JP2020520927A - 表皮水疱症の治療および防止におけるコエンザイムq10製剤の使用 - Google Patents

表皮水疱症の治療および防止におけるコエンザイムq10製剤の使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、部分的には、コエンザイムQ10(CoQIO)の治療上有効量を含む医薬組成物の対象への局所投与を含む、表皮水疱症(EB)の治療の必要がある対象における表皮水疱症を治療する方法を対象とする。【選択図】図1

Description

関連出願
本出願は、2017年5月17日に出願の米国仮出願番号第62/507,773号の優先権を主張し、その内容全体はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
ジストロフィー型表皮水疱症研究協会(DebRA)によれば、生まれる5万人の新生児のうち1人は、表皮水疱症(EB)に罹患している。これは、全ての人種および民族集団にわたって見られ、全世界の男女両方で等しく見られる。EBは、軽度の機械的外傷後の皮膚および粘膜の水疱形成または断裂を特徴とする一群の遺伝的に決定された皮膚の脆弱性障害を含む。皮膚が裂けて水疱を形成する超微細構造レベルに基づいて、伝統的に遺伝性EBの3つの主要なグループ、すなわち、単純型EB、接合部型EBおよび栄養障害型EBがあると主張されていた。(Pearson,R.W.,1988)。2007年に、EBの診断および分類に関する第3回国際コンセンサス会議が、オーストリアのウィーン市で開催された。この会議の結果に基づいて、EBは、現在4つの主要な型に分類されており、混合型(キンドラー症候群)が第4の主要な型である。モノクローナルおよびポリクローナル抗体の入手のしやすさが分子診断技術の進歩と相まって、EBの少なくとも30の異なる亜型への下位分類をもたらした(Fine JD 2010)。
これらの病態の1つの特徴は、軽微な機械的外傷、摩擦または熱によって引き起こされる水疱形成または創傷であり、疾患の重症度は存在するEBの型に依存する。EBを有する個体は、水疱および/または創傷の治癒が著しく遅延し、これらは感染を起こしやすい。単純型EB(EBS)の全ての型は、表皮内で裂けて病変を形成する傾向を有する脆弱な傾向がある部位を有し(Hanna,Silverman,Boxall,Krafchik,1983)、一般的に、基礎ケラチノサイトの破壊から始まる。EBSは、通常、優性遺伝性であり、ケラチン5、14およびプレクチンをコードする遺伝子の障害が関与する。EBSの稀な型では、プレクチンの変異および筋ジストロフィーの可能性もあり得る。対照的に、EBの接合部型および栄養障害型は、表皮基底膜領域内または近くの構造的破壊の結果である。接合部型EB(JEB)において、皮膚の裂け目は、一様に、透明帯(真皮表皮接合部の狭く電子密度の低い上半分)内で生じる。JEBは、劣性遺伝疾患であり、ラミニン332、プレクチンおよびa6b4−インテグリンなどの表皮と真皮間の成分のための多くの遺伝子が関与する。栄養障害型EB(DEB)では、裂け目は常に、真皮表皮接合部の高電子密度の下半分である基底板のレベルの間で生じる(真皮上層)。(Fine JD.,Schachner LA,1995)。キンドラー症候群は、EB患者の約1%を占め、極度の脆弱性を有する皮膚の全ての層が関与する。
EB表現型は、皮膚病変の程度(限局型対汎発型)、病変の局所分布の特異的性質、皮膚に存在する形態的病変の種類、真皮外の疾患活動性の程度(存在する場合)および多様性、ならびに遺伝様式(常染色体優性、常染色体劣性)に基づいて、更に下位分類される。EBの全ての型は生涯にわたる再発性の水疱および/または創傷形成を特徴とし、これらは長引き、多くの場合感染を起こす。水疱は、口腔内、眼の表面、気道内、消化管内および/または尿生殖路内を含む皮膚表面上のどこでも形成し得る。慢性の水疱および創傷に加えて、外観を損なう瘢痕および身体障害性の筋骨格変形が生じ得る。
一部の型のEBは、標準的な寿命と関連付けられる。しかしながら、重篤なEBの幾つかの型では、EBの直接的または間接的な結果として、重度の病的状態を経験し、死亡率が著しく増加する。EBを有する多数の人々は、創傷による慢性失血、栄養摂取不良、鉄吸収不良、および慢性炎症による骨髄抑制に起因して貧血になる。他の患者は、セレンおよびカルニチンまたはビタミンDの欠乏を有し、このことは、それらに骨粗鬆症および/または心筋症を起こさせやすくする。重症の罹患患者は、多くの場合、最初の30年の間に死亡する。通常、すでに栄養が損なわれた貧血の患者における感染の繰り返しが、原因となる。EBの栄養障害型および接合部型における別の重い合併症は、青年期の間の高悪性度の扁平上皮癌の発症である。ほとんどの患者は、どれだけ早くおよびどれだけ積極的に原発性腫瘍が診断され、治療されたかに関係なく広範囲に及ぶ転移性疾患の結果として死亡する。気管喉頭の閉塞は、少数の全ての型の接合部型EB患者に対するリスクでもある。
皮膚病変(創傷)は、四肢の水疱から身体全体にわたるより汎発性の創傷におよび得る。創傷は、損傷の位置および/または原因に応じて単一の病変として発生し得るか、またはクラスターであり得る。EB患者における病変は、治療せずに放置すると広がり、回復しない傾向がある。典型的な創傷治癒(EBに罹患していない人々における)は、必須の役割を果たす免疫細胞、血小板、ケラチノサイト、線維芽細胞、およびマクロファージが関与する組織修復の予測可能な事象の組織化された連続的なプロセスである。(DemidovaーRice,et al.,2012)。DEBには2つの主要な型が存在し、一方は優性であり、他方は劣性であり、両方ともVII型コラーゲンの異常が関与する。EBを有する患者の皮膚における遺伝子異常は、決して解決し得ない生涯にわたる皮膚の問題をもたらし、このことは、生活の質に著しく悪影響を与える。
正常な創傷治癒とは対照的に、EBを有する患者において観察されるものなどの慢性創傷は、治癒段階へ進行することのない持続性の悪化した炎症期を示す。(SchoberーFlores C.,2003)これらの創傷の長期にわたる慢性的な性質の結果として、それらは持続感染を起こしやすい。EBを有する患者は、疼痛および不快感に苦しみ、再発性の皮膚感染と戦い、それらの生活様式の選択が著しく制限され、多くの場合、貧血、栄養失調、便秘、骨粗鬆症、心筋症、癌、および他の苦痛を被る。EB患者は、それらの皮膚が環境要因(例えば、熱、湿度)および/または機械的ストレス(例えば、摩擦、外傷)による損傷を防止または修復する構造的および機能的タンパク質の適切な発現を欠いているため、標準治療創傷治療では効果的に治療することができず、EBが患者の皮膚の遺伝子変異によって引き起こされるためEBを治療する能力がない。
EBのいずれの型についても特異的な証明された治療法は存在せず、臨床的管理の中心は、創傷ケア、疼痛管理、および誘発因子の回避に基づく。現在のところ、遺伝性EBの治療は、基本的に支持的なものである。良好な局所療法が基本となり、主に滅菌包帯および局所抗生物質からなる。標準治療には、ワセリンを含浸させたガーゼまたは非接着性の合成包帯によって覆われるクリームまたは軟膏中の抗生物質の使用を含む。損傷を繰り返しやすい脆弱な領域は、チューブガーゼを厚く適用することによって保護される。かかる包帯は、通常毎日変えられる。軽度を超える感染が発生する場合、抗生物質の全身投与の間欠的なコースが必要とされる。
適切および十分な創傷ケアが、EB診断の型および病変の種類に関係なく効果的な管理のために不可欠なもののままである。正常に治癒する皮膚における創傷のために広範囲の創傷ケア製品が利用可能であるにもかかわらず、臨床の場においてEBに使用するためのそれらの実用性は、極めて限定的である。
したがって、EBのその様々な型における改善した治療選択肢の顕著な必要性が、当該技術分野においていまだに存在する。
本発明は、少なくとも部分的に、コエンザイムQ10(CoQ10)の局所適用を使用してEBを有する対象を治療ことができるという驚くべき発見に基づく。更に、CoQ10の局所適用は、EBを有する患者における皮膚の完全性および皮膚の創傷治癒を構造的および機能的に改善することができる。理論に拘束されるものではないが、本発明は、CoQ10の局所適用が、(EBでの水疱および/または創傷が通常停滞する)治癒の炎症期から増殖期および再構築期への移行を促進することができ、これにより、水疱および/または創傷が回復するのを可能にするという驚くべきかつ予想外の発見を報告する。本発明は、EBを有する患者を治療するための新規治療法を示す。
本発明の一実施形態では、局所CoQ10は、EB患者において欠損している構造的および/または機能的タンパク質の発現を変化させるために使用することができ、発現の修正は皮膚の構造的完全性を改善し得る。
本発明の別の実施形態は、その必要がある対象において表皮水疱症(EB)を治療する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の当該対象への局所投与を含み、当該対象の治療が、約4週間の治療期間でCoQ10の有効量の投与後に1つ以上の水疱および/または創傷のサイズの少なくとも約70%の減少をもたらす方法である。
本発明の別の実施形態は、表皮水疱症(EB)に関連する創傷の治療の必要がある対象において表皮水疱症に関連する創傷を治療する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の当該対象への局所投与を含む方法である。
本発明の更なる実施形態は、表皮水疱症に罹患している対象の皮膚の構造的完全性を改善する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の当該対象の皮膚への局所投与を含む方法である。
本発明の一実施形態は、EBに罹患している対象における皮膚の水疱および/または創傷の治癒速度を増加させる方法であって、コエンザイムQ10(CoQ10)の治療上有効量を含む医薬組成物の当該皮膚の水疱および/または創傷への局所投与を含む方法である。
別の実施形態では、本発明は、表皮水疱症に罹患している対象における扁平上皮癌を治療または防止する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の対象への局所投与を含む方法である。
上記実施形態のいずれかにおいて、表皮水疱症は、単純型表皮水疱症、接合部型表皮水疱症、栄養障害型表皮水疱症、またはキンドラー症候群である。
上記実施形態のいずれかにおいて、CoQ10を含む医薬組成物は、皮膚の水疱および/または創傷に適用される。上記実施形態のいずれかにおいて、CoQ10を含む医薬組成物は、インタクトな皮膚に適用される。別の実施形態では、局所医薬組成物は、軟膏、クリーム、エマルジョン、ローション、およびゲルからなる群から選択される製剤である。一実施形態では、局所医薬組成物は、クリームの形態である。この実施形態の一態様では、局所医薬組成物は、約1%〜約5%のCoQ10(w/w)を含有する。この実施形態の別の態様では、局所医薬組成物は、約3%のCoQ10(w/w)を含有する。
上記実施形態のいずれかにおいて、本発明のCoQ10医薬組成物の局所投与は、有効量のCoQ10による治療後にEBに罹患している対象に1つ以上の有益な効果を提供する。この実施形態の一部の態様では、1つ以上の有益な効果は、以下からなる群から選択される:EBに関連する疼痛の低減;EBに関連する炎症の低減;EBに関連する水疱および/または創傷のサイズの低減;EBに関連する水疱および/または創傷の数の低減;EBに関連する1つ以上の水疱および/または創傷の治癒速度の増加;EBに罹患している対象の皮膚の構造的完全性の増加;EBに関連する皮膚感染の数の低減;EBに関連する創傷の創傷閉鎖の増加;EBに関連する創傷の再上皮化の増加;EBに関連する創傷の肉芽形成の増加;EBに関連する水疱および/または創傷の表皮間隙距離の低減;EBに関連する水疱および/または創傷治癒の時間の低減;対象のEBを治療するために対象に投与される併用薬の量の低減;EBに関連する瘢痕化の低減;対象の皮膚におけるケラチノサイト生成の増加;ならびに対象の皮膚における線維芽細胞生成の増加。
一実施形態では、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の投与は、未治療の水疱および/または創傷と比較して水疱および/または創傷の治癒するまでの時間を低減する。別の態様では、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の投与は、未治療の水疱および/または創傷と比較して表皮水疱症の疾患活動性および瘢痕化指数(EBDASI)を使用した治癒の質を改善する。一実施形態では、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の投与は、未治療の皮膚と比較して皮膚の機械的外傷に対する耐性を増加させる。一実施形態では、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の投与は、未治療の皮膚と比較して皮膚の水疱および/または創傷の形成を低減する。別の実施形態では、CoQ10を含む組成物は、皮膚の水疱および/または創傷に適用される。別の実施形態では、CoQ10を含む組成物は、インタクトな皮膚に適用される。
別の態様では、本発明は、表皮水疱症に罹患している対象における皮膚の水疱および/または創傷の治癒を促進する方法であって、コエンザイムQ10(CoQ10)の治療上有効量を含む組成物の水疱および/または創傷への局所投与を含み、これにより、当該対象における皮膚の水疱および/または創傷の治癒を促進する方法を特徴とする。一実施形態では、CoQ10組成物で治療された水疱および/または創傷の再上皮化速度は、未治療の水疱および/または創傷の再上皮化速度と比較して増加する。一実施形態では、水疱および/または創傷の表皮間隙距離は、未治療の水疱および/または創傷の表皮間隙距離と比較して低減される。一実施形態では、CoQ10組成物で治療された水疱および/または創傷の表皮完全性の質は、未治療の水疱および/または創傷の表皮完全性の質と比較して改善される。別の実施形態では、表皮完全性の質は、水疱頂部の組織学的検査を使用して評価される。一実施形態では、CoQ10組成物で治療された水疱および/または創傷における1つ以上の構造タンパク質の発現レベルは、未治療の水疱および/または創傷における当該1つ以上の構造タンパク質の発現レベルと比較して調節される。別の実施形態では、上記1つ以上の構造タンパク質は、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、およびラミニンからなる群から選択される。さらなる実施形態では、上記ケラチンは、ケラチン13(KRT13)、ケラチン14(KRT14)、およびケラチン17(KRT17)からなる群から選択される。さらなる実施形態では、上記タンパク質は、ケラチン5、ケラチン14、プレクチン、ラミニン332、a6b4−インテグリン、およびVII型コラーゲンからなる群から選択される1つ以上のタンパク質である。
別の態様では、本発明は、表皮水疱症を有する対象を治療する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の対象への投与を含み、これにより、対象を治療する方法を特徴とする。一実施形態では、対象は、皮膚における1つ以上の構造タンパク質の発現に変化を有するものとして同定されている。別の実施形態では、上記1つ以上の構造タンパク質は、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、およびラミニンからなる群から選択される。別の実施形態では、上記ケラチンは、ケラチン13(KRT13)、ケラチン14(KRT14)、およびケラチン17(KRT17)からなる群から選択される。この実施形態のさらなる態様では、上記タンパク質は、ケラチン5、ケラチン14、プレクチン、ラミニン332、a6b4−インテグリン、およびVII型コラーゲンからなる群から選択される1つ以上のタンパク質である。さらなる実施形態では、1つ以上の構造タンパク質の発現は、対象の皮膚における線維芽細胞および/またはケラチノサイトの増加をもたらす。
別の態様では、本発明は、表皮水疱症に罹患している対象における扁平上皮癌を治療または防止する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の当該対象への局所投与を含み、これにより、対象における扁平上皮癌を治療または防止する方法を特徴とする。一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、対象の扁平上皮癌細胞に投与される。一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、対象の扁平上皮癌細胞を含む皮膚の領域に投与される。一実施形態では、扁平上皮癌は、皮膚扁平上皮癌(cSCC)である。この実施形態の一態様では、本発明の組成物は、追加の薬剤を投与される。この実施形態の一態様では、追加の薬剤は、化学療法薬である。この実施形態の一態様では、化学療法薬は、シスプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、トポテカン、またはエトポシドである。この実施形態の別の態様では、化学療法薬は、5−フルオロウラシルである。この実施形態の別の態様では、追加の薬剤は、ジクロフェナク、イミキモド、またはインゲノールメブテートである。この実施形態の別の態様では、追加の薬剤は、光線力学療法(PDT)で使用される薬物である。
前述の態様の一実施形態では、CoQ10を含む組成物の投与は、対象における1つ以上のタンパク質の発現を調節する。一実施形態では、上記タンパク質は、ストレスタンパク質または構造タンパク質である。別の更なる実施形態では、上記タンパク質は、トランスアルドラーゼ1、NM23タンパク質、熱ショック27kDaタンパク質1、ケラチン1、ケラチン14、ケラチン13、プロテアソームβ7、プロテアソーム活性化因子サブユニット3、およびRhoGDP解離阻害因子αからなる群から選択される。別の実施形態では、上記タンパク質は、以下からなる群から選択される:V−aktマウス胸腺腫ウイルス癌遺伝子相同体1(AKT1)、BCL2−関連アタノ遺伝子4(BAG4)、BCL2−関連Xタンパク質(BAX)、BCL2−様1(BCL2L1)、BCL2/アデノウイルスE1B19kDa相互作用タンパク質3(BNIP3)、カスパーゼ動員ドメインファミリーメンバー6(CARD6)、カスパーゼ6、アポトーシス関連システインペプチダーゼ(CASP6)、カスパーゼ7、アポトーシス関連システインペプチダーゼ(CASP7)、増殖停止およびDNA損傷誘導性α(GADD45A)、腫瘍タンパク質p53(TP53)、および腫瘍タンパク質p73(TP73)。
上記の態様または実施形態のいずれかの一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、1%〜5%のコエンザイムQ10を含む。一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%のコエンザイムQ10を含む。一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、約3%のコエンザイムQ10を含む。上記の態様または実施形態のいずれかの一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、追加の薬剤を含む第2の組成物と共に投与される。上記の態様または実施形態のいずれかの一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、追加の薬剤を更に含む。上記の態様または実施形態のいずれかの一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、いかなる追加の薬剤も含まず、すなわち、コエンザイムQ10は単独の活性薬剤である。
癌細胞および正常細胞の細胞増殖に対するコエンザイムQ10曝露濃度を増加させることの効果を示すグラフである。 増加する濃度のコエンザイムQ10(50μMまたは100μM)により処理されたSK−MEL−28メラノーマ細胞におけるイソクエン酸脱水素酵素(IDH−1)の発現を示す。図2Aは、IDH−1およびβ−アクチンをロードしている対照のウエスタンブロットの結果を示す。 図2Aに続き、図2Bは、対照に対するパーセントとしてのIDH−1発現の変化を示すグラフである。図2Bに示すように、SK−MEL−28細胞のコエンザイムQ10による処理は、IDH−1の発現の濃度依存的な増加に関連する。 SK−MEL−28メラノーマ細胞におけるATPクエン酸リアーゼ(ACL)の発現に対するコエンザイムQ10処理(50μMまたは100μM)の効果を示す。ヒト大動脈平滑筋細胞(HASMC)が、対照として使用された。図3Aは、ACLおよびβ−アクチンをロードしている対照のウエスタンブロットの結果を示す。 図3Aに続き、図3Bは、対照に対するパーセントとしてのACL発現の変化を示すグラフである。図3Aおよび図3Bに示すように、SK−MEL−28細胞のコエンザイムQ10による処理は、ACLの発現の濃度依存的な減少に関連する。 SK−MEL−28メラノーマ細胞におけるp53、pl4ARF、およびMDM2の発現に対するコエンザイムQ10の効果を示す。図4Aは、p53、P14ARF、およびMDM2、ならびにβ−アクチンをロードしている対照のウエスタンブロットの結果を示す。 図4Aに続き、図4Bは、対照に対するパーセントとしてのp53、P14ARF、およびMDM2発現の変化を示すグラフである。 12または24時間のコエンザイムQ10曝露(50μMまたは100μM)に応答してのSK−MEL−28細胞でのBcl−2、Baxおよびカスパーゼ3の発現の変化を示すウエスタンブロットである。Bcl−2、Bax、およびカスパーゼ3は、細胞死経路を制御するアポトーシス促進性および抗アポトーシス性のマーカーである。β−アクチンをロードしている対照が、使用された。コエンザイムQ10への曝露後に抗アポトーシス性のBCL−2タンパク質の濃度依存的な減少が観察され、コエンザイムQ10への曝露後にアポトーシス促進性のbaxの発現の濃度依存的な増加が観察された。 皮膚の表皮基底膜領域(BMZ)の構造を示す概略図である。 EBを有する患者における損傷した皮膚層を示す概略図である。 CoQ10クリーム投与前の1週目の1日目での左前下腿部の標的病変(15.17cmの大きさ)の写真を示す。 1週目の3日目での同一標的病変(11.2cmの大きさ)の写真を示す病変のサイズ減少に加えて、水疱内部の液体が顕著に減少した。 2週目の1日目での標的病変(9.1cmの大きさ)を示す。これらの写真の患者は、接合部型EB(非ヘルリッツ亜型)を有する。 CoQ10クリーム投与前の1週目の1日目での、1ヵ月前に患者に生じた左内股の標的病変(5.28cmの大きさ)の写真を示す。 水疱形成の顕著な減少および肉芽形成を示す3つの小さなびらんを示す2週目の1日目での標的病変(0.28cmの大きさ)を示す。 8週目の1日目に標的病変(0.25cmの大きさ)がほぼ完全に再上皮化したことを示す。これらの写真の患者は、Dowling−Meara亜型の単純型EBを有する。 CoQ10クリーム投与前の1週目の1日目での若干の肉芽形成を有する大きな水疱を有する下腿内側幹部の標的病変(36.96cmの大きさ)の写真を示す。 水疱形成の低減および肉芽形成の増加を有し、乾燥部分を有する2週目の1日目での標的病変(4cmの大きさ)を示す。 8週目の1日目での瘢痕のみが存在する標的病変(0cmの大きさ)を示す。これらの写真の患者は、接合部型EB(非ヘルリッツ亜型)を有する。 CoQ10クリーム投与前の1週目の1日目での境界周辺の肉芽形成を有する顕著な滲出物および血液を示す右上腹部の標的病変(21.76cmの大きさ)の写真を示す。 2週目の1日目での境界周辺の肉芽形成が大幅に増加した標的病変(15.19cmの大きさ)を示す。これらの写真の患者は、劣性栄養障害型EBを有する。 CoQ10クリーム投与前の1週目の1日目での幾つかの肉芽組織を形成したびらんを有する右前下腿部の標的病変(20.75cmの大きさ)の写真を示す。 1週目の3日目でのびらんの数が減少し、顕著に再上皮化した標的病変(14.4cmの大きさ)を示す。 8週目の1日目での更にびらんの数が減少し、再上皮化が増加した標的病変を示す。これらの写真の患者は、接合部型EBを有する。 水疱吸引CELLUTOMEシステムによる創傷形成の48時間後に撮影されたダーモスコープ画像を示す。散在性の紅斑が未治療の創傷(13A、13C)で観察されるが、治療された創傷には小さな発赤領域が存在するか、または発赤領域が存在しなかった(13B、13D)。 水疱吸引CELLUTOMEシステムによる創傷形成の48時間後に撮影されたダーモスコープ画像を示す。散在性の紅斑が未治療の創傷(13A、13C)で観察されるが、治療された創傷には小さな発赤領域が存在するか、または発赤領域が存在しなかった(13B、13D)。 水疱吸引CELLUTOMEシステムによる創傷形成の48時間後に撮影されたダーモスコープ画像を示す。散在性の紅斑が未治療の創傷(13A、13C)で観察されるが、治療された創傷には小さな発赤領域が存在するか、または発赤領域が存在しなかった(13B、13D)。 水疱吸引CELLUTOMEシステムによる創傷形成の48時間後に撮影されたダーモスコープ画像を示す。散在性の紅斑が未治療の創傷(13A、13C)で観察されるが、治療された創傷には小さな発赤領域が存在するか、または発赤領域が存在しなかった(13B、13D)。 図14Aは1週目に撮影されたRCM画像を示し、図14Bは、8週目に撮影されたRCM画像を示す。1週目では散在性の炎症細胞および組織の乱れたコラーゲン線維束(図14A)が存在するが、8週目では少数の炎症細胞、組織化されたコラーゲン線維束、および様々な角質細胞が観察される(図14B)。 図14Aは1週目に撮影されたRCM画像を示し、図14Bは、8週目に撮影されたRCM画像を示す。1週目では散在性の炎症細胞および組織の乱れたコラーゲン線維束(図14A)が存在するが、8週目では少数の炎症細胞、組織化されたコラーゲン線維束、および様々な角質細胞が観察される(図14B)。 図15Aは1週目に撮影されたRCM画像を示し、図15Bは、8週目に撮影されたRCM画像を示す。8週目では肉芽組織が、大きな角質細胞と共に創傷を覆っているが(図15B)、1週目では肉芽組織を有する一部の領域と共に炎症細胞が観察される(図15A)。 図15Aは1週目に撮影されたRCM画像を示し、図15Bは、8週目に撮影されたRCM画像を示す。8週目では肉芽組織が、大きな角質細胞と共に創傷を覆っているが(図15B)、1週目では肉芽組織を有する一部の領域と共に炎症細胞が観察される(図15A)。 図16Aは1週目に撮影されたRCM画像を示し、図16Bは、8週目に撮影されたRCM画像を示す。8週目ではより厚いコラーゲン線維束が存在する(図16B)が、1週目では細いコラーゲン線維束が存在する(図16A)。 図16Aは1週目に撮影されたRCM画像を示し、図16Bは、8週目に撮影されたRCM画像を示す。8週目ではより厚いコラーゲン線維束が存在する(図16B)が、1週目では細いコラーゲン線維束が存在する(図16A)。
現在、EBのいずれの型についても、特異的な証明された治療法は存在しない。EBの全ての型は、創傷を修復し、かつ治癒させる能力を有する治療法の使用を含む能動的管理を必要とする皮膚の持続性の水疱形成および創傷形成を特徴とする。EBにおける創傷は慢性的であり、創傷治癒に関連する典型的な段階を経て進行しない創傷を治癒させるのが困難である(Pope et al.,2013)。典型的な創傷は、治癒の以下の4つの段階を経て進行する:1)止血、2)炎症、3)増殖、および4)再構築。(Guo,et.al,2010)EBにおいて炎症期は、多くの場合、次の治癒段階を経て進行することなく延長される。増殖期は、感染、栄養失調、および組織酸素化状態によって、ならびに更にはコルチコステロイドなどの疾患の対症療法に通常使用される薬物によって引き起こされる代謝活性の減少により障害され得る(Marinkovich et al,2014)。EBにおいては、再構築も障害され得、このことが重篤な瘢痕化を引き起こす異常な創傷収縮をもたらす。創傷閉鎖および治癒に関連するケラチノサイト、線維芽細胞および内皮細胞などの主要な細胞種におけるミトコンドリア機能を標的とすることが、創傷治癒の改善を達成するための重要な手段であることが示唆された。ミトコンドリア代謝は、創傷修復のためのエネルギーを提供し、活性酸素種の生成を介してケラチノサイト分化を制御し、創傷治癒過程に重要な遺伝子の発現に影響を与える。(Feichtinger,et.al,2014)。
本発明は、コエンザイムQ10の局所適用がEBに罹患している患者を治療するのに使用することができるという驚くべき発見に基づく。一実施形態では、コエンザイムQ10の局所適用は、EBを有する患者の皮膚の水疱形成および/または創傷を治療するために使用され得る。EBを有する患者は、皮膚の構造タンパク質および機能タンパク質の発現および/または活性の異常および/または欠乏を特徴とする。特に、ある種の実施形態では、本発明は、皮膚において1つ以上の構造タンパク質、例えば、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、インテグリン、およびラミニンの発現の変化を有するEB対象の特定の集団を治療する方法を提供する。EBを有する対象の皮膚は、これらの構造タンパク質の発現および/または活性が損なわれているため、創傷(例えば、皮膚の水疱)の治癒過程は、EBに罹患している対象において独特である。様々な器官の上皮組織に対する消耗性の損傷に加えて、EBを有する患者は、成長遅延、貧血、筋ジストロフィー、および手足の変形を含む他の合併症に遭遇する。しかしながら、EBを有する成体の病的状態およびに死亡率の原因は、悪性腫瘍の発症率に関連し、そのうち皮膚扁平上皮癌(cSCC)が最も顕著である。本発明は、コエンザイムQ10(CoQ10)の局所適用が、EBを有する患者におけるcSCCを治療および/または防止するために使用することができるという驚くべき発見も報告する。
線維芽細胞およびケラチノサイトにおけるコラーゲン、プレクチン、ラミニン、ビメンチン、アネキシン、KRT13、KRT14、およびKRT17などの幾つかの構造タンパク質の発現を増加させることを実証した、本発明のコエンザイムQ10を含む医薬組成物の局所投与。また、CoQ10の局所適用が炎症性サイトカイン(IL6)の上方調節を阻止し、SCC細胞の増殖を減少させることも示した。
1.定義
特に明記しない限り、本願明細書において使用される全ての用語は以下の意味を有し、本発明の当業者にとって当該用語が有する同一の意味と一致する。実務者は特に、当該技術分野の定義および用語について、Sambrook et al.(1989)Molecular Cloning: A Laboratory Manual (Second Edition),Cold Spring Harbor Press,Plainview,N.Y.およびAusubel F M et al.(1993)Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,New York,N.Y.,を参照されたい。記載される特定の方法論、プロトコールおよび試薬は異なり得るため、本発明は、これらに限定されないことを理解すべきである。
本明細書において使用される「1つの(a)」および「1つの(an)」という冠詞は、1つのまたは1つより多い(すなわち、少なくとも1つの)、冠詞の文法的目的語を指すために使用される。
用語「含む」は、語句「限定されないが含む」を意味するように本明細書で使用され、それと同義的に使用される。
用語「または」は、文脈から他に明示がなければ、用語「および/または」を意味するように本明細書で使用され、それと同義的に使用される。
本明細書で使用する場合、用語「対象」は、ヒトまたは非ヒト動物、好ましくは哺乳動物を意味し得る。好ましい実施形態では、対象はヒトである。
本明細書で使用する場合、用語「薬剤」または「追加の薬剤」は、表皮水疱症および/またはEBに関連する状態もしくは症状、例えば、疼痛、炎症、失血、創傷治癒などを治療するのに有用であり得る化合物または組成物を意味する。「薬剤」および「追加の薬剤」は、EBに関連する疾患または障害、例えば、扁平上皮癌(SCC)、貧血などの治療を更に含み得る。
本明細書で使用する場合、用語「治療」、「治療する」などは、一般に、EBに関連するか、またはEBによって引き起こされる任意の症状の改善を意味するように本明細書において使用される。本明細書で使用する場合、「治療」は、CoQ10組成物の投与後、以下のうちの1つ以上を経験する対象を指し得る:特に、EBに関連する疼痛の低減、EBに関連する炎症の低減、水疱および/または創傷形成の低減、水疱および/または創傷の治癒速度の増加、創傷閉鎖の速度の増加、皮膚完全性の増加(すなわち機械的ストレスまたは環境ストレスに起因する断裂または水疱形成の可能性の減少)、慢性の水疱および/または創傷の数の低減、EB症状のコントロールに必要とされる併用薬の数の低減、および、感染を起こす水疱および/または創傷の数の低減。これらの症状のいずれかの改善は、当該技術分野において公知の標準的方法および技術により容易に評価され得る。疾患の方法によって治療される対象の集団は、EBの任意の型に罹患している対象を含む。EBが遺伝子疾患であるため、「治療する」は根治的手段を含まない。
本明細書で使用する場合、用語「予防する」は、疾患または障害の発症または進行を、全体的にまたは部分的に予防するか、または遅らせることを指すように本明細書において使用される。本明細書で使用する場合、予防することは、以下のうちの1つ以上を達成することを指すことを意図する:(a)疾患または障害の重症度の進行速度を低減するか、または遅らせること、および(b)一般にEB患者の部分母集団の発症までの平均時間と比較して、疾患または障害の発症を予防するか、または遅らせること。
本明細書で使用する場合、用語「治療期間」は、対象が特定の水疱、創傷、および/または無傷の皮膚にCoQ10組成物を投与する期間を指すように本明細書において使用される。治療期間は、水疱および/または創傷が治癒および回復するために必要とされるのと同程度に長くなければならない。典型的には、治療期間は約1〜約12週間続くが、特定の水疱および/または創傷についてはより長くてもよい。EBは治療法がない遺伝子疾患であり、EBに罹患している対象は、いつでも新たな水疱および/または創傷を生じさせ得るため、これらのうちのいずれかは、標準治療手法で治療される場合、慢性的であり得る。対象は、いつでも本発明のCoQ10組成物の投与を必要とする複数の水疱および/または創傷を有し得ること、および治療開始日および治療終了日は、各患部で一致しなくてもよいことが想像される。更に、予防的使用について、本発明のCoQ10組成物の投与のための治療期間は、慎重なエンドポイントを有さなくてもよいが、対象の治療を監督している医師によって決定される。
本明細書で使用する場合、本発明のCoQ10組成物に関して、用語「治療上有効量」は、所望の生物学的、薬学的、または治療的成果を引き起こすのに十分な量を指す。その結果は、疾患または障害の徴候または症状の緩和、または生物学的系の任意の他の望ましい変化であり得る。本発明の一実施形態では、上記結果は、創傷閉鎖の割合を増加させること、治癒するまでの時間の短縮、治癒の質の改善、表皮間隙距離の減少、ならびに/または皮膚完全性の改善を含むことを含む水疱および/または創傷の治癒の促進および/もしくは改善を含む。
本明細書で使用する場合、用語「皮膚の水疱形成」、「皮膚水疱」、または「水疱」は、皮膚の上層(表皮層および真皮層)における特定の種類の創傷を指すことを意図する。EBにおいては、軽微な外傷、摩擦、または熱が皮膚に加えられるときに、1つ以上の皮膚水疱が形成され得る。
本明細書で使用する場合、「創傷」という用語は、切りつけ、打撃、または他の衝撃、通常は皮膚が切られるか、または傷つけられるものによって引き起こされる生体組織への損傷を指すことを意図する。同義語としては、皮膚の「病変」、「裂傷」、「深い傷」、および/または「裂け目」が挙げられる。
EBの型に応じて、皮膚の水疱および/または創傷は、(1)表皮の基底層内での皮膚の裂け目、(2)表皮基底膜領域(表皮と真皮間の臨界界面)の透明帯のレベルで生じる皮膚および粘膜の裂け目、および/または(3)係留線維のレベルでの真皮内での基底板下の裂け目に起因して形成され得る。いずれの水疱および/または創傷も、急性または慢性であり得る。
本明細書で使用する場合、用語「無傷の皮膚」は、水疱および/または創傷のない皮膚を指す。ある種の実施形態では、無傷の皮膚は、表皮の基底層内に皮膚の裂け目がない皮膚、表皮基底膜領域の透明帯レベルに裂け目がない皮膚、または基底板下に裂け目がない皮膚を指す。
本明細書で使用する場合、用語「構造タンパク質」は、皮膚の上皮完全性を維持するタンパク質を指すことを意図する。ある種の実施形態では、構造タンパク質は、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、インテグリン、およびラミニンであり得る。一実施形態では、本発明の構造タンパク質は、異常または欠乏が表皮水疱症に関連するか、または表皮水疱症の原因となるタンパク質である。
本明細書で使用する場合、用語「機能タンパク質」は、皮膚の完全性を維持または再確立(例えば、治癒)するのに不可欠な活性を有するタンパク質を指すことを意図する。ある種の実施形態では、機能タンパク質は、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、インテグリン、およびラミニンであり得る。一実施形態では、本発明の機能タンパク質は、異常または欠乏が表皮水疱症に関連するか、または表皮水疱症の原因となるタンパク質である。
本明細書で使用する場合、用語「発現」は、DNAからポリペプチドが生成される過程を指すことを意図する。上記過程は、mRNAへの遺伝子の転写、およびこのmRNAポリペプチドへの翻訳を含む。「発現」は、使用される文脈に応じて、RNA、タンパク質、または両方の生成を指し得る。
用語「遺伝子の発現のレベル」または「遺伝子発現レベル」は、細胞内のmRNA、ならびにプレmRNA新生転写物(複数可)、転写物プロセシング中間体、成熟mRNA(複数可)および分解産物のレベル、または遺伝子によってコードされるタンパク質のレベルを指すことを意図する。
本明細書で使用する場合、「調節」という用語は、応答の上方調節(すなわち、活性化または刺激)もしくは下方調節(すなわち、阻害または抑制)、または組み合わせもしくは別々での両方を指すことを意図する。「モジュレーター」は、調節する化合物または分子であり、例えば、アゴニスト、拮抗薬、活性化因子、刺激因子、抑制因子、または阻害因子であり得る。
本明細書で使用する場合、用語「変化」は、増加または減少を指すことを意図する。ある種の実施形態では、変化は、タンパク質発現の増加または減少を指す。他の実施形態では、変化は、遺伝子発現の増加または減少を指す。
次に、本発明の好ましい実施形態が詳細に参照される。本発明は、好ましい実施形態と共に記載されるが、これは本発明をそれらの好ましい実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されよう。反対に、添付の請求の範囲に記載の本発明の趣旨および範囲内に含まれ得る全ての代替物、改変、および均等物をカバーすることが意図される。
2.医薬組成物および薬剤投与
a.コエンザイムQ10
用語「コエンザイムQ」および「CoQ10」は、本明細書全体にわたって互換的に使用される。CoQ10は、以下の構造を有する:
式中、xは10である。CoQ10には、ユビキノンまたはユビデカレノンとしても公知の完全に酸化されたバージョン、セミキノンまたはユビセミキノンとしても公知の部分的に酸化されたバージョン、もしくはユビキノールとしても公知の完全に還元されたバージョン、またはこれらの任意の混合物もしくは組み合わせが含まれる。ある種の実施形態では、本発明の方法に使用するためのCoQ10化合物は、ユビデカレノンである。
CoQ10は、当該技術分野において認識されており、更に、国際公開WO2005/069916(出願番号PCT/US2005/001581)、WO2008/116135(出願番号PCT/US08/57786)、WO2010/132507(出願番号PCT/US2010/034453)、WO2011/112900(出願番号PCT/US2011/028042)、およびWO2012/174559(出願番号PCT/US2012/043001)に記載されており、これらの各々の全内容は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。CoQ10は、真核細胞のミトコンドリア電子伝達系に存在する一連のポリプレニル2,3ージメトキシー5ーメチルベンゾキノン(ユビキノン)のうちの1つである。ヒト細胞は、もっぱらCoQ10を生成し、CoQ10は、細胞内および全てのヒト細胞のミトコンドリア膜に見出され、肝臓および心臓などエネルギー要求性の高い臓器で最も高いレベルを示す。
B.組成物
好ましい実施態様では、投与経路は、局所である。関連する実施形態では、本発明の組成物は、局所投与用の軟膏、クリーム、エマルジョン、ローション、およびゲルからなる群から選択される製剤である。この実施形態の一態様では、CoQ10を含む医薬組成物は、局所クリームである。
コエンザイムQ10を含む組成物は、水疱および/または創傷部位、水疱および/または創傷の一部または全体を含む皮膚領域に、無傷の皮膚に、または水疱および/または創傷部位ならびに無傷の皮膚(例えば、水疱および/または創傷を直接囲む無傷の皮膚)を含む皮膚表面全体に適用され得る。ある種の代表的実施形態では、CoQ10を含む組成物は、皮膚の水疱および/または創傷に適用される。他の例示的な実施形態では、CoQ10を含む組成物は、無傷の皮膚に適用される。ある種の実施形態では、CoQ10組成物は、水疱および/または創傷の各定期的包帯交換の後に適用される。
医薬製剤として有効成分、すなわちCoQ10を示すのが好ましい。有効成分は、局所投与について、最終製品の製剤の重量に対して約0.001%〜約20%w/wを占めてもよいが、製剤の30%w/wほど、好ましくは約1%〜約20%w/wを占めてもよい。本発明の局所製剤は、有効成分と共にそのための1つ以上の許容可能な担体および所望により任意の他の治療成分(複数可)を含む。担体(複数可)は、製剤の他の成分と相溶性があり、かつそのレシピエントに有害でないという意味において「許容可能で」なければならない。
関心対象の障害を示す対象、例えば、表皮水疱症を有する対象の治療において、これらなどの1つ以上の薬剤の治療上有効量が、投与される。治療上有効な投与量は、対象における症状の改善または生存の延長をもたらす本発明の化合物の量を指す。
本発明によるクリームは、外用の有効成分の半固体製剤であるこれらは、微細化または粉末形態の活性成分を単独または水性または非水性流体中溶液または懸濁液の形態で適当な機械を用いてグリース性または非グリース性基剤と混合することにより調製する。基剤は、炭化水素、例えば硬質、軟質または液体パラフィン、グリセロール、蜜蝋、金属石鹸;粘漿剤;天然起源の油、例えばアーモンド油、トウモロコシ油、落花生油、ヒマシ油またはオリーブ油;羊毛脂もしくはその誘導体、または脂肪酸、例えばステアリン酸またはオレイン酸を、アルコール、例えばプロピレングリコールまたはマクロゲルと一緒に含み得る。上記製剤は、アニオン性、カチオン性またはノニオン性界面活性剤、例えばソルビタンエステルまたはそのポリオキシエチレン誘導体のような界面活性剤を配合することができる。懸濁剤、例えば天然ゴム、セルロース誘導体または無機物質、例えば石英シリカ、およびその他の成分、例えばラノリンも含まれ得る。
本発明のある種の実施形態では、表皮水疱症の治療の必要がある対象において表皮水疱症を治療するための、コエンザイムQ10の有効量を当該対象に局所的に投与することによる方法が提供される。この実施形態の一態様では、当該対象は、皮膚の1平方センチメートルあたり約0.01〜約0.5ミリグラムのコエンザイムQ10の範囲で標的皮膚組織、例えば、皮膚水疱、創傷、または無傷の皮膚にコエンザイムQ10の局所投与量を投与される。一実施形態では、コエンザイムQ10は、皮膚の1平方センチメートルあたり約0.09〜約0.15mgのCoQ10の範囲で標的組織、例えば、皮膚水疱、創傷、または無傷の皮膚に適用される。各種の実施形態では、コエンザイムQ10は、皮膚の1平方センチメートルあたり約0.001〜約5.0、約0.005〜約1.0、約0.005〜約0.5、約0.01〜約0.5、約0.025〜約0.5、約0.05〜約0.4、約0.05〜約0.30、約0.10〜約0.25、または約0.10〜0.20mgのCoQ10の範囲で標的組織、例えば、皮膚水疱、創傷、または無傷の皮膚に適用される。他の実施形態では、コエンザイムQ10は、皮膚の1平方センチメートルあたり約0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.10、0.11、0.12、0.13、0.14、0.15、0.16、0.17、0.18、0.19、0.20、0.21、0.22、0.23、0.24、0.25、0.26、0.27、0.28、0.29、0.30、0.31、0.32、0.33、0.34、0.35、0.36、0.37、0.38、0.39、0.40、0.41、0.42、0.43、0.44、0.45、0.46、0.47、0.48、0.49、または0.5mgのCoQ10の投与量で標的組織、例えば、皮膚水疱、創傷、または無傷の皮膚に適用される。一実施形態では、コエンザイムQ10は、皮膚の1平方センチメートルあたり約0.12mgのCoQ10の投与量で、標的組織に適用される。上限または下限としてこれらの値のいずれかを有する範囲、例えば、皮膚の1平方センチメートルあたり約0.03〜約0.12、約0.05〜約0.15、約0.1〜約0.20、または約0.32〜約0.49mgのCoQ10は、本発明の一部であることも意図されることが理解されるべきである。
本発明の別の実施形態では、コエンザイムQ10は、CoQ10クリームの形態で投与され、ここで、当該CoQ10クリームは約0.1%〜25%の間のコエンザイムQ10を含む。他の実施形態では、CoQ10クリームは、約0.1%、0.5%、1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、5%、5.5%、6%、6.5%、7%、7.5%、8%、8.5%、9%、9.5%、10%、10.5%、11%、11.5%、12%、12.5%、13%、13.5%、14%、14.5%、15%、15.5%、16%、16.5%、17%、17.5%、18%、18.5%、19%、19.5%、20%、20.5%、21%、21.5%、22%、22.5%、23%、23.5%、24%、24.5%、または25%のコエンザイムQ10を含む。本発明の別の実施形態では、コエンザイムQ10は、CoQ10クリームの形態で投与され、ここで、当該CoQ10クリームは約1%〜5%のコエンザイムQ10を含む。一実施形態では、CoQ10クリームは、約3%のコエンザイムQ10を含む。他の実施形態では、CoQ10クリームは、約1%、1.5%、2%、2.5%、3%、3.5%、4%、4.5%、または5%のコエンザイムQ10を含む。上記実施形態の各種の態様では、CoQ10クリームは、皮膚の1平方センチメートルあたり約0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10ミリグラムのCoQ10クリームの投与量で投与される。上限または下限としてこれらの値のいずれかを有する範囲、例えば、皮膚の1平方センチメートルあたり約0.5〜約5.0、約1.5〜約2.5、または約2.5〜約5.5mgのCoQ10クリームは、本発明の一部であることも意図されることが理解されるべきである。
本発明のある種の態様は、表皮水疱症の治療の必要がある対象において表皮水疱症を治療するための、治療が生じるようにコエンザイムQ10を当該対象に局所的に投与することによる方法であって、当該コエンザイムQ10は、6週間以上の治療期間の間、24時間毎に1回以上局所適用される方法を提供する。本発明のある種の態様では、CoQ10クリームは、約1〜約12週間の治療期間の間、24時間毎に2回適用される。本発明のある種の態様では、CoQ10クリームは、約1〜約12週間の治療期間の間、24時間毎に1回適用される。本発明のある種の態様では、CoQ10クリームは、約1〜約12週間の治療期間の間、48時間毎に1回投与される。本発明のある種の態様では、CoQ10クリームは、約1〜約12週間の治療期間の間、週2回投与される。本発明の一実施形態は、表皮水疱症(EB)の治療の必要がある対象において表皮水疱症を治療する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の当該対象への局所投与を含み、当該対象の治療が、約4週間の治療期間のCoQ10の有効量の投与後に1つ以上の水疱および/または創傷のサイズの少なくとも約70%の減少をもたらす方法である。本発明の一実施形態は、表皮水疱症(EB)の治療の必要がある対象において表皮水疱症を治療する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の当該対象への局所投与を含み、当該対象の治療が、約4〜約8週間の治療期間のCoQ10の有効量の投与後に1つ以上の水疱および/または創傷のサイズの少なくとも約20%〜80%の減少をもたらす方法である。上記実施形態の一態様では、直下に記載の治療期間のいずれかについて水疱および/または創傷サイズの低減は、約20%、21%、22%、23%、24%、25%、26%、27%、28%、29%、30%、31%、31%、33%、34%、35%、36%、37%、38%、39%、40%、41%、42%、43%、44%、45%、46%、47%、48%、49%、50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、または80%である。
本発明の先行する態様のいずれかにおいて、治療の期間は、通常2〜12週間または水疱および/または創傷が治癒するまでであり得る。本発明の一態様では、治療期間は、約1週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約2週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約3週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約4週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約5週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約6週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約7週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約8週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約9週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約10週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約11週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、約12週間である。本発明の別の態様では、治療期間は、標的病変が十分に治癒するまでである。本発明の別の態様では、治療期間は、EBに罹患している対象が本発明のCoQ10を含む医薬組成物による治療を必要とする習慣性の水疱および/または創傷を有するため、長期に渡る(慎重なエンドポイントがない)。
本発明の好ましい実施形態では、CoQ10を含む組成物は、皮膚の水疱に適用される。本発明の他の実施形態では、CoQ10を含む組成物は、無傷の皮膚に適用される。本発明の一態様では、本発明の医薬組成物は、国際公開WO2008/116135(その内容全体は参照によりその全体が本明細書に組み入れられる)に記載の3%CoQ10のクリームである。
C.併用療法
ある種の実施形態では、CoQ10および/またはその医薬組成物は、少なくとも1つの他の治療剤との併用療法で使用することができる。CoQ10および/またはその医薬組成物ならびに他の治療剤は、相加的、または好ましくは、相乗作用的に作用し得る。一実施形態では、CoQ10および/またはその医薬組成物は、別の治療剤の投与と共に同時投与される。別の実施形態では、化合物および/またはその医薬組成物は、別の治療剤の投与前または投与後に投与される。
一実施形態では、本発明の治療法に使用するための追加の薬剤は、疼痛および掻痒をコントロールすることができ、表皮水疱症における感染などの合併症に対処することができる薬剤である。ある種の例示的な追加の薬剤には、血管拡張剤、血管収縮剤、降圧剤、抗菌剤、抗生物質、抗酸化剤、抗真菌剤、非ステロイド性抗炎症剤、ステロイド剤、および麻酔剤が含まれる。
別の実施形態では、本発明の併用療法に使用するための追加の薬剤は、生物学的薬剤である。生物学的薬剤は、生物学的系、例えば、生物、細胞、または組換えシステムの産物である。かかる生物学的薬剤の例には、核酸分子(例えば、アンチセンス核酸分子)、インターフェロン、インターロイキン、コロニー刺激因子、抗体(例えば、モノクローナル抗体)、血管新生抑制因子、およびサイトカインが含まれる。例示的な生物学的薬剤は、以下でより詳細に説明され、一般に、例えば、以下を含む様々なクラスに属する:ホルモン、ホルモン類似体、およびホルモン複合体、例えば、エストロゲンおよびエストロゲン類似体、プロゲステロン、プロゲステロン類似体、およびプロゲスチン、アンドロゲン、副腎皮質ステロイド、抗エストロゲン、抗男性ホルモン、抗テストステロン、副腎皮質ステロイド阻害剤、および抗黄体化ホルモン(anti−leuteinizing hormone);ならびに酵素、タンパク質、ペプチド、ポリクローナルおよび/またはモノクローナル抗体、例えば、インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子など。
2つ以上(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ)の追加の薬剤がCoQ10と組み合わされて投与され得ることに留意されたい。例えば、一実施形態では、2つの追加の薬剤が、CoQ10と組み合わされて投与され得る。別の実施形態では、化学療法薬、生物学的薬剤、およびCoQ10が、投与され得る。
様々な形態の生物学的薬剤が使用され得る。それらには、標的部位に投与される場合に生物学的に活性化される前駆型分子、非荷電分子、分子複合体、塩、エーテル、エステル、アミドなどの形態が含まれるが、これらに限定されるものではない。
3.治療方法
本発明は、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、インテグリン、およびラミニンを含むがこれらに限定されない1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質が、EBを有する対象の皮膚において欠損しているという驚くべき発見に基づく。したがって、ある種の実施形態では、本発明は、EB対象の皮膚において欠損している1つ以上の構造タンパク質または機能タンパク質の発現および/または活性を増加させることによってEBを有する対象の水疱および/または創傷を治療することを目的とする。
a.表皮水疱症
表皮水疱症(EB)は、軽微な機械的外傷、摩擦、または熱が皮膚に加えられる際の水疱および/または創傷の形成を特徴とする慢性の遺伝的水疱形成皮膚障害である。EBを有する対象の皮膚は、EBのない対象の皮膚と比較した極度の皮膚脆弱性を特徴とする。EBを有する人々の皮膚は、軽微な摩擦または環境条件、例えば、熱および湿度が水疱形成および/または創傷を引き起こし得るほど脆弱である。EBには幅広い重症度が存在する:最も軽度な型は、症状が主に足および手における水疱形成を含む限局型の単純型EBであるが、他の型、特に劣性栄養障害型EB(RDEB)および接合部型EBは、より広範囲な皮膚および粘膜病変、全身性合併症、美観を損なうことを特徴とし、多くの場合、寿命を著しく制限する。これらのより重篤な型のEBを有する人は、生涯にわたる慢性創傷および感染を発症する傾向を有する(Pope et al.,2013)。
1962年にPearsonは、透過電子顕微鏡法(TEM)による発見に基づいてEBの精巧な分類体系を提唱した(Pearson RW.,1962)。EBの皮膚において、自然にまたは軽微な外傷後に分離が生じる超微細構造レベルに応じて、彼はEBを表皮剥離性(単純型EB;EBS)、透明帯剥離性(lucidolytic)(接合部型EB;JEB)、および真皮剥離性(dermolytic)(栄養障害型EB;DEB)の3つの主要な型に分類した。
免疫蛍光抗原マッピング(IFM)または透過電子顕微鏡法(TEM)などの高度な診断技術を用いてEBを診断し、分類することもできる。TEMの主な利点は、それが超微細構造異常を可視化することができ、特異的な表皮ケラチノサイト−表皮基底膜領域(BMZ)の構造的欠損の半定量的評価を提供することである。(McMillan,1998)TEMは特に軽度のDEBまたはEBSを有する患者において有用であり得、IFMはこれらの場合は標準的であり得るが、TEMは係留線維または中間径フィラメントの形態異常を明らかにする。場合により、IFM試料において分離は可視的でない場合があるが、TEMは超微細構造的分離を明らかにすることができる。キンドラー症候群に見られるように複数の裂開面は、TEMによってのみ認められ得る。IFMの診断精度は、より簡便であり、より手早く実行および解釈されるという利点を有するTEMのそれと同程度である。更に、IFMは、特異的モノクローナル抗体を使用することでEBの主要な亜型への多くの洞察だけでなく、最も可能性のある変異した構造タンパク質への多くの洞察も提供することができる(Fine et al.,2008)。また最近の研究は、妊娠初期の絨毛生検を研究することによって、ある特定の型の重篤なEBの出生前診断におけるIFMの有用性を示した(D’Alessio et al.,2008)。
単純型表皮水疱症(EB):最もよく見られる型の単純型EBは、表皮の基底層内に皮膚の裂け目を有する限局型単純型EBである。水疱は通常、手掌および足底に存在し、熱および摩擦によって悪化する。遺伝形式は、軽度の疾患を伴う常染色体優性である。変異は、ケラチン5または14に存在する。頻度は低いが常染色体優性型でもあるDowling−Meara型は、真珠の糸様の配置を有するクラスター形成した遠位の水疱を特徴とする。痛みを伴う角皮が時間と共に認められるが、患者の症状は加齢と共により軽度になる傾向がある。EBSの場合には、全ての抗体は、水疱底面に見出される。更なるEBS特異的抗体(例えば、ケラチン5および14、プレクチン、およびα6β4インテグリンに対する)が用いられ得、一般に、タンパク質の発現は、患者がケラチン14の染色を欠く常染色体劣性EBSを除いて、正常である(Yiasemides E et al.,2008)。
接合部型EB(JEB):皮膚および粘膜の裂け目は、口周囲の皮膚領域、視覚系、気管系、胃腸系、泌尿生殖器系、および腎臓系を含む表皮基底膜領域の透明帯レベルで生じる。遺伝様式は、コラーゲンXVII、α6β4インテグリン、またはラミニン332をコードする遺伝子の変異については、通常常染色体劣性である。ヘルリッツ型は、最も重篤であり(口周囲領域、爪の周囲、および剥皮したおむつ領域における肉芽増殖)、ほとんどの症例において生後1〜2年間で死亡する。非ヘルリッツ型は多くの場合、乳児期において重篤であるが、寿命はよりかなり長い。JEBにおける主な標的タンパク質は、XVII型コラーゲン(BP180またはBPAG2)およびラミニン332(以前は、ラミニン5)である。コラーゲンXVIIは、分離した皮膚の頂部において発現されるが、他の抗体は水疱の底において観察される。ラミニン332の3つのポリペプチド鎖をコードする遺伝子のうちの1つの変異によって引き起こされる重篤なヘルリッツ型のJEB(JEB−H)では、このタンパク質の発現を欠くか、または著しく減少している。非ヘルリッツ型JEB(JEB−nH)の場合には、ラミニン332の染色が減少する。コラーゲンXVIIの変異がある場合、ラミニン332の正常な発現と共にBMZにけるコラーゲンの発現の顕著な減少または欠損が存在する。幽門閉鎖を有するJEBでは、α6およびβ4インテグリンサブユニットに対する染色が、減少しているか、または欠けている(PohlaーGubo G.et al.,2010)。全ての型のJEBにおいて、IV型コラーゲンの染色は、水疱底に局在する。
栄養障害型EB(DEB):この型のEBは、VII型コラーゲン遺伝子の変異に起因する真皮内の係留線維のレベルでの基底板下の裂け目が関与する。全てのDEB亜型は、係留線維の主成分であるVII型コラーゲンの変異によって引き起こされる。裂け目のレベルは、水疱の頂部において観察されるコラーゲンXVIIおよびラミニン332の染色を有する基底板下で生じる。重篤な汎発型劣性DEB(RDEB)を有する患者では、IFMは、VII型コラーゲンの欠如またはかろうじて検出可能なVII型コラーゲンを示す。これらの場合、IV型コラーゲンの免疫染色は頂部に生じ、真皮剥離性(dermolytic)の水疱形成を示してDEBであることが確認される。他の汎発型または限局型の亜型のDEBは、VII型コラーゲンの減少した発現または正常な発現を示し得る(PohlaーGubo G.et al.,2010;CepedaーValdes R,et al.,2010)。常染色体優性型は2番目に最もよく見られるEBの型であり、患者は足指、膝、指、および肘などの衝突または打撃を受けやすい領域において水疱を呈する。常染色体劣性型は、通常より消耗性であり、出生時からの水疱、および足指および手指が癒合する指趾癒合を有する。この型は、生涯にわたる慢性創傷および40代〜30代における高悪性度の扁平上皮癌の発症に関連する。彼らが50代半ばに達する場合、90%の個体は扁平上皮癌を有する。
キンドラー症候群:この稀な型のEBは、上記の概説された3つのレベルのいずれかにおいて裂け目が生じ得る。幼児期における水疱は、瘢痕化、角皮(肥厚した手掌および足底)、多形皮膚萎縮症(色素脱失症および色素増加症、毛細管拡張症および萎縮症)、および光線過敏症と段階的に置き換えられる。キンドラー症候群は、接着域での基底層ケラチノサイトの接着に関与するキンドリン1をコードする遺伝子の変異によって引き起こされる。BMZ抗体の標準的なパネルを使用したIFMは、染色強度のなんらの減少または大きな変化を示さないが、IV型およびVII型コラーゲン抗体は、真皮−表皮接合部で広い網状の染色を示し得る。キンドリン−1に対する新規のポリクローナル抗体による正常な皮膚の標識化は、なんらの真皮での変化なしに表皮、特に基底ケラチノサイトにおける鮮明な染色および真皮−表皮接合部に沿った鮮明な染色を示す。対照的に、キンドラー症候群の皮膚では、表皮における染色は、顕著に減少しており、場合によっては完全な欠如している(Ashton GH.2004)。
皮膚の表皮基底膜領域の構造を、図6に示す。
B.EBの創傷治癒
炎症期は、正常な創傷治癒の第1段階であり、外傷直後に生じる。創傷治癒の第1段階は、血栓の形成が関与する。次いで、これに限局性の紅斑、浮腫、および圧痛を特徴とする炎症が続く。創傷のこの炎症が一旦消退すると、創傷治癒の増殖期が始まる。ここでは、細胞増殖、線維芽細胞増殖、および表皮細胞分裂が起きる。この段階中、新たな血管が形成され、肉芽組織が創傷を段階的に満たす。創傷が一旦肉芽組織で満たされると、表皮細胞の移動が創傷の境界に沿って発生してそれを閉鎖する。表皮細胞の移動が完了すれば、創傷治癒の最終段階である再構築期が始まる。この段階中、瘢痕組織が形成され、成熟し、増強され、そして段階的に薄くなり、軟化し、損傷のない皮膚と混ざる(SchoberーFlores,2003)。
EB患者における創傷治癒過程は著しく損なわれており、治癒段階へ進行せずに長期間炎症期にとどまることが一般に広く受け入れられている(SchoberーFlores,1999)。治癒過程は、感染、栄養状態、組織酸素化状態、およびコルチコステロイドなどの疾患の対症療法において通常使用される薬物を含む複数の要因により更に障害される(Marinkovich et al,2003)。
上述のように、EBを有する患者は、1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質、例えば、限定されないが、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、インテグリン、およびラミニンの発現および/または活性に異常を有し、このことが、皮膚の必須の特徴を変化させ、皮膚が正常に治癒するのを防げる。
したがって一態様では、本発明は、EBに罹患している対象の皮膚の構造的完全性を改善する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の皮膚への局所投与を含み、これにより、皮膚の構造的完全性を改善する方法を特徴とする。一実施形態では、皮膚は、構造タンパク質および/または機能タンパク質の欠乏を含む。一実施形態では、構造タンパク質および/または機能タンパク質において欠乏は、表皮内にある。別の実施形態では、構造タンパク質および/または機能タンパク質において欠乏は、透明帯内にある。別の実施形態では、構造タンパク質および/または機能タンパク質において欠乏は、基底板下部にある。一実施形態では、EBは、単純型表皮水疱症である。別の実施形態では、EBは、接合部型表皮水疱症である。別の更なる実施形態では、EBは、栄養障害型表皮水疱症である。別の実施形態では、構造タンパク質および/または機能タンパク質の欠乏は、タンパク質活性またはタンパク質発現の欠乏である。別の実施形態では、活性または発現の欠乏は、組織検査、免疫蛍光イメージング、またはリアルタイム定量PCRによって決定される。別の実施形態では、構造的完全性は、対象からの皮膚生検の組織検査、透過電子顕微鏡法(TEM)、または免疫蛍光染色によって決定される。
ある種の実施形態では、構造的完全性の改善は、CoQ10により治療されていないEBに罹患している対象の皮膚と比較した、CoQ10により治療されたEBに罹患している対象の皮膚に形成される新たな水疱および/または創傷の数を定量化することによって決定される。定量化は、水疱および/または創傷の写真の画像解析を使用して決定され得る。
別の実施形態では、構造的完全性は、CoQ10により治療されていないEBに罹患している対象の皮膚と比較した、CoQ10により治療されたEBに罹患している対象の皮膚の水疱吸引検査を使用して評価される。別の実施形態では、CoQ10により治療された皮膚における水疱形成までの時間は、CoQ10により治療されていない皮膚における水疱形成までの時間より長い。
別の態様では、本発明は、対象の皮膚の創傷を治療する方法であって、当該皮膚が1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質の欠乏を含み、当該方法がCoQ10の治療上有効量を含む組成物の当該創傷への局所投与を含み、これにより、当該対象の当該創傷を治療する方法を特徴とする。別の実施形態では、対象は表皮水疱症(EB)に罹患しており、例えば、表皮水疱症は、単純型表皮水疱症、接合部型表皮水疱症、栄養障害型表皮水疱症、またはキンドラー症候群である。一実施形態では、構造タンパク質または機能タンパク質は、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、インテグリン、およびラミニンからなる群から選択される。例えば、ケラチンタンパク質は、ケラチン5(KRT5)、ケラチン13(KRT13)、ケラチン14(KRT14)、およびケラチン17(KRT17)からなる群から選択され得る。別の実施形態では、コラーゲンタンパク質は、コラーゲンXVIIまたはVII型コラーゲンから選択される。別の実施形態では、ラミニンは、ラミニン332である。別の実施形態では、インテグリンは、α6β4インテグリンである。一態様では、CoQ10を含む医薬組成物の局所投与は、コラーゲン、プレクチン、ラミニン、ビメンチン、アネキシン、KRT13、KRT14、および/またはKRT17の増加、ならびに線維芽細胞および/またはケラチノサイトの増加をもたらす。
ある種の実施形態では、創傷の治療は、最初の創傷領域と比較したCoQ10により治療された対象の創傷、および最初の創傷領域と比較したCoQ10により治療されていない対象の創傷の創傷閉鎖の百分率によって測定される。例えば、創傷閉鎖の百分率は、創傷の写真の画像解析を使用して測定され得る。一実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、50%を超える。別の実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、75%を超える。別の実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、85%を超える。別の実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、90%を超える。別の実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、95%を超える。一実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、50〜99%の間、例えば、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%である。
別の態様では、本発明は、EBに罹患している対象で皮膚の水疱および/または創傷の治癒速度を増加させる方法であって、コエンザイムQ10(CoQ10)の治療上有効量を含む組成物の当該皮膚の水疱への局所投与を含み、これにより、当該対象の当該皮膚の水疱および/または創傷の治癒速度を増加させる方法を特徴とする。一実施形態では、構造タンパク質および/または機能タンパク質において欠乏は、表皮内にある。別の実施形態では、構造タンパク質および/または機能タンパク質において欠乏は、透明帯内にある。別の実施形態では、構造タンパク質および/または機能タンパク質において欠乏は、基底板下部にある。一実施形態では、EBは、単純型表皮水疱症である。別の実施形態では、EBは、接合部型表皮水疱症である。別の更なる実施形態では、EBは、栄養障害型表皮水疱症である。別の実施形態では、EBは、キンドラー症候群である。別の実施形態では、構造タンパク質および/または機能タンパク質の欠乏は、タンパク質活性またはタンパク質発現の欠乏である。別の実施形態では、活性または発現の欠乏は、組織検査、免疫蛍光イメージング、またはリアルタイム定量PCRによって決定される。
一実施形態では、治癒速度は、最初の創傷領域と比較したCoQ10により治療された対象の創傷、および最初の創傷領域と比較したCoQ10により治療されていない対象の創傷の創傷閉鎖の百分率によって測定される。一実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、50%を超える。別の実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、75%を超える。別の実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、85%を超える。別の実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、90%を超える。別の実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、95%を超える。一実施形態では、創傷閉鎖の百分率は、50〜99%の間、例えば、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、または99%である。別の実施形態では、治癒速度は、未治療の水疱および/または創傷の再上皮化速度と比較した、CoQ10組成物で治療された当該皮膚の水疱および/または創傷の再上皮化速度によって決定される。別の更なる実施形態では、治癒速度は、未治療の皮膚の水疱および/または創傷の表皮間隙距離と比較した、CoQ10組成物で治療された当該皮膚の水疱および/または創傷の表皮間隙距離の低減によって決定される。
一態様では、本発明は、水疱形成および/または創傷の治療の必要がある対象における皮膚の水疱形成および/または創傷を治療する方法であって、コエンザイムQ10(CoQ10)の治療上有効量を含む組成物の当該対象の皮膚への局所投与を含み、これにより、当該対象の皮膚の水疱形成および/または創傷を治療する方法を特徴とする。一実施形態では、対象は、表皮水疱症(EB)に罹患している。
本発明の一実施形態では、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の投与は、未治療の水疱および/または創傷と比較して水疱および/または創傷の治癒するまでの時間を低減する。
別の態様では、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の投与は、未治療の水疱および/または創傷と比較して表皮水疱症の疾患活動性および瘢痕化指数(EBDASI)を使用した治癒の質を改善する。
他の態様では、本発明は、表皮水疱症に罹患している対象における皮膚の水疱および/または創傷の治癒を促進する方法であって、コエンザイムQ10(CoQ10)の治療上有効量を含む組成物の局所投与を含み、これにより、当該対象における皮膚の水疱および/または創傷の治癒を促進する方法も特徴とする。
一実施形態では、CoQ10組成物で治療された水疱の再上皮化速度は、未治療の水疱の再上皮化速度と比較して増加する。再上皮化速度を評価するための方法は、本明細書において以下に記載される。
一実施形態では、CoQ10組成物で治療された水疱および/または創傷の表皮完全性の質は、未治療の水疱および/または創傷の表皮完全性の質と比較して改善される。表皮完全性の質を評価するための方法は、以下に記載される。一実施形態では、表皮完全性の質は、水疱頂部の組織学的検査を使用して評価される。
EBを有する対象のこの皮膚は、正常な皮膚を維持するアンカーまたはタンパク質を欠損している。その結果、皮膚への些細な圧力が水疱形成を引き起こす。皮膚の構造および機能の維持に関与する構造タンパク質の発現に影響を与えるCoQ10の能力は、創傷治癒過程の重要な段階に影響を与えるその能力と共に、EBにおける創傷の有望な治療法におけるその有用性の説得力のある理論的根拠を提供する。したがって、本発明は、部分的に、ある種の構造タンパク質の発現がEBを有する対象の皮膚において増加または減少しているという発見、および本発明のCoQ10組成物による治療が特定の構造タンパク質の発現を変化させることができるという発見に基づく。
ある種の実施形態では、CoQ10組成物で治療された水疱および/または創傷における1つ以上の構造タンパク質の発現レベルは、未治療の水疱および/または創傷における当該1つ以上の構造タンパク質の発現レベルと比較して調節される。したがって、1つ以上の特定の構造タンパク質の発現における変化を有する特定の患者集団が、本発明のCoQ10組成物による治療のために選択され得る。したがって、本発明は、表皮水疱症を有する対象を治療する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の対象への投与を含み、これにより、対象を治療する方法を特徴とする。一実施形態では、対象は、皮膚における1つ以上の構造タンパク質の発現に変化を有するものとして同定されている。
ある種の実施形態では、構造タンパク質には、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、およびラミニンが含まれる。特定の実施形態では、構造タンパク質は、ケラチン、特に、ケラチン5(KRT5)、ケラチン13(KRT13)、ケラチン14(KRT14)、およびケラチン17(KRT17)である。
別の態様では、本発明は、表皮水疱症に罹患している対象における扁平上皮癌を治療または防止する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む組成物の当該対象への局所投与を含み、これにより、対象における扁平上皮癌を治療または防止する方法を特徴とする。一実施形態では、CoQ10を含む組成物は、対象の扁平上皮癌細胞に投与される。別の実施形態では、扁平上皮癌は、皮膚扁平上皮癌である。一実施形態では、CoQ10を含む組成物の投与は、対象における1つ以上のタンパク質の発現を調節する。更に別の実施形態では、上記タンパク質は、ストレスタンパク質または構造タンパク質である。別の更なる実施形態では、上記タンパク質は、トランスアルドラーゼ1、NM23タンパク質、熱ショック27kDaタンパク質1、ケラチン1、ケラチン14、ケラチン13、プロテアソームβ7、プロテアソーム活性化因子サブユニット3、およびRhoGDP解離阻害因子αからなる群から選択される。別の実施形態では、上記タンパク質は、以下からなる群から選択される:V−aktマウス胸腺腫ウイルス癌遺伝子相同体1(AKT1)、BCL2−関連アタノ遺伝子4(BAG4)、BCL2−関連Xタンパク質(BAX)、BCL2−様1(BCL2L1)、BCL2/アデノウイルスE1B19kDa相互作用タンパク質3(BNIP3)、カスパーゼ動員ドメインファミリーメンバー6(CARD6)、カスパーゼ6、アポトーシス関連システインペプチダーゼ(CASP6)、カスパーゼ7、アポトーシス関連システインペプチダーゼ(CASP7)、増殖停止およびDNA損傷誘導性α(GADD45A)、腫瘍タンパク質p53(TP53)、および腫瘍タンパク質p73(TP73)。
4.CoQ10組成物の治療効果を評価する方法
皮膚の水疱形成および/または創傷の治療の必要がある対象、例えば、EBに罹患している対象における皮膚の水疱形成および/または創傷の治療におけるCoQ10組成物の治療効果は、疼痛の低減、生活の質の改善、治癒するまでの時間、治癒の質、外傷に対する耐性の増加、ならびに水疱および/または創傷形成の低減を含む、当該対象における多数の異なる観点で評価され得る。
ある種の実施形態では、治癒の質は、表皮水疱症の疾患活動性および瘢痕化指数(EBDASI)を使用して評価され得る。EBDASIは、活動性および損傷の観点から皮膚、頭皮、粘膜、爪、および他の上皮化された表面の病変の全体的な重症度を定量化する。EBDASIの利点は、損傷とは別に治療に応答する活動性スコアを鑑別できることであり、したがって、医師は潜在的に可逆的な損傷を防止する疾患活動性を追うことができる。EBDASIは、4ページの文書である(Loh et al,2014(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の図1および補足図1を参照のこと)。EBDASIでは、皮膚の各領域が、12の異なる解剖学的部位で上から下までの順序で診察された。活動性(水疱形成/びらん/痂皮形成)は、各領域において10段階でスコア化される。各部位において損傷の特徴(紅斑、色素沈着異常、多形皮膚萎縮、皮膚萎縮、角質増殖/落屑、瘢痕化、稗粒腫)が存在しない場合は0および存在する場合は1を与えられる。上記プロセスが、頭皮、粘膜、爪、および他の上皮化された表面について続く。
創傷の評価に使用することができる別のフレームワークは、改変されたMEASUREパラダイムである(サイズ測定、滲出物[量および特徴]、外見[創底または肉芽組織]、苦痛[疼痛]、穿掘[センチメートル単位で測定される深度]、再評価、および創縁)(Keast et al.,(2004)、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。この文献は、創傷のその現在の状態における程度の良好な評価、および治癒過程をモニタリングするための良好なツールを提供する。EBを有する患者に合わせて調整された改変モデルが、Pope et al.,2013において概説されている。
ある種の実施形態では、EB対象における肉芽組織の形成が、連続写真によって定量化される。
治癒するまでの時間は、「治癒している」(脱水することなく完全に閉鎖)または「治癒していない」水疱および/または創傷として評価され得る。ある種の実施形態では、治癒するまでの時間は、治癒が観察された最初の日付から水疱および/または創傷が最初に確認された日付を引いたものと定義され得る。例えば、水疱および/または創傷が1日目に最初に確認され、当該水疱および/または創傷が、10日目に「治癒した」として確認される場合、治癒するまでの時間は9日である。一実施形態では、創傷治癒の経時変化は、写真、ダーモスコープ写真および反射共焦点顕微鏡(RCM)評価と共に文書化される。
反射共焦点顕微鏡
反射共焦点顕微鏡(RCM)は、組織病理学と強く関連する細胞レベルの分解能を有するインビボでの非侵襲イメージング技術を提供する。RCMは、病変の迅速な評価を提供し、インビボでの表皮および真皮上層のリアルタイムでの可視化を可能にする。したがって、皮膚の水疱および/または創傷の治癒は、反射共焦点顕微鏡(RCM)を使用して評価され得る。
1990年代の間に、RCMは、リアルタイムで皮膚を撮像するために、および臨床適用に好適であった使用のために開発された(Rajadhyaksha M,et al,1999)市販のRCM(VIVASCOPE 1500、Lucid Inc、米国NY州ロチェスター)は、イメージングに830nmの近赤外ダイオードレーザーおよび22mWまでの低出力レーザー光線を使用する。光線が皮膚を走査して水平光学切片を取得するし、皮膚のグレースケール画像(500x500μm視野)およびモザイク画像(「Vivablock」)を示す。加えて、それは、組織の同一位置での垂直に積み重ねられた一連の単一画像を生成することができる(「Vivastack」)。RCMのインビボでの最大イメージング深度は、約250〜350μmである。(Reflectance confocal microscopy of cutaneous tumors:an atlas with clinical,dermoscopic and histological correlations.:Informa Healthcare;2008)
正常な皮膚層(角質層、顆粒および有棘、基底上、真皮−表皮接合部、ならびに真皮表層)が、RCMを使用して特徴づけられてきた。これらの結果は、再現性のあるものであった。加えて、血管、毛嚢、汗腺、ケラチノサイト、炎症細胞、およびメラニン細胞を含む他の皮膚構造および細胞が同定された。現在では、RCMは、基礎皮膚研究、化粧品研究、および臨床皮膚科において使用される。その主用途は、黒色腫および非黒色腫皮膚の早期発見であった。(Yamashita,et al,2005、Langley et al,2001)
伝統的に、日常的創傷評価は、創傷の特徴の臨床評価に基づく。目視検査が臨床皮膚科において確立されている手順であるが、この方法は本質的に主観的であり、多くの場合、創傷状態の不正確な説明をもたらし、傷害組織の超微細構造解析を可能にしない。(LangeーAsschenfeldt,et al,2012)
それ故に、日常的組織学的検査が、皮膚の創傷治癒の形態学的評価のゴールドスタンダードであり続けている。しかしながら、組織学的検査が皮膚研究において依然として重要な役割を果たす一方で、実質的な制限事項がある。生検の侵襲的性質は、生検を採取する組織の同一領域の経時的評価を可能にせず、生検は、大きなまたは再発性の創傷または創傷治癒の顕著な障害または感染の高いリスクを有する患者の評価を可能にしない場合がある。加えて、組織の除去および組織の処理が人為的結果をもたらし得、その臨床的適用性を更に限定する。
これらの制限事項を考慮して、多数の非侵襲イメージング技術がそれらのヒト皮膚の創傷の創傷治癒の異なる段階での評価への適用性を評価されてきた。これらの技術は、EBを有する対象の皮膚の水疱および/または創傷の治癒を評価するために本発明において使用され得る。その中で、インビボRCMは、リアルタイムでの皮膚の非侵襲評価のための革新的な光学イメージングツールである。Altintasおよび共同研究者は熱傷の評価のために最初にRCMを使用し、これにより微小循環、炎症、および組織形態学の側面が記載された。また共焦点顕微鏡が、フラクショナルレーザー療法後の急性表皮創傷治癒を評価するために(Sattler,et al,2013)、および凍結手術により引き起こされる組織損傷のヒトモデルにおいて使用された。(Terhorst,et al,2011)
共焦点顕微鏡の完全な非侵襲性質および高分解能が、それを創傷治癒研究における有用な機器にし、−その表皮構造および真皮表層構造の細胞分解能を考慮して−特に表皮損傷モデルの創傷治癒において有用にする。この研究がもたらした創傷治癒過程の特徴づけは、この主題における我々の知識を改善し、臨床診療において創傷治癒を評価するための有用なツールを提供し、創傷治癒のプロセスにおける局所製剤の影響を試験するための非侵襲技術を提供し得る。
ある種の実施形態では、創傷治癒の経時変化は、写真、ダーモスコープ写真およびRCM評価と共に文書化される。RCM評価パラメータは、細胞レベル、形態学的レベル、および構造的レベルでの皮膚創傷修復の特徴ならびに血流および炎症などの動的プロセスおよび創傷治癒の連続した事象の記述が含まれる。
他の実施形態では、生活の質は、本明細書およびLewisーJones et al.,1995(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のようにLansky Performance ScaleおよびChildren’s Dermatology Life Quality Indexを使用して測定され得る。
一実施形態では、CoQ10組成物で治療された水疱および/または創傷の再上皮化速度は、未治療の水疱および/または創傷の再上皮化速度と比較して増加する。再上皮化速度は、反射共焦点顕微鏡(RCM)評価を使用して検査および比較され得る。
一実施形態では、水疱および/または創傷の表皮間隙距離は、未治療の水疱および/または創傷の表皮間隙距離と比較して低減される。表皮間隙距離の変化は、水疱を横切る2つの移動性多層上皮の前面間の間隙距離として定量化され得る間隙幅によって決定され得、水疱/創傷の%開口=[水疱/創傷幅(mm)*100/最初の水疱/創傷サイズ]として表現される。更に、ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色が、組織形態を調べるために使用され得る。
一実施形態では、CoQ10組成物で治療された水疱および/または創傷の表皮完全性の質は、未治療の水疱および/または創傷の表皮完全性の質と比較して改善される。表皮完全性の質は、RCM評価によって決定され得る。
本明細書に記載されている本発明の方法の他の好適な改変および適応は、明らかであり、本発明の範囲または本明細書に開示される実施形態を逸脱しない範囲で好適な等価物を使用してなされ得ることが当業者にとって容易に明らかとなるであろう。以上、本発明を詳細に説明したが、同じことが、説明のみを目的として含まれ、限定することを意図しない以下の実施例を参照することでより明確に理解されるであろう。
実施例1.表皮水疱症を有する患者における局所コエンザイムQ10クリームの効果
表皮水疱症を有する患者における局所コエンザイムQ10(CoQ10)クリームの安全性、薬物動態、および治療効果を評価するために第I相試験を行った。
試験目的
試験の主な目的は、指示されたように1日おき〜週に2回損傷した皮膚に、および指示されたように毎日無傷の皮膚の一部に適用される3.0%CoQ10の局所クリームにより治療された場合での、EBを有する患者における安全性および忍容性を評価することである。
評価される安全性観察および測定には、治験薬曝露、異常な局所的皮膚反応、有害事象、検査値(血液学、凝固、および血液生化学検査)、生命徴候、および併用薬が含まれる。
試験の第2の目的は、この患者集団における3.0%CoQ10のクリームの薬物動態(PK)を評価すること、ならびに疼痛の低減、生活の質、治癒するまでの時間、治癒の質の改善、外傷に対する耐性の増加、および水疱形成の低減により測定されるこの患者集団における3.0%CoQ10の局所クリームの治療効果を評価することである。表皮水疱症の疾患活動性および瘢痕化指数(EBDASI)およびバンクーバー瘢痕スケールを、創傷治癒および瘢痕化を定量化するために利用する。EBDASIおよびバンクーバー瘢痕スケールは、当技術分野において公知であり、例えば、Journal of the American Academy of Dermatology 2014;70:89−97に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
治験薬製剤
3.0%コエンザイムQ10は、深黄色がかったオレンジ色の粉末であり、非常に疎水性であり、摂氏約48度の融点を有する。文献によれば、有効成分、3.0%CoQ10のクリーム、ユビデカレノン、USPは、熱および光によって悪影響を受け得る。ポリソルベート80中に可溶化された様々な濃度(25〜60%)のCoQ10による実験は、55℃で数時間加熱された場合に、この混合物中のCoQ10の測定可能な分解を示さなかった。50〜55℃(すなわち、CoQ10の融点を2〜7℃上回る)への混合物の加熱は、CoQ10の可溶化の速度を大きく上昇させた。局所CoQ10クリームを製造するために、2つのCoQ10濃縮相(CoQ10/ポリソルベート80および水−レシチン−グリコール−フェノキシエタノール)を、それぞれ可溶化したCoQ10に添加された水相と共に50〜55℃まで別々に加熱し、高剪断均質化により混合してCoQ10のマイクロエマルション濃縮物を形成した。次いで、CoQ10濃縮物を油中水型(W/O)クリームのエマルジョン基剤に添加して最終的なCoQ10クリームを製造した。クリーム中のCoQ10の最終濃度は、3.0%であった。3%CoQ10のクリームは、国際公開WO2008/116135に更に記載されており、その内容全体はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
試験集団
任意の亜型の表皮水疱症と診断された10人の患者が、この試験において登録された。臨床試験に含まれるために患者は以下の基準を満たさなければならない:1.スクリーニング時に少なくとも12歳の男性または女性である;2.確認されたEBの診断を有する;3.創傷治癒に悪影響を与え得る他のいかなる皮膚病も有さない;4.治療期間中に認められていないローションまたはクリームを使用すること、および次に適用されるまで治療された領域を洗浄することを控えることに異存がない;5.試験の間、直接的な日光または紫外線への過剰な曝露を控えることに異存がない;6.試験スケジュールに列挙される試験について中央検査機関により定義される基準範囲内の臨床検査値、または治験担当医師にとって臨床的に許容可能な「範囲外の」検査結果を有する。許容可能な「範囲外の」値は、一般にINRおよびPT/APTTを除く、併用薬または疾患プロセスに起因する患者の正常なベースラインレベル内にあるものである;7.試験指示に従うことができ、かつ全ての試験要件を備えていそうな介護者を有する;8.組織が皮膚科により検査され、保管されることに対する同意を含む、患者または保護者による書面のインフォームドコンセントを提出している。患者が12〜17歳の間の場合、同意は患者から得なければならない;9.標的EB病変の写真が試験データおよび文書の一部として使用されることを認める書面による同意を保護者が提出している;10.妊娠可能な女性は、スクリーニング時に妊娠検査が陰性でなければならず、許容可能な形態の産児制限(経口/植込み型/注射用/経皮避妊薬、子宮内器具、コンドーム、ペッサリー、禁欲、または精管切除術を受けたパートナーとの一夫一婦制の関係)を使用していなければならない;11.0.8〜1.2のINR値および正常なプロトロンビン時間(PT)/活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)を有する;12.サイズが2.5〜50cmの間の少なくとも1つの活動性のEB創傷を有する。
試験デザイン
患者/介護者は、指示されたように1日おき〜週に2回治験担当医師により指標創傷として選択された創傷を含む損傷した皮膚に、および指示されたように毎日無傷の皮膚の一部に3%CoQ10クリームを適用した。臨床評価および写真により創傷治癒について指標創傷を追跡した。指標創傷は、好ましくは、四肢または胴体(しかし、間擦性領域、または患者がおむつをつけている場合、おむつ領域ではない)に位置した。無傷の皮膚の一部は、水疱吸引評価および毎日の3%CoQ10クリームの適用について選択された。無傷の皮膚の一部は、大腿前部、または患者の体重が15kg未満である場合、中背〜下背部に存在した。試験薬物(3.0%CoQ10のクリーム)適用の総面積は、20%のBSAを超えなかった。安全性審査グループ(SRG)が、継続的に安全性をモニタリングする。有害事象(AE)および全ての他の安全性パラメータが許容可能な場合、試験は予定通りに進む。SRGが顕著な安全上の懸念が存在すると判定する場合、完全な評価が行われるまでどの患者にもこれ以上の治療は行われない。SRGが治療を続けることにリスクがあると判定する場合、試験は中止される。
安全性および忍容性評価は、全てのAEの継続的なモニタリングおよび記録、重篤な有害事象(SAE)報告、皮膚炎症の症候および徴候の定期的なモニタリング、ならびに生命徴候の定期的な測定、身体検査、ならびに百分率および絶対値としてのヘモグロビン、ヘマトクリット、白血球(WBC)分類数(単球、好酸球、好塩基球、好中球、リンパ球)、赤血球(RBC)数、血小板数、およびPT/APTT/INRアルブミン、アルカリホスファターゼ、総ビリルビン、重炭酸/CO2、カルシウム、コレステロール、塩素、クレアチニン、クレアチンキナーゼ、γ−GT、グルコース、LDH、無機リン、リパーゼ、アミラーゼ、マグネシウム、カリウム、総タンパク、AST、ALT、ナトリウム、トリグリセリド、尿素および尿酸を含む臨床検査(化学および血液学)から構成される。総ビリルビン濃度が正常値上限の1.5倍を上回って増加する場合、直接ビリルビンおよび間接ビリルビンは区別されなければならない。
試験治療の適用
試験治療:試験治療(3.0%CoQ10のクリーム)の最初の適用が、1週目の1日目に診療所において診療所スタッフによりモニタリングおよび指導されて行われ、指標創傷および他の損傷した皮膚ならびに選択された健常な皮膚への適用が確認された。その後、全ての被験患者またはその介護者は、試験センター来院日を含めて自宅で試験治療を適用することを必要とされた。試験薬物は、指示されたように1日おき〜週に2回損傷した皮膚に、および指示されたように毎日無傷の皮膚の一部に適用された。
治療期間:各患者の総参加期間は、最高18週間であると予想された。スクリーニング期間は、最高2週間であった。治療の期間は、12週間であった。経過観察期間は、4週間であった。
前治療薬および併用薬:他のいかなるクリームまたはローションも試験期間中に治療領域に適用されなかった。先立つ3ヵ月の間に服用された、一般用(OTC)医薬品および栄養剤(CoQ10サプリメントを含む)を含む全ての薬物が、スクリーニング時に記録された。その後、試験期間中に服用された、一般用医薬品および栄養剤を含む全ての薬物が記録された。1日総量、投与経路、開始および中断の日付、および効能に関する情報が、患者の症例報告書(CRF)に記録された。
概要
全ての患者は、このプロトコール内で指定された日に試験センターに来院する。この試験の全評価スケジュールを、以下の表1に示す。
スクリーニング
治験担当医師または指名された人がいる場で署名されたインフォームドコンセントを得た後に、1日目の試験治療の開始前の14日以内にスクリーニング評価が、収集、検討され、治験担当医師または指名された人によって許容可能であると判断される。これらには、生年月日、性別、人種、民族的起源、身長、重み、および併発診断が含まれる。加えて、必要に応じて創傷評価およびEB亜型分類が行われる(過去に行われた任意のEB亜型分類も許容可能である。すなわち、亜型分類をやり直す必要はない)。同時の血液学的検査、血液化学検査、および尿検査が実行される。妊娠可能な女性患者については、尿妊娠検査が実施される。選択/除外基準が確認される。治験担当医師の評価にしたがって治療および他の関連する病歴および手術歴が、記録される。生命徴候の測定および皮膚の皮膚科検査を含む身体検査が、一般に実施される。指標創傷が、選択され、撮影され、測定される。
ベースライン/登録
1週目の1日目に患者は評価を受けて、治療を開始する前に適格性を再検査および確認された。局所的皮膚反応(LSR)、写真、色素形成および瘢痕化を含む選択された治療領域の前投与評価が実施された。試験薬物(3.0%CoQ10のクリーム)が、分配された。瘢痕化は、表皮水疱症の疾患活動性および瘢痕化指数(EBDASI)およびJournal of the American Academy of Dermatology 2014;70:89−97(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載のバンクーバー瘢痕スケールを使用して評価された。
試験治療期間
試験治療の最初の適用が、1週目の1日目に診療所において診療所スタッフによりモニタリングおよび指導されて行われ、病変(複数可)および選択された無傷の皮膚への適切な適用が確認された。その後、全ての被験患者またはその介護者は、試験センター来院日を含めて自宅で試験治療を自分で適用することを必要とされた。患者は、試験の間、いつでも有害事象の可能性の評価のために診察された。これらは、予定外来院として記録された。
試験薬物(3.0%CoQ10のクリーム)の調製および投与
試験薬物(3.0%CoQ10のクリーム)は、患者または介護者により、指示されたように1日おき〜週に2回治験担当医師により指標創傷を含む損傷した皮膚に、および指示されたように毎日無傷の皮膚の一部に適用された。来院時はいつでも試験薬物(3.0%CoQ10のクリーム)および包帯が、試験センターで指標創傷および選択された無傷の皮膚に適用された。小さな豆粒大の量のクリームが、利き手の人差し指の先につけられた。試験薬物(3.0%CoQ10のクリーム)は、クリームに覆われた全皮膚領域が、治療病変のほぼ2倍のサイズとなるように選択された治療部位および病変を囲む領域上に5〜10秒間均一に伸ばされた。許容可能な局所包帯の選択されたリストから患者または介護者が選択した包帯による創傷の局所的な手当てが損傷した皮膚に適用された。
標準治療
全ての投与群における全ての患者は、以下の標準治療を受けた:水疱形成に寄与する要因(例えば、窮屈な衣服)が特定され、改善された;皮膚、特に指標創傷周囲の領域および水疱吸引評価のための無傷の皮膚の一部への摩擦を低減させるための処置がなされた;皮膚は、刺激性の少ない石鹸および水による穏やかな洗浄によって清潔に保たれた[しかし、試験薬物(3.0%CoQ10のクリーム)適用の6時間後のみ];非摩耗性かつ非接着性の創傷包帯が、使用された;特定の包帯を使用して適度に湿った病変環境が維持された;指標創傷以外の病変について、非感作性の抗生物質軟膏が、治療を行う医師により推奨された場合に使用された;および感染が確認され、直ちに治療された。
試験転帰の尺度
安全性転帰解析::任意の治療下で発現した有害事象(TEAEs)、SAE、AE、治療または試験の早期中止をもたらすLSR、治療関連AE、および重篤なAEを有する患者の数(百分率)の包括的な要約が示された。
有効性転帰解析::EBDASIスケールを使用した改善/瘢痕化の評価および生活の質改善の評価が示された。
参加者登録および経過観察::合計10人の患者が登録され、CoQ10組成物により最長12週間治療された。12週間試験に残った患者は、およそ16週目に経過観察のために来院した。試験薬物(3.0%CoQ10のクリーム)の適用に対する良好な応答を有した患者は、治験薬の追加供給を与えられ、任意の有害事象について6カ月ごとに経過観察された。
試験結果
症例報告#1:接合部型EB(非ヘルリッツ型)を有する29歳の男性
標的病変は、1週目の1日目の治療前(図8A)では、15.17cmの大きさであり、高度な紅斑を示した。CoQ10クリームの2回の適用後、1週目の3日目(図8B)では、標的病変は11.2cmに減少し、水疱が含有する液体は著しく減少した。2週目(図8C)までに、標的病変は、9.1cmに縮小し、液体および腫脹が更に低減された。
症例報告#2:単純型EB(ダウリングメアラ型)を有する19歳の女性
対象の内股の標的病変(5.28cmの大きさ、図9A)は、臨床試験での治療の1ヵ月前に存在していた。2週目までに、慢性創傷は、0.28cmに縮小した(図9B)。8週目の治療のための来院時では、ほぼ完全な再上皮化を示し、わずか0.25cmの病変が残っていた(図9C)。
症例報告#3:接合部型EB(非ヘルリッツ型)を有する16歳の女性
標的病変は、1週目の1日目の治療前(図10A)では、36.96cmの大きさであり、若干の肉芽形成を有した。2週目に、病変は、肉芽形成の増加および4cmまでのサイズの有意な減少を示した(図10B)。8週目までに病変は完全に再上皮化され、瘢痕化を示すのみであった(図10C)。
症例報告#4:劣性栄養障害型EBの17歳の男性
標的病変は、1週目の1日目の治療前では、21.76cmの大きさであり(図11A)、CoQ10クリームの1回目の投与前に、顕著な滲出物および血液が見られた。2週目までに、標的病変は、15.19cmまで縮小し、境界周辺での顕著な乾燥および肉芽形成を示した。
症例報告#5:接合部型EBを有する59歳の男性
標的病変は、1週目の1日目の治療前では、幾つかの肉芽組織を形成したびらんを含み、20.75cmの大きさであった(図12A)。1週目の3日目(CoQ10クリームによる2回の治療後)には、病変は、サイズが14.4cmに減少し、顕著な再上皮化を示した(図12B)。8週目までに、標的病変は著しく治癒し、びらんの数は更に減少し、より再上皮化した(図12C)。
結論
様々な型のEBを有する患者への本発明の3%CoQ10クリームの局所投与は、水疱および創傷(治療前に何週間も存在した慢性創傷であっても)の治癒の大幅な増加を提供する。写真は、本発明の組成物によるほんの数回の治療でさえ、以後の強い効能−創傷閉鎖、水疱収縮、肉芽形成の増加、再上皮化の増加、腫脹の縮小、および/または水疱液の減少−は顕著であったことを示す。これは、臨床試験の開始前に用いられ、明らかになんらの顕著な緩和をもたらさなかったEB創傷の標準治療とは完全に正反対のものである。
実施例2.吸引創傷水疱の治癒の促進に対するCoQ10組成物の効果
共焦点イメージングのための水疱吸引検査も使用して、EBを有する患者の健常な皮膚に適用された場合の3.0%CoQ10のクリームの創傷治癒の促進における有効性を評価した。ベースライン時に、次いで8週目に引き起こされた吸引水疱の最上皮化の速度が、反射共焦点顕微鏡(RCM)評価を使用して比較された。表皮完全性の質は、ベースライン時および8週目に水疱頂部の組織学的検査を使用して評価された。RCM評価パラメータには、細胞レベル、形態学的レベル、および構造的レベルでの皮膚創傷修復の特徴ならびに血流および炎症などの動的プロセスおよび創傷治癒の連続した事象の記述が含まれた。全ての画像で記述的な形態学的解析が行われた。
本発明者らは、EBの確定診断を有する4人の12歳以上の患者を評価した。1週目の1日目(ベースライン時)に、本発明者らはCELLUTOMEシステムを使用して、無傷の皮膚の表皮層を吸引することにより直径1.8mmの均一な創傷を作製した。創傷形成の0、4、および48時間後に実施された反射共焦点顕微鏡(RCM)イメージングの前に全ての創傷について臨床画像およびダーモスコープ画像が撮影された。1週目のRCM評価の48時間後、患者は、8週目の3日目まで創傷および周囲領域に毎日3.0%CoQ10のクリームを適用するように指示された。8週目の1日目に、3.0%CoQ10の局所クリームを投与した領域に、CELLUTOME水疱を同様に再作製した。本発明者らは、創傷形成の0、4、および48時間時点でRCM解析を再び実施した。本発明者らは、各RCM作業の間に創傷の異なるレベルで、6つの画像を取得した。本発明者らは、全てのRCM画像を解析して、ベースライン(3.0%CoQ10のクリームによる治療の前)時および8週間の3.0%CoQ10の局所クリーム後におけるEB患者の創傷治癒の間の細胞の変化および形態学的変化を記載および比較した。
ダーモスコープ画像およびRCM画像は、治療された皮膚のCELLUTOMEシステムによって作製された鮮明な創傷を示す。加えて、創傷形成の48時間後の未治療の創傷では紅斑が存在し、優勢であった(図13A、13C)が、治療された創傷は、ベースライン時および48時間時点で著しくより少ない紅斑を有した(図13B、13D)。
未治療(ベースライン)の創傷において、RCM画像は、創傷形成の48時間後で持続していたコラーゲン線維束および散在性の炎症細胞を示した(図14A)。更に、本発明者らは、肉芽組織および少数の多角形の角質細胞も観察した(図14A)。対照的に、治療後は炎症細胞が著しく少なかった(図14B)。更に、本発明者らは、8週目に、治癒が進行していることの強い証拠である組織化されたコラーゲン線維束および様々な角質細胞を観察した(図14B)。治療後に存在するより厚く、かつより組織化されたコラーゲン線維束(図16B)に対して未治療の皮膚における細い線維束(図16A)を示すRCM画像に示されるように、治療は顕著なコラーゲン産生および組織化をもたらす。更に、未治療の皮膚(図15A)と治療された皮膚(図15B)との間で見られる炎症細胞および肉芽形成の量に明確な差が存在した。治療された皮膚において、炎症細胞が創傷形成の4時間後に存在したが、48時間に著しく減少した。更に、広範囲の肉芽組織および幾つかの多角形の角質細胞が、創傷形成の48時間後に存在した(図15B)。
また患者は、3.0%CoQ10のクリームを適用している間、より良好な治癒を報告した。上記の患者画像は、3.0%CoQ10のクリームがEB患者の皮膚完全性を改善することを示す。また、3.0%CoQ10のクリームは炎症性の創傷治癒段階を縮小し、増殖段階の構成要素を増加させ、このことがEB患者において成功裡の治癒を導くことを示した。3.0%CoQ10のクリームに対する有害反応は、報告されなかった。
実施例3.構造タンパク質に対するCoQ10組成物の効果
創傷治癒は、新たな結合組織マトリックスの沈着の組合せ(すなわち肉芽組織)を必要とし、創傷収縮は、線維芽細胞およびケラチノサイトを含む複数の細胞種を必要とする。これらの細胞種のいずれも、治癒過程を完了するための創傷領域の再上皮化および再構築に重要な多数の構造タンパク質を産生する。したがって、細胞外マトリックスの重要な成分の発現を調節する能力を有する薬剤は、潜在的に組織再生を改善し、創傷治癒を促進するであろう。CoQ10組成物による線維芽細胞およびケラチノサイトの治療が、様々な構造タンパク質発現の変化を伴うことがわかった。CoQ10組成物による治療は、線維芽細胞においてコラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミンおよびラミニンを含む様々な構造タンパク質の発現に影響を与え、これらの全てはEBに関連する様々な症状に関係づけられてきた。同様に、CoQ10組成物により治療されたケラチノサイトは、それぞれ、KRT13、KRT14、およびKRT17を含む幾つかのケラチンを含む構造タンパク質の発現の変化を示した。皮膚の構造および機能の維持に関与する構造タンパク質の発現に影響を与えるCoQ10組成物の能力は、創傷治癒過程の重要な段階に影響を与えるその能力と共に、EBの創傷療法におけるその有用性の説得力のある理論的根拠を提供する。
実施例4.表皮水疱症を有する対象における皮膚扁平上皮癌を治療するためのCoQ10組成物の使用
様々な器官の上皮組織に対する消耗性の損傷に加えて、EBを有する患者は、成長遅延、貧血、筋ジストロフィー、および手足の変形を含む他の合併症に遭遇する。しかしながら、EBを有する成体の病的状態およびに死亡率の原因は、悪性腫瘍の発症率に関連し、そのうち皮膚扁平上皮癌(cSCC)が非常に顕著である。
皮膚SCCの発症率は、劣性栄養障害型EB(RDEB)患者において顕著であり、生涯の間のそれぞれ35歳、45歳および55歳までに67.8%、80.2%および90.15に達する累積リスクを有する。米国の白人集団の7〜11%において、EBにおける発病率は、非EB患者の皮膚SCCの生涯リスクと比較して、著しくより高い。加えて、EB患者のほぼ80%は、積極的な外科的介入にもかかわらず転移性SCCのために死亡する。cSCCの発症は接合部型EB(JEB)患者集団でも観察され、生涯累積リスクは25歳で約18.2%である。
非EB患者と比較してEB患者において観察されるより高い発症率は、皮膚SCCの悪性度と合わせてcSCCの分子病因論の違いを示唆する。p53の変異を含む分子マーカー、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)の発現変動、サイクリン依存性キナーゼ(CDKs)およびメラノコルチン1受容体(MC1R)の多型が、cSCCのイニシエーションおよび進行における主要な決定因子として確立されている。対照的に、EB患者におけるcSCCの原因に特定の経路を関係づける一貫した証拠が欠如している。組織ストレス(創傷治癒におけるEBに関連する異常に起因する)、EB関連の変異に起因するケラチノサイトの前悪性能、増殖因子および他の免疫監視の減弱を含む多数の因子が、EB患者におけるcSCCの発症/進行の主要な要因として示唆された。分子解析により、EB患者のcSCCの発症および進行におけるアポトーシス(例えば、p53)、増殖因子(例えば、EGFR、FGF)、プロテアーゼ、(MMP、Collagenase)、およびエピジェネティクス(HDACs)の制御因子が特定された。
腎臓移植患者のcSCCにおいてケラチン(例えば、KRT6、KRT16、KRT17)およびMMP(1、3、9、10)が最も強く調節されていたという観察は、興味深い。コラーゲン(例えば、Col7A、Col17)、ケラチン(例えば、KRT5、KRT14)、およびラミニン(例えば、ラミニン5)のような構造タンパク質の異常がEBと関連付けられてきたことと、MMP(1、2、3、5、9)およびコラゲナーゼなどのプロテアーゼが、EBおよび移植患者のcSCCと関連付けられることを考慮すると、細胞骨格構造タンパク質およびプロテアーゼ活性を妨げている分子ネットワークの交点が、細胞周期調節およびアポトーシスと組み合わされて、おそらくEB患者におけるcSCCのイニシエーションおよび進行に影響を与えると考えられる。
今のところ、これらの患者を定義または管理するためのなんらの標準的な基準も存在しないようである。外科的切除、化学療法、および/または放射線が、応答および長期の転帰において顕著な変動性のある3種類の標準治療である。化学療法および放射線の使用は、有害作用の顕著な発生率に関連する。現在、劣性栄養障害型表皮水疱症(RDEB)患者のcSCCの治療に利用可能な治療選択肢は非常に限られている。
腫瘍抑制因子p53は、ゲノムの守護者とみなされ、DNA修復機構を制御して、損傷したケラチノサイトを除去するためのアポトーシス経路の活性化を防止する。表皮では、DNA損傷を引き起こす可能性を有する内因的/外因的な侵襲(例えば、紫外線暴露)は、p53の活性化をもたらすか、可能であればDNA修復を組織化させるか、またはDNA損傷が修復不可能である場合、細胞にアポトーシスを起こさせる(Ortonne,2002)。加えて、p53自体が侵襲/損傷/ストレスの直接的な標的になり得、p53の機能の喪失は、制御されない増殖およびアポトーシス機能の喪失をもたらし得る。p53の変異は皮膚癌において頻繁に観察され、様々な皮膚癌におけるその頻度は非常に可変的である(Einspahr et al,1999)。
白人集団における発症率および病的状態/死亡率のために、高累積日光曝露の結果としてのSCCの病因論が、主な研究領域であった。EBを有する患者に加えて、SCCのより高い発症率は、免疫抑制療法を受けている患者でも観察され、ヒトパピローマウイルス感染による感染の間に増加した(Pons et al,2006)。光線性角化症および上皮内SCCは、浸潤性SCCの前浸潤段階である。p53の変異は、60%を超えるSCCおよびAKにおいて同定されており、かかる変異は、UV照射によって引き起こされるSCCおよびAKに特徴的である(Pons et al,2006)。p53遺伝子座(17p.13.1)のヘテロ接合性欠失(LOH)に加えて、LOHを保有する他の染色体が特徴づけられてきた(Boukamp,2005)。炎症(例えば、TNF−α、IL−6)、脂質過酸化、活性酸素種、およびミトコンドリアDNA損傷を含む他の因子が、SCCの発症および進行に関係づけられてきた(Bachelor et al,2009)。複数の遺伝的、生理学的および微小環境的因子がSCCの伝播および悪性度に寄与するという一般的な合意がある。
組織特異的侵襲(すなわち、AK/BCCにおいてUVに引き起こされる細胞障害)は、発癌過程の「イニシエーション」ステップとみなすことができるが、腫瘍病変が悪性を獲得するには不十分である。グローバルな遺伝的変化、プロテオミクス変化、および表現型変化と組み合わされたこれらの腫瘍性病変のクローン増殖は、悪性表現型および転移能の獲得に必須である。Otto Warburgによる古典的研究から始まり、腫瘍性病変における代謝転換が悪性能の獲得に重要かつ必要であることが現在確立されている。これは、細胞質におけるATP生成の主な原料としてグルコースを利用し、ミトコンドリアの酸化的リン酸化を回避するWarburg表現型を示す高増殖性の腫瘍によって証明されている(Weinhouse,1956、Burk et al,1956)。AKおよびBCCが、低悪性度および悪性表現型の出現に必要とされる潜伏期(数十年間)の期間延長に関連することを考慮すると、これは、代謝スイッチの非存在下で発癌を可能にする侵襲の存在を示唆する。対照的に、AKの上皮内SCCへの移行は、悪性表現型に特有の遺伝子、タンパク質、および代謝シグネチャの変化に加えて腫瘍性病変の緩徐だが進行性のクローン増殖に関連する(Berhane,2002)。またこれには、Toll様受容体を特異的に標的とするアルダラ(その使用は顕著な副作用の発生率に関連する)の有効性によって証明される炎症性因子が関与し得る。ATPを生成するためにグルコースの利用を駆動する細胞の生体エネルギーネットワークを迂回することを目的とする複数の戦略が、可能性のある癌治療法として研究された(Yeluri et al,2009)。転移性SCCおよび黒色腫などの高増殖性の癌は、それらの悪性能の維持に必須の代謝表現型を特徴とする(Scatena et al,2011;Hersey et al,2009)。新規のコエンザイムQ10含有製剤が、正常細胞の機能に影響を与えることなく癌における細胞の生体エネルギー経路に選択的に影響を与える手段として開発された。CoQ10は、細胞の主なエネルギー源であるアデノシン三リン酸(ATP)産生のためのミトコンドリア電子伝達連鎖の不可欠な構成要素である。エネルギー代謝におけるその役割に加えて、CoQ10は、抗酸化物質、膜安定化物質、およびフリーラジカルスカベンジャーとして機能する。CoQ10製剤は、腫瘍学的障害、心機能障害、神経障害、代謝障害、および遺伝的障害の治療薬として研究されてきた。コエンザイムQ10は、エネルギー産生を細胞質(非常に代謝的に活性な増殖性癌で観察される)からミトコンドリア酸化的リン酸化(正常組織で観察される)へと転換する細胞の生体エネルギーネットワークを特異的に標的とする。
国際公開PCT/US2005/001581(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)は、実験動物における腫瘍増殖の速度を低下させるCoQ10の局所製剤を記載している。
CoQ10によるインビトロ研究は、正常細胞における明白な毒性なく癌細胞の生存率に選択的に影響を与えるその能力を実証する。図1は、扁平上皮癌およびメラノーマ細胞株の細胞増殖速度の用量依存的な減少を表現するが、正常なヒトケラチノサイトおよび線維芽細胞に対する効果がないことを表現する。
黒色腫(SK−MEL−28)および扁平上皮癌(SCC−25)の細胞株で観察される細胞増殖速度の濃度依存的な減少は、コエンザイムQ10が正常細胞株(すなわち、正常なヒトケラチノサイトおよび成体線維芽細胞)における毒性なしに癌細胞に選択的に影響を与えることを示す。1.0%のCoQ10製剤は、ヌードマウスのメラノーマ腫瘍に局所的に適用されたとき、増大および血管新生を阻害した。メカニズムには、細胞の生体エネルギーを細胞質の解糖系からミトコンドリア酸化的リン酸化へと転換することが関与する(AACR 2011)。SCCおよび黒色腫を含む癌における細胞の代謝経路の転換は、細胞死を引き起こすようにアポトーシス促進性のBcl−2/Bax比率のバランスを再確立することによってp53により制御されるアポトーシス能の再現をもたらす。
イソクエン酸脱水素酵素(IDH−1およびIDH−2)は、イソクエン酸のa−ケトグルタル酸への酸化的脱炭酸を触媒するNADP+依存性酵素である。IDH−1は、ヒトにおける脳癌の発症率に関連する細胞質型アイソフォーム変異である(Parsons et al,2008)。更に、機能不全の酵素に関連する変異型IDH−1の発現は、Hif−1aの発現増加に関連する(Zhao S et al,2009)。機能不全のIDH酵素は様々な癌の発症率に関連し、このことは正常なIDH酵素の発現の増加が正常な酸化的リン酸化の再現に関連するはずであることを示唆する。黒色腫細胞のコエンザイムQ10による処理は、IDH−1の発現の濃度依存的な増加に関連し(図2)、このことはミトコンドリア酸化的リン酸化の増加を示唆する。
ATPクエン酸リアーゼ(ACL)は、脂質およびコレステロールの生合成のためにグルコース由来の細胞質のクエン酸のアセチルCoAへの転換を担う主な酵素である(Bauer et al,2005)。加えて、ATPクエン酸リアーゼにより生成されたアセチルCoAは、増殖因子刺激に応答しての、および分化の間のヒストンアセチル化に必須である(Wellen KE et al,2009)。ACL活性の減少がミトコンドリアにおけるクエン酸の酸化の増加に関連し得、このことがTCA回路の活性および酸化的リン酸化の増加をもたらすことが示唆されてきた(Board M and Newsholme E,1996)。したがって、メラノーマ細胞株においてコエンザイムQ10により引き起こされたACL発現の減少(図3)は、増殖、および癌細胞の増殖および分化に関連する転写活性の調節におけるヒストンのアセチル化に必須の脂質およびコレステロール生合成の減少を示唆する。正常な(HASMC)細胞では、コエンザイムQ10処理への応答としてACL発現の同程度の減少は観察されない。したがって、癌細胞のコエンザイムQ10による処理は、ミトコンドリア酸化的リン酸化の増強と一貫した様式でタンパク質の発現を変化させ、増殖の持続に必須の経路の関連する減少を伴う。
別の一連の実験では、メラノーマ細胞(SK−MEL−28)のCoQ10組成物による処理は、アポトーシス経路を制御することが知られているp53およびp14ARFのレベルの濃度依存的な漸進的増加をもたらした。MDM2はp53の発現および活性の負の調節因子であり、したがって、図4に示す発現の減少はコエンザイムQ10処理に応答してのp53発現の増加の間接的な確認を表す。
図5は、メラノーマ細胞株で細胞死経路を制御しているアポトーシス促進性および抗アポトーシス性のマーカーの発現を表す。アポトーシス促進性baxの発現の付随する増加を伴う抗アポトーシス性BCL−2タンパク質の濃度依存的な減少が、コエンザイムQ10への曝露後に観察される。カスパーゼ3(実行型カスパーゼ)の発現の用量依存的な漸進的増加は、癌細胞のアポトーシスの過程への傾倒を可能にするコエンザイムQ10の能力を示す。
次に、扁平上皮癌のインビトロモデルであるSCC細胞株(SCC−25)のプロテオミクス解析が、本発明のCoQ10組成物の根底にある機構的調節効果を詳細に描写するために行われた。上記に示され、下記に再掲される表1は、SCC細胞において100uMのCoQ10処理に対する6および24時間時点での特異な応答を有すると特定されたタンパク質を列挙する。
SCCモデルでは、CoQ10による処理は、核酸への中間体の生合成を制御するペントースリン酸経路内の酵素であるトランスアルドラーゼ−1の減少に関連した。更に、トランスアルドラーゼ−1は、細胞の還元当量(NADPH)バランスおよびグルタチオンベースの酸化還元状態の維持にも関与する。加えてSCCでは、CoQ10曝露は、ストレスタンパク質およびケラチンの発現の変化に関連した。ケラチンの1つであるケラチン14の欠損は、EBで報告されており、その発現はSCCモデルにおいてCoQ10組成物に応答して増加する。
上記に示され、下記に再掲される表3は、アポトーシスアレイによって解析されたときに、100uMのQ10処理によって調節されたSCC細胞の遺伝子を列挙する。
SCC細胞におけるCoQ10曝露に応答しての転写発現の変化の解析は、24時間にわたるp53転写物の持続する増加に関連した。対照的にTP73転写物では、最初の減少があり、後に増加が続いた。SCC細胞株におけるCoQ10処理に応答して観察される他の大きな変化は、Baxおよび複数のカスパーゼを含むアポトーシス促進性マーカーの上方調節と並行したAKT1の減少であった。まとめると、表1および表2からのデータは、SCC細胞株においてCoQ10曝露は代謝表現型の変化、p53の活性化、およびアポトーシスに関連することを示唆する。
多数のインビトロおよびインビボ研究は、細胞の生体エネルギーを転換してミトコンドリア酸化的リン酸化を介したATP合成を容易にするCoQ10の能力に対する支持を提供する。コエンザイムQ10によって引き起こされる細胞の生体エネルギーの解糖系から酸化的リン酸化への転換の結果は、正常細胞における毒性なく癌細胞に細胞死を起こさせること選択的に標的とするアポトーシス、血管新生、ミトコンドリア、および核の機能の変化である。
本明細書において提供される結果は、コエンザイムQ10が、癌代謝ネットワークに選択的に干渉し、これにより、癌のATPを生成するためのグルコースの直接的な利用への依存を、ミトコンドリア酸化的リン酸化を支持する経路へと転換する能力を有する分子であることを実証する。コエンザイムQ10曝露に関連する細胞の生体エネルギー利用ネットワークにおけるミトコンドリア酸化的リン酸化への転換は、癌細胞において異常が生じているp53により媒介されるアポトーシス経路の再現(修正)に関連づけられる。コエンザイムQ10の活性および作用機構は、実際の発癌環境で観察される高代謝活性を特徴とする転移性SCCの効果的な治療におけるその有用性を明白に実証する。
要約すると、本明細書において提供される結果は、SCC全般の治療およびEB患者で観察される高悪性度のcSCCの治療における、標的組織での顕著な吸収を容易にする浸透増強剤を有する特許で保護された脂質ナノ分散体中のCoQ10を含むコエンザイムQ10組成物の潜在的有用性を支持する。
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Claims (153)

  1. 表皮水疱症(EB)の治療の必要がある対象における表皮水疱症を治療する方法であって、コエンザイムQ10(CoQ10)の治療上有効量を含む医薬組成物の前記対象への局所投与を含む方法。
  2. 前記表皮水疱症が、単純型表皮水疱症、接合部型表皮水疱症、栄養障害型表皮水疱症、またはキンドラー症候群である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1週間〜約12週間の治療期間の間投与される、請求項1〜2のいずれか一項に記載の方法。
  4. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約14回前記対象に投与される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約7回前記対象に投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約2回前記対象に投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約1回前記対象に投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、2日毎に約1回前記対象に投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1週間に約2回前記対象に投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約2週間の治療期間の間投与される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約3週間の治療期間の間投与される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約4週間の治療期間の間投与される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約5週間の治療期間の間投与される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約6週間の治療期間の間投与される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 約4週間の治療期間の間の前記CoQ10を含む医薬組成物の少なくとも1つの水疱および/または創傷を含む患部への投与が、少なくとも1つの水疱および/または創傷を含む前記患部のサイズの少なくとも70%の低減をもたらす、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1%〜約5%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約3%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
  18. 前記CoQ10を含む医薬組成物の前記対象への投与が、1つ以上の有益な効果を前記対象に提供する、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記1つ以上の有益な効果が、
    a.前記EBに関連する疼痛の低減、
    b.前記EBに関連する炎症の低減、
    c.前記EBに関連する水疱および/または創傷のサイズの低減、
    d.前記EBに関連する水疱および/または創傷の数の低減、
    e.前記EBに関連する1つ以上の水疱および/または創傷の治癒速度の増加、
    f.EBに罹患している前記対象の皮膚の構造的完全性の増加、
    g.EBに関連する皮膚感染の数の低減、
    h.EBに関連する創傷の創傷閉鎖の増加、
    i.EBに関連する創傷の再上皮化の増加、
    j.EBに関連する創傷の肉芽形成の増加、
    k.EBに関連する水疱および/または創傷の表皮間隙距離の低減、
    l.EBに関連する水疱および/または創傷治癒の時間の低減、
    m.前記対象のEBを治療するために前記対象に投与される併用薬の量の低減、
    n.EBに関連する瘢痕化の低減、
    o.前記対象の皮膚におけるケラチノサイト生成の増加、ならびに
    p.前記対象の皮膚における線維芽細胞生成の増加からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
  20. 表皮水疱症(EB)の治療の必要がある対象における表皮水疱症を治療する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の前記対象への局所投与を含み、前記対象の治療が、約4週間の治療期間の間のCoQ10の有効量の投与後に1つ以上の水疱および/または創傷のサイズの少なくとも約70%の低減をもたらす方法。
  21. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1%〜約5%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約3%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項20または21に記載の方法。
  23. 前記CoQ10の前記対象への投与が、前記対象に有益な効果を提供する、請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記有益な効果が、
    a.前記EBに関連する疼痛の低減、
    b.前記EBに関連する炎症の低減、
    c.前記EBに関連する水疱および/または創傷のサイズの低減、
    d.前記EBに関連する水疱および/または創傷の数の低減、
    e.前記EBに関連する1つ以上の水疱および/または創傷の治癒速度の増加、
    f.EBに罹患している前記対象の皮膚の構造的完全性の増加、
    g.EBに関連する皮膚感染の数の低減、
    h.EBに関連する創傷の創傷閉鎖の増加、
    i.EBに関連する創傷の再上皮化の増加、
    j.EBに関連する創傷の肉芽形成の増加、
    k.EBに関連する水疱および/または創傷の表皮間隙距離の低減、
    l.EBに関連する水疱および/または創傷治癒の時間の低減、
    m.前記対象のEBを治療するために前記対象に投与される併用薬の量の低減、
    n.EBに関連する瘢痕化の低減、
    o.前記対象の皮膚におけるケラチノサイト生成の増加、ならびに
    p.前記対象の皮膚における線維芽細胞生成の増加から選択される群のうちの1つ以上である、請求項23に記載の方法。
  25. 表皮水疱症(EB)に関連する創傷の治療の必要がある対象において表皮水疱症に関連する創傷を治療する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の前記対象への局所投与を含む方法。
  26. 前記表皮水疱症が、単純型表皮水疱症、接合部型表皮水疱症、栄養障害型表皮水疱症、またはキンドラー症候群である、請求項25に記載の方法。
  27. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1週間〜約12週間の治療期間の間投与される、請求項25または26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約14回前記対象に投与される、請求項24〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約7回前記対象に投与される、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約2回前記対象に投与される、請求項24〜27のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約1回前記対象に投与される、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、2日毎に約1回前記対象に投与される、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1週間に約2回前記対象に投与される、請求項24〜28のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約2週間の治療期間の間投与される、請求項24〜33のいずれか一項に記載の方法
  35. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約3週間の治療期間の間投与される、請求項24〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約4週間の治療期間の間投与される、請求項24〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約5週間の治療期間の間投与される、請求項24〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約6週間の治療期間の間投与される、請求項24〜37のいずれか一項に記載の方法。
  39. 約4週間の治療期間の間の前記CoQ10を含む医薬組成物の少なくとも1つの水疱および/または創傷を含む患部への投与が、少なくとも1つの水疱および/または創傷を含む前記患部のサイズの少なくとも70%の低減をもたらす、請求項24〜36のいずれか一項に記載の方法。
  40. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1%〜約5%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項24〜39のいずれか一項に記載の方法。
  41. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約3%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項40に記載の方法。
  42. 前記CoQ10を含む医薬組成物の前記対象への投与が、1つ以上の有益な効果を前記対象に提供する、請求項24〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記1つ以上の有益な効果が、
    a.前記EBに関連する疼痛の低減、
    b.前記EBに関連する炎症の低減、
    c.前記EBに関連する水疱および/または創傷のサイズの低減、
    d.前記EBに関連する水疱および/または創傷の数の低減、
    e.前記EBに関連する1つ以上の水疱および/または創傷の治癒速度の増加、
    f.EBに罹患している前記対象の皮膚の構造的完全性の増加、
    g.EBに関連する皮膚感染の数の低減、
    h.EBに関連する創傷の創傷閉鎖の増加、
    i.EBに関連する創傷の再上皮化の増加、
    j.EBに関連する創傷の肉芽形成の増加、
    k.EBに関連する水疱および/または創傷の表皮間隙距離の低減、
    l.EBに関連する水疱および/または創傷治癒の時間の低減、
    m.前記対象のEBを治療するために前記対象に投与される併用薬の量の低減、
    n.EBに関連する瘢痕化の低減、
    o.前記対象の皮膚におけるケラチノサイト生成の増加、ならびに
    p.前記対象の皮膚における線維芽細胞生成の増加からなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
  44. 表皮水疱症に罹患している対象の皮膚の構造的完全性を改善する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の前記対象の皮膚への局所投与を含む方法。
  45. EBを有する前記対象の皮膚の構造的完全性不良が、1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質の異常または欠乏の結果である、請求項44に記載の方法。
  46. 前記1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質が、ケラチン、コラーゲン、プレクチン、アネキシン、ビメンチン、フィラミン、インテグリン、およびラミニンから選択される、請求項45に記載の方法。
  47. 前記ケラチンタンパク質が、ケラチン5(KRT5)、ケラチン13(KRT13)、ケラチン14(KRT14)、およびケラチン17(KRT17)からなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記コラーゲンタンパク質が、コラーゲンXVIIまたはVII型コラーゲンから選択される、請求項46に記載の方法。
  49. 前記ラミニンが、ラミニン332である、請求項46に記載の方法。
  50. 前記インテグリンが、α6β4インテグリンである、請求項46に記載の方法。
  51. 前記タンパク質が、トランスアルドラーゼ1、NM23タンパク質、熱ショック27kDaタンパク質1、ケラチン1、ケラチン14、ケラチン13、プロテアソームβ7、プロテアソーム活性化因子サブユニット3、およびRhoGDP解離阻害因子αからなる群から選択される、請求項45または46に記載の方法。
  52. 前記タンパク質が、V−aktマウス胸腺腫ウイルス癌遺伝子相同体1(AKT1)、BCL2−関連アタノ遺伝子4(BAG4)、BCL2−関連Xタンパク質(BAX)、BCL2−様1(BCL2L1)、BCL2/アデノウイルスE1B19kDa相互作用タンパク質3(BNIP3)、カスパーゼ動員ドメインファミリーメンバー6(CARD6)、カスパーゼ6、アポトーシス関連システインペプチダーゼ(CASP6)、カスパーゼ7、アポトーシス関連システインペプチダーゼ(CASP7)、増殖停止およびDNA損傷誘導性α(GADD45A)、腫瘍タンパク質p53(TP53)、および腫瘍タンパク質p73(TP73)からなる群から選択される、請求項45または46に記載の方法。
  53. 前記1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質の前記異常または欠乏が、表皮内にある、請求項45〜52のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質の前記異常または欠乏が、透明帯内にある、請求項45〜52のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質の前記異常または欠乏が、基底板下部にある、請求項45〜52のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質の前記異常または欠乏が、表皮、透明帯および基底板下部のうちの2つ以上の内部にある、請求項45〜52のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記EBが、単純型表皮水疱症である、請求項53に記載の方法。
  58. 前記EBが、接合部型表皮水疱症である、請求項54に記載の方法。
  59. 前記EBが、栄養障害型表皮水疱症である、請求項55に記載の方法。
  60. 前記EBが、キンドラー症候群である、請求項56に記載の方法。
  61. 前記1つ以上の構造タンパク質および/または機能タンパク質の前記異常または欠乏が、タンパク質活性の欠乏、タンパク質発現の欠乏および前記タンパク質の変異のうちの1つ以上である、請求項45〜60のいずれか一項に記載の方法。
  62. 皮膚の構造的完全性が、前記対象からの皮膚生検の組織検査、透過電子顕微鏡法(TEM)、または免疫蛍光染色により評価される、請求項44に記載の方法。
  63. 皮膚の構造的完全性の改善が、CoQ10の有効量による治療後にEBに罹患している前記対象に1つ以上の有益な効果が提供されていることによって判断される、請求項44〜62のいずれか一項に記載の方法。
  64. 前記1つ以上の有益な効果が、
    a.前記EBに関連する疼痛の低減、
    b.前記EBに関連する炎症の低減、
    c.前記EBに関連する水疱および/または創傷のサイズの低減、
    d.前記EBに関連する水疱および/または創傷の数の低減、
    e.前記EBに関連する1つ以上の水疱および/または創傷の治癒速度の増加、
    f.EBに罹患している前記対象の皮膚の構造的完全性の増加、
    g.EBに関連する皮膚感染の数の低減、
    h.EBに関連する創傷の創傷閉鎖の増加、
    i.EBに関連する創傷の再上皮化の増加、
    j.EBに関連する創傷の肉芽形成の増加、
    k.EBに関連する水疱および/または創傷の表皮間隙距離の低減、
    l.EBに関連する水疱および/または創傷治癒の時間の低減、
    m.前記対象のEBを治療するために前記対象に投与される併用薬の量の低減、
    n.EBに関連する瘢痕化の低減、
    o.前記対象の皮膚におけるケラチノサイト生成の増加、ならびに
    p.前記対象の皮膚における線維芽細胞生成の増加からなる群から選択される、請求項63に記載の方法。
  65. 皮膚の構造的完全性の改善が、CoQ10の有効量による治療後のEBに罹患している前記対象の皮膚の水疱吸引検査を使用して判断される、請求項44〜64のいずれか一項に記載の方法。
  66. CoQ10により治療された前記対象の皮膚における水疱形成までの時間の増加が、前記対象の皮膚の構造的完全性の改善を示す、請求項65に記載の方法。
  67. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1%〜約5%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項44〜66のいずれか一項に記載の方法。
  68. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約3%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項44〜67のいずれか一項に記載の方法。
  69. EBに罹患している対象における皮膚の水疱および/または創傷の治癒速度を増加させる方法であって、コエンザイムQ10(CoQ10)の治療上有効量を含む医薬組成物の前記皮膚の水疱および/または創傷への局所投与を含む方法。
  70. 前記治癒速度が、未治療の水疱および/または創傷の再上皮化速度と比較した、CoQ10組成物で治療された前記皮膚の水疱および/または創傷の再上皮化速度によって決定される、請求項69に記載の方法。
  71. 前記治癒速度が、未治療の皮膚の水疱および/または創傷の表皮間隙距離と比較した、CoQ10組成物で治療された前記皮膚の水疱および/または創傷の前記表皮間隙距離の低減によって決定される、請求項69に記載の方法。
  72. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、0.01mg/cm〜5mg/cmのCoQ10の投与量で、CoQ10クリームの形態で投与される、請求項1〜71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、追加の薬剤を含む第2の組成物と共に投与される、請求項1〜72のいずれか一項に記載の方法。
  74. 前記医薬組成物が、追加の薬剤を更に含む、請求項1〜73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 表皮水疱症に罹患している対象における扁平上皮癌を治療または防止する方法であって、CoQ10の治療上有効量を含む医薬組成物の前記対象への局所投与を含む方法。
  76. 前記扁平上皮癌が、皮膚扁平上皮癌である、請求項75に記載の方法。
  77. 前記表皮水疱症が、接合部型表皮水疱症、栄養障害型表皮水疱症、またはキンドラー症候群である、請求項75または76に記載の方法。
  78. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1週間〜約12週間の治療期間の間投与される、請求項75〜77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約14回前記対象に投与される、請求項75〜78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約7回前記対象に投与される、請求項75〜79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約2回前記対象に投与される、請求項75〜78のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約1回前記対象に投与される、請求項75〜79のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、2日毎に約1回前記対象に投与される、請求項75〜79のいずれか一項に記載の方法。
  84. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1週間に約2回前記対象に投与される、請求項75〜79のいずれか一項に記載の方法。
  85. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約2週間の治療期間の間投与される、請求項75〜84のいずれか一項に記載の方法。
  86. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約3週間の治療期間の間投与される、請求項75〜85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約4週間の治療期間の間投与される、請求項75〜86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約5週間の治療期間の間投与される、請求項75〜87のいずれか一項に記載の方法。
  89. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約6週間の治療期間の間投与される、請求項75〜88のいずれか一項に記載の方法。
  90. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1%〜約5%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項75〜89のいずれか一項に記載の方法。
  91. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約3%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項75〜90のいずれか一項に記載の方法。
  92. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、0.01mg/cm〜5mg/cmのCoQ10の投与量で、CoQ10クリームの形態で投与される、請求項75〜91のいずれか一項に記載の方法。
  93. 前記医薬組成物が、無傷の皮膚ならびに1つ以上の水疱および/または創傷を有する皮膚に投与される、請求項75〜92のいずれか一項に記載の方法。
  94. 前記医薬組成物が、無傷の皮膚に投与される、請求項75〜93のいずれか一項に記載の方法。
  95. 前記医薬組成物が、1つ以上の水疱および/または創傷を有する皮膚に投与される、請求項75〜92のいずれか一項に記載の方法。
  96. 前記対象の治療が、前記対象が罹患しているEBの型についてのSCCの平均的な発症年齢と比較して、SCC発症の遅延をもたらす、請求項75〜95のいずれか一項に記載の方法。
  97. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、追加の薬剤を含む第2の組成物と共に投与される、請求項75〜96のいずれか一項に記載の方法。
  98. 前記医薬組成物が、追加の薬剤を更に含む、請求項75〜96のいずれか一項に記載の方法。
  99. 前記追加の薬剤が、化学療法薬である、請求項97または98に記載の方法。
  100. 前記化学療法薬が、シスプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、トポテカン、またはエトポシドである、請求項97に記載の方法。
  101. 前記追加の薬剤が、5−フルオロウラシルである、請求項98に記載の方法。
  102. 前記追加の薬剤が、ジクロフェナク、イミキモド、またはインゲノールメブテートである、請求項97または98に記載の方法。
  103. 前記追加の薬剤が、光線力学療法(PDT)で使用される薬物である、請求項97または98に記載の方法。
  104. 表皮水疱症(EB)の治療の必要がある対象における表皮水疱症の治療に使用するための、CoQ10の治療上有効量を含む局所医薬組成物。
  105. 前記EBの治療が、EBに関連する1つ以上の水疱および/または創傷の治療を含む、前記EBの治療に使用するための請求項104に記載の組成物。
  106. 前記EBの治療が、EBに罹患している対象の皮膚の構造的完全性を改善することを含む、前記EBの治療に使用するための請求項104または105に記載の組成物。
  107. 前記EBが、単純型表皮水疱症、接合部型表皮水疱症、栄養障害型表皮水疱症、またはキンドラー症候群である、前記EBの治療に使用するための請求項104〜106のいずれか一項に記載の組成物。
  108. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1週間〜約12週間の治療期間の間投与される、請求項104〜107のいずれか一項に記載の組成物。
  109. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約14回前記対象に投与される、請求項104〜108のいずれか一項に記載の組成物。
  110. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約7回前記対象に投与される、請求項104〜109のいずれか一項に記載の組成物。
  111. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約2回前記対象に投与される、請求項104〜109のいずれか一項に記載の組成物。
  112. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約1回前記対象に投与される、請求項104〜110のいずれか一項に記載の組成物。
  113. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、2日毎に約1回前記対象に投与される、請求項104〜110のいずれか一項に記載の組成物。
  114. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1週間に約2回前記対象に投与される、請求項104〜110のいずれか一項に記載の組成物。
  115. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約2週間の治療期間の間投与される、請求項104〜114のいずれか一項に記載の組成物。
  116. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約3週間の治療期間の間投与される、請求項104〜115のいずれか一項に記載の組成物。
  117. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約4週間の治療期間の間投与される、請求項104〜116のいずれか一項に記載の組成物。
  118. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約5週間の治療期間の間投与される、請求項104〜117のいずれか一項に記載の組成物。
  119. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約6週間の治療期間の間投与される、請求項104〜118のいずれか一項に記載の組成物。
  120. 約4週間の治療期間の間の前記CoQ10を含む医薬組成物の少なくとも1つの水疱および/または創傷を含む患部への投与が、少なくとも1つの水疱および/または創傷を含む前記患部のサイズの少なくとも70%の低減をもたらす、請求項104〜117のいずれか一項に記載の組成物。
  121. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1%〜約5%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項104〜120のいずれか一項に記載の組成物。
  122. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約3%のCoQ10(w/w)を含有する、請求項104〜121のいずれか一項に記載の組成物。
  123. 前記CoQ10を含む医薬組成物の前記対象への投与が、1つ以上の有益な効果を前記対象に提供する、請求項104〜122のいずれか一項に記載の組成物。
  124. 前記1つ以上の有益な効果が、
    a.前記EBに関連する疼痛の低減、
    b.前記EBに関連する炎症の低減、
    c.前記EBに関連する水疱および/または創傷のサイズの低減、
    d.前記EBに関連する水疱および/または創傷の数の低減、
    e.前記EBに関連する1つ以上の水疱および/または創傷の治癒速度の増加、
    f.EBに罹患している前記対象の皮膚の構造的完全性の増加、
    g.EBに関連する皮膚感染の数の低減、
    h.EBに関連する創傷の創傷閉鎖の増加、
    i.EBに関連する創傷の再上皮化の増加、
    j.EBに関連する創傷の肉芽形成の増加、
    k.EBに関連する水疱および/または創傷の表皮間隙距離の低減、
    l.EBに関連する水疱および/または創傷治癒の時間の低減、
    m.前記対象のEBを治療するために前記対象に投与される併用薬の量の低減、
    n.EBに関連する瘢痕化の低減、
    o.前記対象の皮膚におけるケラチノサイト生成の増加、ならびに
    p.前記対象の皮膚における線維芽細胞生成の増加からなる群から選択される、請求項123に記載の組成物。
  125. 表皮水疱症(EB)に関連する扁平上皮癌(SCC)の治療の必要がある対象における表皮水疱症に関連する扁平上皮癌の治療に使用するための、CoQ10の治療上有効量を含む局所医薬組成物。
  126. 前記SCCが、皮膚扁平上皮癌である、前記SCCの治療に使用するための請求項125に記載の医薬組成物。
  127. 前記EBが、接合部型表皮水疱症、栄養障害型表皮水疱症、またはキンドラー症候群である、請求項125または126に記載の方法。
  128. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1週間〜約12週間の治療期間の間投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜127のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  129. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約14回前記対象に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜128のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  130. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、週に1〜約7回前記対象に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜128のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  131. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約2回前記対象に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜129のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  132. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1日に約1回前記対象に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜130のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  133. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、2日毎に約1回前記対象に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜130のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  134. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、前記治療期間の間、1週間に約2回前記対象に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜130のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  135. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約2週間の治療期間の間投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜134のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  136. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約3週間の治療期間の間投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜135のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  137. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約4週間の治療期間の間投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜136のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  138. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約5週間の治療期間の間投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜137のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  139. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、少なくとも約6週間の治療期間の間投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜138のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  140. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約1%〜約5%のCoQ10(w/w)を含有する、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜139のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  141. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、約3%のCoQ10(w/w)を含有する、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜140のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  142. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、0.01mg/cm〜5mg/cmのCoQ10の投与量で、CoQ10クリームの形態で投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜141のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  143. 前記医薬組成物が、無傷の皮膚ならびに1つ以上の水疱および/または創傷を有する皮膚に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜142のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  144. 前記医薬組成物が、無傷の皮膚に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜142のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  145. 前記医薬組成物が、1つ以上の水疱および/または創傷を有する皮膚に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜142のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  146. 前記対象の治療または防止が、前記対象が罹患しているEBの型についてのSCCの平均的な発症年齢と比較してSCC発症の遅延をもたらす、SCCの前記治療または防止に使用するための請求項125〜145のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  147. 前記CoQ10を含む医薬組成物が、追加の薬剤を含む第2の組成物と共に投与される、前記SCCの治療に使用するための請求項125〜146のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  148. 前記医薬組成物が、追加の薬剤を更に含む、SCCの治療に使用するための請求項125〜146のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  149. 前記追加の薬剤が、化学療法薬である、請求項147または148に記載の方法。
  150. 前記化学療法薬が、シスプラチン、ドキソルビシン、5−フルオロウラシル、カペシタビン、トポテカン、またはエトポシドである、請求項147に記載の方法。
  151. 前記追加の薬剤が、5−フルオロウラシルである、請求項148に記載の方法。
  152. 前記追加の薬剤が、ジクロフェナク、イミキモド、またはインゲノールメブテートである、請求項147または148に記載の方法。
  153. 前記追加の薬剤が、光線力学療法(PDT)で使用される薬物である、請求項147または148に記載の方法。
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