JP2020190053A - 通気性を有するuv−a遮蔽性編物 - Google Patents

通気性を有するuv−a遮蔽性編物 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、肌の線維芽細胞にダメージを与え、シワやたるみなどを引き起こすとされるUV−Aの遮蔽性に優れ、且つ、通気性に優れたスポーツ、インナー、アウター等の衣料用途の編物素材、およびこれを用いた衣料の提供にある。【解決手段】無機酸化物微粒子の含有量が2〜12重量%の合成繊維、及び/又は無機酸化物微粒子の含有量が3〜20重量%の芯部と、無機酸化物微粒子の含有量が3重量%以下の鞘部を有する芯鞘型合成繊維からなる仮撚加工糸を70重量%以上用いてなる、一方側が天竺編からなるダブル編物であって、カバーファクターが850〜1200、見掛け密度が0.18〜0.24g/cm3、UV−A(320nm〜400nm)の平均透過率が12%以下で、且つ、通気度が150〜300cc/cm2/sec、であることを特徴とするダブル編物。【選択図】なし

Description

本発明は、特に肌の線維芽細胞にダメージを与え、シワやたるみなどを引き起こすとされる波長の長い紫外線A波(波長が320〜400nmの紫外線:以下、UV−Aとも記す)の遮蔽性に優れ、かつ非常に高通気で清涼性に優れたスポーツ、インナー、アウター等の衣料用途に使用される編物素材に関する。
紫外線による日焼けや、しみ、あるいは皮膚ガン等を防止する目的で紫外線遮蔽性を高めた布帛が数多く提案されている。
例えば、特許文献1には、極細繊維を用いて作製された通気度が1cc/m/24hr以下で透湿性が4000g/m以上で、カバーファクターが2000以上の紫外線遮蔽用の織編物が開示されている。しかしながら、紫外線遮蔽効果を発現させるために織編物の組織を緻密なものにしなければならず、その結果、布帛自体の風合が硬く、通気性が悪くなるという欠点を有するものであった。
また、特許文献2には、紫外線を反射または吸収する性能を有する成分を含み、紫外線A波(320〜400μm)、紫外線B波(波長が290〜320nmの紫外線:以下、UV−Bとも記す)の透過率を規定し、高通気度を維持した繊維構造体が提案されている。この従来技術においては、日焼けや皮膚ダメージに及ぼす影響度の異なる紫外線A波とB波に分けて、それぞれの平均透過率を一定値以下に抑えることにより紫外線遮蔽性を高めた繊維構造体が開示されている。しかし、衣料とした場合、紫外線A波の透過率は低いものの、温湿度をできるだけ快適な領域に保つための通気性の確保が不十分である。
また、特許文献3には無機酸化微粒子の含有量が1.0重量%以上6.0重量%以下の合成繊維、及び/又は無機酸化微粒子の含有量が3.0重量%以上20.0重量%以下の芯部と、無機酸化微粒子の含有量が2.0重量%以下の鞘部を有する芯鞘型合成繊維で構成された編物であり、布帛の開孔率が0.5%以上7%以下、編物の見掛け密度が0.25g/cm以下、かつSPF値が20以上である紫外線遮蔽性編物が開示されている。SPF値は、UV−B(290〜320nm)によるサンバーンに代表される皮膚炎症反応による日焼けに着目したものであるが、近年は日焼け止め化粧品において、SPF値に加え、UV−A(320〜400nm)の遮蔽性を示すPA値表示を併記するものが一般的となってきており、UV−Aに対する遮蔽性が再認識されてきている。
しかし、布帛やそれを用いた衣服においては、UV−Aの遮蔽性については十分な検討がなされているとは言えない状態である。
また、布帛の密度や厚みを厚くすることにより紫外線を遮蔽することも行われているが、そのような布帛を衣料とした場合、風合が硬く、重く、通気性が十分に得られず、特に夏場などの暑い時期には不快となる虞があるものであった。このように、UV−Aの遮蔽性に加え、十分な通気性を両立した快適性能を有する素材は得られてはいない。
特開昭61−146840号公報 特許第2888504号公報 特許第4357626号公報
本発明の目的は、特にUV−Aの遮蔽性に優れ、且つ、通気性に優れたスポーツ、インナー、アウター等の衣料用途の編物素材、およびこれを用いた衣料の提供にある。
本発明者は、無機酸化物微粒子を特定の態様で含む合成繊維を含む、一方が天竺編からなるダブル編物を用いて、その編組織及びカバーファクターを選択的に特定することにより、紫外線、特に、肌の線維芽細胞にダメージを与え、シワやたるみなどを引き起こすとされ、日焼けやしみ等の原因とされるUV−Aの透過を抑制でき、高通気性で清涼感に富み、風合が柔らかい、紫外線によるダメージから皮膚を保護することができる衣料用の編物が得られることを見出し本発明に至った。
本発明は、
(1)に、無機酸化物微粒子の含有量が2〜12重量%の合成繊維、及び/又は無機酸化物微粒子の含有量が3〜20重量%の芯部と、無機酸化物微粒子の含有量が3重量%以下の鞘部を有する芯鞘型合成繊維からなる仮撚加工糸を70重量%以上用いてなる、一方の面が天竺編からなるダブル編物であって、
ダブル編物のカバーファクターが850〜1200、ダブル編物の見掛け密度が0.18〜0.24g/cm、ダブル編物のUV−A(波長が320〜400nmの紫外線)の平均透過率が12%以下で、且つ、ダブル編物の通気度が150〜300cc/cm/sec、であることを特徴とするダブル編物である。
また、(2)に、無機酸化微粒子が、平均粒径が1.5μm以下である酸化チタンおよび/または酸化亜鉛である(1)に記載の編物である。
さらに、(3)に、(1)または(2)に記載の編物を使用した衣料である。
肌の線維芽細胞にダメージを与え、シワやたるみなどを引き起こすとされるUV−Aの遮蔽性に優れ、通気性や清涼性に優れた衣料用の編物が得られる。
以下本発明について詳細に説明する。
本発明における編物は、少なくとも一方の面が天竺編からなるダブル編物である。
天竺編は編組織が均一であり、紫外線等の遮蔽に有利である。また、天竺編の糸条繊度や編密度を適宜設定することによりカバーファクターを変化させることが容易であり、これを調整することにより、紫外線遮蔽性や通気度の調整が可能である。
しかし、特に、シングルの天竺編の場合、カバーファクターを下げることにより、通気度は上がるが、紫外線等の遮蔽性が低下するという問題がある。
このような問題の解決策として、
無機酸化物微粒子の含有量が2〜12重量%の合成繊維、及び/又は無機酸化物微粒子の含有量が3〜20重量%の芯部と、無機酸化物微粒子の含有量が2重量%以下の鞘部を有する芯鞘型合成繊維からなる仮撚加工糸を70重量%以上用いてなる、一方の面が天竺編からなるダブル編物を用いることにより、上記の問題を解決できることを見出し、本発明に至った。
ダブル編物の他方の面に形成される編組織は特に限定されるものではなく、天竺編、ピンメッシュ編、ハニカム編等を挙げることができる。
本発明のダブル編物におけるカバーファクターは、下記式で算出される一方の面のカバーファクターと他方の面のカバーファクターの和を2で除して算出されるものであり、カバーファクターは850〜1200である。カバーファクターが850より小さいとUV−Aの遮蔽性が十分に得られない虞があり。また、1200より大きいと良好な通気性が得られなかったり、風合が硬くなったり、衣類としたときに重く感じる虞がある。
K=((Dw√Dt1+Dc√Dt1)+(Dw√Dt2+Dc√Dt2))/2
K:カバーファクター
Dw:編物の経密度 ウエル数/2.54cm
Dc:編物の緯密度 コース数/2.54cm
Dt1:編物の片面に使用される糸の平均繊度(dtex)
Dt2:編物のもう一方の片面に使用される糸の平均繊度(dtex)
本発明に用いられるダブル編物は、カバーファクターが850〜1200であって、編物の組織は一方が天竺編であれば、他方の編組織は特に限定されるものではない。また、ポリウレタン等の弾性繊維と混用してストレッチ性を付与することもできる。
また、このような天竺編を有するダブル編物において、無機酸化物微粒子の含有量が2〜12重量%の合成繊維、及び/又は無機酸化物微粒子の含有量が3〜20重量%の芯部と、無機酸化物微粒子の含有量が3重量%以下の鞘部を有する芯鞘型合成繊維からなる仮撚加工糸を70重量%以上用いることが必要である。
無機酸化物微粒子の含有量は、芯鞘型でない単一のポリマー組成からなる合成繊維を用いる場合、2〜12重量%である。含有量が2重量%未満では紫外線、特にUV−Aの遮蔽性が劣るものとなり、12重量%を越えると紡糸工程の安定性、製織製編工程性が著しく低下する。
又、芯鞘型合成繊維を用いる場合は、芯部の無機酸化物微粒子の含有量が3〜20重量%であり、好ましくは5〜15重量%である。また、鞘部の含有量は3重量%以下である。
芯部の無機酸化物含有量が3重量%未満であると、紫外線、特にUV−Aの遮蔽性が劣るものとなり、20重量%を越えると微粒子の均一な分散が困難となり、紡糸時の糸切れなどの問題が生じる虞がある。好ましい含有量は5〜15重量%である。
また、鞘部の無機酸化物微粒子の含有量が3重量%以下である芯鞘型合成繊維で構成されていることにより加工工程における糸切れなどが抑制される。
含有する無機酸化物微粒子は、紡糸時に障害を及ぼさなければ、その種類は特に限定されないが、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等を用いることができ、中でも、酸化チタンや酸化亜鉛が好ましい。これらの無機酸化物微粒子は、単独もしくは2種以上を併用して用いることができる。使用される無機酸化物微粒子の平均粒径は、1.5μm以下であることが好ましい。平均粒径が1.5μmより大きくなると、紡糸時の糸切れにつながり好ましくない。また、平均粒径が0.2μmより小さいと、本発明におけるUV−Aの遮蔽性効果が低下する傾向にあるため、紡糸時の糸切れ等の不具合に影響しない範囲でできるだけ大きい粒径が好ましい。より好ましくは0.3〜1μmである。
また、前記無機酸化物微粒子を含有する合成繊維は、例えば、ポリエステル系、ポリアミド系、アクリル系、ポリプロピレン系、ポリウレタン系等の合成繊維を用いることができるが、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリプロピレン系等の溶融紡糸によって製造される合成繊維が好ましい。
芯鞘型合成繊維の場合、芯部と鞘部は同一のポリマー組成であっても、異なるポリマー組成であってもよい。例えば、ポリエステル系芯鞘型合成繊維の場合、芯部がレギュラーポリエステルで鞘部が共重合ポリエステルであってもよい。また、ポリアミド系芯鞘型合成繊維の場合、芯部がナイロン66で鞘部がナイロン6であってもよい。
また、芯部と鞘部は同心円状に複合されていてもよく、偏心して複合されていてもよい。芯成分と鞘成分の重量比は1/4〜4/1の範囲が好ましい。芯成分の重量比が1/4未満であると紫外線遮蔽効果が劣るものとなり、4/1を越えると紡糸時に芯成分がフィラメントの表面に露出し、安定した芯鞘形状が難しくなる。好ましい芯鞘比は1/2〜2/1であり、さらに好ましくは1/1である。
また、無機酸化物微粒子を含有する合成繊維の断面形状は特に限定されるものでなく、丸形、三角、Y型、L型、W型、扁平、ドッグボーン型、多葉型等何れの形状であっても良い。また、繊維の形態は長繊維でも短繊維でも良く、長さ方向に均一な太さのものや太細のある糸条でもよいが、本発明のダブル編物は無機酸化微粒子を含有する仮撚加工糸を含むものであることが必要であり、ピリングやスナッキングの物性面からは長繊維で仮撚捲縮加工が施されたものが好ましい。丸編み素材は一般的に組織の密度が低くなるため、通気性に対しては良好となるが、UV−Aの遮蔽性が不十分となる。そのため糸に仮撚加工を施したものを用いることにより、好ましい厚みと見掛け密度が得やすくなる。これにより高通気でありながら、UV−Aの遮蔽性に優れた丸編み素材を得ることができる。
また、本発明に使用される仮撚加工糸の仮撚方法は特に限定されるものではなく、フリクション、ピン仮撚等の方法が挙げられ、また仮撚における熱処理として1段ヒーターや2段ヒーター等が挙げられるが、特に熱捲縮性の大きい1段ヒーター糸が好ましく使用される。
本発明で使用する合成繊維の繊度は、特に限定されるものではないが、衣料用として用いることを考慮すると総繊度は22〜166dtex、単糸繊度は1〜5dtexが好ましい。特に過酷な条件にも耐え得なければならないスポーツ衣料用布帛の場合には、1.1〜5.5dtexがより好ましく、柔らかな肌触りや風合を重視するインナー衣料用布帛の場合には、0.5〜3dtexがより望ましい。総繊度が166dtexより大きくなると、編物自体の重量が重くなり、衣料とした場合の着心地などを損なう虞がある。また、22dtexより小さくなると、編物自体をハイゲージの高密度で編み立てする必要があり、編み立て時において、品質が不安定になると共に生産効率が悪くなるなどの虞がある。また、高密度となるため、通気度150cc/cm/secが得られない虞がある。
また、本発明の布帛は本発明の目的を損なわない範囲内で、無機酸化物微粒子を含有しない繊維が混用されていても良い。混用される繊維にはポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、アクリル等の合成繊維や、綿、麻、ウール等の天然繊維等が好ましく用いられるが、特に限定されるものではない。
混用の方法は、混紡、エアー混繊、交撚、複合仮撚(伸度差仮撚等)等の手段で糸を複合したり、交編により混用することができる。交編の場合、表裏面の少なくとも一方に用いたり、1本交互や2本交互等で配置したり、2層等で配置する方法等で混用することができるが、本発明のダブル編物においては、片側全面に配置されていることが好ましい。
また、無機酸化微粒子を含有しない繊維と混用する場合は、紫外線遮蔽性を低下させないために、無機酸化物微粒子を含有した合成繊維を、ダブル編物の重量の70重量%以上用いることが必要であり、更には90重量%以上であることが好ましい。
また、ダブル編物には、無機酸化物微粒子の含有量が2〜12重量%の合成繊維、及び/又は無機酸化物微粒子の含有量が3〜20重量%の芯部と、無機酸化物微粒子の含有量が3重量%以下の鞘部を有する芯鞘型合成繊維からなる仮撚加工糸が、ダブル編物全体に対し70重量%以上含まれること必要であり、90重量%以上含まれることが更に好ましい。70重量%未満であるとUV−Aが十分遮蔽されない虞がある。
本発明のダブル編物の厚みは500〜1000μmが好ましく、600〜900μmがより好ましい。厚みが500μmより小さいとUV−Aの遮蔽率が十分得られない虞があり、1000μmより大きいと通気性が損なわれたり、風合が硬くなる虞がある。
また、本発明のダブル編物の見掛け密度は0.18〜0.24g/cmであり、0.2〜0.23g/cmであることがより好ましい。見掛け密度が0.18g/cmより小さいと十分なUV−A遮蔽性が得られない虞があり、0.24g/cmより大きいと通気性が損なわれたり、風合が硬くなる虞がある。
ダブル編物の厚みと見掛け密度が共に上記範囲であることにより、UV-Aの遮蔽性と通気性が両立しやすくなる。
編成するための編機のゲージ数としては、特に限定されるものではなく、上記に示すカバーファクターの範囲の編物が編めるものであれば良い。
本発明に係るダブル編物においては、通気度が150cc/cm/sec以上、好ましくは200cc/cm/sec以上が必要である。150cc/cm/sec未満であると、一般的に夏場において使用されるスポーツ、インナー衣料ではムレ感の解消や汗の気化熱による清涼性や冷却性が得られない虞がある。また、300cc/cm/secを超えると、構造的にUV−Aの十分な遮蔽性を得ることが困難となる虞がある。
本発明の編物のUV−A平均透過率は12%以下である。12%以下であればPA表示で表わされる日本化粧品工業会によるUV−A防止効果測定法基準においても十分なUV−A防止効果が得られるとされ、皮膚がんの発生や、免疫力の低下、DNAダメージ、さらには、シミやシワなどの光老化現象を抑制することに効果を発揮する。
また、UV−Aの平均透過率とは、分光光度計により測定される、320nm〜400nmの範囲の紫外光の透過率の平均値である。
また、本発明の編物の可視光平均透過率は、15〜25%が好ましく、20〜23%であることがより好ましい。可視光平均透過率が15%未満であると、150cc/cm/secの通気度が得られず、清涼性を得られない虞がある。可視光平均透過率が25%を越えると、糸束がカバーしきれない開口部等から、UV−Aも透過し、皮膚の保護が不充分なものとなる虞がある。
本発明における可視光平均透過率とは、編物にどの程度の面積割合の貫通孔が存在するかを示すものであり、400nm〜700nmの範囲の可視光平均透過率を分光光度計により測定し、その平均値より得られる値である。
上記のようなダブル編物は、無機酸化微粒子を含有する仮撚加工糸の使用と、ダブルニットの構成による素材の膨らみを持たすことにより、高通気性と紫外線の遮蔽性という、相反する機能を両立することが可能となり、この編物を用いた衣料は、紫外線、特にUV-Aによる皮膚障害を抑制できるとともに、通気性が良く着心地の良い衣料を得ることができる。この編物は衣料の一部はたは全部に用いることができる。
本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
なお、実施における布帛の性量、物性は下記の方法を用いて測定、評価し、表1にまとめて示す。
編地厚み
デジタル定圧厚み計(測定子面積 10cm、圧力3.7gf/cm 株式会社テックロック社製)により測定した。
見掛け密度
編地の厚み及び生地の目付から次式により算出した。
見掛け密度(g/cm)=目付(g/m)/生地厚み(μm)
カバーファクター
デンシメーターにより測定した生地の経および緯の2.54cmあたりの本数と、使用している糸のデシテックス数から、次式により算出した。
K=((Dw√Dt1+Dc√Dt1)+(Dw√Dt2+Dc√Dt2))/2
K:カバーファクター
Dw:編物の経密度 ウェル数/2.54cm
Dc:編物の緯密度 コース数/2.54cm
Dt1:編物の片面に使用される糸の平均繊度(dtex)
Dt2:編物のもう一方の片面に使用される糸の平均繊度(dtex)
可視光透過率およびUV−Aの平均透過率の測定
分光光度計を用い、320〜700nmの範囲における可視光および紫外光透過率を5nm間隔で測定し、可視光透過率は405〜700nmの範囲の透過率の平均値、UV−Aの透過率は320〜400nmの範囲の透過率の平均値を算出した。
通気度
JIS−L−1096フラジール法に準じて通気度(cc/cm2 /sec)を測定した。
〔実施例1〕
ハニカム編部分を、平均粒径0.25μmの酸化チタンを8.0重量%含有する芯部と、同様の酸化チタンを3.0重量%含有する鞘部からなる、芯鞘重量比率が2/1である同心円状のポリエステル芯鞘型合成繊維(84dtex/24f)を1段ヒーターで仮撚加工したものと、平均粒径0.25μmの酸化チタンを0.3重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工をしたものとを、1:1の割合で使用して編成してなり、
天竺編部分を、平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを使用して、28ゲージの編機にて天竺ハニカム組織のダブル編物を編成した。
この編物を、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、ファイナルセットを行い、コース密度52本/2.54cm、ウエル密度43本/2.54cmのダブル編物を得た。
ハニカム部分のポリエステル芯鞘型合成繊維の糸重量割合は27重量%、酸化チタンを0.3重量%含有するポリエステル合成繊維の糸重量割合は30重量%で、天竺部分の糸重量割合は43重量%であった。評価結果を表1に示す。
〔実施例2〕
天竺編部分とピンメッシュ編部分を、平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/72f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを使用した天竺ピンメッシュのダブル組織の丸編み素材を32ゲージの編み機により編成した。
この編物を、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、ファイナルセットを行い、コース密度60本/2.54cm、ウエル密度48本/2.54cmのダブル編物を得た。天竺部分の糸重量割合は52重量%、ピンメッシュ部分の糸重量割合は48重量%であった。評価結果を表1に示す。
〔実施例3〕
ハニカム編部分を、平均粒径0.25μmの酸化チタンを8.0重量%含有する芯部と、酸化チタンを3.0重量%含有する鞘部からなり、芯鞘重量比率2/1である同心円状のポリエステル芯鞘型合成繊維(84dtex/24f)を1段ヒーターで仮撚加工したものと、平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(56dtex/72f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを、重量比1:1の割合で使用し、
天竺編部分を、平均粒径0.25μmの酸化チタンを2重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを用い、28ゲージの編機にて天竺ハニカムのダブル編物を編成した。この編物を、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、ファイナルセットを行い、コース密度53本/2.54cm、ウエル密度48本/2.54cmの編物を得た。ダブル編物の無機酸化微粒子含有仮撚加工糸の割合は100%であった。天竺部分の糸重量割合は53重量%、ハニカム部分の糸重量割合は47重量%であった。評価結果を表1に示す。
〔実施例4〕
ピンメッシュ編部分を、平均粒径0.25μmの酸化チタンを10.0重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/48f)を1段ヒーターで仮撚加工したものと、平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(56dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを、重量比で3:2の割合で使用し、
天竺編部分を、平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(56dtex/72f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを用い、32ゲージの編機にて天竺ピンメッシュのダブル編物を編成した。この編物を、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、ファイナルセットを行い、コース密度68本/2.54cm、ウエル密度50本/2.54cmの編物を得た。ダブル編物の無機酸化微粒子含有仮撚加工糸の割合は100%であった。天竺部分の糸重量割合は47重量%、ハニカム部分の糸重量割合は53重量%であった。評価結果を表1に示す。
〔比較例1〕
平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを、28ゲージの編機にて、ピンメッシュ編部分と天竺編部分を有する天竺ピンメッシュのダブル編物を編成した。この編物を、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、ファイナルセットを行い、コース密度48本/2.54cm、ウエル密度48/2.54cmの編物を得た。ダブル編物の無機酸化微粒子含有仮撚加工糸の割合は100%であった。天竺部分の糸重量割合は50重量%、ハニカム部分の糸重量割合は50重量%であった。評価結果を表1に示す。
〔比較例2〕
平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維60番手スパン糸を1段ヒーターで仮撚加工したものを用いて、28ゲージの編機にて、鹿の子組織のダブル編物を編成した。この編物を、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、ファイナルセットを行い、コース密度54本/2.54cm、ウエル密度45/2.54cmの編物を得た。ダブル編物の無機酸化微粒子含有仮撚加工糸の割合は100%であった。評価結果を表1に示す。
〔比較例3〕
平均粒径0.25μmの酸化チタンを0.3重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを、28ゲージの編機にて、天竺部分とピンメッシュ部分に用いた天竺ピンメッシュのダブル編物を編成した。この編物を、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、ファイナルセットを行い、コース密度52本/2.54cm、ウエル密度44本/2.54cmの編物を得た。ダブル編物の無機酸化微粒子含有仮撚加工糸の割合は50%であった。評価結果を表1に示す。
〔比較例4〕
ピンメッシュ編部分を、平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを用い、
天竺編部分に、平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工したものと、仮撚加工していない延伸糸で平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/72f)を用いた天竺ピンメッシュのダブル組織の丸編み素材を28ゲージの編み機により作製し、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、52コース/2.54cm、40ウエル/2.54cmでファイナルセットを行い、目的とする編物を得た。ダブル編物の無機酸化微粒子含有仮撚加工糸の割合は100%であった。作製した編物の目付、厚み、見掛け密度、カバーファクター、無機酸化微粒子を含有する仮撚加工糸の割合、通気度、可視光透過率、UV−A透過率を表1に示す。
〔比較例5〕
平均粒径0.25μmの酸化チタンを3.0重量%含有するポリエステル合成繊維(84dtex/36f)を1段ヒーターで仮撚加工したものを用いて、28ゲージの編機にて、鹿の子組織のダブル編物を編成した。この編物を、精練後、180℃乾熱でプレセットを施し、蛍光白色による染色を行った後、ファイナルセットを行い、コース密度48本/2.54cm、ウエル密度37本/2.54cmの編物を得た。ダブル編物の無機酸化微粒子含有仮撚加工糸の割合は100%であった。評価結果を表1に示す。
〔表1〕
Figure 2020190053

Claims (3)

  1. 無機酸化物微粒子の含有量が2〜12重量%の合成繊維、及び/又は無機酸化物微粒子の含有量が3〜20重量%の芯部と、無機酸化物微粒子の含有量が3重量%以下の鞘部を有する芯鞘型合成繊維からなる仮撚加工糸を70重量%以上用いてなる、
    一方側が天竺編からなるダブル編物であって、
    ダブル編物のカバーファクターが850〜1200、ダブル編物の見掛け密度が0.18〜0.24g/cm、ダブル編物のUV−A(波長が320〜400nmの紫外線)の平均透過率が12%以下で、且つ、ダブル編物の通気度が150〜300cc/cm/sec、であることを特徴とするダブル編物。
  2. 無機酸化微粒子が、平均粒径が1.5μm以下である酸化チタンおよび/または酸化亜鉛である請求項1に記載の編物。
  3. 請求項1および請求項2記載の編物を使用した衣料。
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