菌体を生産し、この微生物菌体を飼料あるいは飼料の組成の1つとする方法を提案するものである。
油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物とは、油脂を分解し、菌体内に取り込んで代謝を行い、自身の菌体成分を合成し、生命活動のためのエネルギーを得ることのできる微生物と定義できる。また現象的には油脂を分解しながら増殖することが観察される。増殖とは微生物菌体が生産されることであり、油脂が微生物菌体を構成するタンパク質や多糖類などに変換されることである。
つまりピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物とは、油脂を分解しながら増殖することが確認される微生物のうち、分類学的にピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属する微生物である。
ピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)などの一般に酵母と称される微生物の菌体は、そのほとんどがタンパク質であることが知られている。例えば非特許文献1の12ページ表1には、乾燥酵母に含まれる粗タンパク質は46%、多糖類などの炭水化物に相当する可溶性無窒素物は35.4%、油脂に相当する粗脂肪は2.3%と記載されている。これらの値は非特許文献2の175ページ表2.5.2に示されたダイズの組成、タンパク質40%、脂質(油脂に相当する)18.8%、炭水化物24%と比較して、タンパク質と炭水化物の含量は同等であるが、油脂は低い値である。
以上のように本発明の方法によって油脂あるいは油脂含有物から微生物菌体を生産すれば、生産された微生物菌体は、動物用飼料原料あるいは食用の高タンパク質素材として用いられているダイズに相当するタンパク質と炭水化物を含有し、油脂はダイズの10分の1程度のものとなる。すなわち、低油脂で高タンパク質・炭水化物という栄養価の高い飼料となる。さらに酵母などは各種のビタミン類を合成することができるので、本発明の方法によって飼料にビタミン類を補給することも可能となる。従って、本発明の方法によって生産される微生物菌体を飼料あるいは飼料の組成の1つとすることで、油脂そのものを高栄養価の飼料にすること、あるいは油脂含有物から油脂を分離することなく、高栄養飼料化することが可能となる。
本発明の方法で油脂あるいは油脂含有物から生産される微生物菌体を単独あるいは混合して調製した飼料は、必要に応じて他の飼料と混合して用いることができる。一般的には、飼料中のタンパク質や炭水化物の含量を増加させるために、ダイズなどの豆類やトウモロコシ、麦類などが混合されているが、本発明によって得られる微生物菌体は、これらの豆類、トウモロコシ、麦類などの代替物質となる。この場合の混合方法は、本発明の方法で油脂あるいは油脂含有物から生産される微生物菌体をあらかじめ調製しておいて、別途用意した他の飼料と混合しても良い。また油脂あるいは油脂含有物に、別途用意した他の飼料をあらかじめ混合し、これにピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物を作用させて飼料を製造しても良い。あるいは両方法を組み合わせた方法でも構わない。
本発明の方法で飼料化できる油脂は、トリグリセライドを主成分とする物質あるいはその混合物であり、由来は動物(例えば牛、豚、羊など)、植物(例えば菜種、ヒマワリ種子、ダイズ、ゴマなど)、魚貝類(例えばイワシ、サケ)などの生物全般を挙げることができる。当然のことながら複数の生物種由来の油脂が混合されていても本発明の方法で飼料化することができる。
またトリグリセライドを主成分とする物質あるいはその混合物中に、トリグリセライドの分解過程で生じたジグリセライドやモノグリセライド、あるいは脂肪酸が含まれていても問題は無く、トリグリセライドと同様にピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物は、これらを資化して菌体を生産することができる。従って廃てんぷら油などのように、熱変性あるいは酸化分解を経た油脂であっても本発明の方法で飼料化することができる。
本発明の方法で油脂あるいは油脂含有物から生産される微生物菌体を単独あるいは混合して調製した飼料は、牛、馬、豚、鶏などの家畜動物、犬、猫、ネズミ類などの愛玩動物、あるいは魚貝類の飼料として利用することができる。また食品としての品質と安全性が確保できるならば、食用として用いることも可能である。
ピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物の代表例としては、受託番号FERMAP-21809あるいは受託番号FERM AP-21810の微生物をあげることができる。また同様に油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する配列番号1あるいは配列番号2に記載された塩基配列と99.3%以上の相同性を有するリボゾーマルリボ核酸の小サブユニット遺伝子を有する微生物を挙げることもできる。
本発明によれば、油脂そのものを低脂肪で高タンパク質・炭水化物の高栄養な飼料にすることが可能となり、さらに油脂含有物から油脂を分離することなく高栄養飼料化することも可能となる。この効果により、〔背景技術〕に前述した理由で堆肥化やメタンガス化などに不向きであった油脂や油脂を含む食品廃棄物などを再利用することが可能となる。
また油脂を含む食品廃棄物は、腐敗し易く衛生上の問題があり、これをそのまま飼料として与えると豚などでは肉質低下の原因となり、牛などの草食動物に油脂を与えると下痢などの体調不調を引き起こすことが知られている。従って油脂を含む食品廃棄物を飼料とするには、油脂を飼料から除去することが必要である。しかし油脂を飼料から除去するためには、加熱や加圧などにエネルギーを消費する。
本発明の方法によれば、油脂を微生物菌体、すなわちタンパク質や炭水化物を多く含み、各種のビタミン類をも含む物質に変換することができる。油脂は除去すべき物質ではなく、タンパク質、炭水化物さらにはビタミン類の原料と捉えることができる。(表1)には本発明の効果を他の従来技術と比較した結果を記載した。
Figure 2010273609
HNG-93株の26S rDNA-D1/D2 塩基配列の解析結果を示す分子系統樹である。図中のSIID-6717-01-26SがHNG-93株を示している。 MIZ-93株の26S rDNA-D1/D2 塩基配列の解析結果を示す分子系統樹である。図中のSIID-6717-02-26SがMIZ-93株を示している。 ピキア アノマーラ(Pichia anomala)HNG-93株を用いた油脂からの菌体生産実験の培養経過である。図中の白抜き四角と実線は乾燥菌体重量、黒丸と点線は培養液のpHを示す。
以下に本発明の具体的な実施例を挙げるが、本実施例は本発明の1部分を具体的に説明するためのものであって、本発明の内容を限定するものではない。
以下にピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物を探索した方法を記載する。
目的微生物の分離源としては、各種植物の花を用いた。花を採取し、花弁を取り除き乾熱小試験管に入れ、5mlの滅菌水を加えた。この試験管を超音波洗浄機に10分間浸し、微生物菌体の遊離を行った。この溶液を103〜4倍に希釈し、ポテト−デキストロース寒天(PDA)平板培地にて1週間培養した。培地には細菌の増殖を抑えるために抗生物質であるクロラムフェニコールを添加した。生育した微生物コロニーは顕微鏡を用いて観察し、酵母のみを選別した。これらはYeast-Malt(YM)寒天培地にて、増殖させ、菌体を掻きとり20%グリセロール含有生理食塩水に懸濁後、-80℃にて保存した。
花から分離された酵母は、大型試験管に基本培地10mlと油脂(オリーブ油あるいはラード)0.1gを加えオートクレーブ滅菌後、別に乾熱滅菌したCaCO30.05gを加えた培地にて培養試験を行った。26℃、200rpmで振とう培養し、培養時間72時間後に500μlサンプルを採取し、菌体生育量を580nmの濁度(OD580)にて測定した。基本培地は無機塩類のみを含み、その組成は、(NH4)2SO45.0g/L,K2HPO4 0.5g/L, MgSO4 0.25g/Lとした。
61株の酵母が得られ、このうちの51株について培養試験を行った。OD580の値が5以上のものを良好な生育を示す株として選抜を行った。オリーブ油を与えた実験で良好な生育を示す株は8株、動物性の半固体油脂であるラードを与えた実験では良好な生育を示す株が15株得られた。これらのうち、6株はいずれの油脂でも良好な生育が見られた。
オリーブ油およびラードの両方で良好な生育を示した酵母から2株(HNG-93株、MIZ-93株)を選抜し、種の同定を行った。同定試験は定法に従って、26SrDNA-D1/D2塩基配列の解析、簡易形態観察および生理・生化学的性状試験を行った。
HNG-93株の26S rDNA-D1/D2 塩基配列の解析結果を(図1)に示した。この分子系統樹よりHNG-93株はピキア アノマーラ(Pichia anomala)に近縁であると推定された。尚、図中のSIID-6717-01-26SはHNG-93株に対して26S rDNA-D1/D2 塩基配列の解析実験時に付与した番号である。また図中左下の線はスケールバー、系統枝の分岐に位置する数字はブートストラップ値、株名の末尾のTはその種の基準株(Type strain)であることを、NTはその種の新基準株 (Neotype strain)であることを、株名中の_はスペースを示している。
HNG-93株の簡易形態観察を行った結果、コロニーは、周縁の形状:全縁、隆起状態:円錐状、表面の形状:平滑、光沢および性状:バター様で湿性、色調:白色からクリーム色であった。顕微鏡観察では栄養細胞は球形から広楕円形であり、増殖は多極出芽によることが確認された。さらに25℃での培養14日目に、子嚢に2-4 個の帽子形の子嚢胞子が認められ、子嚢は溶解性で、子嚢の溶解後に、子嚢胞子の凝集も確認された。
HNG-93株の生理・生化学的性状試験の結果を(表2)に示した。表中のSIID-6717-01はHNG-93株に対して簡易形態観察および生理・生化学的性状試験実施時に付与した番号である。図1の結果、形態観察の結果および表2の結果よりHNG-93株はピキア アノマーラ(Pichia anomala)であると同定した。
MIZ-93株の26S rDNA-D1/D2 塩基配列の解析結果を(図2)に示した。この分子系統樹よりMIZ-93株はロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に近縁であると推定された。尚、図中のSIID-6717-02-26SはMIZ-93株に対して26S rDNA-D1/D2 塩基配列の解析実験時に付与した番号である。また図中左下の線はスケールバー、系統枝の分岐に位置する数字はブートストラップ値、株名の末尾のTはその種の基準株(Type strain)であることを、NTはその種の新基準株 (Neotype strain)であることを、株名中の_はスペースを示している。
MIZ-93株の簡易形態観察を行った結果、コロニーは、周縁の形状:全縁、隆起状態:中央突起状、表面の形状:平滑、光沢および性状:輝光で湿性、色調:明るい橙色であった。顕微鏡観察では栄養細胞は楕円形から長円形であり、増殖は出芽によることが確認された。平板培地で培養1ヶ月を経過しても有性生殖器官(sexual reproductive organ)の形成は認められなかった。
Figure 2010273609
MIZ-93株の生理・生化学的性状試験の結果を(表3)に示した。表中のSIID-6717-02はMIZ-93株に対して簡易形態観察および生理・生化学的性状試験実施時に付与した番号である。図2の結果、形態観察の結果および表3の結果よりMIZ-93株はロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)であると同定した。
Figure 2010273609
以下にピキア アノマーラ(Pichia anomala)HNG-93株を用いて油脂を炭素源およびエネルギー源とした培養実験について記載する。
培養は2Lの培地を含むジャー型攪拌培養装置を用いて行った。培地は、植物油(市販のサラダ油):10g/L、硝酸カリウム:5g/L、リン酸二カリウム:0.01g/L、塩化ナトリウム:10g/L、塩化カルシウム:10g/L、ホウ酸:50mg/L、硫酸銅・5水和物:6.3mg/L、ヨウ化カリウム:10mg /L、塩化鉄:20mg /L、塩化マンガン:3.4mg /L、モリブテン酸ナトリウム:20mg/L、塩化亜鉛:3.4mg /Lを含むものを用いた。通気量は0.25L/分、攪拌数は400rpm、培養温度は30℃とした。
培養実験の結果を図3に示した。図中、白抜き四角と実線で示した乾燥菌体重量は、培養96時間で7.4gとなった。この値は与えた植物油当り74%の収率であった。また培養終了後の培地には植物油の残存が認められなかった。
以下に実施例2で植物油を炭素源およびエネルギー源として培養したピキア アノマーラ(Pichia anomala)HNG-93株の微生物菌体の栄養的評価について記載する。
実施例2において培養96時間後の培養液を遠心分離処理して菌体を回収した。この菌体を用いて各種の栄養学的分析に供した。結果は表4に示した。表4よりピキア アノマーラ(Pichia anomala)HNG-93株の微生物菌体は、タンパク質と炭水化物に富み、油脂に相当する脂肪分が極めて低いことが明らかとなった。
Figure 2010273609
受託番号1
FERM AP-21809
受託番号2
FERM AP-21810

Claims (8)

  1. ピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物。
  2. ピキア アノマーラ(Pichia anomala)あるいはロドトルーラ パシフィカ(Rhodotorula pacifica)に属し、油脂を含有する食品廃棄物あるいは油脂を含有する食品原料を少なくとも炭素源およびエネルギー源として資化する能力を有する微生物。
  3. 配列番号1あるいは配列番号2に記載された塩基配列と99.3%以上の相同性を有するリボゾーマルリボ核酸の小サブユニット遺伝子を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の微生物。
  4. 受託番号FERM AP-21809あるいは受託番号FERM AP-21810であることを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の微生物。
  5. 請求項1、請求項2、請求項3または請求項4の微生物を単独あるいは混合して用いることを特徴とする油脂あるいは油脂を含有する食品廃棄物あるいは油脂を含有する食品原料からの微生物菌体の製造方法。
  6. 請求項5記載の方法で製造された微生物菌体。
  7. 請求項5記載の方法で製造された微生物菌体を含むことを特徴とする動物用飼料あるいは魚貝類用飼料。
  8. 請求項5記載の方法で製造された微生物菌体を混合することを特徴とする動物用飼料あるいは魚貝類用飼料の製造方法。
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