JP2020200354A - 硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、電子部品 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、ドライフィルム、硬化物、電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】硬化性樹脂組成物が硬化した硬化物中における無機粒子及びセルロースナノファイバーの分散性が優れたものにし、さらに硬化物が低熱膨張性、強靭性を有することができる硬化性樹脂組成物の提供。【解決手段】エポキシ樹脂と、硬化剤と、有機無機複合粒子と、セルロースナノファイバーと、を含む、硬化性樹脂組成物であって、前記有機無機複合粒子は、無機粒子の表面が被覆ポリマーで被覆された有機無機複合粒子であり、前記被覆ポリマーが、(メタ)アクリル系重合体又は共重合体であることを特徴とする、硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、無機粒子の表面をポリマーで被覆した有機無機複合粒子を含む硬化性樹脂組成物、及び、ドライフィルム、硬化物、電子部品に関する。
近年、電子機器の分野においては、小型化、高性能化が進み、プリント配線板では多層化の検討が広く行われている。このような多層プリント配線板では、高温や低温環境下で使用した場合に、プリント配線板を構成する銅回路や絶縁層等が有する熱膨張性の違いから、プリント配線板の変形、内部応力による回路の断線といった不具合が生じることが問題となっていた。そのため、多層プリント配線板の絶縁層を形成する層間絶縁材料には、温度変化に対する熱寸法安定性(低熱膨張性)を付与するため、シリカ等の無機粒子を高充填する方法が検討されてきた。
しかしながら、無機粒子を高充填する方法では、絶縁層の低熱膨張性は得られるが、柔軟性は低下し、僅かな応力でもクラックが発生し易くなるという問題があり、低熱膨張性と強靭性(引張破断伸び)を両立する層間絶縁材料が要求されている。
そして、特許文献1には、低熱膨張性と強靭性を両立する方法として、エポキシ樹脂等の硬化性樹脂組成物中に無機フィラーとセルロースナノファイバー(CNFと略す場合がある)とを組み合せて充填する技術が開示されている。
国際公開2018/181802号公報
確かに、特許文献1に記載された方法によれば、硬化物の低熱膨張性は達成することは可能であるが、強靭性(引張破断伸び)においては、未だに改善の余地があった。
そこで、本発明の目的は、硬化後の硬化物において、優れた低熱膨張性、強靭性を有する硬化性樹脂組成物、及び、この硬化性樹脂組成物を用いたドライフィルム、硬化物、電気部品を提供することにある。
本発明者らは、上記目的の実現に向け鋭意検討するなかで、エポキシ樹脂を主成分とした硬化性樹脂組成物に無機粒子とCNFと組み合わせて充填した場合に、無機粒子がCNFを介して凝集すること(分散性の悪化)で、靭性が悪化することに気付き、さらに検討を続けた。その結果、無機粒子の表面をアクリレート系ポリマーで被覆することで、上記無機粒子とCNFの凝集が抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、
エポキシ樹脂と、硬化剤と、有機無機複合粒子と、セルロースナノファイバーと、を含む、硬化性樹脂組成物であって、
前記有機無機複合粒子は、無機粒子の表面がポリマーで被覆されたものであり、
前記ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーの重合体又は共重合体であることを特徴とする、硬化性樹脂組成物を提供する。
ここで、前記(メタ)アクリル系モノマーは、水酸基及び/又は環状エーテル基を含む(メタ)アクリル系モノマー含んでいてもよい。
本発明は、基材上に、前記硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥してなる樹脂層を有することを特徴とする、ドライフィルムを提供する。
本発明は、前記硬化性樹脂組成物又は前記樹脂層を、硬化してなることを特徴とする、硬化物を提供する。
本発明は、前記硬化物を備えることを特徴とする、電子部品を提供する。
本発明によれば、硬化後の硬化物において、優れた低熱膨張性、強靭性を有する硬化性樹脂組成物、及び、この硬化性樹脂組成物を用いたドライフィルム、硬化物、電気部品を提供することができる。
硬化物の分散性を評価するための基準の破断面写真である。
なお、説明した化合物に異性体が存在する場合、特に断らない限り、存在し得る全ての異性体が本発明において使用可能である。
本発明において、(メタ)アクリレートと記載された場合は、メタクリレート、アクリレート、又は、メタクリレートとアクリレートの混合物を示す。
また、本発明において無機粒子とは、特に断らない限り、その表面がカップリング剤などのいかなる修飾処理も施されていない無機粒子のことを意味する。
本発明において、用いられる(メタ)アクリル系モノマーと有機溶剤のSP値は、Fedorsの方法により算出することができる。
本願における組成物の固形分とは、溶媒(特に有機溶媒)以外の組成物を構成する成分、又はその質量や体積を意味する。
<<<<硬化性樹脂組成物>>>>
本発明の硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂と、硬化剤と、有機無機複合粒子と、セルロースナノファイバーと、を含む。
<<<エポキシ樹脂>>>
本発明の硬化性樹脂組成物は、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を含む。
エポキシ樹脂は、本発明の硬化を阻害しない限りにおいて、特に限定されず、従来公知のものをいずれも使用することができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、トリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、ブロム化エポキシ樹脂、水添(ビスフェノール)型樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、テトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂、グリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂、シクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートとの共重合エポキシ樹脂、エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体、CTBN変性エポキシ樹脂、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、フェニル−1,3−ジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、エチレングリコール又はプロピレングリコールのジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどのエポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、硬化物の強靭性化の観点から、エポキシ基が2つであるエポキシ樹脂がより好ましい。
また、市販のエポキシ樹脂としては、例えば、三菱ケミカル株式会社製のjER828、jER834、jER1001、jER1004、DIC株式会社製のEPICLON840、EPICLON850、EPICLON1050、EPICLON2055、新日鉄住金化学株式会社製のエポトートYD−011、YD−013、YD−127、YD−128、ダウ・ケミカル社製のD.E.R.317、D.E.R.331、D.E.R.661、D.E.R.664、住友化学工業株式会社製のスミ−エポキシESA−011、ESA−014、ELA−115、ELA−128、三菱ケミカル株式会社製のjERYL903、DIC株式会社製のEPICLON152、EPICLON165、新日鉄住金化学株式会社製のエポトートYDB−400、YDB−500、ダウ・ケミカル社製のD.E.R.542、住友化学工業株式会社製のスミ−エポキシESB−400、ESB−700、三菱ケミカル株式会社製のjER152、jER154、ダウ・ケミカル社製のD.E.N.431、D.E.N.438、DIC株式会社製のEPICLONN−730、EPICLONN−770、EPICLONN−865、新日鉄住金化学株式会社社製のエポトートYDCN−701、YDCN−704、日本化薬株式会社製のEPPN−201、EOCN−1025、EOCN−1020、EOCN−104S、RE−306、住友化学工業株式会社製のスミ−エポキシESCN−195X、ESCN−220、DIC株式会社製のEPICLON830、三菱ケミカル株式会社製jER807、新日鉄住金化学株式会社製のエポトートYDF−170、YDF−175、YDF−2004等(いずれも商品名)のビスフェノールF型エポキシ樹脂;新日鉄住金化学株式会社製のエポトートST−2004、ST−2007、ST−3000(商品名)等の水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のjER604、新日鉄住金化学株式会社製のエポトートYH−434、住友化学工業株式会社製のスミ−エポキシELM−120等(いずれも商品名)のグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ヒダントイン型エポキシ樹脂;株式会社ダイセル製のセロキサイド2021P等(商品名)の脂環式エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のYL−933、ダウ・ケミカル社製のT.E.N.、EPPN−501、EPPN−502等(いずれも商品名)のトリヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のYL−6056、YX−4000、YL−6121(いずれも商品名)等のビキシレノール型もしくはビフェノール型エポキシ樹脂又はそれらの混合物;日本化薬株式会社製EBPS−200、旭電化工業株式会社製EPX−30、DIC株式会社製のEXA−1514(商品名)等のビスフェノールS型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のjER157S(商品名)等のビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂;三菱ケミカル株式会社製のjERYL−931等(いずれも商品名)のテトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂;日産化学工業株式会社製のTEPIC等(商品名)の複素環式エポキシ樹脂;日本油脂株式会社製ブレンマーDGT等のジグリシジルフタレート樹脂;新日鉄住金化学株式会社製ZX−1063等のテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂;新日鉄化学株式会社製ESN−190、ESN−360、DIC株式会社製HP−4032、EXA−4750、EXA−4700等のナフタレン基含有エポキシ樹脂;DIC株式会社製HP−7200、HP−7200H等のジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂;日本油脂株式会社製CP−50S、CP−50M等のグリシジルメタアクリレート共重合系エポキシ樹脂;さらにシクロヘキシルマレイミドとグリシジルメタアクリレートの共重合エポキシ樹脂;エポキシ変性のポリブタジエンゴム誘導体(例えばダイセル化学工業製PB−3600等)、CTBN変性エポキシ樹脂(例えば東都化成株式会社製のYR−102、YR−450等)等が挙げられる。
エポキシ樹脂の含有量としては、全硬化性樹脂に対して、例えば、その下限値としては、0質量%以上、10質量%以上、30質量%以上、65質量%以上とすることができ、その上限値としては、100質量%以下、90質量%以下、70質量%以下、50質量%以下、35質量%以下とすることができる。なお、全硬化性樹脂とは、全ての硬化性樹脂を含むものとする。
<<硬化剤>>
本発明の硬化性樹脂組成物は硬化剤を含む。
硬化剤は、公知のものを使用することができ、特に限定されない。硬化剤としては、例えば、フェノール樹脂、ポリカルボン酸及びその酸無水物、シアネートエステル樹脂、活性エステル樹脂、メラミン、トリアジン含有樹脂、第3級アミンやポリアミン等のアミン類、ポリアミド樹脂、ジシアンジアミド、ポリメルカプタン等が挙げられる。硬化剤は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、硬化性樹脂組成物が硬化した硬化物として、優れた靭性が得られることからフェノール樹脂が好ましい。
下記には好適例であるフェノール樹脂と、アミン類について例示する。
上記フェノール樹脂としては、フェノールノボラック樹脂、アルキルフェノールボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型フェノール樹脂、Xylok型フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、クレゾール/ナフトール樹脂、ポリビニルフェノール類、フェノール/ナフトール樹脂、α−ナフトール骨格含有フェノール樹脂、トリアジン含有クレゾールノボラック樹脂等の従来公知のものを、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミン類としては、例えば、1分子中に1級アミノ基及び2級アミノ基からなる群から選ばれる1種以上(以下、単に「アミノ基」ともいう)を2個以上有する化合物が好ましく、アミノ基を2〜4個有する化合物がより好ましく、アミノ基を2個有するジアミン化合物がさらに好ましい。
アミン類としては、例えば、脂肪族アミン化合物、芳香族アミン化合物等が挙げられる。これらの中でも、硬化性樹脂組成物中や硬化物中における無機粒子及びセルロースナノファイバーの分散性を優れたものにし、さらに硬化物が低熱膨張性、高靭性を有することができる硬化性樹脂組成物を得ることができるため、芳香族アミン化合物が好ましい。なお、芳香族アミン化合物とは、芳香環の水素原子の少なくとも1つがアミノ基で置換された化合物をいう。芳香族アミン化合物は、液状の芳香族アミン化合物であることが好ましい。
芳香族アミン化合物としては、例えば、ジエチルトルエンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリエチル−2,6−ジアミノベンゼン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ジメチルチオトルエンジアミン等が挙げられる。これらは、単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、保存安定性の観点からは、例えば、ジエチルトルエンジアミン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン及びジメチルチオトルエンジアミンが好ましく、ジエチルトルエンジアミン及び3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタンがより好ましい。
芳香族アミン化合物としては、市販品を用いてもよい。市販品の芳香族アミン化合物としては、例えば、jERキュア(登録商標)W(三菱化学株式会社製、商品名)、カヤハード(登録商標)A−A、カヤハード(登録商標)A−B、カヤハード(登録商標)A−S(以上、日本化薬株式会社製、商品名)、トートアミンHM−205(東都化成株式会社製、商品名)、アデカハードナー(登録商標)EH−101(株式会社ADEKA製、商品名)、エポミック(登録商標)Q−640、エポミック(登録商標)Q−643(以上、三井化学株式会社製、商品名)、DETDA80(Lonza社製、商品名)等が入手可能である。
硬化剤の含有量としては、硬化剤の、反応性官能基/エポキシ当量が、0.7〜1.4であることが好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。かかる範囲にあることで、硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた保存安定性、硬化性、機械物性、熱物性、絶縁信頼性を有することができる。
<<<有機無機複合粒子>>>
本発明の硬化性樹脂組成物は、有機無機複合粒子を含む。
本発明にかかる有機無機複合粒子は、無機粒子の表面がポリマーで被覆されている。ここで無機粒子の表面がポリマーで「被覆されている」とは、無機粒子の表面の一部又は全部がポリマーで被覆されていればよく、フーリエ変換赤外分光法(FT−IR)により被覆の有無、熱重量示唆熱分析(TG/DTA)により被覆量を分析することができる。この有機無機複合粒子は、樹脂中や有機溶剤中での分散性の観点から、無機粒子に対して1.5質量%以上のポリマーにより、被覆されていることが好ましい。
この被覆ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーが重合した重合体又は共重合体である。
このような有機無機複合粒子は、例えば、無機粒子と、有機溶剤と、前記ポリマーの原料となる(メタ)アクリル系モノマーと、前記(メタ)アクリル系モノマーを重合させる重合開始剤(ラジカル重合開始剤)とを含む処理溶液中において、前記(メタ)アクリル系モノマーが、前記無機粒子表面に吸着し、無機粒子表面上で重合することでポリマーを形成し、製造することができる。ここで、ポリマーとは、(メタ)アクリル系モノマーが重合又は共重合したものであり、ポリマーとしての重合度は、(メタ)アクリル系モノマー、有機溶剤、重合開始剤、無機粒子の各成分の種類と配合量、反応温度、反応時間、撹拌処理等により調整することができる。
また、本発明にかかる(メタ)アクリル系モノマーのSP値と、有機溶剤のSP値とは、以下の関係にあることが好ましい。
((メタ)アクリル系モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5
このような関係にあると、(メタ)アクリル系モノマーと有機溶剤との相溶性が悪くなり、その結果、(メタ)アクリル系モノマーは、一般的に有機溶剤より親水性である無機粒子の表面に効率よく吸着されると考える。
また、前記ポリマーは、単独の(メタ)アクリル系モノマーの重合体又は複数種類の(メタ)アクリル系モノマーの共重合体とすることができる。共重合体とする場合には、前記溶液中に、複数の(メタ)アクリル系モノマーが含まれる。前記共重合体としては、特に限定されず、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体、ブロック−グラフト共重合等とすることができる。
<<無機粒子>>
本発明において用いられる無機粒子は、その表面が修飾されていない無機粒子を意味するが、有機溶剤に比べて親水性が低い場合には、親水化処理することが好ましい。
一般的に、表面が修飾されていない無機粒子は、その表面の極性が十分に高く、併用される有機溶剤に比べて親水性のものであれば、特に限定されない。このような無機粒子としては、例えば、シリカ、結晶性シリカ、ノイブルグ珪土、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、ガラス粉末、タルク、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、天然マイカ、合成マイカ、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化鉄、非繊維状ガラス、ハイドロタルサイト、ミネラルウール、アルミニウムシリケート、カルシウムシリケート、ジルコン酸カルシウム、酸化亜鉛、はんだ粒子、銀粉、銅粉等の無機粒子を用いることができる。中でも、ソルダーレジストや封止材等の電子材料においては、熱寸法安定性や誘電特性に優れるシリカや、熱伝導性に優れる酸化アルミニウム、窒化ホウ素等を用いることが好ましい。また、シリカや酸化アルミニウムとしては、組成物中への充填性を向上させる観点から、球状シリカ、ジルコン酸カルシウム、球状酸化アルミニウムであることがより好ましい。
この無機粒子の平均粒径は、特に限定されないが、例えば、10nm〜20000nm、好ましくは20nm〜10000nm、より好ましくは50nm〜5000nmとすることができる。無機粒子の平均粒径は、レーザー回折法により測定されたD50の値とすることができる。レーザー回折法による測定装置としては、マイクロトラック・ベル社製のMicrotrac MT3300EXIIが挙げられる。
<<有機無機複合粒子の製造方法>>
以下には、本発明の有機無機複合粒子の製造方法として、好適例である本発明の有機無機複合粒子の製造方法について詳述する。
<原料>
(有機溶剤)
本発明において用いられる有機溶剤は、本発明のSP値の数値関係を満たす限りにおいて特に限定されない。有機溶剤は通常、疎水性を示し、そのSP値は7.0〜12.0の範囲にあり、例えば、SP値が7.2〜10.0のものが好適であり、SP値が7.5〜9.5のものがより好適であり、SP値が8.0〜9.2のものがさらに好適である。
具体的には、有機溶剤として、トルエン(SP値9.14)、メチルエチルケトン(SP値9.9)、PMA(SP値9.25),酢酸エチル(SP値9.1)、カルビトールアセテート(SP値9.98)、シクロヘキサノン(SP値8.56)、アセトン(SP値10.0)、1-プロパノール(SP値11.84)等を挙げることができる。これら
は単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。中でも、トルエン及び酢酸エチルは、ラジカル重合反応を妨げ無いことから好ましい。
また、複数の有機溶剤を混合して用いる場合のSP値は、以下の式に従って計算することができる。以下の式は二つの有機溶剤を混合する場合の計算式である。
δsm=Xs1×δs1+(1−Xs1)×δs2
式中のδsmは混合溶剤のSP値、δs1は有機溶剤1のSP値、δs2は有機溶剤2のSP値、Xs1は有機溶剤1のモル分率を意味する。
前記有機溶剤の処理溶液中での配合量は、無機粒子の配合量を100質量部としたときに、100質量部〜500質量部とすることが好ましい。有機溶剤の配合量がかかる範囲にあることで、無機粒子表面に(メタ)アクリル系モノマーを溶解した有機溶剤が行き渡り、効率よく被覆することが可能となる。
((メタ)アクリル系モノマー)
本発明において用いられる(メタ)アクリル系モノマーは、ラジカル重合性反応基を有するモノマーであり、本発明におけるSP値の数値関係を満たす(メタ)アクリル系モノマーを少なくとも1種類含む限りにおいて、特に限定されない。このようなSP値の数値関係を満たすことで(メタ)アクリル系モノマーは一緒に配合される有機溶剤より親水性を示し、相溶性も低くなることで、親水性を示す無機粒子に効率よく吸着される。このような(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、SP値が9.0〜15.0であるものを用いることができ、SP値が9.5〜13.5であるものが好適である。
また、この(メタ)アクリル系モノマーのうち少なくと1種類は、構造中に環状エーテル基を有する物が好ましい。環状エーテル基は、硬化性樹脂組成物中のエポキシ樹脂や硬化剤と反応することで、有機無機複合粒子と硬化樹脂が化学的に結合し、硬化物が強靭性となるものと推測される。
また、(メタ)アクリル系モノマーが、水酸基及び/又は環状エーテル基を有する場合、それらと反応性を有する官能基を含むモノマー等で容易に修飾することが可能となる。従って、有機無機複合粒子の用途等によって、容易に、様々な特性や機能を持たせることが可能となる。
このような水酸基又は環状エーテル基を含む(メタ)アクリル系モノマーとしては例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート(SP値12.45)、4−ヒドロキシブチルアクリレート(SP値11.64)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート(SP値11.83)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(SP値9.99)、ベンジルアクリレート(SP値10.24)、2−フェノキシエチルアクリレート(SP値10.12)、4−ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル(SP値9.99)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(SP値10.80)、4−ヒドロキシブチルメタクリレート(SP値10.59)、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート(SP値10.80)、グリシジルメタクリレート(SP値10.21)等を挙げることができる。これらは単独で、又は、複数を組み合わせて用いることができる。なお、複数を組み合せて用いた場合には、無機粒子を被覆するポリマーは、共重合体となる。
なお、複数のモノマーを混合して用いる場合には、下式を満たす(メタ)アクリル系モノマーが、少なくとも1種類含まれていればよい。下式を満たす(メタ)アクリル系モノ
マーが1つ以上含まれている場合には、他のモノマーが下式を満たさない場合においても
、下式を満たす(メタ)アクリル系モノマーが優先的に無機粒子表面に吸着し、吸着したモノマーを開始点としてポリマーが形成され、無機粒子を被覆することができる。
((メタ)アクリル系モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5
(メタ)アクリル系モノマーの処理溶液中での配合量は、無機粒子の配合量を100質量部としたときに、0.5質量部〜15質量部であり、1質量部〜10質量部が好ましく、1.5質量部〜7.5質量部がより好ましい。前記モノマーの配合量が、かかる範囲にあることで、無機粒子表面の被覆が可能となる。
(ラジカル重合開始剤)
本発明において用いられるラジカル重合開始剤は、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に限定されず、光ラジカル重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤等を用いることができる。ラジカル重合開始剤は、熱や紫外線により活性種(フリーラジカルとも称す)を発生し、前記(メタ)アクリル系モノマーを重合反応させ、ポリマーを容易に形成することができる。ラジカル重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて、使用することができる。
熱ラジカル重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、アゾ系重合開始剤(例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライド等);過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、過酸化ラウロイル等);レドックス系重合開始剤等が挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤等を挙げることができる。
具体的には、ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン[商品名:イルガキュア651、BASF社製]、アニソイン等が挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名:イルガキュア184、BASF社製]、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン[商品名:イルガキュア2959、BASF社製]、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン[商品名:ダロキュア1173、BASF社製]、メトキシアセトフェノン等が挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン等が挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライド等が挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)−オキシム等が挙げられる。
また、ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾイン等が含まれる。ベンジル系光重合開始剤には、例えば、ベンジル等が含まれる。ベンゾフェノン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が含まれる。ケタール系光重合開始剤には、例えば、ベンジルジメチルケタール等が含まれる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントン等が含まれる。
アシルフォスフィン系光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−t−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)シクロヘキシルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)オクチルホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2−メトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジエトキシベンゾイル)(1−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジブトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)(2−メチルプロパン−1−イル)ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)(2,4−ジペントキシフェニル)ホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)ベンジルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルプロピルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2−フェニルエチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメトキシベンゾイルベンジルオクチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジイソプロピルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−4−メチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,5−ジエチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,3,5,6−テトラメチルフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジ−n−ブトキシフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)イソブチルホスフィンオキシド、2,6−ジメチトキシベンゾイル−2,4,6−トリメチルベンゾイル−n−ブチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニル
ホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−2,4−ジブトキシフェニルホスフィンオキシド、1,10−ビス[ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイ
ル)ホスフィンオキシド]デカン、トリ(2−メチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、
などが挙げられる。
ラジカル重合開始剤の処理溶液中での配合量は、(メタ)アクリル系モノマーの配合量を100質量部としたときに、0.1質量部〜6質量部であることが好ましい。前記重合開始剤の配合量が、かかる範囲にあることで、光重合開始剤が紫外線を吸収する阻害効果が抑制され、ポリマーの分子長が十分に得られることによりポリマーが無機粒子の表面から剥離し難くなり、効率よく無機粒子表面を被覆することが可能となる。
<有機無機複合粒子の製造方法の好適例>
有機無機複合粒子の製造方法の好適例は、有機溶剤と、被覆ポリマーの原料となる(メタ)アクリル系モノマーと、該モノマーを重合させる重合開始剤と、を含む処理溶液中に無機粒子を浸漬し、好ましくは撹拌することで、前記無機粒子の表面に前記(メタ)アクリル系モノマーを吸着させる工程を含む。
特に、この工程において、前記(メタ)アクリル系モノマーのうち少なくとも1種類のモノマーと、前記有機溶剤とが、SP値で以下の関係にあることが好ましい。
((メタ)アクリル系モノマーのSP値)−(有機溶剤のSP値)≧0.5
このような関係にあると、(メタ)アクリル系モノマーと有機溶剤との相溶性が悪くなり、その結果、(メタ)アクリル系モノマーは、一般的に有機溶剤より親水性である無機粒子の表面に効率よく吸着されると考える。
ここで、本発明において、撹拌方法(条件を含む)は特に限定されず、公知の方法で行うことができる。特に、撹拌温度(処理溶液の温度)の調整は、(メタ)アクリル系モノマーの無機粒子表面への吸着効率を調整できる点で、重合反応を効率良くに行うことに有効である。
SP値の上記数値関係は、無機粒子の表面を(メタ)アクリル系モノマーの重合により有機ポリマー被覆するための処理溶液中での、有機溶剤と(メタ)アクリル系モノマーとの親和性(濡れ性とも称す)の関係を意味しており、該成分同士のSP値の差が小さいことは、その成分間における親和性が高いことを表している。また、水のSP値は有機溶剤や(メタ)アクリル系モノマーに比べて大きい(水のSP値:23.4)ことから、SP値が高いことは親水性が高いことも表している。
従って、上記処理溶液中では、無機粒子の表面に前記(メタ)アクリル系モノマーを効率よく吸着させるために、(メタ)アクリル系モノマーと有機溶剤との親和性を悪くする一方で、(メタ)アクリル系モノマーと無機粒子との親和性を良くすることが重要であり、SP値の関係では、(メタ)アクリル系モノマーのSP値と有機溶剤のSP値において、(メタ)アクリル系モノマーのSP値が大きく、かつ、SP値の差を0.5以上とすることが好ましい。
このようなSP値の数値関係によれば、無機粒子の表面を被覆する(メタ)アクリル系モノマー、有機溶剤、無機粒子を混合した処理溶液中で、無機粒子の表面に(メタ)アクリル系モノマーが効率よく吸着され、(メタ)アクリル系モノマーと有機溶剤の分離や無機粒子の凝集といった不具合が生じない。さらに後述するように、上記処理溶液中に配合するラジカル重合開始剤により(メタ)アクリル系モノマーを重合させる際、無機粒子の表面に吸着された(メタ)アクリル系モノマーが優先的に重合するため、無機粒子の表面に良好な有機ポリマーからなる被膜を効率よく形成することができるものと推察する。
また、有機無機複合粒子の製造方法は、前記工程にて無機粒子に吸着させた(メタ)アクリル系モノマーを、ラジカル重合開始剤に、より好ましくは熱又は紫外線を加えることで、重合させる工程を含む。これにより、無機粒子表面に有機ポリマーの被膜を形成し、さらにイソシアネート基を有する化合物を混合、反応させることで、本発明の有機無機複合粒子を得ることができる。
このようにして得られた有機無機複合粒子は、処理溶液中から取出して乾燥した状態で用いても良いし、前記処理溶液中に分散した状態で用いても良い。乾燥した状態で用いる場合には、公知の方法でろ過するなどして、有機無機複合粒子を分離する。分離後、有機無機複合粒子を有機溶剤等で洗浄し、未反応のモノマーや、無機粒子表面と結合していないポリマーを、取り除き、所定の温度に加熱して乾燥することができる。乾燥方法は、乾燥炉などの公知の方法を用いて行うことができる。
<<<セルロースナノファイバー>>>
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、セルロースナノファイバー(以降、CNFと略す場合がある)を含む。
本発明にかかるCNFは、特に限定されない。CNFとしては、例えば、機械解繊されたCNF;2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル(TEMPOとも称
す)や、リン酸基を有する化合物又は/及びその塩による酸化処理後にアミノ化合物により共有結合修飾され解繊されたCNF、又は、前記酸化処理後に第4級アンモニウム化合物によりイオン結合修飾され解繊されたCNF等の疎水性化処理されたCNF;が挙げられる。これらのうち、疎水性化処理されたCNFが、樹脂疎水物中での分散性に優れ、硬化性樹脂組成物は優れた低温硬化性及び保存安定性を有することができるため好ましい。これらのうち、疎水性化処理されたCNFが、樹脂疎水物中での分散性に優れ、硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた引張特性、低熱膨張性、絶縁信頼性を有することができるため好ましい。
本発明において、CNFの平均繊維径は、例えば、0.1nm以上200nm以下であり、好ましくは1nm以上100nm以下、より好ましくは2nm以上50nm以下、さらに好ましくは2.5nm以上20nm以下である。平均繊維径がかかる範囲にあることで、配線板の導体などとの密着性が優れた硬化物を得ることができる。
CNFの平均繊維長は、例えば、600nm以下であり、好ましくは50nm以上600nm以下、より好ましくは100nm以上500nm以下、さらに好ましくは100nm以上400nm以下である。平均繊維長が600nm以下とすることで、組成物にしたときの分散が容易になる。CNFの分散性が高くなることで、硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた引張特性、低熱膨張性、絶縁信頼性を有することができる。
CNFの平均アスペクト比は、例えば、1以上200以下であり、好ましくは5以上180以下、より好ましくは9以上170以下、特に好ましくは9以上100以下である。平均アスペクト比が1未満のものは製造が困難であり、平均アスペクト比が200以下であると、金属導体と硬化物との密着性が良好となり、平均アスペクト比が小さくなるほど金属導体と硬化物との密着性に優れ、組成物の粘度を下げることができる。
CNFの平均繊維径、平均繊維長及び平均アスペクト比は、以下のようにして測定することができる。
CNFに水を加えて、その濃度が0.0001質量%の分散液を調製し、この分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM、Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製、プローブはナノセンサーズ社製Point Probe(NCH)を使用)を用いて、観察試料中のCNFの繊維高さを測定する。その際、CNFが確認できる顕微鏡画像において、CNFを5本以上抽出し、それらの繊維高さから平均繊維径を算出する。また、繊維方向の距離より、平均繊維長を算出する。平均アスペクト比は平均繊維長/平均繊維径より算出される。
前記CNFの製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
機械解繊されたCNFの製造方法としては、セルロース繊維は、大量の水中において、水で膨潤され、柔らかくなった状態で高圧ホモジナイザーなどの強力な機械粉砕によりナノ化する方法を挙げることができる。
疎水性化処理されたCNFの製造方法としては、特開2018−24878号公報に開示されている方法を挙げることができる。
本発明にかかる硬化性樹脂組成物におけるCNFの含有量は、硬化性樹脂の全量(固形分基準)100質量部に対して、好ましくは0.1質量部以上30質量部以下、より好ましくは1質量部以上20質量部以下、さらに好ましくは2質量部以上10質量部以下である。含有量をかかる範囲にあることで、硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた引張特性、低熱膨張性、絶縁信頼性を有することができる。
<<<その他の成分>>>
本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、用途に応じて、上述した必須成分以外のその他の成分、例えば、慣用の添加物を添加することができる。その他の慣用の添加物としては、特に限定されないが、例えば、樹脂及びエラストマー、硬化触媒、着色剤、分散剤、消泡剤・レベリング剤、揺変剤、カップリング剤、難燃剤などが挙げられる。また、本発明にかかる硬化性樹脂組成物は、必要に応じて、有機溶剤などを含んでいてもよい。
<<樹脂及びエラストマー>>
樹脂及びエラストマーとしては上述の硬化性樹脂及び硬化剤以外の樹脂成分であり、不飽和ポリエステル樹脂、アクリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ノルボルネン系樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアゾメチン樹脂、ブロック共重合体、天然ゴム、ジエン系ゴム、非ジエン系ゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
<<硬化触媒>>
硬化触媒は、硬化性樹脂のうち、主に熱硬化性樹脂を硬化させるためのものであり、例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール誘導体;ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等のアミン化合物;アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等のヒドラジン化合物;トリフェニルホスフィン等のリン化合物、ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。また、市販品としては、例えば、2MZ−A、2MZ−OK、2PHZ、2P4BHZ、2P4MHZ(四国化成工業(株)製)、U−CAT3503N、U−CAT3502T、DBU、DBN、U−CATSA102、U−CAT5002(サンアプロ(株)製)などが挙げられ、単独で、又は2種以上を混合して使用してもかまわない。また同様に、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等のS−トリアジン誘導体を用いることもできる。これらの硬化触媒は、単独又は混合して用いることができる。
硬化触媒の含有量は、全熱硬化性樹脂100質量部に対して、例えば、20質量部以下、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
<<着色剤>>
着色剤としては、着色顔料や染料等としてカラーインデックス(C.I.;ザ ソサイエティ オブ ダイヤーズ アンド カラリスツ(The Society of Dyers and Colourists)発行)番号が付されているものを挙げることができる。例えば、赤色着色剤としては、モノアゾ系、ジズアゾ系、アゾレーキ系、ベンズイミダゾロン系、ペリレン系、ジケトピロロピロール系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系などがある。青色着色剤としては、フタロシアニン系、アントラキノン系などがあり、顔料系はピグメント(Pigment)に分類されている化合物を使用することができる。これら以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。緑色着色剤としては、同様にフタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系がある。これら以外にも、金属置換もしくは無置換のフタロシアニン化合物も使用することができる。黄色着色剤としてはモノアゾ系、ジスアゾ系、縮合アゾ系、ベンズイミダゾロン系、イソインドリノン系、アントラキノン系等がある。白色着色剤としては、ルチル型又はアナターゼ型酸化チタンなどが挙げられる。黒色着色剤としては、カーボンブラック系、黒鉛系、酸化鉄系、チタンブラック、酸化鉄、アンスラキノン系、酸化コバルト系、酸化銅系、マンガン系、酸化アンチモン系、酸化ニッケル系、ペリレン系、アニリン系、硫化モリブデン、硫化ビスマスなどがある。その他、色調を調整する目的で紫、オレンジ、茶色などの着色剤を加えてもよい。
<<分散剤>>
分散剤としては、ポリカルボン酸系、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合系、ポリエチレングリコール、ポリカルボン酸部分アルキルエステル系、ポリエーテル系、ポリアルキレンポリアミン系等の高分子型分散剤、アルキルスルホン酸系、四級アンモニウム系、高級アルコールアルキレンオキサイド系、多価アルコールエステル系、アルキルポリアミン系等の低分子型分散剤等が使用でき、十分な分散効果が得られ、さらに硬化物の良好な塗膜特性を得ることができる。
(消泡剤・レベリング剤)
消泡剤・レベリング剤としては、シリコーン、変性シリコーン、鉱物油、植物油、脂肪族アルコール、脂肪酸、金属石鹸、脂肪酸アミド、ポリオキシアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル等の化合物等が使用でき、ボイドの発生を防止することができ、また、被着体との密着性がより良好となる。
<<揺変剤>>
揺変剤としては、微粒子シリカ、シリカゲル、不定形無機粒子、ポリアミド系添加剤、変性ウレア系添加剤、ワックス系添加剤などが使用でき、硬化性樹脂組成物の成膜性が良好となり、塗膜の被着体への密着性が優れたものとなる。
<<カップリング剤>>
カップリング剤としては、アルコキシ基としてメトキシ基、エトキシ基、アセチル等であり、反応性官能基としてビニル、メタクリル、アクリル、エポキシ、環状エポキシ、メルカプト、アミノ、ジアミノ、酸無水物、ウレイド、スルフィド、イソシアネート等である、例えば、ビニルエトキシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニル・トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシラン等のビニル系シラン化合物、γ−アミノプロピルトリメトキシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ系シラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系シラン化合物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト系シラン化合物、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のフェニルアミノ系シラン化合物等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイル化チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラ(1,1−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス−(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等のチタネート系カップリング剤、エチレン性不飽和ジルコネート含有化合物、ネオアルコキシジルコネート含有化合物、ネオアルコキシトリスネオデカノイルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ドデシル)ベンゼンスルホニルジルコネート、ネオアルコキシトリス(ジオクチル)ホスフェートジルコネート、ネオアルコキシトリス(ジオクチル)ピロホスフェートジルコネート、ネオアルコキシトリス(エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオアルコキシトリス(m−アミノ)フェニルジルコネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル)ブチル,ジ(ジトリデシル)ホスフィトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリネオデカノイルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ドデシル)ベンゼン−スルホニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(ジオクチル)ピロ−ホスファトジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(N−エチレンジアミノ)エチルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリ(m−アミノ)フェニルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリメタクリルジルコネート、ネオペンチル(ジアリル)オキシ,トリアクリルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシ,ジパラアミノベンゾイルジルコネート、ジネオペンチル(ジアリル)オキシ,ジ(3−メルカプト)プロピオニックジルコネート、ジルコニウム(IV)2,2−ビス(2−プロペノラトメチル)ブタノラト,シクロジ[2,2−(ビス2−プロペノラトメチル)ブタノラト]ピロホスファト−O,O等のジルコネート系カップリング剤、ジイソブチル(オレイル)アセトアセチルアルミネート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート等のアルミネート系カップリング剤等が使用でき、基材との密着性の向上や、硬化物の硬度の向上が見込める。
<<難燃剤>>
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水和金属系、赤燐、燐酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、ホウ酸亜鉛、錫酸亜鉛、モリブデン化合物系、臭素化合物系、塩素化合物系、燐酸エステル、含燐ポリオール、含燐アミン、メラミンシアヌレート、メラミン化合物、トリアジン化合物、グアニジン化合物、シリコンポリマー等が使用でき、硬化物の自己消火性、耐熱性を高いレベルでバランスよく達成できる。
<<有機溶剤>>
有機溶剤としては、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類;石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤等を挙げることができる。
有機溶剤の含有量は特に限定されず、硬化性樹脂組成物の用途に応じて適宜調整可能である。
なお、このような硬化性樹脂組成物は、各原料を混合及び分散することにより得られる。
<<<<ドライフィルム>>>>
本発明にかかるドライフィルムは、上述した硬化性組成物を基材に塗布又は含浸し、乾燥して得られる樹脂層である。
ここで基材とは、銅箔等の金属箔、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンナフタレート(PEN)フィルム等のフィルム、ガラスクロス、アラミド繊維等の繊維が挙げられる。
ドライフィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に硬化性組成物を塗布乾燥させ、必要に応じてポリプロピレンフィルムを積層することにより得られる。
<<<<硬化物>>>>
硬化物は、上述した硬化性組成物(ドライフィルムに含まれる樹脂層を含む)を硬化することで得られる。
硬化性組成物から硬化物を得るための方法は、特に限定されるものではなく、硬化性組成物の組成に応じて適宜変更可能である。一例として、上述したような基材上に硬化性組成物の塗工(例えば、アプリケーター等による塗工)を行う工程を実施した後、必要に応じて硬化性組成物を乾燥させる乾燥工程を実施し、加熱(例えば、イナートガスオーブン、ホットプレート、真空オーブン、真空プレス機等による加熱)により硬化性樹脂と硬化剤を熱架橋させる熱硬化工程を実施すればよい。なお、各工程における実施の条件(例えば、塗工厚、乾燥温度及び時間、加熱温度及び時間等)は、硬化性組成物の組成や用途等に応じて適宜変更すればよい。
<<<<電子部品>>>>
このような硬化物は、優れた機械特性、耐熱性、透明性を有するため、電子部品用等に使用可能である。特に、層間絶縁膜やソルダーレジストドライフィルムとしてプリント配線板に用いられる。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細に説明する。なお、以下の表中の配合量は、すべて質量部を示す。
<セルロースナノファイバー分散液の作製>
各実施例及び比較例で用いるセルロースナノファイバーと、その分散液の作製方法を示す。
広葉樹の漂白クラフトパルプ(CENIBRA社製)繊維100gを9900gのイオン交換水で十分に攪拌した後、このパルプ質量100gに対し、TEMPO(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)1.25質量%、臭化ナトリウム12.5質量%、次亜塩素酸ナトリウム28.4質量%をこの順で添加した。pHスタッドを用い、0.5M水酸化ナトリウムを滴下してpHを10.5に保持した。反応を120分(20℃)行った後、水酸化ナトリウムの滴下を停止し、酸化パルプを得た。イオン交換水を用いて得られた酸化パルプを十分に洗浄し、次いで脱水処理を行い固形分30.4%の酸化パルプを得た。
得られた105.3gの酸化パルプを、1000gのイオン交換水で希釈し、濃塩酸を346g加えて、酸化パルプ固形分濃度2.34wt%、塩酸濃度2.5Mの分散液に調製し、10分間還流させた。次いで酸化パルプを十分に洗浄し、固形分41%の酸加水分解TEMPO酸化パルプを得た。その後、酸化パルプ0.88gとイオン交換水35.12gを高圧ホモジナイザーを用いて150MPaで微細化処理を10回行い、カルボキシル基含有微細セルロース繊維分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。この微細セルロース繊維の平均繊維径は11.0nm、平均繊維長は187nm、平均アスペクト比は17、カルボキシル基含有量は1.1mmol/gであった。
次いで、マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、上記微細セルロース繊維分散液を仕込んだ。続いて、ドデシルアミンを、微細セルロース繊維のカルボキシル基1molに対してアミノ基1.2molに相当する量、4−メチルモルホリン0.34g、縮合剤である4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(以下DMT−MMと称す)を1.98g仕込み、N,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと称す)300g中に溶解させた。反応液を室温(25℃)で14時間反応させた。反応終了後ろ過し、エタノールにて洗浄、DMT−MM塩を除去し、DMFで洗浄及び溶媒置換することで、微細セルロース繊維に、脂肪族炭化水素基がアミド結合を介して連結したCNF・DMF分散液を得た。得られたCNF・DMF分散液の固形分濃度は2.2質量%であった。
<有機無機複合粒子1の作製>
・原料
シリカ粒子(株式会社アドマテックス製SQ−C6、平均粒径500nm):15g
トルエン(富士フィルム和光純薬工業社製、SP値9.14):36g
グリシジルメタクリレート(東京化成工業社製、SP値10.21):0.3g
アゾ重合開始剤V65(富士フィルム和光純薬工業社製、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)):27mg
・製造方法
上記原料のトルエン、グリシジルメタクリレート、アゾ重合開始剤を容器に計り取り、撹拌して処理溶液を準備し、次いで、別に計量した上記原料のシリカ粒子を処理溶液中に浸漬し、窒素雰囲気下、60℃で、20時間反応させた。ろ過により反応物を取り出し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(三共化学株式会社製)により洗浄を行い、残留しているモノマー及び無機粒子表面を被覆していないポリマーを完全に除去したのち、80℃の乾燥炉内で5時間乾燥させ、グリシジルメタクリレートの重合体で被覆された無機粒子である有機無機複合粒子1を得た。なお、該有機無機複合粒子をFT−IR測定することにより、カルボニル基由来のピークを確認し、無機粒子が、グリシジルメタクリレート重合体で被覆されていることを確認した。また、該有機無機複合粒子をTG/DTA測定し、重量減少よりグリシジルメタクリレートの96%が重合体として無機粒子を被覆していることを確認した。
<有機無機複合粒子2の作製>
・原料
シリカ粒子(株式会社アドマテックス製SQ−C6、平均粒径500nm):15g
トルエン(富士フィルム和光純薬工業社製、SP値9.14):36g
2−ヒドロキシエチルアクリレート(東京化成工業社製、SP値12.45):0.3g
アゾ重合開始剤V65(富士フィルム和光純薬工業社製、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)):27mg
・製造方法
上記原料のトルエン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アゾ重合開始剤を容器に計り取り、撹拌して処理溶液を準備し、次いで、別に計量した上記原料のシリカ粒子を処理溶液中に浸漬し、窒素雰囲気下、60℃で、20時間反応させた。ろ過により反応物を取り出し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(三共化学株式会社製)により洗浄を行い、残留しているモノマー及び無機粒子表面を被覆していないポリマーを完全に除去したのち、80℃の乾燥炉内で5時間乾燥させ、2−ヒドロキシエチルアクリレートの重合体で被覆された無機粒子である有機無機複合粒子2を得た。なお、該有機無機複合粒子をFT−IR測定することにより、カルボニル基由来のピークを確認し、無機粒子が、2−ヒドロキシエチルアクリレート重合体で被覆されていることを確認した。また、該有機無機複合粒子をTG/DTA測定し、重量減少より2−ヒドロキシエチルアクリレートの96%が重合体として無機粒子を被覆していることを確認した。
<硬化性樹脂組成物の調製>
各実施例及び比較例の硬化性樹脂組成物は、下記の表1中の記載に従って、各成分を配合撹拌後、3本ロールミルを用いて混錬し、各組成物を調製した。表1中の数値は、質量部を示す。
<熱膨張率(α1及びα2)>
厚さ38μmのPETフィルムに、アプリケーターを用いて硬化後の膜厚が55μmとなるように各実施例及び比較例の組成物を塗布し、熱風循環式乾燥炉にて90℃で10分間乾燥させて、各組成物の樹脂層を有するドライフィルムを得た。その後、厚さ18μmの銅箔に真空ラミネータにて60℃、圧力0.5MPaの条件で60秒間圧着して各組成物の樹脂層をラミネートして、PETフィルムを剥がした。次いで、熱風循環式乾燥炉にて180℃30分加熱して硬化させ、銅箔から剥がして、各組成物の硬化物からなるフィルムサンプルを得た。得られたフィルムサンプルを、3mm幅×30mm長にカットし、熱膨張率測定用試験片とした。
この試験片について、ティー・エイ・インスツルメント社製TMA(Thermomechanical Analysis)Q400を用いて、引張モードで、チャック間16mm、荷重30mN、窒素雰囲気下、20〜250℃まで5℃/分で昇温し、次いで、250〜20℃まで5℃/分で降温し、熱膨張率α1とα2(ppm/K)を測定した。α1は50℃から30℃までの降温過程での熱膨張率の平均値とし、α2は200℃から150℃までの降温過程の熱膨張率の平均値とした。α1は23未満の場合◎、23以上26未満の場合〇、26以上30未満の場合△、30以上の場合×とした。α2は60未満の場合◎、60以上70未満の場合〇、70以上100未満の場合△、100以上の場合×とした。結果を表1に示した。
<引張破断伸び>
各実施例及び比較例の組成物について、熱膨張率評価において作製した硬化塗膜を、5mm×10cmに裁断して評価用試験片を作製した。この試験片について、島津製作所製小型卓上試験機EZ−SXを用い、引張速度10mm/分にて破断点の伸び[%]を測定した。破断点の伸び[%]が5%以上のものを◎、4%以上5%未満のものを〇、4%未満のものを×として評価した。その結果を下記の表1に示した。
<分散性>
各実施例及び比較例の組成物について、HITACHI製IM4000PLUSイオンミリング装置を用いて、熱膨張率評価において作製した硬化塗膜の断面出しを行い、メイワフォーシス製カーボンコーターCADEを用いて断面に2nmのカーボン膜をコートした。この試料をJEOL製JSM−6010PLUS/LV走査電子顕微鏡を用いて加速電圧10kVで観察し分散性を評価した。分散性の評価は、図1(a)〜(d)の各写真を基準として、各硬化膜サンプルの破断面写真を比較して、一番近いものをその分散性とした。その結果を下記の表1に示した。
◎:図1(a)と同程度のもの
○:図1(b)と同程度のもの
△:図1(c)と同程度のもの
×:図1(d)と同程度のもの
エポキシ樹脂1:JER828 三菱化学(株)製 ビスフェノールA型環状エーテル化合物
エポキシ樹脂2:NC−7300 日本化薬(株)製 ナフタレン骨格の環状エーテル化合物
エポキシ樹脂3:EPICLON HP−7200 DIC(株)製 ジシクロペンタジエン骨格の環状エーテル化合物
エポキシ樹脂4:EPICLON 830 DIC(株)製 ビスフェノールF型環状エーテル化合物
フェノール樹脂:HF4M 明和化成(株)製 フェノールノボラック樹脂
ジアミン化合物:KAYAHARD A−A 日本化薬(株)製 芳香族ジアミン化合物
硬化触媒:2E4MZ(2−エチル−4−メチル−イミダゾール)
有機無機複合粒子1:GMA(グリシジルメタクリレート)被覆シリカ
有機無機複合粒子2:HEA(2−ヒドロキシエチルアクリレート)被覆シリカ
シリカ粒子:アドマファインSO−C2 (株)アドマテックス製
以上詳述した通り、エポキシ樹脂と、硬化剤と、有機無機複合粒子と、セルロースナノファイバーと、を含む、硬化性樹脂組成物の硬化物が、硬化後の硬化物において、有機無機複合粒子及びセルロースナノファイバーの分散性に優れ、硬化物が低熱膨張性、強靭性を有することができることが確認された。

Claims (5)

  1. エポキシ樹脂と、硬化剤と、有機無機複合粒子と、セルロースナノファイバーと、を含む、硬化性樹脂組成物であって、
    前記有機無機複合粒子は、無機粒子の表面がポリマーで被覆されたものであり、
    前記ポリマーは、(メタ)アクリル系モノマーの重合体又は共重合体であることを特徴とする、硬化性樹脂組成物。
  2. 前記(メタ)アクリル系モノマーが、水酸基及び/又は環状エーテル基を含む(メタ)アクリル系モノマーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の硬化性樹脂組成物。
  3. 基材上に、請求項1又は2に記載の硬化性樹脂組成物を塗布、乾燥してなる樹脂層を有することを特徴とする、ドライフィルム。
  4. 請求項1又は2に記載2の硬化性樹脂組成物、又は、請求項3の樹脂層を、硬化してなることを特徴とする、硬化物。
  5. 請求項4に記載の硬化物を備えることを特徴とする、電子部品。
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