JP2020200561A - 化粧シート及び化粧シートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】単色で、濃淡の少ない意匠等に対しても、広い視野角で認識できる化粧シート等を提供する。
【解決手段】化粧シート等の表面の光沢度を、複数の測定箇所m〜m+n(m及びnは、それぞれ1以上の自然数)で、所定長さ、かつ、直線状に所定間隔でn箇所測定し、得られた複数の測定箇所の光沢度をそれぞれX〜Xnとし、隣接測定箇所の光沢度差をY2=X2−X〜Yn=Xn−Xn-1とした場合に得られる、複数の測定箇所と、光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差(%)のばらつきの標準偏差を0.25%以上の値とする。
【選択図】図12

Description

本発明は、化粧シート及び化粧シートの製造方法に関する。特に、単色で、濃淡の少ない色彩意匠であっても、広い視野角で、リアルな意匠を認識できる化粧シート及びそのような化粧シートの製造方法に関する。
従来、壁、天井、床、玄関ドア等の建築物の内装材又は外装用部材、窓枠、扉、手すり、幅木、廻り縁、モール等の建具又は造作部材の他、屋根表面材、キッチン、家具又は弱電製品、OA機器等のキャビネットの表面化粧板、車両の内装材又は外装用部材には、一般的に、鋼板等の金属部材、樹脂部材、木質部材を被着材として、これらの被着材に化粧シートを貼り合わせたものが用いられる。
近年、需要者の嗜好の多様化に伴い、黒色に代表される低明度色、例えば、黒色、濃灰色、紺色、濃紫色、茶褐色、臙脂色等の暗色を呈する化粧シート、これを用いた化粧部材が好まれるようになっている。
このような暗色を呈する化粧シート、化粧部材としては、従来、全面均一な意匠を有するもの、あるいは暗色と明色との組合せによる遠近いずれの距離から観察しても鮮明な絵柄を視認可能な意匠を有するものが一般的である。
そこで、例えば、低艶感を表現することにより、よりリアルな木目意匠を再現しようとする化粧シートが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
より具体的には、基材上に、少なくとも表面保護層を有し、該表面保護層は硬化性樹脂と無機フィラーとを含有し、かつ該無機フィラーの含有量が該硬化性樹脂100質量部に対して12〜25質量部であり、該表面保護層の基材と対向する面とは反対側の面に凹凸模様を有し、該凹凸模様における凹部の面積比率が15%以上であり、該凹部の短辺方向の間口の幅をb1(μm)、該凹部の短辺方向底部の幅をb2(μm)、及び該凹部の深さをh(μm)としたときに、下記の数式(1)〜(3)を同時に満足する化粧シートである。
数式(1):b2/h≧4.2
数式(2):b2/b1>0.22
数式(3):130μm≧h≧5μm
また、遠くからは暗色の単色として視認されるが、近くからは暗色の濃淡に応じた柄が視認されるという、繊細な暗色絵柄の意匠を発現する化粧シートが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
より具体的には、基材シートと、平面視において複数の領域が互いに隣接してなり、一の領域のJIS Z8781−4:2013に準拠して測定されるCIE(国際照明委員会)L表色系におけるL値及び該一の領域に隣接する領域のL値が互いに異なる、平面の少なくとも一部を被覆する絵柄を含む絵柄層を備える装飾層と、を有し、該一の領域及び該一の領域に隣接する領域のL値が0以上、40以下である暗色絵柄化粧シートである。
特開2014−069507号公報(特許請求の範囲等) 特開2019−38195号公報(特許請求の範囲等)
しかしながら、特許文献1に開示の化粧シートは、よりリアルな木目意匠を再現することに着目しているため、低艶感を有するものとはいえ、明色を含む意匠であるため、近年需要が高まっている暗色を呈する化粧シートとはいえないものである。
また、暗色を呈する化粧シートや化粧部材としては、全面均一な意匠を有するもの、あるいは暗色と明色との組合せによる鮮明な意匠性を有するものに限られており、バリエーションに乏しく、かつ、需要者の嗜好の多様化に十分に対応しきれていない状況にある。
一方、特許文献2の化粧シート等は、意匠の絵柄の印刷で表現しており、よりリアルな意匠を認識すべく、意匠の絵柄に従属した表現とし、絵柄に対して、凹凸形状を組み合わせ、しかも同調させて、表現しようとしていた。
そのため、単色で表された濃淡の少ない意匠については、それを印刷したのみでは、広い視野角で認識することができず、リアルな意匠の視認性に劣るという問題が見られた。
また、特許文献2の化粧シート等の場合、基材シートと、平面視において複数の領域が互いに隣接する、一つの領域におけるCIEL表色系のL値と、当該一つの領域に隣接する領域において、L値が互いに異なるように制御しなければならなかった。
さらに言えば、特許文献2の化粧シート等の場合、平面の少なくとも一部を被覆する絵柄を含む絵柄層を備える装飾層を備えて、該一つの領域及び該一つの領域に隣接する領域のL値を0以上、40以下とし、暗色絵柄化粧シートとする必要があった。
そこで、本発明者らは、以上のような事情に鑑みて鋭意努力したところ、所定条件下に測定される、隣接測定箇所の光沢度差を制御することにより、リアルな意匠を効果的に認識できる化粧シートが得られることを見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明の目的は、単色等の濃淡の少ない化粧シート等において、絵柄と凹凸形状を同調させない場合であっても、所定条件下に測定される、隣接測定箇所の光沢度差のばらつきの標準偏差等を制御することによって、広い視野角で、リアルな意匠を認識できる化粧シート及びそのような化粧シートの効率的な製造方法を提供することにある。
本発明によれば、所定表面凹凸を有する化粧シートであって、化粧シートの表面の光沢度を、複数の測定箇所m〜m+n(m及びnは、それぞれ1以上の自然数、以下同様である。)で、所定長さ、かつ、直線状に等間隔でn箇所(例えば、80か所)を測定し、複数の測定箇所の光沢度を、それぞれX〜Xnとし、隣接測定箇所の光沢度差を、Y2=X2−X〜Yn=Xn−Xn-1とした場合に得られる、測定箇所と、光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差のばらつきに関する標準偏差の値を0.25%以上の値とすることが好ましい。
すなわち、このように光沢度差のばらつきに関する標準偏差を所定値以上に制御することによって、濃淡の少ない意匠等において、柄と凹凸を同調させない自由な絵柄の場合であっても、広い視野角において、リアル感を示す意匠性を認識できる化粧シートとすることができる。
その上、光沢度差のばらつきに関する標準偏差の値を、製造上の良悪を判断する際の管理ファクターとすることができ、結果として、良好な意匠性等に関して、さらに定量性や再現性に富んだ化粧シートとすることができる。
なお、光沢度差のばらつきに関する標準偏差の値は、エンボス処理条件(加圧力、エンボス温度、回転数等)、エンボスロールの種類(表面硬度、エンボス高さ、エンボス形状)、化粧シートの構成(材料、厚さ、硬さ等)を適宜変更することによって、調整することができる。
また、本発明の化粧シートを構成するあたり、光沢度差の最大値と、最小値との差を、40〜80%の範囲内の値とすることが好ましい。
すなわち、このように光沢度差の最大値と、最小値との差を制御することによって、より広い視野角において、リアルな意匠を認識できる化粧シートとすることができる。
また、このように、光沢度差に基づく最大値と、最小値との差を制御因子の一つに採用することによって、個人差が生じやすい意匠性につき、製造上の良悪を判断する際の管理ファクターとすることができ、結果として、良好な意匠性等に関して、さらに再現性や定量性に富んだ化粧シートとすることができる。
本発明の化粧シートを構成するあたり、複数の測定箇所m〜m+nにおける、光沢度差であるYm〜Ym+nの全てが正であるとともに、複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram>Ram+1>Ram+2>Ram+3の関係(第1の関係と称する場合がある。)を満足することが好ましい。
また、複数の測定箇所m´〜m´+n(m´は、1以上の自然数、以下、同様である。)における、それぞれの光沢度差であるYm´〜Ym´+nの全てが負であるとともに、複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram´<Ram´+1<Ram´+2<Ram´+3の関係(第2の関係と称する場合がある。)を満足することが好ましい。
このように光沢度差に対応した、算術平均粗さRaの関係(第1の関係、第2の関係)を満足させることによって、より広い視野角において、リアルな意匠を認識することができる。
また、このように、表面における算術平均粗さRaの関係(第1の関係、第2の関係)を制御因子の一つに採用することによって、意匠の認識性等に関し、個人差が生じやすい意匠の認識についても、良好な再現性や定量性を得ることができる。
さらに言えば、化粧シートの表面における算術平均粗さRaの関係(第1の関係、第2の関係)を、製造上の良悪を判断する際の管理ファクターとして採用することにより、リアルな意匠の認識性等につき、さらに再現性や定量性に優れた化粧シートとすることができる。
本発明の化粧シートを構成するあたり、所定表面凹凸に関し、JIS B 0601:1982に準拠して測定される算術平均粗さRaを5〜20μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように所定表面凹凸に関し、算術平均粗さRaを所定範囲内の値とすることによって、かかるRaについても、製造上の良悪を判断する際の管理ファクターとすることができ、結果として、良好な意匠性等に関して、さらに再現性や定量性に富んだ所定表面凹凸を有する化粧シートとすることができる。
本発明の化粧シートを構成するあたり、全体厚さを50〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
このように化粧シートの全体厚さを所定範囲内の値とすることにより、化粧シートの機械的特性、取り扱い性、装飾性を向上させ、さらには、本発明の表面状態とするエンボス処理等についても、容易かつ再現性良く実施することができる。
本発明の化粧シートを構成するあたり、所定表面凹凸を有する化粧シートの種類が、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、又はポリオレフィン樹脂であることが好ましい。
このように化粧シートの種類を所定種とすることによって、化粧シートの機械的特性、取り扱い性、装飾性、透明性等を向上させ、さらには、本発明の表面状態とするエンボス処理等についても、容易かつ再現性良く実施することができる。
本発明の別の態様は、微細な所定表面凹凸を有する化粧シートの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする化粧シートの製造方法である。
(1)化粧シートを形成するための樹脂組成物を準備する工程
(2)樹脂組成物に由来した化粧シートを形成する工程であって、エンボスロールによって、複数の測定箇所m〜m+n(m及びnは、それぞれ1以上の自然数、以下同様である。)で、所定長さ、かつ、直線状に等間隔でn箇所を測定し、得られた複数の測定箇所の光沢度をX〜Xnとし、隣接測定箇所の光沢度差をY2=X2−X〜Yn=Xn−Xn-1とした場合に得られる、複数の測定箇所と、光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差(%)のばらつきの標準偏差を0.25%以上の値とする化粧シートの形成工程
すなわち、単色等の濃淡の少ない意匠等を有する場合等においても、所定条件下に測定される、隣接測定箇所の光沢度差のばらつきの標準偏差を制御することによって、広い視野角で、リアルな意匠を認識できる化粧シートを効率的に製造することができる。
また、このように、光沢度差に基づく数値を採用することによって、個人差が生じやすい意匠性につき、製造上の良悪を判断する際の管理ファクターとすることができる。
したがって。化粧シートの意匠性等の判断に関して、良好な定量性及び再現性を有する化粧シートを効率的に製造することができる。
また、本発明の化粧シートの製造方法を実施するにあたり、工程(2)において、形成されてなる化粧シートが、下記第1の関係又は第2の関係を満足することが好ましい。
(第1の関係)
複数の測定箇所における、光沢度差であるYm〜Ym+nの全てが正であるとともに、同じ複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram>Ram+1>Ram+2>Ram+3の関係を満足する。
(第2の関係)
複数の測定箇所における、光沢度差であるYm´〜Ym´+nの全てが負であるとともに、同じ複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram´<Ram´+1<Ram´+2<Ram´+3の関係を満足する。
このように光沢度差に対応した、算術平均粗さRaの関係(第1の関係、第2の関係)を満足させることによって、より広い視野角において、リアルな意匠を認識することができる。
また、意匠の認識性等に関し、個人差が生じやすい意匠の認識についても、良好な再現性や定量性を得ることができ、さらに言えば、製造上の管理ファクターとして採用することにより、リアルな意匠の認識性等につき、さらに再現性や定量性に優れた化粧シートを製造することができる。
なお、製造された化粧シートにおいて、第1の関係あるいは第2の関係のいずれかを満足しても良いが、より好ましいのは、第1の関係及び第2の関係の両方を満足することである。
図1(a)〜(c)は、それぞれ化粧シートの態様を説明するために供する図である。 図2(a)は、化粧シートの表面凹凸(凸形状)と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を説明するために供する図であり、図2(b)は、化粧シートの所定表面凹凸(平坦部を有する凸形状)と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を説明するために供する図である(その1)。 図3は、化粧シートの所定表面凹凸(概ね三画形状)と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を説明するために供する図である(その2)。 図4(a)は、化粧シートの光沢度と、算術平均粗さ(Ra)との関係を説明するための図であり、図4(b)は、化粧シートの隣接測定箇所の光沢度差と、算術平(Ra)との関係を説明するための図である。 図5(a)は、実施例1相当の♯1の化粧シートの各測定箇所における鏡面光沢度を示す図であり、図5(b)は、隣接測定箇所における光沢度差を示す図である。 図6(a)は、実施例2相当の♯2の化粧シートの各測定箇所における鏡面光沢度を示す図であり、図6(b)は、隣接測定箇所における光沢度差を示す図である。 図7(a)は、実施例3相当の♯3の化粧シートの各測定箇所における鏡面光沢度を示す図であり、図7(b)は、隣接測定箇所における光沢度差を示す図である。 図8(a)は、比較例1相当の♯4の化粧シートの各測定箇所における鏡面光沢度を示す図であり、図8(b)は、隣接測定箇所における光沢度差を示す図である。 図9(a)は、比較例2相当の♯5の化粧シートの光沢分布を示す図であり、図9(b)は、同光沢分布を示す図をもとにしてなる、光沢度差を示す図である。 図10(a)は、比較例3相当の♯6の化粧シートの光沢分布を示す図であり、図10(b)は、同光沢分布を示す図をもとにしてなる、光沢度差を示す図である。 図11は、化粧シートの視認性の評価方法を説明するための図である。 図12は、隣接測定箇所の光沢度差のばらつきの標準偏差と、化粧シートの視認性評価との関係を説明するための図である。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、図1(a)等に示すように、所定表面凹凸を有する化粧シートであって、化粧シートの表面の光沢度を、複数の測定箇所m〜m+n(m及びnは、それぞれ1以上の自然数)で、所定長さ(例えば、40mm〜1000mm)、かつ、直線状に所定間隔(例えば、1〜12mm)でn箇所測定し(例えば、80か所)、得られた複数の測定箇所の光沢度をX〜Xnとし、隣接測定箇所の光沢度差をY2=X2−X〜Yn=Xn−Xn-1とした場合に得られる、複数の測定箇所と、光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差(%)のばらつきの標準偏差を0.25%以上の値とすることを特徴とする化粧シートである。
以下、第1の実施形態の化粧シートを、構成要件ごとに分けて具体的に、説明する。
1.所定表面凹凸を有する化粧シート
(1)態様
所定表面凹凸を有する化粧シート(他層と組み合わせた場合、化粧シート基材と称する場合がある。)として、下記の態様に限られるものではないが、代表的形態として下記態様1)〜8)が挙げられる。
1)化粧シート基材の単一構成からなる化粧シートである。
2)化粧シート基材と、粘着剤層の2層構成からなる化粧シートである。
3)プライマー層と、化粧シート基材との2層構成からなる化粧シートである。
4)プライマー層と、化粧シート基材と、粘着剤層との3層構成からなる化粧シートである。
5)クリヤー層と、印刷層と、化粧シート基材との3層構成からなる化粧シートである。
6)クリヤー層と、印刷層と、化粧シート基材と、粘着剤層との4層構成からなる化粧シートである。
7)プライマー層と、クリヤー層と、印刷層と、化粧シート基材との4層構成からなる化粧シートである。
8)プライマー層と、クリヤー層と、印刷層と、化粧シート基材と、粘着剤層との5層構成からなる化粧シートである。
そして、上述した粘着剤層は、通常、化粧シート(化粧シート基材)を壁基材等に添着させるための樹脂層である。
また、プライマー層は、通常、化粧シート(化粧シート基材)の表面に、他の樹脂層を積層するための易接着剤層である。
また、クリヤー層は、通常、化粧シート(化粧シート基材)の表面に設けて、視認性をかえずに、保護するための透明樹脂層である。
さらにまた、印刷層は、化粧シート(化粧シート基材)の表面に、文字、図形、記号等を印刷してなる装飾層の一つである。
また、化粧シートは、通常、剥離シートを両面又は片面に備えることが好ましい。
すなわち、当該化粧シートを実際に使用するまで、保管、運搬の途中で、周囲の埃や塵等から、剥離シートを効果的に保護することができる。
その上、化粧シートが剥離シートを両面又は片面に備えていれば、取扱性、位置合わせ性、貼付作業等も向上させることができる。
(2)所定表面凹凸
また、所定表面凹凸の形態としては特に制限されるものではないが、例えば、木目模様、和紙模様、及び幾何学模様の少なくとも一つの模様を有する化粧シートの態様であることが好ましい。
この理由は、このような特定模様を設けることにより、得られる化粧シートの装飾性を高めたり、制御したり、さらには、表面処理を容易にすることができるためである。
したがって、化粧シートの所定表面凹凸に関し、算術平均粗さRaを5〜20μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような算術平均粗さRaを値に制御することによって、所望の模様を明確に認識することができ、さらには、エンボス加工等によって、安定的に形成できるためである。
また、かかるRaにつき、製造上の良悪を判断する際の管理ファクターとすることもでき、結果として、良好な意匠性等に関して、さらに再現性や定量性に富んだ所定表面凹凸を有する化粧シートとすることができる。
よって、化粧シートの所定表面凹凸の算術平均粗さRaを6〜18μmの範囲内の値とすることがより好ましく、7〜16μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)光沢度差
(3)−1 間隔
任意箇所を端部として、測定箇所を選定するにあたり、通常、1〜12mmの範囲内の等間隔で、好ましくは、3〜11mmの範囲内の等間隔で、さらに好ましくは、5〜10mmの範囲内の等間隔で、図2(a)〜(b)及び図3に示すように、4か所以上選定することが好適である。
ここで、図2(a)は、化粧シートの表面凹凸(凸形状)と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を説明するために供する図であり、図2(b)は、化粧シートの所定表面凹凸(平坦部を有する凸形状)と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を説明するために供する図である。
また、図3は、化粧シートの所定表面凹凸(概ね三画形状)と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を説明するために供する図である。
すなわち、このように任意箇所として、少なくとも4か所の測定箇所を直線状に測定し、意匠の模様における光沢度の連続的な変化を見ることができる。
したがって、例えば、第1の関係及び第2の関係、あるいはいずれか一方の関係を満足するかを確認することにより、4か以上の隣接する箇所を特定することができる。
(3)−2 測定長
隣接測定箇所の光沢度差を測定し、制御するにあたり、通常、測定長を40mm〜1000mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように複数箇所を端部として、少なくとも4か所の測定箇所を直線状に測定するに際して、最小長さや最大長さ、ひいては、意匠のサイズ等を定めることにより、視認する意匠の模様等のサイズを定めることができるためである。
また、このような測定長であれば、化粧シートを作成する際の装置を小型化することが容易なためである
したがって、測定長を100mm〜800mmの範囲内の値とすることがより好ましく、200mm〜640mmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)−3 直線状
また、隣接測定箇所の光沢度差を測定し、制御するにあたり、少なくとも4か所以上を測定し、通常、直線状に、光沢度を測定することが好ましい。
この理由は、ジグザグ状や矩形状(直角状)では、意匠の模様における光沢度の連続的な変化を正確に判断することができないためである。
但し、直線状に測定するといっても、物理的に直線である必要は必ずしもなく、事実上の直線を描くように、少なくとも4か所以上の測定箇所を通過して、光沢度を測定すれば良い。
(3)−4 光沢度差のばらつきの標準偏差
また、隣接測定箇所の光沢度差を測定し、制御するにあたり、光沢度差のばらつきの標準偏差を0.25%以上の値とすることを特徴とする。
すなわち、複数の測定箇所と、光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差(%)のばらつきの標準偏差を所定値以上の値とすることを特徴とする。
この理由は、かかる光沢度差(%)のばらつきの標準偏差が、0.25%未満の値になると、単色であって、濃淡の少ない色彩意匠の化粧シートにおいて、広い視野角で、リアルな意匠を認識することが困難となるためである。
ここで、図12に言及して、隣接測定箇所の光沢度差のばらつきの標準偏差(%)と、化粧シートの視認性評価(相対値)との関係を説明する。
図12の横軸に、隣接測定箇所における光沢度差のばらつきの標準偏差(%)が採って示してあり、縦軸に、視認性評価の相対値が採って示してある。
すなわち、後述する実施例1等に示す視認性の評価が◎の場合を5点、〇の場合を3点、△の場合を1点、×の場合を0点として、隣接測定箇所の光沢度差のばらつきの標準偏差との関係で、視認性評価をした結果である。
かかる図12に示す特性曲線から容易に判断されるように、隣接測定箇所の光沢度差のばらつきの標準偏差が0.25%未満では、視認性の評価(相対値)がほぼ0である。
それに対して、隣接測定箇所の光沢度差のばらつきの標準偏差が0.25%を超えると、視認性の評価(相対値)が急激に向上する傾向が見られている。
したがって、視認性の評価(相対値)として、良好な結果を得たい場合には、隣接測定箇所の光沢度差のばらつきの標準偏差を0.25%以上の値とすることが好ましく、より良好な視認性の評価を得たい場合には、0.3%以上の値とすることが好ましく、さらに安定的に良好な視認性の評価を得たい場合には、0.4〜1.0%の範囲内の値とすることが良いと理解される。
(3)−5 光沢度差の最大値−最小値
隣接測定箇所の光沢度差を測定するにあたり、複数の測定箇所の光沢度を端から順に、X〜Xとし、隣接測定箇所の光沢度差を、Y2=X−X〜Y=Xn-1−Xとする。
そして、それを前提として、光沢度差の(最大値−最小値)を40〜80%の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このように隣接測定箇所の光沢度の(最大値−最小値)を所定範囲内の値とすることにより、光沢度差の最大値、最小値、及び、ばらつき等を制御することができるためである。
(3)−6 光沢度差の最大値/最小値
また、隣接測定箇所の光沢度差の最大値/最小値を1.5以上の値とすることが好ましい。
この理由は、このように隣接測定箇所の光沢度差の最大値/最小値を所定値以上とすることにより、視認できる光沢値差を確保することができるためである。
但し、隣接測定箇所の光沢度差の最大値/最小値が過度に大きくなると、表面粗さとしての表面凹凸の制御等が困難になる場合がある。
したがって、隣接測定箇所の光沢度差の最大値/最小値を1.8〜10の範囲内の値とすることがより好ましく、1.8〜8の範囲内の値とすることがより好ましく、2〜6の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(3)−7 表面粗さ(算術平均粗さRa)
所定表面凹凸に関し、JIS B 0601:1982に準拠して測定される算術平均粗さRaを5〜20μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、算術平均粗さRaを所定範囲内の値とすることによって、かかるRaについても、製造上の良悪を判断する際の管理ファクターとすることができるためである。
その結果、良好な意匠性等に関して、さらに再現性や定量性に富んだ所定表面凹凸を有する化粧シートとすることができる。
したがって、所定表面凹凸に関し、算術平均粗さRaを10〜20μmの範囲内の値とすることがより好ましく、12〜18μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
(4) 算術平均粗さの連続性
(4)−1 正の場合
また、複数の測定箇所m〜m+nにおける、隣接測定箇所の光沢度差であるYm〜Ym+nが、全て正であって、かつ、複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram>Ram+1>Ram+2>Ram+3の関係(第1の関係)を満足することが好ましい。
すなわち、複数の測定箇所m〜m+nにおける、少なくとも4点において、これらの隣接測定箇所の光沢度差が、連続的に3か所以上、正となる場合には、複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram>Ram+1>Ram+2>Ram+3の関係(第1の関係)を満足することが好適であることを意味している。
この理由は、測定箇所における光沢度が順に増加するに従って、最大高さRzが比例的に増加するのではなく、算術平均粗さRaが比例的に低下するためである。
よって、比例的に低下する算術平均粗さRaが、単色であって、濃淡の少ない色彩意匠であっても、広い視野角で、リアルな意匠を認識できる特性に影響していると思料されるためである。
(4)−2 負の場合
また、複数の測定箇所m´〜m´+nにおける光沢度差であるYm´〜Ym´+nが全て負であって、かつ、複数の測定箇所における、それぞれの算術平均粗さRaが、Ram´<Ram´+1<Ram´+2<Ram´+3の関係(第2の関係)を満足することが好ましい。
すなわち、複数の測定箇所m´〜m´+nにおける、隣接測定箇所の少なくとも4点において、これらの隣接測定箇所の光沢度差が、連続的に3か所以上、負となる場合には、複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ra´m>R´am+1>R´am+2>R´am+3の関係(第2の関係)を満足することが好適であることを意味している。
この理由は、測定箇所における光沢度が順に低下するに従って、最大高さRzが比例的に低下するのではなく、算術平均粗さRaが比例的かつ連続的に増加するためである。
よって、比例的かつ連続的に低下する算術平均粗さRaが、濃淡の少ない色彩意匠であっても、広い視野角で、リアルな意匠を認識できる特性に影響していると思料されるためである。
なお、複数の測定箇所における光沢度差部分的につき、第1の関係を満足すべく、連続的に正の場合、あるいは、第2の関係を満足すべく負の場合、さらには、そのような正の場合及び負の場合が繰り返し現れることになる。
したがって、第1の関係及び第2の関係のいずれか一方を満足すれば、化粧シートが、単色であって、濃淡の少ない色彩意匠であっても、広い視野角で、リアルな意匠を認識できるものの、良好な視認性を得る上で、より好ましいのは、第1の関係及び第2の関係をそれぞれ満足することである。
ここで、データの散布図である図4(a)〜(b)に言及して、化粧シートの測定箇所における光沢度と、算術平均粗さ(Ra)との関係、及び、化粧シートの隣接測定箇所における光沢度差と、算術平均粗さ(Ra)との関係を説明する。
そして、図4(a)中の化粧シートの光沢度の値や、図4(b)中の化粧シートの光沢度差の値は、後述する実施例1や比較例1等に基づくものである。
かかる図4(a)のデータ散布図によれば、化粧シートの光沢度と、算術平均粗さ(Ra)との間に、相当の相関関係があることが示唆されている。
一方、図4(b)のデータ散布図によれば、化粧シートの隣接測定箇所の光沢度差と、算術平(Ra)との関係を説明するための図である。
かかる図4(ba)のデータ散布図によれば、化粧シートの光沢度差と、算術平均粗さ(Ra)との間に、相関関係がないことが示唆されている。
よって、複数の測定箇所m〜m+nのうち4点において、これらの隣接測定箇所の光沢度差が、連続的に3か所以上、正となる場合や、複数の測定箇所m´〜m´+nのうち4点において、光沢度差であるYm´〜Ym´+3が連続的に3か所以上、負となる場合において、意匠の視認性が著しく良好となる。
(5)種類
また、本発明の化粧シートを構成するにあたり、所定表面凹凸を有する化粧シートの種類については特に制限されるものではないが、通常、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、又はポリオレフィン樹脂の少なくとも一つであることが好ましい。
この理由は、このような樹脂であれば、最終的に化粧シートとして得られた場合の、装飾性、機械的特性、安定性、接着性等を所望範囲の特性に、比較的容易に制御できるためである。
その上、このような樹脂であれば、厚さや重量平均分子量、さらには、硬さ等が異なるタイプであっても、比較的容易に入手しやすく、かつ、安価であるという利点もある。
(6)厚さ
化粧シートの厚さは用途等によって適宜変えることができるが、通常、50〜500μmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、このような厚さの範囲内に、化粧シートの厚さを制御することにより、化粧シートの諸特性を発揮しやすくなり、かつ、製造上の作成も容易とすることができるためである。
したがって、化粧シートの厚さを80〜350μmの範囲内の値とすることがより好ましく、100〜300μmの範囲内の値とすることがより好ましく、120〜250μmの範囲内の値とすることが最も好適である。
(7)平面形状
化粧シートの形状については、特に制限されることなく、用途等に応じて適宜変更することができる。
したがって、例えば、テープ状、三角形状、四角形状(長方形状)、多角形状、円状、楕円状、異形等とすることができる。
(8)形態
化粧シートの形態に関しては、ロール状であっても、枚葉であってもよい。
その場合、化粧シートがロール状であれば、一例として、幅90cm、長さ1m以上の寸法形態であることが好ましい。
また、化粧シートが枚葉であれば、一例として、辺の幅50cm、長さ1m以上の寸法形態であることが好ましい。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、所定表面凹凸を有する化粧シートの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする化粧シートの製造方法である。
(1)化粧シートを形成するための樹脂組成物を準備する工程
(2)樹脂組成物に由来した化粧シートを形成する工程であって、エンボスロールによって、複数の測定箇所m〜m+n(m及びnは、それぞれ1以上の自然数)で、所定長さ、かつ、直線状に所定間隔でn箇所測定し、得られた複数の測定箇所の光沢度をX〜Xnとし、隣接測定箇所の光沢度差をY2=X2−X〜Yn=Xn−Xn-1とした場合に得られる、複数の測定箇所と、光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差(%)のばらつきの標準偏差を0.25%以上の値とする化粧シートの形成工程
以下、第2の実施形態の化粧シートの製造方法を、構成要件ごとに分けて、第1の実施形態と重複しない範囲で、具体的に、説明する。
1.樹脂組成物の準備工程
単色の樹脂組成物を準備する工程である。
かかる樹脂組成物としては、熱可塑性樹脂を用い、第1の実施形態で説明したように、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、又はポリオレフィン樹脂の少なくとも一つの樹脂材料、さらには、着色するための着色剤が好適に使用できることから、ここでの詳細な説明は省略する。
さらに、ポリ塩化ビニル樹脂等を用いる場合、その平均重合度を100〜10000の範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、ポリ塩化ビニル樹脂等の平均重合度が100未満の値になると、所定形状を保持することが困難となったり、表面タックが過度に高い値になったりする場合があるためである。
一方、ポリ塩化ビニル樹脂等の平均重合度が10000を超えた値になると、均一に配合成分を混合分散したり、あるいは、所定の均一厚さの難燃性シートを作成したりすることが困難となる場合があるためである。
したがって、ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度を500〜5000の範囲内の値とすることがより好ましく、800〜2000の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ポリ塩化ビニル樹脂の平均重合度は、GPC装置やGC−MS装置を用い、モノマーの分子量と比較して、算出することができる。
2.化粧シートの形成工程
(1)基本工程
化粧シートの形成工程は、単色の樹脂組成物に由来して、所定のポリ塩化ビニルシート(例えば、ロール状、幅:90cm以上、長さ10m以上、厚さ70μm以上)を成形する際に、表面に、所定凹凸を備えてなる光沢柄として、例えば、木目模様をエンボス加工して、化粧シートとすることができる。
ここで、例えば、光沢柄としての木目模様は、ポリ塩化ビニルシートの成形時に、(A)ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に、可塑剤(DOP)20重量部、黒色顔料0.5重量部をそれぞれ配合し、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を作成する。
次いで、光沢柄として木目模様が視認されるように、所定のエンボスロールを用いて、表面に、所望の凹凸形状を形成することができる。
(2)追加の製造工程
また、第1の実施形態において説明した、化粧シートの代表的な基本形態1)〜8)を作成する場合であって、例えば、化粧シートとして、基本形態2)を作成する場合には、追加工程として、化粧シート基材の背面に、所定粘着樹脂、例えば、アクリル系粘着樹脂等からなる粘着剤層を形成する工程を設けることが好ましい。
同様に、基本形態3)を作成するには、追加工程として、化粧シート基材の表面に、所定樹脂からなる薄膜のプライマー層を形成する工程を設けることが好ましい。
また、基本形態4)を作成するには、追加工程として、基本形態3)の化粧シート基材の背面に、所定樹脂からなる粘着剤層を形成する工程を設けることが好ましい。
また、基本形態5)を作成するには、追加工程として、単色シートである化粧シート基材の表面に対して、印刷して印刷層を形成したのち、印刷層の表面に、クリヤー層を設け、同時に、エンボスロールを用いて、凹凸形状を形成する工程を設けることが好ましい。
さらにまた、基本形態6)を作成する場合には、追加工程として、基本形態5)の化粧シート基材の背面に、所定樹脂からなる粘着剤層を形成する工程を設けることが好ましい。
さらにまた、基本形態7)の化粧シートを作成するには、追加工程として、基本形態5)の化粧シート基材の表面に、プライマー層を形成する工程を設けることが好ましい。
その上、基本形態8)を作成するには、追加工程として、基本形態7)の化粧シート基材の背面に、所定樹脂からなる粘着剤層を形成する工程を設けることが好ましい。
(3)検査工程
得られた化粧シートが、所定の鏡面光沢度や表面粗さ等を有するか否かを検査したり、視認性が良好か、否かの検査工程を設けたりすることが好ましい。
より具体的には、得られた化粧シートの鏡面光沢度及び表面粗さを、それぞれ鏡面光沢度測定器(例えば、日本電色工業(株)製)及び表面粗さ計(例えば、小坂研究所(株)製)を用いて測定し、所定範囲内の値であることを確認検査することが好ましい。
なお、かかる検査工程は、化粧シートの全数検査であっても良いが、あるいは、生産効率を考慮して、所定割合となるような抜き打ち検査であっても良い。
(3)−1 鏡面光沢度
JIS Z 8741:1997に準拠して、化粧シートの表面を、測定間隔8mm、測定長640mm、直線状に、約80か所において、化粧シートの表面に対して、60°方向からレーザー光を照射して、鏡面光沢度(%)を測定した。
なお、複数の測定箇所の光沢度から、隣接測定箇所の光沢度差(%)について算出し、評価対象とすることができる。
(3)−2 表面粗さ
JIS B 0601:1982に準拠して、化粧シートの表面を、例えば、測定間隔8mm、測定長640mm、直線状に、約80か所において、算術表面粗さ(Ra)を測定する。
そして、化粧シートの表面凹凸につき、複数の測定箇所m〜m+n(又は、m´〜m´+n)に基づく算術平均粗さで表現することが好ましい。
(3)−3 視認性
後述する実施例1に示す評価基準に沿って、化粧シートに対する視認性を評価し、少なくとも△、さらには、〇又は◎の評価結果が得られることがより好ましい。
すなわち、得られた化粧シートに対する視認性を、図11に示すように、光源32からの入射光と、視認者34が化粧シート30を見る方向がなす角度(θ1)を変えて、後述する実施例1に示す基準に準じて評価した。
そして、θ1×2が視野角と呼ばれており、さらには、θ1+θ2が90°となる関係がある。
なお、化粧シートを正面から45°方向に向かって傾ける場合(視野角が90°)であっても、視認者が化粧シートの正面から意匠を見て、その模様を明確に認識できれば(評価△)、実用上は問題ない。
また、化粧シートを正面から60°方向に向かって傾ける場合(視野角が120°)であっても、化粧シートの正面から意匠を明確に認識できれば(評価〇)、より好ましいと言える。
その上、化粧シートを正面から75°方向に向かって傾ける場合(視野角が150°)であっても、化粧シートの正面から意匠を明確に認識できれば(評価◎)、さらに好ましいと言える。
以下、本発明を実施例に基づき、詳細に説明する。但し、特に理由なく、本発明の権利範囲が、実施例の記載によって狭められることはない。
[実施例1]
1.化粧シートの製造工程
(1)ポリ塩化ビニル樹脂組成物の準備
混合容器内に、重量平均分子量が100万である、塩化ビニル樹脂100重量部に対して、可塑剤(DOP)40重量部及び黒色顔料0.5重量部の割合になるように、それぞれ収容し、次いで、均一になるまで混合攪拌して、ポリ塩化ビニル樹脂組成物を作成した。
(2)化粧シートの形成工程
次いで、混合容器から取り出したポリ塩化ビニル樹脂組成物を用いて、カレンダー成形機にて、単色(黒色)のポリ塩化ビニルシート(厚さ:150μm)を得た。
次いで、得られたポリ塩化ビニルシートの表面(片面)に、レーザー彫刻にて作成した木目模様のエンボスロールを用いて、所定凹凸模様を有する化粧シートとした。
すなわち、所定エンボスロールによって、表面に、光沢柄として木目模様を施し、木目模様を有する化粧シート(♯1の化粧シート)とした。
2.化粧シートに対する評価工程
(1)鏡面光沢度
JIS Z 8741:1997に準拠して、化粧シートの表面の60°鏡面光沢度(以下、単に、光沢度と称する場合がある。)を、測定間隔8mm、測定長640mm、直線状に、約80か所において、鏡面光沢度測定器COLUMUN 07(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
すなわち、表1に示すように、化粧シートにおける鏡面光沢度の平均値、最大値、最小値、最大値−最小値、最大値/最小値、鏡面光沢度のばらつきの標準偏差を算出した。
なお、図5(a)に、♯1の化粧シートの各測定箇所における鏡面光沢度を示す図を示し、図5(b)に、隣接測定箇所における光沢度差を示す。
(2)表面粗さ
JIS B 0601:1982に準拠して、化粧シートの表面における算術表面粗さ(Ra)を、測定間隔8mm、測定長640mm、直線状に、約80か所、表面粗さ計(サーフコーダーSE−300、小坂研究所製)を用いて、測定した。
(3)視認性
得られた化粧シートに対する視認性を、図11に示すように、光源32からの入射光と、視認者34が化粧シート30を見る方向がなす角度(θ1)を変えて、下記基準に準じて評価した。
その結果、表1に示すように、得られた化粧シートにつき、測定箇所と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、当該光沢度差(%)のばらつきの標準偏差が0.47%であり、視認性の評価が◎であった。
◎:化粧シートを、正面に対して75°方向に向かって傾ける、すなわち、視野角が150°であっても、化粧シートの正面から意匠を認識することができる。
〇:化粧シートを正面に対して60°方向に傾ける、すなわち、視野角が120°であっても、化粧シートの正面に対して意匠を認識することができる。
△:化粧シートを正面に対して45°方向に傾ける、すなわち、視野角が90°であっても、化粧シートの正面から意匠を認識することができる。
×:化粧シートを正面に対して45°方向に傾けると、化粧シートの正面から意匠(デザイン)を認識することができず、すなわち、視野角が90°未満である。
[実施例2]
実施例2おいては、エンボス加工により、表面に、光沢柄として和紙模様を施した以外は、実施例1と同様に、化粧シート(♯2の化粧シート)を作成し、視認性等を評価した。
そして、図6(a)に、♯2の化粧シートの各測定箇所における鏡面光沢度を示し、図6(b)に、隣接測定箇所における光沢度差を示す。
さらに、表1に示すように、得られた化粧シートにつき、測定箇所と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、当該光沢度差(%)のばらつきの標準偏差が0.29%であり、視認性の評価が〇であった。
[実施例3]
実施例3おいては、エンボス加工により、光沢柄として幾何学模様を施した以外は、実施例1と同様に、化粧シート(♯3の化粧シート)を作成し、評価した。
そして、図6(a)に、得られた化粧シートの各測定箇所における鏡面光沢度を示し、図6(b)に、隣接測定箇所における光沢度差を示す。
その結果、表1に示すように、得られた化粧シートにつき、測定箇所と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、当該光沢度差(%)のばらつきの標準偏差が0.37%であり、視認性の評価が◎であった。
[実施例4]
実施例4は、PETGシート(幅:2m、長さ3m)を用いたほかは、実施例1と同様に、エンボス加工により、化粧シートを作成し、視認性等を評価した。
その結果、表1に示すように、得られた化粧シートにつき、測定箇所と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、当該光沢度差(%)のばらつきの標準偏差が0.45%であり、視認性の評価が◎であった。
[比較例1]
比較例1では、ミル処理により作成したエンボスロールを用いて、実施例1と同様に化粧シート(♯4の化粧シート)を作成し、評価した。
なお、表1に示すように、得られた化粧シートにつき、測定箇所と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、当該光沢度差(%)のばらつきの標準偏差が0.25%未満の値(0.21%)であり、視認性の評価が×であった。
[比較例2]
比較例2では、エッチング処理(処理時間:30分)により作成したエンボスロールを用いて、実施例1と同様に化粧シート(♯5の化粧シート)を作成し、評価した。
なお、表1に示すように、得られた化粧シートにつき、測定箇所と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、当該光沢度差(%)のばらつきの標準偏差が0.25%未満の値(0.09%)であり、視認性の評価が×であった。
[比較例3]
比較例3では、比較例2と同様に、エッチング処理(処理時間:60分)により作成したエンボスロールを用いて、実施例1と同様に化粧シート(♯6の化粧シート)を作成し、評価した。
なお、表1に示すように、得られた化粧シートにつき、測定箇所と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、当該光沢度差(%)のばらつきの標準偏差が0.25%未満の値(0.12%)であり、視認性の評価が×であった。
Figure 2020200561
以上、詳述したように、本発明によれば、複数の測定箇所と、隣接測定箇所の光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差(%)のばらつきの標準偏差を所定以下の値とすることを特徴としている。
したがって、単色等の濃淡の少ない意匠等を有する化粧シートにおいて、柄と凹凸を同調させない場合であっても、広い視野角で、リアルな意匠性が認識できる化粧シートを得ることができるようになった。
その上、光沢度差のばらつきに関する標準偏差等を、製造上の良悪を判断する際の管理ファクターとすることができ、結果として、良好な意匠性等に関して、さらに定量性や再現性に富んだ化粧シートとすることができるようになった。
したがって、単層の化粧シートのみならず、着色層と組み合わせてなる複数層の化粧シート、光学用フィルム(液晶装置やEL発光装置の光拡散フィルム、液晶装置の偏向フィルム、液晶装置の位相差フィルム、液晶装置やEL発光装置のカラーフィルタ、液晶装置やEL発光装置を用いたテレビジョン、液晶装置やEL発光装置を用いたプロジェクター用フィルム、液晶装置やEL発光装置を用いた携帯電話用フィルム)、遮光性フィルム、保護フィルム、クッションフィルム等、幅広い分野での使用の可能性が挙げられる。
10、30:化粧シート
10a:所定表面凹凸
12:接着剤
14:基材
32:光源
34:視認者

Claims (8)

  1. 所定表面凹凸を有する化粧シートであって、
    前記化粧シートの表面の光沢度を、複数の測定箇所m〜m+n(m及びnは、それぞれ1以上の自然数)で、所定長さ、かつ、直線状に所定間隔でn箇所測定し、得られた複数の測定箇所の光沢度をX〜Xnとし、隣接測定箇所の光沢度差をY2=X2−X〜Yn=Xn−Xn-1とした場合に得られる、複数の測定箇所と、光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差(%)のばらつきの標準偏差を0.25%以上の値とすることを特徴とする化粧シート。
  2. 前記光沢度差の最大値と、最小値との差を40〜80%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1に記載の化粧シート。
  3. 前記複数の測定箇所における、前記光沢度差であるYm〜Ym+nの全てが正であるとともに、同じ複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram>Ram+1>Ram+2>Ram+3の関係を満足するか、
    あるいは、
    前記複数の測定箇所における、前記光沢度差であるYm´〜Ym´+nの全てが負であるとともに、同じ複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram´<Ram´+1<Ram´+2<Ram´+3の関係を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧シート。
  4. 前記所定表面凹凸に関し、算術平均粗さRaを5〜20μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧シート。
  5. 全体厚さを50〜500μmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧シート。
  6. 前記所定表面凹凸を有する化粧シートの種類が、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、及びポリオレフィン樹脂の少なくとも一つであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧シート。
  7. 所定表面凹凸を有する化粧シートの製造方法であって、下記工程(1)〜(2)を含むことを特徴とする化粧シートの製造方法。
    (1)前記化粧シートを形成するための樹脂組成物を準備する工程
    (2)前記樹脂組成物に由来した化粧シートを形成する工程であって、エンボスロールによって、複数の測定箇所m〜m+n(m及びnは、それぞれ1以上の自然数)で、所定長さ、かつ、直線状に所定間隔でn箇所測定し、得られた複数の測定箇所の光沢度をX〜Xnとし、隣接測定箇所の光沢度差をY2=X2−X〜Yn=Xn−Xn-1とした場合に得られる、複数の測定箇所と、光沢度差との関係を示す測定チャートにおいて、光沢度差(%)のばらつきの標準偏差を0.25%以上の値とする化粧シートの形成工程
  8. 前記工程(2)において、形成されてなる前記化粧シートが、下記第1の関係又は第2の関係を満足することを特徴とする請求項7に記載の化粧シートの製造方法。
    (第1の関係)
    前記複数の測定箇所における、前記光沢度差であるYm〜Ym+nの全てが正であるとともに、同じ複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram>Ram+1>Ram+2>Ram+3の関係を満足する。
    (第2の関係)
    前記複数の測定箇所における、前記光沢度差であるYm´〜Ym´+nの全てが負であるとともに、同じ複数の測定箇所における算術平均粗さRaが、Ram´<Ram´+1<Ram´+2<Ram´+3の関係を満足する。
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