JP2020183608A - 紡績ユニット、空気紡績機および糸を製造するための方法 - Google Patents

紡績ユニット、空気紡績機および糸を製造するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】糸表面性状の有利な変更を、糸特性の悪化を同時に引き起こすことなしに可能にし、その際に紡績ユニットの高価で手間のかかる変更を回避する、紡績ユニット、空気紡績機ならびに方法を提供する。【解決手段】供給されたスライバ3から糸2を製造するための紡績ユニット1であって、供給されたスライバ用の入口開口5と、紡績糸のための出口開口7を備える出口領域6とを備えた空気紡績ノズル4を備えた紡績ユニットにおいて、糸表面性状の有利な変更を、同時に糸特性の悪化なしに可能にし、その際に高価かつ手間のかかる紡績ユニットの変更を阻止する紡績ユニット、空気紡績機ならびに方法を提供するために、出口領域において、出口開口の下流側に、紡績糸の表面性状を変更するための引出しノズル8が配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、供給されたスライバから糸を製造するための紡績ユニットならびに空気紡績機であって、供給されたスライバ用の入口開口と、紡績糸のための出口開口を備える出口領域とを備えた空気紡績ノズルを有する、紡績ユニットならびに空気紡績機に関する。さらに本発明は、変更された表面性状を備えた糸を製造する方法に関する。最終的に本発明は、空気紡績糸の表面性状を変更するための、紡績ユニットの空気紡績ノズルの出口領域における引出しノズルの使用に関する。
紡績ユニットおよび空気紡績機は、先行技術から多様な構成で知られていて、繊維材料、特に紡績ユニットに供給されたスライバから糸を製造するために、ロータ紡績機に並んで頻繁に使用される機械である。
空気紡績時には、典型的には、練条スライバもしくは繊維束が、達成すべき糸番手に対応して、複数のローラ対を含むドラフト装置によりドラフトされて、空気紡績ノズルに供給される。空気紡績ノズル内では、回転流により、供給された繊維の一部が、平行な繊維コアの周囲に巻き付けられる。これにより、規定された角度で接触する巻付き繊維を備えた平行な糸コアの空気紡績糸特有の糸構造が生じる。巻付き繊維は、糸の強度のために役立つ。繊維への回転導入時に機械的な接触点が生じないので、空気紡績糸は通常、特に少ない毛羽立ちを有している。
このような小さな毛羽立ちは、たとえば粗い手触りを引き起こすことによって、テキスタイル面もしくは編成品への加工の後に不都合に作用してしまう。立ち上がっている繊維の割合には、概して、紡績圧力を調節するための供給された圧縮空気の変更により、かつ/または紡績速度の変更により影響が与えられる。しかし、紡績圧力/紡績速度の変更時には、空気紡績糸の別の特性にも不都合に影響を与えてしまうので、改善された毛羽立ちは、同時に糸安定性のような糸特性を概して悪化させた場合にしか達成することができない。
したがって、本発明の根底を成す課題は、糸表面性状の有利な変更を、糸特性の悪化を同時に引き起こすことなしに可能にし、その際に紡績ユニットの高価で手間のかかる変更を回避する、紡績ユニット、空気紡績機ならびに方法を提供することにある。
この課題は、本発明によれば、請求項1記載の紡績ユニット、請求項9に記載の空気紡績機、請求項10に記載の方法および請求項11に記載の引出しノズルの使用により解決される。本発明の有利な変化形は、従属請求項に記載されている。
供給されたスライバから糸を製造するための本発明に係る紡績ユニットは、供給されたスライバ用の入口開口を備えた空気紡績ノズルと、紡績された紡績糸のための出口領域とを有している。糸は、出口領域において、出口開口から出る。同様に、出口領域において、糸引出し方向で出口開口に後置されて、本発明によれば、紡績糸の表面性状を変更するための引出しノズルが配置されている。
本発明に係る空気紡績機は、それぞれ供給されたスライバから糸を製造するための少なくとも1つの、好適には複数の、特に好適には互いに同一の複数の紡績ユニットを有している。少なくとも1つの紡績ユニットおよび好適には全ての紡績ユニットは、本発明により形成されている。
変更された表面性状を備えた糸を製造するための本発明に係る方法では、まず、空気紡績ノズルによるスライバからの糸の空気紡績が行われ、次いで空気紡績糸の、糸表面を変更するための引出しノズルを通ったガイドが行われ、このことは、好適には空気紡績ノズルからの糸の引出しの枠内で行われる。
最終的に、本発明は、特に本発明に係る紡績ユニットまたは特に本発明に係る空気紡績機において空気紡績糸の表面性状を変更するための、糸引出し方向で出口開口に後置された、空気紡績ノズルの出口開口の領域における引出しノズルの使用を含む。
発明者は、たとえば、紡績ノズル幾何学形状、紡績圧力または紡績速度のような紡績パラメータの変更によって空気紡績法に直接に影響を与えることは、これに伴う糸品質に関する欠点なくしては可能ではないことを確認した。このことを起点として、空気紡績プロセスの直後に、空気紡績糸の表面変更を実施し、これにより空気紡績糸の、紡績法による品質に不都合に影響を与えないことは本発明の一部である。つまり本発明は、紡績プロセスへの介入なしに紡績糸の表面の変更を可能にするので、まず紡績プロセスを、その紡績プロセスにとって最適なパラメータで、特に糸表面性状の観点を考慮することなしに運転し、次いで所望される状態への糸表面性状の変更を引出しノズルにより実施することができる。これにより、特に、そのために有利なより柔らかいかつ/またはより繊維質の、もしくはより毛羽立った表面を備えた刺繍糸として、空気紡績糸の使用分野および使用可能性の著しい拡大が可能にされる。
紡績ユニットは、機械、特に空気紡績機の任意のユニットであるか、または繊維材料、特にスライバから糸を製造するために設けられている独立した装置である。相応して、空気紡績機は、それぞれ空気紡績により繊維材料から糸を製造するために設けられている少なくとも1つの紡績ユニット、好適には、特に互いに同一の複数の紡績ユニットを備えた装置である。
空気紡績ノズルは、基本的には、糸形成エレメントのような、糸を形成するために設けられた構成部材を含んでいる。空気紡績ノズルは、特に、任意の空気紡績装置の、この目的のために複数の構成部材から形成された構造群であってよい。空気紡績ノズルは、好適には、紡績ユニット内に配置されている。さらに、紡績ユニットは、任意の機能を備えた任意の別の構成部材を有していてよい。空気紡績すべき繊維材料を供給するために、空気紡績ノズルは、入口開口を有している。入口開口を通って、特にスライバの形の繊維材料を、好適には連続的に供給することができる。
さらに、空気紡績ノズルは、完成した紡績糸のための出口開口を有している。出口開口は、入口開口に好適には対峙して配置されている。出口開口は、空気紡績ノズルまたは空気紡績ノズルを有するユニットの出口領域に配置されている。本来の空気紡績ノズルと、出口開口、つまり完成した空気紡績糸が走出する領域との間に、特に空気紡績ノズルから糸を導出するための任意の別の構成部材が配置されていてよい。特に好適には、出口開口は、空気紡績ノズルに対応配置された糸通路の端部に設けられた糸通路出口であり、特に好適には、糸引出し方向で空気紡績ノズルの糸形成エレメントの紡績円錐体に後置されて配置されている紡績管の端部である。したがって、出口領域は、出口開口から、完成した紡績糸が空気紡績ノズルから引き出される方向に延びている。
本発明によれば、引出しノズルは、出口領域において、糸引出し方向で出口開口に後置されて配置されている。引出しノズルは、出口開口の直接に下流側に、特に糸通路出口または紡績管に直接に配置されていてもよく、糸通路出口または紡績管から離間して出口開口と、空気紡績糸を巻き取るための巻取り装置との間に配置されていてもよい。しかし好適には、引出しノズルは、糸引出し方向で出口開口の次の構成部材であり、つまり好適には、出口開口と引出しノズルとの間では、少なくとも機能する構成部材もしくは完成した紡績糸に作用する構成部材は、好適には1つまたは複数の糸ガイドエレメントを除いて、この領域に配置されていない。さらに好適には、引出しノズルは位置固定的にかつ/または回転防止されて、出口開口に、または出口領域において配置されている。
引出しノズルは、基本的には、任意の材料から、かつ任意の複数の構成部材から形成されていてよい。好適には引出しノズルの、少なくとも糸に接触する領域が、特に好適には引出しノズル全体が、セラミックスから形成されていて、かつ/または一体的に形成されている。さらに好適には、引出しノズルは、少なくとも部分的に、好適には完全に、円錐形の形状、もしくは円錐形に先細りする形状、かつ/または円筒状の形状を有している。
同様に好適には、引出しノズルのサイズおよび/または幾何学形状は、紡績された、変更すべき糸に適合されている。引出しノズルもしくはノズル開口の内径は、好適には0.5mm〜2.5mmであり、特に好適には1mm〜1.5mmであり、極めて特に好適には1.1mm〜1.3mmである。さらに、糸を収容するための引出しノズルもしくはノズル開口の長さは、好適には少なくともノズル開口の直径に相当し、特に好適には、少なくとも直径の2倍に相当し、極めて特に好適には、ノズル開口の直径の2倍〜10倍に相当する。基本的には、引出しノズルのノズル開口の横断面は、任意の形状を有していてよく、しかしほぼ円形の横断面が有利である。
本発明によれば、引出しノズルは、空気紡績糸の有利な表面変更を引き起こし、表面変更は、好適には主に、引出しノズル表面における摩擦により行われる。表面性状の変更は、好適には、ふんわりとしたかつ/または毛羽立った糸表面の形成を含む。このためには、特に好適には、糸の表面から突出した繊維端部が形成される。糸表面の変更は、特に空気紡績プロセスの直後に行われ、つまり引出しノズルは、好適には空気紡績糸および特に空気紡績糸の表面性状に、空気紡績ノズルからの走出時に直接に、または空気紡績ノズルからの走出直後に影響を与える。このためには、紡績された紡績糸は、好適には空気紡績ノズルからの引出し時に、引出しノズルを通って走行し、この引出しノズルにおいて、糸表面に所望の影響を受ける。
さらに好適には、糸が、引出しノズルの下流側で、少なくとも1つの、好適には複数の緊締ローラを介して、かつ/または少なくとも1つの糸監視部および/または少なくとも1つの糸クリアラを通って、かつ/または少なくとも1つの糸ガイドを通って走行する。次いで、糸は好適にはパッケージに巻き取られる。
本発明に係る紡績ユニットの好適な構成では、引出しノズルが、空気紡績糸を全面的に取り囲んで収容するためのノズル開口を有している。これにより、引出しノズルの表面と糸表面との特に有利な接触、ひいては特に効果的な相互作用を達成することができる。「全面的に取り囲んで収容する」とは、引出しノズルのノズル表面と、糸表面との間の接触であると理解することができ、収容時に、糸の、引出しノズル内に位置する少なくとも1つの区分がほぼ完全に、もしくは全周にわたってノズル表面と接触している。
本発明に係る紡績ユニットの有利な変化形によれば、引出しノズルは、好適にはノズル開口の領域において、かつ/または空気紡績糸の表面に接触する領域において、糸の変更すべき表面と機械的に相互作用するための構造化されたノズル表面を有していて、これにより、特に集中的かつ効果的な機械的な相互作用が可能となる。基本的に、特に所望の、もしくは達成すべき表面変更に依存して、かつ空気紡績時に使用された繊維材料および/または空気紡績糸の強度に依存して、種々異なる構造化度および/または構造化形状が可能である。特に好適には、引出しノズルは、互いに異なって構造化された複数の領域を有している。これにより、最適な表面変更を達成することができる。引出しノズルの、糸表面に接触する領域は、特に好適には、ノズル表面とも呼ばれる、ノズル開口の内面に設けられた壁領域である。
本発明に係る紡績ユニットの特に有利な変化形によれば、引出しノズル内で、ノズル開口の領域で、特に構造化されたノズル表面において、ノズル表面から突出する構造体エレメントが、変更すべき糸表面との機械的な増幅された相互作用のために配置されている。これにより、特に簡単な形式で、糸表面のそれぞれ所望の変更に引出しノズルを適合させることが可能である。構造体エレメントは、残りのノズル表面から、かつ/またはノズル開口の円筒状のベース表面に対して突出している。基本的には、構造体エレメントは、ノズル表面上に不規則に、または規定されて、特に所定のパターンで配置されていてよい。引出しノズルの内径もしくはノズル開口の直径は、好適には、変更すべき糸表面が、少なくとも構造体エレメントの表面と接触するように選択されている。特に好適には、少なくとも構造体エレメントの表面と変更すべき糸表面との全面的な接触が生じる。この接触は、専らノズル表面から突出する構造体エレメントまたは同時に残りのノズル表面とも生じ得る。
基本的には、構造体エレメントは、任意の形状を備えた隆起部として形成されていてよい。好適には、ノズル表面から突出する構造体エレメントは、螺旋形体、リング形体、十字形体、刻み目、溝、方形体、円形体、微小突起および/または別の隆起部として形成されている。これにより、簡単な形式で、糸表面の所望の特性を調節することができる。少なくとも1つの領域または1つのゾーンの全ての構造体エレメントは、好適には互いに同一の形状、高さ、サイズ、長さおよび/または幅を有している。極めて特に好適には、少なくとも1つの領域または1つのゾーンの全ての構造体エレメントは、互いに同一に形成されている。しかし、1つの領域または1つのゾーンにおいて、種々異なる複数の構造体エレメントが同時に配置されていてもよい。種々異なる複数の構造体エレメントの配置時には、これらの構造体エレメントは、無作為に相並んで配置されていてもよく、規定されたパターンにしたがって、たとえば互いに異なる2つの構造体エレメントが少なくとも1つの空間方向で、特にノズル開口の周囲に沿ってかつ/または中心長手方向軸線に対して平行に交互に配置されていてもよい。
ノズル表面から突出する構造体エレメントのそれぞれの形状、たとえば十字形状は、個別の構造体エレメントの、表面から突出する形状、つまりノズル開口の表面に向かう方向もしくは引出しノズルの、ノズル開口を画定する壁部に向かう方向の両方向に沿って突出する形状に関連する。代替的には、それぞれの形状は、基本的には、ノズル開口の周囲に沿って配置された複数の構造体エレメントにより形成される、ノズル開口全体の形状に関連する。特に好適には、形状は、ノズル開口の横断平面に沿った方向で、特にノズル開口の中心長手方向軸線に対して垂直に生じる。
本発明に係る紡績ユニットの有利な構成では、ノズル表面上で互いに異なって突出する構造体エレメントが、複数のゾーンに配置されている。好適には、各ゾーンは、ノズル表面の全周にわたって延びている、かつ/または複数のゾーンが、ノズル開口内で、特にノズル開口の中心長手方向軸線に沿って相前後して配置されていて、これにより、糸表面のさらに正確かつ効果的な変更が可能となる。ノズル開口が、中心長手方向軸線に沿って少なくとも2つのゾーンに分割されている構成が特に極めて好適であり、第1のゾーンが、突出する構造体エレメントの第1の形状および/またはノズル開口の一定の横断面を有していて、第2のゾーンが、突出する構造体エレメントの異なる形状および/またはノズル開口の円錐形に拡張する横断面を有している。
本発明に係る紡績ユニットの別の有利な構成では、引出しノズルは、特にノズル開口の中心長手方向軸線を中心として回転可能に固定されている。これにより、空気紡績ノズルから引き出された糸を、回転する引出しノズルを通って引き出すか、もしくは運動させることができる。これにより、特に好適な形式で、空気紡績糸とのさらに増幅された、紡績ユニットの運転中に規則的な相互作用、ひいては糸表面のさらに効果的な変更を達成することができる。
それぞれ種々異なる引出しノズルを備えた本発明に係る紡績ユニットの複数の実施例を以下に図面を参照しながら詳しく説明する。
空気紡績ノズルの下流側に配置された引出しノズルを備えた空気紡績機の紡績ユニットを示す概略図である。 引出しノズルの第1の構成を示す側断面図である。 図2aに図示した引出しノズルの背面側を示す図である。 引出しノズルの第2の構成を示す側断面図である。 図3aに図示した引出しノズルの背面側を示す図である。 引出しノズルの第3の構成を示す側断面図である。 図4aに図示した引出しノズルの背面側を示す図である。
空気紡績機の図1に図示した紡績ユニット1では、スライバ3が空気紡績ノズル4に供給され、この空気紡績ノズル4内で紡績されて糸2を形成する。このためには、スライバ3は、まず、ドラフト装置16によりドラフトされて、次いで空気紡績ノズル4に入口開口5を通じて供給される。空気紡績ノズル4の領域には、噴射空気ノズル18が位置している。この噴射空気ノズル18は、スライバ3において外側に位置する繊維をスライバ3の中心にある繊維の周囲に巻き付け、これにより、糸形成エレメント17により糸2を形成する。このためには、紡績ユニット1は、圧縮空気源21ならびに制御ユニット22を備えた圧縮空気システム20を有している。
このように製造された糸2は、次いで空気紡績ノズル4から糸形成エレメント17の糸通路を通って、その後に巻き取るために、出口領域6の出口開口7へとガイドされる。同様に出口領域6には、糸引出し方向で出口開口7の後に、引出しノズル8が配置されている。この引出しノズル8を通って、完成した空気紡績糸2が、紡績ユニット1の糸引出し装置19により引っ張られる。糸引出し装置19は、特に、糸引出し方向で引出しノズル8の後のローラ対または引出しローラであるか、または代替的には、たとえば綾巻きパッケージのような巻取りパッケージを巻き取るための巻取り装置であってよい。
引出しノズル8は、空気紡績ノズル4内で完成した紡績糸2の表面性状を変更し、これにより糸2のより柔らかい糸表面ならびに高められた毛羽立ちを達成するために、設けられている。これにより、糸は、編成糸としてより良好に適していて、これにより触覚的により魅力的な布地を製造することができる。
このためには、図2aおよび図2bに図示された、引出しノズル8の第1の構成は、ノズル開口9を有している。このノズル開口9を通って、完成した空気紡績糸2が引き出される。この場合、ノズル開口9の直径は、糸2の表面との機械的な相互作用により、特に糸2がノズル開口を通るときに発生する摩擦により糸表面の変更が生じるように、ノズル開口9を通る糸2の直径に適合されている。ノズル開口9は、引出しノズル8内で中心に配置されている。
このためには、引出しノズル8は、ノズル開口9の、糸2と接触する壁部に設けられた少なくとも1つのゾーンにおいて、構造化された、特に粗面化されたノズル表面10を有している。構造化されたノズル表面10を有するゾーンは、全長にわたって同一の直径を有している。この直径は、変更すべき糸2の直径に適合されている。さらに、壁部は、ノズル開口9内で、引出しノズル8の中心長手方向軸線Aに対して回転対称的であるので、引出しノズル8は、固定的に回転なしに使用することも、中心長手方向軸線Aを中心として回転式に使用することもできる。
糸引出し方向で、構造化されたノズル表面10を備えたこのゾーンの上流側に、円錐形に狭まる円形の横断面を備えた走入ゾーン14が配置されている(図2aを参照)。この走入ゾーン14は、引出しノズル8内への空気紡績糸2の特に簡単な走入を可能にし、有利な形式で糸2の引裂きを阻止する。この走入ゾーン14は平滑であって、構造化されていないノズル表面23を有している。このノズル表面23では、空気紡績糸2との相互作用、特に摩擦は特に小さい。
糸引出し方向で、構造化されたノズル表面10を備えたゾーンの下流側に、その横断面が非直線的に、特に指数関数的に拡張し、その横断面が同様に円形である別のゾーン13が配置されている。ノズル表面23は、この引出しノズル8の構成では、同様に平滑であり、構造化されていない。
引出しノズル8の、図3aおよび図3bに図示された第2の構成は、第1の構成とは、実質的に以下のことにより異なっている。すなわち、ノズル開口9内で、第1のゾーン13の領域において、互いに同一の、ノズル表面10から突出する構造体エレメント11が配置されている。これらの構造体エレメント11は、ノズル表面10の構造化部を形成する。構造体エレメント11は、所定のパターンで配置されていて、ノズル表面10から突出する直方体の形状、つまり方形の形状を有している。ノズル表面10から突出するこれらの構造体エレメント11は、空気紡績糸2の変更すべき表面と、ノズル開口9の壁部との間の相互作用の増幅を可能にする。
引出しノズル8の、図4aおよび図4bに図示された第3の構成は、図3aおよび図3bに図示された構成とは、実質的に以下のことにより異なっている。すなわち、糸引出し方向で、構造化されたノズル表面10を備えた第1のゾーン13の後に配置されている、ノズル開口9の第2のゾーン14において、同様に、ノズル開口9の構造化された表面が設けられている。ノズル表面から突出する螺旋の形状の第2の構造体エレメント12が形成されている。
紡績ユニット1、特に互いに同一の複数の紡績ユニット1を備えた空気紡績機により、特に簡単な形式で、紡績プロセスおよび紡績結果に不都合な影響を与えることなしに、従来の空気紡績糸に比べて著しく改善された表面性状を有していて、したがって著しく多様に使用することができる空気紡績糸2を製造することができる。
変更された表面性状を備えた空気紡績糸2を製造するために、まず、スライバ3をドラフト装置16内でドラフトし、次いで空気紡績ノズル4の入口開口5に供給する。空気紡績ノズル4において、スライバ3は紡績されて糸2を形成する。紡績ユニット1は、最適な糸2を形成するために制御ユニット22により制御されている。完成した紡績糸2は、空気紡績ノズル4を紡績円錐体(糸形成エレメント)17を通って出て、次いで複数の緊締ローラを備えた糸引出し装置19により、引出しノズル8を通して引っ張られる。これにより、糸2の糸表面もしくは表面性状の変更を実施することができ、特に糸表面の高められた毛羽立ちが形成される。
引出しノズル8および場合によっては糸引出し装置19の後で、糸2は少なくとも1つの糸監視部および糸クリアラを通って走行する。次いで、糸2はパッケージに巻き取られる。
1 紡績ユニット
2 糸
3 スライバ
4 空気紡績ノズル
5 入口開口
6 出口領域
7 出口開口
8 引出しノズル
9 ノズル開口
10 構造化されたノズル表面
11 構造体エレメント
12 第2の構造体エレメント
13 第1のゾーン
14 第2のゾーン
16 ドラフト装置
17 糸形成エレメント
18 噴射空気ノズル
19 糸引出し装置
20 圧縮空気システム
21 圧縮空気源
22 制御ユニット
23 平滑なノズル表面
A 中心長手方向軸線

Claims (11)

  1. 供給されたスライバ(3)から糸(2)を製造するための紡績ユニット(1)であって、
    −供給されたスライバ(3)用の入口開口(5)と、空気紡績糸(2)のための出口開口(7)を備える出口領域(6)とを備えた空気紡績ノズル(4)
    を有する紡績ユニット(1)において、
    前記出口領域(6)において、糸引出し方向で前記出口開口(7)に後置されて、前記紡績糸(2)の表面性状を変更するための引出しノズル(8)が配置されている、紡績ユニット(1)。
  2. 前記引出しノズル(8)が、前記空気紡績糸(2)を全面的に取り囲んで収容するためのノズル開口(9)を有している、請求項1記載の紡績ユニット。
  3. 前記引出しノズル(8)が、前記ノズル開口(9)の領域において、前記糸(2)の変更すべき表面と機械的に相互作用するための構造化されたノズル表面(10)を有している、請求項1または2記載の紡績ユニット。
  4. 前記ノズル開口(9)の領域において、前記ノズル表面(10)から突出する構造体エレメント(11)が、前記変更すべき糸表面との増幅された機械的な相互作用のために配置されている、請求項1から3までの少なくともいずれか1項記載の紡績ユニット。
  5. 前記ノズル表面(10)から突出する前記構造体エレメント(11)が、螺旋形体、リング形体、十字形体、刻み目、溝、方形体、円形体、微小突起および/または別の隆起部として形成されている、請求項1から4までの少なくともいずれか1項記載の紡績ユニット。
  6. 前記ノズル表面(10)上で、互いに異なって突出する構造体エレメント(11,12)の複数のゾーン(13,14)が配置されていて、前記各ゾーン(13,14)が、前記ノズル表面(10)の全周にわたって延びている、かつ/または前記ゾーン(13,14)が、前記ノズル開口(9)内で相前後して配置されている、請求項1から5までの少なくともいずれか1項記載の紡績ユニット。
  7. 前記ノズル開口(9)が、前記中心長手方向軸線(A)に沿って少なくとも2つのゾーン(13,14)に分割されていて、前記第1のゾーン(13)が、前記突出した構造体エレメント(11)の第1の形状および/または前記ノズル開口(9)の一定の横断面を有していて、前記第2のゾーン(14)が、前記突出した構造体エレメント(12)の異なる形状および/または前記ノズル開口(9)の円錐形に拡大する横断面を有している、請求項1から6までの少なくともいずれか1項記載の紡績ユニット。
  8. 前記引出しノズル(8)が、前記ノズル開口(9)の前記中心長手方向軸線(A)を中心として回転可能に配置されている、請求項1から7までの少なくともいずれか1項記載の紡績ユニット。
  9. 請求項1から8までの少なくともいずれか1項記載の、供給されたスライバ(3)から糸(2)を製造するための少なくとも1つの紡績ユニット(1)を備えた空気紡績機。
  10. 変更された表面性状を備えた糸(2)を製造するための方法であって、以下の方法ステップ、すなわち、
    −空気紡績ノズル(4)によりスライバ(3)から糸(2)を空気紡績し、
    −前記空気紡績糸(2)を、前記空気紡績ノズル(4)からの引出し時に、前記糸表面を変更するための引出しノズル(8)を通してガイドする、
    ステップを有する、糸を製造する方法。
  11. 空気紡績糸(2)の表面性状を変更するための、紡績ユニット(1)の空気紡績ノズル(4)の出口開口(7)の下流側の出口領域(6)における引出しノズル(8)の使用。
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