JP2020196156A - 熱転写受像シート - Google Patents

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【課題】高速印画プリンタにおいても高い最高濃度が得られ、且つカールが生じにくい熱転写受像シートを提供する。【解決手段】基材の一方の面に少なくとも、断熱層と染料受容層を順に有してなる熱転写受像シートにおいて、前記断熱層が樹脂と、内部に空隙を有さない球状の有機粒子を含有し、前記断熱層は前記樹脂と前記有機粒子で空隙構造を形成しており、前記断熱層の熱伝導率が0.06W/m・K以上0.18W/m・K以下であることを特徴とする熱転写受像シート。【選択図】図1

Description

本発明は、熱転写方式のプリンタに使用される熱転写受像シートに関する。
一般に、熱転写記録媒体は、熱転写方式のプリンタに使用され、サーマルリボンと呼ばれるインクリボンのことである。この熱転写記録媒体は、基材の一方の面に熱転写層、その基材の他方の面に耐熱滑性層(バックコート層)を設けた構成となっている。ここで熱転写層は、インクの層であって、プリンタのサーマルヘッドに発生する熱によって、そのインクが昇華(昇華転写方式)あるいは溶融(溶融転写方式)して、熱転写受像シート側に転写されるものである。
現在、熱転写方式の中でも昇華転写方式は、プリンタの高機能化に伴い、各種画像を簡便にフルカラーに形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等、広く利用されている。そういった用途の多様化と共に、小型化、高速化、低コスト化、また得られる印画物への耐久性を求める声も大きくなり、近年では基材シートの同じ側に、印画物への耐久性を付与する保護層等を重ならないように設けられた複数の熱転写層をもつ熱転写記録媒体がかなり普及してきている。
そのような状況の中、用途の多様化と普及拡大に伴い、高速印画プリンタにおいても高い最高濃度の熱転写記録媒体が求められるようになってきた。このような要求に対して熱転写受像シートにおいては、特許文献1のように、断熱層として多孔質フィルムを使用することで、高い最高濃度が得られる熱転写受像シートが提案されている。
また特許文献2では、断熱層に中空粒子とガラス転移温度(Tg)が20℃以上80℃以下である樹脂を含有することで、高い最高濃度を達成している熱転写受像シートが提案されている。
更に特許文献3では、支持体上に断熱層として、無機微粒子と樹脂バインダを含有する多孔質の中間層を設けることで、高い最高濃度が得られる熱転写受像シートが提案されている。
特開2009−61733号公報 特開2009−96197号公報 特開2007−261236号公報
しかしながら、特許文献1に提案されている熱転写受像シートは、断熱層として多孔質フィルムを使用しているため、高い最高濃度が得られることは確認できたが、プリント時に、プリンタのサーマルヘッドからの熱によって、多孔質フィルムの延伸時の残留応力によってカールが発生してしまうことがわかった。
また特許文献2に提案されている熱転写受像シートは、イエロー、マゼンタ、シアンと印画が進むにつれて、断熱層に含有されている中空粒子が、印画時の熱と圧力によって潰れてしまい、転写濃度が低くなってしまうことがわかった。
そして特許文献3に提案されている熱転写受像シートを用いて、本発明者らが高速印画プリンタにて印画を行ったところ、断熱層に熱伝導率が大きい無機微粒子を含有しているため、断熱層の熱伝導率が大きくなることで断熱性が低くなり、高い最高濃度を得ることができなかった。
これまで様々な方法により高い最高濃度を得られる熱転写受像シートが報告されているが、昨今の高速印画プリンタにおいて、高い最高濃度且つカールが生じにくい印画物を得ることができる熱転写受像シートは見出されていない状況である。
本発明は、そのような点に着目してなされたもので、高速印画プリンタにおいても高い最高濃度が得られ、且つカールが生じにくい熱転写受像シートを提供することを目的としている。
本発明の一態様である熱転写受像シートは、基材の一方の面に、少なくとも断熱層と染料受容層を順に有してなる熱転写受像シートにおいて、前記断熱層が、樹脂と、内部に空隙を有さない球状の有機粒子を含有し、前記断熱層は前記樹脂と前記有機粒子で空隙構造を形成しており、前記断熱層の熱伝導率が0.06W/m・K以上0.18W/m・K以下であることを特徴とする。
また、本発明の他の一態様である熱転写受像シートは、前記有機粒子の平均粒径が3.0μm以下であることを特徴とする。
さらに本発明の他の一態様である熱転写受像シートは、前記樹脂のマルテンス硬さ(ISO14577)が、30N/mm以下であることを特徴とする。
本発明の態様によれば、高速印画プリンタにおいても高い最高濃度が得られ、且つカールが生じにくい熱転写受像シートを得ることが可能となる。
本発明に基づく実施形態に係る熱転写受像シートの側断面図である。
以下、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。図1は、本発明の熱転写受像シート1の模式図である。本発明の熱転写受像シート1は、少なくとも基材2、断熱層3、及び染料受容層4にて構成される。
本発明における基材2は、従来公知のもので対応でき、例えば、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、樹脂ラミネート紙などの紙類等を単独で、または組み合わされた複合体として、およびポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリアミド等の合成樹脂のフィルムが使用可能である。
基材2の厚さは、強度や耐熱性等を考慮して、25μm以上250μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは50μm以上200μm以下のものが好ましい。
染料受容層4は、従来公知のもので対応でき、少なくともバインダ樹脂と離型剤を含有する。
染料受容層4に用いられるバインダ樹脂としては、例えばポリビニルブチラール、ポリビニルアセトアセタール、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル共重合体、スチレン−アクリル共重合体、ポリブタジエン、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリカプロラクトン、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、あるいはこれらの変性樹脂等を挙げることができるが、特に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリル共重合体、ポリエステル系樹脂を用いることが好ましい。
染料受容層4に用いられる離型剤としては、例えばシリコーン系、フッ素系、リン酸エステル系といった各種オイルや、界面活性剤や、金属酸化物、シリカ等の各種フィラー、ワックス類等が使用できる。これらは単独、あるいは2種以上を混合しても良い。中でも、シリコーンオイルを使用することが好ましい。
染料受容層4の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲のものが使用可能であるが、より好ましくは0.2μm以上8μm以下程度のものが好ましい。また必要に応じて架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料、レベリング剤等、公知の添加剤を含有しても良い。
本発明の熱転写受像シート1は、断熱層3が、樹脂と、内部に空隙を有さない球状の有機粒子とを含有しており、かつ、断熱層3はこの樹脂と有機粒子とで空隙構造を形成しており、さらに断熱層3の熱伝導率が0.06W/m・K以上0.18W/m・K以下であるという特徴がある。
断熱層3が含有する樹脂と有機粒子で空隙構造を形成し、断熱層3の熱伝導率が0.06W/m・K以上0.18W/m・K以下とするには、有機粒子と樹脂の配合比を90:10〜60:40とする必要がある。その理由は、有機粒子と樹脂の配合比を90:10〜60:40とすることで、樹脂が有機粒子間を結着する効果が表れ、樹脂と有機粒子で空隙構造を形成するようになるからである。
なおここでの配合比とは、断熱層3における粒子と樹脂の固形分重量比で表す。
有機粒子の配合比が90:10より大きくなると、有機粒子に対して樹脂の割合が小さくなりすぎるため、熱伝導率が0.06W/m・Kより小さくなる。そのため断熱性が高くなり過ぎる。その結果、発色感度が高くなり過ぎるため、ニジミや尾引きといった不具合が発生してしまう。
更に、樹脂に対する有機粒子の比率が大きくなり過ぎると、断熱層3に凹凸が生じてしまい、そのため断熱層3に隣接する染料受容層4の表面においても凹凸が形成されて平滑面でなくなることから、染料受容層4に形成される画像において画像均一性が悪くなり、最高濃度も低下してしまう可能性がある。
また、有機粒子の配合比が60:40より小さくなると、有機粒子に対して樹脂の割合が大きくなりすぎるため、熱伝導率が0.18W/m・Kより大きくなる。そのため断熱性が低くなり過ぎ、高い最高濃度が得られなくなる。
断熱層3に含有される、内部に空隙を有さない球状の有機粒子としては、従来公知のもので対応でき、例えば、シリコーン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリスチレン粒子、ポリメチルメタクリレート樹脂粒子、ポリウレタン樹脂粒子、メラミン粒子、ベンゾグアナミン系粒子などを挙げることができる。また、該粒子は1種類でも2種以上を混ぜ合わせて使用してもよい。
有機粒子の平均粒径としては、3.0μm以下であることが好ましい。3.0μm以下とすることで、画像均一性により優れた印画物を得ることができるようになる。有機粒子の平均粒径が3.0μmより大きくなると、断熱層表面の凹凸が大きくなってしまい、その影響を受けて、上に積層塗布する染料受容層表面にも凹凸が形成されるため、実用上問題はないが、画像均一性には好ましくない。
なお粒子の平均粒径とは、公知のレーザー回折・散乱法による粒径測定装置を用いて測定したものとする。
前記樹脂としては、樹脂のマルテンス硬さ(ISO14577)は、30N/mm以下であることが好ましい。マルテンス硬さが30N/mm以下の樹脂としては、従来公知のもので対応できるが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体(MBR)、スチレン−ブタジエンアクリル系共重合体、天然ゴム(NR)、アクリレート系ラテックスなどの樹脂を、単独または2種類以上を混合して用いることができる。
マルテンス硬さが30N/mm以下の樹脂を用いることで、熱転写受像シートにクッション性を付与することができ、染料受容層表面の凹凸をプリンタの印圧にて平滑にすることで、画像均一性により優れた印画物を得ることができるようになる。マルテンス硬さが30N/mmより大きくなってしまうと、染料受容層4表面の凹凸をプリンタの印圧でも平滑にすることが難しくなり、実用上問題はないが、画像均一性には好ましくない。
断熱層3の厚さは、10μm以上60μm以下のものが使用可能であるが、より好ましくは20μm以上50μm以下のものが好ましい。また必要に応じて架橋剤や酸化防止剤、蛍光染料、レベリング剤等、公知の添加剤を含有しても良い。
本発明の熱転写受像シート1は、必要に応じて、基材2の断熱層3を設ける側とは反対側に、背面押出樹脂層、背面フィルム層、背面層、文字や図柄等を付与する印刷を設けても良く、その積層順等は適宜選択される。また、その際に使用される材料は、従来公知のもので対応できる。
基材2や断熱層3には接着性向上のため、必要に応じて従来公知の各種表面処理を施しても良い。例えばコロナ処理、易接着処理を施すことで、接着性を向上させることができる。
前記断熱層3や前記染料受容層4は、バーコート、ブレードコート、エアナイフコート、グラビアコート、ロールコート、ダイコート等の公知のウェットコーティング法によって、所定の塗工液を各層毎、あるいは2層以上を同時に塗工、乾燥して得ることができる。
以下に、本発明の各実施例および各比較例に用いた材料を示す。なお、文中で「部」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。また、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
基材として、両面にコロナ処理を施した、厚さ170μmの両面レジンコート紙を使用し、その一方の面に下記組成の断熱層塗布液1を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は75:25である。
その後、断熱層の上に、下記組成の染料受容層塗布液1を、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで、染料受容層を形成し、実施例1の熱転写受像シートを得た。
<断熱層塗布液1>
樹脂:スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体) 46.7部
(第一工業製薬(株)製、固形分38%)
有機粒子:アートパール J−6PF(アクリル粒子) 53.3部
(根上工業(株)製、平均粒径4.0μm、固形分100%)
<染料受容層塗布液1>
ビニブラン900(塩化ビニル−アクリルエマルジョン) 98.3部
(日信化学工業(株)製、固形分40%)
KF−6012(ポリエーテル変性シリコーン) 0.4部
(信越化学工業(株)製)
DNW−6000(イソシアネート系硬化剤) 1.3部
(DIC(株)製)
(実施例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、下記組成の断熱層塗布液2を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は90:10である。
<断熱層塗布液2>
樹脂:スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体) 22.6部
(第一工業製薬(株)製、固形分38%)
有機粒子:アートパール J−6PF(アクリル粒子) 77.4部
(根上工業(株)製、平均粒径4.0μm、固形分100%)
(実施例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液3を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は60:40である。
<断熱層塗布液3>
樹脂:スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体) 63.7部
(第一工業製薬(株)製、固形分38%)
有機粒子:アートパール J−6PF(アクリル粒子) 36.3部
(根上工業(株)製、平均粒径4.0μm、固形分100%)
(実施例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液4を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例4の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は75:25である。
<断熱層塗布液4>
樹脂:スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体) 46.7部
(第一工業製薬(株)製、固形分38%)
有機粒子:アートパール J−3PY(アクリル粒子) 53.3部
(根上工業(株)製、平均粒径1.1μm、固形分100%)
(実施例5)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液5を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は75:25である。
<断熱層塗布液5>
樹脂:Nipol LX430(SBR) 40.5部
(日本ゼオン(株)製、固形分49%)
有機粒子:アートパール J−6PF(アクリル粒子) 59.5部
(根上工業(株)製、平均粒径4.0μm、固形分100%)
(実施例6)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液6を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は75:25である。
<断熱層塗布液6>
樹脂:Nipol LX430(SBR) 40.5部
(日本ゼオン(株)製、固形分49%)
有機粒子:アートパール J−3PY(アクリル粒子) 59.5部
(根上工業(株)製、平均粒径1.1μm、固形分100%)
(実施例7)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液7を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は75:25である。
<断熱層塗布液7>
樹脂:Nipol LX430(SBR) 40.5部
(日本ゼオン(株)製、固形分49%)
有機粒子:エポスター MS(ベンゾグアナミン系粒子) 59.5部
((株)日本触媒製、平均粒径2.0μm、固形分100%)
(実施例8)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液8を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は75:25である。
<断熱層塗布液8>
樹脂:Nipol LX874(アクリレート系ラテックス) 42.6部
(日本ゼオン(株)製、固形分45%)
有機粒子:エポスター MS(ベンゾグアナミン系粒子) 57.4部
((株)日本触媒製、平均粒径2.0μm、固形分100%)
(比較例1)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液9を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は95:5である。
<断熱層塗布液9>
樹脂:スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体) 12.2部
(第一工業製薬(株)製、固形分38%)
有機粒子:アートパール J−6PF(アクリル粒子) 87.8部
(根上工業(株)製、平均粒径4.0μm、固形分100%)
(比較例2)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液10を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は55:45である。
<断熱層塗布液10>
樹脂:スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体) 68.3部
(第一工業製薬(株)製、固形分38%)
有機粒子:アートパール J−6PF(アクリル粒子) 31.7部
(根上工業(株)製、平均粒径4.0μm、固形分100%)
(比較例3)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液11を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例3の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の無機粒子と樹脂の配合比は75:25である。
<断熱層塗布液11>
樹脂:スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体) 46.7部
(第一工業製薬(株)製、固形分38%)
無機粒子:sicastar 43−08−103(シリカ粒子) 53.3部
(Micromod社製、平均粒径1.0μm、固形分100%)
(比較例4)
実施例1で作製した熱転写受像シートにおいて、断熱層塗布液12を、乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布、乾燥することで断熱層を形成した以外は、実施例1と同様にして、比較例4の熱転写受像シートを得た。なお、断熱層の有機粒子と樹脂の配合比は75:25である。
<断熱層塗布液12>
樹脂:スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体) 20.8部
(第一工業製薬(株)製、固形分38%)
有機粒子:MH8055(ラテックスの中空粒子) 79.2部
(日本ゼオン(株)製、平均粒径1.0μm、固形分30%)
(比較例5)
基材として、両面にコロナ処理を施した、厚さ170μmの両面レジンコート紙を使用し、その一方の面に、断熱層として厚さ30μmの発泡ポリプロピレンフィルム(エコネージュNW−2 三井化学東セロ製)をドライラミネートにて接着した。その後、発泡ポリプロピレンフィルムのレジンコート紙とは反対側に、染料受容層塗布液1を実施例1と同様に、乾燥後の厚みが3μmとなるように塗布、乾燥することで染料受容層を形成し、比較例5の熱転写受像シートを得た。
<断熱層の熱伝導率測定>
実施例1〜8、比較例1〜5の、熱転写受像シートに用いた断熱層の熱伝導率を、Dyn TIM(メンター・グラフィックス社製)を用いて、定常法にて測定した。
<マルテンス硬さ測定>
実施例1〜8、比較例1〜5の、熱転写受像シート表面のマルテンス硬さを、ピコデンターHM500(フィッシャー社製)にて測定した。
<熱転写記録媒体の作製>
基材として、4.5μmの片面易接着処理付きポリエチレンテレフタレートフィルムを使用し、その非易接着処理面に下記組成の耐熱滑性層塗布液を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥し、耐熱滑性層付き基材を得た。次に、耐熱滑性層付き基材の易接着処理面に、下記組成の熱転写層塗布液1〜3を、乾燥後の塗布量が1.0g/mとなるように塗布、乾燥して熱転写層を形成し、熱転写記録媒体を得た。
<耐熱滑性層塗布液>
シリコーン系アクリルグラフトポリマー 50.0部
(東亜合成(株)US−350)
メチルエチルケトン 50.0部
<熱転写層塗布液1>
C.I.ディスパースイエロー231 2.5部
C.I.ソルベントイエロー93 2.5部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
<熱転写層塗布液2>
C.I.ディスパースレッド343 4.5部
C.I.ディスパースバイオレット26 2.0部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 29.5部
メチルエチルケトン 59.0部
<熱転写層塗布液3>
C.I.ソルベントブルー36 2.5部
C.I.ソルベントブルー63 2.5部
ポリビニルアセタール樹脂 5.0部
トルエン 45.0部
メチルエチルケトン 45.0部
実施例1〜8、比較例1〜5の熱転写受像シート及び熱転写記録媒体を使用し、解像度が300×300DPIの高速印画サーマルプリンタ(2.0msec/line)にて
0から255階調までを5階調刻みのカラーパッチ画像の印画を行い、濃度の評価を行った。またグレーベタ画像の印画を行い、画像均一性の評価を行った。
<最高濃度の評価>
カラーパッチ画像の最高濃度に該当するパッチを、X−rite528のステータスAにて反射濃度の測定を行った。なお、最高濃度の評価は以下の基準で実施した。
○:ODが2.0以上である
×:ODが2.0未満である
<画像均一性の評価>
グレーベタ画像を、目視にて評価を行った。なお、画像均一性の評価は以下の基準で実施した。
◎:印画物の濃度が均一であり、画質に非常に優れている
○:印画物に若干ムラが確認できるが、実用上問題がない
×:印画物に濃淡ムラが発生し、実用上問題がある
<ニジミの評価>
実施例1〜8、比較例1〜5の熱転写受像シート及び熱転写記録媒体を使用し、解像度が300×300DPIの高速印画サーマルプリンタ(2.0msec/line)にて最高階調の線が3本、それぞれ副走査方向に2ドットの間隔を空けて並んでいる画像の印画を行い、ニジミの度合いを目視評価した。なお、ニジミの評価は以下の基準で実施した。
○:にじみは見られなかった
×:にじみが見られ、実用上問題あり
<カールの評価>
実施例1〜8、比較例1〜5の熱転写受像シートを用いて印画し、カールの測定を行った。なお、カールの評価は以下の基準で実施し、実用上問題とならないカールは20mm以内とした。
○:印画物に、実用上問題となるカールが発生していない。
×:印画物に、実用上問題となるカールが発生している。
Figure 2020196156
表1に示す結果から分かるように、実施例1〜3の熱転写受像シートは、断熱層の熱伝導率を0.06W/m・K以上0.18W/m・K以下とし、樹脂と有機粒子で空隙構造を形成することで、高速印画プリンタにおいても高い最高濃度が得られ、且つカールが生じにくい熱転写受像シートを作製でき、本発明による効果が確認できた。
また、実施例4〜6の熱転写受像シートでは、断熱層に含有される有機粒子の平均粒径を3.0μm以下とすること、及び/または樹脂のマルテンス硬さを30N/mm以下とすることで、画像均一性にも非常に優れた熱転写受像シートを作製でき、本発明による効果が確認できた。
更に実施例7、8の熱転写受像シートでは、有機粒子の種類及び樹脂の種類を変更したが、高速印画プリンタにおいても高い最高濃度が得られ、且つカールが生じにくく、画像均一性にも非常に優れた熱転写受像シートを作製でき、本発明による効果が確認できた。
これに対して比較例1の熱転写受像シートは、断熱層の熱伝導率が0.04W/m・Kとなることで、断熱性が高くなり過ぎた結果、発色感度が高くなり、ニジミが発生してしまった。更に、樹脂に対する有機粒子の比率が大きくなり過ぎた結果、染料受容層表面においても凹凸が形成され、画像均一性も悪く、最高濃度も低下してしまった。
比較例2の熱転写受像シートは、断熱層の熱伝導率が0.22W/m・Kとなることで、断熱性が低くなり過ぎ、高い最高濃度が得られなくなってしまった。
比較例3の熱転写受像シートは、断熱層に熱伝導率が大きい無機粒子であるシリカ粒子を用いたことで、断熱層の熱伝導率が0.20W/m・Kとなり、断熱性が低くなり過ぎて、高い最高濃度が得られなくなってしまった。
比較例4の熱転写受像シートは、断熱層に中空粒子を用いたことで、イエロー、マゼンタ、シアンと印画が進むにつれて、断熱層に含有されている中空粒子が、印画時の熱と圧力によって潰れてしまい、転写濃度が低くなってしまうことがわかった。
比較例5の熱転写受像シートは、断熱層に発泡ポリプロピレンフィルムを用いたことで、印画時にプリンタのサーマルヘッドからの熱によって、発泡ポリプロピレンフィルムの延伸時の残留応力によって、実用上問題となるカールが発生してしまった。
本発明に基づき得られる熱転写受像シートは、昇華転写方式のプリンタに使用することができ、プリンタの高速・高機能化と併せて、各種画像を簡便にフルカラーで形成できるため、デジタルカメラのセルフプリント、身分証明書などのカード類、アミューズメント用出力物等に広く利用できる。
1:熱転写受像シート
2:基材
3:断熱層
4:染料受容層

Claims (3)

  1. 基材の一方の面に、少なくとも断熱層と染料受容層を順に有してなる熱転写受像シートにおいて、前記断熱層が、樹脂と、内部に空隙を有さない球状の有機粒子を含有し、前記断熱層は前記樹脂と前記有機粒子で空隙構造を形成しており、前記断熱層の熱伝導率が0.06W/m・K以上0.18W/m・K以下であることを特徴とする熱転写受像シート。
  2. 前記有機粒子の平均粒径が、3.0μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 前記樹脂のマルテンス硬さ(ISO14577)が30N/mm以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の熱転写受像シート。
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