以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
以下、図1〜図6を参照して、第1実施形態に係る椅子1について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、地面に載置された椅子1に使用者が座った状態を基準として、椅子1の上下、左右、前後方向を定義するものとする。つまり、着座状態の使用者の頭側が上側、足側が下側、左手側が左側、右手側が右側、胸側が前側、背中側が後側である。
まず、椅子1の概略構成について説明する。図1〜図3に示すように、本実施形態の椅子1は、使用者(着座者)の臀部を支持する座部11と、背部を支持する背もたれ部12と、脚部21とを含む折り畳み式の椅子である。背もたれ部12の前面(つまり、使用者の背部に接触して背部を支持する支持面)を構成するシートの一部は、メッシュ生地が張られた高通気度領域317として構成されている。また、背もたれ部12の背面を構成するシートには、2つのファンユニット8が取り付けられている。詳細は後述するが、背もたれ部12の前面側のシートと背面側のシートの間には、内部空間330が形成されている。ファンユニット8は、吸気口844(図8参照)が内部空間330に臨み、且つ、排気口848が背もたれ部12の背面側のシートの後側に配置された状態で取り付けられている。
ファンユニット8が駆動されると、内部空間330の空気は、吸気口844からファンユニット8内へ吸い込まれ、背もたれ部12の背面側で排気口848から排出される。これに伴い、使用者の背中周辺の空気が、背もたれ部12の前面側の高通気度領域317(メッシュ地)を通して内部空間330へ流入する。椅子1は、このような構成により、使用者に冷感を与えることができる。
以下、椅子1の詳細構成について説明する。図1〜図3に示すように、椅子1は、フレーム2と、シート(seat)本体3と、ファンユニット8とを備える。
フレーム2について説明する。図1〜図3に示すように、フレーム2は、シート本体3を支持するように構成されている。より詳細には、フレーム2は、地面や床等に載置される4本の脚部21と、脚部21に連結された一対の支持部23とを含む。支持部23は、シート本体3が取り付けられる部分であって、概ねL字状の長尺部材として形成されている。脚部21には、一対のアームレスト25が取り付けられている。なお、本実施形態では、フレーム2は、ヒンジを介して折り畳み可能に構成されている。
シート本体3について説明する。図1〜図3に示すように、シート本体3は、使用者の身体を支持する部材であって、フレーム2に着脱可能に構成されている。本実施形態では、シート本体3は、フレーム2に支持された状態で使用者の臀部および背部を支持する部材として構成されている。また、本実施形態では、シート本体3は、使用者の身体側に配置される外面311(つまり、臀部および背部を支持する支持面あるいは接触面)および内面312(つまり、外面311の反対側の面)を有する第1シート(sheet)31と、第1シート31の内面312に対向するように配置された第2シート(sheet)32と、第1シート31と第2シート32の間に配置されたスペーサ4とを備えている。なお、以下では、第2シート32のうち、背面側で外部に露出する面を外面321、第1シート31の内面312に対向する面(つまり、外面321の反対側の面)を内面322という。
図4および図5に示すように、第1シート31は、広げた状態では概ね矩形状に構成されており、座部11(図1参照)に対応する第1部分313と、背もたれ部12(図1参照)に対応する第2部分314とを含む。第1部分313のうち、座部11の左右の前端部に対応する部分には、袋状のフレーム装着部371が設けられている。また、第2部分314のうち、背もたれ部12の左右の上端部に対応する部分にも、袋状のフレーム装着部371が設けられている。これらのフレーム装着部371に、支持部23の両端部が挿入されることで、シート本体3がフレーム2に取り付けられる(図1および図2参照)。また、第1部分313の内面のうち、座部11の後端部に対応する位置には、バッテリ収容部373が設けられている。本実施形態では、バッテリ収容部373は、スナップで留め付けが可能な蓋を有するフラップポケットとして構成されている。バッテリ収容部373は、ファンユニット8の電源としてのバッテリ911が内蔵されたバッテリユニット91を収容可能である(図3参照)。
第1シート31は、比較的通気度の低い低通気度領域316と、低通気度領域316よりも通気度の高い高通気度領域317とを含む。より詳細には、第1シート31の大部分は、比較的通気度の低い生地によって、低通気度領域316として構成されているが、第1シート31のうち、背もたれ部12に対応する第2部分314の中央部のみが、通気度の高いメッシュ生地によって、高通気度領域317として構成されている。なお、高通気度領域317の位置および大きさは、平均的な体型の成人男性が背もたれ部12にもたれた場合に、メッシュ地が背中の大部分に接触するように設定されている。
本実施形態では、低通気度領域316を構成する生地には、JIS L1096―1998 6.27通気性A法(フラジール法)により測定した通気度が10cc/cm2/s以下の織物が採用されている。一方、高通気度領域317を構成するメッシュ生地の通気度は、100cc/cm2/s以上である。つまり、高通気度領域317の通気度は、低通気度領域316の通気度よりも大幅に高い。
図2、図3および図5に示すように、第2シート32は、第1シート31の内面312側で、第2部分314の一部(領域331、図4参照)に重なるように配置され、第1シート31に接合されている。つまり、シート本体3のうち座部11に対応する部分は、1層のシート(sheet)で構成されているのに対し、背もたれ部12に対応する部分の一部は、2層のシートで構成されている。なお、第2シート32は、第2部分314のうち、高通気度領域317(メッシュ生地で構成された部分)を含む領域331に重なるように配置される。
本実施形態では、第2シート32は、概ね矩形状であって、第2部分314の大部分に重なる大きさを有する。本実施形態では、第2シート32の周縁部のうち、下端部以外の部分は、縫合によって第1シート31に接合されている。一方、第2シート32の下端部の開口は、スライドファスナ335を介して開閉可能とされている。つまり、スライドファスナ335が閉じられると、第2シート32の周縁部の全体が第1シート31に接合された状態となる。このような構成により、第1シート31(領域331)および第2シート32によって、背もたれ部12に袋状部33が形成されている。袋状部33内、つまり第1シート31と第2シート32の間には、周囲が閉じられた内部空間330が形成される(図3参照)。
本実施形態では、第2シート32は、第1シート31の低通気度領域316と同様、JIS L1096―1998 6.27通気性A法(フラジール法)により測定した通気度が10cc/cm2/s以下の織物によって構成されている。なお、第2シート32の通気度は、第1シート31の高通気度領域317の通気度よりも低ければよく、第1シート31の低通気度領域316とは異なっていてもよい。なお、本実施形態では、地面からの輻射熱の影響を緩和するために、第2シート32の外面321(背面)には、遮熱用のアルミコーティングが施されている。
また、第2シート32は、ファンユニット8を着脱可能に構成された取付け孔325を有する。より詳細には、取付け孔325は、ファンユニット8のハウジング84の筒状部841(図8参照)の径と概ね同径の開口として構成されている。なお、本実施形態では、第2シート32には、2つの取付け孔325が設けられており、2つのファンユニット8が着脱可能とされている。2つの取付け孔325は、背もたれ部12の左右方向の中心線上に上下に離間して配置されている。2つのファンユニット8は、夫々、その一部が取付け孔325に挿通された状態で、第2シート32に取り付けられる。以下、取付け孔325の周縁部を、ファン取付け部326ともいう。なお、ファン取付け部326は、ファンユニット8を安定して取り付け可能とするために、補強材によって補強されていることが好ましい。ファンユニット8の構成および着脱については後で詳述する。
更に、第2シート32には、内部空間330と外部とを連通する連通孔328が設けられている。本実施形態では、連通孔328は、第2シート32の周縁部に沿って複数設けられている。連通孔328は、ファンユニット8用の取付け孔325よりも大幅に小径の貫通孔である。詳細は後述するが、連通孔328は、背もたれ部12の背面側から内部空間330への空気の流入を可能とする開口として設けられている。
図3および図7に示すように、スペーサ4は、第1シート31と第2シート32の間、つまり内部空間330に配置されている。スペーサ4は、第1シート31と第2シート32の間、更には、第1シート31と第2シート32に取り付けられたファンユニット8(詳細には、吸気側カバー843)の間に隙間を形成するように構成されている。これにより、スペーサ4は、内部空間330における空気の流路を確保するとともに、使用者が背もたれ部12にもたれたときの快適性を保つ。
本実施形態では、スペーサ4は、可撓性を有するシート41と、シート41の一面全体に配列された複数の突起43とを含む。シート41および突起43は、樹脂によって一体的に形成されている。詳細な図示は省略するが、シート41は、第2シート32より一回り小さい矩形状に形成されている。また、各突起43は、シート41の一面から突出する複数の脚部と、脚部の突出端に接続された板状部によって構成されている。突起43は若干の可撓性を有するものの、突出方向の外力が加えられた場合でもその形状を概ね維持可能に構成されている。このため、第1シート31と第2シート32との間には、突起43によって、所定量以上の隙間が保たれる。各突起43の脚部の間、および隣接する複数の突起43の間には、空気が流通可能な空間が形成されている。
なお、図5および図7に示すように、本実施形態では、スペーサ4は、メッシュ生地で形成された収容袋45(図3では図示略)に収容された状態で内部空間330に配置されている。収容袋45は、シート41と概ね同じ大きさの矩形状に形成されている。また、収容袋45と第2シート32の内面322(前面、第1シート31との対向面)の四隅には、夫々、面ファスナ46のフック面とループ面とが取り付けられている。これにより、スペーサ4は、収容袋45を介して第2シート32に取り付けられ、内部空間330内で位置決めされた状態で保持される。
以下、ファンユニット8について説明する。ファンユニット8は、シート本体3(詳細には、第2シート32)に着脱可能に構成されている。より詳細には、図7および図8に示すように、ファンユニット8は、本体部81と、本体部81とは別体として形成され、本体部81に着脱可能なリング部材89とを備えており、本体部81のフランジ845と、リング部材89のフランジ893とによって、ファン取付け部326を挟持するように構成されている。なお、本実施形態のファンユニット8の基本的な構成は、特開2018−115646に開示されている構成と同じである。
まず、本体部81について説明する。本体部81は、モータ82と、モータ82によって回転駆動されるファン83と、モータ82およびファン83を収容するハウジング84とを主体として構成されている。
モータ82およびファン83は、ハウジング84内に同軸状に配置されている。本実施形態では、モータ82として、ブラシレスモータが採用されている。モータ82は、ロータと共に回転軸A1周りに回転駆動されるモータシャフトを有する。ファン83は、複数の羽根を備えた軸流ファンとして構成されている。ファン83は、モータ82の駆動に伴って、回転軸A1周りにモータシャフトと一体的に回転される。
ハウジング84は、リング部材89が取り付けられる筒状部841と、吸気口844を有する吸気側カバー843と、吸気側カバー843の周囲に設けられたフランジ845と、排気口848を有する排気側カバー847とを含む。
筒状部841は円筒状に形成された部分であって、モータ82およびファン83と同軸状に配置されている。筒状部841は、シート本体3に設けられた取付け孔325(図5参照)と概ね等しい外径を有する。吸気側カバー843は、筒状部841の2つの開口端のうち、ファン83の吸気側の端を覆うように配置されている。詳細な図示は省略するが、吸気側カバー843は、中央部に配置された板状部と、板状部から放射状に延びる複数のリブとを含む。吸気口844は、板状部と複数のリブの間に形成された貫通孔であって、吸気側カバー843を回転軸A1方向に貫通している。フランジ845は、吸気側カバー843の外周から径方向外側に突出するように設けられている。
排気側カバー847は、全体としては円形ドーム状に形成され、筒状部841の2つの開口端のうち、ファン83の排気側の端を覆うように配置されている。排気側カバー847は、中央部に配置された板状部と、板状部から放射状且つアーチ状に延びる複数のリブとを含む。排気口848は、板状部と複数のリブの間に形成された貫通孔であって、排気側カバー847を回転軸A1方向および回転軸A1に交差する方向に貫通している。
なお、排気側カバー847の周方向における一部には、凹部が設けられており、凹部の回転軸A1側には、モータ82に電気的に接続されたコネクタ823が配置されている。コネクタ823には、図2および図3に示すように、接続ケーブル93を接続可能である。モータ82は、接続ケーブル93を介してバッテリユニット91と電気的に接続される。詳細な図示は省略するが、本実施形態では、バッテリユニット91は、バッテリ911を内蔵するとともに、モータ82の駆動開始および停止の指示、ならびにファン83の風量(つまり、モータ82の回転数)の設定指示を入力するための操作ボタンを有する。また、バッテリユニット91には、コントローラ(例えば、CPUを備えたマイクロコンピュータ、図示略)も搭載されている。コントローラは、入力された指示に応じてモータ82の駆動を制御する。
次に、リング部材89について説明する。図7および図8に示すように、リング部材89は、筒状部891と、フランジ893とを含む。筒状部891は、本体部81の筒状部841の外周部に着脱可能に構成された短尺状の円筒体として形成されている。フランジ893は、筒状部841の軸方向における一端部から径方向外側に突出するように設けられている。
また、ハウジング84およびリング部材89には、リング部材89をハウジング84に装着するための構成が設けられている。
より詳細には、ハウジング84の筒状部841の外周面には、略L字状のガイド溝851が設けられている。一方、リング部材89の筒状部891の内周面には、径方向内側に突出する係止突起854が設けられている。係止突起854は、ガイド溝851内に挿入可能なサイズに設定されている。係止突起854は、リング部材89がハウジング84に対して着脱される過程で、ガイド溝851内に挿入され、ガイド溝851に沿って案内される。
更に、ハウジング84の筒状部841の外周面には、係止凹部856が設けられている。一方、リング部材89の筒状部891には、係止片857が設けられている。係止片857は、可撓性を有する帯状部材として、筒状部891の周方向に延在するように、筒状部891と一体的に形成されている。係止片857は、先端から径方向内側に突出する爪(図示略)を介して係止凹部856に係止可能に構成されている。リング部材89は、係止突起854が、ガイド溝851のうち周方向に延在する部分内に配置され、係止片857が係止凹部856に係止されることで、ハウジング84に装着される。
以下、シート本体3(詳細には、第2シート32)に対するファンユニット8の着脱について説明する。
ファンユニット8を第2シート32に装着する場合、使用者はまず、図6に示すように、スライドファスナ335を開けて、リング部材89が取り外された状態のハウジング84を、袋状部33に挿入する。更に、使用者は、吸気側カバー843が袋状部33内(内部空間330)に配置された状態で、ハウジング84を第2シート32の取付け孔325に挿入し、ハウジング84のフランジ845がファン取付け部326の前面(第1シート31側の面)に当接し、筒状部841と排気側カバー847が取付け孔325から外部へ突出した状態とする。なお、この段階では、シート本体3は、フレーム2から取り外されていてもよいし、フレーム2に取り付けられていてもよい。また、収容袋45に収容されたスペーサ4は、予め、第2シート32から取り外される。なお、作業性向上のために、スペーサ4は、袋状部33から取り出しておくこともできる。
使用者は、第2シート32の外部(後方)に突出する筒状部841に、リング部材89を取り付ける。具体的には、使用者は、係止突起854がガイド溝851の受入口に対向するように、リング部材89をハウジング84に対して位置合わせし(図7参照)、係止突起854がガイド溝851のうち回転軸A1方向に延在する部分に沿って案内される状態で、リング部材89をハウジング84に対して後方へ移動する。その後、使用者は、係止突起854がガイド溝851のうち周方向に延在する部分に沿って案内される状態で、リング部材89をハウジング84に対して時計回り方向CWに回転させる。係止片857の爪が係止凹部856に係止すると、ハウジング84に対するリング部材89の装着が完了する。
係止突起854がガイド溝851の規制面852(ガイド溝851のうち、周方向に延在する部分の排気側の端面)に当接することによって、回転軸A1方向において、リング部材89がハウジング84から離れる方向に移動することが規制される。また、係止片857の爪が係止凹部856に係止することによって、リング部材89がハウジング84に対して周方向に移動することが規制される。このようにして、ハウジング84のフランジ845とリング部材89のフランジ893によってファン取付け部326が挟持され、ファンユニット8が第2シート32に対して取り付けられる。
図3に示すように、スライドファスナ335が閉じられると、第2シート32の周縁部全体が第1シート31(領域331)に対して接合される。これにより、内部空間330と袋状部33の外部とは、主に、ファンユニット8、第1シート31(領域331)の高通気度領域317、および第2シート32の連通孔328(図1および図2参照)を介して空気の流通が可能な状態となる。また、接続ケーブル93を介してファンユニット8がバッテリユニット91に接続されることで、ファンユニット8が稼働可能となる。
ファンユニット8を第2シート32から取り外す時には、使用者は、係止片857の爪を係止凹部856から外した後、リング部材89をハウジング84に対して装着時とは反対方向に移動させることになる。つまり、リング部材89は、反時計回り方向CCWに相対移動され、その後、回転軸A1方向にハウジング84から離れる方向に相対移動されることで、ハウジング84から取り外される。その後、使用者は、スライドファスナ335を開けて袋状部33内に手を差し入れ、ハウジング84を取り出せばよい。
以下、椅子1の使用態様とその効果について説明する。
例えば、高温環境下において身体の冷却が望まれる場合には、使用者は、上述のようにシート本体3にファンユニット8を取り付けた状態で、椅子1を使用することができる。
使用者がバッテリユニット91の操作ボタン(図示略)を介して駆動開始指示を入力すると、モータ82の駆動が開始され、ファン83が回転する。これに伴い、シート本体3の外部から、使用者の身体側の第1シート31の高通気度領域317を通って、吸気口844を介してハウジング84内に吸い込まれ、ハウジング84を通って排気口848からシート本体3の外部(第2シート32の背面側)へ排出される空気流が生じる。このとき、使用者の身体の周囲で空気が流動し、使用者に冷感を与えることができる。また、汗等の湿気が、高通気度領域317を通って、第1シート31の外面311側よりも湿度の低い内面312側(内部空間330)へ空気とともに吸い込まれるため、蒸れを解消することができる。また、第1シート31と第2シート32の間に配置されたスペーサ4が、第1シート31と第2シート32の間に隙間を確保することで、第1シート31と第2シート32の間における空気の流動性を高めることができる。なお、本実施形態では、高通気度領域317は、背もたれ部12に設けられているため、座ったときに最も汗をかきやすい背部を効果的に冷却することができる。
また、本実施形態では、ファンユニット8のハウジング84は、吸気口844が第1シート31と第2シート32の間(内部空間330)に配置され、排気口848が第2シート32に対して第1シート31とは反対側(外面321側)に配置された状態で、第2シート32の取付け孔325に装着される。これにより、吸気口844は、高通気度領域317を有する第1シート31に対向することになる。よって、シート本体3の外部の空気を、高通気度領域317を通じて効率的に吸い込むことができる。また、第1シート31と第2シート32の間のスペーサ4は、使用者が背もたれ部12にもたれたときに、第1シート31がファンユニット8(詳細には、吸気側カバー843)に接触するのを妨げることができる。これにより、背部にファンユニット8が当たる感触を使用者に与えることがなく、快適性を保つことができる。
また、本実施形態では、第2シート32は、第1シート31と第2シート32の間の内部空間330とシート本体3の外部とを連通する複数の連通孔328を有する。これにより、高通気度領域317が使用者の身体によって覆われてしまった場合でも、シート本体3の外部の空気は、第2シート32の外面321側から、連通孔328を通って、吸気口844を介してハウジング84内に吸い込まれ、ハウジング84を通って排気口848からシート本体3の外部(第2シート32の背面側)へ排出される。つまり、連通孔328を通じた空気の流動が確保される。
一方、使用者は、ファンユニット8による身体の冷却が不要な場合には、上述のように、ファンユニット8を第2シート32から取り外し、シート本体3のみをフレーム2に取り付けて、椅子1を使用することもできる。この場合、使用者は、ファンユニット8とともにスペーサ4も取り外すこともできる。また、使用者は、椅子1から取り外したファンユニット8を、単体で使用したり、衣服に装着して使用したりすることができる。
第1実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。椅子1は、「身体支持装置」および「椅子」の一例である。シート本体3は、「本体部」の一例である。ファンユニット8、ハウジング84、吸気口844、排気口848、ファン83は、夫々、「送風装置」、「ハウジング」、「吸気口」、「排気口」、「ファン」の一例である。第1シート31、第2シート32、スペーサ4は、夫々、「第1シート」、「第2シート」、「第1スペーサ」の一例である。第1シート31の外面311、内面312は、夫々、「第1面」、「第2面」の一例である。高通気度領域317は、「高通気度領域」の一例である。取付け孔325は、「取付け孔」の一例である。連通孔328は、「連通孔328」の一例である。座部11、背もたれ部12は、夫々、「座部」、「背もたれ部」の一例である。
[第2実施形態]
以下、図9〜図15を参照して、第2実施形態に係るベビーカー51について説明する。なお、以下の説明では、便宜上、第1実施形態の椅子1と同様に、地面に載置されたベビーカー51に使用者である幼児が座った状態を基準として、ベビーカー51の上下、左右、前後方向を定義するものとする。また、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、適宜、説明を省略または簡略化する。
まず、ベビーカー51の概略構成について説明する。図9〜図11に示すように、本実施形態のベビーカー51は、使用者(着座者)の臀部を支持する座部511と、背部を支持する背もたれ部512と、車輪611付きの脚部61とを含む可動式の椅子である。背もたれ部512の背面を構成するシートには、2つのファンユニット8(図7、図8参照)が取り付けられている。第1実施形態の椅子1と同様、ファンユニット8は、背もたれ部512の前面(つまり、使用者の背部に接触して背部を支持する支持面)を構成するシートを通じて、吸気口844から空気を吸込み、背もたれ部512の背面側で排気口848から排出する。ベビーカー51は、このような構成により、使用者に冷感を与えることができる。
以下、ベビーカー51の詳細構成について説明する。図9〜図12に示すように、ベビーカー51は、フレーム6と、シート(seat)本体7と、スペーサ70と、ファンユニット8とを備える。
フレーム6について説明する。図9〜図12に示すように、フレーム6は、シート本体7を支持するように構成されている。より詳細には、フレーム6は、地面や床等に載置される4本の脚部61と、脚部61に連結された支持部63とを含む。各脚部61の下端部には、車輪611が回転可能に支持されている。支持部63は、シート本体7を支持する部分であって、シート本体7を載置可能に構成されている。より詳細には、支持部63は、側面視概ねL字状の支持体であって、座部511および背もたれ部512を構成する。支持部63のうち、背もたれ部512を構成する部分は、通気性の高いメッシュ部631
とされている。支持部63の上端部の背面には、荷物を収容可能なポケット633が設けられている。本実施形態では、バッテリユニット91(図示略)は、ポケット633に収容される。また、支持部63には、使用者の転落防止用のガード、ハンドル、および日よけカバーが連結されている。なお、フレーム6は、ヒンジを介して折り畳み可能に構成されている。
シート本体7について説明する。図9〜図12に示すように、シート本体7は、使用者の身体を支持する部材であって、後述するスペーサ70とともに、フレーム6の支持部63に着脱可能に構成されている。本実施形態では、シート本体7は、フレーム6に支持された状態で、使用者の臀部および背部を支持する部材として構成されている。また、本実施形態では、シート本体7は、使用者の身体側に配置される外面711および内面712を有する第1シート(sheet)71と、第1シート71の内面712に対向するように配置された第2シート(sheet)72とを備えている。なお、以下では、第2シート72のうち、支持部63側に配置される面を外面721、第1シート71の内面712に対向する面(つまり、外面721の反対側の面)を内面722という。
図9および図13に示すように、第1シート71は、広げた状態では概ね矩形状に構成されており、座部511に対応する部分と背もたれ部512に対応する部分とを含む。本実施形態では、第1シート71は、その全体が立体メッシュ生地で構成されている。立体メッシュ生地は、例えば、連結糸によって連結された複数層のメッシュの編地または織地、あるいは立体網状構造体であって、高い通気性とクッション性を有する素材である。なお、第1シート71の通気度は、100cc/cm2/s以上である。
更に、第1シート71には、フレーム6の支持部63に取り付けられたベルト635を通すための貫通孔715が複数設けられている。また、第1シート71の内面712の周縁部の複数箇所に、第1シート71を第2シート72に固定するための面ファスナ716が取り付けられている。
図11および図12に示すように、第2シート72は、第1シート71の内面712側で、第1シート71の概ね全体に重なるように配置され、第1シート71に接続されている。つまり、本実施形態では、シート本体7の全体(座部511に対応する部分および背もたれ部512に対応する部分の全体)が、複数層のシートで構成されている。このため、図14に示すように、第2シート72も、広げた状態では、第1シート71と概ね同一の矩形状に構成されている。なお、第2シート72のうち、背もたれ部512に対応する部分の上端部と左右端部には、第2シート72をフレーム6の支持部63に取り付けるためのマチ布723が接続されている。
なお、本実施形態では、座り心地を向上させるために、第2シート72は、2層のシート(sheet)の間にシート状のスポンジが挟み込まれ、2層のシートの周縁部が縫合されることで形成されている。しかしながら、以下では、説明の便宜上、スポンジが挟み込まれた2層のシートを、全体として第2シート72と称するものとする。第2シート72(詳細には、第2シート72の2層のシートのうち、少なくとも一方)は、通気度が10cc/cm2/s以下の織物によって構成されている。なお、第2シート32の通気度は、第1シート31の通気度よりも低ければよい。上述のように、第1シート71は、全体が立体メッシュ生地であるから、本実施形態では、第1シート71の全体が、第2シート72よりも高い通気度を有する高通気度領域であるということもできる。第1実施形態の第2シート32と同様、第2シート72の外面721には、遮熱用のアルミコーティングが施されている。
また、図12および図14に示すように、第2シート72は、ファンユニット8を着脱可能に構成された2つの取付け孔325を有する。2つの取付け孔325は、第2シート72(背もたれ部512)の左右方向の中心線上に上下に離間して配置されている。2つのファンユニット8のハウジング84は、夫々、吸気側カバー843が内面722側に配置された状態で、第2シート32に取り付けられる。
更に、第2シート72には、第1シート71と同様、ベルト635を通すための貫通孔725が複数設けられている。また、第2シート72の内面722の周縁部の複数箇所には、面ファスナ726が取り付けられている。面ファスナ726は、第1シート71の面ファスナ716に対応する位置に配置されており、第1シート71と第2シート72は、面ファスナ716、726の係合によって接合される。
スペーサ70について説明する。図11、図12および図15に示すように、スペーサ70は、フレーム6の支持部63と、シート本体7の第2シート72の間に配置されている。本実施形態では、スペーサ70は、ファンユニット8と支持部63(詳細には、メッシュ部631)との間に隙間を確保するように構成されている。また、本実施形態では、スペーサ70は、ウレタンフォームで形成されており、緩衝材としても機能する。なお、本実施形態では、スペーサ70は、複数の板状のウレタンフォームを積層することで形成されているが、スペーサ70は、1枚の板材で形成されていてもよい。
スペーサ70は、第2シート72のうち、背もたれ部512に対応する部分と概ね同一の矩形状に形成されており、2つの取付け孔325と対応する位置に、2つの嵌合孔701を有する。各嵌合孔701は、取付け孔325と概ね同径の貫通孔である。また、スペーサ70の厚みは、第2シート72(外面721)からのファンユニット8の突出長(詳細には、筒状部841と排気側カバー847をあわせた部分の回転軸A1方向の長さ)よりも大きく設定されている。このような構成により、支持部63の背もたれ部512に対応する部分にスペーサ70が配置され、更に、その上側(前面側)に、スペーサ70に第2シート72の外面721が対向するようにシート本体7が載置されると、ファンユニット8のうち、取付け孔325から突出する部分は、嵌合孔701に嵌合するが、メッシュ部631には接触しない。排気口848は、嵌合孔701を介してメッシュ部631に対向する。
更に、スペーサ70には、第1シート71および第2シート72と同様、ベルト635を通すための貫通孔705が複数設けられている。
以上のように構成されたスペーサ70およびシート本体7は、支持部63に順に載置され、貫通孔705、725、715に、ベルト635が通される。更に、第2シート72のマチ布723が、スペーサ70の上端、左端、右端の夫々を覆った状態で、例えば面ファスナ(図示略)によって支持部63に取り付けられる。これにより、シート本体7とスペーサ70とが、一体的に支持部63に支持される。なお、詳細な図示は省略するが、ファンユニット8に接続された接続ケーブル93は、嵌合孔701からスペーサ70の背面側に引き出され、更に、支持部63(メッシュ部631)とスペーサ70の間を通って、ポケット633に収容されたバッテリユニット91に接続される。
以下、ベビーカー51の使用態様とその効果について説明する。
例えば、高温環境下において幼児の身体の冷却が望まれる場合には、第2シート72にファンユニット8を取り付けた状態で、ベビーカー51を使用することができる。なお、ファンユニット8の第2シート72への着脱方法は、第1実施形態の第2シート32への着脱方法と同様である。
モータ82の駆動が開始され、ファン83が回転すると、シート本体7の外部から、使用者の身体側の第1シート71(つまり、高通気度領域)を通って、吸気口844を介してハウジング84内に吸い込まれ、ハウジング84を通って排気口848からシート本体7の外部(第2シート72の背面側)へ排出される空気流が生じる。このとき、使用者の身体の周囲で空気が流動し、使用者に冷感を与えることができる。また、汗等の湿気が、第1シート71を通って、第1シート71の外面711側よりも湿度の低い内面712側(第2シート72側)へ空気とともに吸い込まれるため、蒸れを解消することができる。
また、本実施形態では、フレーム6の支持部63は、メッシュ部631を含む。そして、ファンユニット8のハウジング84は、吸気口844が第1シート71と第2シート72の間に配置され、排気口848が第2シート72の外面721側(第1シート71とは反対側)に配置された状態で、取付け孔325に装着される。そして、シート本体7は、排気口848がメッシュ部631と対向するように、支持部63に支持される。よって、排気口848から排出された空気は、嵌合孔701からメッシュ部631を通ってベビーカー51の背面側に円滑に流れる。
更に、本実施形態では、支持部63とシート本体7の間に配置されたスペーサ70が、ファンユニット8がメッシュ部631に当たることで、使用者側の第1シート71に凸凹が生じるのを防止し、使用者の快適性を向上することができる。また、スペーサ70の嵌合孔701にファンユニット8が嵌合することで、スペーサ70とシート本体7の位置関係が安定して保持される。なお、本実施形態では、第1シート71と第2シート72の間にはスペーサは配置されていないが、クッション性に優れた立体メッシュ生地で形成された第1シート71が、背部にファンユニット8が当たる感触を使用者に与えるのを防ぎ、快適性を保つことができる。
一方、ファンユニット8による身体の冷却が不要な場合には、上述のように、ファンユニット8を第2シート32から取り外し、シート本体7およびスペーサ70のみ、あるいはシート本体7のみをフレーム6に取り付けて、ベビーカー51を使用することもできる。また、シート本体7に代えて、シート本体7とは異なるマットレス等をフレーム6に載置して使用することも可能である。
[第3実施形態]
以下、図16を参照して、第3実施形態に係るベビーカー52について説明する。本実施形態のベビーカー52の構成の大部分は、第2実施形態のベビーカー51(図9〜図12参照)と同一である。以下の説明では、第2実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して、適宜、説明を省略または簡略化する。
図16に示すように、本実施形態のベビーカー52は、フレーム60と、シート本体7とを備えている。シート本体7の構成は第2実施形態と同一である一方、フレーム60の構成は、第2実施形態のフレーム6とは異なっている。また、シート本体7は、スペーサを介することなく、フレーム60に直接支持される。
具体的には、フレーム60は、第2実施形態と同一の車輪611付きの脚部61と、第2実施形態とは異なる支持部65とを備える。支持部65は、側面視概ねL字状の支持体であって、座部511と背もたれ部512とを構成するが、背もたれ部512を構成する部分はメッシュ部を含まない。代わりに、支持部65は、ファンユニット8用の2つの嵌合部651を有する。2つの嵌合部651は、支持部65の左右方向の中心線上に、シート本体7の2つの取付け孔325の離間距離と略同一の離間距離をもって配置されている。各嵌合部651は、ファンユニット8のうち、取付け孔325から背面側に突出する部分を嵌合可能に構成されている。より詳細には、嵌合部651は、リング部材89の筒状部891の最大径と概ね同径の貫通孔と、貫通孔の周縁部に設けられ、背面側に突出する円筒部を含む。このような構成により、シート本体7は、ファンユニット8のリング部材89が嵌合部651に嵌合する状態で、支持部65に支持される。このとき、ファンユニット8のうち、排気口848を有する排気側カバー847は、支持部65の背面側に配置され、外部に露出する。
以上のように構成されたベビーカー52においても、ファン83の回転に伴って、シート本体7の外部から、使用者の身体側の第1シート71(つまり、高通気度領域)を通って、吸気口844を介してハウジング84内に吸い込まれ、ハウジング84を通って排気口848からシート本体7の外部(第2シート72の背面側)へ排出される空気流が生じる。なお、ファンユニット8のうち、排気口848を有する排気側カバー847は、嵌合部651を介して外部に露出しているため、排気口848から排出された空気は、ベビーカー52の背面側に円滑に流れる。このように、本実施形態のベビーカー52も、第2実施形態のベビーカー51と同様、使用者に冷感を与え、蒸れを解消することができる。
また、ベビーカー52では、支持部65の嵌合部651にファンユニット8が嵌合することで、フレーム60とシート本体7の位置関係が安定して保持される。更に、ベビーカー52は、シート本体7と支持部65の間に配置されるスペーサを備えていないため、例えば、ファンユニット8を着脱する場合に、シート本体7をフレーム60から容易に取り外すことができる。また、シート本体7に代えて、シート本体7とは異なるマットレス等をフレーム60に載置して使用することも可能である。
第2実施形態および第3実施形態の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。ベビーカー51、52の各々は、「身体支持装置」、「椅子」および「ベビーカー」の一例である。フレーム6、60の各々は、「フレーム」の一例である。車輪611、脚部61は、夫々、「車輪」、「脚部」の一例である。支持部63、65の各々は、「支持部」の一例である。シート本体7は、「本体部」の一例である。ファンユニット8、ハウジング84、吸気口844、排気口848、ファン83は、夫々、「送風装置」、「ハウジング」、「吸気口」、「排気口」、「ファン」の一例である。第1シート71、第2シート72は、夫々、「第1シート」、「第2シート」の一例である。第1シート71の外面711、内面712は、夫々、「第1面」、「第2面」の一例である。第1シート71の全体が、「高通気度領域」の一例である。メッシュ部631は、「メッシュ部」の一例である。取付け孔325は、「取付け孔」の一例である。連通孔328は、「連通孔328」の一例である。スペーサ70は、「第2スペーサ」の一例である。座部11、511および背もたれ部12、512は、夫々、「座部」および「背もたれ部」の一例である。
上記実施形態は単なる例示であり、本発明は、例示された構成に限定されるものではない。例えば、第1〜第3実施形態の各々で例示された構成は、他の実施形態で例示された構成の1つまたは複数と組み合わせて採用されうる。また、第1〜第3実施形態の各々で例示された構成の一部は、適宜、省略されうる。
以下に、採用可能な更なる変更について例示する。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す椅子1、ベビーカー51、ベビーカー52、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
例えば、第1実施形態の椅子1では、第1シート31のうち、背もたれ部12に対応する第2部分314の一部にのみ、高通気度領域317が設けられている。しかしながら、座部11に対応する第1部分313の少なくとも一部にも、高通気度領域317が設けられてもよいし、第1部分313の少なくとも一部にのみ、高通気度領域317が設けられてもよい。また、第2、第3実施形態のように、第1シート31全体が、第2シート32よりも通気度が高い素材で形成されていてもよい。更に、第1シート31全体が、高い通気性とクッション性を有する立体メッシュ生地で形成され、スペーサ4が省略されてもよい。
反対に、第2、第3実施形態のベビーカー51、52において、シート本体7は、シート本体3と同様、第1シート71と第2シート72の間にスペーサが配置された構成に変更されてもよい。この場合、第1シート71も、一部のみに高通気度領域を有する構成とされてもよい。また、第1シート71が、一部のみに高通気度領域を有する構成とされ、使用者の身体によって高通気度領域が覆われる可能性がある場合には、第1実施形態の連通孔328と同様、第2シート72に、第1シート71と第2シート72の間の空間と外部とを連通する連通孔が設けられることが好ましい。
シート本体3、7は、少なくとも部分的に2層のシート(sheet)を含めばよい。また、上記実施形態では、第1シート31、71と第2シート32、72とは別個のシートであるが、連続した1枚のシートが2層に折り曲げられて、夫々の層が第1シートと第2シートを構成してもよい。また、第1シート31、71と第2シート32、72とは、別のシート(例えば、マチ布)を介して接続されていてもよい。
また、上記実施形態において挙げたシート本体3、7の素材および通気度は、あくまでも例示であって、第1シート31、71のうち、第2シート32、72に対向する領域の少なくとも一部が、第2シート32、72よりも高い通気度を有する限りにおいて、適宜、変更されうる。
シート本体3、7に装着可能なファンユニット8の数や、ファンユニット8の装着位置(つまり、取付け孔325の数や配置)は、適宜変更されてよい。例えば、取付け孔325は、1つのみであってもよいし、3つ以上あってもよい。また、例えば、取付け孔325は、第1シート31、71に設けられてもよいし、シート本体3、7が第1シート31、71と第2シート32、72とを接続するマチ布を含む場合には、マチ布に設けられてもよい。
ファンユニット8の構成についても、適宜、変更されてよい。例えば、1つのハウジング84内に複数のファン83が収容された構成であってもよい。この場合、ファン83の数に対応して、モータ82も複数設けられていてもよい。
また、ファンユニット8の第2シート32、72に対する取付け方法は、上記実施形態の例に限られない。例えば、ハウジング84(筒状部841)およびリング部材89の一方に可撓性を有する係止片が設けられ、他方に係止片が係止可能な凹部が設けられていてもよい。この場合、リング部材89がハウジング84に対して回転軸A1方向に嵌め込まれ、係止片が凹部に係止することで、取付けが完了する。あるいは、ハウジング84(筒状部841)の外周面に雄ネジ部が設けられ、リング部材89の内周面に雄ネジ部に螺合可能な雌ネジ部が設けられていてもよい。
上記実施形態では、身体支持装置の例として、椅子1、ベビーカー51、52が例示されているが、本発明を適用可能な身体支持装置は、これらの例に限られない。例えば、折り畳み不能な椅子、ソファ、車椅子、ペット用の押し車、乗り物用のシート(seat)、各種ベッド、マットレスとして具現化されてもよい。
また、本発明における「使用者」には、大人や子供、幼児のみならずペット等の動物も含まれる。
本発明および上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様のうち少なくとも1つが、単独で、または、上述の実施形態、変形例、もしくは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されてもよい。
[態様1]
前記第1シートの少なくとも一部は、クッション性を有する。
[態様2]
前記身体支持装置は、前記本体部を取り外し可能に支持するように構成されたフレームを更に備える。
なお、本態様において、フレームは、本体部を直接的に支持してもよいし、別部材を介して間接的に支持してもよい。上記実施形態のフレーム6、60の各々は、本態様の「フレーム」の一例である。
[態様3]
前記第1シートの少なくとも一部と、前記第2シートの少なくとも一部は、互いに接合されて、袋状部を形成し、
前記袋状部は、開閉可能に構成された開口を有する。
上記実施形態の袋状部33は、本態様の「袋状部」の一例である。
[態様4]
前記スペーサは、前記袋状部に取り外し可能に収容される。
[態様5]
前記第1シートは、前記背もたれ部と前記座部とを形成するように構成され、
前記第2シートは、前記背もたれ部の少なくとも一部に対応して設けられている。
[態様6]
前記送風装置は、前記背もたれ部の左右方向の中心線に沿って複数配置される。
[態様7]
前記身体支持装置は、折り畳み式の椅子として構成されている。
[態様8]
前記送風装置は、外部電源に接続するためのケーブルを接続可能なコネクタを備え、
前記コネクタは、前記本体部の外部に配置される。