JP2005042892A - 玉軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】 モーメント荷重の有無を問わず使用可能な汎用性を持つ玉軸受を提供する。
【解決手段】 玉軸受1の内輪3と外輪5に、軸方向両側に形成され、それぞれボールと接触角もって接触可能の第一の軌道面Aと、第一の軌道面Aの間に形成され、ボール半径以上の曲率半径R2を有する第二の軌道面Bとをそれぞれ設ける。モーメント荷重の負荷時にはボール6を内輪3および外輪5二形成された第一の軌道面Aの一方と接触させ、純アキシャル荷重の負荷時にはボールを内輪3および外輪5に形成された第二の軌道面Bと接触させる。
【選択図】 図2
【解決手段】 玉軸受1の内輪3と外輪5に、軸方向両側に形成され、それぞれボールと接触角もって接触可能の第一の軌道面Aと、第一の軌道面Aの間に形成され、ボール半径以上の曲率半径R2を有する第二の軌道面Bとをそれぞれ設ける。モーメント荷重の負荷時にはボール6を内輪3および外輪5二形成された第一の軌道面Aの一方と接触させ、純アキシャル荷重の負荷時にはボールを内輪3および外輪5に形成された第二の軌道面Bと接触させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、主にラジアル荷重の支持用として好適な玉軸受に関するものである。
自動車等の空調設備においては、冷凍サイクルを構成するコンプレッサとコンプレッサへの動力の伝達・遮断を切り替える電磁クラッチとの回転支持部に軸受が使用される。この電磁クラッチ用軸受では、自動車のエンジン周りでの補機の配置制限等から電磁クラッチプーリと軸受の相互の軸方向中心位置がずれる場合がある。従来では、図8に示すように電磁クラッチ用軸受として複列の玉軸受を使用しているが、この複列玉軸受において、上記のとおりプーリと軸受の軸方向中心に軸方向のずれが存在すると、軸受101にはベルトからのラジアル荷重Fがモーメント荷重として負荷され、これに伴って、軸受101の外輪105が軸受中心O周りで揺動して内輪103と外輪105の間に相対的な傾きを生じる。そのため外輪105のラジアル荷重Fが負荷された側が内径側に変位し、反対側が外径側に変位する。従って、荷重Fの負荷側で内輪軌道面102aおよび外輪軌道面104aとボール106aとの接触圧が増大する一方、反対側では内輪軌道面102bおよび外輪軌道面104bとボール106bとの接触圧が低下し、さらには両者間に隙間を生じることとなる。そのため、反対側に存在するボール106bが径方向に移動可能となり、この移動するボール106bと各軌道面102b、104bとが軸受01の回転に伴って衝突することで異音・騒音を生じる。
この現象の対策を講じた軸受として、例えば特開平11−336795号公報(特許文献1)、特開2000−170752号公報(特許文献2)、特開2001−304273号公報(特許文献3)、および特開2003−65326号公報(特許文献4)等に記載された玉軸受が知られている。
このうち、特許文献1〜3は、単列配置されたボールを外輪および内輪にそれぞれ二点ずつ接触させる、いわゆる四点接触玉軸受を使用するものである。この四点接触玉軸受では、モーメント荷重が負荷された場合でも、ボールと内輪の二つの接触点のうち、一方の接触点は離れるものの他方の接触点は接触状態が常に保たれ、かつボールと外輪の間でも同様の接触状態となる。これにより、ボールが常時外輪軌道面および内輪軌道面と接触するので、異音や騒音の発生が抑制される。
また、特許文献4は、内向きの接触角を持つ正面組み合わせの複列玉軸受を使用するもので、同様にモーメント荷重が負荷された場合でも外輪軌道面および内輪軌道面とボールとの間で隙間が生じにくいため、異音や騒音の発生が抑制可能となる。
この他、電磁クラッチ用軸受としては、特開2000−240663号公報(特許文献5)記載のものも知られている。これは、玉軸受の外輪軌道面と内輪軌道面の曲率半径を一定範囲に特定したもので、内外輪のアキシャル変位を規制して電磁クラッチの回転体と被回転体との間に形成された隙間を保持することを目的としている。
しかしながら、特許文献1〜3に記載された四点接触玉軸受では、モーメント荷重の負荷に対しては有効であるにしても、純ラジアル荷重、すなわち軸受の軸方向中心にラジアル荷重(純ラジアル荷重)が負荷されると、ボールが内輪および外輪とそれぞれ二点(軸受全体では四点)で接触する。この状態では接触部が純転がり接触状態とはならず、滑り接触を伴った転がり接触状態となるため、ボールと内・外輪との間で滑りで摩耗や発熱が生じる点が問題となる(特許文献5の段落0008および0009参照)。従って、この軸受は、プーリと軸受の軸方向中心に大きなずれを持つ場合のみ使用可能で、プーリと軸受の軸方向中心が一致する場合若しくはそのずれが小さい場合は使用が困難であり、汎用性に欠ける。
また、特許文献4記載の軸受は、軸方向寸法の長い複列軸受であるため、軽量化や低コスト化の要請に反し、かつ周辺部品の設計自由度の低下を招く点が問題となる。
さらに、特許文献5記載の軸受は、軌道面の曲率が特定範囲にあることを除けば通常の深溝玉軸受に準じる構成を有するものであるから、内外輪間のアキシャル変位およびモーメント剛性が四点接触玉軸受よりも劣り、従って、特に大きなモーメント荷重が負荷される場合、内外輪間の相対的な傾きが大きくなる不具合がある。
本発明は、かかる実情に鑑み、ラジアル荷重が負荷される条件下で、それがモーメント荷重であるか否かを問わず使用可能な高い汎用性を持つ玉軸受を提供するものである。
上記目的の達成のため、本発明は、内輪と、外輪と、内輪と外輪の間に配置されたボールとを有する玉軸受において、内輪と外輪の少なくとも一方が、軸方向両側に形成され、それぞれボールと接触角もって接触可能の第一の軌道面と、第一の軌道面の間に形成され、ボール半径よりも大きい曲率半径を有する第二の軌道面とを備えることを特徴とするものである。
この玉軸受においては、モーメント荷重が負荷されると、一方の軌道輪(例えば外輪)で軸方向両側の第一の軌道面のうち軸方向一方側がボールと非接触になり、軸方向他方側がボールと接触する(図3および図4参照)。この時、他方の軌道輪(例えば内輪)でも上記とは反対側(軸方向一方側)で軌道面がボールと接触する。そのため、従来の四点接触玉軸受と同様にボールが軸方向両側で常時内輪軌道面および外輪軌道面と接触可能となり、これにより異音や騒音の発生を防止することができる。また、深溝玉軸受のように軸受の軸方向中心上でボールと軌道面が一点接触するものではないから、当該軸受を使用する場合に比べ、軸受のアキシャル変位を抑えることができ、かつモーメント剛性も高めることができる。
一方、純ラジアル荷重が負荷されると、ボールは第一の軌道面とは非接触となるが、第二の軌道面と一点接触するから、接触部は純転がり接触に近い状態となる。従って、接触部における滑り減じ、摩耗量や発熱量を抑えることが可能となる。
以上から、この玉軸受は、モーメント荷重が負荷される場合のみならず、モーメント荷重が作用しない純ラジアル荷重下でも使用することができ、一つの軸受でモーメント荷重の有無を問わず対応可能となる。
以上に述べた各軌道面の異なる機能を担保するため、第一および第二の軌道面の何れか一方の軌道面と接触しているボールは、他方の軌道面とは非接触状態とするのが望ましい。
上記第一および第二の軌道面を有する軸受を仮に複列に配置すると、モーメント荷重で外輪が傾くことにより、二列のうち一方の列側では外輪が内輪側に押され、他方の列側では外輪が内輪から遠ざかるため、他方の列側でボールが内外輪軌道面に対して非接触となる。これに対し、上記のようにボールを単列に配置すれば、ボールと軌道面間に隙間が形成されることはなく、各ボールが第一の軌道面と一点ずつ接触した状態が常に保たれる。また、このようにボールを単列に配置すれば、複列に比べて軸受の軸方向寸法が短縮化されるため、軽量化や低コスト化、さらには周辺部品の設計自由度の向上を図ることが可能となる。
この玉軸受において、ボールと接触各を持って接触する第一の軌道面の具体的形状としては、ゴシックアーチ、楕円、放物線、双曲線の何れかの形状が生産性に優れを考えられる。
以上に述べた各玉軸受の外輪をベルトと接触する回転部材に固定することによりプーリを製作することができる。この玉軸受には、プーリがベルト張力を受ける関係でラジアル荷重が作用するが、上記玉軸受を使用することにより、ラジアル荷重が純ラジアル荷重であるかモーメント荷重であるかを問わず、同一の玉軸受で対応することが可能となるので、軸受の汎用性が高まる。
また、このプーリと、通電によって電磁力を発生するコイルと、従動部材とを備え、コイルで発生した電磁力で回転部材と従動部材とを吸着させて、回転部材の回転を従動部材に伝達する電磁クラッチにおいても同様にモーメント荷重の有無を問わず、同一の玉軸受で対応することが可能となる。この場合、上述のようにモーメント荷重下でも軸受のアキシャル変位量が少ないため、このアキシャル変位による回転部材と従動部材との間のクラッチ隙間への悪影響を防止することができ、クラッチの作動安定性や耐久性を向上させることができる。
この電磁クラッチにおいては、例えばベルトがエンジンによって駆動され、従動部材がコンプレッサの駆動軸に連結される。この電磁クラッチと、その従動側回転部材に連結したコンプレッサとで車両用空調装置を提供することができる。
本発明によれば、ラジアル荷重が負荷される条件下でも、それが純ラジアル荷重であるか、あるいはモーメント荷重であるかを問わず同一の玉軸受で対応することが可能となる。従って、この種の玉軸受の汎用性を高めることができ、低コスト化を図ることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明にかかる玉軸受1の断面図である。図示のように、この玉軸受は、外周に軌道面2を有する内輪3と、内周に軌道面4を有する外輪5と、内外輪3、5の軌道面2、4間に介在させた複数のボール6とを備えており、ボール6を単列に配した単列玉軸受として構成される。ボール6は保持器7によって円周方向の等配位置に保持され、内外輪3、5の間の軸受内部空間は、その軸方向両端に配したシール8によって密封されている。
図2および図3に示すように、本実施形態において内輪3および外輪5の各軌道面2、4は二種類の軌道面A、Bで構成される(図面は内輪3の軌道面2を例示している)。
このうち、第一の軌道面Aは、軸方向に離隔した二箇所に形成され、何れもいわゆる4点接触玉軸受の軌道面形状と同形状をなす。図示例の第一の軌道面Aは、ゴシックアーチ形状をなし、軸受の軸方向中心のそれぞれ反対側に等距離eだけオフセットした位置に曲率中心があって、かつボール6の半径よりも大きい曲率半径R2を有する円弧状の輪郭を備える。従って、ボール6は二つの第一の軌道面Aに対してそれぞれ接触角αをもった状態で接触可能となる。第一の軌道面Aの形状は、ボールと接触角をもって接触するものである限り任意に選択でき、図示したゴシックアーチ形状に限らず、楕円、放物線、双曲線の何れかの形状とすることもできる。なお、図2中の破線は、後述する第二の軌道面Bが存在しない従来の四点接触玉軸受における軌道面形状を表すものである(図3も同じ)。
一方、第二の軌道面Bは、二つの第一の軌道面Aの間に形成される。この第二の軌道面Bは円弧状の輪郭を備え、その曲率中心は軸受の軸方向中心O−O上にあり、かつその曲率半径R1はボール6の半径よりも大きい。従って、純ラジアル荷重下では、ボール6と第二の軌道面Bとが軸受中心O−O上で一点接触する。第一の軌道面Aの曲率半径R1と第二の軌道面Bの曲率半径R2の大小関係は任意で、図2に示すようにR1<R2とする他、図3に示すようにR1>R2としてもよい。
この玉軸受1における作用を図4および図5に基づいて説明する。なお、図4および図5は、第一の軌道面や第二の軌道面の曲率の差は理解のため誇張して描いている。
玉軸受1にモーメント荷重(図面時計回り)が作用すると、外輪5が同方向に揺動して外輪5に傾きを生じる。その結果、ボール6は、外輪軌道面4のうち、左側の第一の軌道面4Aと接触角αをもって接触する一方、右側の第一の軌道面4Aとは非接触になる。また、ボール6と内輪軌道面2との接触態様は、外輪軌道面4におけるものと反対で、ボール6は右側の第一の軌道面2Aと接触角αをもって接触する一方、左側の第一の軌道面2Aとは非接触となる。このように各ボール6が軸方向反対側で内外輪3、5とそれぞれ一点ずつ接触した状態にあり、かつこの接触状態が常時維持されるため、ボール6の軌道面2、4との衝突による異音や騒音の発生を防止することが可能となる。また、ボール6と内輪軌道面2および外輪軌道面4との接触部が軸受の軸方向中心O−Oを挟む両側に存在するため、深溝玉軸受に比べてモーメント剛性が高まると共に、軸受のアキシャル変位量も少なくなる。
一方、玉軸受1に純アキシャル荷重が作用すると、図5に示すように、ボール6は軸受の軸方向中心上で内外輪3、5の第二の軌道面2B、4Bとそれぞれ一点接触し、第一の軌道面2A、4Aとは非接触となる。これによりボール6と内外輪3、5との接触部は純転がり接触に近い状態となるので、接触部における滑りを減じ、摩耗量や発熱量を抑えることが可能となる。
以上から、本発明によれば、 ラジアル荷重が作用するのであれば、それが純ラジアル荷重であるかモーメント荷重であるかを問わず、同一の玉軸受1で対応することが可能となる。従って、純ラジアル荷重用もしくはモーメント荷重用の専用品を製作していた従来に比べ、玉軸受の汎用性が高まってその低コスト化を図ることができる。
また、かかる効果は、モーメント荷重の方向を問わず単列の軸受で得られるため、複列玉軸受を用いる従来品に比べて特に軸方向寸法の大幅な小型化が可能となり、低コスト化、軽量化、さらには周辺機器の設計自由度の向上を図ることができる。
なお、以上の説明では、内輪軌道面2と外輪軌道面4の双方に第一の軌道面2A、4Aおよび第二の軌道面2B、4Bを設けた場合を例示したが、必ずしも双方の軌道面2、4に二種類の軌道面を設ける必要はなく、少なくとも一方の軌道輪に二種類の軌道面A、Bが設けられていれば、他方の軌道輪の軌道面は、従来の深溝玉軸受と同様に、ボール6と一点接触する単一曲率からなる円弧状に形成しても同様の効果が得られる。
以上に述べた玉軸受1は、ラジアル荷重(モーメント荷重も含む)が負荷される用途に広く使用することができる。図6は、その一例でベルト伝動装置のプーリ11に上記玉軸受1を適用した例である。
このプーリ11は、自動車のタイミングベルトに使用されるアイドラプーリで、鋼板プレス製のプーリ本体12と、プーリ12本体の内径に嵌合した単列の玉軸受1とで構成される。プーリ本体12は、図示しないベルトからの駆動力を受けて回転する回転部材で、内径円筒部12a、内径円筒部12aの一端から外径側に延びたフランジ部12b、フランジ部12bから軸方向に延びた外径円筒部12c、内径円筒部12aの他端から内径側に延びた鍔部12dからなる環体である。内径円筒部12aの内周面には玉軸受1の外輪5が嵌合され、外径円筒部12cの外周面には図示しないベルトと接触するプーリ周面12eが設けられている。玉軸受1の内輪3は図示しない固定軸に嵌合されている。プーリ本体12のプーリ周面12eをベルトに接触させることにより、プーリ11がアイドラとしての役割を果たす。
図示例のプーリ11は、ベルトと軸受1の軸方向中心とが略一致しており、従ってベルト張力に基づく荷重は、純ラジアル荷重が支配的となる。この場合、軸受1は図5に示す接触状態となるので、ボール6と各軌道面2B、4Bとの接触状態が純転がり状態に近づき、四点接触玉軸受を使用する場合に比べて軸受1の発熱や摩耗を抑制することができる。もちろんプーリ11において、ベルトと軸受1の軸方向中心にずれが存在する場合もあり、その場合、図4に示すように、ボール6は接触角αをもって内輪軌道面2および外輪軌道面4と接触し、四点接触玉軸受と同様の接触状態となって、軸受1からの異音や騒音の発生を防止する。
図6では、アイドラプーリに上記玉軸受1を適用した場合を例示したが、この玉軸受1は、その他にもベルト張力を調整するためのテンショナプーリ用の軸受としても使用することができる。また、タイミングベルトに限らず、自動車のエンジンに駆動される補機駆動用ベルトに使用するプーリにも同様に使用することができる。
図7は、この玉軸受1を電磁クラッチの回転支持部への使用例を示すもので、特に車両用空調装置のコンプレッサ用電磁クラッチ21の概略構成を表す。図示のように、この電磁クラッチ21では、コンプレッサ20から回転自在に突出された駆動軸22の先端に回転円盤23が取り付けられ、さらに回転円盤23に板ばね24を介し、従動部材としてのアーマチュア25が取り付けられている。コンプレッサハウジング27からは駆動軸22を取り囲むように円筒軸28が延びており、この円筒軸28に電磁クラッチ用玉軸受1の内輪3が固定されている。玉軸受1の外輪5にはプーリ31が取り付けられている。プーリ31は、ベルトの掛け渡し部32とこの掛け渡し部32の内周に固定した回転部材としてのロータ33とからなり、ロータ33のコンプレッサハウジング27と反対側の端面33aはアーマチュア25の端面25aと微小隙間gを介して対向し、ロータ33の内周面に玉軸受1の外輪5が固定されている。ロータ33の外周と内周の間に凹部34が設けられ、この凹部34にコンプレッサハウジング27に固定したステータ35がロータ33と接触しないよう収容されている。ステータ35内に収容されたコイル36に通電すると、磁界が発生してアーマチュア25がロータ33に吸着され、プーリ31の回転力がアーマチュア25、板ばね24、回転円盤23、駆動軸22を介してコンプレッサ20に入力され、コンプレッサ20が駆動する。
この電磁クラッチ21の軸受1としても図1〜図3に示す玉軸受を使用することができる。この電磁クラッチ21においては、図面からも明らかなようにベルトと軸受の軸方向中心に軸方向のずれが存在しているため、玉軸受1にはモーメント荷重が作用する。従って、この場合、ベルトの駆動中におけるボール6と内外輪3、5との接触状況は図4に示すモーメント荷重の負荷状態となる。
上述のようにモーメント負荷状態では、玉軸受1のアキシャル変位量が少なく、従って、アーマチュア25とロータ33との間のクラッチ隙間gの変動を来すこともない。アキシャル変位量が多いと、クラッチ隙間gを規定幅に維持できず、両者の意図しない接触による異常発熱や異常摩耗、あるいは電磁力の吸着力不足等を招き、耐久性や作動安定性にク影響を及ぼすおそれがあるが、上記玉軸受1を使用する限りこの種の弊害を回避することができる。
1 玉軸受
2 内輪軌道面
3 内輪
4 外輪軌道面
5 外輪
6 ボール
7 保持器
8 シール
11 プーリ
12 プーリ本体(回転部材)
20 コンプレッサ
21 電磁クラッチ
22 駆動軸
25 アーマチュア(従動部材)
27 コンプレッサハウジング
32 掛け渡し部
33 ロータ(回転部材)
34 凹部
35 ステータ
36 コイル
2 内輪軌道面
3 内輪
4 外輪軌道面
5 外輪
6 ボール
7 保持器
8 シール
11 プーリ
12 プーリ本体(回転部材)
20 コンプレッサ
21 電磁クラッチ
22 駆動軸
25 アーマチュア(従動部材)
27 コンプレッサハウジング
32 掛け渡し部
33 ロータ(回転部材)
34 凹部
35 ステータ
36 コイル
Claims (8)
- 内輪と、外輪と、内輪と外輪の間に配置されたボールとを有する玉軸受において、
内輪と外輪の少なくとも一方が、軸方向両側に形成され、それぞれボールと接触角もって接触可能の第一の軌道面と、第一の軌道面の間に形成され、ボール半径よりも大きい曲率半径を有する第二の軌道面とを備えることを特徴とする玉軸受。 - 第一および第二の軌道面の何れか一方の軌道面と接触しているボールが、他方の軌道面とは非接触状態にある請求項1記載の玉軸受。
- ボールが単列に配置されている請求項1記載の玉軸受。
- 第一の軌道面が、ゴシックアーチ、楕円、放物線、双曲線の何れかの形状である請求項1記載の玉軸受。
- 請求項1〜4の何れかに記載した玉軸受の外輪を、ベルトと接触する回転部材に固定したことを特徴とするプーリ。
- 請求項1〜4の何れかに記載したプーリと、通電によって電磁力を発生するコイルと、従動部材とを備え、コイルで発生した電磁力でプーリの回転部材と従動部材とを吸着させて、回転部材の回転を従動部材に伝達することを特徴とする電磁クラッチ。
- ベルトがエンジンによって駆動され、かつ従動部材がコンプレッサの駆動軸に連結される請求項6記載の電磁クラッチ。
- 請求項7に記載した電磁クラッチと、その従動側回転部材に駆動軸を連結したコンプレッサとを有する車両用空調装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003280342A JP2005042892A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 玉軸受 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003280342A JP2005042892A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 玉軸受 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005042892A true JP2005042892A (ja) | 2005-02-17 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003280342A Withdrawn JP2005042892A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 玉軸受 |
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---|---|
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2003
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