JP2020516808A - 保全方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、シャフト(3)を有する蒸気タービン(2)と、蒸気の流れる方向において、前記蒸気タービン(2)の下流に接続された凝縮器(4)と、前記凝縮器(4)の下流に接続された真空ポンプ(5)と、シャフトシール(7)を有する圧縮蒸気システム(6)と、前記シャフトシール(7)に合流する圧縮蒸気供給ライン(8)と、を含む発電所設備(1)に関するものであり、前記凝縮器(4)には、第1の窒素ライン(9)が合流しており、前記圧縮蒸気供給ライン(8)には、第2の窒素ライン(10)と、前記真空ポンプ(5)から分岐する再循環ライン(11)と、が合流している。本発明は、特に発電所設備(1)を保全するための方法に関する。

Description

本発明は、発電所設備と、発電所設備の保全方法と、に関する。
蒸気タービンを備えた発電所設備では、停止状態が長く続く場合に、腐食を制限するために、蒸気タービン及び凝縮器を保全しなければならない。同時に、水−蒸気回路を備えた火力発電所設備では、火力発電所設備を長く停止した後、迅速に再起動できるようにという要求、及び、可能な限り早く蒸気タービンを再び運転可能にするために、起動の間に化学的蒸気純度に迅速に到達するようにという要求が存在している。
従来は、停止状態が長く続く場合、真空が破壊されていた。すなわち、蒸気タービン及び凝縮器には、周囲空気が充填されていた。従って、蒸気タービン及び凝縮器に収容される周囲空気は、乾燥機を用いて、湿気が概ね存在しないことによって、腐食が十分に制限される範囲で乾燥されていた。この関連において危険な場所は、凝縮物収集タンクであり、凝縮物収集タンクからは、凝縮物が完全に排出されるか、又は、少なくとも充填レベルが低下する。これは、再起動を困難にする。さらに、真空を破壊することは、周囲空気により蒸気タービン及び凝縮器内に「汚染」ももたらされることを意味するので、再起動の際に、必要な蒸気純度を得ることは、対応して難しくなり、起動プロセスも対応して、より長く継続する。
腐食は、湿気が存在しないこと(これまで、蒸気タービン及び凝縮器に関して、最も一般的なアプローチだった)、又は、酸素が存在しないことによって、防止され得る。例えば、今日ではすでに一般的に、窒素が、ボイラーの蒸気を運ぶ領域及び蒸気ライン領域における腐食防止及び保全のために用いられる。
本発明の課題は、有効性及び費用効果に関しても、発電所設備の迅速起動の可能性に関しても有利である保全方法が可能であるような発電所設備を供給することにある。本発明のさらなる課題は、保全のための対応する方法について記載することにある。
本発明は、発電所設備に関連する課題を、以下を規定することによって解決する。すなわち、このような発電所設備は、シャフトを有する蒸気タービンと、蒸気の流れる方向において、蒸気タービンの下流に接続された凝縮器と、凝縮器の下流に接続された真空ポンプと、シャフトシールを有する圧縮蒸気システムと、シャフトシールに合流する圧縮蒸気供給ラインと、を含んでおり、凝縮器には、第1の窒素ラインが合流しており、圧縮蒸気供給ラインには、第2の窒素ラインと、真空ポンプから分岐する再循環ラインと、が合流している。
窒素を圧縮蒸気システムに導入する可能性、及び、付加的に凝縮器にも直接導入する可能性によって、蒸気タービン/凝縮器は、停止の間に、低い(数mbarの)窒素過圧における、保全された状態にされ得る。再循環ラインによって、窒素の需要は、比較的小さく維持され得る。
蒸気タービンを保全するための窒素を、乾燥に対する代替案として用いることによって、水の消費が減少する。凝縮物収集タンク内の凝縮物は、もはや排出されず、従って、排水量の減少が生じる。
一般的に、乾燥機の運転費用が不要になる。
本発明の有利な一実施形態では、シャフトシールは、シール蒸気チャンバ及び排出蒸気チャンバを含んでおり、圧縮蒸気供給ラインは、シール蒸気チャンバに合流し、排出蒸気チャンバは、排出蒸気送風機と接続されており、それによって、シャフトシールに流れ込む空気と、蒸気の部分流と、が、シール蒸気チャンバから吸い出され、排出蒸気凝縮器に供給される。この配置によって、窒素を用いて保全する場合に、窒素も収集されるか、又は、制御下で排出され、場合によっては再利用に供され得る。特に、停止された保全されたプラントの場合に、かなりの範囲で必要とされるか、又は、発生する窒素が、再利用され得る。
さらなる有利な実施形態では、電気過熱器が、圧縮蒸気供給ラインに接続されており、窒素ラインが、当該過熱器の上流において、圧縮蒸気供給ラインに合流している。必要な場合には、蒸気タービンの保温/事前加熱は、圧縮蒸気システム内に存在する電気過熱器(実際には補助蒸気過熱器)を通じた窒素の加熱によって支援され得る。
方法に関連する課題は、蒸気タービンと、蒸気タービンの下流に接続された凝縮器と、凝縮器の下流に接続された真空ポンプと、圧縮蒸気システムと、を含む発電所設備を保全するための方法によって解決され、蒸気タービンが停止し、保全された状態にされる場合には、窒素が、圧縮蒸気システム及び凝縮器に導入され、蒸気タービンと凝縮器とは、窒素過圧にもたらされ、真空ポンプは停止され、蒸気タービンが起動する場合には、真空ポンプの排気において、窒素が分けられ、再び圧縮蒸気システムに供給される。
窒素が、電気過熱器の上流において、圧縮蒸気システムの圧縮蒸気供給ラインに導入されると有利である。その際、圧縮蒸気システム内の電気過熱器は、圧縮蒸気システムによって供給された窒素が、シャフト圧縮蒸気の供給に関して十分に高い温度を有していることを確実にする。
窒素供給への早期の切り替えによって、停止後の圧縮蒸気需要を減少させることが可能であり、それによって、より多くの熱がボイラーに留まり、ボイラーがより長く、ホットスタート/ウォームスタート可能な状態に保たれる。
従って、発電所設備(1)の停止の際に、真空が破壊されることが可能になるとすぐに、窒素を蒸気と共に、圧縮蒸気供給ライン(8)に供給することが合理的である。
窒素の経済的な取り扱いに関しては、蒸気タービンの停止後、蒸気タービン及び凝縮器内で窒素過圧が得られた後に、圧縮蒸気システムの窒素供給が、保全段階の間は停止していると有利である。蒸気タービン又は凝縮器において、わずかな窒素過圧が得られた後、当該過圧は、凝縮器に窒素を再び供給することによって維持され得る。この方法によって、窒素消費が減少する。
その際、温度変動に留意すべきである。特に、蒸気タービン又は凝縮器内で予想され得る温度変化、特に冷却の前に、蒸気タービン又は凝縮器内での窒素圧力を上昇させると有利である。さもないと、不利な場合には、周囲空気が蒸気タービン又は凝縮器内に吸い込まれ得る。蒸気タービン又は凝縮器における、このような温度変動と、それに伴う圧力変動と、は、例えば保全の間の主要冷却水システムの稼働によって引き起こされ得る。長い停止状態の間の、このような冷却水の循環利用は、化学的/生物学的視点から、時折必要である。
これらの問題を回避するために、動作状態の変化も考慮するような、対応する窒素圧力制御戦略が必要であり、例えば、冷却水ポンプを作動する前に、前もって、窒素圧力がわずかに高められ得る。保全された体積における残留酸素の定期的な検査も必要である。
有利な方法では、発電所設備の起動の際に、十分な圧縮蒸気が存在しない限りにおいて、窒素が圧縮蒸気システムを通じて、継続的に再び供給される。特に、これは、蒸気タービンシャフトシールの密封のために凝縮器を真空にする間に行われる。これによって、周囲空気が後に蒸気タービンに流入し、その結果、水−蒸気サイクルが汚染されることが防止される。従って、廃熱蒸気発生器から独立した圧縮蒸気供給は不要であり、すなわち、場合によっては、別個の補助蒸気発生器を用いずにすむ可能性もある。これは、エネルギーの節約にもつながる。
特に極めて有利なのは、発電所設備を起動するために、窒素が、凝縮器から圧縮蒸気システムに再循環され、特に、凝縮器から圧縮蒸気システムへの再循環ライン内の空気が放出された後、及び、蒸気迂回ステーションの開放を可能にする十分な減圧が凝縮器内で得られた後に再循環される場合である。十分な減圧とは、典型的には600mbarを意味している。
さらに有利には、蒸気タービンの保温又は加熱が、補助蒸気システム内に配置された電気過熱器による窒素の加熱を通じて支援される場合である。
排出蒸気チャンバからの窒素が増加した排気が圧縮され、窒素発生器への流入空気として利用可能であると合理的である。
さらに、停止の間及び停止状態の間における保全に関しては、比較的少量の高純度の窒素が供給され、起動に関しては、停止の間及び停止状態の間における保全に関するよりも多い量の、より純度の低い窒素が、時間ごとに供給されると合理的である。
有利には、排出蒸気システムは、少なくとも一時的に、凝縮器及び蒸気タービンの計画的な窒素充填の間に、稼働している。
本発明によって、多くの利点がもたらされる。例えば、本発明は、現在のシステム(乾燥機に基づく)に対して明らかに改善された保全(例えば凝縮物収集タンク内の腐食が著しく減少する)の他に、費用の削減(投資の際にも運転においても)を、同時に比較的長い停止状態からの起動時間を最大限に短縮しながら可能にするが、このために、いかなる外部の補助蒸気源も不要である。実際の起動時刻までの準備時間は、例えば、凝縮物収集タンクがすでに充填されていることによって、又は、圧縮蒸気の供給を待たなくてもよいことによって、先行技術よりも短縮されている。
投資費用の節約は、接続ラインを含む従来の乾燥機と、補助設備、及び/又は、低温再加熱から及び従ってボイラー等からの早期の圧縮蒸気供給のための付加的な起動装置を含む補助蒸気ボイラーと、が不要となることから生じる。窒素の供給に関して相殺されるべき費用は、明らかにより少なく、窒素を供給するために、又は、窒素を屋外に排出するために、主に窒素貯蔵装置、配管系、及び、弁を含んでいる。
窒素生成設備が現場に存在する場合、当該設備の他に、十分な寸法を有する圧縮空気発生設備と、有利には窒素収集領域とが加えられ、窒素収集領域は、窒素を含有する排気を収容し、圧縮空気発生ユニットへの流入空気として利用可能にする。
しかしながら、少なくとも水−蒸気回路の別の部分の保全に関して、相乗効果が生じる。窒素消費に関する運転費用、及び、その際特に圧縮空気の生成に関する運転費用は、この節約によって相殺され得る。しかしながら、これらは比較的低い。
さらなる相乗効果が、作業空気設備が取り付けられている場合、現場での窒素生成のために必要な圧縮空気システムに関して生じる。
さらに、明らかにより高速なコールドスタートによって、燃料の節約が生じる。なぜなら、原則として、化学的蒸気純度に関する待機時間が不要になり得るからである。しかしながら、そのための前提は、水−蒸気回路の他の部分が十分に保全され、周囲空気が流入しないように装備され、適切に運転されたということである。
化石燃料で熱せられる補助ボイラーによって運転される設備と比べて、許認可の際に考慮されるべきエミッション源も不要になる可能性がある。
例示的に、図面を用いて、本発明を詳細に説明する。図面は概略的であり、縮尺通りではない。
本発明に係る発電所設備を示す図である。 発電所設備を保全するための方法の動作進行を示す図である。
図1は、発電所設備1を概略的かつ例示的に示しており、発電所設備1は、シャフト3を有する蒸気タービン2と、蒸気の流れる方向において蒸気タービン2の下流に接続された凝縮器4と、凝縮器4の下流に接続された真空ポンプ5と、を含んでいる。シャフト3を密封するために、一般的には、シャフトシール7に合流する圧縮蒸気供給ライン8を有する圧縮蒸気システム6が用いられる。シャフトシール7は、シール蒸気チャンバ12と排出蒸気チャンバ13とを含んでいる。補助蒸気発生器19を始点とする圧縮蒸気供給ライン8は、シール蒸気チャンバ12に合流している。補助蒸気又は圧縮蒸気の過熱のために、圧縮蒸気供給ライン8には、電気過熱器16が接続されている。排出蒸気システム18内部では、排出蒸気チャンバ13が、排出蒸気送風機14に接続されており、これによって、シャフトシール7に流入する空気と、蒸気の部分流とが、シール蒸気チャンバ12から吸い出される。吸い出された排出蒸気は、排出蒸気凝縮器15に供給される。
本発明によると、第1の窒素ライン9は、凝縮器4に合流している。第2の窒素ライン10は、電気過熱器16の上流において、圧縮蒸気供給ライン8に合流している。さらに、真空ポンプ5から分岐している再循環ライン11は、圧縮蒸気供給ライン8に合流している。再循環される窒素の量は、再循環ライン11内の弁40を通じて調整され得る。真空ポンプ5の圧力調整も、弁41を通じて、又は、両方の弁40及び41を組み合わせて行われ得る。窒素の供給は、図1の実施例では、窒素発生器及び窒素貯蔵装置20によって行われる。真空ポンプ5は、搬送される体積流量に関して、予想されるように、保全のために窒素を再循環するようには設計されておらず、この目的にとっては寸法が大きすぎる傾向があるので、図1は、それにも関わらず真空ポンプ5を用いた運転が有意義に可能であるような2つのさらなる手段を示している。一方では、復帰ライン42を通じて、弁43を用いて、ポンプで送出された多すぎる窒素が、真空ポンプ5の入口に戻されることが可能であり、他方では、ライン44を通じて、圧縮機45を用いて、窒素が、窒素貯蔵装置20に直接搬送され得る。
図2によると、発電所設備1を保全するための本発明に係る方法では、蒸気タービン2が停止し、保全された状態にされる際に、窒素が、電気過熱器16の上流において、圧縮蒸気システム6の圧縮蒸気供給ライン8及び凝縮器4に導入される21。蒸気タービン2が、ネットワークと同期している間は、凝縮器圧力を、蒸気タービン2における換気の問題を避けるために、窒素の供給によって、限られた範囲でのみ引き上げてよい。蒸気タービン2の停止及び起動の両方の際に、一時的に、特に真空が破壊され得る場合にのみ、窒素が蒸気と共に、圧縮蒸気供給ライン8に供給され得る22。ネットワークから分離し、ターン速度(Turndrehzahl)に達した後にのみ、真空ポンプ5が停止される23。凝縮器の空気抽出における、対応した凝縮器側の遮断は終了する。真空破壊装置は使用されない(真空破壊装置は、選択的に、凝縮器での十分に大きい窒素供給部によって代替される場合、完全に省略され得る)。その後で、窒素供給を通じて、凝縮器4/蒸気タービン2内の圧力が、過圧まで引き上げられる24。
圧縮蒸気システムでは、窒素充填動作の間(当該動作は、発電所設備の停止の間にすでにゆっくりと開始することが可能である。すなわち、蒸気タービン発電機は、依然としてネットワークに同期している)、つねに過圧が維持される25(窒素の供給、ボイラーからの従来の圧縮蒸気供給、又は、両方の組み合わせによって)ので、周囲空気が当該経路を通って流入することはできない。これによって、設備が化学的視点から、すでに迅速起動可能であり(蒸気純度を待つことなく)、凝縮物収集タンクが満たされた場合でも、腐食が、蒸気タービン及び凝縮器の領域において生じないことが確実化されるべきである。
蒸気タービン2が完全に停止した後、及び、蒸気タービン2内及び凝縮器4内で窒素過圧が得られた後で、圧縮蒸気システム6の窒素供給が、保全段階の間は停止される26。排出蒸気システム18は、少なくとも一時的に、凝縮器及び蒸気タービンに計画的に窒素が充填されている間に動作している。
排出蒸気チャンバ13からの窒素が増加した排気は、圧縮され、窒素発生器17への流入空気として利用可能となる28。蒸気タービン2の停止の間及び停止状態の間における保全のために、比較的少量の、高純度の第1の窒素が必要となる29。
蒸気タービン2の保温又は加熱は、圧縮蒸気供給ライン8内に配置された電気過熱器16を通じた窒素の加熱によって支援される30。
蒸気タービン2又は凝縮器4内で予想され得る温度変化の前に、蒸気タービン2又は凝縮器4内の窒素圧力が高められる31。
発電所設備1を、特に凝縮器を真空にする間に起動する際、蒸気タービンシャフトシールの密封のために、十分な圧縮蒸気が存在しない場合には、窒素が、圧縮蒸気システム6を通じて継続的に再び供給される32。
蒸気タービン2の起動の際に、真空ポンプ5は、再び作動する33。特に、真空ポンプによって、蒸気迂回ステーションの開放又はガスタービンの起動を可能にするのに十分な真空が発生される。窒素は、真空ポンプの対応する排気ラインを通じて、頂部の上方に放出される34か、又は、現場で窒素生成を行う場合(例えば圧力スイング吸着法を用いて)には、窒素生成のための圧縮空気発生器の特別な流入空気領域に供給される35。従って、排出蒸気システム18からの窒素を多く含有する排ガス、又は、真空ポンプ5からの排気を再び圧縮し、窒素発生器17への入口圧縮空気として利用可能とすることが有意義である。このような方法で、窒素生成設備も、そのために必要な「圧縮空気量」も、著しく小さくなる。
必要な窒素は、充填可能な外部の貯蔵装置(例えばシリンダ列)によって供給されるか、又は、窒素は、現場で生成され(例えば圧力スイング吸着法を用いて)、場合によっては貯蔵装置内に用意される。貯蔵装置及び/又は窒素生成設備のサイズは、少なくとも蒸気タービン/凝縮器の充填と、後続の圧力保持と、を確実化するために十分でなければならない。さらに、再起動システムも考慮しなければならない。すなわち、いつから窒素の供給が、従来の圧縮蒸気によって再び代替され得るかを考慮しなければならない。窒素生成が現場で行われない場合には、貯蔵装置のサイズ決定の際に、搬送物流も考慮しなければならない。
窒素の需要を制限するために、起動の際に、少なくとも一時的に、真空ポンプ5の排気から窒素が分けられ、圧縮蒸気システム6に供給される36。窒素は、自明のことながら、すぐに圧縮蒸気システム6に再循環されるのではなく、ある程度の動作時間の後にのみ、具体的に、再循環ライン11内の空気が、凝縮器4から圧縮蒸気システム6に放出された後で、及び、凝縮器4内で、蒸気迂回ステーションの開放を可能にする十分な減圧が得られた後で、圧縮蒸気システム6に再循環される。これは、対応する遮断装置によって確実化される。
現場で窒素を生成する場合、窒素の純度を変化させることによって、所定の窒素設備の限度容量が変化する。上述したように、保全のためには、より少量でも、高純度の窒素を供給することが必要である。
当該窒素の供給は、停止の間及び停止状態の間に必要となり、排出蒸気システムによる比較的少ない窒素損失の結果として生じる。なぜなら、蒸気タービン/凝縮器内の窒素過圧は、保全の目的のために、非常に低く保たれるからである。保全の場合の「高純度」の窒素の生成が、起動のために切り替えられる可能性があり、これによって、比較的量が多く、純度の低い第2の窒素が供給される37。起動のために、より量が多く、純度の低い窒素を供給することは、量に関しては必要であり、純度に関しては十分である。つまり、窒素は、より高い圧力を有して、圧縮蒸気システム6内に用意されていなければならず、これによって、排出蒸気システム18を通じた窒素損失が増大する。他方で、起動プロセスの短縮に基づく純度の低下は問題ではなく、さらに、高純度の窒素も、真空ポンプ5を通じて再循環される。
動作の安全性に関して留意すべきことは、排出蒸気システム18(特に吸い出しのための通風機)が、全ての時間にわたって(場合によってはより長く継続する停止状態の保全の間も)、運転を継続すること、及び、その他の場合にはシャフトシール7を通じてタービン室に漏出する窒素を、対応する配管を通じて、頂部の上方に放出するか、又は、場合によって付加的に、窒素を含有する排気の圧縮のためにのみ設けられた圧縮空気発生設備の、特に(対応して良好にシールドされた)流入空気領域に供給することである。既存のタービン室の換気装置は、さらなる安全対策として、場合によって生じる、人間にとって十分である酸素の供給を阻止し得る窒素の蓄積(例えば排出蒸気システム18において排気通風機が誤動作する場合における)が全く生じ得ないように機能する。さらなる安全対策として、排出蒸気システム18及び/又は建物換気装置が故障していることを示す対応する警報装置と、さらに、対応するガス検知器と、を用いることが可能であり、ガス検知器は、高い窒素濃度又は低い酸素濃度を検出し、対応して明確に表示する。そのために、固定式のガス検出器、又は、各作業員によって運ばれるガス検出器も用いられ得る。それによって、人員の安全性に関して生じるいかなる問題も、非常に良好に処理することが可能である。全体として、気体状で放出される分子の窒素自体は毒性を有さず、空気の主要成分として、環境に関係するエミッションではないということも確認されるべきである。
1 発電所設備
2 蒸気タービン
3 シャフト
4 凝縮器
5 真空ポンプ
6 圧縮蒸気システム
7 シャフトシール
8 圧縮蒸気供給ライン
9 第1の窒素ライン
10 第2の窒素ライン
11 再循環ライン
12 シール蒸気チャンバ
13 排出蒸気チャンバ
14 排出蒸気送風機
15 排出蒸気凝縮器
16 電気過熱器
17 窒素発生器
18 排出蒸気システム
19 補助蒸気発生器
20 窒素発生器及び窒素貯蔵装置
21 窒素が、電気過熱器16の上流において、圧縮蒸気供給ライン8及び凝縮器4に導入される
22 起動の際に一時的に、窒素が蒸気と共に、圧縮蒸気供給ライン8に供給される
23 真空ポンプ5が停止される
24 凝縮器4/蒸気タービン2内の圧力が、過圧まで引き上げられる
25 つねに過圧が維持される
26 圧縮蒸気システム6の窒素供給が、保全段階の間は停止される
28 排出蒸気チャンバ13からの窒素が増加した排気が圧縮され、窒素発生器17への流入空気として利用可能となる
29 比較的少量の、高純度の第1の窒素が必要となる
30 蒸気タービン2の保温又は加熱が、圧縮蒸気供給ライン8内に配置された電気過熱器16を通じた窒素の加熱によって支援される
31 蒸気タービン2又は凝縮器4内で予想され得る温度変化の前に、蒸気タービン2又は凝縮器4内の窒素圧力が高められる
32 発電所設備1を起動する際、蒸気タービンシャフトシールの密封のために十分な圧縮蒸気が存在しない場合には、窒素が、圧縮蒸気システム6を通じて継続的に再び供給される
33 蒸気タービン2の起動の際に、真空ポンプ5が再び作動する
34 窒素が、真空ポンプの対応する排気ラインを通じて、頂部の上方に吹き出される
35 窒素が、窒素生成のための圧縮空気発生器の特別な流入空気領域に供給される
36 起動の際に、少なくとも一時的に真空ポンプ5の排気から窒素が分けられ、圧縮蒸気システム6に供給される
37 より量が多く、純度の低い第2の窒素が供給される
40、41、43 弁
42 復帰ライン
44 ライン
45 圧縮機

Claims (14)

  1. シャフト(3)を有する蒸気タービン(2)と、蒸気の流れる方向において、前記蒸気タービン(2)の下流に接続された凝縮器(4)と、前記凝縮器(4)の下流に接続された真空ポンプ(5)と、シャフトシール(7)を有する圧縮蒸気システム(6)と、前記シャフトシール(7)に合流する圧縮蒸気供給ライン(8)と、を含む発電所設備(1)において、
    前記凝縮器(4)には、第1の窒素ライン(9)が合流しており、前記圧縮蒸気供給ライン(8)には、第2の窒素ライン(10)と、前記真空ポンプ(5)から分岐する再循環ライン(11)と、が合流していることを特徴とする発電所設備(1)。
  2. 前記シャフトシール(7)が、シール蒸気チャンバ(12)及び排出蒸気チャンバ(13)を含んでおり、前記圧縮蒸気供給ライン(8)は、前記シール蒸気チャンバ(12)に合流し、前記排出蒸気チャンバ(13)は、排出蒸気送風機(14)と接続されており、これによって、前記シャフトシール(7)に流れ込む空気と、蒸気の部分流と、が、前記シール蒸気チャンバ(12)から吸い出され、排出蒸気凝縮器(15)に供給される、請求項1に記載の発電所設備(1)。
  3. 電気過熱器(16)が、前記圧縮蒸気供給ライン(8)に接続されており、前記第1の窒素ライン(9)が、前記電気過熱器(16)の上流において、前記圧縮蒸気供給ライン(8)に合流している、請求項1又は2に記載の発電所設備(1)。
  4. 蒸気タービン(2)と、前記蒸気タービン(2)の下流に接続された凝縮器(4)と、前記凝縮器(4)の下流に接続された真空ポンプ(5)と、圧縮蒸気システム(6)と、を含む発電所設備(1)を保全するための方法であって、前記蒸気タービン(2)が停止し、保全された状態にされる際に、窒素が、前記圧縮蒸気システム(6)及び前記凝縮器(4)に供給され、前記蒸気タービン(2)と前記凝縮器(4)とは、窒素過圧にもたらされ、前記真空ポンプ(5)は停止される方法において、
    前記蒸気タービン(2)の起動の際には、前記真空ポンプ(5)が再び作動し、少なくとも一時的に、前記真空ポンプ(5)の排気において、窒素が分けられ、前記圧縮蒸気システム(6)に供給されることを特徴とする方法。
  5. 窒素が、電気過熱器(16)の上流において、前記圧縮蒸気システム(6)の圧縮蒸気供給ライン(8)に供給される、請求項4に記載の方法。
  6. 前記発電所設備(1)の停止の際に、真空が破壊されることが可能になるとすぐに、窒素が蒸気と共に、前記圧縮蒸気供給ライン(8)に供給される、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記蒸気タービン(2)の停止後、前記蒸気タービン(2)及び前記凝縮器(4)内で窒素過圧が得られた後に、前記圧縮蒸気システム(6)の窒素供給が、保全段階の間は停止している、請求項4から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記蒸気タービン(2)又は前記凝縮器(4)内で予想される温度変化の前に、前記蒸気タービン(2)又は前記凝縮器(4)内の窒素圧力が高められる、請求項4から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記発電所設備(1)の起動の際に、十分な圧縮蒸気が存在しない限りにおいて、窒素が、前記圧縮蒸気システム(6)を通じて継続的に再び供給される、請求項4から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記発電所設備(1)を起動するために、前記凝縮器(4)から前記圧縮蒸気システム(6)への再循環ライン(11)内の空気が放出された後、及び、蒸気迂回ステーションの開放を可能にする十分な減圧が、前記凝縮器(4)内で得られた後に、窒素が、前記凝縮器(4)から前記圧縮蒸気システム(6)に再循環される、請求項4から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記蒸気タービン(2)の保温又は加熱が、前記圧縮蒸気供給ライン(8)内に配置された電気過熱器(16)を通じた窒素の加熱によって支援される、請求項4から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 排出蒸気チャンバ(13)からの窒素が増加した排気が、圧縮され、窒素発生器(17)への流入空気として利用可能となる、請求項4から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記蒸気タービン(2)の停止の間及び停止状態の間における保全に関しては、比較的少量の高純度の第1の窒素が供給され、起動に関しては、前記第1の窒素よりも多い量の、より純度の低い第2の窒素が、時間ごとに供給される、請求項4から12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 排出蒸気システム(18)が、少なくとも一時的に、前記凝縮器(4)及び前記蒸気タービン(2)に計画的に窒素が充填されている間に動作している、請求項4から13のいずれか一項に記載の方法。
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