JP2020186862A - 調理管理の方法、システム、プログラム、および機器 - Google Patents
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Abstract
Description
この被調理物の芯温計測に関し、加熱中の被調理物の重量変化から芯温を推定することが知られている(たとえば、特許文献1)。
斯かる温度管理について、芯温計は厚みを持った食材向けが一般的であり、芯温計を差し込むことができない被調理物では従前の芯温計による計測は難しく、芯温計を被調理物に接触させただけでは正確に内部温度を計測することができないし、また、被調理物によっては芯温計を取り付けることに手間を要するという課題がある。
発明者は、焼物調理において、加熱中または加熱後の被調理物の液汁情報がその内部温度に依存し、内部温度の上昇によって液汁情報に変化が見られるという知見を得た。
そこで、本発明の目的は、上記課題および上記知見に基づき、被調理物から液汁情報を取得して非接触で被調理物の内部温度を推定し、被調理物の温度管理を実現することにある。
この調理管理方法において、さらに、比較被調理物を加熱する工程と、加熱中または加熱後、前記比較被調理物の液汁情報を取得し、前記比較情報を生成する工程とを含んでよい。
この調理管理方法において、さらに、前記液汁情報と前記内部温度情報とを対応させた温度スケール情報を含む前記比較情報を生成する工程を含んでよい。
この調理管理方法において、さらに、前記被調理物または前記比較被調理物の内部温度が基準温度に到達したかを判定する工程を含んでよい。
この調理管理方法において、さらに、所定の加熱時間が経過したかを判定する工程を含んでよい。
この調理管理方法において、さらに、前記液汁情報、前記比較情報または前記加熱時間情報の何れかを含む提示情報を生成する工程を含んでよい。
この調理管理方法において、さらに、前記提示情報を情報提示部に提示する工程を含んでよい。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記処理部は、加熱中または加熱後、前記比較被調理物の液汁情報を取得し、前記比較情報を生成してよい。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記処理部は、前記液汁情報と前記内部温度情報とを対応させた温度スケール情報を含む前記比較情報を生成してよい。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記処理部は、前記被調理物または前記比較被調理物の内部温度が基準温度に到達したかを判定してよい。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記処理部は、所定の加熱時間が経過したかを判定してよい。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記処理部は、前記液汁情報、前記比較情報または前記加熱時間情報の何れかを含む提示情報を生成してよい。
この調理管理システムにおいて、さらに、前記提示情報を提示する情報提示部を備えてよい。
このプログラムにおいて、さらに、加熱中または加熱後、前記比較被調理物の液汁情報を取得し、前記比較情報を生成する機能を前記コンピュータに実現させてよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記液汁情報と前記内部温度情報とを対応させた温度スケール情報を含む前記比較情報を生成する機能を前記コンピュータに実現させてよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記被調理物または前記比較被調理物の内部温度が基準温度に到達したかを判定する機能を前記コンピュータに実現させてよい。
このプログラムにおいて、さらに、所定の加熱時間が経過したかを判定する機能を前記コンピュータに実現させてよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記液汁情報、前記比較情報または前記加熱時間情報の何れかを含む提示情報を生成する機能を前記コンピュータに実現させてよい。
このプログラムにおいて、さらに、前記提示情報を情報提示部に提示させる機能を前記コンピュータに実現させてよい。
この機器において、さらに、前記処理部は、加熱中または加熱後、前記比較被調理物の液汁情報を取得し、前記比較情報を生成してよい。
この機器において、さらに、前記処理部は、前記液汁情報と前記内部温度情報とを対応させた温度スケール情報を含む前記比較情報を生成させてよい。
この機器において、さらに、前記処理部は、前記被調理物または前記比較被調理物の内部温度が基準温度に到達したかを判定してよい。
この機器において、さらに、前記処理部は、所定の加熱時間が経過したかを判定してよい。
この機器において、さらに、前記処理部は、前記液汁情報、前記比較情報または前記加熱時間情報の何れかを含む提示情報を生成してよい。
この機器において、さらに、前記提示情報を提示する情報提示部を備えてよい。
(1) 加熱中または加熱後に取得した被調理物の液汁情報と、被調理物の内部温度に関係付けられた比較情報とを対比するので、被調理物の内部温度を容易に推定できる。
(2) 被調理物から取得した液汁情報を用いて非接触で被調理物の内部温度を推定できるので、被調理物の調理中または調理後の品質低下を防止できる。
(3) 被調理物から取得した液汁情報によって被調理物の内部温度が基準温度に到達したか、その良否判定を行うことができ、その判定の迅速化とともに被調理物の安全性が高めることができる。
(4) 被調理物の内部温度計測の手数を軽減でき、温度計測ないし温度管理に対する人的負荷を軽減できる。
図1は、第1の実施の形態に係る調理管理工程を示している。図1に示す工程は一例であり、斯かる工程に本発明が限定されるものではない。
この調理管理工程には図1に示すように、被調理物Fの特定(S101)、加熱の開始(S102)、加熱時間の計測開始(S103)、液汁情報の取得(S104)、液汁情報の記憶(S105)、液汁情報と比較情報の対比(S106)、内部温度の推定(S107)、内部温度と基準温度の比較(S108)、加熱時間の判断(S109)、加熱の終了(S110)、情報提示(S111)などの処理が含まれる。
被調理物Fの特定(S101): 加熱調理する対象として被調理物Fを特定する。
加熱の開始(S102): 加熱手段である調理部24(図5)で被調理物Fの加熱を開始する。調理部24はスチームコンベクションオーブンなどの調理機器でよい。
加熱時間の計測開始(S103): 被調理物Fの加熱時間を加熱の開始時点から終了時点までを計測する。
液汁情報の記憶(S105): 液汁情報取得部26で取得した液汁情報を調理情報ファイル2(図2)に格納する。この液汁情報は一定の時間間隔でまたは継続して取得し、加熱時間に関係付けて記憶する。
液汁情報と比較情報の対比(S106): 被調理物Fが発した液汁情報と比較情報とを対比する。この対比には比較情報ファイル14(図3)に格納されている比較情報を用いる。比較情報ファイル14には内部温度に関係付けられた比較情報、つまり、比較被調理物Frの液汁情報が格納されている。
内部温度の推定(S107): 被調理物Fの液汁情報と比較情報とを対比し、被調理物Fの液汁情報が比較被調理物Frの比較情報と一致またはほぼ一致すれば、比較情報に該当する比較被調理物Frの内部温度を被調理物Fの内部温度と推定する。
加熱時間の判断(S109): この実施の形態では、一例として、加熱時間の経過を判断している。被調理物Fの加熱時間が、被調理物Fに設定された加熱時間以上に到達したかを判定する。加熱時間が被調理物Fに設定された加熱時間未満であれば(S109のNO)、設定された加熱時間に到達するまで、被調理物Fの加熱を継続する。
加熱の終了(S110): 被調理物Fの内部温度が基準温度に到達し、かつ設定された加熱時間が経過したとき、被調理物Fの加熱を終了する。
情報提示(S111): 被調理物Fの調理について、被調理物Fの液汁情報、内部温度、判定結果などを含む提示情報を提示する。この情報提示にはたとえば、情報提示部48(図9)の画面表示で行えばよい。
図2は、調理情報ファイル2の一例を示している。この調理情報ファイル2は被調理物Fごとの加熱情報を格納する。
この調理情報ファイル2には、被調理物部4、加熱時間部6、液汁情報部8、内部温度部10、判定情報部12が備えられる。被調理物部4には特定される被調理物Fの属性情報としてたとえば、被調理物Fの名称や組成などの情報が格納される。加熱時間部6には被調理物Fの加熱開始から加熱終了までのたとえば、断続する時間t01、t02、t03、t04、・・・が格納される。
内部温度部10には比較情報との対比により推定された内部温度が格納される。図中の数値は一例であり、内部温度が係る数値に限定されるものではない。判定情報部12にはたとえば、内部温度が基準温度に到達したかなどの判定結果を含む判定情報が格納される。
図3は、比較情報ファイル14の一例を示している。この比較情報ファイル14には比較情報が格納されている。この比較情報は被調理物Fの内部温度を推定するための比較被調理物Frの液汁情報であり、より詳細に述べれば、液汁情報と内部温度とを対応させた温度スケール情報を含む。
この比較情報ファイル14には比較被調理物部16、加熱時間部18、比較液汁情報部20および内部温度部22が備えられる。比較被調理物部16には内部温度を推定するための被調理物Fとたとえば、同一属性の比較被調理物Frの情報、つまり被調理物Fと同様に比較被調理物Frの名称や組成などの情報が格納される。
図4は、この比較情報の形成工程の一例を示している。比較情報は、被調理物Fから取得した液汁情報から内部温度を推定するために用いる情報である。この比較情報は、被調理物Fと同一属性の比較被調理物Frを特定し、同一加熱手段で加熱した際の液汁情報である。
この比較情報の形成工程には図4に示すように、比較被調理物Frの特定(S201)、加熱の開始(S202)、加熱時間の計測開始(S203)、液汁情報の取得および内部温度の計測(S204)、加熱時間、液汁情報および内部温度の記憶(S205)、加熱時間の監視(S206)、加熱の終了(S207)、比較情報ファイル14の作成(S208)、情報提示(S209)が含まれる。
比較被調理物Frの特定(S201): 比較被調理物Frは、内部温度の推定対象である被調理物Fと同一属性の被調理物Fを選択する。
加熱の開始(S202): 比較被調理物Frの加熱には、被調理物Fの加熱条件と同一とするため、被調理物Fを調理するために用いられる調理部24(図7)を選択する。この調理部24に比較被調理物Frを投入し、加熱を開始する。
加熱時間の計測開始(S203): 比較被調理物Frの加熱時間を加熱の開始時点から終了時点までを計測する。
加熱時間、液汁情報および内部温度の記憶(S205): 比較被調理物Frについて、液汁情報、内部温度および加熱時間が相互に関係付けられて比較情報ファイル14に入れられて記憶部52(図12)に格納される。
加熱の終了(S207): 所定の加熱時間が経過したとき、比較被調理物Frの加熱を終了する。
比較情報ファイル14の作成(S208): 比較情報ファイル14の作成は、比較情報の生成工程の一例である。比較情報について、比較情報ファイル14を作成し、または比較情報ファイル14を更新する。この比較情報ファイル14の作成には、液汁情報と内部温度とを対応させた温度スケール情報の作成が含まれる。
情報提示(S209): この情報提示には、比較被調理物Fr、比較情報ファイル14を含む提示情報が作成され、情報提示部48の画面(ファイル情報提示部72)に提示される。
被調理物Fは図5のAに示すように、被調理物Fの調理手段と同一の調理部24を使用し、加熱する。比較被調理物Frはホテルパン28に収容し、調理庫30に装填する。加熱部32を駆動し、比較被調理物Frを調理庫30内で加熱する。加熱開始から加熱時間をタイマー34で計測する。被調理物Fの液汁情報の取得は既述したように、液汁情報取得部26で行う。
被調理物Fの液汁情報の取得には図5のBに示すように、液汁センサー36が用いられ、液汁Dの検出には検出電極38を液汁Dに浸漬して行う。液汁センサー36の検出情報は、タイマー34で計測される加熱時間に関係付けられて取得し、調理情報ファイル2(図2)に格納される。
図6は、液汁センサー36の一例を示している。この液汁センサー36にはたとえば、液汁レベルセンサー36−1、電導度センサー36−2、水素イオン濃度センサー36−3を用いればよい。
液汁レベルセンサー36−1は、加熱により被調理物Fからホテルパン28内に流出した液汁Dの流出量として液汁レベルを検出し、そのレベルに比例した信号レベルを持つ電気信号を出力する。この電気信号がひとつの液汁情報を表す。液汁流出量はたとえば、ホテルパン28の底面から液面レベルを検出し、この検出レベルを液汁流出量とし、またはその検出レベルをホテルパン28の容積を用いて流出量に換算すればよい。
水素イオン濃度センサー36−3は液汁Dの水素イオン濃度を検出し、その水素イオン濃度に比例した信号レベルを持つ電気信号を出力する。この電気信号がひとつの液汁情報を表す。
このように液汁Dの液汁流出量(または液汁レベル)、電導度および水素イオン濃度を含む検出情報は、タイマー34で計測される加熱時間に関係付けられて取得し、調理情報ファイル2(図2)に格納する。
比較被調理物Frは、図7のAに示すように、被調理物Fの調理手段と同一の調理部24を使用し、加熱する。比較被調理物Frの液汁情報の取得には液汁情報取得部26を使用する。この場合、比較被調理物Frは被調理物Fの加熱と同様にホテルパン28に収容し、調理庫30に装填する。加熱部32を駆動し、比較被調理物Frを調理庫30内で加熱する。加熱開始から加熱時間をタイマー34で計測する。
比較被調理物Frの液汁情報は図7のBに示すように、液汁情報取得部26に液汁センサー36を用いて取得する。この液汁情報は、タイマー34で計測される加熱時間に関係付けて取得する。この液汁情報の取得については、既述した被調理物Fの場合(図5のBおよび図6)と同様であるので、その詳細は割愛する。
比較被調理物Frの内部温度の検出には図7のCに示すように、電子温度計40を使用し、その接触子42の先端部を比較被調理物Frの内部に差し込み、電子温度計40の計測値を読み取る。
被調理物Fまたは比較被調理物Frの液汁情報は、加熱中または加熱後、被調理物Fから流出している液汁D、または比較被調理物Frから流出している比較液汁Drが含まれる。
図8のAは、横軸を時間t、縦軸に液汁流出量Dmを取り、液汁流出量Dmの時間推移を示している。液汁流出量Dmは加熱時間の推移によって変化する。
図8のBは、横軸を時間t、縦軸に電導度Eを取り、電導度Eの時間推移を示している。電導度Eは加熱時間の推移によって変化する。
図8のCは、横軸を時間t、縦軸に水素イオン濃度hを取り、水素イオン濃度hの時間推移を示している。水素イオン濃度hは加熱時間の推移によって変化する。
図9は、液汁情報と比較情報の対比による内部温度の推定処理を示している。
被調理物Fの予想される内部温度は、図9のAに示すように、加熱時間の経過とともにたとえば、放物線を描いて上昇する。
比較情報は、図9のBに示すように、比較被調理物Frから取得した比較液汁情報である。この場合、比較液汁情報には時点tn:液汁情報Rfn、時点tn−1:液汁情報Rfn−1、時点tn−2:液汁情報Rfn−2、・・・が含まれる。
被調理物Fの検出情報には、時点tn:液汁情報Sn、時点tn−1:液汁情報Sn−1、時点tn−2:液汁情報Sn−2、・・・が含まれる。
時点tn−2において、液汁情報Sn−2(図9のD)と液汁情報Rfn−2とを対比し(図9のC)、両者が一致またはほぼ一致すれば、内部温度=Tn−2(図9のA)と推定できる。
時点tn−1において、液汁情報Sn−1(図9のD)と液汁情報Rfn−1とを対比し(図9のC)、両者が一致またはほぼ一致すれば、内部温度=Tn−1(図9のA)と推定できる。
また、時点tnにおいて、液汁情報Sn(図9のD)と液汁情報Rfnとを対比し(図9のC)、両者が一致またはほぼ一致すれば、内部温度=Tn(図9のA)と推定できる。
図10は複数の液汁情報と比較情報の対比による内部温度の推定処理を示している。
加熱中の被調理物Fの内部温度の推定は、図10に示すように、液汁情報と比較情報(比較情報ファイル14)を対比して行う(S301)。この対比(S301)では一例として液汁流出量の比較(S3011)、電導度の比較(S3012)、水素イオン濃度の比較(S3013)を行い、これらの何れかまたは2以上の一致またはほぼ一致により内部温度の推定を行う(S302)。この推定の結果、比較情報ファイル14にある内部温度が被調理物Fの内部温度として推定される。
推定した内部温度について、基準温度であるか否かは既述の処理(図1のS108)で行い、加熱時間については既述の処理(図1のS109)で行えばよい。
この実施の形態では、複数の液汁情報として、液汁流出量、電導度、水素イオン濃度の全てを用いているが、これらのうちの何れかまたは2以上を選択して用いてもよい。
この第1の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 被調理物Fと同一属性の比較被調理物Frから予め比較情報として内部温度に関係付けて比較情報を取得しておけば、被調理物Fの液汁情報と比較情報とを対比し、被調理物Fの内部温度を容易に推定できる。
(2) 被調理物Fの内部温度の推定は、液汁情報と比較情報との一致、不一致の処理で被調理物Fと非接触で迅速に行うことができる。
(3) 被調理物Fの内部温度が基準温度以上であるかを推定すれば、被調理物Fの調理の安全性を高めることができる。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る調理管理システムを示している。図11に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この調理管理システム44は、既述の調理管理方法またはそのプログラムをコンピュータによる情報処理で実現することができる。
この調理管理システム44には図11に示すように、調理部24、液汁センサー36、電子温度計40、タイマー34、制御部46および情報提示部48が備えられる。
調理部24は、被調理物Fまたは比較被調理物Frの加熱手段の一例である加熱部を含むスチームコンベクションオーブンなどの調理機器である。この調理部24には被調理物Fまたは比較被調理物Frを調理するための調理庫30および加熱部32が備えられる。
制御部46は調理管理を実現するための管理装置の一例であり、通信機能を備えるコンピュータで構成され、調理管理のための情報処理や加熱部32などの制御を行う。情報提示部48は、制御部46で生成された情報提示信号を画像として提示する。
この実施の形態では、制御部46、情報提示部48を含む機能部が調理管理装置として構成される。
図12は、制御部46のハードウェアを示している。図12において、図11と同一部分には同一符号を付してある。
制御部46には、プロセッサ50、記憶部52、入出力部(I/O)54、操作入力部56、通信部58が含まれる。
プロセッサ50は記憶部52にあるOS(Operating System)を実行し、調理管理プログラムなどの情報処理を行う。
記憶部52はROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などの記憶素子を備え、OS、調理管理プログラムなどの各種のプログラムを格納するとともに、調理情報ファイル2(図2)、比較情報ファイル14(図3)、調理管理情報ファイル60(図13)などを格納する。
制御部46の情報処理には、a)被調理物F、比較被調理物Frの特定、b)温度情報の取得、c)液汁情報の取得、d)加熱時間の取得、e)調理情報ファイル2(図2)の作成、f)比較情報ファイル14(図3)の作成、g)調理管理情報ファイル60(図13)の作成、h)被調理物Fの内部温度の推定、i)提示情報の生成、j)情報提示などが含まれる。
制御部46が生成する提示情報は液汁情報、比較情報、内部温度、温度スケール情報、加熱時間の何れかまたは2以上を含み、情報提示部48にたとえば、画像により提示される。
図13は、調理管理情報ファイル60の一例を示している。この調理管理情報ファイル60は、被調理物Fの加熱時、内部温度の推定、加熱の良否判定、情報提示などのために作成される。
この調理管理情報ファイル60には、被調理物部61、加熱時間部62、液汁情報部63、内部温度部64、基準温度部66、判定情報部68が備えられる。被調理物部61には特定される被調理物Fの属性情報が格納される。加熱時間部62には被調理物Fの加熱開始から加熱終了までの時間が格納される。
内部温度部64には比較情報との対比により推定された被調理物Fの内部温度が格納される。欄内の数値は一例である。基準温度部66には被調理物Fの基準温度が格納される。判定情報部68にはたとえば、内部温度が基準温度に到達したかを表す「合」、「否」などの判定情報が格納される。
図14は、比較情報の作成シーケンスを示している。この比較情報は、調理管理システム44を用いて作成される。
制御部46は、被調理物Fと同一属性の比較被調理物Frを特定する(S401)。この比較被調理物Frは調理部24に装填される。制御部46は、調理部24に加熱の指示を行うとともに、タイマー34に計時開始を指示する(S402)。これにより、調理部24は加熱部32により加熱を開始し(S403)、タイマー34は加熱時間の計時を開始する(S404)。液汁センサー36は加熱中または加熱後、比較被調理物Frから液汁情報を検出する(S405)。また、電子温度計40を用いて比較被調理物Frの内部温度の検出を行う(S406)。
制御部46は、比較被調理物Frの内部温度がたとえば、基準温度に到達すれば、調理部24に加熱終了の指示を行い(S410)、タイマー34に対し、計時の終了指示を行う(S411)。これを受け、調理部24は加熱を終了し(S412)、タイマー34は計時を終了する(S413)。
そして、制御部46は比較情報を生成し(S414)、比較情報ファイル14を作成しまたは更新し、この処理を終了する。
図15は、被調理物Fの内部温度の推定シーケンスを示している。制御部46は、被調理物Fを特定し(S501)、被調理物Fの推定に用いる比較情報を取得する(S502)。被調理物Fは、調理部24に装填される。制御部46は、調理部24に加熱の指示を行うとともに、タイマー34に計時開始を指示する(S503)。これにより、調理部24は加熱部32により加熱を開始し(S504)、タイマー34は加熱時間の計時を開始する(S505)。液汁センサー36は加熱中または加熱後、被調理物Fの液汁情報を検出する(S506)。
制御部46は、比較情報との比較により被調理物Fの内部温度を推定する(S509)。この推定処理の詳細は既述したので、その詳細な説明は割愛する。内部温度が基準温度Trefに到達していれば、加熱時間の推定を行う(S510)。加熱時間が所定時間に到達していれば、調理部24に対して加熱終了を指示するとともに、タイマー34に対し、計時の終了指示を行う(S511)。これを受け、調理部24は加熱を終了し(S512)、タイマー34は計時を終了する(S513)。
そして、制御部46は調理管理情報ファイル60(図13)を作成または更新し、この処理を終了し、情報提示を行う(S514)。
図16は、被調理物Fの加熱調理に関する情報提示画面70を示している。この情報提示は、プロセッサ50の制御により、情報提示部48により実行される。
この情報提示画面70にはファイル情報提示部72、被調理物情報提示部74などの情報提示が含まれる。ファイル情報提示部72には調理管理情報ファイル60の格納情報が提示される。被調理物情報提示部74には被調理物部76、比較被調理物部78、基準温度部80、到達時間部82、判定情報部84が含まれる。被調理物部76には内部温度を推定した被調理物Fの属性情報が表示される。比較被調理物部78には被調理物Fと同一属性の比較被調理物Fr、つまり比較情報に係る比較被調理物Frの属性情報が表示される。基準温度部80には調理の基準温度が表示される。到達時間部82は加熱開始から基準温度到達までの時間情報が表示される。判定情報部84には被調理物Fの加熱温度が基準温度に到達しているか否か、その合否情報が表示される。
この第2の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 既述した調理管理方法が調理管理システム44によりコンピュータを用いた情報処理により実現することができる。
(2) 比較被調理物Frの内部温度の計測による比較情報の作成、被調理物Fの内部温度の推定処理を共通の調理管理システム44によって実現でき、信頼性の高い内部温度の推定を行うことができる。
(3) 被調理物Fの調理前に同一属性の比較被調理物Frについて、比較情報を取得できるので、内部温度の推定精度を高めることができる。
(4) 安全性の高い調理物を提供できる。
図17は、第3の実施の形態に係る調理機器を示している。図17において、図11および図12と同一部分には同一符号を付してある。
この調理機器86は機器の一例であり、この調理機器86にはたとえば、同一の機器筐体88に調理部24、液汁情報取得部26などを含む調理管理システム44が搭載されている。調理部24は制御部46で制御され、本発明の調理管理方法、調理管理システム、プログラムを実現し、調理およびその管理の統合制御を行う。
この調理機器86において、制御部46の構成および機能は第2の実施の形態で説明しているので、その説明を割愛する。
この第3の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) この実施の形態によれば、調理機器86において、既述の被調理物Fの調理管理方法をコンピュータによる情報処理により実現することができる。
(2) この調理機器86によれば、調理管理システムおよび調理管理プログラムにより、第1の実施の形態と同様の効果が得られる。
(3) 調理機器86において調理される被調理物Fの安全性を高めることができる。
(1) 上記実施の形態では、被調理物Fの内部温度に対して基準温度を設定し、この基準温度に内部温度が到達したかを判定しているが、比較被調理物Frの内部温度に対して基準温度を設定し、この基準温度に内部温度が到達したかを判定してもよい。
(2) 第2の実施の形態では、タイマー34(図11)が制御部46の外部に設置されているが、このタイマー34は制御部46を構成するコンピュータで実現してもよい。
4 被調理物部
6 加熱時間部
8 液汁情報部
8−1 液汁流出量部
8−2 電導度部
8−3 水素イオン濃度部
10 内部温度部
12 判定情報部
14 比較情報ファイル
16 比較被調理物部
18 加熱時間部
20 比較液汁情報部
20−1 液汁流出量部
20−2 電導度部
20−3 水素イオン濃度部
22 内部温度部
24 調理部
26 液汁情報取得部
28 ホテルパン
30 調理庫
32 加熱部
34 タイマー
36 液汁センサー
36−1 液汁レベルセンサー
36−2 電導度センサー
36−3 水素イオン濃度センサー
38、38−1、38−2、38−3 検出電極
40 電子温度計
42 接触子
44 調理管理システム
46 制御部
48 情報提示部
50 プロセッサ
52 記憶部
54 入出力部(I/O)
56 操作入力部
58 通信部
60 調理管理情報ファイル
61 被調理物部
62 加熱時間部
63 液汁情報部
63−1 液汁流出量部
63−2 電導度部
63−3 水素イオン濃度部
64 内部温度部
66 基準温度部
68 判定情報部
70 情報提示画面
72 ファイル情報提示部
74 被調理物情報提示部
76 被調理物部
78 比較被調理物部
80 基準温度部
82 到達時間部
84 判定情報部
86 調理機器
88 機器筐体
Claims (28)
- 被調理物を加熱する工程と、
加熱中または加熱後、前記被調理物の液汁情報を取得する工程と、
前記被調理物の内部温度に関係付けられた比較情報と前記液汁情報とを対比し、前記被調理物の内部温度を推定する工程と、
を含むことを特徴とする調理管理方法。 - さらに、比較被調理物を加熱する工程と、
加熱中または加熱後、前記比較被調理物の液汁情報を取得し、前記比較情報を生成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の調理管理方法。 - さらに、前記液汁情報と前記内部温度情報とを対応させた温度スケール情報を含む前記比較情報を生成する工程を含む請求項1または請求項2に記載の調理管理方法。
- さらに、前記被調理物または前記比較被調理物の内部温度が基準温度に到達したかを判定する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかの請求項に記載の調理管理方法。
- さらに、所定の加熱時間が経過したかを判定する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかの請求項に記載の調理管理方法。
- さらに、前記液汁情報、前記比較情報または前記加熱時間情報の何れかを含む提示情報を生成する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかの請求項に記載の調理管理方法。
- さらに、前記提示情報を情報提示部に提示する工程を含むことを特徴とする請求項1ないし請求項6の何れかの請求項に記載の調理管理方法。
- 被調理物を加熱する加熱部と、
加熱中または加熱後、前記被調理物の液汁情報を取得する情報取得部と、
前記被調理物の内部温度に関係付けられた比較情報と前記液汁情報とを対比し、前記被調理物の内部温度を推定する処理を行う処理部と、
を含むことを特徴とする調理管理システム。 - さらに、前記処理部は、加熱中または加熱後、前記比較被調理物の液汁情報を取得し、前記比較情報を生成することを特徴とする請求項8に記載の調理管理システム。
- さらに、前記処理部は、前記液汁情報と前記内部温度情報とを対応させた温度スケール情報を含む前記比較情報を生成することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の調理管理システム。
- さらに、前記処理部は、前記被調理物または前記比較被調理物の内部温度が基準温度に到達したかを判定することを特徴とする請求項8ないし請求項10の何れかの請求項に記載の調理管理システム。
- さらに、前記処理部は、所定の加熱時間が経過したかを判定することを特徴とする請求項8ないし請求項11の何れかの請求項に記載の調理管理システム。
- さらに、前記処理部は、前記液汁情報、前記比較情報または前記加熱時間情報の何れかを含む提示情報を生成することを特徴とする請求項8ないし請求項12の何れかの請求項に記載の調理管理システム。
- さらに、前記提示情報を提示する情報提示部を備えることを特徴とする請求項8ないし請求項13の何れかの請求項に記載の調理管理システム。
- コンピュータに実現させるためのプログラムであって、
加熱中または加熱後、前記被調理物の液汁情報を取得する機能と、
前記被調理物の内部温度に関係付けられた比較情報と前記液汁情報とを対比し、前記被調理物の内部温度を推定する処理を行う機能と、
を前記コンピュータに実現させるためのプログラム。 - さらに、加熱中または加熱後、前記比較被調理物の液汁情報を取得し、前記比較情報を生成する機能を前記コンピュータに実現させるための請求項15に記載のプログラム。
- さらに、前記液汁情報と前記内部温度情報とを対応させた温度スケール情報を含む前記比較情報を生成する機能を前記コンピュータに実現させるための請求項15または請求項16に記載のプログラム。
- さらに、前記被調理物または前記比較被調理物の内部温度が基準温度に到達したかを判定する機能を前記コンピュータに実現させるための請求項15ないし請求項17の何れかの請求項に記載のプログラム。
- さらに、所定の加熱時間が経過したかを判定する機能を前記コンピュータに実現させるための請求項15ないし請求項18の何れかの請求項に記載のプログラム。
- さらに、前記液汁情報、前記比較情報または前記加熱時間情報の何れかを含む提示情報を生成する機能を前記コンピュータに実現させるための請求項15ないし請求項19の何れかの請求項に記載のプログラム。
- さらに、前記提示情報を情報提示部に提示させる機能を前記コンピュータに実現させるための請求項15ないし請求項20の何れかの請求項に記載のプログラム。
- 被調理物を加熱する加熱部と、
加熱中または加熱後、前記被調理物の液汁情報を取得する情報取得部と、
前記被調理物の内部温度に関係付けられた比較情報と前記液汁情報とを対比し、前記被調理物の内部温度を推定する処理を行う処理部と、
を含むことを特徴とする機器。 - さらに、前記処理部は、加熱中または加熱後、前記比較被調理物の液汁情報を取得し、前記比較情報を生成することを特徴とする請求項22に記載の機器。
- さらに、前記処理部は、前記液汁情報と前記内部温度情報とを対応させた温度スケール情報を含む前記比較情報を生成することを特徴とする請求項22または請求項23に記載の機器。
- さらに、前記処理部は、前記被調理物または前記比較被調理物の内部温度が基準温度に到達したかを判定することを特徴とする請求項22ないし請求項24の何れかの請求項に記載の機器。
- さらに、前記処理部は、所定の加熱時間が経過したかを判定することを特徴とする請求項22ないし請求項25の何れかの請求項に記載の機器。
- さらに、前記処理部は、前記液汁情報、前記比較情報または前記加熱時間情報の何れかを含む提示情報を生成することを特徴とする請求項22ないし請求項26の何れかの請求項に記載の機器。
- さらに、前記提示情報を提示する情報提示部を備えることを特徴とする請求項22ないし請求項27の何れかの請求項に記載の機器。
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- 2019-05-15 JP JP2019092084A patent/JP2020186862A/ja active Pending
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