JP2020204333A - 遊星ローラ式動力伝達装置及び取り付け方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアプレートに対する駆動ピンの取り付け精度を高くする。【解決手段】遊星ローラ式動力伝達装置10は、固定輪14と、第一軸(太陽軸)11と、複数の遊星ローラ15と、複数の遊星ローラ15をそれぞれ回転自在に支持する複数の駆動ピン16と、複数の駆動ピン16を取り付けているキャリアプレート17とを備える。キャリアプレート17に、駆動ピン16を挿入状として取り付けている複数の第一孔51と、第一孔51と異なる位置の第二孔52とが設けられている。キャリアプレート17は、第二孔52に締め代を有して取り付けられ、第一孔51を弾性変形させることで当該第一孔51が駆動ピン16を締め付けた状態とするための締め付けピン50を有する。【選択図】図1

Description

本開示は遊星ローラ式動力伝達装置、及び、駆動ピンをキャリアプレートに取り付ける方法に関する。
各種の回転装置において、低振動かつ低騒音で回転変動の少ない変速機が必要とされることがある。その場合、遊星ローラ式動力伝達装置(トラクションドライブ)が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
遊星ローラ式動力伝達装置は、図9に示すように、ハウジング96に取り付けられている固定輪91と、ハウジング96が有する転がり軸受97によって回転可能に支持されている太陽軸92と、複数の遊星ローラ93と、複数の駆動ピン94と、キャリアプレート95とを備える。遊星ローラ93は固定輪91と太陽軸92との間に設けられている。キャリアプレート95は円板状の部材である。キャリアプレート95に、駆動ピン94が取り付けられている。駆動ピン94は、遊星ローラ93を回転自在に支持している。
遊星ローラ93は、固定輪91及び太陽軸92に対して負すきまとなるようにして、これらの間に組み込まれる。このため、遊星ローラ93と、固定輪91及び太陽軸92それぞれとの間には所定の圧接力(接触力)が生じる。太陽軸92が回転すると、太陽軸92と遊星ローラ93との間の摩擦力により、太陽軸92の回転力が遊星ローラ93に伝達され、遊星ローラ93は駆動ピン94を中心軸として回転する。遊星ローラ93は、回転すると、固定輪91の内周に沿って転動する(転がり接触する)。すると、遊星ローラ93と共にキャリアプレート95が固定輪91の中心線C0回りに回転する。この結果、キャリアプレート95に連結されている回転軸98が回転する。
特開2003−161351号公報
キャリアプレート95には、駆動ピン94を取り付けるための孔99が設けられている。従来、プレスが用いられて、駆動ピン94は孔99に圧入により取り付けられている。圧入の場合、駆動ピン94と孔99との間にカジリが生じ、駆動ピン94は、キャリアプレート95の中心線に対して傾いた状態となって、孔99に取り付けられることがある。駆動ピン94が傾くと、複数の駆動ピン94のピッチ円直径が設計値と異なってしまい、遊星ローラ式動力伝達装置の回転精度が低下する。回転精度が低い場合、出力される回転速度に変動が生じたり、所望のトルク伝達がされなかったりする可能性がある。
そこで、本開示では、キャリアプレートに対する駆動ピンの取り付け精度が高い遊星ローラ式動力伝達装置、及び、キャリアプレートに対する駆動ピンの取り付け精度を高くすることが可能となる取り付け方法を提供することを目的とする。
本開示の遊星ローラ式動力伝達装置は、固定輪と、前記固定輪の径方向内方に設けられている太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に設けられている複数の遊星ローラと、複数の前記遊星ローラをそれぞれ回転自在に支持する複数の駆動ピンと、複数の前記駆動ピンを取り付けているキャリアプレートと、を備え、前記キャリアプレートに、前記駆動ピンを挿入状として取り付けている複数の第一孔と、当該第一孔と異なる位置の第二孔と、が設けられていて、前記キャリアプレートは、前記第二孔に締め代を有して取り付けられ、前記第一孔を弾性変形させることで当該第一孔が前記駆動ピンを締め付けた状態とするための締め付けピンを有する。
この遊星ローラ式動力伝達装置によれば、キャリアプレートに第一孔と第二孔とが形成されていて、第二孔に締め付けピンが締め代を有して取り付けられると、その影響で第一孔が弾性変形して、その第一孔によって駆動ピンが締め付けられる。このため、予め、第一孔の直径を、駆動ピンの取り付け部分の直径以上とすればよい。この結果、駆動ピンを第一孔に圧入によって取り付ける必要がなく、従来のように、駆動ピンと孔との間にカジリが生じて駆動ピンが傾いた状態で孔に取り付けられるのを防ぐことが可能となる。よって、キャリアプレートに対する駆動ピンの取り付け精度が高くなる。
また、好ましくは、前記第二孔は、複数の前記第一孔の間の領域に設けられている。
この構成によれば、締め付けピンが第二孔に締め代を有して取り付けられることで、その両側の第一孔に駆動ピンが固定される。
遊星ローラ式動力伝達装置では、固定輪の中心線を中心とする周方向(回転方向)にトルクが遊星ローラを通じて伝達される。これに対して、遊星ローラ式動力伝達装置の各構成部材間において、固定輪の中心線を中心とする放射方向(径方向)について組み立て誤差が発生する場合がある。そこで、好ましくは、前記駆動ピンは、前記固定輪の中心線を中心とする周方向について前記第一孔に対して締め代を有して接触状態にあり、前記中心線を中心とする放射方向について前記第一孔との間にゼロ又は正の隙間が設けられた状態にある。
この構成によれば、固定輪の中心線を中心とする周方向にトルクが遊星ローラを通じて伝達されるが、その遊星ローラを支持する駆動ピンとキャリアプレートとの間の荷重伝達が確実に行われる。そして、第一孔と駆動ピンとの間に生じる前記放射方向についてのゼロ又は正の隙間によって、前記組み立て誤差が吸収される。このため、遊星ローラが無理に太陽軸又は固定輪に接触しないで済み、回転抵抗が低減される。
また、前記のように構成されるために、前記キャリアプレートのうちの複数の前記第一孔を含む環状の領域に、前記第二孔の少なくとも一部が存在するように、当該第二孔は設けられているのが好ましい。
また、本開示は、固定輪と、前記固定輪の径方向内方に設けられている太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に設けられている複数の遊星ローラと、複数の前記遊星ローラをそれぞれ回転自在に支持する複数の駆動ピンと、複数の前記駆動ピンを取り付けているキャリアプレートと、を備える遊星ローラ式動力伝達装置を製造するために、前記駆動ピンを前記キャリアプレートに取り付ける方法であって、
前記キャリアプレートに、前記駆動ピンの基部よりも直径が大きい第一孔と、当該第一孔と異なる位置の第二孔とが設けられていて、前記第一孔に前記駆動ピンの前記基部を挿入し、その後、前記第二孔に締め付けピンを圧入することで、前記キャリアプレートを弾性変形させて前記第一孔により前記駆動ピンを締め付けて当該第一孔に固定する。
この取り付け方法によれば、駆動ピンを第一孔に圧入によって取り付ける必要がなく、従来のように、駆動ピンと第一孔との間にカジリが生じて駆動ピンが傾いた状態で第一孔に取り付けられるのを防ぐことが可能となる。よって、キャリアプレートに対する駆動ピンの取り付け精度が高くなる。
本開示の遊星ローラ式動力伝達装置、及び取り付け方法によれば、駆動ピンを第一孔に圧入によって取り付ける必要がなく、キャリアプレートに対する駆動ピンの取り付け精度が高くなる。
遊星ローラ式動力伝達装置の一例を示す断面図である。 キャリアユニット及び遊星ローラの斜視図である。 キャリアユニット及び遊星ローラの分解斜視図である。 キャリアプレートを軸方向から見た図である。 第一孔に取り付けられた状態の駆動ピンを説明する図である。 駆動ピンをキャリアプレートに取り付ける方法の説明図である。 駆動ピンをキャリアプレートに取り付ける方法の説明図である。 駆動ピンをキャリアプレートに取り付ける方法の説明図である。 従来の遊星ローラ式動力伝達装置の断面図である。
〔遊星ローラ式動力伝達装置について〕
図1は、遊星ローラ式動力伝達装置の一例を示す断面図である。図1に示す遊星ローラ式動力伝達装置10(以下「動力伝達装置10」とも称する。)は、第一軸11及び第二軸12を備え、第一軸11から入力された回転を変速し、第二軸12から出力する。第一軸11が高速軸となり、第二軸12が低速軸となる。図1に示す動力伝達装置10は、ハウジング13を有し、ハウジング13内に変速機構が二段階について設けられている。
一段目の変速機構は、第一軸11、固定輪14、複数の遊星ローラ15、複数の駆動ピン16、及びキャリアプレート17を備える。固定輪14は、円環状の部材であり、ハウジング13の内周側に取り付けられている。固定輪14は、円筒状の内周面14aを有する。固定輪14の中心線C0は、ハウジング13の中心線と一致する。内周面14aは、遊星ローラ15が転がり接触する面となる。固定輪14の軸方向両側には、環状のつば輪20が設けられている。
本開示の動力伝達装置10では、固定輪14の中心線C0に沿った方向を動力伝達装置10の軸方向と定義し、これを単に「軸方向」と称する。また、中心線C0に平行な方向も「軸方向」に含まれるとする。中心線C0を中心とする放射方向を動力伝達装置10の径方向と定義し、これを単に「径方向」と称する。径方向を「放射方向」と称する場合もある。中心線C0を中心とする回転方向を動力伝達装置10の周方向と定義し、これを単に「周方向」と称する。
第一軸11が、固定輪14の径方向内方に設けられている太陽軸となる。第一軸11は、転がり軸受18によりハウジング13に回転可能に支持されている。第一軸11は、中心線C0を中心として回転する。第一軸11の外周面11aは、遊星ローラ15が転がり接触する面となる。複数の遊星ローラ15は、固定輪14と第一軸11との間に設けられている。本開示では、遊星ローラ15は三つ設けられている。
複数の駆動ピン16とキャリアプレート17とにより、キャリアユニット22が構成される。図2は、キャリアユニット22及び遊星ローラ15の斜視図である。駆動ピン16は、遊星ローラ15と同数(つまり、三つ)設けられている。複数の駆動ピン16は、複数の遊星ローラ15をそれぞれ回転自在に支持する。キャリアプレート17に、複数(三つ)の駆動ピン16が取り付けられている。駆動ピン16は、周方向に等間隔で設けられている。このため、三つの遊星ローラ15は、周方向に等間隔で設けられる。
駆動ピン16は、直線状の軸部材により構成されている。キャリアプレート17は円板状の部材である。図3は、キャリアユニット22及び遊星ローラ15の分解斜視図である。キャリアプレート17に、駆動ピン16を取り付けるための第一孔51が設けられている。第一孔51は、駆動ピン16と同数設けられている。第一孔51に駆動ピン16が同軸上となって取り付けられる。キャリアプレート17に対する駆動ピン16の取り付け構造、及び取り付け方法については、後に説明する。
第一孔51の中心線C1は、キャリアプレート17の中心線C2を中心とする円23上に設けられ、その中心線C2と平行である。前記円23が、第一孔51、駆動ピン16、及び遊星ローラ15の「ピッチ円」となり、その円23の直径が、第一孔51、駆動ピン16、及び遊星ローラ15の「ピッチ円直径」となる。動力伝達装置10が組み立てられた状態で(図1参照)、キャリアプレート17の中心線C2は、固定輪14の中心線C0と一致する。
図1において、キャリアプレート17には、その中心に中間軸19が取り付けられている。中間軸19は、中心線C0を中心として、キャリアプレート17と一体回転する。中間軸19が、一段目の変速機構の出力軸となり、かつ、二段目の変速機構の入力軸となる。
二段目の変速機構は、固定輪24、複数の遊星ローラ25、複数の駆動ピン26、及びキャリアプレート27を備える。二段目の変速機構が備える前記各構成は、次に説明する点を除いて、一段目の変速機構が備える前記各構成と同じである。同じ点については説明を省略する。
中間軸19が、固定輪24の径方向内方に設けられている太陽軸となる。二段目の変速機構が備えるキャリアプレート27には、その中心に、第二軸12が取り付けられている。第二軸12は、転がり軸受28によりハウジング13に回転可能に支持されている。第二軸12は、中心線C0を中心として、キャリアプレート27と一体回転する。第二軸12が、二段目の変速機構の出力軸となり、動力伝達装置10の出力軸となる。一段目の変速機構が有する一方のつば輪20と、二段目の変速機構が有する一方のつば輪20との間に、環状の間座21が設けられている。
〔キャリアユニットについて〕
一段目のキャリアユニット22と二段目のキャリアユニット32とは同じ構成を有する。そこで、一段目のキャリアユニット22について説明する。図4は、キャリアプレート17を軸方向から見た図である。図3及び図4に示すように、キャリアプレート17には、駆動ピン16を挿入して取り付けるための複数の第一孔51が設けられていて、更に、第一孔51と異なる位置に第二孔52が設けられている。本開示では、キャリアプレート17に三つの第一孔51と三つの第二孔52とが設けられている。第一孔51と第二孔52とは周方向に交互に配置されている。第一孔51及び第二孔52は周方向に沿って等間隔で配置されている。
図4に示すように、各第二孔52は、周方向に並ぶ二つの第一孔51,51の間の領域30に設けられている。第二孔52の配置に関して、好ましくは、三つの第一孔51を含む環状の領域Kに、各第二孔52の少なくとも一部が存在するように、各第二孔52は設けられていればよい。本開示では、前記環状の領域Kに、各第二孔52の全体が存在する(含まれる)ように、各第二孔52は設けられている。図4に示す形態では、第二孔52は、第一孔51と同じピッチ円(円23)に沿って設けられている。なお、第一孔51の直径と第二孔52の直径とは、異なっていてもよいが、同じであるのが好ましい。直径が同じであれば、第一孔51及び第二孔52の形成が容易である。
図2及び図3に示すように、キャリアプレート17は、締め付けピン50を有する。締め付けピン50の直径は、第二孔52の直径よりも(僅かに)大きい。このため、締め付けピン50は、第二孔52に圧入され、第二孔52に締め代を有して取り付けられる。締め付けピン50が第二孔52に圧入されると、キャリアプレート17は部分的に弾性変形する。
具体的に説明すると、締め付けピン50が第二孔52に圧入されると、図5の矢印R1で示すように、第二孔52が拡径するようにキャリアプレート17が部分的に弾性変形する。すると、その第二孔52の隣りに位置する第一孔51の周囲の肉部17aは、図5の矢印R2で示すように、第一孔51を部分的に縮径させるように弾性変形する。
駆動ピン16のうち、キャリアプレート17に取り付けられる基部16aの直径は、第一孔51の変形前の直径と比べて、僅かに小さい、又は、同じである。このため、第一孔51の周囲の肉部17aが、図5の矢印R2で示すように、第一孔51を部分的に縮径させるように弾性変形すると、第一孔51が駆動ピン16の基部16aを締め付けて固定することができる。
このように、締め付けピン50は、第二孔52に締め代を有して取り付けられ、第一孔51を弾性変形させることで、その第一孔51が駆動ピン16を締め付けた状態とする。
締め付けピン50が第二孔52に圧入される前の状態では、前記のとおり、駆動ピン16の基部16aの直径は、第一孔51の変形前の直径と比べて、僅かに小さい、又は、同じである。そして、第二孔52に締め付けピン50が圧入されることで、第一孔51の周囲の肉部17aが弾性変形する。
第二孔52に締め付けピン50が圧入されると、その周方向で隣りに位置する第一孔51の周囲の肉部17aでは、その第二孔52に向かう方向となる周方向に沿った第一孔51の直径(d1)が小さくなるように弾性変形する。これに対して、その周方向に直交する放射方向については、第一孔51の周囲(別の肉部17b)では締め付けピン50の圧入による影響を受けにくく、放射方向に沿った第一孔51の直径(d2)が小さくならない。
このため、図5に示すように、駆動ピン16は、周方向について第一孔51に対して締め代を有して接触状態にある。これに対して、駆動ピン16は、放射方向について第一孔との間にゼロ又は正の隙間eが設けられた状態となる。駆動ピン16の基部16aは、第一孔51に部分的に締め代を有して接触状態にある。これにより、その基部16aは部分的に弾性圧縮変形した状態となって、第一孔51に固定される。
ここで、各部の材質(硬さ)について説明する。キャリアプレート17は、アルミ合金又は機械構造用炭素鋼等の鋼である。キャリアプレート17は、比較的、弾性変形が容易であるのが好ましく、焼入れ処理がされていない。
これに対して、締め付けピン50は、機械構造用炭素鋼等の鋼である。締め付けピン50は、キャリアプレート27を弾性変形させるために、キャリアプレート17よりも硬いのが好ましい。そこで、締め付けピン50は、焼入れ処理が施されている。これにより、第二孔52に締め付けピン50が圧入されると、締め付けピン50ではなく、第二孔52が設けられているキャリアプレート17が弾性変形する。
なお、第一軸11、中間軸19、駆動ピン16、遊星ローラ15、及び固定輪14は、機械構造用炭素鋼等の鋼である。これらは、必要に応じて、焼入れ処理が施されている。
〔組み立て方法について〕
以上の構成を備える動力伝達装置10において、駆動ピン16をキャリアプレート17に取り付ける方法について説明する。図3及び図4において、キャリアプレート17には、駆動ピン16の基部16aよりも直径が大きい第一孔51と、その第一孔51と異なる位置の第二孔52とが設けられている。本開示では、キャリアプレート17の中央に第三孔53が設けられている。第三孔53には、中間軸19が取り付けられる(図6参照)。
図6に示すように、キャリアプレート17の第三孔53に中間軸19を圧入により取り付ける。第一孔51及び第二孔52には、駆動ピン16及び締め付けピン50が未だ取り付けられていない。
図7に示すように、第一孔51に駆動ピン16の基部16aを挿入する。前記のとおり(図3参照)、駆動ピン16の基部16aの直径は、第一孔51の変形前の直径と比べて、僅かに小さい、又は、同じである。このため、駆動ピン16に大きな荷重を作用させなくても、第一孔51に基部16aを挿入することができる。このため、駆動ピン16と第一孔51との間にカジリが生じない。
その後、図8に示すように、第二孔52に、その第二孔52よりも直径が大きい締め付けピン50を圧入する。この圧入により、キャリアプレート17を弾性変形させて第一孔51により駆動ピン16を締め付けて、駆動ピン16を第一孔51に固定する。
以上の方法によって駆動ピン16がキャリアプレート17に取り付けられて得たキャリアユニット22によれば、キャリアプレート17に対する駆動ピン16の取り付け精度が高くなる。すなわち、第二孔52に締め付けピン50が締め代を有して取り付けられると、その影響で第一孔51が弾性変形して、その第一孔51によって駆動ピン16が締め付けられる。このため、予め、第一孔51の直径を、駆動ピン16の取り付け部分(基部16a)の直径以上とすればよい。この結果、駆動ピン16を第一孔51に圧入によって取り付ける必要がない。したがって、従来のように、駆動ピンがキャリアプレートの孔にカジリが生じて取り付けられるのを防ぐことができる。よって、キャリアプレート17に対する駆動ピン16の取り付け精度が高くなる。
本開示では(図3及び図4参照)、第二孔52は、二つの第一孔51,51の間の領域に設けられている。このため、締め付けピン50が第二孔52に締め代を有して取り付けられることで、その両側の第一孔51,51に駆動ピン16が、部分的に締り嵌めの状態となって固定される。なお、第二孔52の配置は、図4に示す形態以外であってもよい。例えば、二つの第一孔51,51の中心を結ぶ直線上に、第二孔52が形成されていてもよい。
図1に示す動力伝達装置10では、固定輪14中心線C0を中心とする周方向(回転方向)にトルクが遊星ローラ15を通じて伝達される。これに対して、動力伝達装置10の各構成部材間において、固定輪14の中心線C0を中心とする放射方向(径方向)について組み立て誤差が発生する場合がある。例えば、組み立て後、前記ピッチ円直径について誤差が発生する場合がある。
そこで、本開示では(図4参照)、キャリアユニット22において、三つの第一孔51を含む環状の領域Kに、各第二孔52の少なくとも一部が存在するように、各第二孔52は設けられている。特に、各第二孔52は、第一孔51と同じピッチ円に沿って設けられている。このため、駆動ピン16は、固定輪14の中心線C0を中心とする周方向(図5参照)について第一孔51に対して締め代を有して接触状態となる。これに対して、駆動ピン16は、固定輪14の中心線C0を中心とする放射方向について第一孔51との間にゼロ又は正の隙間eが設けられた状態となる。
このような駆動ピン16の取り付け状態によれば、次のような利点が得られる。すなわち、動力伝達装置10では、固定輪14の中心線C0を中心とする周方向のトルクが遊星ローラ25を通じて伝達されるが、その遊星ローラ15を支持する駆動ピン16とキャリアプレート17との間の荷重伝達が確実に行われる。
そして、第一孔51と駆動ピン16との間に生じる前記ゼロ又は正の隙間eによれば、前記のような組み立て誤差、ピッチ円直径について誤差が吸収される。よって、遊星ローラ15が無理に第一軸11又は固定輪14に接触しないで済み、回転抵抗が低減される。
そして、図6〜図8により説明したように、駆動ピン16をキャリアプレート17に取り付ける方法は、次のとおりである。
すなわち、キャリアプレート17に、駆動ピン16の基部16aよりも直径が大きい第一孔51と、その第一孔51と異なる位置の第二孔52とが設けられている。第一孔51に駆動ピン16の基部16aを挿入する。その後、第二孔52に締め付けピン50を圧入することで、キャリアプレート17を弾性変形させて第一孔51により駆動ピン16を締め付けて第一孔51に固定する。
この取り付け方法によれば、駆動ピン16を第一孔51に圧入によって取り付ける必要がない。よって、キャリアプレート17に対する駆動ピン16の取り付け精度が、従来よりも高くなる。この結果、動力伝達装置10の回転精度が高くなり、低振動かつ低騒音で回転変動の少ない変速機が構成される。
なお、図6により説明する方法では、中間軸19を、キャリアプレート17に圧入によって取り付け固定している。この方法以外として、圧入ではなく、駆動ピン16が第一孔51に取り付けられる方法と同じ方法で、中間軸19が第三孔53に取り付けられてもよい。すなわち、第一孔51に駆動ピン16の基部16aを挿入すると共に、第三孔53に中間軸19の一部を挿入する。その後、第二孔52に締め付けピン50を圧入することで、キャリアプレート17を弾性変形させて第一孔51により駆動ピン16を締め付けて第一孔51に固定すると共に、その弾性変形によって第三孔53により中間軸19を締め付けて第三孔53に固定してもよい。
〔その他について〕
図1では、変速機構が二段階設けられているが、一段階であってもよい。第一軸11が入力軸とされ、第二軸12が出力軸とされていたが、反対に、第二軸12が入力軸とされ、第一軸11が出力軸とされていてもよい。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
10:遊星ローラ式動力伝達装置 11:第一軸(太陽軸) 14:固定輪
15:遊星ローラ 16:駆動ピン 17:キャリアプレート 24:固定輪 25:遊星ローラ 26:駆動ピン 27:キャリアプレート 30:領域 50:締め付けピン 51:第一孔 52:第二孔 e:隙間

Claims (5)

  1. 固定輪と、前記固定輪の径方向内方に設けられている太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に設けられている複数の遊星ローラと、複数の前記遊星ローラをそれぞれ回転自在に支持する複数の駆動ピンと、複数の前記駆動ピンを取り付けているキャリアプレートと、を備え、
    前記キャリアプレートに、前記駆動ピンを挿入状として取り付けている複数の第一孔と、当該第一孔と異なる位置の第二孔と、が設けられていて、
    前記キャリアプレートは、前記第二孔に締め代を有して取り付けられ、前記第一孔を弾性変形させることで当該第一孔が前記駆動ピンを締め付けた状態とするための締め付けピンを有する、
    遊星ローラ式動力伝達装置。
  2. 前記第二孔は、複数の前記第一孔の間の領域に設けられている、請求項1に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
  3. 前記駆動ピンは、前記固定輪の中心線を中心とする周方向について前記第一孔に対して締め代を有して接触状態にあり、前記中心線を中心とする放射方向について前記第一孔との間にゼロ又は正の隙間が設けられた状態にある、請求項1又は2に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
  4. 前記キャリアプレートのうちの複数の前記第一孔を含む環状の領域に、前記第二孔の少なくとも一部が存在するように、当該第二孔は設けられている、請求項3に記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
  5. 固定輪と、前記固定輪の径方向内方に設けられている太陽軸と、前記固定輪と前記太陽軸との間に設けられている複数の遊星ローラと、複数の前記遊星ローラをそれぞれ回転自在に支持する複数の駆動ピンと、複数の前記駆動ピンを取り付けているキャリアプレートと、を備える遊星ローラ式動力伝達装置を製造するために、
    前記駆動ピンを前記キャリアプレートに取り付ける方法であって、
    前記キャリアプレートに、前記駆動ピンの基部よりも直径が大きい第一孔と、当該第一孔と異なる位置の第二孔とが設けられていて、
    前記第一孔に前記駆動ピンの前記基部を挿入し、
    その後、前記第二孔に締め付けピンを圧入することで、前記キャリアプレートを弾性変形させて前記第一孔により前記駆動ピンを締め付けて当該第一孔に固定する、
    取り付け方法。
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