JPH10328864A - レーザ加工装置および加工対象物の位置測定方法 - Google Patents

レーザ加工装置および加工対象物の位置測定方法

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JPH10328864A
JPH10328864A JP9140012A JP14001297A JPH10328864A JP H10328864 A JPH10328864 A JP H10328864A JP 9140012 A JP9140012 A JP 9140012A JP 14001297 A JP14001297 A JP 14001297A JP H10328864 A JPH10328864 A JP H10328864A
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light
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laser beam
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Yukitoshi Itou
藤 享 敏 伊
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Toshiba Development and Engineering Corp
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Shibaura Engineering Works Co Ltd
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の加工対象物の位置を高い検出精度でか
つ短時間に測定することができるレーザ加工装置および
加工対象物の位置測定方法を提供する。 【解決手段】 レーザマーキング装置は、YAGレーザ
光を発生するYAGレーザ発振器1と、YAGレーザ発
振器1にて発生したレーザ光を、治具上に載置された複
数の加工対象物10上で走査するガルバノメータスキャ
ナ2a,2bと、YAGレーザ発振器1およびガルバノ
メータスキャナ2a,2bを制御するマーカコントロー
ラ7と、加工対象物10または治具から反射されたレー
ザ光の光量を検出するPINフォトダイオード4と、P
INフォトダイオード4により検出された反射光の光量
変化に基づいて加工対象物10の位置を算出する光量処
理装置5と、光量処理装置5による処理結果を表示する
モニタ6とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ光を用いて加
工対象物を加工するレーザ加工装置に係り、とりわけガ
ルバノメータスキャナ等によりレーザ光を走査しつつ加
工対象物を加工するレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、レーザ光の光路上に配置され
たガルバノメータスキャナ等によりレーザ光を走査しつ
つ加工対象物を加工するレーザマーキング装置等のレー
ザ加工装置が知られている。このようなレーザ加工装置
においては一般に、加工対象物の位置を測定するため
に、CCD(Charge Coupled Device )カメラにより加
工対象物を撮影するとともに、この撮影された画像を静
止画像認識機構等を有する画像処理装置により認識する
方法が採られている。なお、CCDカメラを用いて加工
対象物の位置を測定する従来の方法としては、例えば図
5および図6に示すようなものがある。
【0003】まず、図5により、従来のレーザ加工装置
(レーザマーキング装置)の一例について説明する。図
5に示すように、従来のレーザマーキング装置は、レー
ザ光を発生するレーザ発振器1と、レーザ発振器1にて
発生したレーザ光を複数の加工対象物10上で走査する
ガルバノメータスキャナ2a,2bと、レーザ発振器1
およびガルバノメータスキャナ2a,2bを制御するマ
ーカコントローラ7と、複数の加工対象物10の全体に
照明光を照射する照明灯9と、照明灯9により照明光が
照射された加工対象物10を撮影するCCDカメラ13
と、CCDカメラ13により撮影された画像を認識する
ための静止画像認識機構を有する画像処理装置14と、
画像処理装置14により認識された画像を表示するモニ
タ15とを備えている。
【0004】図5に示すレーザマーキング装置におい
て、加工対象物10に対するマーキングは、マーカコン
トローラ7によりガルバノメータスキャナ2a,2bを
制御しつつレーザ発振器1にて発生したレーザ光をガル
バノメータスキャナ2a,2bを介して加工対象物10
上に照射することにより行われる。これに対し、加工対
象物10の位置測定は、照明灯9により照明光が照射さ
れた複数の加工対象物10の全体をCCDカメラ13に
より撮影するとともに、この撮影された画像を画像処理
装置14により認識することにより行われる。なお、画
像処理装置14により認識された複数の加工対象物10
の画像はモニタ15上に表示される。
【0005】次に、図6により、従来のレーザ加工装置
(レーザマーキング装置)の別の例について説明する。
ここで図6に示すレーザマーキング装置は、加工対象物
10に対する照明および撮影がガルバノメータスキャナ
2a,2bを介して行われる点を除いて、他は図5に示
すレーザマーキング装置と略同一である。図6に示すレ
ーザマーキング装置において、図5に示すレーザマーキ
ング装置と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は
省略する。
【0006】図6に示すレーザマーキング装置におい
て、加工対象物10に対するマーキングは、マーカコン
トローラ7によりガルバノメータスキャナ2a,2bを
制御しつつレーザ発振器1にて発生したレーザ光をガル
バノメータスキャナ2a,2bを介して加工対象物10
上に照射することにより行われる。これに対し、加工対
象物10の位置測定は、ガルバノメータスキャナ2a,
2bを介してライト11にて発生した光(可視光)を加
工対象物10上に照射しつつ加工対象物10からの反射
光をガルバノメータスキャナ2a,2bを介してCCD
カメラ13に取り込み、この取り込まれた反射光(画
像)を画像処理装置14により認識することにより行わ
れる。ここでライト11にて発生した光は、各加工対象
物10の大きさに対応した範囲にのみ照射される。そし
て、この照射箇所はガルバノメータスキャナ2a,2b
の回動動作により順次変更され、各加工対象物10ごと
にその位置が測定される。なお、画像処理装置14によ
り認識された各加工対象物10の画像はモニタ15上に
表示される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のレーザ加工装置においては、加工対象物の位置を測定
するために、CCDカメラにより加工対象物を撮影する
とともに、この撮影された画像を静止画像認識機構等を
有する画像処理装置により認識している。
【0008】しかしながら、図5に示すようなレーザ加
工装置(レーザマーキング装置)では、複数の加工対象
物10の位置を一括して測定しているので、分解能が上
がらず所望の検出精度が得られないという問題がある。
【0009】また、図6に示すレーザ加工装置(レーザ
マーキング装置)では、複数の加工対象物10のそれぞ
れの位置を順次測定していくので、図5に示すレーザマ
ーキング装置よりも高い検出精度を得ることはできる
が、各加工対象物10ごとに拡大して測定しているため
視野が狭くなり、全体の位置測定に長時間を要してしま
うという問題がある。
【0010】本発明はこのような点を考慮してなされた
ものであり、複数の加工対象物の位置を高い検出精度で
かつ短時間に測定することができるレーザ加工装置およ
び加工対象物の位置測定方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ光を発
生するレーザ発振器と、前記レーザ発振器にて発生した
レーザ光を加工対象物上で走査するスキャナ手段と、前
記スキャナ手段により走査されたレーザ光の反射光の光
量を検出する光量検出手段と、前記光量検出手段により
検出された反射光の光量変化に基づいて前記加工対象物
の位置を算出する位置算出手段とを備え、前記スキャナ
手段は前記加工対象物上で少なくとも所定方向に向けて
レーザ光を走査し、前記位置算出手段は前記加工対象物
からの反射光の光量変化に基づいて前記加工対象物の位
置を算出することを特徴とするレーザ加工装置を提供す
る。
【0012】また本発明は、加工対象物上で少なくとも
所定方向に向けてレーザ光を走査する工程と、走査され
たレーザ光の反射光の光量を検出する工程と、前記加工
対象物からの反射光の光量変化に基づいて前記加工対象
物の位置を算出する工程とを備えたことを特徴とする加
工対象物の位置測定方法を提供する。
【0013】本発明によれば、加工対象物上で所定方向
に向けてレーザ光を走査するとともに、加工対象物から
の反射光の光量変化に基づいて加工対象物の位置を算出
しているので、各加工対象物の位置を高い検出精度でか
つ短時間に測定することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図1乃至図3は本発明によ
るレーザ加工装置および加工対象物の位置測定方法の一
実施の形態を示す図であり、図1は加工対象物10上に
文字や図形等のマーキングを行うレーザマーキング装置
を示している。
【0015】図1に示すように、レーザマーキング装置
は、YAGレーザ光を発生するYAGレーザ発振器1
と、可視光であるHe−Neレーザ光を発生するHe−
Neレーザ発振器3と、YAGレーザ発振器1およびH
e−Neレーザ発振器3にて発生したレーザ光を、治具
(図示せず)上に載置された複数の加工対象物10上で
走査するガルバノメータスキャナ(スキャナ手段)2
a,2bと、YAGレーザ発振器1およびガルバノメー
タスキャナ2a,2bを制御するマーカコントローラ7
と、加工対象物10または治具から反射されたレーザ光
の光量を検出するPINフォトダイオード(光量検出手
段)4と、PINフォトダイオード4により検出された
反射光の光量変化に基づいて加工対象物10の位置を算
出する光量処理装置(位置算出手段)5と、光量処理装
置5による処理結果を表示するモニタ6とを備えてい
る。
【0016】ここで、YAGレーザ発振器1およびHe
−Neレーザ発振器3にて発生したレーザ光の光路上に
は一対のハーフミラー12a,12bが配置されてお
り、一方のハーフミラー12aはYAGレーザ発振器1
にて発生したレーザ光を透過させるとともに加工対象物
10または治具からの反射光をPINフォトダイオード
4に向けて反射させるものである。また他方のハーフミ
ラー12bは、He−Neレーザ発振器3にて発生した
He−Neレーザ光を一方のハーフミラー12aに向け
て反射させるとともに一方のハーフミラー12aにて反
射された加工対象物10または治具からの反射光をPI
Nフォトダイオード4に向けて透過させるものである。
なお、He−Neレーザ発振器3にて発生したHe−N
eレーザ光は、一方のハーフミラー12aにおいてYA
Gレーザ発振器1にて発生したYAGレーザ光と同軸と
なるように重ね合わされるようになっている。
【0017】また、複数の加工対象物10の上方には照
明灯9が設けられている。なお照明灯9は、加工対象物
10の配置作業等を容易にするために設けられたもので
あり、加工対象物10の位置測定に直接必要とされるも
のではない。
【0018】次に、このような構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0019】まず、加工対象物10上に文字や図形等の
マーキングを行う前に、治具上における加工対象物10
の位置測定を行う。このような位置測定時には、マーカ
コントローラ7の制御の下で、YAGレーザ発振器1に
てYAGレーザ光を発生させ、この発生したYAGレー
ザ光をハーフミラー12aを介してガルバノメータスキ
ャナ2a,2bに導く。なお、このような位置測定時に
おけるレーザ光の出力はマーキング時の出力よりも低く
設定されている。また、YAGレーザ光は波長が1.0
6μmで目に見えないため、He−Neレーザ発振器3
にて発生した可視光であるHe−Neレーザ光をハーフ
ミラー12a,12bを介してYAGレーザ光と同軸と
なるように重ね合わせる。
【0020】また同時に、マーカコントローラ7の制御
の下で、ガルバノメータスキャナ2a,2bを作動さ
せ、これによりYAGレーザ発振器1およびHe−Ne
レーザ発振器3にて発生したレーザ光を治具上に載置さ
れた複数の加工対象物10上で走査する。ここで、複数
の加工対象物10が図1に示すように治具上で一列に並
んでいる場合には、複数の加工対象物10のそれぞれを
レーザ光が順次横切るよう直線的に走査する。
【0021】このようにして走査されたレーザ光は加工
対象物10の表面または治具の表面で反射され、この反
射光はガルバノメータスキャナ2a,2bおよびハーフ
ミラー12a,12bを介してPINフォトダイオード
4に戻される。
【0022】そして、PINフォトダイオード4によ
り、加工対象物10の表面または治具の表面で反射され
た反射光の光量が検出され、さらに光量処理装置5によ
り、PINフォトダイオード4により検出された反射光
の光量変化に基づいて加工対象物10の位置が算出され
る。なお、光量処理装置5による処理結果はモニタ6上
に表示される。
【0023】ここで例えば、レーザ光を所定方向に直線
的に走査する場合には、レーザ光の反射光の光量は加工
対象物10の反射率と治具の反射率との相違や、加工対
象物10および治具の高低差等に応じて変化するので、
このような反射光の光量変化に基づいて所定方向に向か
う走査直線上での加工対象物10の端部の位置を測定す
ることができる。
【0024】図2(a)(b)(c)(d)は、このよ
うな位置測定時におけるPINフォトダイオード4での
検出例を示す図であり、治具18上に載置された1つの
加工対象物10(図2(a)参照)に対してレーザ光を
図面の左右方向に走査した場合の検出例を図2(b)
(c)(d)に示す。図2(b)(c)(d)のうち、
図2(b)は加工対象物10の表面の反射率が治具18
の表面の反射率よりもはるかに大きい場合の検出例を示
す図、図2(c)は加工対象物10の表面の反射率と治
具18の表面の反射率とが略同一でかつ加工対象物10
の両端M2 ,M3および治具18の段差部分M1 ,M4
の高低差が少ない場合の検出例を示す図、図2(d)は
加工対象物10の表面の反射率と治具18の表面の反射
率とが略同一でかつ加工対象物10の両端M2 ,M3
よび治具18の段差部分M1 ,M4の高低差が極端に大
きい場合の検出例を示す図である。
【0025】図2(b)に示すように、加工対象物10
の表面の反射率が治具18の表面の反射率よりもはるか
に大きい場合には、加工対象物10の両端M2 ,M3
おいて反射レベルが急激に変化する。このため光量処理
装置5は、PINフォトダイオード4により検出された
このような反射レベルの変化に基づいて走査直線上での
加工対象物10の両端M2 ,M3 の位置を検出すること
ができる。なお、加工対象物10の左端M2 より左側、
または加工対象物10の右端M3 より右側には治具18
の表面しか存在しないので、この部分では反射レベルが
ほとんど変化しない(治具18の段差部分M1 ,M4
おいてはその高低差に対応したわずかな変化のみが検出
される)。
【0026】また図2(c)に示すように、加工対象物
10の表面の反射率と治具18の表面の反射率とが略同
一でかつ加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具1
8の段差部分M1 ,M4 の高低差が少ない場合には、レ
ーザ光に略垂直な反射面からの反射レベルは略同一であ
るが、加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具18
の段差部分M1 ,M4 においては反射レベルがいったん
急激に下降する。このため光量処理装置5は、PINフ
ォトダイオード4により検出されたこのような反射レベ
ルの変化と、治具18上における加工対象物10のおお
よその位置関係とに基づいて走査直線上での加工対象物
10の両端M2 ,M3 の位置を検出することができる。
【0027】さらに図2(d)に示すように、加工対象
物10の表面の反射率と治具18の表面の反射率とが略
同一でかつ加工対象物10の両端M2 ,M3 および治具
18の段差部分M1 ,M4 の高低差が極端に大きい場合
には、加工対象物10の表面または治具18の表面から
の反射レベルが反射面の高低差に対応して変化し、加工
対象物10の表面または治具18の表面からの反射レベ
ルは加工対象物10および治具18の断面とほぼ同一形
状の波形として検出される。このため光量処理装置5
は、PINフォトダイオード4により検出されたこのよ
うな反射レベルの変化に基づいて走査直線上での加工対
象物10の両端M2 ,M3 の位置を検出することができ
る。
【0028】なお図2(b)(c)(d)に示すよう
に、加工対象物10の両端M2 ,M3および治具18の
段差部分M1 ,M4 において、反射レベルの波形の変化
点位置と加工対象物10の両端M2 ,M3 等の位置とは
完全には一致していない。このため光量処理装置5にお
いては、例えば反射レベルの上昇(下降)開始点位置お
よび上昇(下降)終了点位置の位置座標の平均値等を算
出することにより両端M2 ,M3 等の位置を求めるよう
にするとよい。
【0029】このようにして、レーザ光を加工対象物1
0の所定の一方向に走査することにより、PINフォト
ダイオード4および光量処理装置5により走査直線上で
の加工対象物10の両端M2 ,M3 の位置を測定するこ
とができる。ここで、治具上における加工対象物10の
ずれが一方向にのみ生じる場合には、上述したような一
方向への走査のみで加工対象物10の位置を測定するこ
とも可能である。しかしながら、図3(a)に示すよう
に、治具上において加工対象物10が任意の方向にずれ
るような場合には、上述したような一方向への走査のみ
では加工対象物10の位置を確実に測定することができ
ない。
【0030】ここで図3(a)(b)により、加工対象
物10が治具上で任意の方向にずれる場合の位置測定方
法について説明する。なおここでは、図3(a)に示す
ように、矩形状の加工対象物10が加工予定位置(図3
(a)の2点鎖線)から実際の位置(図3(a)の実
線)までずれているものとする。
【0031】この場合には、第1に、レーザ光を加工対
象物10上で符号の方向に走査することにより各
走査直線上での加工対象物10の端部の位置を測
定する。
【0032】具体的には、まず第1に、直線x=X1に
沿ってY軸方向にレーザ光を走査し(符号)、この走
査されたレーザ光に対応する反射光の光量変化に基づい
て加工対象物10の位置A(X1,Y1),B(X1,
Y1′)を測定する。第2に、直線x=X2(=X1+
Δx)に沿ってY軸方向にレーザ光を走査し(符号
)、この走査されたレーザ光に対応する反射光の光量
変化に基づいて加工対象物10の位置C(X2,Y
2),D(X2,Y2′)を測定する。第3に、直線y
=Y3に沿ってX軸方向にレーザ光を走査し(符号
)、この走査されたレーザ光に対応する反射光の光量
変化に基づいて加工対象物10の位置E(X3,Y
3),F(X3′,Y3)を測定する。
【0033】このようにして3つの走査直線上で
の加工対象物10の端部の位置A,B,C,D,Eおよ
びFを測定した後、これらの位置A,B,C,D,Eお
よびFの座標に基づいて加工対象物10の実際の位置を
特定する。
【0034】具体的には、まず、位置A,Cの座標値X
1,X2,Y1,Y2に基づいて次式(1)により、加
工対象物10のX軸に対する傾きθを計算する。なお次
式(1)においてΔx=X2−X1,Δy=Y2−Y1
である。
【0035】 θ=Tan-1(Δy/Δx) … (1) ここで、加工対象物10の加工予定位置における仮想原
点O1の座標を(X0,Y0)、仮想原点O1に対応す
る実際の原点O2の座標を(X0″,Y0″)とする
と、加工対象物10の実際の位置における特定の点P2
の座標(X″,Y″)は、点P2に対応する加工予定位
置における点P1の座標(X,Y)の関数として次式
(2)(3)により求められる。
【0036】 X″=Xcosθ−Ysinθ+(X0″−X0) … (2) Y″=Xsinθ+Ycosθ+(Y0″−Y0) … (3) なお上式(2)(3)において、 X0″={(m2 ・X1+X3)−m・(Y1−Y
3)}/(m2 +1) Y0″={(m2 ・Y3+Y1)−m・(X1−X
3)}/(m2 +1) m=Δy/Δx である。
【0037】以上のようにして加工対象物10の実際の
位置(X″,Y″)が求められた場合には、加工予定位
置(X,Y)を基準として規定されているマーキング情
報を上式(2)(3)に従って加工対象物10の実際の
位置に対応したマーキング情報に変換する。その後、マ
ーカコントローラ7の制御の下で、この変換されたマー
キング情報に基づいてガルバノメータスキャナ2a,2
bを作動させ、YAGレーザ発振器1にて発生したYA
Gレーザ光を加工対象物10上に照射することにより、
加工対象物10上に文字や図形等のマーキングを行う。
なお、このようなマーキング時には、レーザ光の出力が
加工に適した出力レベルとなるようYAGレーザ発振器
1が再設定される。また、このようなマーキング中にお
いても、He−Neレーザ発振器3にて発生した可視光
であるHe−Neレーザ光をYAGレーザ発振器1にて
発生したYAGレーザ光に重ね合わせ、これによりマー
キング状況を目で確認できるようにしてもよい。
【0038】このように本実施の形態によれば、マーカ
コントローラ7の制御の下で、YAGレーザ発振器1に
て発生したレーザ光を治具上に載置された複数の加工対
象物10上で走査するとともに、このようにして走査さ
れたレーザ光の反射光の光量をPINフォトダイオード
4により検出し、さらにPINフォトダイオード4によ
り検出された反射光の光量変化に基づいて光量処理装置
5により加工対象物10の位置を算出しているので、各
加工対象物10の位置を高い検出精度でかつ短時間に測
定することができ、また加工対象物10の外形があらか
じめ分かっている場合には任意の形状の加工対象物10
についてその位置を測定することができる。
【0039】さらに、He−Neレーザ発振器3にて発
生したHe−Neレーザ光をハーフミラー12a,12
bを介してYAGレーザ光と同軸となるように重ね合わ
せているので、位置測定時等においてYAGレーザ光の
走査状況を目で確認することができる。
【0040】以上、本発明の一実施の形態について説明
してきたが、本発明はこのような実施の形態に限定され
るものではない。例えば図4に示すように、PINフォ
トダイオード4の入射部の近傍にピンホール8を設け、
これにより正反射光以外の乱反射光および外部光の入射
を防ぐようにしてもよく、またYAGレーザ光の走査状
況およびマーキング状況を目で確認する必要がない場合
には、He−Neレーザ発振器3をレーザマーキング装
置の構成から除外するようにしてもよい。
【0041】また、上述した実施の形態では、加工対象
物10の両端M2 ,M3 等における反射レベルの変化に
基づいて加工対象物10の位置を測定しているが、加工
対象物10の一部に凸部や刻印マーク等がある場合には
これらの端部等における反射レベルの変化に基づいて加
工対象物10の位置を測定することも可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、加
工対象物上で所定方向に向けてレーザ光を走査するとと
もに、加工対象物からの反射光の光量変化に基づいて加
工対象物の位置を算出しているので、各加工対象物の位
置を高い検出精度でかつ短時間に測定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレーザ加工装置の一実施の形態を
示す図。
【図2】図1に示すレーザ加工装置における反射光の光
量変化の検出例を示す図。
【図3】図1に示すレーザ加工装置における加工対象物
の位置算出方法を説明するための図。
【図4】本発明によるレーザ加工装置の別の実施の形態
を示す図。
【図5】従来のレーザ加工装置の一例を示す図。
【図6】従来のレーザ加工装置の別の例を示す図。
【符号の説明】
1 YAGレーザ発振器 2a,2b ガルバノメータスキャナ(スキャナ手段) 4 PINフォトダイオード(光量検出手段) 5 光量処理装置(位置算出手段) 7 マーカコントローラ 10 加工対象物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザ光を発生するレーザ発振器と、 前記レーザ発振器にて発生したレーザ光を加工対象物上
    で走査するスキャナ手段と、 前記スキャナ手段により走査されたレーザ光の反射光の
    光量を検出する光量検出手段と、 前記光量検出手段により検出された反射光の光量変化に
    基づいて前記加工対象物の位置を算出する位置算出手段
    とを備え、 前記スキャナ手段は前記加工対象物上で少なくとも所定
    方向に向けてレーザ光を走査し、前記位置算出手段は前
    記加工対象物からの反射光の光量変化に基づいて前記加
    工対象物の位置を算出することを特徴とするレーザ加工
    装置。
  2. 【請求項2】前記スキャナ手段は前記加工対象物上で第
    1の方向に向けて互いに平行な一対のレーザ光を走査す
    るとともに、前記第1の方向に対して傾いた第2の方向
    に向けてレーザ光を走査し、前記位置算出手段は前記第
    1の方向に走査された一対のレーザ光および前記第2の
    方向に走査されたレーザ光のそれぞれに対応する前記加
    工対象物からの反射光の光量変化に基づいて前記加工対
    象物の位置を算出することを特徴とする請求項1記載の
    レーザ加工装置。
  3. 【請求項3】加工対象物上で少なくとも所定方向に向け
    てレーザ光を走査する工程と、 走査されたレーザ光の反射光の光量を検出する工程と、 前記加工対象物からの反射光の光量変化に基づいて前記
    加工対象物の位置を算出する工程とを備えたことを特徴
    とする加工対象物の位置測定方法。
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