JP2020195936A - インクジェットノズルヘッド及び塗布装置 - Google Patents
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Abstract
Description
そのような課題に対し、噴霧幅の狭いインクジェットノズルを用いることにより、マスキング処理を行わずに境界線を出す方法が注目されている。
また、一走査でのパターン幅を稼ぐために一走査の長さ寸法を大きくすると、走査の際にノズルヘッドがワークに干渉するという課題があった。
したがって、本発明に係るインクジェットノズルヘッドを用いることにより、走査長が短くても、少ない走査回数で所望のパターン幅とパターン厚とを得ることができ、ワークに干渉することなく効率的に塗布を行うことができる。
このような構成の塗布装置を用いることにより前記インクジェットノズルヘッドの構成を活かした走査を行うことができ、ワークに干渉することなく少ない走査回数で所望のパターン幅とパターン厚とを得ることができる。
図1に示す塗布装置1は、インクジェットノズルヘッド10と、これを先端に取り付けたロボットアーム2と、ロボットアーム2を駆動制御するロボットコントローラ3とを備える。ロボットアーム2は、6軸の多関節ロボットであり、ワークが曲面であっても、ワークに対し常に所定の距離にインクジェットノズルヘッド10を配置することができるようになっている。また、インクジェットノズルヘッド10は、ロボットアーム2によってワークに対し平行方向に移動しながら塗布(走査)を行うことが可能となされている。
また、マニホールド4の分岐点側には、1本のホース12の一端が接続され、ホース12の他端は、塗料を切り替えるカラーチェンジバルブ5に接続されている。
また、塗料循環供給装置6に対してはエア盤7によってバルブへの加圧制御がなされるように構成されている。
前記インクジェットコントローラ8と前記ロボットコントローラ3とは、塗装条件が設定されるPC(パーソナルコンピュータ)9において実行されるプログラムによって動作制御されるように構成されている。
図2に示すようにインクジェットノズルヘッド10は、前面に複数の吐出口20(20a〜20m)が形成された直方体状のヘッドアレイ15と、ヘッドアレイ15の後面側に装着される複数(13個)のノズル本体17(17a〜17m)と、ヘッドアレイ15に対しノズル本体17を後方より押さえて固定するためのコ字状のノズルストッパ18とを備える。
また、ヘッドアレイ15下面には、4つの排出用ジョイント19a〜19dが設けられ、ホース11e〜11hが連結可能となっている。
尚、塗色を変更する際には、排出用ジョイント19から洗浄液(シンナー)を供給することで、ヘッドアレイ15、マニホールド4、カラーチェンジバルブ5、及びそれらを繋ぐホース内の洗浄を行うことができる構成とされている。
図3に示すようにヘッドアレイ15は、複数の部材により構成され、具体的には上から下の順に、アッパー部15aと、アッパー用第1ガスケット(シール部材)15bと、アッパー用第2ガスケット(シール部材)15cと、センター部15dと、アンダー用第2ガスケット(シール部材)15eと、アンダー用第1ガスケット(シール部材)15fと、アンダー部15gとに分割されている。
即ち、上下面に貫通し、前記連通孔15a1に連通する連通孔15b1と、前記連通孔15a2に連通する連通孔15b2と、前記連通孔15a3に連通する連通孔15b3と、前記連通孔15a4に連通する連通孔15b4とが形成されている。
即ち、センター部15dには、前記連通孔15a1及び15b1に連通する塗料流路15d1と、前記連通孔15a2及び15b2に連通する塗料流路15d2と、前記連通孔15a3及び15b3に連通する塗料流路15d3と、前記連通孔15a4及び15b4に連通する塗料流路15d4とが形成されている。
図示するように前記塗料流路15d1は、分岐しない1系統の流路であり、塗料流路15d2〜15c4は、それぞれ4方に分岐する4系統の流路である。
前記吐出口20mはノズル本体17m(ノズル孔N13)に対応しており、前記ノズル本体17mの先端側(後述の塗料供給口30)は、前記塗料流路15d1の先端側に連通している。
また、吐出口20i〜20lはノズル本体17i〜17l(ノズル孔N9〜N12)に対応しており、前記ノズル本体17i〜17lの先端側(塗料供給口30)は、それぞれ前記塗料流路15d2の分岐先端側に連通している。
また、吐出口20a〜20dはノズル本体17a〜17d(ノズル孔N1〜N4)に対応しており、前記ノズル本体17a〜17dの先端側(塗料供給口30)は、それぞれ前記塗料流路15d4の分岐先端側に連通している。
即ち、ホースジョイント16a、16b、16c、16dに供給された塗料はそれぞれに対応する塗料流路を流れて対応する各ノズル本体17の先端側に形成された後述の塗料供給口30に所定圧をもって供給されるように構成されている。
このように塗料流路を4つに分ける理由は、走査における吐出量をグループ単位で管理することを可能とするためである。
また、塗料流路15d1が独立した流路であるのは、吐出口20mからの塗料の吐出が、境界線部分の塗装のみに用いられ、複数走査を行う場合には、2回目の走査以降は吐出口20mからの吐出を行わないためである。
図示しないが、前記センター部15dの下面側は、装着される複数のノズル本体17a〜17mの先端側にそれぞれ形成された後述の塗料排出口32が配置されるように形成されており、前記複数の塗料排出口32から排出される塗料を塗料流路ごとに1点に回収するための合流孔が計4つ形成されている。
アンダー用第1ガスケット15fには、前記4つの合流孔にそれぞれ連通する連通孔15f1〜15f4が上下に貫通して形成されている。
前記連通孔15g1〜15g4には、図2に示した排出用ジョイント19a〜19dが接続されて連通するようになっている。
ノズル本体17は、前面に設けられたノズル孔Nと、ノズル孔Nに塗料を供給する塗料室21と、塗料室21において先端にてノズル孔Nを閉鎖または開放するニードル弁22と、ニードル弁22の後方に配置される可動鉄心23とを備える。
更にノズル本体17は、前記可動鉄心23に対向しバネ材26を介して設けられる固定鉄心24と、磁力により前記可動鉄心23をノズル軸方向に沿って移動させる電磁ソレノイド25とを備える。
一方、電磁ソレノイド25に電流を流すと、固定鉄心24に可動鉄心23が吸着され、それによりニードル弁22が後方に下がってノズル孔Nが開かれ、圧力Pにより塗料が吐出されることになる。
ロボットコントローラ3によるロボットアーム2の駆動制御と、インクジェットコントローラ8によるインク本体17の駆動制御を同期させ、インクジェットノズルヘッド10を図示する矢印方向に走査した場合、ノズル孔N1からノズル孔N13まで所定の線幅(本実施形態では0.5mmとする)で塗布がなされる。
このとき直前の走査による塗布面の上に走査方向に直交する方向(パターン幅方向)に所定のオフセット寸法(本実施形態では1.5mm)を空けて走査を行い、その際に前記オフセット寸法に基づきノズル孔N1〜N12の吐出量に差をつけることで、均一な膜厚で幅広のパターンを形成することができる(2回目以降の走査ではノズル孔N13からの吐出は不要)。
また、パターン幅(塗布幅)1.5mm〜3mmまでを形成するノズル孔N1〜N6からの吐出量は8μm/走査であるため、塗布膜の厚さは略8μmとなる。
尚、複数の走査を行った後、最終走査による塗布膜の端部は、図示するように(図では4回目の端部)、膜厚が目標値に満たないが、そこはインクジェットノズルヘッド10による塗布処理ではなく、スプレーガンによる塗布処理で塗布膜を重ねて形成すればよい。
また、複数のノズル孔を配列方向に沿ってグループ分けし、グループ毎に塗料流路を纏めることにより、グループ単位で吐出量を制御することができ、それによりパターン幅方向に所定のピッチを空けながら複数回走査を行う場合に、膜厚を均一にすることができる。
したがって、本発明に係るインクジェットノズルヘッドを用いることにより、走査長が短くても、少ない走査回数で所望のパターン幅とパターン厚とを得ることができ、ワークに干渉することなく効率的に塗布を行うことができる。
また、前記実施の形態においては、一列に配置された複数のノズル孔Nのうち、一端側の2つのノズル孔Nは、走査方向に平行な直線に沿って配置したが、本発明にあっては、この例に限定されるものではなく、配列された複数のノズル孔の一端側において3つ以上のノズル孔を走査方向に平行な直線に沿って配置してもよい。
2 ロボットアーム
3 ロボットコントローラ(ロボット制御部)
4 マニホールド(塗料供給手段)
5 カラーチェンジバルブ(塗料供給手段)
6 塗料循環供給装置(塗料供給手段)
7 エア盤(塗料供給手段)
8 インクジェットコントローラ(ノズル制御部)
9 PC
10 インクジェットノズルヘッド
11 ホース
12 ホース
13 ホース
14 ホース
15 ノズルアレイ
15d1 塗料流路
15d2 塗料流路
15d3 塗料流路
15d4 塗料流路
20 吐出口
N ノズル孔
Claims (3)
- 所定方向に走査されながら、所定の圧力で供給された塗料を吐出するインクジェットノズルヘッドであって、
それぞれノズル孔が形成された複数のノズル本体と、
前記複数のノズル本体のノズル孔が配置され、前記複数のノズル孔を走査方向に対し所定角度傾斜した直線に沿って配列可能な複数の吐出口と、前記複数のノズル本体に塗料を供給するための塗料流路とを有するノズルアレイと、を備え、
前記ノズルアレイが有する複数のノズル孔は、隣り合うノズル孔間において、走査方向の直交方向に各ノズル孔による塗布線幅が一部重なるように配置されていることを特徴とするインクジェットノズルヘッド。 - 前記複数のノズル孔を走査方向に対し所定角度傾斜した直線に沿って配列可能な複数の吐出口の一端側に、前記ノズル本体のノズル孔が配置され、走査方向に平行な直線に沿って配列された少なくとも2つの吐出口を備えることを特徴とする請求項1に記載されたインクジェットノズルヘッド。
- 前記請求項1または請求項2に記載されたインクジェットノズルヘッドを備える塗布装置であって、
前記インクジェットノズルヘッドに塗料を供給する塗料供給手段と、
前記インクジェットノズルヘッドを取付けたロボットアームと、
前記インクジェットノズルヘッドを走査させるために前記ロボットアームを駆動制御するロボット制御部と、
走査の際、前記インクジェットノズルヘッドが有するノズル本体の駆動制御を行うノズル制御部と、を備え、
前記ロボット制御部は、前記インクジェットノズルヘッドを複数回往復走査するとともに、該往復走査の際、パターン幅方向に所定のオフセット寸法をもたせることを特徴とする塗布装置。
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