JP2020527284A - リチウム電池用の電解質組成物のための複素環式スルホニルフルオリド添加剤 - Google Patents

リチウム電池用の電解質組成物のための複素環式スルホニルフルオリド添加剤 Download PDF

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Abstract

(i)少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒;
(ii)少なくとも1種の導電性塩;
(iii)少なくとも1種の式(I)、
【化1】
Figure 2020527284

(式中、R、R及びRが、互いに独立して、H、又は置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−及び−OS(O)−から選択された1個以上の基を含有してもよいC〜C20炭化水素基であり、
、R及びRの少なくとも1つが、1個以上のS(O)F基で置換されている)
の化合物、及び
(iv)任意に1種以上の添加剤
を含有する、電解質組成物。

Description

本発明は、式(I)
Figure 2020527284
(式中、R、R及びRが下記のように定義される)
の化合物を電解質組成物に使用する方法、1種以上の式(I)の化合物を含有する電気化学セル用の電解質組成物、及びこのような電解質組成物を含む電気化学セルに関する。
電気エネルギーの貯蔵は、依然として関心が高まっている主題である。電気エネルギーの効率的な貯蔵により、有利なときに電気エネルギーを生成し、必要なときに使用することができる。二次電気化学セルは、化学エネルギーから電気エネルギーへのそれらの可逆的な変換及びその逆(充電可能性)のため、この目的によく適している。二次リチウム電池は、リチウムイオンの小さい原子量、及び他の電池システムと比較して得ることができる高いセル電圧(典型的に3〜5V)により、高いエネルギー密度及び比エネルギーを提供するので、エネルギー貯蔵のために特に重要である。そのため、これらのシステムは、携帯電話、ラップトップコンピューター、ミニカメラなど、多くの携帯電子装置の電源として広く使用されている。また、それらは自動車の電源としてますます使用されている。
リチウムイオン電池などの二次リチウム電池において、有機カーボネート、エーテル、エステル及びイオン液体は、導電性塩(単数又は複数)を溶媒和するための十分に極性の溶媒として使用されている。ほとんどの最新技術において、リチウムイオン電池は一般に、単一の溶媒ではなく、異なる有機非プロトン性溶媒の溶媒混合物を含む。
電解質組成物及び当該電解質組成物を含む電気化学セルの特定の特性を改善するために、電解質組成物は通常、溶媒(単数又は複数)及び導電性塩(単数又は複数)に加えて、さらなる添加剤を含む。通常の添加剤は、例えば、難燃剤、過充電保護添加剤、及び第1の充電/放電サイクル中に電極表面上で反応し、それにより電極上に膜を形成する膜形成添加剤である。この膜は、電解質組成物との直接接触から電極を保護し、それにより電気化学セルのサイクル挙動及び寿命を改善する。
JP 2014−127354 A1には、高い過充電保護特性及び電池性能の劣化抑制の両方を達成するための、リチウム電池用の電解質組成物のための様々な添加剤が開示されている。一部の添加剤は、2,4,6−トリオキソ[1,3,5]トリアジンをベースとし、ここで、トリアジン環の窒素原子は、炭酸エステル及びスルホニルアルキル基などの異なる有機基で置換されている。
JP 2014−127354 A1には、サイクル寿命を延長し、内部抵抗を改善するための添加剤を含有する電解質溶液が記載されている。添加剤は、異なる有機置換基、とりわけビニルスルホニル基で置換されている2,4,6−トリオキソ[1,3,5]トリアジンをベースとする。添加剤は、容量、抵抗及び出力特性に関する性能と耐久性の良好なバランスを有するリチウム二次電池を提供するために使用される。
JP 2014−127354 A1
二次リチウム電池などの電気化学セルの性能を改善するために知られている様々な添加剤にもかかわらず、電気化学セルの性能をさらに改善することに役立つ添加剤及び電解質組成物が依然として必要とされている。本発明は、良好な電気化学特性、例えば長いサイクル寿命、高い容量維持率、サイクリング中の低い抵抗の蓄積、及び良好な貯蔵安定性を有する電解質組成物及び電解質組成物用の添加剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は、良好な電気化学特性、例えば長いサイクル寿命、高い容量維持率及び良好な貯蔵安定性を有する電気化学セルを提供することを目的とする。
この目的は、
(i)少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒;
(ii)少なくとも1種の導電性塩;
(iii)少なくとも1種の式(I)、
Figure 2020527284
(式中、R、R及びRが、互いに独立して、H、又は置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−及び−OS(O)−から選択された1個以上の基を含有してもよいC〜C20炭化水素基であり、
、R及びRの少なくとも1つが、1個以上のS(O)F基で置換されている)
の化合物、及び
(iv)任意に1種以上の添加剤
を含有する電解質組成物により達成される。
さらに、この課題は、式(I)の化合物を電解質組成物に使用する方法、及びこのような電解質組成物を含む電気化学セルにより解決される。
式(I)の化合物を含有する電解質組成物を含む電気化学セルは、改善した容量維持率及び良好なサイクル性能を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明による電解質組成物は、
(i)少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒;
(ii)少なくとも1種の導電性塩;
(iii)少なくとも1種の式(I)
Figure 2020527284
(式中、R、R及びRが、互いに独立して、H、又は置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−及び−OS(O)−から選択された1個以上の基を含有してもよいC〜C20炭化水素基であり、
、R及びRの少なくとも1つが、1個以上のS(O)F基で置換されている)
の化合物、及び
(iv)任意に1種以上の添加剤
を含有する。
電解質組成物は、好ましくは少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒を成分(i)として、より好ましくは少なくとも2種の非プロトン性有機溶媒(i)を含有する。一実施態様によれば、電解質組成物は10種以下の非プロトン性有機溶媒を含有してもよい。
好ましくは、少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒(i)は、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状有機カーボネート、フッ素化及び非フッ素化のエーテル及びポリエーテル、フッ素化及び非フッ素化の環状エーテル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状アセタール及びケタール、フッ素化及び非フッ素化のオルトカルボン酸エステル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状のカルボン酸のエステル及びジエステル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状スルホン、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状ニトリル及びジニトリル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状ホスフェート、及びそれらの混合物から選択される。
非プロトン性有機溶媒(単数又は複数)(i)は、フッ素化されてもよいか、又はフッ素化されなくてもよい。「フッ素化」とは、非プロトン性有機溶媒(単数又は複数)が部分的にフッ素化されてもよいか、又は完全にフッ素化されてもよいことを意味する。「部分的フッ素化」とは、各分子の1個以上のHがF原子で置換されていることを意味する。「完全フッ素化」とは、各分子の全てのHがF原子で置換されていることを意味する。少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒はフッ素化及び非フッ素化の非プロトン性有機溶媒から選択されてもよく、すなわち、電解質組成物はフッ素化及び非フッ素化の非プロトン性有機溶媒の混合物を含有してもよい。
フッ素化及び非フッ素化の環状カーボネートの例は、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)及びブチレンカーボネート(BC)であり、ここで、1個以上のHがF及び/又はC〜Cアルキル基で置換されてもよく、例えば4−メチルエチレンカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネート(FEC)、及びシス−及びトランス−ジフルオロエチレンカーボネートである。好ましい環状カーボネートは、エチレンカーボネート、モノフルオロエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネート、特にエチレンカーボネートである。
フッ素化及び非フッ素化の非環状カーボネートの例は、ジ−C〜C10−アルキルカーボネートであり、ここで、各アルキル基が互いに独立して選択され、1個以上のHがFで置換されてもよい。フッ素化及び非フッ素化のジ−C〜C−アルキルカーボネートが好ましい。例としては、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、2,2,2−トリフルオロエチルメチルカーボネート(TFEMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、トリフルオロメチルメチルカーボネート(TFMMC)及びメチルプロピルカーボネートが挙げられる。好ましい非環状カーボネートは、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジメチルカーボネート(DMC)である。
本発明の一実施態様において、電解質組成物は、1:10〜10:1、好ましくは3:1〜1:1の質量比での任意にフッ素化の非環状有機カーボネートと環状有機カーボネートとの混合物を含有する。
フッ素化及び非フッ素化の非環状エーテル及びポリエーテルの例は、フッ素化及び非フッ素化のジ−C〜C10−アルキルエーテル、ジ−C〜C−アルキル−C〜C−アルキレンエーテル、及びポリエーテル、及び式R’−(O−CF2−p−R’’(式中、R’がC〜C10−アルキル基又はC〜C10−シクロアルキル基であり、ここで、アルキル基及び/又はシクロアルキル基の1個以上のHがFで置換されている;R’’がH、F、C〜C10−アルキル基又はC〜C10−シクロアルキル基であり、ここで、アルキル基及び/又はシクロアルキル基の1個以上のHがFで置換されている;pが1又は2である;qが1、2又は3である)のフッ素化エーテルである。
本発明によれば、フッ素化及び非フッ素化のジ−C〜C10−アルキルエーテルの各アルキル基は互いに独立して選択され、ここで、アルキル基の1個以上のHがFで置換されてもよい。フッ素化及び非フッ素化のジ−C〜C10−アルキルエーテルの例は、ジメチルエーテル、エチルメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(CFHCFCHOCFCFH)、及び1H,1H,5H−ペルフルオロペンチル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル(CFH(CFCHOCFCFH)である。
フッ素化及び非フッ素化のジ−C〜C−アルキル−C〜C−アルキレンエーテルの例は、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジグリム(ジエチレングリコールジメチルエーテル)、トリグリム(トリエチレングリコールジメチルエーテル)、テトラグリム(テトラエチレングリコールジメチルエーテル)、及びジエチレングリコールジエチルエーテルであり、ここで、アルキル基又はアルキレン基の1個以上のHがFで置換されてもよい。
好適なフッ素化及び非フッ素化のポリエーテルの例は、ポリアルキレングリコールであり、ここで、アルキル基又はアルキレン基の1個以上のHがFで置換されてもよく、好ましくはポリ−C〜C−アルキレングリコール及び特にポリエチレングリコールである。ポリエチレングリコールは、20モル%以下の1つ以上のC〜C−アルキレングリコールを共重合形態で含んでもよい。好ましくは、ポリアルキレングリコールは、ジメチル又はジエチルでエンドキャップされたポリアルキレングリコールである。好適なポリアルキレングリコール及び特に好適なポリエチレングリコールの分子量Mは、少なくとも400g/molであってもよい。好適なポリアルキレングリコール及び特に好適なポリエチレングリコールの分子量Mは、5000000g/mol以下、好ましくは2000000g/mol以下であってもよい。
式R’−(O−CF2−p−R’’のフッ素化エーテルの例は、1,1,2,2−テトラフルオロエチル−2,2,3,3−テトラフルオロプロピルエーテル(CFHCFCHOCFCFH)、及び1H,1H,5H−ペルフルオロペンチル−1,1,2,2−テトラフルオロエチルエーテル(CFH(CFCHOCFCFH)である。
フッ素化及び非フッ素化の環状エーテルの例は、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、及びそれらの誘導体、例えば2−メチルテトラヒドロフランであり、ここで、アルキル基の1個以上のHがFで置換されてもよい。
フッ素化及び非フッ素化の非環状アセタールの例は、1,1−ジメトキシメタン及び1,1−ジエトキシメタンである。環状アセタールの例は、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、及びそれらの誘導体、例えばメチルジオキソランであり、ここで、1個以上のHがFで置換されてもよい。
フッ素化及び非フッ素化の非環状オルトカルボン酸エステルの例は、トリ−C〜C−アルコキシメタン、特にトリメトキシメタン及びトリエトキシメタンであり、ここで、アルキル基の1個以上のHがFで置換されてもよい。好適な環状オルトカルボン酸エステルの例は、1,4−ジメチル−3,5,8−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタン及び4−エチル−1−メチル−3,5,8−トリオキサビシクロ[2.2.2]オクタンであり、ここで、1個以上のHがFで置換されてもよい。
フッ素化及び非フッ素化の非環状のカルボン酸のエステルの例は、エチル及びメチルホルマート、エチル及びメチルアセテート、エチル及びメチルプロピオナート、及びエチル及びメチルブタノエート、及びジカルボン酸のエステル、例えば1,3−ジメチルプロパンジオエートであり、ここで、1個以上のHがFで置換されてもよい。カルボン酸の環状エステル(ラクトン)の例はγ−ブチロラクトンである。フッ素化及び非フッ素化のカルボン酸のジエステルの例は、マロン酸ジアルキルエステル、例えばマロン酸ジメチルエステル、コハク酸ジアルキルエステル、例えばコハク酸ジメチルエステル、グルタル酸ジアルキルエステル、例えばグルタル酸ジメチルエステル、及びアジピン酸ジアルキルエステル、例えばアジピン酸ジメチルエステルであり、ここで、アルキル基の1個以上のHがFで置換されてもよい。
フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状スルホンの例は、エチルメチルスルホン、ジメチルスルホン、及びテトラヒドロチオフェン−S,S−ジオキシド(スルホラン)であり、ここで、アルキル基の1個以上のHがFで置換されてもよい。
フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状ニトリル及びジニトリルの例は、アジポジニトリル、アセトニトリル、プロピオニトリル、及びブチロニトリルであり、ここで、1個以上のHがFで置換されてもよい。
フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状ホスフェートの例は、トリアルキルホスフェート(ここで、アルキル基の1個以上のHがFで置換されてもよい)、例えばトリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート及びトリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフェートである。
より好ましくは、非プロトン性有機溶媒(単数又は複数)は、フッ素化及び非フッ素化のエーテル及びポリエーテル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状有機カーボネート、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状のカルボン酸のエステル及びジエステル、及びそれらの混合物から選択される。さらにより好ましくは、非プロトン性有機溶媒(単数又は複数)は、フッ素化及び非フッ素化のエーテル及びポリエーテル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状有機カーボネート、及びそれらの混合物から選択される。
別の実施態様によれば、電解質組成物は、フッ素化環状カーボネート、例えば1−フルオロエチルカーボネートから選択された少なくとも1種の溶媒を含有する。
別の実施態様によれば、電解質組成物は、少なくとも1種のフッ素化環状カーボネート、例えば1−フルオロエチルカーボネート、及び少なくとも1種の非フッ素化の非環状有機カーボネート、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート又はエチルメチルカーボネートを含有する。
本発明の電解質組成物は少なくとも1種の導電性塩(ii)を含有する。電解質組成物は、電気化学セルで起こる電気化学反応に関与するイオンを移動させる媒体として機能する。電解質中に存在する導電性塩(単数又は複数)(ii)は通常、非プロトン性有機溶媒(単数又は複数)(i)に溶媒和される。好ましくは、導電性塩はリチウム塩である。
導電性塩(単数又は複数)(ii)は、以下のものからなる群から選択されてもよい:
Li[F6−xP(C2y+1]、式中、xは0〜6の範囲の整数であり、yは1〜20の範囲の整数である;
Li[B(R)4]、Li[B(R)2(ORIIO)]及びLi[B(ORIIO)2]、式中、それぞれのRは、互いに独立して、F、Cl、Br、I、C1〜C4アルキル、C2〜C4アルケニル、C2〜C4アルキニル、OC1〜C4アルキル、OC2〜C4アルケニル、及びOC2〜C4アルキニルから選択され、ここで、アルキル、アルケニル及びアルキニルが1個以上のRIIIで置換されてもよく、RIIIはC1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル及びC2〜C6アルキニルから選択され、
(ORIIO)は、1,2−又は1,3−ジオール、1,2−又は1,3−ジカルボン酸、又は1,2−又は1,3−ヒドロキシカルボン酸に由来する二価基であり、この二価基は両方の酸素原子を介して中央のB原子と5又は6員環を形成する;
LiClO;LiAsF;LiCFSO;LiSiF;LiSbF;LiAlCl、Li(N(SOF))、リチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート;リチウムオキサラート;及び
一般式Li[Z(C2n+1SO]の塩、式中、m及びnは以下のように定義される:
Zが酸素及び硫黄から選択される場合、m=1であり、
Zが窒素及びリンから選択される場合、m=2であり、
Zが炭素及びケイ素から選択される場合、m=3であり、
nは1〜20の範囲の整数である。
二価基(ORIIO)が由来する好適な1,2−及び1,3−ジオールは、脂肪族又は芳香族であってもよく、任意に1個以上のF及び/又は少なくとも1つの直鎖又は分岐鎖の非フッ素化、部分的フッ素化又は完全フッ素化のC〜Cアルキル基で置換される、例えば1,2−ジヒドロキシベンゼン、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、シクロヘキシル−トランス−1,2−ジオール及びナフタレン−2,3−ジオールから選択されてもよい。このような1,2−又は1,3−ジオールの例は、1,1,2,2−テトラ(トリフルオロメチル)−1,2−エタンジオールである。
「完全フッ素化のC〜Cアルキル基」とは、アルキル基の全てのH原子がFで置換されていることを意味する。
二価基(ORIIO)が由来する好適な1,2−又は1,3−ジカルボン酸は、脂肪族又は芳香族のもの、例えばシュウ酸、マロン酸(プロパン−1,3−ジカルボン酸)、フタル酸又はイソフタル酸であってもよく、シュウ酸が好ましい。1,2−又は1,3−ジカルボン酸は任意に、1個以上のF及び/又は少なくとも1つの直鎖又は分岐鎖の非フッ素化、部分的フッ素化又は完全フッ素化のC〜Cアルキル基で置換される。
二価基(ORIIO)が由来する好適な1,2−又は1,3−ヒドロキシカルボン酸は、任意に1個以上のF及び/又は少なくとも1つの直鎖又は分岐鎖の非フッ素化、部分的フッ素化又は完全フッ素化のC〜Cアルキル基で置換される、脂肪族又は芳香族のもの、例えばサリチル酸、テトラヒドロサリチル酸、リンゴ酸、及び2−ヒドロキシ酢酸であってもよい。このような1,2−又は1,3−ヒドロキシカルボン酸の例は、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−2−ヒドロキシ−酢酸である。
Li[B(R]、Li[B(R(ORIIO)]及びLi[B(ORIIO)]の例は、LiBF、リチウムジフルオロオキサラトボレート、及びリチウムジオキサラトボレートである。
好ましくは、少なくとも1種の導電性塩(ii)は、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、LiBF、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート、LiClO、LiN(SO、LiN(SOCF、LiN(SOF)及びLiPF(CFCF、より好ましくはLiPF、LiBF及びLiPF(CFCFから選択され、より好ましくは、導電性塩はLiPF及びLiBFから選択され、最も好ましくは、導電性塩はLiPFである。
通常、少なくとも1種の導電性塩は、電解質組成物の全体に基づいて、少なくとも0.1m/lの最小濃度で存在し、好ましくは、少なくとも1種の導電性塩の濃度は0.5〜2mol/lである。
本発明の電解質組成物は、少なくとも1種の式(I)
Figure 2020527284
(式中、R、R及びRが、互いに独立して、H、又は置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−及び−OS(O)−から選択された1個以上の基を含有してもよいC〜C20炭化水素基であり、
、R及びRの少なくとも1つが、1個以上のS(O)F基で置換されている)
の化合物を成分(iii)として含有する。
、R及びRは、互いに独立して、H又はC〜C20炭化水素基であり、好ましくは、R、R及びRは、互いに独立して、H又はC〜C12炭化水素基である;より好ましくは、R、R及びRは、互いに独立して、H又はC〜C炭化水素基である;最も好ましくは、R、R及びRは、互いに独立して、H又はC〜C炭化水素基である。それぞれの場合において、炭化水素基は、置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−及び−OS(O)−から選択された1個以上の基を含有してもよい。
〜C20炭化水素基は、とりわけ、それぞれの場合に独立して、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、C〜Cアリール、及びC〜C20アラルキルから選択されてもよい。
ここで使用される「C〜C20アルキル」という用語は、1の自由原子価(free valence)を有する1〜20個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソ−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、イソ−ヘプチル、n−オクチル、イソ−オクチル、n−及びイソ−ノニル、n−及びイソ−デシル、n−及びイソ−ドデシル、n−及びイソ−テトラデシル、n−及びイソ−ヘキサデシル、n−及びイソ−ヘプタデシル(heptydecyl)、n−及びイソ−オクタデシルなどを意味する。好ましくはC〜C12アルキルであり、より好ましくはC〜Cアルキルであり、さらにより好ましくはC〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n−及びイソ−プロピルであり、最も好ましくはメチル及びエチルである。
ここで使用される「C〜C(ヘテロ)シクロアルキル」という用語は、1の自由原子価を有する飽和3〜6員炭化水素環を意味し、ここで、飽和環の1個以上のC原子が、互いに独立して、N、S、O及びPから選択されたヘテロ原子に置き換えられてもよい。C〜Cシクロアルキルの例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられ、シクロヘキシルが好ましい。C〜Cヘテロシクロアルキルの例は、オキシラニル、テトラヒドロフリル、ピロリジル、ピペリジル及びモルホリニルである。
ここで使用される「C〜C20アルケニル」という用語は、1の自由原子価を有する2〜20個の炭素原子を有する不飽和の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指す。不飽和とは、アルケニル基が少なくとも1つのC−C二重結合を含有することを意味する。C〜C20アルケニルには、例えば、エテニル、プロペニル、1−n−ブテニル、2−n−ブテニル、イソ−ブテニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、1−ヘプテニル、1−オクテニル、1−ノネニル、1−デセニル、1−ドデセニル、1−テトラデセニル、1−ヘキサデセニル、1−ヘプタデセニル、1−オクタデセニルなどが含まれる。好ましくはC〜C12アルケニル基であり、より好ましくはC〜Cアルケニル基であり、さらにより好ましくはC〜Cアルケニル基、例えばエテニル、プロペニル及びブテニルであり、最も好ましくはアリルとも呼ばれる1−プロペン−3−イルである。
ここで使用される「C〜C20アルキニル」という用語は、1の自由原子価を有する2〜20個の炭素原子を有する不飽和の直鎖又は分岐鎖炭化水素基を指し、ここで、この炭化水素基が少なくとも1つのC−C三重結合を含有する。C〜C20アルキニルには、例えば、エチニル、プロピニル、1−n−ブチニル、2−n−ブチニル、イソ−ブチニル、1−ペンチニル、1−ヘキシニル、1−ヘプチニル、1−オクチニル、1−ノニニル、1−デシニル、1−ドデシニル、1−テトラデシニル、1−ヘキサデシニル、1−ヘプタデシニル、1−オクタデシニルなどが含まれる。好ましくはC〜C12アルキニルであり、より好ましくはC〜Cアルキニルであり、さらにより好ましくはC〜Cアルキニルであり、最も好ましくはエチニル及び1−プロピン−3−イル(プロパルギル)である。
ここで使用される「C〜Cアリール」という用語は、1の自由原子価を有する芳香族5〜7員炭化水素環を表す。C〜Cアリールの例はフェニルである。
ここで使用される「C〜C20アラルキル」という用語は、1つ以上のC〜Cアルキルで置換されている芳香族5〜7員炭化水素環を表す。C〜C20アラルキル基は、合計で6〜20個のC原子を含有し、1の自由原子価を有する。自由原子価は芳香族環又はC〜Cアルキル基に位置してもよく、すなわち、C〜C20アラルキル基が芳香族部分又はこの基のアルキル部分を介して結合されてもよい。C〜C20アラルキルの例は、メチルフェニル、1,2−ジメチルフェニル、1,3−ジメチルフェニル、1,4−ジメチルフェニル、エチルフェニル、2−プロピルフェニルなどである。
好ましくは、C〜C20炭化水素基は、それぞの場合に独立して、C〜C12アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C12アルケニル及びC〜C12アルキニルから;より好ましくは、C〜C12アルキル、C〜Cシクロアルキル及びC〜C12アルケニルから;さらにより好ましくは、C〜C12アルキルから、特に好ましくはC〜Cアルキルから選択される。
〜C20炭化水素基は、置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−及び−OS(O)−から選択された1個以上の基を含有してもよい。好ましくは、C〜C20炭化水素基は、置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、より好ましくは、C〜C20炭化水素基は、置換されないか、又はF、CN及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されている。非置換及び置換のC〜C20炭化水素基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、CF、CHCF、CFCF、CHCN、CHCHCN、(CHCN、CHS(O)F、(CHS(O)F、(CHS(O)F、(CHS(O)F、(CHS(O)F、(CHS(O)F、(CH)S(O)F、CH(CH)S(O)F、CH(CH)CHS(O)F、(CH(CH)S(O)F、CS(O)F、CHS(O)F、CHCHS(O)F、及び
Figure 2020527284
である。
、R及びRの少なくとも1つは1個以上のS(O)F基で置換されており、好ましくは、R、R及びRの少なくとも2つは1個以上のS(O)F基で置換されており、より好ましくは、R、R及びRのそれぞれは1個以上のS(O)F基で置換されている。
1個以上のS(O)F基で置換されたC〜C20炭化水素基の例は、CHS(O)F、(CHS(O)F、(CHS(O)F、(CHS(O)F、(CHS(O)F、(CHS(O)F、CH(S(O)F)CH、CHCH(S(O)F)CH、CHCHCH(S(O)F)CH、CHCHCHCH(S(O)F)CH、CHCH(S(O)F)CHCH(S(O)F)、(CH)S(O)F、CH(CH)S(O)F、CH(CH)CHS(O)F、(CH(CH)S(O)F、CS(O)F、CHS(O)F、CHCHS(O)F、及び
Figure 2020527284
である。
1個以上のS(O)F基で置換された好ましいC〜C20炭化水素基は(CHS(O)Fであり、ここで、nが、それぞれの場合に独立して、1〜12の整数であり、(CH鎖の1個以上の水素がF、CN、OS(O)F及び/又はS(O)Fで置き換えられてもよく、N原子又はS(O)F基に直接結合されていない(CH鎖の1個以上のCH基が−O−、−C(O)O−、−OC(O)−及び/又は−OS(O)−で置き換えられてもよい。好ましくは、nは、1〜6の整数、例えば1、2、3、4、5又は6である。
好ましくは、R、R及びRは、独立して、H、及び1個以上のS(O)F基で置換されてもよいC〜C12アルキルから選択され、より好ましくは式(I)の化合物であり、ここで、R、R及びRが、独立して、H、及び1個以上のS(O)F基で置換されてもよいC〜Cアルキルから選択される;さらにより好ましくは式(I)の化合物であり、ここで、R、R及びRが、互いに独立して、1個以上のS(O)F基で置換されているC〜Cアルキルから選択される。
一実施態様によれば、R、R及びRの少なくとも1つは(CHS(O)Fであり、ここで、nが、それぞれの場合に独立して、1〜12の整数であり、(CH鎖の1個以上の水素がF、CN、OS(O)F及び/又はS(O)Fで置き換えられてもよく、N原子又はS(O)F基に直接結合されていない(CH鎖の1個以上のCH基が−O−、−C(O)O−、−OC(O)−及び/又は−OS(O)−で置き換えられてもよい;より好ましくは、R、R及びRの少なくとも2つは(CHS(O)Fであり、ここで、nが、それぞれの場合に独立して、1〜12の整数であり、(CH鎖の1個以上の水素がF、CN、OS(O)F及び/又はS(O)Fで置き換えられてもよく、N原子又はS(O)F基に直接結合されていない(CH鎖の1個以上のCH基が−O−、−C(O)O−、−OC(O)−及び/又は−OS(O)−で置き換えられてもよい;最も好ましくは、R、R及びRのそれぞれは(CHS(O)Fであり、ここで、nが、それぞれの場合に独立して、1〜12の整数であり、(CH鎖の1個以上の水素がF、CN、OS(O)F及び/又はS(O)Fで置き換えられてもよく、N原子又はS(O)F基に直接結合されていない(CH鎖の1個以上のCH基が−O−、−C(O)O−、−OC(O)−及び/又は−OS(O)−で置き換えられてもよい。
好ましい式(I)の化合物は、式(II)
Figure 2020527284
(式中、nは、それぞれの場合に独立して、1、2、3、4、5又は6である)
の化合物である。
式(I)及び(II)の化合物の例は、
Figure 2020527284
である。
式(I)の化合物の製造は当業者に知られている。式(I)の化合物は、Krutak,J.J.ら,J.Org.Chem.,第44巻,1979,3847〜3858頁に記載されているように製造されてもよい。
通常、電解質組成物は、合計で、電解質組成物の総質量に基づいて少なくとも0.01質量%、好ましくは少なくとも0.05質量%、より好ましくは電解質組成物の総質量に基づいて少なくとも0.1質量%の式(I)の化合物(単数又は複数)を含有する。電解質組成物において式(I)の化合物(単数又は複数)の総濃度の上限は、電解質組成物の総質量に基づいて、一般に10質量%、好ましくは5質量%であり、より好ましくは、式(I)の化合物(単数又は複数)の総濃度の上限は、電解質組成物の総質量に基づいて3質量%である。通常、電解質組成物は、電解質組成物の総質量に基づいて、合計で、0.01〜10質量%、好ましくは0.05〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%の式(I)の化合物(単数又は複数)を含有する。
本発明のさらなる課題は、電気化学セルに、例えば電気化学セルに使用される電解質組成物に、式(I)の化合物を使用する方法である。電解質組成物において、式(I)の化合物は、一般に添加剤として、好ましくは膜形成添加剤として及び/又は抗ガス剤(anti-gassing additives)として使用される。好ましくは、式(I)の化合物は、リチウム電池に、例えば電解質組成物の添加剤として、より好ましくはリチウムイオン電池に、さらにより好ましくはリチウムイオン電池用の電解質組成物に使用される。
式(I)の化合物が電解質組成物において添加剤として使用される場合、それらは通常、所望の量で、電解質組成物に添加される。それらは通常、上記の、及び好ましい態様として記載されている濃度で、電解質組成物に使用される。
本発明による電解質組成物は、任意に、少なくとも1種のさらなる添加剤(iv)を含有する。添加剤(単数又は複数)(iv)は、SEI形成添加剤、難燃剤、過充電保護添加剤、湿潤剤、HF及び/又はHO捕捉剤、LiPF塩の安定剤、イオン溶媒和促進剤、腐食防止剤、ゲル化剤などから選択されてもよい。1種以上の添加剤(iv)は式(I)の化合物と異なる。電解質組成物は、少なくとも1種、又は2種、3種又は3種を超える添加剤(iv)を含有してもよい。
難燃剤の例は、有機リン化合物、例えばシクロホスファゼン、有機ホスホルアミド、有機ホスファイト、有機ホスフェート、有機ホスホネート、有機ホスフィン、有機ホスフィナート、及びそれらのフッ素化誘導体である。
シクロホスファゼンの例は、日本化学工業からPhoslyte(商標)Eの商標で購入できるエトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼン、ヘキサメチルシクロトリホスファゼン、及びヘキサメトキシシクロトリホスファゼンであり、エトキシペンタフルオロシクロトリホスファゼンが好ましい。有機ホスホルアミドの例は、ヘキサメチルホスホルアミドである。有機ホスファイトの例は、トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスファイトである。有機ホスフェートの例は、トリメチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリス(2,2,2−トリフルオロエチル)ホスフェート、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)メチルホスフェート、及びトリフェニルホスフェートである。有機ホスホネートの例は、ジメチルホスホネート、エチルメチルホスホネート、メチルn−プロピルホスホネート、n−ブチルメチルホスホネート、ジエチルホスホネート、エチルn−プロピルホスホネート、エチルn−ブチルホスホネート、ジ−n−プロピルホスホネート、n−ブチルn−プロピルホスホネート、ジ−n−ブチルホスホネート、及びビス(2,2,2−トリフルオロエチル)メチルホスホネートである。有機ホスフィンの例は、トリフェニルホスフィンである。有機ホスフィナートの例は、ジメチルホスホネート、ジエチルホスフィナート、ジ−n−プロピルホスフィナート、トリメチルホスフィナート、トリメチルホスフィナート、及びトリ−n−プロピルホスフィナートである。
HF及び/又はHO捕捉剤の例は、任意にハロゲン化された環状及び非環状シリルアミンである。
過充電保護添加剤の例は、シクロヘキシルベンゼン、o−テルフェニル、p−テルフェニル、及びビフェニルなどであり、シクロヘキシルベンゼン及びビフェニルが好ましい。
ゲル化剤の例は、ポリマー、例えばポリビニリデンフルオリド、ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、ナフィオン、ポリエチレンオキシド、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアニリン、ポリピロール及び/又はポリチオフェンである。これらのポリマーは、液体電解質を準固体又は固体電解質に変換し、したがって、特にエージング中の溶媒保持を改善するために、電解質に添加される。
SEI形成添加剤は膜形成添加剤である。本発明によるSEI形成添加剤は、電極上で分解して、電解質及び/又は電極の劣化を防ぐ不動態化層を電極上に形成する化合物である。これにより、電池の寿命が大幅に延長される。好ましくは、SEI形成添加剤はアノード上で不動態化層を形成する。本発明におけるアノードは、電池の負極として理解される。好ましくは、アノードは、リチウム挿入グラファイトアノードなどのリチウムに対して1ボルト以下の還元電位を有する。化合物がアノード膜形成添加剤として適格かどうかを決定するために、グラファイト電極及び金属対電極、及び少量の前記化合物、典型的に0.1〜10質量%の電解質組成物、好ましくは0.2〜5質量%の電解質組成物を含有する電解質を含む電気化学セルを製造することができる。アノードとリチウム金属の間に電圧を印加すると、0.5Vと2Vの間で電気化学セルの微分容量を記録する。第1サイクル中に有意な微分容量、例えば1Vで−150mAh/Vが観察されたが、上記の電圧範囲で後続サイクルのいずれでもないか、又は本質的にない場合、化合物はSEI形成添加剤と見なすことができる。SEI形成添加剤は当業者に知られている。
一実施態様によれば、電解質組成物は少なくとも1種のSEI形成添加剤を含有する。より好ましくは、電解質組成物は、少なくとも1個の二重結合を含有する環状カーボネート;フッ素化エチレンカーボネート及びその誘導体;硫黄含有酸の環状エステル;オキサラート含有化合物;及びWO 2013/026854 A1に詳細に記載されている硫黄含有添加剤、特に12頁22行目〜15頁10行目に示される硫され黄含有添加剤から選択された少なくとも1種のSEI形成添加剤を含有する。
少なくとも1個の二重結合を含有する環状カーボネートには、二重結合が環の一部である環状カーボネート、例えば、ビニレンカーボネート及びその誘導体、例えばメチルビニレンカーボネート及び4,5−ジメチルビニレンカーボネート;及び二重結合が環の一部ではない環状カーボネート、例えばメチレンエチレンカーボネート、4,5−ジメチレンエチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及び4,5−ジビニルエチレンカーボネートが含まれる。少なくとも1個の二重結合を含有する好ましい環状カーボネートは、ビニレンカーボネート、メチレンエチレンカーボネート、4,5−ジメチレンエチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及び4,5−ジビニルエチレンカーボネートであり、ビニレンカーボネートが最も好ましい。
硫黄含有酸の環状エステルの例には、スルホン酸の環状エステル、例えばプロパンスルトン及びその誘導体、メチレンメタンジスルホネート及びその誘導体、及びプロペンスルトン及びその誘導体;及び亜硫酸に由来する環状エステル、例えばエチレンサルファイト及びその誘導体が含まれる。好ましい硫黄含有酸の環状エステルは、プロパンスルトン、プロペンスルトン、メチレンメタンジスルホネート、及びエチレンサルファイトである。
オキサラート含有化合物には、オキサラート、例えばリチウムオキサラート;オキサラトボレート、例えば、リチウムジメチルオキサラトボレート、及びビス(オキサラト)ボレートアニオン又はジフルオロオキサラトボレートアニオンを含む塩、例えばリチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロ(オキサラト)ボレート、アンモニウムビス(オキサラト)ボレート、及びアンモニウムジフルオロ(オキサラト)ボレート;及びリチウムテトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート及びリチウムジフルオロビス(オキサラト)ホスフェートを含むオキサラトホスフェートが含まれる。膜形成添加剤として使用するための好ましいオキサラート含有化合物は、リチウムビス(オキサラト)ボレート及びリチウムジフルオロ(オキサラト)ボレートである。
好ましいSEI形成添加剤は、オキサラトボレート、フッ素化エチレンカーボネート及びその誘導体、少なくとも1個の二重結合を含有する環状カーボネート、硫黄含有酸の環状エステル、及びWO 2013/026854 A1で詳細に記載されている硫黄含有添加剤である。より好ましくは、電解質組成物は、少なくとも1個の二重結合を含有する環状カーボネート、フッ素化エチレンカーボネート及びその誘導体、硫黄含有酸の環状エステル、及びオキサラトボレートから選択された少なくとも1種の添加剤を含有し、さらにより好ましくは、オキサラトボレート、フッ素化エチレンカーボネート及びその誘導体、及び少なくとも1個の二重結合を含有する環状カーボネートである。特に好ましいSEI形成添加剤は、リチウムビス(オキサラト)ボレート、リチウムジフルオロオキサラトボレート、ビニレンカーボネート、メチレンエチレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、及びモノフルオロエチレンカーボネートである。
電解質組成物がSEI形成添加剤(iv)を含有する場合、それは通常、電解質組成物の0.1〜10質量%、好ましくは0.2〜5質量%の濃度で存在する。
添加剤(iv)として添加された化合物は、電解質組成物及び電解質組成物を含むデバイスに複数の効果を有してもよい。例えば、リチウムオキサラトボレートはSEI形成を促進する添加剤として添加されてもよいが、それは導電性塩として添加されてもよい。
本発明の一実施態様によれば、電解質組成物は少なくとも1種の添加剤(iv)を含有する。さらなる添加剤(単数又は複数)(iv)の最小総濃度は、電解質組成物の総質量に基づいて、一般に0.005質量%であり、好ましくは、最小濃度は0.01質量%であり、より好ましくは、最小濃度は0.1質量%である。添加剤(単数又は複数)(iv)の最大総濃度は通常、電解質組成物の総質量に基づいて25質量%である。
好ましい電解質組成物は、この電解質組成物の総質量に基づいて、
(i)少なくとも74.99質量%の少なくとも1種の有機非プロトン性溶媒;
(ii)0.1〜25質量%の少なくとも1種の導電性塩;
(iii)0.01〜10質量%の少なくとも1種の式(I)の化合物;及び
(iv)0〜25質量%の少なくとも1種の添加剤
を含有する。
好ましくは、電解質組成物は非水性である。本発明の一実施態様において、電解質組成物の含水量は、それぞれの本発明の製剤の質量に基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、最も好ましくは30ppm未満である。含水量は、例えばDIN 51777又はISO760:1978に詳細に記載されている、カールフィッシャーによる滴定によって決定されてもよい。
本発明の一実施態様において、電解質組成物のHF含有量は、それぞれの本発明の製剤の質量に基づいて、好ましくは100ppm未満、より好ましくは50ppm未満、最も好ましくは30ppm未満である。HF含有量は、滴定によって決定されてもよい。
好ましくは、電解質組成物は作業条件で液体である;より好ましくは、それは1バール及び25℃で液体であり、さらにより好ましくは、電解質組成物は1バール及び−15℃で液体であり、特に、電解質組成物は1バール及び−30℃で液体であり、さらにより好ましくは、電解質組成物は1バール及び−50℃で液体である。このような液体電解質組成物は、屋外用途、例えば自動車バッテリーにおける使用に特に適している。
本発明の電解質組成物は、電解質製造分野において当業者に知られている方法により、一般に、上述したように、導電性塩(単数又は複数)(ii)を溶媒(単数又は複数)(i)の対応する混合物に溶解させ、1種以上の式(I)の化合物(iii)及び任意に1種以上の添加剤(iv)を添加することにより製造される。
電解質組成物は電気化学セルに使用されてもよく、好ましくは、それらはリチウム電池、二重層コンデンサ、又はリチウムイオンキャパシタに使用され、より好ましくは、それらは、リチウム電池、さらにより好ましくは二次リチウムセル、最も好ましくは二次リチウムイオン電池に使用される。
本発明の別の態様は、上記の、又は好ましい態様として記載されている電解質を含む電気化学セルである。
一般的には、電気化学セルは、
(A)少なくとも1種のアノード活物質を含むアノード、
(B)少なくとも1種のカソード活物質を含むカソード、及び
(C)上記の電解質組成物
を含む。
電気化学セルは、リチウム電池、二重層コンデンサ、又はリチウムイオンキャパシタであってもよい。このような電気化学セルの一般的な構造は、知られており、当業者にはよく知られており、電池において、例えばLinden’s Handbook of Batteries(ISBN 978−0−07−162421−3)に記載されている。
好ましくは、電気化学セルはリチウム電池である。ここで使用される「リチウム電池」という用語は、アノードがセルの充電/放電中のどこかでリチウム金属又はリチウムイオンを含む電気化学セルを意味する。このアノードは、リチウム金属又はリチウム金属合金、リチウムイオンを吸蔵及び放出する材料、又は他のリチウム含有化合物を含んでもよい;例えば、リチウム電池は、リチウムイオン電池、リチウム/硫黄電池、又はリチウム/セレン硫黄電池であってもよい。好ましくは、リチウム電池は、二次リチウム電池、すなわち、充電式リチウム電池である。
特に好ましくは、電気化学デバイスは、リチウムイオン電池、すなわち、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することができるカソード活物質を含むカソード、及びリチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することができるアノード活物質を含むアノードを含む二次リチウムイオン電気化学セルである。
電気化学セルは、少なくとも1種のカソード活物質を含むカソード(B)を含む。少なくとも1種のカソード活物質は、リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる材料を含み、リチウム遷移金属酸化物及びカンラン石構造のリチウム遷移金属ホスフェートから選択されてもよい。リチウムイオンを吸蔵及び放出することができる化合物又は材料は、リチウムイオン挿入化合物とも称される。
リチウム遷移金属ホスフェートの例は、LiFePO、LiNiPO、LiMnPO及びLiCoPOである;リチウムイオン挿入リチウム遷移金属酸化物の例は、LiCoO、LiNiO、LiMnO、層構造を有する混合リチウム遷移金属酸化物、マンガン含有スピネル、及びNi、Al及び少なくとも1つの第2の遷移金属のリチウム挿入混合酸化物である。
Mn及び少なくとも1つの第2の遷移金属を含有する混合リチウム遷移金属酸化物の例は、式(II)

Li1+e(NiaCobMncMd)1-eO2 (II)

(式中、aは、0.05〜0.9の範囲、好ましくは0.1〜0.8の範囲であり、
bは、0〜0.35の範囲であり、
cは、0.1〜0.9の範囲、好ましくは0.2〜0.8の範囲であり、
dは、0〜0.2の範囲であり、
eは、0〜0.3の範囲、好ましくは0超から0.3までの範囲、より好ましくは0.05〜0.3の範囲であり、
a+b+c+d=1であり、
Mは、Na、K、Al、Mg、Ca、Cr、V、Mo、Ti、Fe、W、Nb、Zr及びZnから選択された1種以上の金属である)
の層構造を有するリチウム遷移金属酸化物である。
式(II)のコバルト含有化合物は、NCMとも称される。
式(II)(式中、eが0を超える)の層構造を有する混合リチウム遷移金属酸化物は、過リチウム化ものとも称される。
式(II)の層構造を有する好ましい混合リチウム遷移金属酸化物は、固溶体を形成する化合物であり、ここで、LiM’O相(式中、M’が、Ni、及び任意にCo及びMnから選択された1種以上の遷移金属である)、及びLiMnO相が混合され、上記で定義された1種以上の金属Mが存在してもよい。1種以上の金属Mは、通常、少量、例えば、遷移金属酸化物に存在するリチウム以外の金属の総量に基づいて、最大10モル%のM、又は最大5モル%のM、又は最大1モル%で存在するので、それらは「ドーパント」又は「ドーピング金属」とも称される。1種以上の金属Mが存在する場合、それらは通常、遷移金属酸化物に存在するリチウム以外の金属の総量に基づいて、少なくとも0.01モル%、又は少なくとも0.1モル%の量で存在する。また、これらの化合物は、式(IIa)、
Figure 2020527284
(式中、M’が、Ni、及びMn及びCoから選択された少なくとも1種の金属であり、
zが、0.1〜0.8である)
で表され、ここで、Na、K、Al、Mg、Ca、Cr、V、Mo、Ti、Fe、W、Nb、Zr及びZnから選択された1種以上の金属が存在してもよい。
電気化学的には、Ni、及び存在する場合にLiM’O相中のCo原子は、それぞれ4.5Vvs.Li/Li未満の電圧でLiイオンのデインターカレーション及びインターカレーションを引き起こす可逆的な酸化及び還元反応に関与する一方、LiMnO相中のMnがその+4の酸化状態であるため、LiMnO相は、4.5Vvs.Li/Li以上の電圧で酸化及び還元反応にのみ関与する。したがって、電子はこの相のMn原子からではなく、酸素イオンの2p軌道から除去され、これにより、少なくとも第1の充電サイクルでOガスの形態で格子における酸素が除去される。
これらの化合物は、通常のNCMsと比較してエネルギー密度がより高いため、HE−NCMとも称される。HE−NCM及びNCMの両方とも、Li/Liに対して約3.0〜3.8Vの動作電圧を有するが、実際に完全充電を達成し、それらのより高いエネルギー密度から利益を得るために、HE−NCMsの活性化及びサイクルの両方に高カットオフ電圧を使用する必要がある。HE−NCMの活性化において、Li/Liに対する充電中のカソードの上限カットオフ電圧は、一般に少なくとも4.5V、好ましくは少なくとも4.6V、より好ましくは少なくとも4.7V、さらにより好ましくは少なくとも4.8Vである。電気化学セルの「充電中のLi/Liに対する上限カットオフ電圧」という用語は、電気化学セルが充電される電圧の上限を構成する、Li/Li参照アノードに対する電気化学セルのカソードの電圧を意味する。HE−NCMsの例は、0.33LiMnO・0.67Li(Ni0.4Co0.2Mn0.4)O、0.42LiMnO・0.58Li(Ni0.4Co0.2Mn0.4)O、0.50LiMnO・0.50Li(Ni0.4Co0.2Mn0.4)O、0.40LiMnO・0.60Li(Ni0.8Co0.1Mn0.1)O、及び0.42LiMnO・0.58Li(Ni0.6Mn0.4)Oである。
式(II)(式中、dがゼロである)の層構造を有するマンガン含有遷移金属酸化物の例は、LiNi0.33Mn0.67、LiNi0.25Mn0.75、LiNi0.35Co0.15Mn0.5、LiNi0.21Co0.08Mn0.71、LiNi0.22Co0.12Mn0.66、LiNi0.8Co0.1Mn0.1、LiNi0.6Co0.2Mn0.2、及びLiNi0.5Co0.2Mn0.3である。一般式(II)(式中、dがゼロである)の遷移金属酸化物がさらなるカチオン又はアニオンを大量に含有しないことが好ましい。
式(II)(式中、dがゼロを超える)の層構造を有するマンガン含有遷移金属酸化物の例は、0.33LiMnO・0.67Li(Ni0.4Co0.2Mn0.4)O、0.42LiMnO・0.58Li(Ni0.4Co0.2Mn0.4)O、0.50LiMnO・0.50Li(Ni0.4Co0.2Mn0.4)O、0.40LiMnO・0.60Li(Ni0.8Co0.1Mn0.1)O、及び0.42LiMnO・0.58Li(Ni0.6Mn0.4)Oであり、ここで、Na、K、Al、Mg、Ca、Cr、V、Mo、Ti、Fe、W、Nb、Zr及びZnから選択された1種以上の金属Mが存在してもよい。好ましくは、1つ以上のドーピング金属は、遷移金属酸化物に存在するリチウム以外の金属の総量に基づいて1モル%以下で存在する。
式(II)の他の好ましい化合物は、Niの多い化合物であり、ここで、Niの含有量が、存在する遷移金属の総量に基づいて少なくとも50モル%である。これには、式(IIb)、

Li1+e(NiaCobMncMd)1-eO2 (IIb)

(式中、aは、0.5〜0.9の範囲、好ましくは0.5〜0.8の範囲であり、
bは、0〜0.35の範囲であり、
cは、0.1〜0.5の範囲、好ましくは0.2〜0.5の範囲であり、
dは、0〜0.2の範囲であり、
eは、0〜0.3の範囲であり、
a+b+c+d=1であり、
Mは、Na、K、Al、Mg、Ca、Cr、V、Mo、Ti、Fe、W、Nb、Zr及びZnから選択された1種以上の金属である)
の化合物が含まれる。
式(IIb)のNiの多い化合物の例は、Li[Ni0.8Co0.1Mn0.1]O(NCM 811)、Li[Ni0.6Co0.2Mn0.2]O(NCM 622)、及びLi[Ni0.5Co0.2Mn0.3]O(NCM 523)である。
Mn及び少なくとも1種の第2の遷移金属を含有する混合リチウム遷移金属酸化物のさらなる例は、式(III)、

Li1+tM2-tO4-s (III)

(式中、sは0〜0.4であり、
tは0〜0.4であり、
Mは、Mn、及びCo及びNiから選択された少なくとも1種のさらなる金属であり、好ましくは、Mは、Mn及びNi及び任意にCoであり、すなわち、Mの一部はMnであり、Mの別の部分はNiであり、任意にMのさらなる部分はCoから選択される)
のマンガン含有スピネルである。
カソード活物質は、Ni、Al及び少なくとも1種の第2の遷移金属を含有するリチウム挿入混合酸化物から、例えばNi、Co及びAlのリチウム挿入混合酸化物から選択されてもよい。Ni、Co及びAlの混合酸化物の例は、式(IV)、

Li[NihCoiAlj]O2 (IV)

(式中、hは、0.7〜0.9、好ましくは0.8〜0.87、より好ましくは0.8〜0.85であり、
iは、0.15〜0.20であり、
jは、0.02〜10、好ましくは0.02〜1、より好ましくは0.02〜0.1、最も好ましくは0.02〜0.03である)
の化合物である。
カソード活物質は、LiMnPO、LiNiPO及びLiCoPOから選択されてもよい。これらのホスフェートは通常、カンラン石構造を示す。通常、これらのホスフェートの充電において、少なくとも4.5Vの上限カットオフ電圧を使用する必要がある。
好ましくは、少なくとも1種のカソード活物質は、Mn及び少なくとも1種の第2の遷移金属を含有する混合リチウム遷移金属酸化物;Ni、Al及び少なくとも1種の第2の遷移金属を含有するリチウム挿入混合酸化物;LiMnPO;LiNiPO;及びLiCoPOから選択される。
カソードは、導電性材料、例えば導電性炭素、及び通常の成分、例えばバインダーをさらに含んでもよい。導電性材料として適している化合物、及びバインダーは、当業者に知られている。例えば、カソードは、例えばグラファイト、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン及び上記の物質の少なくとも2種の混合物から選択された、導電性多形体形態の炭素を含んでもよい。さらに、カソードは、1種以上のバインダー、例えば、1種以上の有機ポリマー、例えばポリエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリブタジエン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイソプレン、及びエチレン、プロピレン、スチレン、(メタ)アクリロニトリル及び1,3−ブタンジエンから選択された少なくとも2種のコモノマーのコポリマー、特にスチレン−ブタンジエンコポリマー、及びハロゲン化(コ)ポリマー、例えばポリビニリデンクロリド、ポリビニルクロリド、ポロビニルフルオリド、ポリビニリデンフルオリド(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンのコポリマー、テトラフルオロエチレンとビニリデンフルオリドのコポリマー、及びポリアクリルニトリル(polyacrylnitrile)を含んでもよい。
本発明のリチウム電池中に含まれるアノードは、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することができるか、又はリチウムと合金を形成することができるアノード活物質を含む。例えば、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することができる炭素質材料は、アノード活物質として使用することができる。好適な炭素質材料は、グラファイト材料などの結晶性炭素材料、例えば天然黒鉛、黒鉛化コークス、黒鉛化MCMB、及び黒鉛化MPCF;無定形炭素、例えばコークス、1500℃未満で焼成されたメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、及びメソフェーズピッチ系炭素繊維(MPCF);硬質炭素及び炭素のアノード活物質(熱分解炭素、コークス、グラファイト)、例えば炭素複合材、燃焼有機ポリマー、及び炭素繊維である。
さらなるアノード活物質は、リチウム金属、及びリチウムと合金を形成することができる元素を含有する材料である。リチウムと合金を形成することができる元素を含有する材料の非限定的例には、金属、半金属、及びそれらの合金が含まれる。ここで使用される「合金」という用語は、2種以上の金属の合金と、1種以上の金属と1種以上の半金属の合金との両方を指すことを理解されたい。合金が全体として金属特性を有する場合、合金は非金属元素を含有してもよい。合金のテクスチャーには、固溶体、共晶(共晶混合物)、金属間化合物、又はそれらの2種以上が共存する。このような金属又は半金属元素の例には、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)、インジウム(In)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)、及びシリコン(Si)が含まれるが、これらに限定されるものではない。元素の長周期型周期表の第4族又は第14族の金属及び半金属元素が好ましく、特に好ましくは、チタン、シリコン及びスズ、特にシリコンである。スズ合金の例には、スズ以外の第2の構成元素として、シリコン、マグネシウム(Mg)、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロム(Cr)からなる群から選択された1種以上の元素を有するものが含まれる。シリコン合金の例には、シリコン以外の第2の構成元素として、スズ、マグネシウム、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロムからなる群から選択された1種以上の元素を有するものが含まれる。
さらに使用可能なアノード活物質は、シリコン系材料(silicon based materials)である。シリコン系材料には、シリコン自体、例えば無定形シリコン及び結晶シリコン、シリコン含有化合物、例えばSiO(式中、0<x<1.5)及びSi合金、及びシリコン含有組成物及び/又はシリコン含有化合物、例えばシリコン/グラファイト複合材及び炭素でコーティングされたシリコン含有材料が含まれる。シリコン自体は、様々な形態で、例えばナノワイヤ、ナノチューブ、ナノ粒子、フィルム、ナノポーラスシリコン又はシリコンナノチューブの形態で使用されてもよい。シリコンが集電体上に堆積されてもよい。集電体は、コーティングされた金属ワイヤ、コーティングされた金属グリッド、コーティングされた金属ウェブ、コーティングされた金属シート、コーティングされた金属ホイル又はコーティングされた金属プレートから選択されてもよい。好ましくは、集電体は、コーティングされた金属ホイル、例えばコーティングされた銅ホイルである。シリコンの薄膜は、当業者に知られている任意の技術により、例えばスパッタリング技術により、金属ホイル上に堆積されてもよい。シリコン薄膜を製造する1つの方法は、R.Elazariら;Electrochem.Comm.2012,14,21−24に記載されている。
他の使用可能なアノード活物質は、Tiのリチウムイオン挿入酸化物、例えばLiTi12である。
好ましくは、アノード活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することができる炭素質材料から選択され、特に好ましくはグラファイト材料である。別の好ましい実施態様において、アノード活物質は、リチウムイオンを可逆的に吸蔵及び放出することができるシリコン系材料から選択され、好ましくは、アノードは、SiO材料又はシリコン/炭素複合材を含む。さらに好ましい実施態様において、アノード活物質は、Tiのリチウムイオン挿入酸化物から選択される。
アノード及びカソードは、電極活物質、バインダー、任意に導電性材料及び増粘剤を必要に応じて溶媒に分散させることによって電極スラリー組成物を製造し、このスラリー組成物を集電体にコーティングすることにより製造されてもよい。集電体は、金属ワイヤ、金属グリッド、金属ウェブ、金属シート、金属ホイル又は金属プレートであってもよい。好ましくは、集電体は、金属ホイル、例えば銅ホイル又はアルミニウムホイルである。
本発明のリチウム電池は、それ自体が通常であるさらなる構成要素、例えばセパレータ、ハウジング、ケーブル接続などを含有してもよい。ハウジングは、任意の形状、例えば立方体又は円筒の形状、プリズムの形状であってもよいか、又は使用されるハウジングはポーチとして加工された金属−プラスチック複合フィルムである。好適なセパレータは、例えばガラス繊維セパレータ、及びポリマー系セパレータ、例えばポリオレフィンセパレータである。
一部の本発明のリチウム電池は、例えば直列接続又は並列接続で、互いに組み合わせることができる。直列接続が好ましい。本発明は、上記の本発明のリチウムイオン電池をデバイス、特にモバイルデバイスに使用する方法をさらに提供する。モバイルデバイスの例は、乗り物、例えば自動車、自転車、航空機、又は水上乗り物、例えばボート又は船である。モバイルデバイスの他の例は、携帯型のもの、例えばコンピューター、特にラップトップ、電話、又は例えば建設部門からの電動工具、特にドリル、電池駆動ドライバー又は電池駆動ステープラーである。また、本発明のリチウムイオン電池は、電力貯蔵に使用することもできる。
さらなる記述がなくても、当業者は上記の説明を最も広い範囲で利用できると想定される。したがって、好ましい実施態様及び実施例は、決して限定的な効果を全く有しない説明的な範囲としてのみ解釈されるべきである。
I.添加剤の製造
C.1
エタノール(EtOH)(800ml)中のエテンスルホニルフルオリド(22.2g、200mmol、1.0当量)及びスクシンイミド(20.2g、200mmol、1.0当量)の溶液に、氷浴温度で酢酸ナトリウム(AcONa)(3.33g、40.0mmol、0.2当量)を添加し、この混合物を室温で30分撹拌した。得られた懸濁液を水でクエンチし、エチルアセテート(EtOAc)で抽出し、バインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、白色固体としての生成物を得た(35.6g、収率84%)。
C.2
EtOH(400ml)中のエテンスルホニルフルオリド(11.1g、100mmol、1.0当量)及び1−メチルヒダントイン(11.5g、100mmol、1.0当量)の溶液に、氷浴温度でAcONa(1.67g、20.0mmol、0.2当量)を添加し、この混合物を室温で15時間撹拌した。得られた懸濁液を水でクエンチし、EtOAcで抽出し、バインで洗浄し、無水Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、白色固体としての生成物を得た(19.6g、収率86%)。
II.1
EtOH(950ml)中のエテンスルホニルフルオリド(70.8g、569mmol、3.0当量)及びシアヌル酸(25.0g、189mmol、1.0当量)の溶液に、氷浴温度でAcONa(15.8g、190mmol、1.0当量)を添加し、この混合物を室温で15時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、水、EtOH及びジエチルエーテル(Et2O)で洗浄した。生成物を減圧下で乾燥して白色固体として得た(81.6g、収率93%)。
C.3
CH2Cl2(400ml)中のトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート(25.0g、93mmol、1.0当量)及びトリエチルアミン(29.5g、288mmol、3.1当量)の溶液に、氷浴温度でメタンスルホニルクロリド(33.4g、288mmol、3.1当量)を添加し、この混合物を室温で15時間撹拌した。得られた懸濁液を濾過し、CH2Cl2で洗浄した。固体をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc)により精製して、白色固体としての生成物を得た(2.7g、収率6%)。
添加剤を表1にまとめている。
Figure 2020527284
II.電解質組成物
ELベース1の総質量に基づいて、12.7質量%のLiPF、26.2質量%のエチレンカーボネート(EC)及び61.1質量%のエチルメチルカーボネート(EMC)を含有するベース電解質組成物を製造した(ELベース1)。このELベース1製剤に10質量%のFECを添加した(ELベース2)。このELベース2製剤に異なる量の添加剤を添加した。添加剤の量を計算して、1mol/LのSOF基(化合物C.1、C.2及びII.1において)又はOSOCH(化合物C.3)を含有する電解質サンプルを得た。正確な組成を表2にまとめている。表2において、電解質組成物の総質量に基づく質量%としての濃度を示している。
III.電気化学セル
III.1 亜酸化ケイ素/グラファイトアノード
亜酸化ケイ素、グラファイト及びカーボンブラックを完全に混合した。CMC(カルボキシメチルセルロース)水溶液及びSBR(スチレンブタジエンゴム)水溶液をバインダーとして使用した。酸化ケイ素と、グラファイトとカーボンブラックとの混合物をバインダー溶液と混合し、十分な量の水を添加して電極製造に適しているスラリーを製造した。ロールコーターを使用して、このようにして得られたスラリーを銅ホイル(厚さ=18μm)上にコーティングし、室温で乾燥させた。Cuホイル上の電極のサンプル増量は、5mg cm−2に調整(fix)した。
III.2 テスト用セルの製造
上記のように製造した亜酸化ケイ素/グラファイト複合アノード、及び作用電極及び対電極としてのリチウム金属を含むコイン型ハーフセル(直径20mm、厚さ3.2mm)をそれぞれに組み立て、Ar充填グローブボックス中に密封した。さらに、上記のカソード及びアノード、及びセパレータを、アノード//セパレータ//Liホイルの順に重ね合わせて、コイン型ハーフセルを製造した。その後、0.15mLの異なる非水性電解質組成物をコイン型セル中に導入した。
IV.セルのテスト
亜酸化ケイ素/グラファイト複合アノードを含むコイン型ハーフセルのサイクル安定性
IIIに従って製造したコイン型ハーフセルを、室温で、1V〜0.03Vの範囲の電圧でテストした。最初の2つのサイクルにおいて、最初のリチウム化をCC−CVモードで行い、すなわち、0.01Cに達するまで0.05Cの定電流(CC)を適用した。5分間の休止時間後、0.05C超〜1Vまでの定電流で酸化脱リチウム化を行った。サイクリングにおいて、電流密度は0.5Cに増加させた。結果を表2にまとめている。230サイクル後の容量維持率[%]は、第2サイクル後の容量維持率に基づくものである。
Figure 2020527284

Claims (15)

  1. (i)少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒;
    (ii)少なくとも1種の導電性塩;
    (iii)少なくとも1種の式(I)、
    Figure 2020527284
    (式中、R、R及びRが、互いに独立して、H、又は置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−及び−OS(O)−から選択された1個以上の基を含有してもよいC〜C20炭化水素基であり、
    、R及びRの少なくとも1つが、1個以上のS(O)F基で置換されている)
    の化合物、及び
    (iv)任意に1種以上の添加剤
    を含有する、電解質組成物。
  2. 、R及びRの少なくとも2つが、1個以上のS(O)F基で置換されている、請求項1に記載の電解質組成物。
  3. 、R及びRのそれぞれが、1個以上のS(O)F基で置換されている、請求項1又は2に記載の電解質組成物。
  4. 前記C〜C20炭化水素基が、それぞれの場合に独立して、C〜C20アルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜C20アルケニル、C〜C20アルキニル、C〜Cアリール、及びC〜C20アラルキルから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  5. 前記C〜C20炭化水素基が、それぞれの場合に独立して、C〜C12アルキルから選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  6. 、R及びRの少なくとも1つが、(CHS(O)F(式中、nが、それぞれの場合に独立して、1〜12の整数であり、(CH鎖の1個以上の水素がF、CN、OS(O)F及び/又はS(O)Fで置き換えられてもよく、N原子又はS(O)F基に直接結合されていない(CH鎖の1個以上のCH基が−O−、−C(O)O−、−OC(O)−及び/又は−OS(O)−で置き換えられてもよい)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  7. 式(I)の化合物が、式(I.a)、
    Figure 2020527284
    (式中、nは、それぞれの場合に独立して、1、2、3、4、5又は6である)
    の化合物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  8. 式(I)の化合物が、
    Figure 2020527284
    である、請求項1から7のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  9. 前記電解質組成物が、前記電解質組成物の総質量に基づいて、0.01〜10質量%の式(I)の化合物を含有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  10. 前記電解質組成物が非水性である、請求項1から9のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  11. 前記非プロトン性有機溶媒(i)が、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状有機カーボネート、フッ素化及び非フッ素化のエーテル及びポリエーテル、フッ素化及び非フッ素化の環状エーテル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状アセタール及びケタール、フッ素化及び非フッ素化のオルトカルボン酸エステル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状のカルボン酸のエステル及びジエステル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状スルホン、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状ニトリル及びジニトリル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状ホスフェート、及びそれらの混合物から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  12. 前記少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒(i)が、フッ素化及び非フッ素化のエーテル及びポリエーテル、フッ素化及び非フッ素化の環状及び非環状有機カーボネート、及びそれらの混合物から選択される、請求項1から11のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  13. 前記少なくとも1種の導電性塩(ii)がリチウム塩から選択される、請求項1から12のいずれか一項に記載の電解質組成物。
  14. 式(I)
    Figure 2020527284
    (式中、R、R及びRが、互いに独立して、H、又は置換されなくてもよいか、又はF、CN、OS(O)F及びS(O)Fから選択された1つ以上の置換基で置換されてもよく、−O−、−S−、−C(O)O−、−OC(O)−及び−OS(O)−から選択された1個以上の基を含有してもよいC〜C20炭化水素基であり、
    、R及びRの少なくとも1つが、1個以上のS(O)F基で置換されている)
    の化合物を電気化学セル用の電解質組成物に使用する方法。
  15. 請求項1から13のいずれか一項に記載の電解質組成物を含む電気化学セル。
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