定義
本明細書において交換可能に使用される「タンパク質」、「ポリペプチド」、および「ペプチド」という用語は、コードされるアミノ酸およびコードされないアミノ酸、ならびに化学的または生化学的に修飾または誘導体化されたアミノ酸を含む、任意の長さのアミノ酸のポリマー形態を指す。これらの用語には、修飾されたペプチド骨格を有するポリペプチドなど、修飾されているポリマーが含まれる。
タンパク質は、「N末端」および「C末端」を有すると言われる。「N末端」という用語は、遊離アミン基(−NH2)を有するアミノ酸で終結するタンパク質またはポリペプチドの始点に関する。「C末端」という用語は、遊離カルボキシル基(−COOH)で終結するアミノ酸鎖(タンパク質またはポリペプチド)の終点に関する。
「融合タンパク質」という用語は、ペプチド結合または他の化学結合によってひとつに連結した2つまたはそれよりも多くのペプチドを含むタンパク質を指す。ペプチドは、ペプチドまたは他の化学結合によって直接的にひとつに連結している場合がある。例えば、化学分子は、単鎖融合タンパク質として組換え発現する場合がある。代替的に、ペプチドは、「リンカー」、例えば1つもしくは複数のアミノ酸、または2つもしくはそれよりも多くのペプチドの間の別の好適なリンカーによってひとつに連結していてもよい。
本明細書において交換可能に使用される「核酸」および「ポリヌクレオチド」という用語は、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、またはそれらのアナログもしくは修飾バージョンを含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形態を指す。これらには、一本鎖、二本鎖、および多重鎖のDNAまたはRNA、ゲノムDNA、cDNA、DNA−RNAハイブリッド、ならびにプリン塩基、ピリミジン塩基、または他の天然の、化学的に修飾された、生化学的に修飾された、非天然の、もしくは誘導体化されたヌクレオチド塩基を含むポリマーが含まれる。
核酸が「5’末端」および「3’末端」を有すると言われるのは、モノヌクレオチドが反応して、1つのモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸が、その隣の3’酸素に、リン酸ジエステル結合を介して一方向に付着するような様式でオリゴヌクレオチドを作るためである。オリゴヌクレオチドの一端は、その5’リン酸がモノヌクレオチドペントース環の3’酸素に連結していない場合には「5’末端」と呼ばれる。オリゴヌクレオチドの一端は、その3’酸素が別のモノヌクレオチドペントース環の5’リン酸に連結していない場合には「3’末端」と呼ばれる。核酸配列は、より大きなオリゴヌクレオチドの内部にある場合でも、5’および3’末端を有すると言われる場合がある。線状または環状DNA分子のいずれにおいても、個別のエレメントは、「下流」または3’側エレメントの「上流」または5’側にあると言われる。
「コドン最適化」とは、天然のアミノ酸配列を維持しながら、天然配列の少なくとも1つのコドンを、宿主細胞の遺伝子においてより高頻度または最も高頻度で使用されるコドンで置き換えることにより、特定の宿主細胞における発現を増強させるために核酸配列を修飾するプロセスを指す。例えば、融合ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは、天然に存在する核酸配列と比較して所与のListeria細胞または任意の他の宿主細胞において高い使用頻度を有するコドンを置換するように修飾することができる。コドン使用頻度表は、例えば「Codon Usage Database」において容易に利用可能である。各アミノ酸についてL.monocytogenesによって利用される最適なコドンは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているUS2007/0207170に示されている。これらの表は、いくつかの方法で適合させることができる。あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、Nakamuraら(2000年)、Nucleic Acids Research、28巻:292頁を参照されたい。特定の宿主における発現に関して特定の配列のコドン最適化のためのコンピュータアルゴリズムも利用可能である(例えば、Gene Forgeを参照されたい)。
「プラスミド」または「ベクター」という用語には、細菌送達ベクター、ウイルスベクター送達ベクター、ペプチド免疫療法送達ベクター、DNA免疫療法送達ベクター、エピソームプラスミド、組み込みプラスミド、またはファージベクターを含む、任意の公知の送達ベクターが含まれる。「ベクター」という用語は、宿主細胞において、1つまたは複数の融合ポリペプチドを送達することができ、必要に応じて発現することができる構築物を指す。
「エピソームプラスミド」または「染色体外プラスミド」という用語は、染色体DNAから物理的に分離しており(すなわち、エピソーム性または染色体外性であり、宿主細胞のゲノムに組み込まれておらず)、染色体DNAとは無関係に複製する核酸ベクターを指す。プラスミドは、線状であっても環状であってもよく、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。エピソームプラスミドは、必要に応じて、宿主細胞の細胞質(例えばListeria)において複数のコピーで持続し、エピソームプラスミド内の任意の目的の遺伝子の増幅をもたらす場合がある。
「ゲノムに組み込まれた」という用語は、ヌクレオチド配列が細胞のゲノムに組み込まれ、その後代に受け継がれることができるように、細胞に導入された核酸を指す。細胞のゲノムに核酸を安定に組み込むためには、任意のプロトコールを使用してよい。
「安定に維持される」という用語は、核酸分子またはプラスミドが、選択(例えば抗生物質選択)の非存在下で、少なくとも10世代にわたり、検出可能な喪失を伴わずに維持されることを指す。例えばその期間は、少なくとも15世代、20世代、少なくとも25世代、少なくとも30世代、少なくとも40世代、少なくとも50世代、少なくとも60世代、少なくとも80世代、少なくとも100世代、少なくとも150世代、少なくとも200世代、少なくとも300世代、または少なくとも500世代であり得る。安定に維持されることは、核酸分子またはプラスミドが、in vitro(例えば培養下)の細胞において安定に維持されること、in vivoで安定に維持されること、または両方を指す場合がある。
「オープンリーディングフレーム」または「ORF」とは、DNAのうち、タンパク質をコードする可能性があり得る塩基の配列を含む部分である。例として、ORFは、遺伝子の開始コード配列(開始コドン)と停止コドン配列(終結コドン)との間に位置する場合がある。
「プロモーター」とは、特定のポリヌクレオチド配列の適切な転写開始部位におけるRNA合成を開始するようにRNAポリメラーゼIIを方向付けることができるTATAボックスを一般的に含むDNAの調節領域である。プロモーターは、転写開始速度に影響する他の領域をさらに含む場合がある。本明細書において開示されるプロモーター配列は、作動可能に連結したポリヌクレオチドの転写をモジュレートする。プロモーターは、本明細書において開示される細胞型(例えば、真核細胞、非ヒト哺乳動物細胞、ヒト細胞、齧歯動物細胞、多能性細胞、一細胞期胚、分化細胞、またはそれらの組合せ)のうちの1つまたは複数において活性であり得る。プロモーターは、例えば、構成的活性型プロモーター、条件付きプロモーター、誘導性プロモーター、時間的に制限されたプロモーター(例えば、発生的に調節されたプロモーター)、または空間的に制限されたプロモーター(例えば、細胞特異的または組織特異的なプロモーター)であってもよい。プロモーターの例は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれているWO2013/176772に見出すことができる。
「作動可能な連結」または「作動可能に連結した」とは、2つまたはそれよりも多くの構成成分(例えば、プロモーターおよび別の配列エレメント)の並置であって、両方の構成成分が正常に機能し、かつ構成成分のうちの少なくとも1つが、他の構成成分のうちの少なくとも1つに対して発揮される機能を媒介し得るという可能性を許容するような並置を指す。例えば、プロモーターは、プロモーターが1つまたは複数の転写調節因子の存在または非存在に応じてコード配列の転写レベルを制御する場合、コード配列に作動可能に連結している場合がある。作動可能な連結には、互いと連続した配列またはトランスで作用する配列が含まれ得る(例えば、調節配列は、コード配列の転写を制御するために離れて作用することができる)。
2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列の文脈における「配列同一性」または「同一性」は、規定の比較ウィンドウにわたる最大一致度についてアラインしたとき同じである、2つの配列における残基を参照する。タンパク質に関連して配列同一性のパーセンテージが使用されるとき、同一でない残基の位置は、多くの場合、保存的アミノ酸置換によって異なると認識されている。保存的アミノ酸置換では、アミノ酸残基が、同様の化学的特性(例えば電荷または疎水性)を有する他のアミノ酸残基で置換され、したがって分子の機能的特性は変化しない。配列が保存的置換において異なる場合、配列同一性パーセントは、置換の保存的性質を補正するために上方に調整され得る。かかる保存的置換によって異なる配列は、「配列類似性」または「類似性」を有すると言われる。この調整を行うための手段は、当業者には周知である。典型的には、これは保存的置換を完全なミスマッチではなく部分的ミスマッチとしてスコアリングすることにより、配列同一性パーセンテージを増加させることを含む。よって、例えば、同一のアミノ酸に1のスコアが与えられ、非保存的置換にゼロのスコアが与えられる場合、保存的置換にはゼロと1の間のスコアが与えられる。保存的置換のスコアリングは、例えば、プログラムPC/GENE(Intelligenetics、Mountain View、California)に実装されているように計算される。
「配列同一性のパーセンテージ」とは、2つの最適にアラインされた配列(完全にマッチした残基の最大数)を比較ウィンドウに対して比較することによって決定される値を指し、ここで、比較ウィンドウ内のポリヌクレオチド配列の部分は、2つの配列の最適なアライメントについて参照配列(付加または欠失を含まない)と比較した場合、付加または欠失(すなわちギャップ)を含み得る。このパーセンテージは、両方の配列において同一の核酸塩基またはアミノ酸残基が存在する位置の数を決定し、マッチした位置の数を求め、マッチした位置の数を比較ウィンドウ内の位置の総数で除し、その結果に100を乗じて配列同一性のパーセンテージを求めることにより計算される。別段の規定がある(例えば、より短い配列が、連結した異種配列を含む)場合を除き、比較ウィンドウは、比較されている2つの配列のうち短い方の全長である。
別段の記載がない限り、配列同一性/類似性の値は、ヌクレオチド配列の同一性%および類似性%については、ギャップ重み50および長さ重み3のパラメーター、ならびにnwsgapdna.cmpスコアリング行列を使用し、アミノ酸配列の同一性%および類似性%については、ギャップ重み8および長さ重み2のパラメーター、ならびにBLOSUM62スコアリング行列を使用し、GAP Version 10を使用して、またはそれと同等の任意のプログラムを使用して得られた値を指す。「同等のプログラム」としては、問題の任意の2つの配列について、GAP Version 10によって生成された対応するアライメントと比較したとき、同一のヌクレオチドまたはアミノ酸残基マッチおよび同一の配列同一性パーセントを有するアライメントを生成する、任意の配列比較プログラムが挙げられる。
「保存的アミノ酸置換」という用語は、配列内に通常存在するアミノ酸の、同様のサイズ、電荷、または極性の異なるアミノ酸による置換を指す。保存的置換の例としては、イソロイシン、バリン、またはロイシンなどの非極性(疎水性)残基から別の非極性残基への置換が挙げられる。同様に、保存的置換の例としては、1つの極性(親水性)残基から別のものへの置換、例えばアルギニンとリシンとの置換、グルタミンとアスパラギンとの置換、またはグリシンとセリンとの置換が挙げられる。さらに、リシン、アルギニン、もしくはヒスチジンなどの塩基性残基から別のものへの置換、またはアスパラギン酸もしくはグルタミン酸などの1つの酸性残基から別の酸性残基への置換は、保存的置換のさらなる例である。非保存的置換の例としては、イソロイシン、バリン、ロイシン、アラニン、もしくはメチオニンなどの非極性(疎水性)アミノ酸残基から、システイン、グルタミン、グルタミン酸、もしくはリシンなどの極性(親水性)残基への置換、および/または極性残基から非極性残基への置換が挙げられる。典型的なアミノ酸のカテゴリー分類を以下にまとめる。
「相同な」配列(例えば核酸配列)とは、例えば、既知の参照配列と少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%同一であるような、既知の参照配列と同一であるか、または実質的に類似している配列を指す。
「野生型」という用語は、正常な(突然変異の、罹患した、変更されたなどとは対照的な)状態または文脈において見出される構造および/または活性を有する実態を指す。野生型遺伝子およびポリペプチドは、複数の異なる形態(例えば対立遺伝子)において存在することが多い。
タンパク質および核酸に関する「単離された」という用語は、in situで通常存在し得る他の細菌、ウイルス、または細胞の構成成分に対して比較的精製されているタンパク質および核酸を指し、タンパク質およびポリヌクレオチドの実質的に純粋な調製物まで含まれる。「単離された」という用語には、タンパク質および核酸であって、天然に存在する対応物を有しないもの、化学合成され、したがって他のタンパク質もしくは核酸が実質的に混入していないもの、または、天然において付随するほとんどの他の細胞構成成分(例えば、他の細胞タンパク質、ポリヌクレオチド、または細胞構成成分)から分離もしくは精製されているものも含まれる。
「外来性」または「異種」の分子または配列は、細胞において通常発現しないか、またはその形態で細胞に通常存在しない分子または配列である。通常の存在には、細胞の特定の発生段階および環境条件に関する存在が含まれる。外来性または異種の分子または配列は、例えば、細胞内の対応する内在性配列の突然変異バージョンを含む場合もあれば、細胞内の内在性配列に対応する配列だが異なる形態にある(すなわち、染色体内にない)ものを含む場合もある。特定の細胞における外来性または異種の分子または配列は、その細胞の基準となる種とは異なる種または同じ種内の異なる生物に由来する分子または配列であってもよい。例えば、異種ポリペプチドを発現するListeria株の場合、異種ポリペプチドは、同じ種内の異なる生物に由来する、Listeria株以外を起源とする、Listeria株によって通常は発現されない、Listeria株に天然または内在性ではないポリペプチドであり得る。
対照的に、「内在性」分子もしくは配列または「天然」分子もしくは配列は、特定の環境条件下で特定の発生段階の特定の細胞において、その形態で通常存在する分子または配列である。
「バリアント」という用語は、集団の大部分とは異なるが、依然としてそれらのうちの1つであるとみなされるのに十分なほど共通の態様と類似しているアミノ酸または核酸配列(または生物もしくは組織)(例えばスプライスバリアント)を指す。
「アイソフォーム」という用語は、別のアイソフォームまたは(例えば同じタンパク質の)バージョンと比較してわずかな差だけある分子(例えばタンパク質)のバージョンを指す。例えば、タンパク質アイソフォームは、異なるが関連した遺伝子から産生される場合もあれば、選択的スプライシングによって同じ遺伝子から生じる場合もあり、または単一のヌクレオチド多型から生じる場合もある。
「断片」という用語は、タンパク質について言及している場合、全長タンパク質よりも短いか、または少ないアミノ酸を有するタンパク質を意味する。「断片」という用語は、核酸について言及している場合、全長核酸よりも短いか、または少ないヌクレオチドを有する核酸を意味する。断片は、例えば、N末端断片(すなわち、タンパク質のC末端の一部分の除去)、C末端断片(すなわち、タンパク質のN末端の一部分の除去)、または内部断片であり得る。断片はまた、例えば、機能的断片または免疫原性断片であってもよい。
「アナログ」という用語は、タンパク質について言及している場合、保存的なアミノ酸の相違によって、アミノ酸配列に影響を与えない修飾によって、または両方によって、天然に存在するタンパク質と異なるタンパク質を意味する。
「機能的」という用語は、生物活性または機能を呈するタンパク質または核酸(またはそれらの断片、アイソフォーム、もしくはバリアント)の固有の能力を指す。そのような生物活性または機能としては、例えば、対象に投与されたときに免疫応答を誘発する能力を挙げることができる。そのような生物活性または機能としては、例えば、相互作用パートナーへの結合を挙げることもできる。機能的断片、アイソフォーム、またはバリアントの場合、これらの生物学的機能は、実際には(例えば、それらの特異性または選択性に関して)変化してもよいが、基本的な生物学的機能は保持される。
「免疫原性(immunogenicity)」または「免疫原性(immunogenic)」という用語は、対象に投与されたときに対象において免疫応答を誘発する分子(例えばタンパク質、核酸、抗原、または生物)の固有の能力を指す。免疫原性は、例えば、分子に対する抗体の数の増加、分子に対する抗体の多様性の増加、分子に特異的なT細胞の数の増加、分子に対する細胞傷害性またはヘルパーT細胞応答の増加などによって測定することができる。
「抗原」という用語は、本明細書では、対象または生物との接触下におかれたとき(例えば、対象もしくは生物に存在するとき、または対象もしくは生物によって検出されるとき)、対象または生物から検出可能な免疫応答をもたらす物質を指すように使用される。抗原は、例えば、脂質、タンパク質、炭水化物、核酸、またはそれらの組合せおよび変形形態であり得る。例えば、「抗原性ペプチド」は、対象もしくは生物に存在するとき、または対象もしくは生物によって検出されるとき、対象または生物において免疫応答のマウンティングをもたらすペプチドを指す。例えば、そのような「抗原性ペプチド」には、宿主細胞の表面上のMHCクラスIおよび/またはクラスII分子にローディングされ提示され、宿主の免疫細胞によって認識または検出されることにより、タンパク質に対する免疫応答のマウンティングをもたらすことができるタンパク質が包含され得る。そのような免疫応答は、宿主における他の細胞、例えば同じタンパク質を発現する罹患細胞(例えば腫瘍またはがん細胞)にも及ぶことがある。
「エピトープ」という用語は、免疫系によって認識される(例えば抗体が結合する)抗原上の部位を指す。エピトープは、連続するアミノ酸、または1つもしくは複数のタンパク質の三次フォールディングによって並置された不連続のアミノ酸から形成され得る。連続するアミノ酸から形成されたエピトープ(別称、線状エピトープ)は、典型的には、変性溶媒に曝露しても保持されるが、三次フォールディングによって形成されたエピトープ(別称、コンフォメーショナルエピトープ)は、典型的には、変性溶媒で処置すると失われる。エピトープは、典型的には、特有の空間的コンフォメーションに少なくとも3個、より一般的には少なくとも5個または8〜10個のアミノ酸を含む。エピトープの空間的コンフォメーションを決定する方法としては、例えば、X線結晶解析および2次元核磁気共鳴が挙げられる。例えば、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、Epitope Mapping Protocols、Methods in Molecular Biology、66巻、Glenn E. Morris編(1996年)を参照されたい。
「突然変異」という用語は、遺伝子またはタンパク質の構造のあらゆる変化を指す。例えば、突然変異は、染色体またはタンパク質の欠失、挿入、置換、または再構成から生じ得る。「挿入」は、1つまたは複数のさらなるヌクレオチドまたはアミノ酸を付加することにより、遺伝子内のヌクレオチドの数またはタンパク質内のアミノ酸の数を変化させる。「欠失」は、1つまたは複数のさらなるヌクレオチドまたはアミノ酸を低減させることにより、遺伝子内のヌクレオチドの数またはタンパク質内のアミノ酸の数を変化させる。
DNAにおける「フレームシフト」突然変異は、ヌクレオチドの付加または損失が遺伝子のリーディングフレームを変化させるときに起こる。リーディングフレームは、それぞれが1つのアミノ酸をコードする3つの塩基の群からなる。フレームシフト突然変異は、これらの塩基群をずらし、アミノ酸コードを変化させる。結果として生じるタンパク質は、一般的に非機能性である。挿入および欠失はそれぞれフレームシフト突然変異であり得る。
「ミスセンス」突然変異または置換とは、コードされるアミノ酸の変化をもたらす、タンパク質のうちの1つのアミノ酸の変化、または単一のヌクレオチドにおける点突然変異を指す。1つのアミノ酸の変化をもたらす、単一のヌクレオチドにおける点突然変異は、DNA配列における「非同義」置換である。非同義置換は、「ナンセンス」突然変異をもたらす場合もある。ナンセンス突然変異では、コドンが中途停止コドンに変化し、結果として生じるタンパク質がトランケートされる。対照的に、DNAにおける「同義」突然変異は、タンパク質のアミノ酸配列を変更しない(コドン縮退に起因する)ものである。
「体細胞突然変異」という用語は、胚細胞以外の細胞(例えば精子または卵子)によって獲得される遺伝的変更を含む。そのような突然変異は、細胞分裂の過程において突然変異細胞の後代に伝えられる場合があるが、遺伝性ではない。対照的に、胚突然変異は生殖系列において生じ、次世代の子孫に伝えられ得る。
「反復性がん突然変異」とは、複数のタイプのがんおよび/または特定のタイプのがんを有する複数の対象において生じる、タンパク質のアミノ酸配列の変化である。がんに関連するこのような突然変異は、対応する健康な組織に通常存在しない腫瘍関連抗原をもたらし得る。
「in vitro」という用語は、人工環境、および人工環境(例えば試験管)内で起こるプロセスまたは反応を指す。
「in vivo」という用語は、自然環境(例えば、細胞または生物または身体)、および自然環境内で起こるプロセスまたは反応を指す。
1つまたは複数の列挙されている要素を「含む(comprising)」または「含む(including)」組成物または方法は、明確に列挙されていない他の要素を含む場合がある。例えば、タンパク質を「含む(comprises)」または「含む(includes)」組成物は、タンパク質を単独で、または他の成分と組み合わせて含有してもよい。
値の範囲の指定は、その範囲内にある、またはその範囲を定義するすべての整数、およびその範囲内の整数によって定義されるすべての部分範囲を含む。
文脈上他の意味に解すべきことが明らかでない限り、「約」という用語は、表示値の測定標準誤差(例えばSEM)内の値、または規定値から±0.5%、1%、5%、もしくは10%の差異を包含する。
「a」、「an」、および「the」という単数形の冠詞は、文脈が他の意味を明らかに示す場合を除き、複数の参照対象を含む。例えば、「抗原(an antigen)」または「少なくとも1つの抗原」という用語には、複数の抗原(それらの混合物を含む)が含まれ得る。
統計的に有意とは、p≦0.05を意味する。
詳細な説明
I.概説
がん関連タンパク質に由来する1つまたは複数の抗原性ペプチド(例えばPEST含有ペプチドに融合したもの)を含む組換え融合ポリペプチドが、本明細書において提供される。抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチド、ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチド、またはユビキチンタンパク質に融合した抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含み得る。例えば、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチド(例えばPEST含有ペプチドに融合したもの)を含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチドが、反復性がん突然変異を含み、抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、同じがん関連タンパク質の断片である、組換え融合ポリペプチドが、本明細書において提供される。また、かかる融合ポリペプチドをコードする核酸;かかる融合ポリペプチドもしくはかかる核酸を含む組換え細菌またはListeria株;かかる組換え細菌またはListeria株を含む細胞バンク;かかる融合ポリペプチド、かかる核酸、またはかかる組換え細菌もしくはListeria株を含む免疫原性組成物、医薬組成物、およびワクチン;ならびにかかる融合ポリペプチド、かかる核酸、およびかかる組換え細菌またはListeria株を生成する方法が、本明細書において提供される。また、かかる組換え融合ポリペプチド、核酸、組換え細菌もしくはリステリア株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを使用して、対象において抗腫瘍関連抗原免疫応答を誘導する方法、対象において抗腫瘍または抗がん免疫応答を誘導する方法、対象において腫瘍またはがんを処置する方法、対象において腫瘍またはがんを防止する方法、および腫瘍またはがんから対象を保護する方法も提供される。
ヒトがんにおける一部の治療標的は、TP53、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、KRAS、NRAS、BRAF、およびEGFRなどの腫瘍特異的突然変異「ホットスポット」を有する腫瘍ドライバー遺伝子によってコードされるタンパク質である。ホットスポットは、突然変異する可能性が最も高いDNA分子内の領域である。体細胞性のドライバー突然変異の獲得は、発癌に必要とされる増殖、浸潤、およびアポトーシスの調節不全に関与する主要な機構のうちの1つである。これらの突然変異の多くは、生物学的に活性なタンパク質の機能的領域(例えば、キナーゼドメインまたは結合ドメイン)において高頻度で生じるか、または活性部位(例えば、リン酸化部位)を妨害し、結果として機能喪失または機能獲得型の突然変異をもたらす。多くの患者は、最も高頻度で突然変異するか、または少なくとも部分的に悪性表現型の発生の原因となる、重要な腫瘍ドライバー遺伝子の機能的ドメインによく見られる突然変異を共有する。例えば、1つの研究は、41の異なる腫瘍型において11,000を超える腫瘍を評価し、275の遺伝子に影響を与える470の体細胞突然変異ホットスポットを報告した。すべての固形腫瘍のうちおよそ55%が、1つまたは複数のホットスポットを有することも報告された(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているChangら(2016年)、Nat Biotechnol、34巻(2号):155〜163頁)。これらのホットスポットから生じる特定のミスセンスアミノ酸置換を評価すると、複数の腫瘍型のがん患者が多くの突然変異を共通してもっていることが明らかになる。例えば、ほとんどのヒト腫瘍においてp53機能が損なわれ、すべての腫瘍のうち少なくとも半数がp53の突然変異を呈すると仮定されている(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているPolagerおよびGinsberg(2009年)、Nat Rev. Cancer、9巻(10号):738〜748頁)。患者および腫瘍型を越えたこの突然変異の「共有」は、これらのよく見られるホットスポットを標的とする処置用構築物の「オフザシェルフ」開発の機会を作る。後天的な腫瘍特異的またはがん特異的な突然変異の標的化は、中枢性寛容によって妨げられず、正常な細胞におけるオフターゲット効果を最小限に抑える。本明細書では、Listeria monocytogenes(Lm)技術(ADXS−HOT)を使用した、かかる「オフザシェルフ」の構築物、および治療方法におけるその使用が開示される。
Lm技術は、強力な自然免疫刺激、樹状細胞および抗原提示細胞のサイトゾルへの標的ペプチドの直接送達、標的化されたT細胞応答の生成、ならびに腫瘍微小環境における調節性T細胞および骨髄系由来サプレッサー細胞による免疫抑制の低減を組み込む作用機構を有する。中和抗体を用いず、複数の処置を与え、かつ/または組み合わせることができる。Lm技術は例えば、生きている弱毒化されたバイオエンジニアリングされているLm細胞を使用して免疫系を刺激し、腫瘍細胞を細菌に感染した可能性がある細胞とみなし、排除する標的とすることができる。この技術のプロセスは、Listeriaの生弱毒化株から始めることができ、例えば、例えば、目的の抗原に結合したLLO(リステリオリシンO)分子の断片を含む、融合タンパク質配列をコードするプラスミドの複数のコピーを付加することができる。この融合タンパク質は、抗原提示細胞の中でListeriaによって分泌される。この結果として、免疫系の自然免疫と適応免疫の両方が刺激され、これにより腫瘍防御機構が低減し、免疫系ががん細胞を攻撃し破壊することが容易になる。
免疫学的に言って、Lmベースのベクターは、ペプチドワクチンと比較して、CD8+優勢T細胞応答の生成のための遥かに優れたプラットフォームである。第1に、フィルグラスチム注射のアジュバントを付加する必要がない。これは、生弱毒化細菌ベクターが、いくつかのTLR、PAMP、およびDAMP受容体を含む数多くの自然免疫活性化トリガーを本質的に作動させ、かつ抗原提示細胞のサイトゾル内のSTING受容体をアゴナイズする強力な能力を有するためである。これは、患者の免疫系を適応免疫応答に向けてプライミングする、免疫微小環境のはるかに広範な変更である。第2に、Lmベクターは静脈内に注入される。そのため、Lmベクターは、皮下組織の限られた領域内に存在し得るものよりもかなり多くの抗原提示細胞に達することができる。また、それは、皮下注射の必要性、フィルグラスチムの使用、および遅延型過敏症のリスクを排除する。また、それは、最適なCD8+T細胞数が典型的には3回の処置(10回以下)の後にピークに達するため、高いT細胞力価をより急速に生成する可能性も高い。第3に、Lmは、CD4+交差反応性の優勢なCD8+T細胞応答を促進し、T細胞を助ける。CD8+T細胞は、がん細胞を死滅させるのに最も効果的であり、LmベクターはAPCの細胞質内でそれらの抗原を提示するため、これらのペプチドは急速にプロテアソームにシャントされてプロセシングされ、MHCクラス1と複合体を形成し、APC表面に輸送され、主にCD8+T細胞に提示される。このことは、皮下のMontanideによる抗原ペプチド提示よりも多くのCD8+T細胞が生成されるという利点をもたらすはずである。第4に、Lmベクターは、腫瘍および周囲のリンパ節におけるケモカインおよびケモカイン受容体の発現を増加させる。これにより、活性化されたT細胞を固形腫瘍の近傍に誘引することが容易になる。第5に、Lmベクターは、T細胞の攻撃から腫瘍を保護し得る免疫抑制細胞の相対数および抑制機能を減少させ、がん細胞のT細胞死滅をより良好に可能にする。調節性T細胞および骨髄系由来サプレッサー細胞の免疫抑制能力のこの低減により、これらのペプチドに対して生成されたT細胞が固形腫瘍においてより良好な活性を有することがより良好に可能になる。第6に、Lmベクターは中和抗体を生成しない。このためこれらのベクターは、中和抗体からの有効性の喪失、および遅延型過敏症またはアナフィラキシーを含み得る急性過敏症の発症を伴わずに、長期間にわたって繰り返し投与することができる。
Lmベクターは、複数の免疫療法機構、すなわちtoll様受容体(TLR)およびインターフェロン遺伝子刺激因子(STING)受容体を含む病原体関連分子パターン(PAMP)を介した強力な自然免疫刺激、強いCD8+およびCD4+T細胞応答、エピトープ拡散、ならびに腫瘍微小環境におけるTregおよび骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)を無能にすることによる免疫抑制を介して作用する。加えて、Listeriaの特有の細胞内生活環が中和抗体を回避するため、反復投薬が可能である。Lmは、チェックポイント阻害剤、共刺激アゴニスト、および他の薬剤との相乗作用を有することからも有利である。それは、大きい容量も有し、多くの異なる腫瘍型を標的とするように適合させることができる。例として、Lmの生弱毒化株は、アジュバント特性を有するリステリオリシンOのトランケート断片(tLLO)、および1つもしくは複数の腫瘍関連抗原を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる、抗原−アジュバント融合タンパク質を分泌するように、バイオエンジニアリングすることができる。患者に注入すると、バイオエンジニアリングされているLmは、抗原提示細胞によって貪食され得、ここで融合タンパク質がLmによって分泌され、プロセシングされ、主要組織適合抗原(MHC)クラスIおよびII分子に提示される。抗原提示細胞の表面に提示された標的ペプチドは、腫瘍関連抗原特異的CD4+およびCD8+T細胞を刺激する。活性化されたCD8+T細胞は次に、腫瘍関連抗原発現がん細胞を捜し出して死滅させ、免疫抑制を克服するために腫瘍微小環境をモジュレートし得る。
Lmベクターは、いくつかの臨床的利点を有する。処置に関連する任意の副作用は、患者が未だクリニックにいる注入直後の数時間で現れ、ほぼ例外なく軽度から中程度であり、処置に容易に応答し、遅発、累積毒、または持続する後遺症のエビデンスなしに投薬日に解消する。実用的利点としては、複数の薬剤を投与して、その後の投与のために代替的な投薬部位に切り替える必要がないという事実が挙げられる。
製造の観点からは、いくつかの利点がある。第1に、個々のペプチドを高濃度および高純度で製造する必要がない。Lm菌は、細菌の中でDNAプラスミドの複数のコピーにおいて同時にDNAを転写し、これらのペプチドをAPCの細胞質内に直接分泌し、ここでこれらはほぼ即時的にプロテアソームに輸送されてプロセシングされる。本質的にペプチドは、抗原プロセシングのために使用されるまさにその場で細菌によって製造される。第2に、Lmベクターは高度にスケーラブルである。遺伝子工学操作が完了次第、細菌はブロス培養物中で自らを複製する。この培養物をスケールアップして、製品のコストを大幅に削減することができる。第3に、Montanideのような複合担体に配合したり、エマルジョンを作ったりする必要がない。第4に、この細菌は、ペプチド製剤の効力喪失につながり得るペプチド分解または崩壊生成物混入の心配がなく、一部は5年超にわたって非常に安定である。
本明細書において開示されるADXS−HOT構築物は、がん関連遺伝子(例えば、主要な腫瘍ドライバー遺伝子)において生じる複数の反復性がん突然変異(例えば、共通の腫瘍ドライバーホットスポット突然変異)によって表される特定のエピトープ(例えば、T細胞エピトープ)を標的とするために、Lmベクター技術を利用する。例として、特定の腫瘍ドライバー遺伝子における突然変異を共有する患者の大部分において見出される特定のホットスポットミスセンス突然変異をカバーし得る、1つのLmベクターを調製することができる。このアプローチにより、単一の生成物が、例えば、TP53、PIK3CA、またはNRASもしくはKRASなどの特定の遺伝子に後天的突然変異を有する患者の90%またはそれよりも多く(例えば98%またはそれよりも多く)において見出されることになる潜在的な突然変異エピトープを表すことが可能になる。例えば、17位における突然変異エピトープは、TP53における反復性ミスセンスがん突然変異の>90%をカバーし得る。かなりの割合のがん患者がこれらの突然変異の多くを共有しているため、腫瘍ドライバー遺伝子における潜在的な突然変異の大部分を組み合わせて1つの生成物にすることが可能である。結果として、固形腫瘍の潜在的な腫瘍ドライバー遺伝子ミスセンス突然変異のスペクトル全体を1つのLm構築物の容量内にカバーすることができる。このためLmベクター技術は、よく見られる突然変異を標的とする「オフザシェルフ」ホットスポット構築物を工学操作するための高効率かつ適合可能な技術である。
別の例として、特定のタイプのがんを有する患者の大部分(または、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、もしくは50%など、ある特定のパーセンテージの患者)において見出される特定のホットスポットミスセンス突然変異をカバーし得る、1つのLmベクターを調製することができる。このアプローチにより、単一の生成物が、例えば、特定のタイプのがんを有する患者の50%またはそれよりも多くにおいて見出されることになる潜在的な突然変異エピトープを表すことが可能になる。かなりの割合のがん患者がこれらの突然変異の多くを共有しているため、特定のタイプのがんにおける潜在的な突然変異の大部分またはかなりのパーセンテージを組み合わせて1つの生成物にすることが可能である。結果として、固形腫瘍の潜在的な腫瘍ドライバー遺伝子ミスセンス突然変異のスペクトル全体を1つのLm構築物の容量内にカバーすることができる。このためLmベクター技術は、よく見られる突然変異を標的とする「オフザシェルフ」ホットスポット構築物を工学操作するための高効率かつ適合可能な技術である。
ADXS−HOT構築物は、最もよく見られる腫瘍ドライバーホットスポット突然変異を標的とするようにバイオエンジニアリングすることができる。これらの生成物は、特定の腫瘍ドライバー遺伝子のADXS−HOT生成物の突然変異カバー範囲に含まれる突然変異を有することがバイオマーカー検査によって見出された患者のために製造され、即時利用可能であり得る。同様に、これらの生成物は、2つまたはそれよりも多くの特定の腫瘍ドライバー遺伝子のADXS−HOT生成物の突然変異カバー範囲に含まれる突然変異を有することがバイオマーカー検査によって見出された患者のために製造され、即時利用可能であり得る。この突然変異の存在は、生検またはアーカイブ腫瘍組織、または既に存在し得るDNAもしくはRNA配列決定情報に対する、高速PCR検査、Nanostring、DNA配列決定、RNA配列決定、または別の診断用バイオマーカー手順により、各患者について判定または確認することができる。バイオマーカー検査結果を使用して適格性を迅速に確認できることで、患者に直接ADXS−HOT生成物を迅速に送達することが容易になり、カスタマイズされた処置を開発するのに必要な一切の待機期間がなくなる。バイオマーカー検査によってホットスポット突然変異の存在を迅速に判定することができ、「オフザシェルフ」処置を直ちに開始することができる。DNA配列決定は必要とされず、患者特異的な生成物の製造は不要である。この適格患者に対するホットスポット標的免疫療法の「オフザシェルフ」送達は、がん処置における重要な治療選択肢を意味する。
腫瘍関連抗原遺伝子に由来する(例えば、がん精巣抗原または癌胎児性抗原に由来する)ヘテロクリティック配列(すなわち、配列最適化されたペプチド)の設計および使用は、MHCクラスI対立遺伝子による提示を増加させ得る。ヘテロクリティック配列は、中枢性寛容を克服するためにT細胞応答をプライミングし、野生型ペプチドに対して首尾よい交差反応性免疫応答を誘発するのに十分であることが示されている。ホットスポット標的免疫療法にヘテロクリティックエピトープを付加することにより、がんタイプにおける全患者カバー範囲が100%に近づき得るという点で、元のホットスポット突然変異ペプチドが補完され得る。したがって、患者は、最も多く見られるHLA(HLA−A0201、HLA−A0301、HLA−A2402、およびHLA−B0702)をカバーするようにヘテロクリティックペプチドが設計された腫瘍関連抗原を発現すると考えられるため、処置の前に患者の配列決定を行う必要がない。
本明細書において開示されるミニ遺伝子構築物アプローチを特異的MHCクラスI結合抗原性決定基の発現のために使用することにより、プロフェッショナル抗原提示細胞(pAPC)の抗原提示経路に短いペプチド配列を高効率で送達することが可能になる。ミニ遺伝子技術の特定の利点は、MHCクラスI分子に結合し、これに提示され得る短いペプチド配列を遊離させるための、より大きなタンパク質のプロテアソーム媒介性分解の必要性が回避されることである。これにより、pAPCの表面における大幅に高効率のペプチド−MHCクラスI抗原提示と、ひいては、抗原特異的T細胞応答のプライミングのための大幅に高レベルの抗原発現とがもたらされる。
本明細書において開示される一部のアプローチでは、最大4つまたはそれよりも多くの別個の特質を組み合わせて、標的カバー範囲を最大にし、オフターゲット毒性を最小限に抑える、単一の疾患特異的なオフザシェルフ生成物にすることができる。これらの特質は、弱毒化Listeria monocytogenes(Lm)ベクター、tLLO融合タンパク質、ホットスポット突然変異、およびがん精巣抗原(CTA)または癌胎児性抗原(OFA)に由来する最適化されたペプチドを含み得る。体内のLmは抗原提示細胞によって能動的に取り込まれ、細胞質内に移動する。したがってこれは、MHC IおよびII経路の両方を介して提示されるように抗原を送達するために理想的なベクターである。Lmはまた、宿主のサイトゾルにおける生存を可能にし、免疫系を強力に刺激する、ビルレンス因子を産生する。これらのビルレンス因子は、腫瘍関連抗原の免疫原性を増強させ得る。Lm内の複数のプラスミドは、抗原提示細胞内での腫瘍関連抗原融合タンパク質(例えばtLLO融合タンパク質)の発現をコードし得る。このことは、MHC I経路に沿って強力なCD8+T細胞応答を始動させる。LmおよびtLLO融合タンパク質はまた、腫瘍を保護する調節性T細胞およびMDSCを中和し、CD8+T細胞の有効性を増加させ得る。Lm内にプラスミドの複数のコピーを有することにより、抗原提示および腫瘍微小環境の影響が増加する。融合タンパク質は、ホットスポットペプチドおよび/または例えばCTAもしくはOFAに由来する配列最適化されたペプチド(すなわち、ヘテロクリティック突然変異を有するペプチド)を含み得る。ホットスポット突然変異は、腫瘍ドライバーに対する価値の高い標的であり、これらを標的とすることにより、強い免疫応答を生成し、腫瘍増殖を阻害することができる。複数のホットスポット突然変異ペプチドを組み込むことにより、標的の疾患における患者のカバー範囲が広がる。ホットスポットは、複数の患者において、多くの場合、発癌に寄与する腫瘍ドライバー遺伝子において高頻度で観察される体細胞突然変異である。これらのホットスポット突然変異は、「共通」または「パブリック」抗原の源となる。本明細書に記載されている構築物におけるホットスポット標的は、同定されている12,500以上のHLAクラスI対立遺伝子の実質的にすべてに対するエピトープを生成するように設計することができ、in silicoアルゴリズムに依存せず優先順位付けすることができる。OFAおよびCTAは、あるがん徴候に該当する患者の最大100%において発現するが、成人の健康な組織では発現しない(例えば、通常は胚組織でのみ発現する)。多くのOFA/CTAが発癌における主要な役割を有する。OFA/CTAは、がんにおける組織発現が高度に制限されているため、免疫療法のための魅力的な標的である。複数の配列最適化された独自の免疫原性OFA/CTAペプチドまたは腫瘍関連抗原ペプチド(すなわち、免疫原性を改善するために配列最適化されたもの)を付加することにより、強いT細胞応答を生成することができる、さらなる標的がもたらされる。組み合わせると、これらの構成成分は、より従来型の過剰発現された天然配列の腫瘍関連抗原よりも、腫瘍細胞を死滅させるために強力で腫瘍特異的な強度(アビディティー)が高いT細胞を生成する能力が高い、体細胞突然変異、がん精巣抗原、および癌胎児性抗原を活用する。ほとんどのホットスポット突然変異およびOFA/CTAタンパク質は、発癌において重要な役割を果たす。両方を同時に標的とすることで、がんの増殖が著しく損なわれる可能性がある。ホットスポット突然変異を複数のOFA/CTAペプチドと組み合わせると、標的疾患を有する全患者において発現される複数の高アビディティー標的が、1回の処置で提示される。
がん関連遺伝子(例えば腫瘍ドライバー遺伝子)に複数の突然変異を有する患者が、バイオマーカー検査において同定された各自の特定の突然変異遺伝子を標的とする組合せ(例えば、2種またはそれよりも多くの免疫療法からなる単一の投薬レジメン)を用いて処置される場合もあれば、代替的に、その疾患を有する患者において一般に見出される突然変異遺伝子をカバーする、各自のがんタイプに合った組合せキットまたはパネル(例えば、2種またはそれよりも多くの免疫療法からなる単一の投薬レジメン)(例えば、肺腺癌パネル、結腸直腸がんパネルなど)が使用される場合もある。特定のタイプのがんを有する患者は次に、その特定のタイプのがんにおいて一般に観察される突然変異遺伝子を標的とするADXS−HOT構築物の固定の組合せまたはパネルを用いて処置され得る。代替的に、かかる患者は、バイオマーカー検査において同定された各自の特定の突然変異遺伝子を標的とする単一の免疫療法、または、その疾患を有する患者において見出される複数の異なるがん関連タンパク質において見出される突然変異遺伝子をカバーする、各自のがんタイプに特異的な単一の免疫療法を用いて処置されてもよい。所与の腫瘍型を有するすべての患者が、同じ方法で処置され得る。例えば、ある特定の疾患では、高いパーセンテージの患者において突然変異を有する比較的少ない遺伝子が存在する。これらの事例では、例えば、同じ疾患型を有するすべての患者に同じ組合せのADXS−HOT構築物を与えることは、より手際がよい場合がある。例えば、卵巣がん患者の93%はTP53の突然変異を有するため、診断検査の必要がない場合がある。結腸直腸がん(CRC)では、4つの腫瘍ドライバー遺伝子が最も高頻度で突然変異し、ほとんどの患者は、これら4つの遺伝子に1つより多くの突然変異を保有する。CRCにおける腫瘍ドライバー突然変異は、76%の患者でAPC、52%の患者でTP−53、52%の患者でRAS(KRAS/NRAS)、そして19%の患者でPIK3CAを含むため、CRCの「標準」の組合せは、APC、TP53、PIK3CA、およびRASに対するADXS−HOT構築物を含み得る。代替的に、CRCの「標準」は、APC、TP53、PIK3CA、およびRASの最もよく見られるCRC突然変異セットを含む単一のADXS−HOT構築物を含み得る。ほとんどの患者はこれらのうち2つから4つをどこかに発現する可能性が高いため、複数の反復性がん突然変異が標的になる。
本明細書において開示されるADXS−HOT免疫療法は、健康な細胞に対する影響をほとんどまたは全く伴わずに、ホットスポットに対する有効性が高く標的化された攻撃を行うことにより、がんの処置に大変革をもたらす可能性を有する。腫瘍免疫療法は、宿主自身の免疫細胞という、自然が生み出した最も効果的な抗がん剤を活用する。
腫瘍特異的突然変異の結果として生じる腫瘍特異的抗原は、効果的ながん免疫療法のために重要な標的である。がんの免疫療法に対する最も効果的かつ最も長く持続する応答は、腫瘍内の突然変異に関連する腫瘍特異的抗原または腫瘍特異的エピトープに対するT細胞応答の増幅に起因し得る。さらに、腫瘍ドライバー遺伝子の突然変異は、ほとんどの場合、がん細胞の持続または成長を推進する機能喪失型または機能獲得型の表現型に関連する。これらのドライバー突然変異を特異的に標的にすることにより、免疫療法が正常な細胞を損なうことなく疾患進行を阻害し、がん細胞を排除する絶好の機会がもたらされ得る。反復性がん突然変異は個別化された処置に含まれる場合も含まれない場合もあるが、ADXS−HOTアプローチは、がんの処置のための個別化されたネオエピトープを標的とする患者特異的生成物に勝る固有の利点を有する。第1に、このアプローチは、がんの成長に関連する最も重要な突然変異であり得るものを標的とする。第2に、共通の反復性がん突然変異を標的とすることにより、同じ生成物を複数の患者に使用することが可能になる。Lm−LLOベクターの容量は、単一の遺伝子を標的とする生成物において生じ得る突然変異のほぼすべてをカバーすることができ、その結果この生成物は、特定のがん関連遺伝子(例えば腫瘍ドライバー遺伝子)に何らかの後天的突然変異を有するほぼすべての患者を処置することができる。ADXS−HOT構築物はバルクで製造することができ、Lm−LLO生成物は、5年間またはそれを超えて良好な安定性を示している。加えて、複数の構築物を組み合わせることができるため、カバー範囲が増大する。最後に、ADXS−HOTは準備が済んだ状態で保管されており、患者が処置を直ちに開始し、それにもかかわらず腫瘍特異的エピトープを標的とするために利用可能である。患者毎に1つ限りの生成物とは対照的に、より大きなバッチを作ることにより、製品のコストを低く抑えることができる。これまでのLM−LLO構築物に対する生成物の安定性は、例えば、5年を超える場合がある。進行がんを有する患者は、個人的なネオエピトープ生成物を用いた処置を始めるまで数カ月間待機することができない場合があるが、ADXS−HOTパネルを利用することにより、腫瘍特異的エピトープに対する処置をほぼ即時的に開始することができる。
本明細書において開示される複数のLm−LLO構築物は、複数の腫瘍型、および腫瘍ドライバー遺伝子によく見られる突然変異を共有する複数の患者に対して、広い有用性を有する。生成物は、複数の患者が共有する後天的な反復性がん突然変異を標的とし、寛容によって保護されている正常な細胞における天然配列ペプチドよりも高い免疫原性を有するはずである。P−53およびPI3キナーゼにおける突然変異だけでも、すべてのがん患者の50%超において生じ、腫瘍ドライバー遺伝子におけるホットスポット突然変異がよく見られる、本明細書において開示される主要ながんのためのパネルが形成され得る。
バイオマーカー検査の判定によって推進される「スパイスラック」アプローチを行うために、複数のADXS−HOT構築物を作ることができる。容易に利用可能である迅速なバイオマーカー検査および/またはRNAもしくはDNAの配列決定により、個々の患者のために個別化された薬の「キット」を作るため、標的の存在を判定することができる。疾患特異的なパネルは、よく見られる突然変異を共有する特定の疾患を有する患者の大部分を標的とすることができる。代替的に、ある特定の疾患型に対して決まった組合せを与えてもよく、これには、診断検査を必要とすることなく、ある特定の疾患を有する患者の大部分において見出される突然変異が含まれる。
構築物は、単独療法として使用してよいが、いくつかの個々のホットスポット生成物を他の治療的がん処置と併せた、または組み合わせたものとして、ADXS−HOT構築物を併用処置レジメンの一部として使用する可能性も存在する。例として、同じ患者において1つより多くの遺伝子が突然変異している場合、各遺伝子に対する代表的構築物を注入の直前に混合してよい。例えば、患者がTP53、RAS、およびBRAFのホットスポットにおけるミスセンス突然変異を有することが見出された場合、これら3つのADXS−HOT生成物は、組み合わせて(ADXS−htTP53、ADXS−htRAS、およびADXS−htBRAF)処置レジメンとして与えてもよい。加えて、他のLm構築物と同様に、ホットスポット処置は、チェックポイント阻害剤、共刺激アゴニスト、もしくは放射線療法のような他のがん処置と組み合わせて、または連続的に与えてもよい。この理由は、動物モデルおよび臨床試験からの早期データにより、Lm−LLO免疫療法が、活性免疫療法剤、特にPD−1および/またはPD−L1遮断抗体との著しい相乗効果の可能性を有することが示されたことである。
例えば、Lm−LLOベースのワクチンの抗PD−1抗体との組合せは、免疫サプレッサー細胞(TregおよびMDSC)の減少と併せて、抗原特異的免疫応答および腫瘍浸潤性CD8+T細胞の増加をもたらす。組合せレジメンは、処置された動物において、腫瘍成長の著しい阻害および生存期間の延長/腫瘍の完全な退縮を伴う相乗活性をもたらした。PD−1/PD−L1の遮断とLm−LLOベースのワクチンの組合せは、いずれかの薬剤単独と比べて、抗腫瘍免疫療法の有効性の全体的な増強をもたらし得る。また、in vitroのLm感染がヒト単球由来樹状細胞における表面PD−L1発現の著しい上方調節をもたらすことも示された。このことは、この所見の翻訳能を示唆する。
前臨床データは、Ox−40およびGITRのような免疫共刺激アゴニストとの相乗効果も示唆している(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているMkrtichyanら(2013年)、J Immunother Cancer、1巻:15号、doi:10.1186/2051-1426-1-15)。放射線療法とLm−LLOベクターの相乗効果は、前臨床モデルにおいて実証されており(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているHannanら(2012年)、Cancer Immunol Immunother、61巻(12号):2227〜2238頁)、また、未切除のイヌ骨肉腫における進行中の獣医学的試験において観察されている。Lm処置は化学療法と連続的に与えてもよいが、十分な造血回復があることを条件とする。加えて、Lmベクターによる中和抗体が発生しないことが現在までの研究によって示されており、そのため、単一のLmベクターを用いた反復処置、または複数のベクターを用いた同時もしくは連続的な処置が可能である。
II.反復性がん突然変異を含む組換え融合ポリペプチド
2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドに融合したPEST含有ペプチド(すなわち、タンデムになっているもの、例えばPEST−ペプチド1−ペプチド2)を含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチドが、単一の反復性がん突然変異(すなわち、タンパク質のアミノ酸配列における単一の反復性変化、または遺伝子における単一の異なる非同義の反復性がん突然変異によってコードされる配列)を含む、組換え融合ポリペプチドが、本明細書において開示される。また、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドに融合したPEST含有ペプチド(すなわち、タンデムになっているもの、例えばPEST−ペプチド1−ペプチド2)を含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチドが、単一の反復性がん突然変異(すなわち、タンパク質のアミノ酸配列における単一の反復性変化、または遺伝子における単一の異なる非同義の反復性がん突然変異によってコードされる配列)を含み、抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、異なる反復性がん突然変異を含み、かつ同じがん関連タンパク質の断片である、組換え融合ポリペプチドも本明細書において開示される。代替的に、抗原性ペプチドのそれぞれは、異なるがん関連タンパク質に由来する異なる反復性がん突然変異を含む。代替的に、各抗原性ペプチドが各自のPEST含有ペプチドに融合している、別々の融合ポリペプチドの組合せ(例えば、PEST1−ペプチド1、PEST2−ペプチド2)を使用してもよい。必要に応じて、断片の一部またはすべては、同じがん関連タンパク質の不連続断片である。不連続断片とは、タンパク質配列において連続的に生じない断片である(例えば、第1の断片は残基10〜30からなり、第2の断片は残基100〜120からなるか、または、第1の断片は残基10〜30からなり、第2の断片は残基20〜40からなる)。必要に応じて、抗原性ペプチドのそれぞれは、単一のタイプのがんに由来する異なる反復性がん突然変異を含む。例えば、単一のタイプのがんは、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん(例えばER+乳がん)、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん(例えばMSS結腸直腸がん)、または頭頸部がんであり得る。
また、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドを含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチドが、単一の反復性がん突然変異(すなわち、タンパク質のアミノ酸配列における単一の反復性変化、または遺伝子における単一の異なる非同義の反復性がん突然変異によってコードされる配列)を含み、融合ポリペプチドがPEST含有ペプチドを含まない、組換え融合ポリペプチドも本明細書において開示される。また、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドを含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチドが、単一の反復性がん突然変異(すなわち、タンパク質のアミノ酸配列における単一の反復性変化、または遺伝子における単一の異なる非同義の反復性がん突然変異によってコードされる配列)を含み、抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、異なる反復性がん突然変異を含み、かつ同じがん関連タンパク質の断片であり、融合ポリペプチドがPEST含有ペプチドを含まない、組換え融合ポリペプチドも本明細書において開示される。代替的に、抗原性ペプチドのそれぞれは、異なるがん関連タンパク質に由来する異なる反復性がん突然変異を含む。必要に応じて、断片の一部またはすべては、同じがん関連タンパク質の不連続断片である。必要に応じて、抗原性ペプチドのそれぞれは、単一のタイプのがんに由来する異なる反復性がん突然変異を含む。例えば、単一のタイプのがんは、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん(例えばER+乳がん)、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん(例えばMSS結腸直腸がん)、または頭頸部がんであり得る。
また、N末端からC末端に向かって、細菌分泌配列、ユビキチン(Ub)タンパク質、および2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチド(すなわち、タンデムになっているもの、例えばUb−ペプチド1−ペプチド2)を含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチドが、単一の反復性がん突然変異(すなわち、タンパク質のアミノ酸配列における単一の反復性変化、または遺伝子における単一の異なる非同義の反復性がん突然変異によってコードされる配列)を含み、抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、同じがん関連タンパク質の断片である、組換え融合ポリペプチドも本明細書において提供される。代替的に、抗原性ペプチドのそれぞれは、異なるがん関連タンパク質に由来する異なる反復性がん突然変異を含む。代替的に、各抗原性ペプチドが各自の分泌配列およびUbタンパク質に融合している、別々の融合ポリペプチドの組合せ(例えば、Ub1−ペプチド1、Ub2−ペプチド2)を使用してもよい。必要に応じて、断片の一部またはすべては、同じがん関連タンパク質の不連続断片である。必要に応じて、抗原性ペプチドのそれぞれは、単一のタイプのがんに由来する異なる反復性がん突然変異を含む。例えば、単一のタイプのがんは、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん(例えばER+乳がん)、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん(例えばMSS結腸直腸がん)、または頭頸部がんであり得る。
かかる組換え融合ポリペプチドをコードする核酸(ミニ遺伝子構築物と呼ぶ)も開示される。かかるミニ遺伝子核酸構築物は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレームをさらに含み得る。例えば、ミニ遺伝子核酸構築物は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2〜4つのオープンリーディングフレームをさらに含み得る。各オープンリーディングフレームが異なるポリペプチドをコードしてよい。一部の核酸構築物では、融合ポリペプチドのカルボキシ末端をコードするコドンの後に、タンパク質合成の終結を確実にする2つの停止コドンが続く。
細菌シグナル配列は、HlyもしくはActAシグナル配列などのリステリアのシグナル配列、または任意の他の公知のシグナル配列であってよい。他の場合では、シグナル配列はLLOシグナル配列であってよい。シグナル配列は、細菌性のものであっても、宿主細菌に対して天然のもの(例えば、Listeria monocytogenesに対して天然のもの、例えばsecA1シグナルペプチド)であっても、宿主細菌に対して異質のものであってもよい。シグナルペプチドの具体例としては、Lactococcus lactisに由来するUsp45シグナルペプチド、Bacillus anthracisに由来する保護抗原シグナルペプチド、Listeria monocytogenesに由来するp60シグナルペプチドなどのsecA2シグナルペプチド、およびB.subtilis Tatシグナルペプチド(例えばPhoD)などのTatシグナルペプチドが挙げられる。具体例において、分泌シグナル配列は、Listeriaタンパク質由来、例えばActA300分泌シグナルまたはActA100分泌シグナルなどである。
ユビキチンは、例えば、全長タンパク質であり得る。本明細書において提供される核酸構築物から発現されるユビキチンは、宿主細胞サイトゾルに侵入するとヒドロラーゼの作用によって核酸構築物から発現される組換え融合ポリペプチドの残部からカルボキシ末端において切断され得る。これにより融合ポリペプチドのアミノ末端が遊離し、宿主細胞サイトゾルにおいてペプチドが産生される。
融合ポリペプチド内の抗原性ペプチドの選択、変形形態、および配置は、本明細書の他所で詳細に論じられ、がん関連タンパク質は、本明細書の他所でより詳細に論じられる。
組換え融合ポリペプチドは、1つまたは複数のタグを含み得る。例えば、組換え融合ポリペプチドは、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドの組合せのN末端側および/またはC末端側に、1つまたは複数のペプチドタグを含み得る。タグは、抗原性ペプチドに直接融合していても、リンカーを介して抗原性ペプチドに連結していてもよい(この例は本明細書の他所で開示されている)。タグの例としては、FLAGタグ、2×FLAGタグ、3×FLAGタグ、Hisタグ、6×Hisタグ、およびSIINFEKLタグが挙げられる。例示的なSIINFEKLタグは、配列番号293に示されている(配列番号278〜292に示される核酸のうちのいずれか1つによってコードされる)。別の例示的なSIINFEKLタグは、配列番号922に示されている。例示的な3×FLAGタグは、配列番号309に示されている(配列番号294〜308に示される核酸のうちのいずれか1つによってコードされる)。別の例示的なFLAGタグは、配列番号762に示されている。2×FLAGタグおよびSIINFEKLタグ、3×FLAGタグおよびSIINFEKLタグ、または6×HisタグおよびSIINFEKLタグなど、2つまたはそれよりも多くのタグを一緒に使用してもよい。2つまたはそれよりも多くのタグが使用される場合、これらは、組換え融合ポリペプチド内のどの場所に、どの順序で位置していてもよい。例えば、2つのタグが組換え融合ポリペプチドのC末端にあってもよく、2つのタグが組換え融合ポリペプチドのN末端にあってもよく、2つのタグが組換え融合ポリペプチドの内部に位置していてもよく、1つのタグが組換え融合ポリペプチドのC末端にあり、1つのタグがN末端にあってもよく、1つのタグが組換え融合ポリペプチドのC末端にあり、1つが内部にあってもよく、または、1つのタグが組換え融合ポリペプチドのN末端にあり、1つが内部にあってもよい。他のタグとしては、キチン結合タンパク質(CBP)、マルトース結合タンパク質(MBP)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン(TRX)、およびポリ(NANP)が挙げられる。特定の組換え融合ポリペプチドは、C末端側のSIINFEKLタグを含む。このようなタグにより、組換え融合タンパク質の容易な検出、組換え融合タンパク質の分泌の確認、またはこれらの「タグ」配列ペプチドに対する免疫応答を追跡することによる分泌された融合ポリペプチドの免疫原性の追跡が可能になり得る。かかる免疫応答は、例えば、これらのタグに特異的なモノクローナル抗体およびDNAまたはRNAプローブを含む、いくつかの試薬を使用してモニタリングすることができる。
本明細書において開示される組換え融合ポリペプチドは、組換えListeria株によって発現させることもできるし、タンパク質の発現および単離に使用される他のベクターおよび細胞系から発現させ単離することもできる。かかる抗原性ペプチドを発現する組換えListeria株は、例えば、かかる組換えListeriaを含む免疫原性組成物において、ならびに組換えListeria株およびアジュバントを含むワクチンにおいて使用され得る。Listeria株における宿主細胞系およびListeria以外の宿主細胞系における、LLO、ActA、またはPEST様配列の非溶血性トランケート型との融合ポリペプチドとしての1つまたは複数の抗原性ペプチドの発現は、抗原性ペプチドの免疫原性の増強をもたらし得る。
組換え融合ポリペプチドは、任意の分子量であってよい。例えば、組換え融合ポリペプチドは、約200、195、190、185、180、175、170、165、160、155、150、145、140、135、130、もしくは125キロダルトン(kDa)未満またはそれ以下であり得る。具体例において、組換え融合ポリペプチドは、約150kDa未満もしくはそれ以下、または約130kDa未満もしくはそれ以下である。別の例として、組換え融合ポリペプチドは、約50〜200、50〜195、50〜190、50〜185、50〜180、50〜175、50〜170、50〜165、50〜160、50〜155、50〜150、50〜145、50〜140、50〜135、50〜130、50〜125、100〜200、100〜195、100〜190、100〜185、100〜180、100〜175、100〜170、100〜165、100〜160、100〜155、100〜150、100〜145、100〜140、100〜135、100〜130、または100〜125kDaであり得る。具体例において、組換え融合ポリペプチドは、約50〜150、100〜150、50〜125、または100〜125kDaである。別の例として、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、または125kDaであり得る。具体例として、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも約100kDaであり得る。
かかる組換え融合ポリペプチドをコードする核酸も開示される。核酸は、任意の形態であってよい。核酸は、DNAもしくはRNAを含んでも、またはそれらからなってもよく、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。核酸は、エピソームプラスミド、マルチコピーエピソームプラスミド、または組込みプラスミドなどのプラスミドの形態であり得る。代替的に、核酸は、ウイルスベクター、ファージベクター、または細菌人工染色体中の形態であってもよい。かかる核酸は、1つのオープンリーディングフレームを有してもよいし、2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレーム(例えば、組換え融合ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム、および代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレーム)を有してもよい。一例において、かかる核酸は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレームを含み得る。例えば、核酸は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2〜4つのオープンリーディングフレームを含み得る。各オープンリーディングフレームが異なるポリペプチドをコードしてよい。一部の核酸では、融合ポリペプチドのカルボキシ末端をコードするコドンの後に、タンパク質合成の終結を確実にする2つの停止コドンが続く。
A.抗原性ペプチド
各抗原性ペプチドは、がん関連タンパク質の断片(すなわち、がん関連タンパク質のアミノ酸の連続した配列)であり得る。各抗原性ペプチドは、免疫応答を誘導するのに十分な任意の長さであってよく、各抗原性ペプチドが同じ長さであってもよいし、または抗原性ペプチドが異なる長さを有してもよい。例えば、本明細書において開示される抗原性ペプチドは、5〜200、5〜100、7〜200、7〜100、15〜50、もしくは21〜27アミノ酸長、または15〜100、15〜95、15〜90、15〜85、15〜80、15〜75、15〜70、15〜65、15〜60、15〜55、15〜50、15〜45、15〜40、15〜35、15〜30、20〜100、20〜95、20〜90、20〜85、20〜80、20〜75、20〜70、20〜65、20〜60、20〜55、20〜50、20〜45、20〜40、20〜35、20〜30、11〜21、15〜21、21〜31、31〜41、41〜51、51〜61、61〜71、71〜81、81〜91、91〜101、101〜121、121〜141、141〜161、161〜181、181〜201、8〜27、10〜30、10〜40、15〜30、15〜40、15〜25、1〜10、10〜20、20〜30、30〜40、1〜100、5〜75、5〜50、5〜40、5〜30、5〜20、5〜15、5〜10、1〜75、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜15、1〜10、8〜11、もしくは11〜16アミノ酸長であり得る。例えば、抗原性ペプチドは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、または60アミノ酸長であり得る。抗原性ペプチドの一部の具体例は、21または27アミノ酸長である。
各抗原性ペプチドは親水性であってもよく、すなわち、Listeria monocytogenesまたは別の目的の細菌における分泌可能性を予測し得る、ある特定のハイドロパシー閾値以下またはそれ未満のスコアを有し得る。例えば、抗原性ペプチドは、KyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数21アミノ酸ウィンドウによってスコアリングすることができ、カットオフ(約1.6)を超えるスコアを有するものはすべて、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いために除外することができる。
各抗原性ペプチドは、単一の反復性がん突然変異を含んでもよいし、2つまたはそれよりも多くの反復性がん突然変異(例えば、2つの反復性がん突然変異)を含んでもよい。例えば、抗原性ペプチドは、がん関連タンパク質において突然変異した残基が互いに近接しているために、1つより多くの反復性がん突然変異(例えば、2つまたは3つの反復性がん突然変異)を含んでもよい。反復性がん突然変異は、任意のタイプの突然変異(例えば、体細胞ミスセンス突然変異またはフレームシフト突然変異)であり得る。各抗原性ペプチドにおける反復性がん突然変異は、各側に同数のアミノ酸が隣接していてもよいし、各側に異なる数のアミノ酸が隣接していてもよい(例えば、N末端側に9個のアミノ酸が隣接し、C末端側に10個のアミノ酸が隣接している、またはN末端側に10個のアミノ酸が隣接し、C末端側に13個のアミノ酸が隣接している)。反復性がん突然変異の各側の隣接配列は、がん関連タンパク質における突然変異に天然において隣接する配列であり得る。例えば、抗原性ペプチドにおける反復性がん突然変異は、各側に同数のアミノ酸が隣接していてもよく、この隣接配列が、がん関連タンパク質における反復性がん突然変異に天然において隣接する配列と同一である。反復性がん突然変異の各側の隣接アミノ酸の数は、各側に隣接する5〜30個のアミノ酸など、任意の長さであり得る。一例として、反復性がん突然変異は、各側に少なくとも5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、または50個のアミノ酸(例えば、少なくとも10個のアミノ酸、または少なくとも13個のアミノ酸)が隣接していてよい。好ましくは、異なるHLA T細胞受容体(TCR)リーディングフレームの少なくとも一部をもたらすために、クラス1 MHC−1提示に適応するように、検出された反復性がん突然変異の各側に少なくとも約10個の隣接アミノ酸が組み込まれるか、または、CD4+T細胞抗原提示のための異なるHLA T細胞受容体(TCR)リーディングフレームの少なくとも一部をもたらすために、クラス2 MHC−2提示に適応するように、検出された反復性がん突然変異の各側に少なくとも約13個の隣接アミノ酸が組み込まれる。しかしながら、こうする必要は必ずしもなく、場合によっては不可能なこともある(例えば、反復性がん突然変異が、タンパク質のうち最初の10個のアミノ酸、またはタンパク質のうち最後の10個のアミノ酸において生じる場合)。場合によっては、がん関連タンパク質における反復性がん突然変異の位置は、1つの特定の側にどれだけ多くのアミノ酸が隣接しているかを左右し得る(例えば、突然変異が、タンパク質のうち最初の10個のアミノ酸、またはタンパク質のうち最後の10個のアミノ酸にある場合)。フレームシフト突然変異の場合、フレームシフト突然変異の下流の任意の数の予想されるアミノ酸が含まれ得る。例えば、フレームシフト突然変異の下流の予想されるアミノ酸のすべてが含まれていてよい。
抗原性ペプチドは、任意の様式でひとつに連結していてよい。例えば、抗原性ペプチドは、介在配列なしで直接互いに融合していてよい。代替的に、抗原性ペプチドは、ペプチドリンカーなどの1つまたは複数のリンカーを介して間接的に互いに連結していてもよい。場合によっては、隣接する抗原性ペプチドの一部の対は互いに直接融合していてもよく、抗原性ペプチドの他の対は、1つまたは複数のリンカーを介して間接的に互いに連結していてもよい。隣接する抗原性ペプチドの各対の間に同じリンカーを使用してもよいし、隣接する抗原性ペプチドの異なる対の間に任意の数の異なるリンカーを使用してもよい。加えて、一対の隣接する抗原性ペプチド間に1つのリンカーを使用してもよいし、一対の隣接する抗原性ペプチド間に複数のリンカーを使用してもよい。
任意の好適な配列をペプチドリンカーに使用することができる。例として、リンカー配列は、例えば、1〜約50アミノ酸長であってよい。一部のリンカーは親水性であり得る。リンカーは様々な目的に役立つことができる。例えば、リンカーは、細菌分泌を増大させること、抗原プロセシングを促進すること、融合ポリペプチドの可動性を増大させること、融合ポリペプチドの剛性を増大させること、または任意の他の目的に役立つことができる。具体例として、可動性リンカー、剛性リンカー、および免疫プロテアソームプロセシングリンカーのうちの1つもしくは複数またはすべてを使用することができる。そのようなリンカーの例を以下に提供する。場合によっては、リピートを最小限に抑えるために、異なるアミノ酸リンカー配列が抗原性ペプチド間に分布しているか、または同じアミノ酸リンカー配列をコードする異なる核酸が抗原性ペプチド間(例えば配列番号572〜582)に分布している。これは、二次構造を低減させることにより、Lm組換えベクター株集団内の融合ポリペプチドをコードする核酸(例えばプラスミド)の効率的な転写、翻訳、分泌、維持、または安定化を可能にすることに役立つことができる。他の好適なペプチドリンカー配列は、例えば、次の要素:(1)可動性がある伸長したコンフォメーションをとる能力、(2)抗原性ペプチドの機能的エピトープと相互作用し得る二次構造をとる能力の欠如、および(3)機能的エピトープと反応し得る疎水性または荷電残基の欠如のうちの1つまたは複数に基づいて選択され得る。例えば、ペプチドリンカー配列は、Gly、Asn、およびSer残基を含み得る。他のほぼ中性のアミノ酸、例えばThrおよびAlaをリンカー配列に使用してもよい。リンカーとして有用に用いられ得るアミノ酸配列としては、Marateaら(1985年)、Gene、40巻:39〜46頁、Murphyら(1986年)、Proc Natl Acad Sci USA、83巻:8258〜8262頁、米国特許第4,935,233号、およびUS4,751,180に開示されているものが挙げられ、これらはそれぞれ、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている。リンカーの具体例としては、以下の表中のものが挙げられる(これらはそれぞれ、リンカーとしてそれ自体で使用されても、配列のリピートを含むリンカーにおいて使用されても、または表中の他の配列のうちの1つもしくは複数をさらに含むリンカーにおいて使用されてもよい)が、その他のものも想定され得る(例えば、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、Reddy Chichiliら(2013年)、Protein Science、22巻:153〜167頁を参照されたい)。特記なき限り、「n」は、列記されるリンカーにおけるリピートの不確定数を表す。
VGKGGSGGリンカー(配列番号314)は、例えば、融合ペプチドのtLLOと抗原部分との間、およびタグ配列の前にさらなる空間をもたらすように、tLLOの後、およびまたタグ配列の前の、より長いリンカーとして使用され得る。これは、融合タンパク質に可動性および電荷の平衡をもたらすこともできる。EAAAKリンカー(配列番号316)は、例えば、融合タンパク質がさもなければそれ自体に折り畳まれる場合、発現および分泌を促進するために使用され得る、剛性/硬性リンカーである。GGGGSリンカー(配列番号313)は、例えば、増大した可動性を融合タンパク質に付加して発現および分泌の促進を助けるために使用され得る、可動性リンカーである。「i20」リンカー(例えば配列番号821〜829)は、例えば、免疫プロテアソームによる融合タンパク質の切断の促進を助け、所望される最小の結合性断片そのものが得られる頻度を増大させるように設計された、免疫プロテアソームリンカーである。GGGGSおよびEAAAKリンカー(それぞれ、配列番号313および316)の組合せは、例えば、発現および分泌の改善のために可動性と剛性とが交互になるようにして構築物のバランスを取ることを助けるため、また、選択できる特有のコドンをより多く提供することによりDNA合成の促進を助けるために使用され得る。
融合ポリペプチドは、任意の数の抗原性ペプチドを含み得る。場合によっては、融合ポリペプチドは、融合ポリペプチドが組換えListeria株から産生および分泌され得るような、任意の数の抗原性ペプチドを含む。例えば、融合ポリペプチドは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の抗原性ペプチド、または2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50個の抗原性ポリペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、単一の抗原性ペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、約1〜100、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、5〜15、5〜20、5〜25、15〜20、15〜25、15〜30、15〜35、20〜25、20〜35、20〜45、30〜45、30〜55、40〜55、40〜65、50〜65、50〜75、60〜75、60〜85、70〜85、70〜95、80〜95、80〜105、95〜105、50〜100、1〜100、5〜100、5〜75、5〜50、5〜40、5〜30、5〜20、5〜15、5〜10、1〜100、1〜75、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜15、または1〜10個の抗原性ペプチドの範囲の数の抗原性ペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、最大約100、10、20、30、40、または50個の抗原性ペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100個の抗原性ペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、もしくは25個の抗原性ペプチド、または約5〜50、10〜40、もしくは20〜30個の抗原性ペプチドを含み得る。
加えて、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する任意の数の抗原性ペプチド(すなわち、同じがん関連タンパク質に由来する任意の数の不連続断片)を含み得る。代替的に、融合ポリペプチドは、2つまたはそれよりも多くの異なるがん関連タンパク質に由来する、例えば2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のがん関連タンパク質に由来する、任意の数の抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質は、約2〜30、約2〜25、約2〜20、約2〜15、または約2〜10個のがん関連タンパク質であり得る。例えば、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の抗原性ペプチド、または同じがん関連タンパク質に由来する2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50個の抗原性ポリペプチドを含み得る。同様に、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の抗原性ペプチド、または2つもしくはそれよりも多くの異なるがん関連タンパク質に由来する2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50個の抗原性ポリペプチドを含み得る。加えて、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する任意の数の不連続抗原性ペプチド(すなわち、同じがん関連タンパク質に由来する任意の数の不連続断片)を含み得る。例えば、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の不連続抗原性ペプチド、または同じがん関連タンパク質に由来する2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50個の不連続抗原性ポリペプチドを含み得る。場合によっては、抗原性ペプチドのうち少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはすべてが、同じがん関連タンパク質に由来する不連続抗原性ペプチドであるか、または、単一のがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチドのうち少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはすべてが、そのがん関連タンパク質に由来する不連続抗原性ペプチドである。
各抗原性ペプチドが、異なる(すなわち、特有の)反復性がん突然変異を含んでもよい。代替的に、融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドのうちの2つまたはそれよりも多くが、同じ反復性がん突然変異を含んでもよい。例えば、同じ抗原性ポリペプチドの2つまたはそれよりも多くのコピーが、融合ポリペプチドに含まれていてもよい(すなわち、融合ポリペプチドが、同じ抗原性ペプチドの2つまたはそれよりも多くのコピーを含む)。一部の融合ポリペプチドでは、抗原性ペプチドのうち少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%が、他の抗原性ペプチドのうちのいずれにも存在しない異なる(すなわち、特有の)反復性がん突然変異を含む。
場合によっては、抗原性ペプチドのうち少なくとも2つが、同じがん関連タンパク質の重複断片を含み得る。同様に、抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つにおける反復性がん突然変異は、同じ対象において天然に共存しない反復性がん突然変異であり得る。例えば、抗原性ペプチドのうちの2つまたはそれよりも多くは、がん関連タンパク質の同じアミノ酸残基(例えば、TP53によりコードされるタンパク質におけるR248L、R248Q、およびR248W)に、異なる反復性がん突然変異を含み得る。
一部の抗原性ペプチドは、少なくとも2つの異なる反復性がん突然変異、少なくとも3つの異なる反復性がん突然変異、または少なくとも4つの異なる反復性がん突然変異を含み得る。
反復性がん突然変異の任意の組合せが、融合ポリペプチドに含まれていてよい。反復性がん突然変異のそれぞれが体細胞ミスセンス突然変異であってもよいし、反復性がん突然変異が他の突然変異も含んでいてもよい。例えば、一部の融合ポリペプチドでは、反復性がん突然変異のうち少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%が体細胞ミスセンス突然変異である。一例として、抗原性ペプチドは、がん関連タンパク質における、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40個の最もよく見られる反復性がん突然変異のうち、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含み得る。例えば、抗原性ペプチドは、がん関連タンパク質における、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40個の最もよく見られる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異のうち、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含み得る。別の例として、がん関連タンパク質に突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%は、融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せに含まれる、がん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する。例えば、がん関連タンパク質に体細胞ミスセンス突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%は、融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せに含まれる、がん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する。別の例として、抗原性ペプチドは、特定のタイプのがんにおける、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40個の最もよく見られる反復性がん突然変異または最もよく見られる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異のうち、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含み得る。別の例として、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%は、融合ポリペプチドにおける(または2つもしくはそれよりも多くの融合ポリペプチドの組合せにおける)抗原性ペプチドの組合せに含まれる反復性がん突然変異を有する。例えば、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%は、融合ポリペプチドにおける(または2つもしくはそれよりも多くの融合ポリペプチドの組合せにおける)抗原性ペプチドの組合せに含まれる反復性がん突然変異を有する。特定の例では、抗原性ペプチドは、同じタイプのがんに由来する、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個の異なる反復性がん突然変異もしくは異なる反復性体細胞ミスセンス突然変異を含むか、または抗原性ペプチドは、単一のタイプのがんに由来する、2〜80、10〜60、10〜50、10〜40、もしくは10〜30個の異なる反復性がん突然変異もしくは異なる反復性体細胞ミスセンス突然変異を含む。例えば、単一のタイプのがんは、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん(例えばER+乳がん)、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん(例えばMSS結腸直腸がん)、または頭頸部がんであり得る。
融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドのそれぞれが、同じがん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含んでもよいし、融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含んでもよい。例えば、融合ポリペプチドは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個のがん関連タンパク質、または2〜5、5〜10、10〜15、もしくは15〜20個のがん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含み得る。例えば、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質は、約2〜30、約2〜25、約2〜20、約2〜15、または約2〜10個のがん関連タンパク質であり得る。一例において、抗原性ペプチドのうち少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%は、同じがん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む。別の例では、抗原性ペプチドのいずれも、同じがん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含まない。
抗原性ペプチドの例示的な配列は、本明細書の他所に開示されている。例として、抗原性ペプチドは、本明細書において開示される抗原性ペプチド配列のうちのいずれかと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなることができる。
B.がん関連タンパク質および反復性がん突然変異
本明細書において開示される融合ポリペプチドは、がん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドを含む。本明細書において開示される反復性がん突然変異の任意の組合せが、融合ポリペプチドに含まれていてよい。「がん関連タンパク質」という用語には、複数のタイプのがんにおいて生じる突然変異、特定のタイプのがんを有する複数の対象において生じる突然変異、または1つもしくは複数のタイプのがんの発生もしくは進行に相関する突然変異を有するタンパク質が含まれる。例えば、がん関連タンパク質は、発癌性タンパク質(すなわち、がんの進行に寄与し得る活性をもつタンパク質、例えば細胞成長を調節するタンパク質)であってもよいし、腫瘍抑制タンパク質(すなわち、典型的には、例えば細胞周期の負の調節またはアポトーシスの促進により、がん形成の可能性を軽減するように作用するタンパク質)であってもよい。好ましくは、がん関連タンパク質は、「突然変異ホットスポット」を有する。突然変異ホットスポットとは、選択の非存在下で予想されるよりも高頻度で突然変異する(好ましくは、転座、増幅、および欠失などの他の体細胞異常ではなく体細胞置換による)、タンパク質コード遺伝子におけるアミノ酸位置である。このようなホットスポット突然変異は、複数のタイプのがんで生じる場合があり、かつ/または複数のがん患者に共通する場合がある。突然変異ホットスポットは、腫瘍試料の集団全体にかかる選択圧を示す。腫瘍ゲノムは、変更されると腫瘍細胞に選択的成長の利点を与える遺伝子(すなわち、腫瘍ドライバー遺伝子)に影響を与えることによって腫瘍発生を「推進する」反復性がん突然変異を含む。そのような腫瘍ドライバー遺伝子は、例えば、バックグラウンド突然変異率(すなわち、再発率)から予想されるよりも高頻度で突然変異する遺伝子を同定すること;腫瘍試料間で正の選択の他のシグナル(例えば、サイレント突然変異と比較して高い率の非サイレント突然変異、または機能的突然変異の蓄積に対するバイアス)を呈する遺伝子を同定すること;不活性化突然変異はタンパク質の配列に沿って分布しているが、機能獲得型突然変異は特定の残基もしくはドメインにおいて特異的に生じる傾向があるという知識に基づいて、タンパク質配列のある特定の領域において突然変異を持続させる傾向を利用すること;またはリン酸化部位などの特定の機能的残基における突然変異の過剰提示を利用することにより、同定することができる。これらの突然変異の多くは、生物学的に活性なタンパク質の機能的領域(例えば、キナーゼドメインまたは結合ドメイン)において高頻度で生じるか、もしくは活性部位(例えば、リン酸化部位)を妨害し、結果として機能喪失型もしくは機能獲得型の突然変異をもたらす、または、これらの突然変異の多くは、正常な機能を妨げるほど十分にタンパク質の三次元構造および/もしくは電荷バランスが乱れるようなかたちで生じる場合がある。多数の腫瘍のゲノム解析によって、突然変異は、多くの場合、限られた数のアミノ酸位置において生じることが明らかになっている。したがって、よく見られる突然変異の大部分は、比較的少数の潜在的な腫瘍関連抗原またはT細胞エピトープによって表され得る。
例えば、がん関連タンパク質は、次のうちのいずれか1つであり得る。
複数のがんまたは複数のがん患者において生じるよく見られる突然変異を有する他の腫瘍ドライバー遺伝子およびがん関連タンパク質も公知であり、複数の腫瘍試料および複数の腫瘍型間の配列決定データが存在する。例えば、それぞれ、その全体が参照により本明細書に組み込まれているChangら(2016年)、Nat Biotechnol、34巻(2号):155〜163頁、Tamboreroら(2013年)、Sci Rep、3巻:2650頁を参照されたい。
一連の具体例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:BRAF、EGFR、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、RAS(例えば、KRAS)、TP53、APC、FBXW7、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、CDKN2A、NFE2L2、SPOP、GATA3、AKT1、MAP3K1およびMAP2K4のうちの1つによってコードされ得る。一連の具体例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:BRAF、EGFR、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、RAS(例えば、KRAS)、TP53、APC、FBXW7、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、CDKN2A、NFE2L2、SPOP、GATA3、AKT1、MAP3K1、MAP2K4、AHNAK2、ANKRD36C、CHEK2、KRTAP4−11、RGPD8、FAM47CおよびZANのうちの1つによってコードされ得る。別の一連の具体例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:ACVR2A、ADAM28、AKT1、ANKRD36C、AR、ARID1A、BMPR2、BRAF、CHEK2、C12orf4、CTNNB1、DOCK3、EGFR、ESR1、FBXW7、FGFR3、FHOD3、GNAS、HRAS、IDH1、IDH2、KIAA2026、KRAS、KRTAP1−5、KRTAP4−11、LARP4B、MBOAT2、NFE2L2、PGM5、PIK3CA、PLEKHA6、POLE、PTEN、RGPD8、RNF43、RXRA、SMAD4、SPOP、SVIL、TGFBR2、TP53、TRIM48、UBR5、U2AF1、WNT16、XYLT2、ZBTB20およびZNF814のうちの1つによってコードされ得る。
本明細書において開示される融合ポリペプチドは、がん関連タンパク質の任意の組合せ(すなわち、1つまたは複数のがん関連タンパク質)に由来し、かつ任意の順序における、反復性がん突然変異の任意の組合せを含む抗原性ペプチドを含み得る。抗原性ペプチドまたは融合ポリペプチドの組合せは親水性であってもよく、すなわち、Listeria monocytogenesまたは別の目的の細菌における分泌可能性を予測し得る、ある特定のハイドロパシー閾値以下またはそれ未満のスコアを有し得る。
一例として、がん関連タンパク質は、BRAFによってコードされてもよく、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:G466E、G466V、G469A、G469R、G469S、G469V、V600E、およびV600Kのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。野生型BRAF参照配列は、配列番号361に示されている。突然変異は、任意の順序であってよい。例えば、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のBRAF突然変異:G469V、G469R、V600E、G469S、G466V、V600K、G469A、およびG466Eを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号1〜6を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のBRAF突然変異:V600K、G469R、G469V、G466V、G466E、V600E、G469A、およびG469Sを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号7〜12を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のBRAF突然変異:G469V、V600K、G469S、G466V、G469A、V600E、G466E、およびG469Rを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号13〜18を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のBRAF突然変異:V600E、V600K、G469A、G469S、G469R、G469V、G466V、およびG466Eを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号19〜24を参照されたい。具体例において、BRAF抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、EGFRによってコードされてもよく、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:R108K、A289V、G598V、E709A、E709K、G719A、G719C、G719S、L747P、L747S、S768I、T790M、L833V/H835L、T833V、L858R、およびL861Qのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。野生型EGFR参照配列は、配列番号362に示されている。例えば、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:R108K、A289V、G598V、E709A、E709K、G719A、G719C、G719S、L747P、L747S、S768I、T790M、L833V/H835L、T833V、L858R、およびL861Qのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:A289V、G598V、E709K、G719A、G719C、G719S、S768I、T790M、L833V/H835L、L858R、およびL861Qのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。突然変異は、任意の順序であってよい。例えば、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のEGFR突然変異:G719S、L747P、G719C、R108K、S768I、L833V/H835L、T833V、E709A、G598V、T790M、E709K、A289V、L861Q、G719A、L747S、およびL858Rを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号25〜30を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のEGFR突然変異:T790M、S768I、G719C、R108K、L747P、G719A、L747S、E709K、T833V、L861Q、E709A、L858R、G598V、A289V、L833V/H835L、およびG719Sを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号31〜36を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のEGFR突然変異:R108K、T833V、L747S、T790M、G719C、A289V、L858R、E709A、G719S、E709K、G719A、L747P、G598V、L861Q、S768I、およびL833V/H835Lを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号37〜42を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のEGFR突然変異:G719A、L858R、G719C、A289V、T790M、S768I、T833V、G598V、G719S、L747S、L747P、L833V/H835L、E709A、R108K、L861Q、およびE709Kを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号43〜48を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のEGFR突然変異:A289V、G598V、E709K、G719A、S768I、G719S、L861Q、T790M、G719C、L833V/H835L、およびL858Rを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号229〜235を参照されたい。具体例において、EGFR抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、PIK3CAによってコードされてもよく、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:R38C;R38H;E81K;R88Q;R93Q;R93W;R108H;G118D;L334G;N345K;C420R;E453K;E542K;E545A;E545G;E545K;E545Q;Q546K;Q546R;E726K;M1043I;M1043V;H1047L;H1047RおよびG1049Rのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、23個もしくはそれよりも多く、24個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。野生型PIK3CA参照配列は、配列番号363に示されている。例えば、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:R38H;E81K;R88Q;R108H;G118D;N345K;C420R;E542K;E545A;E545G;E545K;Q546K;Q546R;M1043I;H1047L;H1047RおよびG1049Rのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:R88Q、E542K、E545A、E545G、E545K、Q546K、H1047L、およびH1047のうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:R38H、E81K、R108H、G118D、N345K、C420R、Q546R、M1043I、およびG1049Rのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。突然変異は、任意の順序であってよい。例えば、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異:M1043V;E545G;E726K;Q546R;L334G;G1049R;M1043I;Q546K;E542K;R93Q;H1047R;R108H;R93W;E81K;R38H;N345K;R88Q;G118D;E545Q;H1047L;E545A;E453K;E545K;R38CおよびC420Rを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号49〜54を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異:E726K;E81K;M1043V;E545A;E545K;R38C;G118D;R93W;E545G;E542K;G1049R;N345K;Q546K;E453K;C420R;H1047L;L334G;E545Q;R88Q;H1047R;M1043I;R93Q;R108H;Q546RおよびR38Hを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号55〜60を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異:R108H;M1043V;R88Q;R93W;R38H;H1047R;E545K;M1043I;Q546R;E542K;N345K;R38C;E545G;E81K;Q546K;R93Q;E453K;G1049R;E545A;C420R;H1047L;L334G;G118D;E726KおよびE545Qを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号61〜66を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異:N345K;R38H;E545K;G1049R;H1047L;E726K;R88Q;E81K;R93Q;E545Q;L334G;R38C;H1047R;C420R;R93W;Q546K;M1043V;M1043I;E545G;E545A;G118D;E453K;Q546R;R108HおよびE542Kを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号67〜72を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異:E542K;E545K;R88Q;E545A;H1047R;E545G;H1047L;Q546K;R38H;E81K;R108H;N345K;C420R;Q546R;M1043I;G118DおよびG1049Rを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号236〜242を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異:E542K;E545K;R88Q;E545A;H1047R;E545G;H1047LおよびQ546Kを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号243〜249を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異:R38H;E81K;R108H;N345K;C420R;Q546R;M1043I;G118DおよびG1049Rを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号250〜256を参照されたい。具体例において、PIK3CA抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、PIK3R1によってコードされてもよく、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:G376R、N564D、およびK567Eのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む。野生型PIK3R1参照配列は、配列番号364に示されている。突然変異は、任意の順序であってよい。例えば、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3R1突然変異:G376R、N564D、およびK567Eを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号73〜78を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3R1突然変異:N564D、K567E、およびG376Rを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号79〜84を参照されたい。具体例において、PIK3R1抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、PIK3CAおよびPIK3R1によってコードされてもよく、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:PIK3CA|R38C;PIK3CA|R38H;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R108H;PIK3CA|G118D;PIK3CA|L334G;PIK3CA|N345K;PIK3CA|C420R;PIK3CA|E453K;PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545A;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E545Q;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E726K;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|G1049R;PIK3R1|G376R;PIK3R1|N564DおよびPIK3R1|K567Eのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、23個もしくはそれよりも多く、24個もしくはそれよりも多く、25個もしくはそれよりも多く、26個もしくはそれよりも多く、27個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。突然変異は、任意の順序であってよい。例えば、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異およびPIK3R1突然変異:PIK3CA|R38C;PIK3CA|N345K;PIK3CA|E726K;PIK3CA|E453K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|M1043V;PIK3R1|N564D;PIK3R1|K567E;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R108H;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E545Q;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|C420R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|E545G;PIK3CA|G118D;PIK3CA|R38H;PIK3R1|G376R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545KおよびPIK3CA|L334Gを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号85〜90を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異およびPIK3R1突然変異:PIK3CA|R38C;PIK3CA|R108H;PIK3CA|C420R;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|E453K;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|H1047L;PIK3R1|N564D;PIK3CA|E726K;PIK3CA|G118D;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|L334G;PIK3R1|K567E;PIK3CA|R38H;PIK3R1|G376R;PIK3CA|R93W;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|N345K;PIK3CA|E545AおよびPIK3CA|E545Qを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号91〜96を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異およびPIK3R1突然変異:PIK3CA|R108H;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R38H;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|N345K;PIK3CA|R38C;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E81K;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|E453K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|C420R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|L334G;PIK3CA|G118D;PIK3CA|E726KおよびPIK3CA|E545Qを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号97〜102を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPIK3CA突然変異およびPIK3R1突然変異:PIK3CA|E545Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|N345K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E453K;PIK3CA|L334G;PIK3CA|H1047L;PIK3R1|G376R;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R38H;PIK3CA|G118D;PIK3R1|K567E;PIK3CA|R38C;PIK3CA|E542K;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E726K;PIK3CA|C420R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|R93Q;PIK3R1|N564D;PIK3CA|R108H;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|E545GおよびPIK3CA|E81Kを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号103〜108を参照されたい。具体例において、PIK3CAおよびPIK3R1抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、PTENによってコードされてもよく、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:Y68H;Y88C;D92E;del121−131;R130G;R130L;R130P;R130Q;C136Y;R142W;Y155C;R173HおよびP246Lのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。野生型PTEN参照配列は、配列番号365に示されている。突然変異は、任意の順序であってよい。例えば、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPTEN突然変異:del121−131;Y88C;R130G;Y155C;D92E;C136Y;R130Q;Y68H;R142W;R173H;R130L;R130PおよびP246Lを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号109〜114を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPTEN突然変異:R130P;R130G;Y155C;R130L;C136Y;del121−131;P246L;D92E;R173H;Y68H;R130Q;Y88CおよびR142Wを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号115〜120を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPTEN突然変異:R130Q;R130G;del121−131;C136Y;R130L;P246L;Y155C;D92E;R142W;R130P;Y88C;Y68HおよびR173Hを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号121〜126を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のPTEN突然変異:del121−131;C136Y;Y68H;R142W;R173H;|R130L;P246L;R130G;R130P;Y88C;D92E;R130QおよびY155Cを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号127〜132を参照されたい。具体例において、PTEN抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、KRASによってコードされてもよく、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:G12A;G12C;G12D;G12R;G12S;G12V;G13C;G13D;G13R;G13S;G13V;L19F;Q61K;Q61H;Q61L;Q61R;K117N;A146T;A146VおよびA164Gのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。野生型KRAS参照配列は、配列番号366に示されている。突然変異は、任意の順序であってよい。例えば、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のKRAS突然変異:Q61R;Q61K;Q61L;Q61H;L19F;K117N;G12A;A164G;G12D;G13D;G13S;G12S;A146V;G13R;G13C;G12C;G12R;G13V;G12VおよびA146Tを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号133〜138を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のKRAS突然変異:Q61H;K117N;G13C;G13R;G12D;G12S;G12V;G12A;Q61K;G13V;G12C;L19F;Q61R;Q61L;A146V;A164G;G12R;G13S;A146TおよびG13Dを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号139〜144を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のKRAS突然変異:G12D;L19F;A146V;Q61H;G12V;A164G;G12C;Q61L;A146T;G13S;G12A;G13V;G13C;G13D;G12R;G12S;Q61R;Q61K;G13RおよびK117Nを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号145〜150を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のKRAS突然変異:G13V;G13S;G12V;G12R;A146V;G13D;G12D;K117N;Q61H;G12C;G13C;A146T;G12A;Q61L;Q61K;A164G;G12S;L19F;G13RおよびQ61Rを含む抗原性ペプチドを含んでもよい。例えば、配列番号151〜156を参照されたい。具体例において、KRAS抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、TP53によってコードされてもよく、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:Y107D;K132N;C141Y;V143A;V157F;Y163C;R175H;C176F;C176Y;H179R;H179W;H193R;I195T;V216M;Y220C;Y234C;Y234H;S241F;S242F;G245D;G245S;R248L;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273H;R273L;P278L;P278S;R282G;R282WおよびR337Hのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、23個もしくはそれよりも多く、24個もしくはそれよりも多く、25個もしくはそれよりも多く、26個もしくはそれよりも多く、27個もしくはそれよりも多く、28個もしくはそれよりも多く、29個もしくはそれよりも多く、30個もしくはそれよりも多く、31個もしくはそれよりも多く、32個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。野生型TP53参照配列は、配列番号367に示されている。例えば、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:Y107D;C141Y;V143A;V157F;Y163C;R175H;C176F;H193R;I195T;V216M;Y220C;Y234C;Y234H;G245D;G245S;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273H;R273L;R282GおよびR282Wのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:V143A;R175H;H193R;Y220C;G245D;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273HおよびR282Wのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:Y107D;C141Y;V157F;Y163C;C176F;I195T;V216M;Y234C;Y234H;G245S;R273LおよびR282Gのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:Y107D;C141Y;V143A;Y163C;C176Y;H179R;H179W;H193R;V216M;Y234H;S241F;G245D;R248Q;R248W;R273C;R273LおよびP278Sのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:C141Y;R175H;H179R;H193R;V216M;Y234H;G245D;G245S;R248L;R248W;R273C;R273H;P278L;P278S;R282G;R282WおよびR337Hのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:Y107D;C141Y;V143A;C176F;H179R;V216M;Y220C;S241F;S242F;G245S;R248L;R248W;R273L;P278L;P278S;R282GおよびR282Wのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:Y107D;K132N;V143A;V157F;Y163C;R175H;C176Y;Y234C;Y234H;S241F;S242F;G245D;G245S;R273C;P278S;R282WおよびR337Hのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異: K132N;V157F;R175H;C176F;I195T;Y220C;Y234C;S242F;G245S;R248L;R249S;R273H;P278L;R282G;R282WおよびR337Hのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。 代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:Y107D;K132N;V143A;V157F;Y163C;C176F;C176Y;H179W;I195T;Y220C;Y234C;S241F;S242F;R248Q;R249SおよびR273Lのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:K132N;V157F;Y163C;R175H;C176Y;H179W;H193R;I195T;Y234C;Y234H;G245D;R248Q;R249S;R273C;R273HおよびR337Hのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。代替的に、抗原性ペプチドは、次の反復性がん突然変異:C141Y;C176F;H179R;H179W;H193R;I195T;V216M;Y220C;R248L;R248Q;R248W;R249S;R273H;R273L;P278LおよびR282Gのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含む。突然変異は、任意の順序であってよい。例えば、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異を含む抗原性ペプチドを含み得る:H179W;R273L;R249S;R248Q;Y234H;G245D;Y220C;R248L;H193R;K132N;S242F;Y234C;G245S;C176F;R282W;R273H;R282G;C141Y;R273C;V216M;R337H;R248W;V143A;I195T;P278S;S241F;C176Y;Y107D;R175H;H179R;V157F;P278LおよびY163C。例えば、配列番号157〜162を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:R248W;R248L;Y220C;Y163C;G245D;Y107D;H179R;V216M;P278S;S241F;R273L;P278L;C176F;C141Y;S242F;R249S;V143A;I195T;R273H;R273C;R282G;H179W;R175H;R248Q;G245S;H193R;R337H;R282W;Y234C;V157F;Y234H;C176YおよびK132Nを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号163〜166を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端
側に、次のTP53突然変異:R248W;H179R;R273H;Y107D;R337H;R282G;V157F;V143A;Y234H;Y220C;R282W;R248L;S241F;H179W;R273C;C141Y;R249S;P278L;G245S;I195T;R175H;G245D;R273L;K132N;V216M;Y163C;C176F;S242F;Y234C;H193R;R248Q;P278SおよびC176Yを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号167〜174を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:V143A;R282W;V157F;H179W;K132N;Y163C;C176Y;G245D;Y220C;S242F;Y234C;R249S;H179R;R273H;C141Y;R273L;P278S;C176F;R337H;H193R;R273C;R282G;R175H;R248W;P278L;I195T;S241F;R248L;Y234H;V216M;G245S;Y107DおよびR248Qを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号175〜180を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:S241F;G245D;V143A;P278S;R273C;C176Y;Y234H;R248W;V216M;R248Q;C141Y;Y163C;H193R;H179R;H179W;Y107DおよびR273Lを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号181〜186を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:K132N;R282W;G245S;Y234C;S242F;R175H;Y220C;V157F;R282G;C176F;R337H;I195T;R249S;P278L;R273HおよびR248Lを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号187〜192を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:H193R;P278L;R273C;R248W;H179R;P278S;R248L;V216M;R282G;R337H;R175H;Y234H;G245D;R273H;G245S;R282WおよびC141Yを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号193〜198を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:Y107D;K132N;C176F;C176Y;R273L;Y220C;R248Q;V143A;I195T;R249S;S242F;Y234C;H179W;V157F;Y163CおよびS241Fを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号199〜204を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:P278S;C176F;H179R;R282G;S241F;R273L;P278L;C141Y;Y107D;R248W;V216M;R282W;S242F;Y220C;V143A;G245SおよびR248Lを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号205〜210を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:R175H;H179W;R249S;Y234H;I195T;R248Q;R273H;C176Y;V157F;H193R;Y234C;K132N;R273C;Y163C;G245DおよびR337Hを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号211〜216を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:C176Y;R175H;G245D;R337H;S241F;K132N;V143A;P278S;R282W;Y163C;Y107D;R273C;S242F;G245S;V157F;Y234CおよびY234Hを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号217〜222を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:C176F;R273L;H179R;R282G;Y220C;I195T;C141Y;R248L;R273H;H179W;H193R;R249S;V216M;P278L;R248WおよびR248Qを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号223〜228を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:R248W;R273H;V143A;R249S;R175H;H193R;Y220C;G245D;R248Q;R273C;R282W;Y107D;C141Y;V157F;Y163C;C176F;I195T;V216M;Y234H;G245S;R273L;Y234CおよびR282Gを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号257〜263を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:R248W;R273H;V143A;R249S;R175H;H193R;Y220C;G245D;R248Q;R273CおよびR282Wを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号264〜270を参照されたい。代替的に、融合ポリペプチドは、N末端側からC末端側に、次のTP53突然変異:Y107D;C141Y;V157F;Y163C;C176F;I195T;V216M;Y234H;G245S;R273L;Y234CおよびR282Gを含む抗原性ペプチドを含み得る。例えば、配列番号271〜277を参照されたい。具体例において、TP53抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。
場合によっては、反復性がん突然変異は、複数のがん関連タンパク質に由来してもよい。例えば、特定の融合ポリペプチドにおける(または、例えば単一の投薬レジメンにおいて使用される融合ポリペプチドセットにおける)反復性がん突然変異のそれぞれが、同じタイプのがんにおいて生じる反復性がん突然変異であってもよい。例として、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質は、次の遺伝子:PI3KCA、AKT1、AHNAK2、ERBB2、およびTP53のうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含む。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E542K;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E545A;PIK3CA|E545G;AKT1|E17K;AHNAK2|V2016L、ERBB2|L755SおよびTP53|R175Hのうちの2個またはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、または10個もしくはそれよりも多くを含み得る。突然変異は、任意の順序であってよい。具体例において、抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。そのような21merの例は、実施例3および配列番号584〜594に示されている。
別の例として、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質は、次の遺伝子:BRAF、KRAS/NRAS、TP53、PIK3CAおよびSMAD4のうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含む。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:BRAF|V600E;KRAS|G12D;KRAS|G13D;KRAS|G12V;KRAS|G12C;KRAS|Q61K;KRAS|G12A;KRAS|G12S;TP53|R175H;TP53|R248W;TP53|R273C;TP53|R282W;TP53|R273H;TP53|R248Q;TP53|G245S;PIK3CA|E545K;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|R88QおよびSMAD4|R361Hのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、または18個もしくはそれよりも多くを含み得る。突然変異は、任意の順序であってよい。具体例において、抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。そのような21merの例は、実施例3および配列番号595〜613に示されている。
別の例として、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質は、次の遺伝子:KRAS、TP53、EGFR、U2AF1、BRAFおよびPIK3CAのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含む。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:KRAS|G12C;KRAS|G12V;KRAS|G12D;KRAS|G12F;KRAS|G12R;KRAS|Q61L;KRAS|G12Y;TP53|R158L;TP53|R273L;TP53|G245V;TP53|R175H;TP53|A159P;TP53|R249M;TP53|R273H;TP53|R280I;TP53|Q144L;TP53|R273C;TP53|R280G;TP53|R280T;EGFR|L858R;EGFR|L861Q;EGFR|G719A;U2AF1|S34F;BRAF1|V600E;BRAF1|G466V;BRAF1|N581S;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E726KおよびPIK3CA|H1047Rのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、23個もしくはそれよりも多く、24個もしくはそれよりも多く、25個もしくはそれよりも多く、26個もしくはそれよりも多く、27個もしくはそれよりも多く、または28個もしくはそれよりも多くを含み得る。突然変異は、任意の順序であってよい。具体例において、抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。そのような21merの例は、実施例3および配列番号614〜643に示されている。
別の例において、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質は、次の遺伝子:TP53、PIK3CA、NFE2L2、CDKN2AおよびPTENのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含む。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:TP53|Y163C;TP53|R175G;TP53|C242F;TP53|R273L;TP53|H179L;TP53|H193L;TP53|H214R;TP53|Y220C;TP53|Y234C;TP53|G245V;TP53|L111Q;TP53|T125P;TP53|K132R;TP53|C135W;TP53|C141W;TP53|C176F;TP53|C176Y;TP53|H179R;TP53|H179Y;TP53|H193R;TP53|I195S;TP53|Y205C;TP53|R213G;TP53|V216E;TP53|Y234S;TP53|Y236C;TP53|M237I;TP53|G244C;TP53|G245S;TP53|R248L;TP53|R248P;TP53|R248Q;TP53|R248W;TP53|R249G;TP53|R249S;TP53|R249W;TP53|G266V;TP53|F270I;TP53|R273C;TP53|R273H;TP53|R273P;TP53|R280I;TP53|D281Y;TP53|R282Q;TP53|R282W;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E542K;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E726K;PIK3CA|C420R;NFE2L2|E79Q;NFE2L2|R34Q;NFE2L2|L30F;NFE2L2|G81S;NFE2L2|G31A;NFE2L2|D29G;NFE2L2|G81V;CDKN2A|D108Y;CDKN2A|D18NおよびPTEN|R130Qのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、23個もしくはそれよりも多く、24個もしくはそれよりも多く、25個もしくはそれよりも多く、26個もしくはそれよりも多く、27個もしくはそれよりも多く、28個もしくはそれよりも多く、29個もしくはそれよりも多く、30個もしくはそれよりも多く、31個もしくはそれよりも多く、32個もしくはそれよりも多く、33個もしくはそれよりも多く、34個もしくはそれよりも多く、35個もしくはそれよりも多く、36個もしくはそれよりも多く、37個もしくはそれよりも多く、38個もしくはそれよりも多く、39個もしくはそれよりも多く、40個もしくはそれよりも多く、41個もしくはそれよりも多く、42個もしくはそれよりも多く、43個もしくはそれよりも多く、44個もしくはそれよりも多く、45個もしくはそれよりも多く、46個もしくはそれよりも多く、47個もしくはそれよりも多く、48個もしくはそれよりも多く、49個もしくはそれよりも多く、50個もしくはそれよりも多く、51個もしくはそれよりも多く、52個もしくはそれよりも多く、53個もしくはそれよりも多く、54個もしくはそれよりも多く、55個もしくはそれよりも多く、56個もしくはそれよりも多く、57個もしくはそれよりも多く、58個もしくはそれよりも多く、または59個もしくはそれよりも多くを含み得る。突然変異は、任意の順序であってよい。具体例において、抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。そのような21merの例は、実施例3および配列番号644〜703に示されている。
別の例として、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質は、次の遺伝子:ANKRD36C、SPOP、CHEK2、KRTAP4−11、RGPD8、TP53、FAM47C、ZANおよびPIK3CAのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含む。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:ANKRD36C|I645T;ANKRD36C|D629Y;ANKRD36C|D629N;SPOP|W131G;SPOP|F133L;SPOP|F133V;SPOP|F133C;SPOP|W131R;SPOP|W131L;CHEK2|K373E;KRTAP4−11|M93V;KRTAP4−11|R51K;KRTAP4−11|L161V;RGPD8|P1760A;TP53|R248Q;TP53|G245S;TP53|G245D;FAM47C|N648D;ZAN|L878P;PIK3CA|E542KおよびPIK3CA|H1047Rのうちの2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、または20個もしくはそれよりも多くを含み得る。突然変異は、任意の順序であってよい。具体例において、抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、直接ひとつに融合した21mer)であり得る。そのような21merの例は、実施例3および配列番号704〜724に示されている。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:KRAS、EGFR、U2AF1、BRAF、PIK3CAおよびTP53のうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:KRAS_G12C、EGFR_L858R、KRAS_G12D、U2AF1_S34F、BRAF_V600E、KRAS_G12V、PIK3CA_E545K、TP53_R158L、KRAS_G12A、EGFR_L861QおよびTP53_R273Lのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)に関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表35における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:SPOP、CHEK2、RGPD8、ANKRD36CおよびARのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:SPOP_F133V、CHEK2_K373E、RGPD8_P1760A、ANKRD36C_I634T、ANKRD36C_D629Y、SPOP_W131G、ANKRD36C_D626N、SPOP_F133L、AR_T878A、AR_L702H、AR_W742C、AR_H875YおよびAR_F877Lのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、前立腺がんに関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表52における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:KRAS、U2AF1、TP53、SMAD4およびGNASのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:KRAS_G12C、KRAS_G12D、U2AF1_S34F、KRAS_G12V、TP53_R248Q、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、KRAS_G12R、KRAS_Q61H、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_G245S、SMAD4_R361C、GNAS_R201CおよびGNAS_R201Hのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、膵臓がんに関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表68における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:PIK3CA、FGFR3、TP53、RXRA、FBXW7およびNFE2L2のうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:PIK3CA_E545K、FGFR3_S249C、TP53_R248Q、PIK3CA_E542K、RXRA_S427F、FBXW7_R505G、TP53_R280T、NFE2L2_E79K、FGFR3_R248C、TP53_K132N、TP53_R248W、TP53_R175HおよびTP53_R273Cのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、膀胱がんに関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表76における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:PIK3CA、AKT1およびESR1のうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:PIK3CA_E545K、PIK3CA_E542K、PIK3CA_H1047R、AKT1_E17K、PIK3CA_H1047L、PIK3CA_Q546K、PIK3CA_E545A、PIK3CA_E545G、ESR1_K303R、ESR1_D538G、ESR1_Y537S、ESR1_Y537N、ESR1_Y537CおよびESR1_E380Qのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、乳がん(例えば、ER+乳がん)に関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表87における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:PTEN、KRAS、PIK3CA、CTNNB1、FBXW7およびTP53のうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:PTEN_R130G、PTEN_R130Q、KRAS_G12D、KRAS_G12V、PIK3CA_H1047R;PIK3CA_R88Q、PIK3CA_E545K、PIK3CA_E542K、CTNNB1_S37F、KRAS_G13D、CTNNB1_S37C、PIK3CA_H1047L、PIK3CA_G118D、KRAS_G12A、FBXW7_R505CおよびTP53_R248Wのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、子宮がんに関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表95における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、TP53によってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:TP53_R248Q、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_Y220C、TP53_I195T、TP53_C176Y、TP53_H179R、TP53_S241FおよびTP53_H193Rのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、卵巣がんに関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表100における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:TP53、PIK3CA、IDH1、IDH2およびEGFRのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:TP53_R273L、TP53_R273C、TP53_R273H、PIK3CA_G118D、IDH1_R132C、IDH1_R132G、IDH1_R132H、IDH1_R132S、IDH2_R172K、PIK3CA_E453KおよびEGFR_G598Vのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、低悪性度神経膠腫(low-grade glioma)に関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表104における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:KRAS、BRAF、PIK3CAおよびTP53のうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:KRAS_G12C、KRAS_G12D、BRAF_V600E、KRAS_G12V、PIK3CA_E545K、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、PIK3CA_H1047R、TP53_R282W、TP53_R273HおよびKRAS_G13Dのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、結腸直腸がん(例えば、MSS結腸直腸がん)に関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表108における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:PIK3CA、CHEK2、RGPD8、ANKRD36C、TP53、ZNF814、KRTAP1−5、KRTAP4−11およびHRASのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:PIK3CA_E545K、CHEK2_K373E、RGPD8_P1760A、ANKRD36C_I634T、TP53_R248Q、PIK3CA_E542K、TP53_R248W、TP53_R175H、PIK3CA_H1047R、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_G245S、TP53_Y220C、ZNF814_D404E、KRTAP1−5_I88T、KRTAP4−11_L161VおよびHRAS_G13Vのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、頭頸部がんに関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表112における抗原性ペプチドのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:KRAS、BRAF、PIK3CA、TRIM48、PTEN、POLE、PGM5、MBOAT2、KIAA2026、FBXW7、C12orf4、ZBTB20、XYLT2、WNT16、UBR5、TGFBR2、SVIL、RNF43、PLEKHA6、LARP4B、FHOD3、DOCK3、BMPR2、ARID1A、ADAM28およびACVR2Aのうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、23個もしくはそれよりも多く、24個もしくはそれよりも多く、25個もしくはそれよりも多く、またはすべてによってコードされるタンパク質を含み得る。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異:KRAS_G12D、BRAF_V600E、PIK3CA_H1047R、TRIM48_Y192H、PTEN_R130N、POLE_V411L、POLE_P286R、PIK3CA_R88N、PGM5_I98V、MBOAT2_R43N、KIAA2026_R574C、FBXW7_R465C、C12orf4_R335N、ZBTB20_p.Pro692LeufsTer43、XYLT2_p.Gly529AlafsTer78、WNT16_p.Gly167AlafsTer17、UBR5_p.Glu2121LysfsTer28、TGFBR2_p.Glu150GlyfsTer35、SVIL_p.Met1863TrpfsTer44、RNF43_p.Gly659ValfsTer41、PLEKHA6_p.Val328TyrfsTer172、LARP4B_p.Thr163HisfsTer47、FHOD3_p.Ser336ValfsTer138、DOCK3_p.Pro1852GlnfsTer45、BMPR2_p.Asn583ThrfsTer44、ARID1A_p.Asp1850ThrfsTer33、ADAM28_p.Asn75LysfsTer15およびACVR2A_p.Lys435GlufsTer19のうちの1個もしくはそれよりも多く、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、23個もしくはそれよりも多く、24個もしくはそれよりも多く、25個もしくはそれよりも多く、26個もしくはそれよりも多く、27個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。そのような突然変異は、例えば、DNAミスマッチ修復欠損がんまたは腫瘍に関連している。突然変異は、任意の順序であってよい。抗原性ペプチドは、直接ひとつに融合していても、リンカーによってひとつに連結されていてもよく、リンカーの例は本明細書の他所に開示されている。具体例において、抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の各側に隣接する天然に存在する10個のアミノ酸をそれぞれが含む21mer(例えば、リンカーによってひとつに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11において提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表116における抗原性ペプチドのうちの1個もしくは複数、2個もしくはそれよりも多く、3個もしくはそれよりも多く、4個もしくはそれよりも多く、5個もしくはそれよりも多く、6個もしくはそれよりも多く、7個もしくはそれよりも多く、8個もしくはそれよりも多く、9個もしくはそれよりも多く、10個もしくはそれよりも多く、11個もしくはそれよりも多く、12個もしくはそれよりも多く、13個もしくはそれよりも多く、14個もしくはそれよりも多く、15個もしくはそれよりも多く、16個もしくはそれよりも多く、17個もしくはそれよりも多く、18個もしくはそれよりも多く、19個もしくはそれよりも多く、20個もしくはそれよりも多く、21個もしくはそれよりも多く、22個もしくはそれよりも多く、23個もしくはそれよりも多く、24個もしくはそれよりも多く、25個もしくはそれよりも多く、26個もしくはそれよりも多く、27個もしくはそれよりも多く、またはすべてを含み得る。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号917に示される配列と少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくは100%同一な配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳を表117に提供する。
C.PEST含有ペプチド
本明細書において開示される組換え融合タンパク質は、PEST含有ペプチドを含む。PEST含有ペプチドは、融合ポリペプチドのアミノ末端(N末端)(すなわち、抗原性ペプチドに対してN末端側)にあってもよいし、融合ポリペプチドのカルボキシ末端(C末端)(すなわち、抗原性ペプチドに対してC末端側)にあってもよいし、抗原性ペプチド内に埋め込まれていてもよい。一部の組換えListeria株および方法において、PEST含有ペプチドは、融合ポリペプチドの一部ではなく、融合ポリペプチドから分離している。LLOペプチドなどのPEST様配列に抗原性ペプチドを融合させると、抗原性ペプチドの免疫原性を増強することができ、細胞媒介性および抗腫瘍免疫応答を増大させる(すなわち、細胞媒介性および抗腫瘍免疫を増大させる)ことができる。例えば、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているSinghら(2005年)、J Immunol、175巻(6号):3663〜3673頁を参照されたい。
PEST含有ペプチドは、PEST配列またはPEST様配列を含むものである。真核生物タンパク質におけるPEST配列は、かねてから同定されている。例えば、プロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、およびスレオニン(T)に富んだアミノ酸配列(PEST)を含むタンパク質には、必ずしもそうとは限らないが、概して、いくつかの正に荷電したアミノ酸を含むクラスターが隣接しており、急速な細胞内半減期を有する(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているRogersら(1986年)、Science、234巻:364〜369頁)。さらに、これらの配列により、このタンパク質がユビキチン−プロテオソーム経路による分解の標的となることが報告されている(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているRechsteinerおよびRogers(1996年)、Trends Biochem. Sci.、21巻:267〜271頁)。この経路は、真核細胞によってMHCクラスIに結合する免疫原性ペプチドを生成するためにも使用され、PEST配列は、免疫原性ペプチドを生じさせる真核生物タンパク質において豊富であると仮定されている(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているRealiniら(1994年)、FEBS Lett.、348巻:109〜113頁)。原核生物タンパク質はこの酵素経路を有しないため、通常はPEST配列を含まない。しかしながら、アミノ酸プロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、およびスレオニン(T)に富んだPEST様配列は、LLOのアミノ末端において報告されており、L.monocytogenesの病原性に必須であることが報告されている(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているDecaturおよびPortnoy(2000年)、Science、290巻:992〜995頁)。このPEST様配列がLLOに存在することで、LLOがその機能を果たし、L.monocytogenesがファゴソームまたはファゴリソソームの空胞から脱出することを促進したら、それが細胞を損傷し得る前に破壊されるように、タンパク質が宿主細胞のタンパク質分解機序による破壊の標的となる。
PESTおよびPEST様配列の同定は当技術分野で周知であり、例えば、Rogersら(1986年)、Science、234巻(4774号):364〜378頁、ならびにRechsteinerおよびRogers(1996年)、Trends Biochem. Sci.、21巻:267〜271頁に記載されており、これらはそれぞれ、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている。PESTまたはPEST様配列は、PEST−findプログラムを使用して同定することができる。例えば、PEST様配列は、プロリン(P)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、およびスレオニン(T)残基に富んだ領域であり得る。必要に応じて、PEST様配列には、いくつかの正に荷電したアミノ酸を含む1つまたは複数のクラスターが隣接していてもよい。例えば、PEST様配列は、プロリン(P)、アスパラギン酸(D)、グルタミン酸(E)、セリン(S)、および/またはスレオニン(T)残基の局所濃度が高い、少なくとも12アミノ酸長の親水性区画として定義され得る。場合によっては、PEST様配列は、正に荷電したアミノ酸、すなわちアルギニン(R)、ヒスチジン(H)、およびリシン(K)を含まない。一部のPEST様配列は、1つまたは複数の内部リン酸化部位を含む場合があり、これらの部位におけるリン酸化は、タンパク質分解に先行する。
一例において、PEST様配列は、Rogersらにおいて開示されているアルゴリズムに当てはまる。別の例では、PEST様配列は、RechsteinerおよびRogersにおいて開示されているアルゴリズムに当てはまる。PEST様配列は、規定のタンパク質配列内における正に荷電したアミノ酸R、H、およびKの初期スキャンによって同定することもできる。正に荷電したフランクの間のすべてのアミノ酸が計数され、ウィンドウサイズパラメーターと等しいかまたはそれを超える数のアミノ酸を含むモチーフのみが、さらに検討される。必要に応じて、PEST様配列は、少なくとも1つのP、少なくとも1つのDまたはE、および少なくとも1つのSまたはTを含まなければならない。
PESTモチーフの質は、重要なアミノ酸の局所集中ならびにモチーフの疎水性に基づくスコアリングパラメーターによって洗練することができる。D、E、P、S、およびTの集中は、質量パーセント(w/w)で表され、1当量のDまたはE、1当量のP、および1当量のSまたはTに対して補正される。疎水性の計算は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている、KyteおよびDoolittle(1982年)、J. Mol. Biol.、157巻:105頁の方法に原則的に従うこともできる。計算を簡略化するために、元々はアルギニン−4.5からイソロイシン+4.5までの範囲であったKyte−Doolittleハイドロパシー指数は、以下の線形変換を使用して正の整数に変換され、これにより、アルギニン0からイソロイシン90までの値が得られた:ハイドロパシー指数=10*Kyte−Doolittleハイドロパシー指数+45。
潜在的なPESTモチーフの疎水性は、各アミノ酸種のモルパーセントと疎水性指数との積の合計として計算することもできる。望ましいPESTスコアは、以下の等式によって表される局所集中タームおよび疎水性タームの組合せとして得られる:PESTスコア=0.55*DEPST−0.5*疎水性指数。
よって、PEST含有ペプチドは、上記のアルゴリズムを使用して少なくとも+5のスコアを有するペプチドを指す場合がある。代替的に、PEST含有ペプチドは、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも21、少なくとも22、少なくとも23、少なくとも24、少なくとも25、少なくとも26、少なくとも27、少なくとも28、少なくとも29、少なくとも30、少なくとも32、少なくとも35、少なくとも38、少なくとも40、または少なくとも45のスコアを有するペプチドを指す場合がある。
当技術分野で公知である任意の他の利用可能な方法またはアルゴリズムを使用して、PEST様配列を同定することもできる。例えば、CaSPredictorを参照されたい(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているGaray-Malpartidaら(2005年)、Bioinformatics、21巻、付録1:i169〜76頁)。使用され得る別の方法は次のものである:アミノ酸Ser、Thr、Pro、Glu、Asp、Asn、またはGlnに1の値を割り当てることにより、適切な長さの各区画(例えば、30〜35個のアミノ酸の区画)についてのPEST指数を計算する。PEST残基のそれぞれの係数値(CV)は1であり、他のAA(非PEST)のそれぞれのCVはゼロである。
PEST様アミノ酸配列の例は、配列番号320〜328に示されているものである。PEST様配列の一例は、KENSISSMAPPASPPASPKTPIEKKHADEIDK(配列番号320)である。PEST様配列の別の例は、KENSISSMAPPASPPASPK(配列番号321)である。しかしながら、いかなるPESTまたはPEST様アミノ酸配列を使用してもよい。PEST配列ペプチドは公知であり、例えば、US7,635,479、US7,665,238、およびUS2014/0186387に記載されており、これらはそれぞれ、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
PEST様配列は、Listeria種由来、例えばListeria monocytogenes由来であり得る。例えば、Listeria monocytogenes ActAタンパク質は、少なくとも4つのかかる配列(配列番号322〜325)を含み、そのいずれもが本明細書において開示される組成物および方法において使用するのに好適である。他の同様のPEST様配列としては、配列番号329〜331が挙げられる。Streptococcus sp.に由来するストレプトリジンOタンパク質もPEST配列を含む。例えば、Streptococcus pyogenesストレプトリジンOは、PEST配列KQNTASTETTTTNEQPK(配列番号326)をアミノ酸35〜51に含み、Streptococcus equisimilisストレプトリジンOは、PEST様配列KQNTANTETTTTNEQPK(配列番号327)をアミノ酸38〜54に含む。PEST様配列の別の例は、lso遺伝子によってコードされるListeria seeligeri細胞溶解素に由来するRSEVTISPAETPESPPATP(例えば配列番号328)である。
代替的に、PEST様配列は、他の原核生物に由来してもよい。PEST様アミノ酸配列が予想される他の原核生物としては、例えば、他のListeria種が挙げられる。
(1)リステリオリシンO(LLO)
本明細書において開示される組成物および方法において利用され得るPEST含有ペプチドの一例は、リステリオリシンO(LLO)ペプチドである。LLOタンパク質の一例は、GenBank受託番号P13128が割り当てられたタンパク質である(配列番号332;核酸配列はGenBank受託番号X15127に示されている)。配列番号332は、シグナル配列を含むプロタンパク質である。このプロタンパク質のうち最初の25個のアミノ酸はシグナル配列であり、これが細菌によって分泌されるときにLLOから切断されることにより、シグナル配列のない504アミノ酸の全長活性LLOタンパク質がもたらされる。本明細書において開示されるLLOペプチドは、シグナル配列を含んでもよいし、シグナル配列を含まないペプチドを含んでもよい。使用され得る例示的なLLOタンパク質は、配列番号332に示される配列、もしくは配列番号332のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片、およびアイソフォームの断片を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。LLOタンパク質の断片、またはLLOタンパク質のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、ホモログの断片、バリアントの断片、もしくはアナログの断片をコードする任意の配列を使用することができる。相同LLOタンパク質は、参照LLOタンパク質と、例えば70%、72%、75%、78%、80%、82%、83%、85%、87%、88%、90%、92%、93%、95%、96%、97%、98%、または99%超の配列同一性を有し得る。
LLOタンパク質の別の例は、配列番号333に示されている。使用され得るLLOタンパク質は、配列番号333に示される配列、もしくは配列番号333のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片、およびアイソフォームの断片を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなってもよい。
LLOタンパク質の別の例は、GenBank受託番号:ZP_01942330もしくはEBA21833に示される、またはGenBank受託番号:NZ_AARZ01000015もしくはAARZ01000015.1に示される核酸配列によってコードされる、Listeria monocytogenes 10403S株に由来するLLOタンパク質である。LLOタンパク質の別の例は、Listeria monocytogenes 4b F2365株(例えばGenBank受託番号:YP_012823を参照されたい)、EGD−e株(例えばGenBank受託番号:NP_463733を参照されたい)、または任意の他のListeria monocytogenes株に由来するLLOタンパク質である。LLOタンパク質のさらに別の例は、Flavobacteriales bacterium HTCC2170に由来するLLOタンパク質である(例えば、GenBank受託番号:ZP_01106747もしくはEAR01433、またはGenBank受託番号:NZ_AAOC01000003によってコードされるものを参照されたい)。使用され得るLLOタンパク質は、上記のLLOタンパク質、または上記のLLOタンパク質のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片、およびアイソフォームの断片のうちのいずれかを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなってもよい。
LLO、またはそのホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片、およびアイソフォームの断片と相同であるタンパク質を使用することもできる。1つのそのような例は、例えば、Paenibacillus alveiに見出すことができるアルベオリジン(alveolysin)である(例えば、GenBank受託番号:P23564もしくはAAA22224、またはGenBank受託番号:M62709によってコードされるものを参照されたい)。他のそのような相同タンパク質は公知である。
LLOペプチドは、全長LLOタンパク質、またはトランケート型LLOタンパク質もしくはLLO断片であってもよい。同様に、LLOペプチドは、天然LLOタンパク質の1つまたは複数の機能性を保持するものであっても、天然LLOタンパク質の1つまたは複数の機能性を欠いているものであってもよい。例えば、保持されるLLOの機能性は、ファゴソームもしくはファゴリソソームから細菌(例えばListeria)が脱出することを可能にすること、またはそれが融合するペプチドの免疫原性を増強することであり得る。保持される機能性は、溶血機能または抗原機能であってもよい。代替的に、LLOペプチドは、非溶血性LLOであってもよい。LLOの他の機能が公知であり、LLO機能性を評価するための方法およびアッセイも同じく公知である。
LLO断片は、PEST様配列であってもよいし、またはPEST様配列を含んでもよい。LLO断片は、内部欠失、C末端からのトランケーション、およびN末端からのトランケーションのうちの1つまたは複数を含み得る。場合によっては、LLO断片は、1つより多くの内部欠失を含んでもよい。他のLLOペプチドは、1つまたは複数の突然変異を有する全長LLOタンパク質であり得る。
一部のLLOタンパク質または断片は、野生型LLOと比べて低減した溶血活性を有するか、または非溶血性断片である。例えば、LLOタンパク質は、カルボキシ末端における活性化ドメインの欠失もしくは突然変異、システイン484の欠失もしくは突然変異、または別の位置における欠失もしくは突然変異によって、非溶血性にされてもよい。
他のLLOタンパク質は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているUS8,771,702に詳述されているように、コレステロール結合ドメイン(CBD)の欠失または突然変異によって非溶血性にされる。突然変異は、例えば、置換または欠失を含み得る。CBD全体が突然変異してもよいし、CBDの一部分が突然変異してもよいし、またはCBD内の特定の残基が突然変異してもよい。例えば、LLOタンパク質は、配列番号332の残基C484、W491、およびW492のうちの1つまたは複数(例えばC484、W491、W492、C484およびW491、C484およびW492、W491およびW492、または3つすべての残基)、または配列番号332と最適にアラインされたときに対応する残基(例えば、対応するシステインまたはトリプトファン残基)の突然変異を含み得る。例として、LLOの残基C484、W491、およびW492がアラニン残基で置換されている突然変異体LLOタンパク質を作ることができる。この置換は、溶血活性を野生型LLOと比べて実質的に低減させる。C484A、W491A、およびW492Aの突然変異を有する突然変異体LLOタンパク質を「mutLLO」と呼ぶ。
別の例として、コレステロール結合ドメインを含む内部欠失を有する突然変異体LLOタンパク質を作ることができる。配列番号332のコレステロール結合ドメインの配列は、配列番号351に示されている。例えば、内部欠失は、1〜11アミノ酸の欠失であっても、11〜50アミノ酸の欠失であっても、またはそれより長くてもよい。同様に、突然変異領域は、1〜11アミノ酸、11〜50アミノ酸、またはそれより長いアミノ酸(例えば、1〜50、1〜11、2〜11、3〜11、4〜11、5〜11、6〜11、7〜11、8〜11、9〜11、10〜11、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、2〜7、2〜8、2〜9、2〜10、3〜4、3〜5、3〜6、3〜7、3〜8、3〜9、3〜10、12〜50、11〜15、11〜20、11〜25、11〜30、11〜35、11〜40、11〜50、11〜60、11〜70、11〜80、11〜90、11〜100、11〜150、15〜20、15〜25、15〜30、15〜35、15〜40、15〜50、15〜60、15〜70、15〜80、15〜90、15〜100、15〜150、20〜25、20〜30、20〜35、20〜40、20〜50、20〜60、20〜70、20〜80、20〜90、20〜100、20〜150、30〜35、30〜40、30〜60、30〜70、30〜80、30〜90、30〜100または30〜150アミノ酸)であってもよい。例えば、配列番号332の残基470〜500、470〜510、または480〜500からなる突然変異領域は、CBD(配列番号332の残基483〜493)を含む欠失配列をもたらす。しかしながら、突然変異領域はCBDの断片であってもよいし、またはCBDの一部分と重複してもよい。例えば、突然変異領域は、配列番号332の残基470〜490、480〜488、485〜490、486〜488、490〜500、または486〜510からなり得る。例えば、CBDの断片(残基484〜492)は、異種配列に置き換えられ得る。この置き換えは、溶血活性を野生型LLOと比べて実質的に低減させる。例えば、CBD(ECTGLAWEWWR;配列番号351)は、NY−ESO−1のHLA−A2制限エピトープ157〜165を含む、抗原NY−ESO−1のCTLエピトープ(ESLLMWITQCR;配列番号352)に置き換えられ得る。結果として生じるLLOを「ctLLO」と呼ぶ。
一部の突然変異LLOタンパク質では、突然変異領域は、異種配列によって置き換えられ得る。例えば、突然変異領域は、同数の異種アミノ酸、より小さい数の異種アミノ酸、またはより大きい数のアミノ酸(例えば、1〜50、1〜11、2〜11、3〜11、4〜11、5〜11、6〜11、7〜11、8〜11、9〜11、10〜11、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、2〜7、2〜8、2〜9、2〜10、3〜4、3〜5、3〜6、3〜7、3〜8、3〜9、3〜10、12〜50、11〜15、11〜20、11〜25、11〜30、11〜35、11〜40、11〜50、11〜60、11〜70、11〜80、11〜90、11〜100、11〜150、15〜20、15〜25、15〜30、15〜35、15〜40、15〜50、15〜60、15〜70、15〜80、15〜90、15〜100、15〜150、20〜25、20〜30、20〜35、20〜40、20〜50、20〜60、20〜70、20〜80、20〜90、20〜100、20〜150、30〜35、30〜40、30〜60、30〜70、30〜80、30〜90、30〜100または30〜150アミノ酸)によって置き換えられ得る。他の突然変異LLOタンパク質は、1つまたは複数の点突然変異(例えば、1残基、2残基、3残基、またはそれよりも多くの点突然変異)を有する。突然変異残基は、連続していても連続していなくてもよい。
1つの実施形態例では、LLOペプチドは、シグナル配列内の欠失およびCBD内の突然変異または置換を有し得る。
一部のLLOペプチドは、N末端LLO断片(すなわち、C末端欠失を有するLLOタンパク質)である。一部のLLOペプチドは、少なくとも494、489、492、493、500、505、510、515、520、もしくは525アミノ酸長、または492〜528アミノ酸長である。例えば、LLO断片は、LLOタンパク質のうち最初の約440または441個のアミノ酸(例えば、配列番号332もしくは333のうち最初の441個のアミノ酸、または配列番号332もしくは333と最適にアラインされた場合の別のLLOタンパク質の対応する断片)からなる場合がある。他のN末端LLO断片は、LLOタンパク質の最初の420個のアミノ酸(例えば、配列番号332もしくは333のうち最初の420個のアミノ酸、または配列番号332もしくは333と最適にアラインされた場合の別のLLOタンパク質の対応する断片)からなる場合がある。他のN末端断片は、LLOタンパク質のアミノ酸20〜442付近(例えば、配列番号332もしくは333のアミノ酸20〜442、または配列番号332もしくは333と最適にアラインされた場合の別のLLOタンパク質の対応する断片)からなる場合がある。他のN末端LLO断片は、システイン484を含む活性化ドメインを含まない、特にシステイン484を含まない、任意のΔLLOを含む。例えば、N末端LLO断片は、LLOタンパク質のうち最初の425、400、375、350、325、300、275、250、225、200、175、150、125、100、75、50、または25個のアミノ酸(例えば、配列番号332もしくは333のうち最初の425、400、375、350、325、300、275、250、225、200、175、150、125、100、75、50、もしくは25個のアミノ酸、または配列番号332もしくは333と最適にアラインされた場合の別のLLOタンパク質の対応する断片)に対応し得る。好ましくは、断片は、1つまたは複数のPEST様配列を含む。LLO断片およびトランケート型LLOタンパク質は、上記の特定のアミノ酸範囲のうちのいずれか1つに対応する相同LLOタンパク質の残基を含み得る。残基数は、上記に列挙した残基数と厳密に一致する必要はない(例えば、相同LLOタンパク質が、本明細書において開示される特定のLLOタンパク質に対する挿入または欠失を有する場合)。N末端LLO断片の例としては、配列番号334、335、および336が挙げられる。使用され得るLLOタンパク質は、配列番号334、335、もしくは336に示される配列、または配列番号334、335、もしくは336のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片、およびアイソフォームの断片を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。一部の組成物および方法では、配列番号336に示されるN末端LLO断片が使用される。配列番号336に示されるN末端LLO断片をコードする核酸の一例は、配列番号337である。
(2)ActA
本明細書において開示される組成物および方法において利用され得るPEST含有ペプチドの別の例は、ActAペプチドである。ActAは表面結合タンパク質であり、細胞質を通してListeria monocytogenesを推進するために、宿主のアクチンポリマーの重合、組立、および活性化を促進するための、感染宿主細胞内の足場として作用する。哺乳動物細胞サイトゾルに進入した直後、L.monocytogenesは、宿主のアクチン線維の重合を誘導し、アクチン重合により発生した力を使用して、まず細胞内に、そして細胞から細胞へと移動する。ActAは、アクチン核形成およびアクチンに基づく運動の媒介に関与する。ActAタンパク質は、宿主の細胞骨格構成成分のための複数の結合部位をもたらすことにより、細胞のアクチン重合機序を組み立てるための足場として作用する。ActAのN末端は、単量体アクチンに結合し、内因性のアクチン核形成活性を刺激することにより構成的活性型の核形成促進因子として作用する。actAおよびhly遺伝子はいずれも、転写活性化因子PrfAによって調節される10kb遺伝子クラスターのメンバーであり、actAは、哺乳動物のサイトゾルにおいておよそ226倍上方調節される。ActAタンパク質、またはActAタンパク質のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、ホモログの断片、バリアントの断片、もしくはアナログの断片をコードする任意の配列を使用することができる。相同ActAタンパク質は、参照ActAタンパク質と、例えば70%、72%、75%、78%、80%、82%、83%、85%、87%、88%、90%、92%、93%、95%、96%、97%、98%、または99%超の配列同一性を有し得る。
ActAタンパク質の一例は、配列番号338に示される配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。ActAタンパク質の別の例は、配列番号339に示される配列を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。これらの配列のいずれかに対応するプロタンパク質のうち最初の29個のアミノ酸はシグナル配列であり、これが細菌によって分泌されるときにActAタンパク質から切断される。ActAペプチドは、シグナル配列(例えば、配列番号338または339のアミノ酸1〜29)を含んでもよいし、シグナル配列を含まないペプチドを含んでもよい。ActAタンパク質の他の例は、配列番号338もしくは339のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、アイソフォームの断片、またはアナログの断片を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる。
ActAタンパク質の別の例は、Listeria monocytogenes 10403S株(GenBank受託番号:DQ054585)、NICPBP 54002株(GenBank受託番号:EU394959)、S3株(GenBank受託番号:EU394960)、NCTC 5348株(GenBank受託番号:EU394961)、NICPBP 54006株(GenBank受託番号:EU394962)、M7株(GenBank受託番号:EU394963)、S19株(GenBank受託番号:EU394964)、または任意の他のListeria monocytogenes株に由来するActAタンパク質である。使用され得るLLOタンパク質は、上記のLLOタンパク質、または上記のLLOタンパク質のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片、およびアイソフォームの断片のうちのいずれかを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなってもよい。
ActAペプチドは、全長ActAタンパク質、またはトランケート型ActAタンパク質もしくはActA断片(例えば、C末端側部分が除去されているN末端ActA断片)であってもよい。好ましくは、トランケート型ActAタンパク質は、少なくとも1つのPEST配列(例えば、1つより多くのPEST配列)を含む。加えて、トランケート型ActAタンパク質は、必要に応じて、ActAシグナルペプチドを含んでもよい。トランケート型ActAタンパク質に含まれるPEST様配列の例としては、配列番号322〜325が挙げられる。一部のそのようなトランケート型ActAタンパク質は、配列番号322〜325に示されるPEST様配列のうちの少なくとも2つもしくはそれらのホモログ、配列番号322〜325に示されるPEST様配列のうちの少なくとも3つもしくはそれらのホモログ、または配列番号322〜325に示されるPEST様配列の4つすべてもしくはそれらのホモログを含む。トランケート型ActAタンパク質の例としては、全長ActAタンパク質配列(例えば配列番号339)の残基30〜122付近、残基30〜229付近、残基30〜332付近、残基30〜200付近、もしくは残基30〜399付近を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなるものが挙げられる。トランケート型ActAタンパク質の他の例としては、全長ActAタンパク質配列(例えば配列番号339)のうち最初の約50、100、150、200、233、250、300、390、400、もしくは418個の残基を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなるものが挙げられる。トランケート型ActAタンパク質の他の例としては、全長ActAタンパク質配列(例えば配列番号339)の残基200〜300もしくは残基300〜400付近を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなるものが挙げられる。例えば、トランケート型ActAは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているUS7,655,238に記載されている、野生型ActAタンパク質のうち最初の390個のアミノ酸からなる。別の例として、トランケート型ActAは、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているUS2014/0186387に記載されている、PESTモチーフが欠失しており、非保存的QDNKR(配列番号350)置換を含む、ActA−N100またはその修飾バージョン(ActA−N100*と呼ぶ)であり得る。代替的に、トランケート型ActAタンパク質は、上記のアミノ酸範囲、または本明細書において開示されるActAペプチドのうちのいずれかのアミノ酸範囲のうちの1つに対応する、相同ActAタンパク質の残基を含んでもよい。残基数は、本明細書において列挙される残基数と厳密に一致する必要はない(例えば、相同ActAタンパク質が、本明細書において利用されるActAタンパク質に対する挿入または欠失を有する場合、それに従って残基数を調整してよい)。
トランケート型ActAタンパク質の例としては、例えば、配列番号340、341、342、もしくは343に示される配列、または配列番号340、341、342、もしくは343のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、バリアントの断片、アイソフォームの断片、もしくはアナログの断片を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなるタンパク質が挙げられる。配列番号340は、ActA/PEST1と呼ばれ、配列番号339に示される全長ActA配列のアミノ酸30〜122からなる。配列番号341は、ActA/PEST2またはLA229と呼ばれ、配列番号339に示される全長ActA配列に示される全長ActA配列のアミノ酸30〜229からなる。配列番号342は、ActA/PEST3と呼ばれ、配列番号339に示される全長ActA配列のアミノ酸30〜332からなる。配列番号343は、ActA/PEST4と呼ばれ、配列番号339に示される全長ActA配列のアミノ酸30〜399からなる。具体例として、配列番号341に示される配列からなるトランケート型ActAタンパク質を使用することができる。
トランケート型ActAタンパク質の例としては、例えば、配列番号344、346、347、もしくは349に示される配列、または配列番号344、346、347、もしくは349のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、バリアントの断片、アイソフォームの断片、もしくはアナログの断片を含むか、それらから本質的になるか、あるいはそれらからなるタンパク質が挙げられる。具体例として、配列番号344に示される配列(配列番号345に示される核酸によってコードされる)からなるトランケート型ActAタンパク質を使用することができる。別の具体例として、配列番号347に示される配列(配列番号348に示される核酸によってコードされる)からなるトランケート型ActAタンパク質を使用してもよい。配列番号348は、Listeria monocytogenes 10403S株におけるActAをコードする最初の1170個のヌクレオチドである。場合によっては、ActA断片は、異種シグナルペプチドに融合していてもよい。例えば、配列番号349は、Hlyシグナルペプチドに融合したActA断片を示す。
D.組換え融合ポリペプチドをコードする免疫療法構築物の生成
また、本明細書において開示される組換え融合ポリペプチドをコードする免疫療法構築物、またはこの組換え融合ポリペプチドを含む組成物を生成するための方法も本明細書において提供される。例えば、かかる方法は、免疫療法構築物に含めるための、反復性がん突然変異セットを選択するステップと、反復性がん突然変異のそれぞれを含む抗原性ペプチドを設計するステップ(そして例えば、各抗原性ペプチドのハイドロパシーを検査するステップと、抗原性ペプチドが、選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合はこれを修飾または選択解除するステップ)と、1つまたは複数の抗原性ペプチドセットを選択するステップと、選択された抗原性ペプチドのそれぞれを含む1つまたは複数の融合ポリペプチドを設計するステップと、融合ポリペプチドをコードする核酸構築物を生成するステップとを含み得る。
個々の反復性がん突然変異は、任意の基準に基づいて選択してよい。例えば、個々の選択される反復性がん突然変異は、複数のタイプのがんにおける発生頻度(例えば、すべてのがん患者の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%における発生率)、特定のタイプのがんにおける発生頻度(例えば、特定のタイプのがんを有するすべての患者の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%における発生率)、がん関連タンパク質の機能的ドメイン内の位置、公知のがんドライバー突然変異としてのステータス、公知の化学療法耐性突然変異としてのステータス、または体細胞ミスセンス突然変異としての同定に基づいて選択され得る。特定のがん関連タンパク質は、例えば、特定のがん関連タンパク質における突然変異が、がんの全症例または特定のタイプのがんの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%において生じ得る場合に選択され得る。1つまたは複数のがん関連タンパク質の選択後、最も高頻度で共通する体細胞突然変異を同定することができる。これは例えば、COSMIC(Catalogue of Somatic Mutations in Cancer;cancer.Sanger.ac.uk)もしくはCancer Genome Analysisなどのデータベース、または他の同様のがん関連遺伝子データベースを使用して行うことができる。他のそのようなデータベースの例としては、TCGA、IGGC、およびcBioportalが挙げられる。突然変異は、例えば、特定のタイプのがんまたはすべてのがんにおける発生頻度;本明細書の他所に開示されている突然変異ホットスポット内の位置;およびタンパク質の機能に対する突然変異の影響(例えば、腫瘍抑制タンパク質の機能喪失;公知のがん「ドライバー」突然変異;公知の化学療法耐性突然変異)のうちの1つまたは複数に従ってランク付けされ得る。必要に応じて、ナンセンス突然変異、欠失突然変異、挿入突然変異、フレームシフト突然変異、または転座突然変異のうちの1つまたは複数を除外してもよい。場合によっては、体細胞ミスセンス突然変異のみが検討される。場合によっては、フレームシフト(例えば体細胞フレームシフト突然変異)のみが検討される。場合によっては、体細胞ミスセンスおよびフレームシフト突然変異の両方が検討される。
反復性がん突然変異セットは、1つまたは複数のさらなる基準に基づいて選択されてもよい。例えば、反復性がん突然変異セットは、単一のがん関連タンパク質に突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%、または単一のがん関連タンパク質に体細胞ミスセンス突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%において見出されることになる潜在的な突然変異エピトープを含むセットに基づいて選択することができる。同様に、反復性がん突然変異セットは、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%において見出されることになる潜在的な突然変異エピトープを含むセットに基づいて選択することができる。このセットは、単一のがん関連タンパク質に由来する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40個の異なる反復性がん突然変異、または、単一のがん関連タンパク質に由来する、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40個の異なる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含むセットに基づいて選択することもできる。同様に、このセットは、単一のタイプのがんに由来する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40個の異なる反復性がん突然変異、または、単一のタイプのがんに由来する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、もしくは40個の異なる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含むセットに基づいて選択することもできる。例えば、単一のタイプのがんは、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん(例えばER+乳がん)、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん(例えばMSS結腸直腸がん)、または頭頸部がんであり得る。このセットは、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49もしくは50個以下の反復性がん突然変異を含むセット、または特定の送達系(例えば細菌送達系)の容量に基づく任意の他の閾値に基づいて選択することもできる。加えて、このセットは、ステップ(a)で選択された反復性がん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、もしくはすべてが単一のがん関連タンパク質に由来するように、または、ステップ(a)における反復性がん突然変異のうち、同じがん関連タンパク質に由来するものが50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%以下である、もしくは全くないように選択されてもよい。
具体例において、突然変異データは、疾患の徴候タイプによって細層別化される場合がある。特定のタイプの突然変異が検討のために選択され得る。例えば、反復性体細胞突然変異は、インフレーム突然変異およびフレームシフト突然変異をもたらすミスセンス置換および挿入/欠失(INDEL)を含み得る。体細胞突然変異は、全試料で観察された突然変異事象の総数の頻度に基づいて、特定の徴候をもつコホートにおいて順位付けることができる。ある特定の頻度(例えば1%、2%、3%、4%、5%、または10%)未満の頻度で生じる突然変異は除外され得る。例えば、1%、2%、3%、4%、5%、または10%に等しいおよびこれを超える疾患徴候頻度を有する反復性突然変異は、パネルに選択され得る。
融合ポリペプチドに含める可能性がある反復性がん突然変異セットの同定後、各反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドの配列を選択することができる。各抗原性ペプチドは、例えば、反復性がん突然変異および各側の隣接配列を含むがん関連タンパク質の断片を含むように設計され得る。本明細書の他所に開示されているように、異なるサイズの抗原性ペプチドを使用してよい。しかしながら、好ましくは、異なるHLA T細胞受容体(TCR)リーディングフレームの少なくとも一部をもたらすために、クラス1 MHC−1提示に適応するように、反復性がん突然変異の各側に少なくとも約10個の隣接アミノ酸が組み込まれる。例えば、抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異と、がん関連タンパク質の各側の10個の隣接アミノ酸とを含むように選択され得る(すなわち、21mer)。代替的に、例えば、抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異と、がん関連タンパク質の各側の13個の隣接アミノ酸とを含むように選択されてもよい(すなわち、27mer)。
次に、抗原性ペプチドを疎水性または親水性についてスクリーニングすることができる。抗原性ペプチドは、例えば、それらが親水性である場合に、すなわち、特定の目的の細菌(例えばListeria monocytogenes)における分泌可能性を予測し得る、ある特定のハイドロパシー閾値以下またはそれ未満のスコアを有する場合に、選択され得る。例えば、抗原性ペプチドは、21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりスコアリングすることができ、カットオフ(約1.6)を超えるスコアを有するものはすべて、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いために除外される。例えば、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているKyte-Doolittle(1982年)、J Mol Biol、157巻(1号):105〜132頁を参照されたい。代替的に、選択されたカットオフ付近のスコアを有する抗原性ペプチドは、変更すること(例えば、抗原性ペプチドの長さを変化させること、または抗原性ペプチドに含まれるがん関連タンパク質の領域をずらすこと)ができる(ただし、抗原性ペプチドが依然として反復性がん突然変異と各側の十分な隣接配列とを含む場合に限る)。使用され得る他のスライディングウィンドウサイズとしては、例えば、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、またはそれよりも多くのアミノ酸が挙げられる。例えば、スライディングウィンドウサイズは、9〜11アミノ酸、11〜13アミノ酸、13〜15アミノ酸、15〜17アミノ酸、17〜19アミノ酸、19〜21アミノ酸、21〜23アミノ酸、23〜25アミノ酸、または25〜27アミノ酸であり得る。使用され得る他のカットオフとしては、例えば、次の範囲1.2〜1.4、1.4〜1.6、1.6〜1.8、1.8〜2.0、2.0〜2.2、2.2〜2.5、2.5〜3.0、3.0〜3.5、3.5〜4.0、もしくは4.0〜4.5が挙げられ、またはカットオフは、1.4、1.5、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.3、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、もしくは4.5であってもよい。カットオフは、例えば、融合ポリペプチドを送達するために使用されている細菌の属または種に応じて異なり得る。
他の好適なハイドロパシープロット、または他の適切なスケールとしては、例えば、Roseら(1993年)、Annu Rev Biomol Struct、22巻:381〜415頁;Biswasら(2003年)、Journal of Chromatography A、1000巻:637〜655頁;Eisenberg(1984年)、Ann Rev Biochem、53巻:595〜623頁;AbrahamおよびLeo(1987年)、Proteins: Structure, Function and Genetics、2巻:130〜152頁;SweetおよびEisenberg(1983年)、Mol Biol、171巻:479〜488頁;BullおよびBreese(1974年)、Arch Biochem Biophys、161巻:665〜670頁;Guy(1985年)、Biophys J、47巻:61〜70頁;Miyazawaら(1985年)、Macromolecules、18巻:534〜552頁;Roseman(1988年)、J Mol Biol、200巻:513〜522頁;Wolfendenら(1981年)、Biochemistry、20巻:849〜855頁;Wilson(1981年)、Biochem J、199巻:31〜41頁;CowanおよびWhittaker(1990年)、Peptide Research、3巻:75〜80頁;Aboderin(1971年)、Int J Biochem、2巻:537〜544頁;Eisenbergら(1984年)、J Mol Biol、179巻:125〜142頁;HoppおよびWoods(1981年)、Proc Natl Acad Sci USA、78巻:3824〜3828頁;ManavalanおよびPonnuswamy(1978年)、Nature、275巻:673〜674頁;BlackおよびMould(1991年)、Anal Biochem、193巻:72〜82頁;FauchereおよびPliska(1983年)、Eur J Med Chem、18巻:369〜375頁;Janin(1979年)、Nature、277巻:491〜492頁;RaoおよびArgos(1986年)、Biochim Biophys Acta、869巻:197〜214頁;Tanford(1962年)、Am Chem Soc、84巻:4240〜4274頁;Wellingら(1985年)、FEBS Lett、188巻:215〜218頁;Parkerら(1986年)、Biochemistry、25巻:5425〜5431頁;ならびにCowanおよびWhittaker(1990年)、Peptide Research、3巻:75〜80頁において報告されているものが挙げられ、これらはそれぞれ、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれている。
次に、必要に応じて、残りの抗原性ペプチドを、対象のヒト白血球抗原(HLA)タイプに結合する能力についてスコアリングし(例えば、netMHCpan、ANN、SMMPMBEC.SMM、CombLib_Sidney2008、PickPocket、およびnetMHCconsを含む、www.iedb.orgにおいて利用可能なImmune Epitope Database(IED)を使用することにより)、各抗原性ペプチドの最良のMHC結合スコアによってランク付けしてよい。他のソースとしては、TEpredict(tepredict.sourceforge.net/help.html)または他の利用可能なMHC結合測定スケールが挙げられる。カットオフは、Salmonellaなどの異なる発現ベクターでは異なってよい。
必要に応じて、抗原性ペプチドを選択解除するため、または免疫抑制の影響を回避するために、免疫抑制エピトープ(例えばT−regエピトープ、IL−10誘導性Tヘルパーエピトープなど)について、抗原性ペプチドをさらにスクリーニングしてもよい。
必要に応じて、エピトープの免疫原性を予測するアルゴリズムを使用して、抗原性ペプチドをスクリーニングしてもよい。しかしながら、これらのアルゴリズムは、どのペプチドがT細胞応答を生成するかを予測するにあたり、せいぜい20%の精度である。代替的には、スクリーニング/予測的アルゴリズムは使用されない。代替的に、抗原性ペプチドを免疫原性についてスクリーニングしてもよい。例えばこれは、1つまたは複数のT細胞を抗原性ペプチドに接触させることと、免疫原性T細胞応答について分析することとを含む場合があり、ここで免疫原性T細胞応答は、このペプチドを免疫原性ペプチドとして同定する。これは、1つまたは複数のT細胞をペプチドと接触させたら、免疫原性アッセイを使用して、CD25、CD44、もしくはCD69のうちの少なくとも1つの分泌を測定すること、またはIFN−γ、TNF−α、IL−1、およびIL−2を含む群から選択されるサイトカインの分泌を測定することを含む場合もあり、ここで分泌の増加は、このペプチドを1つまたは複数のT細胞エピトープを含むものとして同定する。
反復性突然変異に関して標的ペプチドが生成される具体例において、ミスセンス置換の場合、突然変異体アミノ酸には、例えば、ミスセンス突然変異位置の直前および後に最大10個の野生型アミノ酸が隣接していてよい。フレームシフト置換では、フレーム外のINDEL置換から生じる予測されるペプチド配列がアノテーション転写物から生成されてよく、例えば最大10個の野生型アミノ酸がフレームシフト突然変異位置の上流に付加されてよい。フレーム内のINDEL置換では、INDEL位置の前および後にある、例えば最大10個の野生型アミノ酸配列がひとつに結合されてよい。各ホットスポット標的ペプチドについて、アンダースコアによって分けられた遺伝子記号(HGNCフォーマット)および突然変異置換情報(HGVSフォーマット)からなる特異的な識別子が生成され得る。例えば、KRASの12位におけるグリシンからアスパラギン酸への置換は、KRAS_G12Dの特異的な識別子を与える。標的ペプチドは次に、ヒトの非冗長性タンパク質配列(nr)データベースに対するBLAST解析に付され得る。このステップは、フレームシフト突然変異から生成された標的ペプチド配列が公知の野生型配列を表さないことを確実にし得る。ミスセンス置換の場合、このステップは、隣接する野生型アミノ酸が公知のヒト参照プロテオームにマッチすることを確実にし得る。
選択された抗原性ペプチドは次に、潜在的な融合ポリペプチドの1つまたは複数の候補順に配置され得る。単一のプラスミドに収まり得るよりも多くの使用可能な抗原性ペプチドが存在する場合、異なる抗原性ペプチドに、必要/所望に応じて優先度ランクを割り当て、かつ/または(例えば、異なる組換えListeria株に含めるために)異なる融合ポリペプチドに分けることができる。優先度ランクは、相対的サイズ、転写の優先度、および/または翻訳されたポリペプチドの全体的な疎水性などの要因によって決定され得る。抗原性ペプチドは、本明細書の他所でより詳細に開示されるように、リンカーまたは任意の数の抗原性ペプチド対の間のリンカーの任意の組合せを用いずに、直接ひとつに結合するように配置されてもよい。含まれる線状抗原性ペプチドの数は、必要な構築物の数と突然変異負荷との対比、単一のプラスミドからの複数のエピトープの翻訳および分泌の効率、プラスミドを含む各細菌もしくはLmに必要なMOI、特定のがん関連タンパク質における反復性がん突然変異もしくはホットスポット突然変異の数、またはそのがん関連タンパク質における突然変異もしくは体細胞突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%をカバーするためにどれだけ多くの反復性がん突然変異を含める必要があるかということの検討に基づいて決定され得る。同様に、含まれる線状抗原性ペプチドの数は、特定のタイプのがんにおける反復性がん突然変異もしくはホットスポット突然変異の数、または特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%をカバーするためにどれだけ多くの反復性がん突然変異を含める必要があるかということの検討に部分的に基づいて決定され得る。例えば、線状抗原性ペプチドの範囲は、例えば、プラスミドあたり約50、40、30、20、または10個の抗原性ペプチドから始まり得る。
抗原性ペプチドの順序をランダム化する1つまたは複数の反復法によって、融合ポリペプチドにおける同じ抗原性ペプチドの様々な可能性がある配置を生成することができる。そのようなランダム化は、例えば、抗原性ペプチドセット全体の順序をランダム化することを含む場合もあれば、抗原性ペプチドのサブセットの順序をランダム化することを含む場合もある。例えば、20個の抗原性ペプチド(1〜20と順序付けられたもの)がある場合、ランダム化は、20個すべてのペプチドの順序をランダム化することを含む場合もあれば、ペプチドのサブセット(例えばペプチド1〜5または6〜10)のみの順序をランダム化することを含む場合もある。このような順序のランダム化は、融合ポリペプチドおよび各個々の抗原性ペプチドの分泌および提示を促進し得る。代替的に、抗原性ペプチドの順序は、抗原性ペプチドの予め定義されたランキングなどの選択されたパラメーターを使用して生成されてもよい。
抗原性ペプチドの組合せまたは融合ポリペプチド全体(すなわち、抗原性ペプチドおよびPEST含有ペプチドならびに任意のタグを含むもの)を疎水性についてスコアリングすることもできる。例えば、融合した抗原性ペプチドの全体または融合ポリペプチド全体は、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりハイドロパシーをスコアリングすることができる。カットオフ(例えば約1.6)を超えるスコアを有する領域がある場合、選択されたパラメーターを使用して、またはランダム化を使用して、抗原性ペプチドの許容可能な順序(すなわち、いずれの領域のスコアもカットオフを超えないもの)が見出されるまで、融合ポリペプチド内の抗原性ペプチドを並べ替える、またはシャッフルすることができる。代替的に、問題がある抗原性ペプチドがあれば、これを除去するか、または再設計して異なるサイズのものにするか、もしくは抗原性ペプチドに含まれるがん関連タンパク質の配列をずらしてよい(ただし、抗原性ペプチドが依然として反復性がん突然変異と十分なサイズの隣接配列とを含む場合に限る)。代替的に、または付加的には、疎水性を変化させるために、本明細書の他所に開示される抗原性ペプチド間の1つまたは複数のリンカーを付加または修飾してもよい。個々の抗原性ペプチドのハイドロパシー検査と同じく、他のウィンドウサイズを使用してもよいし、他のカットオフを使用してもよい(例えば、融合ポリペプチドを送達するために使用されている細菌の属または種に応じて)。加えて、他の好適なハイドロパシープロットまたは他の適切なスケールを使用してもよい。
必要に応じて、抗原性ペプチドを選択解除するため、または免疫抑制の影響を回避するために、免疫抑制エピトープ(例えばT−regエピトープ、IL−10誘導性Tヘルパーエピトープなど)について、抗原性ペプチドの組合せまたは融合ポリペプチド全体をさらにスクリーニングしてもよい。
次に、抗原性ペプチドまたは融合ポリペプチドの候補組合せをコードする核酸を設計し最適化することができる。例えば、配列は、翻訳のレベル、発現の持続期間、分泌のレベル、転写のレベル、およびそれらの任意の組合せを増大させるために最適化され得る。例えば、この増大は、対照の最適化されていない配列と比べて2倍〜1000倍、2倍〜500倍、2倍〜100倍、2倍〜50倍、2倍〜20倍、2倍〜10倍、または3倍〜5倍であり得る。
例えば、融合ポリペプチドまたは融合ポリペプチドをコードする核酸は、オリゴヌクレオチド配列に形成される可能性がある二次構造のレベルを低下させるために最適化されてよく、または代替的に、配列を修飾し得る何らかの酵素の付着を防止するために最適化されてもよい。細菌細胞における発現は、例えば、転写サイレンシング、低いmRNA半減期、二次構造形成、リプレッサーおよび阻害剤などのオリゴヌクレオチド結合分子の付着部位、ならびに稀なtRNAプールの可用性によって妨げられ得る。細菌発現における多くの問題の源は、元の配列内に見出される。RNAの最適化には、シス作用性エレメントの修飾、そのGC含有量の適合、細胞細菌の非限定的なtRNAプールに対するコドンバイアスの修正、および内部相同領域の回避が含まれ得る。よって、配列の最適化は、例えば、非常に高い(>80%)または非常に低い(<30%)GC含有量の領域を調整することを伴う場合がある。配列の最適化は、例えば、次のシス作用性配列モチーフ:内部TATAボックス、カイ部位、およびリボソーム進入部位;ATリッチもしくはGCリッチの配列区画;リピート配列およびRNA二次構造;(暗号)スプライスドナーおよびアクセプター部位;分岐点;またはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を回避することを伴う場合もある。発現の最適化は、遺伝子の隣接領域および/またはプラスミド内の他所に配列エレメントを付加することを伴う場合もある。
配列の最適化は、例えば、コドン使用頻度を宿主遺伝子(例えばListeria monocytogenes遺伝子)のコドンバイアスに適合させることを伴う場合もある。例えば、Listeria monocytogenesには以下のコドンが使用され得る。
融合ポリペプチドをコードする核酸を生成し、細菌株またはListeria株などの送達ビヒクルに導入することができる。ワクシニアウイルスまたはウイルス様粒子などの他の送達ビヒクルが、DNA免疫療法またはペプチド免疫療法に好適である場合がある。融合ポリペプチドをコードするプラスミドが生成され、細菌株またはListeria株に導入されたら、この細菌またはListeria株を培養し、特徴付けることで、抗原性ペプチドを含む融合ポリペプチドの発現および分泌を確認することができる。
III.ヘテロクリティック抗原性ペプチドを含む組換え融合ポリペプチド
2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドと融合しているPEST含有ペプチド(すなわち、タンデムに、例えば、PEST−ペプチド1−ペプチド2)を含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)が、ヘテロクリティック突然変異を含む、組換え融合ポリペプチドが、本明細書で開示される。2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドと融合しているPEST含有ペプチド(すなわち、タンデムに、例えば、PEST−ペプチド1−ペプチド2)を含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)が、ヘテロクリティック突然変異を含み、抗原性ペプチドの少なくとも2つが、異なるヘテロクリティック突然変異を含み、同じがん関連タンパク質の断片である、組換え融合ポリペプチドも、本明細書で開示される。あるいは、抗原性ペプチドのそれぞれは、異なるがん関連タンパク質に由来する異なるヘテロクリティック突然変異を含む。あるいは、各抗原性ペプチドがその独自のPEST含有ペプチドと融合している(例えば、PEST1−ペプチド、PEST2−ペプチド)、別個の融合ポリペプチドの組合せを使用することができる。必要に応じて、断片の一部またはすべては、同じがん関連タンパク質の不連続断片である。不連続断片は、タンパク質配列中に逐次的に存在しない断片である(例えば、第1の断片は、残基10〜30からなり、第2の断片は、残基100〜120からなるか、または第1の断片は、残基10〜30からなり、第2の断片は、残基20〜40からなる)。
2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドを含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)が、ヘテロクリティック突然変異を含み、抗原性ペプチドの少なくとも2つが、異なるヘテロクリティック突然変異を含み、同じがん関連タンパク質の断片であり、融合ポリペプチドが、PEST含有ペプチドを含まない、組換え融合ポリペプチドも、本明細書で開示される。2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドを含む組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)が、ヘテロクリティック突然変異を含み、抗原性ペプチドの少なくとも2つが、異なるヘテロクリティック突然変異を含み、同じがん関連タンパク質の断片であり、融合ポリペプチドが、PEST含有ペプチドを含まない、組換え融合ポリペプチドも、本明細書で開示される。あるいは、抗原性ペプチドのそれぞれは、異なるがん関連タンパク質に由来する異なるヘテロクリティック突然変異を含む。必要に応じて、断片の一部またはすべては、同じがん関連タンパク質の不連続断片である。
N末端からC末端に向かって細菌分泌配列、ユビキチン(Ub)タンパク質そして2つまたはそれより多くの抗原性ペプチド(すなわち、タンデムに、例えば、Ub−ペプチド1−ペプチド2)を含む、組換え融合ポリペプチドであって、各抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)が、ヘテロクリティック突然変異を含む、組換え融合ポリペプチドも、本明細書で開示される。あるいは、各抗原性ペプチドが、その独自の分泌配列およびUbタンパク質と融合している(例えば、Ub1−ペプチド1、Ub2−ペプチド2)、別個の融合ポリペプチドの組合せを使用することができる。必要に応じて、断片の一部またはすべては、同じがん関連タンパク質の不連続断片である。
かかる組換え融合ポリペプチドをコードする核酸(ミニ遺伝子構築物と呼ぶ)も開示される。かかるミニ遺伝子核酸構築物は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレームをさらに含み得る。例えば、ミニ遺伝子核酸構築物は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2〜4つのオープンリーディングフレームをさらに含み得る。各オープンリーディングフレームが異なるポリペプチドをコードしてよい。一部の核酸構築物では、融合ポリペプチドのカルボキシ末端をコードするコドンの後に、タンパク質合成の終結を確実にする2つの停止コドンが続く。
細菌シグナル配列は、HlyもしくはActAシグナル配列などのリステリアのシグナル配列、または任意の他の公知のシグナル配列であってよい。他の場合では、シグナル配列はLLOシグナル配列であってよい。シグナル配列は、細菌性のものであっても、宿主細菌に対して天然のもの(例えば、Listeria monocytogenesに対して天然のもの、例えばsecA1シグナルペプチド)であっても、宿主細菌に対して異質のものであってもよい。シグナルペプチドの具体例としては、Lactococcus lactisに由来するUsp45シグナルペプチド、Bacillus anthracisに由来する保護抗原シグナルペプチド、Listeria monocytogenesに由来するp60シグナルペプチドなどのsecA2シグナルペプチド、およびB.subtilis Tatシグナルペプチド(例えばPhoD)などのTatシグナルペプチドが挙げられる。具体例において、分泌シグナル配列は、Listeriaタンパク質由来、例えばActA300分泌シグナルまたはActA100分泌シグナルなどである。
ユビキチンは、例えば、全長タンパク質であり得る。本明細書において提供される核酸構築物から発現されるユビキチンは、宿主細胞サイトゾルに侵入するとヒドロラーゼの作用によって核酸構築物から発現される組換え融合ポリペプチドの残部からカルボキシ末端において切断され得る。これにより融合ポリペプチドのアミノ末端が遊離し、宿主細胞サイトゾルにおいてペプチドが産生される。
融合ポリペプチド内の抗原性ペプチドの選択、変形形態、および配置は、本明細書の他所で詳細に論じられ、がん関連タンパク質は、本明細書の他所でより詳細に論じられる。組換え融合ポリペプチドは、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示されるような1つまたは複数のタグを含むことができる。
本明細書において開示される組換え融合ポリペプチドは、組換えListeria株によって発現させることもできるし、タンパク質の発現および単離に使用される他のベクターおよび細胞系から発現させ単離することもできる。かかる抗原性ペプチドを発現する組換えListeria株は、例えば、かかる組換えListeriaを含む免疫原性組成物において、ならびに組換えListeria株およびアジュバントを含むワクチンにおいて使用され得る。Listeria株における宿主細胞系およびListeria以外の宿主細胞系における、LLO、ActA、またはPEST様配列の非溶血性トランケート型との融合ポリペプチドとしての1つまたは複数の抗原性ペプチドの発現は、抗原性ペプチドの免疫原性の増強をもたらし得る。
組換え融合ポリペプチドは、任意の分子量であってよい。例えば、組換え融合ポリペプチドは、約200、195、190、185、180、175、170、165、160、155、150、145、140、135、130、もしくは125キロダルトン(kDa)未満またはそれ以下であり得る。具体例において、組換え融合ポリペプチドは、約150kDa未満もしくはそれ以下、または約130kDa未満もしくはそれ以下である。別の例として、組換え融合ポリペプチドは、約50〜200、50〜195、50〜190、50〜185、50〜180、50〜175、50〜170、50〜165、50〜160、50〜155、50〜150、50〜145、50〜140、50〜135、50〜130、50〜125、100〜200、100〜195、100〜190、100〜185、100〜180、100〜175、100〜170、100〜165、100〜160、100〜155、100〜150、100〜145、100〜140、100〜135、100〜130、または100〜125kDaであり得る。具体例において、組換え融合ポリペプチドは、約50〜150、100〜150、50〜125、または100〜125kDaである。別の例として、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、または125kDaであり得る。具体例として、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも約100kDaであり得る。
かかる組換え融合ポリペプチドをコードする核酸も開示される。核酸は、任意の形態であってよい。核酸は、DNAもしくはRNAを含んでも、またはそれらからなってもよく、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。核酸は、エピソームプラスミド、マルチコピーエピソームプラスミド、または組込みプラスミドなどのプラスミドの形態であり得る。代替的に、核酸は、ウイルスベクター、ファージベクター、または細菌人工染色体中の形態であってもよい。かかる核酸は、1つのオープンリーディングフレームを有してもよいし、2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレーム(例えば、組換え融合ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム、および代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレーム)を有してもよい。一例において、かかる核酸は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレームを含み得る。例えば、核酸は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2〜4つのオープンリーディングフレームを含み得る。各オープンリーディングフレームが異なるポリペプチドをコードしてよい。一部の核酸では、融合ポリペプチドのカルボキシ末端をコードするコドンの後に、タンパク質合成の終結を確実にする2つの停止コドンが続く。
A.ヘテロクリティック抗原性ペプチド
各ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、ヘテロクリティック突然変異を含むがん関連タンパク質の断片(すなわち、がん関連タンパク質に由来するアミノ酸の連続した配列)であり得る。各ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、免疫応答を誘導するのに十分な任意の長さであってよく、各ヘテロクリティック抗原性ペプチドが同じ長さであってもよいし、またはヘテロクリティック抗原性ペプチドが異なる長さを有してもよい。例えば、本明細書で開示されるヘテロクリティック抗原性ペプチドは、5〜100、15〜50、もしくは21〜27アミノ酸長、または15〜100、15〜95、15〜90、15〜85、15〜80、15〜75、15〜70、15〜65、15〜60、15〜55、15〜50、15〜45、15〜40、15〜35、15〜30、20〜100、20〜95、20〜90、20〜85、20〜80、20〜75、20〜70、20〜65、20〜60、20〜55、20〜50、20〜45、20〜40、20〜35、20〜30、11〜21、15〜21、21〜31、31〜41、41〜51、51〜61、61〜71、71〜81、81〜91、91〜101、101〜121、121〜141、141〜161、161〜181、181〜201、8〜27、10〜30、10〜40、15〜30、15〜40、15〜25、1〜10、10〜20、20〜30、30〜40、1〜100、5〜75、5〜50、5〜40、5〜30、5〜20、5〜15、5〜10、1〜75、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜15、1〜10、8〜11または11〜16アミノ酸長であり得る。例えば、ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59または60アミノ酸長であり得る。例えば、ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、8〜100、8〜50、8〜30、8〜25、8〜22、8〜20、8〜15、8〜14、8〜13、8〜12、8〜11、7〜11、または8〜10アミノ酸長であり得る。一例では、ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、9アミノ酸長であり得る。
各ヘテロクリティック抗原性ペプチドはまた、親水性であることができ、またはある特定のハイドロパシー閾値以下もしくはそれ未満のスコアを有することができ、このスコアは、Listeria monocytogenesまたは目的の別の細菌における分泌可能性を予測することができる。例えば、ヘテロクリティック抗原性ペプチドをKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数21アミノ酸ウィンドウによりスコアリングすることができ、カットオフ(およそ1.6)を超えるスコアを有するすべてを除外することができる。それらは、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いからである。
各ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、単一のヘテロクリティック突然変異を含むこともあり、または2つもしくはそれより多くのヘテロクリティック突然変異(例えば、2つのヘテロクリティック突然変異)を含むこともある。例示的なヘテロクリティック突然変異型ペプチドが、対応する野生型(天然)ペプチドとともに、下記の表に提供される。対応するヘテロクリティックペプチドでは修飾されている、野生型ペプチド中の残基は、太字であり、かつ下線付きである。
ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、任意の様式で互いに連結していてもよい。例えば、ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、介在配列なしで、互いに直接融合していることがある。あるいは、ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、ペプチドリンカーなどの1つまたは複数のリンカーを介して、互いに間接的に連結していることもある。一部の場合、隣接するヘテロクリティック抗原性ペプチドの一部の対は、互いに直接融合していることもあり、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの他の対は、1つまたは複数のリンカーを介して互いに間接的に連結していることもある。同じリンカーを、隣接するヘテロクリティック抗原性ペプチドの各対間に使用することができ、または任意の数の異なるリンカーを、隣接するヘテロクリティック抗原性ペプチドの異なる対間に使用することができる。加えて、1つのリンカーを、隣接するヘテロクリティック抗原性ペプチドの対間に使用することができ、または複数のリンカーを、隣接するヘテロクリティック抗原性ペプチドの対間に使用することができる。
任意の好適な配列をペプチドリンカーに使用することができる。一例として、リンカー配列は、例えば、1〜約50アミノ酸長であってもよい。一部のリンカーは、親水性であり得る。リンカーは、様々な目的に役立つことができる。例えば、リンカーは、細菌分泌を増大させること、抗原プロセシングを促進すること、融合ポリペプチドの可動性を増大させること、融合ポリペプチドの剛性を増大させること、または任意の他の目的に役立つことができる。一部の場合、リピートを最小限に抑えるために、異なるアミノ酸リンカー配列が、ヘテロクリティック抗原性ペプチド間に分布しているか、または同じアミノ酸リンカー配列をコードする異なる核酸が、ヘテロクリティック抗原性ペプチド(例えば、配列番号572〜582)間に分布している。これはまた、二次構造を低減させることにより、Lm組換えベクター株集団内の融合ポリペプチドをコードする核酸(例えば、プラスミド)の効率的な転写、翻訳、分泌、維持または安定化を可能にすることに役立つことができる。他の好適なペプチドリンカー配列は、例えば、以下の要素:(1)それらが、可動性がある伸長したコンフォメーションをとる能力、(2)それらが、ヘテロクリティック抗原性ペプチド上の機能的エピトープと相互作用することができる二次構造をとる能力の欠除、および(3)機能的エピトープと反応し得る疎水性または荷電残基の欠除のうちの1つまたは複数に基づいて選択することができる。例えば、ペプチドリンカー配列は、Gly、AsnおよびSer残基を含有することがある。他の中性付近のアミノ酸、例えば、ThrおよびAlaが、リンカー配列に使用されることもある。リンカーとして有用に利用することができるアミノ酸配列は、Marateaら(1985年)Gene 40巻:39〜46頁;Murphyら(1986年)Proc Natl Acad Sci USA 83巻:8258〜8262頁;米国特許第4,935,233号およびUS4,751,180において開示されているものを含み、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。リンカーの具体例は、本明細書中の他の箇所で開示される。
融合ポリペプチドは、任意の数のヘテロクリティック抗原性ペプチドを含むことができる。一部の場合、融合ポリペプチドは、組換えListeria株から融合ポリペプチドが産生および分泌され得るような、任意の数のヘテロクリティック抗原性ペプチドを含む。例えば、融合ポリペプチドは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29もしくは30のヘテロクリティック抗原性ペプチド、または2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45もしくは45〜50のヘテロクリティック抗原性ポリペプチドを含むことができる。別の例では、融合ポリペプチドは、単一のヘテロクリティック抗原性ペプチドを含むことができる。別の例では、融合ポリペプチドは、ヘテロクリティック抗原性ペプチド約1〜100、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、10〜20、20〜30、30〜40,40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、5〜15、5〜20、5〜25、15〜20、15〜25、15〜30、15〜35、20〜25、20〜35、20〜45、30〜45、30〜55、40〜55、40〜65、50〜65、50〜75、60〜75、60〜85、70〜85、70〜95、80〜95、80〜105、95〜105、50〜100、1〜100、5〜100、5〜75、5〜50、5〜40、5〜30、5〜20、5〜15、5〜10、1〜100、1〜75、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜15または1〜10の範囲の、多数のヘテロクリティック抗原性ペプチドを含むことができる。別の例では、融合ポリペプチドは、最大約100、10、20、30、40または50のヘテロクリティック抗原性ペプチドを含むことができる。別の例では、融合ポリペプチドは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99または100のヘテロクリティック抗原性ペプチドを含むことができる。
加えて、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する任意の数のヘテロクリティック抗原性ペプチド(すなわち、同じがん関連タンパク質に由来する任意の数の不連続断片)を含むことができる。あるいは、融合ポリペプチドは、2つまたはそれより多くの異なるがん関連タンパク質に由来する、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9または10のがん関連タンパク質に由来する、任意の数のヘテロクリティック抗原性ペプチドを含むことができる。例えば、融合ポリペプチドは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20のがん関連タンパク質、または2〜5、5〜10、10〜15、もしくは15〜20のがん関連タンパク質に由来するヘテロクリティック突然変異を含むことができる。例えば、2つまたはそれより多くのがん関連タンパク質は、約2〜30、約2〜25、約2〜20、約2〜15、または約2〜10のがん関連タンパク質であることがある。例えば、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30のヘテロクリティック抗原性ペプチド、または同じがん関連タンパク質に由来する2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50のヘテロクリティック抗原性ポリペプチドを含むことができる。同様に、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30のヘテロクリティック抗原性ペプチド、または2つもしくはそれより多くの異なるがん関連タンパク質に由来する2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50のヘテロクリティック抗原性ポリペプチドを含むことができる。加えて、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する任意の数の不連続なヘテロクリティック抗原性ペプチド(すなわち、同じがん関連タンパク質に由来する任意の数の不連続断片)を含むことができる。例えば、融合ポリペプチドは、同じがん関連タンパク質に由来する少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30の不連続なヘテロクリティック抗原性ペプチド、または同じがん関連タンパク質に由来する2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50の不連続なヘテロクリティック抗原性ポリペプチドを含むことができる。一部の場合、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはすべてが、同じがん関連タンパク質に由来する不連続なヘテロクリティック抗原性ペプチドであり、または単一のがん関連タンパク質に由来するヘテロクリティック抗原性ペプチドの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%もしくはすべてが、そのがん関連タンパク質に由来する不連続なヘテロクリティック抗原性ペプチドである。
各ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、異なる(すなわち、特有の)ヘテロクリティック突然変異を含むことができる。あるいは、融合ポリペプチド中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの2つまたはそれより多くが、同じヘテロクリティック突然変異を含むことができる。例えば、同じヘテロクリティック抗原性ポリペプチドの2つまたはそれより多くのコピーが、融合ポリペプチドに含まれることもある(すなわち、融合ポリペプチドは、同じヘテロクリティック抗原性ペプチドの2つまたはそれより多くのコピーを含む)。一部の融合ポリペプチドでは、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、いずれの他のヘテロクリティック抗原性ペプチドにも存在しない、異なる(すなわち、特有の)ヘテロクリティック突然変異を含む。
一部の場合、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの少なくとも2つは、同じがん関連タンパク質の重複する断片を含むことができる。例えば、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの2つまたはそれより多くが、がん関連タンパク質の同じアミノ酸残基に異なるヘテロクリティック突然変異を含むことができる。
一部のヘテロクリティック抗原性ペプチドは、少なくとも2つの異なるヘテロクリティック突然変異、少なくとも3つの異なるヘテロクリティック突然変異、または少なくとも4つの異なるヘテロクリティック突然変異を含むことができる。
ヘテロクリティック突然変異のいずれの組合せが融合ポリペプチドに含まれていてもよい。例えば、1つまたは複数の異なるHLA型と結合するヘテロクリティック抗原性ペプチドが、含まれていてもよい。例えば、次のHLA型:HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02、およびHLA−B*07:02のうちの1つもしくは複数またはすべてと結合するヘテロクリティック抗原性ペプチドを同定することができる。
融合ポリペプチド中のヘテロクリティック抗原性ペプチドのそれぞれが、同じがん関連タンパク質に由来するヘテロクリティック突然変異を含むこともあり、または融合ポリペプチド中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの組合せが、2つもしくはそれより多くのがん関連タンパク質に由来するヘテロクリティック突然変異を含むこともある。例えば、融合ポリペプチドは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20のがん関連タンパク質、または2〜5、5〜10、10〜15、もしくは15〜20のがん関連タンパク質に由来するヘテロクリティック突然変異を含むことができる。例えば、2つまたはそれより多くのがん関連タンパク質は、約2〜30、約2〜25、約2〜20、約2〜15、または約2〜10のがん関連タンパク質であり得る。一例では、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、同じがん関連タンパク質に由来するヘテロクリティック突然変異を含む。別の例では、同じがん関連タンパク質に由来するヘテロクリティック突然変異を含むヘテロクリティック抗原性ペプチドはない。
例示的なヘテロクリティック抗原性ペプチド配列は、本明細書中の他の箇所で開示される。一例として、ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、本明細書で開示される抗原性ペプチド配列のいずれかと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一の配列を含むことができ、そのような配列から本質的になることができ、またはそのような配列からなることができる。
B.がん関連タンパク質およびヘテロクリティック突然変異
本明細書で開示される融合ポリペプチドは、がん関連タンパク質に由来するヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドを含む。本明細書で開示されるヘテロクリティック突然変異のいずれの組合せが、融合ポリペプチドに含まれていてもよい。ヘテロクリティックペプチドに関しての用語「がん関連タンパク質」は、その発現が1タイプまたは複数のタイプのがんの発生または進行と相関するタンパク質を指す。必要に応じて、そのようなタンパク質は、複数のタイプのがんに存在する突然変異を有するタンパク質、特定のタイプのがんを有する複数の対象に存在する突然変異を有するタンパク質、または1タイプもしくは複数のタイプのがんの発生もしくは進行と相関する突然変異を有するタンパク質を含む。例えば、がん関連タンパク質は、発癌タンパク質(すなわち、細胞成長を調節するタンパク質などの、がん進行に寄与することができる活性を有するタンパク質)であることもあり、または腫瘍抑制タンパク質(すなわち、がん形成の可能性を、例えば、細胞周期の負の調節によって、またはアポトーシスを促進することにより、軽減するように概して作用するタンパク質)であることもある。好ましくは、ヘテロクリティックペプチドの元になるがん関連タンパク質は、特定のタイプのがんに発現されるが通常は健常成人組織には発現されないタンパク質(すなわち、がん特異的発現、がん限定発現、腫瘍特異的発現、または腫瘍限定発現を有するタンパク質)である。しかし、がん関連タンパク質は、がん特異的、がん限定、腫瘍特異的または腫瘍限定発現を有する必要はない。がん特異的またはがん限定と見なされるタンパク質の例は、がん精巣抗原または癌胎児性抗原である。がん精巣抗原(CTA)は、種々の組織起源のヒト腫瘍に発現されるが、雄生殖細胞を除く正常組織には発現されない、腫瘍関連抗原の大きなファミリーである。がんでは、これらの発育抗原は、再発現されることがあり、免疫活性化遺伝子座として役立つことができる。癌胎児性抗原(OFA)は、概して胎児発育中にしか存在しないがある特定の種類のがんを有する成人には見出されるタンパク質である。CTAおよびOFAの腫瘍限定発現パターンが、それらを腫瘍特異的免疫療法に理想的な標的にする。大部分のOFA/CTAタンパク質は、発癌に重要な役割を果たす。
用語「ヘテロクリティック」は、ヘテロクリティックペプチドの元になった天然ペプチド(例えば、アンカー残基突然変異を含有しないペプチド)を認識する免疫応答を生じさせるペプチドを指す。例えば、YLMPVNSEV(配列番号726)は、YMMPVNSEV(配列番号725)から、残基2のメチオニンへの突然変異により生成された。ヘテロクリティックペプチドは、そのヘテロクリティックペプチドの元になった天然ペプチドを認識する免疫応答を生じさせることができる。例えば、ヘテロクリティックペプチドのワクチンの接種により生じる天然ペプチドに対する免疫応答は、天然ペプチドのワクチンの接種により生じる免疫応答と同等のまたはそれより大きい規模であり得る。免疫応答は、例えば、2倍、3倍、5倍、7倍、10倍、15倍、20倍、30倍、50倍、100倍、150倍、200倍、300倍、500倍、1000倍、またはそれより大きく増大され得る。
本明細書で開示されるヘテロクリティックペプチドは、1つまたは複数のヒト白血球抗原(HLA)分子と結合することができる。HLA分子は、主要組織適合複合体(MHC)分子としても公知であり、ペプチドに結合し、免疫細胞に対してそれらのペプチドを提示する。ペプチドの免疫原性は、HLA分子に対するその親和性によって一部は決定され得る。HLAクラスI分子は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)上に一般に存在するCD8分子と相互作用する。HLAクラスII分子は、ヘルパーTリンパ球上に一般に存在するCD4分子と相互作用する。例えば、本明細書で開示されるヘテロクリティックペプチドは、前駆T細胞を活性化するのに十分な親和性で、またはT細胞による認識を媒介するのに十分な親和性で、HLA分子と結合することができる。
本明細書で開示されるヘテロクリティックペプチドは、1つまたは複数のHLAクラスII分子と結合することができる。例えば、ヘテロクリティックペプチドは、HLA−DRB分子、HLA−DRA分子、HLA−DQA1分子、HLA−DQB1分子、HLA−DPA1分子、HLA−DPB 1分子、HLA−DMA分子、HLA−DMB分子、HLA−DOA分子、またはHLA−DOB分子と結合することができる。
本明細書で開示される天然またはヘテロクリティックペプチドは、1つまたは複数のHLAクラスI分子と結合することができる。例えば、ヘテロクリティックペプチドは、HLA−A分子、HLA−B分子、HLA−C分子、HLA−A0201分子、HLA A1、HLA A2、HLA A2.1、HLA A3、HLA A3.2、HLA A11、HLA A24、HLA B7、HLA B27、またはHLA B8と結合することができる。同様に、ヘテロクリティックペプチドは、HLAクラスI分子のスーパーファミリー、例えば、A2スーパーファミリー、A3スーパーファミリー、A24スーパーファミリー、B7スーパーファミリー、B27スーパーファミリー、B44スーパーファミリー、C1スーパーファミリー、またはC4スーパーファミリーと結合することができる。
ヘテロクリティックペプチドは、HLAクラスII分子とペプチドの結合を、対応する天然ペプチドと比較して増強する突然変異を含むことができる。あるいは、または加えて、ヘテロクリティックペプチドは、HLAクラスI分子とペプチドの結合を、対応する天然ペプチドと比較して増強する突然変異を含むことができる。例えば、突然変異残基は、HLAクラスIIモチーフアンカー残基であり得る。「アンカーモチーフ」または「アンカー残基」は、別の実施形態では、HLA結合配列(例えば、HLAクラスII結合配列またはHLAクラスI結合配列)中の特定の位置における1つまたは1セットの好ましい残基を指す。
野生型エピトープに対する交差反応性免疫原性応答を惹起する可能性がある予測ヘテロクリティックエピトープを生成するための様々な方法が周知である。例えば、野生型エピトープに対する交差反応性免疫原性応答を惹起する可能性があるヘテロクリティックエピトープを設計するために、NetMHCpan 3.0サーバー(www.cbs.dtu.dk/services/NetMHCpan/)を使用して、野生型エピトープのベースライン予測ペプチド−MHC結合親和性を決定することができる。1.0未満または1.0であるペプチド−MHC結合親和性パーセントランクは、免疫応答を惹起する可能性が高い強力なバインダーと見なされる。可能性のあるヘテロクリティックエピトープは、強力なバインダーであると予測される野生型エピトープの、これらに限定されないが、1位、2位、3位またはC末端位置における、1つまたは複数のアミノ酸のランダムな置換により生成される。次いで、NetMHCpan 3.0サーバーを使用して、可能性のあるヘテロクリティックエピトープのペプチド−MHC結合親和性が、推定される。結合親和性をランク付けるパーセンテージが野生型エピトープと同様であり、パーセンテージランクが1.0未満または1.0である、ヘテロクリティックエピトープは、将来検証される可能性のある抗原と見なすことができる。
HLAクラスIおよびクラスII残基を同定するための他の方法、ならびに残基を突然変異させることによりHLA結合を改善するための他の方法は、周知である。例えば、US8,765,687、US7,488,718、US9,233,149およびUS7,598,221を参照されたく、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。例えば、MHCクラスIIエピトープを予測するための方法は、周知である。一例として、MHCクラスIIエピトープは、TEPITOPE(その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるMeisterら(1995年)Vaccine 13巻:581〜591頁)を使用して予測することができる。別の例として、MHCクラスIIエピトープは、EpiMatrix(その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるDe Grootら(1997年)AIDS Res. Hum. Retroviruses 13巻:529〜531頁)を使用して予測することができる。さらに別の例として、MHCクラスIIエピトープは、Predict Method(その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるYu Kら(2002年)Mol. Med.8巻:137〜148頁)を使用して予測することができる。さらに別の例として、MHCクラスIIエピトープは、SYFPEITHIエピトープ予測アルゴリズムを使用して予測することができる。SYFPEITHIは、クラスIおよびクラスII MHC分子と結合することが公知の4500より多くのエピトープ配列を含む、データベースである。SYFPEITHIは、MHC結合溝に沿って、ある特定の位置の、ある特定のアミノ酸の存在に基づくスコアを提供する。理想的なアミノ酸アンカーが、10点で評価され、普通でないアンカーは、6〜8点に値し、補助アンカーは、4〜6点に値し、好ましい残基は、1〜4点に値する;結合スコアに対する負のアミノ酸効果は−1〜−3の間である。HLA−A*0201についての最大スコアは、36である。さらに別の例として、MHCクラスIIエピトープは、Rankpepを使用して予測することができる。Rankpepは、位置特異的スコアリング行列(PSSM)を使用するか、またはMHC−ペプチド結合の予測因子として、所与のMHC分子と結合することが公知のアラインされたペプチドセットからのプロファイルを使用する。Rankpepは、選択されたプロファイルを有する、ペプチドのスコアに関する情報、および予測ペプチドの、最大スコアを生じさせるコンセンサス配列のものに対する%最適またはパーセンタイルスコアに関する情報を含む。Rankpepは、MHC IおよびMHC II分子とのペプチド結合の予測のためにそれぞれ102および80のPSSMの選択を含む。異なるサイズのペプチドバインダーを予測するいくつかのPSSMを通常はMHC I分子ごとに利用可能である。別の例として、MHCクラスIIエピトープは、SVMHC(その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるDonnesおよびElofsson(2002年)BMC Bioinformatics 11巻;3号:25頁)を使用して同定することができる。
MHCクラスIエピトープを同定するための方法も周知である。一例として、MHCクラスIエピトープは、BIMASソフトウェアを使用して予測することができる。BIMASスコアは、ペプチド結合親和性の評価基準であるMHC−I/β2−ミクログロブリン/ペプチド複合体の理論半減期の計算に基づく。このプログラムは、8〜10アミノ酸長のHLA−Iペプチドについての情報を使用する。ペプチドのMHCに対する結合親和性が高いほど、このペプチドがエピトープに相当する尤度が高い。BIMASアルゴリズムは、ペプチド中の各アミノ酸がクラスI分子との結合に独立して寄与すると仮定する。結合に不可欠である主要アンカー残基は、表中で1より有意に高い係数を有する。不利なアミノ酸は、1未満である正の係数を有する。アミノ酸が、結合に対して有利または不利いずれに寄与するかが分からない場合には、値1を割り当てられる。アミノ酸に割り当てられるすべての値が乗算され、得られた実行スコアに定数が乗算されて、解離半減期の推定値が得られる。別の例として、MHCクラスIエピトープは、SYFPEITHIを使用して同定することができる。さらに別の例では、MHCクラスIエピトープは、SVMHCを使用して同定することができる。さらに別の例として、MHCクラスIエピトープは、NetMHC−2.0(その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるBuusら(2003年)Tissue Antigens 62巻:378〜384頁)を使用して同定することができる。
HLA結合モチーフ中の異なる残基を、MHC結合を増強するように突然変異させることができる。一例では、MHC結合を増強する突然変異は、HLAクラスI結合モチーフの1位の残基における突然変異(例えば、チロシン、グリシン、トレオニンまたはフェニルアラニンへの突然変異)である。別の例として、突然変異は、HLAクラスI結合モチーフの2位における突然変異(例えば、ロイシン、バリン、イソロイシンまたはメチオニンへの突然変異)であり得る。別の例として、突然変異は、HLAクラスI結合モチーフの6位における突然変異(例えば、バリン、システイン、グルタミンまたはヒスチジンへの突然変異)であり得る。別の例として、突然変異は、HLAクラスI結合モチーフの9位におけるまたはC末端位置における突然変異(例えば、バリン、トレオニン、イソロイシン、ロイシン、アラニンまたはシステインへの突然変異)であり得る。突然変異は、一次アンカー残基における突然変異であることもあり、または二次アンカー残基における突然変異であることもある。例えば、HLAクラスI一次アンカー残基は、2位および9位であることがあり、二次アンカー残基は、1および8位、または1、3、6、7および8位であることがある。別の例では、4、5および8位から選択される位置に点突然変異が存在することもある。
同様に、HLAクラスII結合部位における異なる残基を突然変異させることができる。例えば、HLAクラスIIモチーフアンカー残基を突然変異させることができる。例えば、P1位、P2位、P6位またはP9位を突然変異させることができる。あるいはP4位、P5位、P10位、P11位、P12位またはP13位を突然変異させることができる。
用語「がん関連タンパク質」は、複数のタイプのがんに存在する突然変異を有するタンパク質、特定のタイプのがんを有する複数の対象に存在する突然変異を有するタンパク質、または1タイプもしくは複数のタイプのがんの発生もしくは進行と相関する突然変異を有するタンパク質を含む。例えば、がん関連タンパク質は、発癌タンパク質(すなわち、細胞成長を調節するタンパク質などの、がん進行に寄与することができる活性を有するタンパク質)であることもあり、または腫瘍抑制タンパク質(すなわち、がん形成の可能性を、例えば、細胞周期の負の調節によって、またはアポトーシスを促進することにより、軽減するように概して作用するタンパク質)であることもある。
例えば、がん関連タンパク質は、本明細書中の他の箇所で列挙されるがん関連タンパク質のいずれか1つであり得る。例えば、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、GAGE1、hTERT、KLHL7、MAGEA3、MAGEA4、MAGEA6、NUF2、NYESO1、PAGE4、PRAME、PSA、PSMA、RNF43、SART3、SSX2、STEAP1およびSURVIVINのうちの1つによりコードされ得る。
本明細書で開示される融合ポリペプチドは、がん関連タンパク質の任意の組合せ(すなわち、1つまたは複数のがん関連タンパク質)に由来する任意の順序でのヘテロクリティック突然変異の任意の組合せを含む、ヘテロクリティック抗原性ペプチドを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドの組合せまたは融合ポリペプチドは、親水性であることができ、またはある特定のハイドロパシー閾値以下もしくはそれ未満のスコアを有することができ、このスコアは、Listeria monocytogenesまたは目的の別の細菌における分泌可能性を予測することができる。一部の場合、ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、複数のがん関連タンパク質(例えば、2つまたはそれより多くのがん関連タンパク質)に由来し得る。
一例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA6、MAGEA4、GAGE1、NYESO1、STEAP1およびRNF43のうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)と関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表36中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、または11すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA4、STEAP1、RNF43、SSX2、SART3、PAGE4、PSMAおよびPSAのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、前立腺がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表53中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、または10すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、STEAP1、MAGEA3、PRAME、hTERTおよびSURVIVINのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、すい臓がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表69中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、または12すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、GAGE1、NYESO1、RNF43、NUF2、KLHL7、MAGEA3およびPRAMEのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、膀胱がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表77中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、または14すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、STEAP1、RNF43、MAGEA3、PRAMEおよびhTERTのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、乳がん(例えば、ER+乳がん)と関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表88中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、または11すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、PRAME、hTERT、STEAP1、RNF43、NUF2、KLHL7およびSART3のうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、子宮がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表96中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、または14すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5,STEAP1,RNF43,SART3,NUF2,KLHL7,PRAMEおよびhTERTのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、卵巣がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表101中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、または14すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA6、STEAP1、RNF43、SART3、NUF2、KLHL7およびhTERTのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、低悪性度神経膠腫と関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表105中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、または10すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA6、MAGEA4、GAGE1、NYESO1、STEAP1、RNF43およびMAGEA3のうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、結腸直腸がん(例えば、MSS結腸直腸がん)と関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表109中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、または10すべてを含むことができる。
別の例として、がん関連タンパク質は、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA4、STEAP1、NYESO1、PRAMEおよびhTERTのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに、結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、頭頸部がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表113中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、または10すべてを含むことができる。
C.PEST含有ペプチド
本明細書で開示される組換え融合タンパク質は、PEST含有ペプチドを含む。PEST含有ペプチドは、融合ポリペプチドのアミノ末端(N末端)(すなわち、抗原性ペプチドのN末端側)にあってもよく、融合ポリペプチドのカルボキシ末端(C末端)(すなわち、抗原性ペプチドのC末端側)にあってもよく、または抗原性ペプチド中に組み込まれていてもよい。一部の組換えListeria株および方法では、PEST含有ペプチドは、融合ポリペプチドの一部ではなく、融合ポリペプチドとは別である。LLOペプチドなどの抗原性ペプチドのPEST様配列との融合は、抗原性ペプチドの免疫原性を増強することができ、細胞により媒介される抗腫瘍免疫応答を増大させる(すなわち、細胞により媒介される抗腫瘍免疫を増大させる)ことができる。例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるSinghら(2005年)J Immunol 175巻(6号):3663〜3673頁を参照されたい。PEST含有ペプチドは、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示される。
D.組換え融合ポリペプチドをコードする免疫療法構築物の生成
本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドをコードする免疫療法構築物または本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドを含む組成物を生成するための方法も、本明細書で提供される。例えば、そのような方法は、免疫療法構築物に含めるためのヘテロクリティック突然変異セットを選択するステップ、ヘテロクリティック突然変異のそれぞれを含むヘテロクリティック抗原性ペプチドを設計するステップ(および例えば、各ヘテロクリティック抗原性ペプチドのハイドロパシーを検査し、ヘテロクリティック抗原性ペプチドが、選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合はこれを修飾または選択解除するステップ)、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つまたは複数のセットを選択するステップ、選択されたヘテロクリティック抗原性ペプチドのそれぞれを含む1つまたは複数の融合ポリペプチドを設計するステップ、および融合ポリペプチドをコードする核酸構築物を生成するステップを含むことができる。
本明細書中の他の箇所でさらに詳細に論じられるように、任意の基準に基づいて、個々のヘテロクリティック突然変異を選択することができる。例えば、個々のヘテロクリティック突然変異またはヘテロクリティックペプチドを、それらがCD8+Tリンパ球応答を生じさせることが分かった場合、選択することができる。
融合ポリペプチドに含めることが可能なヘテロクリティック突然変異セットの同定後、各ヘテロクリティック突然変異を含むヘテロクリティック抗原性ペプチドについての配列を選択することができる。本明細書中の他の箇所で開示されるように、種々のサイズの抗原性ペプチドを使用することができる。例えば、ヘテロクリティック突然変異またはヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、9アミノ酸からなるMHCクラスIエピトープに重点を置いたものであり得る。
その場合、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの配列を、MHCクラスI分子との結合を増強するように最適化することができる。各HLAとの結合を最適化するために、Peptide MHC Binding MotifおよびAmino Acid Binding ChartをImmune Epitope Database and Analysis Resource(例えば、iedb.org/MHCalleleid/143)から評定することができる。アンカー位における好ましいアミノ酸を、ヘテロクリティック抗原性ペプチド配列に挿入することができる(例えば、NUF2−野生型:YMMPVNSEV(配列番号725)およびNUF2−ヘテロクリティック:YLMPVNSEV(配列番号726))。
次いで、配列最適化されたヘテロクリティック抗原性ペプチドの結合親和性を、例えば次のアルゴリズムの1つを使用して、評定することができる:NetMHC4.0サーバー、NetMHCpan4.0サーバー、およびmhcflurry v0.2.0。例えば、特定のHLAに対する予測結合親和性が、対応する天然配列と等価であるか、それより強い場合、ヘテロクリティック抗原性ペプチドと見なすことができる。次いで、選択された、配列最適化されたヘテロクリティック抗原性ペプチドを、ProImmuneのREVEALアッセイを使用して特定のHLAとのin vitroでの結合についてスクリーニングすることができる。例えば、結合親和性がREVEALアッセイの陽性対照ペプチドの≧45%であるヘテロクリティック抗原性ペプチドを、バインダーと見なした。
ヘテロクリティック抗原性ペプチドのRNA発現レベルをTCGA RNAseqV2データセット中の特定の徴候に関して測定することもできる。正規化RNA発現リードが0より大きいTCGA試料のパーセンテージを計算することができる。試料の大多数の中でTCGA発現を有するヘテロクリティック抗原性ペプチドを優先することができる。
そのような方法は、例えば、各ヘテロクリティック抗原性ペプチドのハイドロパシーを検査し、ヘテロクリティック抗原性ペプチドを、それが選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合、修飾または選択解除するステップ、選択されたヘテロクリティック抗原性ペプチドのそれぞれを含む1つまたは複数の融合ポリペプチドを設計するステップ、および融合ポリペプチドをコードする核酸構築物を生成するステップを含むこともできる。そのような方法は、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示される。
具体例では、文献検討を行って、徴候特異的腫瘍関連抗原のゲノムランドスケープを調査して、可能性のあるTAAのショートリストを生成することができる。もう1度文献検討を行って、ショートリストTAAが、CD8+Tリンパ球応答を生じさせる公知の免疫原性ペプチドを含有するかどうかを判定することができる。このアプローチは、例えば、TAAに由来する9アミノ酸(9mer)からなるMHCクラスIエピトープに主眼を置くことができる。このステップは、例えば、4つのHLA型(HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02、およびHLA−B*07:02)の1つと結合する、9mer形式の、可能性のある標的ペプチドを同定することができる。
その場合、標的ペプチドは、MHCクラスI分子(別名ヘテロクリティックペプチド)との結合を増強するように最適化された配列であり得る。各HLAとの結合を最適化するために、Peptide MHC Binding MotifおよびAmino Acid Binding Chartを、Immune Epitope Database and Analysis Resource(例えば、iedb.org/MHCalleleid/143)から評定することができる。アンカー位における好ましいアミノ酸を、標的ペプチド配列に挿入することができる(例えば、NUF2−野生型:YMMPVNSEV(配列番号725)およびNUF2−ヘテロクリティック:YLMPVNSEV(配列番号726))。次いで、配列最適化された標的ペプチドおよび野生型標的ペプチドの結合親和性を、例えば次のアルゴリズムの1つを使用して、評定することができる:NetMHC4.0サーバー、NetMHCpan4.0サーバー、およびmhcflurry v0.2.0。例えば、特定のHLAに対する予測結合親和性が、野生型標的ペプチド配列と等価であるか、それより強い場合、配列最適化された標的ペプチドと見なすことができる。次いで、選択された配列最適化された標的ペプチドを、ProImmuneのREVEALアッセイを使用して特定のHLAとのin vitroでの結合についてスクリーニングすることができる。例えば、結合親和性がREVEALアッセイの陽性対照ペプチドの≧45%である標的ペプチドは、バインダーと見なすことができる。最後に、標的ペプチドのRNA発現レベルをTCGA RNAseqV2データセット中の特定の徴候に関して測定することができる。例えば、正規化RNA発現リードが0より大きいTCGA試料のパーセンテージを計算することができる。例えば、試料の大多数の中でTCGA発現を有する標的ペプチドを優先することができる。
IV.ミニ遺伝子構築物によりコードされる組換え融合ポリペプチド
N末端からC末端に向かって、細菌分泌シグナル配列、ユビキチン(Ub)タンパク質、そしてがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチド(または1つもしくは複数の抗原性ペプチド)を含む、組換え融合ポリペプチドが、本明細書で開示される。2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドが含まれる場合、それらの抗原性ペプチドは、タンデムに存在し得る(例えば、Ub−ペプチド1−ペプチド2)。あるいは、各抗原性ペプチドが、その独自の分泌配列およびUbタンパク質と融合している(例えば、Ub1−ペプチド1、Ub2−ペプチド2)、別個の融合ポリペプチドの組合せを、使用することができる。好適な抗原性ペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。抗原性ペプチドは、本明細書中の他の箇所で開示されるような反復性がん突然変異を含むことができる。あるいは、抗原性ペプチドは、本明細書中の他の箇所で開示されるようなヘテロクリティック突然変異を含むことができる。
そのような組換え融合ポリペプチドをコードする核酸(ミニ遺伝子構築物と称される)も開示される。そのようなミニ遺伝子核酸構築物は、各オープンリーディングフレーム間がシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2つまたはそれより多くのオープンリーディングフレームをさらに含むことができる。例えば、ミニ遺伝子核酸構築物は、各オープンリーディングフレーム間がシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2〜4つのオープンリーディングフレームをさらに含むことができる。各オープンリーディングフレームは、N末端からC末端に向かって細菌分泌配列、ユビキチン(Ub)タンパク質、そして1つまたは複数の抗原性ペプチドを含む、異なる融合ポリペプチドをコードすることができる。融合ポリペプチドのカルボキシ末端をコードするコドンの後に、タンパク質合成の終結を確実にするための2つの停止コドンが続き得る。
ミニ遺伝子構築物によりコードされる一部の融合ポリペプチドには、がん関連タンパク質に由来する(例えば、反復性がん突然変異および/またはヘテロクリティック突然変異を含む)1つまたは複数のさらなる抗原性ペプチドが、細菌分泌配列とユビキチンタンパク質の間にある。例えば、1〜40、1〜35、1〜30、1〜25、1〜20、1〜15、1〜10、1〜5、1〜4、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20のさらなる抗原性ペプチドが、細菌分泌配列とユビキチンタンパク質の間にあることがある。2つまたはそれより多くのさらなる抗原性ペプチドがある場合、それらは、互いに直接融合していることもあり、またはペプチドリンカーによって連結していることもある。例示的なリンカーは、本明細書中の他の箇所で開示される。さらなる抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異を含む1つもしくは複数の抗原性ペプチド、および/または1つもしくは複数のヘテロクリティック抗原性ペプチドを含むことができる。そのようなペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。
細菌分泌シグナル配列の例は、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示される。ユビキチンは、例えば、完全長タンパク質であることができる。ミニ遺伝子構築物によりコードされる例示的なユビキチンペプチドは、配列番号747に記載の配列を含む、そのような配列から本質的になる、またはそのような配列からなる。本明細書で提供される核酸構築物から発現されるユビキチンは、宿主細胞サイトゾルに侵入すると加水分解酵素の作用によって、核酸構築物から発現される組換え融合ポリペプチドの残部からユビキチンのカルボキシ末端で切断され得る。これにより、宿主細胞サイトゾル中で融合タンパク質の残部が遊離されてペプチドが産生される。
融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドの選択、変形形態および配置は、本明細書中の他の箇所で詳細に論じられ、ヘテロクリティック突然変異型抗原性ペプチドの生成方法は、本明細書中の他の箇所でより詳細に論じられる。組換え融合ポリペプチドは、本明細書中の他の箇所で開示されるような1つまたは複数のタグを含むことができる。例えば、組換え融合ポリペプチドは、1つもしくは複数の抗原性ペプチドのN末端および/もしくはC末端側に、またはユビキチンのN末端および/もしくはC末端側に(例えば、ユビキチンのN末端側に)、1つまたは複数のペプチドタグを含むことができる。タグは、抗原性ペプチドもしくはユビキチンと直接融合していることもあり、またはリンカー(その例は、本明細書中の他の箇所で開示される)を介して抗原性ペプチドもしくはユビキチンに連結していることもある。
本明細書において開示される組換え融合ポリペプチドは、組換えListeria株によって発現させることもできるし、タンパク質の発現および単離に使用される他のベクターおよび細胞系から発現させ単離することもできる。かかる抗原性ペプチドを発現する組換えListeria株は、例えば、かかる組換えListeriaを含む免疫原性組成物において、ならびに組換えListeria株およびアジュバントを含むワクチンにおいて使用され得る。
そのような組換え融合ポリペプチドをコードする核酸(ミニ遺伝子構築物)も開示される。核酸は、任意の形態であってよい。核酸は、DNAもしくはRNAを含んでも、またはそれらからなってもよく、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。核酸は、エピソームプラスミド、マルチコピーエピソームプラスミド、または組込みプラスミドなどのプラスミドの形態であり得る。代替的に、核酸は、ウイルスベクター、ファージベクター、または細菌人工染色体中の形態であってもよい。かかる核酸は、1つのオープンリーディングフレームを有してもよいし、2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレーム(例えば、組換え融合ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム、および代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレーム)を有してもよい。一例において、かかる核酸は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレームを含み得る。例えば、核酸は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2〜4つのオープンリーディングフレームを含み得る。各オープンリーディングフレームが異なるポリペプチドをコードしてよい。融合ポリペプチドのカルボキシ末端をコードするコドンの後に、タンパク質合成の終結を確実にするための2つの停止コドンが続き得る。
ミニ遺伝子構築物に含めるための一部の例示的抗原性ペプチドは、下記の表中のものを含む。
A.ミニ遺伝子構築物によりコードされる抗原性ペプチド
本明細書で開示されるミニ遺伝子構築物によりコードされる抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異抗原性ペプチドおよび/またはヘテロクリティック抗原性ペプチド(例えば、HLAクラスIおよびクラスIIヘテロクリティックペプチド)であり得る。そのようなペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。例えば、ミニ遺伝子構築物によりコードされる抗原性ペプチドは、次のHLA型:HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02およびHLA−B*07:02のうちの1つまたは複数と結合するヘテロクリティック抗原性ペプチドであり得る。具体例として、ミニ遺伝子構築物によりコードされる抗原性ペプチドは、次の遺伝子:STEAP1、CEACAM5、NYESO1およびNUF2のうちの1つによりコードされるタンパク質に由来し得る。
ミニ遺伝子構築物によりコードされる融合ポリペプチドは、単一の抗原性ペプチドを含むこともあり、または2つもしくはそれより多くの抗原性ペプチドを含むこともある。各抗原性ペプチドは、免疫応答を誘導するのに十分な任意の長さであることができ、各抗原ペ性プチドが同じ長さであることもあり、または抗原性ペプチドが異なる長さを有することもある。例えば、ミニ遺伝子構築物によりコードされる抗原性ペプチドは、8〜100、8〜50、8〜30、8〜25、8〜22、8〜20、8〜15、8〜14、8〜13、8〜12、8〜11、7〜11、または8〜10アミノ酸長であり得る。一例では、抗原性ペプチドは、9アミノ酸長であり得る。
各抗原性ペプチドはまた、親水性であることができ、またはある特定のハイドロパシー閾値以下もしくはそれ未満のスコアを有することができ、このスコアは、Listeria monocytogenesまたは目的の別の細菌における分泌可能性を予測することができる。例えば、抗原性ペプチドをKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数21アミノ酸ウィンドウによりスコアリングすることができ、カットオフ(およそ1.6)を超えるスコアを有するすべてを除外することができる。それらは、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いからである。同様に、抗原性ペプチドの組合せまたは融合ポリペプチドは、親水性であることができ、またはある特定のハイドロパシー閾値以下もしくはそれ未満のスコアを有することができ、このスコアは、Listeria monocytogenesまたは目的の別の細菌における分泌可能性を予測することができる。
融合ポリペプチドが1つより多くの抗原性ペプチドを含む場合、抗原性ペプチドは、いかなる様式で互いに連結していてもよい。例えば、抗原性ペプチドは、介在配列なしで直接互いに融合していてよい。代替的に、抗原性ペプチドは、ペプチドリンカーなどの1つまたは複数のリンカーを介して間接的に互いに連結していてもよい。場合によっては、隣接する抗原性ペプチドの一部の対は互いに直接融合していてもよく、抗原性ペプチドの他の対は、1つまたは複数のリンカーを介して間接的に互いに連結していてもよい。隣接する抗原性ペプチドの各対の間に同じリンカーを使用してもよいし、隣接する抗原性ペプチドの異なる対の間に任意の数の異なるリンカーを使用してもよい。加えて、一対の隣接する抗原性ペプチド間に1つのリンカーを使用してもよいし、一対の隣接する抗原性ペプチド間に複数のリンカーを使用してもよい。任意の好適な配列をペプチドリンカーに使用することができる。好適なリンカーの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。
ミニ遺伝子構築物に使用するための抗原性ペプチドの例示的な配列は、本明細書中の他の箇所で開示される。一例として、抗原性ペプチドは、本明細書で開示される抗原性ペプチド配列のいずれかと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%もしくは100%同一の配列を含むことができ、そのような配列から本質的になることができ、またはそのような配列からなることができる。
B.細菌分泌シグナル配列
細菌分泌シグナル配列は、Listeriaシグナル配列、例えば、HlyもしくはActAシグナル配列、または任意の他の公知のシグナル配列であり得る。他の場合、シグナル配列は、LLOシグナル配列であり得る。例示的なLLOシグナル配列は、配列番号920に記載されている。例えば、本明細書におけるミニ遺伝子構築物によりコードされる細菌分泌シグナル配列は、配列番号336に記載のものなどのLLOのN末端断片であり得る。シグナル配列は、細菌のものであることもあり、宿主細菌に特有のもの(例えば、Listeria monocytogenes、例えばsecA1シグナルペプチド)であるであることもあり、または宿主細菌にとって異質のものであることもある。シグナルペプチドの具体例としては、Lactococcus lactisに由来するUsp45シグナルペプチド、Bacillus anthracisに由来する保護抗原シグナルペプチド、Listeria monocytogenesに由来するp60シグナルペプチドなどのsecA2シグナルペプチド、およびB.subtilis Tatシグナルペプチド(例えば、PhoD)などのTatシグナルペプチドが挙げられる。具体例では、分泌シグナル配列は、Listeriaタンパク質に由来するもの、例えば、ActA300分泌シグナル、またはActA100分泌シグナル(ActA分泌シグナル配列の最初の100アミノ酸を含む)である。例示的なActAシグナル配列は、配列番号921に記載されている。
C.ミニ遺伝子構築物によりコードされる組換え融合ポリペプチドをコードする免疫療法構築物の生成
本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドをコードする免疫療法構築物または本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドを含む組成物を生成するための方法も、本明細書で提供される。例えば、そのような方法は、免疫療法構築物に含めるための抗原または免疫原性ペプチドを選択および設計するステップ(および例えば、各抗原性ペプチドのハイドロパシーを検査し、抗原性ペプチドを、それが選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合、修飾または選択解除するステップ)、選択された抗原性ペプチドのそれぞれを含む1つまたは複数の融合ポリペプチドを設計するステップ、ならびに融合ポリペプチドをコードする核酸構築物を生成するステップを含むことができる。そのような方法は、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示される。加えて、野生型エピトープに対する交差反応性免疫原性応答を惹起する可能性がある予測ヘテロクリティックエピトープを生成するための方法が、本明細書中の他の箇所でより詳細に記載される。
V.反復性がん突然変異抗原性ペプチドとヘテロクリティック抗原性ペプチドとミニ遺伝子構築物によりコードされるペプチドとの組合せを含む組換え融合ポリペプチド
本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドは、本明細書で開示される反復性がん突然変異のいずれかを含む抗原性ペプチドと、本明細書で開示されるヘテロクリティック突然変異のいずれかを含む抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)と、本明細書で開示されるミニ遺伝子構築物のいずれかから発現される抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)(すなわち、ユビキチンと融合している抗原性ペプチド)との任意の組合せを含むことができる。本明細書で開示されるいずれの抗原性ペプチドが、組換え融合ポリペプチドに含まれていてもよい。例えば、組換え融合ポリペプチドは、反復性がん突然変異抗原性ペプチドのみを含むこともあり、ヘテロクリティック抗原性ペプチドのみを含むこともあり、またはミニ遺伝子構築物抗原性ペプチドのみを含むこともある。同様に、組換え融合ポリペプチドは、反復性がん突然変異抗原性ペプチドとヘテロクリティック抗原性ペプチドの両方を含むが、ミニ遺伝子構築物抗原性ペプチドを含まないことがある。同様に、組換え融合ポリペプチドは、反復性がん突然変異抗原性ペプチドとミニ遺伝子構築物抗原性ペプチドの両方を含むが、ヘテロクリティック抗原性ペプチドを含まないことがある。同様に、組換え融合ポリペプチドは、ヘテロクリティック抗原性ペプチドとミニ遺伝子構築物抗原性ペプチドの両方を含むが、反復性がん突然変異抗原性ペプチドを含まないことがある。
例えば、2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドと融合しているPEST含有ペプチド(すなわち、タンデムに、例えば、PEST−ペプチド1−ペプチド2)を含む組換え融合ポリペプチドであって、少なくとも1つの抗原性ペプチドが、反復性がん突然変異を含み、少なくとも1つの抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)が、ヘテロクリティック突然変異を含む、組換え融合ポリペプチドが、本明細書で開示される。2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドと融合しているPEST含有ペプチド(すなわち、タンデムに融合しているもの、例えば、PEST−ペプチド1−ペプチド2)を含む組換え融合ポリペプチドであって、少なくとも1つの抗原性ペプチドが、反復性がん突然変異を含み、少なくとも1つの抗原性ペプチドが、ヘテロクリティック突然変異を含み、融合ポリペプチドが、PEST含有ペプチドを含まない、組換え融合ポリペプチドも、本明細書に存在する。反復性がん突然変異およびヘテロクリティック突然変異の例は、本明細書中の他の箇所で開示される。
N末端からC末端に向かって、細菌分泌シグナル配列を含むPEST含有ペプチド、反復性がん突然変異を含む1つまたは複数の抗原性ペプチド、ユビキチン(Ub)タンパク質、そしてがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチド(または1つもしくは複数の抗原性ペプチド)を含む、組換え融合ポリペプチドも、本明細書で開示される。2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドがC末端に含まれる場合、それらの抗原性ペプチドは、タンデムに存在し得る(例えば、Ub−ペプチド1−ペプチド2)。あるいは、各抗原性ペプチドが、その独自の分泌配列およびUbタンパク質と融合している(例えば、Ub1−ペプチド1、Ub2−ペプチド2)、別個の融合ポリペプチドの組合せを、使用することができる。好適な抗原性ペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。
N末端からC末端に向かって、細菌分泌シグナル配列を含むPEST含有ペプチド、ヘテロクリティック突然変異を含む1つまたは複数の抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)、ユビキチン(Ub)タンパク質、そしてがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチド(または1つもしくは複数の抗原性ペプチド)を含む、組換え融合ポリペプチドも、本明細書で開示される。2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドがC末端に含まれる場合、それらの抗原性ペプチドは、タンデムに存在し得る(例えば、Ub−ペプチド1−ペプチド2)。あるいは、各抗原性ペプチドが、その独自の分泌配列およびUbタンパク質と融合している(例えば、Ub1−ペプチド1、Ub2−ペプチド2)、別個の融合ポリペプチドの組合せを、使用することができる。好適な抗原性ペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。
N末端からC末端に向かって、細菌分泌シグナル配列を含むPEST含有ペプチド、2つまたはそれより多くの抗原性ペプチド(この場合、少なくとも1つの抗原性ペプチドは、反復性がん突然変異を含み、少なくとも1つの抗原性ペプチド(例えば、がん関連タンパク質に由来する)は、ヘテロクリティック突然変異を含む)、ユビキチン(Ub)タンパク質、そしてがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチド(または1つもしくは複数の抗原性ペプチド)を含む、組換え融合ポリペプチドも、本明細書で開示される。2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドがC末端に含まれる場合、それらの抗原性ペプチドは、タンデムに存在し得る(例えば、Ub−ペプチド1−ペプチド2)。あるいは、各抗原性ペプチドが、その独自の分泌配列およびUbタンパク質と融合している(例えば、Ub1−ペプチド1、Ub2−ペプチド2)、別個の融合ポリペプチドの組合せを、使用することができる。好適な抗原性ペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。
組換え融合ポリペプチドは、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示されるような1つまたは複数のタグを含むことができる。反復性がん突然変異抗原性ペプチド、ヘテロクリティック抗原性ペプチド、およびミニ遺伝子構築物抗原性ペプチドの選択および例は、本明細書中の他の箇所で開示される。融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドの選択、変形形態および配置は、本明細書中の他の箇所で詳細に論じられ、がん関連タンパク質は、本明細書中の他の箇所でより詳細に論じられる。PEST含有ペプチドおよび細菌分泌シグナル配列の例は、本明細書中の他の箇所で開示される。そのような組換え融合ポリペプチドをコードする免疫療法構築物の生成は、本明細書中の他の箇所で開示される。
本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドは、組換えListeria株により発現されることもあり、またはタンパク質発現および単離に使用される他のベクターおよび細胞系から発現され、単離されることもある。そのような抗原性ペプチドの発現する組換えListeria株は、例えば、そのような組換えListeriaを含む免疫原性組成物に、および組換えListeria株とアジュバントとを含むワクチンに使用することができる。Listeria株の宿主細胞系における、およびListeria以外の宿主細胞系における、非溶血性トランケート型のLLO、ActAまたはPEST様配列との融合ポリペプチドとしての1つまたは複数の抗原性ペプチドの発現は、抗原性ペプチドの免疫原性の増強をもたらすことができる。
融合ポリペプチドは、任意の数の抗原性ペプチドを含み得る。場合によっては、融合ポリペプチドは、融合ポリペプチドが組換えListeria株から産生および分泌され得るような、任意の数の抗原性ペプチドを含む。例えば、融合ポリペプチドは、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の抗原性ペプチド、または2〜50、2〜45、2〜40、2〜35、2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、2〜10、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50個の抗原性ポリペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、単一の抗原性ペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、約1〜100、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、10〜20、20〜30、30〜40、40〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、5〜15、5〜20、5〜25、15〜20、15〜25、15〜30、15〜35、20〜25、20〜35、20〜45、30〜45、30〜55、40〜55、40〜65、50〜65、50〜75、60〜75、60〜85、70〜85、70〜95、80〜95、80〜105、95〜105、50〜100、1〜100、5〜100、5〜75、5〜50、5〜40、5〜30、5〜20、5〜15、5〜10、1〜100、1〜75、1〜50、1〜40、1〜30、1〜20、1〜15、または1〜10個の抗原性ペプチドの範囲の数の抗原性ペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、最大約100、10、20、30、40、または50個の抗原性ペプチドを含み得る。別の例では、融合ポリペプチドは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、または100個の抗原性ペプチドを含み得る。
別の例では、融合ポリペプチドは、少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24もしくは25の抗原性ペプチド、または約5〜50の間、10〜40の間、もしくは20〜30の間の抗原性ペプチドを含むことができる。例えば、融合ポリペプチドは、反復性がん突然変異を含む少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10の抗原性ペプチド、または反復性がん突然変異を含む約5〜約30の間、もしくは約10〜約20の間の抗原性ペプチドを含むことができ、および/あるいはヘテロクリティック突然変異を含む少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9もしくは10の抗原性ペプチド、またはヘテロクリティック突然変異を含む約5〜約30の間、もしくは約10〜約20の間の抗原性ペプチドを含むことができる。
抗原性ペプチドは、任意の数のがん関連タンパク質に由来し得る。例えば、融合ポリペプチドは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20のがん関連タンパク質、または2〜5、5〜10、10〜15、もしくは15〜20のがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチドを含むことができる。例えば、がん関連タンパク質は、約2〜30、約2〜25、約2〜20、約2〜15、または約2〜10のがん関連タンパク質であり得る。
反復性がん突然変異を含む2つもしくはそれより多くの抗原性ペプチド、および/またはヘテロクリティック突然変異を含む2つもしくはそれより多くの抗原性ペプチドを含む、融合ポリペプチドには、反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドがタンデムに存在することもあり、ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドがタンデムに存在することもある。あるいは、反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチド、およびヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドが、融合ポリペプチド中に混在することもある。
融合ポリペプチド中の構成成分は、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示されるように、互いに直接融合していることもあり、またはリンカー(例えば、ペプチドリンカー)を介して連結していることもある。例えば、使用されるペプチドリンカーは、可動性リンカーおよび/もしくは剛性リンカーおよび/もしくはイムノプロテアソームリンカーを含むことができ、または配列番号310〜319および821〜829に記載のリンカーの1つもしくは複数を(例えば、2つまたはそれより多くの抗原性ペプチドを連結させるために)含むことができる。一例では、ヘテロクリティック突然変異を含む各抗原性ペプチドの上流のペプチドリンカーは、イムノプロテアソームリンカーであるか、または配列番号821〜829に記載のリンカーから選択される。
VGKGGSGGリンカー(配列番号314)は、例えば、融合ペプチドのtLLOと抗原部分との間、およびタグ配列の前にさらなる空間をもたらすように、tLLOの後、およびまたタグ配列の前のより長いリンカーとして使用され得る。これは、融合タンパク質に可動性および電荷の平衡をもたらすこともできる。EAAAKリンカー(配列番号316)は、例えば、融合タンパク質がさもなければそれ自体に折り畳まれる場合、発現および分泌を促進するために使用され得る、剛性/硬性リンカーである。GGGGSリンカー(配列番号313)は、例えば、増大した可動性を融合タンパク質に付加して発現および分泌の促進を助けるために使用され得る、可動性リンカーである。「i20」リンカー(例えば配列番号821〜829)は、例えば、免疫プロテアソームによる融合タンパク質の切断の促進を助け、所望される最小の結合性断片そのものが得られる頻度を増大させるように設計された、免疫プロテアソームリンカーである。GGGGSおよびEAAAKリンカー(それぞれ、配列番号313および316)の組合せは、例えば、発現および分泌の改善のために可動性と剛性とが交互になるようにして構築物のバランスを取ることを助けるため、また、選択できる特有のコドンをより多く提供することによりDNA合成の促進を助けるために使用され得る。
組換え融合ポリペプチドは、任意の分子量であってよい。例えば、組換え融合ポリペプチドは、約200、195、190、185、180、175、170、165、160、155、150、145、140、135、130、もしくは125キロダルトン(kDa)未満またはそれ以下であり得る。具体例において、組換え融合ポリペプチドは、約150kDa未満もしくはそれ以下、または約130kDa未満もしくはそれ以下である。別の例として、組換え融合ポリペプチドは、約50〜200、50〜195、50〜190、50〜185、50〜180、50〜175、50〜170、50〜165、50〜160、50〜155、50〜150、50〜145、50〜140、50〜135、50〜130、50〜125、100〜200、100〜195、100〜190、100〜185、100〜180、100〜175、100〜170、100〜165、100〜160、100〜155、100〜150、100〜145、100〜140、100〜135、100〜130、または100〜125kDaであり得る。具体例において、組換え融合ポリペプチドは、約50〜150、100〜150、50〜125、または100〜125kDaである。別の例として、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、または125kDaであり得る。具体例として、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも約100kDaであり得る。
かかる組換え融合ポリペプチドをコードする核酸も開示される。核酸は、任意の形態であってよい。核酸は、DNAもしくはRNAを含んでも、またはそれらからなってもよく、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。核酸は、エピソームプラスミド、マルチコピーエピソームプラスミド、または組込みプラスミドなどのプラスミドの形態であり得る。代替的に、核酸は、ウイルスベクター、ファージベクター、または細菌人工染色体中の形態であってもよい。かかる核酸は、1つのオープンリーディングフレームを有してもよいし、2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレーム(例えば、組換え融合ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレーム、および代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレーム)を有してもよい。一例において、かかる核酸は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2つまたはそれよりも多くのオープンリーディングフレームを含み得る。例えば、核酸は、各オープンリーディングフレーム間のシャイン・ダルガーノリボソーム結合部位核酸配列によって連結された2〜4つのオープンリーディングフレームを含み得る。各オープンリーディングフレームが異なるポリペプチドをコードしてよい。一部の核酸では、融合ポリペプチドのカルボキシ末端をコードするコドンの後に、タンパク質合成の終結を確実にする2つの停止コドンが続く。
本明細書で開示される融合ポリペプチドは、がん関連タンパク質(すなわち1つまたは複数のがん関連タンパク質)の任意の組合せに由来する任意の順序での抗原性ペプチドを含むことができる。抗原性ペプチドの組合せまたは融合ポリペプチドは、親水性であることができ、またはある特定のハイドロパシー閾値以下もしくはそれ未満のスコアを有することができ、このスコアは、Listeria monocytogenesまたは目的の別の細菌における分泌可能性を予測することができる。一部の場合、抗原性ペプチドは、複数のがん関連タンパク質(例えば、2つまたはそれより多くのがん関連タンパク質)に由来し得る。
一例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:KRAS、EGFR、U2AF1、BRAF、PIK3CAおよびTP53のうちの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:KRAS_G12C、EGFR_L858R、KRAS_G12D、U2AF1_S34F、BRAF_V600E、KRAS_G12V、PIK3CA_E545K、TP53_R158L、KRAS_G12A、EGFR_L861QおよびTP53_R273L。そのような突然変異は、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)と関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表35中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、MAGEA6、MAGEA4、GAGE1、NYESO1、STEAP1およびRNF43。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)と関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、ヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表36中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、または11すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、CEACAM5によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号798または配列番号796を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表35および表36に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号859、配列番号860、配列番号861、配列番号862、配列番号863、配列番号864、配列番号865、配列番号894、配列番号895、配列番号905、配列番号909、配列番号910、配列番号911もしくは配列番号912に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表38〜51で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:SPOP、CHEK2、RGPD8、ANKRD36CおよびARのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:SPOP_F133V、CHEK2_K373E、RGPD8_P1760A、ANKRD36C_I634T、ANKRD36C_D629Y、SPOP_W131G、ANKRD36C_D626N、SPOP_F133L、AR_T878A、AR_L702H、AR_W742C、AR_H875YおよびAR_F877L。そのような突然変異は、例えば、前立腺がんと関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表52中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、MAGEA4、STEAP1、RNF43、SSX2、SART3、PAGE4、PSMAおよびPSA。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、前立腺がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表53中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、または10すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、STEAP1によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号799または配列番号800を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表52および表54に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号871;配列番号872;配列番号873;配列番号874;配列番号875;配列番号876;配列番号877;配列番号892;配列番号893;配列番号906、配列番号913、配列番号914、配列番号915もしくは配列番号916に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表54〜67で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:KRAS、U2AF1、TP53、SMAD4およびGNASのうちの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、14もしくはそれより多く、15もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:KRAS_G12C、KRAS_G12D、U2AF1_S34F、KRAS_G12V、TP53_R248Q、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、KRAS_G12R、KRAS_Q61H、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_G245S、SMAD4_R361C、GNAS_R201CおよびGNAS_R201H。そのような突然変異は、例えば、すい臓がんと関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表68中の抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、14もしくはそれより多く、15もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、STEAP1、MAGEA3、PRAME、hTERTおよびSURVIVIN。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、すい臓がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表69中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくは複数、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、または12すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、CEACAM5によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号798または配列番号796を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表68および表69に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号866;配列番号867;配列番号868;配列番号869;配列番号870;もしくは配列番号908に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表70〜75で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:PIK3CA、FGFR3、TP53、RXRA、FBXW7およびNFE2L2のうちの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:PIK3CA_E545K、FGFR3_S249C、TP53_R248Q、PIK3CA_E542K、RXRA_S427F、FBXW7_R505G、TP53_R280T、NFE2L2_E79K、FGFR3_R248C、TP53_K132N、TP53_R248W、TP53_R175HおよびTP53_R273C。そのような突然変異は、例えば、膀胱がんと関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表76中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、GAGE1、NYESO1、RNF43、NUF2、KLHL7、MAGEA3およびPRAME。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、膀胱がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表77中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、または14すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、NYESO1またはNUF2によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号797または配列番号800を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表76および表77に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号878;配列番号879;配列番号880;配列番号881;配列番号882;配列番号888;配列番号889;配列番号890もしくは配列番号891に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表78〜86で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:PIK3CA、AKT1およびESR1のうちの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:PIK3CA_E545K、PIK3CA_E542K、PIK3CA_H1047R、AKT1_E17K、PIK3CA_H1047L、PIK3CA_Q546K、PIK3CA_E545A、PIK3CA_E545G、ESR1_K303R、ESR1_D538G、ESR1_Y537S、ESR1_Y537N、ESR1_Y537CおよびESR1_E380Q。そのような突然変異は、例えば、乳がん(例えば、ER+乳がん)と関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表87中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、STEAP1、RNF43、MAGEA3、PRAMEおよびhTERT。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、乳がん(例えば、ER+乳がん)と関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表88中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、または11すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、STEAP1によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号799または配列番号800を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表87および表88に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号883;配列番号884;配列番号885;配列番号886;配列番号887もしくは配列番号907に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表89〜94で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:PTEN、KRAS、PIK3CA、CTNNB1、FBXW7およびTP53のうちの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、14もしくはそれより多く、15もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:PTEN_R130G、PTEN_R130Q、KRAS_G12D、KRAS_G12V、PIK3CA_H1047R;PIK3CA_R88Q、PIK3CA_E545K、PIK3CA_E542K、CTNNB1_S37F、KRAS_G13D、CTNNB1_S37C、PIK3CA_H1047L、PIK3CA_G118D、KRAS_G12A、FBXW7_R505CおよびTP53_R248W。そのような突然変異は、例えば、子宮がんと関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表95中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、14もしくはそれより多く、15もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、PRAME、hTERT、STEAP1、RNF43、NUF2、KLHL7およびSART3。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、子宮がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表96中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、または14すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、STEAP1によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号799または配列番号800を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表95および表96に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号896;配列番号897もしくは配列番号904に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表97〜99で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、TP53を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:TP53_R248Q、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_Y220C、TP53_I195T、TP53_C176Y、TP53_H179R、TP53_S241FおよびTP53_H193R。そのような突然変異は、例えば、卵巣がんと関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表100中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、STEAP1、RNF43、SART3、NUF2、KLHL7、PRAMEおよびhTERT。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、卵巣がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表101中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、または14すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、STEAP1によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号799を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表100および表101に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号898もしくは配列番号899に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表102〜103で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:TP53、PIK3CA、IDH1、IDH2およびEGFRのうちの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:TP53_R273L、TP53_R273C、TP53_R273H、PIK3CA_G118D、IDH1_R132C、IDH1_R132G、IDH1_R132H、IDH1_R132S、IDH2_R172K、PIK3CA_E453KおよびEGFR_G598V。そのような突然変異は、例えば、低悪性度神経膠腫と関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表104中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、MAGEA6、STEAP1、RNF43、SART3、NUF2、KLHL7およびhTERT。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、低悪性度神経膠腫と関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表105中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、または10すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、NUF2によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号807を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表104および表105に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号900もしくは配列番号901に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表106〜107で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:KRAS、BRAF、PIK3CAおよびTP53のうちの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:KRAS_G12C、KRAS_G12D、BRAF_V600E、KRAS_G12V、PIK3CA_E545K、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、PIK3CA_H1047R、TP53_R282W、TP53_R273HおよびKRAS_G13D。そのような突然変異は、例えば、結腸直腸がん(例えば、MSS結腸直腸がん)と関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表108中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、MAGEA6、MAGEA4、GAGE1、NYESO1、STEAP1、RNF43およびMAGEA3。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、結腸直腸がん(例えば、MSS結腸直腸がん)と関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表109中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、または10すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、STEAP1によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号799を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表108および表109に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号902もしくは配列番号903に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表110〜111で提供される。
別の例として、反復性がん突然変異ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、次の遺伝子:PIK3CA、CHEK2、RGPD8、ANKRD36C、TP53、ZNF814、KRTAP1−5、KRTAP4−11およびHRASのうちの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる。抗原性ペプチドは、例えば、次の反復性がん突然変異の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、14もしくはそれより多く、15もしくはそれより多く、16もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる:PIK3CA_E545K、CHEK2_K373E、RGPD8_P1760A、ANKRD36C_I634T、TP53_R248Q、PIK3CA_E542K、TP53_R248W、TP53_R175H、PIK3CA_H1047R、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_G245S、TP53_Y220C、ZNF814_D404E、KRTAP1−5_I88T、KRTAP4−11_L161VおよびHRAS_G13V。そのような突然変異は、例えば、頭頸部がんと関連する。突然変異は、いずれの順序で存在してもよい。抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に隣接している10個の天然に存在するアミノ酸をそれぞれが含む、21mer(例えば、リンカーにより互いに連結している21mer)であり得る。そのような抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。抗原性ペプチドは、例えば、表112中の抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、10もしくはそれより多く、11もしくはそれより多く、12もしくはそれより多く、13もしくはそれより多く、14もしくはそれより多く、15もしくはそれより多く、16もしくはそれより多く、またはすべてを含むことができる。ヘテロクリティック抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、以下の遺伝子の1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、またはすべてによりコードされるタンパク質を含むことができる:CEACAM5、MAGEA4、STEAP1、NYESO1、PRAMEおよびhTERT。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、HLA型A0201、A0301、A2402およびB0702の1つもしくは複数またはすべてに結合することができる。そのようながん関連タンパク質は、例えば、頭頸部がんと関連する。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、いずれの順序で存在してもよい。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、互いに直接融合していることもあり、またはリンカーにより互いに連結していることもあり、それらの例は、本明細書中の他の箇所で開示される。具体例では、抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてが、9mer(例えば、リンカーにより互いに連結している9mer)であり得る。そのようなヘテロクリティック抗原性ペプチドの例は、実施例11で提供される。ヘテロクリティック抗原性ペプチドは、例えば、表113中のヘテロクリティック抗原性ペプチドの1つもしくはそれより多く、2つもしくはそれより多く、3つもしくはそれより多く、4つもしくはそれより多く、5つもしくはそれより多く、6つもしくはそれより多く、7つもしくはそれより多く、8つもしくはそれより多く、9つもしくはそれより多く、または10すべてを含むことができる。具体例では、ミニ遺伝子抗原性ペプチドが生成されるがん関連タンパク質は、STEAP1によりコードされるタンパク質を含むことができる。例えば、ミニ遺伝子抗原性ペプチドは、配列番号799を含むことができる。一例では、融合ポリペプチド中の抗原性ペプチドは、表112および表113に記載のペプチドの1つもしくは複数またはすべてを含むことができる。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、配列番号918もしくは配列番号919に記載の配列の1つと少なくとも85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一の配列を含むか、そのような配列から本質的になるか、またはそのような配列からなる。各構築物中の個々の構成成分のアミノ酸位置の明細は、表114〜115で提供される。
本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドをコードする免疫療法構築物または本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドを含む組成物を生成するための方法も、本明細書で提供される。例えば、そのような方法は、免疫療法構築物に含めるための抗原または免疫原性ペプチドを選択および設計するステップ(および例えば、各抗原性ペプチドのハイドロパシーを検査し、抗原性ペプチドを、それが選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合、修飾または選択解除するステップ)、選択された抗原性ペプチドのそれぞれを含む1つまたは複数の融合ポリペプチドを設計するステップ、ならびに融合ポリペプチドをコードする核酸構築物を生成するステップを含むことができる。そのような方法は、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示される。具体例として、そのような方法は、(a)免疫療法構築物に含めるためのがん関連タンパク質における反復性がん突然変異セットおよびヘテロクリティック突然変異セットを選択するステップ、(b)反復性がん突然変異のそれぞれおよびヘテロクリティック突然変異のそれぞれを含む抗原性ペプチドを設計するステップ、(c)抗原性ペプチドセットを選択するステップであって、各抗原性ペプチドのハイドロパシーを検査すること、および抗原性ペプチドが、選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合はこれを修飾または選択解除することを含むステップ、(d)選択された抗原性ペプチドのそれぞれを含む融合ポリペプチドを設計するステップ、ならびに(e)融合ポリペプチドをコードする核酸構築物を生成するステップを含むことができる。
個々に選択された反復性がん突然変異は、ステップ(a)で、例えば次の基準:(i)複数のタイプのがんまたは特定のタイプのがんにわたっての発生頻度、(ii)がん関連タンパク質の機能的ドメイン内の位置、(iii)公知のがんドライバー突然変異または化学療法耐性突然変異としてのステータス、および(iv)体細胞ミスセンス突然変異または体細胞フレームシフト突然変異としての同定のうちの1つまたは複数に基づいて選択することができる。同様に、ステップ(a)で選択された反復性がん突然変異セットを、次の基準:(i)セットが、約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49もしくは50以下の反復性がん突然変異、および/または約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49もしくは50以下のヘテロクリティック突然変異を含むこと、(ii)セットが、単一のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75% 80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%に見出されるであろう反復性がん突然変異を含むこと、ならびに(iii)セットが、単一のタイプのがんに由来する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の異なる反復性がん突然変異または反復性体細胞ミスセンス突然変異を含むことのうちの1つまたは複数に基づいて選択することができる。
個々に選択されたヘテロクリティック突然変異を、ステップ(a)で、例えば次の基準:(i)次のHLA型:HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02およびHLA−B*07:02びうちの1つまたは複数と結合する能力、(ii)CD8+Tリンパ球応答を生じさせる能力、ならびに(iii)対応する野生型配列と等価であるかまたはそれより強い、特定のHLAに対する結合親和性のうちの1つまたは複数に基づいて選択することができる。同様に、ステップ(a)で選択されるヘテロクリティック突然変異セットを、次のHLA型:HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02、およびHLA−B*07:02のうちの1つもしくは複数またはすべてと結合する集団的能力に基づいて選択することができる。
反復性がん突然変異を含むようにステップ(b)で設計される抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてを、例えば、反復性がん突然変異を含み両側に隣接配列を含むがん関連タンパク質の断片を含むように、設計することができる。例えば、反復性がん突然変異を含む抗性原ペプチドの1つもしくは複数またはすべては、反復性がん突然変異の両側に少なくとも約10の隣接アミノ酸を含むことができる。
ヘテロクリティック突然変異を含むようにステップ(b)で設計される抗原性ペプチドの1つもしくは複数またはすべてを、例えば、アンカー位に好ましいアミノ酸を有するように設計することができる。
抗原性ペプチドは、例えば、Listeria monocytogenesにおける分泌可能性を予測するハイドロパシー閾値未満である場合、それらをステップ(c)で選択することができる。例えば、抗原性ペプチドをKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数21アミノ酸ウィンドウによりスコアリングすることができ、約1.6のカットオフを超えるスコアを有する一切のペプチドを除外することができ、またはそのようなペプチドは、カットオフ未満のスコアを有するように修飾される。同様に、融合ポリペプチドのハイドロパシーを検査し、続いて、融合ポリペプチドのいずれかの領域が、選択されたハイドロパシー指数閾値(例えば、閾値が約1.6である、スライディング21アミノ酸ウィンドウを有するKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数)を超えるスコアを有する場合、抗原性ペプチドを並べ替えること、または問題がある抗原性ペプチドを除去することのいずれかを行うことができる。加えて、例えば、約150kDa以下または約120kDa以下の分子量を有するように、融合ポリペプチドを設計することができる。例えば、組換え融合ポリペプチドは、約200、195、190、185、180、175、170、165、160、155、150、145、140、135、130、もしくは125キロダルトン(kDa)未満またはそれ以下であり得る。具体例において、組換え融合ポリペプチドは、約150kDa未満もしくはそれ以下、または約130kDa未満もしくはそれ以下である。別の例として、組換え融合ポリペプチドは、約50〜200、50〜195、50〜190、50〜185、50〜180、50〜175、50〜170、50〜165、50〜160、50〜155、50〜150、50〜145、50〜140、50〜135、50〜130、50〜125、100〜200、100〜195、100〜190、100〜185、100〜180、100〜175、100〜170、100〜165、100〜160、100〜155、100〜150、100〜145、100〜140、100〜135、100〜130、または100〜125kDaであり得る。具体例において、組換え融合ポリペプチドは、約50〜150、100〜150、50〜125、または100〜125kDaである。別の例として、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、または125kDaであり得る。具体例として、組換え融合ポリペプチドは、少なくとも約100kDaであり得る。抗原性ペプチドおよび融合ポリペプチドの設計および選択のための他のパラメーターは、本明細書中の他の箇所でより詳細に開示され、それらも使用することができる。
VI.組換え菌またはListeria株
本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドを含む、または本明細書中の他の箇所で開示されるような組換え融合ポリペプチドをコードする核酸を含む、組換え菌株、例えばListeria株も、本明細書で提供される。好ましくは、菌株は、Listeria株、例えば、Listeria monocytogenes(Lm)株である。Lmは、ワクチンベクターとしての多数の固有の利点を有する。この細菌は、特別な要件なしにin vitroで非常に効率的に増殖し、この細菌は、Salmonellaなどのグラム陰性菌における主要毒性因子であるLPSを欠いている。遺伝的に弱毒化されたLmベクターは、重篤な有害効果が起こった場合には抗生物質でそれらを容易に除去することができ、一部のウイルスベクターとは異なり宿主ゲノムへの遺伝物質の組込みが起こらないので、さらなる安全性ももたらす。
組換えListeria株は、いずれのListeria株であってもよい。好適なListeria株の例としては、Listeria seeligeri、Listeria grayi、Listeria ivanovii、Listeria murrayi、Listeria welshimeri、Listeria monocytogenes(Lm)、または当技術分野において公知の任意の他のListeria種が挙げられる。好ましくは、組換えlisteria株は、Listeria monocytogenes種の株である。Listeria monocytogenes株の例としては、次のものが挙げられる:L.monocytogenes 10403S野生型(例えば、BishopおよびHinrichs(1987年)J Immunol 139巻:2005〜2009頁;Lauerら(2002年)J Bact 184巻:4177〜4186頁を参照されたい)、ファージキュアリングされているL.monocytogenes DP−L4056(例えば、Lauerら(2002年)J Bact 184巻:4177〜4186頁を参照されたい);ファージキュアリングされており、hly遺伝子欠失を有する、L.monocytogenes DP−L4027(例えば、Lauerら(2002年)J Bact 184巻:4177〜4186頁;JonesおよびPortnoy(1994年)Infect Immunity 65巻:5608〜5613頁を参照されたい);ファージキュアリングされており、actA遺伝子欠失を有する、L.monocytogenes DP−L4029(例えば、Lauerら(2002年)J Bact 184巻:4177〜4186頁;Skobleら(2000年)J Cell Biol 150巻:527〜538頁を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4042(デルタPEST)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci. USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4097(LLO−S44A)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4364(デルタlplA;リポ酸タンパク質リガーゼ)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4405(デルタinlA)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4406(デルタinlB)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes CS−LOOO1(デルタactA;デルタinlB)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes CS−L0002(デルタactA;デルタlplA)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes CS−L0003(LLO L461T;デルタlplA)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4038(デルタactA;LLO L461T)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4384(LLO S44A;LLO L461T)(例えば、Brockstedtら(2004年)Proc Natl Acad Sci USA 101巻:13832〜13837頁および支援情報を参照されたい);lplA1欠失を有するL.monocytogenes株(リポ酸タンパク質リガーゼLplA1をコードする)(例えば、O'Riordanら(2003年)Science 302巻:462〜464頁を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4017(LLO L461Tを有する10403S)(例えば、US7,691,393を参照されたい);L.monocytogenes EGD(例えば、GenBank受託番号AL591824を参照されたい)。別の実施形態では、Listeria株は、L.monocytogenes EGD−e(GenBank受託番号NC_003210;ATCC受託番号BAA−679を参照されたい);L.monocytogenes DP−L4029(actA欠失、必要に応じてuvrAB欠失を兼備して(DP−L4029uvrAB))(例えば、US7,691,393を参照されたい);L.monocytogenes actA−/inlB−二重突然変異体(例えば、ATCC受託番号PTA−5562を参照されたい);L.monocytogenes lplA突然変異体またはhly突然変異体(例えば、US2004/0013690を参照されたい);L.monocytogenes dal/dat二重突然変異体(例えば、US2005/0048081を参照されたい)である。他のL.monocytogenes株としては、次の遺伝子:hly(LLO;リステリオリシン)、iap(p60)、inlA、inlB、inlC、dal(アラニンラセマーゼ)、dat(D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ)、plcA、plcB、actAのうちの1つもしくはこれらの任意の組合せをコードする核酸を含有するように、または単層小胞の成長、拡散、分解、二層小胞の分解、宿主細胞との結合、もしくは宿主細胞による取込みを媒介する任意の核酸を含有するように(例えば、プラスミドにより、および/またはゲノム組込みにより)、修飾されているものが挙げられる。上記参照文献のそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
組換え菌またはListeriaは、野生型ビルレンスを有することもあり、弱毒化されたビルレンスを有することもあり、またはビルレンスがないこともあり得る。例えば、組換えListeriaには、ファゴソームまたはファゴリソソームから逃れてサイトゾルに侵入するのに十分なビルレンスがあることもある。そのようなListeria株は、本明細書中の他の箇所で開示されるような少なくとも1つの弱毒化突然変異、欠失または不活性化を含む生弱毒化Listeria株であることもある。好ましくは、組換えListeriaは、弱毒化栄養要求性株である。栄養要求性株は、その増殖に必要な特定の有機化合物を合成することができないものである。そのような株の例は、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるUS8,114,414に記載されている。
好ましくは、組換えListeria株は、抗生物質耐性遺伝子を欠いている。例えば、そのような組換えListeria株は、抗生物質耐性遺伝子をコードしないプラスミドを含むことができる。しかし、本明細書で提供される一部の組換えListeria株は、抗生物質耐性遺伝子をコードする核酸を含むプラスミドを含む。抗生物質耐性遺伝子は、分子生物学およびワクチン調製に一般に利用される従来の選択およびクローニングプロセスに使用され得る。例示的な抗生物質耐性遺伝子としては、アンピシリン、ペニシリン、メチシリン、ストレプトマイシン、エリスロマイシン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール(CAT)、ネオマイシン、ハイグロマイシンおよびゲンタマイシンに対する耐性を付与する遺伝子産物が挙げられる。
A.組換え融合ポリペプチドを含む、または組換え融合ポリペプチドをコードする核酸を含む、菌またはListeria株
本明細書で開示される組換え菌株(例えば、Listeria株)は、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドを含むか、または本明細書中の他の箇所で開示されるような組換え融合ポリペプチドをコードする核酸を含む。
組換え融合タンパク質をコードする核酸を含む菌またはListeria株では、核酸は、コドン最適化され得る。各アミノ酸についてのL.monocytogenesにより利用される最適なコドンは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるUS2007/0207170に示されている。核酸は、その核酸中の少なくとも1つのコドンが、その原配列でのコドンよりそのアミノ酸についてのL.monocytogenesによる使用頻度が高いコドンで置き換えられている場合、コドン最適化されている。
核酸は、菌もしくはListeria株中のエピソームプラスミドに存在することもあり、および/または核酸は、菌もしくはListeria株のゲノムに組み込まれていることもある。一部の組換え菌またはListeria株は、本明細書で開示されるような2つの組換え融合ポリペプチドをコードする2つの別個の核酸を含み、1つの核酸はエピソームプラスミド中にあり、1つは、菌またはListeria株のゲノムに組み込まれている。
エピソームプラスミドは、in vitroで(細胞培養で)、in vivoで(宿主内で)、またはin vitroとin vivoの両方で、安定して維持されるものであり得る。エピソームプラスミド中の場合、組換え融合ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームは、プラスミド中のプロモーター/調節配列に作動可能に連結していることがある。菌またはListeria株のゲノムに組み込まれている場合、組換え融合ポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームは、外来性プロモーター/調節配列に作動可能に連結していることもあり、または内在性プロモーター/調節配列に作動可能に連結していることもある。遺伝子の構成的発現の駆動に有用なプロモーター/調節配列の例は周知であり、例えば、Listeriaのhly、hlyA、actA、prfAおよびp60プロモーター、Streptococcus bacプロモーター、Streptomyces griseus sgiAプロモーター、ならびにB.thuringiensis phaZプロモーターを含む。一部の場合、目的の挿入遺伝子は、中断されも、ゲノムDNAへの組込みから生じることが多い調節的制約を受けもせず、一部の場合、挿入異種遺伝子は、細胞自体の重要な領域の再編成または中断をもたらさない。
そのような組換え菌またはListeria株は、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸を含むプラスミドまたはベクターで、菌もしくはListeria株または本明細書中の他の箇所に記載されている弱毒化菌もしくはListeria株を形質転換することにより、作製することができる。プラスミドは、宿主染色体に組み込まれないエピソームプラスミドであることがある。あるいは、プラスミドは、菌またはListeria株の染色体に組み込まれる組込プラスミドであることもある。本明細書で使用されるプラスミドは、多コピープラスミドであることもある。細菌を形質転換するための方法は周知であり、塩化カルシウムコンピテント細胞に基づく方法、電気穿孔方法、バクテリオファージ媒介形質導入、化学的形質転換技術、および物理的形質転換技術を含む。例えば、de Boerら(1989年)Cell 56巻:641〜649頁;Millerら(1995年)FASEB J.9巻:190〜199頁;Sambrookら(1989年)Molecular Cloning: A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory、New York;Ausubelら(1997年)Current Protocols in Molecular Biology、John Wiley & Sons、New York;Gerhardtら編、1994年、Methods for General and Molecular Bacteriology、American Society for Microbiology、Washington, D.C.;およびMiller、1992年、A Short Course in Bacterial Genetics、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.を参照されたく、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
異種核酸がゲノムに組み込まれた菌またはListeria株は、例えば、組み込まれた遺伝子を含む細菌またはListeriaが相同組換えを使用して作出される、部位特異的組込み型ベクターを使用することによって、作製することができる。組込み型ベクターは、菌またはListeria株を感染させることができる、いずれの部位特異的組込み型ベクターであってもよい。そのような組込み型ベクターは、例えば、PSA attPP’部位、PSAインテグラーゼをコードする遺伝子、U153 attPP’部位、U153インテグラーゼをコードする遺伝子、A118 attPP’部位、A118インテグラーゼをコードする遺伝子、または任意の他の公知のattPP’部位もしくは任意の他のファージインテグラーゼを含むことができる。
組み込まれた遺伝子を含むそのような菌またはListeria株は、異種核酸を細菌またはListeriaの染色体に組み込むための任意の他の公知の方法を使用して作出することもできる。相同組換え技術は周知であり、例えば、Balogluら(2005年)Vet Microbiol 109巻(1−2号):11〜17頁;Jiangら(2005年)Acta Biochim Biophys Sin (Shanghai)37巻(1号):19〜24頁、およびUS6,855,320に記載されており、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
細菌またはListeriaの染色体への組込みを、トランスポゾン挿入を使用して果たすこともできる。トランスポゾン挿入技術は周知であり、例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるSunら(1990年)Infection and Immunity 58巻:3770〜3778頁によりDP−L967の構築について記載されている。トランスポゾン突然変異誘発は、安定したゲノム挿入を果たすことができるが、異種核酸が挿入されたゲノム内の位置は分からない。
細菌またはListeriaの染色体への組込みを、ファージ組込み部位を使用して果たすこともできる(例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるLauerら(2002年)J Bacteriol 184巻(15号):4177〜4186頁を参照されたい)。例えば、インテグラーゼ遺伝子、およびバクテリオファージの接着部位(例えば、U153またはPSAリステリオファージ)を使用して、対応する接着部位に異種遺伝子を挿入することができ、対応する接着部位は、ゲノム内のいずれの適切な部位(例えば、comK、またはarg tRNA遺伝子の3’末端)であってもよい。利用する接着部位から、内在性プロファージを、異種核酸の組込み前にキュアリングすることができる。そのような方法は、例えば、単一コピー組込み体を生じさせる結果となり得る。「ファージキュアリングステップ」を回避するために、PSAファージに基づくファージ組込みシステムを使用することができる(例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるLauerら(2002年)J Bacteriol 184巻:4177〜4186頁を参照されたい)。組み込まれた遺伝子の維持は、例えば、抗生物質による連続選択を必要とし得る。あるいは、抗生物質での選択を必要としない、ファージに基づく染色体組込みシステムを確立することができる。その代わりに、栄養要求性宿主株を補完してもよい。例えば、例えばD−アラニンラセマーゼをはじめとする必須酵素に対して栄養要求性である宿主株(例えば、Lm dal(−)dat(−))を使用する、臨床応用用のファージに基づく染色体組込みシステムを使用することができる。
コンジュゲーションを使用して、遺伝物質および/またはプラスミドを細菌に導入することもできる。コンジュゲーション方法は周知であり、例えば、Nikodinovicら(2006年)Plasmid 56巻(3号):223〜227頁、およびAuchtungら(2005年)Proc Natl Acad Sci USA 102巻(35号):12554〜12559頁に記載されており、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
具体例では、組換え菌またはListeria株は、内在性actA配列(ActAタンパク質をコードする)または内在性hly配列(LLOタンパク質をコードする)を有するオープンリーディングフレームとして細菌またはListeriaゲノムに組み込まれた組換え融合ポリペプチドをコードする核酸を含むことができる。例えば、融合ポリペプチドの発現および分泌は、内在性actAプロモーターおよびActAシグナル配列の制御下にあることもあり、または内在性hlyプロモーターおよびLLOシグナル配列の制御下にあることもある。別の例として、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸は、ActAタンパク質をコードするactA配列、またはLLOタンパク質をコードするhly配列に置き換わることもある。
組換え菌またはListeria株の選択は、任意の手段により果たすことができる。例えば、抗生物質選択を使用することができる。抗生物質耐性遺伝子は、分子生物学およびワクチン調製に一般に利用される従来の選択およびクローニングプロセスに使用され得る。例示的な抗生物質耐性遺伝子としては、アンピシリン、ペニシリン、メチシリン、ストレプトマイシン、エリスロマイシン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール(CAT)、ネオマイシン、ハイグロマイシンおよびゲンタマイシンに対する耐性を付与する遺伝子産物が挙げられる。あるいは、栄養要求性株を使用することができ、外来性代謝関連遺伝子を、抗生物質耐性遺伝子の代わりに、または抗生物質耐性遺伝子に加えて、選択に使用することができる。一例として、本明細書で提供される代謝酵素または補完遺伝子をコードするプラスミドを含む栄養要求性細菌を選択するために、代謝酵素をコードする遺伝子(例えば、アミノ酸代謝遺伝子)または補完遺伝子の発現を選択することになる培地で形質転換栄養要求性細菌を増殖させることができる。あるいは、組換え体を選択するために温度感受性プラスミドを使用することができ、または組換え体を選択するための任意の他の公知の手段を使用することができる。
B.菌またはListeria株の弱毒化
本明細書で開示される組換え菌株(例えば、組換えListeria株)は、弱毒化することができる。用語「弱毒化」は、宿主動物において疾患を引き起こす細菌の能力の減少を包含する。例えば、弱毒化Listeria株の病原特性を野生型Listeriaと比較して低下させることができるが、その弱毒化Listeriaを培養で増殖させ、維持することができる。一例として、BALB/cマウスへの弱毒化Listeriaの静脈内接種を使用すると、接種された動物の50%が生き延びる致死量(LD50)は、好ましくは、野生型ListeriaのLD50より上に少なくとも約10倍、より好ましくは少なくとも約100倍、より好ましくは少なくとも約1,000倍、よりいっそう好ましくは少なくとも約10,000倍、最も好ましくは少なくとも約100,000倍増加される。したがって、Listeriaの弱毒化株は、それが投与される動物の死をもたらさないものであるか、または投与される細菌数が、同動物の死をもたらすために必要となる野生型非弱毒化細菌の数より非常に多い場合にのみ、動物の死をもたらすものである。弱毒化細菌は、一般的な環境では、その増殖に必要な栄養素がそこに存在しないため、複製することができないものを意味すると解釈すべきでもある。したがって、細菌は、必要な栄養素が提供される制御環境での複製に限定される。弱毒化株は、無制御複製ができないことから環境上安全である。
(1)菌およびListeria株を弱毒化する方法
弱毒化は、任意の公知の手段により遂行することができる。例えば、そのような弱毒化株は、1つもしくは複数の内在性ビルレンス遺伝子または1つもしくは複数の内在性代謝関連遺伝子が欠損していることもある。そのような遺伝子の例は、本明細書で開示され、弱毒化は、本明細書で開示される遺伝子のいずれか1つまたは任意の組合せの不活性化により果たすことができる。不活性化は、例えば、欠失によって、または突然変異(例えば、不活性化突然変異)によって、果たすことができる。用語「突然変異」は、配列(核酸またはアミノ酸配列)に対する任意のタイプの突然変異または修飾を含み、欠失、トランケーション、挿入、置換、破壊または転座を包含し得る。例えば、突然変異は、フレームシフト突然変異、タンパク質の未完熟終了を引き起こす突然変異、または遺伝子発現に影響を与える調節配列の突然変異を含むことができる。突然変異誘発は、組換えDNA技術を使用して遂行することができ、または変異原性化学物質もしくは放射線を使用する旧来の突然変異誘発およびその後の突然変異体の選択を使用して遂行することができる。付随する低い復帰突然変異の確率のため、欠失突然変異体が好ましいこともある。用語「代謝関連遺伝子」は、宿主細菌が利用または必要とする栄養素の合成に関与するまたはそのような合成に必要とされる酵素をコードする遺伝子を指す。例えば、酵素は、宿主細菌の持続的増殖に必要とされる栄養素の合成に関与し得るか、またはそのような合成に必要とされ得る。用語「ビルレンス」遺伝子は、生物のゲノムにおけるその存在または活性がその生物の病原性に寄与する(例えば、生物による宿主におけるニッチへの定着(細胞への接着を含む)、免疫回避(宿主の免疫応答の回避)、免疫抑制(宿主の免疫応答の阻害)、細胞への侵入および細胞からの退出、または宿主からの栄養の獲得を可能にする)遺伝子を含む。
そのような弱毒化株の具体例は、Listeria monocytogenes(Lm)dal(−)dat(−)(Lmdd)である。そのような弱毒化株の別の例は、Lm dal(−)dat(−)ΔactA(LmddA)である。例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるUS2011/0142791を参照されたい。LmddAは、内在性ビルレンス遺伝子actAの欠失に起因して弱毒化されているListeria株に基づく。そのような株は、dal遺伝子の相補性によるin vivoおよびin vitroでの抗原発現のためのプラスミドを保持することができる。あるいは、LmddAは、内在性dal、datおよびactA遺伝子の突然変異を有するdal/dat/actA Listeriaであることもある。そのような突然変異は、例えば、欠失または他の不活性化突然変異であり得る。
減弱化株の別の具体例は、Lm prfA(−)、またはprfA遺伝子の部分的欠失もしくは不活性化突然変異を有する株である。PrfAタンパク質は、Lmがその脊椎動物宿主に定着するために必要とする必須ビルレンス遺伝子を含むレギュロンの発現を制御し、したがって、prfA突然変異は、PrfAに、PrfA依存性ビルレンス遺伝子の発現を活性化する能力を、強力に付与する。
弱毒化株のさらに別の具体例は、細菌の天然ビルレンスに重要な2つの遺伝子−インターナリンBおよびactA−が欠失している、Lm inlB(−)actA(−)である。
弱毒化菌またはListeria株の他の例としては、1つまたは複数の内在性ビルレンス遺伝子が欠損している、菌またはListeria株が挙げられる。そのような遺伝子の例としては、ListeriaにおけるactA、prfA、plcB、plcA、inlA、inlB、inlC、inlJおよびbshが挙げられる。弱毒化Listeria株は、上述の株のいずれかについての二重突然変異体または三重突然変異体であることもある。弱毒化Listeria株は、本明細書で提供される(例えば、actA、prfA、およびdal/dat遺伝子を含む)遺伝子のそれぞれ1つについての突然変異もしくは欠失を含むことがあり、または本明細書で提供される遺伝子のいずれかの、例えば最大10についての、突然変異もしくは欠失を含むこともある。例えば、弱毒化Listeria株は、内在性インターナリンC(inlC)遺伝子の突然変異もしくは欠失、および/または内在性actA遺伝子の突然変異もしくは欠失を含むことがある。あるいは、弱毒化Listeria株は、内在性インターナリンB(inlB)遺伝子の突然変異もしくは欠失、および/または内在性actA遺伝子の突然変異もしくは欠失を含むことがある。あるいは、弱毒化Listeria株は、内在性inlB、inlCおよびactA遺伝子の突然変異または欠失を含むことがある。隣接細胞へのListeriaの移行は、そのプロセスに関与する内在性actA遺伝子および/または内在性inlC遺伝子もしくは内在性inlB遺伝子の欠失により阻害され、その結果、免疫原性増加に対する高レベルの弱毒化、および株骨格としての有用性が生じる。弱毒化Listeria株は、plcAとplcB両方の突然変異または欠失を含む、二重突然変異体であることもある。一部の場合、株は、EGD Listeria骨格から構築され得る。
菌またはListeria株は、代謝関連遺伝子の突然変異を有する栄養要求性株であることもある。一例として、株は、1つまたは複数の内在性アミノ酸代謝遺伝子が欠損していることがある。例えば、D−アラニンが欠損しているListeriaの栄養要求性株の生成は、例えば、欠失突然変異、挿入突然変異、フレームシフト突然変異、タンパク質の未完熟終了を引き起こす突然変異、または遺伝子発現に影響を与える調節配列の突然変異を含む、周知である多数の方法で遂行することができる。栄養要求性表現型の付随する低い復帰突然変異確率のため、欠失突然変異体が好ましいこともある。一例として、本明細書で提示されるプロトコールに従って生成されるD−アラニンの突然変異体を、単純な実験室培養アッセイで、D−アラニンの非存在下で増殖する能力について検査してもよい。この化合物の非存在下で増殖することができない突然変異体を選択することができる。
内在性アミノ酸代謝遺伝子の例としては、ビタミン合成遺伝子、パントテン酸シンターゼをコードする遺伝子、D−グルタミン酸シンターゼ遺伝子、D−アラニンアミノトランスフェラーゼ(dat)遺伝子、D−アラニンラセマーゼ(dal)遺伝子、dga、ジアミノピメリン酸(DAP)の合成に関与する遺伝子、システインシンターゼAの合成に関与する遺伝子(cysK)、ビタミンB12依存性メチオニンシンターゼ、trpA、trpB、trpE、asnB、gltD、gltB、leuA、argGおよびthrCが挙げられる。Listeria株は、2つまたはそれより多くのそのような遺伝子(例えば、datおよびdal)が欠損していることもある。D−グルタミン酸合成は、D−glu+pyrのアルファ−ケトグルタル酸塩+D−alaへの変換および逆反応に関与するdal遺伝子によって、一部は制御される。
別の例として、弱毒化Listeria株は、アミノ酸合成遺伝子などの内在性シンターゼ遺伝子が欠損していることもある。そのような遺伝子の例としては、folP、ジヒドロウリジンシンターゼファミリータンパク質をコードする遺伝子、ispD、ispF、ホスホエノールピルビン酸シンターゼをコードする遺伝子、hisF、hisH、fliI、リボソーム大サブユニットプソイドウリジンシンターゼをコードする遺伝子、ispD、二官能性GMPシンターゼ/グルタミンアミドトランスフェラーゼタンパク質をコードする遺伝子、cobS、cobB、cbiD、ウロポルフィリン−III C−メチルトランスフェラーゼ/ウロポルフィリノーゲン−IIIシンターゼをコードする遺伝子、cobQ、uppS、truB、dxs、mvaS、dapA、ispG、folC、クエン酸シンターゼをコードする遺伝子、argJ、3−デオキシ−7−ホスホヘプツロン酸シンターゼをコードする遺伝子、インドール−3−グリセロール−リン酸シンターゼをコードする遺伝子、アントラニル酸シンターゼ/グルタミンアミドトランスフェラーゼ構成成分をコードする遺伝子、menB、メナキノン特異的イソコリスミ酸シンターゼをコードする遺伝子、ホスホリボシルホルミルグリシンアミジンシンターゼIまたはIIをコードする遺伝子、ホスホリボシルアミノイミダゾール−スクシノカルボキサミドシンターゼをコードする遺伝子、carB、carA、thyA、mgsA、aroB、hepB、rluB、ilvB、ilvN、alsS、fabF、fabH、プソイドウリジンシンターゼをコードする遺伝子、pyrG、truA、pabB、およびatpシンターゼ遺伝子(例えば、atpC、atpD−2、aptG、atpA−2およびその他)が挙げられる。
弱毒化Listeria株は、内在性phoP、aroA、aroC、aroDまたはplcBが欠損していることもある。さらに別の例として、弱毒化Listeria株は、内在性ペプチド輸送体が欠損していることもある。例としては、ABC輸送体/ATP結合/パーミアーゼタンパク質、オリゴペプチドABC輸送体/オリゴペプチド結合タンパク質、オリゴペプチドABC輸送体/パーミアーゼタンパク質、亜鉛ABC輸送体/亜鉛結合タンパク質、糖ABC輸送体、リン酸輸送体、ZIP亜鉛輸送体、EmrB/QacAファミリーの薬物耐性輸送体、硫酸輸送体、プロトン依存性オリゴペプチド輸送体、マグネシウム輸送体、葉酸/亜硝酸輸送体、スペルミジン/プトレシンABC輸送体、Na/Pi共輸送体、糖リン酸輸送体、グルタミンABC輸送体、主要促進因子ファミリー輸送体、グリシンベタイン/L−プロリンABC輸送体、モリブデンABC輸送体、タイコ酸(techoic acid)ABC輸送体、コバルトABC輸送体、アンモニウム輸送体、アミノ酸ABC輸送体、細胞分裂ABC輸送体、マンガンABC輸送体、鉄化合物ABC輸送体、マルトース/マルトデキストリンABC輸送体、Bcr/CflAファミリーの薬物耐性輸送体、および上記タンパク質のうちの1つのサブユニットをコードする遺伝子が挙げられる。
他の弱毒化菌およびListeria株は、細菌増殖プロセス、複製プロセス、細胞壁合成、タンパク質合成、脂肪酸の代謝に、または任意の他の増殖もしくは複製プロセスに使用されるアミノ酸を代謝する内在性代謝酵素が欠損していることもある。同様に、弱毒化株は、細胞壁合成に使用されるアミノ酸の形成を触媒することができる、細胞壁合成に使用されるアミノ酸の合成を触媒することができる、または細胞壁合成に使用されるアミノ酸の合成に関与することができる、内在性代謝酵素が欠損していることもある。あるいは、アミノ酸は、細胞壁生合成に使用されることがある。あるいは、代謝酵素は、細胞壁構成成分であるD−グルタミン酸の合成酵素である。
他の弱毒化Listeria株は、D−グルタミン酸合成遺伝子、dga、alr(アラニンラセマーゼ)遺伝子によりコードされる代謝酵素、またはアラニン合成に関与する任意の他の酵素が欠損していることもある。Listeria株に欠損していることがある代謝酵素のさらに他の例としては、serCによりコードされる酵素(ホスホセリンアミノトランスフェラーゼ)、asdによりコードされる酵素(アスパラギン酸ベータセミアルデヒドデヒドロゲナーゼ;細胞壁構成要素ジアミノピメリン酸の合成に関与する)、gsaB−グルタミン酸−1−セミアルデヒドアミノトランスフェラーゼをコードする遺伝子によりコードされる酵素((S)−4−アミノ−5−オキソペンタノエートからの5−アミノレブリネートの形成を触媒する)、hemLによりコードされる酵素((S)−4−アミノ−5−オキソペンタノエートからの5−アミノレブリネートの形成を触媒する)、aspBによりコードされる酵素(L−アスパルテートおよび2−オキソグルタレートからのオキサロアセテート(oxalozcetate)およびL−グルタメートの形成を触媒するアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)、argF−1によりコードされる酵素(アルギニン生合成に関与する)、aroEによりコードされる酵素(アミノ酸生合成に関与する)、aroBによりコードされる酵素(3−デヒドロキネート生合成に関与する)、aroDによりコードされる酵素(アミノ酸生合成に関与する)、aroCによりコードされる酵素(アミノ酸生合成に関与する)、hisBによりコードされる酵素(ヒスチジン生合成に関与する)、hisDによりコードされる酵素(ヒスチジン生合成に関与する)、hisGによりコードされる酵素(ヒスチジン生合成に関与する)、metXによりコードされる酵素(メチオニン生合成に関与する)、proBによりコードされる酵素(プロリン生合成に関与する)、argRによりコードされる酵素(アルギニン生合成に関与する)、argJによりコードされる酵素(アルギニン生合成に関与する)、thil(チアミン生合成に関与する)、LMOf2365_1652によりコードされる酵素(トリプトファン生合成に関与する)、aroAによりコードされる酵素(トリプトファン生合成に関与する)、ilvDによりコードされる酵素(バリンおよびイソロイシン生合成に関与する)、ilvCによりコードされる酵素(バリンおよびイソロイシン生合成に関与する)、leuAによりコードされる酵素(ロイシン生合成に関与する)、dapFによりコードされる酵素(リシン生合成に関与する)、およびthrBによりコードされる酵素(トレオニン生合成に関与する)(すべてGenBank受託番号NC_002973)が挙げられる。
弱毒化Listeria株は、tRNAシンテターゼなどの他の代謝酵素の突然変異により生成されることもある。例えば、代謝酵素は、トリプトファニルtRNAシンテターゼをコードするtrpS遺伝子によりコードされることもある。例えば、宿主株細菌は、Δ(trpS aroA)であることがあり、両方のマーカーが組込み型ベクターに含有されることがある。
弱毒化Listeria株を生成するように突然変異され得る代謝酵素の他の例としては、murEによりコードされる酵素(ジアミノピメリン酸の合成に関与する;GenBank受託番号NC_003485)、LMOf2365_2494によりコードされる酵素(タイコ酸生合成に関与する)、WecEによりコードされる酵素(リポ多糖生合成タンパク質rffA;GenBank受託番号AE014075.1)、またはamiAによりコードされる酵素(N−アセチルムラモイルーL−アラニンアミダーゼ)が挙げられる。代謝酵素のさらに他の例としては、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、ヒスチジノール−リン酸アミノトランスフェラーゼ(GenBank受託番号NP_466347)、または細胞壁タイコ酸グリコシル化タンパク質GtcAが挙げられる。
弱毒化Listeria株を生成するように突然変異され得る代謝酵素の他の例としては、ペプチドグリカン構成成分または前駆体の合成酵素が挙げられる。構成成分は、例えば、UDP−N−アセチルムラミルペンタペプチド、UDP−N−アセチルグルコサミン、MurNAc−(ペンタペプチド)−ピロホスホリル−ウンデカプレノール、GlcNAc−p−(1,4)−MurNAc−(ペンタペプチド)−ピロホスホリルウンデカプレノール、または任意の他のペプチドグリカン構成成分もしくは前駆体であり得る。
弱毒化Listeria株を生成するように突然変異され得る代謝酵素のさらに他の例としては、murG、murD、murA−1またはmurA−2によりコードされる代謝酵素(すべてGenBank受託番号NC_002973に記載されている)が挙げられる。あるいは、代謝酵素は、ペプチドグリカン構成成分または前駆体の任意の他の合成酵素であってもよい。代謝酵素はまた、トランス−グリコシラーゼ、トランス−ペプチダーゼ、カルボキシ−ペプチダーゼ、任意の他のクラスの代謝酵素、または任意の他の代謝酵素であってもよい。例えば、代謝酵素は、任意の他のListeria代謝酵素であってもよく、または任意の他のListeria monocytogenes代謝酵素であってもよい。
他の菌株を、他の菌株中の対応するオルソロガス遺伝子を突然変異させることにより、Listeriaについて上で記載したように弱毒化することができる。
(2)弱毒化菌およびListeria株を補完する方法
本明細書で開示される弱毒化菌またはListeria株は、補完遺伝子を含む核酸、または弱毒化突然変異を補完する(例えば、栄養要求性Listeria株の栄養要求性を補完する)代謝酵素をコードする核酸をさらに含むことができる。例えば、本明細書で開示されるような融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを有する核酸は、補完遺伝子を含む、または補完代謝酵素をコードする、第2のオープンリーディングフレームをさらに含むことができる。あるいは、第1の核酸は、融合ポリペプチドをコードすることができ、別の第2の核酸は、補完遺伝子を含むことができ、または補完代謝酵素をコードすることができる。
補完遺伝子は、染色体外性であってもよく、または細菌もしくはListeriaゲノムに組み込まれていてもよい。例えば、栄養要求性Listeria株は、代謝酵素をコードする核酸を含むエピソームプラスミドを含むことができる。そのようなプラスミドは、エピソームまたは染色体外様式でListeria内に含有されることになる。あるいは、栄養要求性Listeria株は、代謝酵素をコードする核酸を含む組込みプラスミド(すなわち、組込み型ベクター)を含むことができる。そのような組込みプラスミドをListeria染色体への組込みに使用することができる。好ましくは、エピソームプラスミドまたは組込みプラスミドは、抗生物質耐性マーカーを欠いている。
抗生物質耐性遺伝子の代わりに、または抗生物質耐性遺伝子に加えて、代謝関連遺伝子を選択に使用することができる。一例として、本明細書で提供される代謝酵素または補完遺伝子をコードするプラスミドを含む栄養要求性細菌を選択するために、代謝酵素をコードする遺伝子(例えば、アミノ酸代謝遺伝子)または補完遺伝子の発現を選択することになる培地で形質転換栄養要求性細菌を増殖させることができる。例えば、D−グルタミン酸合成のための栄養を要求する細菌を、D−グルタミン酸合成のための遺伝子を含むプラスミドで形質転換することができ、その栄養要求性細菌は、D−グルタミン酸の非存在下で増殖するであろうが、プラスミドで形質転換されていない、またはD−グルタミン酸合成のためのタンパク質をコードするプラスミドを発現しない、栄養要求性細菌は、増殖しないであろう。同様に、D−アラニン合成のための栄養を要求する細菌は、形質転換され、D−アラニン合成のためのアミノ酸代謝酵素をコードする核酸含むプラスミドを発現する場合、D−アラニンの非存在下で増殖するであろう。必要な増殖因子、栄養補助剤、アミノ酸、ビタミン、抗生物質およびこれらに類するものを含むまたは欠いている適切な培地を作製するためのそのような方法は周知であり、市販されている。
本明細書で提供される代謝酵素または補完遺伝子をコードするプラスミドを含む栄養要求性細菌を適切な培地で選択したら、それらの細菌を選択圧の存在下で繁殖させることができる。そのような繁殖は、栄養要求性因子を含まない培地中で細菌を増殖させることを含み得る。栄養要求性細菌における代謝酵素または補完遺伝子を発現するプラスミドの存在により、確実にプラスミドが細菌とともに複製することになり、したがって、プラスミドを保有する細菌が連続的に選択されることになる。菌またはListeria株の産生は、プラスミドを含む栄養要求性細菌が増殖することになる培地の体積を調整することにより、容易に規模拡大することができる。
1つの具体例では、弱毒化株は、dalおよびdatの欠失または不活性化突然変異を有する株(例えば、Listeria monocytogenes(Lm)dal(−)dat(−)(Lmdd)またはLm dal(−)dat(−)ΔactA(LmddA))であり、補完遺伝子は、アラニンラセマーゼ酵素(例えば、dal遺伝子によりコードされる)、またはD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ酵素(例えば、dat遺伝子によりコードされる)をコードする。例示的なアラニンラセマーゼタンパク質は、配列番号353に記載の配列(配列番号355によりコードされる;GenBank受託番号AF038438)を有することがあり、または配列番号353のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片、もしくはアイソフォームの断片であることもある。アラニンラセマーゼタンパク質はまた、任意の他のListeriaアラニンラセマーゼタンパク質であってもよい。あるいは、アラニンラセマーゼタンパク質は、任意の他のグラム陽性アラニンラセマーゼタンパク質であってもよく、または任意の他のアラニンラセマーゼタンパク質であってもよい。例示的なD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼタンパク質は、配列番号354に記載の配列(配列番号356によりコードされる;GenBank受託番号AF038439)を有することがあり、または配列番号354のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片、もしくはアイソフォームの断片であることもある。D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼタンパク質はまた、任意の他のListeria D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼタンパク質であってもよい。あるいは、D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼタンパク質は、任意の他のグラム陽性D−アミノ酸アミノトランスフェラーゼタンパク質であってもよく、または任意の他のD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼタンパク質であってもよい。
別の具体例では、弱毒化株は、prfAの欠失または不活性化突然変異を有する株(例えば、Lm prfA(−))であり、補完遺伝子は、PrfAタンパク質をコードする。例えば、補完遺伝子は、一部のPrfA機能を回復させる突然変異型PrfA(D133V)タンパク質をコードすることができる。野生型PrfAタンパク質の例は、配列番号357に記載されており(配列番号358に記載の核酸によりコードされる)、D133V突然変異型PrfAタンパク質の一例は、配列番号359に記載されている(配列番号360に記載の核酸によりコードされる)。補完PrfAタンパク質は、配列番号357または359のホモログ、バリアント、アイソフォーム、アナログ、断片、ホモログの断片、バリアントの断片、アナログの断片またはアイソフォームの断片であってもよい。PrfAタンパク質はまた、任意の他のListeria PrfAタンパク質であってもよい。あるいは、PrfAタンパク質は、任意の他のグラム陽性PrfAタンパク質であってもよく、または任意の他のPrfAタンパク質であってもよい。
別の例では、菌株またはListeria株は、actA遺伝子の欠失または不活性化突然変異を含むことがあり、突然変異を補完し、Listeria株に対する機能を回復するために、補完遺伝子は、actA遺伝子を含むことがある。
他の栄養要求性株および補完系を、本明細書で提供される方法および組成物での使用に採用することもできる。
C.菌またはListeria株の調製および保管
組換え菌株(例えば、Listeria株)は、必要に応じて、動物宿主によって継代されたものである。そのような継代は、Listeria株のワクチンベクターとしての有効性を最大化することができ、Listeria株の免疫原性を安定させることができ、Listeria株のビルレンスを安定させることができ、Listeria株の免疫原性を増大させることができ、Listeria株のビルレンスを増大させることができ、Listeria株の不安定な亜株を除去することができ、またはListeria株の不安定な亜株の保有率を低下させることができる。動物宿主によって組換えListeria株を継代させるための方法は、当技術分野において周知であり、例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるUS2006/0233835に記載されている。
組換え菌株(例えば、Listeria株)を凍結細胞バンクに保管することができ、または凍結乾燥細胞バンクに保管することができる。そのような細胞バンクは、例えば、マスター細胞バンク、ワーキング細胞バンク、または医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準(GMP)に準拠する細胞バンクであり得る。「医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準」の例は、米国連邦規則集CFR第21巻210〜211章により規定されているものを含む。しかし、「医薬品等の製造管理および品質管理に関する基準」は、臨床グレード材料の生産についてのまたはヒトによる摂取についての他の基準、例えば、米国以外の国の基準によって規定されることもある。そのような細胞バンクは、臨床グレード材料の生産を対象としたものであることもあり、またはヒトによる使用についての規則慣行に準拠することもある。
そのような細胞バンクは、例えば、本明細書で開示される組換えListeria株を1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50、またはそれより多く含むことができる。そのような組換えListeria株は、例えば、1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、または45〜50のがん関連タンパク質の反復性がん突然変異を含むことがある。例えば、組換えListeria株は、各がん関連タンパク質に最も多く見られる2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29または30の反復性がん突然変異を含むことがある。同様に、各がん関連タンパク質について、そのがん関連タンパク質の突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、細胞バンクにおける組換えListeria株における抗原性ペプチドの組合せに含まれる、がん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する。
組換え菌株(例えば、Listeria株)は、ワクチン用量のバッチから、凍結ストックから、または凍結乾燥ストックからのものであることもある。
そのような細胞バンク、凍結ストック、またはワクチン用量のバッチは、例えば、90%より多く解凍すると生存能を示すことができる。解凍は、例えば、24時間の凍結保存または凍結保管の後に行われることがある。あるいは、保管は、例えば、2日、3日、4日、1週間、2週間、3週間、1カ月、2カ月、3カ月、5カ月、6カ月、9カ月または1年間続くこともある。
細胞バンク、凍結ストック、またはワクチン用量のバッチは、例えば、栄養培地において菌株(例えば、Listeria株)の培養物を増殖させるステップ、グリセロールを含む溶液中で培養物を凍結するステップ、およびListeria株を−20℃未満で保管するステップを含む方法により、凍結保存することができる。温度は、例えば、約−70℃、または約−70〜約−80℃の間であり得る。あるいは、細胞バンク、凍結ストック、またはワクチン用量のバッチは、限定培地においてListeria株の培養物を増殖させるステップ、グリセロールを含む溶液中で培養物を凍結するステップ、およびListeria株を−20℃未満で保管するステップを含む方法により、凍結保存することができる。温度は、例えば、約−70℃、または約−70〜約−80℃の間であり得る。いずれの限定微生物培地をこの方法に使用してもよい。
培養物(例えば、Listeriaワクチン用量のバッチを産生するために使用されるListeriaワクチン株の培養物)、例えば、細胞バンクからの、凍結ストックからの、スターター培養からの、またはコロニーからの培養物を接種することができる。培養物を、例えば、対数増殖期中期に、ほぼ対数増殖期中期に、または別の増殖期に接種することができる。
凍結に使用される溶液は、グリセロールの代わりに、またはグリセロールに加えて、別の束一性添加剤、または凍結防止特性を有する添加剤を必要に応じて含有する。そのような添加剤の例としては、例えば、マンニトール、DMSO、スクロース、または任意の他の束一性添加剤、もしくは凍結防止特性を有する添加剤が挙げられる。
菌株(例えば、Listeria株)の培養物を増殖させるために利用される栄養培地は、いずれの好適な栄養培地であってもよい。好適な培地の例としては、例えば、LB培地、TB培地、動物質を含まない変性テリフィックブロス培地、または限定培地が挙げられる。
増殖させるステップは、任意の公知の細菌増殖手段により行うことができる。例えば、増殖させるステップは、振盪フラスコ(例えば、バッフル付き振盪フラスコ)、回分式培養槽、撹拌タンクもしくはフラスコ、エアリフト型培養槽、フェッドバッチ、連続セル反応器、セル固定化反応器、または任意の他の細菌増殖手段を用いて行うことができる。
必要に応じて、培養物の(例えば、回分式培養槽内での)増殖中に一定pHが維持される。例えば、pHを約6.0で、約6.5で、約7.0で、約7.5で、または約8.0で維持することができる。同様に、pHは、例えば、約6.5〜約7.5、約6.0〜約8.0、約6.0〜約7.0、約6.0〜約7.0、または約6.5〜約7.5であってもよい。
必要に応じて、培養物の増殖中に一定温度を維持することができる。例えば、温度を約37℃でまたは37℃で維持することができる。あるいは、温度を、25℃、27℃、28℃、30℃、32℃、34℃、35℃、36℃、38℃、または39℃で維持することができる。
必要に応じて、培養物の増殖中に一定溶存酸素濃度を維持することができる。例えば、溶存酸素濃度を、飽和度20%、飽和度15%、飽和度16%、飽和度18%、飽和度22%、飽和度25%、飽和度30%、飽和度35%、飽和度40%、飽和度45%、飽和度50%、飽和度55%、飽和度60%、飽和度65%、飽和度70%、飽和度75%、飽和度80%、飽和度85%、飽和度90%、飽和度95%、飽和度100%、または飽和度ほぼ100%で維持することができる。
組換え菌株(例えば、Listeria株)の凍結乾燥および凍結保存方法は、公知である。例えば、Listeria培養物を液体窒素で急速凍結させ、その後、最終凍結温度で保管することができる。あるいは、培養物をより穏やかな手法で(例えば、最終保管温度の培養バイアルに入れることにより)凍結させることができる。培養物を、細菌培養物を凍結させるための任意の他の公知の方法により凍結させることもできる。
培養物の保管温度は、例えば、−20〜−80℃の間であり得る。例えば、温度は、−20℃より有意に低いことがあり、または−70℃以下の温度であることもある。あるいは、温度は、約−70℃、−20℃、−30℃、−40℃、−50℃、−60℃、−80℃、−30〜−70℃、−40〜−70℃、−50〜−70℃、−60〜−70℃、−30〜−80℃、−40〜−80℃、−50〜−80℃、−60〜−80℃、または−70〜−80℃であり得る。あるいは、温度は、70℃より低温、または−80℃より低温であることもある。
VII.免疫原性組成物、医薬組成物およびワクチン
本明細書で開示されるような組換え融合ポリペプチド、本明細書で開示されるような組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または本明細書で開示されるような組換え菌もしくはListeria株を含む、免疫原性組成物、医薬組成物またはワクチンも提供される。Listeria株を含む免疫原性組成物は、それがListeria株を含むという理由で本質的に免疫原性であることができ、および/または組成物は、アジュバントをさらに含むこともできる。他の免疫原性組成物は、DNA免疫療法またはペプチド免疫療法用組成物を含む。
用語「免疫原性組成物」は、抗原を含有する組成物であって、組成物への曝露時に対象において抗原に対する免疫応答を惹起する、任意の組成物を指す。免疫原性組成物により惹起される免疫応答は、特定の抗原に対するものであることもあり、または抗原上の特定のエピトープに対するものであることもある。
免疫原性組成物は、単一の本明細書で開示されるような組換え融合ポリペプチド、本明細書で開示されるような組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または本明細書で開示されるような組換え菌もしくはListeria株を含むこともあり、あるいは複数の異なる、本明細書で開示されるような組換え融合ポリペプチド、本明細書で開示されるような組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または本明細書で開示されるような組換え菌もしくはListeria株を含むこともある。第1の組換え融合ポリペプチドは、例えば、第2の組換え融合ポリペプチドが含まない1つの抗原性ペプチドを含む場合、第2の組換え融合ポリペプチドとは異なる。2つの組換え融合ポリペプチドが、多数の同じ抗原性ペプチドを含み、それにもかかわらず異なると見なされることもある。一例として、免疫原性組成物は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または組換え菌もしくはListeria株を含むことができる。あるいは、免疫原性組成物は、1〜2、1〜5、1〜10、1〜20または1〜40の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または組換え菌もしくはListeria株の混合物、あるいは1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、10〜20、20〜30、30〜40、または40〜50の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または組換え菌もしくはListeria株の混合物を、含むことができる。そのような異なる組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または組換え菌もしくはListeria株を、対象に同時に投与することができ、または対象に逐次的に投与することができる。逐次投与は、本明細書で開示される組換えListeria株(または組換え融合ポリペプチドまたは核酸)を含む原薬が、異なる剤形である(例えば、1つの薬剤が錠剤またはカプセルであり、別の薬剤が滅菌液である)、および/または異なる投薬スケジュールで投与される(例えば、混合物からの1つの組成物が少なくとも毎日投与され、別のものが、より低い頻度で、例えば、週1回、2週間に1回、または3週間に1回投与される)場合、特に有用であり得る。複数の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または組換え菌もしくはListeria株は、それぞれが異なる抗原性ペプチドセットを含むことができる。あるいは、組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または組換え菌もしくはListeria株の2つまたはそれより多くが同じ、抗原性ペプチドセット(例えば、異なる順序における同じ抗原性ペプチドセット)を含むことができる。組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または組換え菌もしくはListeria株は、単一のがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチドを含むこともあり、または多数のがん関連タンパク質(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20のがん関連タンパク質)に由来する抗原性ペプチドを含むこともある。加えて、組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、または組換え菌もしくはListeria株の組合せは、任意の数の、異なる抗原性ペプチド、例えば、約1〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜120、120〜140、140〜160、160〜180、180〜200、200〜220、220〜240、240〜260、260〜280、280〜300、300〜320、320〜340、340〜360、360〜380、または380〜400の異なる抗原性ペプチドを含むことができる。異なる抗原性ペプチドの数は、最大約100の抗原性ペプチドであってもよく、約100より多くの抗原性ペプチドであってもよく、最大約10の抗原性ペプチドであってもよく、最大約20の抗原性ペプチドであってもよく、最大約50の抗原性ペプチドであってもよい。あるいは、それは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49もしくは50の抗原性ペプチドであってもよく、または約51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99もしくは100の抗原性ペプチドであってもよく、または約5〜15、5〜20、5〜25、15〜20、15〜25、15〜30、15〜35、20〜25、20〜35、20〜45、30〜45、30〜55、40〜55、40〜65、50〜65、50〜75、60〜75、60〜85、70〜85、70〜95、80〜95、80〜105もしくは95〜105の抗原性ペプチドであってもよく、または約1〜5、1〜10、1〜20、1〜30、1〜50、1〜60、1〜70、1〜80、1〜90、1〜100、1〜110、1〜150、1〜200、1〜250、1〜300、もしくは1〜500の抗原性ペプチドであってもよい。
反復性がん突然変異のいずれの組合せが免疫原性組成物に含まれていてもよい。反復性がん突然変異のそれぞれは、体細胞ミスセンス突然変異であることがあり、または反復性がん突然変異は、他の突然変異も含むことがある。例えば、一部の免疫原性組成物では、反復性がん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、体細胞ミスセンス突然変異である。一例として、抗原性ペプチドは、がん関連タンパク質において最も多く見られる2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の反復性がん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含むことがある。例えば、抗原性ペプチドは、がん関連タンパク質において最も多く見られる2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の反復性体細胞ミスセンスがん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含むことがある。別の例として、がん関連タンパク質の突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、免疫原性組成物中の抗原性ペプチドの組合せに含まれるがん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する。例えば、がん関連タンパク質の体細胞ミスセンス突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、免疫原性組成物中の抗原性ペプチドの組合せに含まれるがん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する。別の例として、抗原性ペプチドは、特定のタイプのがんにおいて最も多く見られる2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の反復性がん突然変異または反復性体細胞ミスセンスがん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含むことがある。別の例として、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、免疫原性組成物中の抗原性ペプチドの組合せに含まれる反復性がん突然変異を有する。例えば、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、免疫原性組成物中の抗原性ペプチドの組合せに含まれる反復性がん突然変異を有する。特定の例では、抗原性ペプチドは、同じタイプのがんに由来する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59もしくは60の異なる反復性がん突然変異もしくは異なる反復性体細胞ミスセンス突然変異を含み、または抗原性ペプチドは、単一のタイプのがんに由来する2〜80、10〜60、10〜50、10〜40、もしくは10〜30の異なる反復性がん突然変異もしくは異なる反復性体細胞ミスセンス突然変異を含む。例えば、単一のタイプのがんは、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん(例えば、ER+乳がん)、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん(例えば、MSS結腸直腸がん)、または頭頸部がんであり得る。
免疫原性組成物は、アジュバント(例えば、2種もしくはそれより多くのアジュバント)、サイトカイン、ケモカイン、またはそれらの組合せをさらに含むことできる。必要に応じて、免疫原性組成物は、抗原提示細胞(APC)をさらに含むことができ、APCは、対象にとって自己のものであってもよく、または同種異系のものであってもよい。
用語アジュバントは、抗原に対する免疫応答を増強する化合物または混合物を含む。例えば、アジュバントは、本明細書で開示される免疫原性組成物と組み合わせられたとき、よりいっそう増強されたおよび/または長期の免疫応答をもたらす、免疫応答の非特異的刺激因子、または対象においてデポーの生成を可能にする物質であり得る。アジュバントは、例えば、Th1により主として媒介される免疫応答、Th1型免疫応答、またはTh1媒介免疫応答に有利に働くことができる。同様に、アジュバントは、抗体媒介応答より細胞媒介免疫応答に有利に働くことができる。あるいは、アジュバントは、抗体媒介応答に有利に働くことができる。一部のアジュバントは、抗原を緩徐に放出することにより免疫応答を増強することができ、その一方で他のアジュバントは、それらの効果を次のメカニズムのいずれかにより媒介することができる:注射部位への細胞浸潤、炎症および輸送を、特に抗原提示細胞(APC)について、増加させるメカニズム、共刺激性シグナルもしくは主要組織適合複合体(MHC)発現を上方調節することによりAPCの活性化状態を促進するメカニズム、抗原提示を増強するメカニズム、または間接的効果のためにサイトカイン放出を誘導するメカニズム。
アジュバントの例としては、サポニンQS21、CpGオリゴヌクレオチド、非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチド、MPL、TLRアゴニスト、TLR4アゴニスト、TLR9アゴニスト、Resiquimod(登録商標)、イミキモド、サイトカインまたはそれをコードする核酸、ケモカインまたはそれをコードする核酸、IL−12またはそれをコードする核酸、IL−6またはそれをコードする核酸、およびリポ多糖が挙げられる。好適なアジュバントの別の例は、Montanide ISA 51である。Montanide ISA 51は、天然の代謝可能な油と精製された乳化剤とを含有する。好適なアジュバントの他の例としては、顆粒球/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)またはそれをコードする核酸、およびキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)タンパク質またはそれをコードする核酸が挙げられる。GM−CSFは、例えば、酵母(S.cerevisiae)ベクター内で成長したヒトタンパク質であり得る。GM−CSFは、造血前駆細胞、抗原提示細胞(APC)、樹状細胞およびT細胞のクローン拡大および分化を促進する。好適なアジュバントのさらに別の例は、解毒リステリオリシンO(dtLLO)タンパク質である。アジュバントとしての使用に好適なdtLLOの一例は、配列番号583によりコードされる。配列番号583と少なくとも90%、95%、96%、97%、98%または99%同一の配列によりコードされるdtLLOも、アジュバントとしての使用に好適である。アジュバントの他の例としては、増殖因子もしくはそれをコードする核酸、細胞集団、フロイント不完全アジュバント、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、BCG(カルメット・ゲラン桿菌)、ミョウバン、インターロイキンもしくはそれをコードする核酸、クイルグリコシド、モノホスホリルリピドA、リポソーム、細菌マイトジェン、細菌毒素、または任意の他のタイプの公知のアジュバント(例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるFundamental Immunology、第5版(2003年8月):William E. Paul(編者)、Lippincott Williams & Wilkins Publishers、第43章:Vaccines、GJV Nossalを参照されたい)が挙げられる。
免疫原性組成物は、1つまたは複数の免疫調節分子をさらに含むことができる。例としては、インターフェロンガンマ、サイトカイン、ケモカイン、およびT細胞刺激物質が挙げられる。
免疫原性組成物は、ワクチンまたは医薬組成物の形態であってもよい。用語「ワクチン」および「医薬組成物」は、置き換え可能であり、対象へのin vivo投与のための薬学的に許容される担体中の免疫原性組成物を指す。ワクチンは、例えば、ペプチドワクチン(例えば、本明細書で開示されるような組換え融合ポリペプチドを含む)であってもよく、DNAワクチン(例えば、本明細書で開示されるような組換え融合ポリペプチドをコードする核酸を含む)であってもよく、または細胞内に含有され、細胞により送達されるワクチン(例えば、本明細書で開示されるような組換えListeria)であってもよい。ワクチンは、対象が疾患もしくは状態に罹患しないように、または疾患もしくは状態を発症しないように予防することもあり、および/あるいはワクチンは、疾患または状態を有する対象に対して治療的であることもある。ペプチドワクチンを調製するための方法は周知であり、例えば、EP1408048、US2007/0154953、およびOgasawaraら(1992年)Proc. Natl Acad Sci USA 89巻:8995〜8999頁に記載されており、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。必要に応じて、ペプチド進化技術を使用して、より高い免疫原性を有する抗原を作出することができる。ペプチド進化技術は周知であり、例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるUS6,773,900に記載されている。
「薬学的に許容される担体」は、免疫原性組成物を収容するビヒクルであって、有意な有害効果なく対象に導入することができ、かつ免疫原性組成物に対して有害な効果をもたらさない、ビヒクルを指す。すなわち、「薬学的に許容される」は、安全である処方であって、本明細書で開示される方法での使用のための少なくとも1つの免疫原性組成物の有効量の所望の投与経路に適した送達をもたらす、任意の処方を指す。薬学的に許容される担体またはビヒクルまたは賦形剤は、周知である。好適な薬学的に許容される担体、およびそれらの選択に関与する因子についての記載は、例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるRemington's Pharmaceutical Sciences、第18版、1990年などの、様々な容易に入手できる情報源で見つけられる。そのような担体は、任意の投与経路(例えば、非経口、経腸(例えば、経口)または局所的適用)に好適であり得る。そのような医薬組成物を緩衝することができ、例えば、その場合、pHは、免疫原性組成物の安定性および投与経路に応じてpH4.0〜pH9.0の範囲の特定の所望の値で維持される。
好適な薬学的に許容される担体としては、例えば、滅菌水、食塩水、例えば生理食塩水、グルコース、緩衝溶液、例えばリン酸緩衝溶液または重炭酸緩衝溶液、アルコール、アラビアゴム、植物油、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、ゼラチン、炭水化物(例えば、ラクトース、アミロースまたはデンプン)、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、粘性パラフィン、白色パラフィン、グリセロール、アルギン酸塩、ヒアルロン酸、コラーゲン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペンタエリトリトール脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ならびにこれらに類するものが挙げられる。医薬組成物またはワクチンは、例えば、免疫原性組成物と有害に反応しない、希釈剤、安定剤(例えば、糖およびアミノ酸)、保存薬、湿潤剤、乳化剤、pH緩衝剤、増粘用添加剤、滑沢剤、浸透圧に影響を与えるための塩、緩衝液、ビタミン、着色、着香、芳香物質、およびこれらに類するものを含む、助剤も含むことがある。
例えば液体製剤のための、薬学的に許容される担体は、水性または非水性の溶液、懸濁液、エマルジョン、または油であり得る。非水性溶媒としては、例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、および注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルが挙げられる。水性担体としては、例えば、水、アルコール性/水性の溶液、エマルジョンまたは懸濁液(生理食塩水および緩衝媒体を含む)が挙げられる。油の例としては、石油、動物、植物または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱物油、オリーブ油、ヒマワリ油および魚肝油が挙げられる。固体担体/希釈剤としては、例えば、ゴム、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン、アルファー化デンプン)、糖(例えば、ラクトース、マンニトール、スクロースもしくはデキストロース)、セルロース系材料(例えば、微結晶性セルロース)、アクリレート(例えば、ポリメチルアクリレート)、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、またはこれらの混合物が挙げられる。
必要に応じて、持続放出性または指向放出性医薬組成物またはワクチンを製剤化することができる。これは、例えば、活性化合物が(例えば、マイクロカプセル化、複数のコーティング、およびその他による)段階的分解性コーティングで保護されるリポソームまたは組成物の使用によって、遂行することができる。そのような組成物を即時放出用に製剤化してもよく、または徐放用に製剤化してもよい。組成物をフリーズドライし、得られた凍結乾燥物を(例えば、注射用製品の調製に)使用することも可能である。
本明細書で開示される免疫原性組成物、医薬組成物またはワクチンは、がんの予防または処置に有効な1つまたは複数のさらなる化合物も含むことができる。例えば、さらなる化合物は、化学療法に有用な化合物、例えば、アムサクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシル(5−FU)、ゲムシタビン、グリアデルインプラント、ヒドロキシカルバミド、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、リポソームドキソルビシン、リポソームダウノルビシン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル(Taxol)、ペメトレキセド、ペントスタチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、サトラプラチン、ストレプトゾシン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、テニポシド、チオテパ、チオグアニン、トポテカン、トレオスルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、またはこれらの組合せを含むことができる。さらなる化合物は、他の生物製剤も含むことができ、そのような生物製剤としては、HER2抗原に対するHerceptin(登録商標)(トラスツズマブ)、VEGFに対するAvastin(登録商標)(ベバシズマブ)、またはEGF受容体に対する抗体、例えば、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ)およびVectibix(登録商標)(パニツムマブ)が挙げられる。さらなる化合物は、例えば、さらなる免疫療法薬も含むことができる。
さらなる化合物は、免疫チェックポイント阻害剤アンタゴニスト、例えば、PD−1シグナル伝達経路阻害剤、CD−80/86およびCTLA−4シグナル伝達経路阻害剤、T細胞膜タンパク質3(TIM3)シグナル伝達経路阻害剤、アデノシンA2a受容体(A2aR)シグナル伝達経路阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)シグナル伝達経路阻害剤、キラー免疫グロブリン受容体(KIR)シグナル伝達経路阻害剤、CD40シグナル伝達経路阻害剤、または任意の他の抗原提示細胞/T細胞シグナル伝達経路阻害剤も、含むことができる。免疫チェックポイント阻害剤アンタゴニストの例としては、抗PD−L1/PD−L2抗体もしくはその断片、抗PD−1抗体もしくはその断片、抗CTLA−4抗体もしくはその断片、または抗B7−H4抗体もしくはその断片が挙げられる。さらなる化合物は、T細胞受容体共刺激分子、抗原提示細胞受容体に結合する共刺激分子、またはTNF受容体スーパーファミリーのメンバーと結合する抗体もしくはその機能的断片などの、T細胞刺激因子も含むことができる。T細胞受容体共刺激分子は、例えば、CD28またはICOSを含むことができる。抗原提示細胞受容体に結合する共刺激分子は、例えば、CD80受容体、CD86受容体、またはCD46受容体を含むことができる。TNF受容体スーパーファミリーメンバーは、例えば、グルココルチコイド誘導性TNF受容体(GITR)、OX40(CD134受容体)、4−1BB(CD137受容体)、またはTNFR25を含むことができる。例えば、WO2016100929、WO2016011362、およびWO2016011357を参照されたく、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により組み込まれる。
VIII.治療方法
本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌またはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、およびワクチンは、様々な方法に使用することができる。それらは、例えば、対象において抗腫瘍関連抗原免疫応答を誘導する方法に、対象において抗腫瘍もしくは抗がん免疫応答を誘導する方法に、対象における腫瘍もしくはがんを処置する方法に、対象における腫瘍もしくはがんを予防する方法に、または対象を腫瘍もしくはがんから保護する方法に使用することができる。それらは、エフェクターT細胞が腫瘍関連抗原に標的化される、対象の脾臓および腫瘍におけるエフェクターT細胞の調節性T細胞(Treg)に対する比を上昇させる方法に使用することもできる。それらは、対象における腫瘍関連抗原T細胞を増加させるための方法、腫瘍もしくはがんを有する対象の生存期間を延長するための方法、対象におけるがんの開始を遅延させるための方法、または対象における腫瘍もしくは転移サイズを低減させるための方法に使用することもできる。
対象において抗腫瘍関連抗原免疫応答を誘導する方法は、例えば、対象に、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチン(例えば、腫瘍関連抗原を含む組換え融合ポリペプチドを含むもの、または組換え融合ポリペプチドをコードする核酸を含むもの)を投与するステップを含むことができる。それによって抗腫瘍関連抗原免疫応答を対象において誘導することができる。例えば、組換えListeria株の場合、Listeria株は、融合ポリペプチドを発現することによって対象において免疫応答を惹起することができる。免疫応答は、例えば、T細胞応答、例えば、CD4+FoxP3−T細胞応答、CD8+T細胞応答、またはCD4+FoxP3−およびCD8+T細胞応答を含むことができる。そのような方法は、対象の脾臓および腫瘍微小環境におけるエフェクターT細胞の調節性T細胞(Treg)に対する比を上昇させて、対象においてより顕著な抗腫瘍応答を可能ならしめることもできる。
対象において抗腫瘍または抗がん免疫応答を誘導する方法は、例えば、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを対象に投与するステップを含むことができる。それによって抗腫瘍または抗がん免疫応答を対象において誘導することができる。例えば、組換えListeria株の場合、Listeria株は、融合ポリペプチドを発現することによって対象において抗腫瘍または抗がん応答を惹起することができる。
対象における腫瘍またはがんを処置する方法(例えば、腫瘍またはがんが、1つもしくは複数の腫瘍関連抗原を発現するか、または1つもしくは複数の反復性がん突然変異を有する)は、例えば、対象に、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを投与するステップを含むことができる。対象は、その後、1つもしくは複数の腫瘍関連抗原または1つもしくは複数の反復性がん突然変異を発現する腫瘍またはがんに対する免疫応答を開始し、それによって対象における腫瘍またはがんを処置することができる。
対象における腫瘍もしくはがんを予防するまたは対象が腫瘍もしくはがんを発症しないように保護する方法(例えば、腫瘍またはがんが、1つもしくは複数の腫瘍関連抗原または1つもしくは複数の反復性がん突然変異の発現と関連する)は、例えば、対象に、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを投与するステップを含むことができる。対象は、その後、1つもしくは複数の腫瘍関連抗原または1つもしくは複数の反復性がん突然変異に対する免疫応答を開始し、それによって腫瘍もしくはがんを予防することまたは対象が腫瘍もしくはがんを発症しないように保護することができる。
上記方法の一部では、2つまたはそれより多く(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20またはそれより多く)の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンが、投与される。例えば、第1のがん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドを含む第1のListeria株を投与することができ、第2のがん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドを含む第2のListeria株を投与することができる。複数の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを、任意の順序もしくは組合せで逐次的に投与することができ、または任意の組合せで同時に投与することができる。一例として、4つの異なるListeria株を投与することになる場合、それらを逐次的に投与することができ、それらを同時に投与することができ、またはそれらを任意の組合せで投与すること(例えば、第1の株と第2の株を同時に投与し、その後、第3の株と第4の株を同時に投与すること)ができる。必要に応じて、逐次投与の場合、組成物を同じ免疫応答中に、好ましくは、互いに0〜10または3〜7日以内に投与することができる。複数の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンは、それぞれが異なる抗原性ペプチドセットを含むことができる。あるいは、2つまたはそれより多くが、同じ抗原性ペプチドセット(例えば、異なる順序における同じ抗原性ペプチドセット)を含むことができる。複数の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンは、2つまたはそれより多くのがん関連タンパク質(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19もしくは20のがん関連タンパク質)に由来する抗原性ペプチドを含むことができる。加えて、複数の組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンの組合せは、約5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜120、120〜140、140〜160、160〜180、180〜200、200〜220、220〜240、240〜260、260〜280、280〜300、300〜320、320〜340、340〜360、360〜380、または380〜400の異なる抗原性ペプチドを含むことができる。
上記方法のいずれにおいても、反復性がん突然変異のいずれの組合せが、投与される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンに含まれていてもよい。反復性がん突然変異のそれぞれは、体細胞ミスセンス突然変異であることがあり、または反復性がん突然変異は、他の突然変異も含むことがある。例えば、一部の方法では、反復性がん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、体細胞ミスセンス突然変異である。一例として、抗原性ペプチドは、がん関連タンパク質において最も多く見られる2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の反復性がん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含むことがある。例えば、抗原性ペプチドは、がん関連タンパク質において最も多く見られる2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の反復性体細胞ミスセンスがん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含むことがある。別の例として、がん関連タンパク質の突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、投与される抗原性ペプチドの組合せに含まれるがん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する。例えば、がん関連タンパク質の体細胞ミスセンス突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、投与される抗原性ペプチドの組合せに含まれるがん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する。別の例として、抗原性ペプチドは、特定のタイプのがんにおいて最も多く見られる2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40の反復性がん突然変異または反復性体細胞ミスセンスがん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%を含むことがある。別の例として、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、投与される抗原性ペプチドの組合せに含まれる反復性がん突然変異を有する。例えば、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%は、投与される抗原性ペプチドの組合せに含まれる反復性がん突然変異を有する。特定の例では、抗原性ペプチドは、同じタイプのがんに由来する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59もしくは60の異なる反復性がん突然変異もしくは異なる反復性体細胞ミスセンス突然変異を含み、または抗原性ペプチドは、単一のタイプのがんに由来する2〜80、10〜60、10〜50、10〜40、もしくは10〜30の異なる反復性がん突然変異もしくは異なる反復性体細胞ミスセンス突然変異を含む。例えば、単一のタイプのがんは、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん(例えば、ER+乳がん)、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん(例えば、MSS結腸直腸がん)、または頭頸部がんであり得る。
上記方法のいずれも、投与するステップの前に1つまたは複数の反復性がん突然変異について対象をスクリーニングし、1つまたは複数の反復性がん突然変異を同定するステップ、そしてその後、対象において同定された1つまたは複数の反復性がん突然変異を含む、抗原性ペプチドを含む組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを、対象に投与するステップをさらに含むことができる。あるいは、対象が、1つまたは複数のがん関連タンパク質の反復性がん突然変異に関連するがんを有する場合、方法は、がんに関連する反復性がん突然変異を含む組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを対象に投与するステップを含むことができる。例えば、特定のがん関連タンパク質の突然変異が、特定のタイプのがんのすべての事例の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%もしくは99%に存在することもあり、またはがん関連タンパク質中の特定の残基(すなわち、ホットスポット(単数))もしくは残基のセット(すなわち、ホットスポット(複数))の突然変異が、特定のタイプのがんのすべての事例の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%もしくは99%に存在することもある。同様に、特定の反復性がん突然変異が、特定のタイプのがんのすべての事例(例えば、特定のタイプのがんを有するすべての対象)の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%に存在することもある。同様に、反復性がん突然変異の特定のセットが、特定のタイプのがんのすべての事例(例えば、特定のタイプのがんを有するすべての対象)の少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%に存在することもある。
がんは、典型的に非調節細胞成長および増殖によって特徴付けられる、哺乳動物における生理状態である。がんは、造血器悪性腫瘍または固形腫瘍(すなわち、前がん病変(pre-cancerous legions)を含む、過度の細胞成長または増殖の結果として生じる細胞塊)であることもある。転移性がんは、体内の最初に開始した位置から別の位置に拡散したがんを指す。転移性がん細胞により形成される腫瘍は、転移性腫瘍または転移と呼ばれ、転移は、がん細胞が他の体部に拡散するプロセスを指すためにも使用される用語である。一般に、転移性がんは、元の、または原発性の、がんと同じ名称および同じタイプのがん細胞を有する。固形腫瘍の例としては、黒色腫、癌腫、芽腫および肉腫が挙げられる。血液学的悪性腫瘍は、例えば、白血病またはリンパ系悪性腫瘍、例えばリンパ腫を含む。がんの例示的なカテゴリーには、脳がん、乳がん、消化器がん、泌尿生殖器がん、婦人科がん、頭頸部がん、ヘムがん、皮膚がんおよび胸部がんカテゴリーが含まれる。脳悪性腫瘍は、例えば、神経膠芽腫、高悪性度橋神経膠腫、低悪性度神経膠腫、髄芽腫、神経芽腫、および毛様細胞性星細胞腫を含む。消化器がんは、例えば、結腸直腸がん、胆嚢がん、肝細胞がん、膵臓がん、PNET、胃のがんおよび食道がんを含む。尿生殖器がんは、例えば、副腎皮質がん、膀胱がん、嫌色素性腎臓がん、腎(明細胞)がん、腎(乳頭)がん、ラブドイドがん、および前立腺がんを含む。婦人科がんは、例えば、子宮癌肉腫、子宮内膜がん、漿液性卵巣がん、および子宮頸がんを含む。頭頸部がんは、例えば、甲状腺がん、上咽頭がん、頭頸部がん、および腺様嚢胞がんを含む。ヘムがんは、例えば、多発性骨髄腫、脊髄形成異常、マントル細胞リンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、非リンパ腫、慢性リンパ球性白血病(CLL)、および急性骨髄性白血病(AML)を含む。皮膚がんは、例えば、皮膚黒色腫および扁平上皮癌を含む。胸部がんは、例えば、扁平上皮肺がん、小細胞肺がん、および肺腺癌を含む。
そのようながんのより詳細な例としては、扁平上皮がんまたは癌(例えば、口腔扁平上皮癌)、骨髄腫、口腔がん、若年性鼻咽喉血管線維腫、神経内分泌腫瘍、肺がん、腹膜がん、肝細胞がん、胃のがんまたは胃がん(消化器がんを含む)、膵臓がん、神経膠腫、神経膠芽腫、グリア系腫瘍、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん、膀胱がん、ヘパトーマ、肝細胞癌、乳がん、トリプルネガティブ乳がん、結腸がん、直腸がん、結腸直腸がん、子宮内膜がんまたは子宮がんもしくは癌、唾液腺癌、腎臓または腎がん(例えば、腎細胞癌)、前立腺がん、外陰部がん、甲状腺がん、肝癌、肛門癌、陰茎癌、線維肉腫、胆嚢がん、骨肉腫、中皮腫、および頭頸部がんが挙げられる。がんはまた、脳がんまたは別のタイプのCNSもしくは頭蓋内腫瘍であってもよい。例えば、対象は、星細胞系腫瘍(例えば、星細胞腫、未分化星細胞腫、神経膠芽腫、毛様細胞性星細胞腫、上衣下巨細胞性星細胞腫、多形黄色星細胞腫)、乏突起膠細胞系腫瘍(例えば、乏突起神経膠腫、退形成性乏突起神経膠腫)、上衣細胞腫瘍(例えば、上衣腫、退形成性上衣腫、粘液乳頭状上衣腫、上衣下腫)、混合型神経膠腫(例えば、混合型乏突起星細胞腫、退形成性乏突起星細胞腫)、原因不明の神経上皮腫瘍(例えば、極性海綿芽腫、星状芽細胞腫、大脳神経膠腫症)、脈絡叢の腫瘍(例えば、脈絡叢乳頭腫、脈絡叢癌)、神経細胞性もしくは混合神経細胞膠細胞性腫瘍(例えば、神経節細胞腫、小脳異形成性神経節細胞腫、神経節膠腫、退形成性神経節膠腫、線維形成性乳児神経節腫、中枢性神経細胞腫、胚芽異形成性神経上皮腫瘍、嗅神経芽腫)、松果体実質腫瘍(例えば、松果体細胞腫、松果体芽腫、松果体細胞腫/松果体芽腫混合型)、または混合神経細胞性もしくは神経芽細胞性要素を有する腫瘍(例えば、髄上皮腫、膠芽腫、神経芽腫、網膜芽腫、上衣芽腫)を有し得る。がんの他の例としては、低悪性度神経膠腫、非小細胞肺がん(NSCLC)、エストロゲン受容体陽性(ER+)乳がん、およびDNAミスマッチ修復欠損がんまたは腫瘍が挙げられる。がんは、エストロゲンの受容体を有する場合、エストロゲン受容体陽性と呼ばれる。がんの別の例は、マイクロサテライト安定性(MSS)結腸直腸がんである。
用語「処置する」または「処置すること」は、その目的が標的腫瘍またはがんを予防または緩和することである、治療的処置と予防的もしくは予防対策(prophylactic or preventative measures)の両方を指す。処置することは、腫瘍もしくはがんに直接影響を及ぼすこと、もしくはそれを直接治癒させること、抑制すること、阻害すること、予防すること、その重症度を低下させること、その開始を遅延させること、その進行を緩徐化すること、その進行を安定させること、その寛解を誘導すること、その転移を予防するもしくは遅延させること、それに関連する症状を軽減/改善することの1つもしくは複数、またはこれらの組合せを含むことができる。例えば、処置することは、予想生存期間を延長することを含むこともあり、または腫瘍もしくは転移サイズを減少させることを含むこともある。効果(例えば、抑制する、阻害する、予防する、その重症度を低下させる、その開始を遅延させる、その進行を緩徐化する、その進行を安定させる、その寛解を誘導する、その転移を予防するまたは遅延させる、その症状を軽減/改善する、およびその他の効果)は、処置を受けていないまたはプラセボ処置を受けている対照対象と比較してのものであり得る。用語「処置する」または「処置すること」は、腫瘍またはがんを有する対象について(例えば、処置を受けていないまたはプラセボ処置を受けている対照対象と比較して)生存の可能性パーセントを増すことまたは予想生存期間を延長することを指すこともできる。一例では、「処置すること」は、(例えば、処置を受けていないまたはプラセボ処置を受けている対照対象と比較して)進行を遅延させること、寛解を促進すること、寛解を誘導すること、寛解を増加させること、回復を加速させること、代替療法の有効性を増大させること、代替療法に対する抵抗性を低下させること、またはこれらの組合せを指す。用語「予防すること」または「遅らせること」は、例えば、症状の開始を遅延させること、腫瘍もしくはがんの再発を予防すること、再発エピソードの数もしくは頻度を減少させること、症候性エピソード間の潜伏期間を延長すること、腫瘍もしくはがんの転移を予防すること、またはこれらの組合せを指すことができる。用語「抑制すること」または「阻害すること」は、例えば、症状の重症度を低下させること、急性エピソードの重症度を低下させること、症状の数を低減させること、疾患関連症状の発生率を低下させること、症状の潜伏期間を短縮すること、症状を改善すること、二次症状を軽減すること、二次感染を低減させること、患者生存期間を延長すること、またはこれらの組合せを指すことができる。
用語「対象」は、腫瘍もしくはがんの治療を必要としている、または腫瘍もしくはがんを発症しやすい、哺乳動物(例えば、ヒト)を指す。用語対象は、予防的処置または治療的処理のいずれかを受ける哺乳動物(例えば、ヒト)も指す。対象は、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラット、マウス、非ヒト哺乳動物、およびヒトを含むことができる。用語「対象」は、あらゆる点で健常であり、がんもしくは腫瘍を有さないか、またはがんもしくは腫瘍の徴候を示さない個体を、必ずしも除外するとは限らない。
個体は、リスク因子(例えば、遺伝的、生化学的、家族歴、および状況的曝露)であって、そのリスク因子を有する個体が腫瘍またはがんを発症するリスクを、そのリスク因子を有さない個体より統計学的に有意に高くすることが公知のリスク因子を少なくとも1つ対象が有する場合、腫瘍またはがんを発症するリスクが高い。
「症状」または「徴候」は、医師によって観察されるような疾患の客観的証拠、または対象によって知覚されるような疾患の主観的証拠、例えば歩行の変化を指す。症状または徴候は、疾患の何らかの所見であり得る。症状は、初発症状であることもあり、二次症状であることもある。用語「初発」は、特定の疾患または障害(例えば、腫瘍またはがん)の直接的結果である症状を指し、その一方で用語「二次」は、初発の原因に由来するまたはその結果として生じる症状を指す。本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、免疫原性組成物、医薬組成物、およびワクチンは、初発もしくは二次症状または二次性合併症を処置することができる。
組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンは、腫瘍もしくはがんの発生を遅延させる、その重症度を低下させる、そのさらなる悪化を阻害する、および/またはその少なくとも1つの徴候もしくは症状を改善する、投薬量、投与経路および投与頻度を意味する、有効な投与計画で投与される。あるいは、組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンは、組換え融合ポリペプチド(または核酸によりコードされる組換え融合ポリペプチド)、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチン中の異種抗原に対する免疫応答を誘導する、あるいは組換え菌またはListeria株の場合、その菌またはListeria株自体に対する免疫応答を誘導する、投薬量、投与経路および投与頻度を意味する、有効な投与計画で投与される。対象が既に腫瘍またはがんに罹患している場合、その投与計画を治療的に有効な投与計画と呼ぶことができる。対象が、一般集団と比較して腫瘍またはがんを発症するリスクが高いがまだ症状を経験していない場合、その投与計画を予防的に有効な投与計画と呼ぶことができる。一部の事例では、個々の患者において、歴史的対照と比較して、または同じ患者における過去の経験と比較して、治療的または予防的有効性を観察することができる。他の事例では、前臨床または臨床試験で、処置を受けた患者の集団において、未処置の患者の対照集団と比較して治療的または予防的有効性を実証することができる。例えば、処置を受けた個々の患者が、本明細書に記載されている方法による処置を受けていない比較対象患者の対照集団における平均成績より好ましい成績を達成した場合、あるいはより好ましい成績が、処置を受けた患者において、対照臨床試験(例えば、第II相、第II/III相または第III相試験)で、p<0.05もしくは0.01またはさらには0.001レベルで実証された場合、投与計画を治療的にまたは予防的に有効と見なすことができる。
組換えListeria株についての例示的投薬量は、例えば、1×106〜1×107CFU、1×107〜1×108CFU、1×108〜3.31×1010CFU、1×109〜3.31×1010CFU、5〜500×108CFU、7〜500×108CFU、10〜500×108CFU、20〜500×108CFU、30〜500×108CFU、50〜500×108CFU、70〜500×108CFU、100〜500×108CFU、150〜500×108CFU、5〜300×108CFU、5〜200×108CFU、5〜15×108CFU、5〜100×108CFU、5〜70×108CFU、5〜50×108CFU、5〜30×108CFU、5〜20×108CFU、1〜30×109CFU、1〜20×109CFU、2〜30×109CFU、1〜10×109CFU、2〜10×109CFU、3〜10×109CFU、2〜7×109CFU、2〜5×109CFU、および3〜5×109CFUである。組換えListeria株についての他の例示的投薬量は、例えば、1×107生物、1.5×107生物、2×108生物、3×107生物、4×107生物、5×107生物、6×107生物、7×107生物、8×107生物、10×107生物、1.5×108生物、2×108生物、2.5×108生物、3×108生物、3.3×108生物、4×108生物、5×108生物、1×109生物、1.5×109生物、2×109生物、3×109生物、4×109生物、5×109生物、6×109生物、7×109生物、8×109生物、10×109生物、1.5×1010生物、2×1010生物、2.5×1010生物、3×1010生物、3.3×1010生物、4×1010生物、および5×1010生物である。投薬量は、患者の状態、および以前の処置がもしあれば、その処置が予防的であろうと治療的であろうと、その以前の処置に対する応答、ならびに他の要因に依存し得る。
投与は、いずれの好適な手段による投与であってもよい。例えば、投与は、非経口、静脈内、経口、皮下、動脈内、頭蓋内、髄腔内、脳室内、腹腔内、局所、鼻腔内、筋肉内、眼内、直腸内、結膜、経皮、皮内、経膣、直腸、腫瘍内、側癌、経粘膜、血管内、心室内、吸入(エアロゾル)、鼻吸引(スプレー)、舌下、エアロゾル、坐剤、またはこれらの組合せであり得る。吸入による鼻腔内投与または適用には、適切な担体の存在下で混合され、エアロゾル化または霧化される、組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンの溶液または懸濁液が、好適である。そのようなエアロゾルは、本明細書に記載されているいずれの組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを含んでもよい。投与はまた、坐剤(例えば、肛門坐剤または尿道坐剤)の形態であってもよく、皮下埋込み用の(例えば、ある期間にわたって制御放出をもたらす)ペレットの形態であってもよく、またはカプセルの形態であってもよい。投与はまた、腫瘍部位へのまたは腫瘍への注射による投与であってもよい。投与レジメンは、処置されることになる腫瘍またはがんの正確な性質およびタイプ、腫瘍またはがんの重症度、対象の年齢および全身の健康状態、対象の体重、個々の対象の応答ならびにこれらに類するものなどの要因に基づいて、容易に決定することができる。
投与頻度は、数ある要因の中でも特に、対象における組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、もしくはワクチンの半減期、対象の状態、および投与経路に依存し得る。頻度は、例えば、対象の状態の変化または処置されることになる腫瘍もしくはがんの進行に応じて、毎日、週1回、月1回、年4回、または不定期間隔であり得る。処置コースは、対象の状態および他の要因に依存し得る。例えば、処置コースは、数週間、数カ月、または数年(例えば、2年以下)であり得る。例えば、腫瘍退縮、または腫瘍成長の抑制を果たすために、初回処置コースの直後にまたは数日、数週間もしくは数カ月の時間を置いた後に反復投与(用量)を始めてもよい。診断方法、例えばイメージング技術、血清腫瘍マーカー、生検または腫瘍関連症状の存在、非存在もしくは改善の分析を含む、任意の公知の技術によって、評定を決定することができる。具体例として、組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを、2年以下にわたって3週間ごとに投与することができる。一例では、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンは、エフェクターT細胞対調節性T細胞比を上昇させ、より強力な抗腫瘍免疫応答を生じさせるために、漸増用量で投与される。抗腫瘍免疫応答は、例えば、IFN−γ、TNF−α、および細胞免疫応答を増強することが公知の他のサイトカインを含む、サイトカインを対象に提供することにより、さらに強化することができる。例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるUS6,991,785を参照されたい。
一部の方法は、さらなる組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンで、対象を「ブーストする」ステップ、あるいは組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンを複数回投与するステップをさらに含むことができる。「ブーストすること」は、対象にさらなる用量を投与することを指す。例えば、一部の方法では、2回のブースト(または合計3回の接種)が投与され、3回のブーストが投与され、4回のブーストが投与され、5回のブーストが投与され、または6回もしくはそれより多くのブーストが投与される。投与される投薬数は、例えば、処置に対する腫瘍またはがんの応答に依存し得る。
必要に応じて、ブースター接種に使用される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンは、最初の「プライミング」接種に使用される組換え融合ポリペプチド、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンと同じである。あるいは、ブースター組換え融合ポリペプチド、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンは、プライミング用組換え融合ポリペプチド、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンとは異なる。必要に応じて、同じ投薬量が、プライミングおよびブースト接種に使用される。あるいは、より多い投薬量がブースターに使用され、またはより少ない投薬量がブースターに使用される。プライミング接種とブースト接種間の期間は、実験に基づいて決定することができる。例えば、プライミング接種とブースト接種間の期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6〜8週間、または8〜10週間であり得る。
異種プライム・ブースト戦略は、非常に多くの病原体に対する免疫応答および保護の増強に効果をあげている。例えば、Schneiderら(1999年)Immunol. Rev.170巻:29〜38頁;Robinson(2002年)Nat. Rev. Immunol.2巻:239〜250頁;Gonzaloら(2002年)Vaccine 20巻:1226〜1231頁;およびTanghe(2001年)Infect. Immun.69巻:3041〜3047頁を参照されたく、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。プライム注射とブースト注射で異なる形態の抗原を提供することで、抗原に対する免疫応答を最大化することができる。DNAワクチンでのプライミング、続いてのアジュバント中のタンパク質でのブーストまたはDNAをコードする抗原のウイルスベクター送達によるブーストは、抗原特異的抗体およびCD4+T細胞応答またはCD8+T細胞応答を向上させる1つの有効な方法である。例えば、Shiverら(2002年)Nature 415巻:331〜335頁;Gilbertら(2002年)Vaccine 20巻:1039〜1045頁;Billaut-Mulotら(2000年)Vaccine 19巻:95〜102頁;およびSinら(1999年)DNA Cell Biol.18巻:771〜779頁を参照されたく、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。一例として、対象に、DNAプライムのワクチン接種を施し、その後、抗原を発現するアデノウイルスベクターでのブーストのワクチン接種を施す場合、抗原をコードするDNAにCRL1005ポロクサマー(12kDa、5%POE)を加えることで、T細胞応答を増強することができる。例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるShiverら(2002年)Nature 415巻:331〜335頁を参照されたい。別の例として、抗原の免疫原性部分および抗原の免疫原性部分を含むタンパク質をコードする、ベクター構築物を投与することができる。例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるUS2002/0165172を参照されたい。同様に、核酸ワクチン接種に対する免疫応答を、目的のポリヌクレオチドおよびポリペプチドの(例えば、同じ免疫応答中の、好ましくは、互いに0〜10または3〜7日以内の)同時投与によって増強することができる。例えば、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれるUS6,500,432を参照されたい。
本明細書で開示される治療方法は、がんの予防または処置に有効な1つまたは複数のさらなる化合物を投与するステップも含むことができる。例えば、さらなる化合物は、化学療法に有用な化合物、例えば、アムサクリン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クロファラビン、クリサンタスパーゼ、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシル(5−FU)、ゲムシタビン、グリアデルインプラント、ヒドロキシカルバミド、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、ロイコボリン、リポソームドキソルビシン、リポソームダウノルビシン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル(Taxol)、ペメトレキセド、ペントスタチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、サトラプラチン、ストレプトゾシン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、テニポシド、チオテパ、チオグアニン、トポテカン、トレオスルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、またはこれらの組合せを含むことができる。あるいは、さらなる化合物は、他の生物製剤も含むことができ、そのような生物製剤としては、HER2抗原に対するHerceptin(登録商標)(トラスツズマブ)、VEGFに対するAvastin(登録商標)(ベバシズマブ)、またはEGF受容体に対する抗体、例えば、Erbitux(登録商標)(セツキシマブ)およびVectibix(登録商標)(パニツムマブ)が挙げられる。あるいは、さらなる化合物は、他の免疫療法薬を含むことができる。あるいは、さらなる化合物は、インドールアミン2,3−ジオキシゲナーゼ(IDO)経路阻害剤、例えば、1−メチルトリプトファン(1MT)、1−メチルトリプトファン(1MT)、ネクロスタチン−1、ピリドキサールイソニコチノイルヒドラゾン、エブセレン、5−メチルインドール−3−カルボキシアルデヒド、CAY10581、抗IDO抗体、または小分子IDO阻害剤であってもよい。IDO阻害は、化学療法剤の有効性を増強することができる。本明細書で開示される治療方法は、放射線、幹細胞処置、外科手術または任意の他の処置と組み合わせることもできる。
そのようなさらなる化合物または処置は、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンの投与に先行してもよく、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンの投与の後に続いてもよく、あるいは本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンの投与と同時であってもよい。
標的免疫調節療法は、例えば、4−1BB、OX40およびGITR(グルココルチコイド誘導性TNF受容体関連)を含む腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーのメンバーを標的とするアゴニスト抗体の使用による、共刺激受容体の活性化に主眼をおいている。GITRのモジュレーションは、抗腫瘍設定でもワクチン設定でも可能性を実証してきた。アゴニスト抗体の別の標的は、T細胞活性化のための共刺激シグナル分子である。共刺激シグナル分子の標的化は、T細胞の活性化増強およびより強力な免疫応答の促進につながり得る。共刺激は、チェックポイント阻害からの阻害的影響の防止、および抗原特異的T細胞増殖の増加にも役立ち得る。
Listeriaに基づく免疫療法は、腫瘍に浸潤して腫瘍を破壊する腫瘍抗原特異的T細胞の新規生成を誘導することにより、ならびに腫瘍微小環境における免疫抑制性調節性T細胞(Treg)および骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)の数および活性を低下させることにより作用する。T細胞共阻害または共刺激受容体(例えば、チェックポイント阻害剤CTLA−4、PD−1、TIM−3、LAG3ならびに共刺激因子CD137、OX40、GITRおよびCD40)に対する抗体(またはその機能的断片)には、Listeriaに基づく免疫療法との相乗作用があり得る。
したがって、一部の方法は、PD−1シグナル伝達経路阻害剤、CD−80/86およびCTLA−4シグナル伝達経路阻害剤、T細胞膜タンパク質3(TIM3)シグナル伝達経路阻害剤、アデノシンA2a受容体(A2aR)シグナル伝達経路阻害剤、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)シグナル伝達経路阻害剤、キラー免疫グロブリン受容体(KIR)シグナル伝達経路阻害剤、CD40シグナル伝達経路阻害剤または任意の他の抗原提示細胞/T細胞シグナル伝達経路阻害剤などの、免疫チェックポイント阻害剤アンタゴニストを含む組成物を投与するステップをさらに含むことができる。免疫チェックポイント阻害剤アンタゴニストの例としては、抗PD−L1/PD−L2抗体もしくはその断片、抗PD−1抗体もしくはその断片、抗CTLA−4抗体もしくはその断片、または抗B7−H4抗体もしくはその断片が挙げられる。例えば、抗PD−1抗体を、対象に、2週間ごとに5〜10mg/kg、3週間ごとに5〜10mg/kg、3週間ごとに1〜2mg/kg、毎週1〜10mg/kg、2週間ごとに1〜10mg/kg、3週間ごとに1〜10mg/kg、または4週間ごとに1〜10mg/kgで投与することができる。
同様に、一部の方法は、T細胞受容体共刺激分子、抗原提示細胞受容体に結合する共刺激分子、またはTNF受容体スーパーファミリーのメンバーと結合する抗体もしくはその機能的断片などの、T細胞刺激因子を投与するステップをさらに含むことができる。T細胞受容体共刺激分子は、例えば、CD28またはICOSを含むことができる。抗原提示細胞受容体に結合する共刺激分子は、例えば、CD80受容体、CD86受容体、またはCD46受容体を含むことができる。TNF受容体スーパーファミリーメンバーは、例えば、グルココルチコイド誘導性TNF受容体(GITR)、OX40(CD134受容体)、4−1BB(CD137受容体)、またはTNFR25を含むことができる。
例えば、一部の方法は、T細胞受容体共刺激分子と結合する抗体もしくはその機能的断片、または共刺激分子に結合する抗原提示細胞受容体と結合する抗体もしくはその機能的断片を含む組成物の有効量を投与するステップをさらに含むことができる。抗体は、例えば、抗TNF受容体抗体もしくはその抗原結合性断片(例えば、TNF受容体スーパーファミリーメンバーグルココルチコイド誘導性TNF受容体(GITR)、OX40(CD134受容体)、4−1BB(CD137受容体)、またはTNFR25)、抗OX40抗体もしくはその抗原結合性断片、または抗GITR抗体もしくはその抗原結合性断片であり得る。あるいは、他のアゴニスト分子(例えば、GITRL、GITRLの活性断片、GITRLを含有する融合タンパク質、GITRLの活性断片を含有する融合タンパク質、抗原提示細胞(APC)/T細胞アゴニスト、CD134またはそのリガンドもしくは断片、CD137またはそのリガンドもしくは断片、あるいは誘導性T細胞共刺激(ICOS)またはそのリガンドもしくは断片、あるいはアゴニスト小分子)を投与することができる。
具体例では、一部の方法は、抗CTLA−4抗体もしくはその機能的断片および/または抗CD137抗体もしくはその機能的断片を投与するステップをさらに含むことができる。例えば、抗CTLA−4抗体もしくはその機能的断片または抗CD137抗体もしくはその機能的断片を、組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンの初回用量の約72時間後に、あるいは組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換え菌もしくはListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンの初回用量の約48時間後に投与することができる。抗CTLA−4抗体もしくはその機能的断片または抗CD137抗体もしくはその機能的断片を、例えば、約0.05mg/kgおよび約5mg/kgの用量で、投与することができる。組換えListeria株、または組換えListeria株を含む免疫原性組成物を、例えば、約1×109CFUの用量で投与することができる。一部のそのような方法は、抗PD−1抗体またはその機能的断片の有効量を投与するステップをさらに含むことができる。
がん免疫療法の有効性を評定するための方法は周知であり、例えば、Dzojicら(2006年)Prostate 66巻(8号):831〜838頁;Naruishiら(2006年)Cancer Gene Ther.13巻(7号):658〜663頁、Sehgalら(2006年)Cancer Cell Int.6巻:21頁、およびHeinrichら(2007年)Cancer Immunol Immunother 56巻(5号):725〜730頁に記載されており、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。一例として、前立腺がんについては、本明細書で開示される方法および組成物を検査するための、前立腺がんモデル、例えば、TRAMP−C2マウスモデル、178−2 BMA細胞モデル、PAIII腺癌細胞モデル、PC−3Mモデル、または任意の他の前立腺がんモデルが存在し得る。
あるいは、または加えて、免疫療法をヒト対象で検査することができ、公知の方法を使用して有効性をモニターすることができる。そのような方法は、例えば、CD4+およびCD8+T細胞応答を直接測定するステップ、または疾患進行を(例えば、腫瘍転移の数もしくはサイズを判定すること、または疾患症状、例えば咳、胸痛、体重減少およびその他をモニターすることにより)測定するステップを含むことができる。ヒト対象におけるがん免疫療法の有効性を評定するための方法は周知であり、例えば、Uenakaら(2007年)Cancer Immun.7巻:9頁、およびThomas-Kaskelら(2006年)Int J Cancer 119巻(10号):2428〜2434頁に記載されており、これらのそれぞれは、その全体があらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。
IX.キット
本明細書で開示される方法を行う際に利用される試薬を含むキット、または本明細書で開示される組成物、ツールもしくは器具を含むキットも、提供される。
例えば、そのようなキットは、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチド、本明細書で開示される組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、本明細書で開示される組換え菌もしくはListeria株、本明細書で開示される免疫原性組成物、本明細書で開示される医薬組成物、または医薬組成物ワクチンを含むことができる。そのようなキットは、本明細書で開示される方法を行うための組換え融合ポリペプチド、組換え融合ポリペプチドをコードする核酸、組換えListeria株、免疫原性組成物、医薬組成物、またはワクチンの使用を記載する説明資料をさらに含むことができる。そのようなキットは、アプリケーターを必要に応じてさらに含むことができる。モデルキットが下で記載されるが、他の有用なキットの内容は、本開示に照らせば明白であろう。
上記または下記で引用されるすべての特許出願、ウェブサイト、他の公表文献、受託番号およびこれらに類するものは、それら全体があらゆる目的で参照により組み込まれ、この組み込みは、それぞれの個々の事柄が参照によりそのように組み込まれると具体的にかつ個々に示されている場合と同程度のものである。異なるバージョンの配列が、異なる時点で、ある受託番号に結び付けられたとしても、本出願の有効出願日の時点でその受託番号に結び付けられるバージョンのつもりで述べている。有効出願日とは、利用可能な場合には受託番号を参照して、実際の出願日または優先権出願の出願日のどちらか早いほうの日を意味する。同様に、異なるバージョンの公表文献、ウェブサイトまたはこれらに類するものが、異なる時点で公表されていたとしても、別段の指示がない限り、本出願の有効出願日の最も近日に公表されたバージョンのつもりで述べている。別段の具体的な指示がない限り、本発明のいずれの特徴、ステップ、要素、実施形態または態様を、いずれの他のものと組み合わせて使用してもよい。明確化および理解を目的として図示および例によりある程度詳細に本発明を記載してきたが、ある特定の変更および修飾を添付の特許請求の範囲に記載の範囲内で行うことができることは明らかであろう。
実施形態の一覧
本明細書において開示される主題は以下の実施形態を含むが、これらに限定されない。
実施形態1。融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組換えListeria株であって、融合ポリペプチドが、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドに融合したPEST含有ペプチドを含み、各抗原性ペプチドが、反復性がん突然変異を含み、抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、異なる反復性がん突然変異を含み、かつ同じがん関連タンパク質の断片である、組換えListeria株。
実施形態2。各抗原性ペプチドが、がん関連タンパク質の断片であり、約5〜100、15〜50、または21〜27アミノ酸長である、実施形態1に記載の組換えListeria株。
実施形態3。各抗原性ペプチドが、各側に同数のアミノ酸が隣接している反復性がん突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態4。各抗原性ペプチドが、各側に少なくとも10個または少なくとも13個のアミノ酸が隣接している反復性がん突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態5。2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドが、介在配列なしで直接互いに融合している、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態6。2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドが、ペプチドリンカーを介して互いに連結している、実施形態1から4のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態7。配列番号310〜319に示されるリンカーのうちの1つまたは複数が、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドを連結するために使用されている、実施形態6に記載の組換えListeria株。
実施形態8。融合ポリペプチドのいかなる領域も、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりハイドロパシーをスコアリングしたとき、約1.6のカットオフを超えるスコアを有しない、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態9。融合ポリペプチドが、同じがん関連タンパク質に由来する少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の抗原性ペプチド、または同じがん関連タンパク質に由来する3〜40個の抗原性ペプチドを含むか、あるいは、融合ポリペプチドが、同じがん関連タンパク質に由来する少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の不連続抗原性ペプチド、または同じがん関連タンパク質に由来する2〜40個の不連続抗原性ペプチドを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態10。抗原性ペプチドが、がん関連タンパク質における、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の最もよく見られる反復性がん突然変異を含む、実施形態9に記載の組換えListeria株。
実施形態11。抗原性ペプチドが、がん関連タンパク質における、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の最もよく見られる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含む、実施形態10に記載の組換えListeria株。
実施形態12。がん関連タンパク質に突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%が、組換えListeria株における抗原性ペプチドの組合せに含まれる、がん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態13。がん関連タンパク質に体細胞ミスセンス突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%が、組換えListeria株における抗原性ペプチドの組合せに含まれる、がん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態14。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つにおける反復性がん突然変異が、同じがん関連タンパク質に由来し、かつ、天然に共存しない、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態15。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、同じがん関連タンパク質の重複断片である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態16。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つにおける反復性がん突然変異が、同じがん関連タンパク質に由来し、かつがん関連タンパク質の同じアミノ酸残基において生じる、実施形態15に記載の組換えListeria株。
実施形態17。融合ポリペプチドが、単一の抗原性ペプチドの2つもしくはそれよりも多くのコピーを含むか、または抗原性ペプチドのうちの2つが、同じ反復性がん突然変異を含む、実施形態16に記載の組換えListeria株。
実施形態18。各抗原性ペプチドが、異なる反復性がん突然変異を含む、実施形態1から16のいずれか1つに記載の組換えListeria。
実施形態19。融合ポリペプチドにおける各反復性がん突然変異が、体細胞ミスセンス突然変異である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態20。抗原性ペプチドが、がん関連タンパク質および1つまたは複数のさらなるタンパク質に由来する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態21。がん関連タンパク質が、発癌性タンパク質または腫瘍抑制タンパク質である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態22。がん関連タンパク質が、次のヒト遺伝子:TP53、PIK3CA、APC、CTNNB1、CDKN2A、NFE2L2、BRAF、KRAS、EGFR、ERBB2、SF3B1、FBXW7、PIK3R1、SMAD4、SPOP、PTPN11、NRAS、PTEN、HRAS、U2AF1、ERBB3、FGFR3、ARID1A、MAP2K1、FGFR2、RHOA、MTOR、BCL2L12、RAC1、IDH2、H3F3A、PPP2R1A、POLE、ATM、EP300、ALK、RQCD1、GPRIN2、THSD7B、CDK4、NUP93、CCND1、FGFR1、MAX、VHL、ACVR1、MEF2A、MYC、FRMD6、SRC、KIT、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、GATA3、AKT1、MAP3K1、MAP2K4、KMT2C、FAT1、PBRM1、SETD2、CREBBP、RB1、SMARCA4、CHD4、FLT3、ARID2、CDH1、DNMT3A、ARHGAP35、BCOR、CTCF、KDM5C、KDM6A、CASP8、ASXL1、RASA1、RUNX1、NPM1、CDKN1B、HLA−A、B2M、RPL5、MYD88、CBFBおよびGPS2のうちの1つによってコードされるか、または、がん関連タンパク質が、次のヒト遺伝子:TP53、PIK3CA、APC、CTNNB1、CDKN2A、NFE2L2、BRAF、KRAS、EGFR、ERBB2、SF3B1、FBXW7、PIK3R1、SMAD4、SPOP、PTPN11、NRAS、PTEN、HRAS、U2AF1、ERBB3、FGFR3、ARID1A、MAP2K1、FGFR2、RHOA、MTOR、BCL2L12、RAC1、IDH2、H3F3A、PPP2R1A、POLE、ATM、EP300、ALK、RQCD1、GPRIN2、THSD7B、CDK4、NUP93、CCND1、FGFR1、MAX、VHL、ACVR1、MEF2A、MYC、FRMD6、SRC、KIT、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、GATA3、AKT1、MAP3K1、MAP2K4、KMT2C、FAT1、PBRM1、SETD2、CREBBP、RB1、SMARCA4、CHD4、FLT3、ARID2、CDH1、DNMT3A、ARHGAP35、BCOR、CTCF、KDM5C、KDM6A、CASP8、ASXL1、RASA1、RUNX1、NPM1、CDKN1B、HLA−A、B2M、RPL5、MYD88、CBFB、GPS2、AHNAK2、ANKRD36C、CHEK2、KRTAP4−11、RGPD8、FAM47CおよびZANのうちの1つによってコードされる、実施形態1から19のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態23。がん関連タンパク質が、次の遺伝子:BRAF、EGFR、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、KRAS、TP53、APC、FBXW7、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、CDKN2A、NFE2L2、SPOP、GATA3、AKT1、MAP3K1およびMAP2K4のうちの1つによってコードされるか、または、がん関連タンパク質が、次の遺伝子:BRAF、EGFR、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、KRAS、TP53、APC、FBXW7、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、CDKN2A、NFE2L2、SPOP、GATA3、AKT1、MAP3K1、MAP2K4、AHNAK2、ANKRD36C、CHEK2、KRTAP4−11、RGPD8、FAM47CおよびZANのうちの1つによってコードされる、実施形態22に記載の組換えListeria株。
実施形態24。がん関連タンパク質が、BRAFによってコードされ、抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:G466E、G466V、G469A、G469R、G469S、G469V、V600E、およびV600Kのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態25。融合ポリペプチドが、次のN末端側からC末端側への順序のうちの1つにおいて、次の反復性がん突然変異:(a)G469V、G469R、V600E、G469S、G466V、V600K、G469A、およびG466E、(b)V600K、G469R、G469V、G466V、G466E、V600E、G469A、およびG469S、(c)G469V、V600K、G469S、G466V、G469A、V600E、G466E、およびG469R、ならびに(d)V600E、V600K、G469A、G469S、G469R、G469V、G466V、およびG466Eを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態24に記載の組換えListeria株。
実施形態26。融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、配列番号2、8、14、および20のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態25に記載の組換えListeria株。
実施形態27。抗原性ペプチドの組合せをコードするオープンリーディングフレームの部分が、配列番号1、7、13、および19のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態26に記載の組換えListeria株。
実施形態28。がん関連タンパク質が、EGFRによってコードされ、抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:R108K、A289V、G598V、E709A、E709K、G719A、G719C、G719S、L747P、L747S、S768I、T790M、L833V/H835L、T833V、L858R、およびL861Qのうちの2つまたはそれよりも多くを含む、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態29。融合ポリペプチドが、次のN末端側からC末端側への順序のうちの1つにおいて、次の反復性がん突然変異:(a)G719S;L747P;G719C;R108K;S768I;L833V/H835L;T833V;E709A;G598V;T790M;E709K;A289V;L861Q;G719A;L747SおよびL858R;(b)T790M;S768I;G719C;R108K;L747P;G719A;L747S;E709K;T833V;L861Q;E709A;L858R;G598V;A289V;L833V/H835LおよびG719S;(c)R108K;T833V;L747S;T790M;G719C;A289V;L858R;E709A;G719S;E709K;G719A;L747P;G598V;L861Q;S768IおよびL833V/H835L;(d)G719A;L858R;G719C;A289V;T790M;S768I;T833V;G598V;G719S;L747S;L747P;L833V/H835L;E709A;R108K;L861QおよびE709Kおよび(e)A289V;G598V;E709K;G719A;S768I;G719S;L861Q;T790M;G719C;L833V/H835LおよびL858Rを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態28に記載の組換えListeria株。
実施形態30。融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、配列番号26、32、38、44、および231のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態29に記載の組換えListeria株。
実施形態31。抗原性ペプチドの組合せをコードするオープンリーディングフレームの部分が、配列番号25、31、37、43、229、および230のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態30に記載の組換えListeria株。
実施形態32。がん関連タンパク質が、PIK3CAによってコードされ、抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:R38C、R38H、E81K、R88Q、R93Q、R93W、R108H、G118D、L334G、N345K、C420R、E453K、E542K、E545A、E545G、E545K、E545Q、Q546K、Q546R、E726K、M1043I、M1043V、H1047L、H1047R、およびG1049Rのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態33。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:R88Q、E542K、E545A、E545G、E545K、Q546K、H1047L、およびH1047Rのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態32に記載の組換えListeria株。
実施形態34。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:R38H;E81K;R108H;G118D;N345K;C420R;Q546R;M1043IおよびG1049Rのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態32に記載の組換えListeria株。
実施形態35。融合ポリペプチドが、次のN末端側からC末端側への順序のうちの1つにおいて、次の反復性がん突然変異:(a)M1043V;E545G;E726K;Q546R;L334G;G1049R;M1043I;Q546K;E542K;R93Q;H1047R;R108H;R93W;E81K;R38H;N345K;R88Q;G118D;E545Q;H1047L;E545A;E453K;E545K;R38CおよびC420R;(b)E726K;E81K;M1043V;E545A;E545K;R38C;G118D;R93W;E545G;E542K;G1049R;N345K;Q546K;E453K;C420R;H1047L;L334G;E545Q;R88Q;H1047R;M1043I;R93Q;R108H;Q546RおよびR38H;(c)R108H;M1043V;R88Q;R93W;R38H;H1047R;E545K;M1043I;Q546R;E542K;N345K;R38C;E545G;E81K;Q546K;R93Q;E453K;G1049R;E545A;C420R;H1047L;L334G;G118D;E726KおよびE545Q;(d)N345K;R38H;E545K;G1049R;H1047L;E726K;R88Q;E81K;R93Q;E545Q;L334G;R38C;H1047R;C420R;R93W;Q546K;M1043V;M1043I;E545G;E545A;G118D;E453K;Q546R;R108HおよびE542K;(e)E542K;E545K;R88Q;E545A;H1047R;E545G;H1047L;Q546K;R38H;E81K;R108H;N345K;C420R;Q546R;M1043I;G118DおよびG1049R;(f)E542K;E545K;R88Q;E545A;H1047R;E545G;H1047LおよびQ546Kおよび(g) R38H;E81K;R108H;N345K;C420R;Q546R;M1043I;G118DおよびG1049Rを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態32に記載の組換えListeria株。
実施形態36。融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、配列番号50、56、62、68、238、245、および252のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態35に記載の組換えListeria株。
実施形態37。抗原性ペプチドの組合せをコードするオープンリーディングフレームの部分が、配列番号49、55、61、67、236、237、243、244、250、および251のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態36に記載の組換えListeria株。
実施形態38。がん関連タンパク質が、PIK3R1によってコードされ、抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:G376R、N564D、およびK567Eのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態39。融合ポリペプチドが、次のN末端側からC末端側への順序のうちの1つにおいて、次の反復性がん突然変異:(a)G376R、N564D、およびK567E、ならびに(b)N564D、K567E、およびG376Rを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態38に記載の組換えListeria株。
実施形態40。融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、配列番号74および80のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態39に記載の組換えListeria株。
実施形態41。抗原性ペプチドの組合せをコードするオープンリーディングフレームの部分が、配列番号73および79のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態40に記載の組換えListeria株。
実施形態42。がん関連タンパク質が、PIK3CAによってコードされ、PIK3CAに由来する抗原性ペプチドが、次の反復性PIK3CA突然変異:R38C、R38H、E81K、R88Q、R93Q、R93W、R108H、G118D、L334G、N345K、C420R、E453K、E542K、E545A、E545G、E545K、E545Q、Q546K、Q546R、E726K、M1043I、M1043V、H1047L、H1047R、およびG1049Rのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含み、抗原性ペプチドが、PIK3R1によってコードされるタンパク質に由来する抗原性ペプチドをさらに含み、PIK3R1に由来する抗原性ペプチドが、次の反復性PIK3R1突然変異:G376R、N564D、およびK567Eのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態43。融合ポリペプチドが、次のN末端側からC末端側への順序のうちの1つにおいて、次の反復性がん突然変異:(a)PIK3CA|R38C;PIK3CA|N345K;PIK3CA|E726K;PIK3CA|E453K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|M1043V;PIK3R1|N564D;PIK3R1|K567E;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R108H;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E545Q;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|C420R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|E545G;PIK3CA|G118D;PIK3CA|R38H;PIK3R1|G376R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545KおよびPIK3CA|L334G;(b)PIK3CA|R38C;PIK3CA|R108H;PIK3CA|C420R;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|E453K;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|H1047L;PIK3R1|N564D;PIK3CA|E726K;PIK3CA|G118D;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|L334G;PIK3R1|K567E;PIK3CA|R38H;PIK3R1|G376R;PIK3CA|R93W;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|N345K;PIK3CA|E545AおよびPIK3CA|E545Q;(c)PIK3CA|R108H;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R38H;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|N345K;PIK3CA|R38C;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E81K;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|E453K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|C420R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|L334G;PIK3CA|G118D;PIK3CA|E726KおよびPIK3CA|E545Qおよび(d)PIK3CA|E545Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|N345K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E453K;PIK3CA|L334G;PIK3CA|H1047L;PIK3R1|G376R;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R38H;PIK3CA|G118D;PIK3R1|K567E;PIK3CA|R38C;PIK3CA|E542K;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E726K;PIK3CA|C420R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|R93Q;PIK3R1|N564D;PIK3CA|R108H;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|E545GおよびPIK3CA|E81Kを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態42に記載の組換えListeria株。
実施形態44。融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、配列番号86、92、98、および104のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態43に記載の組換えListeria株。
実施形態45。抗原性ペプチドの組合せをコードするオープンリーディングフレームの部分が、配列番号85、91、97、および103のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態44に記載の組換えListeria株。
実施形態46。がん関連タンパク質が、PTENによってコードされ、抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:Y68H、Y88C、D92E、del121−131、R130G、R130L、R130P、R130Q、C136Y、R142W、Y155C、R173H、およびP246Lのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態47。融合ポリペプチドが、次のN末端側からC末端側への順序のうちの1つにおいて、次の反復性がん突然変異:(a)del121−131;Y88C;R130G;Y155C;D92E;C136Y;R130Q;Y68H;R142W;R173H;R130L;R130PおよびP246L;(b)R130P;R130G;Y155C;R130L;C136Y;del121−131;P246L;D92E;R173H;Y68H;R130Q;Y88CおよびR142W;(c)R130Q;R130G;del121−131;C136Y;R130L;P246L;Y155C;D92E;R142W;R130P;Y88C;Y68HおよびR173Hおよび(d)del121−131;C136Y;Y68H;R142W;R173H;|R130L;P246L;R130G;R130P;Y88C;D92E;R130QおよびY155Cを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態46に記載の組換えListeria株。
実施形態48。融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、配列番号110、116、122、および128のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態47に記載の組換えListeria株。
実施形態49。抗原性ペプチドの組合せをコードするオープンリーディングフレームの部分が、配列番号109、115、121、および127のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態48に記載の組換えListeria株。
実施形態50。がん関連タンパク質が、KRASによってコードされ、抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:G12A、G12C、G12D、G12R、G12S、G12V、G13C、G13D、G13R、G13S、G13V、L19F、Q61K、Q61H、Q61L、Q61R、K117N、A146T、A146V、およびA164Gのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態51。融合ポリペプチドが、次のN末端側からC末端側への順序のうちの1つにおいて、次の反復性がん突然変異:(a)Q61R;Q61K;Q61L;Q61H;L19F;K117N;G12A;A164G;G12D;G13D;G13S;G12S;A146V;G13R;G13C;G12C;G12R;G13V;G12VおよびA146T;(b)Q61H;K117N;G13C;G13R;G12D;G12S;G12V;G12A;Q61K;G13V;G12C;L19F;Q61R;Q61L;A146V;A164G;G12R;G13S;A146TおよびG13D;(c)G12D;L19F;A146V;Q61H;G12V;A164G;G12C;Q61L;A146T;G13S;G12A;G13V;G13C;G13D;G12R;G12S;Q61R;Q61K;G13RおよびK117Nおよび(d)G13V;G13S;G12V;G12R;A146V;G13D;G12D;K117N;Q61H;G12C;G13C;A146T;G12A;Q61L;Q61K;A164G;G12S;L19F;G13RおよびQ61Rを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態50に記載の組換えListeria株。
実施形態52。融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、配列番号134、140、146、および152のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態51に記載の組換えListeria株。
実施形態53。抗原性ペプチドの組合せをコードするオープンリーディングフレームの部分が、配列番号133、139、145、および151のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態52に記載の組換えListeria株。
実施形態54。がん関連タンパク質が、TP53によってコードされ、抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:Y107D;K132N;C141Y;V143A;V157F;Y163C;R175H;C176F;C176Y;H179R;H179W;H193R;I195T;V216M;Y220C;Y234C;Y234H;S241F;S242F;G245D;G245S;R248L;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273H;R273L;P278L;P278S;R282G;R282WおよびR337Hのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態55。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:Y107D;C141Y;V143A;V157F;Y163C;R175H;C176F;H193R;I195T;V216M;Y220C;Y234C;Y234H;G245D;G245S;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273H;R273L;R282GおよびR282Wのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態54に記載の組換えListeria株。
実施形態56。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:V143A;R175H;H193R;Y220C;G245D;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273HおよびR282Wのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態54に記載の組換えListeria株。
実施形態57。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:Y107D;C141Y;V157F;Y163C;C176F;I195T;V216M;Y234C;Y234H;G245S;R273LおよびR282Gのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態54に記載の組換えListeria株。
実施形態58。抗原性ペプチドが、(a)次の反復性がん突然変異:Y107D、C141Y、V143A、Y163C、C176Y、H179R、H179W、H193R、V216M、Y234H、S241F、G245D、R248Q、R248W、R273C、R273L、およびP278Sのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべて、(b)次の反復性がん突然変異:C141Y、R175H、H179R、H193R、V216M、Y234H、G245D、G245S、R248L、R248W、R273C、R273H、P278L、P278S、R282G、R282W、およびR337Hのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべて、(c)次の反復性がん突然変異:Y107D、C141Y、V143A、C176F、H179R、V216M、Y220C、S241F、S242F、G245S、R248L、R248W、R273L、P278L、P278S、R282G、およびR282Wのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべて、あるいは(d)次の反復性がん突然変異:Y107D、K132N、V143A、V157F、Y163C、R175H、C176Y、Y234C、Y234H、S241F、S242F、G245D、G245S、R273C、P278S、R282W、およびR337Hのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態54に記載の組換えListeria株。
実施形態59。抗原性ペプチドが、(a)次の反復性がん突然変異:K132N、V157F、R175H、C176F、I195T、Y220C、Y234C、S242F、G245S、R248L、R249S、R273H、P278L、R282G、R282W、およびR337Hのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべて、(b)次の反復性がん突然変異:Y107D、K132N、V143A、V157F、Y163C、C176F、C176Y、H179W、I195T、Y220C、Y234C、S241F、S242F、R248Q、R249S、およびR273Lのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべて、(c)次の反復性がん突然変異:K132N、V157F、Y163C、R175H、C176Y、H179W、H193R、I195T、Y234C、Y234H、G245D、R248Q、R249S、R273C、R273H、およびR337Hのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべて、あるいは(d)次の反復性がん突然変異:C141Y、C176F、H179R、H179W、H193R、I195T、V216M、Y220C、R248L、R248Q、R248W、R249S、R273H、R273L、P278L、およびR282Gのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態54に記載の組換えListeria株。
実施形態60。融合ポリペプチドが、次のN末端側からC末端側への順序のうちの1つにおいて、次の反復性がん突然変異:(a)H179W;R273L;R249S;R248Q;Y234H;G245D;Y220C;R248L;H193R;K132N;S242F;Y234C;G245S;C176F;R282W;R273H;R282G;C141Y;R273C;V216M;R337H;R248W;V143A;I195T;P278S;S241F;C176Y;Y107D;R175H;H179R;V157F;P278LおよびY163C;(b)R248W;R248L;Y220C;Y163C;G245D;Y107D;H179R;V216M;P278S;S241F;R273L;P278L;C176F;C141Y;S242F;R249S;V143A;I195T;R273H;R273C;R282G;H179W;R175H;R248Q;G245S;H193R;R337H;R282W;Y234C;V157F;Y234H;C176YおよびK132N;(c)R248W;H179R;R273H;Y107D;R337H;R282G;V157F;V143A;Y234H;Y220C;R282W;R248L;S241F;H179W;R273C;C141Y;R249S;P278L;G245S;I195T;R175H;G245D;R273L;K132N;V216M;Y163C;C176F;S242F;Y234C;H193R;R248Q;P278SおよびC176Y;(d)V143A;R282W;V157F;H179W;K132N;Y163C;C176Y;G245D;Y220C;S242F;Y234C;R249S;H179R;R273H;C141Y;R273L;P278S;C176F;R337H;H193R;R273C;R282G;R175H;R248W;P278L;I195T;S241F;R248L;Y234H;V216M;G245S;Y107DおよびR248Q;(e)S241F;G245D;V143A;P278S;R273C;C176Y;Y234H;R248W;V216M;R248Q;C141Y;Y163C;H193R;H179R;H179W;Y107DおよびR273L;(f)K132N;R282W;G245S;Y234C;S242F;R175H;Y220C;V157F;R282G;C176F;R337H;I195T;R249S;P278L;R273HおよびR248L;(g)H193R;P278L;R273C;R248W;H179R;P278S;R248L;V216M;R282G;R337H;R175H;Y234H;G245D;R273H;G245S;R282WおよびC141Y;(h)Y107D;K132N;C176F;C176Y;R273L;Y220C;R248Q;V143A;I195T;R249S;S242F;Y234C;H179W;V157F;Y163CおよびS241F;(i)P278S;C176F;H179R;R282G;S241F;R273L;P278L;C141Y;Y107D;R248W;V216M;R282W;S242F;Y220C;V143A;G245SおよびR248L;(j)R175H;H179W;R249S;Y234H;I195T;R248Q;R273H;C176Y;V157F;H193R;Y234C;K132N;R273C;Y163C;G245DおよびR337H;(k)C176Y;R175H;G245D;R337H;S241F;K132N;V143A;P278S;R282W;Y163C;Y107D;R273C;S242F;G245S;V157F;Y234CおよびY234H;(l)C176F;R273L;H179R;R282G;Y220C;I195T;C141Y;R248L;R273H;H179W;H193R;R249S;V216M;P278L;R248WおよびR248Q;(m)R248W;R273H;V143A;R249S;R175H;H193R;Y220C;G245D;R248Q;R273C;R282W;Y107D;C141Y;V157F;Y163C;C176F;I195T;V216M;Y234H;G245S;R273L;Y234CおよびR282G;(n)R248W;R273H;V143A;R249S;R175H;H193R;Y220C;G245D;R248Q;R273CおよびR282Wおよび(o)Y107D;C141Y;V157F;Y163C;C176F;I195T;V216M;Y234H;G245S;R273L;Y234CおよびR282Gを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態54に記載の組換えListeria株。
実施形態61。融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せが、配列番号158、164、170、176、182、188、194、200、206、212、218、224、259、266、および273のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態60に記載の組換えListeria株。
実施形態62。抗原性ペプチドの組合せをコードするオープンリーディングフレームの部分が、配列番号157、163、169、175、181、187、193、199、205、211、217、223、257、258、264、265、271、および272のうちの1つと少なくとも90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%同一な配列を含む、実施形態61に記載の組換えListeria株。
実施形態62b。抗原性ペプチドが、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質に由来する、実施形態20から23のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態62c。2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のがん関連タンパク質である、実施形態62bに記載の組換えListeria株。
実施形態62d。抗原性ペプチドが、同じタイプのがんに由来する、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個の異なる反復性がん突然変異を含むか、または抗原性ペプチドが、単一のタイプのがんに由来する、2〜80、10〜60、10〜50、10〜40、もしくは10〜30個の異なる反復性がん突然変異を含むか、または抗原性ペプチドが、単一のタイプのがんに由来する、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、もしくは60個の異なる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含むか、または抗原性ペプチドが、単一のタイプのがんに由来する、2〜80、10〜60、10〜50、10〜40、もしくは10〜30個の異なる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含む、実施形態62bまたは62cに記載の組換えListeria株。
実施形態62e。(a)2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次の遺伝子:PI3KCA、AKT1、AHNAK2、ERBB2、およびTP53のうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含むか、(b)2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次の遺伝子:BRAF、KRAS/NRAS、TP53、PIK3CA、およびSMAD4のうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含むか、(c)2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次の遺伝子:KRAS、TP53、EGFR、U2AF1、BRAF、およびPIK3CAのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含むか、(d)2つもしくはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次の遺伝子:TP53、PIK3CA、NFE2L2、CDKN2A、およびPTENのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含むか、あるいは(e)2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次の遺伝子:ANKRD36C、SPOP、CHEK2、KRTAP4−11、RGPD8、TP53、FAM47C、ZAN、およびPIK3CAのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてによってコードされるタンパク質を含む、実施形態62bから62dのいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態62f。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E542K;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E545A;PIK3CA|E545G;AKT1|E17K;AHNAK2|V2016L、ERBB2|L755SおよびTP53|R175Hのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態62eに記載の組換えListeria株。
実施形態62g。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:BRAF|V600E;KRAS|G12D;KRAS|G13D;KRAS|G12V;KRAS|G12C;KRAS|Q61K;KRAS|G12A;KRAS|G12S;TP53|R175H;TP53|R248W;TP53|R273C;TP53|R282W;TP53|R273H;TP53|R248Q;TP53|G245S;PIK3CA|E545K;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|R88QおよびSMAD4|R361Hのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態62eに記載の組換えListeria株。
実施形態62h。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:KRAS|G12C;KRAS|G12V;KRAS|G12D;KRAS|G12F;KRAS|G12R;KRAS|Q61L;KRAS|G12Y;TP53|R158L;TP53|R273L;TP53|G245V;TP53|R175H;TP53|A159P;TP53|R249M;TP53|R273H;TP53|R280I;TP53|Q144L;TP53|R273C;TP53|R280G;TP53|R280T;EGFR|L858R;EGFR|L861Q;EGFR|G719A;U2AF1|S34F;BRAF1|V600E;BRAF1|G466V;BRAF1|N581S;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E726KおよびPIK3CA|H1047Rのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態62eに記載の組換えListeria株。
実施形態62i。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:TP53|Y163C;TP53|R175G;TP53|C242F;TP53|R273L;TP53|H179L;TP53|H193L;TP53|H214R;TP53|Y220C;TP53|Y234C;TP53|G245V;TP53|L111Q;TP53|T125P;TP53|K132R;TP53|C135W;TP53|C141W;TP53|C176F;TP53|C176Y;TP53|H179R;TP53|H179Y;TP53|H193R;TP53|I195S;TP53|Y205C;TP53|R213G;TP53|V216E;TP53|Y234S;TP53|Y236C;TP53|M237I;TP53|G244C;TP53|G245S;TP53|R248L;TP53|R248P;TP53|R248Q;TP53|R248W;TP53|R249G;TP53|R249S;TP53|R249W;TP53|G266V;TP53|F270I;TP53|R273C;TP53|R273H;TP53|R273P;TP53|R280I;TP53|D281Y;TP53|R282Q;TP53|R282W;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E542K;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E726K;PIK3CA|C420R;NFE2L2|E79Q;NFE2L2|R34Q;NFE2L2|L30F;NFE2L2|G81S;NFE2L2|G31A;NFE2L2|D29G;NFE2L2|G81V;CDKN2A|D108Y;CDKN2A|D18NおよびPTEN|R130Qのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態62eに記載の組換えListeria株。
実施形態62j。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:ANKRD36C|I645T;ANKRD36C|D629Y;ANKRD36C|D629N;SPOP|W131G;SPOP|F133L;SPOP|F133V;SPOP|F133C;SPOP|W131R;SPOP|W131L;CHEK2|K373E;KRTAP4−11|M93V;KRTAP4−11|R51K;KRTAP4−11|L161V;RGPD8|P1760A;TP53|R248Q;TP53|G245S;TP53|G245D;FAM47C|N648D;ZAN|L878P;PIK3CA|E542KおよびPIK3CA|H1047Rのうちの2つもしくはそれよりも多くまたはすべてを含む、実施形態62eに記載の組換えListeria株。
実施形態63。融合ポリペプチドが、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドの組合せのN末端側および/またはC末端側に、1つまたは複数のペプチドタグをさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態64。1つまたは複数のペプチドタグが、3×FLAGタグ、6×Hisタグ、およびSIINFEKLタグのうちの1つまたは複数を含む、実施形態63に記載の組換えListeria株。
実施形態65。PEST含有ペプチドが、融合ポリペプチドのN末端にある、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態66。PEST含有ペプチドが、リステリオリシンO(LLO)タンパク質もしくはその断片、またはActAタンパク質もしくはその断片である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態67。PEST含有ペプチドが、LLOのN末端断片である、実施形態66に記載の組換えListeria株。
実施形態68。LLOのN末端断片が、配列番号336に示される配列を有する、実施形態67に記載の組換えListeria株。
実施形態69。PEST含有ペプチドが、LLOタンパク質またはその断片であり、コレステロール結合ドメインに突然変異を含む、実施形態66に記載の組換えListeria株。
実施形態70。LLO突然変異が、(1)配列番号332の残基C484、W491、もしくはW492の置換、またはLLOタンパク質が配列番号332と最適にアラインされたときに対応する置換、あるいは(2)配列番号332の残基483〜493における1〜11個のアミノ酸の欠失、またはLLOタンパク質が配列番号332と最適にアラインされたときに対応する欠失のうちの1つを含む、実施形態69に記載の組換えListeria株。
実施形態71。核酸がListeriaゲノムに作動可能に組み込まれている、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態72。核酸が、エピソームプラスミドに存在する、実施形態1から70のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態73。核酸が、組換えListeria株に抗生物質耐性を与えない、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態74。組換えListeria株が弱毒化されている、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態75。組換えListeria株が、栄養要求性Listeria株である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態76。弱毒化Listeria株が、1つまたは複数の内在性遺伝子に、1つまたは複数の内在性遺伝子を不活性化させる突然変異を含む、実施形態74または75に記載の組換えListeria株。
実施形態77。1つまたは複数の内在性遺伝子が、prfAを含む、実施形態76に記載の組換えListeria株。
実施形態78。1つまたは複数の内在性遺伝子が、actAを含む、実施形態76に記載の組換えListeria株。
実施形態79。1つまたは複数の内在性遺伝子が、actAおよびinlBを含む、実施形態76に記載の組換えListeria株。
実施形態80。1つまたは複数の内在性遺伝子が、actA、dal、およびdatを含む、実施形態76に記載の組換えListeria株。
実施形態81。核酸が、代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態82。代謝酵素が、アラニンラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ酵素である、実施形態81に記載の組換えListeria株。
実施形態83。融合ポリペプチドがhlyプロモーター、prfAプロモーター、actAプロモーターまたはp60プロモーターから発現される、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態84。融合ポリペプチドがhlyプロモーターから発現される、実施形態83に記載の組換えListeria株。
実施形態85。組換えListeria monocytogenes株である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態86。組換えListeria株が、prfAの欠失、またはこれにおける不活性化突然変異を含む、弱毒化Listeria monocytogenes株であり、核酸が、エピソームプラスミドに存在し、かつD133V PrfA突然変異体タンパク質をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む、実施形態1から65のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態87。組換えListeria株が、actA、dal、およびdatの欠失、またはこれらにおける不活性化突然変異を含む、弱毒化Listeria monocytogenes株であり、核酸が、エピソームプラスミドに存在し、かつアラニンラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含み、PEST含有ペプチドが、LLOのN末端断片である、実施形態1から65のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態88。組換えListeria株が、actAおよびinlBの欠失、またはこれらにおける不活性化突然変異を含む、弱毒化Listeria monocytogenes株であり、核酸が、ゲノムに組み込まれており、PEST含有ペプチドが、ActAタンパク質またはその断片である、実施形態1から65のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態89。組換えListeria株が、動物宿主を通して継代されたものである、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態90。組換えListeria株が、ファゴリソソームから脱出することができる、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態91。先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株を含む免疫原性組成物。
実施形態92。免疫原性組成物が、2つまたはそれよりも多くの組換えListeria株の組合せを含み、各組換えListeria株が、異なる抗原性ペプチドセット、または異なる順序における同じ抗原性ペプチドセットを含む、実施形態91に記載の免疫原性組成物。
実施形態93。各組換えListeria株が、異なる抗原性ペプチドセットを含む、実施形態92に記載の免疫原性組成物。
実施形態94。2つまたはそれよりも多くの組換えListeria株が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の組換えListeria株を含む、実施形態92または93に記載の免疫原性組成物。
実施形態95。2つまたはそれよりも多くの組換えListeria株が、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチドを含む、実施形態92から94のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
実施形態96。2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のがん関連タンパク質である、実施形態95に記載の免疫原性組成物。
実施形態97。2つもしくはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次のヒト遺伝子:TP53、PIK3CA、APC、CTNNB1、CDKN2A、NFE2L2、BRAF、KRAS、EGFR、ERBB2、SF3B1、FBXW7、PIK3R1、SMAD4、SPOP、PTPN11、NRAS、PTEN、HRAS、U2AF1、ERBB3、FGFR3、ARID1A、MAP2K1、FGFR2、RHOA、MTOR、BCL2L12、RAC1、IDH2、H3F3A、PPP2R1A、POLE、ATM、EP300、ALK、RQCD1、GPRIN2、THSD7B、CDK4、NUP93、CCND1、FGFR1、MAX、VHL、ACVR1、MEF2A、MYC、FRMD6、SRC、KIT、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、GATA3、AKT1、MAP3K1、MAP2K4、KMT2C、FAT1、PBRM1、SETD2、CREBBP、RB1、SMARCA4、CHD4、FLT3、ARID2、CDH1、DNMT3A、ARHGAP35、BCOR、CTCF、KDM5C、KDM6A、CASP8、ASXL1、RASA1、RUNX1、NPM1、CDKN1B、HLA−A、B2M、RPL5、MYD88、CBFBおよびGPS2のうちの2つもしくはそれよりも多くによってコードされるか、または、2つもしくはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次のヒト遺伝子:TP53、PIK3CA、APC、CTNNB1、CDKN2A、NFE2L2、BRAF、KRAS、EGFR、ERBB2、SF3B1、FBXW7、PIK3R1、SMAD4、SPOP、PTPN11、NRAS、PTEN、HRAS、U2AF1、ERBB3、FGFR3、ARID1A、MAP2K1、FGFR2、RHOA、MTOR、BCL2L12、RAC1、IDH2、H3F3A、PPP2R1A、POLE、ATM、EP300、ALK、RQCD1、GPRIN2、THSD7B、CDK4、NUP93、CCND1、FGFR1、MAX、VHL、ACVR1、MEF2A、MYC、FRMD6、SRC、KIT、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、GATA3、AKT1、MAP3K1、MAP2K4、KMT2C、FAT1、PBRM1、SETD2、CREBBP、RB1、SMARCA4、CHD4、FLT3、ARID2、CDH1、DNMT3A、ARHGAP35、BCOR、CTCF、KDM5C、KDM6A、CASP8、ASXL1、RASA1、RUNX1、NPM1、CDKN1B、HLA−A、B2M、RPL5、MYD88、CBFB、GPS2、AHNAK2、ANKRD36C、CHEK2、KRTAP4−11、RGPD8、FAM47CおよびZANのうちの2つもしくはそれよりも多くによってコードされる、実施形態95または96に記載の免疫原性組成物。
実施形態98。2つもしくはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次のヒト遺伝子:BRAF、EGFR、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、KRAS、TP53、APC、FBXW7、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、CDKN2A、NFE2L2、SPOP、GATA3、AKT1、MAP3K1、およびMAP2K4のうちの2つもしくはそれよりも多くによってコードされるか、または、2つもしくはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、次のヒト遺伝子:BRAF、EGFR、PIK3CA、PIK3R1、PTEN、KRAS、TP53、APC、FBXW7、KEAP1、STK11、NF1、KMT2D、CDKN2A、NFE2L2、SPOP、GATA3、AKT1、MAP3K1、MAP2K4、AHNAK2、ANKRD36C、CHEK2、KRTAP4−11、RGPD8、FAM47C、およびZANのうちの2つもしくはそれよりも多くによってコードされる、実施形態97に記載の免疫原性組成物。
実施形態99。組換えListeria株の組合せが、約5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜120、120〜140、140〜160、160〜180、180〜200、200〜220、220〜240、240〜260、260〜280、または280〜300個の異なる抗原性ペプチドを含む、実施形態92から98のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
実施形態100。アジュバントをさらに含む、実施形態91から99のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
実施形態101。アジュバントが、顆粒細胞/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)タンパク質、GM−CSFタンパク質をコードするヌクレオチド分子、サポニンQS21、モノホスホリルリピドAまたは非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチドを含む、実施形態100に記載の免疫原性組成物。
実施形態102。対象において腫瘍またはがんに対する免疫応答を誘導する方法であって、対象に、実施形態1から90のいずれか1つに記載の組換えListeria株または実施形態91から101のいずれか1つに記載の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法。
実施形態103。対象において腫瘍またはがんを防止または処置する方法であって、対象に、実施形態1から90のいずれか1つに記載の組換えListeria株または実施形態91から101のいずれか1つに記載の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法。
実施形態104。複数の異なる組換えListeria株または複数の異なる免疫原性組成物が対象に投与される、実施形態102または103に記載の方法。
実施形態105。複数の異なる組換えListeria株または複数の異なる免疫原性組成物が対象に同時に投与される、実施形態104に記載の方法。
実施形態106。複数の異なる組換えListeria株または複数の免疫原性組成物が対象に連続的に投与される、実施形態104に記載の方法。
実施形態107。複数の異なる組換えListeria株または複数の免疫原性組成物が、それぞれ、異なる抗原性ペプチドセット、または異なる順序における同じ抗原性ペプチドセットを含む、実施形態104から106のいずれか1つに記載の方法。
実施形態108。各組換えListeria株または免疫原性組成物が、異なる抗原性ペプチドセットを含む、実施形態107に記載の方法。
実施形態109。複数の組換えListeria株または複数の免疫原性組成物が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個の組換えListeria株または免疫原性組成物を含む、実施形態104から108のいずれか1つに記載の方法。
実施形態110。複数の組換えListeria株または複数の免疫原性組成物が、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質に由来する抗原性ペプチドを含む、実施形態104から109のいずれか1つに記載の方法。
実施形態111。2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個のがん関連タンパク質である、実施形態110に記載の方法。
実施形態112。組換えListeria株または免疫原性組成物の組合せが、約5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜120、120〜140、140〜160、160〜180、180〜200、200〜220、220〜240、240〜260、260〜280、または280〜300個の異なる抗原性ペプチドを含む、実施形態104から111のいずれか1つに記載の方法。
実施形態113。免疫チェックポイント阻害剤アンタゴニストを投与するステップをさらに含む、実施形態102から112のいずれか1つに記載の方法。
実施形態114。免疫チェックポイント阻害剤が、抗PD−1抗体もしくはその抗原結合性断片、および/または抗CTLA−4抗体もしくはその抗原結合性断片を含む、実施形態113に記載の方法。
実施形態115。T細胞刺激因子を投与するステップをさらに含む、実施形態102から114のいずれか1つに記載の方法。
実施形態116。T細胞刺激因子が、抗OX40抗体もしくはその抗原結合性断片、または抗GITR抗体もしくはその抗原結合性断片を含む、実施形態115に記載の方法。
実施形態117。対象が、1つまたは複数のがん関連タンパク質における反復性がん突然変異に関連するがんを有し、投与される組換えListeria株または投与される免疫原性組成物が、がんに関連する反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドを含む、実施形態102から116のいずれか1つに記載の方法。
実施形態118。方法が、投与するステップの前に、対象を1つまたは複数の反復性がん突然変異についてスクリーニングして、それを同定するステップを含み、対象に投与される組換えListeria株または免疫原性組成物が、対象において同定された1つまたは複数の反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドを含む、実施形態102から117のいずれか1つに記載の方法。
実施形態119。実施形態1から90のいずれか1つに記載の1つまたは複数の組換えListeria株を含む細胞バンク。
実施形態120。冷凍細胞バンクまたは凍結乾燥細胞バンクである、実施形態119に記載の細胞バンク。
実施形態121。細胞バンクが、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、もしくは45〜50個、またはそれよりも多くの組換えListeria株を含む、実施形態119または120に記載の細胞バンク。
実施形態122。1つまたは複数の組換えListeria株が、2〜5、5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、または45〜50個のがん関連タンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドを含む、実施形態119から121のいずれか1つに記載の細胞バンク。
実施形態123。1つまたは複数の組換えListeria株が、各がん関連タンパク質において、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個の最もよく見られる反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドを含む、実施形態122に記載の細胞バンク。
実施形態124。各がん関連タンパク質について、がん関連タンパク質に突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%が、細胞バンク内の組換えListeria株における抗原性ペプチドの組合せに含まれる、がん関連タンパク質の反復性がん突然変異を有する、実施形態122または123に記載の細胞バンク。
実施形態125。免疫療法構築物を生成する方法であって、
(a)免疫療法構築物に含めるための、がん関連タンパク質における反復性がん突然変異セットを選択するステップと、
(b)反復性がん突然変異のそれぞれを含む抗原性ペプチドを設計するステップと、
(c)抗原性ペプチドセットを選択するステップであって、各抗原性ペプチドのハイドロパシーを検査すること、および抗原性ペプチドが、選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合はこれを修飾または選択解除することを含むステップと、
(d)選択された抗原性ペプチドのそれぞれを含む融合ポリペプチドを設計するステップと、
(e)融合ポリペプチドをコードする核酸構築物を生成するステップと
を含む方法。
実施形態126。個々の選択される反復性がん突然変異が、ステップ(a)において、次の基準:
(a)複数のタイプのがんまたは特定のタイプのがんにおける発生頻度、
(b)がん関連タンパク質の機能的ドメイン内の位置、
(c)公知のがんドライバー突然変異または化学療法耐性突然変異としてのステータス、および
(c)体細胞ミスセンス突然変異としての同定
のうちの1つまたは複数に基づいて選択される、実施形態125に記載の方法。
実施形態127。ステップ(a)において選択される反復性がん突然変異セットが、次の基準:(a)セットが、単一のがん関連タンパク質に突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%において見出されることになる潜在的な突然変異エピトープを含むこと;(b)セットが、単一のがん関連タンパク質に体細胞ミスセンス突然変異を有するがん患者の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%において見出されることになる潜在的な突然変異エピトープを含むこと;(c)セットが、単一のがん関連タンパク質に由来する、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40個の異なる反復性がん突然変異を含むこと;(d)セットが、単一のがん関連タンパク質に由来する、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40個の異なる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含むこと;および(e)セットが、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50個以下の反復性がん突然変異を含むこと;(f)ステップ(a)において選択された反復性がん突然変異の少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、またはすべてが、単一のがん関連タンパク質に由来すること;(g)セットが、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%において見出されることになる潜在的な突然変異エピトープを含むこと;(h)セットが、単一のタイプのがんに由来する、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40個の異なる反復性がん突然変異を含むこと;および(i)セットが、単一のタイプのがんに由来する、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40個の異なる反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含むことのうちの1つまたは複数に基づいて選択される、実施形態125または126に記載の方法。
実施形態128。各抗原性ペプチドが、ステップ(b)において、反復性がん突然変異および各側の隣接配列を含むがん関連タンパク質の断片を含むように設計される、実施形態125から127のいずれか1つに記載の方法。
実施形態129。各抗原性ペプチドが、各側に少なくとも約10個の隣接アミノ酸を含む、実施形態128に記載の方法。
実施形態130。抗原性ペプチドが、ステップ(c)において、Listeria monocytogenesにおける分泌可能性を予測する、ハイドロパシー閾値未満の場合に選択される、実施形態125から129のいずれか1つに記載の方法。
実施形態131。抗原性ペプチドが、KyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数21アミノ酸ウィンドウによってスコアリングされ、約1.6のカットオフを超えるスコアを有するペプチドはすべて除外されるか、またはカットオフ未満のスコアを有するように修飾される、実施形態130に記載の方法。
実施形態132。ステップ(c)が、対象HLAに結合する抗原性ペプチドの能力に基づいて抗原性ペプチドをスコアリングし選択することをさらに含む、実施形態125から131のいずれか1つに記載の方法。
実施形態133。ステップ(c)が、抗原性ペプチドを免疫抑制エピトープについてスクリーニングすることをさらに含み、免疫抑制エピトープを有する抗原性ペプチドが、選択解除されるか、または免疫抑制エピトープを有しないように修飾される、実施形態125から132のいずれか1つに記載の方法。
実施形態134。ステップ(c)が、抗原性ペプチドを免疫原性についてスクリーニングすることをさらに含む、実施形態125から133のいずれか1つに記載の方法。
実施形態135。ステップ(d)における融合ポリペプチド内の抗原性ペプチドの順序が、ランダム化を使用して選択される、実施形態125から134のいずれか1つに記載の方法。
実施形態136。ステップ(d)が、融合ポリペプチドのハイドロパシーを検査すること、および融合ポリペプチドのいずれかの領域が選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合、抗原性ペプチドを並べ替えること、または問題がある抗原性ペプチドを除去することのいずれかをさらに含む、実施形態125から135のいずれか1つに記載の方法。
実施形態137。融合ポリペプチドが、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりスコアリングされ、閾値が約1.6である、実施形態136に記載の方法。
実施形態138。ステップ(e)が、核酸配列を最適化することをさらに含む、実施形態125から137のいずれか1つに記載の方法。
実施形態139。最適化がコドン最適化を含む、実施形態138に記載の方法。
実施形態140。最適化が、非常に高い(>80%)もしくは非常に低い(<30%)GC含有量の領域を調整すること、または、次のシス作用性配列モチーフ:内部TATAボックス、カイ部位、およびリボソーム進入部位;ATリッチもしくはGCリッチの配列区画;リピート配列および予測されるRNA二次構造;(暗号)スプライスドナーおよびアクセプター部位;ならびに分岐点のうちの1つもしくは複数を回避することを含む、実施形態138または139に記載の方法。
実施形態141。核酸をListeria monocytogenes株に導入するステップと、コードされた融合ポリペプチドの発現および分泌を確認するステップとをさらに含む、実施形態125から140のいずれか1つに記載の方法。
本明細書において開示される主題は以下の実施形態も含むが、これらに限定されない。
実施形態1。2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドに融合したPEST含有ペプチドを含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組換えListeria株であって、少なくとも1つの抗原性ペプチドが、がん関連タンパク質に由来し、かつ反復性がん突然変異を含み、少なくとも1つの抗原性ペプチドが、がん関連タンパク質に由来し、かつヘテロクリティック突然変異を含む、組換えListeria株。
実施形態2。PEST含有ペプチドが、細菌分泌シグナル配列を含み、融合ポリペプチドが、カルボキシ末端側の抗原性ペプチドに融合したユビキチンタンパク質をさらに含み、PEST含有ペプチド、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチド、ユビキチン、およびカルボキシ末端側の抗原性ペプチドが、融合ポリペプチドのアミノ末端からカルボキシ末端までタンデムに配置されている、実施形態1に記載の組換えListeria株。
実施形態3。カルボキシ末端側の抗原性ペプチドが、がん関連タンパク質に由来し、かつヘテロクリティック突然変異を含む、実施形態2に記載の組換えListeria株。
実施形態4。カルボキシ末端側の抗原性ペプチドが、約7〜11、8〜10、または9アミノ酸長である、実施形態2または3に記載の組換えListeria株。
実施形態5。カルボキシ末端側の抗原性ペプチドが、次のHLA型:HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02、およびHLA−B*07:02のうちの1つまたは複数に結合する、実施形態2から4のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態6。カルボキシ末端側の抗原性ペプチドが、次の遺伝子:STEAP1、CEACAM5、NYESO1、およびNUF2のうちの1つによってコードされるタンパク質に由来する、実施形態2から5のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態7。カルボキシ末端側の抗原性ペプチドが、配列番号796、797、798、799、800、および807に示されるペプチドから選択される、実施形態6に記載の組換えListeria株。
実施形態8。各抗原性ペプチドが、がん関連タンパク質の断片であり、約7〜200アミノ酸長である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態9。融合ポリペプチドが、少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、もしくは25個の抗原性ペプチドを含むか、または約5〜50、10〜40、もしくは20〜30個の抗原性ペプチドを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態10。融合ポリペプチドが、反復性がん突然変異を含む少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個の抗原性ペプチド、または反復性がん突然変異を含む約5〜30もしくは10〜20個の抗原性ペプチドを含み、かつ/あるいは、
融合ポリペプチドが、ヘテロクリティック突然変異を含む少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個の抗原性ペプチド、またはヘテロクリティック突然変異を含む約5〜30もしくは10〜20個の抗原性ペプチドを含む、
先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態11。反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドがタンデムになっており、ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドがタンデムになっている、実施形態10に記載の組換えListeria株。
実施形態12。反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドおよびヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドが、融合ポリペプチド内で混ざり合っている、実施形態10に記載の組換えListeria株。
実施形態13。2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドが、ペプチドリンカーを介して互いに連結している、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態14。ペプチドリンカーが、可動性リンカーおよび/もしくは剛性リンカーおよび/もしくは免疫プロテアソームプロセシングリンカーを含むか、または配列番号313〜316、319、および821〜829に示されるリンカーのうちの1つもしくは複数が、2つもしくはそれよりも多くの抗原性ペプチドを連結させるために使用されている、実施形態13に記載の組換えListeria株。
実施形態15。ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドのうちの1つまたは複数の上流のペプチドリンカーが、免疫プロテアソームプロセシングリンカーであるか、または配列番号821〜829に示されるリンカーから選択される、実施形態14に記載の組換えListeria株。
実施形態16。融合ポリペプチドのいかなる領域も、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりハイドロパシーをスコアリングしたとき、約1.6のカットオフを超えるスコアを有しない、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態17。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、異なる反復性がん突然変異を含み、かつ同じがん関連タンパク質の断片である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態18。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つにおける反復性がん突然変異が、同じがん関連タンパク質に由来し、かつ、天然に共存しない、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態19。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、同じがん関連タンパク質の重複断片である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態20。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つにおける反復性がん突然変異が、同じがん関連タンパク質に由来し、かつがん関連タンパク質の同じアミノ酸残基において生じる、実施形態19に記載の組換えListeria株。
実施形態21。抗原性ペプチドのうちの2つが、同じ反復性がん突然変異を含む、実施形態20に記載の組換えListeria株。
実施形態22。反復性がん突然変異を含む各抗原性ペプチドが、異なる反復性がん突然変異を含む、実施形態1から20のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態23。融合ポリペプチドにおける各反復性がん突然変異が、体細胞フレームシフト突然変異または体細胞ミスセンス突然変異である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態24。融合ポリペプチドにおける各反復性がん突然変異が、体細胞ミスセンス突然変異である、実施形態23に記載の組換えListeria株。
実施形態25。反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてが、反復性がん突然変異の各側に隣接する同数のアミノ酸を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態26。反復性がん突然変異の各側の隣接アミノ酸の数が、少なくとも10アミノ酸である、実施形態25に記載の組換えListeria株。
実施形態27。抗原性ペプチドが、特定のタイプのがんに由来する、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個の最もよく見られる反復性がん突然変異または反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態28。特定のタイプのがんを有する患者の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、35%、50%、60%、70%、80%、または90%が、融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドの組合せに含まれる反復性がん突然変異を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態29。抗原性ペプチドが、特定のタイプのがんに由来する、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30個の異なる反復性がん突然変異または反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含むか、あるいは抗原性ペプチドが、特定のタイプのがんに由来する、約2〜80、10〜60、10〜50、10〜40、もしくは10〜30個の異なる反復性がん突然変異または反復性体細胞ミスセンスがん突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態30。特定のタイプのがんが、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん、または頭頸部がんである、実施形態27から29のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態31。抗原性ペプチドが、2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質に由来する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態32。2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10個のがん関連タンパク質であるか、または2つまたはそれよりも多くのがん関連タンパク質が、約2〜30、2〜25、2〜20、2〜15、もしくは2〜10個のがん関連タンパク質である、実施形態31に記載の組換えListeria株。
実施形態33。抗原性ペプチドが、次の遺伝子:ACVR2A、ADAM28、AKT1、ANKRD36C、AR、ARID1A、BMPR2、BRAF、CHEK2、C12orf4、CTNNB1、DOCK3、EGFR、ESR1、FBXW7、FGFR3、FHOD3、GNAS、HRAS、IDH1、IDH2、KIAA2026、KRAS、KRTAP1−5、KRTAP4−11、LARP4B、MBOAT2、NFE2L2、PGM5、PIK3CA、PLEKHA6、POLE、PTEN、RGPD8、RNF43、RXRA、SMAD4、SPOP、SVIL、TGFBR2、TP53、TRIM48、UBR5、U2AF1、WNT16、XYLT2、ZBTB20およびZNF814のうちの1つまたは複数によってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態34。(a)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:KRAS、EGFR、U2AF1、BRAF、PIK3CA、およびTP53のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、
(b)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:SPOP、CHEK2、RGPD8、ANKRD36C、およびARのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、
(c)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:KRAS、U2AF1、TP53、SMAD4、およびGNASのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、
(d)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:PIK3CA、FGFR3、TP53、RXRA、FBXW7、およびNFE2L2のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、
(e)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:PIK3CA、AKT1、およびESR1のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、
(f)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:PTEN、KRAS、PIK3CA、CTNNB1、FBXW7、およびTP53のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、
(g)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:TP53のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、
(h)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:TP53、PIK3CA、IDH1、IDH2、およびEGFRのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、
(i)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:KRAS、BRAF、PIK3CA、およびTP53のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含むか、あるいは
(j)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:PIK3CA、CHEK2、RGPD8、ANKRD36C、TP53、ZNF814、KRTAP1−5、KRTAP4−11、およびHRASのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む、
実施形態33に記載の組換えListeria株。
実施形態35。(a)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:KRAS_G12C、EGFR_L858R、KRAS_G12D、U2AF1_S34F、BRAF_V600E、KRAS_G12V、PIK3CA_E545K、TP53_R158L、KRAS_G12A、EGFR_L861QおよびTP53_R273Lのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(b)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:SPOP_F133V、CHEK2_K373E、RGPD8_P1760A、ANKRD36C_I634T、ANKRD36C_D629Y、SPOP_W131G、ANKRD36C_D626N、SPOP_F133L、AR_T878A、AR_L702H、AR_W742C、AR_H875YおよびAR_F877Lのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(c)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:KRAS_G12C、KRAS_G12D、U2AF1_S34F、KRAS_G12V、TP53_R248Q、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、KRAS_G12R、KRAS_Q61H、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_G245S、SMAD4_R361C、GNAS_R201CおよびGNAS_R201Hのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(d)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:PIK3CA_E545K、FGFR3_S249C、TP53_R248Q、PIK3CA_E542K、RXRA_S427F、FBXW7_R505G、TP53_R280T、NFE2L2_E79K、FGFR3_R248C、TP53_K132N、TP53_R248W、TP53_R175HおよびTP53_R273Cのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(e)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:PIK3CA_E545K、PIK3CA_E542K、PIK3CA_H1047R、AKT1_E17K、PIK3CA_H1047L、PIK3CA_Q546K、PIK3CA_E545A、PIK3CA_E545G、ESR1_K303R、ESR1_D538G、ESR1_Y537S、ESR1_Y537N、ESR1_Y537CおよびESR1_E380Qのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(f)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:PTEN_R130G、PTEN_R130Q、KRAS_G12D、KRAS_G12V、PIK3CA_H1047R; PIK3CA_R88Q、PIK3CA_E545K、PIK3CA_E542K、CTNNB1_S37F、KRAS_G13D、CTNNB1_S37C、PIK3CA_H1047L、PIK3CA_G118D、KRAS_G12A、FBXW7_R505CおよびTP53_R248Wのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(g)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:TP53_R248Q、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_Y220C、TP53_I195T、TP53_C176Y、TP53_H179R、TP53_S241FおよびTP53_H193Rのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(h)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:TP53_R273L、TP53_R273C、TP53_R273H、PIK3CA_G118D、IDH1_R132C、IDH1_R132G、IDH1_R132H、IDH1_R132S、IDH2_R172K、PIK3CA_E453KおよびEGFR_G598Vのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(i)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:KRAS_G12C、KRAS_G12D、BRAF_V600E、KRAS_G12V、PIK3CA_E545K、TP53_R248W、TP53_R175H、TP53_R273C、PIK3CA_H1047R、TP53_R282W、TP53_R273HおよびKRAS_G13Dのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、あるいは
(j)抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:PIK3CA_E545K、CHEK2_K373E、RGPD8_P1760A、ANKRD36C_I634T、TP53_R248Q、PIK3CA_E542K、TP53_R248W、TP53_R175H、PIK3CA_H1047R、TP53_R282W、TP53_R273H、TP53_G245S、TP53_Y220C、ZNF814_D404E、KRTAP1−5_I88T、KRTAP4−11_L161VおよびHRAS_G13Vのうちの1つもしくは複数またはすべてを含む、実施形態34に記載の組換えListeria株。
実施形態36。(a)抗原性ペプチドが、表35に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(b)抗原性ペプチドが、表52に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(c)抗原性ペプチドが、表68に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(d)抗原性ペプチドが、表76に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(e)抗原性ペプチドが、表87に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(f)抗原性ペプチドが、表95に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(g)抗原性ペプチドが、表100に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(h)抗原性ペプチドが、表104に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(i)抗原性ペプチドが、表108に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、あるいは
(j)抗原性ペプチドが、表112に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含む、
実施形態35に記載の組換えListeria株。
実施形態37。ヘテロクリティック突然変異を含む各抗原性ペプチドが、約7〜11、8〜10、または9アミノ酸長である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態38。ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドが、次のHLA型:HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02、およびHLA−B*07:02のうちの1つまたは複数またはすべてに結合する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態39。抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、GAGE1、hTERT、KLHL7、MAGEA3、MAGEA4、MAGEA6、NUF2、NYESO1、PAGE4、PRAME、PSA、PSMA、RNF43、SART3、SSX2、STEAP1およびSURVIVINのうちの1つまたは複数によってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態40。(a)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA6、MAGEA4、GAGE1、NYESO1、STEAP1、およびRNF43のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、
(b)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA4、STEAP1、RNF43、SSX2、SART3、PAGE4、PSMA、およびPSAのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、
(c)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、STEAP1、MAGEA3、PRAME、hTERT、およびSURVIVINのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、
(d)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、GAGE1、NYESO1、RNF43、NUF2、KLHL7、MAGEA3、およびPRAMEのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、
(e)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、STEAP1、RNF43、MAGEA3、PRAME、およびhTERTのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、
(f)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、PRAME、hTERT、STEAP1、RNF43、NUF2、KLHL7、およびSART3のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、
(g)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、STEAP1、RNF43、SART3、NUF2、KLHL7、PRAME、およびhTERTのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、
(h)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA6、STEAP1、RNF43、SART3、NUF2、KLHL7、およびhTERTのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、
(i)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA6、MAGEA4、GAGE1、NYESO1、STEAP1、RNF43、およびMAGEA3のうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含むか、あるいは
(j)抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA4、STEAP1、NYESO1、PRAME、およびhTERTのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含む、
実施形態39に記載の組換えListeria株。
実施形態41。(a)抗原性ペプチドが、表36に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(b)抗原性ペプチドが、表53に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(c)抗原性ペプチドが、表69に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(d)抗原性ペプチドが、表77に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(e)抗原性ペプチドが、表88に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(f)抗原性ペプチドが、表96に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(g)抗原性ペプチドが、表101に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(h)抗原性ペプチドが、表105に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(i)抗原性ペプチドが、表109に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、あるいは
(j)抗原性ペプチドが、表113に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含む、
実施形態40に記載の組換えListeria株。
実施形態42。(a)抗原性ペプチドが、表35および36に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(b)抗原性ペプチドが、表52および53に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(c)抗原性ペプチドが、表68および69に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(d)抗原性ペプチドが、表76および77に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(e)抗原性ペプチドが、表87および88に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(f)抗原性ペプチドが、表95および96に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(g)抗原性ペプチドが、表100および101に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(h)抗原性ペプチドが、表104および105に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、
(i)抗原性ペプチドが、表108および109に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含むか、あるいは
(j)抗原性ペプチドが、表112および113に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含む、
先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態43。(a)融合ポリペプチドが、配列番号859、860、861、862、863、864、865、894、895、および905のいずれか1つに示される配列を含むか、
(b)融合ポリペプチドが、配列番号871、872、873、874、875、876、877、892、893、および906のいずれか1つに示される配列を含むか、
(c)融合ポリペプチドが、配列番号866、867、868、869、870、および908のいずれか1つに示される配列を含むか、
(d)融合ポリペプチドが、配列番号878、879、880、881、882、888、889、890、および891のいずれか1つに示される配列を含むか、
(e)融合ポリペプチドが、配列番号883、884、885、886、887、および907のいずれか1つに示される配列を含むか、
(f)融合ポリペプチドが、配列番号896、897、および904のいずれか1つに示される配列を含むか、
(g)融合ポリペプチドが、配列番号898および899のいずれか1つに示される配列を含むか、
(h)融合ポリペプチドが、配列番号900および901のいずれか1つに示される配列を含むか、
(i)融合ポリペプチドが、配列番号902および903のいずれか1つに示される配列を含むか、または
(j)融合ポリペプチドが、配列番号918および919のいずれか1つに示される配列を含む、
実施形態42に記載の組換えListeria株。
実施形態44。融合ポリペプチドが、約150kDa以下または約125kDa以下の分子量を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態45。抗原性ペプチドが、次の遺伝子:KRAS、EGFR、U2AF1、BRAF、PIK3CA、およびTP53のすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む、実施形態1もしくは2に記載の組換えListeria株、または、抗原性ペプチドが、次の遺伝子:KRAS、EGFR、U2AF1、BRAF、PIK3CA、およびTP53のすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態46。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:KRAS_G12C、EGFR_L858R、KRAS_G12D、U2AF1_S34F、BRAF_V600E、KRAS_G12V、PIK3CA_E545K、TP53_R158L、KRAS_G12A、EGFR_L861QおよびTP53_R273Lのすべてを含む、実施形態45に記載の組換えListeria株。
実施形態47。抗原性ペプチドが、表35に示されるペプチドのすべてを含む、実施形態46に記載の組換えListeria株。
実施形態48。抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA6、MAGEA4、GAGE1、NYESO1、STEAP1、およびRNF43のすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含む、実施形態1もしくは2に記載の組換えListeria株、または、抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA6、MAGEA4、GAGE1、NYESO1、STEAP1、およびRNF43のすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態49。抗原性ペプチドが、表36に示されるペプチドのすべてを含む、実施形態48に記載の組換えListeria株。
実施形態50。抗原性ペプチドが、表35および36に示されるペプチドのすべてを含む、実施形態47または49に記載の組換えListeria株。
実施形態51。反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドのうちの1つまたは複数に、配列番号316に示されるリンカーが先行し、ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドのうちの1つまたは複数に、配列番号821〜829のうちのいずれか1つに示されるリンカーが先行する、実施形態50に記載の組換えListeria株。
実施形態52。融合ポリペプチドが、配列番号895に示される配列を含む、実施形態51に記載の組換えListeria株。
実施形態53.抗原性ペプチドが、次の遺伝子:SPOP、CHEK2、RGPD8、ANKRD36C、およびARのすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む、実施形態1もしくは2に記載の組換えListeria株、または、抗原性ペプチドが、次の遺伝子:SPOP、CHEK2、RGPD8、ANKRD36C、およびARのすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態54。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:SPOP_F133V、CHEK2_K373E、RGPD8_P1760A、ANKRD36C_I634T、ANKRD36C_D629Y、SPOP_W131G、ANKRD36C_D626N、SPOP_F133L、AR_T878A、AR_L702H、AR_W742C、AR_H875YおよびAR_F877Lのすべてを含む、実施形態53に記載の組換えListeria株。
実施形態55。抗原性ペプチドが、表52に示されるペプチドのすべてを含む、実施形態54に記載の組換えListeria株。
実施形態56。抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA4、STEAP1、RNF43、SSX2、SART3、PAGE4、PSMA、およびPSAのすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含む、実施形態1もしくは2に記載の組換えListeria株、または、抗原性ペプチドが、次の遺伝子:CEACAM5、MAGEA4、STEAP1、RNF43、SSX2、SART3、PAGE4、PSMA、およびPSAのすべてによってコードされるタンパク質におけるヘテロクリティック突然変異を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態57。抗原性ペプチドが、表53に示されるペプチドのすべてを含む、実施形態56に記載の組換えListeria株。
実施形態58。抗原性ペプチドが、表52および53に示されるペプチドのすべてを含む、実施形態55または57に記載の組換えListeria株。
実施形態59。反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドのうちの1つまたは複数に、配列番号316に示されるリンカーが先行し、ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドのうちの1つまたは複数に、配列番号821〜829のうちのいずれか1つに示されるリンカーが先行する、実施形態58に記載の組換えListeria株。
実施形態60。融合ポリペプチドが、配列番号893に示される配列を含む、実施形態59に記載の組換えListeria株。
実施形態61.融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組換えListeria株であって、融合ポリペプチドが、2つもしくはそれよりも多くの抗原性ペプチドに融合したPEST含有ペプチドを含み、各抗原性ペプチドが、反復性がん突然変異を含み、抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、異なる反復性がん突然変異を含み、かつ同じがん関連タンパク質の断片である、組換えListeria株、または、融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組換えListeria株であって、融合ポリペプチドが、2つもしくはそれよりも多くの抗原性ペプチドに融合したPEST含有ペプチドを含み、抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、異なる反復性がん突然変異を含み、かつ同じがん関連タンパク質の断片である、組換えListeria株。
実施形態62。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つにおける反復性がん突然変異が、同じがん関連タンパク質に由来し、かつ、天然に共存しない、実施形態61に記載の組換えListeria株。
実施形態63。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つが、同じがん関連タンパク質の重複断片である、実施形態61または62に記載の組換えListeria株。
実施形態64。抗原性ペプチドのうちの少なくとも2つにおける反復性がん突然変異が、同じがん関連タンパク質に由来し、かつがん関連タンパク質の同じアミノ酸残基において生じる、実施形態63に記載の組換えListeria株。
実施形態65。融合ポリペプチドにおける反復性がん突然変異のうちの1つまたは複数が、体細胞ミスセンス突然変異である、実施形態61から64のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態66。融合ポリペプチドにおける反復性がん突然変異のうちの1つまたは複数が、体細胞フレームシフト突然変異である、実施形態61から65のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態67。抗原性ペプチドが、次の遺伝子:KRAS、BRAF、PIK3CA、TRIM48、PTEN、POLE、PGM5、MBOAT2、KIAA2026、FBXW7、C12orf4、ZBTB20、XYLT2、WNT16、UBR5、TGFBR2、SVIL、RNF43、PLEKHA6、LARP4B、FHOD3、DOCK3、BMPR2、ARID1A、ADAM28およびACVR2Aのうちの1つもしくは複数またはすべてによってコードされるタンパク質に由来する反復性がん突然変異を含む、実施形態61から66のいずれか1つに記載の組換えListeria株。
実施形態68。抗原性ペプチドが、次の反復性がん突然変異:TRIM48_Y192H、PTEN_R130N、POLE_V411L、POLE_P286R、PIK3CA_H1047R、PIK3CA_R88N、PGM5_I98V、MBOAT2_R43N、KRAS_G12D、KIAA2026_R574C、FBXW7_R465C、C12orf4_R335N、BRAF_V600E、ZBTB20_p.Pro692LeufsTer43、XYLT2_p.Gly529AlafsTer78、WNT16_p.Gly167AlafsTer17、UBR5_p.Glu2121LysfsTer28、TGFBR2_p.Glu150GlyfsTer35、SVIL_p.Met1863TrpfsTer44、RNF43_p.Gly659ValfsTer41、PLEKHA6_p.Val328TyrfsTer172、LARP4B_p.Thr163HisfsTer47、FHOD3_p.Ser336ValfsTer138、DOCK3_p.Pro1852GlnfsTer45、BMPR2_p.Asn583ThrfsTer44、ARID1A_p.Asp1850ThrfsTer33、ADAM28_p.Asn75LysfsTer15およびACVR2A_p.Lys435GlufsTer19のうちの1つもしくは複数またはすべてを含む、実施形態67に記載の組換えListeria株。
実施形態69。抗原性ペプチドが、表116に示されるペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてを含む、実施形態68に記載の組換えListeria株。
実施形態70。融合ポリペプチドが、配列番号917のいずれか1つに示される配列を含む、実施形態69に記載の組換えListeria株。
実施形態71。融合ポリペプチドが、2つまたはそれよりも多くの抗原性ペプチドの組合せのN末端側および/またはC末端側に1つまたは複数のペプチドタグをさらに含み、1つまたは複数のペプチドタグが、FLAGタグおよびSIINFEKLタグのうちの一方または両方を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態72。PEST含有ペプチドが、融合ポリペプチドのN末端にある、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態73。PEST含有ペプチドが、LLOのN末端断片である、実施形態72に記載の組換えListeria株。
実施形態74。LLOのN末端断片が、配列番号336に示される配列を有する、実施形態73に記載の組換えListeria株。
実施形態75。核酸が、エピソームプラスミドに存在する、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態76。核酸が、組換えListeria株に抗生物質耐性を与えない、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態77。弱毒化栄養要求性Listeria株である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態78。弱毒化栄養要求性Listeria株が、1つまたは複数の内在性遺伝子に、1つまたは複数の内在性遺伝子を不活性化させる突然変異を含む、実施形態77に記載の組換えListeria株。
実施形態79。1つまたは複数の内在性遺伝子が、actA、dal、およびdatを含む、実施形態78に記載の組換えListeria株。
実施形態80。核酸が、代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態81。代謝酵素が、アラニンラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ酵素である、実施形態80に記載の組換えListeria株。
実施形態82。融合ポリペプチドがhlyプロモーターから発現される、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態83。組換えListeria monocytogenes株である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態84。組換えListeria株が、actA、dal、およびdatの欠失、またはこれらにおける不活性化突然変異を含む、弱毒化Listeria monocytogenes株であり、核酸が、エピソームプラスミドに存在し、かつアラニンラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸アミノトランスフェラーゼ酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含み、PEST含有ペプチドが、LLOのN末端断片である、先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株。
実施形態85。先行する実施形態のいずれかに記載の組換えListeria株を含む免疫原性組成物。
実施形態86。免疫原性組成物が、2つまたはそれよりも多くの組換えListeria株の組合せを含み、各組換えListeria株が、異なる抗原性ペプチドセット、または異なる順序における同じ抗原性ペプチドセットを含む、実施形態85に記載の免疫原性組成物。
実施形態87。各組換えListeria株が、異なる抗原性ペプチドセットを含む、実施形態86に記載の免疫原性組成物。
実施形態88。組換えListeria株の組合せが、約5〜10、10〜15、15〜20、20〜25、25〜30、30〜35、35〜40、40〜45、45〜50、50〜60、60〜70、70〜80、80〜90、90〜100、100〜120、120〜140、140〜160、160〜180、180〜200、200〜220、220〜240、240〜260、260〜280、または280〜300個の異なる抗原性ペプチドを含む、実施形態87に記載の免疫原性組成物。
実施形態89。アジュバントをさらに含む、実施形態85から88のいずれか1つに記載の免疫原性組成物。
実施形態90。アジュバントが、顆粒細胞/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)タンパク質、GM−CSFタンパク質をコードするヌクレオチド分子、サポニンQS21、モノホスホリルリピドA、非メチル化CpG含有オリゴヌクレオチド、または解毒リステリオリシンOタンパク質を含む、実施形態89に記載の免疫原性組成物。
実施形態91。対象において腫瘍またはがんに対する免疫応答を誘導する方法であって、対象に、実施形態1から84のいずれか1つに記載の組換えListeria株または実施形態85から90のいずれか1つに記載の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法。
実施形態92。対象において腫瘍またはがんを防止または処置する方法であって、対象に、実施形態1から84のいずれか1つに記載の組換えListeria株または実施形態85から90のいずれか1つに記載の免疫原性組成物を投与するステップを含む方法。
実施形態93。複数の異なる組換えListeria株または複数の異なる免疫原性組成物が対象に投与される、実施形態91または92に記載の方法。
実施形態94。複数の異なる組換えListeria株または複数の異なる免疫原性組成物が対象に同時に投与される、実施形態93に記載の方法。
実施形態95。複数の異なる組換えListeria株または複数の異なる免疫原性組成物が対象に連続的に投与される、実施形態93に記載の方法。
実施形態96。複数の組換えListeria株または複数の異なる免疫原性組成物が、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20個の組換えListeria株または免疫原性組成物を含む、実施形態93から95のいずれか1つに記載の方法。
実施形態97。対象が、1つまたは複数のがん関連タンパク質における1つまたは複数の反復性がん突然変異に関連するがんを有し、対象に投与される組換えListeria株または免疫原性組成物が、がんに関連する1つまたは複数の反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドを含む、実施形態93から96のいずれか1つに記載の方法。
実施形態98。方法が、投与するステップの前に、対象を1つまたは複数の反復性がん突然変異のうちの少なくとも1つについてスクリーニングして、それを同定するステップを含み、対象に投与される組換えListeria株または免疫原性組成物が、対象において同定された1つまたは複数の反復性がん突然変異のうちの少なくとも1つを含む抗原性ペプチドを含む、実施形態97に記載の方法。
実施形態99。投与するステップの前に、対象を反復性がん突然変異についてスクリーニングして、それを同定するステップを含まない、実施形態97に記載の方法。
実施形態100。実施形態1から84のいずれか1つに記載の1つまたは複数の組換えListeria株を含む細胞バンク。
実施形態101。冷凍細胞バンクまたは凍結乾燥細胞バンクである、実施形態100に記載の細胞バンク。
実施形態102。免疫療法構築物を生成する方法であって、
(a)免疫療法構築物に含めるための、がん関連タンパク質における反復性がん突然変異セットおよびヘテロクリティック突然変異セットを選択するステップと、
(b)反復性がん突然変異のそれぞれおよびヘテロクリティック突然変異のそれぞれを含む抗原性ペプチドを設計するステップと、
(c)抗原性ペプチドセットを選択するステップであって、各抗原性ペプチドのハイドロパシーを検査すること、および抗原性ペプチドが、選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合はこれを修飾または選択解除することを含むステップと、
(d)選択された抗原性ペプチドのそれぞれを含む融合ポリペプチドを設計するステップと、
(e)融合ポリペプチドをコードする核酸構築物を生成するステップと
を含む方法。
実施形態103。反復性がん突然変異が、ステップ(a)において、次の基準:
(i)複数のタイプのがんまたは特定のタイプのがんにおける発生頻度、
(ii)がん関連タンパク質の機能的ドメイン内の位置、
(iii)公知のがんドライバー突然変異または化学療法耐性突然変異としてのステータス、および
(iv)体細胞ミスセンス突然変異または体細胞フレームシフト突然変異としての同定
のうちの1つまたは複数に基づいて選択される、実施形態102に記載の方法。
実施形態104。ヘテロクリティック突然変異が、ステップ(a)において、次の基準:
(i)次のHLA型:HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02、およびHLA−B*07:02のうちの1つまたは複数に結合する能力、
(ii)CD8+Tリンパ球応答を生成する能力、および
(iii)対応する野生型配列と同等かまたはこれよりも強い特定のHLA型に対する結合親和性
のうちの1つまたは複数に基づいて選択される、実施形態102または103に記載の方法。
実施形態105。ステップ(a)において選択される反復性がん突然変異セットが、次の基準:
(i)セットが、約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個以下の反復性がん突然変異、および/または約30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、もしくは50個以下のヘテロクリティック突然変異を含むこと、
(ii)セットが、特定のタイプのがんを有するがん患者の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%において見出される反復性がん突然変異を含むこと、および
(iii)セットが、特定のタイプのがんに由来する、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、または40個の異なる反復性がん突然変異または反復性体細胞ミスセンス突然変異を含むこと
のうちの1つまたは複数に基づいて選択される、実施形態102から104のいずれか1つに記載の方法。
実施形態106。反復性がん突然変異を含むようにステップ(b)において設計される各抗原性ペプチドが、反復性がん突然変異および各側の隣接配列を含むがん関連タンパク質の断片を含むように設計される、実施形態102から105のいずれか1つに記載の方法。
実施形態107。反復性がん突然変異を含む抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてが、反復性がん突然変異の各側に少なくとも約10個の隣接アミノ酸を含む、実施形態106に記載の方法。
実施形態108。ヘテロクリティック突然変異を含む抗原性ペプチドのうちの1つもしくは複数またはすべてが、アンカー位置に好ましいアミノ酸を有するように設計される、実施形態102から107のいずれか1つに記載の方法。
実施形態109。抗原性ペプチドが、ステップ(c)において、Listeria monocytogenesにおける分泌可能性を予測する、ハイドロパシー閾値未満の場合に選択される、実施形態102から108のいずれか1つに記載の方法。
実施形態110。抗原性ペプチドが、KyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数21アミノ酸ウィンドウによってスコアリングされ、約1.6のカットオフを超えるスコアを有するペプチドはすべて除外されるか、または前記カットオフ未満のスコアを有するように修飾される、実施形態109に記載の方法。
実施形態111。ステップ(c)が、対象HLAに結合する前記抗原性ペプチドの能力に基づいて抗原性ペプチドをスコアリングし選択することをさらに含む、実施形態102から110のいずれか1つに記載の方法。
実施形態112。ステップ(d)における前記融合ポリペプチド内の抗原性ペプチドの順序が、ランダム化を使用して選択される、実施形態102から111のいずれか1つに記載の方法。
実施形態113。前記融合ポリペプチドが、約150kDa以下または約125kDa以下の分子量を有するように設計される、実施形態102から112のいずれか1つに記載の方法。
実施形態114。ステップ(d)が、前記融合ポリペプチドのハイドロパシーを検査すること、および前記融合ポリペプチドのいずれかの領域が選択されたハイドロパシー指数閾値を超えるスコアを有する場合、前記抗原性ペプチドを並べ替えること、または問題がある抗原性ペプチドを除去することのいずれかをさらに含む、実施形態102から113のいずれか1つに記載の方法。
実施形態115。前記融合ポリペプチドが、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりスコアリングされ、前記閾値が約1.6である、実施形態114に記載の方法。
実施形態116。ステップ(e)が、前記核酸配列を最適化することをさらに含む、実施形態102から115のいずれか1つに記載の方法。
実施形態117。前記最適化がコドン最適化を含む、実施形態116に記載の方法。
実施形態118。前記核酸をListeria monocytogenes株に導入するステップと、コードされた融合ポリペプチドの発現および分泌を確認するステップとをさらに含む、実施形態102から117のいずれか1つに記載の方法。
配列の簡単な説明
添付の配列表に列記されるヌクレオチドおよびアミノ酸配列は、標準的なヌクレオチド塩基の略号およびアミノ酸の三文字コードを使用して示されている。ヌクレオチド配列は、配列の5’末端から始まり3’末端に向かって(すなわち、各行で左から右に)進行する標準的な慣例に従う。各ヌクレオチド配列の1つの鎖しか示されていないが、表示されている鎖のあらゆる参照により相補鎖が含まれるものと理解される。アミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列が提供されている場合、同じアミノ酸配列をコードするそのコドン縮重バリアントも提供されるものと理解される。アミノ酸配列は、配列のアミノ末端から始まりカルボキシ末端に向かって(すなわち、各行で左から右に)進行する標準的な慣例に従う。
(実施例1)
腫瘍関連タンパク質のためのADXS−HOT構築物の設計
本出願人らは、ADXS−HOT構築物に前臨床開発努力の焦点を合わせる反復性がん突然変異を有する7種の初期腫瘍関連タンパク質を選択した(表1を参照)。これら7種の腫瘍関連タンパク質は、複数のがん型にわたる多数の患者において一般的に呈される反復性がん突然変異を有するため選択された。産生における他のADXS−HOT構築物は、複数のがんにわたり一般的に観察される腫瘍ドライバー、ならびに非小細胞肺がん、結腸直腸がん、乳がん、卵巣がん、頭頸部がんおよびその他のような主要がん型において一般的に観察される追加の突然変異した遺伝子標的を標的とする。
構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、21アミノ酸長のペプチドを設計した。しかし、一部の場合、20アミノ酸または24アミノ酸(例えば、N末端に隣接する9アミノ酸およびC末端に隣接する10アミノ酸による、またはN末端に隣接する10アミノ酸およびC末端に隣接する13アミノ酸による)等、異なる長さのペプチドが使用された。また、一部の場合、タンパク質において突然変異した残基が互いに極めて接近しているため、2または3種の反復性がん突然変異を含むペプチドが設計された。23、37、39または53アミノ酸長のかかるペプチドの例は、下に開示されている。
反復性がん突然変異およびその両側の10アミノ酸の隣接配列を含む、反復性がん突然変異が発生するがん関連タンパク質の断片となるように、21merペプチドを設計した。21アミノ酸ウィンドウによりKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によって抗原性ペプチドをスコアリングし、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有するペプチドは、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いため除外した。ランダム化によって生成される複数の異なる順序でのペプチドにより、構築物を設計した。ペプチドの順序付け毎に、N末端における3×FLAGタグおよびC末端におけるSIINFEKLタグにより、またはC末端における3×FLAGタグおよびSIINFEKLタグにより、構築物を設計した。スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりペプチドの各順序付けをスコアリングし、ペプチドの特定の順序付けのためのいずれかの領域が、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有する場合、ペプチドの順序付けが、カットオフを超えるスコアを有する領域を持たないポリペプチドをもたらすまで、ペプチドの順序を再度シャッフルした。
BRAF構築物に関して、8種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:G466E;G466V;G469A;G469R;G469S;G469V;V600E;およびV600K。参照野生型BRAF配列は、配列番号361に表記されている。N末端からC末端への4通りの異なる順序で8種の反復性がん突然変異を含むペプチドにより、構築物を設計した。構築物の配列は、配列番号1〜24に見出される。配列番号1〜6におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:BRAF|G469V;BRAF|G469R;BRAF|V600E;BRAF|G469S;BRAF|G466V;BRAF|V600K;BRAF|G469A;およびBRAF|G466E。配列番号7〜12におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:BRAF|V600K;BRAF|G469R;BRAF|G469V;BRAF|G466V;BRAF|G466E;BRAF|V600E;BRAF|G469A;およびBRAF|G469S。配列番号13〜18におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:BRAF|G469V;BRAF|V600K;BRAF|G469S;BRAF|G466V;BRAF|G469A;BRAF|V600E;BRAF|G466E;およびBRAF|G469R。配列番号19〜24におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:BRAF|V600E;BRAF|V600K;BRAF|G469A;BRAF|G469S;BRAF|G469R;BRAF|G469V;BRAF|G466V;およびBRAF|G466E。構築物に含まれる(includes)抗原性ペプチドの例は、表2に提示する。
EGFR構築物に関して、16種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:R108K;A289V;G598V;E709A;E709K;G719A;G719C;G719S;L747P;L747S;S768I;T790M;L833V/H835L;T833V;L858R;およびL861Q。参照野生型EGFR配列は、配列番号362に表記されている。L833V/H835LおよびT833V突然変異によって示される通り、833位は、異なる非突然変異バージョンのEGFRにおいて「H」または「T」となることができる。一部の構築物において、次の16種の反復性がん突然変異が含まれた:R108K;A289V;G598V;E709A;E709K;G719A;G719C;G719S;L747P;L747S;S768I;T790M;L833V/H835L;T833V;L858R;およびL861Q。N末端からC末端への4通りの異なる順序で8種の反復性がん突然変異を含むペプチドにより構築物を設計した。これらの構築物の配列は、配列番号25〜48に表記されている。配列番号25〜30におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:EGFR|G719S;EGFR|L747P;EGFR|G719C;EGFR|R108K;EGFR|S768I;{EGFR|L833V/H835L−23−mer};EGFR|T833V;EGFR|E709A;EGFR|G598V;EGFR|T790M;EGFR|E709K;EGFR|A289V;EGFR|L861Q;EGFR|G719A;EGFR|L747SおよびEGFR|L858R。配列番号31〜36におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:EGFR|T790M;EGFR|S768I;EGFR|G719C;EGFR|R108K;EGFR|L747P;EGFR|G719A;EGFR|L747S;EGFR|E709K;EGFR|T833V;EGFR|L861Q;EGFR|E709A;EGFR|L858R;EGFR|G598V;EGFR|A289V;{EGFR|L833V/H835L−23−mer}およびEGFR|G719S。配列番号37〜42におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:EGFR|R108K;EGFR|T833V;EGFR|L747S;EGFR|T790M;EGFR|G719C;EGFR|A289V;EGFR|L858R;EGFR|E709A;EGFR|G719S;EGFR|E709K;EGFR|G719A;EGFR|L747P;EGFR|G598V;EGFR|L861Q;EGFR|S768Iおよび{EGFR|L833V/H835L−23−mer}。配列番号43〜48におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:EGFR|G719A;EGFR|L858R;EGFR|G719C;EGFR|A289V;EGFR|T790M;EGFR|S768I;EGFR|T833V;EGFR|G598V;EGFR|G719S;EGFR|L747S;EGFR|L747P;{EGFR|L833V/H835L−23−mer};EGFR|E709A;EGFR|R108K;EGFR|L861QおよびEGFR|E709K。他のEGFR構築物において、次の11種の反復性がん突然変異が含まれた:A289V;G598V;E709K;G719A;G719C;G719S;S768I;T790M;L833V/H835L;L858R;およびL861Q。これらの構築物の配列は、配列番号229〜235に表記されている。配列番号229〜235におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:EGFR|A289V;EGFR|G598V;EGFR|E709K;EGFR|G719A;EGFR|S768I;EGFR|G719S;EGFR|L861Q;EGFR|T790M;EGFR|G719C;{EGFR|L833V/H835L − 23mer};およびEGFR|L858R。構築物に含まれる抗原性ペプチドの例は、表3に提示する。
PIK3CA構築物の一部に関して、25種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:R38C;R38H;E81K;R88Q;R93Q;R93W;R108H;G118D;L334G;N345K;C420R;E453K;E542K;E545A;E545G;E545K;E545Q;Q546K;Q546R;E726K;M1043I;M1043V;H1047L;H1047RおよびG1049R。野生型PIK3CA参照配列は、配列番号363に表記されている。N末端からC末端への4通りの異なる順序で25種の反復性がん突然変異を含むペプチドにより、構築物を設計した。構築物の配列は、配列番号49〜72に見出される。配列番号49〜54におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|M1043V;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E726K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|L334G;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E542K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|R108H;PIK3CA|R93W;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R38H;PIK3CA|N345K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|G118D;PIK3CA|E545Q;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|E545A;PIK3CA|E453K;PIK3CA|E545K;PIK3CA|R38CおよびPIK3CA|C420R。配列番号55〜60におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|E726K;PIK3CA|E81K;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|E545A;PIK3CA|E545K;PIK3CA|R38C;PIK3CA|G118D;PIK3CA|R93W;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E542K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|N345K;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E453K;PIK3CA|C420R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|L334G;PIK3CA|E545Q;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|R108H;PIK3CA|Q546RおよびPIK3CA|R38H。配列番号61〜66におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|R108H;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R38H;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|N345K;PIK3CA|R38C;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E81K;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|E453K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|C420R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|L334G;PIK3CA|G118D;PIK3CA|E726KおよびPIK3CA|E545Q。配列番号67〜72におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|N345K;PIK3CA|R38H;PIK3CA|E545K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|E726K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|E545Q;PIK3CA|L334G;PIK3CA|R38C;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|C420R;PIK3CA|R93W;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E545A;PIK3CA|G118D;PIK3CA|E453K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|R108HおよびPIK3CA|E542K。他のPIK3CA構築物において、17種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:R38H;E81K;R88Q;R108H;G118D;N345K;C420R;E542K;E545A;E545G;E545K;Q546K;Q546R;M1043I;H1047L;H1047RおよびG1049R。構築物の配列は、配列番号236〜242に見出される。配列番号236〜242におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|E545A;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545G;PIK3CA|H1047L;{PIK3CA|Q546K − 20−mer};PIK3CA|R38H;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R108H;PIK3CA|N345K;PIK3CA|C420R;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|G118DおよびPIK3CA|G1049R。他のPIK3CA構築物において、8種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:R88Q;E542K;E545A;E545G;E545K;Q546K;H1047L;およびH1047。構築物の配列は、配列番号243〜249に見出される。配列番号243〜249におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|E545A;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545G;PIK3CA|H1047Lおよび{PIK3CA|Q546K − 20−mer}。他のPIK3CA構築物において、9種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:R38H;E81K;R108H;G118D;N345K;C420R;Q546R;M1043I;およびG1049R。構築物の配列は、配列番号250〜256に見出される。配列番号250〜256におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|R38H;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R108H;PIK3CA|N345K;PIK3CA|C420R;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|G118DおよびPIK3CA|G1049R。構築物に含まれる抗原性ペプチドの例は、表4に提示する。
PIK3R1構築物に関して、3種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:G376R;N564D;およびK567E。野生型PIK3R1参照配列は、配列番号364に表記されている。N末端からC末端への2通りの異なる順序で3種の反復性がん突然変異を含むペプチドにより、構築物を設計した。これらの構築物の配列は、配列番号73〜84に表記されている。配列番号73〜78におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3R1|G376R;PIK3R1|N564D;およびPIK3R1|K567E。配列番号79〜84におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3R1|N564D;PIK3R1|K567E;およびPIK3R1|G376R。構築物に含まれる抗原性ペプチドの例は、表5に提示する。
PIK3CA/PIK3R1組合せ構築物に関して、28種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:PIK3CA|R38C;PIK3CA|R38H;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R108H;PIK3CA|G118D;PIK3CA|L334G;PIK3CA|N345K;PIK3CA|C420R;PIK3CA|E453K;PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545A;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E545Q;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E726K;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|G1049R;PIK3R1|G376R;PIK3R1|N564DおよびPIK3R1|K567E。N末端からC末端への4通りの異なる順序で28種の反復性がん突然変異を含むペプチドにより、構築物を設計した。これらの構築物の配列は、配列番号85〜108に表記されている。配列番号85〜90におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|R38C;PIK3CA|N345K;PIK3CA|E726K;PIK3CA|E453K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|M1043V;PIK3R1|N564D;PIK3R1|K567E;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R108H;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E545Q;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|C420R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|E545G;PIK3CA|G118D;PIK3CA|R38H;PIK3R1|G376R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545KおよびPIK3CA|L334G。配列番号91〜96におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|R38C;PIK3CA|R108H;PIK3CA|C420R;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|E453K;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|H1047L;PIK3R1|N564D;PIK3CA|E726K;PIK3CA|G118D;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|E545K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|L334G;PIK3R1|K567E;PIK3CA|R38H;PIK3R1|G376R;PIK3CA|R93W;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E81K;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|N345K;PIK3CA|E545AおよびPIK3CA|E545Q。配列番号97〜102におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|R108H;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|R38H;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E542K;PIK3CA|N345K;PIK3CA|R38C;PIK3CA|E545G;PIK3CA|E81K;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|R93Q;PIK3CA|E453K;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|C420R;PIK3CA|H1047L;PIK3CA|L334G;PIK3CA|G118D;PIK3CA|E726KおよびPIK3CA|E545Q。配列番号103〜108におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PIK3CA|E545Q;PIK3CA|R93W;PIK3CA|H1047R;PIK3CA|G1049R;PIK3CA|N345K;PIK3CA|Q546R;PIK3CA|E545K;PIK3CA|E453K;PIK3CA|L334G;PIK3CA|H1047L;PIK3R1|G376R;PIK3CA|M1043V;PIK3CA|R88Q;PIK3CA|R38H;PIK3CA|G118D;PIK3R1|K567E;PIK3CA|R38C;PIK3CA|E542K;PIK3CA|Q546K;PIK3CA|E726K;PIK3CA|C420R;PIK3CA|E545A;PIK3CA|R93Q;PIK3R1|N564D;PIK3CA|R108H;PIK3CA|M1043I;PIK3CA|E545GおよびPIK3CA|E81K。
PTEN構築物に関して、13種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:Y68H;Y88C;D92E;del121−131;R130G;R130L;R130P;R130Q;C136Y;R142W;Y155C;R173H;およびP246L。野生型PTEN参照配列は、配列番号365に表記されている。N末端からC末端への4通りの異なる順序で13種の反復性がん突然変異を含むペプチドにより構築物を設計した。これらの構築物の配列は、配列番号109〜132に表記されている。配列番号109〜114におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PTEN|delta121−131;PTEN|Y88C;PTEN|R130G;PTEN|Y155C;PTEN|D92E;PTEN|C136Y;PTEN|R130Q;PTEN|Y68H;PTEN|R142W;PTEN|R173H;PTEN|R130L;PTEN|R130P;およびPTEN|P246L。配列番号115〜120におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PTEN|R130P;PTEN|R130G;PTEN|Y155C;PTEN|R130L;PTEN|C136Y;PTEN|delta121−131;PTEN|P246L;PTEN|D92E;PTEN|R173H;PTEN|Y68H;PTEN|R130Q;PTEN|Y88C;およびPTEN|R142W。配列番号121〜126におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PTEN|R130Q;PTEN|R130G;PTEN|delta121−131;PTEN|C136Y;PTEN|R130L;PTEN|P246L;PTEN|Y155C;PTEN|D92E;PTEN|R142W;PTEN|R130P;PTEN|Y88C;PTEN|Y68H;およびPTEN|R173H。配列番号127〜132におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:PTEN|delta121−131;PTEN|C136Y;PTEN|Y68H;PTEN|R142W;PTEN|R173H;PTEN|R130L;PTEN|P246L;PTEN|R130G;PTEN|R130P;PTEN|Y88C;PTEN|D92E;PTEN|R130Q;およびPTEN|Y155C。構築物に含まれる抗原性ペプチドの例は、表6に提示する。
KRAS構築物に関して、20種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:G12A;G12C;G12D;G12R;G12S;G12V;G13C;G13D;G13R;G13S;G13V;L19F;Q61K;Q61H;Q61L;Q61R;K117N;A146T;A146V, and A164G。野生型KRAS参照配列は、配列番号366に表記されている。N末端からC末端への4通りの異なる順序で20種の反復性がん突然変異を含むペプチドにより、構築物を設計した。これらの構築物の配列は、配列番号133〜156に表記されている。配列番号133〜138におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:KRAS|Q61R;KRAS|Q61K;KRAS|Q61L;KRAS|Q61H;KRAS|L19F;KRAS|K117N;KRAS|G12A;KRAS|A164G;RAS|G12D;KRAS|G13D;KRAS|G13S;KRAS|G12S;KRAS|A146V;KRAS|G13R;KRAS|G13C;KRAS|G12C;KRAS|G12R;KRAS|G13V;KRAS|G12VおよびKRAS|A146T。配列番号139〜144におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:KRAS|Q61H;KRAS|K117N;KRAS|G13C;KRAS|G13R;KRAS|G12D;KRAS|G12S;KRAS|G12V;KRAS|G12A;KRAS|Q61K;KRAS|G13V;KRAS|G12C;KRAS|L19F;KRAS|Q61R;KRAS|Q61L;KRAS|A146V;KRAS|A164G;KRAS|G12R;KRAS|G13S;KRAS|A146TおよびKRAS|G13D。配列番号145〜150におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:KRAS|G12D;KRAS|L19F;KRAS|A146V;KRAS|Q61H;KRAS|G12V;KRAS|A164G;KRAS|G12C;KRAS|Q61L;KRAS|A146T;KRAS|G13S;KRAS|G12A;KRAS|G13V;KRAS|G13C;KRAS|G13D;KRAS|G12R;KRAS|G12S;KRAS|Q61R;KRAS|Q61K;KRAS|G13RおよびKRAS|K117N。配列番号151〜156におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:KRAS|G13V;KRAS|G13S;KRAS|G12V;KRAS|G12R;KRAS|A146V;KRAS|G13D;KRAS|G12D;KRAS|K117N;KRAS|Q61H;KRAS|G12C;KRAS|G13C;KRAS|A146T;KRAS|G12A;KRAS|Q61L;KRAS|Q61K;KRAS|A164G;KRAS|G12S;KRAS|L19F;KRAS|G13RおよびKRAS|Q61R。構築物に含まれる抗原性ペプチドの例は、表7に提示する。
TP53構築物の一部に関して、33種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:Y107D;K132N;C141Y;V143A;V157F;Y163C;R175H;C176F;C176Y;H179R;H179W;H193R;I195T;V216M;Y220C;Y234C;Y234H;S241F;S242F;G245D;G245S;R248L;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273H;R273L;P278L;P278S;R282G;R282WおよびR337H。野生型TP53参照配列は、配列番号367に表記されている。N末端からC末端への4通りの異なる順序で33種の反復性がん突然変異を含むペプチドにより、構築物を設計した。これらの構築物の配列は、配列番号157〜180に表記されている。配列番号157〜162におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|H179W;TP53|R273L;TP53|R249S;TP53|R248Q;TP53|Y234H;TP53|G245D;TP53|Y220C;TP53|R248L;TP53|H193R;TP53|K132N;TP53|S242F;TP53|Y234C;TP53|G245S;TP53|C176F;TP53|R282W;TP53|R273H;TP53|R282G;TP53|C141Y;TP53|R273C;TP53|V216M;TP53|R337H;TP53|R248W;TP53|V143A;TP53|I195T;TP53|P278S;TP53|S241F;TP53|C176Y;TP53|Y107D;TP53|R175H;TP53|H179R;TP53|V157F;TP53|P278LおよびTP53|Y163C。配列番号163〜168におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|R248W;TP53|R248L;TP53|Y220C;TP53|Y163C;TP53|G245D;TP53|Y107D;TP53|H179R;TP53|V216M;TP53|P278S;TP53|S241F;TP53|R273L;TP53|P278L;TP53|C176F;TP53|C141Y;TP53|S242F;TP53|R249S;TP53|V143A;TP53|I195T;TP53|R273H;TP53|R273C;TP53|R282G;TP53|H179W;TP53|R175H;TP53|R248Q;TP53|G245S;TP53|H193R;TP53|R337H;TP53|R282W;TP53|Y234C;TP53|V157F;TP53|Y234H;TP53|C176YおよびTP53|K132N。配列番号169〜174におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|R248W;TP53|H179R;TP53|R273H;TP53|Y107D;TP53|R337H;TP53|R282G;TP53|V157F;TP53|V143A;TP53|Y234H;TP53|Y220C;TP53|R282W;TP53|R248L;TP53|S241F;TP53|H179W;TP53|R273C;TP53|C141Y;TP53|R249S;TP53|P278L;TP53|G245S;TP53|I195T;TP53|R175H;TP53|G245D;TP53|R273L;TP53|K132N;TP53|V216M;TP53|Y163C;TP53|C176F;TP53|S242F;TP53|Y234C;TP53|H193R;TP53|R248Q;TP53|P278SおよびTP53|C176Y。配列番号175〜180におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|V143A;TP53|R282W;TP53|V157F;TP53|H179W;TP53|K132N;TP53|Y163C;TP53|C176Y;TP53|G245D;TP53|Y220C;TP53|S242F;TP53|Y234C;TP53|R249S;TP53|H179R;TP53|R273H;TP53|C141Y;TP53|R273L;TP53|P278S;TP53|C176F;TP53|R337H;TP53|H193R;TP53|R273C;TP53|R282G;TP53|R175H;TP53|R248W;TP53|P278L;TP53|I195T;TP53|S241F;TP53|R248L;TP53|Y234H;TP53|V216M;TP53|G245S;TP53|Y107DおよびTP53|R248Q。他のTP53構築物に関して、23種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:Y107D;C141Y;V143A;V157F;Y163C;R175H;C176F;H193R;I195T;V216M;Y220C;Y234C;Y234H;G245D;G245S;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273H;R273L;R282GおよびR282W。これらの構築物の配列は、配列番号257〜263に表記されている。配列番号257〜263におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|R248W;{TP53|R273H − 24mer};TP53|V143A;TP53|R249S;{TP53|R175H−TP53|H193R − 39mer組合せ};TP53|Y220C;{TP53|G245D − 20mer};TP53|R248Q;TP53|R273C;TP53|R282W;{TP53|Y107D − 20mer};{TP53|C141Y−TP53|V157F − 37mer組合せ};{TP53|Y163C−TP53|C176F−TP53|I195T − 53mer組合せ};{TP53|V216M−TP53|Y234H − 39mer組合せ};TP53|G245S;TP53|R273L;TP53|Y234C;およびTP53|R282G。他のTP53構築物に関して、11種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:V143A;R175H;H193R;Y220C;G245D;R248Q;R248W;R249S;R273C;R273H;およびR282W。これらの構築物の配列は、配列番号264〜270に表記されている。配列番号264〜270におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|R248W;TP53|R273H;TP53|V143A;TP53|R249S;{TP53|R175H−TP53|H193R − 39mer組合せ};TP53|Y220C;{TP53|G245D − 20mer};TP53|R248Q;TP53|R273C;およびTP53|R282W。他のTP53構築物に関して、12種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:Y107D;C141Y;V157F;Y163C;C176F;I195T;V216M;Y234C;Y234H;G245S;R273L;およびR282G。これらの構築物の配列は、配列番号271〜277に表記されている。配列番号271〜277におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|Y107D;{TP53|C141Y−TP53|V157F − 37mer組合せ};{TP53|Y163C−TP53|C176F−TP53|I195T − 53mer組合せ};{TP53|V216M−TP53|Y234H − 39mer組合せ};TP53|G245S;TP53|R273L;TP53|Y234C;およびTP53|R282G。17種の反復性がん突然変異の異なる組合せを含むように、他のTP53構築物を設計した。他のTP53構築物に関して、17種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:Y107D;C141Y;V143A;Y163C;C176Y;H179R;H179W;H193R;V216M;Y234H;S241F;G245D;R248Q;R248W;R273C;R273LおよびP278S。これらの構築物の配列は、配列番号181〜186に表記されている。配列番号181〜186におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|S241F;TP53|G245D;TP53|V143A;TP53|P278S;TP53|R273C;TP53|C176Y;TP53|Y234H;TP53|R248W;TP53|V216M;TP53|R248Q;TP53|C141Y;TP53|Y163C;TP53|H193R;TP53|H179R;TP53|H179W;TP53|Y107DおよびTP53|R273L。他のTP53構築物に関して、17種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:C141Y;R175H;H179R;H193R;V216M;Y234H;G245D;G245S;R248L;R248W;R273C;R273H;P278L;P278S;R282G;R282W;およびR337H。これらの構築物の配列は、配列番号193〜198に表記されている。配列番号193〜198におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|H193R;TP53|P278L;TP53|R273C;TP53|R248W;TP53|H179R;TP53|P278S;TP53|R248L;TP53|V216M;TP53|R282G;TP53|R337H;TP53|R175H;TP53|Y234H;TP53|G245D;TP53|R273H;TP53|G245S;TP53|R282WおよびTP53|C141Y。他のTP53構築物に関して、17種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:Y107D;C141Y;V143A;C176F;H179R;V216M;Y220C;S241F;S242F;G245S;R248L;R248W;R273L;P278L;P278S;R282GおよびR282W。これらの構築物の配列は、配列番号205〜210に表記されている。配列番号205〜210におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|P278S;TP53|C176F;TP53|H179R;TP53|R282G;TP53|S241F;TP53|R273L;TP53|P278L;TP53|C141Y;TP53|Y107D;TP53|R248W;TP53|V216M;TP53|R282W;TP53|S242F;TP53|Y220C;TP53|V143A;TP53|G245SおよびTP53|R248L。他のTP53構築物に関して、17種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:Y107D;K132N;V143A;V157F;Y163C;R175H;C176Y;Y234C;Y234H;S241F;S242F;G245D;G245S;R273C;P278S;R282WおよびR337H。これらの構築物の配列は、配列番号217〜222に表記されている。配列番号217〜222におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|C176Y;TP53|R175H;TP53|G245D;TP53|R337H;TP53|S241F;TP53|K132N;TP53|V143A;TP53|P278S;TP53|R282W;TP53|Y163C;TP53|Y107D;TP53|R273C;TP53|S242F;TP53|G245S;TP53|V157F;TP53|Y234CおよびTP53|Y234H。16種の反復性がん突然変異の異なる組合せを含むように、他のTP53構築物を設計した。他のTP53構築物に関して、16種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:K132N;V157F;R175H;C176F;I195T;Y220C;Y234C;S242F;G245S;R248L;R249S;R273H;P278L;R282G;R282WおよびR337H。これらの構築物の配列は、配列番号187〜192に表記されている。配列番号187〜1
92におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|K132N;TP53|R282W;TP53|G245S;TP53|Y234C;TP53|S242F;TP53|R175H;TP53|Y220C;TP53|V157F;TP53|R282G;TP53|C176F;TP53|R337H;TP53|I195T;TP53|R249S;TP53|P278L;TP53|R273HおよびTP53|R248L。他のTP53構築物に関して、16種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:Y107D;K132N;V143A;V157F;Y163C;C176F;C176Y;H179W;I195T;Y220C;Y234C;S241F;S242F;R248Q;R249SおよびR273L。これらの構築物の配列は、配列番号199〜204に表記されている。配列番号199〜204におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|Y107D;TP53|K132N;TP53|C176F;TP53|C176Y;TP53|R273L;TP53|Y220C;TP53|R248Q;TP53|V143A;TP53|I195T;TP53|R249S;TP53|S242F;TP53|Y234C;TP53|H179W;TP53|V157F;TP53|Y163CおよびTP53|S241F。他のTP53構築物に関して、16種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:K132N;V157F;Y163C;R175H;C176Y;H179W;H193R;I195T;Y234C;Y234H;G245D;R248Q;R249S;R273C;R273HおよびR337H。これらの構築物の配列は、配列番号211〜216に表記されている。配列番号211〜216におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|R175H;TP53|H179W;TP53|R249S;TP53|Y234H;TP53|I195T;TP53|R248Q;TP53|R273H;TP53|C176Y;TP53|V157F;TP53|H193R;TP53|Y234C;TP53|K132N;TP53|R273C;TP53|Y163C;TP53|G245DおよびTP53|R337H。他のTP53構築物に関して、16種の反復性がん突然変異が、構築物に含まれた:C141Y;C176F;H179R;H179W;H193R;I195T;V216M;Y220C;R248L;R248Q;R248W;R249S;R273H;R273L;P278LおよびR282G。これらの構築物の配列は、配列番号223〜228に表記されている。配列番号223〜228におけるホットスポット突然変異21merの順序を次に示す:TP53|C176F;TP53|R273L;TP53|H179R;TP53|R282G;TP53|Y220C;TP53|I195T;TP53|C141Y;TP53|R248L;TP53|R273H;TP53|H179W;TP53|H193R;TP53|R249S;TP53|V216M;TP53|P278L;TP53|R248WおよびTP53|R248Q。構築物に含まれる抗原性ペプチドの例は、表8に提示する。
全がんにわたる共通のものに追加して、ある特定の強い影響のがんにおいて高頻度で突然変異されているがん関連タンパク質のための構築物の追加のセットも開発中である。このような疾患は、肺の扁平上皮および腺癌、結腸直腸がん、乳がん、卵巣がんその他を含む。
これらの構築物のうち、大部分の主要型のがんに特徴的な共有される突然変異したエピトープをカバーするいくつかのパネルを考案することができる。ADXS−HOT構築物から開発されている疾患特異的パネルは、表10のものを含むことができる。
さらに、反復性ホットスポット突然変異が、40種を超えるがん型に及ぶ11,000種を超えるヒト腫瘍において同定され、275種の遺伝子における470種の体細胞置換ホットスポットが同定される。例えば、あらゆる目的のためその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Changら(2016年)Nat Biotechnol 34巻(2号):155〜163頁を参照されたい(腫瘍型の分布、公知および分類されたホットスポットの内訳、ならびにコホート内で2種またはそれよりも多いホットスポットが検出される49種の遺伝子のそれぞれにおけるホットスポットの数を提供する)。このランドスケープは、より幅広いがん患者集団に対する「オフザシェルフ」処置の数を拡大するための追加のADXS−HOT構築物の開発のための大きな機会を提供する。
(実施例2)
結腸直腸がん免疫療法戦略:ホットスポット構築物
結腸直腸がん(CRC)の発癌は、体細胞突然変異の獲得および蓄積によって駆動される。APC突然変異は、初期に腺腫形成に、続いて後期事象としてのTP53不活性化により中等度腺腫から癌への移行を促進するKRASの発癌性突然変異に関与する。追加の突然変異は、腫瘍ドライバーとして寄与するPIK3CA、FBXW7、NRASおよびBRAFにおいて獲得され得、EGFR阻害のような処置に対する抵抗性を付与することができる(またはこれにより選択され得る)。
近年、大規模PCRに基づく配列決定の出現は、CRCのゲノムランドスケープの描写に使用され、多数の高頻度突然変異した遺伝子が、これらの遺伝子において共有される突然変異の共通性のために「遺伝子の山(gene mountain)」として同定された。これらは、APC、KRAS、TP53、FBXW7、PIK3CA、NRASおよびBRAFを含む重大な意味を持つ腫瘍ドライバー遺伝子において発生する体細胞突然変異によって含まれる。さらなるより低頻度の共有される突然変異遺伝子クラスターも同定された。しかし、圧倒的多数のCRC腫瘍は、これらの一般的に観察される共有される腫瘍ドライバー(drive)「遺伝子の山」における代表的突然変異のうち1種または複数の取り込みによって特徴付けることができる。これらの鍵となる腫瘍ドライバー遺伝子における体細胞突然変異は、突然変異「ホットスポット」として記載され得るものにおいて、分子の機能に干渉するペプチドの重大な意味を持つアミノ酸位置において高頻度で発生する。このような種類の共有される突然変異は、個々の患者に特異的なネオ抗原とは対照的に、これらの腫瘍ドライバー遺伝子における一般的に観察される共有される突然変異エピトープの大部分に焦点を合わせる免疫療法を生成する機会を提供する。例として、BRAF遺伝子は、VからEへの600位における体細胞置換に関連する非常に十分に特徴付けされた腫瘍特異的抗原を示すことができる。
BRAF突然変異は、後期CRCを有する患者における生存短縮に関連することも公知である。単純な例として、BRAFにおいて発生する圧倒的多数の突然変異は、V600Eとして表されるアミノ酸位置600に存在し、有意な頻度で発生する他の唯一の共有される突然変異は、BRAF G469V(またはG469A)である。よって、免疫化によるこれら3種の特異的な共有されるエピトープをカバーすることで、症例の99%超でBRAFにおいて発生する可能性があるいずれかの体細胞突然変異に対するT細胞応答を生成することができる。この高リスク突然変異により同定された患者は、この予後に関連する細胞を排除する試みにおいて、このバイオマーカーを標的とする免疫療法で処置することができた。
共通腫瘍ドライバー遺伝子における腫瘍特異的突然変異の結果として生じる圧倒的多数の腫瘍特異的エピトープを標的とするであろう、Lm−LLOシリーズの構築物が開発中である。これらの製品は、本出願人らのLm−LLOプラットフォームに基づき、これらのそれぞれは、特定の遺伝子において観察される潜在的突然変異の≧99%をカバーすることが企図される。腫瘍ドライバー遺伝子における鍵となる反復性がん突然変異の存在は、特異的なPCRに基づくキットにより診断することができる、またはDNAもしくはRNA配列決定により他の仕方で開示される。患者が、2種以上の反復性がん突然変異を有する場合、投与に先立ち個々のホットスポット構築物を単純に混合することにより、これらの構築物は、組み合わせて与えることができる。共通に突然変異された遺伝子が明らかに同定されており、大部分の患者は、これらの腫瘍ドライバー遺伝子のいくつかにおける突然変異を共有するため、結腸直腸がんへのこれらの薬剤の適用は、特に有用となることができる。そのようなものとして、例えば、APC、TP53、PIK3CA、KRASおよびBRAFにおける突然変異が挙げられる。
DNAミスマッチ修復における欠損に起因するマイクロサテライト不安定性(MSI)は、孤発性(非リンチ症候群)CRCの10〜25%における高い突然変異負担を引き起こすが、より良好な予後にも関連し、チェックポイント阻害に対する応答であった。近年のデータは、このような患者が、チェックポイント阻害剤単剤療法でより有効に処置されることを示唆する。したがって、CRCにおける最大の医学的必要は、マイクロサテライト安定(MSS)CRCを有する患者の85〜90%に対するものである。
近年のデータは、腫瘍が、免疫学的に「ホット(hot)」になる、またはTH−1支持的微小環境の発現に関連するリンパ球より浸潤される場合、MSS CRCが、チェックポイント阻害処置に対して感受性になる場合があることを示唆する(ASCO 2016年、口頭発表、要約、met inhibition of MSS CRC followed by PD-1)。本出願人らのLm−LLOベクターは、TregおよびMDSCの抑制能力の低下と共に固形腫瘍微小環境へのT細胞の浸潤増加において最高に達するTH−1型T細胞免疫を支持する有意な自然免疫刺激に寄与することが判明した(Wallechaら(2013年)J Immunother 36巻:468〜476頁;Chenら(2014年)Cancer Immunol Res 2巻(9号):911〜922頁;およびMkrtichyanら(2013年)J Immunother Cancer 1巻:15頁.doi:10.1186/2051−1426−1−15、これらのそれぞれは、あらゆる目的のためその全体が参照により本明細書に組み込まれる)。
これらの効果は、MSS CRC微小環境の変更においてまとめて寄与することができ、腫瘍特異的標的が提示される場合、これを「ホット」にした。加えて、これらの構築物は、エピトープ拡散を誘導することが示された。これらの処置は、腫瘍ドライバー遺伝子における腫瘍特異的突然変異の結果として生じる腫瘍特異的抗原を標的化する場合に、単剤療法として有効となることができ、チェックポイント阻害処置に対するその感受性を大いに増強することもできた。Lm−LLO構築物のin vitro試験は、in vitroでの相乗作用を実証し、進行中の組合せ治験は、チェックポイント阻害剤と安全に組み合わせることができることを実証した。
CRCの腫瘍ドライバー遺伝子における反復性がん突然変異の公知発現に基づき、MSS CRCのCRC特異的ADXS−HOT処置の開発は、次の標的に対して方向付けられるであろう。意図は、診断スクリーニングに基づく組合せ処置のために選択され得る、または全MSS CRC患者に与えることが企図されるセット組合せ戦略において組み合わされ得る、のいずれかである遺伝子特異的構築物のパネルを開発することにある。CRCパネルは、最小でも次の腫瘍ドライバーホットスポット標的化構築物を含むであろう(突然変異に対する「m」):mAPC(CRC患者の76%に見出される)、mTP53(患者の52%)、mRAS{KRAS/NRAS}(患者の52%{それぞれ患者の43%/9%})、mPIK3CA(患者の19%)、mBRAF(患者の9%)。
CRCのためのこれらの構築物から発生した2種の処置選択肢がある場合がある。その1種は、Nanostringからのバイオマーカーの発現、またはPCRに基づく診断またはDNAもしくはRNA配列決定に基づく患者に対する個別化となるであろう。
他の選択肢は、共通疾患型を有する全患者に、同じ組合せ混合物を与えることである。個別化医療アプローチのために、パネルに由来する構築物の組合せは、そのバイオマーカー検査結果に基づく患者のためのキットへとアセンブルされ、処置の直前に現場で一緒に混合されるであろう。追加の標的を進行中のパネルに加えることができる。いくつかの他の腫瘍ドライバー突然変異標的構築物も、肺の扁平上皮および腺癌、乳がんならびに卵巣がんを含む他の疾患において高頻度で突然変異されている遺伝子を標的とするように調製されるであろう。これらの他の構築物の一部は、利用できるようになるため、CRCパネルにおいて有用となることもできる。
一般化された共通疾患特異的混合物のため、認定疾患型を有する全患者に、構築物の同じ組合せが与えられるであろう。MSS CRCのため、この組合せは、APC、TP53、PIK3CAおよびRAS、および(潜在的に)BRAFを含むであろう。患者の76%におけるmAPC、患者の52%におけるmTP53、患者の52%におけるmRAS{KRAS/NRAS}、および患者の19%におけるmPIK3CAを含め、体細胞腫瘍ドライバー突然変異がCRCに見出されるため、大部分の患者が、これらの代表的な突然変異した腫瘍ドライバー遺伝子の2〜4または2〜5種のいずれかを発現し、よって、複数のドライバー遺伝子突然変異が標的化される見込みが大いにある。
一体的なまたは他の治療的がん処置と組み合わせたいくつかの個々のホットスポット産物のいずれかとして、組合せ処置レジメンの一部としてADXS−HOT構築物を使用する潜在力も存在する。本出願人らのLm構築物のその他と同様に、ホットスポット処置は、チェックポイント阻害剤、共刺激アゴニストまたは放射線療法のような他のがん処置と組み合わせてまたはこれと逐次に与えることができる。その理由は、動物モデルおよび臨床試験の初期データが、Lm−LLO免疫療法が、PD−1および/またはPD−L1遮断抗体等、活性免疫療法剤との有意な相乗作用のための潜在力を有することを示したことが挙げられる。
Lm−LLOベースのワクチンの抗PD−1抗体との組合せは、免疫サプレッサー細胞(TregおよびMDSC)の減少と併せて、抗原特異的免疫応答および腫瘍浸潤性CD8+T細胞の増加をもたらす。組合せレジメンは、処置された動物において、腫瘍成長の著しい阻害および生存期間の延長/腫瘍の完全な退縮を伴う相乗活性をもたらした。PD−1/PD−L1の遮断とLm−LLOベースのワクチンの組合せは、いずれかの薬剤単独と比べて、抗腫瘍免疫療法の有効性の全体的な増強をもたらし得る。また、in vitroのLm感染がヒト単球由来樹状細胞における表面PD−L1発現の著しい上方調節をもたらすことも示された。このことは、この所見の翻訳能を示唆する。
American Association for Cancer Research Annual Meeting、2016年(Sikora要約、Advaxisレセプションデータ発表)で発表されたデータは、ヒト頭頸部腫瘍におけるLm−LLO薬剤によるPD−1の上方調節およびT細胞の活性化を支持する証拠を提供した。試験のデータは、PD−1およびPD−L1発現の上方調節、TregおよびMDSCの低下、ならびにCD8+およびCD4+T細胞の浸潤を含む、腫瘍微小環境内の免疫活性化増加を示した。これらの観察は、抗PD−1抗体との潜在的に強い相乗作用を示唆する(あらゆる目的のためその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Wolfら(2013年)J Immunol 190巻(6号):2501〜2509頁)。
前臨床データは、Ox−40およびGITRのような免疫共刺激アゴニストとの相乗効果も示唆している(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているMkrtichyanら(2013年)、J Immunother Cancer、1巻:15号、doi: 10.1186/2051-1426-1-15)。放射線療法とLm−LLOベクターの相乗効果は、前臨床モデルにおいて実証されており(あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれているHannanら(2012年)、Cancer Immunol Immunother、61巻(12号):2227〜2238頁)、また、未切除のイヌ骨肉腫における進行中の獣医学的試験において観察されている。Lm−LLO処置は化学療法と連続的に与えてもよいが、十分な造血回復があることを条件とする。加えて、Lmベクターによる中和抗体が発生しないことが現在までの研究によって示されており、そのため、単一のLmベクターを用いた反復処置、または複数のベクターを用いた同時もしくは連続的な処置が可能である。
本明細書において開示されるADXS−HOT免疫療法は、健康な細胞に対する影響をほとんどまたは全く伴わずに、ホットスポットに対する有効性が高く標的化された攻撃を行うことにより、がんの処置に大変革をもたらす可能性を有する。腫瘍免疫療法は、宿主自身の免疫細胞という、自然が生み出した最も効果的な抗がん剤を活用する。MSS CRCのための有効レジメンにおけるこれらのADXS−HOT CRCプログラムの適用成功は、現在存在しない、この壊滅的な疾患のための有効な免疫療法選択肢へと開発される潜在力を有する。
(実施例3)
がん型特異的ホットスポット構築物の設計
本出願人らは、ADXS−HOT構築物のために前臨床開発努力の焦点を合わせる反復性がん突然変異を有する5種の初期がん型を選択した。これらは、ルミナルA乳がん、結腸直腸腺癌、NSCLC腺癌、扁平上皮がんおよび前立腺がんを含む。
ルミナルA乳がん
5種の遺伝子にわたる総計11種のホットスポット突然変異を、ルミナルA乳がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全ルミナルA乳がん患者の50.6%をカバーする。
構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、21アミノ酸長のペプチドを設計した。
21merペプチドは、反復性がん突然変異およびその両側の10アミノ酸の隣接配列を含む、反復性がん突然変異が発生するがん関連タンパク質の断片となるように設計した。抗原性ペプチドは、21アミノ酸ウィンドウで、KyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によってスコアリングし、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有するペプチドは、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いため除外した。構築物は、ランダム化によって生成された複数の異なる順序のペプチドにより設計されるであろう。ペプチドの各順序付けは、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりスコアリングされ、ペプチドの特定の順序付けのためのいずれかの領域が、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有する場合、ペプチドの順序付けが、カットオフを超えるスコアを有する領域を持たないポリペプチドをもたらすまで、ペプチドの順序は再度シャッフルされるであろう。
結腸直腸腺癌
6種の遺伝子にわたる総計17種のホットスポット突然変異を、結腸直腸腺癌ADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全結腸直腸がん患者の42.8%およびマイクロサテライト安定患者の58%をカバーする。
構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、21アミノ酸長のペプチドを設計した。
21merペプチドは、反復性がん突然変異およびその両側の10アミノ酸の隣接配列を含む、反復性がん突然変異が発生するがん関連タンパク質の断片となるように設計した。抗原性ペプチドは、21アミノ酸ウィンドウで、KyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によってスコアリングし、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有するペプチドは、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いため除外した。構築物は、ランダム化によって生成された複数の異なる順序のペプチドにより設計されるであろう。ペプチドの各順序付けは、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりスコアリングされ、ペプチドの特定の順序付けのためのいずれかの領域が、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有する場合、ペプチドの順序付けが、カットオフを超えるスコアを有する領域を持たないポリペプチドをもたらすまで、ペプチドの順序は再度シャッフルされるであろう。
肺腺癌
6種の遺伝子にわたる総計30種のホットスポット突然変異を、肺腺癌(NSCLC)ADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全肺腺癌患者の53.5%をカバーする。
構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、21アミノ酸長のペプチドを設計した。
21merペプチドは、反復性がん突然変異およびその両側の10アミノ酸の隣接配列を含む、反復性がん突然変異が発生するがん関連タンパク質の断片となるように設計した。抗原性ペプチドは、21アミノ酸ウィンドウで、KyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によってスコアリングし、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有するペプチドは、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いため除外した。構築物は、ランダム化によって生成された複数の異なる順序のペプチドにより設計されるであろう。ペプチドの各順序付けは、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりスコアリングされ、ペプチドの特定の順序付けのためのいずれかの領域が、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有する場合、ペプチドの順序付けが、カットオフを超えるスコアを有する領域を持たないポリペプチドをもたらすまで、ペプチドの順序は再度シャッフルされるであろう。
NSCLC扁平上皮がん
5種の遺伝子にわたる総計60種のホットスポット突然変異を、NSCLC扁平上皮がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全NSCLC扁平上皮がん患者の52.3%をカバーする。
構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、21アミノ酸長のペプチドを設計した。
21merペプチドは、反復性がん突然変異およびその両側の10アミノ酸の隣接配列を含む、反復性がん突然変異が発生するがん関連タンパク質の断片となるように設計した。抗原性ペプチドは、21アミノ酸ウィンドウで、KyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によってスコアリングし、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有するペプチドは、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いため除外した。構築物は、ランダム化によって生成された複数の異なる順序のペプチドにより設計されるであろう。ペプチドの各順序付けは、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりスコアリングされ、ペプチドの特定の順序付けのためのいずれかの領域が、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有する場合、ペプチドの順序付けが、カットオフを超えるスコアを有する領域を持たないポリペプチドをもたらすまで、ペプチドの順序は再度シャッフルされるであろう。
前立腺がん
9種の遺伝子にわたる総計21種のホットスポット突然変異を、前立腺がんパネルのために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全前立腺がん患者の27.6%をカバーする。
構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、21アミノ酸長のペプチドを設計した。
21merペプチドは、反復性がん突然変異およびその両側の10アミノ酸の隣接配列を含む、反復性がん突然変異が発生するがん関連タンパク質の断片となるように設計した。抗原性ペプチドは、21アミノ酸ウィンドウで、KyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によってスコアリングし、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有するペプチドは、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いため除外した。構築物は、ランダム化によって生成された複数の異なる順序のペプチドにより設計されるであろう。ペプチドの各順序付けは、スライディング21アミノ酸ウィンドウを用いてKyteおよびDoolittleのハイドロパシー指数によりスコアリングされ、ペプチドの特定の順序付けのためのいずれかの領域が、およそ1.6のカットオフを超えるスコアを有する場合、ペプチドの順序付けが、カットオフを超えるスコアを有する領域を持たないポリペプチドをもたらすまで、ペプチドの順序は再度シャッフルされるであろう。
(実施例4)
ADXS_HOT構築物設計のためのin Silico方法論
ホットスポット突然変異を有するペプチド、腫瘍関連抗原遺伝子に由来するヘテロクリティックペプチド、およびヘテロクリティックペプチドを発現するミニ遺伝子構築物により、構築物を設計した。これら3種のエレメントを単独でまたはいずれかの組合せで含むように、追加の構築物を設計した。
ホットスポット突然変異は、多数のがん患者にわたって反復的に変更される体細胞的変更である。多くの患者は、最も高頻度で突然変異される、または少なくとも部分的に悪性表現型の発生の原因となる、重大な意味を持つ腫瘍ドライバー遺伝子の機能的ドメインに共通突然変異を共有する。本明細書の他の箇所に記載されている通り、患者および腫瘍型にわたるこの突然変異の「共有」は、このような共通ホットスポットを標的とする処置構築物の「オフザシェルフ」開発の機会を生じる。本出願人らが含めたホットスポット標的は、全体的頻度が徴候において16%〜80%に及ぶ。12,500以上のMHCクラスI HLA型が存在するため、あらゆる可能なクラスIバインダーをカバーするように標的ペプチドを含めると、正しいHLA/突然変異組合せを有するいずれかの潜在的患者を処置することが可能になる。例えば、ホットスポット突然変異およびその両側のがん関連タンパク質に由来する10隣接アミノ酸を有する21merホットスポット標的ペプチドを提供することにより、21mer標的ペプチドは、ホットスポットミスセンス突然変異を含有するあらゆる8mer、9mer、10merまたは11merペプチドをカバーするであろう。あらゆる潜在的クラスIエピトープ(8mer〜11mer)を含むことにより、ホットスポットパネルは、原則として(in principal)、公知の12,500以上のMHCクラスI分子のいずれかとのいかなる潜在的重複をカバーすることもできる。ADXS_HOT構築物におけるホットスポット標的は、同定されている12,500以上のHLAクラスI対立遺伝子のうち事実上いずれに対してもエピトープを生成するように設計され、in silicoアルゴリズムに依存せず優先順位付けされる。
ホットスポットペプチドに加えて、ヘテロクリティック配列(すなわち、配列最適化されたペプチド)を、MHCクラスI対立遺伝子による提示を増加させるような設計した。腫瘍組織において発現されるが、正常で健康な組織における発現が最小である遺伝子を表すため、腫瘍関連抗原遺伝子によって発現されるペプチドを変更することにより、ヘテロクリティックペプチドを派生させた。特に、ヘテロクリティックペプチドは、がん精巣抗原または癌胎児性抗原等のがん関連タンパク質から設計した(すなわち、腫瘍関連抗原から設計した)。がん精巣抗原(CTA)は、異なる組織学的起源のヒト腫瘍において発現されるが、雄性胚細胞を除いて正常組織では発現されない腫瘍関連抗原の大ファミリーである。がんにおいて、このような発生上の抗原は、再度発現されて、免疫活性化の遺伝子座として機能することができる。癌胎児性抗原(OFA)は、胎児発生中のみに典型的に存在するが、ある特定の種類のがんを有する成人に見出されるタンパク質である。CTAおよびOFAは、その腫瘍に制限される発現パターンにより、腫瘍特異的免疫療法に理想的な標的となる。複数のホットスポットペプチドおよびOFA/CTAの組合せは、患者カバー範囲を最大化する。大部分のホットスポット突然変異およびOFA/CTAタンパク質は、発癌において重大な意味を持つ役割を果たす。一度に両方を標的とすることは、がん増殖を有意に損なうことができる。複数のOFA/CTAペプチドとホットスポット突然変異とを組み合わせることは、標的疾患を有する潜在的に全ての患者において発現される、1回の処置において複数の高アビディティー標的を提示する。例えば、構築物は、各患者が、少なくとも1種の標的突然変異を発現するように設計することができる。患者が発現しないホットスポットペプチドは、いかなる免疫応答も誘発しない。専用の配列最適化されたペプチド(すなわち、ヘテロクリティックペプチド)の付加は、徴候に関して患者集団の最大100%にカバー範囲を増加させることができる。
ヘテロクリティックを、がん型において最大100%発現を有する遺伝子から、北米における4種の最も多く見られるHLAに対して設計した。選択されたHLA型は、A0201、A0301、A2402およびB0702を含み、これらは、北米のコーカサス人種においてそれぞれ47.8%、20.6%、20.6%および28.7%の頻度を有し、北米のアフリカ系アメリカ人において16.8%、23.8%、8.9%および16.0%の頻度を有する。これは、患者当たり少なくとも1種のペプチド−MHC組合せのオッズを増加させる。ヘテロクリティック配列は、T細胞応答のプライミングに、中枢性寛容の克服に、また、野生型ペプチドに対して首尾よい交差反応性免疫応答を誘発するのに十分であることが示された。がん型内の総患者カバー範囲が100%に近づくという点において、ヘテロクリティックエピトープの付加は、ホットスポット突然変異ペプチドを補完する。したがって、本出願人らは、最も多く見られるHLA(HLA−A0201、HLA−A0301、HLA−A2402およびHLA−B0702)をカバーするようにヘテロクリティックペプチドを設計した腫瘍関連抗原を患者が発現すると仮定するため、処置に先立ち患者を配列決定する必要がない。
文献に由来する免疫原性情報があったHLA−A0201に対するヘテロクリティックペプチドを、いくつかの構築物においてミニ遺伝子エピトープであると選択した。HLA−A2402に対するヘテロクリティックペプチドもいくつかの構築物において使用した。本明細書に開示されるホットスポットペプチドアプローチおよび/またはヘテロクリティックペプチドアプローチに加えて、ミニ遺伝子構築物アプローチを特異的MHCクラスI結合抗原性決定基の発現のために使用することにより、プロフェッショナル抗原提示細胞(pAPC)の抗原提示経路に短いペプチド配列を高効率で送達することが可能になる。ミニ遺伝子技術の特定の利点は、MHCクラスI分子に結合し、これに提示され得る短いペプチド配列を遊離させるための、より大きなタンパク質のプロテアソーム媒介性分解の必要性が回避されることである。これにより、pAPCの表面における大幅に高効率のペプチド−MHCクラスI抗原提示と、ひいては、抗原特異的T細胞応答のプライミングのための大幅に高レベルの抗原発現とがもたらされる。
ホットスポット
反復性体細胞突然変異「ホットスポット」を同定するために、公開されている突然変異データベースを利用した。データベースは、TCGA、ICGC、COSMIC、cBioportalその他を含んだ。
突然変異データを疾患徴候型によって細層別化した。換言すると、全徴候特異的試料を突然変異頻度計算のために選択した。
反復性体細胞突然変異は、インフレームおよびフレームシフト突然変異をもたらすミスセンス置換およびINDELを含んだ。
全試料にわたって観察される突然変異事象の総数の頻度に基づき、特定の徴候をもつコホート内で体細胞突然変異を順位序列付けした。
1%未満の頻度で発生する突然変異を除外した。
1%に等しいおよびこれを超える疾患徴候頻度を有する反復性突然変異をパネルのために選択した。
標的ペプチドを反復性突然変異のために生成した。ミスセンス置換のため、突然変異体アミノ酸を、ミスセンス突然変異位置の直前および直後に、最大10個の野生型アミノ酸で挟んだ。フレームシフト置換のため、フレーム外(out-of-frame)INDEL置換から生じる予測されるペプチド配列をアノテーション転写物から生成し、最大10個の野生型アミノ酸をフレームシフト突然変異位置の上流に付加した。インフレームINDEL置換のため、INDEL位置の前後に最大10個の野生型アミノ酸配列を一体に連接した。
アンダースコアで分けた遺伝子記号(HGNC形式)および突然変異置換情報(HGVS形式)からなる、ホットスポット標的ペプチド毎の特異的識別子を生成した。例えば、KRASの12位におけるグリシンからアスパラギン酸への置換は、KRAS_G12Dの特異的識別子を与えるであろう。
次に、標的ペプチドを、ヒトの非冗長性タンパク質配列(nr)データベースに対するBLAST解析に付した。このステップは、フレームシフト突然変異から生成された標的ペプチド配列が、公知の野生型配列を表さないことを確実にした。ミスセンス置換(substation)のため、このステップは、隣接野生型アミノ酸が、公知のヒト参照プロテオームにマッチすることを確実にした。
腫瘍関連抗原ペプチド(TAAP) − ヘテロクリティック突然変異
文献検討を行って、徴候特異的腫瘍関連抗原のゲノムランドスケープを調査して、潜在的TAAの短いリストを生成した。
第2の文献検討を行って、短いリストのTAAが、CD8+Tリンパ球応答を生成する公知の免疫原性ペプチドを含有するか決定した。このアプローチは、主に、TAAに由来する9アミノ酸(9mer)からなるMHCクラスIエピトープに焦点を合わせた。このステップは、4種のHLA型(HLA−A*02:01、HLA−A*03:01、HLA−A*24:02およびHLA−B*07:02)のうち1種に結合する9mer形式の潜在的TAAPを同定した。
TAAPを配列最適化して、MHCクラスI分子(akaヘテロクリティックペプチド)への結合を増強した。各HLAへの結合を最適化するために、ペプチドMHC結合モチーフおよびアミノ酸結合チャートを、Immune Epitope Database and Analysis Resource(例えば:iedb.org/MHCalleleid/143)から査定した。アンカー位置における好まれるアミノ酸をTAAP配列に挿入した(例えば、NUF2−野生型:YMMPVNSEV(配列番号725);およびNUF2−ヘテロクリティック:YLMPVNSEV(配列番号726))。
次に、配列最適化されたTAAPおよび野生型TAAP配列の結合親和性を、次のアルゴリズムのうち1種を使用して査定した:NetMHC4.0サーバー;NetMHCpan4.0サーバー;およびmhcflurry v0.2.0。
特異的HLAに対する予測結合親和性が、野生型TAAP配列と均等であるまたはそれよりも強かった場合、配列最適化されたTAAPを考慮した。
次に、ProImmuneのREVEALアッセイを使用して、選択された配列最適化されたTAAPを、特異的HLAへのin vitro結合に関してスクリーニングした。REVEALアッセイの陽性対照ペプチドの結合親和性>=45%を有するTAAPをバインダーと考慮した。
最後に、TCGA RNAseqV2データセットにおいて、特定の徴候におけるTAAPのRNA発現レベルを測定した。0を超える正規化RNA発現リードを有するTCGA試料のパーセンテージを計算した。大部分の試料におけるTCGA発現を有するTAAPを優先した。
(実施例5)
ベクターへのインサートのライゲーション、Lmへのトランスフェクション、配列決定、PCR確認、およびLm発現のウエスタンブロット確認のための例示的なプロトコール
合成されたDNAを適切なベンダー(GENEWIZ、GenScriptまたはその他)から受け取った。所望のインサートは、隣接末端に制限部位XhoIおよびXmaIを含有して、分子操作を可能にした。ベンダーは、インサートをその選択シャトルベクター(典型的にはpUCベクター)内にライゲーションした。インサートは、pUCベクターから切り出されて、pAdv134ベクター内にライゲーションされなければならない。これが完了したら、LmddA系統において発現試験を行った。
pAdv134ベクターおよびインサートの制限酵素消化
目標:pAdv134ベクターおよびインサート(pUCまたは同様のシャトルベクター内の)の両方の適正なバンドを切り出して、両者が後に一緒にライゲーションされ得るように、正しい粘着末端を有することを確実にすること。
(1)次の反応による1.2μgのDNAの制限酵素消化をセットアップした:DNA(ほぼ1.2μg);XhoI;XmaI;10×CutSmart緩衝液(最終濃度1×);および水(必要に応じて)。セルフライゲーションを防止できるように、ベクターDNAのみに、1μLのCIPを添加した。
(2)消化物を迅速に混合し、スピンし、37℃で2〜3時間放置した。
(3)最終1×濃度となるように6×ローディング色素を各消化物に添加した。
(4)1%アガロースゲルに全消化物をローディングした。
(5)アガロースゲルにおけるサイズをモニタリングすることができるように、10μLの適切なDNAラダーをローディングした。
(6)アガロースゲルを120Vでほぼ45分間泳動した。
(7)DNA試料毎に適切なサイズのバンドを可視化し、アガロースゲルから抽出した。
(8)ゲル抽出キット(Zymo Clean Gel DNA Recovery Kit Cat.No.D4002/Zymo Research)を使用して、抽出されたバンドを精製した。
(9)Nanodrop(または同様の少体積分光光度計)を使用して、精製されたDNAの濃度を測定した。
(10)適切なDNAラダーに並べて、1μLの最終精製DNA(+1×ローディング色素)を1%アガロースゲルにローディングした。
(11)アガロースゲルを120Vでほぼ45分間泳動して、単一の適切なサイズのバンドを確実にした。
ライゲーション
目標:pAdv134ベクターと挿入DNAとを一体に繋ぎ合わせて、インサートおよびpAdv134の両方を含む完全に環状な部分のDNAを得ること。
(1)ライゲーション反応をセットアップした:直鎖化(XhoI/XmaIカット)および精製されたpAdv134ベクター(50ng);カット(XhoI/XmaI)および精製されたインサート(100ng);2μLの10×T4リガーゼ緩衝液(最終濃度1×);1μLのT4リガーゼ;および総体積20μLとなるような水。
(2)ライゲーション反応物を迅速に混合し、スピンした。
(3)次のパラメーターによりサーモサイクラー(thermocycler)内でライゲーション反応物をインキュベートした:(ステップ1)22℃で2時間;(ステップ2)16℃で4時間;および(ステップ3)4℃で一晩。
(4)PCR精製キット(DNA Clean and Concentrator−5:Cat.No.D4003/Zymo Research)を使用して、カラムを通してライゲーション反応物を精製して、過剰な塩および酵素を取り除いた。最終体積10μLの水で溶出した以外は、キット内に提供されたプロトコールに従った。
形質転換
目標:ライゲーションされたプラスミド産物をE.coli MB2159系統に進入させること。その上、プラスミドを含有するE.coli細胞を≧倍加させること。
(1)1バイアル(75μLアリコート)のE.coli MB2159エレクトロコンピテント(electrocompetent)細胞を氷上で穏やかに解凍した。
(2)5μLの精製ライゲーション反応物を解凍したE.coli MB2159エレクトロコンピテント細胞に添加した。
(3)細胞懸濁液を1mm電気穿孔キュベットに移し、底を穏やかにタップした。
(4)電気穿孔器において次の設定でキュベット1×をパルスした:V=1800V;R=200Ω;およびC=25μF。
(5)900μL SOC培地をキュベットに直接的に直ちに添加した(数回穏やかにピペッティングして細胞を再懸濁した)。
(6)電気穿孔した細胞を含むSOC培地を、14mL Falcon管に移し、200rpmで1時間、37℃にて振盪しつつ育成した。
(7)LBプレート上に200μLの細胞懸濁液を蒔いた。
(8)プレートを37℃で一晩インキュベートした。
(9)翌朝、コロニーを採取した。
クローン確認
目標:pDNAを含有するコロニーを同定すること。
(1)PCRマスターミックスを調製して、pDNAに関して検査されているコロニーの数を査定した:10μL Terra(商標)PCR Direct Red Dye Premix;0.5μLフォワードプライマー(5’catcgatcactctgga(配列番号727));0.5μLリバースプライマー(5’ctaactccaatgttacttg(配列番号728));9μL水;コロニー(ステップ2で添加)、総体積20μL。
(2)査定に必要とされるコロニー毎に、次のステップを行った:(a)ピペットチップでコロニーを採取し、これを新鮮LBプレート上に再度画線して、周りにコロニーを引くように試みて、翌日に単離コロニーを得た;(b)チップ上にはある程度のコロニーが残っており、これを適切なPCR反応管内でタップ/回旋させた。
(3)コロニー再度画線が完了したら、新たなプレート(複数可)を37℃に一晩置いた。
(4)次のプログラム設定によるサーモサイクラー内でPCR反応を実行した:98℃で3分間;98℃で30秒間;58℃で30秒間(34サイクル反復(総計35サイクル));68℃で2分間;72℃で5分間;および実行準備が出来るまで4℃。
(5)1%アガロースゲルに10μLのPCRをローディングし、別々のレーンに10μLの1kB+DNAラダーを確実に含めた。
(6)アガロースゲルを120Vでほぼ45分間泳動した。
(7)ゲルを可視化し、適切なサイズのアンプリコンを探した。正しいアンプリコンは、最終pDNA構築物に実行可能な選択肢と考慮することができた。
(8)翌日、午前中にインキュベーターから再度画線したプレート(複数可)を取り出し、その午後遅くまで4℃で貯蔵した。
(9)夕方に、所望の正しい構築物毎に、1個のコロニーを採取し、これを200μLのLBに接種した。
(10)翌朝、Macherey−NagelによるNucleoBond(登録商標)Xtra Midi EFキットのミディプレップ(midi prep)指示に従った。
(11)pDNAが濃縮されたら、Nanodrop分光光度計(又は少体積用の均等物)を使用して濃度を測定した。濃度がほぼ300ng/μLであり、A260/280比がほぼ1.8であることを確実にした。
(12)サンガー配列決定のためにpDNAを送って、参照に対する100%配列マッチを確認した。
Listeria monocytogenesへの形質転換
目標:LmddA系統にプラスミドDNAを形質転換すること
(1)1バイアル(50μLアリコート)のLmddAエレクトロコンピテント細胞を氷上で穏やかに解凍した。
(2)500μgのプラスミドDNAを解凍したLmddAエレクトロコンピテント細胞に添加した。
(3)氷上で5分間インキュベートした。
(4)細胞懸濁液を1mm電気穿孔キュベットに移し、底に穏やかにタップした。
(5)電気穿孔器において次の設定でキュベット1×をパルスした:V=1000V;R=400Ω;およびC=25μF。
(6)900μL BHI+0.5Mスクロースをキュベットに直接的に直ちに添加した(数回穏やかにピペッティングして、細胞を再懸濁した)。
(7)細胞懸濁液を14mL Falcon管に移し、200rpmで1時間、30℃にて振盪しつつ育成した。
(8)100μLの細胞懸濁液をBHI+100μg/mLストレプトマイシンプレート上に蒔いた。
(9)プレートを37℃でほぼ24時間インキュベートした。
(10)2個のコロニーを採取して、新たなBHI+100μg/mLストレプトマイシンプレート上に再度画線して、単一コロニー単離株を得た。
(11)プレートを37℃でほぼ24時間インキュベートした。
(12)次の夕方、再度画線(restruck)したプレート(ステップ11プレート)から1個の単離コロニーを採取し、これを3mL BHI+100μg/mLストレプトマイシンにおいて30℃で定常期まで一晩育成した。
(13)翌朝、500μLの培養物を採集し、これをクライオバイアルに添加し、次いで500μLの50%グリセロールを添加することにより、一晩培養物からグリセロールストックを作製した。十分に混合する。
(14)グリセロールストックを−80℃で貯蔵した。
グリセロールストックにおける品質管理
目標:LmddA系統に形質転換されたpDNAを、正しい配列IDとアラインさせることを確実にする。
(1)PCRマスターミックスを調製して、検査されているグリセロールストックの数をpDNA挿入サイズに関して査定した:10μL Terra(商標)PCR Direct Red Dye Premix;0.5μLフォワードプライマー(5’catcgatcactctgga(配列番号727));5μLリバースプライマー(5’ctaactccaatgttacttg(配列番号728));9μL水;および総体積20μLとなるようなグリセロールストック材料。
(2)査定が必要とされるグリセロールストック毎に、次のステップを行った:(a)ドライアイス上のグリセロールストックを用いて、ピペットチップを取ってストックから少量の材料をすくい上げ;(b)適切なPCR反応管内でこれをタップ/回旋させた。
(3)次のプログラム設定によりサーモサイクラー内でPCR反応を実行した:98℃で3分間;98℃で30秒間;58℃で30秒間(34サイクル反復(総計35サイクル));68℃で2分間;72℃で5分間;および実行準備が出来るまで4℃。
(4)1%アガロースゲルに10μLのPCRをローディングし、別々のレーンに10μLの1kB+DNAラダーを確実に含めた。
(5)アガロースゲルを120Vでほぼ45分間泳動した。
(6)ゲルを可視化し、適切なサイズのアンプリコンを探した。これは、検証に向けた最初のステップであった。
(7)ゲル抽出キット(Zymo Clean Gel DNA Recovery Kit Cat.No.D4002/Zymo Research)を使用して、抽出されたバンドを精製し、最終ステップのために水中に確実に溶出させた(その他の点ではキットのプロトコールに従った)。
(8)サンガー配列決定のために抽出されたDNAを送って、配列同一性(identify)を確認した。これは、検証に向けた最終ステップであった。
Lm発現試験
目標:本出願人らの標的抗原(複数可)によるタンパク質発現の量を可視化すること。これは、構築物の3’末端におけるFLAGタグの使用により査定された。抗p60抗体を使用することにより、ローディングを制御した。
(1)BHI+100μg/mLストレプトマイシンプレート上に目的のグリセロールストックを画線した。翌日に単一コロニーが単離され得るように画線した。
(2)プレートを37℃でほぼ24時間インキュベートした。
(3)次の夕方、1個のコロニーを3mLのTSB+100μg/mLストレプトマイシンに接種した。
(4)培養物(複数可)を37℃で、200rpmで振盪しつつ一晩インキュベートした。
(5)翌朝、1mLの培養物を1.5mL管に添加した。
(6)5分間、6000gで4℃にて遠心分離した。
(7)スピンしている間に、SDS−PAGEローディング緩衝液を調製した:4×レムリ緩衝液における10%2−メルカプトエタノール(例、450μL 4×レムリ中の50μL BME)。また、移すための管を4℃に予冷した。
(8)1mL上清を新たな予冷した1.5mL管に移した。ペレットを避けた。
(9)室温でSDS−PAGE試料管を調製した:(a)90μLの上清を新たな1.5mL管に添加し;(b)30μLの調製したレムリローディング緩衝液を添加し;(c)LidLockを付けて管に蓋をし(加熱中にポンと開くのを防止);(d)試料を10分間「煮沸」し(98℃がうまくいった);(e)煮沸中に、上清試料の残りを長期貯蔵のために−20℃に置き;(f)LidLockを外す前に、加熱した試料を数分間放置した(圧力を下げる)。
(10)SDS−PAGEゲルを調製した(1枚のゲルは抗Flag用、もう1枚は抗p60用):(a)コームおよび底に通したテープを除去し;(b)Mini−PROTEAN Tetra Cell(最大4枚のゲルを保持することができる)内にゲルをアセンブルし;(c)ランニング緩衝液を調製し(水における10%10×Tris−Gly/SDS緩衝液を作製することにより、1×ランニング緩衝液を作った(4枚のゲルの同時泳動には約1.2Lが必要));(d)内側および外側チャンバーにランニング緩衝液を指定レベルまで満たした。
(11)7μlの標準(ラダー)を適切なウェル(複数可)にローディングした。
(12)ウェル当たり14μlの試料をローディングした。
(13)システムをほぼ90分間泳動した:(a)色素のフロント部がゲルに入るまで(ほぼ10分間)90Vで泳動し;(b)適切な分離を達成するまで(ほぼ1.5時間)120Vに増加させた。
(14)完了したら、カセット上の矢印とアラインさせることにより、カセット開放レバーでカセットをこじ開ける。
(15)トランスファーを進める。
(16)適切な数のTrans−Blot Turbo Midi Transfer Pack(PVDF)を開けた − 1個のパックは、上で使用されたゲル(「ミニゲル」)の2枚をトランスファーするであろう。
(17)膜および下部スタックを、Trans−Blot Turboトランスファーシステムのトランスファーベースに置いた − ローラーを使用して気泡を除去した。
(18)いかなる過剰アクリルアミド(ゲルの最下端および上部レーン)も鋭利な器具で穏やかに除去した。
(19)トリミングしたゲル(複数可)をカセットから除去し、トランスファーベースに据えたPVDF膜の上に直接的に置いた − ローラーを使用して気泡を除去した。
(20)Trans−Blot Turbo Midi Transfer Packから予め湿らせたペーパーの上部スタックをゲル(複数可)の上に置いた − ローラーを使用して気泡を除去した。
(21)Trans−Blot Turboトランスファーユニットの上部をスタックの上に穏やかだがしっかりと置いた;次に、押しながら、カセット蓋を所定の位置にロックした。
(22)カセットをTrans−Blot Turboトランスファーユニット内に置いた。
(23)トランスファーを始めた。
(24)トランスファーの実行中に、次のセクションのための75mLの作業用iBind溶液を調製し(72mL体積は、4枚のミニゲルを覆う − 各iBind Flex機械は、2枚のミニゲルを処理することができるため、4枚のゲルの処理は、2個の機械を必要とする):59.25mLの水を添加し;750μLの100×添加剤を添加し;15mLの5×緩衝液を添加し;使用まで4℃で維持した。
(25)トランスファーの実行中に、抗体溶液(ブロット当たりの体積を示す)を調製した:(a)一次:2mLの調製されたiBind Flex溶液を15mLコニカル+1:1000一次(2μL)*に添加した;および(b)二次:2mLの調製されたiBind Flex溶液を15mLコニカル+1:1000二次(2μL)*に添加した(*希釈は、使用した抗体に基づき変化させることができる − ここにはα−Flagおよびα−p60ブロット用を示す(全て1:1000で))。
(26)完了したら、トランスファーカセット(複数可)を開け、膜(複数可)を取り出した − 水中に置き、ブロッティングの準備が出来るまで穏やかに揺らした。
(27)iBind Flex機械(複数可)内に正しい試薬トレーをセットアップした。
(28)機械(複数可)にiBind Flexカードを加えた。
(29)カードを10mLの調製されたiBind Flex溶液で予め湿らせた。
(30)膜をカード上に置く直前に、追加の1mLの調製されたiBind Flex溶液を、各ミニブロットが置かれることになる区域に添加した。
(31)ガイドグリッドを使用して、適切な区域にタンパク質側を下にしてブロット(複数可)を置き、低分子量がスタックに最も近かった。
(32)ブロットにローラーをかけて、いかなる空気の泡も除去した。
(33)閉めて、蓋の上にラッチを押した。
(34)試薬を試薬トレーに添加した(ここで体積はミニゲル用を示す):(a)レーン1:ブロット当たり2mLの一次抗体(iBind Flex溶液において先に調製した);(b)レーン2:ブロット当たり2mLの調製されたiBind Flex溶液;(c)レーン3:ブロット当たり2mLの二次抗体(iBind Flex溶液において先に調製した);および(d)レーン4:ブロット当たり6mLの調製されたiBind Flex溶液。
(35)試薬カバーを閉め、インキュベーションの開始時間を記録した。
(36)インキュベーションを少なくとも3時間、ただし最大O/Nで進めた。
(37)時間が経過したら、試薬リザーバまで蓋を開けて、液体が全てなくなったことを確実にした。
(38)膜を取り出し、水中にリンス/貯蔵した。
(39)iBind Flexカードを廃棄した。
(40)等量のSuper Signal West Dura Stable Peroxide溶液およびLuminol/Enhancer溶液を管内で混合した。
(41)GE AI600をオンにした。ウォーミングアップ中に、現像試薬を最初のブロットに添加し:(a)膜から水を全てデカントし;(b)膜をプラスチックシートプロテクターの内部区画に加え;(c)1mLの調製された現像溶液を膜に直接的に添加し、シートプロテクターの上部を溶液/ブロットの上に置き;いかなる気泡も排除し;(d)膜をほぼ1〜5分間インキュベートした。
(42)ブロットを撮像した。
(43)ブロットをリンスし、水中に4℃で保存した、またはさらなる必要がなければ廃棄した。
(実施例6)
概念実証:CT26負荷試験におけるLm−KRAS_G12Dホットスポット構築物の治療有効性
本試験は、CT26腫瘍成長の抑制におけるLm−KRAS G12Dホットスポット構築物の治療有効性を決定した。CT26マウスモデルにおける本明細書で標的化されるKRAS_G12D突然変異は、多くのヒト腫瘍徴候において同定されるヒトKRAS_G12Dホットスポットと同一である。その上、本試験は、非ミニ遺伝子として送達されるまたはミニ遺伝子構築物として送達されるKRAS_G12D構築物の有効性を査定した。特異的MHC対立遺伝子(MHC−I KdおよびMHC−I Dd)に結合する免疫原性9merの予測に使用されるホットスポットヘテロクリティック設計戦略を使用して、KRAS_G12D KdおよびDd構築物を設計した。しかし、標的はホットスポット突然変異を天然において有するため、これらの構築物には、ヘテロクリティック突然変異を与えなかった。
処置スケジュール
Lm−KRAS_G12Dホットスポットワクチン接種は、表1および2に記載されている通りに始まり、続いて1週間間隔で2回のブーストが行われた。植え込みおよび投薬スケジュールの詳細を表22に示す。
実験の詳細
腫瘍細胞系増大。10%FBSを有するRPMIにおいてCT26細胞系(マウス結腸癌細胞系)を培養した。
腫瘍接種。0日目に(14JUN17)、CT26細胞は、0.25%トリプシン(1×)でトリプシン処理され、PBSにおいて適切な濃度(5×105細胞/マウス)となるよう培地で2回洗浄されるであろう。CT26細胞を、各マウスの右側腹部の皮下に植え込んだ。
処置。ワクチン調製を次に示す:(a)37℃ウォーターバスにおいて−80℃から(form)1バイアルを解凍し;(b)14,000rpmで2分間スピンし、上清を廃棄し;(c)1mL PBSで2回洗浄し、PBSを廃棄し;(d)最終濃度5×108CFU/mLとなるように再懸濁した。腫瘍植え込み4日後に投薬を開始した。
結果および結論
KRAS_G12Dホットスポット突然変異は、マウスCT26結腸直腸がんモデルにおける腫瘍成長を有意に制御することができた。図1を参照されたい。これらのデータは、共有されるホットスポット突然変異を標的化するための強い概念実証を提供した。その上、本明細書で使用されるKRAS_G12Dホットスポットは、様々なヒトがん徴候において同定されるKRAS_G12Dホットスポット突然変異と同一であった。
さらに、KRAS_G12Dホットスポット構築物は、21merまたはミニ遺伝子として送達されたかにかかわらず、腫瘍成長を有効に制御することができた。図1を参照されたい。ミニ遺伝子構築物の有効性は、in silico予測MHC結合アルゴリズムに基づきミニ遺伝子構築物を予測および選択するための設計戦略を強く支持した。
Lm NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)によるCT26負荷試験
同様の実験を行って、CT26腫瘍成長の抑制におけるLm NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)ホットスポット構築物(配列番号895に表記されている融合ポリペプチドインサート配列)の治療有効性を決定した。KRAS突然変異が、自発的ヒトがんの線形かつ均一な進化の高頻度ドライバーであることが公知である。同じKRAS遺伝子は、CT26結腸直腸マウスモデルにおいて突然変異されている(KRAS_G12D)。したがって、Lm NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)ホットスポット構築物が、本出願人らのKRAS_G12D_21merとして同じKRAS_G12D突然変異標的を含有することを考慮して、本出願人らは、Lm NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)ホットスポット構築物が、同様の様式で腫瘍成長を抑制することを仮定した。無処置BALB/cマウスの側腹部に、300,000個のCT26結腸直腸腫瘍細胞を植え込んだ。腫瘍植え込み4日後に、マウスを全Lm−構築物(LmddA−274(対照)、Lm NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)ホットスポット構築物(図34にHOT−肺として示す)およびHOT−Lm KRAS_G12D構築物)で免疫化し、続いて初期免疫化1週間後にブーストした。図34に示すデータは、群腫瘍測定値を示す。図34に示すデータは、Lm NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)ホットスポット構築物が、対照群(無処置およびLmddA−274)と比較して腫瘍進行を有意に抑制することができることを明らかに実証する。Lm NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)ホットスポット構築物およびKRAS_G12D_21mer構築物の間に有意差はなかった。結果は、Lm NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)ホットスポット構築物が、KRAS_G12D_21mer構築物と均等に腫瘍成長を有意に制御することができることを実証し、その抗腫瘍特性を強調する。
T細胞データ
BALB/cマウス(n=4/群)を、0および7日目に、Lm−HOT KRAS_G12D−21mer構築物で免疫化し、最終免疫化1週間後(14日目)に脾臓を収集して、細胞免疫応答を査定した。図24Aおよび図24Bは、Lm−HOT KRAS_G12D治療法が、腫瘍がないマウスにおける抗原特異的T細胞応答を誘導することができることを実証する。Lm−HOT治療法は、脾臓KRAS特異的IFNg ELISpot応答のレベル増加によって証明される通り、対照よりもエフェクターT細胞機能を増強した。TH1応答の誘導は、IFNg ELISpotアッセイによって決定される、脾細胞百万個当たりのKRAS_G12D特異的IFNgスポット形成コロニー(SFC)の数によって示される。KRAS G12D 21mer抗原標的全体に及ぶKRAS_G12Dプールペプチド(9アミノ酸によって重複する15mer;2.5μg/mL最終濃度)を使用して、脾細胞を18時間刺激した。
図25A〜図25Dは、Lm−HOT KRAS−G12D治療法が、腫瘍免疫微小環境を変更することができることを示す。無処置BALB/cマウスの側腹部に、300,000個のCT26結腸直腸腫瘍細胞を植え込んだ。腫瘍植え込み4日後に、マウスをHOT−Lm KRAS_G12D構築物で免疫化し、続いて初期免疫化1週間後にブーストした。腫瘍植え込み14日後に処置CT26マウスの腫瘍に由来するTILを収集した。ワクチン治療法は、CT26結腸直腸腫瘍モデルにおける腫瘍浸潤リンパ球(TIL)組成を変更した。ワクチン治療法は、総CD45集団の浸潤、腫瘍浸潤CD8 T細胞のパーセンテージを有意に増加させ、腫瘍浸潤CD4 Tregのパーセンテージを有意に低下させた。さらに、図25Cは、Lm−HOT構築物が、KRAS特異的腫瘍浸潤T細胞応答を駆動することができることを示す。結果的に、Lm−HOT治療法は、CT26結腸直腸腫瘍モデルにおける腫瘍成長を有意に抑制した。
(実施例7)
概念実証:LmヘテロクリティックWT1ミニ遺伝子融合タンパク質構築物の有効性
ペプチドミニ遺伝子発現系を使用して、ウィルムス腫瘍タンパク質を標的とする特有のヘテロクリティックミニ遺伝子を査定した。この発現系は、カルボキシ末端に別個のペプチド部分を含有する組換えタンパク質のパネルのクローニングを容易にするように設計した。これは、鋳型としてシグナル配列(SS)−ユビキチン(Ub)−抗原性ペプチド構築物の1種をコードする配列を利用する単純なPCR反応によって達成される。Ub配列のカルボキシ末端領域へと伸長するプライマーを使用し、プライマーの3’末端に所望のペプチド配列のコドンを導入することにより、単一PCR反応で新たなSS−Ub−ペプチド配列を生成することができる。細菌プロモーターおよびシグナル配列(例えば、LLOまたはActA1〜100分泌シグナル)の最初の数個のヌクレオチドをコードする5’プライマーは、全構築物に対して同じものとなることができる。この戦略を使用して生成された構築物を図2Aおよび図2Bに概略的に表す。
ミニ遺伝子系の利点の1つは、単一のListeriaベクター構築物を使用して複数のペプチドを細胞にローディングすることが可能となることである。複数のペプチドは、上述の単一ペプチド発現系の修飾を使用して、組換え弱毒化Listeria(例えば、Lmdda)に導入することができる。逐次SS−Ub−ペプチド配列に由来する複数の別個のペプチドをコードするキメラタンパク質は、1個のインサートにおいてコードされ得る。例えば、図2Bを参照されたい。シャイン・ダルガーノリボソーム結合部位を、各SS−Ub−ペプチドコード配列の前に導入して、ペプチド構築物のそれぞれの別々の翻訳を可能にすることができる。図2Bは、1株の組換えListeriaから3種の別々のペプチド抗原を発現するように設計された構築物の概略表示を実証する。
ADXS Lmdda Listeria構築物によるtLLO−WT1−ヘテロクリティック融合タンパク質の発現を査定するために、ウィルムス腫瘍1タンパク質を標的とする特有のヘテロクリティックミニ遺伝子をpAdv134プラスミドにおいて生成し、Lmddaに形質転換した。pAdv134 tLLOプラスミドは、配列番号336に表記されるN末端LLO断片をコードする。tLLO−WT1ヘテロクリティック融合タンパク質は、次のものをN末端からC末端に含む:配列番号336に表記されるN末端LLO断片、続いて配列番号762に表記されているFLAGタグ、続いて配列番号747に表記されているユビキチン配列、続いて下表24に収載されているヘテロクリティックWT1 9mer。
組み合わせたWT1−tLLO−FLAG−Ub−ヘテロクリティックフェニルアラニン構築物(構築物#1)は、配列番号742に表記されている(tLLO=1〜441;FLAG=442〜462;ユビキチン=463〜537;ヘテロクリティックフェニルアラニンペプチド=538〜546)。3種のWT1ペプチド(P1−P2−P3;それぞれ配列番号743(RSDELVRHHNMHQRNMTKL)、744(PGCNKRYFKLSHLQMHSRKHTG)および745(SGQAYMFPNAPYLPSCLES))を標的とする1種の追加の構築物(Lmdda−WT1−tLLO−P1−P2−P3−FLAG−UB−ヘテロクリティックチロシンミニ遺伝子構築物)を生成した。各「P」ペプチドは、19〜22アミノ酸で構成されており、これは、追加のCD4 Tヘルパーエピトープの提供に十分な長さである。3種のペプチドは、リンカーによって分離されている。P3ペプチドは、SGQARMFPNAPYLPSCLES(配列番号746)をSGQAYMFPNAPYLPSCLES(配列番号745)に変換するヘテロクリティック突然変異を含有する。ヘテロクリティックP3ペプチドに加えて、Lmdda−WT1−tLLO−P1−P2−P3−FLAG−UB−ヘテロクリティックチロシンミニ遺伝子構築物は、C末端にユビキチン−YMFPNAPYL(配列番号741)部分を含有する。組み合わせたWT1−tLLO−P1−P2−P3−FLAG−UB−ヘテロクリティックチロシンミニ遺伝子構築物は、配列番号748に表記されている(tLLO=1〜441;野生型WT1ペプチドv14−WT1−427長=442〜460;野生型WT1ペプチドv15−WT1−331長=466〜487;ヘテロクリティックWT1ペプチドv1B−WT1−122A1-ロング=493〜511;FLAG=512〜532;ユビキチン=533〜607;ヘテロクリティックチロシンペプチド=608〜616)。ウエスタンブロットによって、特有のヘテロクリティックWT1ミニ遺伝子産物のtLLO−融合タンパク質発現に関して、個々のLmdda構築物のそれぞれをアッセイした。
ウエスタンブロットによって、特有のヘテロクリティックWT1ミニ遺伝子産物のtLLO−融合タンパク質発現に関して、構築物#1(Lmdda−WT1−tLLO−FLAG−Ub−ヘテロクリティックフェニルアラニンミニ遺伝子構築物)およびLmdda−WT1−tLLO−P1−P2−P3−FLAG−UB−ヘテロクリティックチロシンミニ遺伝子構築物をアッセイした。Lm WT1ミニ遺伝子構築物を含有するプレートに由来する単一コロニーを使用して、37℃のドライ振盪インキュベーター内で6mLのブレインハートインフュージョン(Brain Heart Infusion)(BHI)ブロスにおける一晩培養物を接種した。翌日、本来の一晩培養物の1:10希釈を、9mLの新鮮BHIに再懸濁し、OD600=0.6に達するまで、37℃のドライ振盪インキュベーター内で育成した。13000RPMの2分間遠心分離によって細胞をペレットにした。試料上清を収集し、SDS−PAGEで泳動した。25μLの4×LDS試料緩衝液(Cat#161−0747)で75μLの試料を希釈することにより試料を調製し、98℃で10分間煮沸し、氷上に置き、次いで最大スピードで10分間、4℃にて遠心分離した。13μLの試料を4〜15%プレキャストタンパク質ゲル(BioRad Cat#4561086)で泳動した。Trans−Blot Turboトランスファー装置(Cat#170−4155)およびPVDF Midiトランスファーパック(Bio−Rad#170−4157)を使用して、タンパク質ゲルをトランスファーした。一次として抗FLAGモノクローナル抗体(Sigma F1804)または抗LLO(Abcam ab200538)を、二次抗体としてヤギ抗マウスIgG−HRPコンジュゲート(sc2005)を用いてブロットをインキュベートした。次に、ブロットをiBind Flex(Invitrogen cat#1772866)においてインキュベートし、洗浄し、次いでSuper Signal West Dura Extended Duration Substrate(ThermoFisher#34076)によって現像した;Amersham Imager 600(GE)において画像を現像した。
特有のtLLO−WT1−ヘテロクリティックミニ遺伝子融合タンパク質の発現および分泌を確認した。構築物#1およびLmdda−WT1−P1−P2−P3−YMFPNAPYL(配列番号741)ヘテロクリティックチロシン+ミニ遺伝子構築物に由来する培養上清の抗Flagタグ抗体ウエスタンブロットをそれぞれ図3Aおよび図3Bに示す。本出願人らは、個々のtLLO−WT1−ヘテロクリティックミニ遺伝子融合タンパク質毎に正しいサイズおよび同一性に対応するタンパク質バンドを検出することができた。これらのデータは、pAdv134プラスミドおよびLmdda Listeria系統を使用して、WT1タンパク質内の複数のペプチド断片を標的とするヘテロクリティックペプチドの生成される能力を実証する。
表24における構築物#2〜9に対して、ヘテロクリティックWT1ミニ遺伝子を含有する特有のtLLO−融合タンパク質のそれぞれからプラスミドDNAを検出するために、コロニーPCRによって個々のLmdda構築物のそれぞれをアッセイした。
手順
使用した一般的コロニーPCR手順を次に示す。大きいコロニーを有するプレートを得た(一般に、37℃で24時間育成したプレートがこの手順では良好である)。次の通りにPCRのためのマスターミックスを作製した。
20μLのマスターミックスを各PCR管に等分した。ピペットチップ(10〜20μL体積が最も良好)を使用して、1個のコロニーから多大な体積をすくい上げた。PCR管内でピペットチップを数回タップし、回旋させて、細菌を除去した。次のPCRプログラムを使用して、サーモサイクラー内でPCR反応(複数可)を実行した。
サーモサイクラーからPCR管を取り出し、4μLの6×ローディング色素を添加した。1%アガロースゲルにおいて、10μLの1kb+DNAラダーに並べて10μLの各PCR反応物を泳動した。プライマーは、産物に追加の163塩基対を付加した。フォワードプライマーは、tLLOの3’末端の70塩基対上流に結合した(XhoI部位を含む)。リバースプライマーは、停止部位の93塩基対下流に結合した(XmaI部位を含む)。
表24に由来するpAdv134 WT1−ヘテロクリティックプラスミド#2〜9を含有するLmdda系統を示す代表的コロニーPCR結果を図4に示す。本出願人らは、個々のtLLO−WT1−ヘテロクリティックミニ遺伝子プラスミド毎の正しいサイズおよび同一性に対応するDNAバンドを検出することができた。これらのデータは、pAdv134プラスミドおよびLmdda Listeria系統を使用して、WT1タンパク質内の複数のペプチド断片を標的とするヘテロクリティックペプチドの生成される能力を実証し、このことは、かかる構築物を治療組成物として使用して、WT1を標的化して、WT1ならびにWT1発現がんおよび腫瘍に対する免疫応答を作製または増強することができることを示す。
2種の異なるWT1構築物を使用して、AADマウスにおけるWT1特異的T細胞応答の生成を査定するために、ELISpotを行って、所望のワクチン誘導性Ag特異的応答を決定した。AADマウス(B6.Cg−Tg(HLA−A/H2−D)2Enge/J;The Jackson Laboratory − ストック番号:004191)は、ヒトHLA−A2.1プロモーターの方向付けにより、ヒトHLA−A2.1遺伝子のアルファ−1およびアルファ−2ドメイン、ならびにマウスH−2Dd遺伝子のアルファ−3膜貫通および細胞質ドメインを含有する、種間ハイブリッドクラスI MHC遺伝子、AADを発現するトランスジェニックマウスである。このトランスジェニック系統は、HLA−A2提示抗原に対するヒトT細胞免疫応答のモデリングを可能にし、感染性疾患またはがん治療法のためのワクチンの検査において有用となり得る。免疫化スケジュールを表26に提示する。使用したマウスは、8〜10週齢の雌C57BL/6マウスであった。
ワクチン調製。簡潔に説明すると、要求される栄養プレート上に各グリセロールストックを画線し、一晩育成した。単一コロニーを、抗生物質選択下でのブレインハートインフュージョン(BHI)ブロスの一晩培養物における育成に使用した。一晩培養物を1:10(vol/vol)希釈で使用して、新鮮BHIブロスに接種した。ODほぼ0.6〜0.7の対数期中期まで、1〜3時間37℃にて軌道旋回振盪機内で細菌をインキュベートした。マウスに、PBSにおけるi.p.接種によって1×109CFU Lmを感染させた。
ELISPOT。18日目に、IACUCプロトコールに従ってCO2窒息によってマウスを屠殺し、脾臓を収集し、脾細胞の単一細胞懸濁液を96ウェルプレートに蒔き、野生型またはヘテロクリティックペプチドのいずれかで刺激した(表27)。他の野生型およびヘテロクリティックペプチド対を用いて同様の実験を行った(表28)。ELISPOTアッセイを使用して、野生型またはヘテロクリティックペプチドのいずれかに対して応答する抗原特異的CD8 T細胞を列挙した。完全ELISPOTプロトコールは、CTL immunospot(www.immunospot.com/resources/protocols/ELISPOT-protocol.htm)の通りであった。
一般的ELISPOTプロトコールを下に示す。
0日目(無菌条件)。特異的プロトコールに従って捕捉抗体を希釈することにより捕捉溶液を調製した。多くのサイトカインは、各ウェルに80μLの捕捉溶液を添加する前に、70%エタノールで30秒間PVDF膜を予め湿らせ、150μLのPBSで3回洗浄することから利益を得る。加湿チャンバー内でプレートを一晩4℃でインキュベートした。
1日目(無菌条件)。1%新鮮L−グルタミンを添加することによりCTL−Test(商標)培地を調製した。CTL−Test(商標)培地において2×最終濃度で抗原/マイトジェン溶液を調製した。0日目からコーティング抗体でプレートをデカントし、150μL PBSで1回洗浄した。100μL/ウェルで抗原/マイトジェン溶液を蒔いた。PBMCを解凍した後に、または密度勾配により白血球細胞を単離した後に、CTL−Test(商標)培地において所望の濃度、例えば、300,000細胞/ウェルに対応する3百万個/mLになるようにPBMCを調整した(しかし、100,000〜800,000細胞/ウェルは線形結果を達成する筈であるから、細胞数は、予想スポット数に従って調整することができる)。PBMCの処理の間、また、これを蒔くまで、加湿インキュベーター、5〜9%CO2内で37℃にて細胞を維持した。大オリフィスチップを使用して、100μL/ウェルでPBMCを蒔いた。完了したら、プレートの側面を穏やかにタップし、37℃加湿インキュベーター、5〜9%CO2内に直ちに置いた。使用するサイトカインに応じて24〜72時間インキュベートした。プレートはスタックしなかった。インキュベーターのドアを慎重に開け閉めすることにより、プレートの振盪を回避した。インキュベーション中にプレートに触れなかった。
2日目。当日の洗浄溶液を調製した:PBS、蒸留水およびTween−PBS。特異的プロトコールに従って検出抗体を希釈することにより、検出溶液を調製した。プレートをPBSで2回、次いで0.05%Tween−PBSで2回、各回200μL/ウェルにて洗浄した。80μL/ウェルの検出溶液を添加した。RTで2時間インキュベートした。特異的プロトコールに従って三次抗体を希釈することにより、三次溶液を調製した。プレートを200μL/ウェルの0.05%Tween−PBSで3回洗浄した。80μL/ウェルのStrep−AP溶液を添加した。RTで30分間インキュベートした。その特異的プロトコールに従って現像溶液を調製した。プレートを0.05%Tween−PBSで2回、次いで蒸留水で2回、各回200μL/ウェルにて洗浄した。80μL/ウェルの現像溶液を添加した。RTで10〜20分間インキュベートした。膜を水道水で穏やかにリンスすることにより反応を停止させ、デカントし、これを3回反復した。プレートの保護暗渠(underdrain)を除去し、プレートの裏を水道水でリンスした。プレートを伏せて稼働中のフード内で2時間またはペーパータオル上に24時間卓上で風乾させた。プレートをスキャンし、計数した。
記載されている通りにHLA−A2トランスジェニックB6マウスにワクチン接種し、脾細胞を特異的WT1ペプチド(RMFPNAPYL(配列番号749)、FMFPNAPYL(配列番号732))によりex vivoで刺激し、IFNg ELISpotアッセイによって解析した。ヘテロクリティックワクチン接種(WT1−Fミニ遺伝子:FMFPNAPYL;配列番号732)は、免疫化HLA2トランスジェニックマウスにおけるAg特異的T細胞応答を誘導した。図5および図7Bを参照されたい。加えて、ヘテロクリティックワクチン接種は、天然WT1腫瘍抗原(RMFPNAPYL;配列番号749)と交差反応するT細胞応答を誘発した。図5および図7Aを参照されたい。データは、WT1−Fヘテロクリティックミニ遺伝子ワクチンによるワクチン接種が、WT1−天然腫瘍抗原(RMFPNAPYL;配列番号749)と交差反応性のT細胞を誘発することができることを実証した。全体的に見て、データは、ヘテロクリティックミニ遺伝子ワクチンが、天然腫瘍抗原と交差反応するT細胞を誘発することができることを実証した。
記載されている通りにHLA−A2トランスジェニックB6マウスにワクチン接種し、脾細胞を収集した。ワクチン特異的YMFPNAPYLペプチド(配列番号741)または天然WT1ペプチド(RMFPNAPYL;配列番号749)に応答してIFNgを産生するT細胞の能力をIFNg ELISpotアッセイによって決定した。ヘテロクリティックワクチン接種(WT1−AH1−Tyrミニ遺伝子:YMFPNAPYL;配列番号741)は、免疫化HLA2トランスジェニックマウスにおけるAg特異的T細胞応答を誘導した。図6および図8Bを参照されたい。加えて、ヘテロクリティックワクチン接種は、天然WT1腫瘍抗原(RMFPAPYL;配列番号749)と交差反応するT細胞応答を誘発した。図6および図8Aを参照されたい。
(実施例8)
概念実証:C57BL/6雌マウスを使用したMC38に基づく移植可能な結腸直腸腫瘍モデルにおけるLm MC38構築物の治療有効性
本試験は、確立されたMC38腫瘍の制御における様々なMC38構築物(非ミニ遺伝子およびミニ遺伝子)の治療有効性を調べた。MC38腫瘍は、マウス結腸腺癌に由来するMC38細胞系を使用した腫瘍モデルである。腫瘍体積および生存を観察した。21mer非ミニ遺伝子形態およびミニ遺伝子形態における全MC38腫瘍モデルに存在する2種の突然変異を検査した。1種の突然変異は、マウスAdpgk遺伝子(ADP依存性グルコキナーゼ;UniProt受託番号Q8VDL4)に存在し、1種の突然変異は、マウスDpagt1遺伝子(UDP−N−アセチルグルコサミン−−ドリチル(dolichyl)−ホスフェートN−アセチルグルコサミンホスホトランスフェラーゼ;UniProt受託番号P42867)に存在した。これらの突然変異は、あらゆる目的のためその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Yadavら(2014年)Nature 515巻(7528号):572〜576頁から同定された。
処置スケジュール
腫瘍が触知できるようになったら(8日目 − 15JUN17)、マウスに様々な(Lm)MC38構築物を腹腔内に(IP)1週間に1回を3週連続で(無期限に)投薬した。
実験の詳細
腫瘍細胞系増大。MC38細胞を1:5希釈で分割し、培地(IMDM完全培地(c−RPMI);10%のFBS(50mL);5mLのGlutamax)において育成した。0日目(07JUN17)に、MC38細胞をIMDMにおいて培養し、育成の対数期中期から後期に達した(ほぼ50%集密度)。細胞を0.25%トリプシン(1×)で2分間、RTにてトリプシン処理した。トリプシンを3倍体積の完全培地で阻害し、1200rpmで5分間遠心分離した。ペレットを培地(抗生物質なし)に再懸濁し、BCによるMoxiFlowで計数した。
腫瘍接種。細胞を計数し、2×105細胞/200uL/マウスの濃度で再懸濁した。腫瘍細胞を各マウスの右側腹部に皮下注射した。
処置。ワクチン調製を次に示す:(a)−80℃から37℃ウォーターバス内で1バイアルを解凍し;(b)14,000rpmで2分間スピンし、上清を廃棄し;(c)1mL PBSで2回洗浄し、PBSを廃棄し;(d)最終濃度5×108CFU/mLとなるように再懸濁した。
結果および結論
ミニ遺伝子としてAdpgkまたはDpagt1のいずれかでマウスを免疫化した場合、MC38腫瘍体積は、LmddA−274空ベクター対照と比較して、また、非ミニ遺伝子形態で標的化された組み合わせたAdpgkおよびDpagt1突然変異と比較して有意に低下した。図9を参照されたい。
(実施例9)
概念実証:CT26負荷試験における非ミニ遺伝子およびミニ遺伝子Lm−AH1構築物の治療有効性
本試験は、CT26腫瘍成長の抑制における、ミニ遺伝子および非ミニ遺伝子構築物を含むLm−AH1構築物の治療有効性を検査した。構築物は、gp70に由来する野生型ペプチドを含む融合ポリペプチドを発現する。AH1は、内在性マウス白血病ウイルス(MuLV)のエンベロープ糖タンパク質70(gp70)に由来する生理活性ナノマー(nanomeric)ペプチドを指し、BALB/c由来CT26結腸直腸癌によって発現される。例えば、あらゆる目的のためその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Scrimieriら(2013年)Oncoimmunology 2巻(11号):e26889頁を参照されたい。
処置スケジュール
Lm−AH1ワクチン接種は、腫瘍植え込み7〜9日後に始まり、続いて1週間間隔で2回のブーストが行われた。植え込みおよび投薬スケジュールの詳細を表31に示す。
実験の詳細
腫瘍細胞系増大。10%FBSを有するRPMIにおいてCT26細胞系を培養した。
腫瘍接種。0日目に(14JUN17)、CT26細胞は、0.25%トリプシン(1×)でトリプシン処理され、PBSにおいて適切な濃度(5×105細胞/マウス)となるよう培地で2回洗浄されるであろう。CT26細胞を、各マウスの右側腹部の皮下に植え込んだ。
処置。ワクチン調製を次に示す:(a)37℃ウォーターバスにおいて−80℃から1バイアルを解凍し;(b)14,000rpmで2分間スピンし、上清を廃棄し;(c)1mL PBSで2回洗浄し、PBSを廃棄し;(d)最終濃度5×108CFU/mLとなるように再懸濁した。
結果および結論
そこで、本出願人らは、CT26モデルにおけるAH1ワクチンの最も有効な投与経路が、IV投薬によるものであることを実証した。その上、ミニ遺伝子構築物は、非ミニ遺伝子対応物よりも僅かに良好に機能するが、この結果は、統計的に異なるものではない。図10Aおよび図10Bを参照されたい。これらのデータは、ミニ遺伝子および非ミニ遺伝子形態の両方におけるLm構築物の有効性を支持する。
(実施例10)
概念実証:CT26負荷試験におけるヘテロクリティックLm−AH1構築物の治療有効性
本試験は、Lm AH1−HCヘテロクリティックミニ遺伝子ワクチンが、CT26腫瘍成長を制御または抑制することができるか検査した。
処置スケジュール
ヘテロクリティックAH1−HCワクチン接種は、表33に記載されている通りに始まり、続いて推奨されるワクチンにより1週間間隔で2回のブーストが行われた。
実験の詳細
ワクチン投薬詳細。AH1−HCは、ヘテロクリティックAH1−HCワクチンをプライミングおよびブーストされたマウスを指す。
腫瘍細胞系増大。10%FBSを有するRPMIにおいてCT26細胞系を培養した。
腫瘍接種。0日目に(14JUN17)、CT26細胞は、0.25%トリプシン(1×)でトリプシン処理され、PBSにおいて適切な濃度(3×105細胞/マウス)となるよう培地で2回洗浄されるであろう。CT26細胞を、各マウスの右側腹部の皮下に植え込んだ。
処置。ワクチン調製を次に示す:(a)37℃ウォーターバスにおいて−80℃から1バイアルを解凍し;(b)14,000rpmで2分間スピンし、上清を廃棄し;(c)1mL PBSで2回洗浄し、PBSを廃棄し;(d)最終濃度5×108CFU/mLとなるように再懸濁した。ワクチン投薬は、腫瘍植え込み3〜4日後に始まった。
結果および結論
Lm−AH1 HC構築物は、マウスCT26結腸直腸がんモデルにおける腫瘍成長を有意に制御することができた。図11を参照されたい。
(実施例11)
ヘテロクリティックペプチドおよびミニ遺伝子によるがん型特異的ホットスポット構築物の設計および発現
本出願人らは、ADXS−HOT構築物のために前臨床開発努力の焦点を合わせる反復性がん突然変異を有するがん型を選択した。がん型は、非小細胞肺がん、前立腺がん、膵臓がん、膀胱がん、乳がん(例えば、ER+乳がん)、子宮がん、卵巣がん、低悪性度神経膠腫、結腸直腸がん(例えば、MSS結腸直腸がん)、頭頸部がんおよびDNAミスマッチ修復欠損がんを含んだ。構築物の例示的なアミノ酸配列は、実施例を通して提示されている。かかる構築物をコードする例示的な核酸配列は、例えば、配列番号923〜1002および2832〜2848に提示されている。表123は、構築物の概略を提示する。最後の欄は、当該徴候に関してThe Cancer Genome Atlas(TCGA)患者の少なくとも90%において発現された、前の欄における腫瘍関連抗原(例えば、CTA/OFA)遺伝子の数を示す。例えば、3種のTAA遺伝子が、NSCLC患者の90%超において発現された。TAA遺伝子の残りは、TCGA NSCLC患者の集団の<90%において発現された。
非小細胞肺がん(NSCLC)ホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
6種の遺伝子にわたる総計11種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、NSCLC ADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全非小細胞肺がん患者の43%をカバーする(すなわち、非小細胞肺がん患者の43%は、パネルのホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表35に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
7種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計11種のペプチドを、NSCLC ADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表36に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表36Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表36Bには、NSCLCを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlas(TCGA)データベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表36Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有するNSCLC患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有するNSCLC患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有するNSCLC患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有するNSCLC患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。一部の構築物において、ユビキチンは、CEACAM5_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。構築物のうちいくつかにおいて、ユビキチンは、CEACAM5_A2402ヘテロクリティックペプチドに融合された。一部の構築物において、ヘテロクリティックペプチドは、ホットスポットペプチドに対してC末端である。一部の構築物において、ヘテロクリティックペプチドは、ホットスポットペプチドの間に散在される。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。VGKGGSGGリンカー(配列番号314)は、例えば、融合ペプチドのtLLOと抗原部分との間、およびタグ配列の前にさらなる空間をもたらすように、tLLOの後、およびまたタグ配列の前の、より長いリンカーとして使用され得る。これは、融合タンパク質に可動性および電荷の平衡をもたらすこともできる。EAAAKリンカー(配列番号316)は、例えば、融合タンパク質がさもなければそれ自体に折り畳まれる場合、発現および分泌を促進するために使用され得る、剛性/硬性リンカーである。GGGGSリンカー(配列番号313)は、例えば、増大した可動性を融合タンパク質に付加して発現および分泌の促進を助けるために使用され得る、可動性リンカーである。「i20」リンカー(例えば配列番号821〜829)は、例えば、免疫プロテアソームによる融合タンパク質の切断の促進を助け、所望される最小の結合性断片そのものが得られる頻度を増大させるように設計された、免疫プロテアソームリンカーである。生成が所望される正確な最小8mer〜11merは公知であるため、これらは、例えば、ヘテロクリティックペプチド配列の周囲で使用することができる。GGGGSおよびEAAAKリンカー(それぞれ、配列番号313および316)の組合せは、例えば、発現および分泌の改善のために可動性と剛性とが交互になるようにして構築物のバランスを取ることを助けるため、また、選択できる特有のコドンをより多く提供することによりDNA合成の促進を助けるために使用され得る。例えば、21merホットスポットペプチドの周囲に剛性EAAAKリンカーを配置し、生成が所望される正確な9merが分かっているヘテロクリティック配列の周囲に「i20」リンカーを配置することにより、EAAAKリンカー(配列番号316)および「i20」リンカーの組合せを使用することができる。例えば、21merホットスポットペプチドの周囲に可動性GGGGSリンカーを配置し、生成が所望される正確な9merが分かっているヘテロクリティック配列の周囲に「i20」リンカーを配置することにより、GGGGSリンカー(配列番号313)および「i20」リンカーの組合せを使用することができる。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)NSCLC HOT EVO2 EAAAK.G4S(A)(配列番号859);(2)NSCLC HOT G4S(A)(配列番号860);(3)NSCLC HOT EVO2 EAAAK−G4S混合(A)(配列番号861);(4)NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(A)(配列番号862);(5)NSCLC HOT EVO2 G4S.i20(A)(配列番号863);(6)NSCLC HOT EVO 2 G4S LS#1(A)(配列番号864);(7)NSCLC HOT EVO 2 G4S LS#2(A)(配列番号865);(8)NSCLC HOT EVO2 EAAAK.G4S(B)(配列番号894);(9)NSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)(配列番号895);および(10)NSCLC A24 HOT(配列番号905)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表38〜47に提示されている。(B)構築物に関して、追加のヘテロクリティックエピトープが付加されて、がん型内の総患者カバー範囲が100%に近づくことができるように、本来のホットスポット突然変異ペプチドを補完した。したがって、いかなる患者も、最も多く見られるHLA(HLA−A0201、HLA−A0301、HLA−A2402およびHLA−B0702)をカバーするためにヘテロクリティックペプチドを設計した腫瘍関連抗原を発現する可能性があるであろう。A24構築物に関して、ミニ遺伝子中の9merは、A24 9merによって置き換えた。A24(HLA−A2402)は、アジアで一般的に見出されるHLA型である。LS構築物に関して、融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドは、疎水性および電荷に基づき再度順序付けた。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
構築物はまた、ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように設計され、ユビキチンペプチドは含まなかった(すなわち、「ミニ遺伝子」なしの、ホットスポットペプチド、プラス、ヘテロクリティックペプチド)。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチドおよびヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、NSCLC HS+HC(配列番号909)である。
構築物はまた、ホットスポットペプチドに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように設計され、C末端においてヘテロクリティックペプチドに融合されたユビキチンペプチド以外のヘテロクリティックペプチドはなかった(すなわち、追加のヘテロクリティックペプチドなしの、ホットスポットペプチド、プラス、「ミニ遺伝子」)。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、NSCLC HS+MG(配列番号910)である。
構築物はまた、1種または複数のヘテロクリティックペプチドに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように設計され、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた(すなわち、ホットスポットペプチドなしの、ヘテロクリティックペプチドおよび「ミニ遺伝子」)。融合ポリペプチドのtLLO、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、NSCLC HC+MG(配列番号911)である。
構築物はまた、1種または複数のヘテロクリティックペプチドに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように設計され、いかなるユビキチンペプチドも含まず、いかなるホットスポットペプチドも含まなかった(すなわち、「ミニ遺伝子」なしおよびホットスポットペプチドなしの、ヘテロクリティックペプチド)。融合ポリペプチドのtLLOおよびヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、NSCLC HCのみ(配列番号912)である。
各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表48〜51に提示されている。
Lmdda Listeria構築物によるtLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の発現を査定するために、本明細書の他の箇所に記載されている通りにDNA構築物を生成し、Lmddaへと形質転換した。個々のLmdda構築物のそれぞれを、抗FLAG抗体を使用して、tLLO融合ポリペプチド発現に関してウエスタンブロットによってアッセイした。図12および図18は、様々なNSCLS構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は全て、103〜125kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。図27は、NSCLC HOT EVO2 EAAAK.G4S(B)およびNSCLC HOT EVO2 EAAAK.i20(B)構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は、103〜125kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。図32は、NSCLC HS+MG構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。
前立腺がんホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
5種の遺伝子にわたる総計14種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、前立腺がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全前立腺がん患者の16%をカバーする(すなわち、前立腺がん患者の16%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。しかし、突然変異は、RGPDのC末端付近にあるため、RGPD_P1760Aホットスポットペプチドは、16アミノ酸のみであった。加えて、2個の隣接ホットスポット突然変異を含む、AR_H875Y_T878A二重ホットスポットペプチドは、24アミノ酸長である。ペプチドを表52に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異(複数可)は、太字および下線で示す。
9種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計10種のペプチドを、前立腺がんADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表53に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表53Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表53Bには、前立腺がんを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlasデータベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表53Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有する前立腺がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有する前立腺がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有する前立腺がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有する前立腺がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。一部の構築物において、ユビキチンは、STEAP1_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。構築物のうちいくつかにおいて、ユビキチンは、STEAP1_A2402ヘテロクリティックペプチドに融合された。一部の構築物において、ヘテロクリティックペプチドは、ホットスポットペプチドに対してC末端である。一部の構築物において、ヘテロクリティックペプチドは、ホットスポットペプチドの間に散在される。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)ProStar EVO2 EAAAK.G4S(A)(配列番号871);(2)ProStar EVO2 G4S(A)(配列番号872);(3)ProStar EVO2 EAAAK−G4S混合(A)(配列番号873);(4)ProStar EVO2 EAAAK.i20(A)(配列番号874);(5)ProStar EVO2 G4S.i20(A)(配列番号875);(6)ProStar EVO 2 G4S LS#1(A)(配列番号876);(7)ProStar EVO 2 G4S LS#2(A)(配列番号877);(8)ProStar EVO2 EAAAK.G4S(B)(配列番号892);(9)ProStar EVO2 EAAAK.i20(B)(配列番号893);および(10)Prostar A24 HOT(配列番号906)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表54〜63に提示されている。(B)構築物に関して、追加のヘテロクリティックエピトープが付加されて、がん型内の総患者カバー範囲が100%に近づくことができるように、本来のホットスポット突然変異ペプチドを補完した。したがって、いかなる患者も、最も多く見られるHLA(HLA−A0201、HLA−A0301、HLA−A2402およびHLA−B0702)をカバーするためにヘテロクリティックペプチドを設計した腫瘍関連抗原を発現する可能性があるであろう。A24構築物に関して、ミニ遺伝子中の9merは、A24 9merによって置き換えた。A24(HLA−A2402)は、アジアで一般的に見出されるHLA型である。LS構築物に関して、融合ポリペプチドにおける抗原性ペプチドは、疎水性および電荷に基づき再度順序付けた。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
構築物はまた、ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように設計され、ユビキチンペプチドは含まなかった(すなわち、「ミニ遺伝子」なしの、ホットスポットペプチド、プラス、ヘテロクリティックペプチド)。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチドおよびヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、Prostar HS+HC(配列番号913)である。
構築物はまた、AR−H875Y−T878A以外のホットスポットペプチドに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように設計され、C末端においてヘテロクリティックペプチドに融合されたユビキチンペプチド以外のヘテロクリティックペプチドはなかった(すなわち、追加のヘテロクリティックペプチドなしの、ホットスポットペプチド、プラス、「ミニ遺伝子」)。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、Prostar HS+MG(配列番号914)である。
構築物はまた、1種または複数のヘテロクリティックペプチドおよびAR−H875Y−T878Aペプチドに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように設計され、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた(すなわち、二重ホットスポットペプチドのみを有する、ヘテロクリティックペプチドおよび「ミニ遺伝子」)。融合ポリペプチドのtLLO、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、Prostar HC+MG(配列番号915)である。
構築物はまた、1種または複数のヘテロクリティックペプチドおよびAR−H875Y−T878Aペプチドに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように設計され、いかなるユビキチンペプチドも含まず、二重ホットスポットAR−H875Y−T878Aペプチド以外のいかなるホットスポットペプチドも含まない(すなわち、「ミニ遺伝子」がなく、二重ホットスポットペプチドのみを有する、ヘテロクリティックペプチド)。融合ポリペプチドのtLLOおよびヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、Prostar HCのみ(配列番号916)である。
各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表64〜67に提示されている。
Lmdda Listeria構築物によるtLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の発現を査定するために、本明細書の他の箇所に記載されている通りにDNA構築物を生成し、Lmddaへと形質転換した。個々のLmdda構築物のそれぞれを、抗FLAG抗体を使用して、tLLO融合ポリペプチド発現に関してウエスタンブロットによってアッセイした。図13および図19は、様々な前立腺がん構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は全て、103〜125kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。図28は、ProStar EVO2 EAAAK.G4S(B)およびProStar EVO2 EAAAK.i20(B)構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は、103〜125kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。図33は、ProStar HS+HC、ProStar HS+MG、ProStar HC+MGおよびProStar HCのみ構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。
膵臓がんホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
5種の遺伝子にわたる総計16種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、膵臓がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全膵臓がん患者の87%をカバーする(すなわち、膵臓がん患者の87%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表68に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
6種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計12種のペプチドを、膵臓がんADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表69に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表69Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表69Bには、膵臓がんを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlasデータベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表69Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有する膵臓がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有する膵臓がん患者の98%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有する膵臓がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有する膵臓がん患者の98%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。
一部の構築物において、ユビキチンは、CEACAM5_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。構築物のうちいくつかにおいて、ユビキチンは、CEACAM5_A2402ヘテロクリティックペプチドに融合された。ヘテロクリティックペプチドは、ホットスポットペプチドに対してC末端であった。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)PANC HOT EVO2 EAAAK.G4S(A)(配列番号866);(2)PANC HOT G4S(A)(配列番号867);(3)PANC HOT EVO2 EAAAK−G4S混合(A)(配列番号868);(4)PANC HOT EVO2 EAAAK.i20(A)(配列番号869);(5)PANC HOT EVO2 G4S.i20(A)(配列番号870);および(6)膵臓A24 HOT(配列番号908)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表70〜75に提示されている。A24構築物に関して、ミニ遺伝子中の9merは、A24 9merによって置き換えた。A24(HLA−A2402)は、アジアで一般的に見出されるHLA型である。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
Lmdda Listeria構築物によるtLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の発現を査定するために、本明細書の他の箇所に記載されている通りにDNA構築物を生成し、Lmddaへと形質転換した。個々のLmdda構築物のそれぞれを、抗FLAG抗体を使用して、tLLO融合ポリペプチド発現に関してウエスタンブロットによってアッセイした。図17は、PANC HOT EVO2 EAAK G4S構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は、103〜125kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。図30は、PANC HOT EVO2 EAAAK.G4S、PANC HOT EVO2 EAAAK−G4S混合、PANC HOT EVO2 EAAAK.i20およびPANC HOT EVO2 G4S.i20構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は、103〜135kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。
膀胱がんホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
6種の遺伝子にわたる総計13種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、膀胱がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全膀胱がん患者の43%をカバーする(すなわち、膀胱がん患者の43%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表76に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
8種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計14種のペプチドを、膀胱がんADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表77に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表77Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表77Bには、膀胱がんを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlasデータベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表77Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有する膀胱がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有する膀胱がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有する膀胱がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有する膀胱がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。一部の構築物において、ユビキチンは、NYESO1_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。構築物のうちいくつかにおいて、ユビキチンは、NUF2_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。ヘテロクリティックペプチドは、ホットスポットペプチドに対してC末端であった。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)膀胱HOT EVO2 EAAAK.G4S(A)(配列番号878);(2)膀胱HOT G4S(A)(配列番号879);(3)膀胱HOT EVO2 EAAAK−G4S混合(A)(配列番号880);(4)膀胱HOT EVO2 EAAAK.i20(A)(配列番号881);(5)膀胱HOT EVO2 G4S.i20(A)(配列番号882);(6)膀胱HOT EVO2 EAAAK.G4S(B)(配列番号888);(7)膀胱HOT EVO2 EAAAK.i20(B)(配列番号889);(8)膀胱HOT EVO2 EAAAK.G4S NUFミニ遺伝子(B)(配列番号890);および(9)膀胱HOT EVO2 EAAAK.i20 NUFミニ遺伝子(B)(配列番号891)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表78〜86に提示されている。(B)構築物に関して、がん型内の総患者カバー範囲が100%に近づくことができるように、追加のヘテロクリティックエピトープを付加して、本来のホットスポット突然変異ペプチドを補完した。したがって、いかなる患者も、最も多く見られるHLA(HLA−A0201、HLA−A0301、HLA−A2402およびHLA−B0702)をカバーするためにヘテロクリティックペプチドを設計した腫瘍関連抗原を発現する可能性があるであろう。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
Lmdda Listeria構築物によるtLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の発現を査定するために、本明細書の他の箇所に記載されている通りにDNA構築物を生成し、Lmddaへと形質転換した。個々のLmdda構築物のそれぞれを、抗FLAG抗体を使用して、tLLO融合ポリペプチド発現に関してウエスタンブロットによってアッセイした。図14および図15は、様々な膀胱がん構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は全て、103〜125kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。図26は、膀胱HOT EVO2 EAAAK.G4S、膀胱HOT G4S、膀胱HOT EAAAK−G4S混合、膀胱HOT EVO2 EAAAK.i20および膀胱HOT EVO2 G4S.i20構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は、103〜125kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。図31は、膀胱HOT EVO2 EAAAK.G4S(B)、膀胱HOT EVO2 EAAAK.G4S NUFミニ遺伝子(B)および膀胱HOT EVO2 EAAAK.i20 NUFミニ遺伝子(B)構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は、103〜135kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。
乳がんホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
3種の遺伝子にわたる総計14種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、乳がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全エストロゲン受容体陽性(ER+)乳がん患者の47%をカバーする(すなわち、ER+乳がん患者の47%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表87に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
6種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計11種のペプチドを、乳がんADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表88に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表88Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表88Bには、乳がんを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlasデータベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表88Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有する乳がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有する乳がん患者の95%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有する乳がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有する乳がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。一部の構築物において、ユビキチンは、STEAP1_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。構築物のうちいくつかにおいて、ユビキチンは、STEAP1_A2402ヘテロクリティックペプチドに融合された。ヘテロクリティックペプチドは、ホットスポットペプチドに対してC末端であった。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)乳HOT EVO2 EAAAK.G4S(A)(配列番号883);(2)乳HOT G4S(A)(配列番号884);(3)乳HOT EVO2 EAAAK−G4S混合(A)(配列番号885);(4)乳HOT EVO2 EAAAK.i20(A)(配列番号886);(5)乳HOT EVO2 G4S.i20(A)(配列番号887);および(6)乳A24 HOT(配列番号907)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表89〜94に提示されている。A24構築物に関して、ミニ遺伝子中の9merは、A24 9merによって置き換えた。A24(HLA−A2402)は、アジアで一般的に見出されるHLA型である。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
Lmdda Listeria構築物によるtLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の発現を査定するために、本明細書の他の箇所に記載されている通りにDNA構築物を生成し、Lmddaへと形質転換した。個々のLmdda構築物のそれぞれを、抗FLAG抗体を使用して、tLLO融合ポリペプチド発現に関してウエスタンブロットによってアッセイした。図16は、乳HOT G4S構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。図23は、乳HOT EVO2 EAAAK.G4S、乳HOT G4S、乳HOT EVO2 EAAAK−G4S混合、乳HOT EVO2 EAAAK.i20および乳HOT EVO2 G4s.i20構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は、103〜130kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。
子宮がんホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
6種の遺伝子にわたる総計16種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、子宮がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全子宮がん患者の64%をカバーする(すなわち、子宮がん患者の64%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表95に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
8種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計14種のペプチドを、子宮がんADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表96に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表96Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表96Bには、子宮がんを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlas(TCGA)データベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表96Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有する子宮がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有する子宮がん患者の83%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有する子宮がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有する子宮がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。一部の構築物において、ユビキチンは、STEAP1_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。構築物のうちいくつかにおいて、ユビキチンは、STEAP_A2402ヘテロクリティックペプチドに融合された。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)子宮HOT EVO2 EAAAK.G4S(配列番号896);(2)子宮HOT EVO2 EAAAK.i20(配列番号897);および(3)子宮A24 HOT(配列番号904)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表97〜99に提示されている。A24構築物に関して、ミニ遺伝子中の9merは、A24 9merによって置き換えた。A24(HLA−A2402)は、アジアで一般的に見出されるHLA型である。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
卵巣がんホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
1種の遺伝子にわたる総計12種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、卵巣がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全卵巣がん患者の25%をカバーする(すなわち、卵巣がん患者の25%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表100に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
8種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計14種のペプチドを、卵巣がんADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表101に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表101Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表101Bには、卵巣がんを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlas(TCGA)データベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表101Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有する卵巣がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有する卵巣がん患者の83%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有する卵巣がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有する卵巣がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。ユビキチンは、STEAP1_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)卵巣HOT EVO2 EAAAK.G4S(C)(配列番号898);および(2)卵巣HOT EVO2 EAAAK.i20(C)(配列番号899)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表102〜103に提示されている。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
低悪性度神経膠腫(LGG)ホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
5種の遺伝子にわたる総計11種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、低悪性度神経膠腫(LGG)ADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全低悪性度神経膠腫患者の80%をカバーする(すなわち、低悪性度神経膠腫患者の80%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表104に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
8種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計10種のペプチドを、LGG ADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表105に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表105Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表105Bには、低悪性度神経膠腫(LGG)を有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlas(TCGA)データベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表105Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有するLGG患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有するLGG患者の43%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有するLGG患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有するLGG患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。ユビキチンは、NUF2_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)LGG HOT EVO2 EAAAK.G4S NUFミニ遺伝子(C)(配列番号900);および(2)LGG HOT EVO2 EAAAK.i20_NUFミニ遺伝子(C)(配列番号901)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表106〜107に提示されている。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
結腸直腸がん(CRC)ホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
4種の遺伝子にわたる総計12種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、結腸直腸がん(CRC)ADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全マイクロサテライト安定(MSS)結腸直腸がん患者の58%をカバーする(すなわち、MSS結腸直腸がん患者の58%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表108に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
8種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計10種のペプチドを、CRC ADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表109に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表109Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表109Bには、結腸直腸がんを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlasデータベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表109Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有する結腸直腸がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有する結腸直腸がん患者の98%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有する結腸直腸がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有する結腸直腸がん患者の98%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。CEACAM5_B0702は、2回含まれた。ユビキチンは、STEAP1_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)CRC MSS EVO2 EAAAK.G4S(C)(配列番号902);および(2)CRC MSS EVO2 EAAAK.i20(C)(配列番号903)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表110〜111に提示されている。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
Lmdda Listeria構築物によるtLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の発現を査定するために、本明細書の他の箇所に記載されている通りにDNA構築物を生成し、Lmddaへと形質転換した。個々のLmdda構築物のそれぞれを、抗FLAG抗体を使用して、tLLO融合ポリペプチド発現に関してウエスタンブロットによってアッセイした。図29は、CRC MSS EVO2 EAAAK.G4SおよびCRC MSS EVO2 EAAAK.i20構築物に関するLmddaによる上清へのtLLO融合ポリペプチドの発現および分泌を示す。これらのウエスタンブロットにおいて可視化された構築物は、103〜125kDaの間に収まり、本出願内に見出される構築物の大部分と同様のサイズである。このようなサイズは、相当に大型のタンパク質を示すが、示されている発現データは、抗原プロセシングに十分過ぎなものとなるべきレベルでHOT構築物を発現および分泌するLmddA系統の能力を実証する。
頭頸部がんホットスポット/ヘテロクリティック/ミニ遺伝子構築物
9種の遺伝子にわたる総計17種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、頭頸部がんADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全頭頸部がん患者の34%をカバーする(すなわち、頭頸部がん患者の34%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性がん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。しかし、ホットスポット突然変異は、タンパク質のC末端付近にあったため、RGPD8_P1760Aペプチドは、16アミノ酸長であった。ペプチドを表112に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
6種の遺伝子にわたるヘテロクリティック突然変異を有する総計10種のペプチドを、頭頸部がんADXS−HOT構築物のために選択した。ヘテロクリティック突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、9アミノ酸長のペプチドを設計した。ペプチドを表113に示す。それぞれの中のヘテロクリティック突然変異は、表122に記載されている通りである。
ヘテロクリティック9merペプチドのin silicoで予測される結合親和性およびin vitro結合親和性は、表113Bに提示する。in silicoで予測される結合親和性は、50%阻害濃度(IC50)値(nM)の単位でMHCクラスI分子に結合するペプチドを予測するNetMHC4.0アルゴリズムに基づく;より少ない数値は、より強い予測される結合親和性を反映する。in vitro結合親和性は、結合を高親和性T細胞エピトープの結合と比較することにより、示されているMHCクラスI対立遺伝子に結合し、MHC−ペプチド複合体を安定化する各候補ペプチドの能力を決定する結合アッセイにより決定した。簡潔に説明すると、各ペプチドを、in vitroアッセイにおいてその特異的HLA分子と共にインキュベートする。結合強度を、100%に設定された陽性対照結合スコアを有する陽性対照として、同じHLA分子に対する公知免疫原性ペプチドに対して比較する。配列最適化された結合スコアを、対照ペプチドに対して正規化する。すなわち、各ペプチドは、非常に強い結合特性を有する公知T細胞エピトープである陽性対照ペプチドと比べたスコアを得た。ヘテロクリティック検査ペプチドのスコアは、陽性対照ペプチドによって生成されたシグナルのパーセンテージとして定量的に報告される。陽性対照の45%を超えるまたはこれに等しいスコアを有するペプチドは、バインダーであるとみなされる。表113Bには、頭頸部がんを有する患者における各遺伝子のパーセント発現(The Cancer Genome Atlasデータベース)、検査されているHLA対立遺伝子、および各ヘテロクリティックペプチドに対応する野生型ペプチドが免疫原性であることが公知であるか否かも提示されている。表113Bにおけるヘテロクリティックペプチドのそれぞれを含む構築物に関して、HLA型A*02:01を有する頭頸部がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*03:01を有する頭頸部がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型A*24:02を有する頭頸部がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現し、HLA型B*07:02を有する頭頸部がん患者の100%は、TAA遺伝子のうち少なくとも1種を発現する。
ホットスポットペプチド、およびヘテロクリティックペプチドの1種または複数または全てに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計し、C末端ヘテロクリティックペプチドがユビキチンペプチドに続いた。ユビキチンは、STEAP1_A0201ヘテロクリティックペプチドに融合された。FLAGタグおよびSIINFEKLタグも、ユビキチンの上流に含まれた。融合ポリペプチドのtLLO、ホットスポットペプチド、ヘテロクリティックペプチドおよびユビキチン/ヘテロクリティックペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。
例示的な融合ポリペプチドインサート配列(すなわち、tLLOの下流のペプチド配列)は、次のものを含む:(1)頭頸部HOT EVO2 EAAAK.G4S(配列番号918);および(2)頭頸部HOT EVO2 EAAAK.i20(配列番号919)。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表114〜115に提示されている。G4S、EAAAKおよびi20は、それぞれ可動性リンカー、剛性リンカーおよび免疫プロテアソームプロセシングリンカーの包含を指す。
dMMRホットスポット構築物
DNAミスマッチ修復は、DNA複製中に遺伝的ミスマッチを同定および修復する生物学的機構である。欠損DNAミスマッチ修復(dMMR)は、複製中に生じるDNAミスマッチを修復できない状態をもたらす。dMMRを有する患者は一般に、高い突然変異率を生じるDNA複製中の高頻度エラーにより、マイクロサテライト不安定性、高(MSI−H)を発生する。各突然変異は、MHC系によって提示されて、T細胞によって異物として認識され得るため、このような高突然変異腫瘍は、免疫療法のための優れた標的である。dMMRは、4種のタンパク質:PMS2、MLH1、MSH6およびMSH2の損失に関連する。
dMMRパネルを設計するために、本出願人らは、多数の腫瘍型にわたりTCGAにおける全患者を選択した。本出願人らは、PMS2、MLH1、MSH6およびMSH2に突然変異を有する患者にフィルターをかけたが、その理由として、これらの遺伝子に突然変異を有する患者は、MSIである可能性が高いことが挙げられる。次に、このコホート内の全体細胞突然変異の頻度を計算し、4.5%を超える頻度を有する上位突然変異を選択した。
26種の遺伝子にわたる総計28種のホットスポット突然変異を、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、DNAミスマッチ修復欠損(dMMR)ADXS−HOT構築物のために選択した。ホットスポット突然変異のこのパネルは、全DNAミスマッチ修復欠損がん患者の54%をカバーする(すなわち、DNAミスマッチ修復欠損がん患者の54%は、パネルに由来するホットスポット突然変異のうち少なくとも1種を有するであろう)。構築物に含まれる反復性ミスセンスがん突然変異毎に、実施例4および本明細書の他の箇所に記載されている通り、21アミノ酸長のペプチドを設計した。構築物に含まれるフレームシフト突然変異毎に、フレーム外INDEL置換から生じる予測されるペプチド配列を含むように、より長いペプチドを設計した。ペプチドを表116に示す。それぞれの中のホットスポット突然変異は、太字および下線で示す。
ホットスポットペプチドに融合されたtLLOを含む融合ポリペプチドをコードするように構築物を設計した。SIINFEKLタグも含まれた。融合ポリペプチドのtLLOおよびホットスポットペプチド構成成分は、表37のリンカーから選択される様々なリンカーによって連接された。融合ポリペプチドインサート(すなわち、tLLOの下流のペプチド)の配列は、配列番号917(DNAミスマッチ修復HOT EVO2 EAAAK.G4S)に表記されている。各構築物における個々の構成成分のアミノ酸位置の内訳は、表117に提示されている。G4SおよびEAAAKは、それぞれ可動性リンカーおよび剛性リンカーの包含を指す。
(実施例12)
概念実証:低発現Lm構築物による免疫の生成
本試験は、Lm構築物による免疫化後のC57BL/6マウスにおける、極度に低いまたは検出限界を下回るウエスタンブロット結果を有する構築物に対する免疫応答を評価した。このアッセイは、10種の異なるLm SIINFEKLタグ付き構築物で免疫化したマウスにおけるSIINFEKL特異的免疫の生成を検査した。各Lm構築物は、融合タンパク質のC末端にSIINFEKLタグを有した(tLLO+抗原)。SIINFEKL特異的免疫応答は、SIINFEKLペプチドによる脾細胞のex vivo刺激およびELISPOTアッセイによるIFNγ陽性細胞の検出によって検出された。免疫化スケジュールおよび系統の詳細は、表118および119に示されている。
ワクチン調製
ワクチン調製は次の通りであった(全てBHI培地により調製):(a)−80℃から37℃ウォーターバス内で1バイアルを解凍し;(b)14,000rpmで2分間スピンし、上清を廃棄し;(c)1mL PBSで2回洗浄し、PBSを廃棄し;(d)適切な最終濃度5×108CFU/mLとなるように再懸濁した。
単離された脾細胞の調製
(1)無菌ピンセットおよびハサミを使用して、実験および対照から脾臓を収集した。完全RPMIを含有する15mL管を研究室に運んだ。
(2)無菌ペトリ皿に脾臓を注いだ。
(3)3mLシリンジのプランジャーの裏を使用してcRPMI中で脾臓を破壊した。
(4)1もしくは2個の脾臓に対しては培地中の細胞を15mL管に、または2個を超える脾臓の場合は50mL管に移した。
(5)1,000RPMで5分間RTにて、細胞をペレットにした。
(6)上清を廃棄し、残っている洗浄緩衝液に細胞を穏やかに再懸濁し、脾臓1個につき2mLのRBC溶解緩衝液を細胞ペレットに添加した。管をタップすることにより、溶解緩衝液で細胞を穏やかに混合し、1分間待った。
(7)10mLのc−RPMI培地を細胞懸濁液に直ちに添加して、溶解緩衝液を非活性化した。
(8)1,000で5分間、RTにて細胞をスピンした。
(9)細胞濾過器に細胞を通過させ、これを10mL c−RPMIでさらに1回洗浄した。
(10)25mLのc−RPMIに細胞ペレットを再懸濁した。
(11)血球計数器を使用して細胞を計数し、PI染色によって生存率をチェックした。各脾臓は、1〜2×108個の細胞を生じた。
(12)ペンタマー染色およびELISpotのために細胞を分割した。
ELISPOTプロトコール
使用したELISpotペプチドは、ペプチド#1(SIINFEKL − 配列番号1007)およびペプチド#2(PSA−9 − 無関係ペプチド対照およびバックグラウンド減算)を含んだ。
1日目に、プレートコーティングのためのCTLイムノスポットプロトコールに従った。
次に、抗原溶液を次の通りにセットアップした:(a)1mM OVA−8(SIINFEKL)を作製し:IMDMへの10mM OVA−21ストックの1:10希釈、すなわち、5μL:45μL;(b)2μM抗原溶液を作製し:2μL/mLの1mM溶液を抗原溶液に添加し、ほぼ8μLの1mM OVA−8を4mL抗原溶液に添加し;(c)1mM PSA−9(無関係ペプチド)を作製し:IMDMへの10mM PSA−9ストックの1:10希釈、すなわち、5μL:45μL;(d)2μM抗原溶液を作製し:2μL/mLの1mM溶液を抗原溶液に添加し、ほぼ8μLの1mM PSA−9を4mL抗原溶液に添加し;(e)1×PMA/Ionoを作製し:抗原溶液への100×PMAストックの1:100希釈:ほぼ4μLを396μL抗原溶液に希釈し;(f)100μLの各抗原溶液を適切なウェルに添加した。
次の通りに脾細胞を調製した:(a)ほぼ2×106個の各脾細胞を洗浄した。2×106/mL(ほぼ1mL CTL培地)の濃度となるようにCTL検査培地に再懸濁し;(b)100μLの各脾細胞を適切なウェルに添加した。
次に、キット使用説明書の通りにELISPOTプロトコールに従った(すなわち、37℃で一晩インキュベートした)。
2日目に、下に示すELISPOTプロトコールに従った。
0日目(無菌条件)。特異的プロトコールに従って捕捉抗体を希釈することにより捕捉溶液を調製した。多くのサイトカインは、各ウェルに80μLの捕捉溶液を添加する前に、70%エタノールで30秒間PVDF膜を予め湿らせ、150μLのPBSで3回洗浄することから利益を得る。加湿チャンバー内でプレートを一晩4℃でインキュベートした。
1日目(無菌条件)。1%新鮮L−グルタミンを添加することによりCTL−Test(商標)培地を調製した。CTL−Test(商標)培地において2×最終濃度で抗原/マイトジェン溶液を調製した。0日目からコーティング抗体でプレートをデカントし、150μL PBSで1回洗浄した。100μL/ウェルで抗原/マイトジェン溶液を蒔いた。PBMCを解凍した後に、または密度勾配により白血球細胞を単離した後に、CTL−Test(商標)培地において所望の濃度、例えば、300,000細胞/ウェルに対応する3百万個/mLになるようにPBMCを調整した(しかし、100,000〜800,000細胞/ウェルは線形結果を達成する筈であるから、細胞数は、予想スポット数に従って調整することができる)。PBMCの処理の間、また、これを蒔くまで、加湿インキュベーター、5〜9%CO2内で37℃にて細胞を維持した。大オリフィスチップを使用して、100μL/ウェルでPBMCを蒔いた。完了したら、プレートの側面を穏やかにタップし、37℃加湿インキュベーター、5〜9%CO2内に直ちに置いた。使用するサイトカインに応じて24〜72時間インキュベートした。プレートはスタックしなかった。インキュベーターのドアを慎重に開け閉めすることにより、プレートの振盪を回避した。インキュベーション中にプレートに触れなかった。
2日目。当日の洗浄溶液を調製した:PBS、蒸留水およびTween−PBS。特異的プロトコールに従って検出抗体を希釈することにより、検出溶液を調製した。プレートをPBSで2回、次いで0.05%Tween−PBSで2回、各回200μL/ウェルにて洗浄した。80μL/ウェルの検出溶液を添加した。RTで2時間インキュベートした。特異的プロトコールに従って三次抗体を希釈することにより、三次溶液を調製した。プレートを200μL/ウェルの0.05%Tween−PBSで3回洗浄した。80μL/ウェルのStrep−AP溶液を添加した。RTで30分間インキュベートした。その特異的プロトコールに従って現像溶液を調製した。プレートを0.05%Tween−PBSで2回、次いで蒸留水で2回、各回200μL/ウェルにて洗浄した。80μL/ウェルの現像溶液を添加した。RTで10〜20分間インキュベートした。膜を水道水で穏やかにリンスすることにより反応を停止させ、デカントし、これを3回反復した。プレートの保護暗渠を除去し、プレートの裏を水道水でリンスした。プレートを伏せて稼働中のフード内で2時間またはペーパータオル上に24時間卓上で風乾させた。プレートをスキャンし、計数した。
結果および結論
現在のところ(2017年4月)最低の融合タンパク質発現レベルを有する10種の構築物を、マウスへの免疫化のために選択した。構築物は、かろうじて検出可能であるか、または一部の場合、ウエスタンブロットによって融合タンパク質発現が「陰性」であるとみなされたであろうが、本出願人らは、融合タンパク質内のSIINFEKLタグを標的とするマウスT細胞応答を検出することができた。図20を参照されたい。図20において、SIINFEKL特異的CD8+T細胞を検出するために、MHC−I(H−2 KbOVA257〜264)に特異的に結合する最小SIINFEKLペプチドでex vivo脾細胞を刺激した。その後の検査は、図20における第1の対照が、真の陰性対照ではないことを明らかにした。むしろ、SIINFEKLを発現した構築物による混入のため、それは第2の陽性対照であった。しかし、全試料は、陽性T細胞応答を示した。
これらのデータは、極度に低レベルの融合タンパク質発現(またはウエスタンブロットではおそらく検出不能)を有するLm構築物が依然として、Lm構築物による免疫化後にT細胞応答を誘発することができることを実証する。加えて、これらのデータは、融合タンパク質発現(低レベルでも)を有するLm構築物が、Lm構築物による免疫化後にT細胞応答を誘発することを実証する。
(実施例13)
tLLO融合タンパク質におけるリンカーおよびスペーサーの包含
本試験は、定義されるリンカー配列を有する隣接抗原性ペプチドが、tLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の発現を改善するか検査した。tLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の分泌を、抗FLAG抗体を使用したウエスタンブロットによって検出した。これらの試験において生成された前臨床データは、定義されるリンカー配列の包含が、tLLO−抗原性ペプチド融合タンパク質の発現および分泌を有意に改善し、はるかにより高い成功率で構築物を生成する能力を徹底的に改善することを実証する。
複数の21mer(例えば、ホットスポット突然変異の両側を挟む10アミノ酸を有するがん関連タンパク質に由来する21mer)との融合ポリペプチドの設計において、2個の近位21merの接合部が、Lm発現および分泌に干渉し得る見込みを最小化するために、特有の21merの逐次順序をランダムに生成することができる。しかし、ランダムアセンブリ方法は必ずしも、抗FLAGウエスタンブロットによって決定される通り、100%成功率で、tLLO融合タンパク質を発現および分泌する構築物の生成に十分に信頼できるとは限らない可能性がある。「数珠玉構造(beads on a string)」方法を使用して構築物に付加されたさらなる21merは、2個またはそれよりも多い21mer配列が、tLLO融合タンパク質の発現および分泌を有意に低下またはさらには排除する仕方で互いに相互作用するオッズを有意に増加させる。
そこで、本出願人らは、Lm構築物の発現および分泌の有意な改善に使用される新たなプラスミド設計戦略について記載する。本出願人らは、ランダムアセンブリ設計戦略に伴う限界が、リンカーとして公知の定義されるアミノ酸配列によって特有の21merを連接することにより有意に軽減され得ることを見出した。スペーサーとしても公知のリンカーは、タンパク質内のドメインを分離するように天然で生成される2〜25個超の残基に及ぶ短いアミノ酸配列である。特異的な特徴を有するリンカーの多くの異なるクラスが存在する;本出願人らの試験は、剛性、可動性を加える、またはプロテアソーム切断を増強するように設計されたリンカーに焦点を合わせた。下表は、Lm構築物において評価された適したリンカーについて記載する:
この報告に記載されているデータは、剛性、可動性およびプロテアソームリンカーの組合せを有するLm構築物の構築について詳述し、リンカーが存在すると発現および分泌が増強されることを実証する。
材料と方法
構築物設計。試料構築物を生成するために、21アミノ酸のウィンドウサイズによるKyte/Doolittle方法論を使用して、ハイドロパシーのために標的配列をスコアリングし(web.expasy.org/protscale/?_ga=1.215352275.536452039.1486395060)、1.6を超えてまたはこれに等しくスコアリングする全標的配列は、Listeria monocytogenesによって分泌可能である可能性が低いため、使用から除外した。次に、残っている標的配列は全て、OPTIMIZER(genomes.urv.es/OPTIMIZER/)を使用して、L.monocytogenesコドン最適化配列へと逆翻訳した。試料構築物インサートは、20種の標的配列をコンカテマー化(concatamerize)し、FLAG(DYKDHDGDYKDHDIDYKDDDK(配列番号762))SIINFEKLタグコード配列を3’末端に付加することにより設計して、構築物インサートを生成した。次に、インサート配列全体にわたり21アミノ酸スライディングウィンドウを使用して、上述の通りハイドロパシーによって1.6のまたはそれを超えるピークを含有しないように、個々のインサート適合性を再確認した。
tLLO融合ポリペプチド分泌に関するウエスタンブロットスクリーニング。Lm構築物を含有するプレートに由来する単一コロニーを使用して、37℃のドライ振盪インキュベーター内で6mLのBHIにおける一晩培養物を接種した。翌日、本来の一晩培養物の1:10希釈を、9mLの新鮮BHIに再懸濁し、OD600=0.6に達するまで、37℃のドライ振盪インキュベーター内で育成した。13000RPMの2分間遠心分離によって細胞をペレットにした。試料上清を収集し、SDS−PAGEで泳動した。25μLの4×LDS試料緩衝液(Cat#161−0747)で75μLの試料を希釈することにより試料を調製し、98℃で10分間煮沸し、氷上に置き、次いで最大スピードで10分間、4℃にて遠心分離した。13μLの試料を4〜15%プレキャストタンパク質ゲル(BioRad Cat#4561086)で泳動した。Trans−Blot Turboトランスファー装置(Cat#170−4155)およびPVDF Midiトランスファーパック(Bio−Rad#170−4157)を使用して、タンパク質ゲルをトランスファーした。一次として抗FLAGモノクローナル抗体(Sigma F1804)または抗LLO(Abcam ab200538)を、二次抗体としてヤギ抗マウスIgG−HRPコンジュゲート(sc2005)を用いてブロットをインキュベートした。次に、ブロットをiBind Flex(Invitrogen cat#1772866)においてインキュベートし、洗浄し、次いでSuper Signal West Dura Extended Duration Substrate(ThermoFisher#34076)によって現像した;Amersham Imager 600(GE)において画像を現像した。
結果
マウスmc38腫瘍細胞系に由来する突然変異を含むペプチドを設計し、KyteおよびDoolittleの通りにハイドロパシーに関して個々の21merをスコアリングした。ハイドロパシーフィルターカットオフを通った21merを、C末端に付加されたSIINFEKLミニ遺伝子およびFLAGタグ部分を有する15個の「数珠玉構造」として逐次(図21)、または各個々の21merに隣接するリンカーの様々な並べ替えおよび組合せ(図21)のいずれかで配置した。これらのC末端部分タグの付加は、tLLO融合タンパク質の発現、分泌、プロセシングおよび提示、ならびに免疫原性のモニタリングを可能にする。より長く僅かに荷電したスペーサー(図21、*)をtLLOの直後に使用して、融合タンパク質のTAAカセットならびにN末端およびC末端の間にさらなる分離をもたらすと共に、tLLO分泌シグナルの正味の正電荷を維持した。隣接リンカー(図21、^)を使用して、個々の21merを分離した。剛性、可動性およびプロテアソーム増強リンカーを生成し、数百種のLm構築物において検査した。最後に、免疫プロテアソームリンカーを3×FLAGおよびSIINFEKLの間に配置し、これにより、C末端SIINFEKLタグのより効率的なプロテアソームプロセシングが可能になった。免疫プロテアソームリンカーは、免疫プロテアソームの20Sサブユニットによって優先的に切断される、6個のC末端に続く6個のN末端である12アミノ酸切断モチーフで構成された。例えば、あらゆる目的のためその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Toesら(2001年)J. Exp. Med.194巻(1号):1〜12頁を参照されたい。プロテアソーム増強リンカーの包含は、確率的プロテアソームC末端切断およびN末端分解単独によって予想されるものよりも高い頻度での所望のアミノ酸配列(例えば、SIINFEKL(配列番号1007))の方向付けられた遊離を可能にする(図21、#)。
tLLO融合タンパク質の発現および分泌においてリンカーおよびスペーサーが有する効果を評価するために、本出願人らは、可動性、剛性およびプロテアソーム増強リンカーおよびスペーサーの特有の組合せをそれぞれ有する数百種のLm構築物を生成した。図22は、発現、分泌およびLm産物生成に関する全体的成功率におけるリンカーの相対的効果を決定するためにウエスタンブロットによってアッセイされた10種のかかる構築物を描写する。ランダムアセンブリ戦略のみを使用して設計されたMT15構築物に由来する培養上清(図22 − レーン2)は、検出可能(detectible)レベルのtLLO融合タンパク質を生じず、最終的にスクリーニングプロセスは失敗した。しかし、本出願人らは、同じランダムにアセンブルされたMT15構築物(レーン2)により設計された構築物から正しいサイズのtLLO融合タンパク質を明らかに検出することができたが、可動性の長いスペーサーおよび可動性のリンカーの包含により(レーン3);この構築物は、全体的スクリーニングプロセスを通った。全事例において、長いスペーサーの包含は、基礎MT15構築物と比較して、検出可能tLLO融合タンパク質のレベルを有意に改善した。さらに、対応する長いスペーサー構築物のそれぞれへの隣接リンカーの付加は、tLLO融合タンパク質発現(データ図示せず)および分泌(例えば、レーン4対レーン5)を有意に増強した。その上、隣接リンカーの付加は、総当たりのランダムアセンブリ設計戦略の必要をなくした。21merの交互順序付けのみに起因する、分泌されたtLLO融合タンパク質のレベルに有意差を有する構築物は、21merの順序に関係なく、各特有の21merを分離する隣接リンカーにより設計された場合にtLLO融合タンパク質発現または分泌に有意差を示さなかった(データ図示せず)。
結論として、Lm構築物にスペーサーおよびリンカーを取り込むことにより、本出願人らは、tLLO融合タンパク質の発現および分泌を有意に改善することができる。その上、Lm構築物設計へのリンカーおよびスペーサーの取り込みは、完全Lm構築物(例えば、あらゆる所望のホットスポット突然変異を標的とする)を産生するオッズを増加させるために、複数のランダムにアセンブルされた構築物の生成の必要を有意に低下させる。
リンカーおよびスペーサーを付加することにより、本出願人らは、tLLO融合タンパク質の発現および分泌、ならびに検出可能レベルのtLLO融合タンパク質を分泌する構築物の生成の全体的成功率を有意に増強することができる。リンカーおよびスペーサーにより作製された数百種のLm構築物から、本出願人らは、全事例においてウエスタンブロットによってtLLO融合タンパク質を検出することができた。これは、リンカーおよびスペーサーなしで設計された構築物の成功率を超える有意な改善である。本出願人らは、有意に改善されたtLLO発現および分泌を生じる有効なリンカーおよびスペーサー組合せを同定したが、本試験において同定されたリンカーは徹底的ではない。まとめると、これらのデータは、Lmプラットフォームへのリンカーおよびスペーサーの付加の実現可能性を実証する。