以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。以下の説明では、図1の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機1の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形の板状であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠10によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、遊技球発射装置37(図3参照)に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿5の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン9が設けられている。上皿5の直下には、賞球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。発射ハンドル7は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル7を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル7の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置37によって遊技球が発射される。前面枠10の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。ガイドレール3は、遊技領域4の左側に形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り8が設けられている。遊技球発射装置37によって発射された遊技球は、ガイドレール3によって遊技領域4へ導かれ、遊技領域4内を流下する。なお、パチンコ機1では、遊技球がセンター飾り8の左側を流下するように遊技球が発射される、いわゆる「左打ち」で遊技全般が進行することを推奨している。
センター飾り8は、表示画面28を主に備える。表示画面28は、センター飾り8の上部の略中央に配置される。表示画面28は、例えばLCD等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面28は、例えば、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄(図示略)を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)の演出図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
センター飾り8の略中央下方には、第一始動口14が設けられている。第一始動口14の下方には、普通電動役物に係る入賞口である第二始動口15が設けられている。本実施形態では、第一始動口14は、後述する第一特別図柄の始動口として機能する。第二始動口15は、後述する第二特別図柄の始動口として機能する。センター飾り8の左斜め下方には、遊技球が通過可能なゲート12が設けられている。ゲート12は、後述する普通図柄の作動ゲートである。第二始動口15の下方には、大入賞口17が設けられている。第二始動口15及び大入賞口17は、それぞれ開閉部材を備える。遊技球は、各開閉部材が開放された場合にのみ、第二始動口15及び大入賞口17のそれぞれに入賞することができる。
遊技領域4には、上記以外に、アウト口19、その他の入賞口、各種の電飾部材、風車及び遊技くぎ(図示略)等が設けられている。遊技領域4に発射された遊技球のうち、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口17及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域4の下部まで流下したものは、遊技盤2の下部に設けられたアウト口19を通過した後、遊技領域4の外部へ排出される。
遊技盤2の右下部には、図柄表示部24が設けられている。図柄表示部24は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示LED、第二特別図柄記憶数表示LED及び普通図柄記憶数表示LEDを備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、それぞれ1つの7セグメントLEDからなり、第一大当たり判定の結果を示す第一特別図柄、及び第二大当たり判定の結果を示す第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定及び第二大当たり判定を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。普通図柄表示部は、LEDの点灯及び消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である第一保留球の個数を示す第一保留球数を表示する。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である第二保留球数の個数を示す第二保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球である普通保留球の個数を示す普通保留球数を表示する。
以下では、第一特別図柄に係る特別図柄保留球数を、第一保留球数という。また、第二特別図柄に係る特別図柄保留球数を、第二保留球数という。本実施形態において、パチンコ機1が記憶可能な第一保留球数の上限である最大第一保留球数は「4」である。パチンコ機1が記憶可能な第二保留球数の上限である最大第一保留球数は「4」である。パチンコ機1が記憶可能な普通図柄保留数の上限である最大普通図柄保留球数は「4」である。
パチンコ機1における遊技の概要について説明する。パチンコ機1には、大当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技について説明する。本実施形態では、第一始動口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第一特別図柄が図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される。第二始動口15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第二特別図柄が図柄表示部24の第二特別図柄表示部に表示される。第一大当たり判定において大当たりであると判定されると、大入賞口17の開閉部材が所定時間開放状態にされる大当たり遊技が実行される。第二大当たり判定において大当たりであると判定された場合にも、大当たり遊技が実行される。以下、大当たり遊技において大入賞口17の開閉部材が、連続して開放状態にされる繰り返しの一単位を、「大当たりラウンド」という。また、1回の大当たり遊技を構成する大当たりラウンドの合計数を、以下、「ラウンド数」という。以下では、ラウンド数を「R」と示すことがある。
パチンコ機1は、確変状態又は非確変状態を設定できる。確変状態とは、大当たり判定において大当たりであると判定される確率が通常よりも高い確率に変動している遊技状態である。非確変状態は、確変状態が設定されておらず、大当たり判定によって大当たりであると判定される確率(以下、「大当たり確率」という。)が通常の確率の状態である。本実施形態では、非確変状態における大当たり確率は約1/100であり、確変状態における大当たり確率は約1/20である。
本実施形態では、大当たり判定によって大当たりであると判定されると、大当たり遊技の終了後に100%の割合で確変状態が設定される。設定された確変状態は、確変状態において実行された大当たり判定の回数が所定の回数(以下、確変回数という。)に達することにより終了する。すなわち、パチンコ機1は、いわゆるSTタイプ(確変回数切り)の遊技仕様を有する。本実施形態において、確変回数は8回である。なお、大当たり遊技の終了後に確変状態が設定される割合(以下、確変割合という。)は、100%未満の任意の割合であってもよい。
本実施形態では、パチンコ機1は、第一特別図柄と第二特別図柄とが同時に変動せず、第二大当たり判定が第一大当たり判定に優先して行われることに応じて、第二特別図柄が第一特別図柄に優先して変動する、いわゆる優先変動タイプの遊技仕様を有する。この点、パチンコ機1は、第一特別図柄と第二特別図柄とが同時に変動せず、第一始動口14及び第二始動口15のそれぞれに遊技球が入賞した順に応じて、第一特別図柄及び第二特別図柄が順に変動する、いわゆる入賞順変動タイプの遊技仕様を有していてもよい。
普通当たり遊技について説明する。本実施形態では、遊技球がゲート12を通過することを契機として普通当たり判定が行われる。普通当たり判定が行われると、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部24の普通図柄表示部に表示される。普通当たり判定によって当たりであると判定されると、第二始動口15の開閉部材が所定時間開放状態にされる普通当たり遊技が実行される。
パチンコ機1は、第二始動口15の開閉部材が開放される割合が通常の割合である非時短状態と、非時短状態よりも第二始動口15の開閉部材が開放される割合が高くなる時短状態とのいずれかを設定することができる。本実施形態では、非時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材の最大開放時間は、0.060秒である。普通当たり判定において当たりであると判定される確率を、以下では「普通当たり確率」という。非時短状態における普通当たり確率は、255/256(約99.6%)である。非時短状態における普通図柄の変動時間は、約10秒である。
時短状態は、第一時短状態と第二時短状態とを含む。第一時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の開閉部材の最大開放時間は、0.064秒であり、非時短状態において行われる普通当たり遊技による最大開放時間よりも僅かに長い。第一時短状態における普通当たり確率は、256/256(100%)である。第一時短状態における普通図柄の変動時間は、約9秒であり、非時短状態における変動時間よりも短い。このため、第一時短状態は、非時短状態よりも第二始動口15に容易に遊技球が入賞できる遊技状態であるが、外観上、非時短状態に非常に近似した遊技状態でもある。一般に、時短状態のことを「サポート」ともいう。以下では、第一時短状態を、サポートが潜伏した状態であるといった意味合いで、「SS状態」ということもある。
第二時短状態において行われる普通当たり遊技による第二始動口15の最大開放時間は、5.800秒であり、非時短状態及び第一時短状態における最大開放時間よりも長い。第二時短状態における普通当たり確率は、第一時短状態と同じく256/256(100%)である。第二時短状態における普通図柄の変動時間は、約1秒であり、非時短状態及び第一時短状態における変動時間よりも短い。このため、遊技者は、第二時短状態において、非時短状態及び第一時短状態よりも第二始動口15に容易に遊技球を入賞させることができる。
パチンコ機1は、これら確変状態、非確変状態、第一時短状態、第二時短状態及び非時短状態を組み合わせて、複数種類の遊技状態を設定できる。第一実施形態では、「通常状態(低確非時短状態)」、「高確非時短状態」、「高確第二時短状態」、「低確第一時短状態」及び「低確第二時短状態」の5種類の遊技状態のうちのいずれかが設定される。通常状態(低確非時短状態)は、非確変状態と非時短状態との組合せによる。高確非時短状態は、確変状態と非時短状態との組合せによる。高確第二時短状態は、確変状態と第二時短状態との組合せによる。低確第一時短状態は、非確変状態と第一時短状態との組合せによる。低確第二時短状態は、非確変状態と第二時短状態との組合せによる。なお、パチンコ機1における初回電源投入後の初期状態には、通常状態が設定される。この他、パチンコ機1は、確変状態と第一時短状態との組合せによる「高確第一時短状態」等を含めた6種類以上の遊技状態を備えてもよい。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、中継基板47及び電源基板42を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、乱数発生回路56及び割込信号発生回路57が接続されている。乱数発生回路56は、所定範囲の乱数を発生させる。割込信号発生回路57は、一定周波数のクロック信号を出力するクロック回路(図示略)からクロック信号が入力される毎に割込信号を発生させる。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、後述する主制御プログラムのメイン処理を実行する。
主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、外部端子板55、第一始動口スイッチ61、第二始動口スイッチ63に接続している。サブ制御基板58は、CPU581、RAM582及びROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタン9及びスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、電飾基板31に接続している。電飾基板31は、例えばLEDを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板46は、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って、電飾基板31の発光動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU431、CGROM(図示略)等を備え、サブ制御基板58から送信されるコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。
払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球として賞球払出装置49に払い出させる。
中継基板47は、第二始動口ソレノイド69、大入賞口ソレノイド70、ゲートスイッチ75、大入賞口スイッチ76及び図柄表示部24に接続している。第二始動口ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二始動口15の開閉部材を開閉する。大入賞口ソレノイド70は、大当たり遊技中に大入賞口17の開閉部材を開閉する。ゲートスイッチ75は、ゲート12に設けられており、ゲート12への遊技球の通過を検出する。大入賞口スイッチ76は、大入賞口17に設けられており、大入賞口17への遊技球の入賞を検出する。
外部端子板55は、パチンコホールに設置されている遊技機を統括的に管理する遊技場管理用コンピュータ(いわゆるホールコンピュータ、図示略)にパチンコ機1の情報を接点出力する。第一始動口スイッチ61は、第一始動口14に設けられており、第一始動口14への遊技球の入賞を検出する。第二始動口スイッチ63は、第二始動口15に設けられており、第二始動口15への遊技球の入賞を検出する。
電源基板42は、主基板41及び遊技球発射装置37に接続されており、各基板及び遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図5を参照して、RAM52に設けられている第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理(図9から図11参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには、最大第一保留球数に対応する複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態において、最大第一保留球数は「4」である。このため、第一普通当たり関係情報記憶エリアには、No.1からNo.4の4つの記憶エリアが設けられている。第一始動口14に遊技球が入賞した際に第一保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。
第一保留球数は、第一始動口14へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、第一大当たり判定の実行、特別図柄の変動時間を示す変動パターンの決定等が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、判定エリア(図示略)にシフトする。判定エリアは、大当たり判定を行う乱数を格納するために、RAM52に設けられている記憶エリアであり、第一大当たり判定と第二大当たり判定とで共通に用いられる。CPU51は、判定エリアにシフトされた乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が、判定エリアにシフトされると、次の番号以下に記憶されている乱数が、1つ小さな番号の記憶エリアにシフトされる。以降は、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数が順次判定エリアにシフトされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数についての各種処理には、例えば、大当たり判定の結果を報知する報知演出の決定、及び判定結果に応じて実行される大当たり遊技に関する処理が含まれる。なお、判定エリアの乱数は、大当たり判定等の処理が終了した後に消去される。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの当たりが記憶される第一図柄決定乱数欄、及び第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。遊技球が第一始動口14へ入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部24の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す第一変動パターンを決定するために用いられる。第一大当たり乱数とともに取得されて第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第一乱数ともいう。また、第一特別図柄の変動時間を、第一変動時間ともいう。
図示しないが、RAM52には、第二大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。第二大当たり関係情報記憶エリアも、特別図柄処理において使用される。本実施形態では、第二大当たり関係情報記憶エリアに、最大第二保留球数(本実施形態では、4個)に対応する1つの記憶エリアが設けられている。第二始動口15に遊技球が入賞すると、その時点で乱数発生回路56によって乱数の種類毎に生成されている乱数がハード回路によってラッチされて、第二大当たり関係情報記憶エリアの各欄に記憶される。記憶エリアには、第二大当たり判定カウンタの値が記憶される第二大当たり乱数欄、第二特別図柄決定カウンタの値が記憶される第二特別図柄決定乱数欄、及び第二変動パターン決定カウンタの値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。
CPU51は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている乱数を、前述の判定エリア(図示略)にシフトする。CPU51は、第二判定エリアにシフトされた乱数について第二大当たり判定等の各種処理を行う。なお、第二判定エリアの乱数は、第二大当たり判定等の処理が終了した後に消去される。第二大当たり乱数とともに取得されて第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して、第二乱数ともいう。また、第二特別図柄の変動時間を、第二変動時間ともいう。
以下の説明では、第一大当たり乱数及び第二大当たり乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、大当たり乱数ともいう。また、第一変動パターン決定乱数及び第二変動パターン決定乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、変動パターン決定乱数ともいう。また、第一特別図柄決定乱数及び第二特別図柄決定乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、特別図柄決定乱数ともいう。また、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、単に、特別図柄変動という。
パチンコ機1において、第一変動時間及び第二変動時間は、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。報知演出は、特別図柄の変動に同期して演出図柄を変動表示することによって行われる。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに従って、報知演出を制御する。具体的には、主基板41は、変動パターン決定乱数に基づく変動パターンに従って、特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板58は、特別図柄の変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板41は、特別図柄の変動時間が終了すると、変動させていた特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)の間、確定表示させる。サブ制御基板58は、特別図柄の確定表示に同期して、演出図柄を確定表示する。また、サブ制御基板58は、演出図柄による他、表示画面28、電飾部材、スピーカ48等によっても、特別図柄の変動時間と同期した報知演出を実行する。
なお、RAM52には、遊技球がゲート12を通過する時点に取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアに4つの記憶エリアが設けられており、最大普通保留球数は「4」である。記憶エリアには、普通当たり判定カウンタの値が記憶される普通当たり乱数欄、普通図柄決定カウンタの値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。
図5を参照して、ROM53に記憶されている第二始動口作動定義テーブルについて説明する。第二始動口作動定義テーブルは、非時短状態、第一時短状態及び第二時短状態における普通当たり確率及び普通当たり遊技における第二始動口15の開放パターンを定義する。前述したように、非時短状態における普通当たり確率は255/256(約99.6%)であり、第一時短状態及び第二時短状態における普通当たり確率は256/256(100%)である。また、開放パターンは、非時短状態においては0.060秒の1回の開放であり、第一時短状態においては0.064秒の1回の開放であり、第二時短状態においては5.800秒の1回の開放である。主基板41のCPU51は、後述する普通図柄処理(図8参照)において第二始動口作動定義テーブルを参照することで、各遊技状態に応じた普通当たり確率で普通当たり判定を実行する。また、CPU51は、普通当たり判定によって普通当たりの判定結果が導出された場合には、後述する普通電動役物処理(図8参照)において第二始動口作動定義テーブルを参照することで、各遊技状態に応じた開放パターンで普通当たり遊技を実行する。
図6を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機1は、特別図柄の大当たり図柄を、特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。大当たり図柄の内訳は、第一特別図柄及び第二特別図柄の双方において共通している。特別図柄決定テーブルでは、複数の大当たり図柄のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値(0〜99)が対応付けられている。
特別図柄は、「2R大当たり」、「5R大当たりA」、「5R大当たりB」、「5R大当たりC」、「10R大当たりA」、「10R大当たりB」、「10R大当たりC」、「10R大当たりD」及び「10R大当たりE」の9種類の大当たり図柄を含む。大当たり図柄の割合は、「2R大当たり」が15%、「5R大当たりA」が45%、「5R大当たりB」及び「5R大当たりC」がそれぞれ5%、「10R大当たりA」が16%、「10R大当たりB」、「10R大当たりC」及び「10R大当たりD」がそれぞれ4%、「10R大当たりE」が2%である。大当たり遊技における大入賞口17の1ラウンドあたりの開放時間は、「2R大当たり」が6.0秒、その他の大当たり図柄については20.0秒である。
大当たり遊技終了後に設定される遊技状態は、大当たり図柄と、大当たりの判定結果が導出されたときの遊技状態がいずれであるかに応じて定義されている。「2R大当たり」の大当たり図柄が決定された場合の遊技状態が通常状態及び高確非時短状態のときには、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態が設定される。パチンコ機1において、確変回数は大当たり図柄に関わらず「8」回であるので、高確非時短状態において8回の大当たり判定が実行される間に大当たりの判定結果が導出されない場合には、確変状態が終了し、その後、遊技状態は通常状態へ戻る。
「5R大当たりA」又は「10R大当たりA」の大当たり図柄が決定された場合において、遊技状態が通常状態及び高確非時短状態のときには、大当たり遊技の終了後に高確第二短状態が設定される。パチンコ機1では、第一時短状態及び第二時短状態は、その遊技状態が設定された後に実行された大当たり判定の回数が所定の回数に到達することによって終了し、非時短状態に移行する。以下では、第一時短状態が終了する大当たり判定の回数を、「第一時短回数」という。第二時短状態が終了する大当たり判定の回数を、「第二時短回数」という。本実施形態において、第二時短回数は、「8」回又は「100」回である。「5R大当たりA」又は「10R大当たりA」の大当たり図柄には、「8」回の第二時短回数が対応付けられている。したがって、高確第二時短状態において8回の大当たり判定が実行される間に大当たりの判定結果が導出されない場合には、確変状態及び第二時短状態が終了し、その後、遊技状態は通常状態へ戻る。
「5R大当たりB」、「5R大当たりC」、「10R大当たりB」、「10R大当たりC」、「10R大当たりD」の大当たり図柄が決定された場合において、遊技状態が通常状態及び高確非時短状態のときには、大当たり遊技の終了後に高確第二時短状態が設定される。「5R大当たりB」、「5R大当たりC」、「10R大当たりB」、「10R大当たりC」、「10R大当たりD」の大当たり図柄には、「8」回の第二時短回数が対応付けられている。このため、高確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出されることなく大当たり判定が行われた回数が第二時短回数である「8」回に到達すると、第二時短状態が終了する。そして、その後に第一時短状態が新たに設定される。また、実行された大当たり判定の回数が確変回数である「8」回に到達することで、確変状態が終了し、非時短状態に移行する。
ここで、「5R大当たりB」及び「10R大当たりB」に対応付けられている第一時短回数は「22」回である。「5R大当たりC」及び「10R大当たりC」に対応付けられている第一時短回数は「52」回である。「10R大当たりD」に対応付けられている第一時短回数は「92」回である。したがって、高確第二時短状態の終了後には、大当たり図柄に対応付けられている第一時短回数に応じた回数で低確第一時短状態が設定される。低確第一時短状態において実行された大当たり判定の回数が第一時短回数に到達すると、第一時短状態が終了し、遊技状態は通常状態に戻る。
「10R大当たりE」の大当たり図柄が決定された場合において、遊技状態が通常状態及び高確非時短状態のときには、大当たり遊技の終了後に高確第二時短状態が設定される。「10R大当たりE」に対応付けられている第二時短回数は「100」回である。また、確変回数は、大当たり図柄に関わらず「8」回である。したがって、高確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出されることなく大当たり判定が行われた回数が「8」回に到達すると、その後は、第二時短状態が維持されたまま、確変状態が非時短状態に移行する。したがって、8回の高確第二時短状態が設定された後、残りの92回については低確第二時短状態が設定される。なお、大当たり遊技の終了後に実行された大当たり判定の回数が第二時短回数である「100」回に到達すると、第二時短状態が終了し、遊技状態は通常状態に戻る。
図7を参照して、ROM53に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターン決定テーブルは、遊技状態及び大当たり判定による判定結果(大当たり又ははずれ)に応じて、複数の変動パターンテーブルを設けている。複数の変動パターンテーブルのそれぞれには、複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンに変動パターン決定乱数の値(0〜511)が対応付けられている。
本実施形態では、変動パターン決定テーブルに、「遊技状態」、「判定結果」、「変動パターン決定乱数」、「変動パターン名」、「変動時間(演出時間)」の各項目が設けられている。「遊技状態」は、変動パターンが決定される時点における遊技状態が通常状態、高確非時短状態、低確第一時短状態、低確第二時短状態及び高確第二時短状態のいずれであるかを示す。「判定結果」は、大当たり判定による判定結果がいずれであるかを示す。「変動パターン決定乱数」は、各変動パターンに関連付けられている変動パターン決定乱数の値を示す。「変動時間(演出時間)」は、各変動パターンに定められている特別図柄の変動時間(すなわち、変動時間に対応する報知演出の演出時間)を示す。なお、本実施形態では、第一大当たり判定の結果を報知するための変動パターン(第一変動パターン)と、第二大当たり判定の結果を報知するための変動パターン(第二変動パターン)とが、共通に設けられている。この点、第一変動パターンと第二変動パターンとが異なる内容に設けられていてもよい。
大当たり判定が行われると、変動パターン決定テーブルに含まれる複数の変動パターンテーブルのうち、変動パターンが決定される時点に設定されている遊技状態、大当たり判定による判定結果に応じた変動パターンテーブルが参照される。参照された変動パターンテーブルに割り当てられている変動パターンのうちから、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが決定される。なお、変動パターンが決定される時点は、大当たり判定が実行される時点であり、特別図柄の変動開始時点である。
「遊技状態」欄は、通常状態、高確非時短状態及び低確第一時短状態におけるテーブルと、低確第二時短状態におけるテーブルと、高確第二時短状態におけるテーブルとに分けて設けられている。遊技状態が、通常状態、高確非時短状態又は低確第一時短状態である場合、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンの決定される割合が高くなる。ここで、「リーチ演出」とは、例えば3つの演出図柄のうち2つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出A」から「リーチ演出E」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出A」から「リーチ演出C」の順に高くなる。なお、本実施形態において、「非リーチA」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出であり、本実施形態では、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。
遊技状態が低確第二時短状態である場合、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、「リーチ演出F」、「リーチ演出G」の順に、変動パターンの決定される割合が高くなる。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出F」、「リーチ演出G」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、大当たり判定の結果が大当たりとなる期待度は、「リーチ演出F」よりも「リーチ演出G」の方が高くなる。特別図柄の平均変動時間は、低確第二時短状態におけるものの方が、通常状態、高確非時短状態又は低確第一時短状態におけるものよりも短くされている。このため、単位時間当たりにおける大当たり判定の実行回数は、低確第二時短状態の方が通常状態、高確非時短状態及び低確第一時短状態よりも多くなる。この点において、低確第二時短状態は、通常状態、高確非時短状態及び低確第一時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
遊技状態が高確第二時短状態である場合、大当たり判定の結果が大当たりであるときには、その場合に専用の「当たり変動A」及び「当たり変動B」の変動パターンが設けられている。また、大当たり判定の結果が外れであるときには、その場合に専用の「はずれ変動A」及び「はずれ変動B」の変動パターンが設けられている。特別図柄の平均変動時間は、高確第二時短状態におけるものの方が、通常状態、高確非時短状態又は低確第一時短状態におけるものよりも短くされている。このため、単位時間当たりにおける大当たり判定の実行回数は、高確第二時短状態の方が通常状態、高確非時短状態及び低確第一時短状態よりも多くなる。また、高確第二時短状態においては、確変状態が設定されることによって非確変状態よりも大当たり確率が上昇しているので、通常状態及び低確第一時短状態よりも大当たりの判定結果が導出されやすい。この点において、高確第二時短状態は、通常状態、高確非時短状態及び低確第一時短状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。
主基板41は、変動パターン決定テーブルを参照して決定した変動パターンに応じて定められている変動時間だけ、第一特別図柄又は第二特別図柄を変動させる。また、主基板41は、変動パターンが決定されると、変動パターンを指定するコマンドである変動パターン指定コマンドを、サブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、コマンドによって指定された変動パターンに応じて表示画面28及びスピーカ48等を制御することで、報知演出を実行する。
図8から図14を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理(図8参照)は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が検知した際に、CPU51において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
図8に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、ゲート12、第一始動口14、第二始動口15、大入賞口17、その他の入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球の通過又は入賞を検知するための処理が行われる。各スイッチが遊技球の通過を検出すると、RAM52に記憶されている各スイッチに対応するフラグが「ON」となる。次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている各種の時間カウンタの値が更新される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作を制御するための処理、大当たり遊技終了後に設定される遊技状態に関する処理等が行われる。大当たり遊技の動作とは、主に、大当たり遊技における大入賞口17の開閉部材の開閉動作である(図14参照)。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定及び遊技状態の移行処理等が行われる(図9から図11参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S16)。普通電動役物処理では、普通当たり遊技の動作(主に第二始動口15の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理が行われる。CPU51は、普通当たり判定によって普通当たりであると判定された場合、第二始動口作動定義テーブル(図5参照)を参照して、遊技状態に応じた開放パターンで第二始動口15の開閉部材が開閉動作をするように、第二始動口ソレノイド69の動作を制御する。なお、CPU51は、後述する時短フラグの状態に応じて、設定されている遊技状態を特定する。
次いで、普通図柄処理が行われる(S17)。普通図柄処理では、ゲートスイッチ75が遊技球の通過を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。CPU51は、第二始動口作動定義テーブルを参照することで、遊技状態に応じた普通当たり確率で普通当たり判定を実行する。
図9から図11を参照して、特別図柄処理(S14、図8参照)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。特別図柄処理では、大当たり遊技状態フラグ、特別図柄表示状態フラグ、時短フラグ、確変フラグ、第一時短準備フラグ、第二時短準備フラグ等が使用される。これらのフラグは、RAM52に記憶される。
大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であるかを示すフラグであり、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」になり、大当たり遊技中でない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。以下、大当たり遊技中である状態を、大当たり遊技状態ともいう。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄又は第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合(変動中)に「1」、いずれも停止表示されている場合(停止表示中)に「2」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
時短フラグは、時短状態中であるかを示すフラグであり、第一時短状態中に「1」、第二時短状態中に「2」、非時短状態中に「0」が記憶される。時短フラグに「1」又は「2」が記憶されている状態を「ON」、「0」が記憶されている状態を「OFF」ともいう。確変フラグは、確変状態中であるかを示すフラグであり、確変状態中に「1」が記憶されて「ON」になり、非確変状態中に「0」が記憶されて「OFF」になる。第一時短準備フラグは、第一時短状態が設定されることが決定された場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。第二時短準備フラグは、第二時短状態が設定されることが決定された場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
図9に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口14に遊技球が入賞しているかが判断される(S41)。第一始動口スイッチ61が遊技球の入賞を検知すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図8参照)において、第一始動口スイッチ61に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「OFF」の場合には、第一始動口14に遊技球が入賞していないと判断されて(S41:NO)、処理はS51の判断へ移行する。このフラグが「ON」の場合には、第一始動口14に遊技球が入賞していると判断されて(S41:YES)、第一保留球数が「4」であるかが判断される(S43)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「4」である場合(S43:YES)、第一保留球数が最大第一保留球数に達しているため、処理はS51の判断へ移行する。
第一保留球数が「4」でない場合(S43:NO)、RAM52に記憶されている第一保留球数に「1」が加算される(S45)。次いで、第一乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S46)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。処理はS51の判断へ移行する。
次いで、第二始動口15に遊技球が入賞しているかが判断される(S51)。第二始動口スイッチ63が遊技球の入賞を検知すると、メイン処理のスイッチ読込処理において、第二始動口スイッチ63に対応するフラグが「ON」となる。このフラグが「OFF」の場合には,第二始動口15に遊技球が入賞していないと判断されて(S51:NO)、処理はS71(図11参照)に移行する。このフラグが「ON」の場合には、第二始動口15に遊技球が入賞している判断されて(S51:YES)、第二保留球数が「4」であるかが判断される(S52)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「4」である場合(S52:YES)、第二保留球数が最大第二保留球数に達しているため、処理はS61(図10参照)へ移行する。
第二保留球数が「4」でない場合(S52:NO)、RAM52に記憶されている第二保留球数に「1」が加算される(S55)。次いで、第二乱数が取得され、第二大当たり拡径情報記憶エリア(図示略)における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される(S56)。具体的には、第二大当たり乱数欄には第二大当たり判定カウンタの値が、第二特別図柄決定乱数欄には第二特別図柄決定カウンタの値が、第二変動パターン決定乱数欄には第二変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。処理はS61の判断へ移行する。
次いで、図10に示すように、大当たり遊技状態であるかが判断される(S61)。大当たり遊技状態フラグが「ON」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて(S61:YES)、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「OFF」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて(S61:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが変動中であるかが判断される(S62)。特別図柄表示状態フラグが「1」でない場合、いずれの特別図柄も変動中でないと判断されて(S62:NO)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが停止表示中であるかが判断される(S63)。特別図柄表示状態フラグが「2」でない場合、いずれの特別図柄も停止表示中でないと判断されて(S63:NO)、処理はS71(図11参照)に移行し、大当たり判定等の処理が行われる。
本実施形態では、大当たり判定において、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図11に示すように、まず、第二保留球数が「1」以上であるかが判断される(S71)。RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」以上である場合(S71:YES)、第二大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が「0」である場合(S71:NO)、第一保留球数が「1」以上であるかが判断される(S72)。RAM52に記憶されている第一保留球数が「0」である場合(S72:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
第一保留球数が「1」以上である場合(S72:YES)、RAM52に記憶されている第一保留球数が「1」減算される(S73)。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア(図4参照)において最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第一乱数が、判定エリアにシフトされる(S75)。
次いで、第一大当たり判定処理が行われる(S76)。図示しないが、ROM53には、大当たり判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが記憶されている。第一大当たり判定処理では、確変フラグの状態が参照されて、現時点において確変状態が設定されているかが特定される。確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルが、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルが、それぞれ選択される。低確率判定テーブルは、非確変状態中の大当たり判定に用いられるテーブルであり、第一大当たり判定及び第二大当たり判定について「大当たり」及び「はずれ」にそれぞれ対応する大当たり乱数の乱数値を定義している。選択された低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルが参照されて、S75の処理で判定エリアにシフトされた第一大当たり乱数が、「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される第一大当たり判定が行われる。これにより、RAM52に記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数が記憶された順に行われる。なお、パチンコ機1において、大当たり判定によって導出される判定結果に、「小当たり」等、「大当たり」及び「はずれ」以外の結果が含まれてもよい。
次いで、第一大当たり判定の結果が大当たりであるかが判断される(S81)。第一大当たり判定の結果が大当たりの場合(S81:YES)、大当たり図柄が決定される(S82)。S82の処理では、特別図柄決定テーブル(図6参照)が参照されて、S75で判定エリアにシフトされた第一特別図柄決定乱数の値に応じた大当たり図柄が決定される。決定された大当たり図柄は、RAM52に記憶される。次いで、遊技状態設定準備処理が実行されて(S83)、処理はS111へ移行する。遊技状態設定準備処理の詳細については後述する。一方、第一大当たり判定の結果がはずれである場合(S81:NO)、所定のはずれ図柄が決定されて(S85)、処理はS111へ移行する。
また、第二保留球数が「1」以上である場合(S71:YES)、RAM52に記憶されている第二保留球数が「1」減算される(S91)。次いで、第二大当たり関係情報記憶エリア(図示略)において最も番号の小さい記憶エリアに記憶されている第二乱数が、判定エリアにシフトされる(S92)。
次いで、第二大当たり判定処理が行われる(S93)。第二大当たり判定処理では、確変フラグの状態が参照されて、現時点において確変状態が設定されているかが特定される。確変状態が設定されていない場合には低確率判定テーブルが、確変状態が設定されている場合には高確率判定テーブルが、それぞれ選択される。選択された低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルが参照されて、S92の処理で判定エリアにシフトされた第二大当たり乱数が、「大当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される第二大当たり判定が行われる。これにより、RAM52に記憶された未判定の第二大当たり乱数に基づく第二大当たり判定が、第二大当たり乱数が記憶された順に行われる。
次いで、第二大当たり判定の結果が大当たりであるかが判断される(S95)。第二大当たり判定の結果が大当たりの場合(S95:YES)、特別図柄決定テーブル(図6参照)に基づいて大当たり図柄が決定される(S96)。決定された大当たり図柄は、RAM52に記憶される。次いで、遊技状態設定準備処理が実行されて(S97)、処理はS111へ移行する。一方、第二大当たり判定の結果がはずれである場合(S95:NO)、所定のはずれ図柄が決定されて(S99)、処理はS111へ移行する。
次いで、遊技状態及び大当たり判定による判定結果に応じて、変動パターンが決定される(S111)。S111の処理では、確変フラグ及び時短フラグの状態が参照されて、現時点において通常状態、高確非時短状態及び低確第一時短状態、低確第二時短状態及び高確第二時短状態のいずれが設定されているかが特定される。また、大当たり判定による判定結果が参照される。そして、変動パターン決定テーブル(図7参照)のうち特定された遊技状態に応じたテーブルが参照され、大当たり判定による判定結果に応じた変動パターンが、変動パターン決定乱数の値に基づいて決定される。なお、第一変動パターン決定乱数の値に応じて第一変動パターンが、第二変動パターン決定乱数の値に応じて第二変動パターンが、それぞれ決定される。
次いで、決定された変動パターンを示す変動パターン指定コマンドが生成される(S112)。生成された変動パターン指定コマンドは、RAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図8参照)において、中継基板47及びサブ制御基板58に送信される。中継基板47を介して変動パターン指定コマンドを受信した図柄表示部24は、特別図柄表示部における特別図柄の変動を開始する。変動パターン指定コマンドを受信したサブ制御基板58は、表示画面28の演出図柄の変動開始を演出制御基板43に指示する。
次いで、決定された変動パターンに対応する特別図柄の変動時間が、特別図柄の変動時間を計測する時間カウンタである特別図柄変動時間カウンタに記憶される(S113)。特別図柄が変動中であることを示す「1」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S114)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図10に示すS62の判断において、特別図柄表示状態フラグに「1」が記憶されている場合には、第一特別図柄又は第二特別図柄のいずれかが変動中であると判断され(S62:YES)、特別図柄の変動時間が経過したかが判断される(S121)。この判断は、S113(図11参照)で記憶された特別図柄変動時間カウンタの値に応じて行われる。特別図柄変動時間カウンタの値が「0」でない場合には変動時間がまだ経過していないと判断されて(S121:NO)、処理はメイン処理へ戻る。特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっている場合には変動時間が経過したと判断されて(S121:YES)、特別図柄停止コマンドが生成される(S122)。生成された特別図柄停止コマンドは、RAM52に記憶される。記憶された特別図柄停止コマンドは、時間実行されるメイン処理のコマンド出力処理によって中継基板47及びサブ制御基板58に送信され、図柄表示部24の特別図柄表示部における特別図柄の変動停止及び表示画面28の演出図柄の変動停止を指示する。
次いで、所定の特別図柄停止表示時間(本実施形態では0.8秒)が特別図柄停止表示時間カウンタに記憶される(S123)。次いで、第一特別図柄又は第二特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて(S124)、処理はメイン処理へ戻る。
また、S63の判断において、特別図がパ表示状態フラグに「2」が記憶されている場合(S63:YES)、S123において記憶された特別図柄停止時間カウンタの値に応じて、特別図柄停止表示時間が経過したかが判断される(S126)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でない場合には特別図柄停止表示時間がまだ経過していないと判断されて(S126:NO)、処理はメイン処理へ戻る。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」である場合には特別図柄停止表示時間が経過したと判断されて(S126:YES)、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される(S127)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S128)、処理はメイン処理へ戻る。
図12を参照して、遊技状態設定準備処理(S83及びS97、図11参照)について詳細に説明する。遊技状態設定準備処理は、S82、S96の各処理で決定された特別図柄の大当たり図柄と、大当たり判定の実行時点における遊技状態とに応じて、大当たり遊技が実行された場合に大当たり遊技の終了後に設定する遊技状態が決定される。
遊技状態設定準備処理が開始されると、S82、S96の各処理で決定され、RAM52に記憶された第一特別図柄又は第二特別図柄の大当たり図柄が参照される(S131)。次いで、時短フラグ及び確変フラグの状態に応じて、現時点の遊技状態が特定される(S132)。次いで、特別図柄決定テーブル(図6参照)が参照される(S133)。そして、S131で参照された大当たり図柄とS132で特定された遊技状態とに応じて、大当たり遊技の終了後に設定される遊技状態が、特別図柄決定テーブルに基づいて決定される(S135)。
次いで、大当たり遊技の終了後に設定されると決定された遊技状態が第二時短状態であるかが判断される(S141)。大当たり遊技の終了後に設定されると決定された遊技状態が第二時短状態でない場合(S141:NO)、処理は特別図柄処理(図11参照)へ戻る。決定された遊技状態が第二時短状態である場合(S141:YES)、大当たり図柄に対応付けられた第二時短回数がRAM52に記憶される(S142)。ここで、図6に示すように、「2R大当たり」の場合には第二時短回数は「0」であり、「10R大当たりE」の場合には第二時短回数は「100」であり(8回+92回)、その他の大当たり図柄の場合には第二時短回数は「8」である。次いで、第二時短準備フラグが「ON」になる(S143)。
次いで、第二時短状態の終了後に第一時短状態が設定される場合であるかが判断される(S145)。すなわち、現時点の遊技状態が通常状態又は高確非時短状態であって、RAM52に記憶されている大当たり図柄が「5R大当たりB」、「5R大当たりC」、「10R大当たりB」、「10R大当たりC」又は「10R大当たりD」であるかが判断される。第二時短状態の終了後に第一時短状態が設定されない場合(S145:NO)、処理は特別図柄処理(図11参照)へ戻る。
第二時短状態の終了後に第一時短状態が設定される場合(S145:YES)、大当たり図柄に対応付けられた第一時短回数がRAM52に記憶される(S146)。この処理で記憶される第一時短回数は、第二時短状態の後に設定される第一時短状態の継続回数であり、図6に示すように、「5R大当たりB」及び「10R大当たりB」の場合には「22」、「5R大当たりC」及び「10R大当たりC」の場合には「52」、「10R大当たりD」の場合には「92」である。次いで、第一時短準備フラグが「ON」になり(S148)、処理は特別図柄処理(図11参照)へ戻る。
図13を参照して、遊技状態移行処理(S128、図10参照)について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たり判定によって大当たりであると判定された場合に、遊技を大当たり遊技状態に移行させるための処理が行われる。また、所定の時短終了条件が成立した場合に時短状態を終了させるための処理も行われる。
遊技状態移行処理が開始されると、まず、大当たり判定の結果が大当たりであるかが判断される(S151)。判定結果が大当たりである場合(S151:YES)、大当たり図柄の種別に対応するラウンド数が、ラウンド数を記憶するカウンタとしてRAM52に設けられているRカウンタに記憶される(S152)。本実施形態では、決定された大当たり図柄が「2R大当たり」の場合には「2」、「5R大当たりA」〜「5R大当たりC」の場合には「5」、「10R大当たりA」〜「10R大当たりE」の場合には「10」が、それぞれRカウンタに記憶される。
次いで、判定回数計数カウンタの値が「0」にクリアされる(S153)。判定回数計数カウンタは、前回の大当たり遊技の終了後から実行された大当たり判定の回数を計数するカウンタであり、RAM52に記憶される。次いで、時短フラグが「ON」(「1」又は「2」)である場合には時短フラグに「0」が記憶されて「OFF」になる。(S154)。また、確変フラグが「ON」である場合には確変フラグが「OFF」になる(S155)。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が通常状態に設定される。次いで、大当たり遊技状態フラグが「ON」になり(S156)、処理は特別図柄処理(図11参照)へ戻る。
一方、大当たり判定の判定結果が大当たりでない場合(S151:NO)、判定回数計数カウンタに「1」が加算される(S161)。次いで、判定回数計数カウンタの値が確変回数である「8」に一致するかが判断される(S163)。判定回数計数カウンタの値が確変回数に一致する場合(S163:YES)、確変フラグが「OFF」になり(S165)、処理はS166の判断へ移行する。判定回数計数カウンタの値が確変回数に一致しない場合(S163:NO)、処理はS166の判断へ移行する。
次いで、現時点において第二時短状態が設定されているかが判断される(S166)。時短フラグに「2」が記憶されている場合には第二時短状態が設定されていると判断されて(S166:YES)、判定回数計数カウンタの値が、S142(図12参照)で記憶された第二時短回数に一致するかが判断される(S168)。判定回数計数カウンタの値が第二時短回数に一致しない場合(S168:NO)、処理は特別図柄処理へ戻る。
判定回数計数カウンタの値が第二時短回数に一致する場合(S168:YES)、第一時短準備フラグが「ON」であるかが判断される(S171)。第一時短準備フラグが「ON」の場合(S171:YES)、第二時短状態の終了後に第一時短状態が設定される場合であるので、時短フラグに記憶される値が「2」から「1」になる。(S172)。その後、第一時短準備フラグが「OFF」になり(S173)、処理は特別図柄処理へ戻る。なお、第一時短準備フラグが「OFF」の場合(S171:NO)、第二時短状態の終了後に非時短状態が設定される場合であるので、時短フラグに記憶される値が「2」から「0」になる(S175)。その後、処理は特別図柄処理へ戻る。
一方、現時点において第二時短状態が設定されていない場合(S166:NO)、現時点において第一時短状態が設定されているかが判断される(S181)。時短フラグに「1」が記憶されている場合には第一時短状態が設定されていると判断されて(S181:YES)、判定回数計数カウンタの値がS146(図12参照)で記憶された第一時短回数に応じた値であるかが判断される(S182)。
S182の処理においては、第二時短状態が終了した後に設定された第一時短状態が、大当たり図柄に対応付けられている第一時短回数と同じ回数だけ継続されたかが判断される。本実施形態において、判定回数計数カウンタの値は、前回の大当たり遊技の終了後から実行された大当たり判定の回数である。すなわち、判定回数計数カウンタの値は、第二時短状態の継続回数と、その後に設定された第一時短状態の継続回数とを加算した値に相当する。したがって、S182の判断は、判定回数計数カウンタの値が、大当たり図柄に対応する第一時短回数と第二時短回数とを加算した値に一致するかによって行われる。すなわち、「5R大当たりB」及び「10R大当たりB」の場合には、判定回数計数カウンタの値が、第二時短回数である「8」に第一時短回数である「22」を加算した「30」であるかが判断される。「5R大当たりC」及び「10R大当たりC」の場合には、判定回数計数カウンタの値が、第二時短回数である「8」に第一時短回数である「52」を加算した「60」であるかが判断される。「10R大当たりD」の場合には、判定回数計数カウンタの値が、第二時短回数である「8」に第一時短回数である「92」を加算した「100」であるかが判断される。
判定回数計数カウンタの値がS146で記憶された第一時短回数に応じた値である場合(S182:YES)、時短フラグに記憶される値が「1」から「0」になり(S183)、処理は特別図柄処理へ戻る。なお、現時点において非時短状態が設定されている場合(S181:NO)又は現時点において第一時短状態が設定されているが判定回数計数カウンタの値がS146で記憶された第一時短回数に応じた値でない場合(S182:NO)、処理は特別図柄処理へ戻る。
図14を参照して、特別電動役物処理(S13、図8参照)の詳細について説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ等が使用される。開放中フラグは、大入賞口17が開放状態であるか否かを示すフラグであり、RAM52に記憶される。開放中フラグには、大入賞口17の開閉部材が開放されている場合に「1」が記憶されて「ON」になり、そうでない場合に「0」が記憶されて「OFF」になる。
特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態であるかが判断される(S191)。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態に基づいて行われる。大当たり遊技状態フラグが「ON」の場合には大当たり遊技状態であると判断されて(S191:YES)、大当たりラウンドが全て終了しているか、すなわち、Rカウンタの値が「0」であるかが判断される(S192)。Rカウンタの値は、後述のS208の処理で、大当たりラウンドが1ラウンド終了する毎に「1」減算される。すなわち、Rカウンタの値が「0」であれば、大当たり遊技における最終ラウンドが終了していることとなる。
Rカウンタの値が「0」でない場合(S192:NO)、大入賞口17が開放中であるかが判断される(S195)。この判断は、開放中フラグの状態に基づいて行われる。開放中フラグに「1」が記憶されている場合には大入賞口17が開放中であると判断されて(S195:YES)、処理はS201の判断へ移行する。
開放中フラグに「1」が記憶されていない場合には大入賞口17が開放中でないと判断されて(S195:NO)、大入賞口17を開放させるための開放コマンドが生成される(S196)。生成された開放コマンドは、RAM52に記憶されて、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信される。中継基板47を介して開放コマンドを受信した大入賞口ソレノイド70は、大入賞口17の開閉部材を開放させる。また、大当たり遊技における大入賞口17の最大開放時間である大入賞口開放時間(本実施形態では、「2R大当たり」による大当たり遊技の場合は6.0秒、その他の大当たり図柄による大当たり遊技の場合は20.0秒、図6参照)が、RAM52の開放時間カウンタに記憶される(S198)。また、開放コマンドに基づいて大入賞口17が開放されることに応じて、開放中フラグに「1」が記憶される(S199)。処理はS201の判断へ移行する。
次いで、大入賞口17へ遊技球が入賞したかが判断される(S201)。大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「OFF」の場合には、大入賞口17へ遊技球が入賞していないと判断され(S201:NO)、処理はS203の判断へ移行する。大入賞口スイッチ76に対応するフラグが「ON」の場合には大入賞口17へ遊技球が入賞したと判断され(S201:YES)、大入賞口17へ入賞した遊技球である第一入賞球数を計数するRAM52の入賞球数カウンタに「1」が加算される(S202)。処理はS203の判断へ移行する。
次いで、大入賞口17への入賞球数が「8」以上であるかが判断される(S203)。入賞球数カウンタの値が「8」未満の場合(S203:NO)、開放時間が経過したかが、開放時間カウンタの値に基づいて判断される(S204)。開放時間が経過していない場合(S204:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
大入賞口17へ8個以上の遊技球が入賞するか(S203:YES)、又は開放時間が経過した場合(S204:YES)、閉鎖コマンドが生成される(S205)。閉鎖コマンドは、開放している大入賞口17の開閉部材を閉鎖させるためのコマンドである。生成された閉鎖コマンドは、RAM52に記憶され、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理において中継基板47に送信される。中継基板47を介して閉鎖コマンドを受信した大入賞口ソレノイド70は、大入賞口17の開閉部材を閉鎖させる。次いで、開放中フラグに「0」が記憶されて「OFF」になり(S206)、Rカウンタの値が「1」減算される(S208)。その後処理はメイン処理へ戻る。
一方、Rカウンタの値が「0」である場合(S192:YES)、大当たり遊技状態フラグが「OFF」になる(S211)。次いで確変フラグが「ON」になる(S212)。次いで、第二時短準備フラグが「ON」であるかが判断される(S215)。第二時短準備フラグが「ON」である場合(S212:YES)、時短フラグに「2」が記憶され(S216)、第二時短準備フラグが「OFF」になる(S218)。処理はメイン処理へ戻る。なお、第二準備フラグが「OFF」の場合(S215:NO)、処理はメイン処理へ戻る。
図15を参照して、パチンコ機1における遊技の流れ及び遊技状態の遷移について説明する。通常状態から遊技が開始された場合、遊技球が第一始動口14へ入賞することを契機として、所定の大当たり確率で第一大当たり判定が行われる。第一大当たり判定によって大当たりの判定結果が導出されると、大当たり遊技が行われる。なお、通常状態において大当たり判定によって大当たりであると判定されたことに伴って実行される大当たり遊技を、「初当たり遊技」ともいう。
初当たり遊技が行われると、大当たり遊技の終了後に15%の割合で高確非時短状態が(矢印(a)参照)、85%の割合で高確第二時短状態が(矢印(b)参照)、それぞれ設定される。言い換えると、通常状態において大当たりとなった場合には、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態又は高確第二時短状態が設定される。本実施形態において、いずれの大当たり遊技の後にも、設定される確変回数は8回である。したがって、高確非時短状態において大当たりの判定結果が導出されることなく大当たり判定が行われた回数が確変回数に達すると、確変状態が終了し、遊技状態は通常状態に戻る(矢印(A)参照)。
なお、高確非時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合には、大当たり遊技の終了後に15%の割合で高確非時短状態が(矢印(x)参照)、85%の割合で高確第二時短状態が(矢印(y)参照)、それぞれ設定される。言い換えると、本実施形態においては、高確非時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合には、通常状態において大当たりの判定結果が導出された場合と同様の割合で、大当たり遊技の終了後に高確非時短状態又は高確第二時短状態が設定される。すなわち、本実施形態において、高確非時短状態は、大当たり確率が通常状態よりも高くなっていること以外は通常状態と同様の有利度を提供する遊技状態であり、確変状態であることを遊技者に明示しない、いわゆる潜伏確変の状態である。
高確第二時短状態は、大当たり確率が非時短状態よりも上昇しており、また、非時短状態及び第一時短状態よりも遊技球が第二始動口15へ入賞しやすく、パチンコ機1が提供する遊技状態のうち遊技者にとって最も有利な遊技状態である。以下では、高確第二時短状態を「最上位モード」ということもある。パチンコ機1では、高確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合には、大当たり遊技の終了後に100%の割合で、再び高確第二時短状態が設定される(矢印(c)参照)。本実施形態において、高確第二時短状態において大当たりとなると、その後に高確第二時短状態が、再度、必ず設定されることは、高確第二時短状態が「最上位モード」と呼ばれる理由でもある。また、高確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出されることなく大当たり判定が行われた回数が確変回数に達すると、確変状態が終了する。初当たり遊技が「5R大当たりA」又は「10R大当たりA」によるものである場合には、第二時短回数が確変回数と同じ8回であるので、確変状態の終了に伴い第二時短状態も終了し、遊技状態は通常状態に戻る(矢印(B)参照)。
初当たり遊技が「10R大当たりE」によるものである場合には、第二時短回数が100回であるので、確変状態の終了後に第二時短状態が最大で92回継続する。このため、確変状態の終了に伴い、遊技状態は低確第二時短状態に移行する(矢印(D)参照)。低確第二時短状態は、大当たり確率が確変状態より低下するが、非時短状態及び第一時短状態よりも遊技球が第二始動口15へ入賞しやすく、パチンコ機1が提供する遊技状態のうち、高確第二時短状態に次いで、遊技者にとって有利な遊技状態である。以下では、低確第二時短状態を「上位モード」ということもある。パチンコ機1では、低確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合には、大当たり遊技の終了後に100%の割合で、高確第二時短状態が設定される(矢印(e)参照)。本実施形態において、低確第二時短状態において大当たりとなると、その後に高確第二時短状態が必ず設定されることは、低確第二時短状態が「上位モード」と呼ばれる理由でもある。なお、低確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出されることなく大当たり判定が行われた回数が92回に達すると、第二時短状態が終了し、遊技状態は通常状態へ戻る(矢印(F)参照)。
また、初当たり遊技が「5R大当たりB」、「5R大当たりC」、「10R大当たりB」、「10R大当たりC」、「10R大当たりD」によるものである場合には、第二時短回数が確変回数と同じ「8」である。また、これらの大当たり図柄に基づいて大当たり遊技が実行された場合、第二時短状態の終了後に、新たに第一時短状態が設定される。このため、確変状態及び第二時短状態の終了に伴い、遊技状態が高確第二時短状態から低確第一時短状態に移行する(矢印(C)参照)。
低確第一時短状態について説明する。第一時短状態は前述のSS状態であり、非時短状態よりも第二始動口15の開放頻度が僅かに高いが、外見上、非時短状態に非常に近似した遊技状態である。このため、低確第一時短状態と通常状態とは外観上非常に近似し、遊技者の一見では見分けがつきにくい。
パチンコ機1は、高確第二時短状態が終了した後に低確第二時短状態が設定されない場合として、高確第二時短状態から矢印(B)に示すように通常状態に移行する場合と、高確第二時短状態から矢印(C)に示すように低確第一時短状態に移行する場合とを設けている。遊技者は、高確第二時短状態から矢印(B)に示すように通常状態に移行した場合と、高確第二時短状態から矢印(C)に示すように低確第一時短状態に移行した場合とを、判別し難い。したがって、矢印(C)に示すように遊技状態が高確第二時短状態から低確第一時短状態に移行した遊技者には、通常状態に移行したと思って以降の遊技を進める遊技者が含まれ得る。また、矢印(B)に示すように遊技状態が高確第二時短状態から通常状態に移行した遊技者には、低確第一時短状態に移行したと思って以降の遊技を進める遊技者が含まれ得る。
このような状況下で、低確第一時短状態において大当たりの判定結果が導出されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合、その大当たり遊技の終了後に、100%の割合で高確第二時短状態が設定される(矢印(d)参照)。ここで、低確第一時短状態において大当たりの判定結果が導出されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合に高確第二時短状態が設定される割合は、高確第二時短状態及び低確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合に高確第二時短状態が設定される割合と同じである。つまり、低確第一時短状態は、通常状態と判別し難い遊技状態であるが、高確第二時短状態への突入割合の点では、遊技者にとって高確第二時短状態及び低確第二時短状態と同じ有利度である。
したがって、パチンコ機1は、高確第二時短状態から通常状態又は低確第一時短状態のいずれに移行したのかを判別できない遊技者に、少なくとも第一時短回数に達するまでの間に亘って、遊技を継続する意欲を維持させることができる。低確第一時短状態において大当たりの判定結果が導出されることなく大当たり判定が行われた回数が22回、52回又は92回に達すると、第一時短状態が終了し、遊技状態は通常状態へ戻る(矢印(E)参照)。本実施形態では、パチンコ機1は、第一時短回数を「22」、「52」及び「92」の複数段階に設けているので、これらのうち最も多い第一時短回数が経過するまでの間の遊技において、遊技者に上位モードと同等の期待感を持続させることができる。したがって、パチンコ機1の稼働が向上しうる。
なお、本実施形態において、初当たり遊技の終了後に高確第二時短状態が設定される割合は85%である。このうち、高確第二時短状態の後に低確第二時短状態が設定される場合(すなわち、初当たり遊技が「10R大当たりE」によるものであり、第二時短回数が「100」である割合)は、2%である。一方、高確第二時短状態、低確第一時短状態又は低確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出されたことに起因して行われた大当たり遊技の終了後には、100%の割合で第二時短回数が「100」となる。すなわち、本実施形態では、「8」回と「100」回の二通りの第二時短回数が設けられている。通常状態において第二時短回数のうち最大回数である「100」が決定される割合よりも、高確第二時短状態、低確第一時短状態又は低確第二時短状態において第二時短回数として「100」が決定される割合の方が高い。つまり、通常状態よりも高確第二時短状態、低確第一時短状態及び低確第二時短状態の方が、大当たり遊技の終了後に第二時短状態が長く継続しやすい。
初当たり遊技の終了後に設定される時短状態中に大当たりの判定結果が導出されることを条件として、通常状態よりも高い割合で最上位モードへ突入できる遊技仕様を、初当たり遊技に起因して発生する所定の条件を突破するといった意味合いから、「突破型」ということがある。パチンコ機1では、通常状態中に大当たりの判定結果が導出された場合において大当たり遊技の終了後に最上位モードである高確第二時短状態が設定される割合が85%である。また、パチンコ機1では、初当たり遊技の終了後に設定される高確第二時短状態又はその後に設定される低確第二時短状態に大当たりの判定結果が導出されたことに起因して行われる大当たり遊技の終了後に高確第二時短状態が設定される割合が100%である。すなわち、パチンコ機1は、初当たり遊技の終了後に設定される最上位モード又は最上位モードの後の上位モードにおいて大当たりの判定結果が導出されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合、その大当たり遊技の終了後に必ず最上位モードが設定されることから、突破型の遊技仕様を有している。
従来の遊技機においては、第二時短状態において実行された大当たり判定の回数が第二時短回数に到達した場合、その後には非時短状態が設定されるのみである。また、第一時短状態において実行された大当たり判定の回数が第一時短回数に到達した場合、その後には非時短状態が設定されるのみである。また、従来の突破型の遊技仕様を有する遊技機は、最上位モードから上位モードへ遊技状態が移行せず、通常状態へ移行するタイミングにおいて、遊技者に遊技を終了する契機を与えがちである。このことは、突破型の遊技仕様を有する遊技機の稼働向上を図る上での課題である。この点、パチンコ機1は、第二時短状態が第二時短回数の到来に基づいて終了した後に、第一時短状態を新たに設定する。このように、パチンコ機1は、最上位モードの後にSS状態が継続する遊技仕様を採用することによって、最上位モードから上位モードへ遊技状態が移行しない場合であっても、その後の遊技状態において遊技者に遊技を継続することを動機付けすることができる。このように、パチンコ機1は、時短状態を第一時短状態と第二時短状態とに多様化することによって、最上位モードから通常状態へ移行したかのように思われる場合であっても、遊技者の期待感を維持し、遊技者に遊技の継続を促すことができる。
以上説明したように、従来の遊技機では、時短状態が時短回数の到来に基づいて終了する場合、その後には非時短状態が設定されるのみである。パチンコ機1は、高確第二時短状態が第二時短回数の到来に基づいて終了する場合、所定の割合でその後に第一時短状態を設定することによって、低確第一時短状態を設けている。第一時短状態は、非時短状態よりも第二始動口15の開放頻度が僅かに高いが、外見上、非時短状態に非常に近似した遊技状態である。このため、低確第一時短状態と通常状態とは外見上非常に近似し、遊技者の一見では見分けがつきにくい。ここで、パチンコ機1は、確変回数と第二時短回数とを同じ「8」回としている。このため、遊技者は、高確第二時短状態から通常状態に移行した場合と、高確第二時短状態から低確第一時短状態に移行した場合とを、判別し難い。このように、パチンコ機1は、時短状態として第一時短状態と第二時短状態とを設け、第二時短状態の終了後に第一時短状態を設定することで、遊技を多様化できる。
パチンコ機1は、非時短状態、すなわち、通常状態及び高確非時短状態において大当たりの判定結果が導出されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合、その大当たり遊技の終了後に85%の割合で高確第二時短状態を設定する。一方、第一時短状態又は第二時短状態が設定されている状態、すなわち、高確第二時短状態、低確第一時短状態及び低確第二時短状態において大当たりの判定結果が導出されたことに起因して大当たり遊技が行われた場合、その大当たり遊技の終了後に100%の割合で高確第二時短状態を設定する。このように、パチンコ機1は、非時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合よりも、第一時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合の方が、高い割合で高確第二時短状態を設定する。パチンコ機1において、非時短状態と第一時短状態とは近似した状態であり、遊技者の一見では見分けがつきにくい。このため、遊技状態が、高確第二時短状態から通常状態に移行した場合(図15、矢印(B)参照)と、高確第二時短状態から低確第一時短状態に移行した場合(矢印(C)参照)とを、遊技者が判別し難いことがある。このため、遊技状態が高確第二時短状態から通常状態に移行した遊技者には、低確第一時短状態に移行したと思って以降の遊技を進める遊技者が含まれ得る。したがって、パチンコ機1は、高確第二時短状態から通常状態又は低確第一時短状態のいずれに移行したのかを判別できない遊技者に、少なくとも第一時短回数に達するまでの間に亘って、遊技を継続する意欲を維持させることができる。したがって、パチンコ機1の稼働が向上しうる。
パチンコ機1は、第一時短回数を「22」回、「52」回及び「92」回の三通りに設けている。したがって、高確第二時短状態の終了後は、第一時短回数に応じた回数で低確第一時短状態が設定され、低確第一時短状態において実行された大当たり判定の回数が第一時短回数に到達すると、第一時短状態が終了し、遊技状態は通常状態に戻る。これにより、パチンコ機1は、高確第二時短状態から通常状態又は低確第一時短状態に移行した遊技者に、これらのうち最も多い第一時短回数が経過するまでの間の遊技において、遊技者に上位モードと同等の期待感を持続させることができる。
上記実施形態において、第二始動口15が、本発明の「普通電動役物」に相当する。大入賞口17が、本発明の「大入賞口」に相当する。図8のS16で普通当たり遊技を制御する主基板41のCPU51が、本発明の「普通遊技実行手段」として機能する。図11のS76で第一大当たり判定を実行し、S93で第二大当たり判定を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「判定手段」として機能する。図14のS196で開放コマンドを生成する主基板41のCPU51が、本発明の「特別遊技実行手段」として機能する。図13のS155、S165、図14のS212で確変フラグを制御する主基板41のCPU51が、本発明の「第一設定手段」として機能する。図13のS154、S172、S175、S183、図14のS216で時短フラグを制御する主基板41のCPU51が、本発明の「第二設定手段」として機能する。図13のS163の判断結果に応じてS165の処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「第一移行手段」として機能する。図13のS168及びS171の判断結果に応じてS172又はS175の処理を実行し、S182の判断結果に応じてS183の処理を実行する主基板41のCPU51が、本発明の「第二移行手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態では、高確非時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合において、大当たり遊技の終了後に高確第二時短状態が設定される割合は、通常状態において大当たりの判定結果が導出された場合と同じである。これに限られず、高確非時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合における高確第二時短状態への突入割合が、第一時短状態又は第二時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合における高確第二時短状態への突入割合と同じであってもよい。
上記実施形態では、高確第二時短状態、低確第一時短状態及び低確第二時短状態のそれぞれにおいて大当たりの判定結果が導出された場合における高確第二時短状態への突入割合が同じにされている。この点、例えば、第一時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合における高確第二時短状態への突入割合が、第二時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合における高確第二時短状態への突入割合よりも低くてもよい。この場合であっても、第一時短状態において大当たりの判定結果が導出された場合における高確第二時短状態への突入割合が、通常状態において大当たりの判定結果が導出された場合における高確第二時短状態への突入割合よりも高くされていればよい。すなわち、SS状態における有利度が通常状態よりも高くされていれば、パチンコ機1は、高確第二時短状態の終了後に設定されるSS状態及びSS状態との判別がつきにくい通常状態における遊技者の遊技継続意欲を維持することができる。
時短状態は、非時短状態に対して、普通当たり遊技における第二始動口15の開放時間、普通当たり確率、普通図柄の変動時間のうち少なくともいずれかが向上していればよい。例えば、第一時短状態における普通当たり遊技における第二始動口15の開放時間が非時短状態の開放時間よりも僅かに長くされていれば、普通当たり確率、普通図柄の変動時間が、第一時短状態と非時短状態とで同じであってもよい。また、第一時短状態と第二時短状態とで、普通当たり確率が異なってもよい。
非時短状態と第一時短状態とで普通当たり遊技における第二始動口15の開放時間を異なるものにする場合、第二始動口15の開放時間が1回であるときには、第一時短状態における開放時間は、非時短状態における開放時間の1.2倍程度までであることが好ましい。非時短状態と第一時短状態とで普通当たり確率を異なるものにする場合、第一時短状態における普通当たり確率は、非時短状態における普通当たり確率の2倍程度までであることが好ましい。非時短状態と第一時短状態とで普通図柄の変動時間を異なるものにする場合、第一時短状態における変動時間と、非時短状態における変動時間との違いが10秒程度までであることが好ましい。このようにすることで、パチンコ機1は、非時短状態とSS状態とを、より判別がつきにくくできる。
上記実施形態では、パチンコ機1は、いわゆるSTタイプ(確変回数切り)の遊技仕様である。すなわち、本発明の「第一移行契機」は、確変状態において実行された大当たり判定の回数が確変回数に達することである。この他、パチンコ機1は、大当たり判定の直前に行われる転落抽せんに当せんすることで確変状態から非確変状態に遊技状態が移行する、いわゆる転落抽せんタイプの遊技仕様であってもよい。すなわち、本発明の「第一移行契機」は、転落抽せんに当せんすることであってもよい。このとき、転落抽せんに当せんすることに応じて、確変状態から非確変状態へ移行するのと同じタイミングで、第二時短状態から第一時短状態へ移行が行われてもよい。これにより、パチンコ機1は、転落抽せんに当せんすることに応じて、高確第二時短状態から低確第一時短状態に移行できる。
請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素(例えば、大入賞口等)は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称(要素名)は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「第一作動入賞口」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。