JP2020194638A - 非水電解液及びそれを用いた蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
また、リチウム電池の負極としては、リチウム金属、リチウムを吸蔵及び放出可能な金属化合物(金属単体、金属酸化物、リチウムとの合金等)、炭素材料等が知られている。特に、炭素材料のうち、例えばコークス、黒鉛(人造黒鉛、天然黒鉛)等のリチウムを吸蔵及び放出することが可能な炭素材料を用いたリチウム電池が広く実用化されている。コークスや黒鉛等の炭素材料はリチウム金属と同等の極めて卑な電位でリチウムと電子を貯蔵・放出するために、多くの溶媒が還元分解を受ける可能性を有している。負極上で電解液中の溶媒が還元分解すると、分解物の沈着や、ガス発生により、リチウムイオンの移動が妨げられ、高温保存特性等の電池特性を低下させる問題がある。
リチウム電池の正極としては、リチウムを吸蔵及び放出可能な、コバルト、マンガン、及びニッケルからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。正極活物質中の重金属は、高温充電保存時に電解液中に溶出する場合がある。溶出した金属が負極上に再析出すると、電池容量の劣化や非水電解液の分解による発生ガス量及び抵抗の増大などの問題が生じ、大きな課題である。
本発明の非水電解液は、非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、三フッ化ホウ素化合物及び五フッ化リンから1種以上のルイス酸と、モノフルオロリン酸塩とを反応させてなる錯体塩を少なくとも1種含有することを特徴とする。
本発明の非水電解液に含まれる錯体塩は、上記のとおり、三フッ化ホウ素化合物及び五フッ化リンから選ばれる1種以上のルイス酸とモノフルオロリン酸アニオン、及びモノフルオロリン酸アニオン1モルに対して1モル以上のカチオンから構成される錯体塩化合物である。錯体塩は、ルイス酸に対してモノフルオロリン酸ジアニオンが配位することにより、ルイス酸による悪影響なく正極に作用し、電解液の分解を抑制する。更にモノフルオロリン酸ジアニオン部分構造体は電極上の活性点に素早く反応するため、リチウムイオンの透過を妨げない強固な電極被膜を形成するとともに分子内に多くのカチオンを有するためリチウム透過性を更に高められていると考えられる。このためジフルオロリン酸アニオンとルイス酸からなる先行文献1の化合物では達成できない高温保存特性、特に抵抗上昇抑制を発現することができたと考えられる。
まず本明細書において、「溶媒」とは溶質を溶解するための物質を示す。
本発明の非水電解液に使用される非水溶媒としては、環状カーボネート、鎖状エステル、ラクトン、エーテル及びアミドから選ばれる1種又は2種以上が好適に挙げられる。高温での電気化学特性が相乗的に向上するため、鎖状エステルが含まれることが好ましく、鎖状カーボネートが含まれることがより好ましく、環状カーボネートと鎖状カーボネートの両方が含まれることが特に好ましい。
さらに、「鎖状カーボネート」とは炭酸直鎖アルキル化合物であるものと定義する。
その他の添加剤の具体例としては、以下の(A)〜(J)の化合物が挙げられる。
前記リチウム塩の具体例としては、リチウム ビス(オキサラト)ボレート〔LiBOB〕、リチウム ジフルオロ(オキサラト)ボレート〔LiDFOB〕、リチウム テトラフルオロ(オキサラト)ホスフェート〔LiTFOP〕及びリチウム ジフルオロビス(オキサラト)ホスフェート〔LiDFOP〕から選ばれる少なくとも1種のシュウ酸骨格を有するリチウム塩、LiPO2F2やLi2PO3F等のリン酸骨格を有するリチウム塩、リチウム トリフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ボレート〔LiTFMSB〕、リチウム ペンタフルオロ((メタンスルホニル)オキシ)ホスフェート〔LiPFMSP〕、リチウム メチルサルフェート〔LMS〕、リチウムエチルサルフェート〔LES〕、リチウム 2,2,2−トリフルオロエチルサルフェート〔LFES〕及びFSO3Liから選ばれる1種以上のS=O基を有するリチウム塩が好適に挙げられ、LiBOB、LiDFOB、LiTFOP、LiDFOP、LiPO2F2、LiTFMSB、LMS、LES、LFES及びFSO3Liから選ばれるリチウム塩を含むことがより好ましい。
本発明に使用される電解質塩としては、下記のリチウム塩が好適に挙げられる。
リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4等の無機リチウム塩、LiN(SO2F)2〔LiFSI〕、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiCF3SO3、LiC(SO2CF3)3、LiPF4(CF3)2、LiPF3(C2F5)3、LiPF3(CF3)3、LiPF3(iso−C3F7)3、LiPF5(iso−C3F7)等の鎖状のフッ化アルキル基を含有するリチウム塩や、(CF2)2(SO2)2NLi、(CF2)3(SO2)2NLi等の環状のフッ化アルキレン鎖を有するリチウム塩等が好適に挙げられ、これらの中から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩が好適に挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用することができる。
これらの中でも、LiPF6、LiBF4、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2及びLiN(SO2F)2〔LiFSI〕から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、LiPF6を用いることがもっとも好ましい。電解質塩のそれぞれの濃度は、前記の非水電解液全量に対して、通常4質量%以上であることが好ましく、9質量%以上がより好ましく、13質量%以上が更に好ましい。またその上限は、非水電解液全量に対して28質量%以下であることが好ましく、23質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。
また、これらの電解質塩の好適な組み合わせとしては、LiPF6を含み、更にLiBF4、LiN(SO2CF3)2及びLiN(SO2F)2〔LiFSI〕から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩が非水電解液中に含まれている場合が好ましく、LiPF6以外のリチウム塩が非水電解液全量に占めるそれぞれの割合は、0.01質量%以上であると、高温充電保存特性性を向上させると共に、抵抗上昇の抑制効果も高まる。非水電解液全量に対して10質量%以下であると高温充電保存特性が低下する懸念が少ないので好ましい。好ましくは0.1質量%以上、特に好ましくは非水電解液全量に対して0.3質量%以上、最も好ましくは0.46質量%以上である。その上限は、好ましくは11質量%以下、さらに好ましくは9質量%以下、特に好ましくは6質量%以下である。
本発明の非水電解液は、例えば、前記の非水溶媒を混合し、これに前記の電解質塩及び該非水溶媒に対して前記三フッ化ホウ素化合物及び五フッ化リンから選ばれる1種以上のルイス酸とモノフルオロリン酸塩を配合されてなる錯体塩を添加することにより得ることができる。
この際、用いる非水溶媒及び非水電解液に加える化合物は、生産性を著しく低下させない範囲内で、予め精製して、不純物が極力少ないものを用いることが好ましい。
本発明の第1の蓄電デバイスであるリチウム二次電池は、正極、負極及び非水溶媒に電解質塩が溶解されている前記非水電解液からなる。非水電解液以外の正極、負極等の構成部材は特に制限なく使用できる。
例えば、リチウム二次電池用正極活物質としては、コバルト、マンガン及びニッケルからなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有するリチウムとの複合金属酸化物が使用される。これらの正極活物質は、1種単独で用いるか又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiCo1−xMxO2(但し、MはSn、Mg、Fe、Ti、Al、Zr、Cr、V、Ga、Zn及びCuから選ばれる1種又は2種以上の元素、0.001≦x≦0.05)、LiMn2O4、LiNiO2、LiCo1−xNixO2(0.01<x<1)、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3O2、LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2、LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2、LiNi0.8Co0.15Al0.05O2、Li2MnO3とLiMO2(Mは、Co、Ni、Mn、Fe等の遷移金属)との固溶体及びLiNi1/2Mn3/2O4から選ばれる1種以上が好適に挙げられ、2種以上がより好適である。また、LiCoO2とLiMn2O4、LiCoO2とLiNiO2、LiMn2O4とLiNiO2のように併用してもよい。
これらのリチウム含有オリビン型リン酸塩の一部は他元素で置換してもよく、鉄、コバルト、ニッケル、マンガンの一部をCo、Mn、Ni、Mg、Al、B、Ti、V、Nb、Cu、Zn、Mo、Ca、Sr、W及びZr等から選ばれる1種以上の元素での置換が可能であり、またはこれらの他元素を含有する化合物や炭素材料で被覆することもできる。これらの中では、LiFePO4またはLiMnPO4が好ましい。
また、リチウム含有オリビン型リン酸塩は、例えば前記の正極活物質と混合して用いることもできる。
正極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.5g/cm3以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは2g/cm3以上であり、より好ましくは、3g/cm3以上であり、更に好ましくは、3.6g/cm3以上である。なお、上限としては、4g/cm3以下が好ましい。
これらの中では、リチウムイオンの吸蔵及び放出能力において、人造黒鉛や天然黒鉛等の高結晶性の炭素材料を使用することが更に好ましく、格子面(002)の面間隔(d002)が0.340nm以下、特に0.335〜0.337nmである黒鉛型結晶構造を有する炭素材料を使用することが特に好ましい。
複数の扁平状の黒鉛質微粒子が互いに非平行に集合或いは結合した塊状構造を有する人造黒鉛粒子や、例えば鱗片状天然黒鉛粒子に圧縮力、摩擦力、剪断力等の機械的作用を繰り返し与え、球形化処理を施した黒鉛粒子を用いることにより、負極の集電体を除く部分の密度を1.5g/cm3以上の密度に加圧成形したときの負極シートのX線回折測定から得られる黒鉛結晶の(110)面のピーク強度I(110)と(004)面のピーク強度I(004)の比I(110)/I(004)が0.01以上となると一段と正極活物質からの金属溶出量の改善と、充電保存特性が向上するので好ましく、0.05以上となることがより好ましく、0.1以上となることが更に好ましい。また、過度に処理し過ぎて結晶性が低下し電池の放電容量が低下する場合があるので、上限は0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。
また、高結晶性の炭素材料(コア材)はコア材よりも低結晶性の炭素材料によって被膜されていると、高温充電保存特性が一段と良好となるので好ましい。被覆の炭素材料の結晶性は、TEMにより確認することができる。
高結晶性の炭素材料を使用すると、充電時において非水電解液と反応し、界面抵抗の増加によって高温充電保存特性を低下させる傾向があるが、本発明に係るリチウム二次電池では高温充電保存特性が良好となる。
負極の集電体を除く部分の密度は、通常は1.1g/cm3以上であり、電池の容量をさらに高めるため、好ましくは1.5g/cm3以上であり、特に好ましくは1.7g/cm3以上である。なお、上限としては、2g/cm3以下が好ましい。
電池用セパレータとしては、特に制限はされないが、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィンの単層または積層の微多孔性フィルム、織布、不織布等を使用できる。
第2の蓄電デバイスは、電解液と電極界面の電気二重層容量を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。本発明の一例は、電気二重層キャパシタである。この蓄電デバイスに用いられる最も典型的な電極活物質は、活性炭である。二重層容量は概ね表面積に比例して増加する。
第3の蓄電デバイスは、電極のドープ/脱ドープ反応を利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。この蓄電デバイスに用いられる電極活物質として、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化タングステン、酸化モリブデン、酸化銅等の金属酸化物や、ポリアセン、ポリチオフェン誘導体等のπ共役高分子が挙げられる。これらの電極活物質を用いたキャパシタは、電極のドープ/脱ドープ反応にともなうエネルギー貯蔵が可能である。
第4の蓄電デバイスは、負極であるグラファイト等の炭素材料へのリチウムイオンのインターカレーションを利用してエネルギーを貯蔵する蓄電デバイスである。リチウムイオンキャパシタ(LIC)と呼ばれる。正極は、例えば活性炭電極と電解液との間の電気ニ重層を利用したものや、π共役高分子電極のドープ/脱ドープ反応を利用したもの等が挙げられる。電解液には少なくともLiPF6などのリチウム塩が含まれる。
撹拌子を入れた500mlのPFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂、以下同じ)製反応器にて、モノフルオロリン酸ジリチウム(15.0g、0.134mol)と、別途三フッ化ホウ素ガスと炭酸ジメチルから調製した三フッ化ホウ素の炭酸ジメチル錯体(40.2%、45.2g、0.268mol)と炭酸ジメチル(63.1g)とを混合し室温で終夜撹拌することで、反応液を得た。得られた反応液を19F−NMRにて分析した。分析結果は下記のとおりである。
19F−NMR(ベンゾトリフルオリド=−63.8ppm)δ:−75.0〜−81.0ppm(m)、δ:−143〜−148ppm(m)、δ:−149〜152ppm(m)、δ:−156〜−158ppm(m)。また、これらのピークのピーク面積の積分比は、1:0.9:2.9:2.8であった。
撹拌子を入れた500mlのPFA製反応器にて、モノフルオロリン酸ジナトリウム(21.6g、0.150mol)と、別途三フッ化ホウ素ガスと炭酸ジエチルから調製した三フッ化ホウ素の炭酸ジエチル錯体(36.2%、56.1g、0.300mol)と炭酸ジエチル(132.2g)とを混合し室温で終夜撹拌することで、反応液を得た。得られた反応液中の不溶解分をPTFEメンブレンフィルター(アドバンテック社製、孔径:1.0μm)でろ別し、ろ液を19F−NMRにて分析した。分析結果は下記のとおりである。
19F−NMR(ベンゾトリフルオリド=−63.8ppm)δ:−74.0〜−81.0ppm(m)、δ:−146〜−149ppm(m)、δ:−151〜154ppm(m)、δ:−159〜−160ppm(m)。また、これらのピークのピーク面積の積分比は、1:1.1:1.0:0.2であった。
LiNi0.5Mn0.3Co0.2O2(正極活物質);90質量%、炭素系導電剤;6質量%、を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);4質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、正極合剤ペーストを調製した。この正極合剤ペーストをアルミニウム箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、矩形の正極シートを作製した。また、天然黒鉛(負極活物質);98質量%と、カルボキシメチルセルロース(増粘剤);1質量%、スチレンブタジエンゴム(結着剤);1質量%を水に溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上の片面に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製した。そして、正極シート、微多孔性ポリエチレンフィルム製セパレータ、負極シートの順に積層し、表1に記載の組成の非水電解液を加えて、ラミネート型電池を作製した。
ただし、表中の非水電解液の組成は、錯体塩を除いた組成である。また、電解質塩の濃度の単位Mはmol/Lを示す。
ちなみに、実施例1の錯体塩を除いた非水電解液の質量比で示した組成は、ECが30.03質量%、MECが22.98質量%、DMCが32.49質量%、LiPF6が14.50質量%となる。
上記の方法で作製した電池を用いて45℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.7Vで3サイクル充放電を行った。前記3サイクルの充放電までを当明細書では前処理と定義する。25℃の恒温槽中、0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧4.3Vで7時間充電を行い、60℃の恒温槽中で60日間静置した後、25℃の恒温槽中で0.2Cの定電流下終止電圧2.7Vまで放電した。前記25℃条件下での0.2Cの定電流及び定電圧で充電終止電圧4.3Vで7時間充電から60℃での静置、25℃条件の放電までを当明細書では高温充電保存試験と定義し、高温充電保存試験前後の交流抵抗値の測定を行った。高温充電保存前及び高温充電保存後の交流抵抗値(電極界面抵抗値)を表1に示す。
交流抵抗は高温保存試験前後に充電率50%、0℃の恒温槽中で100mHzの交流インピーダンスの実部の抵抗値を測定した。それぞれの値は比較例1で測定した値を100%としたときの相対値である。
実施例1で用いた負極活物質に変えて、チタン酸リチウムLi4Ti5O12(負極活物質)を用いて、負極シートを作製した。チタン酸リチウムLi4Ti5O12;80質量%、アセチレンブラック(導電剤);15質量%を混合し、予めポリフッ化ビニリデン(結着剤);5質量%を1−メチル−2−ピロリドンに溶解させておいた溶液に加えて混合し、負極合剤ペーストを調製した。この負極合剤ペーストを銅箔(集電体)上に塗布し、乾燥、加圧処理して所定の大きさに裁断し、負極シートを作製したこと、電池評価の際の充電終止電圧を2.8V、放電終止電圧を1.2Vとしたこと、非水電解液の組成を所定のものに変えたことの他は、実施例1と同様にラミネート電池を作製し、電池評価を行った。結果を表2に示す。高温充電保存前及び高温充電保存後の交流抵抗値は比較例3で測定した値を100%としたときの相対値である。
以上より、本願発明の蓄電デバイスを、高電圧で使用した場合の効果は、非水電解液中に、本願の化合物を含有する場合に特有の効果であることが判明した。
Claims (7)
- 非水溶媒に電解質塩が溶解されている非水電解液において、三フッ化ホウ素化合物及び五フッ化リンから選ばれる1種以上のルイス酸と、モノフルオロリン酸塩とを反応させてなる錯体塩を少なくとも1種含有する蓄電デバイス用非水電解液。
- 前記錯体塩が、19F−NMR測定により得られるNMRチャートにおいて、化学シフト値−74〜−81ppm、−143〜−149ppm、−148〜−154ppm、及び−155〜−160ppmにピークを有する請求項1に記載の非水電解液。
- 前記錯体塩の、19F−NMR測定により得られるNMRチャートにおける、化学シフト値−74〜−81ppm、−143〜−149ppm、−148〜−154ppm、−155〜−160ppmのピーク面積の積分比が、1:0.5〜5.0:0.5〜5:0.1〜5である請求項1〜2のいずれかに記載の非水電解液。
- 前記モノフルオロリン酸塩が、モノフルオロリン酸ジリチウム及びモノフルオロリン酸ジナトリウムから選ばれる1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液。
- 前記錯体塩の濃度が、0.01〜10質量%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解液。
- 正極、負極及び非水電解液を備える蓄電デバイスであって、前記非水電解液が、請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解液である、蓄電デバイス。
- 前記負極に含まれる負極活物質がリチウムを吸蔵及び放出可能なチタン原子を含有する金属酸化物である請求項6に記載の蓄電デバイス。
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