JP2020196195A - リサイクル用積層体の製造方法 - Google Patents

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功貴 白石
昌久 門田
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昌久 門田
勇貴 宇佐
Yuki Usa
勇貴 宇佐
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Abstract

【課題】本発明の課題は、OPP、CPP等の複合フィルム構成において、アルカリ水溶液によってプラスチックフィルムから印刷層を脱離することが可能なリサイクル用積層体の製造方法を提供することにある。【解決手段】上記課題は、少なくとも、基材、印刷層、接着剤層、及びシーラント基材が順に積層されたリサイクル用積層体の製造方法であって、シーラント基材上に接着剤を塗工して接着剤層を形成し、シーラント基材と接着剤層とを有する第1の積層体を得る工程、及び 基材と印刷層とを有する第2の積層体の印刷層と、前記第1の積層体の接着剤層とを貼り合わせる工程を含む、リサイクル用積層体の製造方法によって解決される。【選択図】 なし

Description

本発明は、リサイクル用積層体の製造方法に関する。
近年、環境中に存在する微小なプラスチック粒子は、マイクロプラスチックと呼ばれ、特に海洋環境において極めて大きな問題となっている。海洋生物がマイクロプラスチックと、それに付着した有害物質を摂取し、生物濃縮によって海鳥や人間の健康にも影響することが懸念されており、マイクロプラスチックの発生を減らす様々な取り組みが始まっている。
マイクロプラスチックの発生を減らす方法として、従来のプラスチック素材を、再生可能な資源である木を原料とし、リサイクル可能な素材である「紙」に代替する方法が検討されている。
種々のコーティング剤が検討され、紙の弱点であるガスバリア性や耐水性を補う技術も開発されつつあるが、耐水性や遮光性、水蒸気バリア性など、従来のプラスチック包材と比較して性能的に劣る面が多々あり、全てのプラスチック包材を紙化することは困難である。
また従来、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(NY)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、アルミ蒸着フィルム等、複数の素材が使用されていたプラスチック素材を、ポリオレフィンの単一素材にモノマテリアル化した上で、プラスチックフィルムをリサイクルするという試みも行われており、バリアコート剤等の機能性コーティング剤でポリオレフィンの弱点をカバーする技術も開発されつつあるが、レトルト適性や遮光性など従来のプラスチック包材と比較して性能的に劣る為、全てのプラスチック包材をポリオレフィン化する事は困難である。さらに、ラミネート構成の場合、ポリオレフィンフィルム同士の間に積層されたインキ、機能性コーティング剤及び接着剤などは、プラスチックフィルムをリサイクルする上で不純物となってしまうという課題もある。
一方、特許文献1には、ラベル等の貼付物に用いられる接着剤において、アクリル酸及び/又はマレイン酸の低級アルキルエステル単位を含む共重合体を含む接着剤が、アルカリ水で脱離可能であることが開示されている。
また、特許文献2には、粘着テープに用いられる粘着剤において、天然ゴムと高酸価の粘着付与剤とを含む、アルカリ剥離性に優れる粘着テープが開示されている。
特開平11−323280号公報 特開2017−145327号公報
しかしながら、少なくとも基材、印刷層、接着剤層、及びシーラント基材が順に積層された積層体(以下、複合フィルムともいう)において、印刷層のアルカリ脱離性に優れ、プラスチックフィルムのリサイクルに有用な、リサイクル用積層体は実現していない。
よって、本発明の課題は、OPP、CPP等の複合フィルム構成において、アルカリ水溶液によってプラスチックフィルムから印刷層を脱離することが可能なリサイクル用積層体の製造方法を提供することにある。
本発明は、以下の発明〔1〕〜〔5〕に関する。
〔1〕少なくとも、基材、印刷層、接着剤層、及びシーラント基材が順に積層されたリサイクル用積層体の製造方法であって、
シーラント基材上に接着剤を塗工して接着剤層を形成し、シーラント基材と接着剤層とを有する第1の積層体を得る工程、及び
基材と印刷層とを有する第2の積層体の印刷層と、前記第1の積層体の接着剤層とを貼り合わせる工程を含む、リサイクル用積層体の製造方法。
〔2〕前記接着剤が、ポリオールとポリイソシアネートとを含み、ポリオールの酸価が3mgKOH/g以上である、〔1〕に記載のリサイクル用積層体の製造方法。
〔3〕前記ポリオールが、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、〔1〕又は〔2〕に記載のリサイクル用積層体の製造方法。
〔4〕前記基材が、ポリエステル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリアクリルニトリル樹脂フィルム及びポリイミド樹脂フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィルムを含む、〔1〕〜〔3〕いずれか1項に記載のリサイクル用積層体の製造方法。
〔5〕前記シーラント基材が、ポリエチレン樹脂フィルム及びポリプロピレン樹脂フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィルムを含む、〔1〕〜〔4〕いずれか1項に記載のリサイクル用積層体の製造方法。
本発明により、OPP、CPP等の複合フィルム構成において、アルカリ水溶液によってプラスチックフィルムから印刷層を脱離することが可能なリサイクル用積層体の製造方法を提供することができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限りこれらの内容に限定されない。
本発明の製造方法は、シーラント基材上に接着剤を塗工して接着剤層を形成し、シーラント基材と接着剤層とを有する第1の積層体を得る工程、及び、基材と印刷層とを有する第2の積層体の印刷層と、前記第1の積層体の接着剤層とを貼り合わせる工程を含むことを特徴とする。上記工程を含むことにより、接着剤の印刷層への浸透が抑制され、印刷層が過剰に硬化したり、印刷層と接着剤層とが界面において過剰に相互作用し、アルカリ脱離性を低下させるのを防ぐことができる。これにより、接着剤層だけでなく印刷層も優れたアルカリ脱離性を示し、積層体を構成する基材やシーラント基材等のプラスチックフィルムのリサイクルに適した積層体を製造することが可能となり、アルカリ水溶液中で積層体から印刷層を除去し、水洗・乾燥してオレフィン等のプラスチック基材を回収することができ、回収オレフィンを押出機によりペレットに再生して利用することができる。
<基材>
基材としては、包装用積層体に一般的に使用されている、プラスチックフィルム及び金属箔等のガスバリア基材等が挙げられる。
プラスチックフィルムとしては、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂のフィルムを用いることができるが、熱可塑性樹脂のフィルムが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、繊維素系プラスチック等が挙げられる。
より詳細には、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリ乳酸(PLA)等のポリエステル樹脂フィルム;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂フィルム;ポリスチレン樹脂フィルム;ナイロン6、ポリ−p−キシリレンアジパミド(MXD6ナイロン)等のポリアミド樹脂フィルム;ポリカーボネート樹脂フィルム;ポリアクリルニトリル樹脂フィルム;ポリイミド樹脂フィルム;これらの複層体(例えば、ナイロン6/MXD6/ナイロン6、ナイロン6/エチレン−ビニルアルコール共重合体/ナイロン6)や混合体等が用いられる。中でも、機械的強度や寸法安定性を有するものが好ましい。
プラスチックフィルムの厚さは、好ましくは5μm以上200μm以下、より好ましくは10μm以上100μm以下であり、特に好ましくは10μm以上50μm以下である。
ガスバリア基材としては、アルミニウム箔の他、アルミニウム、シリカ、アルミナ等の蒸着層を有するプラスチックフィルムが好ましい。例えばアルミニウム箔の場合は、経済的な面から3〜50μmの範囲の厚みが好ましい。
[プライマー層]
また、基材と後述する印刷層との間には、基材密着性等の包装材料への各種要求性能を満たすために、必要に応じてプライマー層を形成してもよい。プライマー層としては従来公知のものを使用することができ、水性又は油性のいずれかでも用いることができる。
プライマー層としては、印刷層のアルカリ脱離性を向上させるものが好適に用いられる。そのようなプライマー層を形成する組成物としては、特開2017−114930号公報に記載の、下記(1)〜(3)を満たす水系プライマー組成物等が挙げられる。
(1)水系プライマー組成物がカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(A)を含有する。
(2)ポリウレタン樹脂(A)のカルボキシル基の少なくとも一部がアミン化合物(a−1)で中和されている。
(3)ポリウレタン樹脂(A)の中和前の酸価が25〜45mgKOH/gである。
<印刷層>
印刷層は、装飾、美感の付与、内容物、賞味期限、製造者又は販売者の表示等を目的とした、任意の印刷模様を形成する層である。印刷層は、例えば、基材と接着剤層との間に設けることができ、基材の全面に設けてもよく、あるいは一部に設けてもよい。印刷層は、従来公知の顔料や染料を用いて形成することができ、顔料や染料を含む印刷インキを用いて形成してもよく、その形成方法は特に限定されない。印刷層は、単層あるいは複数の層から形成されていてもよい。
印刷層の厚さは、好ましくは0.1μm以上10μm以下、より好ましくは1μm以上5μm以下、さらに好ましくは1μm以上3μm以下である。
印刷層を形成するための印刷インキとしては、例えば、顔料、バインダー、溶剤又は水等の媒体を含む印刷インキが挙げられる。上記バインダーとしては、例えば、ニトロセルロース系、セルロースアセテート・プロピオネート等の繊維素材、塩素化ポリプロピレン系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系、アクリル系、ポリウレタン系及びアクリルウレタン系、ポリアミド系、ポリブチラール系、環化ゴム系、塩化ゴム系あるいはそれらを適宜併用したバインダーを用いることができる。
<接着剤層>
接着剤層は、包装材料に用いられる従来公知の接着剤を用いて形成することができ、特に制限されるものではないが、ポリオールとポリイソシアネートとを含むウレタン系接着剤が好適に用いられる。
[ポリオール]
ポリオールは特に限定されるものではなく、例えば、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオール等を単独で使用、又は2種類以上を併用することができる。
中でもポリオールは、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、脱離性の観点からより好ましくはポリエステルポリオールを含むことが好ましい。
(ポリエーテルポリオール)
ポリエーテルポリオールは、従来公知のポリエーテルポリオールから選択することができ、単独又は2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、テトラヒドロフラン等のオキシラン化合物を、例えば、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の低分量ポリオールを開始剤として重合して得られるポリエーテルポリオールにジイソシアネートを反応させたポリエーテルポリウレタンポリオールである。ジイソシアネートとしては上記記載のジイソシアネートを使用することができる。また、酸価を付与する手段としては、ジイソシアネートを反応させる際に、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等の反応を導入する場合や、さらに酸無水物を反応させたものであってもよい。
(ポリエステルポリオール)
ポリエステルポリオールは、従来公知のポリエステルポリオールから選択することができ、単独又は2種以上を併用してもよい。
ポリエステルポリオールは、以下に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、無水フタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等二塩基酸若しくはそれらのジアルキルエステル又はそれらの混合物(以下、カルボキシル基成分ともいう)と、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3′−ジメチロールヘプタン、1,9−ノナンジオール、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、ポリウレタンポリオール等のジオール類若しくはそれらの混合物(以下、水酸基成分ともいう)と、
を反応させて得られるポリエステルポリオール;或いは、ポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール;等が挙げられる。
上記カルボキシル基成分及び水酸基成分は、2種以上を併用してもよい。
上記ポリエステルポリオールは、ジイソシアネートを反応させたポリエステルポリウレタンポリオールであってもよいし、さらに酸無水物を反応させたものであってもよい。
ジイソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等を挙げることができる。
酸無水物としては、無水トリメリット酸、トリメリット酸エステル無水物等が挙げられる。トリメリット酸エステル無水物としては、エチレングリコールアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。
アルカリ脱離性の観点から、ポリオールは酸価を有していることが好ましく、好ましくは3.0mgKOH/g以上であり、より好ましくは5.0mgKOH/g以上であり、特に好ましくは8.0mgKOH/g以上である。また、ポリオールの酸価は、好ましくは40.0mgKOH/g以下であり、より好ましくは20.0mgKOH/g以下である。上記酸価を有することにより、積層体をアルカリ水溶液と接触させた際に、アルカリ水溶液が浸透して分解され、優れた脱離性を発揮する。
接着剤が複数のポリオール成分を含む場合、ポリオールの酸価は、各々のポリオール成分の酸価とその質量比率から求めることができる。
また、ポリオールは、接着剤層の耐加熱殺菌処理の点及び塗工性の点から、数平均分子量(Mn)が好ましくは1,000〜20,000、より好ましくは2,000〜10,000、特に好ましくは5,000〜10,000のポリオールを含むことが好ましい。
ポリオールの数平均分子量(Mn)が1,000以上であると、塗工性だけでなく十分なレトルト適性を発揮することができ、20,000以下であると塗工性だけでなくアルカリ脱離性が向上するため好ましい。
なお、本明細書の数平均分子量(Mn)は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem−21」を用い、溶媒としてテトロヒドロフランを用いて、標準ポリスチレン換算した値である。
またポリオールは、包装材に要求される各種物性を満たすために、複数のポリオール成分を併用してもよい。例えば、基材密着性を向上させるために、Mnが3,000未満のポリエステルポリオール成分を少量含有することが好ましい。
ポリオールは、レトルト適性とアルカリ水溶液での脱離性の観点から、下記に示す3種類のポリオール成分を含むことが好ましい。
第1のポリオール成分:酸価10.0mg/KOH以上のポリエステルポリオール
第2のポリオール成分:数平均分子量3,000未満のポリエステルポリオール
第3のポリオール成分:数平均分子量5,000以上のポリエステルポリオール
(ただし、第2のポリオール成分及び第3のポリオール成分は、第1のポリオール成分である場合を除く)
第1のポリオール成分は、アルカリ脱離性を付与する役割を有し、第2のポリオール成分は、基材密着性を改善し、塗工性の向上に寄与する。さらに、第3のポリオール成分は、レトルト性を向上させる役割を有する。
第1のポリオール成分の含有量は、十分なアルカリ脱離性を維持する観点から、ポリエステルポリオール成分全量に対して50質量%以上であることが好ましい。
また、第1のポリオール成分は、好ましくは、ポリエステルポリウレタンポリオールを酸無水物変性したものであり、より好ましくは、数平均分子量が5,000以上10,000未満であり、酸価が15.0mgKOH/g以上、40mgKOH/g以下である。
第2のポリオール成分は、好ましくは、酸価が5.0mgKOH/g未満であり、より好ましくは1.0mgKOH/g未満である。
第3のポリオール成分は、好ましくは、ポリエステルポリウレタンポリオールを酸無水物変性したものであり、より好ましくは、数平均分子量が5,000以上10,000未満であり、酸価が5.0mgKOH/g未満である。
[ポリイソシアネート]
ポリイソシアネートとしては、特に限定されるものではなく、例えば、
トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアネートメチルカプロエート等の脂肪族ジイソシアネート;
1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチル2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環式ジイソシアネート;
m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−2,6−トリレンジイソシアネート又は2,6−トリレンジイソシアネート若しくはその混合物、4,4′−トルイジンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;
1,3−1,4−キシリレンジイソシアネート又は1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω′−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン又は1,4−ビス(1−イソシアネート−1−メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物等の芳香族ジイソシアネート;
トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、2,4,6−トリイソシアネートトルエン等の有機トリイソシアネート;
4,4′−ジフェニルジメチルメタン−2,2′−5,5′−テトライソシアネート等の有機テトライソシアネート等のポリイソシアネート単量体;
上記ポリイソシアネート単量体から誘導されたダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート;
炭酸ガスと上記ポリイソシアネート単量体とから得られる2,4,6−オキサジアジントリオン環を有するポリイソシアネート;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3′−ジメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等の分子量200未満の低分子ポリオールと上記ポリイソシアネート単量体との付加体;
分子量200〜20,000のポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリバレロラクトンポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシアルカン、ひまし油、ポリウレタンポリオール等と上記ポリイソシアネート単量体との付加体;
ポリエーテルポリオールと有機ポリイソシアネートとをNCO/OHが1未満で反応させて得られるポリウレタンポリオールと上記ポリイソシアネート単量体の付加体;等が挙げられ、これらを単独で使用、又は2種類以上を併用することができる。
本発明におけるポリイソシアネートとしては、好ましくは、ラミネート物性の観点から、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、並びに、脂肪族ジイソシアネート又は脂環式ジイソシアネートから誘導されたアロファネートタイプ、ヌレートタイプ、ビウレットタイプ、アダクトタイプの誘導体、若しくはその複合体等の脂肪族ポリイソシアネートが好適に用いられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしてより好ましくは、ラミネート物性のバランスが確保しやすいヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIともいう)から誘導されたポリイソシアネートである。
接着剤は、前述のポリオール及びポリイソシアネート以外のその他成分を含有してもよい。なお、その他成分は、ポリオール又はポリイソシアネートのいずれに配合してもよいし、ポリオールとポリイソシアネートとを配合する際に添加してもよい。
[その他成分]
(シランカップリング剤)
接着剤は、耐熱水性を高めるため、さらに、シランカップリング剤を含有することができる。シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル基を有するトリアルコキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するトリアルコキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のグリシジル基を有するトリアルコキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤の添加量は、接着剤の固形分を基準として0.1〜5質量%であることが好ましく、0.5〜3質量%であることがより好ましい。
(リンの酸素酸又はその誘導体)
接着剤は、耐酸性を高めるため、さらに、リンの酸素酸又はその誘導体を含有することができる。リンの酸素酸又はその誘導体の内、リンの酸素酸としては、遊離の酸素酸を少なくとも1個有しているものであればよく、例えば、次亜リン酸、亜リン酸、オルトリン酸、次リン酸等のリン酸類、メタリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸、ポリリン酸、ウルトラリン酸等の縮合リン酸類が挙げられる。また、リンの酸素酸の誘導体としては、上記のリンの酸素酸を遊離の酸素酸を少なくとも1個残した状態でアルコール類と部分的にエステル化されたもの等が挙げられる。これらのアルコールとしては、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン等の脂肪族アルコール、フェノール、キシレノール、ハイドロキノン、カテコール、フロログリシノール等の芳香族アルコール等が挙げられる。リンの酸素酸又はその誘導体は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。リンの酸素酸又はその誘導体の添加量は、接着剤の固形分を基準として0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがより好ましく、0.1〜1質量%であることが特に好ましい。
接着剤は、さらに、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止剤、防黴剤、増粘剤、可塑剤、顔料、充填剤等の添加剤を必要に応じて含有することができる。また、硬化反応を調節するため公知の触媒、添加剤等を含有させることができる。
接着剤は、その粘度が常温〜150℃、好ましくは常温〜100℃で100〜10,000mPa・s、好ましくは100〜5,000mPa・sの場合は無溶剤型で用いることができる。接着剤の粘度が上記範囲より高い場合は、有機溶剤で希釈してもよい。有機溶剤としては、例えば酢酸エチル等のエステル系、メチルエチルケトン等のケトン系、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系等の、ポリイソシアネートに対して不活性なものが好適に用いられ、適宜選択して使用できる。
接着剤は、前述のとおり、ポリオール及びポリイソシアネートを含む2液硬化型のウレタン系ラミネート接着剤であることが好ましく、配合直後の酸価は、好ましくは3.0mgKOH/g以上であり、より好ましくは5.0mgKOH/g以上であり、特に好ましく7.0mgKOH/g以上である。また、接着剤の配合直後の酸価は、好ましくは40.0mgKOH/g以下である。
接着剤を使用する具体的な処方の一例としては、ポリオールとポリイソシアネートとを、ポリオール中の水酸基に対して、ポリイソシアネートのイソシアネート基が当量比にして0.3〜1になるよう配合し、次いで、溶剤型又は無溶剤型のラミネーターによって接着剤をシーラント基材表面に塗布し、必要に応じて乾燥工程を経て接着剤層を形成した後に、印刷層と接着面とを貼り合せ、常温又は加温下に硬化させることで、接着剤層を形成することができる。
接着剤の塗布量は任意であるが、接着面の面積に対して、0.001〜6g/mの範囲であることが好ましく、無溶剤型では1〜2g/m、溶剤型では1〜6g/mの範囲であることが好ましい。
<シーラント基材>
シーラント基材としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)や高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン、酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、酸変性ポリプロピレン、共重合ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、アイオノマー等のポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
また、シーラント基材は、少なくとも一方の面がシーラント性を有していればよく、上述のシーラントと別の基材とが積層された複層構成であってもよい。シーラント基材が複層構成である場合は、シーラントと別の基材とが従来公知の接着剤層を介して積層されていてもよい。このような複層構成を有するシーラント基材としては、例えば、NY/接着剤層/CPP、AL/接着剤層/CPP、NY/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、等が挙げられる。
シーラント基材は、ポリエチレン樹脂フィルム及びポリプロピレン樹脂フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一種のシーラントフィルムを含むことが好ましく、中でもレトルト時の耐熱性の観点から、ポリプロピレン樹脂フィルムを含むことが好ましく、ヒートシール性の観点から未延伸ポリプロピレンフィルムを含むことが特に好ましい。
シーラント基材の厚みは特に限定されないが、包装材料への加工性やヒートシール性等を考慮して10〜200μmの範囲が好ましく、20〜150μmの範囲がより好ましい。また、シーラント基材に高低差5〜20μmの凸凹を設けることで、シーラント基材に滑り性や包装材料の引き裂き性を付与することが可能である。
<リサイクル用積層体の製造方法>
本発明の製造方法は、前述のとおり、シーラント基材上に接着剤を塗工して接着剤層を形成し、シーラント基材と接着剤層とを有する第1の積層体を得る工程、及び、基材と印刷層とを有する第2の積層体の印刷層と、前記第1の積層体の接着剤層とを貼り合わせる工程を含むことを特徴とする。また、積層体がプライマー層を有する場合は、シーラント基材上に接着剤を塗工して接着剤層を形成し、シーラント基材と接着剤層とを有する第1の積層体を得る工程、及び、基材上にプライマー層を介して印刷層を有する第3の積層体の印刷層と、前記第1の積層体の接着剤層とを貼り合わせる工程を含むことが好ましい。
シーラント基材上に接着剤を塗工して接着剤層を形成する方法、及び、基材上に必要に応じてプライマー層を形成した後に印刷層を形成する方法は、特に限定されず、グラビアコーター等の従来公知の印刷装置等を用いることができる。
また、第2の積層体又は第3の積層体の印刷層と、第1の積層体の接着剤層とを貼り合わせる方法は、特に限定されず、例えば、ラミネーター等を用いて、熱や加圧によってラミネートする方法が挙げられる。
リサイクル用積層体の具体的な積層体構成としては、2軸延伸ポリプロピレン(OPP)/プライマー層/印刷層/接着剤層/CPP、OPP/プライマー層/印刷層/接着剤層/AL蒸着CPP、NY/プライマー層/印刷層/接着剤層/PE、NY/プライマー層/印刷層/接着剤層/CPP、PET/プライマー層/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、透明蒸着PET/プライマー層/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/CPP、PET/プライマー層/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、PET/プライマー層/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/PE、PET/プライマー層/印刷層/接着剤層/NY/接着剤層/AL/接着剤層/CPP、PET/プライマー層/印刷層/接着剤層/AL/接着剤層/NY/接着剤層/CPP等が挙げられる。
これら積層体は、必要に応じてトップコート層等を有していても構わない。
積層体からの印刷層の脱離は、積層体をアルカリ水溶液中に浸漬して行う。アルカリ水溶液では、使用するアルカリ性物質は特に制限は無く、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、アンモニア等が挙げられる。好ましくはNaOH又はKOHである。
印刷層の除去条件としては、10℃以上100℃以下で、pH11以上あるいは濃度0.5〜3.0質量%のアルカリ水溶液に浸漬し、水洗・乾燥して印刷層を除去する方法が挙げられる。pHとして好ましくは11.0以上、より好ましくは13.0以上である。濃度では0.5〜3.0質量%水溶液のものが好ましく、より好ましくは1.0〜2.5質量%水溶液である。
浸漬温度は10℃以上100℃以下が好ましく、より好ましくは15℃以上90℃以下、更に好ましくは20℃以上80℃以下である。浸漬時間としては60分以内、より好ましくは30分以内、更に好ましくは20分以内である。その後水洗・乾燥したときの印刷層の除去率は好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは98%以上である。
本発明において、アルカリ水溶液として好ましくは、70℃の2質量%水酸化ナトリウム水溶液が用いられる。また、本発明により得られるリサイクル用積層体は、食品包装用パウチのほか、洗剤、薬剤等の詰め替え用パウチ等、各種包装材料に好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。実施例及び比較例中の「部」及び「%」は、特に断りの無い限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
<酸価の測定>
酸価の測定は、共栓三角フラスコ中に試料(ポリエステルポリオール溶液)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解し、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定し、次式により算出した。
酸価(mgKOH/g)=(5.611×a×F)/S
S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液のファクター
<数平均分子量(Mn)>
数平均分子量(Mn)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPCSystem−21」を用いて測定した。測定では、溶媒としてテトロヒドロフランを用い、標準ポリスチレン換算した値を求めた。
<水性プライマー組成物の製造>
(プライマー組成物1)
特開2017−114930号公報に記載の水系プライマー組成物S15をプライマー組成物1として用いた。
具体的には、温度計、撹拌機、還流冷却管及び窒素ガス導入管を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、数平均分子量2,000 のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジオール(以下「PMPA」)100部、数平均分子量1,000 のポリ(3−メチル−1,5−ペンタンアジペート)ジオール(以下「PMPA」)40部、数平均分子量2,000 のポリエチレングリコール(以下「PEG」)35 部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下「DMPA」)30部及びイソホロンジイソシアネート(以下「IPDI」)109.6部をメチルエチルケトン(以下「MEK」)77.4部中で6 時間80℃にてリフラックス反応させて末端イソシアネートプレポリマーとし、しかるのち40 ℃ まで冷却して末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液を得た。次に、イソホロンジアミン(以下「IPDA」)14部、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン(以下「AEA」)8.6部、ジブチルアミン(以下「DBA」)1.0部及びアセトン699.9部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマー溶液を、室温で徐々に添加して80℃で1時間反応させ、溶剤型ポリウレタン樹脂溶液を得た。次に、28%アンモニア水13.6部及びイオン交換水777.3部を上記溶剤型ポリウレタン樹脂溶液に徐々に添加して中和することにより水溶化し、さらに共沸下でMEK、アセトンの全量を留去した後、水を加えて固形分調整を行ない、酸価37.7mgKOH/g、固形分濃度30% 、質量平均分子量30,000 のポリウレタン樹脂を得た。
得られたポリウレタン樹脂を65部、スチレンマレイン酸樹脂誘導体(サートマー社製「SMA1440H」、固形分30%水溶液、スチレンマレイン酸のアルコール変性物のアンモニア中和物)を2部、塩化ビニル系エマルジョン(日信化学工業社製「ビニブラン700」、固形分30%水溶液、塩化ビニルと他の二重結合性モノマーとの共重合体)を4部、水を24部、イソプロパノール(以下「IPA」)を5部混合し、ディスパーで30分撹拌して水系のプライマー組成物1を得た。
プライマー組成物1は、前述の(1)〜(3)を満たす水系プライマー組成物に該当する。
<ポリオールの製造>
(製造例1)ポリエステルポリオール(P−1)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール66部、ネオペンチルグリコール78部、1,6−ヘキサンジオール142部、イソフタル酸166部、テレフタル酸166部、アジピン酸73部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら250℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。このポリエステルポリオール100部に無水トリメリット酸を0.6部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後不揮発分50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量9,000、酸価3.6mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオール(P−1)溶液を得た。
(製造例2)ポリエステルポリオール(P−2)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール80部、ネオペンチルグリコール140部、イソフタル酸166部、アジピン酸146部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら250℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。次いで不揮発分50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量2,200、酸価0.5mgKOH/gのポリエステルポリオール(P−2)溶液を得た。
(製造例3)ポリエステルポリオール(P−3)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール78部、1,6−ヘキサンジオール177部、イソフタル酸249部、テレフタル酸83部、アジピン酸146部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら250℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。その後、イソホロンジイソシアネート6部を徐々に添加し、150℃で約2時間反応を行い、ポリエステルポリウレタンポリオールを得た。このポリエステルポリウレタンポリオール100部に無水トリメリット酸を2.8部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後不揮発分50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量7,000、酸価16.5mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオール(P−3)溶液を得た。
(製造例4)ポリエステルポリオール(P−4)
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下槽及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、エチレングリコール93部、ネオペンチルグリコール78部、1,6−ヘキサンジオール177部、イソフタル酸249部、テレフタル酸83部、アジピン酸146部を仕込み、窒素気流下で攪拌しながら250℃まで昇温した。酸価が5以下になるまで反応を続けた後に、徐々に減圧を行って、1mmHgで5時間脱グリコール反応を行い、ポリエステルポリオールを得た。その後、イソホロンジイソシアネート6部を徐々に添加し、150℃で約2時間反応を行い、ポリエステルポリウレタンポリオールを得た。このポリエステルポリウレタンポリオール100部に無水トリメリット酸を0.7部添加し、180℃で約2時間反応させ、その後不揮発分50%になるまで酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量7,000、酸価4.1mgKOH/gの部分酸変性ポリエステルポリオール(P−4)溶液を得た。
(製造例5)ポリエーテルポリオール(P−5)
P−2000(商品名、ADEKA株式会社製、2官能ポリオキシプロピレングリコール、水酸基価56.1)を60部、P−400(商品名、ADEKA株式会社製、2官能ポリオキシプロピレングリコール、水酸基価265.9)を150部、T−400(商品名、三井化学株式会社製、3官能ポリオキシプロピレングリコール、水酸基価404)を30部、ジメチロールプロピオン酸5部、酢酸エチルを60部、トリレンジイソシアネートを130部、ジブチル錫ラウレート0.22部を仕込み、90℃に昇温し、赤外吸収スペクトルでイソシアネート基のピークが無くなるまで反応を行った。次いで、不揮発分50%になるように酢酸エチルで希釈することで、数平均分子量9,000、酸価4.1mgKOH/gの部分酸変性ポリエーテルポリオール(P−5)溶液を得た。
Figure 2020196195
<接着剤の製造>
[調整例1〜4、比較調整例1]
上記製造例1〜5で得られたポリオール溶液、及びポリイソシアネートとしてヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(不揮発分95%、酢酸エチル溶液)を、表2に示す割合(質量比)で配合し、酢酸エチルを加えて不揮発分30質量%の接着剤溶液を調整した。
Figure 2020196195
<リサイクル用積層体の製造>
[実施例1]
前述のプライマー組成物1及び印刷インキ(東洋インキ(株)製、リオアルファR631白)を、各々、酢酸エチル/IPA混合溶剤(質量比70/30)により 、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈した。
コロナ処理OPPフィルム(厚さ20μm)に対し、希釈したプライマー組成物1及び希釈した印刷インキを、版深35μmのベタ版を備えたグラビア校正2色機にて、印刷速度50m/minでこの順番で印刷した後、各ユニットで50℃で乾燥し、OPP/プライマー層/印刷層の積層体を得た。
次に、コロナ処理LLDPEフィルム(厚さ40μm)上に、調整例1で得られた接着剤溶液をラミネーターを用いて常温にて塗布し、溶剤を揮散させた後、塗布量3.0g/mの接着剤層を形成し、接着剤塗布面と積層体の印刷層面とをラミネーターを用いて貼り合せて積層体を得た。
得られた積層体を0℃で4日間保温し、OPP/プライマー層/印刷層/接着剤層/LLDPEの構成である積層体を得た。
[実施例2〜4]
接着剤溶液を、表3に示す接着剤溶液に変更した以外は実施例1と同様にして、各々、OPP/プライマー層/印刷層/接着剤層/LLDPEの構成である積層体を得た。
[比較例1]
前述のプライマー組成物1及び印刷インキ(東洋インキ(株)製、リオアルファR631白)を、各々、酢酸エチル/IPA混合溶剤(質量比70/30)により 、粘度が16秒(25℃、ザーンカップNo.3)となるように希釈した。
コロナ処理OPPフィルム(厚さ20μm)に対し、希釈したプライマー組成物1及び希釈した印刷インキを、版深35μmのベタ版を備えたグラビア校正2色機にて、印刷速度50m/minでこの順番で印刷した後、各ユニットで50℃で乾燥し、OPP/プライマー層/印刷層の積層体を得た。
次に、得られた積層体の印刷層上に、比較調整例1で得られた接着剤溶液をラミネーターを用いて常温にて塗布量3.0g/mで塗布し、溶剤を揮散させた後、接着剤塗布面とコロナ処理LLDPEフィルム(厚さ40μm)とをラミネーターを用いて貼り合せて積層体を得た。
得られた積層体を40℃で4日間保温し、OPP/プライマー層/印刷層/接着剤層/LLDPEの構成である積層体を得た。
<リサイクル用積層体の評価>
得られた積層体について、以下の評価を実施した。結果を表3に示す。
(ラミネート強度試験)
得られた積層体から、15mm×300mmの大きさの試験片を切り出し、引張り試験機を用い、温度20℃相対湿度65%の条件下で、T型剥離により、剥離速度30cm/分で、OPPとLLDPE間のラミネート強度(N/15mm)を測定した。
(脱離性評価)
得られた積層体から、0.2cm×1.5cmの大きさの試験片を切り出し、70℃の水酸化ナトリウム(NaOH)2%水溶液50g中に、20分、1時間、及び12時間の条件で浸漬、撹拌を行った後、水洗、乾燥を行った。積層体からの印刷層の脱離性について目視で観察し、下記基準で評価を行った。
◎:20分以内に印刷層が全て脱離した(非常に良好)
○:20分を超え1時間以内に印刷層が全て脱離した(良好)
△:1時間を超え12時間以内に印刷層が全て脱離した(使用可能)
×:12時間以内に、印刷層が全て脱離しなかった(使用不可)
Figure 2020196195
表3の結果から明らかなように、本発明の製造方法により製造された積層体は、接着剤層だけでなく印刷層も優れたアルカリ脱離性を示し、積層体を構成する基材やシーラント基材等のプラスチックフィルムのリサイクルに適していることが確認された。

Claims (5)

  1. 少なくとも、基材、印刷層、接着剤層、及びシーラント基材が順に積層されたリサイクル用積層体の製造方法であって、
    シーラント基材上に接着剤を塗工して接着剤層を形成し、シーラント基材と接着剤層とを有する第1の積層体を得る工程、及び
    基材と印刷層とを有する第2の積層体の印刷層と、前記第1の積層体の接着剤層とを貼り合わせる工程を含む、リサイクル用積層体の製造方法。
  2. 前記接着剤が、ポリオールとポリイソシアネートとを含み、ポリオールの酸価が3mgKOH/g以上である、請求項1に記載のリサイクル用積層体の製造方法。
  3. 前記ポリオールが、ポリエステルポリオール及びポリエーテルポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1又は2に記載のリサイクル用積層体の製造方法。
  4. 前記基材が、ポリエステル樹脂フィルム、ポリオレフィン樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリアクリルニトリル樹脂フィルム及びポリイミド樹脂フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィルムを含む、請求項1〜3いずれか1項に記載のリサイクル用積層体の製造方法。
  5. 前記シーラント基材が、ポリエチレン樹脂フィルム及びポリプロピレン樹脂フィルムからなる群から選ばれる少なくとも一種のフィルムを含む、請求項1〜4いずれか1項に記載のリサイクル用積層体の製造方法。
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