JP2014139666A - 透明板、表示システム用表示板、及び表示システム - Google Patents

透明板、表示システム用表示板、及び表示システム Download PDF

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Abstract

【課題】制約が多いディスプレイパネルによらずに、視認される模様を、昼夜、観察位置、或いは昼夜及び観察位置によって変化する視覚効果が得られる、透明板、表示板、及び表示システムを提供する。
【解決手段】透明板10及び表示板20は、透明基板1の少なくとも一方の面1a上に模様状反射防止領域2Aと非反射防止領域2Bとを有し、模様状反射防止領域は反射防止性微凹凸3を有し、反射防止性微凹凸は多数の微小突起4の集合体である微小突起群4Gによって形成され、微小突起の最大突起間距離Daveが可視光の最大波長λmaxに対して、Dave≦λmaxである。好ましくは、微小突起群は低高度微小突起が高高度微小突起により周囲を取り囲まれている高低微小突起群を含む。表示システムは、この表示システム用表示板と、これを照らす光源とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明板、表示システム用表示板、及び表示システムに関する。
従来、ガラス窓、ガラス扉、透明な壁又は間仕切り等を構成する透明基板の表面に、着色インクの印刷、印刷シートや切り出した着色シートの貼り付けなどによって、透明又は不透明な着色模様層を形成して、文字、図形、絵柄などの模様を表示することが行われている。模様が文字の場合はメッセージなどを表示し、模様が図形の場合はロゴマークなど表示し、模様が絵柄の場合はデザイン意匠などを表示している。そして、これらの表示によって、商品、店舗、企業、サービスなどの広告宣伝の表示、或いは、出入り口、禁煙、営業中などの各種情報の表示を行なっている。図14の斜視図は、透明基板1の一方の面上に、着色模様層6を形成して、これを表示板40としたものである。
さらに、こうした着色模様層6による表示に対して、視覚効果を高める技術も各種提案されている(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。
特開平6−12017号公報 実開平3−45932号公報 実用新案登録第3152336号公報
しかしながら、図14で例示するような従来の表示板40は、模様形成という単純な構成による為に、昼夜ともに観察者に同一の模様が視認されるため、昼と夜とで、表示する模様を変えたり、夜のみ模様を視認できるようにしたりすることは不可能であった。
また、例えばガラス窓とした表示板40を観察する観察者の全員に、同じ模様が視認されるため、例えば、正面から見る観察者には不可視で、斜め方向から見る観察者にのみ視認可能となるように、異なる位置に居る観察者に対して選択的に表示することはできなかった。
一方、表示する模様を可変できるものとして、現在では、液晶表示ディスプレイパネルなどの各種ディスプレイパネルを使用する手段も採用されるようになってきた。しかし、ディスプレイパネルは設置するにあたって、いまだに印刷模様に比べれば高価であり、費用がかかる。さらに、ディスプレイパネルは、実際には、設置にあたって建築法や駆動部の設置スペースなど様々な制約がある上、電力の供給が必要となり、しかも、その消費電力も単なる照明付き看板に比べて多目となる。一方、照明付き看板の場合は、変化に富んだ表示は出来なかった。
すなわち、本発明の課題は、制約が多いディスプレイパネルによらずに、視認される模様を、昼夜、観察位置、或いは昼夜及び観察位置によって、変化させることができる、透明板、表示システム用表示板及び表示システムを提供することである。
そこで、本発明では、次の様な構成の、透明板、表示システム用表示板、及び表示システムとした。
(1)透明基板と、前記透明基板の少なくとも一方の面上に、模様状反射防止領域と、前記模様状反射防止領域以外の領域である非反射防止領域とを有し、
前記模様状反射防止領域は、前記透明基板の前記一方の面上に反射防止性微凹凸を有し、
前記反射防止性微凹凸は、複数の微小突起の集合体である微小突起群によって形成され、
前記微小突起の平均突起間距離Daveが、可視光の最大波長λmaxに対して、Dave≦λmaxである、
表示システム用透明板。
(2)前記微小突起の最大突起間距離Dmaxが可視光の最大波長λmaxに対して、Dmax≦λmaxである、前記(1)に記載の表示システム用透明板。
(3)前記微小突起群は、高度が一定ではない微小突起の集合体として、相対的に低い高度の低高度微小突起と、前記低高度微小突起よりも相対的に高い高度の高高度微小突起とを含み、前記低高度微小突起が前記高高度微小突起により周囲を取り囲まれている高低微小突起群、を含んでなる、前記(1)又は(2)の表示システム用透明板。
(4)前記反射防止性微凹凸は、前記微小突起として、頂部に溝を有する多峰性微小突起を含む、前記(1)〜(3)の表示システム用透明板。
(5)前記透明基板の前記一方の面上に、着色模様層を有する、前記(1)〜(4)のいずれかの表示システム用透明板。
(6)前記非反射防止領域に鏡面反射性領域を有する、前記(1)〜(5)のいずれかの表示システム用透明板。
(7)前記(1)〜(6)のいずれかの透明板の前記模様状反射防止領域を有する側の表面における反射光強度差の模様によって表示を行なう、表示システム用表示板。
(8)前記(7)の表示板と、前記表示板の前記模様状反射防止領域を有する側の面に可視光を照射する光源と、を含む、表示システム。
本発明によれば、制約が多いディスプレイパネルによらずに、視認される模様を、昼夜、観察位置、或いは昼夜及び観察位置によって、変化させることができる視覚効果が得られる。
本発明による透明板及び表示板の一実施形態を示す断面図(a)、平面図(b)、部分拡大断面図(c)、及び微小突起付与層5の部分拡大断面図(d)。 最大突起間距離Dmaxの算出方法を説明する為の写真。 最大突起間距離Dmaxの算出方法を説明する為の極大点を付した写真。 最大突起間距離Dmaxの算出方法を説明する為のドロネー図を付した写真。 高低微小突起群を説明する断面図(a)と斜視図(b)。 高低微小突起群を示す写真。 多峰性微小突起の頂部の溝を説明する斜視図(a)と平面図(b)。 多峰性微小突起を示す写真であり、2頂点(a)、3頂点(b)及び4頂点(c)を示す。 本発明による透明板及び表示板の変形形態(着色模様層)を例示する断面図。 本発明による表示システムの基本構成を示す斜視図。 本発明による表示システムで得られる表示変化を説明する図。 本発明による表示システムの一実施形態を示す斜視図(a)及び平面図(b)。 図12の実施形態で視認される表示可変例を説明する図。 従来の表示板の一例を示す斜視図。 成形型の作製工程を示す図である。 成形型の製造工程における陽極酸化工程とエッチング工程とにより作製される微細な穴を示す模式図である。 実施形態の成形型の微小突起の高さHの度数分布を示す図である。 隣接突起間距離の計測に供する度数分布図である。 微小突起の説明に供する図である。 成形型に形成される微小突起の高さHの度数分布の例を示す図である。 微小突起の高さ分布の制御により高低微小突起群4GHLが形成される過程を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
《1》用語の定義
ここで、本発明で用いる主要な用語の定義を説明しておく。
「微小突起」における「微小」とは、「微小突起」の最大突起間距離Dmaxが可視光の最大波長λmaxに対して、Dmax≦λmaxとなる小ささを意味する。
「板面」とは、透明基板1の一方の面又は他方の面乃至はこれらと平行な面であり、図1に於いては、XY平面と平行な面となる。透明基板1が凹凸ガラスなど「板面」が凹凸面の場合は、この凹凸面の包絡面を意味し、包絡面はXY平面と平行な面となる。また、透明基板1が湾曲ガラスなど「板面」が湾曲面の場合は、この湾曲面を意味する。
「平面視」とは、「板面」に立てた法線の方向から見ることを意味する。図1ではZ軸方向が法線方向である。
「反射」とは、可視光に対する反射を意味する。
《2》透明板及び表示板
先ず、本発明による透明板及び表示板を、図1に示す一実施形態例を参照して説明する。
図1(a)の断面図、図1(b)の平面図、並びに図1(c)及び図1(d)の部分拡大断面図に示す、本発明による透明板10及び表示板20は、透明基板1と、この透明基板1の一方の面1aの面上に、模様状反射防止領域2Aと模様状反射防止領域2A以外の領域である非反射防止領域2Bとを有する。
図1(a)の断面図は、図1(b)の平面図中、C−C線での断面図である。図1(c)の部分拡大断面図は、図(a)中の模様状反射防止領域2Aの反射防止性微凹凸3の部分に注目した断面図であり、図1(d)の部分拡大断面図は、図1(c)中の微小突起付与層5に注目した断面図である。
模様状反射防止領域2Aは、透明基板1の一方の面1aの面上において、反射防止性微凹凸3を有する領域である。反射防止性微凹凸3は、複数の微小突起4の集合体である微小突起群4Gによって形成されている。反射防止性微凹凸3は、その微小突起4の最大突起間距離Dmaxが、可視光の最大波長λmaxに対して、Dmax≦λmaxであることによって、可視光に対して反射防止性となっている。
また、各微小突起4は透明基板1の板面と平行な切断面で切断した場合の断面積が透明基板1から離れるに従って減少する形状であることが好ましい。
本実施形態においては、図1(c)及び図1(d)に示すように、微小突起4は、透明基板1の一方の面1aの表面には直接形成されてなく、透明基板1の一方の面1aに積層された微小突起付与層5の面に形成されている。微小突起付与層5は、さらに、微小突起4を表面に有する微小突起形成層5Aと、微小突起形成層5Aを形成時の基材として用いられた形成用基材層5Bと、微小突起付与層5を透明基板1の一方の面1aに接合するために形成用基材層5Bを透明基板1の一方の面1aに接合する接合層5Cと、を有する構成されている。
一方、非反射防止領域2Bは、透明基板1の一方の面1aの表面そのものとなっている。
本実施形態においては、透明基板1はガラス板であり、微小突起形成層5Aは透明な紫外線硬化性アクリル系樹脂の硬化物層であり、形成用基材層5Bはポリエステル系樹脂フィルムであり、接合層5Cは透明なアクリル系粘着剤層である。微小突起付与層5として、微小突起形成層5A、形成用基材層5B及び接合層5Cが積層された積層フィルムを、所定の模様形状に切断したものを、透明基板1の所定の位置に接合層5Cによって貼り付けることで、本実施形態における透明板10及び表示板20は作製されている。
以上の構成によって、本実施形態における透明板10及び表示板20は、模様状反射防止領域2Aと非反射防止領域2Bとによって、制約が多いディスプレイパネルによらずに、視認される模様を、昼夜、観察位置、或いは昼夜及び観察位置によって、変化させる視覚効果を得ることができるようになる。
以下、構成要素毎に、さらに詳述する。
《透明基板1》
透明基板1としては、いわゆる、ソーダガラス、石英ガラスなどの無機材料からなる透明板の他に、透明であれば、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系樹脂などの樹脂からなる樹脂板でもよい。樹脂板では、湾曲面も容易となる。透明基板1は、透明であれば、着色していてもよい。透明基板1の一方の面1a及び他方の面1bは、鏡面など平滑で平坦な表面以外に、霞(かすみ)ガラスや梨地ガラスなどの凹凸ガラスのように模様状凹凸面であってもよい。透明基板1の厚みは、用途に応じ、例えば0.5〜20mm程度である。
《模様状反射防止領域2Aと非反射防止領域2B》
模様状反射防止領域2Aは、模様状に形成された反射防止性を示す領域である。模様状反射防止領域2Aでは、透明板10或いは表示板20としての表面に、反射防止性微凹凸3を有する。この反射防止性微凹凸3によって、可視光に対する反射防止性が付与されている。反射防止性微凹凸3に入射した可視光線は実質上反射されないと共に、吸収されることもなく、透過してゆく。
非反射防止領域2Bは、模様状反射防止領域2Aが形成された透明基板1の面の側の表面において、模様状反射防止領域2A以外の領域である。換言すると、非反射防止領域2Bは、模様状反射防止領域2Aとは、写真で言えばネガ画像とポジ画像のように、逆の模様で相補的な模様状に形成され反射防止性ではない領域である。したがって、非反射防止領域2Bも模様状であるので「模様状非反射防止領域」と言うこともできる。
本実施形態においては、模様状反射防止領域2Aが透明基板1の一方の面1a上に形成され、他方の面1bには形成されていないので、非反射防止領域2Bは、模様状反射防止領域2Aが形成された透明基板1の一方の面1a上において、模様状反射防止領域2A以外の領域である。
本発明においては、模様状反射防止領域2Aが反射防止性を示すとは、反射防止性微凹凸3が有する微小突起4によって、可視光に対して反射防止性能が高められた状態を意味する。一方、非反射防止領域2Bが示す反射防止性ではない状態とは、前記微小突起4によって反射防止性能が高められた状態よりも、反射防止性能が低い状態を意味する。したがって、模様状反射防止領域2Aが反射防止性を示すとは、相対的に、模様状反射防止領域2Aは非反射防止領域2Bよりも反射防止性能が高いことを意味し、絶対的に可視光に対する反射率が特定値以下であることは意味しない。ただし、微小突起4によって付与される模様状反射防止領域2Aの可視光に対する反射率は、透明基板1として使用し得るガラス基板の平滑表面の可視光に対する反射率よりも小さい。
尚、本発明に於ける模様状反射防止領域2Aの反射率は、微小突起4の形状、寸法、材料等にも依存するが、通常一般的には、可視光の全波長域に対して、板面の法線方向から入射する光に対して0.02〜1.00%程度である。
〔鏡面反射性領域を含む非反射防止領域2B〕
非反射防止領域2Bは、その領域内に鏡面反射性領域を含むことができる。本実施形態においては、非反射防止領域2Bは、その全領域が鏡面反射性領域となっている。このため、非反射防止領域2Bの全領域が鏡面反射性領域でない形態に比べて、模様状反射防止領域2Aの模様を、よりいっそう目立つようにすることができる。
なお、ここで言う鏡面反射性とは、精密光学部品における鏡面反射性を意味するのではなく、建築物用途の一般的な窓ガラスの表面が呈する鏡面反射性以上のことを意味する。
本発明においては、非反射防止領域2Bは、その領域内の一部に鏡面反射性領域を含んでいてもよく、非反射防止領域2Bは、その領域が鏡面反射性領域ではなく、例えば艶消しではないが、例えば凹凸ガラス板のガラス面のような凹凸面であってもよい。凹凸面の領域の凹凸模様によっても、模様状反射防止領域2Aとは別の模様を表現できる。
《反射防止性微凹凸3》
反射防止性微凹凸3は、複数の微小突起4の集合体である微小突起群4Gによって形成され、可視光に対して反射防止性能を示す凹凸である。
《微小突起4》
微小突起4は、その平均突起間距離Daveが、可視光の最大波長λmaxに対して、Dave≦λmaxとなっている突起である。より好ましくは、微小突起4の最大突起間距離Daveを、可視光の最大波長λmaxに対して、Dave≦λmaxとする。
本発明においては、可視光の最大波長λmaxは780nmとする。一方、可視光の最小波長λminは380nmとする。
この結果、微小突起4の集合体である微小突起群4Gを有する反射防止性微凹凸3は、可視光に対する反射防止性能を有するものとなる。
また、微小突起4は、その板面に平行な切断面(図1に於いてはXY平面と平行な面)で切断した場合の断面積が微小突起4の高さ方向(図1に於いてはZ方向)に於いて、透明基板1から離れるに従って減少函数となる形状、即ち、先窄まり(さきすぼまり)の形状とした方が、反射防止効果を奏する上で好ましいことが知られている。よって、本発明に於いては、好ましくは、微小突起群4Gを構成する微小突起4のうちの少なくとも一部には、こうした先窄まりの微小突起4を含むように形成する。より好ましくは、全微小突起4のうちの50%以上、更に好ましくは、全微小突起4のうちの80%以上を先窄まりの形状とする。
〔最大突起間距離Dmax及び平均突起間距離Dave〕
最大突起間距離Dmax及び平均突起間距離Daveとは、微小突起4が一定の周期で規則的配列をしている場合には、その配列周期に等しい。
本実施形態においては、微小突起4は一定の配列周期を持たない。したがって、個々の微小突起4に注目すると、その微小突起4の周囲に隣接して配置される微小突起4との距離は一定ではなく、ばらつきを有する。このように、隣接する微小突起4同士の間の距離が一定ではなく、ばらつきを有するときは、隣接する微小突起4同士の間の距離の最大の値を、「最大突起間距離」とすることもできるであろう。ただし、実際には、最大値を与える2つの微小突起4の組を見つけるには、反射防止性微凹凸3の全領域を計測する必要があり、現実的ではない。加えて、単に微小突起4同士の間の距離を所定個数計測して其の最大値を最大突起間距離として採用すると、傷、異物等による現実の突起間距離を反映し無いなんらかの異常値を採用する虞も有る。そこで、本発明においては、統計的手法を用いて、「最大突起間距離Dmax」を定義する。以下、その説明をする。
(1)先ず、反射防止性微凹凸3について、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFMと略称する。)、或いは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEMと略称する。)を用いて、板面に平行な面内における微小突起4の配置を検出し、この面内配置から個々の隣接する微小突起4同士の間の距離を計測し、これから最大突起間距離Dmaxを統計的に算出する。図2の写真は、原子間力顕微鏡によって実際に得られた微小突起4の高さ情報を画像データ化した拡大写真である。
本発明においては、この図2を含めて、図3及び図4等での写真は全て、板面に対して法線方向から微小突起4を捉えたときの平面視の写真である。
微小突起4の面内配置の検出に、本実施形態においては、原子間力顕微鏡を用いたが、本発明においては、上記以外の検出方法を採用してもよい。
微小突起4の配置を検出する領域の面積は、透明板10乃至は表示板20の製品仕様に要求される反射防止性能に関与する最大突起間距離Dmaxを、統計的手法で平均値及び標準偏差から許容される誤差範囲内で算出し得る程度以上の微小突起4の計測個数となる面積であれば十分である。例えば、微小突起4の個数で言えば200個以上、より高精度とするならば、500個以上とする。
(2)次に、個々の微小突起4における高さの極大点を求める。極大点とは、高さが、其の近傍周辺の何れの点と比べても大(極大値)となる点を意味する。高さの計測方向は、図1で言えばZ軸方向であり、高さの基準となる基準高さは任意である。ただし、微小突起4の谷部を連結する面にうねりが存在する場合は、うねりを除去した高さを基準高さとする。うねりが存在すると、最大突起間距離Dmaxの寸法に比べて板面方向で大きな寸法で、微小突起4の極大点の基準高さとの高度差ではない絶対高度が変化する。うねりの除去は、例えば、微小突起4間の谷底の高度について、複数の谷底の高度の平均値が収束するに足る面積の中で算出し、この平均値の高度を基準高さとする。前記平均値を算出する面積の領域を移動させることで、前記面積よりも大きい面積におけるうねりを除去した基準高さを得ることができる。
極大点の計測は、微小突起4の前記面内配置の高さ情報の画像データを、画像処理することによって求めることができる。本実施形態においては、1nm単位で、極大点を求めた。
この際、画像データにノイズがあり、極大点の誤検出が予想されるときは、例えば、ガウシアン特性によるローパスフィルタを画像データに適用して、ノイズを除去しておくことが好ましい。
図3は、図2の拡大写真の画像データを、画像処理して検出した極大点の部分に黒点を付した拡大写真である。
ここで、隣接する極大点同士の間の距離を、「隣接極大点間距離」と呼ぶことにする。隣接極大点間距離が、隣接する微小突起4同士の間の距離であると捉えたとき、隣接極大点間距離を求める方法の一つとして、ドロネー図(Delaunary Diagram)を利用することができる。
ドロネー図とは、各極大点を母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分で結んで得られる3角形の集合体からなる網状図形である。各3角形は、ドロネー3角形と呼ばれ、各3角形の辺は、隣接母点同士を結ぶ線分に該当し、ドロネー線と呼ばれる。
ところで、ドロネー図は、ボロノイ図(Voronoi diagram)と双対の関係を有する。ボロノイ分割とは、各隣接母点間を結ぶ線分(ドロネー線)の垂直2等分線同士によって画成される閉多角形の集合体からなる網状図形で平面を分割することを言う。ボロノイ分割により得られる網状図形がボロノイ図であり、各閉領域がボロノイ領域である。
図4は、図3から作成したドロネー図のドロネー線を白色の線分として、図3に重ね合わせた拡大写真である。
ドロネー線の長さが隣接極大点間距離に該当する。此の様にして求めた隣接突起間距離乃至隣接極大点間距離の度数分布を図18に図示する。
(3)次に、それぞれの隣接極大点間距離を計測して、その平均値である平均突起間距離Dave及び標準偏差σを求める。この平均突起間距離Dave及び標準偏差σから、最大突起間距離Dmaxを算出する。
本発明においては、最大突起間距離Dmaxは下記の式〔1〕により算出する。
最大突起間距離Dmax=Dave+2σ 〔1〕
式〔1〕から判るように、最大突起間距離Dmaxとは、隣接極大点間距離を計測して得られた中の最大値ではない。計測した隣接極大点間距離の値の総数のうち、統計学的に、Dave±2σの領域に入るのが約95%であるから、残りの5%の半分の約2.5%は、最大突起間距離Dmaxを超えるものが存在する。それでも、おおよそ97.5%は、最大突起間距離Dmax以下の隣接極大点間距離を示す。
反射防止の対象とする可視光の波長が、その最大波長λmaxの780nmのみであったと仮定しても、約2.5%の微小突起4は、反射防止への寄与が小さくなる。しかし、意識的に、λmaxを超過するような隣接極大点間距離を与える微小突起4を局在化して形成しない限り、こうした最大波長λmaxを超過するような隣接極大点間距離を与える微小突起4は、面内の全域に散在している。したがって、最大波長λmaxを超過するような隣接極大点間距離も含めて、全体としての隣接極大点間距離は領域内で平均化され、大局的には、最大波長λmaxを超過するような隣接極大点間距離が前記のとおり約2.5%程度存在しても、可視光の最大波長λmaxに対して反射防止性能を、微小突起4が形成された領域全般に亘って得ることができる。
また、本実施形態においては、微小突起4は、陽極酸化処理とエッチング処理によって形成しており、図2の写真からも判るように、隣接極大点間距離が他と比べて極度に大きくなる微小突起4は実際に局在化していない。
以上のように、微小突起4によってもたらされる反射防止効果の点で、最大突起間距離Dmaxは、統計学的に、前記式〔1〕と設定することができる。
ちなみに、図2の写真の例では、平均値Dave=158nm、標準偏差σ=38nm、最大突起間距離Dmax=234nmであった。よって、可視光の全波長大域に亘って、反射防止効果を得ることができる。
本発明に於いては、微小突起群4G(乃至これから構成される反射防止性微凹凸3)が反射防止性能を実質上発現し得る為には、平均突起間距離Daveを、反射防止の対象とする可視光の波長が、可視光域全域であるときは、可視光の最小波長λminに対して、
Dave≦λminとする。
又、反射防止效果を、より確実に発現せしめる為には、最大突起間距離Dmaxは、反射防止の対象とする可視光の波長が、可視光域全域であるときは、可視光の最小波長λminに対して、
Dmax≦λminとすることが好ましい。
一般には、可視光のうち反射防止の対象とする波長帯域に於ける最小の波長をΛminとしたとき、
Dmax≦Λmin
とするとよいが、好ましくは、Dmax≦0.8Λminであり、より好ましくは、Dmax≦0.5Λminである。
以上のように、Dmaxを設定すると、反射防止効果をより確実に得ることができる。
なお、Λminは、Λmin=λmin=380nmとは限らない。
具体的には、可視光の全波長帯域380〜780nmを反射防止の対象とする場合は、Dmax≦Λmin=λmin=380nmとするが、好ましくは、Dmax≦0.8×380nm=304nm、より好ましくは、Dmax≦0.5×380nm=190nmとする。
[多峰性微小突起4Mが存在するときの最大突起間距離Dmaxの算出]
微小突起4の中には、その頂部に複数の極大点(頂点)を有する多峰性微小突起4Mが存在することがある。多峰性微小突起4Mについては、後で詳述するが、多峰性微小突起4Mが存在すると、1つの微小突起4Mが複数の極大点を与えることになり、微小突起4の個数と、極大点の個数とが一致しなくなる。図2及び図3の写真で示せば、添え字「M」を付したものが、多峰性微小突起4Mの例である。図2及び図3において、図面下側中央部の多峰性微小突起4Mが頂点を2つ有する例であり、図面上右側の多峰性微小突起4Mが頂点を3つ有する例である。これらに対して、図面上方左側の微小突起4が、1つの頂点を有する単峰性微小突起4Sの例である。
そこで、最大突起間距離Dmaxの算出にあたって、多峰性微小突起4Mが存在するときは、次のようにするとよい。また、本実施形態においても、次のようにした。
1つの多峰性微小突起4Mについて、その1つの多峰性微小突起4Mが有する複数の極大点同士から得られる隣接極大点間距離は、複数の単峰性微小突起4Sから得られる隣接極大点間距離とは、明らかに大きく異なる。そこで、5〜20個程度の互いに隣接する単峰性微小突起4Sを選んで標本抽出して、この標本抽出した中での隣接極大点間距離の複数の値の数値範囲から、明らかに外れる値を除外する。例えば、単峰性微小突起のみを標本抽出した中での隣接極大点間距離の平均値の1/2以下の値を除外する。本実施形態においては、多峰性微小突起4Mの寄与分を減らした後の平均値ではあるが、この平均値でいえば平均値Dave=158nmに対して約1/3となる56nmの値以下のものを隣接極大点間距離から除外したものを隣接突起間距離とした。この56nmという値は、単峰性微小突起4Sに主に起因する平均値Dave=158nmに対する度数分布のピーク(図18の符号A)と、多峰性微小突起4Mに起因する度数分布のピークとの境い目部分となる数値である。
前記した最大突起間距離Dmax=234nmは、こうして、多峰性微小突起4Mの寄与分を減らして得られた値である。
〔平均突起高さHave〕
平均突起高さHaveは、個々の微小突起4の高さHについての平均値である。最大突起間距離Dmaxの算出に用いた原子間力顕微鏡による画像データ或いは、この画像データの元になった三次元座標データから、個々の微小突起4の極大点の高さ(以下、「極大点の高さ」を、単に、「高さ」又は「高度」とも呼称する)を突起高さHとして求め、これから、平均突起高さHaveを得ることができる。ここでも、前記した最大突起間距離Dmaxと同様に、模様状反射防止領域2Aの全領域について計測する必要はない。統計学的に標本抽出して、その平均値を平均突起高さHaveとすることができる。
本実施形態においては、平均突起高さHave=178nm、標準偏差σ=30nmであった。
この際、多峰性微小突起4Mが存在するときは、この多峰性微小突起4Mが有する複数の極大点の中で高度が最も高い極大点を、当該微小突起4Mの突起高さHとして計測するとよい。
また、多峰性微小突起4Mが有する複数の極大点の高度が全て同一の場合は、その同一の高度を以って、当該多峰性微小突起4Mの突起高さHと定義する。
平均突起高さHaveは、通常、最大突起間距離Dmaxに対する比率(アスペクト比とも呼称する)で0.5〜3.0程度である。
〔高低微小突起群4GHL〕
図5は、高低微小突起群4GHLを模式的に示す図である。図5(a)は断面図、図5(b)は斜視図である。図5(a)の断面図は、平面視において、隣接する微小突起4の高さの極大点を結ぶ折れ線を含む断面での断面図である。Z軸方向が微小突起4の高さ方向である。図6の写真は、高低微小突起群4GHLを示す原子間力顕微鏡による拡大写真である。
このように、微小突起群4Gは、高度が一定ではない微小突起4の集合体として、相対的に低い高度の低高度微小突起4Lと、低高度微小突起4Lよりも相対的に高い高度の高高度微小突起4Hとを含み、低高度微小突起4Lが高高度微小突起4Hにより周囲を取り囲まれている高低微小突起群4GHLを含んでなることが好ましい。高低微小突起群4GHLによって、耐擦傷性向上効果が期待できるからである。
なお、前記「高度が一定ではない微小突起4」において、「高度」とは谷底の基準高さと極大点の高さとの高度差としての「高さ」の意味であり、前述した個々の微小突起4の高さHに相当する。
低高度微小突起4Lの周囲を取り囲む複数の高高度微小突起4Hの高さは、同一で揃っている必要はない。
低高度微小突起4L、高高度微小突起4Hのいずれも、後述する多峰性微小突起4Mであってもよい。低高度微小突起4L、或いは、高高度微小突起4Hが、多峰性微小突起4Mである場合には、その高度は、1つの頂部に存在する複数の極大点のうちの最大の高さでとらえる。
高低微小突起群4GHLは、後述する微小突起4を形成する為の成形型の作製工程にて、(B)陽極酸化処理工程で作製される微細な穴について、その深さのばらつきが大きくなるようにして作製することで形成することができる。具体的には、陽極酸化処理の印加電圧(化成電圧)を大きくすることで、ばらつきを大きくすることができる。
高低微小突起群4GHLによって、模様状反射防止領域2Aに外力が加わったときに、高高度微小突起4Hが、低高度微小突起4Lよりも先に外力を受け止めて、犠牲的に損傷することにより、低高度微小突起4Lの損傷を防ぐことができる。その結果、模様状反射防止領域2Aの局所的な反射防止性能の劣化を緩和し、ひいては、模様状反射防止領域2Aによる表示が損なわれることを軽減できる耐擦傷性向上の効果が得られる。
また、微小突起群4Gと物体との間に塵埃が付着すると、当該物品が微小突起群に対して相対的に摺動した際に、該塵埃が研磨剤として機能して微小突起(群)の磨耗、損傷が促進されることになる。この場合に、微小突起群を構成する各微小突起間に高低差が有ると、塵埃は高高度微小突起4Hに強く接触し、これを損傷させる。一方で低高度微小突起4Lとの接触は弱まり、低高度微小突起4Lについては損傷が軽減され、無傷ないしは軽微な傷で残存した低高度微小突起4Lによって反射防止性能が維持される。
またこれに加えて、各微小突起の高さに分布(高低差)の有る微小突起群4Gは、反射防止性能が広帯域化され、白色光のような多波長の混在する光、あるいは広帯域スペクトルを持つ光に対して、全スペクトル帯域で低反射率を実現するのに有利である。これは、かかる微小突起群によって良好な反射防止性能を発現し得る波長帯域が、隣接突起間距離の他に、突起高さにも依存する為である。
またこの場合には、多数の微小突起のうちの高高度微小突起4Hのみが、例えば微小突起群4Gと対向するように配置された各種の部材表面と接触することになる。これにより高さが同一の微小突起のみによる場合に比して格段的に滑りを良くすることができ、製造工程等における微小突起群4Gの取り扱いを容易とすることができる。なおこのように滑りを良くする観点から、ばらつきは、標準偏差により規定した場合に、10nm以上必要であるものの、50nmより大きくなると、このばらつきによる表面のざらつき感が感じられるようになる。従ってこの高さのばらつきは、10nm以上、50nm以下であることが好ましい。
高低微小突起群4GHLの個数の、全微小突起4の個数に対する比率は、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。前記比率が前記値未満であると、耐擦傷性向上の効果が充分に発揮されないことがあるからである。
尚、高低微小突起群4GHLの比率が高くなり過ぎると、高高度微小突起4Hの比率が高くなり過ぎ、少数の高高度微小突起4Hが犠牲的に外力による損傷、磨耗を引き受けて、低高度微小突起4Lを保護すると言う作用効果を奏さなくなってくる。この為、全微小突起4に対する高低微小突起群4GHLの比率は、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは70%以下とする。
又、微小突起群4G全体の中に於ける高低微小突起群4GHLの分布は、微小突起群4Gが形成される面内の全面に亙ってランダム且つ分布密度(単位面積当たりの高低微小突起群4GHLの個数)が均一に分布することが好ましい。これは、特定領域に高低微小突起群4GHLの分布密度が高く偏在すると、高低微小突起群4GHLにて犠牲的に外力による損傷を負担することによる耐擦傷性向上効果が十分に奏せられなくなる為である。
〔多峰性微小突起4M〕
多峰性微小突起4Mとは、図7及び図8で例示するように、1つの微小突起4が頂部に溝4gを1以上有する結果、頂部に複数の頂点を有することになった微小突起4を意味する。頂点を峰と表現すれば、複数の頂点を有することは複数の峰を有することであり、このような微小突起4を多峰性微小突起4Mと呼ぶことにする。多峰性微小突起4Mとは、逆に言えば、1つの微小突起4が頂部に頂点(極大点)を2以上有する結果、頂部に溝4gを1以上有することになった微小突起4を意味する。溝4gは、1つの頂部において、頂点同士の間の凹陥部とも言える。
本実施形態に於いては、図7及び図8に示す如く、多峰性微小突起4Mは、各頂点に係る峰が突起の中央を囲繞するように配置されて、各峰の境界をなす溝4gによって区劃され、各峰(頂点)が中央より放射状に配置された形状となっている。こうした峰の配置形態が耐擦傷性発現効果を奏する上で好ましい。
図7は、多峰性微小突起4Mを模式的に示す図である。図7(a)は斜視図、図7(b)は平面図である。Z軸方向が微小突起4の高さ方向である。図8の写真は、多峰性微小突起4Mを示す拡大写真である。図8(a)及び図8(c)は走査型電子顕微鏡による拡大写真であり、図8(b)は原子間力顕微鏡による拡大写真である。図8(a)は頂部の溝4gにより頂点を2つ有する2峰性微小突起4Mを示し、図8(b)は頂部の溝4gにより頂点を3つ有する3峰性微小突起4Mを示し、図8(c)は頂部の溝4gにより頂点を4つ有する4峰性微小突起4Mを示す。
多峰性とは、或る一つの微小突起4において、それを1つの山と見なしたときに、頂部に複数の頂上、つまり高さで言う複数の頂点乃至は極大点を有することを意味する。一つの山は1つの裾(麓部)を有する。したがって、多峰性微小突起4Mは、その頂部に存在する複数の極大点(頂上)が、一つの裾を共有している微小突起4であると言える。複数の極大点(頂上)の間には、溝4gを有する。
このように、微小突起群4Gは、そのなかに、多峰性微小突起4Mを含んでなることが好ましい。多峰性微小突起4Mによって、耐擦傷性向上効果が期待できるからである。
一方、単峰性微小突起のみからなり、各頂点の高さも一様に作製されている場合には、例えば他の物体が接触した場合には、広い範囲で微小突起4の形状が一様に損なわれ、これにより反射防止機能が局所的に劣化し、また接触個所に白濁、傷等が発生して外観不良が発生し易い。
多峰性微小突起4Mは、後述する微小突起4を形成する為の成形型の作製工程にて、
(B)陽極酸化処理工程で極めて近接して作製された微細な穴が、次の(C)エッチング処理工程によって、一体化して形成されると考えられる。このため、多峰性微小突起4Mと単峰性微小突起4Sとを混在させるには、(B)陽極酸化処理工程で作製される微細な穴同士の間隔のばらつきを、大きくするか、或いは複数回の陽極酸化工程を行うのに際して各回の印加電圧を互いに異なる突起間距離を与える電圧とすることで実現することができる。
図2に示すような微小突起4は、(B)陽極酸化処理工程の条件を、濃度0.02Mのシュウ酸水溶液、液温20℃、印加電圧40V、処理時間120sとして、(C)エッチング処理工程の条件を、濃度1.0Mのリン酸水溶液、液温20℃として、上記(B)工程と上記(C)工程を交互に2回繰り返して得ることができる。
多峰性微小突起4Mは、単峰性微小突起4Sに比べて、頂部での寸法(最大突起間距離Dmax、即ち反射防止性能に対応)に対する裾部の太さ(微小突起4の機械的強度に対応する)が相対的に太くなっている。このため、多峰性微小突起4Mは、単峰性微小突起4Sに比べて、同じ反射防止性能を発現しながら、しかも、より優れた機械的強度を有すると言える。この結果、多峰性微小突起4Mによって、模様状反射防止領域2Aに擦り傷が生じにくくできると考えられる。
また、多峰性微小突起4Mによって、模様状反射防止領域2Aに外力が加わったときに、頂部に存在する複数の頂点のうち、そのなかで最高峰の頂点が、先に外力を受け止めて、犠牲的に損傷することにより、最高峰よりも高さの低い頂点の損傷を防ぐことができる。その結果、模様状反射防止領域2Aの局所的な反射防止性能の劣化を緩和し、ひいては、模様状反射防止領域2Aによる表示が損なわれることを軽減できる耐擦傷性向上効果が得られる。しかも、十分な反射防止性能を発現し得る。
多峰性微小突起4Mの個数の、全微小突起4の個数に対する比率は、好ましくは10%以上、より好ましくは30%以上、さらに好ましくは50%以上である。前記比率が前記値未満であると、耐擦傷性向上効果が充分に発揮されないことがあるからである。
又、多峰性微小突起の比率を増やすに伴い製造工程の管理の難度が増す為、当該比率は好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下とする。
ここで、模様状反射防止領域2Aに形成される多峰性の微小突起4は、上述の可視光域に係る入射光に対する反射防止機能及び微小突起の耐擦傷性を向上させるために、以下の条件を満たすようにして形成される必要がある。
図20は、模様状反射防止領域2Aに形成される微小突起4の高さHの度数分布の例を示す図である。図20に示すように、微小突起4の高さHの度数分布における高さの平均値をmとし、標準偏差をσとし、H<m−σの領域を微小突起の低高度領域とし、m−σ≦H≦m+σの領域を中高度領域とし、m+σ<Hの領域を高高度領域とした場合に、各領域内の多峰性微小突起4Mの数Nmと、度数分布全体における微小突起4の総数Ntとの比率が、以下の(a)、(b)の関係を満たす必要がある。
(a)中高度領域のNm/Nt>低高度領域のNm/Nt
(b)中高度領域のNm/Nt>高高度領域のNm/Nt
〔微小突起4の形成方法〕
本発明においては、微小突起4の形成方法は、特に限定されない。本実施形態においては、アルミニウムの陽極酸化処理及びエッチング処理の交互の繰り返しにより成形型(賦型用金型)を作成し、この成形型(賦型用金型)で紫外線硬化性樹脂と2P(Photo Polimerization)法を用いて、樹脂層(微小突起形成層5A)の表面に微小突起4を形成した。
高低微小突起群4GHL及び多峰性微小突起4Mの形成は、ともに、陽極酸化処理及びエッチング処理の、各条件と繰り返し数を調整することで制御することができる。
[成形型の陽極酸化処理及びエッチング処理による作製方法]
ここで、本発明において採用し得る成形型の作製方法について説明する。この成形型を用いて、2P法、熱プレス法などの公知の成形法によって、微小突起4の集合体である微小突起群4Gを表面に有する反射防止性微凹凸3を形成することができる。
〔陽極酸化処理、エッチング処理〕
図15は、成形型の製造工程を示す図である。この製造工程は、電解溶出作用と、砥粒による擦過作用の複合による電解複合研磨法によって型原型の周側面を超鏡面化する(電解研磨)。続いての工程では、型原型の周側面にアルミニウムをスパッタリングし、純度の高いアルミニウム層を作製する(アルミニウム層形成工程)。型原型は、平板状、円筒状、円柱状などである。アルミニウムの純度は99%以上、通常は、99.9%以上とする。続いての工程では、陽極酸化処理を行う工程、即ち、陽極酸化工程A1、…、AN、エッチング処理を行う工程、即ち、エッチング工程E1、…、ENを交互に繰り返して母材を処理し、成形型を作製する。尚、陽極酸化工程及びエッチング工程の工程数N(2以上の整数)は通常2〜7とする。
この製造工程において、陽極酸化工程A1、…、ANでは、陽極酸化法により型原型の周側面に微細な穴を作製し、さらにこの作製した微細な穴を掘り進める。ここで陽極酸化工程では、例えば負極に炭素棒、ステンレス板材等を使用する場合のように、アルミニウムの陽極酸化に適用される各種の手法を広く適用することができる。また溶解液についても、中性、酸性の各種溶解液を使用することができ、より具体的には、例えば硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を使用することができる。この製造工程A1、…、ANは、液温、浴濃度、印加する電圧、陽極酸化に供する時間等の管理により、微細な穴をそれぞれ目的とする深さ及び微小突起形状に対応する形状に作製する。
続くエッチング工程E1、…、ENは、金型をエッチング液に浸漬し、直前の陽極酸化工程A1、…、ANにより作製、掘り進めた微細な穴の穴径をエッチングにより拡大すると共に、深さ方向に向かって滑らか、かつ徐々に穴径が小さくなるように、これら微細な穴を整形する。なおエッチング液については、この種の処理に適用される各種エッチング液を広く適用することができ、より具体的には、例えば硫酸水溶液、シュウ酸水溶液、リン酸水溶液等を使用することができる。陽極酸化処理に用いる溶解液と同じ液を、電圧印加無しで用いることにより、溶解液をエッチング液としても兼用することが出来る。これらによりこの製造工程では、陽極酸化処理とエッチング処理とを交互にそれぞれ複数回実行することにより、賦型に供する微細な穴を母材の周側面に作製する。
微小突起4の形状は、型原型の準備工程での型表面のアルミニウムの純度(不純物量)及び結晶粒径、並びに陽極酸化処理工程A1、…、AN及びエッチング処理工程E1、…、ENでの諸条件を、調整することによって制御することができる。
〔微小突起を形成する微細な穴の形成過程〕
(高低微小突起群4GHL及び多峰性微小突起4Mの生成)
次に、高低微小突起群4GHL及び多峰性微小突起4Mを形成し、また、微小突起の高さの分布が制御された微細な穴が形成される方法について説明する。上述したように、賦型用金型(成形型)に形成される微細な穴は、陽極酸化処理及びエッチング処理の交互の繰り返しによって形成されるが、この繰り返しの陽極酸化処理における印加電圧を可変することによって、微細な穴の深さ(微小突起の高さ分布)を制御することができる。ここで、陽極酸化処理における印加電圧と、形成される微細な穴の間隔(ピッチ)とは、比例する関係にあるため、陽極酸化処理、エッチング処理の繰り返しにおいて、各工程A1、・・・、AN毎に陽極酸化処理の印加電圧を可変すれば、深さ方向に掘り進める時間が相違する微細な穴を混在させてその比率を制御することができる。或いは、直流電圧に交流電圧を加えた変動電圧とする。例えば、印加電圧は15〜35Vの間の電圧として各工程の陽極酸化処理をすることもできる。
また、このように陽極酸化処理における印加電圧を可変する場合にあっては、太さの太い微細な穴の底面に、複数の微細な穴を作成して高低微小突起群4GHL及び多峰性微小突起4Mに係る微細な穴とすることができる。この太さの太い微細な穴の高さの制御等により、高低微小突起群4GHL及び多峰性微小突起4Mについても、高さ分布を制御することができる。
図16は、このような高さの分布の制御の説明に供する模式図であり、賦型用金型の製造工程における陽極酸化工程とエッチング工程とにより作製される微細な穴を示す図である。
上述したように、陽極酸化処理における印加電圧と、微細な穴のピッチとの関係は比例関係であるが、実際上、処理に供するアルミニウムの粒界等により微細な穴のピッチにはばらつきが生じる。しかし、図16においては、このばらつきが存在しないものとして、微細な穴が規則正しい配列により作製されるものとして説明する。なお、図16(a)〜図16(e)において、左側の図は、成形型の表面の拡大図を示し、右側の図は、左側の図におけるa−a断面図を示す。
(第1の工程)
図16(a)に示すように、まず、賦型用金型の表面のアルミニウム層に、電圧V1を印加して陽極酸化工程A1を実行した後に、エッチング工程E1を実行し、微細な穴f1を形成する。ここで、陽極酸化工程A1は、アルミニウムのフラット面に後続する陽極酸化処理のきっかけを作製するものである。なお、この場合、エッチング工程を適宜省略してもよい。
(第2の工程)
次に、電圧V1よりも高い電圧V2(V2>V1)を印加して陽極酸化工程A2を実行した後に、エッチング工程E2を実行する。これにより、陽極酸化工程A2では、図16(b)に示すように、先の陽極酸化工程A1により形成された微細な穴f1のうち、陽極酸化工程A2に対応する間隔の微細な穴f1を更に掘り下げる。
本実施形態では、印加電圧V2をV2=3×V1に設定して、陽極酸化工程A2によって、先の陽極酸化工程A1で形成された微細な穴f1を二つ置きに掘り進める処理が行われる。従って、賦型用金型の表面には、二つ置きに広くかつ深く掘り下げられた微細な穴f2が形成され、成形型の表面には、微細な穴f1と微細な穴2とが混在する状態となる。
(第3の工程)
続いて、電圧V2よりも高い電圧V3(V3>V2)を印加して陽極酸化工程A3を実行した後に、エッチング工程E3を実行する。この工程では、ピッチの異なる微細な穴を作製する。具体的には、印加する電圧を、電圧V2から電圧V3へ徐々に上昇させ、この印加電圧の上昇を離散的(段階的)に実行すると、微小突起の高さ分布(微細な穴の深さ分布)を離散的に作製することができ、この印加電圧の上昇を連続的に実行すると、微小突起の高さ分布を正規分布に設定することができる。そのため、本実施形態では、印加電圧V3をV3=4×V1に設定して、陽極酸化工程A3における印加電圧の印加時間、エッチング工程の処理時間を上述の第1の工程、第2の工程よりも長く設定することにより、図16(c)に示すように、最初の陽極酸化工程A1において形成された微細な穴f1が二つ、一つに纏まるように広くかつ深く掘り進められ、また、その一つに纏められた微細な穴f3の底面が略平坦に形成される(平坦微細な穴形成工程)。ここで、略平坦とは、微細な穴の底面が平坦な状態だけでなく、その底面が大きい曲率半径で湾曲している状態をも含む状態をいう。
(第4の工程)
続いて、電圧V3よりも高い電圧V4(V4>V3)を印加して陽極酸化工程A4を実行した後に、エッチング工程E4を実行する。この工程では、目的とする突起間間隔によるピッチにより微細な穴を作成する。この陽極酸化工程A4においても、印加電圧は、電圧V3から電圧V4へ徐々に上昇させる。本実施形態では、印加電圧V4をV4=8×V1に設定して、これにより、上記第3の工程により掘り進められた微細な穴f3の一部が更に掘り進められ、その結果、図16(d)に示すように、微細な穴f4となり、この微細な穴f4が高さの高い単峰性微小突起4Sを形成する。
(第5の工程)
続いて、印加電圧を上記第1の工程における電圧V1に変更して陽極酸化工程A5を実行した後に、エッチング工程E5を実行する。この工程では、微細な穴f1、f2、及びf3については、其の底部の深さが更に一律に深くなるだけで穴形状の峰数は不変で有るが、陽極酸化工程A3において形成された微細な穴f3であって、第4の工程の陽極酸化工程A4の影響を受けていない微細な穴f3の底面には、図16(e)に示すように、微細な穴を複数個形成し、多峰性の微小突起に対応する微細な穴f5を形成する(多峰突起用微細な穴形成工程)。ここで、印加する電圧V1の大きさを調整することによって、微細な穴f5の底面に形成される微細な穴の数を増減したり、その微細な穴の間隔を調整したりすることができる。
以上より、賦型用金型の表面には、高さの異なる微小突起を形成する微細な穴f1、f2、f4や、多峰性微小突起4Mを形成する微細な穴f5が形成される。
ここで、この一連の工程では、第1の工程及び第2の工程により作製された深さの異なる微細な穴f1、f2を、第3の工程で掘り進めて底面の略平坦な微細な穴f3を作製し、第4の工程において、この微細な穴f3を掘り進めて単峰性の微小突起に係る微細な穴f4を作製し、また、第5の工程において、この微細な穴f3の底面を加工して多峰性微小突起4Mに係る微細な穴f5を作製している。ここで、第1の工程から第4の工程に係る陽極酸化工程の印加時間、処理時間、エッチング工程の処理時間等を制御して、各工程で作製される微細な穴の深さを制御することにより、微小突起の高さの分布や、多峰性微小突起4Mの高さの分布を制御することができる。なお、上述の第1の工程〜第5の工程は、必要に応じて回数を省略したり、繰り返したり、工程を一体化したりすることができる。
又、図21には、微小突起の高さ分布の制御により高低微小突起群4GHLが形成される過程を示す模式図である。
(第1の工程)
図21(a)に示すように、先ず、賦型用金型の表面のアルミニウム層に、電圧V1を印加して陽極酸化工程A1を実行した後に、エッチング工程E1を実行し、微細な穴f1を形成する。ここで、陽極酸化工程A1は、アルミニウムのフラット面に後続する陽極酸化処理のきっかけを作製するものである。なお、この場合、エッチング工程を適宜省略してもよい。此処までは図16の工程と同樣である。
(第2の工程)
次に、電圧V1よりも高い電圧V2(V2>V1)を印加して陽極酸化工程A2を実行した後に、エッチング工程E2を実行する。これにより、陽極酸化工程A2では、図21(b)に示すように、先の陽極酸化工程A1により形成された微細な穴f1のうち、陽極酸化工程A2に対応する間隔の微細な穴f1を更に掘り下げる。
本実施形態では、印加電圧V2をV2=2×V1に設定して、陽極酸化工程A2によって、先の陽極酸化工程A1で形成された微細な穴f1を一つ置きに掘り進める処理が行われる。従って、賦型用金型の表面には、一つ置きに広くかつ深く掘り下げられた微細な穴f2が形成され、成形型の表面には、微細な穴f1と微細な穴2とが混在する状態となる。
(第3の工程)
続いて、電圧V1と電圧V2の間の電圧V3(V2>V3>V1)を印加して陽極酸化工程A3を実行した後に、エッチング工程E3を実行する。この工程では、ピッチの異なる微細な穴を作製する。具体的には、印加する電圧を、電圧V3として、縦横に面内に配列した微細な穴f2の間に存在する図示の如くの特定の微細な穴f1を一つ置きに広く且つ深く掘り下げる。そのため、本実施形態では、印加電圧V3をV3=(V1)1/2に設定して、陽極酸化工程A3における印加電圧の印加時間、エッチング工程の処理時間を上述の第1の工程よりも長く設定することにより、図21(c)に示すように、最初の陽極酸化工程A1において形成された微細な穴f1のうち、4個の微細な穴f2で囲まれる最小の四角形の中心に位置する微細な穴f1が選択的に深く掘り下げられる。且つ同時に、第2の陽極酸化工程A2形成された微細な穴f2のうちで図21(c)で図示される位置関係に有る一部のものが更に掘り下げられ、微細な穴f3となる。
其の結果、図21(c)に図示する如く、微細な穴f1(これが低高度微小突起4Lに対応する穴となる)の周囲をf1よりも深い微細な穴f2及びf3(これが高高度微小突起4HLに対応する穴となる)によって周囲を包囲された穴群が面内に配列した表面構造を有する成成形型が得られる。該微細な穴f1、f2、及びf3からなる穴群が高低微小突起群4GHLに対応する(これを賦形する)微細な穴となる。
《微小突起付与層5》
微小突起付与層5は、透明基板1に対して、微小突起4を付与する層である。具体的には、図1(d)に示す如く微小突起付与層5は、複数の微小突起4の集合体である微小突起群4Gを有する反射防止性微凹凸3によって、模様状反射防止領域2Aを、透明基板1に付与する層である。
微小突起付与層5は、無色透明であることが好ましい。有色、不透明のいずれの場合でも、従来の着色模様層6と同様に観察条件によらずに同じ模様の表示が視認されてしまうからである。
本実施形態においては、図1に示す如く微小突起付与層5は、微小突起形成層5Aと、この微小突起形成層5Aを形成時に基材として用いた形成用基材層5Bと、この形成用基材層5Bでもって微小突起付与層5を透明基板1の一方の面1aに接合する接合層5Cと、から構成されている。
本発明においては、微小突起4を透明基板1自体の表面に形成する場合は、微小突起付与層5は省略することができる。例えば、透明基板1として樹脂製の樹脂ガラスの作製時に、樹脂が熔融状態において成形型により賦形して、樹脂ガラス板の表面に微小突起4を形成する場合などである。
以下、本実施形態で採用している、微小突起形成層5A、形成用基材層5B、及び接合層5Cについて説明する。
本実施形態においては、微小突起付与層5として、形成用基材層5Bとしてのポリエステル系樹脂フィルムの片面に、紫外線硬化性樹脂と成形型を用いた2P法(フォトポリマー法)によって微小突起形成層5Aを形成し、前記形成用基材層5Bの他方の面にアクリル系粘着剤層を接合層5Cとして形成して得られた粘着フィルムを、目的とする模様の形状及び大きさに切断したものを用いた。
〔微小突起形成層5A〕
微小突起形成層5Aは、それ自体の表面に微小突起4を有する層である。微小突起形成層5Aは、微小突起4を形成できる材料であれば特に制限はなく、例えば、紫外線や電子線などの電離放射線で硬化する電離放射線硬化性樹脂、或いは、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。これらの樹脂と成形型を用いて、微小突起4を成形することで、これらの樹脂の樹脂層の表面に微小突起4が成形された微小突起形成層5Aを形成することができる。
成形法には公知の方法を適宜採用することができ、例えば、電離放射線硬化性樹脂には2P法を利用することができ、熱硬化性樹脂には熱プレス法などを利用することができ、熱可塑性樹脂には、熱プレス法、射出成形法、押出し成形法などを利用することができる。
〔形成用基材層5B〕
形成用基材層5Bは、代表的には樹脂フィルムを用いることができるが、機械的強度を有するものであれば特に制限はない。前記樹脂フィルムの樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などの樹脂を用いることができる。
形成用基材層5Bは、微小突起形成層5Aを射出成形法、押出し成形法で形成する場合などでは、省略することができる。
〔接合層5C〕
接合層5Cは、微小突起付与層5を透明基板1に接合するための層である。接合層5Cには、粘着剤層、接着剤層などが用いられる。これらにはアクリル系、ポリエステル系、シコーン系など粘着剤或いは接着剤を用いることができる。接合層5Cは、微小突起形成層5A或いは形成用基材層5Bが接着性を有するとき、或いは透明基板1が接着性を有するときは、省略することができる。
次に、上述の方法により作製された賦型用金型によって製造された微小突起付与層5の具体的な実施形態について説明する。
〔微小突起付与層5の具体的な実施形態〕
図17は、本実施形態の微小突起付与層5の微小突起4の高さHの度数分布を示す図である。
本実施形態の微小突起付与層5を製造する賦型用金型は、上述の第2工程、第3工程、第4工程で陽極酸化処理の印加電圧を連続的に変化させたものであり、また第4工程では、第3工程の印加電圧から電圧を低下させたものである。この賦型用金型によって製造された微小突起付与層5は、微小突起4の高さ分布が正規分布を示しており、微小突起4が作製されてなる面の法線を中心とした比較的狭い範囲で、良好な反射防止機能を確保することができる。またこのときこのような高さ分布において、多峰性微小突起4M(頂点数が2つ及び3つのものをそれぞれ二峰、三峰により示す)についても、ほぼ高さの平均値が一致した正規分布とすることができ、これにより効率良く多峰性微小突起4Mの耐擦傷性の機能、光学特性の向上機能を発揮させることができる。
上述の方法により製造された具体的な実施形態の微小突起付与層5は、図17に示すように、微小突起の高さの平均値がm=145.7nmであり、その標準偏差がσ=22.1nmである。
ここで、微小突起4の高さHの度数分布において、低高度領域は、H<m−σ=123.6nmとなり、中高度領域は、m−σ=123.6nm≦H≦m+σ=167.8nmとなり、高高度領域は、H>m+σ=167.8nmとなる。
度数分布全体の微小突起の総数Ntは、263個である。また、中高度領域の多峰性微小突起4Mの数Nmは、23個であるので、中高度領域のNm/Ntは、0.087となる。低高度領域の多峰性微小突起4Mの数Nmは、2個であるので、低高度領域のNm/Ntは、0.008となる。高高度領域の多峰性微小突起4Mの数Nmは、5個であるので、高高度領域のNm/Ntは、0.019となる。
従って、具体的な実施形態の微小突起付与層5は、上述の(a)、(b)の関係、すなわち、
(a)中高度領域のNm/Nt=0.087>低高度領域のNm/Nt=0.008
(b)中高度領域のNm/Nt=0.087>高高度領域のNm/Nt=0.019
を満足する。
以上より、具体的な実施形態の微小突起付与層5は、中高度領域における多峰性微小突起4Mの数(Nm)と度数分布における微小突起4の総数(Nt)との比率(Nm/Nt)が、低高度領域及び高高度領域の比率よりも大きくなるように多峰性微小突起4Mが形成されているので、可視光域に係る入射光に対する反射率を効果的に低減することができ、微小突起付与層5の反射防止機能の広帯域化を図ることができる。
また、この微小突起付与層5は、このような高さ分布において、多峰性微小突起4M(頂点数が2つ及び3つのものをそれぞれ二峰、三峰により示す)についても、ほぼ高さの平均値が一致した正規分布とすることができるので、該高さHの度数分布が正規分布より一様分布に近い分布、或いは度数分布の極大値を複数有する場合に比べて、視野角特性を制限し、微小突起群4G形成面の法線に対する角度が70〜75度以下の正面方向に於いて十分な低反射率と低ヘイズを実現すると共に該法線に対する角度が70〜75度超過の側面方向については射率防及びヘイズが立ち上がる視野角特性とすることができる。斯かる視野角特性の制限により、外光存在下の画像表示裝置の画面に於いて、観察者(乃至操作者)の方向に対しては外光反射を低減した良好な画面視認正を確保し、側面方向からの視線に対しては反射率とヘイズの上昇により画面視認性を法線方向よりも低減させて、覗き見抑制効果を期待しえる。また、多峰性微小突起4Mの微小突起4の耐擦傷性を向上させることができる。
即ち、上述の構成にすることによって、微小突起付与層5は、高さが高い(180nm以上)微小突起4に分布する多峰性微小突起4Mの比率が小さく、単峰性微小突起4Sの比率が多いので、他の物体が微小突起4に摩擦接触したとしても、高さの高い単峰性微小突起4Sが先に接触することとなり、反射防止機能を主に向上させる多峰性微小突起4Mに接触してしまうのを抑制することができる。
なお、これら多峰性微小突起4Mの特徴は、賦型用金型の対応する形状を備えた微細な穴により作製される多峰性微小突起4Mの固有の特徴であり、特開2012−037670号公報に開示の樹脂の充填不良により生じる多峰性微小突起によっては得ることができない特徴である。すなわち樹脂の充填不良による多峰性微小突起は、本来、単峰性微小突起として作製される微細な穴に十分に樹脂が充填されないことにより作製されるものであるので、頂点間の間隔が極めて微小であり、これにより耐擦傷性を十分に向上することが困難であり、また上述したような光学特性の向上も困難である。
また、充填不良による多峰性微小突起にあっては、再現性が乏しく、これにより均一な製品を量産できない欠点もあり、これに対して、この具体的な実施形態の微小突起付与層5に係る多峰性微小突起4Mは、いわゆる金型により高い再現性を確保することができる。また、上述の実施形態について詳述するように、多峰性微小突起4Mの高さ分布について制御できるのに対し、充填不良の多多峰性微小突起については、このような制御が困難である。
図19は、この頂点を複数有する多峰性微小突起4Mの説明に供する断面図(図19(a))、斜視図(図19(b))、平面図(図19(c))である。なおこの図19は、理解を容易にするために模式的に示す図であり、図19(a)は、連続する微小突起の頂点を結ぶ折れ線により断面を取って示す図である。この図19(b)及び(c)において、xy方向は、形成用基材層5Bの面内方向であり、z方向は微小突起の高さ方向である。微小突起付与層5において、多くの微小突起4は、形成用基材層5Bより離れて頂点に向かうに従って徐々に断面積(高さ方向に直交する面(図19においてXY平面と平行な面)で切断した場合の断面積)が小さくなって、頂点が1つにより作製される。しかしながら中には、複数の微小突起が結合したかのように、先端部分に溝4gが形成され、頂点が2つになったもの(4M2)、頂点が3つになったもの(4M1)、さらには頂点が4つ以上のもの(図8(c))が存在する。なお単峰性の微小突起4の形状は、概略、回転放物面の様な頂部の丸い形状、或いは円錐の様な頂点の尖った形状で近似することができる。一方、多峰性微小突起4M1、4M2の形状は、概略、単峰性の微小突起4の頂部近傍に溝状の凹部を切り込んで、頂部を複数の峰に分割したような形状で近似される。多峰性微小突起4M1、4M2の形状は、或いは、複数の峰を含み高さ方向(図19ではZ軸方向)を含む仮想的切断面で切断した場合の縦断面形状が、極大点を複数個含み各極大点近傍が上に凸の曲線になる代数曲線Z=a22+a44+・・+a2n2n+・・で近似されるような形状である。
なお上述した図2〜図4、図18に係る測定結果は、本実施形態に係る反射防止物品の測定結果であり、図18に示す度数分布においては、隣接突起間距離(横軸の値)について、20nm及び40nmの短距離の極大値と120nm及び164nmの長距離の極大値との2種類の極大値が存在する。これらの極大値のうちの長距離の極大値は、微小突起本体(頂部よりも下の中腹から麓にかけての部分)の配列に対応し、一方、短距離の極大値は頂部近傍に存在する複数の頂点(峰)に対応する。これにより極大点間距離の度数分布によっても、多峰性微小突起の存在を見て取ることができる。
またこのように多峰性微小突起が混在する場合には、単峰性微小突起のみによる場合に比して反射防止の性能を向上することができる。すなわち図2、図8、及び図19等に示すような多峰性微小突起4M1、4M2等は、隣接突起間距離が同じ場合であっても、また突起高さが同じ場合であっても、単峰性微小突起4Sと比べて、より光の反射率が低減することになる。その理由は、多峰性微小突起4M1、4M2等は、頂部より下(中腹及び麓)の形状が同じ単峰性微小突起4Sよりも、頂部近傍における有効屈折率の高さ方向の変化率が小さくなる為である。
すなわち図19において、z=0を高さH=0とおき、高さ方向(Z軸方向)に直交する仮想的切断面Z=zで微小突起4S、4M等を切断したと仮定した場合の面Z=zにおける微小突起と周辺の媒質(通常は空気)との屈折率の平均値として得られる有効屈折率nefは、切断面Z=zにおける周辺媒質(ここでは空気とする)の屈折率をnA=1、微小突起4S、4M、・・の構成材料の屈折率をnM>1とし、又周辺媒質(空気)の断面積の合計値をSA(z)、微小突起4S、4M、・・の断面積の合計値をSM(z)としたとき、
ef(z)=1×SA(z)/(SA(z)+SM(z))+nA×SM(z)/(SA(z)+SM(z))(式1)
で表される。これは、周辺媒質の屈折率nA及び微小突起構成材料の屈折率nMを、各々周辺媒質の合計断面積SA(z)及び微小突起の合計断面積の合計値SM(z)で比例配分した値となる。
ここで、単峰性微小突起4Sを基準にして考えたときに、多峰性微小突起4M1、4M2、・・は、頂部近傍が複数の峰に分裂している。そのため、頂部近傍を切断する仮想的切断面Z=zにおいて、多峰性微小突起4M1、4M2、・・は、単峰性微小突起4S、・・に比べて相対的に低屈折率である周辺媒質の合計断面積SA(z)の比率が、相対的に高屈折率である微小突起の合計断面積SM(z)の比率に比べて、より増大することになる。
その結果、仮想的切断面Z=zにおける有効屈折率nef(z)は、多峰性微小突起4M1、4M2、・・の方が単峰性微小突起4S、・・に比べて、より周辺媒質の屈折率nAに近くなる。面Z=zにおける多峰性微小突起の有効屈折率と周辺媒質の屈折率との差を|nef(z)−nA(z)|multi、単峰性微小突起の有効屈折率と周辺媒質の屈折率との差を|nef(z)−nA(z)|monoとすると、
|nef(z)−nA(z)|multi<|nef(z)−nA(z)|mono(式2)
となる。ここでnA(z)=1とすると、
|nef(z)−1|multi<|nef(z)−1|mono(式2A)
となる。
これにより頂部近傍において、多峰性微小突起を含む微小突起群(各微小突起間に周辺媒質を含む)については、単峰性微小突起のみからなる突起群に比べて、その有効屈折率と周辺媒質(空気)の屈折率との差、より詳細に言えば、微小突起の高さ方向の単位距離当たりの屈折率の変化率をより低減化すること、換言すれば、屈折率の高さ方向変化の連続性をより高めること)が可能になることが判る。
一般に、隣接する屈折率n0の媒質と屈折率n1の媒質との界面に光が入射する場合に、該界面における光の反射率Rは、入射角=0として、
R=(n1−n02/(n1+n02(式3)
となる。この式より界面両側の媒質の屈折率差n1−n0が小さいほど界面での光の反射率Rは減少し、(n1−n0)が値0に近づけばRも値0に近づくことになる。
(式2)、(式2A)及び(式3)より、多峰性微小突起4M1、4M2、・・を含む微小突起群(各微小突起間に周辺媒質を含む)については、単峰性微小突起4S、・・のみからなる突起群に比べて光の反射率が低減する。
又、単峰性微小突起4Sのみからなる微小突起群を用いた場合は、隣接峰間の距離と隣接微小突起間距離とが同一となる為、隣接微小突起間が接触、一体複合化する現象(いわゆるスティッキング)が発生し易くなる。スティッキングを生じると、実質上の隣接突起間距離は一体複合化した微小突起数の分だけ増加する。
例えば、D=200nmの微小突起が4個スティッキングすると、実質上、スティッキングして一体化した突起の大きさは、D=4×200nm=800nm>可視光線帯域の最長波長(780nm)となり、これにより局所的に反射防止効果を損なうことになる。
一方、多峰性微小突起4M1、4M2、・・からなる微小突起群の場合、頂部近傍の各峰間の隣接突起間距離DPEAKは、麓から中腹にかけての微小突起本体部の隣接突起間距離DBASEよりも小さくなり(DPEAK<DBASE)、通常、DPEAK=DBASE/4〜DBASE/2程度である。その為、各峰間の隣接突起間距離DPEAK≪λminとすることで十分な反射防止性能を得ることができる。但し、多峰性微小突起の各峰部は、麓部の幅に対する峰部の高さの比が小さく、単峰性微小突起の麓部の幅に対する頂点の高さの比の1/2〜1/10程度である。従って、同じ外力に対して、多峰性微小突起の峰部は単峰性微小突起に比べての変形し難い。且つ、多峰性微小突起の本体部自体は峰部よりも隣接突起間距離は大であり、且つ強度も大である。その為、結局、多峰性微小突起からなる微小突起群は、単峰性微小突起からなる突起群に比べて、スティッキングの生じ難さと低反射率とを容易に両立させることができる。
なお可視光の反射防止用途の他の用途であっても、又は可視光環境下であっても、当該反射防止材料が設置、使用される環境条件に応じて、想定する反射防止波長に応じたモスアイ構造を形成し、高さ分布を持たせる事により、前記の通り、従来のものより耐擦性があり、かつ、プロセス要件などで低硬度の材料を使用した場合においても互いのスティッキングを防止し、光学的必要性能を合わせ持つ反射防止材料を作製する事が可能となる。例えば、380nm前後の紫外領域について反射防止性能を得たい場合はモスアイの高さが約50nmでも可能であり、同様に700nm前後の赤外領域については約150nm〜実用上を考慮し400nmであれば可能である。なお、前記の通りモスアイの配置ピッチについては高さについて飽和するような製作条件を見出し、モスアイの反射率を効果的に操作する事が可能である。さらに、モスアイの頂部構造についても、従来の単峰から改良を加える事で高さと反射率を両立し、かつ物理的にスティッキングを起こしにくく、効果的に反射率を低減する事が可能となっている。
《透明板10と表示板20との違い》
透明板10が、例えば後述する窓ガラスなどのような、特定の用途に使用され、特定の用途として機能している状態のものを表示板20と呼ぶ。つまり、透明板10とは、その用途に使用される前の状態のものを言い、例えば、販売前においては倉庫に保存された状態、商品として陳列された状態、販売後においては、その用途に取り付けられる前の状態のものを言う。
表示板20が表示する内容は、単なる模様、それ自体が人間に対してメッセージなどの情報としての意味を持つ文字又はロゴマークなどの図形、或いはこれらの組み合わせである。
そして、表示板20は、透明板10の模様状反射防止領域2Aを有する側の表面における、反射光強度差による模様によって表示を行なう。
本発明の透明板10及び表示板20は、上記した形態以外に様々な形態をとり得る。以下、そのうちの一部を説明する。
本発明においては、透明板10及び表示板20は、さらに、着色模様層6を有することができる。図9の断面図は、着色模様層6を有する透明板10及び表示板20の例を示す。図9(a)、図9(b)、及び図9(c)は、いずれも、模様状反射防止領域2Aを有する側の透明基板1の一方の面1a上に、着色模様層6を有する形態例を示す。このうち、図9(c)は、さらに、透明基板1の一方の面1aとは反対側の他方の面1bの面上にも、着色模様層6を有する形態例を示す。
図9(a)に示す形態例は、模様状反射防止領域2Aは着色模様層6の面上にのみ形成されており、着色模様層6の模様が模様状反射防止領域2Aの模様と一致し平面視において互いに重なり合う形態例である。この形態例では、模様状反射防止領域2Aの模様と着色模様層6との模様とが同じとなる為に、昼夜或いは観察条件によって可変となる模様状反射防止領域2Aの反射光強度の模様という見え方を、着色模様層6による模様に重ねて表示することが可能となる。
図9(b)に示す形態例は、模様状反射防止領域2Aと着色模様層6とは、平面視において重なる部分が存在しないように形成されており、着色模様層6の模様と模様状反射防止領域2Aの模様とは、一致せず、別々の模様を表現できることになる。着色模様層6によって、常時見える模様を表示すると共に、模様状反射防止領域2Aによって照明条件乃至入射光条件に応じて可視状態と不可視状態とが切り換る模様を表示することができる。
図9(c)に示す形態例は、図9(b)に示す形態例に対して、模様状反射防止領域2Aと着色模様層6とが、平面視において一部分で互いに重なり合う形態例である。しかも、模様状反射防止領域2Aと一部重なる着色模様層6は、透明基板1の他方の面1bに形成されることで、模様状反射防止領域2Aと一部重なる形態例でもある。このように、本発明においては、着色模様層6は、模様状反射防止領域2Aが透明基板1の一方の面1aの面上のみに形成されている形態においては、透明基板1の他方の面1bの面上に形成されていてもよい。
模様状反射防止領域2Aを透明基板1の一方の面1aの面上にのみ形成されている形態において、着色模様層6を透明基板1の他方の面1bの面上に形成する形態は、製品設計及び表示の自由度を増すことができる。
また、着色模様層6と模様状反射防止領域2Aとが一部重なるようにすることで、表示の自由度を増すことができる。
尚、図9(c)の形態に於いては、更に透明基板1の一方の面1a上にも図9(b)の形態と同様の着色模様層6が形成されている。
着色模様層6は、着色インキの印刷、模様形状に切り抜いた着色粘着シートの貼り付けなど、従来の方法によって形成することができる。着色模様層6は、目的とする表示内容に応じて、透明、不透明、いずでもよい。
着色模様層6は、単層、或いは2以上の複層のいずれでもよい。図9(c)は複層の一例として互いに離間した形態例でもある。
以上のように、着色模様層6も有する形態とすることによって、模様状反射防止領域2Aによる模様以外に、着色模様層6による模様も表示することが可能となる。着色模様層6による表示は、光さえあれば、昼夜及び観察位置によらずに常時視認できる模様を付与することができる。
〔その他の層〕
本発明においては、透明板10乃至は表示板20は、上述した以外の層を適宜含むことができる。
例えば、微小突起4が形成されていない側の面の全面に対して、所定の機能を付与する為の機能層である。機能層としては、所定の色に着色するための着色層、結露防止層、熱線遮断層、紫外線吸収層、電磁波遮蔽層などである。これらには、公知の層を用いることができる。これらの機能層によって、その機能層が有する機能を付与することができる。
〔張り替え自在な微小突起付与層5〕
模様状反射防止領域2Aは、これを形成するための微小突起付与層5の接合層5Cに弱粘着性の粘着剤層を用いることができる。この結果、模様状反射防止領域2Aの模様は、貼付自在な模様として、容易に張替えが可能であり、演出上の多彩な利用が可能となる。
《用途》
本発明による透明板10及び表示板20の用途は、その微小突起4による可視光に対する模様状の反射防止効果を活用できる用途であれば、特に制限されない。
って、本発明による透明板10及び表示板20の用途は、例えば、住宅、店舗、事務所、学校、病院乃至は医院、等の建築物の窓、扉、間仕切、(透明な)隔壁、或いは、自動車、列車、船舶、航空機などの乗り物の窓、扉、間仕切、(透明な)隔壁、或いは、店舗のショウウインドウや商品展示箱、美術館の展示物の展示窓や展示箱等に使用するガラス板や樹脂板、看板などの用途である。
《3》表示システム100
本発明による表示システムは、上記した表示板20と、この表示板20に可視光を照明する光源とを少なくとも含む表示システムである。
図10は、本発明による表示システム100の基本的な構成を示す斜視図である。
同図において、表示板20は、その板面に模様状反射防止領域2Aを有する。そして、模様状反射防止領域2Aを有する面に対して、斜め上方に設置された光源30からの入射光Liは、模様状反射防止領域2Aの部分では反射せず、非反射防止領域2Bの部分で反射して反射光Lrとなって、表示板20を観察する観察者Oに届いて、模様状反射防止領域2Aの模様が視認される構成となっている。
以下、表示システム100を構成する構成要素などについて説明する。
《表示板20》
表示板20については、既に上述したので、ここでは更なる説明は省略する。
《光源30》
光源30は、表示板20の模様状反射防止領域2Aが形成された側の面に、可視光を照射できるものであれば、特に制限はない。白熱電球、ハロゲンランプ、蛍光灯、LED(発光ダイオード)光源、EL(電界発光)光源などである。
光源30には、それ自体で可変模様を表示可能な画像表示パネルとして、液晶表示パネル、プラズマディスプレイパネル、電界発光パネル、プロジェクタ(映写機)などであってもよい。これらの画像表示パネルは、動画を表示してもよいし、静止画を表示してもよいし、無地で模様のない任意の白を含む色を表示してもよい。画像表示パネルを光源30に用いることによって、これらの表示内容に応じた光を、表示板20に照射することになり、より複雑な表示内容とすることが可能となる。
光源30を配置する位置は、後述の如く、表示システム100によって得る視覚効果に応じた位置に設置すればよい。
光源30は、スポットライトのように、指向性を有するものでもよい。指向性を有する光源30によって、特に夜間など暗い場所において、表示を際立たせることができる。
光源30は、少なくとも1つを設置するが、複数を隣接或いは互いに離間して設置してもよい。
《視覚効果》
図11は、表示システム100によって得られる視覚効果の一例として、屋内に居る観察者Oに対して、昼間と夜間とで視認される様子の違いを説明する図である。
先ず、昼間は、図11(a)に示すように、屋内光Linに比べて屋外光Loutの方が相対的に強い為、観察者Oは模様状反射防止領域2A及び非反射防止領域2Bの両方の領域において、屋外の風景からの屋外光Loutのみ視認し得る。よって、模様状反射防止領域2Aの模様は見えない。
一方、夜間は、図11(b)に示すように、屋外光Loutに比べて、屋内に設置されている光源30から発せられる屋内光Linの方が、相対的に強い為、観察者Oは模様状反射防止領域2Aのみ屋内光Linの反射光は見えず、且つ非反射防止領域2Bのみ前記反射光が見える。よって、観察者Oには、夜間のみ、屋内光Linが表示板20の表面で反射した像中に、模様状反射防止領域2Aの模様が光源30の反射光を背景とした中で暗黒の模様として視認される。
次に、観察者Oの位置による見え方の違いについて説明する。図11(b)で説明したような、模様状反射防止領域2Aの模様がくり抜かれた屋内光Linの反射光による模様は、図11(c)に示すように、屋内に設置された光源30を、正反射光として視認できる位置に居る図面右側の観察者Oのみに見える。光源30を正反射で視認し得ない位置に居る図面左側の観察者Oには、模様状反射防止領域2Aのくり抜かれた模様は見ることができない。
こうして、観察者Oの位置によっても、模様状反射防止領域2Aの模様を、見えたり、見えなかったりさせることができる。
以上の結果、制約が多いディスプレイパネルによらずに、視認される模様を、昼夜、観察位置、或いは昼夜及び観察位置によって、変化させることができる、視覚効果が得られる。
〔屋内での視覚効果〕
図12は、本発明による表示システム100を屋内に適用したときの一実施形態を示す図であり、図12(a)は斜視図、図12(b)は平面図である。図13は、図12に示す表示システム100で得られる屋内での視覚効果を説明する図である。
図12に示す表示システム100は、壁81によって屋外と仕切られた屋内、及び屋外の様子を模式的に示す。壁81の一部には窓82を有し、この窓82は、上述したような模様状反射防止領域2A及び非反射防止領域2Bを有する表示板20からなる窓ガラス83が、窓枠84に固定されている。表示板20の模様状反射防止領域2A及び非反射防止領域2Bは、窓ガラス83の屋内側となっている。さらに、窓82が設置されている壁81に対して直交する図面で上方の壁81には、平面状の光源30が設置されている。
床85には、食卓86と、食卓86を取り囲む椅子87とが、客席88として設置されている。床85の光源30側のスペースは、廊下89となっており、図面右側の方向が出口方向となっている。
一方、屋外には風景90としての山岳景色90Aと、夜間に点灯する灯籠90Bとがある。山岳景色90Aは夜間は見えないが、灯籠90Bは点灯するので夜間も見える。
光源30からの光は、窓82の窓ガラス83として用いられている表示板20における非反射防止領域2Bに当たって正反射した光L1及び光L2は、食卓86の方に届く。一方、光源30からの光のうち、窓ガラス83として用いられている表示板20における模様状反射防止領域2Aに当たった光L3は正反射しないで、食卓86の方には届かない。なお、図面では、理解を容易にするために、食卓86の上面に光L1及び光L2が届くように描いてあるが、食卓86に対する椅子87に着席する客の目の位置にも届く。
したがって、図12(b)の平面図でよく判るように、光源30から表示板20に当たった光は、客席88の椅子87には届くが、廊下89の方に届かない。
また、椅子87に着席した客の目線から、屋外の風景90の山岳景色90A及び灯籠90Bが共に(昼間は)見える位置に、椅子87は設置されている。
そして、このような表示システム100では、図13で示すような、昼間と夜間、及び客席88と廊下89で、窓82を見たときに視認される風景の見え方が異なる視覚効果が得られる。
但し、此処では、光源30以外に屋内には光源は無いか、或いは有っても表示システム100の表示概観には影響し無い配置になっているものとして説明する。
<昼間で光源30点灯時>
客席88側からは、模様状反射防止領域2Aの模様と、風景90として山岳景色90A及び灯籠90Bを見ることができる。また、光源30の平面形状も、其の中で模様状反射防止領域2Aが切り抜かれた状態で見ることができる。
廊下89側からは、模様状反射防止領域2Aは見えず、風景90として山岳景色90A及び灯籠90Bのみを見ることができる。但し、光源30の長方形の平面形状は見ることができない。
<昼間で光源30消灯時>
客席88側からも、廊下89側からも、ともに、模様状反射防止領域2Aは見えず、風景90として山岳景色90A及び灯籠90Bのみを見ることができる。もちろん、光源30の平面形状は、其の中で模様状反射防止領域2Aが切り抜かれた状態で見ることができない。
<夜間で光源30点灯時>
客席88側からは、模様状反射防止領域2Aの模様と、風景90として点灯している灯籠90Bを見ることができ、山岳景色90Aは見ることができない。但し、光源30の平面形状は見ることができる。
廊下89側からは、模様状反射防止領域2Aは見えず、風景90として点灯している灯籠90Bを見ることができ、山岳景色90Aは見ることができない。また、光源30の平面形状も見ることができない。
<夜間で光源30消灯時>
客席88側からも、廊下89側からも、ともに、模様状反射防止領域2A及び風景90として山岳景色90Aは見えず、風景90として点灯している灯籠90Bのみを見ることができる。もちろん、光源30の平面形状は見ることができない。
以上のように、本実施形態では、昼間は、屋外が屋内よりも明るいので、通常通りの視界が得られる。一方、夜間は、光源30を点灯すると、光源30により窓ガラス83が照らされた状態において、客があらかじめ設定された客席88の位置へ到着した時に初めて、窓ガラス83上に模様状反射防止領域2Aにより表示された模様と、それを通して模様状反射防止領域2Aの部分のみ窓ガラス83の外の風景90を観察する事が可能となる。
したがって、客席に居る客に対して、昼間と夜間、及び客席88と廊下89で、窓82を見たときに視認される風景の見え方が異なる視覚効果を与えることができる。
このため、客席に居る客の興味が新鮮かつ持続性を有する事が期待できる。
以上のように、本発明の表示システム100においては、表示板20を窓ガラス83としたときの一例で言えば、特定の対象者位置とその窓ガラス83に対する視線方向を設定し、好ましくは、窓ガラス83の外の特定の風景90と模様状反射防止領域2Aの位置が対象者に何らかの興味を持たせられるような組み合わせを設定する事が望ましい。さらに、屋内側に窓ガラス83の全面、或いは、前記特定の風景90にかかる様に投影をする光源30を設置するとき、光源30は、通常は単純な屋内照明、好ましくは表示物を照らすような面照明、スポットライト、或いは、これらの組み合わせとするとよい。
《変形形態》
本発明の表示システム100は、上記した形態以外に様々な形態をとり得る。以下、そのうちの一部を説明する。
〔複数の表示板20〕
前記実施形態では、表示板20及び光源30はともに1つであった。しかし、本発明においては、1の室内において、表示板20或いは光源30は複数設置されていてもよい。複数とすることにより、より複雑な表示が可能となる。
《用途》
本発明による表示システム100は、各種用途に適用することができる。例えば、住宅、店舗、事務所、学校、病院乃至は医院、等の建築物の窓、扉、間仕切、(透明な)隔壁、或いは、自動車、列車、船舶、航空機などの乗り物の窓、扉、間仕切、(透明な)隔壁、或いは、店舗のショウウインドウや商品展示箱、美術館の展示物の展示窓や展示箱等に使用するガラス板や樹脂板、看板などの用途である。
用途の例を挙げれば、間仕切、隔壁、展示ケースなどの用途で、特別な表示や衝突防止柵等を設置することなく、ガラス板の存在を視認し易くして、人や動物が該ガラス板に衝突しないように注意喚起する用途である。或いは、飲食店の窓ガラスとして、昼夜、観察位置で表示を変化させる視覚効果により、客席を演出する用途、或いは広告、宣伝用途などである。
1 透明基板
2A 模様状反射防止領域
2B 非反射防止領域
3 反射防止性微凹凸
4 微小突起
4g 溝
4G 微小突起群
4GHL 高低微小突起群
4H 高高度微小突起
4L 低高度微小突起
4M 多峰性微小突起
4M1 (三峰)多峰性微小突起
4M2 (二峰)多峰性微小突起
4S 単峰性微小突起
5 微小突起付与層
5A 微小突起形成層
5B 形成用基材層
5C 接合層
6 着色模様層
10 透明板
20 表示板
30 光源
40 従来の表示板
81 壁
82 窓
83 窓ガラス
84 窓枠
85 床
86 食卓
87 椅子
88 客席
89 廊下
90 風景
90A 山岳景色
90B 灯籠
100 表示システム
Dmax 最大突起間距離
Li 入射光
Lin 屋内光
Lout 屋外光
Lr 反射光
O 観察者
λmax (可視光の)最大波長

Claims (8)

  1. 透明基板と、前記透明基板の少なくとも一方の面上に、模様状反射防止領域と、前記模様状反射防止領域以外の領域である非反射防止領域とを有し、
    前記模様状反射防止領域は、前記透明基板の前記一方の面上に反射防止性微凹凸を有し、
    前記反射防止性微凹凸は、複数の微小突起の集合体である微小突起群によって形成され、
    前記微小突起の平均突起間距離Daveが、可視光の最大波長λmaxに対して、Dave≦λmaxである、
    表示システム用透明板。
  2. 前記微小突起の最大突起間距離Dmaxが、可視光の最大波長λmaxに対して、Dmax≦λmaxである、
    請求項1に記載の表示システム用透明板。
  3. 前記微小突起群は、高度が一定ではない微小突起の集合体として、相対的に低い高度の低高度微小突起と、前記低高度微小突起よりも相対的に高い高度の高高度微小突起とを含み、前記低高度微小突起が前記高高度微小突起により周囲を取り囲まれている高低微小突起群、を含んでなる、請求項1又は2に記載の表示システム用透明板。
  4. 前記反射防止性微凹凸は、前記微小突起として、頂部に溝を有する多峰性微小突起を含む、請求項1〜3に記載の表示システム用透明板。
  5. 前記透明基板の前記一方の面上に、着色模様層を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の表示システム用透明板。
  6. 前記非反射防止領域に鏡面反射性領域を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の表示システム用透明板。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の透明板の前記模様状反射防止領域を有する側の表面における反射光強度差の模様によって表示を行なう、表示システム用表示板。
  8. 請求項7に記載の表示板と、前記表示板の前記模様状反射防止領域を有する側の面に可視光を照射する光源と、を含む、表示システム。
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