JP2020502392A - ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備する方法、ならびにヤーンおよび布におけるそうした繊維の使用 - Google Patents

ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備する方法、ならびにヤーンおよび布におけるそうした繊維の使用 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 本開示は、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維と、全体を通して実質的に均一に分配されたダイヤモンド粒子を有するフィラメントとを準備する方法に関する。工程は、熱可塑性ポリマーと、約0.001重量%から約0.25重量%のナノサイズのダイヤモンド粒子とを含む材料を溶融押出しすることを含む。本開示はまた、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維またはフィラメントを含むヤーンおよび布に、そしてこれらのヤーンおよび/または布を含む衣服に関する。ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維およびフィラメントを含むヤーンおよび布は、強化された熱特性、強化された機械的特性、および/または強化された柔軟性を有することが見出された。【選択図】 図1

Description

本開示は、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維と、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維、ならびにナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含む布および衣服を作る方法とに関する。特に、本開示は、ナノサイズのダイヤモンド粒子が繊維全体を通して実質的に均一に分配されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維と、そうした繊維を溶融押出し工程により作る方法とに関する。繊維全体を通してナノサイズのダイヤモンド粒子を実質的に均一に分配することにより、ダイヤモンド粒子により与えられた利点が、ばらつきなしに得られる。本明細書にあるとおり、その繊維は、布および衣服における使用向けに構成される織物繊維である可能性のある場合、このばらつきのなさは特に重要性なものである。
本開示は、様々な実施形態において、繊維全体を通して実質的に均一に分配されたダイヤモンド粒子を有するナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備する方法に関する。工程は、熱可塑性ポリマーと、約0.001重量%から約0.25重量%のナノサイズのダイヤモンド粒子とを含む材料を溶融押出しすることを含む。ナノサイズのダイヤモンド粒子は、好ましくは約2nmと約500nm、または約2nmと約10nmの間の粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、一つまたは複数のポリアミド類、例えば、概してナイロンと称する一つまたは複数のポリアミド類を含んでいてもよい。他の実施形態では、熱可塑性ポリマーはポリエステルを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、溶融押出しの工程は、少なくとも二つのステップを含んでいてもよい。一つのステップは、ダイヤモンド濃縮物ペレット、すなわち最終的なナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維よりも顕著に高濃度のダイヤモンド粒子を有するペレットを準備することを含む。実例としては、ダイヤモンド濃縮物ペレットは、約0.1重量%から約10%重量の間のダイヤモンド粒子を含んでいてもよい。別のステップは、熱可塑性ポリマーと、ダイヤモンド濃縮物ペレットであって、ダイヤモンド粒子が、結果として得られる熱可塑性繊維全体を通して実質的に均一に分配されるようにしたペレットとの混合物を溶融押出しすることを含む。
本開示はまた、様々な実施形態において、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維、例えば全体的に実質的に均一に分配されたダイヤモンド粒子を有するものに関する。ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、約99.0重量%から約99.9重量%の熱可塑性ポリマーと、約0.001重量%から約0.25重量%のナノサイズのダイヤモンド粒子と、約0.0025重量%から約0.02重量%の分散剤とを含んでいてもよい。ナノサイズのダイヤモンド粒子は、好ましくは、約2nmと約500nmの間、または約2nmと約10nmの間の粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、一つまたは複数のポリアミド類、例えば概してナイロンと称する一つまたは複数のポリアミド類を含んでいてもよい。他の実施形態では、熱可塑性ポリマーはポリエステルを含んでいてもよい。
本開示はまた、様々な実施形態において、本明細書に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含むヤーンおよび布に、そしてこれらのヤーンおよび布を含む衣服に関する。本明細書に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含むヤーンおよび布は、強化された熱的特性(例えば涼しさ)、強化された機械的特性(例えば強度、伸び率)、および強化された柔軟性を有することが見出された。
実例としては、繊維全体を通してナノダイヤモンドを分散させることにより提供される強化された熱的特性のおかげで、これらの繊維を布に使用すると、着用者から遠くに体熱を伝達させる向上した能力、日光に起因する加熱を低減させる向上した能力、肌触りへの増加した涼しさ、及び同種のものを備えた布が供される可能性がある。したがって、本明細書に開示された繊維を含む衣服は、着用者に冷却の恩恵を提供する可能性がある。さらに、本開示に準拠するナノダイヤモンドの組み込みにより、繊維の強度が増加することが見出されているので、この冷却効果は、布の強度および/または耐久性を犠牲にすることなく実現することができる。そして、本開示に準拠するナノダイヤモンドの組み込みにより、繊維の伸び率が顕著には低減しないこと(そして場合によっては実際に繊維の伸び率が増加すること)が見出されているので、この冷却効果はまた、布の機械的なおよび/または引張りの特性への顕著な悪影響を及ぼすことなく実現することができる。本明細書で開示された繊維の組み込みはまた、布の柔軟性を増加させる場合のあることも見出された。
本開示はまた、様々な実施形態において、布の熱伝導性を増加させる方法に関する。実例としては、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含む布が、ダイヤモンド粒子を含まない比較の布より、少なくとも5%高い熱伝導性を有する場合のあることが見出された。
本開示はまた、様々な実施形態において、布の伸び率の実質的な増加を生じさせることなく布の強度を増加させる方法に関する。実例としては、意外なことに、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含む布が、ダイヤモンド粒子を含まない比較の布よりも少なくとも5%高い強度、および、ダイヤモンド粒子を含まない比較の布の約3%以内の伸び率を有する場合のあることも見出された。いくつかの実施形態では、さらに、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含む布の強度と伸び率の両方が、ダイヤモンド粒子を含まない比較の布よりも大きいことが見出された。
さらなる特徴および利点を、以下の詳細な記載において説明することとするが、その記載から、それらは、当業者にはある程度容易に明らに、または、以下の詳細な記載を含め本明細書に記載の実施形態を実施することにより認識されることになろう。先の一般的記載および以下の詳細な記載の両方とも単なる例示であって、本請求項の性質および特徴を理解するための概要または枠組みを提供することを意図するものであることは理解されよう。
一つまたは複数の実施形態の利点および特徴の明確な概念は、代表的な、そしてそれゆえ非限定的な、図面に例示された実施形態を参照することにより、さらに容易に明らかにされるであろう。
本開示に準拠して準備した布サンプルの加熱および冷却特性についての試験結果の図示である。 本開示に準拠して準備したサンプル布の加熱および冷却特性についての試験結果の図示である。 表面と、本開示に準拠して準備したサンプル布との間の熱伝達についての試験結果の図示である。 本開示に準拠して準備したサンプル布の柔軟性についての試験結果の図示である。 本開示に準拠して準備したサンプル布の加熱および冷却特性についての試験結果の図示である。 本開示に準拠して準備したサンプル布の加熱および冷却特性についての試験結果の図示である。 本開示に準拠して準備したサンプル布の引張り特性についての試験結果の図示である。
本開示の実施形態は、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維と、そうした繊維を作る方法とを対象としている。用語「繊維」は、本出願を通して、あらゆる長さの繊維を、例えば、さらに広くフィラメントと称されるものを含めて指すのに使用される。実例としては、用語「繊維」は、ステープル繊維と、連続したフィラメントとの両方を含むものとして理解されるものとするが、これは、それらの用語が織物業界において広く理解されているからである。したがって、別途、指示しない限り、用語「繊維」および「フィラメント」は、本明細書全体を通して交換可能に使用される。
ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の実施形態は、約95.0重量%と約99.9重量%の間の熱可塑性ポリマー、または約96.0重量%と約99.9重量%の間の熱可塑性ポリマー、または約97.0重量%と約99.9重量%間の熱可塑性ポリマー、または約98.0重量%と約99.9重量%の間の熱可塑性ポリマー、または約99.0重量%と約99.9重量%の間の熱可塑性ポリマー、または約99.5重量%と約99.9重量%の間の熱可塑性ポリマー、または約99.7重量%と約99.9重量%の間の熱可塑性ポリマーを含む。
熱可塑性ポリマーは:ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET))、ポリプロピレン、ポリカルボナート、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリブチレンナフタラート(PBN)、ポリトリメチレンナフタラート(PTN)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ(p−フェニレンスルフィド)(PPS)、ポリアミド類(ナイロン)、熱可塑性ポリウレタン類(TPU)、熱可塑性エラストマー類(TPE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、実例として、熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリロニトリル(アクリル類)、スパンデックスなどのポリウレタンエラストマー類、穀物系ポリマー類などの植物系ポリマー類、およびそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、およびそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、広くナイロンとして知られているポリアミド類のいずれかを含んでいてもよい。実例としては、いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ナイロン6;ナイロン6,6;ナイロン6,12;ナイロン12;ナイロン4,6;ナイロン6,10;またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、ナイロン6;ナイロン6,6;またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、熱可塑性ポリマーはポリエステルを含んでいてもよい。ナイロン、ポリエステル、またはそれらの組み合わせを含むナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、衣服およびその他の物品を作る用途向けのヤーンおよび布の準備に、特に有用である場合がある。
ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の実施形態は、約0.001重量%と約0.25重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.001重量%と約0.1重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.001重量%と約0.05重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.001重量%と約0.01重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.005重量%と約0.25重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.005重量%と約0.1重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.005重量%と約0.05重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.005重量%と約0.01重量%の間のダイヤモンド粒子、または0.01重量%と約0.25重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.01重量%と約0.1重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.01重量%と約0.05重量%の間のダイヤモンド粒子;または0.025重量%と約0.25重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.025重量%と約0.1重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.025重量%と約0.05重量%の間のダイヤモンド粒子を含む。
ダイヤモンド粒子は、好ましくはナノサイズである、すなわちナノメートルスケールで測定される場合のある粒子サイズを有する。いくつかの実施形態では、例えば、ダイヤモンド粒子は、約1nmと約500nmの間、または約1nmと約100nmの間、または約1nmと約50nmの間、または約1nmと約25nmの間、または約1nmと約10nmの間、または約2nmと約500nmの間、または約2nmと約100nmの間、または約2nmと約50nmの間、または約2nmと約25nmの間、または約2nmと約10nmの間の粒子サイズを有する。熱可塑性繊維の中へのナノサイズのダイヤモンド粒子の組み込みにより、繊維の見た目、例えば色または光沢を顕著に変えることなく所望の特性が付与されることが見出された。
ナノサイズのダイヤモンド粒子は、公知のいずれの方法によって得てもよい。実例としては、ナノサイズのダイヤモンド粒子は、爆轟合成、黒鉛の超音波キャビテーション、黒鉛の高エネルギーレーザ照射、またはその他の公知の方法によって得てもよい。ナノサイズのダイヤモンド粒子は、粉末の形態では有害であり得るので、ナノサイズのダイヤモンド粒子は、典型的にはスラリーの形態で提供される。実例としては、ナノサイズのダイヤモンド粒子は、水を用いて、または別の溶媒、例えばエチレングリコールを用いて、スラリーにしてもよい。いくつかの実施形態では、ナノサイズのダイヤモンド粒子は、表面官能化されてもよい。例えば、ナノサイズのダイヤモンド粒子の表面は、カルボキシル基、アミン類、水酸基、シラン、無水物、アクリラート類、メタクリラート類、イソシアネート類、ステアリン酸類、または同種のものを用いた処理により官能化されてもよい。
ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の実施形態はまた、約0.001重量%と約0.1重量%の間の分散剤、または約0.001重量%と約0.05重量%の間の分散剤、または約0.001重量%と約0.03重量%の間の分散剤、または約0.001重量%と約0.02重量%の間の分散剤、または約0.002重量%と約0.1重量%の間の分散剤、または約0.002重量%と約0.05重量%の間の分散剤、または約0.002重量%と約0.03重量%の間の分散剤、または約0.002重量%と約0.02重量%の間の分散剤、または約0.005重量%と約0.1重量%の間の分散剤、または約0.005重量%と約0.05重量%の間の分散剤、または約0.005重量%と約0.03重量%の間の分散剤、または約0.005重量%と約0.02重量%の間の分散剤を含んでいてもよい。
分散剤は、例えばナノサイズのダイヤモンド粒子の凝集を防止することにより、熱可塑性ポリマー全体を通してナノサイズのダイヤモンド粒子の分散を手助けすることのできる、あらゆる物質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、分散剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。
いくつかの実施形態では、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維はまた、一つまたは複数のさらなる添加物を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、これらの添加物には、窒化ホウ素、黒鉛、グラフェン、シリカ、一つまたは複数のアルミノケイ酸塩材料、またはそれらの組み合わせなどを挙げてもよい。これらの添加物は、望ましくは、10ミクロン未満の粒子サイズを有する粒子の形態である。例えば、いくつかの実施形態では、添加物粒子は、約2nmと約5ミクロンの間、または約4nmと約2ミクロンの間の粒子サイズを有してもよい。ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の実施形態は、約0.001重量%と約1.0重量%の間のこれらの添加物、または約0.001重量%と約0.5重量%の間のこれらの添加物、または約0.001重量%と約0.25重量%の間のこれらの添加物、または約0.05重量%と約1.0重量%の間のこれらの添加物、または約0.05重量%と約0.5重量%の間のこれらの添加物、または約0.05重量%と約0.25重量%の間のこれらの添加物を含む。他の実施形態では、これらの添加物には、ナノサイズの粒子のサファイア、ルビー、アメシスト、アクアマリン、トルコ石、トパーズ、トルマリン、エメラルド、石英、珊瑚、真珠、ペリドット、モルダバイト、白金、金、琥珀、セレナイト、およびそれらの組み合わせを挙げてもよい。
熱可塑性繊維は、典型的には、溶融押出しなどの方法により準備され、この溶融押出し法は、均一な形状と密度の熱可塑性繊維を製造するのに使用されるものである。溶融押出しでは、ポリマーは溶融されて粘性相(溶融物として知られている)を形成し、続いて、一つまたは複数の開口部(ダイとしても知られている)を通じて押出される。溶融押出しは、連続的な、または半連続的な工程である。溶融押出しは、典型的には押出し機中で実行され、この機械は、回転する一つ(シングルスクリュ押出し機)または二つ(ツインスクリュ押出し機)のスクリュを収容するバレルを含み、これらのスクリュは、バレルを通じそして一つまたは複数の開口部からポリマーを輸送する。ポリマーがバレルを脱するさいに、一つまたは複数の開口部がポリマーを成形する。いくつかの応用では、例えば材料が混合されている時には、ツインスクリュ押出し機の使用が、シングルスクリュ押出し機の使用よりも好ましい。
溶融押出し工程の最中に固体粒子を溶融物中に組み込めることは概して知られている一方で、溶融押出しの最中にダイヤモンド粒子を熱可塑性繊維中に組み込むことにより、やっかいな問題が生じていた。最も顕著なのは、ダイヤモンドの周知の硬度のせいで、押出し機中にダイヤモンドが存在すると、装置を損傷させる可能性のあることである。このことは、ダイヤモンド粒子が溶融物の特定の領域に濃縮される場合に最も起きやすい。実例としては、高濃度のダイヤモンド粒子は、押出し機のバレル壁を損傷させ得る。さらに、比較的狭い開口部を通じてダイヤモンド粒子を押出して繊維を準備することにより、開口部に損傷が生じ得る。本開示の実施形態は、押出し機を損傷させることなくナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を溶融押出しにより準備することのできる工程を提供する。
さらに、織物業界では、ばらつきのない特性を備えた布を準備できることが最も重要である。したがって、ヤーン、よってヤーンを準備するのに使用される繊維が、ばらつきのない特性を有することが重要である。それゆえ、繊維が織物への応用に使用するよう意図される場合には、溶融押出し工程は、ダイヤモンド粒子を、繊維全体を通して実質的に均一に分配させて、繊維がばらつきのない特性を有するようにした熱可塑性繊維を製造することが可能なはずである 。本開示の実施形態は、繊維全体を通して実質的に均一に分配されたダイヤモンド粒子を有するナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を製造する溶融押出し工程を提供する。
本開示の実施形態は、溶融押出し工程を使用してナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備する方法を対象とする。上記の利益を達成するために、方法の実施形態は、少なくとも二つのステップで実行される溶融押出し工程を含んでいてもよい。一つのステップでは、ダイヤモンド濃縮物材料、例えばペレットを準備してもよい。引き続くステップでは、ダイヤモンド濃縮物材料を熱可塑性ポリマーと混合してもよく、そしてその混合物を溶融押出ししてナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備してもよい。各ステップを個々に、以下でさらに詳細に記載する。
上記のように、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備する方法は、濃縮ダイヤモンド組成物を準備するステップを含んでいてもよい。実例としては、いくつかの実施形態では、その方法は、複数のダイヤモンド濃縮物ペレットを準備するステップを含む。
ダイヤモンド濃縮物ペレットは、最終的な繊維におけるよりもさらに大きい濃度で存在する第1のナノサイズのダイヤモンド粒子を有する熱可塑性ポリマーを含む。いくつかの実施形態では、実例として、ダイヤモンド濃縮物ペレットは、約0.1重量%と約10.0重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.1重量%と約5.0重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.1重量%と約2.0重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.1重量%と約1.0重量%の間のダイヤモンド粒子、または約0.1重量%と約0.5重量%の間のダイヤモンド粒子を含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーは:ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET))、ポリプロピレン、ポリカルボナート、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリブチレンナフタラート(PBN)、ポリトリメチレンナフタラート(PTN)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ(p−フェニレンスルフィド))(PPS)、ポリアミド類(ナイロン)、熱可塑性ポリウレタン類(TPU)、熱可塑性エラストマー類(TPE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリロニトリル(アクリル類)、スパンデックスなどのポリウレタンエラストマー類、穀物系ポリマーなどの植物系ポリマー類、およびそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では第1の熱可塑性ポリマーは、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、およびそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーは、広くナイロンとして知られているポリアミド類のいずれかを含んでいてもよい。実例としては、いくつかの実施形態では第1の熱可塑性ポリマーは、ナイロン6;ナイロン6,6;ナイロン6,12;ナイロン12;ナイロン4,6;ナイロン6,10;またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーは、ナイロン6;ナイロン6,6;またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーはナイロン6であることが望ましい場合がある。ナイロン6は、比較的容易に加工することができ、そしてダイヤモンド濃縮物ペレットの準備および最終的な繊維の準備の両方に付随する熱処理に持ちこたえることができる。
いくつかの実施形態では、ダイヤモンド濃縮物ペレットは、約90.0重量%と約99.9重量%の間の第1の熱可塑性ポリマー、または約95.0重量%と約99.75重量%の間の第1の熱可塑性ポリマーを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、分散剤をダイヤモンド濃縮物ペレット中に組み込んでもよい。分散剤は、例えば、ナノサイズのダイヤモンド粒子の凝集を防止することにより熱可塑性ポリマー全体を通してナノサイズのダイヤモンド粒子の分散を手助けすることが可能である、いずれかの物質を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では分散剤は、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択されてもよい。いくつかの実施形態では、ダイヤモンド濃縮物ペレットは、約0.1重量%と約1.0重量%の間の分散剤、または約0.1重量%と約0.8重量%の間の分散剤、または約0.2重量%と約0.8重量%の間の分散剤を含んでいてもよい。
ダイヤモンド濃縮物ペレットは、ナノサイズのダイヤモンド粒子および随意に分散剤を第1の熱可塑性ポリマーと混合し、結果として得られる混合物を押出すことにより、準備してもよい。実例としてはダイヤモンド濃縮物ペレットを準備するステップは、第1の熱可塑性ポリマー加熱して粘性相を形成することと、ナノダイヤモンド粒子と分散剤を配合して第1の熱可塑性ポリマーの粘性相にすることと、結果として得られる混合物を押出すこととを含んでいてもよい。ナノダイヤモンド粒子をスラリーの形態で第1の熱可塑性ポリマーに加えてもよい。第1の熱可塑性ポリマーとナノサイズのダイヤモンド粒子との混合物は、ミリメートル以内の径を有する開口部を通じて押出してもよい。この段階での混合物中のナノダイヤモンドの比較的高い濃度により押出し装置が損傷するのでない限り、ミリメートル以内の径は十分大きい。
押出されたダイヤモンド濃縮物材料は、つづいて分割または切断して、複数のダイヤモンド濃縮物ペレットを製造してもよい。ダイヤモンド濃縮物ペレットのサイズは、下流の加工ステップにおいてそれらを第2の熱可塑性ポリマーと混合するやり方に応じて選択してもよい。いくつかの実施形態では、例えば、ダイヤモンド濃縮物ペレットは、約0.5mmと約5mmの間、または約1mmと約4mmの間、または約2mmと約3mmの間の径を有していてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、ダイヤモンド濃縮物ペレットは、約1mmと約10mmの間、または約1mmと約7mmの間、または約1mmと約5mmの間、または約1mmと約4mmの間、または約2mmと約3mmの間の長さを有していてもよい。最終的な熱可塑性繊維においてさらなる添加物が所望される場合、それらの添加物を、このステップの最中に第1の熱可塑性ポリマーに加えることもできる。
上記のように、この方法はまた、濃縮ダイヤモンド組成物、例えばダイヤモンド濃縮物ペレットを第2の熱可塑性ポリマーと混合し、溶融押出ししてナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備するステップを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、第2の熱可塑性ポリマーは:ポリエステル類(例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET))、ポリプロピレン、ポリカルボナート、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリブチレンナフタラート(PBN)、ポリトリメチレンナフタラート(PTN)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ(p−フェニレンスルフィド))(PPS)、ポリアミド類(ナイロン)、熱可塑性ポリウレタン類(TPU)、熱可塑性エラストマー類(TPE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択してもよい。いくつかの実施形態では、第2の熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリロニトリル(アクリル類)、スパンデックスなどのポリウレタンエラストマー類、穀物系ポリマーなどの植物系ポリマー類、およびそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では第2の熱可塑性ポリマーは、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、およびそれらの組み合わせを含んでいてもよい。
いくつかの実施形態では、第2の熱可塑性ポリマーは、広くナイロンとして知られているポリアミド類のいずれかを含んでいてもよい。実例としては、いくつかの実施形態では、第2の熱可塑性ポリマーは、ナイロン6;ナイロン6,6;ナイロン6,12;ナイロン12;ナイロン4,6;ナイロン6,10;またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第2の熱可塑性ポリマーは、ナイロン6;ナイロン6,6;またはそれらの組み合わせを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーはナイロン6,6であることが望ましい場合がある。
いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーおよび第2の熱可塑性ポリマーは、同一であってもよい。実例としては、いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーおよび第2の熱可塑性ポリマーは、ナイロン6である。他の実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーおよび第2の熱可塑性ポリマーは、ナイロン6,6である。他の実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーおよび第2の熱可塑性ポリマーは、ポリエステルである。他の実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーおよび第2の熱可塑性ポリマーは異なっている。実例としては、いくつかの実施形態では、第1の熱可塑性ポリマーはナイロン6であり、第2の熱可塑性ポリマーはナイロン6,6である。
ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、ダイヤモンド濃縮物ペレットを第2の熱可塑性ポリマーと混合し、結果として得られる混合物を押出しすることにより、準備してもよい。実例としては、熱可塑性繊維を準備するステップは、第2の熱可塑性ポリマーを加熱して粘性相を形成することと、ナノダイヤモンド濃縮物ペレットを第2の熱可塑性ポリマー粘性相に配合することと、結果として得られる混合物を押出しすることとを含んでいてもよい。代わりに、熱可塑性繊維を準備するステップは、ダイヤモンド濃縮物ペレットと、第2の熱可塑性ポリマーのペレットとを押出し機に供給し、つづいて、ペレットの混合物を、第1および第2の熱可塑性ポリマーが粘性相を形成してその中にダイヤモンド粒子が分散されるようにして加熱することを含んでいてもよい。望ましくは、第2の熱可塑性ポリマーのペレットおよびダイヤモンド濃縮物ペレットは個別に、慎重に制御された量で押出し機に供給して、所定の濃度のダイヤモンドを含有するナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を製造する。
押出しは、連続したナノダイヤモンド含有熱可塑性フィラメントを製造するように制御してもよい。代わりに、押出された材料を、分割または切断して、制御された長さを有する繊維、例えばステープル繊維を製造してもよい。多くのフィラメントまたは繊維を同時に製造し、そして組み合わせてヤーンを準備することが多い。
各繊維は、広範囲の径を有していてもよい。いくつかの実施形態では、繊維は、ミクロン範囲の(例えば、1μmと100μmの間の)径を有していてもよい。実例としては、いくつかの実施形態では、繊維は、約2μmから約50μm、または約3μmから約30μm、または約5μmから約20μm、または約5μmから約15μm、または約7μmから約11μm、または約9μmの範囲の径を有していてもよい。繊維の長さは、繊維の所望の最終用途に応じて選択してもよい。本開示は、連続フィラメントの押出しに向け準備されるので、本開示から製造された繊維の長さは、実質的に無制限である。
繊維はまた、(例えば、所望の断面を製造するように設計された一つまたは複数の開口部を使用することにより)押出して、所望の断面を有するようにしてもよい。実例としては、いくつかの実施形態では、繊維はまた、円形の断面または実質的に円形の断面を有していてもよい。他の実施形態では、繊維はまた、例えば、三角形の断面、卵形の断面、鋸歯状の断面、葉状の断面、及び同種のものを含め、様々な形状の断面を有していてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、繊維はまた、繊維の中心が中空となるように押出してもよい。
繊維はまた、フィラメント当たりのデニール(dpf)に関して従来測定されている広範囲の線質量密度(例えば繊度)を有するように準備してもよい。いくつかの実施形態では、実例として、繊維は非常に繊細で、マイクロデニール以内(1dpf未満)の線質量密度を有していてもよい。実例としては、いくつかの実施形態において、繊維は、約0.4dpfと1.0dpfの間、または約0.5dpfと1.0dpfの間、または0.6dpfと1.0dpfの間、または0.7dpfと1.0dpfの間の線質量密度を有していてもよい。他の実施形態では、繊維は、1.0dpfより大きい線質量密度を有していてもよい。
本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、従来技術を使用してヤーンに変換してもよい。例えば、ナノダイヤモンド含有フィラメントをいっしょに紡績してヤーンを準備してもよい。代わりに、ナノダイヤモンド含有ステープル繊維を混紡してヤーンを準備してもよい。多くの応用では、ヤーンが、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を、一つまたは複数のその他の一般的な織物材料との組み合わせで含むことが所望される場合がある。一般的な織物材料とは、それらの天然繊維、セルロース繊維、および織物業界における使用向けの概して公知の種類の合成繊維を指す。例えば、一般的な織物材料には、綿、亜麻、絹、毛糸、カラムシ、ポリエステル、ナイロン、レーヨン、スパンデックス、穀物系繊維などの植物系繊維、麻繊維、黄麻、ポリプロピレン、ポリベンズイミダゾール、アセタート、アクリル類、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらには限定されない。
実例としては、ナノダイヤモンド含有フィラメントを、従来のヤーン作製工程を使用して一つまたは複数のその他の織物フィラメントとともに紡績して、実質的に均一なヤーンを準備してもよい。紡績してヤーンにする各タイプのフィラメントの数は、製造されるヤーンが所望の組み合わせの特性を有するように選択してもよい。紡績は、例えば、オープンエンド紡績、リング紡績、またはエアジェット紡績を含む、あらゆる公知の方法により生じることもある。
代わりに、ナノダイヤモンド含有ステープル繊維と、一つまたは複数のその他の織物材料のステープル繊維とを混紡して、例えば緊密な混紡物にすることにより、実質的に均一なヤーンを製造してもよい。いくつかの実施形態では、所望の割合の各繊維をヤーン作製工程の「開繊」ステップに導入することにより、緊密な混紡物を準備する。典型的には、ヤーン作製工程の開繊ステップは、典型的には空気および機械による作用の組み合わせを通じて、加工用の繊維の塊を開くまたは分離するように構成された工程を含む。ヤーン作製工程は概して、「梳綿」ステップを進めるが、このステップでは繊維は実質的に平行にされて、ロープ状ストランドを形成する。つづいて、このロープ状ストランドは通常、所望の量の延伸および/または撚りを加えて、所望の程度の締りを有するヤーンフィラメントを提供する。工程における最終的なステップは、「紡績」ステップであり、この工程では、ヤーンフィラメントを一緒に紡績してヤーンを形成する。紡績は、例えば、オープンエンド紡績、リング紡績、またはエアジェット紡績を含む、あらゆる公知の方法により生じる場合がある。
認識されるであろうとおり、本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、多様な理由から、一つまたは複数のその他の織物材料と混紡してもよい。実例としては、いくつかの実施形態では、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、低価格の織物材料と組み合わせて、コストを抑えてもよい。他の実施形態では、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、速乾性の応用向けの低い吸水性/水分率のヤーン(例えば、ポリエステル)と組み合わせてもよい。
本開示のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含むヤーンを用いて準備した布を提供することもまた、本開示の目的である。これらの布は、衣服およびその他の物品の製造における使用向けに構成してもよい。ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の組み込みにより、例えば、向上した冷却効果(例えば着用者から遠くに熱伝達を向上させることによる)、向上した強度、向上した伸び率、向上した柔軟性、およびそれらの組み合わせを含む強化された特性を特徴とする布を提供してもよい。
ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、織布、編布、およびその他の不織布の製造に使用してもよい。様々な不織布を準備するさいには、例えば、ステープル繊維を使用して、水流交絡されニードルパンチされた基材を作ることができる。代わりに、スパンボンド、メルトブロー不織布を直接作り、その場合にナノダイヤモンドをポリマーに含侵させることができる。ナノダイヤモンド系材料には、本明細書に記載の熱可塑性材料のいずれかでできたメンブレン、フィルム、およびシートなどを挙げることもできる。そうしたメンブレン、フィルム、およびシートは、アパレル用品、例えばジャケットおよび靴に使用することができる。
多くの実施形態では、布は、広く織物材料から準備したような従来のヤーン組み合わせた、本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有ヤーンを含んでいてもよい。織布では、例えば、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、経ヤーン、緯ヤーン、または両方に使用してもよい。さらに、所望の、そして制御された量のナノダイヤモンド含有ヤーンを、従来の往復する杼投げ技術を使用して、経糸、緯糸、または両方の中に導入してもよい。
いくつかの実施形態では、ナノダイヤモンド含有繊維を含むヤーンが、布の裏面、すなわち、衣服にした場合に着用者と接触するように構成された布の表面上に主に露出するように、布を構成することが所望される場合がある。これにより、着用者から遠くにそして布の外面へ熱を伝達させる能力が強化された衣服が提供される場合がある。織布では、例えばこれは、緯糸と経糸の二つのいずれが布の裏面上に主に露出するかに応じて、緯糸だけまたは経糸だけにナノダイヤモンド含有繊維を組み込むことにより実現してもよい。
同様に、いくつかの実施形態では、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含む布を、多層の衣服の内層として使用してもよい。実例としては、履物への応用では、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含む布を、着用者の足から履物の外側へ熱を伝達させるために、内層として使用してもよい。
衣服に加えて、本明細書に記載の布はまた、熱の管理が所望される場合、例えば、バックパックなどの付属品において、そして自動車の座席などの座席、オフィスの椅子、及び同種のものにおいて、技術用布として使用してもよい。サンプルヤーン
ヤーンおよび布において本開示のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の実施形態の使用により提供される様々な利点を実証するために、三つのサンプルの半延伸ヤーン(POY)を準備した。対照サンプルヤーンは、ダイヤモンドを有さないナイロン6,6フィラメントから準備した。第1の実験サンプル(実験サンプル1)ヤーンを、0.0125重量%のナノダイヤモンド粒子を有するナイロン6,6フィラメントから準備した。第2の実験サンプル(実験サンプル2)ヤーンを、0.025重量%のナノダイヤモンド粒子を有するナイロン6,6フィラメントから準備した。サンプルヤーンのそれぞれは、34本のフィラメントを含み、約95のデニールを有していた[ヤーンのデニールは、上記のフィラメントデニールとは異なることに留意されたい]。
本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、強化された強度を備えたヤーンを提供することが見出された。例えば、上記のサンプルヤーンは、STATIMAT ME+テンサイル・テスタ(Tensile Tester)を使用して試験した。このテンサイル・テスタに、以下の試験パラメータ:試験方法:基準引張り試験;ゲージ長さ:200mm;試験スピード:400mm/分;予張力:0.5cN/tex;ロードセル:10N、をプログラムした。テンサイル・テスタを用いて、サンプルヤーンを一定の延伸速度で、ヤーンが機能不全、すなわち、破断するまで伸長させた。サンプルヤーンのそれぞれが伸長すると、ヤーンに加わる力をロードセルが測定した。各ヤーンの機能不全を生じさせるのに要求される力は、ヤーンの強度を示す。各サンプルヤーンを、このようにして8時間、試験した。
この試験の結果を、表1に示す。とりわけ、実験サンプル1のヤーンがナノダイヤモンド粒子を含むことにより、対照サンプルよりもヤーン強度が平均して約1%増加した。実験サンプル2のヤーンがナノダイヤモンド粒子を含むことにより、対照サンプルよりもヤーン強度が平均して約3%増加した。また、ヤーンのサイズの小さい変動を説明するために強度の結果を規格化した。したがって、表1はまた、デニールあたりのグラムであるGPD(各サンプルについての平均強度をグラム換算にして、サンプルの平均デニールで除算する)で、各サンプルの平均強度を識別している。
本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の実施形態は、ナノダイヤモンドを含まない熱可塑性ポリマーから準備したヤーンと比較して、少なくとも1%の強度の増加、または少なくとも2%の強度の増加、または少なくとも3%強度の増加、または少なくとも4%の強度の増加、または少なくとも5%の強度の増加、または少なくとも6%の強度の増加、または少なくとも7%の強度の増加、または少なくとも8%の強度の増加を伴うヤーンを提供することが見出されている。この強度の増加により、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維およびヤーンは、熱の管理と強度の組み合わせが所望される衣服およびその他の物品向けの布を準備するのに特に好適なものとなる。
本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維はまた、強化された伸び率を備えたヤーンを提供することも見出された。例えば、上記のサンプルヤーンを、STATIMAT ME+テンサイル・テスタを使用して試験した。このテンサイル・テスタに、以下の試験パラメータ:試験方法:基準引張り試験;ゲージ長さ:200mm;試験スピード:400mm/分;予張力:0.5cN/tex;ロードセル:10N、をプログラムした。テンサイル・テスタを用いて、サンプルヤーンを一定の延伸速度で、ヤーンが機能不全、すなわち、破断するまで伸長させた。機能不全での伸び率の程度を、ヤーンの伸び率として測定した。各サンプルヤーンを、このようにして8時間、試験した。この試験の結果を、表1に示す。とりわけ、実験サンプル1のヤーンがナノダイヤモンド粒子を含むことにより、対照サンプルよりもヤーンの伸び率が平均して約4%増加した。実験サンプル2のヤーンがナノダイヤモンド粒子を含むことにより、対照サンプルよりもヤーンの伸び率が平均してわずかに増加した。
意外なことに、本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の実施形態は、顕著な強度の増加を伴うヤーン、例えば上記のものを、これに対応して伸び率を顕著に減少させることなく提供することが見出された。いくつかの実施形態では、例えば、本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維から準備したヤーンの伸び率は、ナノダイヤモンドを含まない熱可塑性ポリマーから準備したヤーンのものの約3%以内、または約2%以内、または約1%以内となる場合がある。いくつかの実施形態では、意外なことに、強度の増加は伸び率の増加を伴う場合がある。例えば、本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維から準備したヤーンのいくつかの実施形態は、ナノダイヤモンドを含まない熱可塑性ポリマー繊維から準備したヤーンのものと比較して、少なくとも1%の伸び率の増加、または少なくとも2%の伸び率の増加、または少なくとも3%の伸び率の増加、または少なくとも4%の伸び率の増加、または少なくとも5%の伸び率の増加を有する場合がある。
また、各サンプルヤーンを、ダイナミック・サーマル・アナライザ(Dynamic Thermal Analyzer)(ダイナフィル(Dynafil))上で引張り力試験により試験したが、この装置は、フィラメントの向きを測定するものである。表1に示すとおり、ナノダイヤモンドを含んでいても、結果に顕著な効果はないことが見出された。また、各サンプルヤーンを試験して、ナノダイヤモンドを含むことが、ヤーン径の均等性に効果があるかどうかを決定した。表1に示すとおり、各サンプルヤーンは、1.0未満のウスター(Uster)百分率の値(1.0未満の結果は概して有利な結果とみなされる)を有することが見出された。したがって、ナノダイヤモンドを含んでいても、ヤーンの均等性に顕著な効果はないことが見出された。
本開示のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維の実施形態をヤーンおよび布に使用することより提供される様々な利点をさらに実証するために、複数のサンプル布を準備した。
サンプル編布
対照および実験の編布を準備し多様な試験にかけた。対照編布サンプルを、ダイヤモンドを含有量のないナイロン6,6繊維から形成したかさ高加工ヤーンから、従来技術を使用して布を編むことにより準備した。実験編布サンプル(実験布または第1の実験布とも称する)を、0.025重量%のナノダイヤモンド粒子を有するナイロン6,6フィラメントのヤーンから形成したかさ高加工ヤーンから、同一の従来技術を使用して布を編むことにより準備した。
熱伝導性
対照および実験布の両方を、過渡的平面熱源法(Hot Disk Transient Plane Source Technique)(TPS2500S、サームテスト(Thermtest))を使用して試験した。この方法は、0.005W/m・Kという低い熱伝導性を測定する絶対方法を提供する。各サンプルの熱伝導性を5時間測定し、5つの試験の結果を平均した。対照サンプルの平均の熱伝導性は0.0862W/m・Kであった。実験サンプルの平均の熱伝導性は0.0915W/m・Kであった。したがって、実験サンプルの繊維にナノダイヤモンド粒子を含むことにより、布の熱伝導性が約6%増加した。
本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、強化された熱伝導性を備えた布を提供することが見出された。本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を用いて準備した布の実施形態は、ナノダイヤモンドのない熱可塑性ポリマーを用いて準備した布と比較して、少なくとも2%の熱的伝導性の増加、または少なくとも3%の熱的伝導性の増加、または少なくとも4%の熱伝導性の増加、または少なくとも5%の熱伝導性の増加、または少なくとも6%の熱伝導性の増加、または少なくとも7%の熱伝導性の増加、または少なくとも8%の熱伝導性の増加、または少なくとも9%の熱伝導性の増加、または少なくとも10%の熱伝導性の増加を有する。この熱伝導性の増加により、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、熱の管理が所望される衣服およびその他の物品向けの布を準備するのに特に好適なものとなる。
加熱および冷却特性
対照および実験の編布はまた、自然な日光を模倣するように設計されたハロゲンランプに各布を曝露した時に加熱および冷却する速度の調査にかけた。この調査では、対照および実験編布サンプルのそれぞれの一方の側を、50cmの距離で500Wのハロゲンランプに曝露した。各サンプル布の温度は、FLIRT620赤外(IR)カメラを用いて測定した。具体的には、IRカメラを、ハロゲンランプに対しサンプル布の反対側に配置した。このようにして、IRカメラは、ハロゲンランプからの光に直接的には曝露されない布の側の温度を測定した。
対照および実験の編布サンプルのそれぞれをハロゲンランプに15分間、曝露した。15分の曝露の後、ハロゲンランプを除去し、サンプルを15分間、放冷した。温度測定は、各サンプル布上で実質的に同一の3点において取得し、3点での温度を各対照および実験サンプル布について平均した。この試験の結果を図1に示す。図1から分かるとおり、ナノダイヤモンド含有実験布は、対照サンプルよりも低い加熱速度および大きい冷却速度を有していた。実例としては、実験サンプルは、対照サンプルより0.26℃低い、加熱段階での平均温度を有することが見出された。同様に、実験サンプルは、対照サンプルより0.23℃低い、冷却段階での平均温度を有することが見出された。したがって、ナノダイヤモンド含有布は、その減少した加熱速度および増加した冷却速度に起因して、衣服の冷却効果を向上させる場合がある。さらに、実験およびサンプル布の実質的に同一の部分は、加熱段階では1.70℃だけ異なり(すなわち実験布の部分は対照より1.70℃低かった)、そして冷却段階では1.78℃だけ異なっていた(すなわち実験布の部分は対照より1.78℃低かった)。したがって、サンプル布の部分についての加熱および冷却速度の差は、比較的短い15分の試験段階の範囲内であってさえもかなり本質的であった。
また、対照および実験の編布サンプルのそれぞれを、結果として生じる各サンプルの温度増加を長時間にわたり調査するために、ハロゲンランプに12時間曝露した。この試験の結果を、図2に示す。図2から分かるとおり、約1時間後には、実験サンプルと対照サンプルの間に約1.1℃の差があった(すなわち、実験布は対照布より約1.1℃低かった)。約3時間後、この差は約1.9℃に増加した。約6時間の後には約2.0℃の差に達した。したがって、本開示のナノダイヤモンド含有布により提供される冷却効果は、かなり顕著となる場合がある。
本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、日光(または上の試験で使用された模倣された日光)を受けた場合に、強化された涼しさを備えた布を提供することが見出された。実例としては、日光(または上の試験で使用された模倣された日光)を受ける場合、本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を用いて準備した布の実施形態は、ナノダイヤモンドのない熱可塑性ポリマーを用いて準備した布と比較して、少なくとも1.0℃の温度の低減、または少なくとも1.5℃の温度の低減、または少なくとも1.7℃の温度の低減、または少なくとも1.9℃の温度の低減、または少なくとも2.0℃の温度の低減を提供する場合がある。この強化された涼しさにより、ダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、熱の管理が所望される衣服およびその他の物品向けの布を準備するのに特に好適なものとなる。
涼しい肌触り特性
さらなる試験のために、第2の実験サンプル編布を0.0125重量%のナノダイヤモンド粒子を有するナイロン6,6フィラメントから形成されたかさ高加工ヤーンから、前記の同一の従来技術を使用して、布を編むことにより準備した。第1の実験布(0.025重量%のナノダイヤモンド粒子を有するナイロン6,6フィラメントから構成される)、第2の実験布、および対照布のそれぞれを、ファブリック・タッチ・テスタ(Fabric Touch Tester)(FTT、SDS ATLAS M293)で試験したが、この装置は、サンプル布のそれぞれの熱伝達特性を測定するものであった。具体的には、ファブリック・タッチ・テスタは、最大の熱フラックス、すなわちQ−maxを測定したが、これは圧縮の最中に伝達される最大エネルギーである。それは概して、人の皮膚と布との間に生じる熱伝達に関するので、Q−maxを使用して、布がいかに涼しい触り心地に感じられるかの一般的な表示を提供することができる。具体的には、布のQ−max値が大きいほど、布は涼しい肌触りに感じられることになる。サンプル布の(W/m2の単位での)Q−maxの結果を図3に示す。図3からわかるとおり、第1の実験サンプル布(かさ高加工ND2として識別されるもの)は、対照サンプルより約14%大きいQ−maxを有し、第2の実験サンプル布(かさ高加工ND1として識別さられるもの)は、対照サンプルより約4%大きいQ−maxを有していた。
本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、強化された涼しい肌触り特性を備えた布を提供することが見出された。本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を用いて準備した布の実施形態は、ナノダイヤモンドのない熱可塑性ポリマーを用いて準備した布と比較して、少なくとも4%のQ−maxの増加、または少なくとも6%のQ−maxの増加、または少なくとも8%のQ−maxの増加、または少なくとも10%のQ−maxの増加、または少なくとも12%のQ−maxの増加を有する場合がある。この強化された涼しさにより、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、熱の管理が所望される衣服およびその他の物品向けの布を準備するのに特に好適なものとなる。
柔軟性
またファブリック・タッチ・テスタを使用して、サンプルの表面摩擦係数を測定した。布の表面摩擦係数は、柔軟な材料が肌触りにいかに感じられるかの表示を提供する。表面摩擦係数の結果を図4に示す。図4からわかるとおり、第1の実験サンプル布(ND2として識別されるもの)は、対照サンプル布より約13%低い表面摩擦係数を有していた。同様に、第2の実験サンプル布(ND1として識別されるもの)は、対照サンプル布より約16%低い表面摩擦係数を有していた。
本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、強化された柔軟性を備えた布を提供することが見出された。ナノサイズのダイヤモンド粒子は、布の表面上で回転する構成要素として作用する場合があるので、それらは、布の表面と、接触する表面との間の摩擦を低減する役割をはたす。このことにより、肌触りへの強化された平滑性および/または柔軟性を備えた布が提供される場合がある。本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を用いて準備した布の実施形態は、ナノダイヤモンドのない熱可塑性ポリマーを用いて準備した布と比較して、少なくとも5%の柔軟性の増加(すなわち、少なくとも5%の表面摩擦係数の増加)、または少なくとも7%の柔軟性の増加、または少なくとも10%の柔軟性の増加、または少なくとも12%の柔軟性の増加、または少なくとも15%の柔軟性の増加を有する場合がある。この強化された柔軟性により、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、強化された快適性が所望される衣服およびその他の物品向けの布を準備するのに特に好適なものとなる。
消費者試験
消費者ベースの調査を実行して、ナノダイヤモンド含有編布が、消費者となる得る人たちによって、対照のナイロン編布より涼しいおよび/または柔軟であると感じられるかどうかをさらに試験した。具体的には、0.025重量%のナノダイヤモンド粒子を有するナイロン6,6フィラメントから形成された第1の実験サンプル編布を、ナノダイヤモンド含有量のないナイロン6,6フィラメントから形成された対照サンプル編布に対して比較した。16人を招いて、二つの布を、触り心地により盲検評価した。調査における66%の人は、ナノダイヤモンド含有実験布が対照布より肌触りが涼しいと感じられることが見出された。調査における54%の人は、ナノダイヤモンド含有実験布が、対照布より柔軟であると感じられることが見出された。よって、消費者ベースの調査からは、涼しさおよび柔軟性の増加が商用という立場から顕著であることが確認される。
ガラス転移および溶融温度
また実験編布を試験して、熱可塑性ポリマー繊維中へのナノダイヤモンドの導入が、布および/または衣服作りの業界内で関連のある特定の繊維特性に影響したかどうかを決定した。具体的には、0.025重量%のナノダイヤモンド粒子を有するナイロン6,6フィラメントから形成された第1の実験サンプル編布と、ナノダイヤモンド含有量のないナイロン6,6フィラメントから形成された対照サンプル編布とを試験して、ガラス転移温度および溶融温度を決定した。試験は、示差走査型熱量計(DSC6000、パーキン・エルマー・プリサイスリ(Perkin Elmer Precisely))を使用して実行した。実験布および対照布のガラス転移温度および溶融温度は、同様であることが見出された。したがって、ナノダイヤモンド含有繊維は、ヤーン、布、および衣服を作るのに好適であると見なされる。
サンプル織布
また対照および実験の織布を準備し多様な試験にかけた。対照サンプル布は、ダイヤモンド含有量を有さないナイロン6,6繊維から形成されるかさ高加工ヤーンを用い、従来技術を使用して、布を織ることにより準備した。実験布サンプルは、0.025重量%のナノダイヤモンド粒子を有するナイロン6,6フィラメントから形成されたかさ高加工ヤーンを用い、同一の従来技術を使用して、布を織ることにより準備した。具体的には、対照および実験の布のそれぞれを、60×44の経糸×緯糸密度(すなわち、1インチあたりの縦の打ち込み本数×1インチあたりの横の打ち込み本数)を有する3/1のZ撚りの綾織として準備した。各布の経糸は、従来の綿糸から形成した。各布の緯糸は、2/70/34のかさ高加工ナイロンヤーンから形成した。具体的には、対照布の緯糸は、かさ高加工ナイロン6,6ヤーンから形成したが、ヤーンは、ダイヤモンドを有さないナイロン6,6フィラメントから形成した。実験布の緯糸は、かさ高加工ナノダイヤモンド含有ナイロン6,6ヤーンから形成したが、ヤーンは、約0.025重量%のナノダイヤモンドを含有するナイロン6,6フィラメントから形成した。したがって、布のそれぞれは(a)約72%の綿、および(b)約28%のナイロン(対照)またはナノダイヤモンド含有ナイロン(実験)から形成した。
加熱および冷却特性
対照および実験の織布は、自然な日光を模倣するように設計されたハロゲンランプに各布を曝露した時に加熱および冷却する速度の調査にかけた。この調査では、対照および実験の織布サンプルのそれぞれの一方を、50cmの距離で500Wのハロゲンランプに曝露した。各サンプル布の温度は、FLIRT620赤外(IR)カメラを用いて測定した。具体的には、IRカメラを、ハロゲンランプに対しサンプル布の反対側に配置した。この方法では、IRカメラは、ハロゲンランプからの光に直接的には曝露されない布の側の温度を測定した。
対照および実験の織布サンプルのそれぞれをハロゲンランプに15分間、曝露した。15分の曝露の後、ハロゲンランプを除去し、サンプルを15分間、放冷した。温度測定は、各サンプル布上で実質的に同一の3点において取得し、3点での温度を各対照および実験サンプル布について平均した。この試験の結果を図5に示す。図5から分かるとおり、ナノダイヤモンド含有実験布は、対照サンプルよりも低い加熱速度および大きい冷却速度を有していた。実例としては、実験サンプルは、対照サンプルより0.37℃低い、加熱段階での平均温度を有することが見出された。同様に、実験サンプルは、対照サンプルより0.14℃低い、冷却段階での平均温度を有することが見出された。したがって、ナノダイヤモンド含有布は、その減少した加熱速度および増加した冷却速度に起因して、衣服の冷却効果を向上させた。さらに、実験およびサンプル布の実質的に同一の部分は、加熱段階の最中に0.90℃だけ異なっていた(すなわち実験布の部分は対照より0.90℃低かった)。したがって、サンプル布の部分についての加熱速度の差は、比較的短い15分の段階の範囲内であってさえもかなり本質的であった。
また、対照および実験の織布サンプルのそれぞれを、結果として生じる各サンプルの温度増加を長時間にわたり調査するために、ハロゲンランプに12時間曝露した。この試験の結果を、図6に示す。図6から分かるとおり、約1時間後には、実験サンプルと対照サンプルの間に約1.0℃の差があった(すなわち、実験布は対照布より約1.0℃低かった)。約3時間後、この差は約1.9℃に増加した。約6時間の後には約2.0℃の差に達した。したがって、本開示のナノダイヤモンド含有布により提供された冷却効果は、かなり顕著となる場合がある。
開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、日光(または上の試験で使用された模倣された日光)を受けた場合に、強化された涼しさを備えた布を提供することが見出された。実例としては、日光(または上の試験で使用された模倣された日光)を受ける場合、本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を用いて準備した布の実施形態は、ナノダイヤモンドのない熱可塑性ポリマーを用いて準備した布と比較して、少なくとも1.0℃の温度の低減、または少なくとも1.5℃の温度の低減、または少なくとも1.7℃の温度の低減、または少なくとも1.9℃の温度の低減、または少なくとも2.0℃の温度の低減を提供する場合がある。この強化された涼しさにより、レンダリングナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、熱の管理が所望される衣服およびその他の物品向けの布を準備するのに特に好適なものとなる。
消費者試験
消費者ベースの調査を実行して、ナノダイヤモンド含有織布が、消費者となり得る人たちにより、対照のナイロン編布より涼しいおよび/または柔軟であると感じられるかどうかを試験した。具体的には、実験織布を対照織布に対して比較した。16人を招いて、二つの布を、触り心地により盲検評価した。調査における67%の人は、ナノダイヤモンド含有実験布が、対照布より肌触りが涼しいと感じられることが見出された。調査における73%の人は、ナノダイヤモンド含有実験布が、対照布より柔軟であると感じられることが見出された。よって、消費者ベースの調査からは、本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維が、商用的に顕著な涼しさおよび柔軟性の増加を有する織布を提供することが確認される。
引張り強度
対照および実験の織布を、ナノダイヤモンドを組み込むことが布の引張り特性に効果があるかどうか決定するために調査にかけた。対照および実験の織布の両方を、インストロン3384(Instron 3384)装置を用いASTM 5035試験法を使用して試験した。試験の速度は12インチ/分に、ゲージ長さは3インチに、ロードセルは5kNに、そして繊維方向は緯に設定した。試験の結果を表2に示し、図6に図示する。自明であるように、実験サンプル(ナノダイヤモンドを含有する)は対照サンプルと比較して、さらに高い負荷および歪みを発揮した。
表2からわかるとおり、本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、強化された引張り強度(約16%)および伸び率(約3%)を備えた布を提供すことが見出された。
本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、強化された引張り強度を備えた布を提供することが見出された。本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を用いて準備した布の実施形態は、ナノダイヤモンドのない熱可塑性ポリマーを用いて準備した布と比較して少なくとも5%の引張り強度の増加、または少なくとも7%の引張り強度の増加、または少なくとも10%の引張り強度の増加、または少なくとも12%の引張り強度の増加、または少なくとも15%の引張り強度の増加を有する場合がある。この強化された引張り強度により、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、強化された強度が所望される衣服およびその他の物品向けの布を準備するのに特に好適なものとなる。
布の強度のこれらの増加にかかわらず、本開示の実施形態のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維は、布の伸び率の特性にそれほど顕著には影響しないことが見出された。例えば、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を用いて準備した布の実施形態の伸び率の特性は、ナノダイヤモンドのない熱可塑性繊維を用いて準備した布と比較した繊維の伸び率特性の約±4%以内、または約±3%以内、または約±2.5%以内、または約±2%以内、または約±1.5%以内、または約±1%以内にある場合がある。意外なことに、いくつかの実施形態では、ナノダイヤモンドの組み込みにより、強化された伸び率の特性を有する布が得られるという結果になる場合さえある。実例としては、本明細書で開示されたナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を用いて準備した布の実施形態は、ナノダイヤモンドのない熱可塑性繊維を用いて準備した布と比較して、少なくとも0.5%の伸び率の増加、または少なくとも1%の伸び率の増加、または少なくとも1.5%の伸び率の増加、または少なくとも2%の伸び率の増加、または少なくとも2.5%の伸び率の増加を有する場合がある。
記載の実施形態が、独自で新規のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維と、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維、およびナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含み当技術分野のものにまさる複数の利点を有する布を作る方法とを提供することが確認された。本発明を具現化する特定の具体的な構造が本明細書に示され記載されている一方で、添付請求項の範囲により示されているのでない限りは、部分の様々な修正および再編成が、根底にある新規概念の趣旨および範囲から逸脱することなくなされてもよいこと、そしてそれらが、本明細書に示されたそして記載された特定の形態に限定されないことは当業者には明白となろう。

Claims (29)

  1. 少なくとも98.0重量%の熱可塑性ポリマーと、
    約2nmと約500nmの間の粒子サイズを有する約0.001重量%から約0.25重量%のダイヤモンド粒子と
    を含む材料を溶融押出しして;
    繊維全体を通して実質的に均一に分配されたダイヤモンド粒子を有する繊維を製造することを含む、ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備する方法。
  2. 前記ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維が、約0.005重量%から約0.100重量%のダイヤモンド粒子を含有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱可塑性ポリマーが:ポリエステル類、ポリプロピレン、ポリカルボナート、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリエチレンナフタラート(PEN)、ポリブチレンナフタラート(PBN)、ポリトリメチレンナフタラート(PTN)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリ(p−フェニレンスルフィド))(PPS)、ポリアミド類(ナイロン)、熱可塑性ポリウレタン類(TPU)、熱可塑性エラストマー類(TPE)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記熱可塑性ポリマーが一つまたは複数のポリアミド類を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記熱可塑性ポリマーが、ナイロン6,6;ナイロン6;またはそれらの組み合わせを含む、請求項4に記載の方法。
  6. 前記ダイヤモンド粒子が約2nmと約10nmの間の粒子サイズを有する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記溶融押出しが、以下の:
    a. 第1の熱可塑性ポリマーと、
    約0.1重量%から約10重量%のダイヤモンド粒子と、
    約0.1重量%から約1重量%の分散剤と
    を含むダイヤモンド濃縮物ペレットを準備すること;および
    b. 前記第2の熱可塑性ポリマーとステップ(a)で準備したダイヤモンド濃縮物ペレットとの混合物を溶融押し出しすることによりナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を準備すること、の少なくとも二つのステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記第2の熱可塑性ポリマーがポリアミドである、請求項7に記載の方法 。
  9. 前記第1の熱可塑性ポリマーがポリアミドである、請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1の熱可塑性繊維がナイロン6であり、前記第2の熱可塑性ポリマーがナイロン6,6である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記第1の熱可塑性ポリマーおよび前記第2の熱可塑性ポリマーが互いに異なる、請求項7に記載の方法。
  12. 前記第1の熱可塑性ポリマーおよび前記第2の熱可塑性ポリマーが同一である、請求項7に記載の方法。
  13. 前記分散剤が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、またはそれらの混合物を含む、請求項7に記載の方法。
  14. ステップ(a)が、前記第1の熱可塑性ポリマーを加熱して粘性相を形成することと、前記ナノダイヤモンド粒子および分散剤を前記第1の熱可塑性ポリマーに配合することと、結果として得られる混合物を押出すこととを含む、請求項7に記載の方法。
  15. ステップ(b)が、前記第2の熱可塑性ポリマーのペレットおよび前記ダイヤモンド濃縮物ペレットを、制御された量で押出し機の中に供給して、所定の濃度のナノダイヤモンドを含有するナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を製造することを含む、請求項7に記載の方法。
  16. 前記ダイヤモンド粒子を組み込むことにより、前記ダイヤモンド粒子を含まない繊維と対照的に少なくとも5%の繊維の熱伝導性の増加が生じる、請求項1に記載の方法。
  17. 前記ダイヤモンド粒子を組み込むことにより、前記ダイヤモンド粒子を含まない繊維にまさる繊維の強度の実質的な増加が生じ、伸び率の実質的な増加のない、請求項1に記載の方法。
  18. 約99.0重量%から約99.9重量%の熱可塑性ポリマーと;約0.001重量%から約0.25重量%のダイヤモンド粒子であって、約2nmと約500nmの間の粒子サイズを有するダイヤモンド粒子と;約0.002重量%と約0.02重量%の分散剤と、を含むナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維。
  19. 前記熱可塑性ポリマーがナイロンである、請求項18に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維。
  20. 前記分散剤が、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、またはそれらの混合物を含む、請求項18に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維。
  21. 前記ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維が、約0.005重量%から約0.100重量%のダイヤモンド粒子を含む、請求項18に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維。
  22. 前記ダイヤモンド粒子が約2nmと約10nmの間の粒子サイズを有する、請求項21に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維。
  23. 前記ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維が、熱可塑性ポリマーのみを含有する繊維より少なくとも5%高い熱伝導性を有する、請求項18に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維。
  24. 前記ナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維が、熱可塑性ポリマーのみを含有する繊維より少なくとも4%高い強度、そして熱可塑性ポリマーのみを含有する繊維の約2%以内の伸び率を有する、請求項18に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維。
  25. 窒化ホウ素、黒鉛、グラフェン、シリカ、一つまたは複数のアルミノケイ酸塩、またはそれらの組み合わせの約0.001重量%から約0.25約%のサブミクロン粒子をさらに含む、請求項18記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維
  26. 請求項18に記載のナノダイヤモンド含有熱可塑性繊維を含む布。
  27. 請求項26に記載の布を含み、着用者の身体から遠くに熱を伝達するように構成される衣服。
  28. 少なくとも98.0重量%の熱可塑性ポリマーと、
    約2nmと約500nmの間の粒子サイズを有する約0.005重量%から約0.100重量%のダイヤモンド粒子であって、繊維全体を通して実質的に均一に分配されたダイヤモンド粒子とを有する繊維
    を準備すること;
    前記繊維をヤーンに組み込むこと;および
    前記ヤーンを含む布を準備すること;を含む、布の熱伝導性を増加させる方法であって、
    前記ダイヤモンド粒子を前記布に組み込むことにより、前記ダイヤモンド粒子を含まない布と対照的に、少なくとも5%の布の熱伝導性の増加が生じる方法。
  29. 少なくとも98.0重量%の熱可塑性ポリマーと、
    約2nmと約500nmの間の粒子サイズを有する、約0.005重量%から約0.100重量%のダイヤモンド粒子であって、繊維全体を通して実質的に均一に分配されたダイヤモンド粒子と
    を有する繊維を準備すること;
    前記繊維をヤーンに組み込むこと;および
    前記ヤーンを含む布を準備すること;を含む、布の伸び率を顕著に損失させずに布の強度を増加させる方法であって、
    前記ダイヤモンド粒子を前記布に組み込むことにより、前記ダイヤモンド粒子を含まない織布と対照的に、織布の強度の実質的な増加が生じ、伸び率の実質的な増加のない方法。
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