JP2020505619A - 再帰反射表面を用いた加工物の位置、向き、及びスケールの検出 - Google Patents

再帰反射表面を用いた加工物の位置、向き、及びスケールの検出 Download PDF

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Abstract

表面のパターン形成又は表面処理の目的でプロセスビームを加工物上に正確に配置するために、加工物の位置、向き、及びスケールを決定する上で再帰性反射材料及び再帰反射表面を用いる方法及び装置。

Description

一般的に本発明は、表面のパターン形成又は表面処理の目的でプロセスビームを加工物上に正確に配置するために、加工物の位置、向き、及びスケールを高速且つ正確に決定するための再帰反射表面の使用に関する。それに加えて、加工物上におけるプロセスビームの正確な場所決めを可能にするための走査デバイスのビーム偏向線形性の補正に向けて、加工物又は試験品上における再帰反射特徴部又はフィデューシャル(fiducial)の正確な既知の位置を用いることができる。本明細書で説明する一実施形態では、本発明を半導体ウェハ加工設備に適用することができ、この場合、ウェハの位置、向き、並びにビーム偏向のスケール及び線形性を検出するために用いることができる。
再帰性反射材及び再帰反射表面は、道路標識及び高視認性衣服において安全性を向上させるために広く用いられている。再帰性反射材が入射光を、概ねそれが入射した方向に反射し戻すという性質を利用することで、この効果は、自動車のヘッドライト等の光源を有する物体から見た時に非常に高い視認性特徴を生じる。再帰反射(時としてリトロフレクションと呼ばれる)は、一般的に路面、道路標識、車両、及び衣服上で用いられる。例えば、自動車のヘッドライトが再帰反射表面を照明すると、反射光は、拡散反射又は散乱の場合のように全ての方向にではなく概ね自動車及び運転者に向かって導き戻される。
再帰反射表面の帰還信号と、再帰反射しない近隣区域の帰還信号との間のコントラストは高く、即座に検出される。従って、背景の隣又は中のどちらかにある再帰反射表面と並置された自体では再帰反射しない物体のエッジを跨いでビームを走査することによって、エッジの場所を高精度で決定することを可能にする明確に区別された信号が得られる。本明細書において説明するように、この効果は、物体のエッジ又はその他の特別な特徴部(ノッチ等)の位置を正確に特定するために用いられ、この位置特定は、物体の向きを決定する上で重要である。加工物又は試験品上におけるフィデューシャルの用法は、説明することになる様々な計測目的で用いることができる。一実施形態では、本発明は、半導体加工においてウェハエッジの場所、並びに例えばウェハ中心の場所及びウェハノッチの向きを正確に決定する。これらのパラメータの把握は、多くのプロセスにとって重要である。
多くの工業プロセス、例えば半導体ウェハ加工では、特定の特徴を有するエネルギーを堆積させるために、レーザービーム、電子ビーム、又はイオンビーム等のエネルギーのビームが加工物にわたって走査される。かかるエネルギービームはプロセスビームと呼ばれる場合もある。例えば、半導体ウェハ加工では、紫外放射線、深紫外放射線、又は極紫外放射線(UV、DUV、又はEUV)、或いは電子ビーム又はイオンビーム等の化学放射線ビームを、エネルギー堆積の目的で基板にわたって走査することができる。他の場合には、可視ビーム又は赤外(IR)ビームを基板にわたって走査することができる。特定のエネルギーパターン又はいわゆる照射量マップ(例えば、ミリジュール毎平方センチメートル、mJ/cm2を単位とする)を堆積させるために、ビームによって堆積されるエネルギーをビームが走査する時に点毎に制御することができる。堆積エネルギーは、多くの理由、例えば、アニーリング又は化学反応の促進を含む多くの目的に向けて表面を化学的に修飾する又は加熱するために与えることができる。
当該技術分野では、プロセスビームを加工物にわたって走査する多くの方法が公知である。例えば、ビームを基板にわたって掃引するために、機械的に走査又は回転する台に添着されたミラー又はプリズムを用いることができる。特に、基板にわたってビームを走査するために、ビーム偏向ミラーが添着された2軸検流計台を用いることができる。1つのミラー(この例ではY軸ミラーと呼ぶことにする)を低速で走査し、それと同時に第1のものと直交する第2のミラーを(この例ではX軸ミラーと呼ぶことにする)高速に走査することによって基板全体を走査し、処理することができる。荷電粒子ビームに対する静電偏向器又は磁気偏向器、光ビームに対する電気光学ビーム偏向器、並びに光ビームに対するマイクロ機械ビーム偏向器及び誘導操作デバイスを含む他のビーム偏向法も公知である。
ビームの誘導操作及び走査を作動させるための多くのかかるデバイスでは、アナログ電圧又はデジタル電圧等の入力信号によって所望量のビーム偏向が制御される。走査ミラー検流計デバイスでは、例えば、ミラーからのビーム偏向角が入力電圧によって制御される。ビームが走査する時に、ビームによって加工物表面に与えられるエネルギー照射量の位置精度が、(1)ビームを加工物上の正しい位置に正しい時間に配置する能力、及び(2)プロセスビームの強度又はパワーを所望の照射量マップにふさわしい当該ビーム位置に対する正しいレベルへと作動又は制御する能力という2つの因子によって制御される。当該技術分野では、プロセスビームの強度又はパワーを時間の関数として制御する多くの方法が公知である。例えば、光ビームに対しては、ビームエネルギーをビーム偏向と同期させて綿密に制御するために音響光学シャッター又は電気光学シャッターを用いることができる。
しかしながら、入力信号を用いて加工物上における走査ビームの位置を正確に制御する場合には問題が存在する。例えば、プロセスビームを加工物上の特定の部分に偏向させることに向けた入力電圧信号が、信号増幅器によって歪んだ状態になり、ビームを加工物上に位置誤差を伴って入射させる可能性がある。それに加えて、偏向電圧信号が、ビーム偏向サーボ電子機器によって受信された時に、この偏向電子機器及び/又は機構の非線形性又はドリフトに起因してビームを所望の角度に偏向させることができない可能性がある。それに加えて、特定の角度に偏向されたビームが、ミラー又はレンズ等の介在光学構成要素によって与えられたひずみに起因して加工物上の所望の場所に入射しない可能性がある。それに加えて、ビームは、加工物上の特定の場所に入射する時に、加工物がその所望の場所から偏位されてしまっている又はその向きが不適切に定められてしまっていることに起因して加工物に対して正しく位置合わせされない可能性がある。それに加えて、ビームは、加工物上の特定の場所に入射する時に、加工物がビーム偏向システムの光学経路に沿って不正な位置に配置されていること又はその他の要因に起因して所望のX軸スケール係数又はY軸スケール係数を有さない可能性がある。
走査ビームエネルギー堆積を実施する時に、幾つかの場合には均一なエネルギー堆積が望まれることがある。他の場合には、全ての加工物に対して等しいエネルギー堆積マップ又はエネルギー堆積パターンが望まれることがある。なおも他の場合には、各加工物が何れかの工業プロセスを辿るように堆積マップを変更することが望まれることがある。最後に、後続又は先行の工業プロセス段階の既知の系統誤差に関して堆積マップを予備補正することによって各加工物に対する堆積マップを変更することが望まれることがある。しかしながら一般的には、加工物上に与えられるエネルギーのマップ又はパターンの正確な位置合わせを果たし、加工物上の各場所に堆積されるエネルギーの量を正確に制御することが重要である。例えば、半導体製造の場合には、基板上のビーム位置の精度を1mm、100ミクロン、10ミクロンよりも細かく、又はそれよりも更に細かく制御することが望まれることがある。
多くの用途において、例えば環境又はビーム自体の性質に起因して加工物表面に対するプロセスビームの位置を正確に確定することが困難である場合がある。幾つかの場合には、例えば、工業用カメラ等の典型的な種類のセンサにとって不都合な又は適切でないチャンバ内で加工物が加工されることがある。他の場合には、プロセスビーム、例えば高パワーUVレーザービーム自体の性質が、カメラが加工物を横断する時にごく僅かな有用信号しかカメラに戻さないことがある。他の場合には、例えば加工物位置を決定する目的でのエネルギービームに対する加工物の露光が、所望のものではない可能性があるエネルギーを表面に与えることがある。
これらの制限を回避するために、プローブビームを、加工物境界を精査する目的でプロセスビームと併用し、更に望ましくないエネルギー堆積を引き起こすことなく加工物の場所及び向きを決定する目的で本明細書において教示する他のフィデューシャルと併用することができる。この場合プローブビームを用いて加工物を精査する行為がプロセスビームの所望のエネルギー堆積精度を損なうことにならないように、プローブビームが、プロセスビームによって望まれるものと同じ効果を加工物に対して有さないこと又は少なくとも非常に小さい効果しか有さないことが重要である。例えば、高パワーのUVプロセスビーム又はDUVプロセスビームを用いる多くの場合に、低パワーの赤色レーザー又は赤外(IR)レーザー、例えばヘリウムイオンレーザー又はダイオードレーザーをプローブビームとして安全に用いることができる。
プローブビームが、プロセスビームに対する加工物の位置及び向きを正確に決定することができるためには、プローブビームは、事実上プロセスビームの正確な代用物としての役割を果たさなければならない。言い換えれば、プロセスビームが偏向入力信号に応じて加工物を横断する時に、プローブビームは、同じ偏向入力信号に応じてプロセスビームと正確に同じ位置又はプロセスビームに対する既知の安定したオフセットで加工物を横断することもできなければならない。本明細書では、この要件を達成するための手段を説明する。
本発明の更なる実施形態では、スケール線形係数を決定するために露光視野のマップをプローブビームによって高精度で作成することができる。これらの係数は、加工平面内の精確に把握された場所に再帰反射特徴部を含む加工物又は試験品上にフィデューシャルを組み込むことによって測定される。続いてこれらの実測係数を、ビーム位置決め手段がビーム位置決め誤差を低減するために組み込むことができるビーム偏向補正へと変換することができる。これらの補正は、例えば、適切な電子機器、制御器、及び/又はソフトウェアに実装することができる。
所期のビーム位置と精査済みビーム位置との比較が、精査対象の各位置に関する走査誤差のマップを生じる。このプロセスによって収集された情報は、プローブビームの座標基準フレームの正確な決定を可能にし、続いてこの座標基準フレームを用いて注目プロセス表面(半導体ウェハの表面等の)上へのプローブビーム又はプロセスビームのどちらかの正確な位置決めを施すことができる。
加工物にわたるプローブビーム又はプロセスビームの相対運動は、幾つかの手法で果たすことができる。例えば、ビームは、検流計、回転プリズム、或いは音響光学デバイス又は電気光学デバイスを用いた偏向を用いて走査することができる。或いは、ビームを固定のものとすることができ、物体を、例えば台を用いて移動させることができる。重要なのは、物体及びそれに添着されたフィデューシャル、例えばエッジ又はノッチに対する相対運動である。
プロセスビームに対する基板の正確な位置及び向きを決定することができる測定を実施するための方法及び装置を本明細書で説明する。更に、加工すべき物体に対するビーム偏向システムの座標基準フレームのひずみを高精度で決定することができる測定を実施するための方法及び装置も開示する。なおも更に、ビーム偏向及び物体にわたる走査の線形性を実質的に改善し、それによって加工物上への優れたプロセスビームエネルギー堆積精度を得るためにハードウェア手段及びソフトウェア手段の使用によってビーム偏向システムを補正するために上記のひずみマップを用いることができる方法及び装置も開示する。
リトロフレクター
再帰反射体は、光を、それが入射した方向とほぼ同じ方向に沿って光源に戻すことによって動作するデバイスである。図1は、入射光ビームに対する4つの種類の表面の基本原理を例示している。ミラー又は鏡面とも呼ばれる反射表面101は、表面101c上に入射したビーム101aを入射ビームと等しいが反対の符号の入射角を有する方向に沿うビーム101bの形態で戻す。拡散表面102は、表面102c上に入射したビーム102aを広範囲の方向に沿う複数のビーム102bの形態で戻す。再帰反射表面103は、表面103c上に入射したビーム103aを入射ビームの入射角と等しい角度の方向に沿うビーム103bの形態で戻す。拡散再帰反射表面104は、表面104c上に入射したビーム104aを入射ビームの入射角の周囲に配列された狭い角度範囲内にある方向に沿う複数のビーム104bの形態で戻す。
再帰反射体の効率は、その上に入射する光の量(法線照度)に対する戻り光の強度(光度)の比として定義される反射体性能の尺度である光度(RI)係数によって表される。高い信号対ノイズ値では、高い光度を有するのが望ましい。
一般的に、球面(又はキャッツアイ)及びプリズム(又はコーナーキューブ)という2種類の再帰反射体が用いられる。これらは、mm若しくはcmサイズ又は更に大きいものとすることができる単一のデバイスとして、或いは各々がサブmmサイズの多くの小さい再帰反射体デバイスを利用したシートの形態において市販で入手可能である。図2は、球面再帰反射体及びプリズム再帰反射体の原理を例示している。球面再帰反射体200は、光線200aが球面200c上に入射して球面の前側表面を貫通して屈折し、後側表面から反射して(いわゆるキャッツアイ効果)、概ね入射光線の方向に戻る戻り光線200bを形成する様子と一緒に示されている。プリズム再帰反射体201は、光線201aが、反転プリズム201c上に入射して3つのプリズムの表面から反射し、概ね入射光線の方向に戻る戻り光線201bを形成する様子と一緒に示されている。(簡略化の目的で図には2つの反射しか描示していない)
再帰反射体デバイスは、シート形態で作製することもでき、マイクロビーズ面再帰反射体又はマイクロプリズム面再帰反射体と呼ばれる。一般的に言うと、コーナー反射体は、光を長い距離にわたって光源へと精確に送り戻すのに優れており(再帰反射体表面)、それに対して球面は、光源から幾分軸外に位置決めすることができる受光器に光を送るのに優れている(拡散再帰反射体表面)。シート形態にあるマイクロプリズム再帰反射体及びマイクロビーズ再帰反射体は市販で入手可能である。マイクロビーズ反射体は、本明細書で説明する用途にとって有用とすることができる比較的大きいシートとして市販で入手することができる。マイクロプリズム反射体は、一般的に高RIの場合に最も効率的な種類のものであるが、一般的に、再帰反射しない境界部によって分離された無擾乱再帰反射区域からなる小さい領域(数mm程度の)しか有さない。これらの周期的境界部は交通安全等の商業用途における使用には影響を与えないが、本明細書で説明する用途には好ましくない可能性がある。
図3は、いわゆるマイクロビーズ再帰反射体表面又はマイクロプリズム再帰反射体表面の原理を例示している。一般的にマイクロビーズ再帰反射体300は、反射基板300dに接合された微小なガラス又はプラスチックビーズ(300c)のベッドを利用する。個々のビーズ上に入射した光線300aは、ビーズの前面を貫通して屈折し、ビーズの後面から反射して(いわゆるキャッツアイ効果)、概ね入射光線の方向に戻る戻り光線300bを形成する。マイクロプリズム再帰反射体301は、基板301d上に形成された微小なプラスチック、ガラス、又は金属の反転ピラミッド301cのベッドを利用する。個々のピラミッド上に入射した光線301aは、プリズム面から3回反射して、概ね入射光線の方向に戻る戻り光線301bを形成する。再帰反射性に関する商業用途の歴史をhttp://reflectivetape.info/502−2/に求めることができる。
物体の位置の決定
多くの製造プロセスが、機械映像を用い、自動画像解析を、工業用途において自動検査及びロボット誘導を実現するための他の方法及び技術と組み合わせる方法を用いて物体の位置、形状、及びスケールを決定する。高解像度カメラ及び後続の映像解析を用いて物体エッジを決定することができる。
或いは、図4に示しているように、物体が光源と検出器との間でプローブビームを捕捉することよって物体の境界、エッジ、又はその他の特徴部を決定することができる。米国特許第5,684,599号の図2を参照されたい。半導体製造設備によって用いられるウェハのエッジ及びノッチの検出の従来法はこの方式を頻繁に用い、ウェハは台の上に配置され、下記に説明するようにプローブビームの下で回転及び/又は並進移動される。
半導体製造におけるウェハの位置及び向きの検出
半導体加工では、プロセスチャンバの内部におけるウェハの位置及び向きを精確に決定することがしばしば必要とされる。現在の技術では、多くの場合、この決定は、ウェハ表面の一方の側にプローブ光ビームを、もう一方の側に検出器を有する状態でウェハを回転台の上に位置決めすることによって果たされる。
Shigetoshi Simoyama他(米国特許第5,684,599号)及びAdam E.Norton(米国特許第6,655,602 B1号)によって教示されているように、ウェハを回転させることによってウェハノッチの位置を示す信号が引き起こされる。図4では、静止ビーム12が発光ユニット6によって放出され、光検出ユニット8によって検出され、それと同時に基板Wによって部分的に遮蔽される。基板Wがスピンドル4及びモータ16によって回転され、又は台(図示していない)によって横に移動されて、ウェハエッジ検出手段10内で光源6と検出器8との間に示しているように移動すると、伝送されるプローブビームがオン状態とオフ状態との間で切り替わり、相応する信号を検出器8上に発生させる時にウェハエッジ又はノッチ等のウェハ特徴部の位置が検出される。特徴部が存在しない時の状態と比較して、特徴部が光源6と検出器8との間を通過している時にはより多くの光が伝送されることから、重要な物体特徴部(ノッチ又はコーナー等)の向きが信号振幅の変化によって示される。
ウェハの回転は機械的プロセスであり、ウェハを加速し、定速で移動させ、更に停止して角度位置を追跡することを必要とする。このプロセスは、数秒を要する可能性がある。それに加えて、ウェハの中心位置は、配置ロボットがウェハを回転チャック上に位置決めした際の精度でしか把握されない。配置位置の誤差は、ウェハノッチ信号を妨害し、測定の信号/ノイズを低減し、測定精度を低減する恐れがある。この誤差は、X/Y直線運動によるウェハ中心の調節を可能にすることによって排除することができるが、それによって機械的位置決めプロセスが更に複雑になり、オーバーヘッド時間が追加される。
従って、機械的手段ではなく光学手段によってウェハの位置及び向きを検出することが望ましい。
しかしながら、走査プロセスビーム又は投影プロセスビームを用いてウェハを加工する場合には、基板境界検出の従来法は付帯的な難題を引き起こす。例えば、先に説明した基板エッジのカメラ検出の場合には、基板境界箇所は、プロセスビームに対してではなくカメラの撮像平面の内部におけるピクセルの場所に対して識別される。カメラ光学系内のひずみ及び基板に対するカメラの場所の不確定性は、例えば、基板境界に対するプローブビームの位置において不確定性を発生させることになる。別の例において、先に説明し、図4に示した基板エッジの固定プローブビーム検出の場合には、基板境界箇所は、プロセスビームに対してではなくプローブビームの場所に対して識別される。プローブビーム方向の不確定性及び基板に対するプローブビーム及び検出器の場所の不確定性は、例えば、基板境界に対するプロセスビームの位置において不確定性を発生させることになる。
従って、プロセスビームと同軸伝播するプローブビームを利用する光学手段によってウェハの位置及び向きを検出することが望ましい。
ウェハの機械的な回転又は並進移動を伴わない従来手段を用いた完全に光学的なエッジ検出プロセスは、ウェハの外周の周囲に密接に離間された多数のセンサを必要とすることになる。例えば、ウェハエッジ又はウェハノッチがおよそ0.3mmであると決定された場合には、センサは、〜0.1mmの距離を区別することができなければならなくなり、従ってそれ程密接に離間させなければならないことになる。この密接な離間は、利用可能なセンサを用いる場合には実施するのが困難且つ高価であり、従ってこれらの注目パラメータを十分な精度で決定する上で単一のセンサの前で注目特徴部を移動させること(例えばウェハを回転させること)、又は高解像度カメラで特徴部を検出することが好まれてきた。
米国特許第5,684,599号明細書 米国特許第6,655,602 B1号明細書
http://reflectivetape.info/502−2/
本発明は、ある特定の実施形態において、物体の注目特徴部の背後又は近隣に、更に好適には全ての物体エッジを囲むように再帰反射表面を位置決めすることによって前述の問題に対する解決策を実現する。再帰反射表面は、プローブ(又は測定)ビームを、注目物体の境界の外側にあるあらゆる位置から、限定することなく接線方向分解能で反射し戻す。再帰反射表面が物体の背後に配置される場合には、物体エッジまでの再帰反射表面の距離は重要ではなく、観測される反射は、更なる幾何学的補正を必要とすることなく物体平面内の場所から発するように見える。再帰反射体面からの信号と比較した場合に高い物体表面からの帰還信号におけるコントラストは、物体が強い鏡面反射を有する場合であっても、反射ビームが入射プローブビームに沿って戻らない(図1に記載の101を参照されたい)ことから、エッジの明確な区別を可能にする。再帰性反射材が継ぎ目なく連続する場合には、エッジ位置の精度は、プローブビームのサイズとビーム位置決めデバイスの分解能とによって決定される。
本明細書で開示する本発明の実施形態は、1つ又は複数の再帰反射表面を用い、測定すべき物体を検出器と再帰反射表面との間に、又は代替的に再帰反射表面の近隣に配置し、プローブビームを用いて物体の境界部を走査し、更に再帰反射表面からの反射を感知することによって、物体のエッジ、中心、コーナー、ノッチ、及び幾何学的アーチファクト等の物体フィデューシャルの位置及び向きを正確に特定するための光学装置及び方法を教示する。
更に、本明細書において説明するように、プローブビームは、プロセスビームと精確に相互整列させて走査することができ、プロセスビームに対するプローブビームの相対変位が正確に測定される。
更に、再帰反射マーカーをプロセス平面内の明確に把握された場所に位置決めし、基板上のこれらのマーカーの内部にある再帰反射表面から反射された信号を検出することによってこれらの場所の位置を特定することによって基板又は基板代用物の平面内の特徴(フィデューシャル)箇所を正確に決定する装置及び方法を説明する。フィデューシャルマーカーの既知の位置からのこれらのマーカーの実測変位は、ビーム偏向誤差の正確な決定を可能にし、これらの誤差を用いて、物体上へのプロセスビーム配置精度の改善を果たすようにビーム偏向の電子機器及び制御器を補正することができる。
本開示では、「加工物」、「物体」、「製品」、「ウェハ」、「基板」、「代用物」、又は「試験品」という用語は概ね同義であり、レーザー加工又は計測を受ける表面を意味する。同様に本開示では、「フィデューシャル」という表現は、空間内でビームに対して物体を位置決め、スケール決め、又は向き決めするために用いることができる何れかの明確に定義された幾何学的アーチファクト又は物体特徴部を一般的に意味する。
様々な表面からの光の反射及び散乱の種類を描示する図である。 球面及びプリズムという2つの種類の再帰反射挙動顕示構造を示す図である。 マイクロビーズ及びマイクロプリズムという2つの種類の再帰反射表面の詳細を示す図である。 半導体製造用途におけるウェハエッジ及びウェハノッチの検出に向けた従来技術の方法であって、検出器と、ウェハが移動される時にウェハのエッジ又はノッチによって視界から隠される光ビームとを利用する方法の図である。 プローブビームがプロセスビームと相互整列され、両方のビームが加工物に向かって偏向機構を用いて偏向される本発明の一実施形態を示す図である。 基板の背後にある再帰反射表面によって囲まれた基板にわたってプローブビームが掃引されている図5に記載の装置を示す図である。 基板の近隣にある再帰反射表面によって囲まれた基板にわたってプローブビームが掃引されている図6aに記載の装置の代替的実施形態を示す図である。 プローブビームが再帰反射表面上に位置決めされた、後の時点のプローブビームを示す図6aに記載の装置を示す図である。 再帰反射ビーム検出器に対する代替的な場所を利用する図7aに記載の装置の代替的実施形態を示す図である。 プローブビームが物体のエッジを跨いで走査された時に再帰反射体検出器によって取得された代表的な信号をX軸とY軸との両方に沿う運動に対して表した図である。 プローブビームが物体のエッジを跨いで走査された時に再帰反射体検出器によって第1及び第2の走査方向に取得された代表的な信号を示す図である。 物体を囲む再帰反射区域の外側であるが、ビーム走査機構の到達範囲内で物体平面内に配置されたビーム位置センサにプローブビームが入射しているところを示す図である。 物体を囲む再帰反射区域の外側であるが、ビーム走査機構の到達範囲内で物体平面内に配置されたビーム位置センサにプロセスビームが入射しているところを示す図である。 プロセスビームとプローブビームとの間の、正確に決定することができる位置オフセットを示す、図9及び図10に示すセンサにおいて観測される代表的な信号を示す図である。 物体のプローブビームエッジ検出走査からの再帰反射検出器における代表的な信号を示す図である。 物体の中心箇所を正確に決定するためにプローブビームによる既知の寸法の円形物体の3つのエッジ走査を用いる例を示す図である。 ビーム偏向のXスケール係数及びYスケール係数を正確に決定するためにプローブビームによる既知の寸法の円形物体の4つのエッジ走査を用いる例を示す図である。 ウェハノッチの角度位置を決定する段階を例証するために用いる円形基板上におけるプローブビームによる物体の3つの代表的な同心円状走査を示す図である。 プローブビームが図14に示すトレースに沿って走査される時に再帰反射ビーム検出器によって検出された代表的な信号を示す図である。 良好な精度で把握された位置を有するフィデューシャル再帰反射体要素のアレイが配置されたフィデューシャルターゲット基板の上面図である。 再帰反射体層の上にマスク層を組み込んだフィデューシャルターゲット基板の断面を示す図である。 マスク層内に埋め込まれた再帰反射体層を組み込んだフィデューシャルターゲット基板の断面を示す図である。 プローブビームによって図16に記載のフィデューシャル要素を1つ走査する段階から観測されたX軸及びY軸に沿う代表的な再帰反射信号を示す図である。
本明細書で説明する方法及び装置は、通常反射物体(拡散又は鏡面のどちらか)と再帰反射区域との間の境界部を正確に検出することができる。戻りビームから検出された信号におけるコントラストを用いて、物体のエッジの場所が決定される。ある特定の実施形態では、再帰反射表面は、プローブビームが物体区域を射出するや否や再帰反射表面を照明するように、物体を囲む、又は物体の背後に配置される。
本明細書における説明は、ビームが移動され、物体が静止状態にあると仮定して「ビーム偏向」という用語を用いるが、不可欠なことは、物体エッジ及び再帰性反射材を基準とするプローブビームの相対運動である。この相対運動は、物体をビームと相対的に移動させること、又はビームを偏向させるための何れかの個数の手段等の幾つもの手法で果たすことができる。本明細書における説明においてこれらの方法のうちの1つを選択することは、相対ビーム位置決めの他の方法の全てを除外するように本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
後続の解説では、プローブビームが物体にわたって検流計を用いて走査される状況を説明する。この説明は、本発明をこの相対運動のみに決して限定せず、相対運動の他の方法をこの方式に含むべきである。
プローブビームは、物体のエッジ又は特徴部と相対的に移動され、反射強度が、プローブビームの波長で光強度を測定することができる検出器を用いて測定される。これらの要件を満たす多数の検出器(光ダイオード等)が市販で入手可能である。
プローブビームは、それとは異なる波長で動作することができるプロセスビームと相互整列させることができる。多くの場合、ビームプロセスは、赤外(IR)、紫外(UV)、又は深紫外(DUV)等における可視スペクトル以外の波長を必要とする。プロセスビームの波長及び強度は用途に左右される。
プローブビームとプロセスビームとを相互整列させる段階は、従来法を用いて良好な精度で実施することができる。プローブビームとプロセスビームとを相互整列させる方法の一例を図5に関連して説明する。相互整列されると、プロセスビームとプローブビームとは、同じ位置又は互いに対してオフセットされた既知の位置で物体を照明する。相互整列されると、プローブビームのみを用いてプロセスビームのターゲット箇所を更に決定することができる。プローブビームとプロセスビームとは同時にオンにする、又は互いの間で交番することができる。プローブビームが加工物又は加工物表面の望ましくない改変を引き起こさないように穏やかな性質、例えば穏やかな波長又はパワーレベルのプローブビームを用いるのが好ましい。プローブビームを用いて物体の境界を特定した後に、所望の基板表面の加工又は改変をプロセスビームによって正確に実施することができる。
加工物の検出された境界、向き、及び/又はスケールがプロセスビームの計画走査パターンに対して不正に配置されている場合には、幾つかの修復を施すことができる。例えば、加工物が走査プロセス箇所に不精確に装填された場合には、走査制御システムがロボット又は人間の装填者に対して加工物を位置変更するように要求することができる。或いは走査制御システムは、当該技術分野で公知であるように加工物の不正な位置、向き、及び/又はスケールを補正するように計画走査パターンを再計算することができる。
本開示において説明する装置及び方法を用いてプローブビームの正確な位置が把握されると、全体の露光視野にわたるプロセスビームの正確な位置も把握される。
プローブビームの波長は、一般的にスペクトルの可視部分内、最も一般的には高品質赤色ビーム(ヘリウム−ネオンレーザー又はダイオードレーザー等の)が容易に入手可能であることから赤色であるように選択される。幾つかの実施形態では、加工物エッジは、再帰性反射材の手前又は近隣に並置される。続いてこれらのエッジの位置を、プローブビームの走査視野パラメータの範囲内で正確に決定することができる。
プロセスビームの波長及び強度が再帰性反射材を損傷する可能性があるようなものである場合には、プローブ波長に対して透過性を有するが、プロセス波長を遮蔽する保護カバーを再帰性反射材の上部に配置することができる。この保護カバーは、再帰性反射材が損傷を受けるのを防止するが、なおも再帰反射信号を検出することを可能にする。
本発明の一実施形態による装置に関する略断面図を図5に示している。装置は、ビーム制御セクション500及び基板制御セクション501という2つのセクションで構成される。ビーム制御セクション500内には、基板加工に向けたプロセスビームを生成するプロセスビーム発生ユニット502、例えばレーザーが配置される。プロセスビーム発生ユニット502は、ビームスプリッタ504から反射し、ビーム誘導操作デバイス505、例えば二軸検流計ビーム走査ユニットによって偏向されるプロセスビーム503を生成する。続いてプロセスビーム503は、基板制御セクション501に向かって誘導操作される。
ビーム制御セクション500内には、基板位置計測に向けたプローブビームを生成するプローブビーム発生ユニット506、例えばダイオードレーザーが更に配置される。プローブビーム発生ユニット506は、ビームスプリッタ508から反射し、ビームスプリッタ504を透過し、ビーム誘導操作デバイス505によって偏向されるプローブビーム507を生成する。続いてプローブビーム507は、基板制御セクション501に向かってプロセスビーム503と整列状態で誘導操作される。
ビーム制御セクション500内には、再帰反射ビーム信号検出器510、例えば光ダイオードが更に配置される。基板制御ユニット501から戻る再帰反射ビーム509は、ビーム誘導操作デバイス505によって偏向され、ビームスプリッタ504及び508を透過し、再帰反射ビーム信号検出器510上に入射する。
例示目的で、図5にはプロセスビーム503及びプローブビーム507を空間的に若干変位された状態で描示している。実際には、これらのビームがほぼ重畳される程密接に相互整列されるようにこれらのビームの向きを定めるのが好ましいことになる。例えば、ビームスプリッタ508及び504には、各ビームの角度及び変位を変更するために用いることができる手動又は作動の傾斜制御器を装備することができる。かかるいわゆるチルトチップ光学マウントは、多くの製造供給者から入手可能である。当業者は、この方法を、整列ターゲット、例えば蛍光スクリーンを補助として用いてこれらのビームを相互整列させることができよう。
基板制御セクション501内には、基板ホルダ512に機械的に添着された基板511、例えばシリコンウェハと、運動制御デバイス513、例えばウェハチャック及びモータ駆動スピンドルとが配置される。基板511の外周部の下及び周囲に再帰反射体514が配置される。基板制御セクション501内にはビーム位置センサ515が更に配置される。下記でより詳しく説明するビーム位置センサ515は、光検出器516とピンホール517とを含む。
次にビーム制御セクション500、基板制御セクション501、及びビーム位置センサ515の様々な構成要素を、図6から図11を参照しながら解説することにする。
図6aを参照すると、図5に記載の装置であるが、この場合にはビーム制御セクション500が、プローブビーム507のみが付勢され、それに対してプロセスビーム503が停止されるような基板精査に向けて構成された装置が示されている。プローブビーム507は、ビーム誘導操作デバイス505によって基板511にわたって左から右へと掃引するプロセスにある。プローブビーム507が、示しているように基板511の表面を横断する間には鏡面反射509のみが生じ、信号は検出器510に戻されない。図6bは、再帰反射表面514が、図6aに示しているように基板511の背後ではなく基板511の近隣にある代替的実施形態を描示している。
図7aは、基板エッジを横断し切って次に実質的に再帰反射体514上に位置決めされた掃引中の後の時点における図6aに記載のプローブビーム507を示している。この場合プローブビーム507は、再帰反射体514から検出器510へと再帰反射ビーム509として戻される。
図7bは、検出器510がビーム誘導操作デバイス505の隣に配置された代替的実施形態を描示している。図7aの場合には、再帰反射体514は、図1に描示している再帰反射型又は拡散再帰反射型のものであり、それに対し図7bの場合には、再帰反射体514が拡散再帰反射型のものであることが好ましい。
図8aは、図6及び図7に描示している掃引中に得られた検出器510からの代表的な信号を、偏向器505に送られた指令位置に対してプロットしたものを示している。プロット図800は、検出器510からの信号を、偏向器505の指令X軸ビーム位置に対して示している。プロット図810は、検出器510からの信号を、偏向器510の指令Y軸ビーム位置に対して示している。プロット図800の領域801及びプロット図810の領域811内では検出器信号は低く、ビームが実質的に基板511上にあることを示している。
図8aを参照すると、プロット図800の領域802及びプロット図810の領域812内では検出器510からの信号は高く、プローブビーム位置が実質的に再帰反射体514上にあることを示している。プロット図800及び810は、ビームが基板エッジを跨いで移動する時に、検出器510上の信号が低レベルから高レベルへと転移することを実証している。低から高への信号の漸進的な転移は、プローブビームの有限のサイズに起因する。この転移を用いて以下のように基板エッジの場所を[X,Y]走査座標において決定することができる。
プロット図800(X軸位置)は、プロット図の左側に低い信号レベル801を示し、プロット図の右側に高い信号802を示している。プロット図810(Y軸位置)も、プロット図の左側に低い信号レベル811を示し、プロット図の右側に高い信号812を示している。水平の破線803及び813は、高レベルと低レベルとの間の中間(平均)信号レベルを示している。水平破線と信号との間の交点の場所は、走査座標において基板のエッジを決定する。例えば、プロット図800内では、線803と検出器信号との交点は、垂直線804を辿るとおよそ149.6mmのX座標を示している。同様に、プロット図810内では、線813と検出器信号との交点は、垂直線814を辿るとおよそ7.8mmのY座標を示している。この例では、加工物外周箇所[149.6,7.8]mmが得られる。
基板エッジを検出するために信号と転移中の低信号レベルと高信号レベルとの中間値との交点を用いる代わりに、転移中の最も急勾配の傾きの点を求めること等の代替的な方法を用いることができる。当業者は、低レベルから高レベルへの信号の転移点を定義する多くの他の方法に精通されていよう。
本明細書で説明し、図8aに描示しているように物体エッジ又はフィデューシャルを走査する時に得られる再帰反射信号を検出する際にはある問題に遭遇する。図8bを参照すると、プロット図820は、物体境界を越える再帰反射ビーム走査から得られる代表的な信号を示している。トレース821は、例えば物体表面から再帰反射表面に向かう第1の方向の軌道に沿ってビームが物体上のエッジを横断する時に得られる代表的な信号である。トレース822は、同等の軌道に沿うが、例えば再帰反射表面から物体表面に向かう第2の方向にこの物体を走査する時に得られる代表的な信号である。ビームが物体表面から再帰反射表面へと進行する時に得られる物体エッジ箇所823が、ビームが再帰反射表面から物体表面へと進行する時に得られる物体エッジ箇所824と異なることがわかる。
当業者は、多くの走査制御用途及びデータサンプリング用途にとって一般的であるように、走査方向の関数としての実測エッジ箇所の見かけ偏位を認識されよう。例えば、ビーム走査制御器、電子機器、ビーム走査に向けた手段の光学構成要素、又は機械構成要素における遅延が、指令ビーム偏向位置と実測ビーム偏向位置と実ビーム偏向位置との間に時間遅延を引き起こす可能性がある。それに加えて、再帰反射体光検出器、信号増幅器、及びデータサンプリング回路内の信号遅延が、信号の付帯的な時間遅延を引き起こす可能性がある。これらの遅延の結果は、指令ビーム位置(又は実測ビーム位置であっても同様)と検出再帰反射体信号との間の概ね一定の時間遅延である。例えば、一定の速度でエッジ又はフィデューシャルを走査する時には、この時間遅延は、所与の軌道及び走査速度に対して、図8bに描示しているような概ね一定のエッジ位置偏位として出現する。
当業者には、このいわゆる動的位置検出誤差を補正するための多くの手法が明らかであろう。例えば、物体フィデューシャルを検出する時に、2つの走査を順次利用して図8bに示している信号821及び822を得ることができる。続いて位置823と824との平均を補正済みエッジ箇所として利用することができる。或いは、図8bに示している位置823と824との間のオフセットの半分を走査制御回路又は制御コンピュータが記憶し、第1の方向と第2の方向とが同等の軌道を表すが、反対方向に配置される場合に、第1の方向の1回の走査から得られたエッジ位置に加算する、又は第2の方向の1回の走査から得られたエッジ位置から減算することができる。或いは、時間遅延を排除する又は許容レベルまで低減するために、補償制御器又は補償電子機器をビーム偏向手段及び/又は信号検出手段内で利用することができる。
プロセスビームを加工物上に正確に配置するためには、プローブビームとプロセスビームとの間の横オフセットの把握が必要とされる。図9及び図10を参照しながら、プローブビームとプロセスビームとの間のオフセットを測定するプロセスを開示する。図9には、図5に記載の装置であるが、プローブビーム507のみを付勢するように構成された装置が示されている。図10は、図9に記載の装置であるが、プロセスビーム503のみを付勢するように構成された装置を示している。ビーム誘導操作デバイス505は、最初にプローブビーム507をビーム位置検出器515に送るように制御され、そこでプローブビームの位置が下記で説明するように検出される。プローブビームの位置が決定された後に、ビーム誘導操作デバイス505は、今度はプロセスビーム503をビーム位置検出器515に送るように制御され、そこでプロセスビームの位置が下記で説明するように検出される。
一実施形態では、ビーム位置検出器515は、光検出器516とピンホール517とで構成される。ピンホール517は、プローブビームのサイズ及びプロセスビームのサイズと比較して小さいように選択される。例えば、プローブビーム直径が1mmであり、プロセスビーム直径が2mmである場合には、0.1mm又は0.2mmのピンホール直径を選択することができる。光検出器516は、プロセスビームとプローブビームとの両方に対して感度を有するように選ばれる。
図11aは、プロセスビームとプローブビームとがビーム位置検出器515の面を横断するように交互に走査される時のビーム位置に対するビーム位置検出器515からの代表的な信号のプロット図を示している。図11aでは、「ビーム位置」は、例えばX走査軸又はY走査軸を示すことができる。プロット図1100は、プロセスビーム位置に対する検出器信号1101(プローブビームがオフである間の)を示し、それに対してプロット図1102は、プローブビーム位置に対する検出器信号1103(プロセスビームがオフである間の)を示している。垂直破線は、両方のビームの重心位置を示している。検出器上のプロセスビームの実測重心位置とプローブビームの実測重心位置との間の差は、プロセスビームとプローブビームとの間のオフセットを示し、加工物の加工中にプローブビームの既知の場所オフセットからプロセスビームの場所を補正するために用いることができる。
図9及び図10では、ビーム位置検出器515は、ピンホールによってマスキングされた光検出器で構成される。しかしながら当業者は、ビームの位置を検出するための多くの他の手法を企図されよう。例えば、これらの方法は、ビームを小さい能動区域を有する検出器にわたって走査する段階を含む。また、これらの方法は、互いに対して90度の向きに定められたスリットによって各々がマスキングされた2つの検出器の使用を含む。更にこれらの方法は、位置感知検出器(PSD)、象限検出器(クワッドセル)、或いはCCD画像センサ又はCMOS画像センサ等の位置感知検出器上での静止ビームの使用を含む。更にこれらの方法は、小さい蛍光ターゲット又はフィデューシャルマークが装備された蛍光ターゲットにわたってビームを走査する段階、及び光検出器又はカメラを用いて蛍光信号を記録する段階の使用を含む。
プローブビームはプロセスビームに対して相互整列され、従ってプロセスビームと相対的なプローブビームの位置取りを決定しなければならない。物体にわたってプロセスビームを走査するために用いられるビーム偏向手段が、プローブビームを走査することもできる。以下に続く説明は、物体のエッジを決定する上でプローブビームのみが用いられると仮定する。しかしながら、プローブビームとプロセスビームとの両方を同時に付勢することができる、又は交番させることができる。
プローブビームが物体上で物体エッジの近く(例えばウェハエッジの近く)にあるが、エッジ自体からはビーム直径のかなりの倍数だけ離れるようにビーム偏向手段がプローブビームを位置決めする時には、プローブビームのいかなる部分も検出器に向かって反射されないことになる。プローブビームが物体エッジに向かって走査される時には、ビームのうちの一部がなおも物体上にあり、従ってこの部分は、検出器におけるいかなる信号にも寄与しないことになる。しかしながらビームのうちの別の部分は、物体エッジを通過し、近隣の再帰性反射材を部分的に照明し、信号を検出器に戻すことになり、この信号を即座に観測することができる。外方への継続走査の結果として、ビーム全体が再帰性反射材を照明し、検出器においてピーク信号が生じる。
プローブビームが物体上に入射する時には必ず、極めて僅かな光しか反射し戻されず、検出器によって観測されない。しかしながらプローブビームが再帰性反射材を照明する時には必ず、検出器において信号強度の著しい上昇が観測される。非反射物体から再帰反射背景への転移は即座に検出可能であり、この転移を、図11bに記載の概念図において物体上への入射から再帰反射表面を照明する段階へと移り渡る走査として示しており、検出器信号を、外向き走査に関してビーム位置(1)から(5)に、戻りの内向き走査においてビーム位置(6)から(9)に特記している。
本発明の一実施形態では、基板の外周部上にある複数の点の正確な検出及び場所特定を用いて基板の位置、例えば中心箇所を決定することができる。例えば、シリコンウェハ等の丸形基板の場合には、ウェハの外周部上にある3つ又は4つ以上の点の場所の把握を用いてウェハ中心の場所を特定することができる。例えば、図12を参照しながら、破線1201、1202、及び1203で示しているように外周部を巡っておよそ120度の角度で配置された3つの走査によって走査されたウェハ1200を検討する。これらの走査は、基板の実測中心箇所において誤差を引き起こすことになるノッチ1208を横断しないように選んだものであることに注意されたい。再帰反射カラー1207として周辺ウェハ1200が配置される。これらの走査からの再帰反射信号の解析が、[x1,y1]を生じる外周箇所1204と、[x2,y2]を生じる外周箇所1205と、[x3,y3]を生じる外周箇所1206とを決定する。この場合量Tが次式によって与えられる。
Tを、公知の最小二乗最小化原理を用いて最小化することができ、ウェハ中心位置[x0,y0]の推定が生じる。精度の改善に向けて外周部上にある3つよりも多くの点を利用することもできる。当業者は、複数の外周測定から基板の中心を決定するための他の方法に精通されていよう。
本発明の別の実施形態では、際立った方向のビーム偏向のスケールの正確な決定及び補正を実施することができる。例えば、特定の方向に沿う加工物の横寸法を決定するために、プローブビームを用いて加工物を走査することができる。特定の方向に沿う基板の寸法が既知である場合には、ある特定方向に沿う既知の寸法に対するこの方向に沿う実測基板寸法の偏倚を用いてこの方向に沿う走査スケールを決定することができる。
例えば、図13を参照すると、300mm径のシリコンウェハが配置され、4つの外周箇所においてプローブビームによって走査される。これらの走査は、基板の実測寸法において誤差を引き起こすことになるノッチ1310を横断しないように選んだものであることに注意されたい。再帰反射カラー1309として周辺ウェハ1300が配置される。X軸に沿って実施される走査1301は、点[x1,y1]を生じるウェハ外周箇所1305を得る。X軸に沿って実施される走査1303は、点[x2,y2]を生じるウェハ外周箇所1307を得る。Y軸に沿って実施される走査1302は、点[x3,y3]を生じるウェハ外周箇所1306を得る。Y軸に沿って実施される走査1304は、点[x4,y4]を生じるウェハ外周箇所1308を得る。量Sx=(x2−x1)/300が、X軸に対するスケール補正係数を示し、それに対して量Sy=(y3−y4)/300が、Y軸に対するスケール補正係数を示す。同様に、他の方向に対するスケール係数を得ることができる。これらのスケール係数を用いて、走査精度を改善するように特定の方向のビーム偏向制御器を補正することができる。例えば、検流計走査デバイスの場合には、これらの実測走査係数を用いてこのデバイスに対する入力電圧ゲイン係数に対する走査角度を補正することができる。
基板中心の正確な決定に加えて、多くの場合に回転等の基板の向きを決定することが重要である。例えば、半導体業界は、基板の向きを決定する上で短い平坦エッジ(いわゆるウェハフラット)を有する丸形構成の小さめのシリコンウェハサイズを利用していたが、300mmのウェハサイズから始まって、ウェハフラットは小さい三角形ノッチ(ウェハノッチとも呼ばれる)によって置き換えられ、この置き換えは、利用可能なエッジダイの数を著しく増加させ、より高い歩留まりに寄与した。多くのプロセスにとって、このノッチの向きを把握することは重要である。他の工業プロセスでは、加工物の向きは、加工物の外周部又は内部における他の種類のフィデューシャルアーチファクトを精査することによって得ることができる。
本発明の別の実施形態において、本発明を用いてウェハノッチの場所を決定するための方法を開示する。この方法は、加工物の物理的形状及び寸法の把握を必要とする。例えば、半導体業界では、ウェハ寸法の直径及び真円度が公知である。本明細書で開示する手順を用いて、ウェハノッチの場所を得ることができる。図14を参照すると、フィデューシャルノッチ1401を有するシリコンウェハ1400が配置されている。代表的なプローブビーム円形走査軌道1402、1403、及び1404が示されており、この場合走査1402はウェハ境界の十分に内側にあり、走査1403は、ウェハノッチ1401を通過するようにウェハ境界の近くにあり、走査1404は、ウェハ境界の十分に外側にあるが、なおも再帰反射体1405の上にある。
図14には、ノッチ1401を横断しないように走査半径が十分に小さい走査1402が示されている。図15に記載のプロット図1500は、走査1402から得られた代表的な再帰反射信号1501を示している。この場合、走査角度(0〜360度)に対する低い信号レベルが得られ、プローブビーム走査がウェハ表面上にあることが示される。更に走査1404が示され、この場合円形軌道は、それがウェハの完全に外側にあるが、なおも再帰反射体1405の内部にあるような十分に大きい半径を有する。図15に記載のプロット図1510は、走査1404から得られた代表的な再帰反射信号1511を示している。この場合走査が完全に再帰反射体表面上にあることを示す、走査角度に対する高いレベルが得られる。更に走査1403が示され、この場合走査はウェハ上にあるが、ウェハエッジに近い。図15に記載のプロット図1520は、走査1403から得られた代表的な再帰反射信号1521を示している。この場合高信号レベル1523への急激な転移、それに続く低レベルへの急激な減少を除き、走査角度に対する低い信号レベルが得られる。短い低/高/低の信号転移1522は、ビームがノッチ1401を通過することに相応し、従ってビーム走査座標における基板の角度方向が得られる。
本発明のなおも別の実施形態では、走査視野に対する非常に正確な線形性補正係数を発生させるために再帰反射フィデューシャルが用いられる。図16を参照すると、複数の再帰反射フィデューシャル要素1601から1602を有するターゲット基板1600が配置され、この場合フィデューシャル1601は最初のフィデューシャルを表し、1602は最後のフィデューシャルを表す。この図では、フィデューシャル1601から1602を小さい円で表しているが、正方形又は多角形等の他の形状を用いることができる。この図には、フィデューシャル要素からなる長方形格子が示されている。しかしながら、放射状要素セット等の多くの他の要素分布を用いることができる。
フィデューシャルの中心の場所を特定するために、プローブビームを用いて複数のフィデューシャルを走査することが好ましい。プローブビームによる各フィデューシャルの場所特定精度は、これらのフィデューシャルのサイズがプローブビームのサイズよりも小さい場合に改善される。例えば、2mmのプローブビーム直径に対して、フィデューシャル要素は1mm又は0.5mmとすることができる。一般的にターゲット基板1600は、プローブビームを用いて走査座標を線形化するのを補助するための、時として基板代用物と呼ばれるツールとして用いられる。このプロセスが完了すると、ターゲット基板の代わりに製品基板が用いられ、その後、プロセスビームで露光される。
図17は、図16に示しているターゲット基板1600の断面を描示している。一実施形態では、その構造において4つの層が用いられる。まず、再帰反射層1701を支持するための平坦基板を設けるために支持層1700が配置される。マスキング層1702が、開口部1703をプローブビームに対して露出させる。開口部1703は、図16に示しているフィデューシャル1601から1602に相応する。マスキング層1702を覆うのは、プローブビームに対して透過性を有し、任意選択的にプロセスビームに対して不透過性を有する任意選択的な保護層1704、例えばガラス又は溶融シリカの層である。開口部1703が基板1700にわたって既知の場所に精確に配置されることが重要である。当業者は、層内に精確に場所決めされた開口部のアレイを生成する多くの方法に精通されていよう。例えば、開口部1703は、薄い金属シート内にレーザー穿孔することができる。或いは開口部は、フォトリソグラフィ的にパターン形成し、薄い金属シート内に化学エッチングすることができる(写真製版)。或いは開口部は、半導体加工に向けたフォトマスクを作製するために用いられる技法を用いてガラス基板(レチクルとも呼ばれる)上の薄い金属層内にフォトリソグラフィ的にパターン形成することができる。高精度のターゲットアレイ及びレチクルが、多くの製造供給者から入手可能である。
フィデューシャル要素の中心を測定するプロセスを説明する。基板1700は、プローブビーム1705によって走査される。プローブビーム1705は、それが、開口部1703から離れたマスキング層1702上に入射する位置1706に示されている。この場合再帰反射体信号は生成されない。プローブビーム1705は、それが、精確に開口部1703上にあるマスキング層1702上に入射する後の時点における位置1707にも示されている。この場合大きい再帰反射信号が生成される。
図18は、図17に示している再帰反射層1701を用いる代わりに、再帰性反射材1803がマスキング層1802内の開口部内に嵌め込まれる代替的実施形態を描示している。図18では、装置は円形孔として示されているが、スリット、十字、ボックス、又は円を含むがこれらに限定されない何れかの形状にあるものとすることができる。マスキング層1802を覆うのは、プローブビームに対して透過性を有し、任意選択的にプロセスビームに対して不透過性を有する任意選択的な保護層1804、例えばガラス又は溶融シリカの層である。フィデューシャル要素の中心を測定するプロセスは図17に記載のものと同様である。基板1800はプローブビーム1805によって走査される。プローブビーム1805は、それがマスキング層1802上に入射する、開口部1803から離れた位置1806に示されている。この場合再帰反射体信号は生成されない。プローブビーム1805は、それが、マスキング層1802上に精確に嵌め込み再帰性反射材1803上で入射する後の時点における位置1807にも示されている。この場合大きい再帰反射信号が生成される。
図19は、単一のフィデューシャル要素を走査する段階の詳細を示している。再帰性反射材の内部によって構成されたフィデューシャル要素1900は、X方向1901に走査され、引き続きY方向1902に走査される。他の走査体系を用いることもできる。代表的なプロット図1910は、X軸プローブビーム位置に対する再帰反射体信号1911を示しており、代表的なプロット図1920は、Y軸プローブビーム位置に対する再帰反射体信号1921を示している。当業者は、これらの信号を解析して走査座標におけるフィデューシャル要素中心位置[X0,Y0]を決定することができよう。例えば、各走査のピーク値に相応する軸位置を用いることができる。或いは、各走査からの信号の重心を用いることができる。
図19において説明し、描示した手順は、図16に示している複数のフィデューシャル点1601から1602上で順次に実施することができ、添字がi=1、2、3…、nであり、nが走査されるフィデューシャル要素の個数である時に、実測フィデューシャル要素中心セットMi=[Xi,Yi]が得られる。フィデューシャル要素の既知の中心は、Ri=[Xi,Yi]によって与えられる。実測フィデューシャル中心と既知のフィデューシャル中心との間の差が、基板にわたるX位置及びY位置の関数としての走査座標誤差をなし、ベクトル量Ei=Mi−Riによって与えられる。加工物にわたるプロセスビームの位置を改善するために、この誤差セットEi(Xi,Yi)=[gi,hi]を用い走査座標基準フレームを補正するのが望ましい。
当業者は、実測走査誤差Eiのセットを用いて走査座標を補正する上で多くの手法を用いることができることを理解されよう。例えば、基板の区域にわたって定義される補正多項式の係数を取得するために公知の最小二乗最小化技法を用いることができる。
例えば、基板上にビームを偏向するのに望ましい位置[x,y]に注目する。望ましい位置x及びyに加算され、ビーム走査手段に送られた時に、ビームを望ましい場所に低い誤差しか伴わずに偏向させることになるオフセット補正関数Gx(x,y)及びGy(x,y)を定義する。例えば、補正関数を基底関数fj(x,y)の線形和として次式が成り立つように定義することができる。


例えば、fj(x,y)は、x、y、x2、y2、xy、x2y等のような項で構成することができる。或いはfj(x,y)は、cos(x)、sin(x2y)、又はx及びyの何れか他の関数のような三角関数で構成することができる。或いはfj(x,y)は、r2=x2+y2及びtan(θ)=y/xが成り立ついわゆるr−θ座標又は極座標の関数として構成することができる。当業者は、基底関数を形成するための多くの他の手法を理解されよう。
この場合、係数cj及びdjを得るために、量Tx及びTyを、例えば、次式の公知の最小二乗最小化法を用いることによって最小化することができる。
当業者は、最小二乗法及び相応する、係数cj及びdjを決定することができる公知のアルゴリズムに精通されていよう。当業者には、これらの係数を得る他の手段、例えば最大尤度法が公知であろう。最小二乗法及びその他の方法を用いて係数cj及びdjを得るためのコンピュータアルゴリズムが、多くの製造供給者、例えばMathworks,Inc.から入手可能である。
当業者は、本明細書で教示した技術及び装置に多くの変更を、なおも本発明のものと同じ目的を果たしながら加えることができることを理解されよう。かかる変更は、本開示の範囲によって網羅されることを意図している。従って、本発明の実施形態の前述の説明は、限定的であることを意図したものではない。代わりに、本発明の実施形態に対するあらゆる制約を以下に続く特許請求において提示する。
101 反射表面
101c 表面
102 拡散表面
104 拡散再帰反射表面

Claims (34)

  1. 物体フィデューシャルの位置を決定するための装置であって、
    プローブビームを発生させるプローブビーム発生ユニットと、
    ビーム誘導操作デバイスと、
    前記物体フィデューシャルを有し、基板ホルダ上に配置された基板と、
    前記物体フィデューシャルの下、周囲、近隣、及び/又は内部に配置された再帰性反射材と、
    再帰反射ビーム検出器と、
    を備え、
    前記再帰反射ビーム検出器は、前記再帰性反射材によって再帰反射されたプローブビームを検出するように位置決めされる、
    ことを特徴とする装置。
  2. 前記プローブビームを前記ビーム誘導操作デバイスに向かって反射するように配置された第1のビームスプリッタを更に備える、請求項1に記載の装置。
  3. 前記再帰反射プローブビームは、前記再帰反射ビーム検出器によって検出される前に前記第1のビームスプリッタを通り抜ける、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
  4. 前記再帰反射プローブビームは、前記再帰反射ビーム検出器によって検出される前に前記第1のビームスプリッタを通り抜けない、ことを特徴とする請求項2に記載の装置。
  5. プロセスビームを発生させるプロセスビーム発生ユニットと、
    前記プロセスビームを前記ビーム誘導操作デバイスに向かって反射するように配置された第2のビームスプリッタと、
    を更に備える、請求項1に記載の装置。
  6. 前記第1のビームスプリッタ及び第2のビームスプリッタは、前記プローブビームと前記プロセスビームとが前記ビーム誘導操作デバイスに入射する時に実質的に相互整列されるように構成される、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
  7. 前記プローブビームと前記プロセスビームとはほぼ重畳される、ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
  8. 前記プローブビームと前記プロセスビームとは、前記ビーム誘導操作デバイスが該プローブビームを前記基板又は再帰性反射材上の場所に誘導操作する時に、該プロセスビームも同じ場所にせいぜい小さなオフセットで誘導操作することになるように、実質的に相互整列される、ことを特徴とする請求項5に記載の装置。
  9. 前記物体フィデューシャルは、エッジ、ノッチ、コーナー、又は前記基板の外部境界上に位置決めされた他の幾何学的アーチファクトである、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  10. 前記物体フィデューシャルは、孔、スリット、十字、ボックス、円、環、又は前記基板の内部に埋め込まれた他の幾何学的アーチファクトである、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  11. 前記プローブビームの位置と前記プロセスビームの位置との間のオフセットを検出する位置感知検出器を更に備える、請求項5に記載の装置。
  12. 前記位置感知検出器は、光検出器を備える、ことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 前記位置感知検出器は、前記プローブビーム及び前記プロセスビームのサイズと比較して小さいピンホールを更に備える、ことを特徴とする請求項12に記載の装置。
  14. 前記再帰性反射材は、前記物体フィデューシャルを完全に囲むように位置決めされる、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  15. 前記再帰性反射材は、前記プローブビームの波長に対して透過性を有するが、前記プロセスビームの波長に対しては不透過性を有する材料によって前記プロセスビームに対する露出から保護される、ことを特徴とする請求項4に記載の装置。
  16. 前記ビーム誘導操作デバイスは、走査ミラー、走査台、検流計ミラー、電気光学ビーム偏向器、音響光学ビーム偏向器、又はマイクロ機械走査デバイスを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  17. 前記再帰反射ビーム検出器によって検出される少なくとも1つの物体フィデューシャルの位置を用いて前記基板上の前記プロセスビームの走査幾何学構成が補正される、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  18. 基板内の物体フィデューシャルの位置を決定する方法であって、
    プローブビームを発生させる段階と、
    少なくとも前記物体フィデューシャルの付近の前記基板にわたって前記プローブビームを誘導操作する段階と、
    前記物体フィデューシャルの下、周囲、近隣、及び/又は内部に配置された再帰性反射材によって再帰反射された前記プローブビームを検出する段階と、
    前記再帰反射プローブビームに基づいて前記物体フィデューシャルの場所を決定する段階と、
    を含む方法。
  19. 前記プローブビームを誘導操作する前に該プローブビームを第1のビームスプリッタによって反射する段階を更に含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記再帰反射プローブビームは、検出される前に前記第1のビームスプリッタを通り抜ける、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  21. 前記再帰反射プローブビームは、検出される前に前記第1のビームスプリッタを通り抜けない、ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
  22. プロセスビームを発生させる段階と、
    前記プロセスビームを第2のビームスプリッタによって反射する段階と、
    前記プロセスビームを前記基板にわたって誘導操作する段階と、
    を更に含む、請求項18に記載の方法。
  23. 前記プローブビームと前記プロセスビームとは実質的に相互整列される、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  24. 前記プローブビームと前記プロセスビームとはほぼ重畳される、ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記プローブビームと前記プロセスビームとは、前記プローブビームがある場所に誘導操作される時に、前記プロセスビームも同じ場所にせいぜい小さなオフセットで誘導操作されるように実質的に相互整列される、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  26. 前記物体フィデューシャルは、エッジ、ノッチ、コーナー、又は前記基板の外部境界上に位置決めされた他の幾何学的アーチファクトであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  27. 前記物体フィデューシャルは、孔、スリット、十字、ボックス、円、環、又は前記基板の内部に埋め込まれた他の幾何学的アーチファクトであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
  28. 前記プローブビームの位置と前記プロセスビームの位置との間のオフセットを検出する段階を更に含む、請求項22に記載の方法。
  29. 前記検出段階は、光検出器によって少なくとも部分的に実施される、ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
  30. 前記検出段階は、前記プローブビーム及び前記プロセスビームのサイズと比較して小さいピンホールによって少なくとも部分的に実施される、ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
  31. 前記再帰性反射材は、前記物体フィデューシャルを完全に囲むように位置決めされる、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  32. 前記プローブビームの波長に対して透過性を有するが、前記プロセスビームの波長に対しては不透過性を有する材料を用いて前記再帰反射表面をプロセスに対する露出から保護する段階を更に含む、請求項22に記載の方法。
  33. 前記誘導操作段階は、走査ミラー、走査台、検流計ミラー、電気光学ビーム偏向器、音響光学ビーム偏向器、又はマイクロ機械走査デバイスによって実施される、ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
  34. 決定された前記物体フィデューシャルの場所に基づいてプロセスビームの走査幾何学構成を補正する段階を更に含む、請求項18に記載の方法。
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