JP2020197110A - 面材施工装置及び面材施工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
具体的に、特許文献1に記載の面材施工方法では、上述した空間において足場の上部から吊り下げられたホイスト等の揚重装置を用いて面材を吊り上げ、当該足場内に位置する作業者が当該面材を建物の開口部に設置された枠体内に押し込んでいる。
〔面材施工装置の概略構成〕
図1及び図2は、本実施の形態1に係る面材施工装置1を示す図である。
なお、以下で記載する「前後方法」は、建物100の外壁に対して近接離間する方向(図1中、左右方向)である。また、以下で記載する「左右方向」は、建物100の幅方向(図1の紙面に直交する方向、図2中、左右方向)である。
面材施工装置1は、建物100の開口部110に設置された枠体120内にガラス等の面材130を嵌め込む施工作業に用いられる面材施工装置である。この面材施工装置1は、足場2と、アーム部3と、アーム支持部4と、ホイスト5と、吸着装置6とを備える。
複数の縦部材21は、鉛直方向にそれぞれ延在した金属製のパイプであり、足場2全体を支持する支柱としてそれぞれ機能する。そして、複数の縦部材21は、前後方向に並設された一対の縦部材21が左右方向に所定の間隔を空けて、当該左右方向に沿って適宜の数だけ並設されて構成されている。
上記の安全性の問題から、平成8年に厚生労働省が発行した「足場先行工法に関するガイドライン」では、建築物と足場の作業床との間隔は30cm以下が原則とされている。よって、建物100に対して最も近接した縦部材21cと建物100との距離は30cm以下であることが望ましい。
複数の横部材22は、前後方向または左右方向にそれぞれ延在した金属製のパイプであり、複数の縦部材21に対してそれぞれ組み付けられている。
ここで、複数の縦部材21のうち、図2中、左右方向の中央に位置し、前後方向に並設された一対の縦部材21aは、他の縦部材21に対して、長さ寸法が短く設定され、地面から所定の高さの位置に配置されている。
また、足場2は、3本の金属製のパイプ23a〜23cをU字状に組み合わせ、パイプ23a,23b同士を直交クランプ23dにて固定し、パイプ23b,23c同士を直交クランプ23eにて固定した固定部23を備える。
この固定部23は、U字状の開口部分が建物100側に向き、縦部材21と略平行となるパイプ23bが複数の縦部材21のうち建物100から最も離間した縦部材21bよりも建物100から離間した状態で、一対の縦部材21aに対して4つの直交クランプ23f〜23iにて固定されている。
水平部31aにおける鉛直部31bから離間した先端側には、ホイスト5を吊り下げ支持する吊り下げ部31cが設けられている。当該吊り下げ部31cが設けられた位置は、本発明に係る支持位置に相当する。
また、鉛直部31bの上端及び下端には、水平部31aに略平行し、図3中、右方向にそれぞれ延在する金属製の延在部31dが設けられている。これら延在部31dは、鉛直方向に直交する平板でそれぞれ構成されている。
支持部本体41は、鉛直方向に延在する金属製の柱状部材であり、3つのクランプ41a〜41cにてパイプ23bに対して固定される。
2つの回動支持部42は、2つの延在部31dに対応してそれぞれ設けられている。当該回動支持部42は、鉛直方向に直交する金属製の一対の平板42a,42bで構成されている。そして、延在部31dは、一対の平板42a,42b間に挿入された状態で、当該延在部31d及び当該一対の平板42a,42bを貫通する金属製のピン42cによって取り付けられる。これにより、アーム部3は、鉛直方向に略平行な回転軸Ax(ピン42c)を中心としてアーム支持部4に対して回転可能に支持される。また、アーム部3は、吊り下げ部31cが設けられた位置が建物100に対して最も近接した縦部材21cよりも建物100から離間した状態で、アーム支持部4に対して支持される。
次に、面材施工装置1を用いて枠体120内に面材130を嵌め込む面材施工方法について説明する。なお、以下では、当該面材施工方法を行う前に、建物100の周囲に面材施工装置1が既に設置されているものとする。
図4は、面材施工方法を示すフローチャートである。図5及び図6は、面材施工方法を説明する図である。具体的に、図5及び図6は、面材施工方法で行われる各工程を時系列順に図示したものである。
工程S1の後、作業者Wは、ホイスト5の操作部(図示略)を操作することで、図5に示すように、面材130を吊り上げる(工程S2:吊り上げ工程)。
以上の工程S1〜S4により、枠体120内に面材130を嵌め込む施工作業が完了する。
次に、本実施の形態2について説明する。
以下の説明では、実施の形態1と同様の構成には同一符号を付し、その詳細な説明は省略または簡略化する。
図7及び図8は、本実施の形態2に係る面材施工装置1Aを示す図である。
本実施の形態2に係る面材施工装置1Aでは、上述した実施の形態1で説明した面材施工装置1に対して、以下の点が異なる。
面材施工装置1Aでは、アーム部3及びアーム支持部4の代わりに、アーム部3A及びアーム支持部4Aが採用されている。また、これに伴い、面材施工装置1Aを構成する足場2Aでは、足場2に対して、固定部23と、一対の縦部材21aと、当該一対の縦部材21a同士を連結する前後方向にそれぞれ延在した一対の横部材22c(図2参照)とが省略されている。さらに、足場2Aでは、足場2に対して、一対の足場板24と、一対の転落防止柵25とが追加されている。なお、図7では、説明の便宜上、足場板24を一点鎖線で図示している。また、図8では、足場板24の図示を省略している。
一対の縦部材25aは、縦部材21aと同一の構成をそれぞれ有する。そして、一対の縦部材25aは、4つの横部材22aのうち左右方向にそれぞれ延在する一対の横部材22aと、当該一対の横部材22aの上方に位置する一対の横部材22dとの間にそれぞれ架け渡され、前後方向に並設される。
一対の横部材25bは、横部材22cと同一の構成をそれぞれ有する。そして、一対の横部材25bは、一対の縦部材25a間にそれぞれ架け渡され、上下方向に並設される。
なお、以上説明した一対の足場板24及び一対の転落防止柵25については、上述した実施の形態1で説明した足場2に追加しても構わない。
アーム支持部4Aは、前後方向に延在した金属製のパイプであり、一対の転落防止柵25の間(開放部24aの上方)において、一対の横部材22d間に架け渡され、当該一対の横部材22dに対して直交クランプ23j,23kにて固定されている。
アーム部3Aは、アーム支持部4Aが挿通される筒形状を有する。また、アーム部3Aには、ホイスト5を吊り下げ支持する吊り下げ部31cが設けられている。そして、アーム部3Aは、アーム支持部4Aが挿通された状態で、当該アーム支持部4Aの長手方向(前後方向)に沿って移動可能とする。なお、アーム部3Aの移動可能とする範囲は、直交クランプ23j,23kの間の範囲である。すなわち、アーム部3Aは、上述した実施の形態1で説明したアーム部3と同様に、吊り下げ部31cが設けられた位置が建物100に対して最も近接した縦部材21cよりも建物100から離間した状態で、アーム支持部4Aに対して支持されている。
さらに、本実施の形態2に係る面材施工装置1Aでは、ワイヤ52の下端部と吸着装置6との間には、チェーンブロック8と、スリング9とが設けられている。
チェーンブロック8は、ワイヤ52の下端部に取り付けられ、当該下端部とスリング9とを接続する部材である。そして、当該チェーンブロック8は、吊り代を微調整するために用いられる。
スリング9は、チェーンブロック8と吸着装置6とを接続する部材である。そして、当該スリング9は、チェーンブロック8と同様に、吊り代を微調整するために用いられる。なお、当該スリング9としては、面材130に傷を付けない材料(例えば、ナイロン等)で構成することが好ましい。
なお、以上説明した滑車7、チェーンブロック8、及びスリング9については、上述した実施の形態1で説明した面材施工装置1に追加しても構わない。
図10は、面材施工方法を示すフローチャートである。図11及び図12は、面材施工方法を説明する図である。具体的に、図11及び図12は、面材施工方法で行われる各工程を時系列順に図示したものである。なお、図11及び図12では、図8と同様に、説明の便宜上、足場板24の図示を省略している。
工程S5の後、作業空間Spにいる作業者Wは、ホイスト5の操作部(図示略)を操作することで、当該ホイスト5内部からワイヤ52を引き出し、当該ワイヤ52の下端部を足場板24上から下降させる。そして、当該作業者Wは、チェーンブロック8及びスリング9を介して当該ワイヤ52の下端部に対して吸着装置6を取り付ける(工程S6)。
工程S2の後、作業者Wは、図12に示すように、アーム支持部4Aに対するアーム部3Aの前後方向の移動を利用して面材130を建物100側に押し込むとともに、枠体120内に面材130を収容する(工程S3A:面材収容工程)。具体的に、ホイスト5が面材130の全重量を受けているため、作業者Wによって面材130が建物100側に押し込まれれば、それに追従するようにアーム部3Aがアーム支持部4Aに沿って建物100側へと移動する。
以上の工程S5,S6,S1,S2,S3A,S4により、枠体120内に面材130を嵌め込む施工作業が完了する。
なお、工程S5,S6については、上述した実施の形態1で説明した面材施工方法において行っても構わない。
ここまで、本発明を実施するための形態を説明してきたが、本発明は上述した実施の形態1,2によってのみ限定されるべきものではない。
上述した実施の形態1,2では、面材130として、ガラスを例示していたが、これに限らず、その他の樹脂板や木製パネル等を採用しても構わない。
上述した実施の形態1において、アーム支持部4を省略し、足場2の構成部材(例えば縦部材21)が回転軸Axを中心として回転可能にアーム部3を支持する構成としても構わない。この構成では、当該足場2の構成部材(例えば縦部材21)が本発明に係るアーム支持部に相当する。同様に、上述した実施の形態2において、アーム支持部4Aを省略し、足場2Aの構成部材(例えば横部材22)が前後方向に沿ってアーム部3Aを支持する構成としても構わない。この構成では、当該足場2Aの構成部材(例えば横部材22)が本発明に係るアーム支持部に相当する。
上述した実施の形態1,2では、本発明に係る移動規制部として、横部材22bを例示していたが、これに限らない。足場2,2Aに対して別途、設けた部材を当該移動規制部として機能させても構わない。
また、足場に上述した移動規制部が設けられているため、揚重装置のワイヤで吊り上げられた面材が作業者によって建物側に押し込まれた場合に、当該揚重装置が当該建物側に不要に移動して当該建物の外壁等に衝突することを回避することができる。
さらに、足場に上述した作業空間が設けられているため、施工作業を円滑に行うことができ、施工性を向上させることができる。
本発明では、アーム部は、水平面に交差する回転軸を中心として回転可能にアーム支持部に対して支持される。すなわち、揚重装置が面材の全重量を受けているため、作業者によって面材が建物側に押し込まれれば、それに追従するようにアーム部が当該回転軸を中心として回転することとなる。言い換えれば、当該回転軸を中心とするアーム部の回転を面材における建物側への移動に利用することができる。したがって、施工性を向上させることができる。
本発明では、アーム部は、建物に対して近接離間する方向に沿って移動可能にアーム支持部に対して支持される。すなわち、揚重装置が面材の全重量を受けているため、作業者によって面材が建物側に押し込まれれば、それに追従するようにアーム部が建物側へと移動することとなる。したがって、施工性を向上させることができる。
本発明に係る面材施工方法は、上述した面材施工装置を用いた面材施工方法であるため、上述した面材施工装置と同様の作用及び効果を奏する。
Claims (5)
- 建物の開口部に設置された枠体内に面材を嵌め込む施工作業に用いられる面材施工装置であって、
複数の縦部材を有し、前記建物の周囲に設置される足場と、
前記面材をワイヤで吊り上げる揚重装置を支持するアーム部と、
前記足場に対して固定されるとともに前記アーム部を支持するアーム支持部とを備え、
前記アーム支持部は、
前記アーム部における前記揚重装置の支持位置が前記複数の縦部材のうち前記建物に最も近接した縦部材よりも前記建物から離間した状態で前記アーム部を支持し、
前記足場には、
前記揚重装置の前記ワイヤで吊り上げられた前記面材が前記建物側に押し込まれた場合に、前記揚重装置の前記建物側への移動を規制する移動規制部と、
前記支持位置よりも下部に作業者が前記施工作業を行う作業空間とが設けられている
ことを特徴とする面材施工装置。 - 前記アーム支持部は、
水平面に交差する回転軸を中心として回転可能に前記アーム部を支持する
ことを特徴とする請求項1に記載の面材施工装置。 - 前記アーム支持部は、
前記建物に対して近接離間する方向に沿って移動可能に前記アーム部を支持する
ことを特徴とする請求項1に記載の面材施工装置。 - 前記足場は、
前記建物に対して最も近接した縦部材と前記建物との距離が30cm以下である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の面材施工装置。 - 建物の開口部に設置された枠体内に面材を嵌め込む面材施工方法であって、
請求項1〜4のいずれか一つに記載の面材施工装置を用い、前記アーム部に支持された前記揚重装置の前記ワイヤで前記面材を吊り上げる吊り上げ工程と、
前記面材を前記建物側に押し込むとともに、前記枠体内に前記面材を収容する面材収容工程とを備える
ことを特徴とする面材施工方法。
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