JP2020193385A - 真空成膜装置と真空成膜方法 - Google Patents
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巻出ロールに巻回された長尺樹脂フィルムを巻き出す巻出室と、巻出室から供給された長尺樹脂フィルムの第一面側に第一金属膜を成膜する第一成膜室と、長尺樹脂フィルムの第二面側に第二金属膜を成膜する第二成膜室と、第一金属膜と第二金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムを巻取ロールに巻き取る巻取室とを備え、上記第一成膜室と第二成膜室が、ロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムを外周面に巻き付けて冷却する回転駆動の第一冷却キャンロールおよび第二冷却キャンロールと、これ等冷却キャンロールの外周面に沿って配置された熱負荷を伴う第一成膜手段および第二成膜手段を有する真空成膜装置において、
上記巻出室と第一成膜室との間に、搬送中における長尺樹脂フィルムの第二面側に第一保護フィルムを重合させて第一冷却キャンロールと長尺樹脂フィルムの第二面との間に第一保護フィルムを介在させる保護フィルム重合室が設けられ、かつ、上記第一成膜室と第二成膜室との間に、第一面側に第一金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムの該第一金属膜側に第二保護フィルムを重合させて第二冷却キャンロールと長尺樹脂フィルムの第一金属膜との間に第二保護フィルムを介在させると共に、長尺樹脂フィルムの第二面側に重合された上記第一保護フィルムを分離して長尺樹脂フィルムの第二面を第二成膜手段側に露出させる保護フィルム重合並びに分離室が設けられていることを特徴とする。
第1の発明に記載の真空成膜装置において、
上記保護フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、ポリイミド、トリアセテートの単体若しくはこれ等を貼り合わせた複合体で構成されることを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明に記載の真空成膜装置において、
熱負荷を伴う上記成膜手段が、マグネトロンスパッタリングであることを特徴とする。
巻出ロールに巻回された長尺樹脂フィルムを巻き出すフィルム巻き出し工程と、
巻き出された長尺樹脂フィルムの第二面側を第一冷却キャンロールに巻き付けると共に、該第一冷却キャンロールの外周面に沿って配置された熱負荷を伴う第一成膜手段により長尺樹脂フィルムの第一面側に第一金属膜を成膜する第一成膜工程と、
第一金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムの該第一金属膜側を第二冷却キャンロールに巻き付けると共に、該第二冷却キャンロールの外周面に沿って配置された熱負荷を伴う第二成膜手段により長尺樹脂フィルムの第二面側に第二金属膜を成膜する第二成膜工程と、
第一金属膜と第二金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムを巻取ロールに巻き取るフィルム巻き取り工程、
を有する真空成膜方法において、
上記フィルム巻き出し工程から第一成膜工程までの間において、長尺樹脂フィルムの第二面側に第一保護フィルムを重合させて第一冷却キャンロールと長尺樹脂フィルムの第二面との間に第一保護フィルムが介在するようにし、かつ、上記第一成膜工程から第二成膜工程までの間において、第一面側に第一金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムの該第一金属膜側に第二保護フィルムを重合させて第二冷却キャンロールと長尺樹脂フィルムの第一金属膜との間に第二保護フィルムが介在するようにすると共に、長尺樹脂フィルムの第二面側に重合された上記第一保護フィルムを分離して長尺樹脂フィルムの第二面が第二成膜手段側に露出するようにしたことを特徴とする。
第4の発明に記載の真空成膜方法において、
上記保護フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、ポリイミド、トリアセテートの単体若しくはこれ等を貼り合わせた複合体で構成されることを特徴とし、
第6の発明は、
第4の発明に記載の真空成膜方法において、
熱負荷を伴う上記成膜手段が、マグネトロンスパッタリングであることを特徴とする。
第一成膜室に搬入される前段階において長尺樹脂フィルムの第二面(未成膜面)側に第一保護フィルムが重合され、第二成膜室に搬入される前段階において長尺樹脂フィルムの第一面(第一成膜室で成膜された第一金属膜)側に第二保護フィルムが重合されるため、第一成膜室および第二成膜室内において長尺樹脂フィルムは第一保護フィルムおよび第二保護フィルムを介在させた状態で各冷却キャンロールの外周面に巻き付けられる。
(1)従来例に係る真空成膜装置の構成
まず、図1を参照しながら従来例に係る真空成膜装置について詳細に説明する。
図1に示す従来例に係る真空成膜装置においては、長尺樹脂フィルム1を第一冷却キャンロール31および第二冷却キャンロール51の各外周面に密着させる関係上、第一成膜室30および第二成膜室50内における長尺樹脂フィルム1の搬送張力は、上述したように巻出室10内のフィルム巻出張力、乾燥室20のフィルム乾燥張力、巻取室60内のフィルム巻取張力より2倍〜4倍程度高く設定されている。このため、第一成膜室30内を搬送される長尺樹脂フィルム1は、第一成膜室30内に設けられた第一冷却キャンロール31やモータ駆動ロール36、37の外周面に強く接触し、また、第二成膜室50内を搬送される長尺樹脂フィルム1は、第二成膜室50内に設けられた第二冷却キャンロール51やモータ駆動ロール56、57の外周面に強く接触することになることから、これ等外周面と接触する長尺樹脂フィルム1側が未成膜のフィルム面である場合、未成膜のフィルム面にスクラッチ傷が付き易く、上記外周面と接触する長尺樹脂フィルム1側が成膜後の金属膜である場合、該金属膜にスクラッチ傷が付き易くなる。
(1)本発明の実施形態に係る真空成膜装置の構成
次に、本発明の実施形態に係る真空成膜装置について、図3を参照しながら具体的に説明する。図3においても、モータで駆動するロールはM(モータ)、張力測定ロールはTP(テンションピックアップ)、フリーロールはF(フリー)の記号を付している。
本実施形態に係る真空成膜装置によれば、第一成膜室400に搬入される前段階において長尺樹脂フィルム1の第二面1β(未成膜面)側に第一保護フィルム301が重合され、第二成膜室600に搬入される前段階において長尺樹脂フィルム1の第一面1α(第一成膜室400で成膜された第一金属膜m1)側に第二保護フィルム501が重合されるため、第一成膜室400および第二成膜室600内において長尺樹脂フィルム1は第一保護フィルム301および第二保護フィルム501を介在させた状態で第一冷却キャンロール431および第二冷却キャンロール651の各外周面に巻き付けられる。
(3-1)長尺樹脂フィルム
金属膜付き樹脂フィルムに適用される長尺樹脂フィルムとしては、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルムまたは液晶ポリマー系フィルムから選ばれる耐熱性の樹脂フィルム等が例示される。これ等の樹脂フィルムを用いて得られる金属膜付き樹脂フィルムは、上述したフレキシブル配線基板に要求される柔軟性、実用上必要な強度、配線材料として好適な電気絶縁性に優れているからである。
上記保護フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、ポリイミド、トリアセテートの単体若しくはこれ等を貼り合わせた複合体が例示される。
長尺樹脂フィルムの層間に挟み込まれる上記長尺合紙としては、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルムまたは液晶ポリマー系フィルムから選ばれる樹脂フィルム等が例示される。
図3に示す真空成膜装置(スパッタリングウェブコータ)を用いて長尺樹脂フィルムの両面(第一面1αと第二面1β)に金属膜(金属シード)を成膜した。尚、図3に示す長尺樹脂フィルム1には、幅600mm、長さ1000m、厚さ25μmの宇部興産株式会社製の耐熱性ポリイミドフィルム「ユーピレックス(登録商標)」を使用し、長尺樹脂フィルム1の第一面1αと第二面1βに成膜する第一金属膜m1と第二金属膜m2(金属シード)は、第一層のNi−Cr膜上に第二層のCu膜を成膜するものとした。
Ni−Cr層とCu層から成る金属膜(金属シード)が両面に成膜され、フィルム層間にブロッキング防止用の長尺合紙63が挟み込まれ、かつ、第一面1α側に第二保護フィルム501が重合されている長尺樹脂フィルム1を、「湿式メッキ装置」の巻出ロールから長尺合紙63と第二保護フィルム501をそれぞれ分離しながら巻き出すと共に、メッキ槽に長尺樹脂フィルム1が搬入される前段階において金属膜(金属シード)表面を「大気圧プラズマ洗浄装置」で洗浄し、然る後、搬送速度3m/分で「湿式メッキ装置」のメッキ槽内に長尺樹脂フィルム1を搬入して金属膜(金属シード)上に1μmのCu層(湿式メッキ層)をメッキした。
得られた金属膜付き樹脂フィルムについてピンホールの有無を評価した。まず、片面の金属層[金属シードと湿式メッキ層]をマスキングして反対面の金属層をエッチングにより除去し、その後、透過顕微鏡で5.6mm×4.2mm視野範囲のピンホールを撮影し、直径3μm以上のピンホールを画像解析によりカウントして評価した。
m2 第二金属膜(金属シード)
1 長尺樹脂フィルム
1α 第一面
1β 第二面
10 巻出室
11 巻出ロール
12 フリーロール
13 張力測定ロール
14 フリーロール
20 乾燥室
21 モータ駆動ロール
22 ヒータ
23 フリーロール
24 張力測定ロール
25 フリーロール
26 フリーロール
3p 遮蔽板
30 第一成膜室
31 第一冷却キャンロール
32 第一成膜手段(スパッタリングカソード)
33 第一成膜手段(スパッタリングカソード)
34 第一成膜手段(スパッタリングカソード)
35 第一成膜手段(スパッタリングカソード)
36 モータ駆動ロール
37 モータ駆動ロール
38 張力測定ロール
39 張力測定ロール
40 搬送室
41 フリーロール
42 フリーロール
43 フリーロール
50 第二成膜室
51 第二冷却キャンロール
52 第二成膜手段(スパッタリングカソード)
53 第二成膜手段(スパッタリングカソード)
54 第二成膜手段(スパッタリングカソード)
55 第二成膜手段(スパッタリングカソード)
56 モータ駆動ロール
57 モータ駆動ロール
58 張力測定ロール
59 張力測定ロール
60 巻取室
61 巻取ロール
62 長尺合紙巻出ロール
63 長尺合紙
64 フリーロール
65 張力測定ロール
66 フリーロール
67 フリーロール
100 巻出室
101 長尺合紙
110 巻出ロール
111 フリーロール
112 張力測定ロール
113 フリーロール
120 長尺合紙巻取ロール
121 フリーロール
122 張力測定ロール
123 フリーロール
200 乾燥室
221 モータ駆動ロール
222 ヒータ
223 フリーロール
224 張力測定ロール
225 フリーロール
226 フリーロール
227 フリーロール
300 保護フィルム重合室
301 第一保護フィルム
310 保護フィルム巻出ロール
311 フリーロール
312 張力測定ロール
313 フリーロール
314 フリーロール
400p 遮蔽板
400 第一成膜室
401 フリーロール
402 フリーロール
431 第一冷却キャンロール
432 第一成膜手段(スパッタリングカソード)
433 第一成膜手段(スパッタリングカソード)
434 第一成膜手段(スパッタリングカソード)
435 第一成膜手段(スパッタリングカソード)
436 モータ駆動ロール
437 モータ駆動ロール
438 張力測定ロール
439 張力測定ロール
500 保護フィルム重合並びに分離室
501 第二保護フィルム
510 保護フィルム巻出ロール
511 フリーロール
512 張力測定ロール
513 モータ駆動ロール
514 張力測定ロール
520 保護フィルム巻取ロール
521 フリーロール
522 張力測定ロール
531 モータ駆動ロール
532 張力測定ロール
541 フリーロール
542 フリーロール
543 フリーロール
600p 遮蔽板
600 第二成膜室
601 フリーロール
602 フリーロール
651 第二冷却キャンロール
652 第二成膜手段(スパッタリングカソード)
653 第二成膜手段(スパッタリングカソード)
654 第二成膜手段(スパッタリングカソード)
655 第二成膜手段(スパッタリングカソード)
656 モータ駆動ロール
657 モータ駆動ロール
658 張力測定ロール
659 張力測定ロール
700 巻取室
701 フリーロール
702 張力測定ロール
741 巻取ロール
742 長尺合紙巻出ロール
744 フリーロール
745 張力測定ロール
746 フリーロール
747 フリーロール
Claims (6)
- 巻出ロールに巻回された長尺樹脂フィルムを巻き出す巻出室と、巻出室から供給された長尺樹脂フィルムの第一面側に第一金属膜を成膜する第一成膜室と、長尺樹脂フィルムの第二面側に第二金属膜を成膜する第二成膜室と、第一金属膜と第二金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムを巻取ロールに巻き取る巻取室とを備え、上記第一成膜室と第二成膜室が、ロールツーロールで搬送される長尺樹脂フィルムを外周面に巻き付けて冷却する回転駆動の第一冷却キャンロールおよび第二冷却キャンロールと、これ等冷却キャンロールの外周面に沿って配置された熱負荷を伴う第一成膜手段および第二成膜手段を有する真空成膜装置において、
上記巻出室と第一成膜室との間に、搬送中における長尺樹脂フィルムの第二面側に第一保護フィルムを重合させて第一冷却キャンロールと長尺樹脂フィルムの第二面との間に第一保護フィルムを介在させる保護フィルム重合室が設けられ、かつ、上記第一成膜室と第二成膜室との間に、第一面側に第一金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムの該第一金属膜側に第二保護フィルムを重合させて第二冷却キャンロールと長尺樹脂フィルムの第一金属膜との間に第二保護フィルムを介在させると共に、長尺樹脂フィルムの第二面側に重合された上記第一保護フィルムを分離して長尺樹脂フィルムの第二面を第二成膜手段側に露出させる保護フィルム重合並びに分離室が設けられていることを特徴とする真空成膜装置。 - 上記保護フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、ポリイミド、トリアセテートの単体若しくはこれ等を貼り合わせた複合体で構成されることを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
- 熱負荷を伴う上記成膜手段が、マグネトロンスパッタリングであることを特徴とする請求項1に記載の真空成膜装置。
- 巻出ロールに巻回された長尺樹脂フィルムを巻き出すフィルム巻き出し工程と、
巻き出された長尺樹脂フィルムの第二面側を第一冷却キャンロールに巻き付けると共に、該第一冷却キャンロールの外周面に沿って配置された熱負荷を伴う第一成膜手段により長尺樹脂フィルムの第一面側に第一金属膜を成膜する第一成膜工程と、
第一金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムの該第一金属膜側を第二冷却キャンロールに巻き付けると共に、該第二冷却キャンロールの外周面に沿って配置された熱負荷を伴う第二成膜手段により長尺樹脂フィルムの第二面側に第二金属膜を成膜する第二成膜工程と、
第一金属膜と第二金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムを巻取ロールに巻き取るフィルム巻き取り工程、
を有する真空成膜方法において、
上記フィルム巻き出し工程から第一成膜工程までの間において、長尺樹脂フィルムの第二面側に第一保護フィルムを重合させて第一冷却キャンロールと長尺樹脂フィルムの第二面との間に第一保護フィルムが介在するようにし、かつ、上記第一成膜工程から第二成膜工程までの間において、第一面側に第一金属膜が成膜された長尺樹脂フィルムの該第一金属膜側に第二保護フィルムを重合させて第二冷却キャンロールと長尺樹脂フィルムの第一金属膜との間に第二保護フィルムが介在するようにすると共に、長尺樹脂フィルムの第二面側に重合された上記第一保護フィルムを分離して長尺樹脂フィルムの第二面が第二成膜手段側に露出するようにしたことを特徴とする真空成膜方法。 - 上記保護フィルムが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネイト、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、アラミド、ポリイミド、トリアセテートの単体若しくはこれ等を貼り合わせた複合体で構成されることを特徴とする請求項4に記載の真空成膜方法。
- 熱負荷を伴う上記成膜手段が、マグネトロンスパッタリングであることを特徴とする請求項4に記載の真空成膜方法。
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