JP2020502450A - 弁 - Google Patents

Abstract

本発明の対象は、ケーシング（１）と、ケーシング（１）内に配置されたソレノイド（５）と、ソレノイド（５）によって可動のピン（７）と、ピン（７）に結合されたピストン（８）と、を備えた弁であり、ケーシング（１）に当接しかつピストン（８）を部分的に収容する第２のケーシング部材（１３）が設けられており、第２のケーシング部材（１３）とピストン（８）との間には、シール（２１）が配置されている。シール（２１）は、第２のケーシング部材（１３）に結合されており、シール（２１）は、第２のケーシング部材（１３）の所定の領域を包囲しており、この領域は、シール（２１）用の少なくとも１つのアンダカット（２０，２５）を形成している。

Description

本発明の対象は、ケーシングと、ケーシング内に配置されたソレノイドと、ソレノイドによって可動のピンと、ピンに結合されたピストンと、を備えた弁であって、ケーシングに当接しかつピストンを部分的に収容する第２のケーシング部材が設けられており、第２のケーシング部材とピストンとの間には、シールが配置されている、弁である。

このような弁は、惰行運転中に吸込み側に対してバイパスを解放するために、とりわけ自動車のターボチャージャにおけるブローオフバルブとして使用され、したがって公知である。ターボチャージャの激しい制動を防止するため、しかしまた迅速な始動をも保証するためには、弁の迅速な開閉が重要な前提条件になる。特に閉鎖時には、弁座にピストンが当接することによる即時閉鎖が重要である。弁座はターボチャージャのケーシングにより形成され、ケーシングには弁がフランジ締結される。さらに、軸方向に移動可能なピストンは、ケーシングに対してシールされている必要がある。このために、ケーシング内にＶ字形のシールを配置することが知られており、シールの脚部はそれぞれ、第２のケーシング部材とピストンの周面とに当接している。このシールは、ピストンに対する密な当接を保証するために、さらにケーシング部材内での固定を必要とする。このためにシールは別の構成部材により第２のケーシング部材と共に押圧される。しかしながら、これは、このような弁のコストがより高くなる、構造上の追加的な手間を必要とする。

したがって、本発明の根底を成す課題は、改良されたシール機能を備えた弁を提供することにある。同時に、この弁は、より単純に構成されていると共に廉価であることが望ましい。

この課題は、シールが第２のケーシング部材に結合されており、しかもシールは第２のケーシング部材の所定の領域を包囲しており、この領域が、シール用の少なくとも１つのアンダカットを形成するようになっていることによって、解決される。

シールが第２のケーシング部材の所定の領域を、アンダカットが形成されるように包囲することによるシールとケーシング部材との結合は、ケーシング部材におけるシールの確実で信頼できる着座を保証する。この場合、アンダカットは、単純な並進運動または回転運動によるシールの所定の位置からの離脱を許さない、または少なくとも、シールの離脱がシールの損傷によってしか可能ではないように困難にする、シールおよび／またはケーシング部材の形成を意味する。本発明による弁の利点は、少なくとも１つのアンダカットにより、シールが耐用年数にわたって確実にその位置に保たれる、という点にある。このために、追加的な固定部材は不要である。これにより、特に廉価な弁を製造することができる。さらに、アンダカットは既に小さな寸法で形成されているので、弁は、第２のケーシング部材の領域に追加的な構成空間を全く必要としない。

簡単な構成では、アンダカットは少なくとも１つの領域を有しており、この領域は、アールにより形成されている。最も簡単なケースでは、第２のケーシング部材の、ケーシングとは反対の側の端部が曲げられている。この場合の角度は５°〜１８０°、好適には９０°であってよい。この場合、離脱しないようにする確実性は、角度の増大と共に上昇することがわかった。

シールが離脱しないようにする確実性は、アールにより形成された複数の領域がアンダカットを形成することによっても高められる。

別の有利な構成では、アンダカットは少なくとも１つの領域を有しており、少なくとも１つの領域は、少なくとも１つの切欠き、好適には２〜１２の切欠き、特に４〜８の切欠きを有している。これらの切欠きにシールを充填することにより、シールは第２のケーシング部材と分離不能に結合されることになる。

上記のアンダカットはどれもそれだけで既に、シールが離脱しないようにする十分な確実性をもたらすにもかかわらず、アールにより形成された複数の領域と複数の切欠きとの組合せを設けることも、やはり有意な場合がある。これは特に、弁が特別に厳しい外部条件下で使用される場合である。

良好なシール作用と同時に少ない摩耗を耐用年数全体にわたり達成するための有利な構成では、シールはフッ素ゴム（ＦＫＭゴム）から製造されている。この材料は十分に丈夫であると共に、１８０℃の温度においても、弁の確実な作動を可能にする。

第２のケーシング部材との特に確実な結合を達成するために、シールは加硫されて第２のケーシング部材に被着されてよい。

別の有利な構成では、シールが軸方向に作用するシールリップを有していることにより、シールの耐用年数が向上する。このシール作用方向により、シールは所定の位置、つまり終端位置においてのみピストンと接触することが達成される。特にピストン運動中の、ピストンとの持続的な接触が、これに結びついた摩擦と共に回避される。

特に有利な構成では、第２のケーシング部材が金属から、好適には特殊鋼から、特にクロムニッケル鋼から成っていることにより、様々な通流媒体および媒体混合物、好適には内燃機関の排気に対する良好な耐久性が実現される。さらに、これにより、第２のケーシング部材を、０．３ｍｍ〜３ｍｍ、好適には０．５ｍｍ〜１ｍｍの薄い壁厚さでも十分な形状安定性を備えて形成することができる。

別の有利な構成では、第２のケーシング部材は、深絞り部品として特に廉価に製造することができる。第２のケーシング部材の形づくりは、別の加工無しに１つの作業ステップだけで達成される。

同様に、ピストンが金属から、好適には特殊鋼から、特にクロムニッケル鋼から成っていると有利である。このようなピストンもやはり深絞りによって製造することができるので、１つの作業ステップでシール用のシール面を第２のケーシング部材に形成することができる。これにより、本発明による弁は特に廉価に製造される。

閉鎖状態においてのみピストンと協働する、軸方向に作用するシールの配置を用いて、シールとピストンとの接触が、ピストンが静止している時間に制限される、ということが達成される。この時間には、ピストンが静止する直前の時間が含まれる。これは、ピストンとシールとが既に、閉鎖位置の直前で接触し合うことを意味する。最終的にピストンが閉鎖位置へ移動することでシールは変形し、これにより各シール面には、互いに予荷重が加わることになる。それゆえ、軸方向に作用するシールによって、ピストン移動中の開閉時にシールがピストンに接触し、これに伴って生じる摩擦に晒されることが防止される。したがって、摩擦に起因する摩耗が防がれると共に、シールの耐用年数が改善される。

本発明を、一実施例に基づきより詳しく説明する。

本発明による弁の断面図である。 第２のケーシング部材の拡大図である。 第２のケーシング部材の別の構成を示す図である。 第２のケーシング部材の別の構成を示す図である。

図１に示す弁は、弁を電気的に接続するためのソケット２が一体成形されたケーシング１を有している。ケーシング１はさらに、一体成形されたフランジ３と３つの孔３ａとを有しており、これらの孔３ａを介してケーシング１は、バイパス管路４の領域に設けられたターボチャージャ（図示せず）にフランジ締結されている。図示の取付け位置において、フランジ３には第２のケーシング部材１３が接続している。ケーシング１内には、コイル６および金属ピン７を備えたソレノイド５が配置されている。金属ピン７は鉢形のピストン８に結合されており、ピストン８はその底部９の周に、軸方向に突出した環状のシール１０を有している。図示の閉鎖位置において、シール１０はバイパス管路４を閉じるために弁座１１に当接しており、したがって、管路４から管路１２内へ媒体が流入することは一切できなくなっている。このとき、ばね７ａがピストン８を弁座１１に向かって押圧している。

図２には、円筒形の基本形状を備えた第２のケーシング部材１３と、円筒形の周面１４を備えたピストン８とが、閉鎖位置において示されている。ケーシング部材１３およびピストン８は、クロムニッケル鋼から成る深絞り部品である。第２のケーシング部材１３は、ケーシング１に面した端部に、半径方向外向きの縁部１５を有している。縁部１５に対して同心に、ケーシング１内にはシール１６として作用するＯリング１６がケーシング１内に配置されている。ケーシング１は、ソレノイド５からピストン８の方向に延在する円筒部分１７を有している。第２のケーシング部材１３は、縁部１５がケーシング１に当接するまで、円筒部分１７に圧着されている。圧着用の所定の当接面用に、第２のケーシング部材１３は、２つの直径を有する円筒状の周面を有している。大きな方の直径１８は、ケーシング１に向けられており、円筒部分１７よりも大きくなっているのに対し、小さな方の直径１９は、内面が部分１７との圧着結合用の当接面を形成するように選択されている。大きな方の直径１８の領域は、ケーシング１に対する当接面１５と、小さな方の直径１９の領域における圧着結合との分離に役立つ。

第２のケーシング部材１３はさらに、ケーシング１とは反対の側の端部に、９０°だけ折り曲げられた、半径方向内向きのカラー２０を有している。第２のケーシング部材１３に配置されたシール２１は、ケーシング部材１３の所定の領域を包囲している。この領域には、円筒状の周面１９の一部およびカラー２０が含まれる。周面１９とカラー２０とは、シール２１の離脱を防止するアンダカットを形成している。フッ素ゴムから成るシール２１は、第２のケーシング部材１３における上記の領域を包囲する基体２２と、ケーシングの方を向いたシールリップ２３とから成っている。シールリップ２３は、軸方向シールの形態でピストン８に設けられたシール面２４と協働する。このために、ピストン８は、ケーシング１に面した端部に、半径方向外側に向かって突出した縁部を有しており、この縁部は、弁の閉鎖状態においてシールリップ２３に支持される。

ピストン８の底部９には、シール１０が配置されている。この場合はフッ素ゴムである。シール１０は、加硫されてピストン８に被着されている（aufvulkanisiert）。底部９は複数の切欠き２４を有しており、これらの切欠き２４にはシール１０が充填されている。このようにして、シール１０はピストン８と分離不能に結合されている。

図３には、第２のケーシング部材１３がシール２１無しで示されている。カラー２０は６つの切欠き２５を有しており、これらの切欠き２５もやはり、シール２１用のアンダカットを形成している。なぜなら、切欠き２５にはシールが充填されるからである。

図４には、シール２１と、ピストンに向けられたシールリップ２３とを備えた第２のケーシング部材１３が示されている。

Claims (10)

1. ケーシングと、該ケーシング内に配置されたソレノイドと、該ソレノイドによって可動のピンと、該ピンに結合されたピストンと、を備えた弁であって、前記ケーシングに当接しかつ前記ピストンを部分的に収容する第２のケーシング部材が設けられており、該第２のケーシング部材と前記ピストンとの間にシールが配置されている弁において、
   前記シール（２１）は、前記第２のケーシング部材（１３）に結合されており、前記シール（２１）は、前記第２のケーシング部材（１３）の所定の領域を包囲しており、該領域は、前記シール（２１）用の少なくとも１つのアンダカット（２０，２５）を形成していることを特徴とする、弁。
2. 前記アンダカット（２０）は、アールにより形成された少なくとも１つの領域を有している、請求項１記載の弁。
3. 前記アンダカット（２５）は、少なくとも１つの切欠き、好適には２〜１２の切欠き、特に４〜８の切欠きを有する少なくとも１つの領域を有している、請求項１記載の弁。
4. 前記シール（２１）はＦＫＭゴムから成る、請求項１から３までの少なくとも１項記載の弁。
5. 前記シール（２１）は、加硫されて前記第２のケーシング部材（１３）に被着されている、請求項１から４までの少なくとも１項記載の弁。
6. 前記シール（２１）は、軸方向に作用するシールリップ（２３）を有している、請求項１から５までの少なくとも１項記載の弁。
7. 前記第２のケーシング部材（１３）は、金属から、好適には特殊鋼から、特にクロムニッケル鋼から成る、請求項１から６までの少なくとも１項記載の弁。
8. 前記第２のケーシング部材（１３）は、深絞り部品である、請求項１から７までの少なくとも１項記載の弁。
9. 前記ピストン（８）は、金属から、好適には特殊鋼から、特にクロムニッケル鋼から成る、請求項８記載の弁。
10. 前記ピストン（８）は、深絞り部品である、請求項１から９までの少なくとも１項記載の弁。

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