JP2020204024A - ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】メタリック感、光沢感、輝度、耐擦傷性に優れ、良好な外観を有する成形体を得ることができるポリアミド樹脂組成物を提供する。【解決手段】ポリアミド樹脂(A)100質量部と、耐擦傷剤(B)0.1〜10質量部と、メタリック顔料(C)0.1〜8質量部とを含有するポリアミド樹脂組成物であって、耐擦傷剤(B)が、ポリエステル変性ポリシロキサン、フェームドシリカ含有シリコーン、または、ビニル系ポリマーグラフトポリオレフィンであるポリアミド樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、メタリック感、光沢感、輝度、耐擦傷性に優れ、良好な外観を有する成形体を得ることができるポリアミド樹脂組成物に関する。
自動車のエンジンカバーや家電製品等の内外装カバーには、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂からなる成形体が、一般的に用いられている。このような成形体の外観には、鋼やアルミニウム合金のようなメタリック感のある色調が要求されることがある。
メタリック感のある色調を得るためには、従来、成形体の表面に、アルミニウム等の金属粉を含有する塗料を塗装する方法、いわゆるメタリック塗装がおこなわれたり、メッキ処理がおこなわれている。しかしながら、メタリック塗装やメッキ処理は、有機溶剤を用いるために、作業環境面で問題があり、また、生産性に劣りコストが高くなるという問題がある。
メタリック塗装に用いる樹脂組成物としては、例えば、特許文献1に、ポリアミド樹脂と層状珪酸塩とメタリック色を発現する粒子を配合してなるポリアミド樹脂組成物が開示され、特許文献2に、ポリアミド樹脂と金属フレークとを含有してなるポリアミド樹脂組成物が開示されている。
国際公開第99/013006号パンフレット 特表2001−509524号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載されたポリアミド樹脂組成物から得られた成形体は、メタリック感、光沢感、輝度に優れ、外観にも優れるものの、耐擦傷性に劣り、傷により表面が荒れやすく、外観が劣化するという問題があった。
本発明は、メタリック感、光沢感、輝度、耐擦傷性に優れ、良好な外観を有する成形体を得ることができるポリアミド樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、ポリアミド樹脂とメタリック顔料とを含有する樹脂組成物に、特定の耐擦傷剤を含有させることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は下記の通りである。
(1)ポリアミド樹脂(A)100質量部と、耐擦傷剤(B)0.1〜10質量部と、メタリック顔料(C)0.1〜8質量部とを含有するポリアミド樹脂組成物であって、
耐擦傷剤(B)が、ポリエステル変性ポリシロキサン、フェームドシリカ含有シリコーン、または、ビニル系ポリマーグラフトポリオレフィンであるポリアミド樹脂組成物。
(2)さらに、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、層状珪酸塩(D)を0.1〜10質量部含有する(1)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(3)メタリック顔料(C)が、アルミニウムである(1)または(2)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(4)層状珪酸塩(D)が、膨潤性フッ素雲母またはモンモリロナイトである(2)または(3)に記載のポリアミド樹脂組成物。
(5)メタリック顔料(C)と耐擦傷剤(B)との質量比率[(C)/(B)]が、0.3〜8である(1)〜(4)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(6)層状珪酸塩(D)と耐擦傷剤(B)との質量比率[(D)/(B)]が、0.4〜40である(2)〜(5)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
(7)(1)〜(6)いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、メタリック感、光沢感、輝度、耐擦傷性に優れ、良好な外観を有する成形体を得ることができるポリアミド樹脂組成物を提供することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物に、さらに層状珪酸塩を含有させることにより、得られる成形体の輝度を高すぎず、適度な輝度に抑えることができる。
また、耐擦傷剤とメタリック顔料の質量比率を特定の範囲とすることにより、流動性を向上させることができる。
また、層状珪酸塩とメタリック顔料の質量比率を特定の範囲とすることにより、成形サイクルを短縮することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、自動車部品や電気・電子部品等に好適に用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物からなる成形体の表面のL*の測定方法を示す概略図である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と耐擦傷剤(B)とメタリック顔料(C)とを含有するものである。
本発明のポリアミド樹脂組成物に用いるポリアミド樹脂(A)は特に限定されないが、例えば、ポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリカプロアミド/ポリヘキサメチレンアジパミコポリマー(ポリアミド6/66)、ポリウンデカアミド(ポリアミド11)、ポリカプロアミド/ポリウンデカミドコポリマー(ポリアミド6/11)、ポリデカミド(ポリアミド12)、ポリカプロアミド/ポリドデカミドコポリマー(ポリアミド6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリデカチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)およびこれらの混合物、およびこれらの重合体が挙げられる。上記の中でも、機械特性が優れることから、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド612が好ましく、ポリアミド6、ポリアミド612がより好ましい。
ポリアミド樹脂(A)の分子量の指標である相対粘度は、特に制限されないが、96質量%濃硫酸を溶媒とし、温度25℃、濃度1g/dLの条件で測定した相対粘度が、1.5〜3.5であることが好ましく、1.7〜3.2であることがより好ましく、1.9〜3.0であることがさらに好ましい。相対粘度が1.5未満であると、得られる成形体の耐擦傷性が劣ることがある。一方、相対粘度が3.5を超えると、流動性が劣り、溶融混練が困難となったり、成形性が低下するため、得られる成形体のメタリック感や光沢感や輝度が劣ったりすることがある。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、耐擦傷性を向上させるため、耐擦傷剤(B)を含有させることが必要である。耐擦傷剤(B)は、ポリエステル変性ポリシロキサンまたはフェームドシリカ含有シリコーン、または、ビニル系ポリマーグラフトポリオレフィン(以下、あわせて「特定耐擦傷剤」と略称する。)であることが必要である。本発明のポリアミド樹脂組成物においては、一般に耐擦傷剤といわれるものを用いた場合であっても、フローマークが発生したり、輝度や耐擦傷性の向上効果が小さかったりすることがある。
本発明に用いる特定耐擦傷剤の1つであるポリエステル変性ポリシロキサンとは、ポリエステルで変性したポリシロキサンである。ポリエステル変性部としては、ポリエチレンテレフタレート)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリアリレート、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリ乳酸、ポリカーボネートが挙げられる。ポリエステル変性部は上記のうち1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリエステル変性ポリシロキサンとしては、例えば、EVONIC社製「TEGOMER H−SI 6441P」が挙げられる。
本発明に用いる特定耐擦傷剤の1つであるフェームドシリカ含有シリコーンとは、フェームドシリカを含有したポリオルガノシロキサンである。ポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、3,3,3−トロフルオロプロピルメチルポリシロキサンが挙げられる。フェームドシリカ含有シリコーンとしては、例えば、旭化成ワッカーシリコーン社製「GENIOPLAST PELLET S」が挙げられる。
本発明に用いる特定耐擦傷剤の1つであるビニル系ポリマーグラフトポリオレフィンとは、ビニル系ポリマーをグラフトしたポリオレフィンである。ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンーメタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体が挙げられ、ビニル系ポリマーしては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−メタクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−メタクリル酸共重合体、メタクリル酸グリシジル−スチレン−アクリロニトリル共重合体が挙げられる。ビニル系ポリマーグラフトポリオレフィンとしては、例えば、日油社製「モディパーA1401」が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂組成物における耐擦傷剤(B)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが必要であり、0.5〜5質量部とすることがより好ましい。耐擦傷剤(B)の含有量が0.1質量部未満では、得られる成形体の耐擦傷性が向上しないので好ましくない。一方、耐擦傷剤(B)の含有量が10質量部を超えると、得られる成形体での耐擦傷剤(B)の分散が阻害されるため、フローマークが発生する等、外観が低下するので好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、得られる成形体のメタリック感や光沢感や輝度を向上させるため、メタリック顔料(C)を含有させることが必要である
本発明のポリアミド樹脂組成物に用いるメタリック顔料(C)は特に限定されないが、例えば、アルミニウム、鉄、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、チタン、シリコン、銅等の金属、および、前記金属の合金、前記金属または前記金属の合金の酸化物、窒化物、硫化物、炭化物が挙げられる。メタリック顔料(C)としては、パールマイカやチタンコーティングされたマイカも挙げられる。中でも、成形体のメタリック感や光沢感や輝度が向上することから、アルミニウム、鉄、これらの酸化物、チタンコーティングされたマイカが好ましく、アルミニウムがより好ましい。メタリック顔料(C)は上記のうち1種を用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
メタリック顔料(C)の平均粒子径は、1〜100μmであることが好ましく、2〜80μmであることがより好ましく、3〜60μmであることがさらに好ましく、4〜40μmであることが特に好ましい。平均粒子径が1μm未満のメタリック顔料(C)は、メタリック感や光沢感や輝度の向上効果が小さくなることがある。一方、メタリック顔料(C)の平均粒子径が60μmを超えると、ポリアミド樹脂組成物を得る際のハンドリングが難しくなり、メタリック顔料(C)が有していた平均粒子径を維持しながら溶融混練をすることが困難となることがある。また、溶融混練ができたとしても、得られる成形体は、意匠性に劣ることがある。メタリック顔料(C)の平均粒子径は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置、例えば、マイクロトラック2(日機装社製)により測定することができる。
メタリック顔料(C)の平均厚みは1〜30μmであることが好ましく、1〜20μmであることがより好ましく、1〜10μmであることがさらに好ましい。平均厚みが1μm未満のメタリック顔料(C)を用いた場合、剛性に劣り、溶融混練した際に、形状を保つことが難しくなり、十分なメタリック感や光沢感や輝度を有する成形体を得ることが難しくなることがある。一方、平均厚みが30μmを超えるメタリック顔料(C)を用いた場合、得られる成形体において、メタリック顔料(C)の配向が低下し、メタリック感や光沢感や輝度に劣ったものとなることがある。メタリック顔料(C)の平均厚みは、電子顕微鏡によるメタリック顔料(C)50個測定の単純平均により算出することができる。
メタリック顔料(C)のアスペクト比(平均粒子径/平均厚み)は、2〜60であることが好ましく、2〜50であることがより好ましく、2〜30であることがさらに好ましい。
メタリック顔料(C)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜8質量部であることが必要であり、0.3〜6質量部であることが好ましく、0.3〜5質量部であることがより好ましい。一方、メタリック顔料(C)の含有量が0.1質量部未満では、得られる成形体のメタリック感や光沢感や輝度が向上しないので好ましくない。一方、メタリック顔料(C)の含有量が8質量部を超えると、得られる成形体でのメタリック顔料(C)の分散が阻害されるため、フローマークが発生する等、外観が低下するので好ましくない。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、メタリック顔料(C)とともに、特定量の層状珪酸塩(D)を同時に含有することが好ましい。層状珪酸塩(D)を含有することにより、メタリック顔料(C)の分散性を向上させることができ、輝度を高すぎず、適度な輝度に抑制することができる。また、メタリック感や光沢感が向上し、メタリック顔料(C)の含有量が少なくても、成形体のメタリック感や光沢感を効率よく高めることができる。
本発明で用いる層状珪酸塩(D)は、天然に産出するものでも人工的に合成および変性されたものでもよく、例えばスメクタイト族(モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、ソーコナイト等)、バーミキュライト族(バーミキュライト等)、雲母族(フッ素雲母、白雲母、パラゴナイト、金雲母、レピドライト等)、脆雲母族(マーガライト、クリントナイト、アナンダイト等)、緑泥石族(ドンバサイト、スドーアイト、クッケアイト、クリノクロア、シャモナイト、ニマイト等)が挙げられる。本発明においては膨潤性フッ素雲母やモンモリロナイトが好ましい。層状珪酸塩(D)は、上記のうち1つを単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において好適に用いられる膨潤性フッ素雲母は一般的に次式で示される構造式を有するものである。
(MgLi)Si
(式中、Mはイオン交換性のカチオンを表し、具体的にはナトリウムやリチウムが挙げられる。また、a、b、X、YおよびZはそれぞれ係数を表し、0≦a≦0.5、0≦b≦0.5、2.5≦X≦3、10≦Y≦11、1.0≦Z≦2.0である。)
このような膨潤性フッ素雲母の製造法としては、例えば、酸化珪素、酸化マグネシウムおよび各種フッ化物を混合し、その混合物を電気炉またはガス炉中で1400〜1500℃の温度範囲で完全に溶融し、その冷却過程で反応容器内に膨潤性フッ素雲母の結晶成長させる溶融法が挙げられる。また、タルク〔MgSi10(OH)〕を出発物質として用いて、これにアルカリ金属イオンをインターカレーションして膨潤性を付与し、膨潤性フッ素雲母を得る方法もある(特開平2−149415号公報)。この方法では、所定の配合比で混合したタルクと珪フッ化アルカリを、磁性ルツボ内で700〜1200℃の温度下に短時間加熱処理することによって、膨潤性フッ素雲母を得ることができる。この際、タルクと混合する珪フッ化アルカリの量は、混合物全体の10〜35質量%の範囲とすることが好ましい。この範囲を外れる場合には膨潤性フッ素雲母の生成収率が低下することがある。
本発明において好適に用いられるモンモリロナイトは次式で表されるもので、天然に産出するものを水ひ処理等を用いて精製することにより得ることができる。
Si(Al−aMg)O10(OH)・nH
(式中、Mはナトリウム等のカチオンを表し、0.25≦a≦0.6である。また層間のイオン交換性カチオンと結合している水分子の数はカチオン種や湿度等の条件によって様々に変わりうるため、式中、nHOで表した。)
モンモリロナイトにはマグネシアンモンモリロナイト、鉄モンモリロナイト、鉄マグネシアンモンモリロナイト等の同型イオン置換体の存在が知られており、これらを用いてもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物における層状珪酸塩(D)の含有量は、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、0.5〜9質量部であることがより好ましく、3〜8質量部であることがさらに好ましい。層状珪酸塩(D)の含有量が1質量部未満では、得られる成形体のメタリック感や光沢感や輝度が不足したり、機械特性が低下することがある。一方、層状珪酸塩(D)の含有量が10質量部を超えると、後述する層状珪酸塩(D)の存在下、ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分の重合反応をすることが困難となったり、層状珪酸塩(D)の分散が大きく阻害されたりすることがある。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、重厚感を向上させるため、黒色顔料および/または黒色染料を含有させてもよい。黒色顔料と黒色染料は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物に用いる黒色顔料としては特に限定されないが、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックが挙げられる。中でも、本発明の効果を容易に発現できることから、カーボンブラックが特に好ましい。黒色顔料は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物に用いる黒色染料としては特に限定されないが、例えば、ニグロシンを含むアジン系染料およびアンスラキノンを含む多環縮合染料が挙げられる。中でも、取扱いが簡便な点で、アジン系染料が好ましい。前記アジン系染料の中でも、ニグロシンが好ましい。ニグロシンとしては、例えば、COLOR INDEXにC.I.SOLVENT BLACK 5およびC.I.SOLVENT BLACK 7として記載されているような黒色アジン系縮合混合物が挙げられる。このようなニグロシンの合成は、例えば、アニリン、アニリン塩酸塩およびニトロベンゼンを、塩化鉄の存在下、反応温度160〜180℃で酸化および脱水縮合することにより得ることができる。さらに、このようにして得られたニグロシンを精製し、アニリンやジフェニルアミンを0.1%未満にした精製ニグロシンがより好ましい。ニグロシンの市販品としては、オリヱント化学工業社製のCramity81やNUBIAN BLACKシリーズが挙げられる。黒色染料は、上記のうち1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤等の添加剤を加えることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物において、耐擦傷剤(B)とメタリック顔料(C)との質量比率[(C)/(B)]は、0.3〜8とすることが好ましい。一般に、成形体を作製する際は、加工性を高くするため、流動性を上げることが好ましい。本発明においては、前記質量比率[(C)/(B)]を0.3〜8とすることにより、流動性をより高くすることができる。
また、層状珪酸塩(D)を用いる場合は、層状珪酸塩(D)とメタリック顔料(C)との質量比率[(D)/(B)]を0.4〜40とすることが好ましい。一般に、成形体を作製するには、製造時間が短いことが好ましく、成形サイクルが短いことが好ましい。本発明においては、前記質量比率[(D)/(B)]を0.4〜40とすることにより、成形サイクルを短縮することができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と耐擦傷剤(B)とメタリック顔料(C)と、必要に応じて層状珪酸塩(D)とを溶融混練することによって製造することができる。本発明において、層状珪酸塩(D)を用いる場合、層状珪酸塩(D)の存在下に、ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分の重合反応をおこなって、ポリアミド樹脂(A)と層状珪酸塩(D)との混合物を作製し、この混合物と耐擦傷剤(B)とメタリック顔料(C)とを溶融混練してポリアミド樹脂組成物を製造することが好ましい。
層状珪酸塩(D)の存在下に、ポリアミド樹脂(A)を構成するモノマー成分の重合反応をおこなうことにより、層状珪酸塩(D)をポリアミド樹脂(A)に均一に分散することができ、得られる成形体のメタリック感や光沢感をより向上させることができる。
重合反応に用いる上記モノマーとしては、アミノカルボン酸やそのラクタムを用いることができるので、重合反応の原料のアミノカルボン酸として、そのラクタムを用いてもよい。
層状珪酸塩(D)を用いる場合、層状珪酸塩(D)の存在下に、アミノカルボン酸(ラクタム)を重合する方法としては、層状珪酸塩(D)とアミノカルボン酸(ラクタム)とをオートクレーブに仕込んだ後、水等の開始剤を用いて、温度240〜300℃、圧力0.2〜3MPa、1〜15時間の範囲内で溶融重縮合する方法が挙げられる。ε−カプロラクタムを用いる場合は、温度250〜280℃、圧力0.5〜2MPa、3〜5時間の範囲で重合することが好ましい。
また、重合後のポリアミド樹脂に残留しているアミノカルボン酸(ラクタム)を除去するために、ポリアミド樹脂のペレットに対して熱水による精練をおこなうことが好ましく、その条件としては、90〜100℃の熱水中で8時間以上の処理をすることが挙げられる。
ポリアミド樹脂(A)と層状珪酸塩(D)との混合物と、耐擦傷剤(B)とメタリック顔料とを溶融混練をおこなう場合、公知の溶融混練押出機を用いることができる。メタリック顔料の混練による破砕または折損を極力抑制するためには、スクリューは二軸で用いるよりも単軸で用いることが好ましい。
溶融混練押出機へのメタリック顔料の供給方法としては、前記混合物にメタリック顔料を混合したものを、主ホッパーより一括投入してもよいが、メタリック顔料の破砕または折損を極力抑制するため、メタリック顔料を押出機途中よりサイドフィーダーにて供給することが好ましく、なるべく押出機下流にて供給することがより好ましい。
前記混合物とメタリック顔料とは、十分に溶融混練されていなくてもよく、その後の射出成形加工において、作業に支障がでない範囲で混合できていればよい。必要に応じて、前記混合物とメタリック顔料をドライブレンドしたものを直接射出成形機に供給してもよく、射出成形機において溶融混練して、射出成形をおこなうこともできる。メタリック顔料は外部応力に対し脆いものであるため、このように、樹脂組成物の製造や成形体の成形において、溶融混練時のスクリュー剪断応力をメタリック顔料に極力与えないことが、得られる成形体のメタリック感や光沢感や輝度を一層向上させることができる。
本発明の成形体は、上記本発明のポリアミド樹脂組成物を成形してなるものである。成形方法としては、例えば、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、および真空成形、圧空成形、真空圧空成形、ガス射出成形、射出プレス成形等の方法が挙げられ、中でも、射出成形が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物を射出成形する場合、シリンダー温度は、樹脂組成物の融点または流動開始温度以上とすることが好ましく、具体的には、190〜270℃とすることがより好ましい。シリンダー温度が低すぎると成形体にショートが発生する等成形性が不安定になったり、得られる成形体のメタリック感や光沢感や輝度が失われることがある。一方、シリンダー温度が高すぎるとポリアミド樹脂組成物が分解し、得られる成形体の強度が低下したり、メタリック感や光沢感や輝度を低下させる要因となることがある。金型温度は、樹脂組成物の(融点−20℃)以下とすることが好ましい。
本発明の成形体、特に射出成形法により得られた成形体は、メタリック感や光沢感や輝度が高いものであるが、射出成形時の各種条件、例えば、樹脂温度、射出速度、射出圧、金型温度をバランス良く設定することにより、さらに、メタリック感や光沢感や輝度を向上させることができる。なお、これらの条件は、溶融したポリアミド樹脂組成物の金型内での流動性、さらには、ポリアミド樹脂組成物中での耐擦傷剤(B)、メタリック顔料(C)の分散性に影響を与えるため、慎重に設定することが好ましい。例えば、射出速度を高速とした場合には、メタリック顔料(C)の配向が乱れてしまい、メタリック感や光沢感や輝度が低下する傾向があるため、射出速度は低速から中速とした方がよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、自動車部品、電気、電子部品に好適に用いることができる。自動車部品としては、例えば、インストルメントパネルでのスピードメーター、タコメーター、燃料計、水温計、距離計等の各種計器類、カーステレオ、ナビゲーションシステム、エアコン周りの各種スイッチ、ボタン、センターコンソールでのシフトレバー、サイドブレーキの握り部、ドアトリム、アームレスト、ドアレバーが挙げられる。電気、電子部品としては、例えば、パソコン周辺の各種部品および筐体、携帯電話部品および筐体、その他OA機器部品等の電化製品用樹脂部品が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.評価方法
ポリアミド樹脂組成物の物性測定は、以下の方法によりおこなった。
(1)ガラス転移温度、融点
DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用いて昇温速度10℃/分で昇温し、昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度とした。
また、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 DSC−7型)を用いて昇温速度20℃/分で360℃まで昇温した後、360℃で5分間保持し、続いて降温速度20℃/分で25℃まで降温し、さらに25℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
(2)樹脂中の層状珪酸塩の含有量
製造例で得られた樹脂を、熱風炉を用いて、600℃で12時間処理し、灰分を得て、層状珪酸塩の含有量を求めた。
(3)曲げ強度
得られた樹脂組成物のペレットを100℃で12時間十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製EC−100II型)を用いて、樹脂温度(融点+30℃)、金型温度(ガラス転移温度+40℃)、保圧30MPa、射出速度100mm/秒、射出圧力100MPa、冷却時間10秒、シリンダー温度(融点+15℃)、金型温度(融点−185℃)の条件で射出成形をおこない、ダンベル試験片を作製した。
得られたダンベル試験片を用いて、ISO 178に準拠して測定した。
(4)フローマーク
得られた樹脂組成物のペレットを100℃で12時間十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製EC−100II型)を用いて、樹脂温度(融点+30℃)、金型温度(ガラス転移温度+40℃)、保圧30MPa、射出速度100mm/秒、射出圧力100MPa、冷却時間10秒、シリンダー温度(融点+15℃)、金型温度(融点−185℃)の条件で射出成形をおこない、縦80mm×横60mm×厚さ1mmの中央部に曲率半径50mmの凸部を有する板状成形体(板状部分と凸部が直径50mmの円形状で接している板状成形体)を得た。
外観の指標として、得られた板状成形体において、凸部頂部の裾部を観察し、周辺と色調が変化している部分(フローマーク)があるかどうかを確認した。
○:周辺部分に比べて色調が変化している部分がない。
×:周辺部分に比べて色調が変化している部分がある。
(5)輝度
得られた樹脂組成物のペレットを100℃で12時間十分に乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製EC−100II型)を用いて、樹脂温度(融点+30℃)、金型温度(ガラス転移温度+40℃)、保圧30MPa、射出速度100mm/秒、射出圧力100MPa、冷却時間10秒、シリンダー温度(融点+15℃)、金型温度(融点−185℃)の条件で射出成形をおこない、縦90mm×横50mm×厚さ2mmの板状成形体を作製した。
得られた板状成形体を用いて、BYK−mac i(BYK Additives & Instruments)を用い、図1のように、試料法線に対して入射角度−45°として、得られた正反射の角度から受光角度を15°、45°、110°として、L*値(D65光源/視野角2°)を測定した。それぞれのL*値を、L*15、L*45、L*110とした。
本発明においては、L*15が、80以上であることを合格とした。L*15は120〜135であることが好ましい。L*15が135を超える場合、輝度が高くなりすぎ、粒子感が高くなりすぎることがある。
(6)フリップフロップ値
メタリック感の指標として、2.69(L*15−L*110)^1.11/L*45^0.86という計算式により算出した。
フリップフロップ値は、メタリック感が高いほど大きな値となる。
本発明においては、1以上であることを合格とした。
(7)表面光沢度
光沢感の指標として、(4)で得られた板状成形体を用いて、光沢度計(日本電色社製グロスメーターVG7000型)を用いて、JIS Z 8741に準拠して測定した。
表面光沢度は、光沢感が高いほど大きな値となる。
本発明においては、90%以上であることを合格とした。
(8)光沢残存率
耐擦傷性の指標として、(4)で得られた成形体を用いて、学振型摩耗試験機(安田精機製作所)を用い、5μ粒子研磨フィルム(3M社製「#3000」)を垂直過重9Nの条件で接触させ往復5回擦った。光沢度計(日本電色社製グロスメーターVG7000)を用いて、摩耗試験前後の試験面の光沢度を測定し、下記式により光沢残存率を算出した。
光沢残存率=(試験後光沢度/試験前光沢度)×100
光沢残存率は、耐擦傷性が高いほど大きな値となる。
本発明においては、30%以上であることを合格とした。
(9)MVR
流動性の指標として、得られたペレットを用いて、JIS K 7210に準拠して、275℃、5kgfの荷重で測定した。
MVRは、流動性が高いほど大きな値となる。
本発明においては、180cm/10min以上であることが好ましい。
(10)成形サイクル
(3)の条件で成形時に、突出ピンで成形体に対し変形を与えないで容易に取出しが可能な最短の冷却時間を計測した。ここで成形サイクルとは、同じ射出条件で連続して成形した際、1ショット目の成形体の射出が開始してから、2ショット目の成形体の射出が開始するまでの時間をいう。すなわち、一つの成形体を成形するのに要する時間(射出時間+冷却時間+取出し時間の合計)をいう。
本発明においては、25秒以下であることが好ましい。
2.原料
(1)ポリアミド樹脂モノマー成分
・ε−カプロラクタム(宇部興産社製)
・12−アミノドデカン酸(宇部興産社製)
(2)耐擦傷剤
・ポリエステル変性ポリシロキサン:EVONIC社製「TEGOMER H−SI 6441P」
・フェームドシリカ含有シリコーン:旭化成ワッカーシリコーン社製「GENIOPLAST PELLET S」
・ビニル系ポリマーグラフトポリオレフィン:アクリロニトリル/スチレン共重合体グラフトポリオレフィン、日油社製「モディパー A1401」
・アクリル変性オルガノシロキサン:日信化学工業社製「シャリーヌ R180S」
・トリフルオロエチレン/エチレン共重合体: AGC社製「FLUON LM−ETFE AH−2000」
・酸変性ポリオレフィン: マレイン酸変性ポリオレフィン、三井化学社製「タフマーMH5020」
(3)メタリック顔料
・アルミニウム系顔料:旭化成ケミカルズ社製「シルビーズM100−BP」、平均粒子径10μm、平均厚み0.4μm、アルミペースト 、アルミ成分90%、ポリエチレングリコール10%
・パールマイカ:日本光研工業社製「TWINCLE PEARL SXE」、粒径37μm、酸化チタン被覆合成マイカ
(4)層状珪酸塩
・膨潤性フッ素雲母:コープケミカル社製「ME−100」、平均粒子径6.0μm、陽イオン交換容量110ミリ当量/100g
・モンモリロナイト:ホージュン社製「ベンゲルHV」、平均粒子径5.0μm、陽イオン交換容量70ミリ当量/100g
製造例1
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性フッ素雲母4.5質量部、水5質量部を仕込み、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合をおこない、膨潤性フッ素雲母を含有するポリアミド6樹脂を得た。
得られた樹脂の膨潤性フッ素雲母の含有量を測定したところ、4.0質量%であった。
製造例2
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、膨潤性フッ素雲母11質量部、水5質量部を仕込み、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合をおこない、膨潤性フッ素雲母を含有するポリアミド6樹脂を得た。
得られた樹脂の膨潤性フッ素雲母の含有量を測定したところ、10.0質量%であった。
製造例3
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、モンモリロナイト4.5質量部、水5質量部を仕込み、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合をおこない、モンモリロナイトを含有するポリアミド6樹脂を得た。
得られた樹脂のモンモリロナイトの含有量を測定したところ、4.0質量%であった。
製造例4
ε−カプロラクタム100質量部に対して、亜リン酸0.4質量部、水5質量部を仕込み、80℃で1時間攪拌した後、260℃、0.7MPa下で1時間攪拌し、次いで260℃、常圧で1時間攪拌し、重合をおこない、ポリアミド6樹脂を得た。
実施例1
製造例1で得られた層状珪酸塩含有ポリアミド樹脂104質量部、ポリエステル変性ポリシロキサン1質量部、アルミニウム系顔料3質量部を一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し、溶融混練をおこない、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度260℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/時間にておこなった。
実施例2〜14、比較例1〜10
表1に記載の樹脂組成になるように原料および配合量を変更する以外は、実施例1と同様の操作をおこなって、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。
実施例15
製造例4で得られたポリアミド樹脂100質量部、ポリエステル変性ポリシロキサン1質量部、アルミニウム系顔料3質量部を一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し、溶融混練をおこない、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物ペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度260℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/時間にておこなった。
実施例16
製造例1で得られた膨潤性フッ素雲母含有ポリアミド樹脂13質量部、製造例4で得られたポリアミド樹脂91質量部、シリコーン改質剤1質量部、アルミニウム系顔料3質量部を一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し、溶融混練をおこない、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度260℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/時間にておこなった。
実施例17
製造例2で得られた膨潤性フッ素雲母含有ポリアミド樹脂104質量部、ポリエステル変性ポリシロキサン1質量部、アルミニウム系顔料3質量部を一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し、溶融混練をおこない、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度260℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/時間にておこなった。
実施例18
製造例3で得られたモンモリロナイト含有ポリアミド樹脂104質量部、ポリエステル変性ポリシロキサン1質量部、アルミニウム系顔料3質量部を一括混合し、単軸押出機の主ホッパーより投入し、溶融混練をおこない、ダイスよりストランド状に押出しした後、冷却、ペレタイズし、ポリアミド樹脂組成物のペレットを得た。溶融混練は、樹脂温度260℃、スクリュー回転200rpm、吐出量30kg/時間にておこなった。
実施例1〜18、比較例1〜10で得られたポリアミド樹脂組成物の樹脂組成およびその評価を表1、2に示す。
実施例1〜18のポリアミド樹脂組成物は、フローマークがなく、輝度の指標であるL*15が120以上、メタリック色調の指標であるフリップフロップ値が1以上、耐擦傷性の指標である光沢残存率が30%以上であった。
実施例1、15〜17のポリアミド樹脂組成物を対比することにより、層状珪酸塩の含有量が増えるにともなって、フリップフロップ値は大きくなるが、輝度の指標であるL*15は小さくなった。このことより、層状珪酸塩を含有させることにより、得られる成形体の輝度を、高すぎず、適度な輝度に抑えることができることがわかる。
比較例1のポリアミド樹脂組成物は、耐擦傷剤を含有していなかったため、光沢残存率が低かった。
比較例2のポリアミド樹脂組成物は、耐擦傷剤の含有量が多かったため、フローマークが発生した。
比較例3のポリアミド樹脂組成物は、特定耐擦傷剤とは異なる耐擦傷剤を用いたため、光沢残存率が低かった。
比較例4のポリアミド樹脂組成物は、特定耐擦傷剤とは異なる耐擦傷剤を用いたため、フローマークが発生し、輝度が低かった。
比較例5のポリアミド樹脂組成物は、特定耐擦傷剤とは異なる耐擦傷剤を用いたため、光沢残存率が低かった。
比較例6のポリアミド樹脂組成物は、特定耐擦傷剤とは異なる耐擦傷剤を用いたため、光沢残存率が低かった。
比較例7のポリアミド樹脂組成物は、特定耐擦傷剤とは異なる耐擦傷剤を用いたため、光沢残存率が低かった。
比較例8のポリアミド樹脂組成物は、特定耐擦傷剤とは異なる耐擦傷剤を用いたため、フローマークが発生し、光沢残存率が低かった。
比較例9のポリアミド樹脂組成物は、メタリック顔料を含有していなかったため、輝度およびフリップフロップ値が低かった。
比較例10のポリアミド樹脂組成物は、メタリック顔料の含有量が多かったため、フローマークが発生した。

Claims (7)

  1. ポリアミド樹脂(A)100質量部と、耐擦傷剤(B)0.1〜10質量部と、メタリック顔料(C)0.1〜8質量部とを含有するポリアミド樹脂組成物であって、
    耐擦傷剤(B)が、ポリエステル変性ポリシロキサン、フェームドシリカ含有シリコーン、または、ビニル系ポリマーグラフトポリオレフィンであるポリアミド樹脂組成物。
  2. さらに、ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、層状珪酸塩(D)を0.1〜10質量部含有する請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
  3. メタリック顔料(C)が、アルミニウムである請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. 層状珪酸塩(D)が、膨潤性フッ素雲母またはモンモリロナイトである請求項2または3に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. メタリック顔料(C)と耐擦傷剤(B)との質量比率[(C)/(B)]が、0.3〜8である請求項1〜4いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. 層状珪酸塩(D)と耐擦傷剤(B)との質量比率[(D)/(B)]が、0.4〜40である請求項2〜5いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6いずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形体。
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