JP2003139174A - 制動用回転部材付転がり軸受ユニット - Google Patents

制動用回転部材付転がり軸受ユニット

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動車組立工場での作業を面倒にする事な
く、製造コストが安価で制動時に発生する振動及び騒音
を抑える性能が優れた制動用回転部材付転がり軸受ユニ
ットを実現する。 【解決手段】 取付フランジ13に支持したスタッド9
を通孔24に緩く挿通する事により、ロータ2を上記取
付フランジ13の外側面に支持する。この状態で、コイ
ルばね28の、先端部を上記スタッド9の雄ねじ部29
に係止すると共に、基端部を上記ロータ2の外側面の一
部で上記通孔24の周囲に弾性的に当接させる。この構
成によりロータ2を上記取付フランジ13に対し不離に
結合し、制動用回転部材付転がり軸受ユニットとする。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、自動車の車輪並
びにロータ或はドラム等の制動用回転部材を支持する為
の制動用回転部材付転がり軸受ユニットの改良に関す
る。 【0002】 【従来の技術】自動車の車輪を構成するホイール1、及
び制動用回転部材であって制動装置であるディスクブレ
ーキを構成するロータ2は、例えば図5に示す様な構造
により、懸架装置を構成するナックル3に回転自在に支
承している。即ち、このナックル3に形成した円形の支
持孔4部分に、転がり軸受ユニット5を構成する、静止
輪である外輪6を、複数本のボルト7により固定してい
る。一方、上記転がり軸受ユニット5を構成するハブ8
に上記ホイール1及びロータ2を、複数本のスタッド9
とナット10とにより結合固定している。又、上記外輪
6の内周面には、それぞれが静止側軌道面である複列の
外輪軌道11a、11bを、外周面には結合フランジ1
2を、それぞれ形成している。この様な外輪6は、この
結合フランジ12を上記ナックル3に、上記各ボルト7
で結合する事により、このナックル3に対し固定してい
る。 【0003】これに対して、上記ハブ8の外周面の一部
で、上記外輪6の外端開口(軸方向に関して外とは、自
動車への組み付け状態で幅方向外側となる部分を言い、
図4を除く各図の左側。反対に、自動車への組み付け状
態で幅方向中央側となる、図4を除く各図の右側を内と
言う。本明細書全体で同じ。)から突出した部分には、
取付フランジ13を形成している。上記ホイール1及び
ロータ2はこの取付フランジ13の外側面に、上記各ス
タッド9とナット10とにより、結合固定している。 【0004】又、前記ハブ8の中間部外周面で、上記外
輪6の内周面に形成した複列の外輪軌道11a、11b
のうちの外側の外輪軌道11aに対向する部分には、内
輪軌道14aを形成している。更に、上記ハブ8の内端
部に形成した小径段部15に、ハブ8と共に回転輪を構
成する内輪16を外嵌固定している。そして、この内輪
16の外周面に形成した内輪軌道14bを、上記複列の
外輪軌道11a、11bのうちの内側の外輪軌道11b
に対向させている。これら各外輪軌道11a、11bと
各内輪軌道14a、14bとの間には、それぞれが転動
体である玉17、17を複数個ずつ、それぞれ保持器1
8、18により保持した状態で転動自在に設けている。
この構成により、背面組み合わせである複列アンギュラ
型の玉軸受を構成し、上記外輪6の内側に上記ハブ8及
び内輪16を、回転自在に、且つ、ラジアル荷重及びス
ラスト荷重を支承自在に支持している。 【0005】尚、上記外輪6の両端部内周面と、上記ハ
ブ8の中間部外周面及び上記内輪16の内端部外周面と
の間には、それぞれシールリング19a、19bを設け
て、上記各玉17、17を設けた空間と外部空間とを遮
断している。更に、図示の例は、駆動輪(FR車及びR
R車の後輪、FF車の前輪、4WD車の全輪)用の転が
り軸受ユニット5である為、上記ハブ8の中心部に、ス
プライン孔20を形成している。そして、このスプライ
ン孔20に、等速ジョイント21のスプライン軸22を
挿入している。 【0006】上述の様な転がり軸受ユニット5の使用時
には、図5に示す様に、外輪6をナックル3に固定する
と共に、ハブ8の取付フランジ13に、図示しないタイ
ヤを組み合わせたホイール1及びロータ2を固定する。
又、このうちのロータ2と、上記ナックル3に固定し
た、図示しないサポート及びキャリパとを組み合わせ
て、制動用のディスクブレーキを構成する。制動時に
は、上記ロータ2を挟んで設けた1対のパッドをこのロ
ータ2の両側面に押し付ける。 【0007】上記ホイール1及びロータ2は、前述した
様に、前記スタッド9とナット10とにより上記取付フ
ランジ13の外側面に結合固定される。即ち、この取付
フランジ13にそれぞれの基端部(右端部)を支持され
た複数本の上記スタッド9を、上記ロータ2及びホイー
ル1の取付板部23にそれぞれ形成した通孔24、25
に挿通した状態で、上記ナット10をスタッド9に螺合
する事により、上記ホイール1及びロータ2を上記取付
フランジ13の外側面に結合固定する。ここで、上記転
がり軸受ユニット5にロータ2を組み付ける際には、こ
のロータ2の{側面が回転軸方向(図5の左右方向)に
振れる}面振れの振れ幅(回転軸方向への変位量)の調
整(極力0にする)を行なう必要がある。ロータ2を上
記取付フランジ13に固定した時に、このロータ2の側
面がロータ2の回転中心に対して直角でない場合、ロー
タ2の回転時に上記面振れが生じる。この様な面振れの
振れ幅が大きいと、自動車の制動時に、ジャダーと呼ば
れる不快な騒音を伴う振動が発生する。この為、転がり
軸受ユニット5にロータ2を組み付けた状態で、このロ
ータ2の側面に旋削加工等を施して、上記面振れの振れ
幅が小さくなる様に調整を行なう事が好ましい。 【0008】但し、上述の様なロータ等の制動用回転部
材の面振れの調整を自動車組立工場で行なう事は現実的
ではない。即ち、従来、転がり軸受ユニットと制動用回
転部材とは別々に自動車組立工場に納入され、これらの
組み付け作業は自動車組立工場で行なわれていた。この
組み付け作業時に、旋削加工を伴う上記制動用回転部材
の面振れの調整を行なう事は、作業の段取りを非常に悪
化させる為、非現実的である。自動車の最終組立を行な
う自動車組立工場では、ロータの面振れの調整等の自動
車部品の調整作業の工程を極力減らす方が自動車の生産
性が良くなり、自動車の製造コストの低下を図れる。こ
の様な事情に鑑みて、特開2000−227132号公
報には、予め、ロータ等の制動用回転部材の面振れの調
整を行ない、この面振れの調整を行なった制動用回転部
材を転がり軸受ユニットに結合したまま自動車組立工場
に納入できる構造が提案されている。上記公報に記載さ
れた構造では、転がり軸受ユニットの取付フランジに、
面振れの調整を行なった制動用回転部材を、スタッドと
は別のねじで結合する事により、上記制動用回転部材を
上記取付フランジに結合したまま自動車組立工場に納入
できる様にしている。 【0009】上述の様に、面振れの調整を行なった制動
用回転部材を取付フランジに結合したまま自動車組立工
場に納入する事により、制動用回転部材付転がり軸受ユ
ニットの、制動時に於ける振動を伴う騒音を抑える性能
を高める事ができる。即ち、面振れの調整は、取付フラ
ンジに結合した状態で行なう為、調整後に制動用回転部
材を取り外した場合、再び同じ様に取付フランジに結合
しても、面振れが生じ易くなる。面振れの調整は、振れ
幅が極く小さくなる様に行なう為、一旦取り外して再び
結合する時の僅かな組み付け誤差が振れ幅に大きな影響
を与える事になる。取付フランジと制動回転用部材との
組み合わせが変わったり、組み合わせの位相が変わった
場合には、上記振れ幅は相当に大きくなる。従って、面
振れの調整を行なった制動用回転部材を取り外す事な
く、取付フランジに結合したまま自動車組立工場に納入
する事は、ジャダー防止の面から、制動用回転部材付転
がり軸受ユニットの性能を向上させる事になる。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】上述した様な、特開2
000−227132号公報に記載された従来構造の場
合には、転がり軸受ユニットにロータを結合する為に、
結合用のねじを使用している為、このねじによる結合の
為の加工作業が必要となる。即ち、転がり軸受ユニット
を構成する取付フランジにスタッド用の取付孔とは別に
上記ねじ用のねじ孔を、上記ロータにスタッド用の通孔
とは別にこのねじ用の通孔を、それぞれ加工する作業が
必要となる。この様に、転がり軸受ユニットにロータを
結合する為の作業が多くなる事は、制動用回転部材付転
がり軸受ユニットの製造コストが増加し、好ましくな
い。 【0011】これに対して、ロータを取付フランジに結
合する為に、上記取付フランジにロータのみを支持し、
ホイールを支持していない状態でナットを上記スタッド
に螺合する事により、ロータのみを取付フランジに固定
して、部品工場から自動車組立工場に搬送する事が考え
られる。この様にすれば、上述した特開2000−22
7132号公報の構造の様に、ロータと取付フランジと
の結合にねじを使用する必要がなくなる為、このねじ用
のねじ孔及び通孔の加工作業がなくなる。但し、この様
にすると、自動車組立工場でホイールを組み付ける際
に、ナットを一旦取り外してからホイールを組み付けた
後、再びこのナットをスタッドに螺合する作業が必要と
なり、自動車組立工場での作業が面倒となる。本発明
は、上述の様な事情に鑑み、自動車組立工場での作業を
面倒にする事なく、製造コストが安価で、制動時に振動
及び騒音が発生するのを防止する性能が高い制動用回転
部材付転がり軸受ユニットを実現すべく発明したもので
ある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明の制動用回転部材
付転がり軸受ユニットは、従来構造と同様に、静止側周
面に静止側軌道面を有し、使用状態で懸架装置に支持固
定される静止輪と、回転側周面に回転側軌道面を有し、
車輪を支持した状態でこの車輪と共に回転する回転輪
と、この回転側軌道面と上記静止側軌道面との間に設け
られた複数個の転動体と、上記回転輪の外周面に設けら
れ円周方向複数箇所に取付孔を形成した取付フランジ
と、この取付フランジにそれぞれの基端部を支持された
複数本のスタッドと、円周方向複数個所に形成した通孔
にこれら各スタッドを挿通した状態で、上記取付フラン
ジの側面に支持固定された制動用回転部材とを備える。 【0013】特に、本発明の制動用回転部材付転がり軸
受ユニットに於いては、上記各スタッドを上記各通孔に
緩く挿通する事により上記制動用回転部材を上記取付フ
ランジの側面に支持した状態で、上記各スタッドのうち
の少なくとも1本のスタッドに、基端部の径よりも先端
部の径が小さい弾性部材を外嵌し、この弾性部材の先端
部を上記少なくとも1本のスタッドの中間部に係止する
と共に、この弾性部材の基端部を上記制動用回転部材の
側面で上記取付フランジと反対面の一部で上記通孔の周
囲部分に弾性的に当接させる事により、この制動用回転
部材を上記取付フランジに対し、不離に結合している。 【0014】 【作用】本発明の制動用回転部材付転がり軸受ユニット
は、前述した特開2000−227132号公報に記載
した従来構造と同様に、転がり軸受ユニットを構成する
取付フランジに、面振れを調整した制動用回転部材を結
合したまま自動車組立工場に納入できる。この為、制動
時に振動及び騒音が発生するのを防止する性能が高い制
動用回転部材付転がり軸受ユニットを提供できると共
に、自動車の組立作業の工程を減らして、自動車の生産
性を向上させる事ができる。 【0015】特に、本発明の場合は、制動用回転部材を
取付フランジに結合する為に、これら制動用回転部材部
材及び取付フランジに、スタッド挿通用として本来必要
とされる以外の、ねじ孔及び通孔を加工する作業が必要
なくなり、制動用回転部材付転がり軸受ユニットの製造
コストを低く抑える事ができる。又、結合部材として弾
性部材を使用している為、この弾性部材をスタッドに係
止したままホイールを組み付ける事ができ、自動車組立
工場での作業が面倒となる事もない。 【0016】 【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、転がり軸
受ユニット5に制動用回転部材であるロータ2を結合す
る構造にある。又、本例の制動用回転部材付転がり軸受
ユニットの場合、ハブ8の内端部に形成したかしめ部2
6により内輪16の内端面を抑える事により、この内輪
16の脱落防止を図ると共に玉17、17に予圧を付与
した構造としている。その他の部分の構成及び作用は、
前述の図5に示した従来構造と同様である為、同等部分
に関する説明は省略若しくは簡略にし、以下、本発明の
特徴部分を中心に説明する。 【0017】本例の制動用回転部材付転がり軸受ユニッ
トの場合、取付フランジ13へのロータ2の結合を、ス
タッド9と、請求項に記載した弾性部材であるコイルば
ね28とにより行なっている。この為に、上記取付フラ
ンジ13の円周方向複数箇所に形成した取付孔27に、
それぞれ基端部(右端部)に設けたセレーション部を圧
入固定する事により支持された複数本のスタッド9を、
ロータ2の円周方向複数箇所に形成した通孔24に緩く
挿通している。この様にして上記ロータ2を上記取付フ
ランジ13の外側面に支持した状態で、上記各スタッド
9のうちの少なくとも1本のスタッド9の中間部に、基
端部の径よりも先端部の径が小さい上記コイルばね28
を外嵌している。そして、このコイルばね28の先端部
(左端部)を上記雄ねじ部29の中間部基端側に係止す
ると共に、このコイルばね28の基端部(右端部)を上
記ロータ2の外側面の一部で上記通孔24の周囲部分に
弾性的に当接させている。この構成により、上記スタッ
ド9が上記通孔24から抜け出すのを防止する事によ
り、このロータ2を上記取付フランジ13に対し、不離
に結合している。 【0018】上記コイルばね28は、ばね鋼(SUP)
若しくはばね用オイルテンパー線(SWO)等の線材
を、先端部から基端部に向かう程径が大きくなる様に螺
旋状に巻回して成る。そして、自由状態でのコイルばね
28の先端部の径を、上記雄ねじ部29の外径より小さ
くしている。又、上記コイルばね28を構成する線材の
径は、上記雄ねじ部29の溝にその一部が嵌まり込む程
度に小さくしている。この為、コイルばね28の先端部
は雄ねじ部29のねじ溝内に係止されて、輸送時に加わ
る力程度では、上記スタッド9の軸方向にずれ動かなく
なる。尚、上記雄ねじ部29のねじ溝は螺旋状になって
いる為、上記コイルばね28の先端部はこの螺旋状のね
じ溝に沿って係止される。この様なコイルばね28を雄
ねじ部29に外嵌するには、コイルばね28の先端部を
雄ねじ部29の外径よりも弾性的に拡径しながら、この
雄ねじ部29の軸方向に図の左側から右側に、コイルば
ね28の基端部が上記ロータ2の外側面に当接するまで
押し込む。更に、コイルばね28の弾性力によりロータ
2の外側面を押し付けた状態で、コイルばね28の先端
部を上記雄ねじ部29の一部に係止する。 【0019】尚、コイルばね28を外嵌するスタッド9
が1本でも、上記ロータ2を上記取付フランジ13に結
合する事ができるが、好ましくは、複数本(2〜3本)
のスタッド9にコイルばね28を外嵌する。例えば、ス
タッドが4本支持されている転がり軸受ユニットの場合
は、コイルばね28を外嵌するスタッド9の位置が径方
向反対側となる様に、コイルばね28を2箇所に外嵌す
る事が好ましい。本例のコイルばねによる取付フランジ
13へのロータ2の結合は、自動車組立工場に納入する
までの仮止めとしての役割を持つだけである為、全ての
スタッド9にコイルばね28を外嵌する必要はないが、
全てのスタッド9に外嵌しても差し支えない。 【0020】本例の制動用回転部材付転がり軸受ユニッ
トは、上述の様に構成する事により、上記取付フランジ
13に面振れを調整したロータ2を結合したまま自動車
組立工場に納入できる構造としている。即ち、上記面振
れの調整は、上述の様にスタッド9とコイルばね28と
により取付フランジ13の外側面にロータ2を結合した
状態で、更に治具等により取付フランジ13とロータ2
とを固定し、ロータ2のパッドのライニングが摺接する
面を旋削加工する事により、この面の振れ幅を極く小さ
くする。従って、面振れの調整が終了後、上記取付フラ
ンジ13とロータ2を治具から外しても、上記スタッド
9とコイルばね28により、取付フランジ13とロータ
2は結合されたままとなっており、このままの状態で自
動車組立工場に納入できる。この為、制動時に振動や騒
音が発生するのを防止する性能の高い制動用回転部材付
転がり軸受ユニットを提供できると共に、自動車組立工
場での組立作業の工程を減らして、自動車の生産性を向
上させる事ができる。 【0021】特に、本例の場合は、上記取付フランジ1
3へのロータ2の結合を、上述の様に、上記スタッド9
とコイルばね28とにより行なっている。この為、ロー
タ2を取付フランジ13に結合する為に、これらロータ
2及び取付フランジ13に、上記スタッド9を挿通する
為に本来必要となる以外の、ねじ孔及び通孔を加工する
作業が必要なくなり、制動用回転部材付転がり軸受ユニ
ットの製造コストを安価にする事ができる。又、上記コ
イルばね28を上記雄ねじ部29に外嵌する作業は、コ
イルばね28を雄ねじ部29に押し込むだけで済む為、
固定用のねじを締め付ける作業に比べて容易に行なう事
ができる。 【0022】尚、図2は、上述の様にロータ2を結合し
た転がり軸受ユニット5にホイール1を組み付けた状態
を示している。このホイール1は、前述の図5に全体形
状を示す様に、鋼板にプレス加工を施して成るもので、
取付板部23の円周方向複数個所に通孔25設け、この
通孔25が存在する部分に、大略円すい台状の膨出部3
0を形成している。又、上記通孔25の内周面は、軸方
向外側から内側に向かう程径が小さくなる方向に傾斜し
た円すい状凹面として、スタッド9に螺合するナット1
0側に設けた円すい状凸面と係合する位置合わせ面とし
ている。この様なホイール1は、上記通孔25にスタッ
ド9を挿通した状態で、上記ロータ2の外側面に支持す
る。そして、上記ナット10を上記スタッド9の雄ねじ
部29に螺合し、更に締め付ける事により、上記ホイー
ル1を上記転がり軸受ユニット5に結合固定する。 【0023】本例の場合、上記ホイール1を転がり軸受
ユニット5に組み付ける際に、スタッド9に外嵌したコ
イルばね28を取り外す必要はない。即ち、このコイル
ばね28は、ホイール1を転がり軸受ユニット5に組み
付けた状態で、図に示す様に、ホイール1の取付板部2
3の内側面とロータ2の外側面との間で上記膨出部30
に囲まれた空間31内に位置する事となる。この為、上
記コイルばね28がホイール1の一部と干渉する事な
く、このコイルばね28がこのホイール1を上記転がり
軸受ユニット5に組み付ける際の妨げとなる事はない。
尚、コイルばね28の軸方向寸法が上記環状空間31の
軸方向の寸法よりも大きく、コイルばね28とホイール
1とが干渉する場合でも、上記ナット10の締め付けに
伴ってコイルばね28が軸方向に圧縮される為、このコ
イルばね28が上記組み付け作業の妨げとなる事はな
い。従って、上記コイルばね28を上記スタッド9に外
嵌したまま、上記ホイール1を、上記ロータ2を固定し
た転がり軸受ユニット5に組み付ける事ができ、自動車
組立工場での作業が面倒となる事がない。 【0024】次に、図3〜4は、本発明の実施の形態の
第2例を示している。本例の場合、弾性部材として、上
述した第1例のコイルばね28に代えて、皿板ばね32
を使用している。この皿板ばね32は、SK5等の鋼板
を扇形に打ち抜き、円錐状に曲げ形成して成る。即ち、
上記皿板ばね32は、先端部(図3の左端部、図4の上
端部)から基端部(図3の右端部、図4の下端部)に向
かう程径が大きくなる部分円錐状としている。又、この
皿板ばね32の側面の一部には不連続部33が存在す
る。即ち、扇形の板材を円錐状に加工した状態で、板材
の端部同士を溶接等により結合する事なく、端部同士の
間に隙間が存在する様にしている。この不連続部33に
より、上記皿板ばね32は径方向への弾性変形が自在と
なる。又、上記皿板ばね32の先端部の自由状態での内
径は、スタッド9の雄ねじ部29の外径より小さくして
いる。尚、本例では、ロータ2の外側面で複数の通孔2
4の周囲に、これら通孔24と同心に、円形の凹部34
をそれぞれ設けている。 【0025】本例の場合も、上述した第1例と同様に、
スタッド9の雄ねじ部29の中間部基端側に上記皿板ば
ね32の先端部を係止し、基端部を上記ロータ2の外側
面に形成した上記凹部34に弾性的に当接させている。
即ち、上記皿板ばね32の先端部の内径を上雄ねじ部2
9の外径よりも大きくなる様に、弾性的に拡径させなが
ら、上記皿板ばね32を上記雄ねじ部29の軸方向に図
の左側から右側に押し込み、この皿板ばね32の基端縁
を、上記凹部34の奥部に弾性的に当接させている。そ
して、この状態で皿板ばね32の先端部を、上記スタッ
ド9の中間部で上記雄ねじ部29の一部に係止してい
る。尚、皿板ばね32を雄ねじ部29に確実に係止させ
る為には、この皿板ばね32の先端部内周縁を螺旋状の
ねじ溝に沿わせる事が好ましいが、本例の場合には、上
記皿板ばね32の側面に上記不連続部33を設けている
為、皿ばね32の先端部内周縁を上記ねじ溝に沿わせる
事ができる。 【0026】又、本例では、上記凹部34を設ける事に
より、ロータ2を固定した転がり軸受ユニット5にホイ
ール1(図2、5参照)を組み付けた状態で、このホイ
ール1と上記皿板ばね32とが干渉しない様にしてい
る。言い換えれば、凹部34を設ける事により、アルミ
ニウムホイール等、膨出部30(図2)を持たないホイ
ールを組み付ける場合でも、上記皿板ばね32がこのホ
イールの組み付けの妨げならない様にしている。従っ
て、ホイールの構造に関係なく、皿板ばね32を上記ス
タッド9に係止したまま、このホイールを、上記ロータ
2を固定した転がり軸受ユニット5に組み付ける事がで
きる。この様な、凹部34を設ける構造は、前述の図1
〜2に示した、コイルばね28を使用する構造と組み合
わせる事もできる。その他の構造及び作用は前述した第
1例と同様である。 【0027】尚、上述した本発明の実施の形態の第1例
及び第2例では、制動用回転部材としてロータを使用し
た場合の例を示したが、本発明は制動用回転部材として
ドラムを使用した場合にも適用できる。又、上述した第
1、2例では、駆動輪用の制動用回転部材付転がり軸受
ユニットに就いて説明したが、本発明は従動輪(FR車
及びRR車の前輪、FF車の後輪)用の制動用回転部材
付転がり軸受ユニットに於いても実施できる。 【0028】 【発明の効果】本発明の制動用回転部材付転がり軸受ユ
ニットは、以上に述べた通り構成され作用するので、制
動時に発生する振動及び騒音を抑える性能が優れた制動
用回転部材付転がり軸受ユニット、並びにこれを組み込
む自動車の製造コストを抑える事ができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す断面図。 【図2】同じくホイールを取り付けた状態を示す断面
図。 【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す断面図。 【図4】皿板ばねのみを取り出して示す斜視図。 【図5】従来の制動用回転部材付転がり軸受ユニットの
組み付け状態の1例を示す断面図。 【符号の説明】 1 ホイール 2 ロータ 3 ナックル 4 支持孔 5 転がり軸受ユニット 6 外輪 7 ボルト 8 ハブ 9 スタッド 10 ナット 11a、11b 外輪軌道 12 結合フランジ 13 取付フランジ 14a、14b 内輪軌道 15 小径段部 16 内輪 17 玉 18 保持器 19a、19b シールリング 20 スプライン孔 21 等速ジョイント 22 スプライン軸 23 取付板部 24、25 通孔 26 かしめ部 27 取付孔 28 コイルばね 29 雄ねじ部 30 膨出部 31 空間 32 皿板ばね 33 不連続部 34 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B60B 3/16 B60B 3/16 B Fターム(参考) 3J058 BA21 BA23 BA62 BA63 BA64 CB03 CB14 DD02 DD08 DD24 FA01 3J101 AA02 AA43 AA54 AA62 AA72 BA53 BA54 BA56 BA65 FA01 FA44 FA46 FA55 GA03 GA16

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 静止側周面に静止側軌道面を有し、使用
    状態で懸架装置に支持固定される静止輪と、回転側周面
    に回転側軌道面を有し、車輪を支持した状態でこの車輪
    と共に回転する回転輪と、この回転側軌道面と上記静止
    側軌道面との間に設けられた複数個の転動体と、上記回
    転輪の外周面に設けられ円周方向複数箇所に取付孔を形
    成した取付フランジと、この取付フランジにそれぞれの
    基端部を支持された複数本のスタッドと、円周方向複数
    個所に形成した通孔にこれら各スタッドを挿通した状態
    で、上記取付フランジの側面に支持固定された制動用回
    転部材とを備えた制動用回転部材付転がり軸受ユニット
    に於いて、上記各スタッドを上記各通孔に緩く挿通する
    事により上記制動用回転部材を上記取付フランジの側面
    に支持した状態で、上記各スタッドのうちの少なくとも
    1本のスタッドに、基端部の径よりも先端部の径が小さ
    い弾性部材を外嵌し、この弾性部材の先端部を上記少な
    くとも1本のスタッドの中間部に係止すると共に、この
    弾性部材の基端部を上記制動用回転部材の側面で上記取
    付フランジと反対面の一部で上記通孔の周囲部分に弾性
    的に当接させる事により、この制動用回転部材を上記取
    付フランジに対し、不離に結合した事を特徴とする制動
    用回転部材付転がり軸受ユニット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1759879A1 (de) * 2005-08-31 2007-03-07 Ford Global Technologies, LLC Kraftfahrzeugrad-Nabe-Verbindung
JP2008006848A (ja) * 2006-06-27 2008-01-17 Ntn Corp ブレーキロータ付き車輪用軸受装置およびその製造方法
JP2008121774A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Jtekt Corp 車輪用転がり軸受装置
US7707724B2 (en) 2004-04-09 2010-05-04 Nsk Ltd. Manufacturing method for a drive wheel rolling bearing unit and manufacturing apparatus therefor

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