JP2017209239A - 遊技機 - Google Patents

Abstract

【課題】遊技状態を多様化し、遊技性を向上できる遊技機を提供する。【解決手段】特別図柄処理で記憶された当たり種別が参照される（Ｓ２７１）。時短中当せんフラグの状態が参照される（Ｓ２７２）。次いで、特別図柄決定テーブルが参照されて、当たり種別と、時短中当せんフラグの状態（大当たり判定が時短状態中に行われたか否か）に応じた、大当たり遊技終了後の遊技状態が特定される（Ｓ２７３）。特定された遊技状態に応じて、通常状態に「０」、入賞容易状態１に「１」、入賞容易状態２に「２」、入賞容易状態３に「３」、入賞容易状態４に「４」、入賞容易状態５に「５」が、時短フラグに記憶される（Ｓ２７５）。【選択図】図２４

Description

本発明は、複数の遊技状態を備える遊技機に関する。

従来、複数の遊技状態を備える遊技機が知られている。特許文献１に開示された遊技機は、一種二種混合機と呼ばれるタイプの遊技機であり、第一の始動口に遊技球が入賞したことに起因して第一の大当たりと判断された場合に、第二の始動口に遊技球が入賞しやすい遊技状態である時短状態を設定する。第二の始動口に遊技球が入賞すると、内部に特定領域を備える大入賞口が開放する。開放した大入賞口に入賞した遊技球が、特定領域を通過すると、大当たり遊技が実行される。

特開２０１５−２２３２５０号公報

一種二種混合機では、時短状態中は、第二の始動口に遊技球が入賞することに起因して、大当たり遊技が実行され得るので、非時短状態である通常状態よりも大当たり遊技が実行されやすい。上記の遊技機を遊技する遊技者は、時短状態中においては、次に大当たりが発生するまで、単調に遊技を消化しがちである。すなわち、従来の遊技機には、時短状態中における遊技性の向上に限界があるという問題点がある。

本発明は、遊技状態を多様化し、遊技性を向上できる遊技機を提供することを目的とする。

本発明に係る遊技機は、遊技球が通過する通過口と、遊技球が入賞困難又は入賞不能な第一状態と、前記第一状態よりも遊技球が入賞容易な第二状態とに作動可能な作動入賞口と、前記作動入賞口に入賞した遊技球が通過可能な第一領域及び第二領域と、前記通過口を遊技球が通過することを契機として第一乱数を取得する第一乱数取得手段と、前記第一乱数取得手段によって取得された前記第一乱数に基づいて前記作動入賞口を前記第一状態から前記第二状態に少なくとも一回作動させる第一当たり遊技を実行するかを判定する第一判定手段と、前記第一判定手段による判定結果を示す第一図柄の種類を決定する第一決定手段と、前記第一当たり遊技において前記作動入賞口が前記第一状態から前記第二状態に作動するパターンであって、前記作動入賞口に入賞した遊技球が前記第二領域よりも前記第一領域を遊技球が通過しやすい第一作動パターンと、前記作動入賞口に入賞した遊技球が前記第一領域よりも前記第二領域を遊技球が通過しやすい第二作動パターンとを少なくとも含む複数の作動パターンのうちからいずれかを決定する第二決定手段と、前記第二決定手段によって決定された前記作動パターンに応じて前記第一当たり遊技を実行する第一実行手段と、遊技球が前記第一領域を通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する第一始動口と、遊技球が前記第二領域を通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する第二始動口と、前記第二決定手段によって前記複数の作動パターンのそれぞれが決定される割合が互いに異なる複数の遊技状態のうちいずれかを設定する設定手段とを備え、前記第二決定手段は、前記第一決定手段によって決定された前記第一図柄の種類と、前記第一図柄の種類が決定された時点において前記設定手段によって設定されている遊技状態に応じて、前記複数の作動パターンのうちからいずれかを決定することを特徴とする。

従来、第一判定手段による判定結果に応じて実行される第一当たり遊技における作動入賞口の作動パターンは、判定結果を示す第一図柄の種類に応じて決定されるのみである。本発明に係る遊技機では、作動入賞口の作動パターンに応じて、作動入賞口に入賞した遊技球が、第一領域及び第二領域のいずれを通過しやすいかが異なる。遊技球が第一領域を通過すると、第一始動口が第一状態から第二状態に作動することで、第一始動口に遊技球が入賞しやすくなる。遊技球が第二領域を通過すると、第二始動口が第一状態から第二状態に作動することで、第二始動口に遊技球が入賞しやすくなる。すなわち、本発明に係る遊技機では、作動入賞口の作動パターンに応じて、第一始動口及び第二始動口のいずれに遊技球が入賞しやすくなるかが変化する。設定手段は、第二決定手段によって複数の作動パターンのそれぞれが決定される割合が互いに異なる複数の遊技状態を設定できる。この場合、遊技状態に応じて、第一始動口及び第二始動口のそれぞれへの遊技球の入賞頻度が変化しうる。第二決定手段は、複数の作動パターンのうちいずれを決定するかを、設定手段によって設定されている遊技状態によっても変化させることができるので、第一始動口及び第二始動口のそれぞれへの遊技球の入賞頻度を、遊技状態毎に多様化できる。したがって、本発明に係る遊技機は、遊技状態を多様化し、遊技性を向上させることができる。

前記設定手段によって設定される前記複数の遊技状態には、通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記第一判定手段によって前記第一当たり遊技が実行されやすい時短遊技状態とが含まれてもよい。前記時短遊技状態には、前記第一実行手段によって、前記第一作動パターンに応じた前記第一当たり遊技が前記第二作動パターンに応じた前記第一当たり遊技よりも実行されやすい第一遊技状態と、前記第一実行手段によって、前記第二作動パターンに応じた前記第一当たり遊技が前記第一作動パターンに応じた前記第一当たり遊技以上に実行されやすい第二遊技状態とが少なくとも含まれてもよい。少なくとも前記第二遊技状態には、前記第二決定手段によって前記第二作動パターンの決定される割合が互いに異なる前記複数の遊技状態が含まれてもよい。

この場合、遊技機には、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも第一当たり遊技が実行されやすい時短遊技状態とが含まれ、時短遊技状態には、第一遊技状態及び第二遊技状態が含まれる。よって、遊技機は、時短遊技状態を多様化できる。また、少なくとも第二遊技状態には、第二作動パターンの決定される割合が互いに異なる複数の遊技状態が含まれる。このため、遊技機は、第二遊技状態では、第二始動口への遊技球の入賞頻度が異なる複数の遊技状態を遊技者に提供できる。したがって、遊技機は、時短遊技状態を多様化し、遊技性を向上させることができる。

前記遊技機は、前記第一始動口へ遊技球が入賞することを契機として第二乱数を取得する第二乱数取得手段と、前記第二始動口へ遊技球が入賞することを契機として第三乱数を取得する第三乱数取得手段と、前記第二乱数取得手段によって取得された前記第二乱数に基づいて第二当たり遊技を実行するかを少なくとも判定する第二判定手段と、前記第三乱数取得手段によって取得された前記第三乱数に基づいて第三当たり遊技を実行するかを少なくとも判定する第三判定手段と、前記第二判定手段による判定結果及び前記第三判定手段による判定結果のそれぞれに応じて、前記第二当たり遊技、前記第三当たり遊技、及び、前記第三当たり遊技が実行されたことに起因する第四当たり遊技を、それぞれ実行する第二実行手段とを備えてもよい。前記設定手段は、前記通常遊技状態における前記第二判定手段及び前記第三判定手段のいずれかによる判定結果に応じて前記第二実行手段によって少なくとも前記第二当たり遊技が実行された場合、当該第二当たり遊技の終了後に第一所定割合で前記第二遊技状態を設定してもよい。

この場合、第一始動口へ遊技球が入賞することに起因して少なくとも第二当たり遊技が実行され得る。また、第二始動口へ遊技球が入賞することに起因して少なくとも第三当たり遊技及び第四当たり遊技が実行され得る。よって、第一始動口及び第二始動口のいずれに遊技球が入賞するかに応じて、異なる当たり遊技が実行され得るので、遊技性を多様化できる。また、通常遊技状態において第二判定手段及び第三判定手段のいずれかによる判定結果に応じて第二当たり遊技が実行された場合には、第二当たり遊技の終了後に第二判定手段による判定が通常状態よりも実行されやすい第二遊技状態が設定され得る。すなわち、第二当たり遊技の終了後には、判定結果に応じて第三当たり遊技及び第四当たり遊技が実行され得る第二遊技状態が設定されるので、遊技機は、異なる当たり遊技を楽しませることへの期待感を遊技者に与えることができる。

前記遊技機は、第二図柄を所定時間変動させた後に前記第二図柄を確定表示する変動表示を実行することで、少なくとも前記第三判定手段による判定結果を報知する報知手段と、前記変動表示の時間のパターンである変動パターンを複数記憶可能な変動パターン記憶手段と、前記報知手段によって前記変動表示が実行されている間に前記第三乱数取得手段によって取得された前記第三乱数を、前記第三判定手段による判定が保留された保留乱数として記憶する乱数記憶手段とを備えてもよい。前記変動パターン記憶手段は、前記第二遊技状態における前記変動パターンとして、前記第二始動口へ遊技球が入賞することに応じて前記乱数記憶手段が少なくとも１つの前記保留乱数を記憶するために必要な時間に対応する前記変動パターンを少なくとも記憶していてもよい。

この場合、第二遊技状態が設定されている間に、乱数記憶手段によって第三乱数に対応する保留乱数が少なくとも１つ記憶され得る。例えば、第二遊技状態における第二判定手段又は第三判定手段による判定結果に応じて第四当たり遊技が実行された後に、乱数記憶手段によって保留乱数が少なくとも１つ記憶されている場合がある。第四当たり遊技の終了後に保留乱数に基づいて第三判定手段による判定が実行された場合には、さらに第四当たり遊技が実行される可能性がある。したがって、遊技機は、第二遊技状態において乱数記憶手段によって第三乱数に対応する保留乱数が記憶されるか否か、遊技者に関心を持たせることができる。

パチンコ機１の正面図である。 遊技盤２の正面図である。 振分流路１９の構成図である。 電チュー１１、振分流路１９、第二始動口１３及び第三始動口１４の連動について説明する説明図である。 パチンコ機１の電気的構成を示すブロック図である。 ＲＡＭ５２の第一大当たり関係情報記憶エリアを示す概念図である。 電チュー１１の開閉部材１１１の開放パターン及び振分シャッタ１９５の動作パターンを示す説明図である。 ＲＯＭ５３に記憶されている普通図柄決定テーブルを示す概念図である。 ＲＯＭ５３に記憶されている第一特別図柄決定テーブルを示す概念図である。 ＲＯＭ５３に記憶されている第二特別図柄決定テーブルを示す概念図である。 第二大入賞口１７の開閉部材１７１の開放パターン及び可動片１７４の動作パターンを示す説明図である。 パチンコ機１における遊技状態の遷移を示す説明図である。 ＲＯＭ５３に記憶されている第一特別図柄変動パターン決定テーブルを示す概念図である。 ＲＯＭ５３に記憶されている第二特別図柄変動パターン決定テーブルを示す概念図である。 主基板４１において行われるメイン処理のフローチャートである。 メイン処理の中において行われる普通図柄処理のフローチャートである。 メイン処理の中において行われる普通図柄処理のフローチャートである。 メイン処理の中において行われる普通電動役物処理のフローチャートである。 メイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。 メイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。 メイン処理の中において行われる特別図柄処理のフローチャートである。 特別図柄処理の中において行われる大当たり遊技準備処理のフローチャートである。 特別図柄処理の中において行われる遊技状態移行処理のフローチャートである。 メイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。 メイン処理の中において行われる特別電動役物処理のフローチャートである。

以下、本発明に係る遊技機の一実施形態であるパチンコ機１について、図面を参照して説明する。以下の説明では、図１の手前側、奥側、上側、下側、左側、及び右側を、それぞれ、パチンコ機１の前側、後側、上側、下側、左側、及び右側とする。

図１及び図２を参照して、パチンコ機１の機械的構成について説明する。図１に示すように、パチンコ機１は、遊技盤２を着脱可能な本体枠２９を備える。遊技盤２は正面視略正方形の板状である（図２参照）。本体枠２９に装着された遊技盤２は、パチンコ機１の上側部分に配置される。遊技盤２は、本体枠２９と、本体枠２９の前側に装着された前面枠２９１との間で保持される。前面枠２９１は、透明なガラス板を保持しており、遊技盤２の前面を保護する。

遊技盤２の下部には上皿５が設けられている。上皿５は、遊技球発射装置３７（図５参照）に金属製の遊技球を供給し、且つ賞球を受ける。上皿５の上面には、遊技者によって操作される操作ボタン９が設けられている。上皿５の直下には、賞球を受ける下皿６が設けられている。下皿６の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル７が設けられている。発射ハンドル７は、遊技者が回転操作できるように設けられており、遊技者が発射ハンドル７を回転させて発射操作を行うと、発射ハンドル７の回転角度に応じた強度で、遊技球発射装置３７によって遊技球が発射される。前面枠２９１のガラス板を取り囲むように、電飾部材３５が設けられている。電飾部材３５は、遊技の進行等に応じて点灯又は点滅可能である。前面枠２９１の上部の両角部に、スピーカ４８がそれぞれ設けられている。

図２に示すように、遊技盤２の前面には、ガイドレール３で囲まれた略円形の遊技領域４が形成されている。ガイドレール３は、遊技領域４の左側に形成されている。遊技領域４の略中央には、各種演出を実行するセンター飾り８が設けられている。遊技球発射装置３７によって発射された遊技球は、ガイドレール３によって遊技領域４へ導かれ、遊技領域４内を流下する。所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球は、センター飾り８の左側を流下し、所定の強度以上で発射された遊技球は、センター飾り８の右側を流下する。以下、センター飾り８の左側を流下するように遊技球を発射することを「左打ち」と、センター飾り８の右側を流下するように遊技球を発射することを「右打ち」という。

センター飾り８は、表示画面２８等を主に備える。表示画面２８は、センター飾り８の上部の略中央に配置される。表示画面２８は、例えばＬＣＤ等によって構成されており、様々な数字・文字等を表示可能である。表示画面２８は、例えば、大当たり判定の結果を遊技者に報知する演出用の図柄である演出図柄を表示する。パチンコ機１は、複数（本実施形態では３つ）の演出図柄を変動させる図柄変動を表示した後に、大当たり判定の結果を示す演出図柄の組合せを確定表示する報知演出を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。

センター飾り８の略中央下方には、第一始動口１２が設けられている。第一始動口１２の下方には、第一大入賞口１６が設けられている。第一大入賞口１６は、いわゆる特別電動役物（後述する大当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物）に係る入賞口として構成されている。第一大入賞口１６は、第一大入賞口ソレノイド７０（図５参照）によって電気的に開閉される開閉部材１６１を備える。開閉部材１６１が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第一大入賞口１６に入賞できる。本実施形態では、第一大入賞口１６は、後述する大当たり遊技状態が生起されている場合に、大当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。

第一大入賞口１６の右方には、第二大入賞口１７が設けられている。第二大入賞口１７も、いわゆる特別電動役物に係る入賞口として構成されている。第二大入賞口１７は、第二大入賞口ソレノイド７１（図５参照）によって電気的に開閉される開閉部材１７１を備える。開閉部材１７１は、前後方向に延びる略平板状の部材である。開閉部材１７１は、閉鎖状態において第二大入賞口１７の入口を上部から覆うことで第二大入賞口１７への遊技球の入賞を阻害し、開放状態において後方にスライドすることで第二大入賞口１７の入口を開放し、第二大入賞口１７への遊技球の入賞を可能にする。開閉部材１７１が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二大入賞口１７に入賞できる。本実施形態では、第二大入賞口１７は、後述する大当たり判定の結果が小当たりである場合に、小当たり遊技として開放状態と閉鎖状態とが切り替えられるように構成されている。

第二大入賞口１７の内部には、特定領域１７２、非特定領域１７３及び可動片１７４が設けられている。特定領域１７２、非特定領域１７３は、第二大入賞口１７に入賞した遊技球のみが通過できる領域である。可動片１７４は、前後方向に延びる略平板状の部材であり、可動片ソレノイド７２（図５参照）によって電気的に動作する。可動片１７４は、閉鎖状態において特定領域１７２を上部から覆うことで遊技球が特定領域１７２を通過することを阻害し、開放状態において後方にスライドすることで特定領域１７２の上側を開放し、遊技球が特定領域１７２を通過可能にする。本実施形態では、第二大入賞口１７に入賞した遊技球のうち、特定領域１７２を通過する遊技球の割合が約１／１０となるように可動片１７４が動作される。第二大入賞口１７に入賞した遊技球は、特定領域１７２及び非特定領域１７３のいずれかを通過した後、遊技領域４の外部へ排出される。

センター飾り８の右方には、普通図柄作動ゲート１０が設けられている。普通図柄作動ゲート１０の下方には、電動チューリップ（以下、「電チュー」という。）１１が設けられている。電チュー１１は、いわゆる普通電動役物（後述する普通当たり判定の結果に基づき入賞口の入口の大きさを変化する役物）に係る入賞口として構成されている。電チュー１１は、電チューソレノイド６８（図５参照）によって電気的に開閉される開閉部材１１１を備える。本実施形態では、開閉部材１１１が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は電チュー１１に入賞できる。なお、電チュー１１は、開閉部材１１１が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材１１１が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。

電チュー１１の下方には、第二始動口１３が設けられている。第二始動口１３は、開閉部材１３１を備える。第二始動口１３は、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。第二種非電動役物は、電動役物（電気的動力によって動作する役物）以外の役物であり、遊技球が当該入賞口以外の特定の入賞口に入賞し、又は特定のゲートを通過した場合に作動する役物である。このため、第二始動口１３の開閉部材１３１は、ソレノイド等によって電気的に開閉されるものではなく、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材１３１が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第二始動口１３に入賞できる。なお、第二始動口１３は、開閉部材１３１が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材１３１が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。

第二始動口１３の左斜め下方には、第三始動口１４が設けられている。第三始動口１４は、開閉部材１４１を備える。第三始動口１４も、第二種非電動役物に係る入賞口として構成されている。このため、第三始動口１４の開閉部材１４１は、機械的に開閉される。本実施形態では、開閉部材１４１が開放された開放状態の場合にのみ、遊技球は第三始動口１４に入賞できる。なお、第三始動口１４は、開閉部材１４１が閉鎖された閉鎖状態にも遊技球の入賞が可能であって、開閉部材１４１が開放されることで閉鎖状態よりも遊技球が入賞容易となる構成であってもよい。

電チュー１１と第二始動口１３及び第三始動口１４との上下方向における間の位置には、振分流路１９が設けられている。振分流路１９は、電チュー１１に入賞した遊技球のみが通過できる流路であり、遊技盤２の前面に対して後面側に設けられている。

遊技領域４には、上記以外に、アウト口１８、各種の電飾部材、入賞口、風車及び遊技くぎ等が設けられている。遊技領域４を流下する遊技球のうち、電チュー１１、第一始動口１２、第二始動口１３、第三始動口１４、第一大入賞口１６、第二大入賞口１７及びその他の入賞口のいずれにも入賞せず遊技領域４の下部まで流下した遊技球は、遊技盤２の下部に設けられたアウト口１８を通過した後、遊技領域４の外部へ排出される。

遊技盤２の右下部には、図柄表示部２４が設けられている。図柄表示部２４は、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄表示部、第一特別図柄記憶数表示ＬＥＤ及び普通図柄記憶数表示ＬＥＤを備える。第一特別図柄表示部及び第二特別図柄表示部は、それぞれ１つの７セグメントＬＥＤからなり、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を示す第一特別図柄及び第二特別図柄を表示する。以下、第一大当たり判定及び第二大当たり判定を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、大当たり判定ともいう。また、第一特別図柄及び第二特別図柄を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、単に、特別図柄ともいう。普通図柄表示部は、ＬＥＤの点灯及び消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。第一特別図柄記憶数表示ＬＥＤは、第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である第一保留球数を表示する。普通図柄記憶数表示ＬＥＤは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である普通保留球数を表示する。

図３を参照し、振分流路１９の詳細構成について説明する。図３に示すように、振分流路１９は、遊技球が流下可能な流路１９１を備える。図示しないが、流路１９１の上端は、電チュー１１の内部と連通している。流路１９１は、その上下方向における略中央において、第一流路１９１Ａと第二流路１９１Ｂとに分岐している。第一流路１９１Ａは、振分流路１９の分岐点から左斜め下に延びた後、下方に延びる。第二流路１９１Ｂは、上下方向に延びる。第一流路１９１Ａの下端には、第一通過領域１９２が設けられている。第二流路１９１Ｂの下端には、第二通過領域１９３が設けられている。第一通過領域１９２及び第二通過領域１９３は、それぞれ遊技球が通過可能に形成された領域である。

第一流路１９１Ａと第二流路１９１Ｂとの分岐点には、振分シャッタ１９５が設けられている。振分シャッタ１９５は、第一流路１９１Ａと第二流路１９１Ｂとの分岐点を中心に搖動可能に構成されている略平板状の部材であり、振分シャッタソレノイド６９（図５参照）によって電気的に作動される。振分シャッタ１９５は、第一位置Ｄ１に配置されているときには、第二流路１９１Ｂへの遊技球の通過を規制するとともに、第一流路１９１Ａへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第一通過領域１９２に誘導する。第一位置Ｄ１は、振分シャッタ１９５が原点位置にある状態の位置である。振分シャッタ１９５は、第二位置Ｄ２に配置されているときには、第一流路１９１Ａへの遊技球の通過を規制するとともに、第二流路１９１Ｂへの遊技球の通過を許容し、遊技球を第二通過領域１９３に誘導する。すなわち、振分シャッタ１９５は、電チュー１１に入賞した遊技球が、第一通過領域１９２を通過するか、第二通過領域１９３を通過するかを振り分ける。

第一通過領域１９２の後方には、図示しない第一作動機構が設けられている。第一作動機構は、例えばフックである。遊技球が第一通過領域１９２を通過すると、第一作動機構が作動して（例えば、フックが外れて）、第三始動口１４の開閉部材１４１が開放される。すなわち、第一通過領域１９２は、第二種非電動役物に係る第三始動口１４を作動させるための特定のゲートに相当する。第一通過領域１９２を通過した遊技球は、その後、振分流路１９の外部へ排出される。

また、第三始動口１４の開閉部材１４１には、図示しない第一閉鎖機構が設けられている。第一閉鎖機構は、例えばギアである。第三始動口１４に所定個数（本実施形態では、１個）の遊技球が入賞すると、第一閉鎖機構が作動して（例えば、ギアが回転して）、第三始動口１４の開閉部材１４１が閉鎖される。このように、第三始動口１４の開閉部材１４１は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。

第二通過領域１９３の後方には、図示しない第二作動機構が設けられている。第二作動機構は、例えばフックである。遊技球が第二通過領域１９３を通過すると、第二作動機構が作動して（例えば、フックが外れて）、第二始動口１３の開閉部材１３１が開放される。すなわち、第二通過領域１９３は、第二種非電動役物に係る第二始動口１３を作動させるための特定のゲートに相当する。第二通過領域１９３を通過した遊技球は、その後、振分流路１９の外部へ排出される。

また、第二始動口１３の開閉部材１３１には、図示しない第二閉鎖機構が設けられている。第二閉鎖機構は、例えばギアである。第二始動口１３に所定個数（本実施形態では、１個）の遊技球が入賞すると、第二閉鎖機構が作動して（例えば、ギアが回転して）、第二始動口１３の開閉部材１３１が閉鎖される。このように、第二始動口１３の開閉部材１３１は、電気的動力を用いることなく、機械的に開閉される。

図４を参照し、電チュー１１、振分流路１９、第二始動口１３及び第三始動口１４の連動について説明する。図４の（Ａ）に示すように、電チュー１１の開閉部材１１１が開放されると、遊技球が電チュー１１に入賞可能になる。（Ａ）では、電チュー１１に遊技球が１個入賞したとする。

（Ｂ）に示すように、振分シャッタ１９５が第一位置Ｄ１（図３参照）に配置されているとき、電チュー１１に入賞した遊技球は第一流路１９１Ａを流下した後、第一通過領域１９２を通過する。これにより、第一作動機構が作動して、第三始動口１４の開閉部材１４１が開放状態になる。なお、電チュー１１の開閉部材１１１は、所定の開放パターンの開閉動作を行った後に閉鎖状態になる。

次いで、（Ｃ）に示すように、第三始動口１４の開閉部材１４１が開放されると、遊技球が第三始動口１４に入賞可能になる。（Ｃ）では、開放された第三始動口１４に遊技球が１個入賞したとする。これにより、（Ｄ）に示すように、第一閉鎖機構が作動して、第三始動口１４の開閉部材１４１が閉鎖状態になる。

一方、（Ｅ）に示すように、振分シャッタ１９５が第二位置Ｄ２（図３参照）に配置されているとき、電チュー１１に入賞した遊技球は第二流路１９１Ｂを流下した後、第二通過領域１９３を通過する。これにより、第二作動機構が作動して、第二始動口１３の開閉部材１３１が開放状態になる。なお、電チュー１１の開閉部材１１１は、所定の開放パターンの開閉動作を行った後に閉鎖状態になる。

次いで、（Ｆ）に示すように、第二始動口１３の開閉部材１３１が開放されると、遊技球が第二始動口１３に入賞可能になる。振分シャッタ１９５は、動作を終えると、原点位置である第一位置Ｄ１に戻る。（Ｆ）では、開放された第二始動口１３に遊技球が１個入賞したとする。これにより、（Ｄ）に示すように、第二閉鎖機構が作動して、第二始動口１３の開閉部材１３１が閉鎖状態になる。

パチンコ機１における遊技の概要について説明する。パチンコ機１には、大当たり遊技、小当たり遊技及び普通当たり遊技が設けられている。大当たり遊技について説明する。大当り遊技は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動することにより実行される。条件装置とは、役物連続作動装置が作動するための条件となる装置である。条件装置は、大当たりであることを示す特別図柄が確定表示された場合、又は役物連続作動装置が作動していない状態で、遊技球が大入賞口（本実施形態では、第一大入賞口１６及び第二大入賞口１７）の内部の特定の領域を通過した場合に作動する。また、役物連続作動装置とは、大入賞口を連続して作動する大当り遊技状態を生起させるための装置である。以下、条件装置及び役物連続作動装置が作動している状態を、大当たり遊技状態という。

本実施形態では、第一始動口１２に遊技球が入賞した場合、及び、第三始動口１４に遊技球が入賞した場合、第一大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第一特別図柄が図柄表示部２４の第一特別図柄表示部に表示される。また、第二始動口１３へ遊技球が入賞した場合、第二大当たり判定が行われ、判定の結果を示す第二特別図柄が図柄表示部２４の第二特別図柄表示部に表示される。第一大当たり判定及び第二大当たり判定では、大当たり、小当たり、及びはずれのいずれであるかが、大当たり乱数に基づいて判定される。

第一大当たり判定において大当たりであると判定されると、判定結果が大当たりであることを示す第一特別図柄が図柄表示部２４の第一特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。第二大当たり判定において大当たりであると判定されると、判定結果が大当たりであることを示す第二特別図柄が図柄表示部２４の第二特別図柄表示部に確定表示されて、条件装置が作動する。条件装置が作動すると、役物連続作動装置が作動して大当たり遊技状態が生起され、第一大入賞口１６の開閉部材１６１が所定の開放パターンで所定回数繰り返して開放される大当たり遊技が実行される。本実施形態において、第一大入賞口１６は、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動した場合に作動する大入賞口である。

小当たり遊技について説明する。第一大当たり判定において小当たりであると判定されると、判定結果が小当たりであることを示す第一特別図柄が図柄表示部２４の第一特別図柄表示部に確定表示される。第二大当たり判定において小当たりであると判定されると、判定結果が小当たりであることを示す第二特別図柄が図柄表示部２４の第二特別図柄表示部に確定表示される。小当たりであることを示す特別図柄が図柄表示部２４に表示された後、第二大入賞口１７の開閉部材１７１が所定の開放パターンで所定時間開放される小当たり遊技が実行される。本実施形態では、小当たり遊技において第二大入賞口１７の開閉部材１７１が所定時間の開放を１回行う。本実施形態において、第二大入賞口１７は、小当たりであることを示す特別図柄が確定表示された場合に作動する大入賞口である。小当り遊技は、一般に、大当り遊技と比較して遊技者における有利度が小さい遊技である。大当たり判定の判定結果が小当たりであると判定された時点では、条件装置は作動しないので、役物連続作動装置も作動しない。本実施形態の小当たり遊技では、第一大入賞口１６の開閉部材１６１及び第二大入賞口１７の開閉部材１７１が所定回数繰り返して開放状態にされない。なお、小当たり遊技における第二大入賞口１７の開閉部材１７１の１回の開放が、複数回の開放によって構成されることは妨げられない。

小当たり遊技において開閉部材１７１が開放状態にされた第二大入賞口１７に入賞した遊技球が特定領域１７２を通過すると、条件装置が作動する。条件装置の作動に伴い、役物連続作動装置が作動すると、大当り遊技状態が生起され、小当り遊技に引きつづいて大当り遊技が実行される。すなわち、特定領域１７２は、条件装置を作動させるための「特定の領域」に相当する。このように、第二大当たり判定において小当たりであると判定されたことに起因して小当り遊技が実行され、遊技球が特定領域１７２を通過して大当り遊技が実行された場合には、先に実行された小当り遊技が大当り遊技の一部に含められる。この場合、小当り遊技が１Ｒ目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われ、１Ｒ分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。なお、小当たり遊技において第二大入賞口１７に遊技球が入賞しなかった場合、及び、小当たり遊技において第二大入賞口１７に入賞した遊技球が全て非特定領域１７３を通過し、特定領域１７２を通過しなかった場合、条件装置は作動せず、大当たり遊技は実行されない。

大当たり判定において大当たりであると判定されることに伴い、特定領域１７２を備えない第一大入賞口１６によって実行される大当たり遊技を、以下では、１種遊技ともいう。１種遊技は、いわゆる旧１種タイプ（いわゆる、セブン機）の遊技機における大当たり遊技と同様の大当たり遊技であり、大当たり判定の判定結果が大当たりであることを報知する特別図柄の組合せが確定表示されることを契機として実行される。

また、大当たり判定において小当たりであると判定されたことに応じて小当たり遊技が実行されたことに起因して実行される大当たり遊技を、以下では、２種遊技ともいう。２種遊技は、いわゆる旧２種タイプ（いわゆる、羽根物）の遊技機における大当たり遊技と同様の大当たり遊技であり、小当たり遊技中に第二大入賞口１７に入賞した遊技球が特定領域１７２を通過することを条件として実行される。本実施形態では、第二大入賞口１７を用いた小当たり遊技の終了後に、第一大入賞口１６の開放が連動されることで２種遊技の大当たり遊技が行われる。言い換えると、２種遊技は、特定領域１７２を備える第二大入賞口１７の開放動作を伴う大当たり遊技である。パチンコ機１は、１種遊技及び２種遊技の双方を備えた、いわゆる１種２種混合機と呼ばれるタイプの遊技機である。

本実施形態では、第一大当たり判定において大当たりであると判定される確率、及び第二大当たり判定において大当たりであると判定される確率は、遊技状態に関わらず１／２００である。また、第一大当たり判定において小当たりであると判定される確率は、遊技状態に関わらず１０／２００（１／２０）である。第二大当たり判定において小当たりであると判定される確率は、遊技状態に関わらず１９８／２００である。よって、第二大当たり判定が実行された場合に大当たり又は小当たりと判定される確率は、第一大当たり判定が実行された場合に大当たり又は小当たりと判定される確率よりも高くなる。すなわち、本実施形態では、第二大当たり判定が実行された場合の方が、第一大当たり判定が実行された場合よりも、遊技者にとって有利な判定結果が得られやすい。

普通当たり遊技について説明する。普通図柄作動ゲート１０を遊技球が通過すると、普通当たり判定が行われ、判定の結果を示す普通図柄が図柄表示部２４の普通図柄表示部に表示される。普通当たり判定において当たりであると判定されると、電チュー１１の開閉部材１１１が所定の開放パターンで開閉される普通当たり遊技が実行される。

パチンコ機１は、非時短状態及び時短状態のいずれかを生起させる。非時短状態は、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる割合が通常の割合である遊技状態である。時短状態は、非時短状態よりも電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる割合が高くなる遊技状態である。具体的には、時短状態において普通当たりと判定される確率（本実施形態では９９／１００）は、非時短状態において普通当たりと判定される確率（本実施形態では１／１００）よりも高い。また、普通当たり遊技中における電チュー１１の開閉部材１１１の開放時間の合計は、非時短状態よりも時短状態の方が長い。さらに、普通図柄の変動時間は、非時短状態における変動時間（本実施形態では１０秒）よりも時短状態における変動時間（本実施形態では０．６秒）の方が短い。本実施形態では、非時短状態のことを、通常状態ともいう。本実施形態における時短状態は、後述の入賞容易状態１〜５を含む。

普通当たり遊技において開閉部材１１１が開放状態にされた電チュー１１に入賞した遊技球は、振分流路１９内の流路１９１を流下し、第一通過領域１９２又は第二通過領域１９３を通過するように振り分けられる。第一通過領域１９２又は第二通過領域１９３を遊技球が通過すると、第二始動口１３の開閉部材１３１又は第三始動口１４の開閉部材１４１が開放状態にされる。この結果、時短状態には、第一始動口１２よりも第二始動口１３又は第三始動口１４に容易に遊技球を入賞させることができる。よって、時短状態中は、右打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。このように、時短状態は、通常状態よりも、第一大当たり判定及び第二大当たり判定が行われやすい遊技状態である。一方、非時短状態においては、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる割合が時短状態よりも低くなるので、遊技者は、第二始動口１３及び第三始動口１４よりも第一始動口１２に容易に遊技球を入賞させることができる。よって、非時短状態中は、左打ちによって遊技を進行することが遊技者にとって有利となる。

なお、本実施形態では、時短状態における電チュー１１の開閉部材１１１の開放パターンには、複数のパターンが含まれている。複数のパターンは、遊技球が第一通過領域１９２を通過しやすい開放パターンである第一長開放パターンＰ１と、遊技球が第二通過領域１９３を通過しやすい開放パターンである第二長開放パターンＰ２とを少なくとも含む。また、非時短状態における電チュー１１の開閉部材１１１の開放パターンを、以下では、短開放パターンＰｔという。

パチンコ機１は、大当たり判定において大当たり又は小当たりであると判定されたときの遊技状態及び当たり種別に応じて、大当たり遊技の終了後に、時短状態を生起させるかを決定する。本実施形態では、生起された時短状態は、大当たり遊技の終了後に行われた大当たり判定の回数（以下、「判定回数」という。）が所定の回数に達することで終了する。

図５を参照して、パチンコ機１の電気的構成について説明する。パチンコ機１の制御部４０は、主基板４１、サブ制御基板５８、ランプドライバ基板４６、演出制御基板４３、払出制御基板４５、中継基板４７及び電源基板４２を主に備える。

主基板４１は、パチンコ機１の主制御を司る。主基板４１の主基板ＣＰＵユニット５０には、各種の演算処理を行うＣＰＵ５１と、データを一時的に記憶するＲＡＭ５２と、制御プログラム等を記憶したＲＯＭ５３とが設けられている。主基板ＣＰＵユニット５０には、割込信号発生回路５７が接続されている。主基板４１は、割込信号発生回路５７から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板４１は、Ｉ／Ｏインタフェイス５４を介してサブ制御基板５８、払出制御基板４５、中継基板４７、出力ポート５５、第一始動口スイッチ６１、第二始動口スイッチ６２及び第三始動口スイッチ６３に接続している。出力ポート５５は、図示しない遊技場管理用コンピュータにパチンコ機１の情報を出力する。第一始動口スイッチ６１は、第一始動口１２に設けられており、第一始動口１２に入賞した遊技球を検出する。第二始動口スイッチ６２は、第二始動口１３に設けられており、第二始動口１３に入賞した遊技球を検出する。第三始動口スイッチ６３は、第三始動口１４に設けられており、第三始動口１４に入賞した遊技球を検出する。

サブ制御基板５８は、ＣＰＵ５８１、ＲＡＭ５８２及びＲＯＭ５８３を備え、ランプドライバ基板４６、演出制御基板４３、操作ボタン９及びスピーカ４８に接続している。サブ制御基板５８は、主基板４１から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板４６は、電飾基板３１に接続している。電飾基板３１は、例えばＬＥＤを搭載しており、前述の各種の電飾部材の内部に設けられている。ランプドライバ基板４６は、サブ制御基板５８から受信するコマンドに従って、電飾基板３１の発光動作等を制御する。演出制御基板４３は、ＣＰＵ４３１等を備え、サブ制御基板５８から受信するコマンドに従って表示画面２８の表示を制御する。払出制御基板４５は、ＣＰＵ４５ａ等を備える。払出制御基板４５は、主基板４１から送信されるコマンドに応じて賞球払出装置４９の動作を制御し、所定数の遊技球を賞球払出装置４９に払い出させる。

中継基板４７は、電チュースイッチ６４、電チューソレノイド６８、振分シャッタソレノイド６９、第一大入賞口ソレノイド７０、第二大入賞口ソレノイド７１、可動片ソレノイド７２、ゲートスイッチ７５、第一大入賞口スイッチ７６、第二大入賞口スイッチ７７、特定領域スイッチ７８、非特定領域スイッチ７９及び図柄表示部２４に接続している。電チュースイッチ６４は、電チュー１１に設けられており、電チュー１１に入賞した遊技球を検出する。電チューソレノイド６８は、普通当たり遊技中に電チュー１１の開閉部材１１１を開閉する。振分シャッタソレノイド６９は、振分流路１９の振分シャッタ１９５を作動させて、第一位置Ｄ１又は第二位置Ｄ２に配置する。第一大入賞口ソレノイド７０は、大当たり遊技中に第一大入賞口１６の開閉部材１６１を開閉する。第二大入賞口ソレノイド７１は、小当たり遊技中に第二大入賞口１７の開閉部材１７１を開閉する。可動片ソレノイド７２は、小当たり遊技中に第二大入賞口１７の可動片１７４を開閉する。ゲートスイッチ７５は、普通図柄作動ゲート１０に設けられており、普通図柄作動ゲート１０を通過した遊技球を検出する。第一大入賞口スイッチ７６は、第一大入賞口１６に設けられており、第一大入賞口１６に入賞した遊技球を検出する。第二大入賞口スイッチ７７は、第二大入賞口１７に設けられており、第二大入賞口１７に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ７８は、第二大入賞口１７の特定領域１７２に設けられており、特定領域１７２を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ７９は、第二大入賞口１７の非特定領域１７３に設けられており、非特定領域１７３を通過した遊技球を検出する。

電源基板４２は、主基板４１及び遊技球発射装置３７に接続されており、各基板及び遊技球発射装置３７に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置３７は、一定間隔（本実施形態では０．６秒）毎に１個ずつ遊技球を遊技領域４へ発射する。

図６を参照して、ＲＡＭ５２の第一大当たり関係情報記憶エリアについて説明する。第一大当たり関係情報記憶エリアは、後述するメイン処理の特別図柄処理（図１９から図２１参照）において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリアには複数の記憶エリアが設けられている。本実施形態では、第一大当たり関係情報記憶エリアに４つの記憶エリアが設けられている。第一始動口１２又は第三始動口１４に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第一始動口１２又は第三始動口１４への入賞による第一保留球数が４未満（０〜３）であれば、番号の小さい記憶エリアから順に乱数が記憶される。

第一保留球数とは、第一始動口１２又は第三始動口１４へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。本実施形態において、最大第一保留球数は「４」である。ＣＰＵ５１は、処理がまだ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の小さい記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理が終了すると、次に番号の小さい記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理とは、例えば、大当たり判定結果を報知する報知演出、及び判定結果に応じて実行される大当たり遊技に関する処理である。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去される。大当たり乱数とともに取得されて第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して第一乱数ともいう。

各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、及び第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一始動口１２又は第三始動口１４に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、図柄表示部２４の第一特別図柄表示部に表示される第一特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。

図示しないが、ＲＡＭ５２には、第二大当たり関係情報記憶エリアが設けられている。第二大当たり関係情報記憶エリアは、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に、メイン処理の特別図柄処理において使用される。本実施形態では、第二大当たり関係情報記憶エリアに１つの記憶エリアが設けられている。第二始動口１３に遊技球が入賞した際に、特別図柄保留球数のうち第二始動口１３への入賞による第二保留球数が１未満（０）であれば、記憶エリアに乱数が記憶される。第二保留球数とは、第二始動口１３へ入賞した遊技球に対応する乱数のうち、大当たり判定の実行が保留された状態で記憶されている乱数の個数である。すなわち、本実施形態において、最大第二保留球数は「１」である。大当たり乱数とともに取得されて第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して第二乱数ともいう。ＣＰＵ５１は、判定エリアに記憶されている第二乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去される。

記憶エリアには、第二大当たり判定カウンタの値が記憶される第二大当たり乱数欄、第二特別図柄決定カウンタの値が記憶される第二特別図柄決定乱数欄、及び第二変動パターン決定カウンタの値が記憶される第二変動パターン決定乱数欄が設けられている。第二始動口１３に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第二大当たり乱数は、第二大当たり判定のために用いられる。第二特別図柄決定乱数は第二特別図柄を決定するために用いられる。第二変動パターン決定乱数は、図柄表示部２４の第二特別図柄表示部に表示される第二特別図柄の変動時間を示す変動パターンを決定するために用いられる。

パチンコ機１において、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動時間は、第一大当たり判定及び第二大当たり判定の結果を遊技者に報知する報知演出の演出時間に等しい。サブ制御基板５８は、主基板４１で決定された変動パターンに従って報知演出を制御する。具体的には、主基板４１は、第一変動パターン決定乱数に基づく第一変動パターンに従って、第一特別図柄の変動を開始する。また、主基板４１は、第二変動パターン決定乱数に基づく第二変動パターンに従って、第二特別図柄の変動を開始する。サブ制御基板５８は、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかの変動開始に同期して、演出図柄の変動表示を開始する。主基板４１は、変動を開始した第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかの変動時間が終了すると、変動させていた第一特別図柄又は第二特別図柄を、所定の特別図柄停止表示時間（本実施形態では０．８秒）の間、確定表示させる。サブ制御基板５８は、特別図柄停止表示時間に同期して、演出図柄を確定表示させる。また、サブ制御基板５８は、演出図柄による他、表示画面２８、電飾部材、スピーカ４８等によっても、変動パターンと同期した報知演出を実行する。

以下の説明では、第一大当たり乱数及び第二大当たり乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、大当たり乱数ともいう。また、第一変動パターン決定乱数及び第二変動パターン決定乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、変動パターン決定乱数ともいう。また、第一特別図柄決定乱数数及び第二特別図柄決定乱数を総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、特別図柄決定乱数ともいう。

なお、ＲＡＭ５２には、普通図柄作動ゲート１０を遊技球が通過する時点に取得される普通当たり乱数を記憶するための普通当たり関係情報記憶エリアが設けられている。普通当たり関係情報記憶エリアも、第一大当たり関係情報記憶エリアと同様に構成されている。本実施形態では、普通当たり関係情報記憶エリアに４つの記憶エリアが設けられており、最大普通保留球数は「４」である。記憶エリアには、普通当たり判定カウンタの値が記憶される普通当たり乱数欄、普通図柄決定カウンタの値が記憶される普通図柄決定乱数欄が設けられている。普通当たり乱数は、普通当たり判定のために用いられる。普通図柄決定乱数は、普通当たり図柄を決定するために用いられる。普通当たり乱数とともに取得されて普通当たり関係情報記憶エリアに記憶されている各種乱数を総称して普通乱数ともいう。

図７を参照して、電チュー１１の開閉部材１１１の開放パターン及び振分シャッタ１９５の動作パターンについて説明する。電チュー１１の開閉部材１１１は、普通当たり判定において普通当たりであると判定されたときの遊技状態及び普通当たり種別に応じた開放パターンで、普通当たり遊技に係る開閉動作を行う。なお、開閉部材１１１が開放した電チュー１１に所定個数（本実施形態では、１個）の遊技球が入賞すると、各開放パターンによる開閉動作の途中であっても、開閉部材１１１の開閉動作が終了し、開閉部材１１１が閉鎖する。この所定個数は、２個以上の任意の個数であってもよい。

振分シャッタ１９５は、所定の振分シャッタ動作パターンで動作する。振分シャッタ動作パターンでは、普通当たり遊技が実行されると、普通当たり遊技の開始時点である時点Ｔ０から時点Ｔ１までの間、振分シャッタ１９５が第一位置Ｄ１から移動して、第二位置Ｄ２に配置される。次いで、時点Ｔ１から時間ＴＢが経過した時点Ｔ３までの間、振分シャッタ１９５は第一位置Ｄ１に配置される。次いで、時点Ｔ３から時間ＴＣが経過した時点Ｔ９までの間、振分シャッタ１９５は第二位置Ｄ２に配置される。その後、時点Ｔ９から普通当たり遊技の終了時点時間である時点Ｔ１０までの間、振分シャッタ１９５は第一位置Ｄ１に配置される。

通常状態においては、短開放パターンＰｔで普通当たり遊技に係る開閉動作が行われる。短開放パターンＰｔでは、時点Ｔ０から時点Ｔ１までの間の時間ＴＡが経過するまでの間、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる。すなわち、短開放パターンＰｔでは、電チュー１１の開閉部材１１１が、時間ＴＡで１回開放する。本実施形態では、時間ＴＡは、０．０４０秒である。このため、通常状態に普通当たり遊技が実行されても、遊技球が電チュー１１に入賞する可能性は非常に低い。このため、振分流路１９の流路１９１を遊技球が通過する可能性も非常に低いので、第一通過領域１９２及び第二通過領域１９３のいずれにも遊技球が非常に通過し難い。したがって、通常状態では、第二始動口１３の開閉部材１３１及び第三始動口１４の開閉部材１４１のいずれも、非常に開放され難い。

時短状態においては、第一長開放パターンＰ１又は第二長開放パターンＰ２のいずれかの開放パターンで普通当たり遊技に係る開閉動作が行われる。第一長開放パターンＰ１では、時点Ｔ０から時間ＴＤが経過するまでの間、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる。時点Ｔ０から時間ＴＤが経過した時点Ｔ２になると、電チュー１１の開閉部材１１１が閉鎖状態にされる。その後、時点Ｔ２から時点Ｔ１０までの間、電チュー１１の開閉部材１１１は閉鎖状態のまま維持される。すなわち、第一長開放パターンＰ１では、電チュー１１の開閉部材１１１が、時間ＴＤで１回開放する。

第一長開放パターンＰ１における時間ＴＤは、２．０秒である。このため、第一長開放パターンＰ１で電チュー１１の開閉部材１１１が開閉すると、時点Ｔ０から時点Ｔ２までの間に、遊技球が電チュー１１に入賞可能である。また、これ以外のタイミングでは、遊技球が電チュー１１に入賞しない。時間ＴＤの間において、振分シャッタ１９５が第一位置Ｄ１に配置される時間は、第二位置Ｄ２に配置される時間よりも長い。時間ＴＤの間において、振分シャッタ１９５が第二位置Ｄ２に配置されるのは時間ＴＡ（０．０４０秒）である。よって、第一長開放パターンＰ１で開放された電チュー１１に入賞して振分流路１９の流路１９１を流下する遊技球のうち、第二流路１９１Ｂへ導かれる遊技球は、ほとんどない。このため、第一長開放パターンＰ１で開放された電チュー１１に入賞して振分流路１９の流路１９１を流下する遊技球のほとんどが第一流路１９１Ａへ導かれて、第一通過領域１９２を通過しやすい。遊技球が第一通過領域１９２を通過すると、第一作動機構が作動して、第三始動口１４の開閉部材１４１が開放される。したがって、第一長開放パターンＰ１で電チューが開放された場合には、第三始動口１４の開閉部材１４１が、第二始動口１３の開閉部材１３１よりも開放状態にされやすい。なお、本実施形態では、振分シャッタ１９５が第一位置Ｄ１に配置されている時点Ｔ２から、振分シャッタ１９５が第二位置Ｄ２に配置される時点Ｔ３までの間の時間ＴＥは、１．０秒である。このため、時点Ｔ２の直前に電チュー１１に入賞した遊技球は、時間ＴＥの間に第一流路１９１Ａへ導かれて、第一通過領域１９２を通過しやすい。

一方、第二長開放パターンＰ２では、時点Ｔ０から時間ＴＡが経過するまでの間、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる。その後、時点Ｔ１から時間ＴＢが経過するまでの間、電チュー１１の開閉部材１１１が閉鎖状態にされる。次いで、時点Ｔ１から時間ＴＢが経過した時点Ｔ３になると、時点Ｔ３から時間ＴＦが経過するまでの間、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる。次いで、時点Ｔ３から時間ＴＦが経過した時点Ｔ４になると、時間ＴＧが経過する時点Ｔ５までの間、電チュー１１の開閉部材１１１が閉鎖状態にされる。次いで、時点Ｔ５から時間ＴＦが経過した時点Ｔ６までの間、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる。次いで、時点Ｔ６から時間ＴＧが経過した時点Ｔ７までの間、電チュー１１の開閉部材１１１が閉鎖状態にされる。次いで、時点Ｔ７から時間ＴＦが経過した時点Ｔ８までの間、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる。その後、時点Ｔ８から時点Ｔ１０までの間、電チュー１１の開閉部材１１１は閉鎖状態のまま維持される。すなわち、第二長開放パターンＰ２では、電チュー１１の開閉部材１１１が、時間ＴＡで１回開放した後、時間ＴＢの閉鎖を挟んで、時間ＴＦで３回開放する。

本実施形態では、時間ＴＦは、０．８秒である。このため、第二長開放パターンＰ２で電チュー１１の開閉部材１１１が開閉すると、時間ＴＦの間に、遊技球が電チュー１１に入賞可能である。電チュー１１の開閉部材１１１が、時点Ｔ３から時間ＴＦの開放状態を３回繰り返す間、振分シャッタ１９５は、第二位置Ｄ２に配置されている。このため、時点Ｔ３から時点Ｔ８までのタイミングに電チュー１１に入賞した遊技球は、第二流路１９１Ｂへ導かれて、第二通過領域１９３を通過しやすい。遊技球が第二通過領域１９３を通過すると、第二作動機構が作動して、第二始動口１３の開閉部材１３１が開放される。したがって、第二長開放パターンＰ２で電チューが開放された場合には、第二始動口１３の開閉部材１３１が、第三始動口１４の開閉部材１４１よりも開放状態にされやすい。なお、本実施形態では、時点Ｔ８から時点Ｔ９の間にも、振分シャッタ１９５が第二位置Ｄ２に配置される時間ＴＣが継続する。このため、時点Ｔ８の直前に電チュー１１に入賞した遊技球は、ＴＣが継続する間に第二流路１９１Ｂへ導かれて、第二通過領域１９３を通過しやすい。以下、電チュー１１の開閉部材１１１の開放パターンである短開放パターンＰｔ、第一長開放パターンＰ１及び第二長開放パターンＰ２を総称して、電チュー開放パターンという。

本実施形態では、時点Ｔ３から時点Ｔ１０の間の時間は約３秒である。よって、普通当たり遊技の最長の実行時間である、時点Ｔ０から時点Ｔ１０までの時間は、約６秒である。なお、時短状態における普通図柄の変動時間は０．６秒である。したがって、時短状態において普通図柄の変動が開始されてから、普通当たりであることを示す普通当たり図柄が確定表示された後、第二長開放パターンＰ２での普通当たり遊技が実行されて終了するまでにかかる最大時間は、約６．６秒である。

図８を参照して、ＲＯＭ５３に記憶されている普通図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機１は、普通当たり判定の結果が普通当たりであることを示す普通当たり図柄を、普通図柄決定テーブルを参照することで決定する。普通当たり図柄は、「普通当たり１」「普通当たり２」「普通当たり３」「普通当たり４」のいずれかの普通当たり種別に分類される。普通図柄決定テーブルでは、普通当たり種別のそれぞれに、普通図柄決定乱数の値（０〜９９）が対応付けられている。普通図柄決定乱数の値は、「普通当たり１」が２５％、「普通当たり２」が２５％、「普通当たり３」が２５％、「普通当たり４」が２５％の割合になるように、各普通当たり種別に割り当てられている。

各普通当たり種別には、遊技状態に応じて電チュー開放パターンが対応付けられている。遊技状態は、「通常状態」「入賞容易状態１」「入賞容易状態２」「入賞容易状態３」「入賞容易状態４」「入賞容易状態５」に分類される。遊技状態が通常状態の場合、いずれの普通当たり種別にも短開放パターンＰｔの電チュー開放パターンが割り当てられている。したがって、通常状態において普通当たり判定において普通当たりであると判定された場合には、いずれの普通当たり種別での普通当たりであっても短開放パターンＰｔによる普通当たり遊技が実行される。

入賞容易状態１〜５は、時短状態を構成する。本実施形態の時短状態は、第一長開放パターンＰ１及び第二長開放パターンＰ２のそれぞれによる普通当たり遊技の実行のされやすさに応じて、時短状態が入賞容易状態１〜５のいずれかに分類される。普通図柄決定テーブルは、普通当たり判定が実行されたときの遊技状態が入賞容易状態１〜５のうちいずれであるかに応じて、電チュー開放パターンを第一長開放パターンＰ１及び第二長開放パターンＰ２のいずれとするかを、普通当たり種別毎に定義している。

具体的には、普通当たり判定に応じて決定された普通当たり種別が「普通当たり１」の場合、普通当たり判定が入賞容易状態１〜４におけるときには第一長開放パターンＰ１が、普通当たり判定が入賞容易状態５におけるときには第二長開放パターンＰ２が決定される。また、普通当たり判定に応じて決定された普通当たり種別が「普通当たり２」の場合、普通当たり判定が入賞容易状態１〜３における場合には第一長開放パターンＰ１が、普通当たり判定が入賞容易状態４，５における場合には第二長開放パターンＰ２が決定される。また、普通当たり判定に応じて決定された普通当たり種別が「普通当たり３」の場合、普通当たり判定が入賞容易状態１，２における場合には第一長開放パターンＰ１が、普通当たり判定が入賞容易状態３〜５における場合には第二長開放パターンＰ２が決定される。また、普通当たり判定に応じて決定された普通当たり種別が「普通当たり４」の場合、普通当たり判定が入賞容易状態１における場合には第一長開放パターンＰ１が、普通当たり判定が入賞容易状態２〜５における場合には第二長開放パターンＰ２が決定される。

すなわち、入賞容易状態１において普通当たり判定によって普通当たりと判定された場合には、いずれの普通当たり種別が決定されても第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技が実行される。言い換えると、入賞容易状態１は、普通当たりと判定された場合に１００％の割合で第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技が実行される遊技状態である。また、入賞容易状態２において普通当たり判定に応じて普通当たり種別が普通当たり１〜３に決定された場合には第一長開放パターンＰ１、普通当たり種別が普通当たり４に決定された場合には第二長開放パターンＰ２のそれぞれによる普通当たり遊技が実行される。言い換えると、入賞容易状態２は、普通当たりと判定された場合に７５％の割合で第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技が、２５％の割合で第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技が、それぞれ実行される遊技状態である。以下、同様に、入賞容易状態３は、普通当たりと判定された場合に５０％の割合で第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技が、５０％の割合で第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技が、それぞれ実行される遊技状態である。入賞容易状態４は、普通当たりと判定された場合に２５％の割合で第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技が、７５％の割合で第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技が、それぞれ実行される遊技状態である。入賞容易状態５は、普通当たりと判定された場合に１００％の割合で第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技が実行される遊技状態である。パチンコ機１は、普通図柄決定テーブルを上記のように構成することで、第一長開放パターンＰ１又は第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技のそれぞれが実行される頻度の異なる複数の遊技状態である入賞容易状態１〜５を、時短状態に設けることができる。

これらの入賞容易状態１〜５は、通常状態よりも、大当たり判定の実行頻度が高くなる。したがって、入賞容易状態１〜５は、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態である。また、前述のように、第二大当たり判定が実行された場合の方が、第一大当たり判定が実行された場合よりも、遊技者にとって有利な判定結果が得られやすい。入賞容易状態１〜５のうち、第二大当たり判定の実行頻度の最も高い入賞容易状態１が最も遊技者にとって有利な遊技状態である。以下、入賞容易状態４，３，２，１の順に、遊技者にとっての有利度が低くなる。

時短状態のうち、入賞容易状態１，２は、第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技が、第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技よりも実行されやすい遊技状態である。第一長開放パターンＰ１は、遊技球が第一通過領域１９２を通過しやすい電チュー開放パターンである。第二長開放パターンＰ２は、遊技球が第二通過領域１９３を通過しやすい開放パターンである。遊技球が第一通過領域１９２を通過すると、第一作動機構が作動して、第三始動口１４の開閉部材１４１が開放される。遊技球が第二通過領域１９３を通過すると、第二作動機構が作動して、第二始動口１３の開閉部材１３１が開放される。よって、普通当たり遊技が第一長開放パターンＰ１で実行された場合、第二始動口１３よりも第三始動口１４に遊技球が入賞しやすい。普通当たり遊技が第二長開放パターンＰ２で実行された場合、第三始動口１４よりも第二始動口１３に遊技球が入賞しやすい。すなわち、入賞容易状態１，２は、第二大当たり判定よりも、第一大当たり判定が行われやすい遊技状態である。以下では、入賞容易状態１，２を、第一時短状態ともいう。第一時短状態は、通常状態よりも第一大当たり判定が行われやすい遊技状態である。また、時短状態のうち、入賞容易状態３〜５は、第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技が、第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技以上に実行されやすい遊技状態である。すなわち、入賞容易状態３〜５は、第一大当たり判定以上に、第二大当たり判定が行われやすい遊技状態である。以下では、入賞容易状態３〜５を、第二時短状態ともいう。第二時短状態は、通常状態よりも第二大当り判定が行われやすい遊技状態である。通常状態から遊技を開始した遊技者は、通常状態よりも有利な時短状態に突入できることを目指して遊技を行う。また、時短状態のうち、第一時短状態よりも第二大当たり判定の実行頻度が高い第二時短状態で遊技を継続することを目指して遊技を行う。

図９及び図１０を参照して、ＲＯＭ５３に記憶されている第一特別図柄決定テーブル及び第二特別図柄決定テーブルについて説明する。パチンコ機１は、第一大当たり判定の結果が大当たり又は小当たりであることを示す第一特別図柄を、第一特別図柄テーブルを参照することで決定する。また、パチンコ機１は、第二大当たり判定の結果が大当たり又は小当たりであることを示す第二特別図柄を、第二特別図柄決定テーブルを参照することで決定する。第一特別図柄及び第二特別図柄は、それぞれ複数の当たり種別のいずれかに分類される。複数の当たり種別は、大当たり判定の結果が大当たりであることを示す大当たり種別と、大当たり判定の結果が小当たりであることを示す小当たり種別とを含む。以下、第一特別図柄テーブル及び第二特別図柄テーブルを総称する場合、又はいずれかを特定しない場合、単に特別図柄決定テーブルともいう。特別図柄決定テーブルでは、複数の当たり種別のそれぞれに、特別図柄決定乱数の値（０〜９９）が対応付けられている。

図９に示すように、第一特別図柄は、「７Ｒ大当たりＡ」、「７Ｒ大当たりＢ」、「７Ｒ大当たりＣ」、「７Ｒ大当たりＤ」及び「７Ｒ大当たりＥ」の５種類の大当たり種別と、「１４Ｒ小当たりＡ」、「１４Ｒ小当たりＢ」、「１４Ｒ小当たりＣ」、「１４Ｒ小当たりＤ」及び「１４Ｒ小当たりＥ」の５種類の小当たり種別とを含む。第一特別図柄の大当たり種別の割合は、「７Ｒ大当たりＡ」が２５％、「７Ｒ大当たりＢ」が１５％、「７Ｒ大当たりＣ」が１５％、「７Ｒ大当たりＤ」が１５％、「７Ｒ大当たりＥ」が２０％である。第一特別図柄の小当たり種別の割合は、「１４Ｒ小当たりＡ」が２５％、「１４Ｒ小大当たりＢ」が２５％、「１４Ｒ小大当たりＣ」が１５％「１４Ｒ小大当たりＤ」が１５％「１４Ｒ小大当たりＥ」が２０％である。

図１０に示すように、第二特別図柄は、「７Ｒ大当たりＦ」、「７Ｒ大当たりＧ」、「７Ｒ大当たりＨ」、「７Ｒ大当たりＩ」及び「７Ｒ大当たりＪ」の５種類の大当たり種別と、「１４Ｒ小当たりＦ」、「１４Ｒ小当たりＧ」、「１４Ｒ小当たりＨ」、「１４Ｒ小当たりＩ」及び「１４Ｒ小当たりＪ」の５種類の小当たり種別とを含む。第二特別図柄の大当たり種別の割合は、「７Ｒ大当たりＦ」が２５％、「７Ｒ大当たりＧ」が１５％、「７Ｒ大当たりＨ」が１５％、「７Ｒ大当たりＩ」が１５％、「７Ｒ大当たりＪ」が２０％である。第二特別図柄の小当たり種別の割合は、「１４Ｒ小当たりＦ」が２５％、「１４Ｒ小大当たりＧ」が２５％、「１４Ｒ小大当たりＨ」が１５％「１４Ｒ小大当たりＩ」が１５％「１４Ｒ小大当たりＪ」が２０％である。

当たり種別における「７Ｒ」及び「１４Ｒ」は、それぞれの当たり種別に対応付けられたラウンド数を示す。「７Ｒ大当たりＡ〜Ｊ」に基づく大当たり遊技は、１種遊技である。「１４Ｒ小当たりＡ〜Ｊ」に基づく小当たり遊技を起因として実行される大当たり遊技は、２種遊技である。すなわち、小当たり種別に対応付けられたラウンド数は、２種遊技の大当たり遊技が実行される場合のラウンド数である。なお、小当たり種別に対応する小当たり遊技が実行されたが、遊技球が特定領域１７２を通過せず、大当り遊技状態が生起されなかった場合には、小当たり遊技の終了後に大当たり遊技が実行されない。

特別図柄決定テーブルは、各大当たりラウンドにおける第一大入賞口１６及び第二大入賞口１７の開放パターンを定義している。本実施形態では、「７Ｒ大当たりＡ〜Ｊ」の当たり種別では、すべての大当たりラウンドで第一大入賞口１６が最大２８．０秒の開放を１回行う。また、「１４Ｒ小当たりＡ〜Ｅ」の当たり種別に基づいて小当たり遊技が実行されたことに起因する２種遊技では、２Ｒから１４Ｒの各ラウンドで第一大入賞口１６が最大２８．０秒の開放を１回行う。「１４Ｒ小当たりＦ〜Ｊ」の当たり種別に基づいて小当たり遊技が実行されたことに起因する２種遊技では、２Ｒから１４Ｒの各ラウンドで第一大入賞口１６が最大０．１秒の開放を１回行う。大当たり遊技に伴うこれらの第一大入賞口１６の開放時間を、以下では、第一開放時間ともいう。なお、「１４Ｒ小当たりＡ〜Ｅ」の当たり種別に基づく小当たり遊技は、後述の第一小当たり開放パターンＱ１で第二大入賞口１７が最大１．５秒の開放を行うことで実行される。「１４Ｒ小当たりＦ〜Ｊ」の当たり種別に基づく小当たり遊技は、後述の第二小当たり開放パターンＱ２で第二大入賞口１７が最大１．５秒の開放を行うことで実行される。前述のように、小当たり遊技が実行されたことに起因する大当り遊技において、小当たり遊技は、１Ｒ目の大当たりラウンドとしてさかのぼって取り扱われる。このため、特別図柄決定テーブルでは、小当たり遊技に係る第二大入賞口１７の開放時間を、便宜上、１Ｒ目の大当たりラウンドの開放時間として定義している。小当たり遊技に伴うこれらの第二大入賞口１７の開放時間を、以下では、第二開放時間ともいう。

特別図柄決定テーブルは、大当たり遊技終了後の遊技状態をいずれに設定するかを、当たり種別と、大当たり判定によって大当たり又は小当たりと判定されたときの遊技状態が通常状態及び時短状態のいずれであるかとに応じて定義している。ここで時短状態は、入賞容易状態１〜５のいずれかが設定されている状態である。

図９に示すように、第一大当たり判定に応じて決定された大当たり種別が「７Ｒ大当たりＡ〜Ｃ」のいずれかの場合、第一大当たり判定が実行されたときの遊技状態に関わらず、大当たり遊技の終了後に入賞容易状態５、入賞容易状態４又は入賞容易状態３が、それぞれ設定される。また、大当たり種別が「７Ｒ大当たりＤ，Ｅ」のいずれかの場合、第一大当たり判定が実行されたときに通常状態が設定されているときには通常状態が、第一大当たり判定が実行されたときに時短状態が設定されているときには入賞容易状態２又は入賞容易状態１が、大当たり遊技の終了後にそれぞれ設定される。また、第一大当たり判定に応じて決定された小当たり種別が「１４Ｒ小当たりＡ〜Ｅ」のいずれかの場合、第一大当たり判定が実行されたときに通常状態が設定されているときには通常状態が、第一大当たり判定が実行されたときに時短状態が設定されているときには入賞容易状態５、入賞容易状態４、入賞容易状態３、入賞容易状態２又は入賞容易状態１が、大当たり遊技の終了後にそれぞれ設定される。

また、図１０に示すように、第二大当たり判定に応じて決定された大当たり種別が「７Ｒ大当たりＦ〜Ｊ」のいずれかの場合、第二大当たり判定が実行されたときに通常状態が設定されているときには通常状態が、第二大当たり判定が実行されたときに時短状態が設定されているときには入賞容易状態５、入賞容易状態４、入賞容易状態３、入賞容易状態２又は入賞容易状態１が、大当たり遊技の終了後にそれぞれ設定される。また、第二大当たり判定に応じて決定された小当たり種別が「１４Ｒ小当たりＦ〜Ｊ」のいずれかの場合、第二大当たり判定が実行されたときに通常状態が設定されているときには通常状態が、第二大当たり判定が実行されたときに時短状態が設定されているときには入賞容易状態５、入賞容易状態４、入賞容易状態３、入賞容易状態２又は入賞容易状態１が、大当たり遊技の終了後にそれぞれ設定される。大当たり遊技の終了後に、入賞容易状態１〜５のいずれかの時短状態が設定された場合、大当たり遊技の終了後に行われた判定回数が１００回に達することで時短状態は終了し、通常状態に移行する。なお、小当たり遊技が実行されても、遊技球が第二大入賞口１７の特定領域１７２を通過しなかった場合には、大当たり判定が実行されたときに設定されていた遊技状態が、小当たり遊技中及び小当たり遊技の終了後に、そのまま維持される。

図１１を参照して、小当たり遊技中の第二大入賞口１７の開閉部材１７１の開放パターン及び可動片１７４の動作パターンについて説明する。第二大入賞口１７の開閉部材１７１は、小当たり種別に応じた第一小当たり開放パターンＱ１又は第二小当たり開放パターンＱ２で、小当たり遊技に係る開閉動作を行う。なお、開閉部材１７１が開放した第二大入賞口１７に所定個数（本実施形態では、３個）の遊技球が入賞すると、各開放パターンによる開閉動作の途中であっても、開閉部材１７１の開閉動作が終了し、開閉部材１７１が閉鎖する。この所定個数は、２個以下又は４個以上の任意の個数であってもよい。

可動片１７４は、所定の可動片動作パターンで動作する。可動片動作パターンでは、小当たり遊技が実行されると、小当たり遊技の開始時点である時点Ｕ０から時点Ｕ２までの間、可動片１７４が閉鎖状態から開放状態に変化する。次いで、時点Ｕ０から時間ＵＢが経過した時点Ｕ２に、可動片１７４が開放状態から閉鎖状態に変化する。その後、時点Ｕ２から普通当たり遊技の終了時点時間である時点Ｕ４までの間、可動片１７４は閉鎖状態を維持する。時間ＵＢは、例えば０．８秒である。

小当たり遊技に係る第二大入賞口１７の開閉部材１７１の開閉動作が、第一小当たり開放パターンＱ１で行われる場合、開閉部材１７１は、時点Ｕ０から時点Ｕ１までの間、閉鎖状態を維持する。その後、時点Ｕ１から時間ＵＡが経過する時点Ｕ４までの間、開閉部材１６１が開放状態にされる。本実施形態において、時間ＵＡは、１．５秒である。このとき、時点Ｕ１と時点Ｕ２との間の時間ＵＣは、例えば０．１秒である。この場合、第一小当たり開放パターンＱ１で第二大入賞口１７の開閉部材１７１が開放状態にされた直後に、可動片１７４が閉鎖状態にされるので、開放状態の第二大入賞口１７に遊技球が入賞しても、遊技球が特定領域１７２を通過する可能性は非常に低い。本実施形態では、第一大当たり判定によって小当たりと判定された場合、「１４Ｒ小当たりＡ」〜「１４Ｒ小当たりＥ」のいずれかの小当たり種別が決定されて、第一小当たり開放パターンＱ１による小当たり遊技が実行される。この場合、小当たり遊技において第二大入賞口１７に遊技球が入賞しても、遊技球が特定領域１７２を通過し難いので、小当たり遊技を起因として２種遊技が実行される可能性は非常に低い。第一大当たり判定の実行頻度が第二大当たり判定の実行頻度よりも高い第一時短状態は、２種遊技が実行されにくい遊技状態である。

一方、小当たり遊技に係る第二大入賞口１７の開閉部材１７１の開閉動作が、第二小当たり開放パターンＱ２で行われる場合、時点Ｕ０から時間ＵＡが経過する時点Ｕ３までの間、開閉部材１７１が開放状態にされる。このとき、可動片１７４が時点Ｕ０から時間ＵＢが経過する時点Ｕ２までの間、開放状態にされるので、第二小当たり開放パターンＱ２で開放状態にされた第二大入賞口１７に入賞した遊技球は、時間ＵＢの間に特定領域１７２を通過可能である。すなわち、小当たり遊技が第二小当たり開放パターンＱ２で行われる場合、遊技者が小当たり遊技中に遊技球の右打ちを停止しない限り、第二大入賞口１７に入賞した少なくとも１個の遊技球が特定領域１７２を通過する確率は略１００％である。したがって、本実施形態では、右打ちで遊技を進行する時短状態中に第二大当たり判定によって小当たりと判定された場合、小当たり遊技を起因として２種遊技が略１００％の確率で実行される。第二大当たり判定の実行頻度が第一大当たり判定の実行頻度よりも高い第二時短状態は、２種遊技が実行されやすい遊技状態である。

図１２を参照して、遊技状態の遷移について説明する。以下では、遊技者が通常状態から遊技を開始したとして説明する。通常状態では、時短状態（入賞容易状態１〜５）よりも電チュー１１に遊技球が入賞し難い。このため、遊技者は、第一始動口１２に遊技球を入賞させて、第一大当たり判定において大当たりであると判定されるように、左打ちによって遊技を進行する。

第一大当たり判定において大当たりであると判定された場合、第一特別図柄決定テーブル（図９参照）に基づいて第一特別図柄の大当たり種別が決定される。通常状態において「７Ｒ大当たりＡ」の大当たり種別が決定されると、大当たり遊技終了後に入賞容易状態５が設定される。通常状態において「７Ｒ大当たりＢ」の大当たり種別が決定されると、大当たり遊技終了後に入賞容易状態４が設定される。通常状態において「７Ｒ大当たりＣ」の大当たり種別が決定されると、大当たり遊技終了後に入賞容易状態３が設定される。通常状態において「７Ｒ大当たりＤ」又は「７Ｒ大当たりＤ」の大当たり種別が決定されると、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。すなわち、通常状態において第一大当たり判定において大当たりであると判定された場合、６５％の割合で第二時短状態に移行し（矢印ａ参照）、３５％の割合で通常状態が維持される（矢印ｂ参照）。この、通常状態において第一大当たり判定において大当たりであると判定されて実行された１種遊技の終了後に第二時短状態が設定される割合を、第一所定割合ともいう。

本実施形態では、第一大当たり判定において小当たりであると判定される確率が１／２０であるので、第一大当たり判定が主に実行される通常状態において、小当たり遊技が所定の頻度で実行され得る。第一大当たり判定において小当たりであると判定された場合、第二大入賞口１７の開閉部材１７１が第一小当たり開放パターンＱ１で最大１．５秒間開放状態にされる小当たり遊技が実行される。第一小当たり開放パターンＱ１で開放する第二大入賞口１７に入賞する遊技球が特定領域１７２を通過する可能性は非常に低いので、第一大当たり判定によって小当たりと判定された場合に２種遊技が実行される可能性は非常に低い。なお、本実施形態では、通常状態において大当たり判定において小当たりであると判定された場合に、第二大入賞口１７に入賞する遊技球が特定領域１７２を通過することで大当たり遊技が実行されたときには、大当たり遊技終了後に通常状態が設定される。

矢印ａに示すように、通常状態から第二時短状態に移行したとする。第二時短状態では、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態にされる割合が通常状態よりも高くなるので、遊技者は、電チュー１１に遊技球を入賞させやすい。このため、遊技者は、普通図柄作動ゲート１０に遊技球を通過させて、普通当たり判定において当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。第二時短状態において普通当たり判定によって当たりであると判定されると、第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技が、第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技以上に実行されやすい。したがって、第二時短状態では、第二始動口１３の開閉部材１３１が、第三始動口１４の開閉部材１４１以上に開放状態にされやすい。このため、遊技者は、第二時短状態において、第二始動口１３に遊技球を入賞させて、主に第二大当たり判定において大当たり又は小当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。本実施形態では、第二大当たり判定において小当たりであると判定される確率が１９８／２００であるので、第二時短状態では小当たり遊技が頻発する。第二時短状態には、第一大当たり判定と第二大当り判定との実行比率の異なる入賞容易状態３〜５が含まれる。この場合、２種遊技が実行される期待度の異なる複数の遊技状態が、第二時短状態に含まれるので、第二時短状態が多様化される。

第二大当たり判定において小当たりであると判定された場合（矢印ｃ参照）、第二大入賞口１７の開閉部材１７１が第二小当たり開放パターンＱ２で最大１．５秒間開放状態にされる小当たり遊技が実行される。この場合、遊技者は、右打ちを続行することで、小当たり遊技中に第二大入賞口１７に遊技球を容易に入賞させることができる。第二小当たり開放パターンＱ２で開放された第二大入賞口１７に入賞した遊技球のうち少なくとも１個は、特定領域１７２を略１００％の確率で通過する。

なお、射幸性が向上し過ぎることを抑制する観点等から、特定領域１７２を通過する遊技球の数は、第二大入賞口１７に入賞する遊技球の数の所定割合（例えば一割）を超えないものであることが、パチンコ機１に求められる。本実施形態では、前述のように、第一小当たり開放パターンＱ１で開放する第二大入賞口１７に入賞する遊技球が特定領域１７２をほとんど通過しないようにしている。これにより、第二小当たり開放パターンＱ２で開放する第二大入賞口１７に入賞する遊技球が特定領域１７２を通過する割合が比較的高くなっても、遊技全体を通じて特定領域１７２を通過する遊技球の総数が、遊技全体を通じて第二大入賞口１７に入賞する遊技球の総数の所定割合を超えないようにされている。

小当たり遊技中に第二大入賞口１７に入賞した遊技球が特定領域１７２を通過すると、小当り遊技に引きつづいて、２Ｒから１４Ｒまで第一大入賞口１６の開閉部材１６１が最大２８．０秒間開放状態にされる大当り遊技が実行される。「１４Ｒ小当たりＦ」の小当たり種別に基づく大当り遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に入賞容易状態５が設定される。「１４Ｒ小当たりＧ」の小当たり種別に基づく大当り遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に入賞容易状態４が設定される。「１４Ｒ小当たりＨ」の小当たり種別に基づく大当り遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に入賞容易状態３が設定される。「１４Ｒ小当たりＩ」の小当たり種別に基づく大当り遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に入賞容易状態２が設定される。「１４Ｒ小当たりＪ」の小当たり種別に基づく大当り遊技が実行された場合には、大当たり遊技終了後に入賞容易状態１が設定される。すなわち、第二時短状態において大当たり判定において小当たりであると判定されたことに起因して２種遊技が実行された場合、６５％の割合で第二時短状態が維持され（矢印ｄ参照）、３５％の割合で第一時短状態に移行する（矢印ｅ参照）。この、大当たり又は小当たりであると判定されて実行された１種遊技又は２種遊技の終了後に第一時短状態が設定される割合を、第二所定割合ともいう。

なお、第二時短状態において小当りであると判定されたが、小当たり遊技中に遊技球が特定領域１７２を通過しなかった場合には、小当り遊技に引きつづいて大当り遊技が実行されない。この場合、第二時短状態が維持される（矢印ｐ参照）。また、第二時短状態において、大当たり遊技の終了後に行われた判定回数が１００回に達した場合には、第二時短状態は終了し、遊技状態は通常状態に移行する（矢印ｑ参照）。

また、第二大当たり判定において大当たりであると判定された場合、第二特別図柄決定テーブルに定義されている７Ｒ大当たりＦ〜Ｊのうちいずれかの大当たり種別が決定される。第二時短状態において大当たり判定において大当たりと判定された場合、決定された大当たり種別に応じて、６５％の割合で第二時短状態が維持され（矢印ｆ参照）、３５％の割合で第一時短状態に移行する（矢印ｇ参照）。

矢印ｅ又は矢印ｇに示すように、第二時短状態から大当たり遊技を介して第一時短状態に移行したとする。第一時短状態は、第二時短状態と同様に、電チュー１１に遊技球を入賞させやすい。このため、遊技者は、普通図柄作動ゲート１０に遊技球を通過させて、普通当たり判定において当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。第一時短状態において普通当たり判定によって当たりであると判定されると、第一長開放パターンＰ１による普通当たりが、第二長開放パターンＰ２による普通当たり遊技よりも実行されやすい。したがって、１種時短状態では、第三始動口１４の開閉部材１４１が、第二始動口１３の開閉部材１３１よりも開放状態にされやすい。このため、遊技者は、第一時短状態において、第三始動口１４に遊技球を入賞させて、第一大当たり判定において大当たりであると判定されるように、右打ちによって遊技を進行する。

本実施形態では、第二時短状態における大当たり判定の結果に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に第一時短状態が設定された場合、第二大当たり関係情報記憶エリアに第二保留乱数が記憶されていることがある。本実施形態では、第二保留乱数が記憶されている場合には、第二大当たり判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。第一時短状態において第二大当り判定によって小当たりであると判定されると、第二小当たり開放パターンＱ２で小当たり遊技が実行される。このとき、遊技者は、右打ちの継続により第二大入賞口１７に遊技球を入賞させて特定領域１７２に遊技球を通過させることで、略１００％の確率で大当たり遊技を実行させることができる。すなわち、第二時短状態における大当たり判定の結果に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に第一時短状態が設定された場合、第二保留乱数が記憶されていれば、第一時短状態における最初の大当たり判定において小当たりと判定されることに起因して２種遊技が実行されうる。このように、第二時短状態における大当たり判定の結果に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に、第二時短状態よりも有利度の低い第一時短状態が設定された場合であっても、第二保留乱数が記憶されているときには、再び大当たり遊技が実行されうる。言い換えると、第二時短状態における大当たり判定の結果に基づいて大当たり遊技が実行された後に大当たり遊技が連続的に実行される、所謂連チャンが起こるか否かが、第二保留乱数が記憶されているか否かに応じて左右される。すなわち、第二時短状態における大当たり判定の結果に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に第一時短状態が設定された場合であっても、第二保留乱数が記憶されていれば、連チャンが約束される。したがって、第二時短状態において第二保留乱数を得られるか否かが、遊技者の関心事となる。なお、第二遊技状態における大当たり判定の結果に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に、第二保留乱数に基づいて第二大当り判定によって大当たりであると判定されたときにも、同様の連チャンが起こる。

また、第一時短状態が入賞容易状態４である場合、第一時短状態中に所定の頻度で第二大当り判定が実行される。したがって、遊技者は、第一時短状態であっても、２種遊技が実行されることへの期待感を有しながら、第一時短状態の遊技を進行できる。

第一時短状態において第一大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、第一特別図柄決定テーブルに定義されている「７Ｒ大当たりＡ〜Ｅ」のうちいずれかの大当たり種別が決定される。第一時短状態において大当たり判定において大当たりと判定された場合、決定された大当たり種別に応じて、６５％の割合で第二時短状態に移行し（矢印ｈ参照）、３５％の割合で第一時短状態が維持される（矢印ｉ参照）。この、第一時短状態において大当たり又は小当たりと判定された実行された１種遊技又は２種遊技の終了後に第二時短状態が設定される割合を、第三所定割合ともいう。なお、第一時短状態において、大当たり遊技の終了後に行われた判定回数が１００回に達した場合には、第一時短状態は終了し、遊技状態は通常状態に移行する（矢印ｒ参照）。なお、本実施形態では、遊技状態が時短状態から通常状態に移行した場合に（矢印ｒ，ｑ参照）、第二保留乱数が記憶されているとき、通常状態において第二保留乱数に基づく第二大当たり判定の結果に応じて大当たり遊技が実行されても、大当たり遊技の終了後に時短状態が設定されない。

なお、第一時短状態において第一大当たり判定によって小当たりであると判定された場合、第一特別図柄決定テーブルに定義されている１４Ｒ大当たりＡ〜Ｅのうちいずれかの小当たり種別が決定される。第一時短状態において大当たり判定において小当たりと判定されたことに起因して２種遊技が実行されたときには、決定された小当たり種別に応じて、６５％の割合で第二時短状態に移行し（矢印ｈ参照）、３５％の割合で第一時短状態が維持される（矢印ｉ参照）。また、第一時短状態において第二大当たり判定によって大当たり又は小当たりと判定された場合も同様に、第二特別図柄決定テーブルに定義されているいずれかの当たり種別が決定される。大当たり遊技が終了したときには、決定された当たり種別に応じて、６５％の割合で第二時短状態に移行し（矢印ｈ参照）、３５％の割合で第一時短状態が維持される（矢印ｉ参照）。

図１３および図１４を参照して、ＲＯＭ５３に記憶されている変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターン決定テーブルは、第一大当たり判定に係る第一特別図柄の変動パターンを定義する第一特別図柄変動パターン決定テーブルと、第二大当たり判定に係る第二特別図柄の変動パターンを定義する第二特別図柄変動パターン決定テーブルとを含む。

図１３に示すように、第一特別図柄変動パターン決定テーブルは、第一大当たり判定時の遊技状態（本実施形態では通常状態、第一時短状態又は第二時短状態）及び第一大当たり判定の結果（大当たり、小当たり又ははずれ）に応じて、複数種類の変動パターンを定めている。各変動パターンには、変動パターン決定乱数の値（０〜５１１）が対応付けられている。大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数とともに取得されている変動パターン決定乱数の値に対応する変動パターンが１つ決定される。

図１３に示すように、第一特別図柄変動パターン決定テーブルにおいて、通常状態における第一大当たり判定の判定結果が大当たりの場合には、「リーチ演出Ａ」から「リーチ演出Ｅ」の順に、変動パターンが決定される割合が高くなる。ここで、「リーチ演出」とは、例えば３つの演出図柄のうち２つが同じ図柄で停止するリーチ状態が構成された後に、大当たりの可能性があることを示す演出を実行する報知演出である。一方、判定結果がはずれの場合には、「リーチ演出Ａ」から「リーチ演出Ｅ」の順に、変動パターンが決定される割合が低くなる。したがって、第一大当たり判定の結果が大当たりとなる期待値は、「リーチ演出Ａ」から「リーチ演出Ｅ」の順に高くなる。なお、本実施形態において、「非リーチ」の変動パターンは、リーチ状態に至ることなく演出が終了する報知演出であり、本実施形態では、大当たり判定の結果がはずれの場合にのみ決定される。また、第一大当たり判定の判定結果が小当たりである場合には、「小当たり変動Ａ」及び「小当たり変動Ｂ」の変動パターンが定義されている。

第一時短状態又は第二時短状態についても、通常状態と同様に、各変動パターンが決定される割合が、各変動パターンに対応付けられた変動時間とともに定義されている。図１３に示すように、第一時短状態では、小当たりであると判定された場合のための「小当たり変動Ｃ」及び「小当たり変動Ｄ」の変動パターンが定義されている。「小当たり変動Ｃ」及び「小当たり変動Ｄ」の変動時間は、それぞれ、０．８秒及び１．８秒である。また、第二時短状態では、大当たりであると判定された場合のための「大当たり変動Ａ」、はずれであると判定された場合のための「はずれ変動Ａ」及び「はずれ変動Ｂ」の変動パターンが、それぞれ定義されている。

図１４に示すように、第二特別図柄変動パターン決定テーブルも、第一特別図柄変動パターンと同様に、第二大当り判定時の遊技状態及び第二大当たり判定の結果に応じて、複数種類の変動パターンを割り当てている。第二時短状態における第二大当り判定の判定結果が小当たりである場合には、「小当たり変動Ｃ」、「小当たり変動Ｄ」、「小当たり変動Ｅ」、「小当たり変動Ｆ」及び「小当たり変動Ｇ」のいずれかの変動パターンが決定される。「小当たり変動Ｅ」、「小当たり変動Ｆ」及び「小当たり変動Ｇ」の変動時間は、それぞれ、３．５秒、７秒及び１４秒である。

第二時短状態における報知演出の変動時間が長いほど、遊技者は、普通図柄作動ゲート１０に遊技球を通過させて電チュー１１を開放させることを介して、第二始動口１３に遊技球を入賞させやすくなる。よって、パチンコ機１は、第二時短状態においていずれの変動時間の報知演出が実行されるかに、遊技者の関心を惹くことができる。

「小当たり変動Ｃ」の変動時間は、遊技球発射装置３７による遊技球の発射間隔よりも短いので、「小当たり変動Ｃ」による報知演出が実行される間に遊技球が普通図柄作動ゲート１０を通過する可能性は低い。「小当たり変動Ｃ」、「小当たり変動Ｄ」及び「小当たり変動Ｅ」の変動時間は、時短状態における普通当たり遊技の最長の実行時間（時点Ｔ０から時点Ｔ１０までの６秒）よりも短い。よって、遊技者は、「小当たり変動Ｃ」又は「小当たり変動Ｄ」による報知演出の実行中に、普通当たり遊技を実行させて電チュー１１に遊技球を入賞させられないことがある。また、「小当たり変動Ｆ」及び「小当たり変動Ｇ」の変動時間は、時短状態における普通当たり遊技の最長の実行時間よりも長い。ここで、本実施形態では、普通図柄の変動が開始されてから、普通当たりであることを示す普通当たり図柄が確定表示された後、第二長開放パターンＰ２での普通当たり遊技が実行されて終了するまでにかかる最大時間は、時短状態における普通図柄の変動時間である０．６秒と変動時間時点Ｔ０から時点Ｔ１０までの６秒との合計時間に等しい。「小当たり変動Ｆ」及び「小当たり変動Ｇ」の変動時間は、この普通図柄の変動時間と、変動時間時点Ｔ０から時点Ｔ１０までの時間の合計時間よりも長い。よって、パチンコ機１は、「小当たり変動Ｆ」及び「小当たり変動Ｇ」による報知演出が実行される間に、遊技球が普通図柄作動ゲート１０を通過することを契機として第二長開放パターンＰ２での普通当たり遊技の実行を終了することが可能である。第二長開放パターンＰ２での普通当たり遊技の実行中に電チュー１１に入賞した遊技球は、第一通過領域１９２よりも第二通過領域１９３を通過しやすい。遊技球が第二通過領域１９３を通過すると、第二始動口１３が開放状態になるので、遊技者は、第二始動口１３に遊技球を入賞させることができる。「小当たり変動Ｆ」及び「小当たり変動Ｇ」の変動時間は、第二始動口１３に遊技球を入賞させて、第二保留乱数を記憶させるために必要な時間を確保している。

第二特別図柄変動パターン決定テーブルは、第二時短状態において小当たりであると判定された場合の報知演出の変動パターンに、第一時短状態において小当たりであると判定された場合の報知演出の変動パターンよりも変動時間が長い変動パターン（「小当たり変動Ｅ〜Ｇ」）を設けている。このため、第二時短状態において小当たりと判定された場合には、第一時短状態において小当たりと判定された場合よりも、遊技者は、普通図柄作動ゲート１０に遊技球を通過させて電チュー１１を開放させることを介して、第二始動口１３に遊技球を入賞させやすい。

本実施形態では、第二時短状態から大当たり遊技を経て第一時短状態に移行した場合に、第二保留乱数が記憶されているときには、第一時短状態における最初の大当たり判定において、１／２００確率で大当たり、１９８／２００の確率で小当たりと判定される。すなわち、第一時短状態における最初の大当たり判定においては、略１００％の確率で、大当たり又は小当たりであると判定される。第一時短状態における最初の大当たり判定において小当たりであると判定された場合には、略１００％の確率で小当たり遊技に引き続いて大当たり遊技が実行される。よって、第二時短状態から大当たり遊技を経て第一時短状態に移行した場合に、第二保留乱数が記憶されているときには、略１００％の確率で大当たり遊技が実行される。したがって、第二保留乱数が記憶された状態で第一時短状態に移行できるか、すなわち、第二時短状態の報知演出の実行中に第二保留乱数を記憶できるかによって、第一時短状態に移行してすぐに大当たり遊技が実行されるか否か（連チャンするか否か）が左右される。第二時短状態において実行される報知演出の変動時間が長いほど、第二保留乱数が記憶されやすくなるので、遊技者は第二時短状態において実行される報知演出の変動時間に着目して遊技を進行する。本実施形態では、第二時短状態における第二大当り判定の判定結果が小当たりである場合の変動パターンを、変動時間が異なる小当たり変動Ｃ〜Ｇの複数パターンとすることで、第二時短状態から大当たり遊技を経て第一時短状態に移行した場合に連チャンするか否かに対する遊技者の期待感を煽ることができる。なお、本実施形態では、第二時短状態における第二大当り判定の判定結果が大当たりである場合の変動パターンについても、１５秒とすることで、第二保留乱数を記憶させるために必要な時間を確保している。

図１５から図２５を参照して、パチンコ機１の主基板４１による動作について説明する。パチンコ機１の主制御は、ＲＯＭ５３に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理（図１５参照）は、割込信号発生回路５７（図５参照）が４ｍｓ毎に発生する割込信号をＣＰＵ５１が感知した際に、ＣＰＵ５１において実行される。以下、フローチャートの各ステップについて「Ｓ」と略記する。

図１５に示すように、メイン処理が開始されると、まず、コマンド出力処理が行われる（Ｓ１０）。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板５８、払出制御基板４５、中継基板４７等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、メイン処理においてＲＡＭ５２に記憶された制御コマンドである。

次いで、スイッチ読込処理が行われる（Ｓ１１）。スイッチ読込処理では、普通図柄作動ゲート１０、電チュー１１、第一始動口１２、第二始動口１３、第三始動口１４、第一大入賞口１６、第二大入賞口１７、特定領域１７２、非特定領域１７３、その他入賞口に設けられた各スイッチ（図５参照）の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。

次いで、カウンタ更新処理が行われる（Ｓ１２）。カウンタ更新処理では、ＲＡＭ５２に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、特別図柄の変動時間を計測するためのタイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタの値が減算される。

次いで、特別電動役物処理が行われる（Ｓ１３）。詳細は後述するが、特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる（図２４参照）。大当たり遊技の動作とは、主に第一大入賞口１６の開閉部材１６１及び第二大入賞口１７の開閉部材１７１の開閉動作である。

次いで、特別図柄処理が行われる（Ｓ１４）。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、変動パターンの決定、特別図柄の決定及び遊技状態の移行処理等が行われる（図１９から図２１参照）。

次いで、普通電動役物処理が行われる（Ｓ１５）。詳細は後述するが、普通電動役物処理では、普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。普通当たり遊技の動作とは、主に電チュー１１の開閉部材１１１の開閉動作である（図１８参照）。

次いで、普通図柄処理が行われる（Ｓ１６）。詳細は後述するが、普通図柄処理では、普通当たり判定、普通図柄の決定、電チュー開放パターンの決定等の処理が行われる（図１６及び図１７参照）。

次いで、払出処理（Ｓ１７）、エラーチェック（Ｓ１８）及び情報出力処理（Ｓ１９）が行われる。払出処理では、賞球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面２８及びスピーカ４８等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、遊技場管理用コンピュータ（図示せず）に各種の情報が出力される。

図１６及び図１７を参照して、普通図柄処理（Ｓ１６、図１５参照）の詳細について説明する。まず、普通図柄処理で使用されるフラグについて説明する。ＲＡＭ５２には、普通当たり遊技状態フラグ、普通図柄表示状態フラグ、時短フラグ等が記憶されている。

普通当たり遊技中フラグは、普通当たり遊技中であるかを示すフラグであり、普通当たり遊技中に「１」が記憶されて「ＯＮ」となり、普通当たり遊技中でない場合には「０」が記憶されて「ＯＦＦ」となる。普通図柄表示状態フラグは、普通図柄が変動している場合（変動中）に「１」が記憶されて「ＯＮ」となり、普通図柄が停止表示されている場合（停止表示中）に「２」、普通図柄が変動中でも停止表示中でもない場合に「０」が記憶される。時短フラグは、時短状態中であるかを示すフラグであり、通常状態に「０」、入賞容易状態１に「１」、入賞容易状態２に「２」、入賞容易状態３に「３」、入賞容易状態４に「４」、入賞容易状態５に「５」が記憶される。時短フラグは、「１〜５」が記憶されて「ＯＮ」になり、「０」が記憶されて「ＯＦＦ」になる。

図１６に示すように、普通図柄処理が開始されると、普通図柄作動ゲート１０を遊技球が通過したかがか判断される（Ｓ４１）。ゲートスイッチ７５が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理（Ｓ１１、図１５参照）において、ゲートスイッチ７５に対応するフラグが「ＯＮ」となる。このフラグが「ＯＮ」でない場合には、普通図柄作動ゲート１０を遊技球が通過していないと判断されて（Ｓ４１：ＮＯ）、処理はＳ５１の判断に移行する。普通図柄作動ゲート１０を遊技球が通過していれば（Ｓ４１：ＹＥＳ）、普通保留球数が「４」であるかが判断される（Ｓ４３）。普通当たり関係情報の記憶エリアに記憶されている普通保留球数が「４」であれば（Ｓ４３：ＹＥＳ）、記憶可能な普通保留球の数が上限に達しているため、処理はＳ５１に移行する。

普通保留球数が「４」でない場合（Ｓ４３：ＮＯ）、普通当たり関係情報の記憶エリアに記憶されている普通保留球数に「１」が加算される（Ｓ４５）。次いで、普通当たり乱数が取得され、普通当たり関係情報記憶エリアにおける空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される（Ｓ４６）。処理はＳ５１の判断へ移行する。

次いで、普通当たり遊技中であるかが判断される（Ｓ５１）。普通当たり遊技中フラグが「ＯＮ」である場合、普通当たり遊技中であると判断されて（Ｓ５１：ＹＥＳ）、処理はメイン処理へ戻る。普通当たり遊技中フラグが「ＯＦＦ」である場合、普通当たり遊技中でないと判断されて（Ｓ５１：ＮＯ）、普通図柄が変動中であるかが判断される（Ｓ５２）。普通図柄表示状態フラグが「１」でない場合、普通図柄が変動中でないと判断されて（Ｓ５２：ＮＯ）、普通図柄が停止状態中であるかが判断される（Ｓ５３）。普通図柄表示状態フラグが「２」でない場合、普通図柄が停止状態中でないと判断され（Ｓ５３：ＮＯ）、処理はＳ６１（図１７参照）に移行し、普通当たり判定等の処理が行われる。

次いで、図１７に示すように、普通保留球数が「１」以上であるかが判断される（Ｓ６１）。普通当たり関係情報の記憶エリアに記憶されている普通保留球数が「０」の場合（Ｓ６１：ＮＯ）、処理はメイン処理に戻る。普通保留球数が「１」以上である場合（Ｓ６１：ＹＥＳ）、普通当たり関係情報の記憶エリアに記憶されている普通保留球数が「１」減算される（Ｓ６２）。次いで、普通当たり関係情報の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる（Ｓ６３）。

次いで、時短状態中か否かに応じて、普通当たり判定が行われる（Ｓ６５）。図示しないが、ＲＯＭ５３には、普通当たり判定を行うためのテーブルとして、低確率判定テーブルと、高確率判定テーブルとが記憶されている。低確率判定テーブルは、通常状態中の普通当たり判定に用いられるテーブルであり、「普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する普通当たり乱数の乱数値が定義されている。高確率判定テーブルは、時短状態中の普通当たり判定に用いられるテーブルであり、「普通当たり」及び「はずれ」に各々対応する普通当たり乱数の乱数値が定義されている。Ｓ６５では、時短フラグの状態に基づいて、現時点において時短状態が設定されているかが特定される。時短状態が設定されているかが特定された結果に対応して、低確率テーブル又は高確率テーブルが選択される。選択された低確率判定テーブル又は高確率判定テーブルが参照されて、Ｓ６３でシフトされた判定エリアに記憶されている普通当たり乱数が「普通当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、ＲＡＭ５２に記憶された未判定の普通当たり乱数に基づく普通当たり判定が、普通当たり乱数の記憶された順に行われる。

次いで、普通当たり判定の判定結果が普通当たりであるかが判断される（Ｓ６６）。普通当たり判定の判定結果がはずれの場合（Ｓ６６：ＮＯ）、普通当たり判定の判定結果がはずれであることを示す所定の普通図柄が決定されて（Ｓ７６）、処理はＳ７７に移行する。普通当たり判定の結果が普通当たりである場合（Ｓ６６：ＹＥＳ）、普通当たり判定の判定結果が普通当たりであることを示す普通当たり図柄が決定される（Ｓ７１）。Ｓ７１の処理では、普通図柄決定テーブル（図８参照）が参照されて、Ｓ６３でシフトされた判定エリアに記憶されている普通当たり乱数と同時に取得された普通図柄決定乱数の値に対応する普通当たり図柄が決定される。

次いで、Ｓ７１の処理で決定された普通当たり図柄と、時短フラグの状態に応じて、電チュー開放パターンが決定される（Ｓ７３）。Ｓ７３の処理では、時短フラグの状態に基づいて、現時点において時短状態が設定されているか、時短状態が設定されている場合には入賞容易状態１〜５のいずれが設定されているかが特定される。そして、普通図柄決定テーブル（図８参照）が参照されて、Ｓ７１の処理で決定された普通当たり図柄と、特定された遊技状態とに対応する、短開放パターンＰｔ、第一長開放パターンＰ１及び第二長開放パターンＰ２のうちいずれかが決定される。決定された電チュー開放パターンが、ＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ７５）。

次いで、時短状態か否かに応じた普通図柄の変動時間が、普通図柄変動時間カウンタに記憶される（Ｓ７７）。普通図柄が変動中であることを示す「１」が普通図柄表示状態フラグに記憶されて（Ｓ７８）、処理はメイン処理へ戻る。

また、図１６に示すＳ５２の判断において、普通図柄表示状態フラグに「１」が記憶されている場合には、普通図柄が変動中であると判断されて（Ｓ５２：ＹＥＳ）、普通図柄の変動時間が経過したかが判断される（Ｓ８１）。Ｓ７７の処理においてセットされた普通図柄変動時間カウンタの値が「０」となっている場合には、変動時間が経過したと判断されて（Ｓ８１：ＹＥＳ）、ＲＡＭ５２に普通図柄停止コマンドが記憶される（Ｓ８２）。このコマンドは、コマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）によって中継基板４７に送信され、普通図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の普通図柄停止表示時間が普通図柄停止時間カウンタに記憶される（Ｓ８３）。普通図柄が停止表示中であることを示す「２」が普通図柄表示状態フラグに記憶されて（Ｓ８４）、処理はメイン処理へ戻る。一方、Ｓ８１の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には（Ｓ８１：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。

また、Ｓ５３の判断において、普通図柄表示状態フラグに「２」が記憶されている場合（Ｓ５３：ＹＥＳ）、Ｓ８３においてセットされた普通図柄停止時間カウンタの値によって、普通図柄停止表示時間が経過したかが判断される（Ｓ８６）。普通図柄停止時間カウンタの値が「０」でない場合には、普通図柄停止表示時間がまだ経過していないと判断され（Ｓ８６：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。普通図柄停止表示時間が経過した場合には（Ｓ８６：ＹＥＳ）、普通図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「０」が、普通図柄表示状態フラグに記憶される（Ｓ８７）。次いで、普通当たり判定の判定結果が普通当たりであるかが判断される（Ｓ８８）。普通当たり判定の判定結果がはずれの場合（Ｓ８８：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。普通当たり判定の判定結果が普通当たりの場合（Ｓ８８：ＹＥＳ）、普通当たり遊技中フラグが「ＯＮ」となり（Ｓ８９）、処理はメイン処理へ戻る。

図１８を参照して、普通電動役物処理（Ｓ１５、図１５参照）の詳細について説明する。普通電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。普通電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、電チュー開放中フラグ等が使用される。電チュー開放中フラグは、電チュー１１の開閉部材１１１が開放状態であるかを示すフラグであり、ＲＡＭ５２に記憶される。電チュー開放中フラグは、電チュー１１の開閉部材１１１が開放されている間に「１」が記憶されて「ＯＮ」となり、電チュー１１の開閉部材１１１が閉鎖されると「０」が記憶されて「ＯＦＦ」となる。

普通電動役物処理が開始されると、普通当たり遊技中であるかが判断される（Ｓ９１）。この判断は、普通当たり遊技中フラグの状態によって行われる。普通当たり遊技中フラグが「ＯＦＦ」の場合（Ｓ９１：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。

普通当たり遊技中フラグが「ＯＮ」の場合（Ｓ９１：ＹＥＳ）、電チュー１１の開閉部材１１１が開放中であるかが判断される（Ｓ９２）。この判断は、電チュー開放中フラグの状態によって行われる。電チュー開放中フラグが「ＯＮ」の場合（Ｓ９２：ＹＥＳ）、処理はＳ１０３へ移行する。

電チュー開放中フラグが「ＯＦＦ」の場合（Ｓ９２：ＮＯ）、Ｓ７５（図１７参照）の処理でＲＡＭ５２に記憶された電チュー開放パターンが参照される（Ｓ９３）。次いで、参照された電チュー開放パターンが第一長開放パターンＰ１であるかが判断される（Ｓ９４）。参照された電チュー開放パターンが第一長開放パターンＰ１である場合（Ｓ９４：ＹＥＳ）、Ｐ１開放コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ９５）。Ｐ１開放コマンドは、電チュー１１の開閉部材１１１を、図７に示す第一長開放パターンＰ１の開放パターンで開閉動作させるためのコマンドである。Ｐ１開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において、中継基板４７に送信される。中継基板４７を介してＰ１開放コマンドを受信した電チューソレノイド６８は、電チュー１１の開閉部材１１１を第一長開放パターンＰ１で開閉動作させる。処理はＳ１０１へ移行する。

電チュー開放パターンが第一長開放パターンＰ１でない場合（Ｓ９４：ＮＯ）、電チュー開放パターンが第二長開放パターンＰ２であるかが判断される（Ｓ９６）。電チュー開放パターンが第二長開放パターンＰ２である場合（Ｓ９６：ＹＥＳ）、Ｐ２開放コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ９８）。Ｐ２開放コマンドは、電チュー１１の開閉部材１１１を、図７に示す第二長開放パターンＰ２の開放パターンで開閉動作させるためのコマンドである。Ｐ２開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において、中継基板４７に送信される。中継基板４７を介してＰ２開放コマンドを受信した電チューソレノイド６８は、電チュー１１の開閉部材１１１を第二長開放パターンＰ２で開閉動作させる。処理はＳ１０１へ移行する。

電チュー開放パターンが第二長開放パターンＰ２でない場合（Ｓ９６：ＮＯ）、Ｐｔ開放コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ９９）。Ｐｔ開放コマンドは、電チュー１１の開閉部材１１１を、図７に示す短開放パターンＰｔの開放パターンで開閉動作させるためのコマンドである。Ｐｔ開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において、中継基板４７に送信される。中継基板４７を介してＰｔ開放コマンドを受信した電チューソレノイド６８は、電チュー１１の開閉部材１１１を短開放パターンＰｔで開閉動作させる。処理はＳ１０１へ移行する。

次いで、電チュー開放中フラグが「ＯＮ」になり（Ｓ１０１）、振分シャッタ作動コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ１０２）。振分シャッタ作動コマンドは、振分シャッタ１９５を、図７に示す振分シャッタ動作パターンで動作させるためのコマンドである。振分シャッタ作動コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において、中継基板４７に送信される。中継基板４７を介して振分シャッタ作動コマンドを受信した振分シャッタソレノイド６９は、振分シャッタ１９５を振分シャッタ動作パターンで動作させる。処理はＳ１０３へ移行する。

次いで、電チュー１１へ遊技球が入賞したかが判断される（Ｓ１０３）。電チュースイッチ６４が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理（Ｓ１１、図１５参照）において、電チュースイッチ６４に対応するフラグが「ＯＮ」となる。電チュースイッチ６４に対応するフラグが「ＯＮ」となっていれば電チュー１１に遊技球が入賞したと判断されて（Ｓ１０３：ＹＥＳ）、電チュー１１へ入賞した遊技球の個数を計数するＲＡＭ５２の電チュー入賞球数カウンタに「１」が加算される（Ｓ１０５）。処理はＳ１１１の判断へ移行する。電チュースイッチ６４に対応するフラグが「ＯＦＦ」となっていれば電チュー１１へ遊技球が入賞していないと判断される。電チュー１１へ遊技球が入賞していない場合（Ｓ１０３：ＮＯ）、処理はＳ１１１の判断へ移行する。

次いで、電チュー１１への入賞球数が「１」以上であるかが判断される（Ｓ１１１）。電チュー入賞球数カウンタの値が「１」未満の場合（Ｓ１１１：ＮＯ）、電チュー１１の開閉部材１１１が第一長開放パターンＰ１、第二長開放パターンＰ２又は短開放パターンＰｔでの開閉動作を終了しているかが判断される（Ｓ１１２）。この判断は、図７に示す時点Ｔ０から時点Ｔ１０までの時間が経過しているかによって行われる。開閉部材１１１の開閉動作が終了していなければ（Ｓ１１２：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる普通電動役物処理において、普通当たり遊技中である場合（Ｓ９１：ＹＥＳ）、電チュー１１に１個以上の遊技球が入賞するか、又は開閉部材１１１の開閉動作が終了するまで、これらの判断が繰り返し実行される（Ｓ１１１：ＮＯ、Ｓ１１２：ＮＯ）。

電チュー１１に１個以上の遊技球が入賞するか（Ｓ１１１：ＹＥＳ）、又は開閉部材１１１の開閉動作が終了した場合（Ｓ１１２：ＹＥＳ）、電チュー閉鎖コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ１１３）。電チュー閉鎖コマンドは、開放している電チュー１１の開閉部材１１１を閉鎖させるためのコマンドである。電チュー閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において中継基板４７に送信される。中継基板４７を介して電チュー閉鎖コマンドを受信した電チューソレノイド６８は、電チュー１１の開閉部材１１１を閉鎖させる。次いで、電チュー開放中フラグが「ＯＦＦ」になる（Ｓ１１５）。また、普通当たり遊技中フラグが「ＯＦＦ」になる（Ｓ１１６）。処理はメイン処理へ戻る。

図１９から図２１を参照して、特別図柄処理（Ｓ１４、図１５参照）の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。特別図柄処理では、前述の各種フラグに加えて、大当たり遊技状態フラグ、小当たり中フラグ、特別図柄表示状態フラグ等が記憶されている。

大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中であるかを示すフラグであり、大当たり遊技状態中に「１」が記憶されて「ＯＮ」となり、大当たり遊技状態中でない場合には「０」が記憶されて「ＯＦＦ」となる。なお、大当たり遊技状態フラグが「ＯＮ」であることは、条件装置の作動により役物連続作動装置が作動している状態であることを示す。小当たり中フラグは、小当たり遊技中であるかを示すフラグであり、小当たり遊技中に「１」が記憶されて「ＯＮ」となり、小当たり遊技中でない場合には「０」が記憶されて「ＯＦＦ」となる。特別図柄表示状態フラグは、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれか一方が変動している場合（変動中）に「１」、いずれか一方が停止表示されている場合（停止表示中）に「２」、いずれも変動中でも停止表示中でもない場合に「０」が記憶される。

図１９に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一始動口１２に遊技球が入賞しているかが判断される（Ｓ１２１）。第一始動口スイッチ６１が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理（Ｓ１１、図１５参照）において、第一始動口スイッチ６１に対応するフラグが「ＯＮ」となる。第一始動口１２に遊技球が入賞していれば（Ｓ１２１：ＹＥＳ）、処理はＳ１２３の判断へ移行する。このフラグが「ＯＮ」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて（Ｓ１２１：ＮＯ）、第三始動口１４に遊技球が入賞しているかが判断される（Ｓ１２２）。第三始動口スイッチ６３が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理（Ｓ１１、図１５参照）において、第三始動口スイッチ６３に対応するフラグが「ＯＮ」となる。このフラグが「ＯＮ」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて（Ｓ１２２：ＮＯ）、処理はＳ１３１の判断へ移行する。第三始動口１４に遊技球が入賞していれば（Ｓ１２２：ＹＥＳ）、処理はＳ１２３の判断へ移行する。

次いで、第一保留球数が「４」であるかが判断される（Ｓ１２３）。ＲＡＭ５２に記憶されている第一保留球数が「４」であれば（Ｓ１２３：ＹＥＳ）、記憶可能な保留球の数が上限に達しているため、処理はＳ１３１の判断へ移行する。第一保留球数が「４」でない場合（Ｓ１２３：ＮＯ）、ＲＡＭ５２に記憶されている第一保留球数に「１」が加算される（Ｓ１２５）。次いで、第一乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア（図６参照）における空の記憶エリアのうち、番号が最も小さい記憶エリアに記憶される（Ｓ１２６）。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれＲＡＭ５２に記憶される。その後、処理はＳ１３１の判断へ移行する。

次いで、第二始動口１３に遊技球が入賞しているかが判断される（Ｓ１３１）。第二始動口スイッチ６２が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理（Ｓ１１、図１５参照）において、第二始動口スイッチ６２に対応するフラグが「ＯＮ」となる。このフラグが「ＯＮ」でない場合には、遊技球が入賞していないと判断されて（Ｓ１３１：ＮＯ）、処理はＳ１４１（図２０参照）の判断へ移行する。第二始動口１３に遊技球が入賞していれば（Ｓ１３１：ＹＥＳ）、第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアに乱数が記憶されているかが判断される（Ｓ１３２）。第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアに第二乱数が既に記憶されていれば（Ｓ１３２：ＹＥＳ）、処理はＳ１４１の判断へ移行する。

第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアに第二乱数がまだ記憶されていない場合（Ｓ１３２：ＮＯ）、ＲＡＭ５２に記憶されている第二保留球数に「１」が加算される（Ｓ１３３）。次いで、第二乱数が取得される（Ｓ１３５）。取得された第二乱数は、第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアに記憶される（Ｓ１３５）。

次いで、図２０に示すように、大当たり遊技状態であるかが判断される（Ｓ１４１）。大当たり遊技状態フラグが「ＯＮ」である場合、大当たり遊技状態中であると判断されて（Ｓ１４１：ＹＥＳ）、処理はメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態フラグが「ＯＦＦ」である場合、大当たり遊技状態中でないと判断されて（Ｓ１４１：ＮＯ）、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが変動中であるかが判断される（Ｓ１４２）。特別図柄表示状態フラグが「１」でない場合には、いずれも変動中でないと判断されて（Ｓ１４２：ＮＯ）、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが停止状態中であるかが判断される（Ｓ１４３）。特別図柄表示状態フラグが「２」でない場合は、いずれも停止表示中でないと判断されて（Ｓ１４３：ＮＯ）、処理はＳ１５１（図２１参照）へ移行し、大当たり判定等の処理が行われる。

本実施形態では、大当たり判定において、第二大当り判定が第一大当たり判定よりも優先して行われる。図２１に示すように、まず、第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第二保留球数が「１」であるかが判断される（Ｓ１５１）。第二保留球数が「１」である場合には（Ｓ１５１：ＹＥＳ）、第二大当り判定が行われるが、詳細は後述する。第二保留球数が「０」である場合には（Ｓ１５１：ＮＯ）、第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留球数が「１」以上であるかが判断される（Ｓ１５２）。第一保留球数が「０」であれば（Ｓ１５２：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。

第一保留球数が「１」以上である場合には（Ｓ１５２：ＹＥＳ）、第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第一保留球数が「１」減算される（Ｓ１５３）。次いで、第一大当たり関係情報記憶エリア（図６参照）の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる（Ｓ１５５）。

次いで、第一大当たり判定が行われる（Ｓ１５６）。図示しないが、ＲＯＭ５３には、第一大当たり判定を行うための第一判定テーブルが記憶されている。第一判定テーブルには、「大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」に各々対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。Ｓ１５６では、第一判定テーブルが参照されて、Ｓ１５５でシフトされた判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数が「大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。これにより、第一大当たり関係情報記憶エリアに記憶された未判定の第一大当たり乱数に基づく第一大当たり判定が、第一大当たり乱数の記憶された順に行われる。

次いで、第一大当たり判定の判定結果が大当たりであるかが判断される（Ｓ１６１）。第一大当たり判定の判定結果が大当たりである場合（Ｓ１６１：ＹＥＳ）、第一特別図柄の大当たり種別が決定される（Ｓ１６２）。１６２の処理では、第一特別図柄決定テーブル（図９参照）が参照されて、Ｓ１５５でシフトされた判定エリアに記憶されている大当たり乱数と同時に取得された第一特別図柄決定乱数の値に対応する大当たり種別が決定される。決定された大当たり種別は、ＲＡＭ５２に記憶される。次いで、大当たり遊技準備処理が実行されて（Ｓ１６３）、処理はＳ１９１へ移行する。大当たり遊技準備処理の詳細については後述する。

一方、第一大当たり判定の結果が大当たりでない場合（Ｓ１６１：ＮＯ）、第一大当たり判定の結果が小当たりであるかが判断される（Ｓ１６４）。第一大当たり判定の結果がはずれの場合には（Ｓ１６４：ＮＯ）、はずれであることを示す所定の第一特別図柄が決定されて（Ｓ１６６）、処理はＳ１９１へ移行する。第一大当たり判定の結果が小当たりの場合（Ｓ６４：ＹＥＳ）、第一特別図柄の小当たり種別が決定される（Ｓ１６５）。Ｓ１６５の処理では、第一特別図柄決定テーブル（図９参照）が参照されて、判定エリアに記憶されている第一大当たり乱数と同時に取得された第一特別図柄決定乱数の値に対応する小当たり種別が決定される。決定された小当たり種別は、ＲＡＭ５２に記憶される。次いで、大当たり遊技準備処理が実行されて（Ｓ１６３）、処理はＳ１９１へ移行する。

また、第二保留球数が「１」である場合には（Ｓ１５１：ＹＥＳ）、第二大当たり関係情報記憶エリアに記憶されている第二保留球数が「１」減算される（Ｓ１７１）。次いで、第二大当たり関係情報記憶エリアの判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる（Ｓ１７２）。

次いで、第二大当たり判定が行われる（Ｓ１７３）。図示しないが、ＲＯＭ５３には、第二大当たり判定を行うための第二判定テーブルが記憶されている。第二判定テーブルには、「大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」に各々対応する大当たり乱数の乱数値が定義されている。Ｓ１７３では、第二判定テーブルが参照されて、判定エリアに記憶されている第二大当たり乱数が「大当たり」、「小当たり」及び「はずれ」のいずれに対応するかが判定される。

次いで、第二大当たり判定の結果が大当たりであるかが判断される（Ｓ１８１）。第二大当たり判定の結果が大当たりの場合（Ｓ１８１：ＹＥＳ）、第二特別図柄の大当たり種別が決定される（Ｓ１８２）。Ｓ１８２の処理では、第二特別図柄決定テーブル（図１０参照）が参照されて、判定エリアに記憶されている第二大当たり乱数と同時に取得された第二特別図柄決定乱数の値に対応する大当たり種別が決定される。決定された大当たり種別は、ＲＡＭ５２に記憶される。次いで、大当たり遊技準備処理が実行されて（Ｓ１８３）、処理はＳ１９１へ移行する。なお、Ｓ１８３で実行される大当たり遊技準備処理は、Ｓ１６３で実行される大当たり遊技準備処理と同じ処理である。

一方、第二大当たり判定の結果が大当たりでない場合（Ｓ１８１：ＮＯ）、第二大当たり判定の結果が小当たりであるかが判断される（Ｓ１８５）。第二大当たり判定の結果がはずれの場合には（Ｓ１８５：ＮＯ）、はずれであることを示す所定の第二特別図柄が決定されて（Ｓ１８８）、処理はＳ１９１へ移行する。第二大当たり判定の結果が小当たりの場合（Ｓ１８５：ＹＥＳ）、第二特別図柄の小当たり種別が決定される（Ｓ１８６）。Ｓ１８６の処理では、第二特別図柄決定テーブル（図１０参照）が参照されて、判定エリアに記憶されている第二大当たり乱数と同時に取得された第二特別図柄決定乱数の値に対応する小当たり種別が決定される。決定された小当たり種別は、ＲＡＭ５２に記憶される。次いで、大当たり遊技準備処理が実行されて（Ｓ１８３）、処理はＳ１９１へ移行する。

図２２を参照して、大当たり遊技準備処理（Ｓ１６３及びＳ１８３、図２１参照）について説明する。大当たり遊技準備処理では、大当たり遊技における大入賞口開放パターンが決定され、また、大当たり遊技の終了後に設定する遊技状態をいずれにするかを決定するために、大当たり判定が時短状態中に実行されたかが記憶される。大当たり遊技準備処理では、前述の各種フラグに加えて、時短中当せんフラグ等が使用される。時短中当せんフラグは、大当たり判定が時短状態中に実行されたかを示すフラグであり、ＲＡＭ５２に記憶される。時短中当せんフラグは、大当たり判定が時短状態中に実行された場合に「１」が記憶されて「ＯＮ」となり、大当たり判定が通常状態中に実行された場合に「０」が記憶されて「ＯＦＦ」となる。

大当たり遊技準備処理が開始されると、特別図柄決定テーブルが参照されて、Ｓ１６２、Ｓ１６５、Ｓ１８２及びＳ１８６の各処理で決定された第一特別図柄又は第二特別図柄の当たり種別に応じた大入賞口開放パターンが決定される（Ｓ２１１）。決定された大入賞口開放パターンは、ＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ２１２）。

次いで、時短フラグの状態に基づいて、Ｓ１５６又はＳ１７３の処理において大当たり判定が実行された直後である現時点に、時短状態が設定されているかが判断される（Ｓ２１３）。時短フラグが「ＯＮ」となっており時短状態が設定されている場合（Ｓ２１３：ＹＥＳ）、時短中当せんフラグが「ＯＮ」となり（Ｓ２１４）、処理は特別図柄処理（図２１参照）に戻る。時短フラグが「ＯＦＦ」となっており通常状態が設定されている場合（Ｓ２１３：ＮＯ）、処理は特別図柄処理（図２１参照）に戻る。

図２１の説明に戻る。次いで、変動パターン決定処理が行われる（Ｓ１９１）。変動パターン決定処理は、第一特別図柄及び第二特別図柄の変動パターンを決定する処理である。変動パターン決定処理では、変動パターン決定テーブルが参照されて、大当たり判定が第一大当たり判定及び第二大当たり判定のいずれであるか、大当たり判定時の遊技状態（通常状態、第一時短状態又は第二時短状態）及び大当たり判定の判定結果（大当たり、小当たり又ははずれ）に応じたテーブルが参照されて、特別図柄の変動パターンが決定される。

変動パターンが決定されると、決定された変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ１９２）。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において、サブ制御基板５８に送信される。決定された変動パターンに応じて定められている第一特別図柄又は第二特別図柄の変動時間が、特別図柄変動時間カウンタにセットされる（Ｓ１９３）。第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが変動中であることを示す「１」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて（Ｓ１９４）、処理はメイン処理へ戻る。

また、図２０に示すＳ１４２の判断において、特別図柄表示状態フラグに「１」が記憶されている場合には、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが変動中であると判断され（Ｓ１４２：ＹＥＳ）、変動時間が経過したかが判断される（Ｓ２０１）。Ｓ１９３（図２１参照）の処理においてセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「０」となっている場合には、変動時間が経過したと判断され（Ｓ２０１：ＹＥＳ）、ＲＡＭ５２に特別図柄停止コマンドが記憶される（Ｓ２０２）。このコマンドは、コマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）によって中継基板４７及びサブ制御基板５８に送信され、第一特別図柄又は第二特別図柄、及び表示画面２８の演出図柄の変動停止を指示する。次いで、所定の特別図柄停止表示時間が特別図柄停止時間カウンタに記憶される（Ｓ２０３）。第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれかが停止表示中であることを示す「２」が特別図柄表示状態フラグに記憶されて（Ｓ２０４）、処理はメイン処理へ戻る。一方、Ｓ２０１の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には（Ｓ２０１：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。

また、Ｓ１４３の判断において、特別図柄表示状態フラグに「２」が記憶されている場合（Ｓ１４３：ＹＥＳ）、Ｓ２０３においてセットされた特別図柄停止時間カウンタの値によって、特別図柄停止表示時間が経過したかが判断される（Ｓ２０６）。特別図柄停止時間カウンタの値が「０」でない場合には、特別図柄停止表示時間がまだ経過していないと判断され（Ｓ２０６：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。特別図柄停止表示時間が経過した場合には（Ｓ２０６：ＹＥＳ）、第一特別図柄及び第二特別図柄のいずれもが変動中でも停止表示中でもないことを示す「０」が、特別図柄表示状態フラグに記憶される（Ｓ２０７）。次いで、遊技状態移行処理が行われて（Ｓ２０８）、処理はメイン処理へ戻る。

図２３を参照して、遊技状態移行処理（Ｓ２０８、図２０参照）について詳細に説明する。遊技状態移行処理では、大当たり判定によって大当たりと判定されている場合に、遊技が大当たり遊技状態へ移行される。また、大当たり判定によって小当たりと判定されている場合には、小当たり遊技実行の準備がなされる。また、所定の終了条件が成立した場合には時短状態を終了させるための時短フラグの制御が行われる。

遊技状態移行処理が開始されると、まず、大当たり判定の判定結果が大当たりであるかが判断される（Ｓ２２１）。判定結果が大当たりである場合（Ｓ２２１：ＹＥＳ）、大当たり種別に対応するラウンド数が、ＲｍａｘとしてＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ２２２）。本実施形態では、大当たり種別はすべて「７Ｒ」であるので、Ｒｍａｘとして「７」がセットされる。

次いで、判定回数計数カウンタの値が「０」にクリアされる（Ｓ２２３）。判定回数計数カウンタは、前回の大当たり遊技の終了後から実行された判定回数を計数するカウンタであり、ＲＡＭ５２に記憶される。次いで、時短フラグに「１」〜「５」のいずれかが記憶されていれば、時短フラグに「０」が記憶される（Ｓ２２４）。つまり、大当たり遊技中は、遊技状態が、通常状態に設定される。次いで、大当たり遊技状態フラグが「ＯＮ」となる（Ｓ２２６）。処理は特別図柄処理（図１３参照）へ戻る。

一方、大当たり判定の判定結果が大当たりでない場合（Ｓ２２１：ＮＯ）、判定結果が小当たりであるかが判断される（Ｓ２３１）。大当たり判定の判定結果がはずれの場合（Ｓ２３１：ＮＯ）、処理はＳ２３５に移行する。判定結果が小当たりの場合（Ｓ２３１：ＹＥＳ）、小当たり種別に対応するラウンド数が、ＲｍａｘとしてＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ２３２）。本実施形態では、小当たり種別はすべて「１４Ｒ」であるので、Ｒｍａｘとして「１４」がセットされる。次いで、小当たり中フラグが「ＯＮ」になり（Ｓ２３４）、処理はＳ１４５に移行する。

次いで、判定回数計数カウンタに「１」が加算される（Ｓ２３５）。次いで、判定回数計数カウンタの値が「１００」であるかが判断される（Ｓ２３６）。判定回数計数カウンタの値が「１００」でない場合（Ｓ２３６：ＮＯ）、処理は特別図柄処理へ戻る。判定回数計数カウンタの値が「１００」の場合（Ｓ２３６：ＹＥＳ）、時短フラグが「ＯＦＦ」になり（Ｓ２３８）、処理は特別図柄処理へ戻る。

図２４及び図２５を参照して、特別電動役物処理（Ｓ１３、図１５参照）の詳細について説明する。まず、特別電動役物処理で使用されるフラグについて説明する。特別電動役物処理では、前述の各種フラグに加えて、開放中フラグ及び処理待機中フラグ等が使用される。開放中フラグは、第一大入賞口１６及び第二大入賞口１７が開放状態であるか否かを示すフラグであり、ＲＡＭ５２に記憶される。開放中フラグには、第一大入賞口１６の開閉部材１６１が開放されている場合に「１」、第二大入賞口１７の開閉部材１６１が開放されている場合に「２」、開閉部材１６１，１７１のいずれも開放されていない場合に「０」が記憶される。処理待機中フラグは、第一大入賞口１６の入口が閉鎖されてから次の処理が行われるまでの所定の処理時間が経過する前である処理待機中であるか否かを示すフラグである。処理待機中フラグは、処理待機中に「１」が記憶されて「ＯＮ」となり、処理時間が経過すると「ＯＦＦ」になる。なお、処理時間は、第一大入賞口１６に入賞した遊技球が、遊技領域４の外部へ排出されるまでに必要な時間等を勘案して設定されている。

特別電動役物処理が開始されると、大当たり遊技状態であるかが判断される（Ｓ２４１）。この判断は、大当たり遊技状態フラグの状態によって行われる。大当たり遊技状態フラグが「ＯＮ」の場合（Ｓ２４１：ＹＥＳ）、処理待機中であるかが判断される（Ｓ２４２）。この判断は、処理待機中フラグの状態によって行われる。処理待機中フラグが「ＯＦＦ」の場合（Ｓ２４２：ＮＯ）、第一大入賞口１６の開閉部材１６１が開放されているかが判断される（Ｓ２４３）。この判断は、開放中フラグに「１」が記憶されているかによって行われる。開放中フラグに「１」が記憶されている場合（Ｓ２４３：ＹＥＳ）、処理はＳ２５１の判断へ移行する。

開放中フラグに「１」が記憶されていない場合（Ｓ２４３：ＮＯ）、Ｓ２１２（図２２参照）の処理で記憶された大入賞口開放パターンが参照される（Ｓ２４４）。大入賞口開放パターンに応じた第一開放時間（２８．０秒又は０．１秒）に基づいて第一大入賞口１６の開閉部材１６１を開放させるための第一開放コマンドが、ＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ２４５）。第一開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において中継基板４７に送信される。中継基板４７を介して開放コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド７０は、第一大入賞口１６の開閉部材１６１を、最大２８．０秒又は０．１秒開放させる。

次いで、第一開放時間が、第一開放時間カウンタに記憶される（Ｓ２４６）。第一開放時間カウンタは、第一大入賞口１６の開閉部材１６１の最大開放時間である第一開放時間を計測するためのカウンタであり、ＲＡＭ５２に記憶される。次いで、開放中フラグに「１」が記憶される（Ｓ２４８）。処理はＳ２５１の判断へ移行する。

次いで、第一大入賞口１６へ遊技球が入賞したかが判断される（Ｓ２５１）。第一大入賞口スイッチ７６が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理（Ｓ１１、図１５参照）において、第一大入賞口スイッチ７６に対応するフラグが「ＯＮ」となる。第一大入賞口スイッチ７６に対応するフラグが「ＯＮ」となっていれば第一大入賞口１６に遊技球が入賞したと判断されて（Ｓ２５１：ＹＥＳ）、第一大入賞口１６へ入賞した遊技球の個数を計数するＲＡＭ５２の第一入賞球数カウンタに「１」が加算される（Ｓ２５２）。処理はＳ２５３の判断へ移行する。第一大入賞口スイッチ７６に対応するフラグが「ＯＦＦ」となっていれば第一大入賞口１６へ遊技球が入賞していないと判断される。第一大入賞口１６へ遊技球が入賞していない場合（Ｓ２５１：ＮＯ）、処理はＳ２５３の判断へ移行する。

次いで、第一大入賞口１６への入賞球数が「９」以上であるかが判断される（Ｓ２５３）。第一入賞球数カウンタの値が「９」未満の場合（Ｓ２５３：ＮＯ）、第一開放時間カウンタの値に基づいて第一開放時間が経過したかが判断される（Ｓ２５４）。第一開放時間が経過していなければ（Ｓ２５４：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、大当たり遊技状態であり（Ｓ２４１：ＹＥＳ）、処理待機中でない場合（Ｓ２４２：ＮＯ）、第一大入賞口１６に９個以上の遊技球が入賞するか、又は第一開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し実行される（Ｓ２５３：ＮＯ、Ｓ２５４：ＮＯ）。

第一大入賞口１６に９個以上の遊技球が入賞するか（Ｓ２５３：ＹＥＳ）、又は第一開放時間が経過した場合（Ｓ２５４：ＹＥＳ）、第一閉鎖コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ２５５）。第一閉鎖コマンドは、開放している第一大入賞口１６の開閉部材１６１を閉鎖させるためのコマンドである。第一閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において中継基板４７に送信される。中継基板４７を介して第一閉鎖コマンドを受信した第一大入賞口ソレノイド７０は、第一大入賞口１６の開閉部材１６１を閉鎖させる。

次いで、所定の処理時間が処理時間カウンタに記憶される（Ｓ２５６）。処理待機中フラグが「ＯＮ」になる（Ｓ２５８）。また、開放中フラグに「０」が記憶される（Ｓ２５９）。処理はメイン処理へ戻る。

一方、大当たり遊技状態フラグが「ＯＦＦ」の場合（Ｓ２４１：ＮＯ）、図２５に示すように、小当たり遊技中であるかが判断される（Ｓ２８１）。この判断は、小当たり中フラグの状態によって行われる。小当たり中フラグが「ＯＦＦ」の場合（Ｓ２８１：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。

小当たり中フラグが「ＯＮ」の場合（Ｓ２８１：ＹＥＳ）、第二大入賞口１７の開閉部材１７１が開放されているかが判断される（Ｓ２８２）。この判断は、開放中フラグに「２」が記憶されているかによって行われる。開放中フラグに「２」が記憶されている場合（Ｓ２８２：ＹＥＳ）、処理はＳ２９１の判断へ移行する。

開放中フラグに「２」が記憶されていない場合（Ｓ２８２：ＮＯ）、Ｓ２１２（図２２参照）の処理で記憶された大入賞口開放パターンが参照される（Ｓ２８３）。大入賞口開放パターンに応じた第二開放時間（１．５秒）で、第一小当たり開放パターンＱ１及び第二小当たり開放パターンＱ２のいずれかに基づいて第二大入賞口１７の開閉部材１７１を開放させるための第二開放コマンドが、ＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ２８４）。第二開放コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において中継基板４７に送信される。中継基板４７を介して開放コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド７１は、第二大入賞口１７の開閉部材１７１を開放させる。

次いで、第二開放時間が、第二開放時間カウンタに記憶される（Ｓ２８５）。第二開放時間カウンタは、第二大入賞口１７の開閉部材１７１の最大開放時間である第二開放時間を計測するためのカウンタであり、ＲＡＭ５２に記憶される。次いで、開放中フラグに「２」が記憶される（Ｓ２８６）。

次いで、第二大入賞口１７内の可動片１７４を動作させるための可動片作動コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ２８８）。可動片作動コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において中継基板４７に送信される。中継基板４７を介して可動片作動コマンドを受信した可動片ソレノイド７２は、小当たり遊技中に、可動片１７４を所定動作パターンで動作させる。処理はＳ２９１の判断へ移行する。

次いで、第二大入賞口１７へ遊技球が入賞したかが判断される（Ｓ２９１）。第二大入賞口スイッチ７７が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理（Ｓ１１、図１５参照）において、第二大入賞口スイッチ７７に対応するフラグが「ＯＮ」となる。第二大入賞口スイッチ７７に対応するフラグが「ＯＮ」となっていれば第二大入賞口１７に遊技球が入賞したと判断されて（Ｓ２９１：ＹＥＳ）、第二大入賞口１７へ入賞した遊技球の個数を計数するＲＡＭ５２の第二入賞球数カウンタに「１」が加算される（Ｓ２９２）。処理はＳ２９３の判断へ移行する。第二大入賞口スイッチ７７に対応するフラグが「ＯＦＦ」となっていれば第二大入賞口１７へ遊技球が入賞していないと判断される。第二大入賞口１７へ遊技球が入賞していない場合（Ｓ２９１：ＮＯ）、処理はＳ２９３の判断へ移行する。

次いで、第二大入賞口１７への入賞球数が「３」以上であるかが判断される（Ｓ２９３）。第二入賞球数カウンタの値が「３」未満の場合（Ｓ２９３：ＮＯ）、第二開放時間カウンタの値に基づいて第二開放時間が経過したかが判断される（Ｓ２９５）。第二開放時間が経過していなければ（Ｓ２９５：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、小当たり遊技中の場合（Ｓ２８１：ＹＥＳ）、第二大入賞口１７に９個以上の遊技球が入賞するか、又は第二開放時間が経過するまで、これらの判断が繰り返し実行される（Ｓ２９３：ＮＯ、Ｓ２９５：ＮＯ）。

第二大入賞口１７に３個以上の遊技球が入賞するか（Ｓ２９３：ＹＥＳ）、又は第二開放時間が経過した場合（Ｓ２９５：ＹＥＳ）、第二閉鎖コマンドがＲＡＭ５２に記憶される（Ｓ２９６）。第二閉鎖コマンドは、開放している第二大入賞口１７の開閉部材１７１を閉鎖させるためのコマンドである。第二閉鎖コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理（Ｓ１０、図１５参照）において中継基板４７に送信される。中継基板４７を介して第二閉鎖コマンドを受信した第二大入賞口ソレノイド７１は、第二大入賞口１７の開閉部材１７１を閉鎖させる。次いで、開放中フラグに「０」が記憶される（Ｓ２９８）。また、小当たり中フラグが「ＯＦＦ」になる（Ｓ２９９）。

次いで、小当たり遊技において遊技球が特定領域１７２を通過したかが判断される（Ｓ３０１）。特定領域スイッチ７８が遊技球の通過を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理（Ｓ１１、図１１参照）において、特定領域スイッチ７８に対応するフラグが「ＯＮ」となる。特定領域スイッチ７８に対応するフラグが「ＯＦＦ」となっていれば遊技球が特定領域１７２を通過していないと判断されて（Ｓ３０１：ＮＯ）、時短中当せんフラグが「ＯＮ」となっていれば「ＯＦＦ」になる（Ｓ３０５）。その後、処理はメイン処理へ戻る。

特定領域スイッチ７８に対応するフラグが「ＯＮ」となっていれば遊技球が特定領域１７２を通過していると判断されて（Ｓ３０１：ＹＥＳ）、大当たり遊技状態フラグが「ＯＮ」になる（Ｓ３０２）。すなわち、小当たり遊技において遊技球が特定領域１７２を通過したことにより条件装置の作動により役物連続作動装置が作動する。次いで、Ｒカウンタの値に「１」が加算される（Ｓ３０３）。Ｒカウンタは、大当たり遊技において実行されたラウンド数を計数するカウンタであり、ＲＡＭ５２に記憶される。すなわち、役物連続作動装置の作動に伴い、小当たり遊技が１Ｒ目の大当たりラウンドとして取り扱われ、１Ｒ分の大当たりラウンドとしてラウンド数に換算される。その後、処理はメイン処理へ戻る。

一方、図２４に示すように、処理待機中フラグが「ＯＮ」の場合（Ｓ２４２：ＹＥＳ）、処理時間カウンタの値に基づいて処理時間が経過したかが判断される（Ｓ２６１）。処理時間カウンタの値が「０」でなければ処理時間が経過していないと判断されて（Ｓ２６１：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。以降に行われる特別電動役物処理において、処理時間カウンタの値が「０」であれば処理時間が経過したと判断されて（Ｓ２６１：ＹＥＳ）、処理待機中フラグが「ＯＦＦ」となる（Ｓ２６２）。次いで、Ｒカウンタの値に「１」が加算される（Ｓ２６３）。

次いで、Ｒカウンタの値とＲｍａｘの値とが等しいかが判断される（Ｓ２６５）。Ｒカウンタの値がまだＲｍａｘに至っておらずＲカウンタの値とＲｍａｘの値とが等しくない場合（Ｓ２６５：ＮＯ）、処理はメイン処理へ戻る。Ｒカウンタの値とＲｍａｘの値とが等しい場合（Ｓ２６５：ＹＥＳ）、Ｒカウンタの値と、Ｒｍａｘの値とが「０」にクリアされる（Ｓ２６６）。次いで、大当たり遊技状態フラグが「ＯＦＦ」になる（Ｓ２６８）。処理はＳ２７１に移行する。

次いで、Ｓ１６２、Ｓ１６５、Ｓ１８２及びＳ１８６の各処理で記憶された当たり種別が参照される（Ｓ２７１）。時短中当せんフラグの状態が参照される（Ｓ２７２）。次いで、特別図柄決定テーブルが参照されて、当たり種別と、時短中当せんフラグの状態（大当たり判定が時短状態中に行われたか否か）に応じた、大当たり遊技終了後の遊技状態が特定される（Ｓ２７３）。特定された遊技状態に応じて、通常状態に「０」、入賞容易状態１に「１」、入賞容易状態２に「２」、入賞容易状態３に「３」、入賞容易状態４に「４」、入賞容易状態５に「５」が、時短フラグに記憶される（Ｓ２７５）。その後、時短中当せんフラグが「ＯＮ」となっていれば「ＯＦＦ」になる（Ｓ２７６）。その後、処理はメイン処理へ戻る。

従来、普通当たり判定により判定結果に応じて実行される普通当たり遊技における電チュー開放パターンは、普通当たり図柄の種類に応じて決定されるのみである。パチンコ機１では、電チュー開放パターンが短開放パターンＰｔ、第一長開放パターンＰ１及び第二長開放パターンＰ２のいずれであるかに応じて、開放状態になった電チュー１１に入賞した遊技球が、第一通過領域１９２及び第二通過領域１９３のいずれを通過しやすいかが異なる。第一長開放パターンＰ１で開放された電チュー１１に入賞した遊技球は、第一通過領域１９２を通過しやすい。遊技球が第一通過領域１９２を通過すると、第一作動機構が作動して、第三始動口１４の開閉部材１４１が開放される。第二長開放パターンＰ２で開放された電チュー１１に入賞した遊技球は、第二通過領域１９３を通過しやすい。遊技球が第二通過領域１９３を通過すると、第二作動機構が作動して、第二始動口１３の開閉部材１３１が開放される。すなわち、パチンコ機１では、電チュー開放パターンに応じて、第二始動口１３及び第三始動口１４のいずれに遊技球が入賞しやすくなるかが変化する。パチンコ機１は、第一長開放パターンＰ１及び第二長開放パターンＰ２のそれぞれによる普通当たり遊技の実行のされやすさの異なる入賞容易状態１〜５を、時短状態に設けている。このため、パチンコ機１は、入賞容易状態１〜５のいずれが設定されているかに応じて、第二始動口１３及び第三始動口１４のそれぞれへの遊技球の入賞頻度を多様化できる。したがって、パチンコ機１は、時短状態を多様化して、遊技性を向上できる。

入賞容易状態１，２が含まれる第一時短状態は、第二大当たり判定よりも、第一大当たり判定が行われやすい遊技状態である。入賞容易状態３〜５が含まれる第二時短状態は、第一大当たり判定以上に、第二大当たり判定が行われやすい遊技状態である。第一時短状態において、第一大当たり判定の実行頻度の異なる２つの遊技状態が含まれる。第二時短状態において、第二大当り判定の実行頻度の異なる３つの遊技状態が含まれる。したがって、パチンコ機１は、時短状態を多様化して、遊技性を向上できる。

第一特別図柄は、大当たり種別を有する。したがって、第一大当たり判定によって大当たりであると判定されると、１種遊技が実行される。第二特別図柄は、小当たり種別を有する。したがって、第二大当り判定によって小当たりであると判定されると、小当たり遊技が実行されたことに起因して２種遊技が実行される。よって、第一大当たり判定によって小当たりであると判定された場合、２種遊技の実行される可能性も低い。よって、第二始動口１２及び第三始動口１３のいずれに遊技球が入賞するかに応じて、異なる当たり遊技が実行され得るので、遊技性が多様化する。また、通常状態における大当たり判定の判定結果に応じて大当たり遊技が実行された場合には、大当たり遊技の終了後に第一所定割合で第二時短状態が決定される。すなわち、１種遊技の終了後には、２種遊技の実行され得る第二時短状態が決定されるので、パチンコ機１は、異なる種類の大当たり遊技を楽しめることへの期待感を遊技者に与えることができる。

第二特別図柄変動パターン決定テーブルは、第二時短状態において小当たりであると判定された場合の報知演出の変動パターンとして、変動時間の異なる複数の小当たり変動パターンＣ〜Ｇを備えている。第二時短状態における報知演出の変動時間が長いほど、遊技者は、普通図柄作動ゲート１０に遊技球を通過させて電チュー１１を開放させることを介して、第二始動口１３に遊技球を入賞させやすくなる。小当たり変動Ｆ及び小当たり変動Ｇの変動時間は、少なくとも１つの第二保留乱数を記憶するために必要な時間を確保している。よって、第二時短状態中に第二保留乱数が記憶されやすい。この場合、第二時短状態における大当たり判定の結果に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に、第一時短状態が設定されたときであっても、第二保留乱数に基づく第二大当り判定が実行されることで、再び大当たり遊技が実行される連チャンが起こりうる。したがって、パチンコ機１は、第二時短状態において実行される報知演出に、遊技者の関心を惹くことができる。

本実施形態において、普通図柄作動ゲート１０が、本発明の「通過口」に相当する。電チュー１１が、本発明の「作動入賞口」に相当する。第一通過領域１９２が、本発明の「第一領域」に相当する。第二通過領域１９３が、本発明の「第二領域」に相当する。図１７のＳ４６において普通当たり乱数を取得する主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第一乱数取得手段」として機能する。図１６のＳ６５において普通当たり判定を実行する主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第一判定手段」として機能する。普通当たり遊技が、本発明の「第一当たり遊技」に相当する。図１７のＳ７１において普通当たり図柄を決定する主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第一決定手段」として機能する。普通図柄が、本発明の「第一図柄」に相当する。図１７のＳ７３において電チュー開放パターンを決定する主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第二決定手段」として機能する。図１８に示す普通電動役物処理を実行する主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第一実行手段」として機能する。図２３のＳ２２４，Ｓ２３８、図２４のＳ２７５において時短フラグの制御を行う主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「設定手段」として機能する。

通常状態が、本発明の「通常遊技状態」に相当する。時短状態が、本発明の「時短遊技状態」に相当する。第一時短状態が、本発明の「第一遊技状態」に相当する。第二時短状態が、本発明の「第二遊技状態」に相当する。第三始動口１４が、本発明の「第一始動口」に相当する。図１９のＳ１２６において第一乱数を取得する主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第二乱数取得手段」として機能する。第二始動口１３が、本発明の「第二始動口」に相当する。図１９のＳ１３５において第二乱数を取得する主基板４１のＣＰＵ５１が、主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第三乱数取得手段」として機能する。図２１のＳ１５６において第一大当たり判定を行う主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第二判定手段」として機能する。図２１のＳ１７３において第二大当たり判定を行う主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第三判定手段」として機能する。１種遊技が、本発明の「第二当たり遊技」に相当する。小当たり遊技が、本発明の「第三当たり遊技」に相当する。２種遊技が、本発明の「第四当たり遊技」に相当する。図２４及び図２５に示す特別電動役物処理を実行する主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「第二実行手段」として機能する。特別図柄が、本発明の「第二図柄」に相当する。図２１のＳ２０３，２０４，２０８、図２１のＳ１９３，１９４において特別図柄の変動表示を制御する主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「報知手段」として機能する。変動パターン決定テーブルを記憶する主基板４１のＲＯＭ５３が、本発明の「変動パターン記憶手段」に相当する。図１９のＳ１３５において第二乱数を記憶する主基板４１のＣＰＵ５１が、主基板４１のＣＰＵ５１が、本発明の「乱数記憶手段」として機能する。

本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能である。上記実施形態では、第一大当たり判定による判定結果に応じて第一小当たり開放パターンＱ１で実行される小当たり遊技では、第二大入賞口１７に入賞する遊技球が特定領域１７２をほとんど通過しない。これにより、第二大当り判定による判定結果に応じて第二小当たり開放パターンＱ２で実行される小当たり遊技において、第二大入賞口１７に入賞した遊技球のうち少なくとも１個が特定領域１７２を略１００％の確率で通過しても、特定領域１７２を通過する遊技球の総数が、第二大入賞口１７に入賞する遊技球の総数の所定割合を超えないようにされている。この点、第二大当り判定による判定結果に応じて実行される小当たり遊技において、第二大入賞口１７に入賞した遊技球のうち少なくとも１個が特定領域１７２を通過する確率が１００％未満になるように、第二小当たり開放パターンＱ２及び可動片動作パターンが設計されていてもよい。

上記実施形態では、最大第二保留球数が「１」であるが、最大第二保留球数を「２」以上の任意の数としてもよい。上記のように、第二小当たり開放パターンＱ２で実行される小当たり遊技において第二大入賞口１７に入賞した遊技球のうち１個も特定領域１７２を通過しないことがあるような場合には、第二時短状態における大当たり判定の結果に基づいて実行された大当たり遊技の終了後に第一時短状態が設定されたときに記憶されている第二保留乱数が多いほど、小当たり遊技が複数回行われやすくなる。すなわち、第一時短状態に移行したときに記憶されている第二保留乱数が多いほど、第一時短状態において第二大当り判定によって小当たりであると判定されて、小当たり遊技が実行される回数が増加しやすくなる。小当たり遊技が実行される回数が増加するほど、小当たり遊技において第二大入賞口１７に入賞した遊技球が特定領域１７２を通過する可能性が高まるので、連チャンが起こりやすくなる。したがって、パチンコ機１は、最大第二保留球数を「２」以上にすることで、第二時短状態において、いかに多くの第二保留乱数を記憶させることができるかに、遊技者の関心を集めることができる。このような遊技者の関心を高めるため、パチンコ機１は、複数の第二保留乱数を記憶するために必要な時間を確保した変動時間を有する変動パターンを、第二変動パターン決定テーブルに記憶してもよい。

第二大当り判定による判定結果に応じて実行される小当たり遊技を、第二大入賞口１７に遊技球が１０個以上入賞できるよう構成してもよい。この場合、第二大入賞口１７に入賞した遊技球のうち、特定領域１７２を通過する遊技球の割合が約１／１０となるように、第二小当たり開放パターンＱ２及び可動片１７４の動作パターンを定めてもよい。パチンコ機１は、このようにして、第二大当り判定による判定結果に応じて実行される小当たり遊技において、第二大入賞口１７に入賞した遊技球のうち少なくとも１個は、特定領域１７２を略１００％の確率で通過するようにしてもよい。この場合、第一特別図柄に小当たり種別が設けられなくてもよい。言い換えると、第一大当たり判定は、少なくとも大当たり判定を実行し、小当たり判定を実行しないように構成されていてもよい。

上記実施形態では、通常状態において第一大当たり判定によって大当たりであると判定された場合、１種遊技の終了後に６５％の割合で第二時短状態に移行する（矢印ａ参照）。また、第二時短状態において大当り判定によって大当たり又は小当たりであると判定された場合、６５％の割合で第二時短状態が維持される（矢印ｄ，ｆ参照）。また、一種時短状態において大当り判定によって大当たり又は小当たりであると判定された場合、１種遊技又は２種遊技の終了後に６５％の割合で第二時短状態が設定される（矢印ｈ参照）。このように、上記実施形態では、各遊技状態における大当たり判定による判定結果に応じて実行される大当たり遊技の終了後に第二時短状態が設定される割合が同じである。これを、大当たり判定の実行された遊技状態に応じて、大当たり遊技の終了後に第二時短状態が設定される割合が異なるようにしてもよい。小当たりであると判定された時点の遊技状態と小当たり種別との組合せに、２種遊技の終了後に１種時短状態が設定される組合せが少なくとも一つ含まれていれば、第一所定割合、第二所定割合及び第三所定割合は、遊技性に応じて任意に設定してもよい。

上記実施形態では、第一時短状態が、入賞容易状態１，２を含んでいるが、例えば、第一時短状態が入賞容易状態１のみを含んでもよい。言い換えると、第一時短状態は、普通当たり判定によって普通当たりと判定された場合には、いずれの普通当たり種別が決定されても第一長開放パターンＰ１による普通当たり遊技が実行されるように構成されていてもよい。

上記実施形態では、第二時短状態が、入賞容易状態３〜５を含んでいるが、例えば、第二時短状態が入賞容易状態３を含まなくてもよい。言い換えると、第二時短状態が、第一大当たり判定よりも第二大当り判定が実行されやすい遊技状態のみを含むように構成されていてもよい。

パチンコ機１において、第一時短状態では、第一特別図柄の変動に同期して変動する演出図柄の変動を主体として報知演出が実行される。第二時短状態では、小当たり遊技が実行されて実行される第二大入賞口１７の開閉部材１７１の開閉動作を主体として遊技が進行する。このため、第二特別図柄の変動に同期して変動する演出図柄は、第一特別図柄の変動に同期して変動する演出図柄よりも小さく表示されてもよい。また、第二特別図柄の変動に同期して変動する演出図柄が設けられなくてもよい。

上記実施形態では、第二時短状態における第二大当り判定の判定結果が小当たりである場合の変動パターンとして、変動時間に第二保留乱数を記憶させるために必要な時間を確保したものと、第二保留乱数を記憶させるために必要な時間を確保していないものとを設けている。例えば、第二時短状態における第二大当り判定の判定結果が小当たりである場合の変動パターンを、変動時間に第二保留乱数を記憶させるために必要な時間を確保しているもののみで構成してもよい。この場合、通常状態における大当たり判定によって大当たりと判定される初当たりをすることで、大当たり遊技が実行された後に第二時短状態に移行すると、第二時短状態における大当たり判定によって小当たりであると判定されて、２種遊技が実行される。２種遊技の終了後に第一時短状態が設定された場合であっても、第二保留乱数が記憶されているので、第一時短状態において第二大当り判定が実行されれば、高い確率で小当たりであると判定されて、小当たり遊技が実行される。したがって、初当たりをすると、少なくとも２回の２種遊技が保障されることとなる。すなわち、パチンコ機１は、確変２回ループと呼ばれるような、１回大当たりと判定されると、そこからさらに２回の大当たりが約束される遊技性を実現することができる。

請求項、明細書及び図面に記載される全ての要素（例えば、表示手段、可動手段、対応画像等）は、個数を意識的に限定する明確な記載がない限り、物理的に単一であっても複数であっても構わないし、適宜配置の変更が行われても構わない。また、前記要素につけられた名称（要素名）は、単に本件の記載のために便宜上付与したにすぎないものであり、それによって特別な意味が生じることを特に意識したものではない。従って、要素名のみによって要素が何であるかが限定解釈されるものではない。例えば、「主基板」は、ハード単体でも、ソフトを含んだものであっても構わない。更には、上記全ての要素のうちの複数の要素を適宜一体的に構成するか、もしくはひとつの要素を複数の要素に分けて構成するかは、何れも当業者であれば容易に考えられる事項であり、敢えて明細書等において全パターンを記載しなくても何れのパターンも想定範囲内であることは明らかであることから、特許請求の範囲等においてそれらを明確に除外している旨の記載がない限りは、それら全てについて本発明に係る権利範囲に含まれることは言うまでもない。従って、その程度の範囲内での構成上の差異を、本実施例に記載がなされていないことを理由に遊技機に採用することのみでは、本発明に係る権利を回避したことにはあたらない。その他、各要素の構成や形状等における、本実施例から当業者であれば容易に考えられる自明な範囲の差異についても同様である。

１ パチンコ機
１０ 普通図柄作動ゲート
１１ 電チュー
１３ 第二始動口
１４ 第三始動口
１６ 第一大入賞口
１７ 第二大入賞口
４１ 主基板
５１ ＣＰＵ
５３ ＲＯＭ
１７２ 特定領域
１９２ 第一通過領域
１９３ 第二通過領域

Claims (4)

1. 遊技球が通過する通過口と、
   遊技球が入賞困難又は入賞不能な第一状態と、前記第一状態よりも遊技球が入賞容易な第二状態とに作動可能な作動入賞口と、
   前記作動入賞口に入賞した遊技球が通過可能な第一領域及び第二領域と、
   前記通過口を遊技球が通過することを契機として第一乱数を取得する第一乱数取得手段と、
   前記第一乱数取得手段によって取得された前記第一乱数に基づいて前記作動入賞口を前記第一状態から前記第二状態に少なくとも一回作動させる第一当たり遊技を実行するかを判定する第一判定手段と、
   前記第一判定手段による判定結果を示す第一図柄の種類を決定する第一決定手段と、
   前記第一当たり遊技において前記作動入賞口が前記第一状態から前記第二状態に作動するパターンであって、前記作動入賞口に入賞した遊技球が前記第二領域よりも前記第一領域を遊技球が通過しやすい第一作動パターンと、前記作動入賞口に入賞した遊技球が前記第一領域よりも前記第二領域を遊技球が通過しやすい第二作動パターンとを少なくとも含む複数の作動パターンのうちからいずれかを決定する第二決定手段と、
   前記第二決定手段によって決定された前記作動パターンに応じて前記第一当たり遊技を実行する第一実行手段と、
   遊技球が前記第一領域を通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する第一始動口と、
   遊技球が前記第二領域を通過した場合に前記第一状態から前記第二状態に作動する第二始動口と、
   前記第二決定手段によって前記複数の作動パターンのそれぞれが決定される割合が互いに異なる複数の遊技状態のうちいずれかを設定する設定手段と
   を備え、
   前記第二決定手段は、前記第一決定手段によって決定された前記第一図柄の種類と、前記第一図柄の種類が決定された時点において前記設定手段によって設定されている遊技状態に応じて、前記複数の作動パターンのうちからいずれかを決定することを特徴とする遊技機。
2. 前記設定手段によって設定される前記複数の遊技状態には、通常遊技状態と、前記通常遊技状態よりも前記第一判定手段によって前記第一当たり遊技が実行されやすい時短遊技状態とが含まれ、
   前記時短遊技状態には、前記第一実行手段によって、前記第一作動パターンに応じた前記第一当たり遊技が前記第二作動パターンに応じた前記第一当たり遊技よりも実行されやすい第一遊技状態と、前記第一実行手段によって、前記第二作動パターンに応じた前記第一当たり遊技が前記第一作動パターンに応じた前記第一当たり遊技以上に実行されやすい第二遊技状態とが少なくとも含まれ、
   少なくとも前記第二遊技状態には、前記第二決定手段によって前記第二作動パターンの決定される割合が互いに異なる前記複数の遊技状態が含まれることを特徴とする請求項１に記載の遊技機。
3. 前記第一始動口へ遊技球が入賞することを契機として第二乱数を取得する第二乱数取得手段と、
   前記第二始動口へ遊技球が入賞することを契機として第三乱数を取得する第三乱数取得手段と、
   前記第二乱数取得手段によって取得された前記第二乱数に基づいて第二当たり遊技を実行するかを少なくとも判定する第二判定手段と、
   前記第三乱数取得手段によって取得された前記第三乱数に基づいて第三当たり遊技を実行するかを少なくとも判定する第三判定手段と、
   前記第二判定手段による判定結果及び前記第三判定手段による判定結果のそれぞれに応じて、前記第二当たり遊技、前記第三当たり遊技、及び、前記第三当たり遊技が実行されたことに起因する第四当たり遊技を、それぞれ実行する第二実行手段とを備え、
   前記設定手段は、前記通常遊技状態における前記第二判定手段及び前記第三判定手段のいずれかによる判定結果に応じて前記第二実行手段によって少なくとも前記第二当たり遊技が実行された場合、当該第二当たり遊技の終了後に第一所定割合で前記第二遊技状態を設定することを特徴とする請求項２に記載の遊技機。
4. 第二図柄を所定時間変動させた後に前記第二図柄を確定表示する変動表示を実行することで、少なくとも前記第三判定手段による判定結果を報知する報知手段と、
   前記変動表示の時間のパターンである変動パターンを複数記憶可能な変動パターン記憶手段と、
   前記報知手段によって前記変動表示が実行されている間に前記第三乱数取得手段によって取得された前記第三乱数を、前記第三判定手段による判定が保留された保留乱数として記憶する乱数記憶手段とを備え、
   前記変動パターン記憶手段は、前記第二遊技状態における前記変動パターンとして、前記第二始動口へ遊技球が入賞することに応じて前記乱数記憶手段が少なくとも１つの前記保留乱数を記憶するために必要な時間に対応する前記変動パターンを少なくとも記憶していることを特徴とする請求項３に記載の遊技機。

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