JP4209088B2 - 多段遊星ローラ減速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段遊星ローラ減速機に関し、特に、構造を簡素化して回転むらの発生を防止した多段遊星ローラ減速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
遊星ローラ減速機は、ケースに固定された円筒状の内ローラと、内ローラの中心軸と同軸に回転自在な太陽ローラと、太陽ローラの外周面と内ローラの内周面との間に挟まれた複数の遊星ローラとを有する。原動機により太陽ローラを回転させると、遊星ローラは、太陽ローラに圧接されているので、太陽ローラの回りを自転しながら公転する。
【0003】
この場合、遊星ローラの公転運動を取り出せば、太陽ローラの回転数を減速させ、回転トルクを増大させた回転運動を取り出すことができる。また、遊星ローラ減速機を多段に接続すれば、太陽ローラの回転数を大幅に減速させ、回転トルクを大幅に増大させることができる。
【0004】
図4は、本出願人が特開平7−54946号公報において提案した多段遊星ローラ減速機の上半分の側断面図である。また、図5は、図4のA−A断面図である。従来の多段遊星ローラ減速機の構成を図4及び図5により説明する。
【0005】
図4に示すように、従来の多段遊星ローラ減速機は、電動モータ等の原動機1の回転軸30に連結された第1の太陽ローラ2と、ケース12の内面に固着され、断面が溝形で円環状に形成された第1の内ローラ3と、第1の太陽ローラ2の外周面と第1の内ローラ3の内周面との間に形成される円環状の空間に3個以上等ピッチで配設された第1の遊星ローラ4とを有する。
【0006】
第1の遊星ローラ4には、中心にあけられた貫通孔に軸受6が設けられ、軸受6内に遊星ピン7が回転自在に挿通される。このため、図5において、例えば、第1の太陽ローラ2が時計方向に回転すると、複数の第1の遊星ローラ4は、第1の太陽ローラ2の回りで反時計方向に自転しながら時計方向に公転する。
【0007】
遊星ピン7の一端は、中間キャリア22のフランジ部22bで支持され、フランジ部22bの外周面は、ローラベアリング28を介してケース12によって支持される。また、中間キャリア22の中心部には、第2の太陽ローラ22aが突出して設けられ、第2の太陽ローラ22aの先端は、後述する出力軸25のフランジ部25aに設けられたローラベアリング41により支持される。
【0008】
これらの第1の太陽ローラ2、第1の内ローラ3、第1の遊星ローラ4、軸受6、遊星ピン7及び中間キャリア22によって第1の遊星ローラ減速機構10が構成される。この場合、第2の太陽ローラ22aは、第1の遊星ローラ減速機構10の出力軸であるとともに、後述する第2の遊星ローラ減速機構20の入力軸となっている。
【0009】
従来の多段遊星ローラ減速機は、更に、矩形断面の充実体により円環状に形成され、その外周面がケース12の内周面と隙間を持たせて配設される第2の内ローラ23と、第2の太陽ローラ22aの外周面と第2の内ローラ23の内周面との間の円周上に3個以上等ピッチに配設され、これらに圧接されて回転する第2の遊星ローラ24とを有する。第2の遊星ローラ24は、中心にあけられた貫通孔に軸受26が設けられ、軸受26内に遊星ピン27が回動自在に挿通される。
【0010】
出力軸25は、その中央部がローラベアリング29を介してケース12に回動自在に支持される。また、出力軸25と一体に形成されたフランジ部25aは、キャリアとして遊星ピン27の一端を支持すると共に、その外周面がローラベアリング31を介してケース12に回動自在に支持される。
【0011】
これらの第2の太陽ローラ22a、第2の内ローラ23、第2の遊星ローラ24、軸受26、遊星ピン27及び出力軸25のフランジ部25aによって第2の遊星ローラ減速機構20が構成される。
【0012】
一方、第1の内ローラ3、ローラベアリング28、間座42、第2の内ローラ23及びローラベアリング31は、ケース12と原動機1のフランジ部1aとの間に挟まれ、共通の締付手段としてのボルト14によって締付けられる。
【0013】
このため、内ローラ3は、回転軸方向に押圧されて溝巾が狭められ、内周半径が小さくなる方向に変形し、第1の遊星ローラ4及び第1の太陽ローラ2との間に動力伝達に必要な圧力を発生させる。また、第2の内ローラ23は、側面から第2の遊星ローラ24との連れ回りを防止する摩擦力が付与される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の多段遊星ローラ減速機は、第1の遊星ローラ減速機構10及び第2の遊星ローラ減速機構20により、約1/10から1/100の減速比が得られ、その逆数倍の伝達トルクが得られる。
【0015】
しかしながら、従来の多段遊星ローラ減速機は、中間キャリア22及び出力軸25のラジアル荷重を受ける手段として大径のローラベアリング28、31を使用しており、大径のローラベアリングが高価であるため多段遊星ローラ減速機の価格が高くなる欠点がある。
【0016】
また、ローラベアリング28、31は、中間キャリア22及び出力軸25とケース12との間に設けられているので、第1の遊星ローラ減速機構10及び第2の遊星ローラ減速機構20の各部材の姿勢位置を拘束する。このため、各部材に無理な力が生じて摩耗を早めたり、あるいはこれを避けるために各部材の寸法精度及び組立精度を高くする必要があり、多段遊星ローラ減速機の価格増加の原因となる。
【0017】
更に、従来の多段遊星ローラ減速機では、原動機1として一般の小型電動モータを使用するため、出力軸25にスラスト荷重が生じた場合に、そのスラスト荷重が高回転するモータ軸に設けられた小径の軸受にかかり、電動モータの耐久信頼性を低下させる欠点がある。
【0018】
また、小型電動モータは、通電時(ロータ回転時)にロータとケースとの間に遊隙を持たせ、非通電時にロータを一方向に付勢する波板ばねによってケースに寄せて停止させる構造となっている。このため、従来の多段遊星ローラ減速機を従動機器と共に運転すると、軸方向に揺動し回転むらが発生する欠点がある。
【0019】
そこで、本発明の目的は、大径のローラベアリングを省略して価格を低下させると共に、構造を簡素化して回転むらの発生を防止することができる多段遊星ローラ減速機を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、減速ユニットを複数段連結し、ケース内に収容する多段遊星ローラ減速機において、減速ユニットのそれぞれは、ケースに支持される円筒状の内ローラと、内ローラの中心軸と同軸に回転自在な太陽ローラと、太陽ローラと同軸に回転自在な回転軸と、回転軸と一体に形成されるフランジ部とを有するキャリアと、キャリアのフランジ部で回転自在に支持されると共に、太陽ローラの外周面と内ローラの内周面との間に圧接配置される複数の遊星ローラとを有し、キャリアは、フランジ部の外周面とケースの内周面との間に隙間を設けて配置され、回転軸が次段の減速ユニットの太陽ローラと連結され、ケースは、キャリアの回転軸と直角な側壁面を有し、各段の減速ユニットの内ローラは、ケースの側壁面からの圧力により支持されると共に、入力段の減速ユニットの内ローラを溝形断面の円環状とし、出力段の減速ユニットの内ローラを矩形充実断面の円環状とし、入力段及び出力段の減速ユニットの内ローラの外周面と、ケースの内周面との間に隙間を設けたことを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、大径のローラベアリングを省略して構造を簡素化し、与圧したローラ群が有する自動調心作用を利用して組立て作業を容易化できるので、多段遊星ローラ減速機のコスト低減に寄与することができる。
【0022】
更に、上記に加えて、複数段連結された減速ユニットのうち、隣接する減速ユニットの内ローラ間に、外周面がケースの内周面と接触する円筒状の間座が配置され、複数段連結された減速ユニットのうち、入力段の減速ユニットの内ローラとケースの側壁面との間にシムが設けられることを特徴とする。
また、上記の発明における好ましい態様として、複数段連結された減速ユニットのうち、入力段の減速ユニットの遊星ローラとケースの側壁面との間にスラストリングが設けられ、各段の減速ユニットの遊星ローラとキャリアとの間にスラストワッシャが設けられることを特徴とする。更に、複数段連結された減速ユニットのうち、入力段の減速ユニットの太陽ローラに、原動機と連結されるカプラが一体に設けられることを特徴とする。
【0023】
本発明によれば、スラストリング及びスラストワッシャによって回転部分の組立部材の軸方向の移動範囲を小さく拘束したので、電動モータの軸受に大きなスラスト荷重を与えることなく、回転むらの発生を防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態の多段遊星ローラ減速機の側断面図である。また、図2は、図1の矢印45の方向から見た側面図であり、図3は、図1の矢印46の方向から見た側面図である。
【0026】
図1、図2に示すように、本実施の形態の多段遊星ローラ減速機は、断面が方形の汎用の電動モータ1に接続されて駆動される。電動モータ1は、フランジ部1aと、ロータ1bと、回転軸30とを有し、更に、回転軸30に固設されるボールベアリング1cと、ボールベアリング1cが嵌装されるベアリング受孔1dと、ベアリング受孔1dの一方に嵌装されるワッシャ状の波板ばね1eとを有する。
【0027】
ベアリング受孔1dには、軸方向に比較的大きい遊隙が設けられている。ロータ1bは、常時、波板ばね1eによって一方向に押付けられて停止しているが、通電時は、ステータに電磁的に引かれて中央に移動し回転可能となる。回転軸30は、第1の太陽ローラ2と一体に形成されたカプラ2aに結合される。
【0028】
本実施の形態の多段遊星ローラ減速機は、回転軸30に連結される第1の太陽ローラ2と、断面が溝形で円環状に形成された第1の内ローラ3と、第1の太陽ローラ2の外周面と第1の内ローラ3の内周面との間に形成される円環状の空間に3個以上等ピッチで配設され、その外周面が第1の太陽ローラ2の外周面と第1の内ローラ3の内周面にそれぞれ圧接される第1の遊星ローラ4とを有する。
【0029】
第1の遊星ローラ4には、中心にあけられた貫通孔に軸受6が設けられ、軸受6内に遊星ピン7が回動自在に挿通される。遊星ピン7の一端は、中間キャリア22のフランジ部22bで支持されると共に、中間キャリア22の中心部には、第2の太陽ローラ22aが突出して設けられる。第2の太陽ローラ22aの先端は、後述する出力軸25のフランジ部25aに設けられたローラベアリング41により回動自在に支持される。
【0030】
これらの第1の太陽ローラ2、第1の内ローラ3、第1の遊星ローラ4、軸受6、遊星ピン7及び中間キャリア22によって第1の遊星ローラ減速機構10が構成される。なお、第2の太陽ローラ22aは、第1の遊星ローラ減速機構10の出力軸であるとともに、後述する第2の遊星ローラ減速機構20の入力軸となっている。
【0031】
本実施の形態の多段遊星ローラ減速機は、更に、矩形断面の充実体により円環状に形成され、その外周面がケース12の内周面と隙間を持たせて配設された第2の内ローラ23と、第2の太陽ローラ22aの外周面と第2の内ローラ23の内周面との間の円周上に3個以上等ピッチで配設され、これらに圧接しながら回転する第2の遊星ローラ24とを有する。第2の遊星ローラ24は、中心にあけられた貫通孔に軸受26が設けられ、軸受26内に遊星ピン27が回動自在に挿通される。
【0032】
出力軸25は、その中央部がローラベアリング29を介してケース12により回動自在に支持される。また、出力軸25と一体に形成されたフランジ部25aは、キャリアとして遊星ピン27の一端を支持する。
【0033】
第2の太陽ローラ22a、第2の内ローラ23及び第2の遊星ローラ24は押圧力が与えられて強く圧接しており、これらと軸受26、遊星ピン27及び出力軸25のフランジ部25aによって第2の遊星ローラ減速機構20が構成される。
【0034】
一方、電動モータ1は、断面が方形の接続ケース51によりケース12と連結される。ケース12の外側面には、図3に示すように、接続ケース51のフランジ部51aと接続される円形のフランジ部12aと、被駆動機器に接続される方形のフランジ部12bとが設けられる。
【0035】
ケース12の内面には、図1に示すように、円筒内壁面12cと、円筒内壁面12cに垂直に形成され、第2の内ローラ23に当接する側壁面12dとが設けられる。
【0036】
また、接続ケース51の減速機側の側面には、フランジ部51aの内側で第1の内ローラ3に対応する部分に円環状の突出部51bが設けられ、その内側に、スラストリング52が嵌装される受座51cが設けられる。スラストリング52は、第1の遊星ローラ4の側面と摺動自在に接触し、第1の遊星ローラ4の軸方向の位置を規制する。
【0037】
また、突出部51bと第1の内ローラ3との間にはシム53が介装され、第1の内ローラ3と第2の内ローラ23との間には円筒状の間座54が介装される。シム53及び間座54は、第1の内ローラ3及び第2の内ローラ23の軸方向の位置を規制する。
【0038】
また、第1の遊星ローラ4と中間キャリア22のフランジ部22bとの間には、スラストワッシャ55が介装され、第2の遊星ローラ24と出力軸25のフランジ部25aとの間には、スラストワッシャ56が介装される。
【0039】
なお、第1の内ローラ3及び第2の内ローラ23の外径はケース12の円筒内壁面12cの内径より若干小さく、両者の間には適宜の隙間ができるようになっているので、寸法誤差や取付誤差を吸収することができる。一方、間座54とケース12との間は隙間のないはめ合い接合となっている。
【0040】
このように、シム53、第1の内ローラ3、間座54及び第2の内ローラ23は、接続ケース51の突出部51bとケース12の側壁面12dとの間に挟まれ、共通の締付手段としてのボルト14によって締付けられる。なお、シム53の厚さによって、第1の内ローラ3及び第2の内ローラ23に与える押圧力を調整することができる。
【0041】
従って、第1の内ローラ3は、回転軸方向に押圧されて溝巾が狭められ、内周半径が小さくなる方向に変形して、第1の遊星ローラ4及び第1の太陽ローラ2との間に動力伝達に必要な圧力を発生する。一方、第2の内ローラ23は、側面から、第2の遊星ローラ24との連れ回りを防止する摩擦力が付与される。
【0042】
この場合、第1の太陽ローラ2の外径をD1、第1の内ローラ3の内径をD2とすると、第1の遊星ローラ減速機構10の減速比N1は、
N1=D1/(D1+D2)
となる。また、第2の太陽ローラ22aの外径をD3、第2の内ローラ23の内径をD4とすると、第2の遊星ローラ減速機構20の減速比N2は、
N2=D3/(D3+D4)
となる。従って、多段遊星ローラ減速機全体の減速比Nは、
N=N1×N2
となる。なお、本実施の形態の多段遊星ローラ減速機では、減速にともなって第2の遊星ローラ減速機構20における伝達トルクが大きくなるが、第2の内ローラ23は断面が矩形の充実体となっているので、強い押圧力を与えて大きな力を伝達することができる。
【0043】
次に、本実施の形態の多段遊星ローラ減速機における回転軸の調心作用について説明する。前述のように、第2の内ローラ23、第2の遊星ローラ24及び第2の太陽ローラ22aは、強い与圧のもとに互いに接触し、一体の円盤を形成するので、出力軸25は、第2の内ローラ23の側面に垂直になる。従って、第2の内ローラ23の側面をケース12の側壁面12dに接触させることにより、出力軸25をケース12の軸心に平行にする調心作用が生じる。
【0044】
また、出力軸25はケース12の先端部に設けられたローラベアリング29に支承されているので、出力軸25には、ローラベアリング29の軸心を通りケース12の軸心に平行になろうする調心作用が生じる。
【0045】
このため、出力軸25は、上記2つの調心作用によりケース12の軸心に平行になるが、各部材に誤差がある場合は、ケース12に対して内ローラ23が半径方向に位置をずらして吸収する。
【0046】
一方、第1の内ローラ3、第1の遊星ローラ4及び第2の太陽ローラ22aも同様の条件下にあり、シム53を介して第1の内ローラ3を接続ケース51の突出部51bに圧接すると、第2の太陽ローラ22aの軸心をケース12の軸心に平行にする調心作用が生じる。
【0047】
また、第2の太陽ローラ22aの先端は、出力軸25のフランジ部25aに設けられたローラベアリング41に支承されているので、第2の太陽ローラ22aはローラベアリング41の軸心を通りケース12の軸心に平行な姿勢になろうとする調心作用が生じる。
【0048】
このため、第2の太陽ローラ22aは、上記2つの調心作用によりケース12の軸心に平行になろうとするが、この場合は、第1の太陽ローラ2が電動モータ1の出力軸30によって規制されるので、不静定構造となり、各部材の形状精度及び電動モータ1の取付け精度を上げる必要がある。なお、第1の遊星ローラ4と遊星ピン7との間に適宜の遊隙を設ければ、精度誤差を吸収することが可能である。
【0049】
このように、本実施の形態の多段遊星ローラ減速機によれば、第1の遊星ローラ減速機構10及び第2の遊星ローラ減速機構20の調心作用によって、第2の太陽ローラ22a及び出力軸25が一直線に並ぶので、組立て作業を容易にしてコストの低減に寄与することができる。
【0050】
また、第1の遊星ローラ減速機構10及び第2の遊星ローラ減速機構20の横方向の運動が、接続ケース51と第1の遊星ローラ4の間のスラストリング52、第1の遊星ローラ4と中間キャリア22の間のスラストワッシャ55、中間キャリア22の軸部に設けた段部、及び第2の遊星ローラ23と第2のキャリア25aの間のスラストワッシャ56によって規制され、出力軸25から不測のスラスト荷重が入っても軸方向に大きな移動を起すことを防止することができる。
【0051】
なお、上記の実施の形態では、減速ユニットを2段連結した多段遊星ローラ減速機について説明したが、本発明は、更に多数の減速ユニットを連結した多段遊星ローラ減速機についても適用することができる。
【0052】
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
【0053】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、大径のローラベアリングを省略して構造を簡素化し、与圧したローラ群が有する自動調心作用を利用して組立て作業を容易化できるので、多段遊星ローラ減速機のコスト低減に寄与することができる。
【0054】
また、スラストリング及びスラストワッシャ等によって回転部分の組立部材の軸方向の移動範囲を小さく拘束したので、電動モータの軸受に大きなスラスト荷重を与えることなく、回転むらの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による多段遊星ローラ減速機の側断面図である。
【図2】本発明の実施の形態による多段遊星ローラ減速機の左側面図である。
【図3】本発明の実施の形態による多段遊星ローラ減速機の右側面図である。
【図4】従来の多段遊星ローラ減速機の上半分の側断面図である。
【図5】従来の多段遊星ローラ減速機のA−A断面図である。
【符号の説明】
1 電動モータ
2 第1の太陽ローラ
3 第1の内ローラ
4 第1の遊星ローラ
10 第1の遊星ローラ減速機構
12 ケース
12c 内筒内壁面
12d 側壁面
14 ボルト
20 第2の遊星ローラ減速機構
22 中間キャリア
22a 第2の太陽ローラ
23 第2の内ローラ
24 第2の遊星ローラ
25a フランジ部(キャリア)
51 接続ケース
51b 突出部
52 スラストリング
53 シム
54 間座
55 スラストワッシャ
56 スラストワッシャ

Claims (3)

  1. 減速ユニットを複数段連結し、ケース内に収容する多段遊星ローラ減速機において、
    前記減速ユニットのそれぞれは、前記ケースに支持される円筒状の内ローラと、
    前記内ローラの中心軸と同軸に回転自在な太陽ローラと、
    前記太陽ローラと同軸に回転自在な回転軸と、前記回転軸と一体に形成されるフランジ部とを有するキャリアと、
    前記キャリアのフランジ部で回転自在に支持されると共に、前記太陽ローラの外周面と前記内ローラの内周面との間に圧接配置される複数の遊星ローラとを有し、
    前記キャリアは、前記フランジ部の外周面と前記ケースの内周面との間に隙間を設けて配置され、前記回転軸が次段の減速ユニットの太陽ローラと連結され、
    前記ケースは、前記キャリアの回転軸と直角な側壁面を有し、各段の減速ユニットの内ローラは、前記ケースの側壁面からの圧力により支持されると共に、
    入力段の減速ユニットの内ローラを溝形断面の円環状とし、出力段の減速ユニットの内ローラを矩形充実断面の円環状とし、前記入力段及び出力段の減速ユニットの内ローラの外周面と、前記ケースの内周面との間に隙間を設け
    前記複数段連結された減速ユニットのうち、隣接する減速ユニットの内ローラ間に、外周面が前記ケースの内周面と接触する円筒状の間座が配置され、
    前記複数段連結された減速ユニットのうち、入力段の減速ユニットの内ローラと前記ケースの側壁面との間にシムが設けられることを特徴とする多段遊星ローラ減速機
  2. 請求項1において、
    前記複数段連結された減速ユニットのうち、入力段の減速ユニットの遊星ローラと前記ケースの側壁面との間にスラストリングが設けられ、
    各段の減速ユニットの遊星ローラとキャリアとの間にスラストワッシャが設けられることを特徴とする多段遊星ローラ減速機。
  3. 請求項1または2において、
    前記複数段連結された減速ユニットのうち、入力段の減速ユニットの太陽ローラに、原動機と連結されるカプラが一体に設けられることを特徴とする多段遊星ローラ減速装置。
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