JP6798879B2 - 椅子の座、椅子、及び、空調システム - Google Patents
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即ち、本発明に係る椅子の座は、少なくとも着座者からの荷重入力方向に沿う空気の流通を許容する通気性弾性部材と、前記通気性弾性部材の着座者側に面する荷重受け面と相反する側において、着座者から入力される荷重を前記通気性弾性部材を介して支持する荷重支持部と、前記通気性弾性部材側から空気を吸入して吸入した空気を外部に排出する吸気装置と、を備え、前記吸気装置は、前記通気性弾性部材のうちの前記荷重受け面と相反する側の面に吸入部を対向させた状態で前記荷重支持部に支持されている椅子の座において、前記荷重支持部は、硬質材料から成る支持ベースと、該支持ベースに保持されて前記通気性弾性部材を保持する難通気性のクッション部材と、を備え、前記クッション部材の荷重入力側の面には、前記通気性弾性部材に対向し、かつ、前端部から前記荷重入力側の面に沿うように前記吸気装置側に向かって延出する凹溝が設けられ、前記通気性弾性部材は、前端部が前記クッション部材の前端部領域に達するように前記クッション部材の上面に載置されていることを特徴とする。
また、この場合、支持ベースに保持された難通気性のクッション部材により、通気性弾性部材の所望の位置からの吸気を妨げることなく、通気性弾性部材とともに着座者を柔軟に受け止めることができる。
また、この場合、通気性弾性部材の荷重受け面に沿う方向に流通しようとする空気の一部が凹部でバイパスして流れるようになるため、通気性弾性部材の広い範囲から空気を吸入装置に容易に吸入することが可能になる。荷重入力側の面に沿って吸気装置側に向かう空気の流れがよりスムーズになる。
この場合、通気性弾性部材の内側に流入した空気が、通気性弾性部材の荷重受け面のうちの吸気不要領域から着座者側に逃げるのを吸入抑制シートによって抑制することができる。したがって、この構成を採用した場合には、通気性弾性部材の上面の所望の位置から空気をより効率良く吸い込むことが可能になる。
この場合、膨出部の内側の角部の近傍で通気性弾性部材を係止することができる。したがって、この構成を採用した場合には、通気性弾性部材の位置ずれを抑制することができる。したがって、この構成を採用した場合には、吸気装置の吸入部と通気性弾性部材の間の位置関係に変動が生じにくくなるため、吸気装置の吸入効率を常に良好に維持することができる。
この場合、通気性弾性部材は、メッシュ状の表面層と裏面層が接続層の複数の線状体で連結されているため、荷重入力方向の空気の流れだけでなく、荷重入力方向と交差する方向の空気の流れも接続層の線状体間の隙間を通して許容する。また、接続層の線状体は、荷重入力方向に沿って弾性変形可能であるため、着座者の着座荷重を受けたときに通気性弾性部材が荷重入力方向に柔軟に弾性変形する。このため、着座者の着座感を良好に保つことができるうえ、着座者の僅かな動きに応じて内部の空気を容易に流動させることができる。
また、本発明によれば、通気性弾性部材が着座者からの荷重を受けて弾性変形するため、着座者が姿勢を僅かに変化させたとき等に、着座者の動きに応じて通気性弾性部材の内部の空気が動き、着座者が接触部位で空気の流れを感じることができる。したがって、着座者の快適感を高めることができる。
なお、以下の説明においては、椅子1に正規姿勢で着座した人の正面となる向きを「前」と呼び、それと逆側の向きを「後」と呼ぶものとする。また、「上」,「下」と「左」,「右」については、椅子1に正規姿勢で着座した人の上方となる向きを「上」、それと逆側の向きを「下」と呼び、椅子1に正規姿勢で着座した人の左側となる向きを「左」、それと逆側の向きを「右」と呼ぶものとする。図中の適所には、前方を指す矢印FRと、上方を指す矢印UPと、左側方を指す矢印LHが記されている。
これらの図に示すように、本実施形態係る椅子1は、フロアF上に載置される脚部2と、脚部2の上端に設置されるボックス状の支基3と、支基3の上面に取り付けられた座受部材5と、座受部材5に前後位置調整可能に取り付けられ上面に着座者が着座する座4と、支基3から後部上方側に延出して座4に着座した着座者の背中を支持する背凭れ6と、座受部材5の左右の側部に取り付けられ座4に着座した着座者の腕先が載せ置かれる肘掛け11と、を備えている。
図3は、座4を上方から見た図であり、図4は、後述する張材16を取り去って座4を前部斜め上方から見た図である。また、図5は、座4の分解斜視図であり、図6,図7,図8は、それぞれ図3のVI−VI線沿う断面、VII−VII線沿う断面、VIII−VIII線沿う断面を示した図である。
通気性弾性部材15は、図9に示すように、上面(荷重受面)に沿って延在する表面層26と、上面(荷重受面)に沿って延在し表面層26と対向方向で離間して配置された裏面層27と、表面層26と裏面層27の間にあって両者を連結する接続層28と、を有している。表面層26と裏面層27とは、化学繊維や天然繊維等の各種の繊維から成る線状体29がメッシュ状に接合された比較的に強度の高い層となっている。また、接続層28は、荷重入力方向に沿う方向に弾性変形可能なナイロンやポリエステル等の材料から成る撚っていない複数の線状体30(モノフィラメント)によって構成されており、表面層26の線状体29と裏面層27の線状体29を相互に連結している。
なお、本実施形態においては、送風誘導タクト18は、可撓性を有する部材によって構成されている。これにより、座4を座受け部材5に対して前後方向に位置調整するときに、座と一体に移動した送気誘導ダクト18が支基3側の部材と強接触するのを防止することができる。
本実施形態の場合、吹き出し部19は、座4の後部寄りの側方位置、より正確には、左右の対応する肘掛け11の肘載せ部11bの後部寄りの下方位置に配置されている。吹き出し部19の先端部は、上方に向かって開口する吹き出し口19aの内側に、吹き出し角度調整用のルーバー58が配置されている。本実施形態の場合、ルーバー58は、左右方向に角度調整可能とされている。また、吹き出し部19の外側側面には、角度調整用の回動操作子55(操作子)が取り付けられている。回動操作子55は、ルーバー58の図示しない回動機構に連係され、着座者による回動操作によってルーバー58の左右方向の指向角度を調整できるようになっている。
また、吹き出し部19の先端部は、図示は省略されているが、椅子1の幅方向に沿う軸心周りに傾動調整可能とされている。これにより、着座者が吹き出し部19の先端部を手で把持し、前後方向に傾動させることによって、吹き出し部19の先端部からの空気の吹出し方向を前後に適正に調整することができる。
本実施形態の場合、バッテリ51と制御装置52は、座4の支持ベース13の後縁部側の下面に取り付けられている。なお、バッテリ51や制御装置52の設置位置はこの位置に限るものでなく、例えば、背凭れ6等に設置するようにしても良い。
即ち、座4に着座者が着座し、その状態で送風ファン17の電源スイッチ56が入れられると、座4の内部から左右の送風ファン17の吸入部17iに空気が吸入され、その空気が各送風ファン17の送出部17oから送気誘導ダクト18を通って、各吹き出し部19から吹き出される。吹き出し部19から吹き出された空気は着座者の脇部や腕部等に空気流として当てられる。
同図において、符号61は、執務室60内に椅子1とともに設置されたデスク装置であり、符号62は、執務室60の天井CとフロアFに設置された空調吹き出し部(室内に空調空気を流通させる室内空調装置)である。本使用形態においては、椅子1回りの空気の流れがタスク・アンビエント空調におけるタスク空調を構成している。
したがって、本実施形態に係る座4や椅子1を採用した場合には、送風駆動源である送風ファン17の出力の増大や駆動負荷の増大を招くことなく、着座者に円滑な空気の流れを付与することができる。
特に、本実施形態においては、座4の上面のうちの着座者の臀部の後方に位置される部位に吸入抑制シート25が配置されているため、着座者が座4に長時間着座した場合に腰部から下肢にかけてが冷却され過ぎるのを抑制することができる。
特に、本実施形態においては、クッション部材14の窪み部22内の凹溝23と連通する位置に通気孔21の上部が開口しているため、凹溝23から直接通気孔21に向かう空気の流れが生じ吸気抵抗をより低減することができる。
なお、本実施形態においては、クッション部材14の上面に、前後方向に沿う複数の凹溝23が形成されているが、クッション部材14の上面において、前後方向、及び、左右方向に空気のバイパス流れを許容する複数の凹部(凹凸部)を形成するようにしても良い。
4 座(着座荷重支持構造体)
6 背凭れ
13 支持ベース(荷重支持部)
14 クッション部材(荷重支持部)
15 通気性弾性部材
17 送風ファン(吸気装置)
23 凹溝(凹部)
24 膨出部
25 吸入抑制シート
26 表面層
27 裏面層
28 接続層
29,30 線状体
62 空調吹き出し部62(室内空調装置)
Claims (6)
- 少なくとも着座者からの荷重入力方向に沿う空気の流通を許容する通気性弾性部材と、
前記通気性弾性部材の着座者側に面する荷重受け面と相反する側において、着座者から入力される荷重を前記通気性弾性部材を介して支持する荷重支持部と、
前記通気性弾性部材側から空気を吸入して吸入した空気を外部に排出する吸気装置と、を備え、
前記吸気装置は、前記通気性弾性部材のうちの前記荷重受け面と相反する側の面に吸入部を対向させた状態で前記荷重支持部に支持されている椅子の座において、
前記荷重支持部は、
硬質材料から成る支持ベースと、
該支持ベースに保持されて前記通気性弾性部材を保持する難通気性のクッション部材と、を備え、
前記クッション部材の荷重入力側の面には、前記通気性弾性部材に対向し、かつ、前端部から前記荷重入力側の面に沿うように前記吸気装置側に向かって延出する凹溝が設けられ、
前記通気性弾性部材は、前端部が前記クッション部材の前端部領域に達するように前記クッション部材の上面に載置されていることを特徴とする椅子の座。 - 前記通気性弾性部材の前記荷重受け面のうちの着座者側からの吸気不要領域に、不通気性の吸入抑制シートが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の椅子の座。
- 前記クッション部材の荷重入力側の縁部には、荷重入力側に向かって膨出して少なくとも内側の角部の近傍で前記通気性弾性部材に接触する膨出部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の椅子の座。
- 前記通気性弾性部材は、前記荷重受け面に沿って延在する表面層と、前記荷重受け面に沿って延在し前記表面層と対向方向で離間して配置された裏面層と、前記表面層と前記裏面層を連結する接続層と、を有し、
前記表面層と前記裏面層とは、複数の線状体がメッシュ状に接合されてなり、
前記接続層は、荷重入力方向に沿う方向に弾性変形可能で前記表面層の線状体と前記裏面層の線状体を連結する複数の線状体によって構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の椅子の座。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の椅子の座を備えていることを特徴とする椅子。
- 室内に空調空気を流通させる室内空調装置と、請求項5に記載の椅子を備えていることを特徴とする空調システム。
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